表示装置
【課題】階調制御や輝度ばらつき補償のための任意の電圧を供給する駆動ドライバを具備した表示装置における画素内のスイッチや配線を削減し、開口率を向上する。
【解決手段】複数の自発光素子をマトリックス状に配置した自発光素子ディスプレイ22と、自発光素子を駆動するための駆動電圧を生成するための駆動電圧生成手段18と、表示データに応じた信号電圧によって駆動電圧を制御し、表示データに無関係な画素制御電圧を生成するための帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14と、駆動すべき自発光素子を選択するための走査線駆動手段16と、画素への信号電圧書込みを制御するための画素制御手段20とを備える。
【解決手段】複数の自発光素子をマトリックス状に配置した自発光素子ディスプレイ22と、自発光素子を駆動するための駆動電圧を生成するための駆動電圧生成手段18と、表示データに応じた信号電圧によって駆動電圧を制御し、表示データに無関係な画素制御電圧を生成するための帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14と、駆動すべき自発光素子を選択するための走査線駆動手段16と、画素への信号電圧書込みを制御するための画素制御手段20とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子に印加する電流量、あるいは発光時間に応じて輝度を制御可能な表示装置に係り、特に、表示素子として発光ダイオード(LED)や有機EL(Electro Luminescence)等に代表される自発光素子で構成した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陰極線管に代わる平面パネル型の表示装置として、種々の表示方式が提案されている。特に、表示素子自体が発光する、所謂自発光型の表示装置として有機EL表示装置、電界発光型表示装置(FED)あるいはプラズマ表示装置などが注目されている。自発光型の表示装置の一つである有機EL表示装置の駆動に関して「非特許文献1」には、信号電圧書込み後に、三角波入力を画素内のスイッチで切り替えて入力することによる、信号電圧に応じた発光時間制御方法が開示されている。また、「特許文献1」には、信号電圧書込み前に、プリチャージレベルを画素内のスイッチで切り替えて入力することによる、特性ばらつき補償方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−219146号公報
【0004】
【非特許文献1】SID02予稿集の中の「An Innovative Pixel−Driving Scheme for 64−Level Gray− Scale Full−Color Active Matrix OLED Displays」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1に記載の駆動方法では、画素内に切替スイッチおよび三角波供給用の配線が設けられるため、画素の開口率の低下を招いている。また、特許文献1に記載の方法も、画素内に切替スイッチおよびプリチャージ電圧供給用の配線を有しているため、画素の開口率が低下する。本発明の目的は、階調制御方法や、輝度ばらつき補償方法における任意の電圧(上記三角波やプリチャージ電圧)を供給する駆動ドライバを具備した表示装置における当該画素内のスイッチや配線を削減し、開口率を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、入力表示データに従った駆動電圧を出力するデータ線駆動手段に、帰線期間において入力表示データに関係なく当該データ線を任意のレベルに設定するための電圧波形を出力する手段を設ける。例えば、入力表示データが入力される期間においては、入力表示データに従った階調電圧を出力し、入力表示データが入力されない帰線期間においては三角波を出力するデータ駆動手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
なお、本発明は、特許請求の範囲に記載の構成および後述する実施の形態に開示される構成に限定されるものでなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力表示データに従った駆動電圧を出力するデータ線駆動手段に、帰線期間において入力表示データに関係なく当該データ線を任意のレベルに設定するための電圧波形を出力する手段を設け、データ線に入力表示データを与えるデータ駆動手段が帰線期間において入力表示データに関係なく任意の電圧制御を行う構成としたことにより、表示領域内の制御回路および制御用配線を簡略化できため開口率が向上し、かつ製造コストの低減を可能とした表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した自発光素子ディスプレイの内部構成の画素構成の説明図である。
【図3】図2に示した駆動インバータにおける信号電圧の基準電圧設定の説明図である。
【図4】信号電圧書込みと三角波による点燈時間の制御の動作を説明するタイミング図である。
【図5】図2に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段の動作を説明するタイミング図である。
【図7】図5に示した三角波生成手段の内部構成の一例を説明するブロック図である。
【図8】図7における基準クロック生成手段とアップダウンカウント手段およびデジタル/アナログ変換手段の動作を示すタイミング図である。
【図9】本発明の第2の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。
【図10】図9に示した帰線期間制御内蔵表示制御部の動作を説明するタイミング図である。
【図11】本発明を適用した有機EL表示装置の画素構造の要部を模式的に説明する断面図である。
【図12】図11で説明した表示装置の第1基板上での各機能部分の配置例を模式的に説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、ここでは、表示装置をディスプレイとも称する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。図1において、1は垂直同期信号、2は水平同期信号、3はデータイネーブル信号、4は表示データ(動画でも静止画でも良い)、5は同期クロックである。垂直同期信号1は表示一画面周期(1フレーム周期)の信号、水平同期信号2は一水平周期の信号、データイネーブル信号3は表示データ4が有効である期間(表示有効期間)を示す信号で、全ての信号が同期クロック5に同期して入力される。
【0011】
本実施形態では、これら表示データが、一画面分が左上端の画素から順次ラスタスキャン形式で転送され、1画素分の情報は6ビットの階調データからなるものとして以下説明する。6は表示制御部、7はデータ線制御信号、8は走査線制御信号、9は格納・読出しコマンド信号、10は格納・読出しアドレス、11は格納データ、12は画面格納手段、13は画面読出しデータである。表示制御部6は、自発光素子ディスプレイ(後述)の少なくとも一画面分の表示データ4を格納可能な画面格納手段12へ、一旦格納するための格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10、格納データ11を生成する。
【0012】
また、自発光素子ディスプレイの表示タイミングに合わせて一画面分の表示データを読み出すよう、格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10を生成する。画面格納手段12は格納・読出しコマンド9、格納・読出しアドレスに従って、格納データ11を格納、あるいは画面読出しデータ13を読み出す。表示制御部6は画面読出しデータ13から、データ線制御信号7、走査線制御信号8を生成する。14はデータ線駆動手段、15はデータ線駆動信号、16は走査線駆動手段、17は走査線駆動信号、18は駆動電圧生成手段、19は自発光素子駆動電圧、20は画素制御手段、21はデータ書込み制御信号、22は自発光素子ディスプレイである。
【0013】
ここで、自発光素子ディスプレイ22とは、表示素子として発光ダイオードや有機EL等を用いたディスプレイをいう。自発光素子ディスプレイ22は、多数の走査線と、多数のデータ線の交叉部にマトリクス状に配置された複数の自発光素子(画素部)を有する。自発光素子ディスプレイ22への表示動作は、走査線駆動手段16から出力される走査線駆動信号17によって選択された走査線に接続する画素に、データ線駆動手段14からデータ線に出力されるデータ線駆動信号15に従った信号電圧、および三角波の印加と、画素制御手段20から出力される画素制御信号21に従った画素へのデータ書込みによって動作する。画素制御手段20は、走査線制御信号8に従って、画素へのデータ書込みタイミングを制御するよう、データ書込み制御信号21を出力する。自発光素子を駆動する電圧は自発光素子駆動電圧19として供給する。なお、走査線駆動手段16と画素制御手段20は、一つのLSIで実現してもよいし、画素部と同一のガラス基板上に形成してもよい。
【0014】
本実施形態では、自発光素子ディスプレイ22は240×320ドットの解像度を持つものとして以下説明する。自発光素子ディスプレイ22は、自発光素子に流れる電流量と、自発光素子の点燈時間によって、自発光素子が発光する輝度を調整することが可能である。自発光素子に流れる電流量が大きいほど自発光素子の輝度が高くなる。自発光素子の点燈時間が長くなるほど自発光素子の輝度が高くなる。データ線駆動手段14が、表示データに応じて自発光素子に書き込む信号電圧を生成し、自発光素子の点燈時間を、書き込んだ信号電圧によって制御するための三角波を生成、出力する。
【0015】
図2は図1に示した自発光素子ディスプレイ22の内部構成の画素構成の説明図である。自発光素子として、有機EL素子を用いた場合の例を示す。図2において、23は第1データ線、24は第2データ線、25は第1走査線、26は第320走査線、27は第1書込み制御線、28は第320書込み制御線、29は第1列有機EL駆動電圧供給線、30は第2列有機EL駆動電圧供給線、31は第1行第1列画素、32は第1行第2列画素、33は第320行第1列画素、34は第320行第2列画素である。各々の走査線、および各々の書込み制御線によって選択される行の画素に、各々のデータ線を介して信号電圧と三角波を供給し、信号電圧と三角波に従って各列有機EL駆動電圧供給線から供給される有機EL駆動電圧によって点燈する画素の点燈時間を制御する。
【0016】
ここでは、画素の内部の構成を第1行第1列画素31にのみ示しているが、第1行第2列画素32、第320行第1列画素33、第320行第2列画素34についても同様の構成である。35は画素駆動部、36はスイッチングトランジスタ、37は書込み容量、38は駆動インバータ、39は書込み制御スイッチ、40は有機ELである。画素駆動部35は、信号電圧に対応して有機EL40の点燈時間を制御するためのものである。画素駆動部35は、スイッチングトランジスタ36、書込み容量37、駆動インバータ38、書込み制御スイッチ39を備える。スイッチングトランジスタ36は、第1走査線25によってオン状態となり、書込み制御スイッチ39は第1書込み制御線27によってオン状態となる。
【0017】
