表示装置
【課題】表示状態を電気的に表示パネルより読み出す表示装置を用い、電力供給が停止した際の表示状態を保持し、電力供給の有無で表示データの取得先を切り替えが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の表示装置はメモリ性を備えた表示パネル1と、表示状態を電気的に読み取る読み取り手段3と記憶手段4を備えている。この表示装置は、電力供給が復帰した最初の表示の時のみ表示データの取得先を記憶手段4から表示パネル1に切り替えることができる。このため、表示装置に電源供給が断たれ記憶手段4内の表示データが消失した場合においても、電力供給が復帰した時点で表示パネル1から表示データを読み取ることができる。これにより停電時のバックアップ用のバッテリが不要であり、また新たに不揮発性記憶媒体を搭載する必要もないので、表示装置の低コスト化、小型化が可能である。
【解決手段】本発明の表示装置はメモリ性を備えた表示パネル1と、表示状態を電気的に読み取る読み取り手段3と記憶手段4を備えている。この表示装置は、電力供給が復帰した最初の表示の時のみ表示データの取得先を記憶手段4から表示パネル1に切り替えることができる。このため、表示装置に電源供給が断たれ記憶手段4内の表示データが消失した場合においても、電力供給が復帰した時点で表示パネル1から表示データを読み取ることができる。これにより停電時のバックアップ用のバッテリが不要であり、また新たに不揮発性記憶媒体を搭載する必要もないので、表示装置の低コスト化、小型化が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関するものである。詳しくは表示内容を電気的に読み込む機能を有し、その情報を元に再度表示装置に書き込むことができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字、画像などの情報を表示する表示装置が数多く提案されており、その中には表示装置を表示のみに利用するのではなく、表示以外の機能をもたせたものもある。
【0003】
例えば、特許文献1にあるような液晶表示装置に表示のみに利用するのではなく、液晶の容量を利用して表示状態を記憶する機能のある液晶表示装置が提案されている。その構成は図11の通りである。図11において、200は情報書き込み/読み出し制御手段であり、そして200A書き込み制御手段、200B読み出し制御手段、200C制御手段から構成されている。201は表示制御手段、202は液晶表示手段である。特許文献1の実施例の場合、液晶の静電容量を利用して表示状態を呼びだし、液晶を記憶手段の代わりとして表示状態の格納にも用いている。
【0004】
【特許文献1】特許公開平成4−291393号公報(第3項、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、電力量計や自動車等に備えられている積算距離計などに、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネルを備えたものがある。これらの装置では積算測定量を算出するのに、計測機器等から瞬間的な測定量である瞬時測定量を求め、この値とメモリ内に保存されているこれまでの瞬時測定量の総和である積算測定量を足し合わせ新たの積算測定量として再度メモリに保存している。このデータを元に表示パネルに積算測定量を表示している。このような表示装置の場合、積算測定量を保存するメモリには揮発性メモリを使用している。積算測定量はデータの表示する際に常に更新が必要とされるので、例えば故障や停電などで電力供給が断たれた場合その時点での積算測定量と電力供給が戻った時点での積算測定量を一致させる必要がある。
【0006】
そのため、これらの表示装置では電力供給が断たれた場合に揮発性メモリの中に保存されている積算測定量の消失を防ぐためにバッテリなどの蓄電手段を備えている。この場合停電時には電力供給先をバッテリに切り替えることで揮発性メモリへの電力供給を行っている。しかし、長期間揮発性メモリ内の積算測定量を保持しておくには大容量のバッテリが必要であるために装置の高コスト化、大型化につながっていた。
【0007】
また、別の方法として停電時には積算測定量をフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ積算測定量に記憶する物もある。不揮発性メモリは電力が停止しても記憶内容が失われないため、電力供給が停止した際に積算測定量を不揮発性メモリ内に保存すればデータの消失を防ぐことができる。しかし、現在実用化されている不揮発性メモリは消去・書き込み可能回数がおよそ20〜50万回と限られているため、書き換え頻度の高い機器のデータ保存には適しておらず、通常時には揮発性メモリ、停電時の積算測定量記憶用途として不揮発性メモリと2種類のメモリを搭載するのが一般的である。そのため、揮発性メモリの他に停電補償用の不揮発性メモリを増設しなければならず、コストの高騰につながっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では以下の構成を採用する。メモリ性を備えた表示
パネルを用いた表示装置において、表示装置へ供給する電力が遮断されているか否かを検出する電力検出手段と、表示パネルで表示する1回分のデータを記憶する記憶手段と、表示パネルで表示した1回分のデータを表示パネルから読み取る表示読み取り手段と、1回分のデータを表示するため、表示パネルへ電圧を印加するコントローラーとを備え、電力検出手段が、電力が遮断されていない状態であることを検知している時には、記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、かつ表示パネルで表示の書き換えが随時行われ、電力検出手段が、電力が遮断された後、電力が復帰したことを検知した時には、表示読み取り手段が、表示パネルから1回分のデータを読み取り、読み取った1回分のデータを前記コントローラーへ転送し、表示パネルで表示され、その後は記憶手段からコントローラーへ1回分のデータが随時転送され、表示パネルで表示の書き換えが随時行われることを特徴とする。
【0009】
メモリ性を備えた表示パネルは、強誘電性液晶を用いた液晶表示パネルであることを特徴とする。表示読み取り手段は、液晶表示パネルに電圧を印加したときに生じる分極反転電流を検出する手段であることを特徴とする。分極反転電流を検出するための電圧波形はプラスとマイナスの両極性の三角波であることを特徴とする。
【0010】
さらに、計量を行う計量手段を備え、記憶手段で記憶される1回分のデータは、計量手段で計測された瞬時測定量が積算されて得られたデータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置はメモリ性を備えた表示パネルと表示状態を電気的に読み取る読み取り手段と記憶手段を備えている。この表示装置は、電力供給が復帰した最初の表示の時のみ表示データの取得先を記憶手段から表示パネルに切り替えることができるため、表示装置に電源供給が断たれ記憶手段内の表示データが消失した場合においても、電力供給が復帰した時点で表示パネルから表示データを読み取ることができる。これにより停電時のバックアップ用のバッテリが不要であり、また新たに不揮発性メモリを搭載する必要もないので、表示装置の低コスト化、小型化が可能である。
【0012】
メモリ性のある強誘電性液晶を内蔵した表示装置において、分極反転電流測定時に、印加する電圧は三角波とする。ただし、その三角波の極性はプラスとマイナスそれぞれ1度づつとし、液晶に直流成分が印加されることを防ぐ。また印加と同時に表示状態のリセットを行うことができるので、再書き込み時の処理速度向上につながる。
【0013】
本発明は表示装置を備えた電子機器において、バッテリ等によるメモリバックアップ機能を有するにものに広く応用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る表示装置の実施形態について説明する。実施形態は、メモリ性のある表示パネルとして強誘電性液晶を内蔵したセグメント型の表示パネルを例にとって説明する。