書込み制御スイッチ39がオン状態となると、駆動インバータ38の入出力が短絡されることとなり、各々の画素の駆動インバータ38を形成するトランジスタの特性に従った基準電圧が設定され、この基準電圧を基準として、第1データ線23からの信号電圧を、書込み容量37に蓄積する。駆動インバータ38は、書き込み後に入力される三角波が、書込み容量37に蓄積された信号電圧より高いときは有機EL40をオフ状態とし、書き込み後に入力される三角波が、書込み容量37に蓄積された信号電圧より低いときは有機EL40をオン状態とすることによって、信号電圧に従った有機EL40の点燈時間制御を行う。
【0018】
また、先に説明したとおり、 自発光素子ディスプレイ22の画素数は、240×320画素となっているため、走査線は、水平方向の線が、垂直方向に第1走査線25から第320走査線26まで320本並び、データ線は、垂直方向の線が、水平方向に第1データ線23、第2データ線24から、第240データ線まで240本並んでいるものとして、以下説明する。さらに、有機EL駆動電圧供給線は、自発光素子ディスプレイ22の下側に配置する。有機EL駆動電圧供給線には、垂直方向(列方向)の線(例えば、第1列有機EL駆動電圧供給線29や第2列有機EL駆動電圧供給線30)が、水平方向(行方向)に240本接続されるものとして、以下説明する。
【0019】
図3は図2に示した駆動インバータ38における信号電圧の基準電圧設定の説明図である。図3において、曲線41は駆動インバータ38の入出力特性を、また直線42は入出力短絡条件を示し、曲線41と直線42の交叉点43は駆動インバータ38の信号電圧書込み基準電位である。駆動トランジスタ38は、データ書き込み時に入出力が短絡されるため、入力、出力の電位が、入出力特性41とVin=Voutの直線で示す入出力短絡条件42の交点である信号電圧書込み基準電位43となる。信号電圧の書き込みはこの信号電圧書込み基準電圧43を基準として行われる。
【0020】
図4は信号電圧書込みと三角波による点燈時間の制御の動作を説明するタイミング図である。図4において、44は書込み制御パルス、45は走査線選択パルス、46は駆動インバータ入力、47は駆動インバータ閾値電圧、48は1ライン分データ書込み期間、49はデータ書込み期間、50は三角波期間、51は非発光期間、52は発光期間、53は1フレーム期間である。書込み制御パルス44は、図2における書込み制御スイッチ39をオン状態とし、図3における信号電圧書込み基準電圧43を設定する。同時に走査線選択パルス45が、図2におけるスイッチングトランジスタ36をオン状態とし、信号電圧書込み基準電圧43を基準として、信号電圧をデータ線入力46を介して書込み容量37に書き込むことにより、書き込まれた電位Vsigが、駆動インバータ38の閾値電圧である駆動インバータ閾値電圧47となる。
【0021】
駆動インバータ入力46は、ある一つの駆動インバータの入力波形を示しており、1ライン分データ書込み期間48の期間内で、同一走査線上の他の駆動インバータにも、その位置の表示データに従った信号電圧が入力されている。データ書込み期間49の期間内で他の期間は、その他の走査線の信号電圧が書き込まれていることとなる。データ書込み期間49の終了後、三角波期間50に、駆動インバータ入力46を三角波とすることにより、三角波のレベルが駆動インバータ閾値電圧47を上回る期間では、駆動インバータ38の出力は"0"、三角波のレベルが駆動インバータ閾値電圧47を下回る期間では、駆動インバータ38の出力は"1"となる。したがって、非発光期間51では、有機EL40への電源供給は"オフ状態"となり、発光期間52では、有機EL40への電源供給は"オン状態"となる。以上で、信号電圧に従った発光期間が決定することとなる。また、以上のデータ入力と三角波入力は、一定の周期で行われることとし、本実施形態では、60[Hz]の周波数となる1フレーム期間53の期間内で行われるものとして、以下説明する。
【0022】
図5は図2に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14の内部構成の一例を示すブロック図である。図5において、54はデータシフト手段、55はデータスタート信号、56はデータクロック、57は表示入力シリアルデータ、58は帰線期間信号、59はシフトデータである。データシフト手段54は、データクロック56に従い、一ライン分の表示入力シリアルデータ57を、データスタート信号55を取り込み開始の基準として一水平期間中に取り込み、シフトデータ59として出力する。60は1ラインラッチ手段、61は水平ラッチクロック、62は1ラインラッチデータである。1ラインラッチ手段61はシフトデータ60を1ライン分ラッチし、水平ラッチクロック61に同期して1ラインラッチデータ62として出力する。63は階調電圧選択手段、64は1ライン表示データである。
【0023】
階調電圧選択手段63は、1ラインラッチデータ62に従って64レベルの階調電圧のうちの1レベルを選択し、1ライン表示データ64として出力する。以上のデータ線制御信号7から1ライン表示データ64を生成する方法は、従来と同様の方法である。65は三角波生成手段、66は三角波信号、67は三角波切替信号である。三角波生成手段65は、帰線期間信号58に従って、帰線期間中に入力表示データと無関係な三角波66を生成し、出力するとともに、三角波をデータ線に出力する期間を示す三角波切替信号67を生成する。68は階調電圧−三角波切替手段である。階調電圧−三角波切替手段68は、三角波切替信号67に従って、1ライン表示データ64と三角波66を切り替え、データ線駆動信号15として出力する。
【0024】
図6は図5に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14の動作を説明するタイミング図である。図6において、69はnライン目データ開始タイミング、70はn+1ライン目データ開始タイミング、71はnライン目表示入力シリアルデータ、72はn+1ライン目表示入力シリアルデータ、73はn−1ライン目ラッチデータ、74はnライン目ラッチデータである。表示入力シリアルデータ58はデータスタート信号55が"1"となるタイミングを基準に、シフトクロック56で取り込まれる。例えば、nライン目表示入力シリアルデータ71は、nライン目データ開始タイミング69の次のシフトクロック56の立ち上がりから取り込まれる。1ライン分のデータを全て取り込んだ後、水平ラッチクロック61の立ち上がりで、1ラインラッチデータ62が出力されることを示している。例えば、nライン目表示入力シリアルデータ71は、全データ取り込み終了後の水平ラッチクロック61の立ち上がりで、nライン目ラッチデータ74として出力される。
【0025】
図6に、時間軸を伸ばしたものを合わせて示している。75は入力表示データ終了タイミング、76は入力表示データ開始タイミングである。入力表示データ終了タイミング75は、全ライン分の1ラインラッチデータ62を出力後に、帰線期間信号59が"1"となる、つまり、本実施形態では、320ライン目の1ラインラッチデータ62の出力後に、帰線期間信号59が"1"となるタイミングである。入力表示データ開始タイミング76は、帰線期間が終了し、1ライン目の1ラインラッチデータ62が出力される前に、帰線期間信号59が"1"となるタイミングである。入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの期間は帰線期間となるため、1ラインラッチデータ62、1ライン表示データ64は出力されず、三角波66が出力される。データ線駆動信号15は、三角波切り替え信号67が"0"のとき、つまり、データ書込み期間49の期間中は、1ライン表示データ64が選択され、三角波切り替え信号67が"1"のとき、つまり、三角波期間50の期間中は、三角波66が選択される。
【0026】
図7は図5に示した三角波生成手段65の内部構成の一例を説明するブロック図である。図7において、77は基準クロック生成手段、78は基準クロック、79はアップダウンカウント手段、80はカウント出力、81はデジタル/アナログ変換手段、82は三角波切り替え信号生成手段である。基準クロック生成手段77は、三角波66を生成するための基準クロック78を生成する。アップダウンカウント手段79は、基準クロック78に同期して、初期値からカウントダウン、"0"となった後再び初期値に戻るまでカウントアップを行い、カウント出力80を出力する。デジタル/アナログ変換手段81は、デジタルデータであるカウント出力80を、アナログ変換し、三角波66として出力する。本実施形態では、アップダウンカウント手段79は6ビットのカウンタであることとし、カウント開始の初期値は"63"、デジタル/アナログ変換手段81も6ビットデジタルデータに対応するものとして、以下説明する。
【0027】
図8は図7における基準クロック生成手段77、アップダウンカウント手段79、デジタル/アナログ変換手段81の動作を示すタイミング図である。図8において、基準クロック78は、入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの三角波期間50の期間中に、最低限、アップダウンカウント手段79が初期値"63"から"0"までカウントダウンし、その後再び"63"までカウントアップするために必要なサイクル数を有するクロックとなる。カウント出力80は、基準クロック78に従って、初期値"63"からカウントダウンを開始し、"0"となった後、再び初期値である"63"までカウントアップした値である。三角波信号66は、"0"から"63"までを示す6ビットデジタルデータであるカウント出力80を、"0"のときを最低、"63"のときを最高レベルとするアナログ値に変換した信号である。
【0028】
以下、図1〜8を参照して本実施形態における帰線期間での三角波制御について説明する。まず、図1を用いて、表示データの流れを説明する。図1で、表示制御部6は、表示データ4を一画面分、画面格納手段12に格納データ11として一旦格納する。そして、自発光素子ディスプレイ22の表示タイミングに合わせて、画面格納手段12から表示データを画面読出しデータ13として読出し、データ線駆動信号7、走査線制御信号8を生成する。画面格納手段12は、通常、入力される表示データ4と、表示する自発光素子ディスプレイ22の表示解像度が異なるとき、あるいは、本実施形態のように、特有の処理を行うために帰線期間を調整する場合に用いられるため、入力解像度が自発光素子ディスプレイ22の解像度と全く同様で、帰線期間が十分長い場合には省略することも可能である。
【0029】
帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14は、6ビットの階調情報を含むデータ線駆動信号7を1ライン分(複数ライン分でもよい)ラッチし、自発光素子ディスプレイ22の画素を表示するための信号電圧に変換するとともに、帰線期間に三角波を生成し、データ線駆動信号15として出力する。詳細は後で説明する。走査線駆動手段16は、自発光素子ディスプレイ22の走査線を順次選択するよう、走査線駆動信号17を出力する。駆動電圧生成手段18は、有機ELを点燈するための駆動電圧を生成するための基準となる有機EL駆動電圧19を生成する。画素点燈制御手段20は、自発光素子ディスプレイ22の画素内に設けた書込み制御スイッチを、走査線ごとに制御するためのデータ書込み制御信号21を生成する。詳細は後で説明する。最後に、自発光素子ディスプレイ22において、走査線駆動信号17、データ書込み制御信号21によって選択された走査線上の画素が、データ線駆動信号15の信号電圧と三角波信号、および有機EL駆動電圧19に従って点燈する。詳細は後で説明する。
【0030】
次に、図2〜図4を参照して図1記載の自発光素子ディスプレイ22の点燈動作の詳細について説明する。図2で、第1書込み制御線27を介して書込み制御スイッチ39をオン状態とすると、駆動インバータ38の入出力が短絡されるため、図3に示す特性に従って、信号電圧書込み基準電位43が、駆動インバータ38の入出力電位差の中間電位となる。このとき、第1走査線25を介して、走査線選択電圧が供給されると、スイッチングトランジスタ36がオン状態となり、第1データ線23を介してデータの信号電圧を、信号電圧書込み基準電位43を基準として書込み容量37に蓄積し、図4に示す駆動インバータ閾値電圧47となる。
【0031】
図2において、駆動インバータ38は、入力電圧が閾値電圧を上回っている場合は"0"を出力、下回っている場合には"1"を出力する。したがって、第1データ線を介して三角波を入力することにより、駆動インバータ38は、図4に示すように、三角波の電圧レベルが駆動インバータ閾値電圧47を上回る非発光期間51では"0"を出力し、下回る発光期間52では"1"となる。図2で、有機EL40は、駆動インバータ38の出力が"0"のときはオフ状態、"1"のときはオン状態となり、有機EL駆動電圧19に従って駆動電流が流れることにより発光する。以上のように、発光、非発光を信号電圧に従った時間制御を行うことにより、階調表示行う。ここで、駆動インバータ38は論理回路記号で記述しているが、一般的にCMOSトランジスタで構成される。ただし、図3に示す特性を持つインバータであれば、構成は限定されない。
【0032】
図5と図6を用いて、帰線期間制御内蔵ドライバ14が、帰線期間において三角波信号66を出力する詳細動作について説明する。図5において、データシフト手段54は、データスタート信号55、データクロック56に従って、入力表示シリアルデータ57をラッチし、シフトデータ59として出力する。図6に示すように、データスタート信号55を開始基準として、入力表示シリアルデータ57をデータクロック56の立ち上がりで取り込む。図5で、1ラインラッチ手段60は、データシフト手段54で取り込んだシフトデータ59を水平ラッチクロック61に従ってラッチし、1ラインラッチデータとして出力する。
【0033】
図6に示すように、水平ラッチクロック61の立ち上がりのタイミングで1ラインラッチデータ62を出力する。図5で、階調電圧選択手段63は、6ビットの1ラインラッチデータ62に従って、階調電圧64レベルのうち1レベルを選択し、1ライン表示データ64として出力する。図6において、データ書込み期間49の期間内の1ライン表示データ64は、各々のラインにおいて表示データに従った階調レベルが出力されている。図5で、三角波生成手段65は、帰線期間信号58に従って三角波信号66、および三 角波切替信号67を生成する。図6に示すように、三角波期間50の期間内で、最高レベルから、最低レベルまで落ちた後、再び最高レベルまで到達する三角波信号66を生成するとともに、三角波期間50に"1"となる三角波切替信号67を生成する。詳細は後で説明する。
【0034】
図5において、階調電圧−三角波切替手段68は、三角波切替信号67に従って、 1ライン表示データ64と、三角波信号66を切り替えて、データ線駆動信号15として出力する。図6に示すように、三角波切替信号67が"0"であるデータ書込み期間49において1ライン表示データ64を選択し、"1"である三角波期間50において三角波信号66を選択し、データ線駆動信号15として出力する。以上で、帰線期間において三角波信号を出力する、帰線期間制御内蔵データ線駆動手段を実現する。
【0035】
図7と図8を用いて、図5で説明した三角波生成手段65が三角波信号66を生成する詳細動作について説明する。図7において、基準クロック生成手段77は、図8に示すように、帰線期間信号58に従って基準クロック78を生成する。基準クロック78は、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの間、最低限"63"から"0"までカウントダウンした後、再び"63"までカウントアップできるサイクル数を有する。このサイクル数は、水晶発振器で予め周波数を固定しておいてもよいし、レジスタ等で可変とすることも可能である。また、PLLを用いて、入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの間を示す基準信号から、その間に一定周波数でクロックを再生してもよい。また、三角波期間50以外の期間では、基準クロック78の周波数は不問であり、そのまま出力しつづけてもよいし、この期間は止めてしまっても構わない。
【0036】
図7において、アップダウンカウント手段79は、帰線期間信号58と基準クロック78に従って、カウントを行う。図8に示すように、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミングでカウント初期値"63"を設定し、その後、基準クロック78に同期してカウントダウンを行う。カウント値が"0"となった後、カウントアップに切り替え、再び初期値"63"となるまでカウントアップを行い、カウント出力80として出力する。ここで、本実施形態では、カウントアップ、ダウンとも、1ステップづつ行っているが、三角波の形を変えるためにステップ幅を可変としてもよい。また、カウント値を6ビットの"0"から"63"と限定するものではない。
【0037】
また、図7において、デジタル/アナログ変換手段81は、6ビットのカウント出力80を64レベルのアナログ信号に変換する。図8に示すように、カウント出力80が"63"のときに最高レベル、"0"のときに最低レベルとなるアナログ信号に変換し、三角波信号66として出力する。図7で三角波切替信号生成手段82は、帰線期間信号58に従って、 三角波切替信号67を生成する。図8に示すように、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの期間、"1"となる信号を、三角波切替信号67として出力する。ここで、デジタル/アナログ変換手段81の入力は、6ビットのカウント出力80としているが、本数を減らすためにシリアル変換したカウント出力としてもよい。
【0038】
以上で、帰線期間信号58から三角波信号66、および三角波切替信号67を生成する。ここで、本実施形態では、三角波信号をデジタル的にカウンタ出力から生成したが、帰線期間内に増減する信号であれば、生成するための構成は限定するものではない。また、本実施形態では、帰線期間のデータ駆動信号を三角波として説明したが、三角波の代わりに、任意の定電圧レベルを出力することにより、帰線期間においてプリチャージが必要な駆動方法に対しても適用可能である。
【0039】
上記本発明の第1の実施形態によれば、帰線期間におけるデータ線駆動信号を、入力表示データに関係なく制御するデータ線駆動手段を設けることにより、従来、画素内でスイッチによって切り替えていた帰線期間での電圧制御(本実施形態では三角波)がスイッチなしで実現でき、画素回路の簡略化、パネル内制御線の削減という効果を奏する。
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態を、図9および図10を参照して詳細に説明する。図9は本発明の第2の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。図9において、1は垂直同期信号、2は水平同期信号、3はデータイネーブル信号、4は表示データ、5は同期クロックであり、全て第1の実施形態と同一のものである。83は帰線期間制御内蔵表示制御部、84は帰線期間制御内蔵データ線制御信号、8は走査線制御信号、9は格納・読出しコマンド信号、10は格納・読出しアドレス、11は格納データ、12は画面格納手段、13は画面読出しデータである。帰線期間制御内蔵表示制御部83は、第1の実施形態と同様に、走査線制御信号8、格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10、格納データ11を生成するとともに、帰線期間における後述のデータ線駆動手段85の動作を制御するための帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成する。格納手段12の動作は第1の実施形態と同様である。
【0040】
また、85はデータ線駆動手段、15はデータ線駆動信号、16は走査線駆動手段、17は走査線駆動信号、18は駆動電圧生成手段、19は有機EL駆動電圧、20は画素制御手段、21はデータ書込み制御信号、22は自発光素子ディスプレイであり、データ線駆動手段85は、第1の実施形態とは異なり、従来と同様入力制御信号に従ってデータ線駆動信号15を生成する手段である。その他は、全て第1の実施形態と同一のものである。
【0041】
図10は図9に示した帰線期間制御内蔵表示制御部83の動作を説明するタイミング図である。図10において、86は帰線期間制御内蔵データスタート信号、87は320ラインデータ開始タイミング、88は三角波第1データ開始タイミング、89は三角波第2データ開始タイミング、90は帰線期間制御内蔵表示データ、91は320ライン目入力表示データ、92は三角波第1入力データ、93は三角波第2入力データ、94は帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ、95は319ライン目ラッチデータ、96は320ライン目ラッチデータ、97は三角波第1ラッチデータである。
【0042】
帰線期間制御内蔵データスタート信号86は、第1の実施形態では入力表示データのスタートタイミングの基準のみを示すデータスタート信号(320ラインデータ開始タイミング87もそのうちの一つ)であったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータ入力のスタート信号を示す三角波第1データ開始タイミング88、三角波第2データ開始タイミング89が加えられている。本実施形態では、三角波データ開始タイミングは第127まであるものとして、以下説明する。帰線期間制御内蔵表示データ90は、第1の実施形態では入力表示データ(320ライン目入力表示データ91もそのうちの一つ)のみであったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータである三角波第1入力データ92、三角波第2入力データ93を含む。
【0043】
ここでも、三角波入力データは第127まであるものとする。帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ94は、第1の実施形態では入力表示データに対応する1ラインラッチデータ(319ライン目ラッチデータ95、320ライン目ラッチデータ96もそのうちの二つ)のみであったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータである三角波第1ラッチデータを含む。ここでも、三角波ラッチデータは第127まであるものとする。図10に、時間軸を伸ばしたものを合わせて示す。帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ94として、三角波第1ラッチデータ97では"63"を入力し、以降、"62"、"61"と、1づつ減らす。"0"まで減らした後、再び1づつ増やし、"63"となる三角波第127ラッチデータまで入力する。信号電圧出力15は"0"から"63"に対応した64レベルの電圧のうち1レベルを選択した値となるため、三角波期間54での信号電圧出力15は階段状の波形となる。