【0015】
図1は、本発明の表示装置を説明する回路ブロック図である。図1において、1は表示パネル、2は中央処理装置、3は読み取り手段、4は記憶手段、5はコントローラー、6は走査側駆動IC、7は信号側駆動IC、8は計量手段、9は電力検出手段である。図中の白抜き矢印は、信号の流れを模式的に示すものである。図示はしないが中央処理装置2の内部メモリ(例えば、ROM)には、本発明の表示装置の動作を制御する制御プログラムが格納されている。この制御プログラムによって、中央処理装置2は、制御手段として動作する。
【0016】
計量手段8で測定された瞬時測定量は、所定のデータ形式に変換され、中央処理装置2に送られる。中央処理装置2は、入力されたこれらの情報に基づいて制御信号をコントローラー5に送信する。コントローラー5は、信号側駆動IC7と走査側駆動IC6とを制御し、表示パネル1の各透明電極に電圧を印加して所定の表示状態になるよう表示パネル1を動作させる。
【0017】
本発明の表示パネル1は、その表示書き換え時以外に電力を必要とせず表示状態を維持するときに電力のかからないメモリ性を有する表示パネルを用いる。実施例では強誘電性液晶を用いたものをあげているが、これには限定されずコレステリック液晶など用いた表示パネルでもよい。
【0018】
中央処理装置2は記憶手段4と接続しており、計量手段8から測定されたの瞬時測定量の情報を記憶することができる。記憶手段4では、記憶手段4内に保持されているこれまでの積算測定量と測定された瞬時測定量とが加算されて新たな積算測定量として保存される。これらの測定量は、中央処理装置2によって書き込み、消去が自在に行われるとともに、この積算測定量を表示パネル1に表示させることができる。
【0019】
図2aは本実施例における表示パネル1の平面図である。表示パネル1は積算測定量を表示できるようにセグメント型の画素に形成してある。10は上側ガラス基板に形成されている透明電極パターン、11の点線四角は下側ガラス基板に形成されている透明電極パターンである。図2aでは三桁の表示になっているが、何桁の表示でもかまわない。
【0020】
セグメント型の画素は透明電極膜により形成されている。この透明電極膜は、ガラス基板にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)の膜を形成し、所定の形状にフォトリソグラフィ技術を用いてパターンニングを行って形成したものである。
【0021】
次に表示パネルの駆動方法について説明する。ここではメモリ性を備えた表示パネルとして強誘電性液晶を用いた表示パネルの駆動方法を例にとって説明する。表示パネルを駆動方法により分類すると、スタティック駆動方法と時分割駆動方法とがある。図2aに示すようなセグメント型の表示パネルは、通常、スタティック駆動方法がもちいられ、各セグメントは個別に駆動回路をもち独立かつ同時に駆動される。しかし、セグメント数の多いセグメント型やマトリックス型では時分割駆動方法によって表示を行っている。
【0022】
時分割駆動をおこなう場合の表示パネル1に形成されているパターンの例を図2bに示す。12は走査側電極郡、13は信号側電極郡、14は1行1列のセグメント画素、15は1行2列のセグメント画素である。図2bは図2aを上下基板に分割したときにガラス基板に形成されているITO膜の形状であるがこれは例であって上下基板の透明電極の分割はこれに限定されるものではない。
【0023】
この場合各セグメントに電極が存在しているのではなく走査電極群12すなわちCOM1〜COM3と信号電極郡13すなわちSEG1〜SEG7というように上下のガラス基板で縦、横に電極が分割されており、1ライン毎に例えばCOM1、COM2、・・・へと、走査側駆動IC6から走査側電圧波形として電圧が順次印加され、それに同期した信号側電圧波形が、同様に信号側駆動IC7からSEG1〜SEG7へと並列に印加される。なお、信号側電圧は画素に表示される内容に応じた信号波形が出力する。
【0024】
ここで、強誘電性液晶の電気光学効果について説明する。図3は強誘電性液晶の透過率と電圧の特性図である。強誘電性液晶は2つの安定状態を持ち、その2つの安定状態はある閾値を超えた電圧を印加することによって状態が切り替わり、印加電圧の極性によって
第1の安定状態あるいは第2の安定状態を選択することができる。
【0025】
強誘電性液晶のようなメモリ性を有する液晶では、電圧印加前、液晶分子は第1の安定状態または第2の安定状態のいずれか片方に位置しており、電圧が印加されないかぎりこの状態を保持することができる。
【0026】
図3を例に説明する。初めどちらかの安定状態にであった液晶分子は、印加電圧を徐々に上げて行くとV1になったところで第1の安定状態に切り替わり始め、V2に達したところですべての液晶分子が第1の安定状態になる。その後V2から徐々に電圧を下げていくと、V3になるまでは液晶分子は第1の安定状態のままであるが、印加電圧がV3よりも大きくなったところで液晶分子が第2の安定状態に切り替わり始める。更に印加電圧がV4に達するとすべとの液晶分子が第2の安定状態になる。よって、印加電圧が0となる電圧無印加時には、第1の安定状態か第2の安定状態のどちらかが維持される。そして、表示状態を逆にするためには閾値以上の逆極性の電圧を印加する必要がある。
【0027】
強誘電性液晶は、閾値以上の異なる極性の電圧を印加すると図4に示すように層法線からチルト角θだけ傾いた2つの安定状態のみをとることができる。ここで、16は液晶分子、図4中の矢印は自発分極の向きである。つまり、閾値以上の電圧を印加すると片方の安定状態からもう一方の安定状態になることで液晶分子の光軸は2θ変化する。このときの入射光量と透過光量の関係は以下の数式になる。
【0028】
Iout=Iin*Sin2(2θ)*Sin2(πΔnd/λ)
【0029】
上記数式においてIinは入射光量、Ioutは透過光量、Δnは液晶分子の複屈折率異方性、dはセルギャップ、λは入射波長である。
【0030】
図5のように、上偏光板17と下偏光板18との二枚の偏光板の偏光軸が90°で交差する配置のとき、どちらか一方の安定状態時の光軸を片方の偏光板の偏光軸と一致させるとθ=0、すなわち透過光量は0となり、光は透過せず液晶表示装置は黒表示となる。一方、液晶分子16が動作する閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子16の光軸は2θ変化して光は透過し白表示となる。このとき、チルト角θが22.5度になるように液晶分子16を配向させると、透過光量が最大となる。
【0031】
このような電気光学特性をもつ強誘電性液晶の駆動方法は、図6のようなリセットパルス駆動を用いる。図6のTP1、TP2は、図2(b)の走査電極COM1、走査電極COM2に印加される走査側電圧波形、SG1は図2(b)の信号電極SEG1に印加される信号側電圧波形、TS(1,1)は1行1列のセグメント画素に印加される合成電圧波形、TS(2,1)は1行2列のセグメント画素に印加される合成電圧波形、VRTはリセット電圧、VSは選択電圧、VDは信号電圧、RSはリセット期間、SE1、SE2は選択期間、NSE1は非選択期間である。
【0032】
リセットパルス駆動は、表示状態を決定する前に閾値電圧よりも十分大きな電圧を印加し、第1または第2のどちらか一方の安定状態に液晶分子16をそろえる。その後、各セグメントの選択期間SEn(nは走査電極の位置番号を示す。図6のTP1では、SE1のようにn=1となる。)において、現在の状態を保持するか、もう一方の安定状態に動作するかを選択する。非選択期間NSEでは、閾値よりも小さな電圧しか印加されないので表示状態を保持することができる。
【0033】
リセットパルス駆動を用いて強誘電性液晶を内蔵した表示パネルに表示する一例として、図2(b)で図示した1行1列のセグメント画素14を白表示、1行2列のセグメント画
素15を黒表示とする駆動方法について図6を用いて説明する。ここでは、第1の安定状態を白表示、第2の安定状態を黒表示となるように偏光板を配置した場合を例にとって説明する。