【0044】
以下、図9と図10を用いて、本実施形態における帰線期間での三角波制御について説明する。まず、図9を用いて、表示データの流れを説明する。図9において、帰線期間制御内蔵表示制御部83は、表示データ4を画面格納手段12に一旦格納後、自発光素子ディスプレイ22の表示タイミングに合わせて読み出す動作は、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なる部分は、帰線期間において三角波信号を生成するような入力データを含む帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成することである。走査線制御信号8の生成は第1の実施形態と同様である。
【0045】
データ線駆動手段85は、従来のデータ線駆動手段と同様、6ビットの階調情報を含む帰線期間制御内蔵データ線駆動信号84を1ライン分(複数ライン分でもよい)ラッチし、自発光素子ディスプレイ22の画素を表示するための信号電圧に変換し、データ線駆動信号15として出力する。ただし、帰線期間制御内蔵データ線制御信号84に、三角波信号を生成するためのデータが含まれるため、データ線駆動信号15の帰線期間で、三角波信号が出力されることとなる。詳細は後で説明する。走査線駆動手段16、駆動電圧生成手段18、画素制御手段20は、自発光素子ディスプレイ22の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
図10を用いて、図9記載の帰線期間制御内蔵表示制御部83が、三角波信号を生成するための帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成する詳細動作を説明する。図10で、帰線期間制御内蔵データスタート信号86は、従来のデータスタート信号である320ラインデータ開始タイミング87に加えて、三角波第1データ開始タイミング88、三角波第2データ開始タイミング89、…、三角波第127データ開始タイミングで"1"となる信号である。この三角波データ開始タイミングに合わせて、帰線期間制御内蔵表示データ90は、帰線期間において、入力の表示データ4とは無関係に表示データを生成する。
【0047】
例えば、三角波第1入力データ92は、1ライン240ドット分、6ビットデータ"63"を入力し、三角波第2入力データ93は、1ライン240ドット分、6ビットデータ"62"を入力し、三角波第64入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"0"を入力し、三角波第65入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"1"を入力し、三角波第127入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"63"を入力する。信号電圧出力15は、6ビットデータに従って、64レベルのうち1レベルを選択して出力するため、データ書込み期間49では、入力の表示データ4に従った階調電圧レベルが出力され、三角波期間50では、階段状の信号波形が出力されることとなる。ここで、三角波入力データを第127までとし、データの値を1づつ変化させているが、三角波の波形を制御するため、入力データの数を第127までと限定せず更に増やし(減らし)てもよいし、変化の幅を1づつと限定せず変えてもよい。以上で、データ線駆動手段85から、帰線期間において三角波を出力する。
【0048】
上記本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態に対して、表示制御部6の変更によって従来のデータ線駆動手段を用いることが可能となるという効果を奏する。
【0049】
図11は本発明を適用した有機EL表示装置の画素構造の要部を模式的に説明する断面図である。第1基板100の主面にはポリシリコン半導体膜PSI、ゲート電極GT、ソースまたはドレイン電極SD(ここではソース電極)からなる薄膜トランジスタ139が形成されている。この薄膜トランジスタ139は図2における書込みスイッチに相当する。156は層間絶縁層、155はパッシベーション層を示す。
【0050】
ソース電極SDには有機EL素子を構成する陽極153が接続され、この陽極153の上に有機EL発光層152が成膜されている。さらに、有機EL発光層152の上層に陰極膜151が絶縁層154で陽極153と絶縁されて成膜されている。一方、第2基板200の内面には接着剤201で吸湿剤202が設置され、主として有機EL発光層152が湿度で劣化するのを防止している。第2基板200は第1基板100と積層されて第1基板100の主面に有する発光素子等を外界から遮断して封止する。この第2基板200は封止缶とも称する。
【0051】
図12は図11で説明した表示装置の第1基板上での各機能部分の配置例を模式的に説明するための平面図である。第1基板100の中央の大部分には前記有機EL表示素子をマトリクス配列した表示領域ARが形成されている。図12では、表示領域ARの左右両側に走査線駆動回路160Aと160Bが配置されている。各走査駆動回路160Aと160Bから延びる走査線161A、161Bが交互に設置されている。また、表示領域ARの下側にはデータ線駆動回路140が配置され、データ線141がゲート線160Aと160Bと交差して設置されている。
【0052】
さらに、表示領域ARの上側には電流供給母線130が配置されており、この電流供給母線130から電流供給線131が設置されている。この構成では、走査線161A、161Bとデータ線141および電流供給線131で囲まれた部分に1画素PXが形成される。そして、図11に示した第2基板と貼り合わせるためのシール剤171の内側で表示領域ARと各走査駆動回路160Aと160Bおよびデータ駆動回路140を覆って陰極膜151が形成されている。なお、参照符号170は第1基板100の下層に形成された図示しない陰極膜配線に陰極膜151を接続するコンタクト領域を示す。
【0053】
なお、上記図11、図12で説明した構造または構成の表示装置は一例であり、他に種々の構成が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1・・・・垂直同期信号、2・・・・水平同期信号、3・・・・データイネーブル信号、4・・・・表示データ、5・・・・同期クロック、6・・・・表示制御部、7・・・・データ線制御信号、8・・・・走査線制御信号、9・・・・格納・読出しコマンド信号、10・・・・格納・読出しアドレス、11・・・・格納データ、12・・・・画面格納手段、13・・・・画面読出しデータ、14・・・・帰線期間制御内蔵データ線駆動手段、15・・・・データ線駆動信号、16・・・・走査線駆動手段、17・・・・走査線駆動信号、18・・・・駆動電圧生成手段、19・・・・自発光素子駆動電圧、20・・・・画素制御手段、21・・・・データ書込み制御信号、22・・・・自発光素子ディスプレイ、23・・・・第1データ線、24・・・・第2データ線、25・・・・第1走査線、26・・・・第320走査線、27・・・・第1書込み制御線、28・・・・第320書込み制御線、29・・・・第1列有機EL駆動電圧供給線、30・・・・第2列有機EL駆動電圧供給線、31・・・・第1行第1列画素、32・・・・第1行第2列画素、33・・・・第320行第1列画素、34・・・・第320行第2列画素、35・・・・画素駆動部、36・・・・スイッチングトランジスタ、37・・・・書込み容量、38・・・・駆動インバータ、39・・・・書込み制御スイッチ、40・・・・有機EL、41・・・・駆動インバータ入出力特性、42・・・・駆動インバータ入出力短絡条件、43・・・・駆動インバータ信号電圧書込み基準電位、44・・・・書込み制御パルス、45・・・・走査線選択パルス、46・・・・駆動インバータ入力、47・・・・駆動インバータ閾値電圧、48・・・・1ライン分データ書込み期間、49・・・・データ書込み期間、50・・・・三角波期間、51・・・・非発光期間、52・・・・発光期間、53・・・・1フレーム期間、54・・・・データシフト手段、55・・・・データスタート信号、56・・・・データクロック、57・・・・表示入力シリアルデータ、58・・・・帰線期間信号、59・・・・シフトデータ、60・・・・1ラインラッチ手段、61・・・・水平ラッチクロック、62・・・・1ラインラッチデータ、63・・・・階調電圧選択手段、64・・・・1ライン表示データ、65・・・・三角波生成手段、66・・・・三角波信号、67・・・・三角波切替信号、68・・・・階調電圧−三角波切替手段、69・・・・nライン目データ開始タイミング、70・・・・n+1ライン目データ開始タイミング、71・・・・nライン目表示入力シリアルデータ、72・・・・n+1ライン目表示入力シリアルデータ、73・・・・n−1ライン目ラッチデータ、74・・・・nライン目ラッチデータ、75・・・・入力表示データ終了タイミング、76・・・・入力表示データ開始タイミング、77・・・・基準クロック生成手段、78・・・・基準クロック、79・・・・アップダウンカウント手段、80・・・・カウント出力、81・・・・デジタル/アナログ変換手段、82・・・・三角波切り替え信号生成手段、83・・・・帰線期間制御内蔵表示制御部、84・・・・帰線期間制御内蔵データ線制御信号、85・・・・データ線駆動手段、86・・・・帰線期間制御内蔵データスタート信号、87・・・・320ラインデータ開始タイミング、88・・・・三角波第1データ開始タイミング、89・・・・三角波第2データ開始タイミング、90・・・・帰線期間制御内蔵表示データ、91・・・・320ライン目入力表示データ、92・・・・三角波第1入力データ、93・・・・三角波第2入力データ、94・・・・帰線期間制御内蔵1ライン目ラッチデータ、95・・・・319ライン目ラッチデータ、96・・・・320ライン目ラッチデータ、97・・・・三角波第1ラッチデータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子に印加する電流量、あるいは発光時間に応じて輝度を制御可能な表示装置に係り、特に、表示素子として発光ダイオード(LED)や有機EL(Electro Luminescence)等に代表される自発光素子で構成した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陰極線管に代わる平面パネル型の表示装置として、種々の表示方式が提案されている。特に、表示素子自体が発光する、所謂自発光型の表示装置として有機EL表示装置、電界発光型表示装置(FED)あるいはプラズマ表示装置などが注目されている。自発光型の表示装置の一つである有機EL表示装置の駆動に関して「非特許文献1」には、信号電圧書込み後に、三角波入力を画素内のスイッチで切り替えて入力することによる、信号電圧に応じた発光時間制御方法が開示されている。また、「特許文献1」には、信号電圧書込み前に、プリチャージレベルを画素内のスイッチで切り替えて入力することによる、特性ばらつき補償方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−219146号公報
【0004】
【非特許文献1】SID02予稿集の中の「An Innovative Pixel−Driving Scheme for 64−Level Gray− Scale Full−Color Active Matrix OLED Displays」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1に記載の駆動方法では、画素内に切替スイッチおよび三角波供給用の配線が設けられるため、画素の開口率の低下を招いている。また、特許文献1に記載の方法も、画素内に切替スイッチおよびプリチャージ電圧供給用の配線を有しているため、画素の開口率が低下する。本発明の目的は、階調制御方法や、輝度ばらつき補償方法における任意の電圧(上記三角波やプリチャージ電圧)を供給する駆動ドライバを具備した表示装置における当該画素内のスイッチや配線を削減し、開口率を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、入力表示データに従った駆動電圧を出力するデータ線駆動手段に、帰線期間において入力表示データに関係なく当該データ線を任意のレベルに設定するための電圧波形を出力する手段を設ける。例えば、入力表示データが入力される期間においては、入力表示データに従った階調電圧を出力し、入力表示データが入力されない帰線期間においては三角波を出力するデータ駆動手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
なお、本発明は、特許請求の範囲に記載の構成および後述する実施の形態に開示される構成に限定されるものでなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力表示データに従った駆動電圧を出力するデータ線駆動手段に、帰線期間において入力表示データに関係なく当該データ線を任意のレベルに設定するための電圧波形を出力する手段を設け、データ線に入力表示データを与えるデータ駆動手段が帰線期間において入力表示データに関係なく任意の電圧制御を行う構成としたことにより、表示領域内の制御回路および制御用配線を簡略化できため開口率が向上し、かつ製造コストの低減を可能とした表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した自発光素子ディスプレイの内部構成の画素構成の説明図である。
【図3】図2に示した駆動インバータにおける信号電圧の基準電圧設定の説明図である。
【図4】信号電圧書込みと三角波による点燈時間の制御の動作を説明するタイミング図である。
【図5】図2に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段の動作を説明するタイミング図である。
【図7】図5に示した三角波生成手段の内部構成の一例を説明するブロック図である。
【図8】図7における基準クロック生成手段とアップダウンカウント手段およびデジタル/アナログ変換手段の動作を示すタイミング図である。
【図9】本発明の第2の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。
【図10】図9に示した帰線期間制御内蔵表示制御部の動作を説明するタイミング図である。
【図11】本発明を適用した有機EL表示装置の画素構造の要部を模式的に説明する断面図である。
【図12】図11で説明した表示装置の第1基板上での各機能部分の配置例を模式的に説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、ここでは、表示装置をディスプレイとも称する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。図1において、1は垂直同期信号、2は水平同期信号、3はデータイネーブル信号、4は表示データ(動画でも静止画でも良い)、5は同期クロックである。垂直同期信号1は表示一画面周期(1フレーム周期)の信号、水平同期信号2は一水平周期の信号、データイネーブル信号3は表示データ4が有効である期間(表示有効期間)を示す信号で、全ての信号が同期クロック5に同期して入力される。
【0011】
本実施形態では、これら表示データが、一画面分が左上端の画素から順次ラスタスキャン形式で転送され、1画素分の情報は6ビットの階調データからなるものとして以下説明する。6は表示制御部、7はデータ線制御信号、8は走査線制御信号、9は格納・読出しコマンド信号、10は格納・読出しアドレス、11は格納データ、12は画面格納手段、13は画面読出しデータである。表示制御部6は、自発光素子ディスプレイ(後述)の少なくとも一画面分の表示データ4を格納可能な画面格納手段12へ、一旦格納するための格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10、格納データ11を生成する。
【0012】
また、自発光素子ディスプレイの表示タイミングに合わせて一画面分の表示データを読み出すよう、格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10を生成する。画面格納手段12は格納・読出しコマンド9、格納・読出しアドレスに従って、格納データ11を格納、あるいは画面読出しデータ13を読み出す。表示制御部6は画面読出しデータ13から、データ線制御信号7、走査線制御信号8を生成する。14はデータ線駆動手段、15はデータ線駆動信号、16は走査線駆動手段、17は走査線駆動信号、18は駆動電圧生成手段、19は自発光素子駆動電圧、20は画素制御手段、21はデータ書込み制御信号、22は自発光素子ディスプレイである。
【0013】
ここで、自発光素子ディスプレイ22とは、表示素子として発光ダイオードや有機EL等を用いたディスプレイをいう。自発光素子ディスプレイ22は、多数の走査線と、多数のデータ線の交叉部にマトリクス状に配置された複数の自発光素子(画素部)を有する。自発光素子ディスプレイ22への表示動作は、走査線駆動手段16から出力される走査線駆動信号17によって選択された走査線に接続する画素に、データ線駆動手段14からデータ線に出力されるデータ線駆動信号15に従った信号電圧、および三角波の印加と、画素制御手段20から出力される画素制御信号21に従った画素へのデータ書込みによって動作する。画素制御手段20は、走査線制御信号8に従って、画素へのデータ書込みタイミングを制御するよう、データ書込み制御信号21を出力する。自発光素子を駆動する電圧は自発光素子駆動電圧19として供給する。なお、走査線駆動手段16と画素制御手段20は、一つのLSIで実現してもよいし、画素部と同一のガラス基板上に形成してもよい。
【0014】
本実施形態では、自発光素子ディスプレイ22は240×320ドットの解像度を持つものとして以下説明する。自発光素子ディスプレイ22は、自発光素子に流れる電流量と、自発光素子の点燈時間によって、自発光素子が発光する輝度を調整することが可能である。自発光素子に流れる電流量が大きいほど自発光素子の輝度が高くなる。自発光素子の点燈時間が長くなるほど自発光素子の輝度が高くなる。データ線駆動手段14が、表示データに応じて自発光素子に書き込む信号電圧を生成し、自発光素子の点燈時間を、書き込んだ信号電圧によって制御するための三角波を生成、出力する。
【0015】
図2は図1に示した自発光素子ディスプレイ22の内部構成の画素構成の説明図である。自発光素子として、有機EL素子を用いた場合の例を示す。図2において、23は第1データ線、24は第2データ線、25は第1走査線、26は第320走査線、27は第1書込み制御線、28は第320書込み制御線、29は第1列有機EL駆動電圧供給線、30は第2列有機EL駆動電圧供給線、31は第1行第1列画素、32は第1行第2列画素、33は第320行第1列画素、34は第320行第2列画素である。各々の走査線、および各々の書込み制御線によって選択される行の画素に、各々のデータ線を介して信号電圧と三角波を供給し、信号電圧と三角波に従って各列有機EL駆動電圧供給線から供給される有機EL駆動電圧によって点燈する画素の点燈時間を制御する。
【0016】
ここでは、画素の内部の構成を第1行第1列画素31にのみ示しているが、第1行第2列画素32、第320行第1列画素33、第320行第2列画素34についても同様の構成である。35は画素駆動部、36はスイッチングトランジスタ、37は書込み容量、38は駆動インバータ、39は書込み制御スイッチ、40は有機ELである。画素駆動部35は、信号電圧に対応して有機EL40の点燈時間を制御するためのものである。画素駆動部35は、スイッチングトランジスタ36、書込み容量37、駆動インバータ38、書込み制御スイッチ39を備える。スイッチングトランジスタ36は、第1走査線25によってオン状態となり、書込み制御スイッチ39は第1書込み制御線27によってオン状態となる。
【0017】
書込み制御スイッチ39がオン状態となると、駆動インバータ38の入出力が短絡されることとなり、各々の画素の駆動インバータ38を形成するトランジスタの特性に従った基準電圧が設定され、この基準電圧を基準として、第1データ線23からの信号電圧を、書込み容量37に蓄積する。駆動インバータ38は、書き込み後に入力される三角波が、書込み容量37に蓄積された信号電圧より高いときは有機EL40をオフ状態とし、書き込み後に入力される三角波が、書込み容量37に蓄積された信号電圧より低いときは有機EL40をオン状態とすることによって、信号電圧に従った有機EL40の点燈時間制御を行う。
【0018】
また、先に説明したとおり、 自発光素子ディスプレイ22の画素数は、240×320画素となっているため、走査線は、水平方向の線が、垂直方向に第1走査線25から第320走査線26まで320本並び、データ線は、垂直方向の線が、水平方向に第1データ線23、第2データ線24から、第240データ線まで240本並んでいるものとして、以下説明する。さらに、有機EL駆動電圧供給線は、自発光素子ディスプレイ22の下側に配置する。有機EL駆動電圧供給線には、垂直方向(列方向)の線(例えば、第1列有機EL駆動電圧供給線29や第2列有機EL駆動電圧供給線30)が、水平方向(行方向)に240本接続されるものとして、以下説明する。
【0019】
図3は図2に示した駆動インバータ38における信号電圧の基準電圧設定の説明図である。図3において、曲線41は駆動インバータ38の入出力特性を、また直線42は入出力短絡条件を示し、曲線41と直線42の交叉点43は駆動インバータ38の信号電圧書込み基準電位である。駆動トランジスタ38は、データ書き込み時に入出力が短絡されるため、入力、出力の電位が、入出力特性41とVin=Voutの直線で示す入出力短絡条件42の交点である信号電圧書込み基準電位43となる。信号電圧の書き込みはこの信号電圧書込み基準電圧43を基準として行われる。
【0020】
図4は信号電圧書込みと三角波による点燈時間の制御の動作を説明するタイミング図である。図4において、44は書込み制御パルス、45は走査線選択パルス、46は駆動インバータ入力、47は駆動インバータ閾値電圧、48は1ライン分データ書込み期間、49はデータ書込み期間、50は三角波期間、51は非発光期間、52は発光期間、53は1フレーム期間である。書込み制御パルス44は、図2における書込み制御スイッチ39をオン状態とし、図3における信号電圧書込み基準電圧43を設定する。同時に走査線選択パルス45が、図2におけるスイッチングトランジスタ36をオン状態とし、信号電圧書込み基準電圧43を基準として、信号電圧をデータ線入力46を介して書込み容量37に書き込むことにより、書き込まれた電位Vsigが、駆動インバータ38の閾値電圧である駆動インバータ閾値電圧47となる。
【0021】