【0034】
図6は、一般的な強誘電性液晶を駆動するための走査側電圧波形と信号側電圧波形、および画素に印加する合成電圧波形を示している。
【0035】
リセット期間RSでは、全ての走査電極に走査側電圧波形TP1、TP2で示すようなリセット電圧±VRTの双極性パルスが印加される。同時に、全ての信号電極に信号側電圧波形SG1で示すような信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、リセット期間RSの後半部では、リセット電圧と信号電圧の差分の電圧−(VRT+VD)が全ての画素に印加され、全ての画素は、図3の閾値電圧V4を超え、第2の安定状態すなわち黒表示となる。
【0036】
選択期間SE1では、走査側電圧波形TP1における選択電圧±VSの双極性パルスが印加され、信号電極SEG1に、信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、選択期間SE1の後半部では、選択電圧と信号電圧の差分の電圧+(VS+VD)がセグメント画素14に印加され、図3の閾値電圧V2を超え、第1の安定状態すなわち白表示となる。
【0037】
保持期間NSE1では、走査側電圧波形TP1として、電圧ゼロが印加され、信号電極SEG1に表示内容に応じた信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。例えば、一方の表示内容では、リセット電圧と同様に、+VD、−VDの順に印加され、他方の表示内容では、−VD、+VDの順に印加される。合成電圧波形TS(1,1)で示す通り、保持期間NSE1では、信号側電圧波形SG1がそのまま反映され、±VDの電圧がセグメント画素14に印加されるが図3の閾値電圧V3を超えないので、選択期間SE1で決定された透過率を維持し、白表示が持続される。
【0038】
一方、選択期間SE2では、走査側電圧波形TP2として、選択電圧±VSの双極性パルスが印加され、信号電極SEG1に、信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、選択期間SE2の後半部では、選択電圧と信号電圧の差分の電圧+(VS−VD)がセグメントが画素15に印加されるが、図3の閾値電圧V1を超えないので、リセット期間RSで決定された透過率を維持し、黒表示が持続される。
【0039】
保持期間NSE2では、走査電極COM2に、電圧ゼロが印加され、信号電極SEG1に表示内容に応じた信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。例えば、一方の表示内容では、リセット電圧と同様に、+VD、−VDの順に印加され、他方の表示内容では、−VD、+VDの順に印加される。合成電圧波形TS(2,1)で示す通り、保持期間NSE2では、信号側電圧波形SEG1がそのまま反映され、±VDの電圧がセグメント画素15に印加されるが図3の閾値電圧V1を超えないので、リセット期間RSで決定された透過率を維持し、黒表示が持続される。
【0040】
このようにして表示パネル1の各セグメント画素を白表示にするかあるいは黒表示にするか制御している。
【0041】
次に図1における読み取り手段4の動作について説明する。メモリ性のある表示パネル1の表示読み取り方法はいくつか提案されている。例えば、分極反転電流を用いて読み取る方法、液晶の静電容量の違いによって読み取る方法、光学的に読み取る方法等である。本実施例では、強誘電性液晶を用いた表示パネルにおいて、自発分極の反転時に発生する分極反転電流の違いを読み取って表示状態を読み取る場合を例にとって説明する。
【0042】
まず、強誘電性液晶の自発分極について説明する。液晶分子の多くはその構成分子が双極子モーメントをもっていることが多いが、外部から電界が印加されてないとき、多くの場合双極子モーメントの向きはランダムであり、全体として相殺され分極はあらわれない。しかし強誘電性液晶は電界を印加しなくても双極子モーメントがそろっており、巨視的な分極Psを持ちこれを自発分極という。自発分極は外部電場により反転可能であり、強誘電性液晶はこの2つの自発分極の向きが反転することにより2つの安定状態を持つことができる。
【0043】
自発分極を外部電場で反転させると電流が発生する。これを分極反転電流と呼ぶ。この分極反転電流を検出することにより強誘電性液晶分子が反転したのか、または反転せずにそのままの向きを維持しているのか判別することができる。
【0044】
強誘電性液晶の場合、自発分極は大きくないので分極反転電流は微弱である。また自発分極に起因する電流のほかに様々な要因による電流が重なりあって観測される。このため分極反転電流のみを分離して測定することは困難である。これを解消するためによく用いられる方法が三角波法である。以下では三角波法での分極反転電流の測定方法を説明する。
【0045】
液晶素子は抵抗とコンデンサーの並列素子とみなせる。そのため、電圧Vを印加したときに流れる電流Iは、自発分極の変化に伴う分極反転電流Ipと駆動電圧の変化に伴う容量電流Icと、駆動電圧に比例するイオン電流Iiとの和で次式のように表すことができる。
【0046】
I=Ip+Ic+Ii=dP/dt+C・dV/dt+V/R
【0047】
上式においてPは分極によって誘起される全電荷量であり、R液晶の抵抗値、Cは液晶の容量である。
【0048】
前述の通り、強誘電性液晶の場合は自発分極が小さいためIの中で分極反転電流Ipの成分を分離するのは難しい。ところが、三角波電圧を印加すると、上式のうちC・dV/dtの項が直線となり、電流IからCの成分が分離除去でき、分極反転電流の検出が容易になる。
【0049】
分極反転電流の測定システムの一例を図7に示す。19は三角波発生手段、20は表示パネル1内のある画素、21は電流―電圧変換手段である。電流―電圧変換手段21として、画素20のインピーダンスに比べて十分小さな抵抗を用いてもよい。
【0050】
電流―電圧変換手段21として抵抗を用いた場合、抵抗の両端に電圧降下を測定すると分極反転電流を測定することができる。図8は印加電圧と測定電圧とを実測した結果であり、図8(a)は印加電圧の波形、図8(b)は抵抗の両端での測定波形を示している。両グラフとも横軸に時間t、縦軸に電圧値Vを表している。図8(b)の円で囲んだ部分の瘤が分極反転電流に起因する出力波形である。図8の例の場合、±5Vの三角波を印加して表示パネルの表示状態を反転させた。ここで電流―電圧変換手段として用いた抵抗の値は1.0×105Ωである。
【0051】
液晶分子の分極の向きが反転す場合すなわち、白表示から黒表示へ、または黒表示から白表示へ画素20が変化するとき図8(b)に見られるような瘤を有する出力波形を得る。一方液晶分子の分極の向きが反転しない場合、すなわち、白表示、あるいは黒表示の状態を保持している場合瘤のない出力波形が得られる。この出力波形を比較することにより画素20の表示状態を読み出すことが可能となる。
【0052】
以下本実施例におけるセグメント型の表示パネル1において表示状態を電気的に読み取る方法を説明する。
【0053】
図2bの2つのセグメントを例にとって説明する。この場合初期の表示状態はセグメント画素14が白表示、セグメント画素15が黒表示の場合を考える。
【0054】
表示パネル1のセグメント画素に印加する三角波の波形は図9の(a)ような波形である。波形はプラス側の極性の部分W1とマイナス側の部分W2で構成されている。なお印加電圧Vinは閾値電圧よりも高い電圧とする。この波形の電圧を印加するとまず波形W1の部分で液晶分子は第1の安定状態に切り替わり、白表示となる。次に波形W2を印加すると液晶分子は第2の安定状態に切り替わり、黒表示となる。
【0055】
セグメント画素14は初期状態に白表示だったので波形W1を印加したとき表示状態は切り替わることがなく液晶の自発分極は反転しない。すなわち、分極反転電流は検出されず図9の(b)のような出力波形が検出される。一方セグメント画素15は初期状態が黒表示だったので波形W1を印加すると自発分極が反転し分極反転電流が検出される。そのため出力波形はセグメント画素14と異なり図9の(c)のような出力波形が検出される。