駆動インバータ入力46は、ある一つの駆動インバータの入力波形を示しており、1ライン分データ書込み期間48の期間内で、同一走査線上の他の駆動インバータにも、その位置の表示データに従った信号電圧が入力されている。データ書込み期間49の期間内で他の期間は、その他の走査線の信号電圧が書き込まれていることとなる。データ書込み期間49の終了後、三角波期間50に、駆動インバータ入力46を三角波とすることにより、三角波のレベルが駆動インバータ閾値電圧47を上回る期間では、駆動インバータ38の出力は"0"、三角波のレベルが駆動インバータ閾値電圧47を下回る期間では、駆動インバータ38の出力は"1"となる。したがって、非発光期間51では、有機EL40への電源供給は"オフ状態"となり、発光期間52では、有機EL40への電源供給は"オン状態"となる。以上で、信号電圧に従った発光期間が決定することとなる。また、以上のデータ入力と三角波入力は、一定の周期で行われることとし、本実施形態では、60[Hz]の周波数となる1フレーム期間53の期間内で行われるものとして、以下説明する。
【0022】
図5は図2に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14の内部構成の一例を示すブロック図である。図5において、54はデータシフト手段、55はデータスタート信号、56はデータクロック、57は表示入力シリアルデータ、58は帰線期間信号、59はシフトデータである。データシフト手段54は、データクロック56に従い、一ライン分の表示入力シリアルデータ57を、データスタート信号55を取り込み開始の基準として一水平期間中に取り込み、シフトデータ59として出力する。60は1ラインラッチ手段、61は水平ラッチクロック、62は1ラインラッチデータである。1ラインラッチ手段61はシフトデータ60を1ライン分ラッチし、水平ラッチクロック61に同期して1ラインラッチデータ62として出力する。63は階調電圧選択手段、64は1ライン表示データである。
【0023】
階調電圧選択手段63は、1ラインラッチデータ62に従って64レベルの階調電圧のうちの1レベルを選択し、1ライン表示データ64として出力する。以上のデータ線制御信号7から1ライン表示データ64を生成する方法は、従来と同様の方法である。65は三角波生成手段、66は三角波信号、67は三角波切替信号である。三角波生成手段65は、帰線期間信号58に従って、帰線期間中に入力表示データと無関係な三角波66を生成し、出力するとともに、三角波をデータ線に出力する期間を示す三角波切替信号67を生成する。68は階調電圧−三角波切替手段である。階調電圧−三角波切替手段68は、三角波切替信号67に従って、1ライン表示データ64と三角波66を切り替え、データ線駆動信号15として出力する。
【0024】
図6は図5に示した帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14の動作を説明するタイミング図である。図6において、69はnライン目データ開始タイミング、70はn+1ライン目データ開始タイミング、71はnライン目表示入力シリアルデータ、72はn+1ライン目表示入力シリアルデータ、73はn−1ライン目ラッチデータ、74はnライン目ラッチデータである。表示入力シリアルデータ58はデータスタート信号55が"1"となるタイミングを基準に、シフトクロック56で取り込まれる。例えば、nライン目表示入力シリアルデータ71は、nライン目データ開始タイミング69の次のシフトクロック56の立ち上がりから取り込まれる。1ライン分のデータを全て取り込んだ後、水平ラッチクロック61の立ち上がりで、1ラインラッチデータ62が出力されることを示している。例えば、nライン目表示入力シリアルデータ71は、全データ取り込み終了後の水平ラッチクロック61の立ち上がりで、nライン目ラッチデータ74として出力される。
【0025】
図6に、時間軸を伸ばしたものを合わせて示している。75は入力表示データ終了タイミング、76は入力表示データ開始タイミングである。入力表示データ終了タイミング75は、全ライン分の1ラインラッチデータ62を出力後に、帰線期間信号59が"1"となる、つまり、本実施形態では、320ライン目の1ラインラッチデータ62の出力後に、帰線期間信号59が"1"となるタイミングである。入力表示データ開始タイミング76は、帰線期間が終了し、1ライン目の1ラインラッチデータ62が出力される前に、帰線期間信号59が"1"となるタイミングである。入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの期間は帰線期間となるため、1ラインラッチデータ62、1ライン表示データ64は出力されず、三角波66が出力される。データ線駆動信号15は、三角波切り替え信号67が"0"のとき、つまり、データ書込み期間49の期間中は、1ライン表示データ64が選択され、三角波切り替え信号67が"1"のとき、つまり、三角波期間50の期間中は、三角波66が選択される。
【0026】
図7は図5に示した三角波生成手段65の内部構成の一例を説明するブロック図である。図7において、77は基準クロック生成手段、78は基準クロック、79はアップダウンカウント手段、80はカウント出力、81はデジタル/アナログ変換手段、82は三角波切り替え信号生成手段である。基準クロック生成手段77は、三角波66を生成するための基準クロック78を生成する。アップダウンカウント手段79は、基準クロック78に同期して、初期値からカウントダウン、"0"となった後再び初期値に戻るまでカウントアップを行い、カウント出力80を出力する。デジタル/アナログ変換手段81は、デジタルデータであるカウント出力80を、アナログ変換し、三角波66として出力する。本実施形態では、アップダウンカウント手段79は6ビットのカウンタであることとし、カウント開始の初期値は"63"、デジタル/アナログ変換手段81も6ビットデジタルデータに対応するものとして、以下説明する。
【0027】
図8は図7における基準クロック生成手段77、アップダウンカウント手段79、デジタル/アナログ変換手段81の動作を示すタイミング図である。図8において、基準クロック78は、入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの三角波期間50の期間中に、最低限、アップダウンカウント手段79が初期値"63"から"0"までカウントダウンし、その後再び"63"までカウントアップするために必要なサイクル数を有するクロックとなる。カウント出力80は、基準クロック78に従って、初期値"63"からカウントダウンを開始し、"0"となった後、再び初期値である"63"までカウントアップした値である。三角波信号66は、"0"から"63"までを示す6ビットデジタルデータであるカウント出力80を、"0"のときを最低、"63"のときを最高レベルとするアナログ値に変換した信号である。
【0028】
以下、図1〜8を参照して本実施形態における帰線期間での三角波制御について説明する。まず、図1を用いて、表示データの流れを説明する。図1で、表示制御部6は、表示データ4を一画面分、画面格納手段12に格納データ11として一旦格納する。そして、自発光素子ディスプレイ22の表示タイミングに合わせて、画面格納手段12から表示データを画面読出しデータ13として読出し、データ線駆動信号7、走査線制御信号8を生成する。画面格納手段12は、通常、入力される表示データ4と、表示する自発光素子ディスプレイ22の表示解像度が異なるとき、あるいは、本実施形態のように、特有の処理を行うために帰線期間を調整する場合に用いられるため、入力解像度が自発光素子ディスプレイ22の解像度と全く同様で、帰線期間が十分長い場合には省略することも可能である。
【0029】
帰線期間制御内蔵データ線駆動手段14は、6ビットの階調情報を含むデータ線駆動信号7を1ライン分(複数ライン分でもよい)ラッチし、自発光素子ディスプレイ22の画素を表示するための信号電圧に変換するとともに、帰線期間に三角波を生成し、データ線駆動信号15として出力する。詳細は後で説明する。走査線駆動手段16は、自発光素子ディスプレイ22の走査線を順次選択するよう、走査線駆動信号17を出力する。駆動電圧生成手段18は、有機ELを点燈するための駆動電圧を生成するための基準となる有機EL駆動電圧19を生成する。画素点燈制御手段20は、自発光素子ディスプレイ22の画素内に設けた書込み制御スイッチを、走査線ごとに制御するためのデータ書込み制御信号21を生成する。詳細は後で説明する。最後に、自発光素子ディスプレイ22において、走査線駆動信号17、データ書込み制御信号21によって選択された走査線上の画素が、データ線駆動信号15の信号電圧と三角波信号、および有機EL駆動電圧19に従って点燈する。詳細は後で説明する。
【0030】
次に、図2〜図4を参照して図1記載の自発光素子ディスプレイ22の点燈動作の詳細について説明する。図2で、第1書込み制御線27を介して書込み制御スイッチ39をオン状態とすると、駆動インバータ38の入出力が短絡されるため、図3に示す特性に従って、信号電圧書込み基準電位43が、駆動インバータ38の入出力電位差の中間電位となる。このとき、第1走査線25を介して、走査線選択電圧が供給されると、スイッチングトランジスタ36がオン状態となり、第1データ線23を介してデータの信号電圧を、信号電圧書込み基準電位43を基準として書込み容量37に蓄積し、図4に示す駆動インバータ閾値電圧47となる。
【0031】
図2において、駆動インバータ38は、入力電圧が閾値電圧を上回っている場合は"0"を出力、下回っている場合には"1"を出力する。したがって、第1データ線を介して三角波を入力することにより、駆動インバータ38は、図4に示すように、三角波の電圧レベルが駆動インバータ閾値電圧47を上回る非発光期間51では"0"を出力し、下回る発光期間52では"1"となる。図2で、有機EL40は、駆動インバータ38の出力が"0"のときはオフ状態、"1"のときはオン状態となり、有機EL駆動電圧19に従って駆動電流が流れることにより発光する。以上のように、発光、非発光を信号電圧に従った時間制御を行うことにより、階調表示行う。ここで、駆動インバータ38は論理回路記号で記述しているが、一般的にCMOSトランジスタで構成される。ただし、図3に示す特性を持つインバータであれば、構成は限定されない。
【0032】
図5と図6を用いて、帰線期間制御内蔵ドライバ14が、帰線期間において三角波信号66を出力する詳細動作について説明する。図5において、データシフト手段54は、データスタート信号55、データクロック56に従って、入力表示シリアルデータ57をラッチし、シフトデータ59として出力する。図6に示すように、データスタート信号55を開始基準として、入力表示シリアルデータ57をデータクロック56の立ち上がりで取り込む。図5で、1ラインラッチ手段60は、データシフト手段54で取り込んだシフトデータ59を水平ラッチクロック61に従ってラッチし、1ラインラッチデータとして出力する。
【0033】
図6に示すように、水平ラッチクロック61の立ち上がりのタイミングで1ラインラッチデータ62を出力する。図5で、階調電圧選択手段63は、6ビットの1ラインラッチデータ62に従って、階調電圧64レベルのうち1レベルを選択し、1ライン表示データ64として出力する。図6において、データ書込み期間49の期間内の1ライン表示データ64は、各々のラインにおいて表示データに従った階調レベルが出力されている。図5で、三角波生成手段65は、帰線期間信号58に従って三角波信号66、および三 角波切替信号67を生成する。図6に示すように、三角波期間50の期間内で、最高レベルから、最低レベルまで落ちた後、再び最高レベルまで到達する三角波信号66を生成するとともに、三角波期間50に"1"となる三角波切替信号67を生成する。詳細は後で説明する。
【0034】
図5において、階調電圧−三角波切替手段68は、三角波切替信号67に従って、 1ライン表示データ64と、三角波信号66を切り替えて、データ線駆動信号15として出力する。図6に示すように、三角波切替信号67が"0"であるデータ書込み期間49において1ライン表示データ64を選択し、"1"である三角波期間50において三角波信号66を選択し、データ線駆動信号15として出力する。以上で、帰線期間において三角波信号を出力する、帰線期間制御内蔵データ線駆動手段を実現する。
【0035】
図7と図8を用いて、図5で説明した三角波生成手段65が三角波信号66を生成する詳細動作について説明する。図7において、基準クロック生成手段77は、図8に示すように、帰線期間信号58に従って基準クロック78を生成する。基準クロック78は、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの間、最低限"63"から"0"までカウントダウンした後、再び"63"までカウントアップできるサイクル数を有する。このサイクル数は、水晶発振器で予め周波数を固定しておいてもよいし、レジスタ等で可変とすることも可能である。また、PLLを用いて、入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの間を示す基準信号から、その間に一定周波数でクロックを再生してもよい。また、三角波期間50以外の期間では、基準クロック78の周波数は不問であり、そのまま出力しつづけてもよいし、この期間は止めてしまっても構わない。
【0036】
図7において、アップダウンカウント手段79は、帰線期間信号58と基準クロック78に従って、カウントを行う。図8に示すように、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミングでカウント初期値"63"を設定し、その後、基準クロック78に同期してカウントダウンを行う。カウント値が"0"となった後、カウントアップに切り替え、再び初期値"63"となるまでカウントアップを行い、カウント出力80として出力する。ここで、本実施形態では、カウントアップ、ダウンとも、1ステップづつ行っているが、三角波の形を変えるためにステップ幅を可変としてもよい。また、カウント値を6ビットの"0"から"63"と限定するものではない。
【0037】
また、図7において、デジタル/アナログ変換手段81は、6ビットのカウント出力80を64レベルのアナログ信号に変換する。図8に示すように、カウント出力80が"63"のときに最高レベル、"0"のときに最低レベルとなるアナログ信号に変換し、三角波信号66として出力する。図7で三角波切替信号生成手段82は、帰線期間信号58に従って、 三角波切替信号67を生成する。図8に示すように、帰線期間信号58の入力表示データ終了タイミング75から入力表示データ開始タイミング76までの期間、"1"となる信号を、三角波切替信号67として出力する。ここで、デジタル/アナログ変換手段81の入力は、6ビットのカウント出力80としているが、本数を減らすためにシリアル変換したカウント出力としてもよい。
【0038】
以上で、帰線期間信号58から三角波信号66、および三角波切替信号67を生成する。ここで、本実施形態では、三角波信号をデジタル的にカウンタ出力から生成したが、帰線期間内に増減する信号であれば、生成するための構成は限定するものではない。また、本実施形態では、帰線期間のデータ駆動信号を三角波として説明したが、三角波の代わりに、任意の定電圧レベルを出力することにより、帰線期間においてプリチャージが必要な駆動方法に対しても適用可能である。
【0039】
上記本発明の第1の実施形態によれば、帰線期間におけるデータ線駆動信号を、入力表示データに関係なく制御するデータ線駆動手段を設けることにより、従来、画素内でスイッチによって切り替えていた帰線期間での電圧制御(本実施形態では三角波)がスイッチなしで実現でき、画素回路の簡略化、パネル内制御線の削減という効果を奏する。
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態を、図9および図10を参照して詳細に説明する。図9は本発明の第2の実施形態である表示装置のシステム構成を説明するブロック図である。図9において、1は垂直同期信号、2は水平同期信号、3はデータイネーブル信号、4は表示データ、5は同期クロックであり、全て第1の実施形態と同一のものである。83は帰線期間制御内蔵表示制御部、84は帰線期間制御内蔵データ線制御信号、8は走査線制御信号、9は格納・読出しコマンド信号、10は格納・読出しアドレス、11は格納データ、12は画面格納手段、13は画面読出しデータである。帰線期間制御内蔵表示制御部83は、第1の実施形態と同様に、走査線制御信号8、格納・読出しコマンド信号9、格納・読出しアドレス10、格納データ11を生成するとともに、帰線期間における後述のデータ線駆動手段85の動作を制御するための帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成する。格納手段12の動作は第1の実施形態と同様である。
【0040】
また、85はデータ線駆動手段、15はデータ線駆動信号、16は走査線駆動手段、17は走査線駆動信号、18は駆動電圧生成手段、19は有機EL駆動電圧、20は画素制御手段、21はデータ書込み制御信号、22は自発光素子ディスプレイであり、データ線駆動手段85は、第1の実施形態とは異なり、従来と同様入力制御信号に従ってデータ線駆動信号15を生成する手段である。その他は、全て第1の実施形態と同一のものである。
【0041】
図10は図9に示した帰線期間制御内蔵表示制御部83の動作を説明するタイミング図である。図10において、86は帰線期間制御内蔵データスタート信号、87は320ラインデータ開始タイミング、88は三角波第1データ開始タイミング、89は三角波第2データ開始タイミング、90は帰線期間制御内蔵表示データ、91は320ライン目入力表示データ、92は三角波第1入力データ、93は三角波第2入力データ、94は帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ、95は319ライン目ラッチデータ、96は320ライン目ラッチデータ、97は三角波第1ラッチデータである。
【0042】
帰線期間制御内蔵データスタート信号86は、第1の実施形態では入力表示データのスタートタイミングの基準のみを示すデータスタート信号(320ラインデータ開始タイミング87もそのうちの一つ)であったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータ入力のスタート信号を示す三角波第1データ開始タイミング88、三角波第2データ開始タイミング89が加えられている。本実施形態では、三角波データ開始タイミングは第127まであるものとして、以下説明する。帰線期間制御内蔵表示データ90は、第1の実施形態では入力表示データ(320ライン目入力表示データ91もそのうちの一つ)のみであったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータである三角波第1入力データ92、三角波第2入力データ93を含む。
【0043】
ここでも、三角波入力データは第127まであるものとする。帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ94は、第1の実施形態では入力表示データに対応する1ラインラッチデータ(319ライン目ラッチデータ95、320ライン目ラッチデータ96もそのうちの二つ)のみであったのに対し、帰線期間において三角波を生成するためのデータである三角波第1ラッチデータを含む。ここでも、三角波ラッチデータは第127まであるものとする。図10に、時間軸を伸ばしたものを合わせて示す。帰線期間制御内蔵1ラインラッチデータ94として、三角波第1ラッチデータ97では"63"を入力し、以降、"62"、"61"と、1づつ減らす。"0"まで減らした後、再び1づつ増やし、"63"となる三角波第127ラッチデータまで入力する。信号電圧出力15は"0"から"63"に対応した64レベルの電圧のうち1レベルを選択した値となるため、三角波期間54での信号電圧出力15は階段状の波形となる。
【0044】
以下、図9と図10を用いて、本実施形態における帰線期間での三角波制御について説明する。まず、図9を用いて、表示データの流れを説明する。図9において、帰線期間制御内蔵表示制御部83は、表示データ4を画面格納手段12に一旦格納後、自発光素子ディスプレイ22の表示タイミングに合わせて読み出す動作は、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なる部分は、帰線期間において三角波信号を生成するような入力データを含む帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成することである。走査線制御信号8の生成は第1の実施形態と同様である。
【0045】
データ線駆動手段85は、従来のデータ線駆動手段と同様、6ビットの階調情報を含む帰線期間制御内蔵データ線駆動信号84を1ライン分(複数ライン分でもよい)ラッチし、自発光素子ディスプレイ22の画素を表示するための信号電圧に変換し、データ線駆動信号15として出力する。ただし、帰線期間制御内蔵データ線制御信号84に、三角波信号を生成するためのデータが含まれるため、データ線駆動信号15の帰線期間で、三角波信号が出力されることとなる。詳細は後で説明する。走査線駆動手段16、駆動電圧生成手段18、画素制御手段20は、自発光素子ディスプレイ22の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
図10を用いて、図9記載の帰線期間制御内蔵表示制御部83が、三角波信号を生成するための帰線期間制御内蔵データ線制御信号84を生成する詳細動作を説明する。図10で、帰線期間制御内蔵データスタート信号86は、従来のデータスタート信号である320ラインデータ開始タイミング87に加えて、三角波第1データ開始タイミング88、三角波第2データ開始タイミング89、…、三角波第127データ開始タイミングで"1"となる信号である。この三角波データ開始タイミングに合わせて、帰線期間制御内蔵表示データ90は、帰線期間において、入力の表示データ4とは無関係に表示データを生成する。
【0047】
例えば、三角波第1入力データ92は、1ライン240ドット分、6ビットデータ"63"を入力し、三角波第2入力データ93は、1ライン240ドット分、6ビットデータ"62"を入力し、三角波第64入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"0"を入力し、三角波第65入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"1"を入力し、三角波第127入力データは、1ライン240ドット分、6ビットデータ"63"を入力する。信号電圧出力15は、6ビットデータに従って、64レベルのうち1レベルを選択して出力するため、データ書込み期間49では、入力の表示データ4に従った階調電圧レベルが出力され、三角波期間50では、階段状の信号波形が出力されることとなる。ここで、三角波入力データを第127までとし、データの値を1づつ変化させているが、三角波の波形を制御するため、入力データの数を第127までと限定せず更に増やし(減らし)てもよいし、変化の幅を1づつと限定せず変えてもよい。以上で、データ線駆動手段85から、帰線期間において三角波を出力する。