【0056】
分極反転電流を測定する場合三角波は波形W1のみで表示状態を読み取ることができるが、これでは液晶に直流電圧が印加され液晶の劣化を起してしまい好ましくない。そこで波形W2のようなW1とは逆極性の三角波をその後に印加して、実効的に交流化する。これにより液晶が劣化を起すことはなくなる。
【0057】
また図9の(a)のような波形を印加することで前述のリセットパルスと同じような効果が得られる。すなわち全セグメント画素にこの波形を印加することで表示パネル1の表示状態をすべて黒表示の状態にすることができる。これにより表示パネルの表示状態を読み出し後、再度書き込みをする際にリセットパルスが不要になり再書き込み処理を高速化することが可能になる。
【0058】
図9の(b)、(c)のように、出力波形を読み取り手段3が測定、比較することで、セグメント画素14、セグメント画素15の表示状態が黒表示なのか白表示なのか読み出すことができる。上記の表示読み出し方法をすべての画素に対しておこなうことで、表示パネル1の表示状態を読み出すことができる。
【0059】
各セグメントの表示状態を読み出すことことで、読み取り手段3で得られたその数値データは所定のデータ変換がなされ記憶手段4に書き込みがなされる。
【0060】
次に瞬時測定量、積算測定量のデータの流れを通常時と、電力供給が停止した後に電力が復帰した際の最初の表示を行う場合の2つに分けて、図1と図10とを例に説明する。
【0061】
まず通常時の瞬時測定量と積算測定量のデータの流れについて説明する。まず測定手段8が瞬時測定量を測定する(ステップS1)。この瞬時測定量を所定の信号に変換して中央処理装置2に送る(ステップS2)。電力検出手段9の情報により中央処理装置2は電力が供給されているか、それとも電力供給が停止しており復帰後最初の書き込み処理かどうかを判断する(ステップS3)。通常の電力供給がある場合には中央処理装置2は記憶手段4からこれまでの積算測定量を読み出す(ステップS5)。中央処理装置2は計測手段8から得た瞬時測定量と記憶手段4から読み出したこれまでの積算測定量とを加算し、新たな積算測定量して記憶手段4に上書きする(ステップS6、S7)。その積算測定量のデータを所定の制御信号に変換してコントローラー5に送る(ステップS8)。コント
ローラー5は走査側駆動IC6と信号側駆動IC7を制御し表示パネル1の透明電極に電圧を印加して積算測定量の表示をおこなう(ステップS9)。
【0062】
瞬時測定量は定められた周期で測定されているので記憶手段4内に格納されている積算測定量は上記のように加算、消去、上書きが繰り返し行われ、それと同時に表示パネル1へも表示が行われている。通常時は表示が完了すると再びステップS1の戻り上記の処理を繰り返し行う。
【0063】
次に電力供給が復帰した際、表示パネル1への最初の書き込み処理を説明する。
【0064】
電力供給が復帰した際の最初の書き込み処理もステップS1からS2までは通常時と同様である。ステップS3で電力検出手段9が電力供給を停止、その後に回復したことを感知すると中央処理装置2はこれまでの積算測定量の取得先を記憶手段4から表示パネル1に切り替える。
【0065】
中央処理装置2は読み取り手段3を制御し、表示パネル1のセグメント画素ごとの表示状態を読み取る。読み取られた各セグメント画素の表示状態を識別してそこから電力供給がストップした瞬間の積算測定量を算出し中央処理装置2に送信する(ステップS4)。中央処理装置2は、計測手段8から測定された瞬時測定量と表示パネルから読み出したこれまでの積算測定量とを足し合わせ、新たな積算測定量を記憶手段4に上書きする(ステップS6、S7)。以下通常時と同様にコントローラー5にからのデータを元に表示パネル1に積算測定量の表示をおこなう。
【0066】
積算量計などに用いられている記憶手段は、一般的に揮発性メモリを用いているため電力供給手段が何らかの原因で停止すると、格納されていたこれまでの積算測定量が失われてしまう。そこでメモリ性のある表示パネル1から電力供給が停止した時点までの積算測定量を読み出し、その積算測定量を記憶手段4に書き込めば、格納されていたこれまでの積算測定量が消失してしまっても電力復旧時機器正常な状態で使用することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明では電力供給が停止している時の記憶手段のバックアップ用バッテリが不要であり、さらに追加の不揮発性記憶手段も不要である。そのため表示装置のコストの低減、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の表示装置の動作を説明するブロック図である。
【図2a】本発明の表示パネルの平面図である。
【図2b】本発明の表示パネルの平面図である。
【図3】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図4】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図5】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図6】強誘電性液晶の駆動方法を説明するための図である。
【図7】分極反転電流を検出する手段の一例の図である。
【図8】分極反転電流の特性を説明するための図である。
【図9】分極反転電流の特性を説明するための図である。
【図10】本発明の表示装置の動作を説明する図である。
【図11】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0069】
1 表示パネル
2 中央処理装置
3 読み取り手段
4 記憶手段
5 コントローラー
6 走査側駆動IC
7 信号側駆動IC
8 計量手段
9 電力検出手段
10 セグメント画素パターン
11 セグメント画素パターン
12 走査側電極郡
13 信号側電極郡
14 セグメント画素
15 セグメント画素
16 液晶分子
17 上偏向板
18 下偏向板
19 三角波発生装置
20 画素
21 電流―電圧変換手段
200 情報書き込み/読み出し制御手段
200A 書き込み制御手段
200B 読み出し制御手段
200C 制御手段
201 表示制御手段
202 液晶表示手段
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関するものである。詳しくは表示内容を電気的に読み込む機能を有し、その情報を元に再度表示装置に書き込むことができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字、画像などの情報を表示する表示装置が数多く提案されており、その中には表示装置を表示のみに利用するのではなく、表示以外の機能をもたせたものもある。
【0003】
例えば、特許文献1にあるような液晶表示装置に表示のみに利用するのではなく、液晶の容量を利用して表示状態を記憶する機能のある液晶表示装置が提案されている。その構成は図11の通りである。図11において、200は情報書き込み/読み出し制御手段であり、そして200A書き込み制御手段、200B読み出し制御手段、200C制御手段から構成されている。201は表示制御手段、202は液晶表示手段である。特許文献1の実施例の場合、液晶の静電容量を利用して表示状態を呼びだし、液晶を記憶手段の代わりとして表示状態の格納にも用いている。
【0004】
【特許文献1】特許公開平成4−291393号公報(第3項、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、電力量計や自動車等に備えられている積算距離計などに、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネルを備えたものがある。これらの装置では積算測定量を算出するのに、計測機器等から瞬間的な測定量である瞬時測定量を求め、この値とメモリ内に保存されているこれまでの瞬時測定量の総和である積算測定量を足し合わせ新たの積算測定量として再度メモリに保存している。このデータを元に表示パネルに積算測定量を表示している。このような表示装置の場合、積算測定量を保存するメモリには揮発性メモリを使用している。積算測定量はデータの表示する際に常に更新が必要とされるので、例えば故障や停電などで電力供給が断たれた場合その時点での積算測定量と電力供給が戻った時点での積算測定量を一致させる必要がある。
【0006】
そのため、これらの表示装置では電力供給が断たれた場合に揮発性メモリの中に保存されている積算測定量の消失を防ぐためにバッテリなどの蓄電手段を備えている。この場合停電時には電力供給先をバッテリに切り替えることで揮発性メモリへの電力供給を行っている。しかし、長期間揮発性メモリ内の積算測定量を保持しておくには大容量のバッテリが必要であるために装置の高コスト化、大型化につながっていた。
【0007】
また、別の方法として停電時には積算測定量をフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ積算測定量に記憶する物もある。不揮発性メモリは電力が停止しても記憶内容が失われないため、電力供給が停止した際に積算測定量を不揮発性メモリ内に保存すればデータの消失を防ぐことができる。しかし、現在実用化されている不揮発性メモリは消去・書き込み可能回数がおよそ20〜50万回と限られているため、書き換え頻度の高い機器のデータ保存には適しておらず、通常時には揮発性メモリ、停電時の積算測定量記憶用途として不揮発性メモリと2種類のメモリを搭載するのが一般的である。そのため、揮発性メモリの他に停電補償用の不揮発性メモリを増設しなければならず、コストの高騰につながっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では以下の構成を採用する。メモリ性を備えた表示
パネルを用いた表示装置において、表示装置へ供給する電力が遮断されているか否かを検出する電力検出手段と、表示パネルで表示する1回分のデータを記憶する記憶手段と、表示パネルで表示した1回分のデータを表示パネルから読み取る表示読み取り手段と、1回分のデータを表示するため、表示パネルへ電圧を印加するコントローラーとを備え、電力検出手段が、電力が遮断されていない状態であることを検知している時には、記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、かつ表示パネルで表示の書き換えが随時行われ、電力検出手段が、電力が遮断された後、電力が復帰したことを検知した時には、表示読み取り手段が、表示パネルから1回分のデータを読み取り、読み取った1回分のデータを前記コントローラーへ転送し、表示パネルで表示され、その後は記憶手段からコントローラーへ1回分のデータが随時転送され、表示パネルで表示の書き換えが随時行われることを特徴とする。
【0009】
メモリ性を備えた表示パネルは、強誘電性液晶を用いた液晶表示パネルであることを特徴とする。表示読み取り手段は、液晶表示パネルに電圧を印加したときに生じる分極反転電流を検出する手段であることを特徴とする。分極反転電流を検出するための電圧波形はプラスとマイナスの両極性の三角波であることを特徴とする。
【0010】
さらに、計量を行う計量手段を備え、記憶手段で記憶される1回分のデータは、計量手段で計測された瞬時測定量が積算されて得られたデータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置はメモリ性を備えた表示パネルと表示状態を電気的に読み取る読み取り手段と記憶手段を備えている。この表示装置は、電力供給が復帰した最初の表示の時のみ表示データの取得先を記憶手段から表示パネルに切り替えることができるため、表示装置に電源供給が断たれ記憶手段内の表示データが消失した場合においても、電力供給が復帰した時点で表示パネルから表示データを読み取ることができる。これにより停電時のバックアップ用のバッテリが不要であり、また新たに不揮発性メモリを搭載する必要もないので、表示装置の低コスト化、小型化が可能である。
【0012】
メモリ性のある強誘電性液晶を内蔵した表示装置において、分極反転電流測定時に、印加する電圧は三角波とする。ただし、その三角波の極性はプラスとマイナスそれぞれ1度づつとし、液晶に直流成分が印加されることを防ぐ。また印加と同時に表示状態のリセットを行うことができるので、再書き込み時の処理速度向上につながる。
【0013】
本発明は表示装置を備えた電子機器において、バッテリ等によるメモリバックアップ機能を有するにものに広く応用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る表示装置の実施形態について説明する。実施形態は、メモリ性のある表示パネルとして強誘電性液晶を内蔵したセグメント型の表示パネルを例にとって説明する。
【0015】
図1は、本発明の表示装置を説明する回路ブロック図である。図1において、1は表示パネル、2は中央処理装置、3は読み取り手段、4は記憶手段、5はコントローラー、6は走査側駆動IC、7は信号側駆動IC、8は計量手段、9は電力検出手段である。図中の白抜き矢印は、信号の流れを模式的に示すものである。図示はしないが中央処理装置2の内部メモリ(例えば、ROM)には、本発明の表示装置の動作を制御する制御プログラムが格納されている。この制御プログラムによって、中央処理装置2は、制御手段として動作する。
【0016】
計量手段8で測定された瞬時測定量は、所定のデータ形式に変換され、中央処理装置2に送られる。中央処理装置2は、入力されたこれらの情報に基づいて制御信号をコントローラー5に送信する。コントローラー5は、信号側駆動IC7と走査側駆動IC6とを制御し、表示パネル1の各透明電極に電圧を印加して所定の表示状態になるよう表示パネル1を動作させる。
【0017】
本発明の表示パネル1は、その表示書き換え時以外に電力を必要とせず表示状態を維持するときに電力のかからないメモリ性を有する表示パネルを用いる。実施例では強誘電性液晶を用いたものをあげているが、これには限定されずコレステリック液晶など用いた表示パネルでもよい。
【0018】
中央処理装置2は記憶手段4と接続しており、計量手段8から測定されたの瞬時測定量の情報を記憶することができる。記憶手段4では、記憶手段4内に保持されているこれまでの積算測定量と測定された瞬時測定量とが加算されて新たな積算測定量として保存される。これらの測定量は、中央処理装置2によって書き込み、消去が自在に行われるとともに、この積算測定量を表示パネル1に表示させることができる。
【0019】
図2aは本実施例における表示パネル1の平面図である。表示パネル1は積算測定量を表示できるようにセグメント型の画素に形成してある。10は上側ガラス基板に形成されている透明電極パターン、11の点線四角は下側ガラス基板に形成されている透明電極パターンである。図2aでは三桁の表示になっているが、何桁の表示でもかまわない。
【0020】
セグメント型の画素は透明電極膜により形成されている。この透明電極膜は、ガラス基板にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)の膜を形成し、所定の形状にフォトリソグラフィ技術を用いてパターンニングを行って形成したものである。
【0021】
次に表示パネルの駆動方法について説明する。ここではメモリ性を備えた表示パネルとして強誘電性液晶を用いた表示パネルの駆動方法を例にとって説明する。表示パネルを駆動方法により分類すると、スタティック駆動方法と時分割駆動方法とがある。図2aに示すようなセグメント型の表示パネルは、通常、スタティック駆動方法がもちいられ、各セグメントは個別に駆動回路をもち独立かつ同時に駆動される。しかし、セグメント数の多いセグメント型やマトリックス型では時分割駆動方法によって表示を行っている。
【0022】