【0048】
上記本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態に対して、表示制御部6の変更によって従来のデータ線駆動手段を用いることが可能となるという効果を奏する。
【0049】
図11は本発明を適用した有機EL表示装置の画素構造の要部を模式的に説明する断面図である。第1基板100の主面にはポリシリコン半導体膜PSI、ゲート電極GT、ソースまたはドレイン電極SD(ここではソース電極)からなる薄膜トランジスタ139が形成されている。この薄膜トランジスタ139は図2における書込みスイッチに相当する。156は層間絶縁層、155はパッシベーション層を示す。
【0050】
ソース電極SDには有機EL素子を構成する陽極153が接続され、この陽極153の上に有機EL発光層152が成膜されている。さらに、有機EL発光層152の上層に陰極膜151が絶縁層154で陽極153と絶縁されて成膜されている。一方、第2基板200の内面には接着剤201で吸湿剤202が設置され、主として有機EL発光層152が湿度で劣化するのを防止している。第2基板200は第1基板100と積層されて第1基板100の主面に有する発光素子等を外界から遮断して封止する。この第2基板200は封止缶とも称する。
【0051】
図12は図11で説明した表示装置の第1基板上での各機能部分の配置例を模式的に説明するための平面図である。第1基板100の中央の大部分には前記有機EL表示素子をマトリクス配列した表示領域ARが形成されている。図12では、表示領域ARの左右両側に走査線駆動回路160Aと160Bが配置されている。各走査駆動回路160Aと160Bから延びる走査線161A、161Bが交互に設置されている。また、表示領域ARの下側にはデータ線駆動回路140が配置され、データ線141がゲート線160Aと160Bと交差して設置されている。
【0052】
さらに、表示領域ARの上側には電流供給母線130が配置されており、この電流供給母線130から電流供給線131が設置されている。この構成では、走査線161A、161Bとデータ線141および電流供給線131で囲まれた部分に1画素PXが形成される。そして、図11に示した第2基板と貼り合わせるためのシール剤171の内側で表示領域ARと各走査駆動回路160Aと160Bおよびデータ駆動回路140を覆って陰極膜151が形成されている。なお、参照符号170は第1基板100の下層に形成された図示しない陰極膜配線に陰極膜151を接続するコンタクト領域を示す。
【0053】
なお、上記図11、図12で説明した構造または構成の表示装置は一例であり、他に種々の構成が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1・・・・垂直同期信号、2・・・・水平同期信号、3・・・・データイネーブル信号、4・・・・表示データ、5・・・・同期クロック、6・・・・表示制御部、7・・・・データ線制御信号、8・・・・走査線制御信号、9・・・・格納・読出しコマンド信号、10・・・・格納・読出しアドレス、11・・・・格納データ、12・・・・画面格納手段、13・・・・画面読出しデータ、14・・・・帰線期間制御内蔵データ線駆動手段、15・・・・データ線駆動信号、16・・・・走査線駆動手段、17・・・・走査線駆動信号、18・・・・駆動電圧生成手段、19・・・・自発光素子駆動電圧、20・・・・画素制御手段、21・・・・データ書込み制御信号、22・・・・自発光素子ディスプレイ、23・・・・第1データ線、24・・・・第2データ線、25・・・・第1走査線、26・・・・第320走査線、27・・・・第1書込み制御線、28・・・・第320書込み制御線、29・・・・第1列有機EL駆動電圧供給線、30・・・・第2列有機EL駆動電圧供給線、31・・・・第1行第1列画素、32・・・・第1行第2列画素、33・・・・第320行第1列画素、34・・・・第320行第2列画素、35・・・・画素駆動部、36・・・・スイッチングトランジスタ、37・・・・書込み容量、38・・・・駆動インバータ、39・・・・書込み制御スイッチ、40・・・・有機EL、41・・・・駆動インバータ入出力特性、42・・・・駆動インバータ入出力短絡条件、43・・・・駆動インバータ信号電圧書込み基準電位、44・・・・書込み制御パルス、45・・・・走査線選択パルス、46・・・・駆動インバータ入力、47・・・・駆動インバータ閾値電圧、48・・・・1ライン分データ書込み期間、49・・・・データ書込み期間、50・・・・三角波期間、51・・・・非発光期間、52・・・・発光期間、53・・・・1フレーム期間、54・・・・データシフト手段、55・・・・データスタート信号、56・・・・データクロック、57・・・・表示入力シリアルデータ、58・・・・帰線期間信号、59・・・・シフトデータ、60・・・・1ラインラッチ手段、61・・・・水平ラッチクロック、62・・・・1ラインラッチデータ、63・・・・階調電圧選択手段、64・・・・1ライン表示データ、65・・・・三角波生成手段、66・・・・三角波信号、67・・・・三角波切替信号、68・・・・階調電圧−三角波切替手段、69・・・・nライン目データ開始タイミング、70・・・・n+1ライン目データ開始タイミング、71・・・・nライン目表示入力シリアルデータ、72・・・・n+1ライン目表示入力シリアルデータ、73・・・・n−1ライン目ラッチデータ、74・・・・nライン目ラッチデータ、75・・・・入力表示データ終了タイミング、76・・・・入力表示データ開始タイミング、77・・・・基準クロック生成手段、78・・・・基準クロック、79・・・・アップダウンカウント手段、80・・・・カウント出力、81・・・・デジタル/アナログ変換手段、82・・・・三角波切り替え信号生成手段、83・・・・帰線期間制御内蔵表示制御部、84・・・・帰線期間制御内蔵データ線制御信号、85・・・・データ線駆動手段、86・・・・帰線期間制御内蔵データスタート信号、87・・・・320ラインデータ開始タイミング、88・・・・三角波第1データ開始タイミング、89・・・・三角波第2データ開始タイミング、90・・・・帰線期間制御内蔵表示データ、91・・・・320ライン目入力表示データ、92・・・・三角波第1入力データ、93・・・・三角波第2入力データ、94・・・・帰線期間制御内蔵1ライン目ラッチデータ、95・・・・319ライン目ラッチデータ、96・・・・320ライン目ラッチデータ、97・・・・三角波第1ラッチデータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、
前記入力表示データが入力されない帰線期間を示す帰線期間信号に基づいて三角波信号及び三角波切替信号を生成する三角波生成手段と、
前記三角波切替信号に基づいて前記入力表示データに応じた前記駆動電圧と前記三角波信号に応じた電圧とを切り替え、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記帰線期間においては前記三角波信号に応じた電圧を前記データ線に出力する切替手段と、を有する表示装置。
【請求項2】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、前記データ線を任意のレベルに設定するための任意の三角波信号電圧を生成する任意電圧生成手段と、前記任意電圧生成手段が生成する前記任意の三角波信号電圧と、前記入力表示データに応じた前記駆動電圧とを切り替える切替手段を有し、
前記切替手段は、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記入力表示データが入力されない帰線期間においては前記データ線を前記任意の三角波信号電圧のレベルに設定するための電圧を前記データ線に出力する表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示装置の画素内ではなく前記データ線駆動回路において、前記帰線期間で前記データ線に与える電圧を制御する表示装置。
【請求項4】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記入力表示データが入力されない帰線期間においては任意の定電圧を前記データ線に出力する表示装置。
【請求項1】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、
前記入力表示データが入力されない帰線期間を示す帰線期間信号に基づいて三角波信号及び三角波切替信号を生成する三角波生成手段と、
前記三角波切替信号に基づいて前記入力表示データに応じた前記駆動電圧と前記三角波信号に応じた電圧とを切り替え、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記帰線期間においては前記三角波信号に応じた電圧を前記データ線に出力する切替手段と、を有する表示装置。
【請求項2】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、前記データ線を任意のレベルに設定するための任意の三角波信号電圧を生成する任意電圧生成手段と、前記任意電圧生成手段が生成する前記任意の三角波信号電圧と、前記入力表示データに応じた前記駆動電圧とを切り替える切替手段を有し、
前記切替手段は、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記入力表示データが入力されない帰線期間においては前記データ線を前記任意の三角波信号電圧のレベルに設定するための電圧を前記データ線に出力する表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示装置の画素内ではなく前記データ線駆動回路において、前記帰線期間で前記データ線に与える電圧を制御する表示装置。
【請求項4】
マトリクス状に配置された複数の表示素子と、前記表示素子に入力表示データを供給するためのデータ線に駆動電圧を与えるためのデータ線駆動回路と、駆動すべき前記表示素子を選択するための走査線に走査電圧を与えるための走査線駆動回路とを備えた表示装置において、
前記データ線駆動回路は、前記入力表示データが入力される期間において前記入力表示データに応じた前記駆動電圧を前記データ線に出力する一方、前記入力表示データが入力されない帰線期間においては任意の定電圧を前記データ線に出力する表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−294676(P2009−294676A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215257(P2009−215257)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2002−321346(P2002−321346)の分割
【原出願日】平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2002−321346(P2002−321346)の分割
【原出願日】平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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