時分割駆動をおこなう場合の表示パネル1に形成されているパターンの例を図2bに示す。12は走査側電極郡、13は信号側電極郡、14は1行1列のセグメント画素、15は1行2列のセグメント画素である。図2bは図2aを上下基板に分割したときにガラス基板に形成されているITO膜の形状であるがこれは例であって上下基板の透明電極の分割はこれに限定されるものではない。
【0023】
この場合各セグメントに電極が存在しているのではなく走査電極群12すなわちCOM1〜COM3と信号電極郡13すなわちSEG1〜SEG7というように上下のガラス基板で縦、横に電極が分割されており、1ライン毎に例えばCOM1、COM2、・・・へと、走査側駆動IC6から走査側電圧波形として電圧が順次印加され、それに同期した信号側電圧波形が、同様に信号側駆動IC7からSEG1〜SEG7へと並列に印加される。なお、信号側電圧は画素に表示される内容に応じた信号波形が出力する。
【0024】
ここで、強誘電性液晶の電気光学効果について説明する。図3は強誘電性液晶の透過率と電圧の特性図である。強誘電性液晶は2つの安定状態を持ち、その2つの安定状態はある閾値を超えた電圧を印加することによって状態が切り替わり、印加電圧の極性によって
第1の安定状態あるいは第2の安定状態を選択することができる。
【0025】
強誘電性液晶のようなメモリ性を有する液晶では、電圧印加前、液晶分子は第1の安定状態または第2の安定状態のいずれか片方に位置しており、電圧が印加されないかぎりこの状態を保持することができる。
【0026】
図3を例に説明する。初めどちらかの安定状態にであった液晶分子は、印加電圧を徐々に上げて行くとV1になったところで第1の安定状態に切り替わり始め、V2に達したところですべての液晶分子が第1の安定状態になる。その後V2から徐々に電圧を下げていくと、V3になるまでは液晶分子は第1の安定状態のままであるが、印加電圧がV3よりも大きくなったところで液晶分子が第2の安定状態に切り替わり始める。更に印加電圧がV4に達するとすべとの液晶分子が第2の安定状態になる。よって、印加電圧が0となる電圧無印加時には、第1の安定状態か第2の安定状態のどちらかが維持される。そして、表示状態を逆にするためには閾値以上の逆極性の電圧を印加する必要がある。
【0027】
強誘電性液晶は、閾値以上の異なる極性の電圧を印加すると図4に示すように層法線からチルト角θだけ傾いた2つの安定状態のみをとることができる。ここで、16は液晶分子、図4中の矢印は自発分極の向きである。つまり、閾値以上の電圧を印加すると片方の安定状態からもう一方の安定状態になることで液晶分子の光軸は2θ変化する。このときの入射光量と透過光量の関係は以下の数式になる。
【0028】
Iout=Iin*Sin2(2θ)*Sin2(πΔnd/λ)
【0029】
上記数式においてIinは入射光量、Ioutは透過光量、Δnは液晶分子の複屈折率異方性、dはセルギャップ、λは入射波長である。
【0030】
図5のように、上偏光板17と下偏光板18との二枚の偏光板の偏光軸が90°で交差する配置のとき、どちらか一方の安定状態時の光軸を片方の偏光板の偏光軸と一致させるとθ=0、すなわち透過光量は0となり、光は透過せず液晶表示装置は黒表示となる。一方、液晶分子16が動作する閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子16の光軸は2θ変化して光は透過し白表示となる。このとき、チルト角θが22.5度になるように液晶分子16を配向させると、透過光量が最大となる。
【0031】
このような電気光学特性をもつ強誘電性液晶の駆動方法は、図6のようなリセットパルス駆動を用いる。図6のTP1、TP2は、図2(b)の走査電極COM1、走査電極COM2に印加される走査側電圧波形、SG1は図2(b)の信号電極SEG1に印加される信号側電圧波形、TS(1,1)は1行1列のセグメント画素に印加される合成電圧波形、TS(2,1)は1行2列のセグメント画素に印加される合成電圧波形、VRTはリセット電圧、VSは選択電圧、VDは信号電圧、RSはリセット期間、SE1、SE2は選択期間、NSE1は非選択期間である。
【0032】
リセットパルス駆動は、表示状態を決定する前に閾値電圧よりも十分大きな電圧を印加し、第1または第2のどちらか一方の安定状態に液晶分子16をそろえる。その後、各セグメントの選択期間SEn(nは走査電極の位置番号を示す。図6のTP1では、SE1のようにn=1となる。)において、現在の状態を保持するか、もう一方の安定状態に動作するかを選択する。非選択期間NSEでは、閾値よりも小さな電圧しか印加されないので表示状態を保持することができる。
【0033】
リセットパルス駆動を用いて強誘電性液晶を内蔵した表示パネルに表示する一例として、図2(b)で図示した1行1列のセグメント画素14を白表示、1行2列のセグメント画
素15を黒表示とする駆動方法について図6を用いて説明する。ここでは、第1の安定状態を白表示、第2の安定状態を黒表示となるように偏光板を配置した場合を例にとって説明する。
【0034】
図6は、一般的な強誘電性液晶を駆動するための走査側電圧波形と信号側電圧波形、および画素に印加する合成電圧波形を示している。
【0035】
リセット期間RSでは、全ての走査電極に走査側電圧波形TP1、TP2で示すようなリセット電圧±VRTの双極性パルスが印加される。同時に、全ての信号電極に信号側電圧波形SG1で示すような信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、リセット期間RSの後半部では、リセット電圧と信号電圧の差分の電圧−(VRT+VD)が全ての画素に印加され、全ての画素は、図3の閾値電圧V4を超え、第2の安定状態すなわち黒表示となる。
【0036】
選択期間SE1では、走査側電圧波形TP1における選択電圧±VSの双極性パルスが印加され、信号電極SEG1に、信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、選択期間SE1の後半部では、選択電圧と信号電圧の差分の電圧+(VS+VD)がセグメント画素14に印加され、図3の閾値電圧V2を超え、第1の安定状態すなわち白表示となる。
【0037】
保持期間NSE1では、走査側電圧波形TP1として、電圧ゼロが印加され、信号電極SEG1に表示内容に応じた信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。例えば、一方の表示内容では、リセット電圧と同様に、+VD、−VDの順に印加され、他方の表示内容では、−VD、+VDの順に印加される。合成電圧波形TS(1,1)で示す通り、保持期間NSE1では、信号側電圧波形SG1がそのまま反映され、±VDの電圧がセグメント画素14に印加されるが図3の閾値電圧V3を超えないので、選択期間SE1で決定された透過率を維持し、白表示が持続される。
【0038】
一方、選択期間SE2では、走査側電圧波形TP2として、選択電圧±VSの双極性パルスが印加され、信号電極SEG1に、信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。これにより、選択期間SE2の後半部では、選択電圧と信号電圧の差分の電圧+(VS−VD)がセグメントが画素15に印加されるが、図3の閾値電圧V1を超えないので、リセット期間RSで決定された透過率を維持し、黒表示が持続される。
【0039】
保持期間NSE2では、走査電極COM2に、電圧ゼロが印加され、信号電極SEG1に表示内容に応じた信号電圧±VDの双極性パルスが印加される。例えば、一方の表示内容では、リセット電圧と同様に、+VD、−VDの順に印加され、他方の表示内容では、−VD、+VDの順に印加される。合成電圧波形TS(2,1)で示す通り、保持期間NSE2では、信号側電圧波形SEG1がそのまま反映され、±VDの電圧がセグメント画素15に印加されるが図3の閾値電圧V1を超えないので、リセット期間RSで決定された透過率を維持し、黒表示が持続される。
【0040】
このようにして表示パネル1の各セグメント画素を白表示にするかあるいは黒表示にするか制御している。
【0041】
次に図1における読み取り手段4の動作について説明する。メモリ性のある表示パネル1の表示読み取り方法はいくつか提案されている。例えば、分極反転電流を用いて読み取る方法、液晶の静電容量の違いによって読み取る方法、光学的に読み取る方法等である。本実施例では、強誘電性液晶を用いた表示パネルにおいて、自発分極の反転時に発生する分極反転電流の違いを読み取って表示状態を読み取る場合を例にとって説明する。
【0042】
まず、強誘電性液晶の自発分極について説明する。液晶分子の多くはその構成分子が双極子モーメントをもっていることが多いが、外部から電界が印加されてないとき、多くの場合双極子モーメントの向きはランダムであり、全体として相殺され分極はあらわれない。しかし強誘電性液晶は電界を印加しなくても双極子モーメントがそろっており、巨視的な分極Psを持ちこれを自発分極という。自発分極は外部電場により反転可能であり、強誘電性液晶はこの2つの自発分極の向きが反転することにより2つの安定状態を持つことができる。
【0043】
自発分極を外部電場で反転させると電流が発生する。これを分極反転電流と呼ぶ。この分極反転電流を検出することにより強誘電性液晶分子が反転したのか、または反転せずにそのままの向きを維持しているのか判別することができる。
【0044】
強誘電性液晶の場合、自発分極は大きくないので分極反転電流は微弱である。また自発分極に起因する電流のほかに様々な要因による電流が重なりあって観測される。このため分極反転電流のみを分離して測定することは困難である。これを解消するためによく用いられる方法が三角波法である。以下では三角波法での分極反転電流の測定方法を説明する。
【0045】
液晶素子は抵抗とコンデンサーの並列素子とみなせる。そのため、電圧Vを印加したときに流れる電流Iは、自発分極の変化に伴う分極反転電流Ipと駆動電圧の変化に伴う容量電流Icと、駆動電圧に比例するイオン電流Iiとの和で次式のように表すことができる。
【0046】
I=Ip+Ic+Ii=dP/dt+C・dV/dt+V/R
【0047】
上式においてPは分極によって誘起される全電荷量であり、R液晶の抵抗値、Cは液晶の容量である。
【0048】
前述の通り、強誘電性液晶の場合は自発分極が小さいためIの中で分極反転電流Ipの成分を分離するのは難しい。ところが、三角波電圧を印加すると、上式のうちC・dV/dtの項が直線となり、電流IからCの成分が分離除去でき、分極反転電流の検出が容易になる。
【0049】
分極反転電流の測定システムの一例を図7に示す。19は三角波発生手段、20は表示パネル1内のある画素、21は電流―電圧変換手段である。電流―電圧変換手段21として、画素20のインピーダンスに比べて十分小さな抵抗を用いてもよい。
【0050】
電流―電圧変換手段21として抵抗を用いた場合、抵抗の両端に電圧降下を測定すると分極反転電流を測定することができる。図8は印加電圧と測定電圧とを実測した結果であり、図8(a)は印加電圧の波形、図8(b)は抵抗の両端での測定波形を示している。両グラフとも横軸に時間t、縦軸に電圧値Vを表している。図8(b)の円で囲んだ部分の瘤が分極反転電流に起因する出力波形である。図8の例の場合、±5Vの三角波を印加して表示パネルの表示状態を反転させた。ここで電流―電圧変換手段として用いた抵抗の値は1.0×105Ωである。
【0051】
液晶分子の分極の向きが反転す場合すなわち、白表示から黒表示へ、または黒表示から白表示へ画素20が変化するとき図8(b)に見られるような瘤を有する出力波形を得る。一方液晶分子の分極の向きが反転しない場合、すなわち、白表示、あるいは黒表示の状態を保持している場合瘤のない出力波形が得られる。この出力波形を比較することにより画素20の表示状態を読み出すことが可能となる。
【0052】
以下本実施例におけるセグメント型の表示パネル1において表示状態を電気的に読み取る方法を説明する。
【0053】
図2bの2つのセグメントを例にとって説明する。この場合初期の表示状態はセグメント画素14が白表示、セグメント画素15が黒表示の場合を考える。
【0054】
表示パネル1のセグメント画素に印加する三角波の波形は図9の(a)ような波形である。波形はプラス側の極性の部分W1とマイナス側の部分W2で構成されている。なお印加電圧Vinは閾値電圧よりも高い電圧とする。この波形の電圧を印加するとまず波形W1の部分で液晶分子は第1の安定状態に切り替わり、白表示となる。次に波形W2を印加すると液晶分子は第2の安定状態に切り替わり、黒表示となる。
【0055】
セグメント画素14は初期状態に白表示だったので波形W1を印加したとき表示状態は切り替わることがなく液晶の自発分極は反転しない。すなわち、分極反転電流は検出されず図9の(b)のような出力波形が検出される。一方セグメント画素15は初期状態が黒表示だったので波形W1を印加すると自発分極が反転し分極反転電流が検出される。そのため出力波形はセグメント画素14と異なり図9の(c)のような出力波形が検出される。
【0056】
分極反転電流を測定する場合三角波は波形W1のみで表示状態を読み取ることができるが、これでは液晶に直流電圧が印加され液晶の劣化を起してしまい好ましくない。そこで波形W2のようなW1とは逆極性の三角波をその後に印加して、実効的に交流化する。これにより液晶が劣化を起すことはなくなる。
【0057】
また図9の(a)のような波形を印加することで前述のリセットパルスと同じような効果が得られる。すなわち全セグメント画素にこの波形を印加することで表示パネル1の表示状態をすべて黒表示の状態にすることができる。これにより表示パネルの表示状態を読み出し後、再度書き込みをする際にリセットパルスが不要になり再書き込み処理を高速化することが可能になる。
【0058】
図9の(b)、(c)のように、出力波形を読み取り手段3が測定、比較することで、セグメント画素14、セグメント画素15の表示状態が黒表示なのか白表示なのか読み出すことができる。上記の表示読み出し方法をすべての画素に対しておこなうことで、表示パネル1の表示状態を読み出すことができる。
【0059】
各セグメントの表示状態を読み出すことことで、読み取り手段3で得られたその数値データは所定のデータ変換がなされ記憶手段4に書き込みがなされる。
【0060】
次に瞬時測定量、積算測定量のデータの流れを通常時と、電力供給が停止した後に電力が復帰した際の最初の表示を行う場合の2つに分けて、図1と図10とを例に説明する。
【0061】
まず通常時の瞬時測定量と積算測定量のデータの流れについて説明する。まず測定手段8が瞬時測定量を測定する(ステップS1)。この瞬時測定量を所定の信号に変換して中央処理装置2に送る(ステップS2)。電力検出手段9の情報により中央処理装置2は電力が供給されているか、それとも電力供給が停止しており復帰後最初の書き込み処理かどうかを判断する(ステップS3)。通常の電力供給がある場合には中央処理装置2は記憶手段4からこれまでの積算測定量を読み出す(ステップS5)。中央処理装置2は計測手段8から得た瞬時測定量と記憶手段4から読み出したこれまでの積算測定量とを加算し、新たな積算測定量して記憶手段4に上書きする(ステップS6、S7)。その積算測定量のデータを所定の制御信号に変換してコントローラー5に送る(ステップS8)。コント
ローラー5は走査側駆動IC6と信号側駆動IC7を制御し表示パネル1の透明電極に電圧を印加して積算測定量の表示をおこなう(ステップS9)。
【0062】
瞬時測定量は定められた周期で測定されているので記憶手段4内に格納されている積算測定量は上記のように加算、消去、上書きが繰り返し行われ、それと同時に表示パネル1へも表示が行われている。通常時は表示が完了すると再びステップS1の戻り上記の処理を繰り返し行う。
【0063】
次に電力供給が復帰した際、表示パネル1への最初の書き込み処理を説明する。
【0064】
電力供給が復帰した際の最初の書き込み処理もステップS1からS2までは通常時と同様である。ステップS3で電力検出手段9が電力供給を停止、その後に回復したことを感知すると中央処理装置2はこれまでの積算測定量の取得先を記憶手段4から表示パネル1に切り替える。
【0065】
中央処理装置2は読み取り手段3を制御し、表示パネル1のセグメント画素ごとの表示状態を読み取る。読み取られた各セグメント画素の表示状態を識別してそこから電力供給がストップした瞬間の積算測定量を算出し中央処理装置2に送信する(ステップS4)。中央処理装置2は、計測手段8から測定された瞬時測定量と表示パネルから読み出したこれまでの積算測定量とを足し合わせ、新たな積算測定量を記憶手段4に上書きする(ステップS6、S7)。以下通常時と同様にコントローラー5にからのデータを元に表示パネル1に積算測定量の表示をおこなう。
【0066】
積算量計などに用いられている記憶手段は、一般的に揮発性メモリを用いているため電力供給手段が何らかの原因で停止すると、格納されていたこれまでの積算測定量が失われてしまう。そこでメモリ性のある表示パネル1から電力供給が停止した時点までの積算測定量を読み出し、その積算測定量を記憶手段4に書き込めば、格納されていたこれまでの積算測定量が消失してしまっても電力復旧時機器正常な状態で使用することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明では電力供給が停止している時の記憶手段のバックアップ用バッテリが不要であり、さらに追加の不揮発性記憶手段も不要である。そのため表示装置のコストの低減、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の表示装置の動作を説明するブロック図である。
【図2a】本発明の表示パネルの平面図である。
【図2b】本発明の表示パネルの平面図である。
【図3】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図4】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図5】本発明に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。
【図6】強誘電性液晶の駆動方法を説明するための図である。
【図7】分極反転電流を検出する手段の一例の図である。
【図8】分極反転電流の特性を説明するための図である。
【図9】分極反転電流の特性を説明するための図である。
【図10】本発明の表示装置の動作を説明する図である。
【図11】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0069】
1 表示パネル
2 中央処理装置
3 読み取り手段
4 記憶手段
5 コントローラー
6 走査側駆動IC
7 信号側駆動IC
8 計量手段
9 電力検出手段
10 セグメント画素パターン
11 セグメント画素パターン
12 走査側電極郡
13 信号側電極郡
14 セグメント画素
15 セグメント画素
16 液晶分子
17 上偏向板
18 下偏向板
19 三角波発生装置
20 画素
21 電流―電圧変換手段
200 情報書き込み/読み出し制御手段
200A 書き込み制御手段
200B 読み出し制御手段
200C 制御手段
201 表示制御手段
202 液晶表示手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性を備えた表示パネルを用いた表示装置において、
前記表示装置へ供給する電力が遮断されているか否かを検出する電力検出手段と、
前記表示パネルで表示する1回分のデータを記憶する記憶手段と、
前記表示パネルで表示した前記1回分のデータを前記表示パネルから読み取る表示読み取り手段と、
前記1回分のデータを表示するため、前記表示パネルへ電圧を印加するコントローラーとを備え、
前記電力検出手段が、電力が遮断されていない状態であることを検知しているときには、前記記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、かつ前記表示パネルで表示の書き換えが随時行われ、
前記電力検出手段が、電力が遮断された後、電力が復帰したことを検知したときには、前記表示読み取り手段が、前記表示パネルから1回分のデータを読み取り、読み取った前記1回分のデータを前記コントローラーへ転送し、前記表示パネルで表示され、その後は前記記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、前記表示パネルで表示の書き換えが随時行われることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記メモリ性を備えた表示パネルは、強誘電性液晶を用いた液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前期表示読み取り手段は、前記液晶表示パネルに電圧を印加したときに生じる分極反転電流を検出する手段であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記分極反転電流を検出するための電圧波形はプラスとマイナスの両極性の三角波であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
さらに、計量を行う計量手段を備え、前記記憶手段で記憶される1回分のデータは、前記計量手段で計測された瞬時測定量が積算されて得られたデータであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項1】
メモリ性を備えた表示パネルを用いた表示装置において、
前記表示装置へ供給する電力が遮断されているか否かを検出する電力検出手段と、
前記表示パネルで表示する1回分のデータを記憶する記憶手段と、
前記表示パネルで表示した前記1回分のデータを前記表示パネルから読み取る表示読み取り手段と、
前記1回分のデータを表示するため、前記表示パネルへ電圧を印加するコントローラーとを備え、
前記電力検出手段が、電力が遮断されていない状態であることを検知しているときには、前記記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、かつ前記表示パネルで表示の書き換えが随時行われ、
前記電力検出手段が、電力が遮断された後、電力が復帰したことを検知したときには、前記表示読み取り手段が、前記表示パネルから1回分のデータを読み取り、読み取った前記1回分のデータを前記コントローラーへ転送し、前記表示パネルで表示され、その後は前記記憶手段から前記コントローラーへ1回分のデータが随時転送され、前記表示パネルで表示の書き換えが随時行われることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記メモリ性を備えた表示パネルは、強誘電性液晶を用いた液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前期表示読み取り手段は、前記液晶表示パネルに電圧を印加したときに生じる分極反転電流を検出する手段であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記分極反転電流を検出するための電圧波形はプラスとマイナスの両極性の三角波であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
さらに、計量を行う計量手段を備え、前記記憶手段で記憶される1回分のデータは、前記計量手段で計測された瞬時測定量が積算されて得られたデータであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−76929(P2008−76929A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258433(P2006−258433)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】
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