説明

表示装置

【課題】縦長状態において裏面の段差をなくし意匠性を向上させる表示装置を得ること。
【解決手段】厚さの小さい薄板部1bと厚さの大きい厚板部1aとを有し裏面に段差が形成され前面の平坦面に表示部が設けられた矩形平板状の第1の筐体1と、薄板部1bに重なり、この薄板部1bとの間に設けられた回転支持機構を介して、第1の筐体1を縦長状態と横長状態とに回転可能に支持する第2の筐体2とを備え、縦長状態にあるときには、第1の筐体1の段差部端面1cと第2の筐体2の上端面2aとが密着し、回転動作時に、第2の筐体の上端側の角部2bが、第1の筐体1の段差部端面1cに沿って、または接触せずに移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、カーナビ用ディスプレイなどの情報表示装置、及び携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話機などの携帯端末機器のように表示部を装備する表示装置に関するものであり、特に表示部を回転可能に支持する回転支持機構を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は音声通話時の使い勝手や、片手で保持した状態でのメール入力等のキー操作性と小型・軽量化を両立させる為に、横幅を抑えた縦長形状が主流となっているが、近年は、テレビ受信機能、動画コンテンツ視聴、或いはパーソナルコンピュータ用インターネットサイトの閲覧等、横長の画面の方が使い勝手が良い場面が増えてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、表示部が回転可能な折畳み式携帯電話機が提案されている。この折畳み式携帯電話機では、上述の問題を解決する為に、携帯電話機本体を縦長状態としたまま、表示部を縦長状態から横長状態に切換操作可能としている。しかしながら、この携帯電話機においては、表示部の中心を軸として90度回転させる為に、回転する側の筐体の角がヒンジ部に接触しないように、回転軸を中心とした半径に沿って筐体の角を丸めるなどの措置が必要となり、これに制限されて表示部を大きくすることができないという欠点があった。
【0004】
そこで、例えば特許文献2に提案された折畳み式携帯電話機では、表示部の回転軸を上方向にスライド可能とすることで、上記問題を解決している。しかしながら、この方式では、スライド移動と回転移動との2つの操作が必要となり、片手では操作できず、操作性が悪いという問題があった。
【0005】
そのため、さらに例えば特許文献3に提案された折畳み式携帯電話機では、表示部が設けられた筐体の下端側角部がヒンジ部に沿って移動するように回転動作させている。このように回転動作させることにより、コンパクトで操作性のよいものとすることができる。
【0006】
また、例えば特許文献4に記載された情報機器は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の情報機器であるが、このような分野の機器においても、表示部を縦長状態又は横長状態に切換操作可能な回転支持機構を有するものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−156893号公報(図2)
【特許文献2】特開2003−319043号公報(図2)
【特許文献3】特開2006−211576号公報(図1)
【特許文献4】特許第3322021号公報(図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の提案においても、表示部の大型化及び本体の小型・薄型化と、本体全体の美しい意匠性との両立はなされておらず、課題とされていた。
【0009】
例えば、上記特許文献3の折畳み式携帯電話機では、表示部が設けられた筐体の下端側角部がヒンジ部に沿って移動することで、表示部の大型化に伴う本体の長さ方向への影響を抑えている。表示部が設けられた筐体と、回転支持機構を介してこれを支持する筐体との間に段差が生じる為、背面部の意匠性を損ねるという課題があった。
【0010】
また、表示部が設けられた筐体にかかる外力が、回転支持機構のガイド溝とガイドピンに集中する為に、所定強度を確保する為には回転支持機構が厚くなるという課題があった。さらには、表示部が設けられた筐体にカメラモジュールを搭載するスペースがなく、操作部の裏側にカメラモジュールを搭載している為、例えば電話機本体をテーブルの上に置いてセルフタイマーにて撮影をするような使い方ができないという課題があった。さらには、表示部が横長状態のときに、ステレオで音を鳴動させるスピーカーの配置場所の確保がしづらく課題であった。
【0011】
また、テレビ放送受信時のチャンネル切換や録画操作、パーソナルコンピュータ用のインターネットコンテンツ閲覧時のポインタ操作など、横画面利用時の操作手段を増やしたいという希望があった。さらに、テレビ放送などは画面全体にわたり表示することが好まれるが、その際に、バッテリー残量、電波状態、番組情報、データ放送、メール受信等の情報を同一画面の例えば上端に表示すると、映像が見難くなるという課題があった。
【0012】
また、例えば、特許文献3に提案された折畳み式携帯電話機では、表示部を横長状態にした上で、二つ折れの本体を畳んだときに、表示部が操作部を有する第3の筐体の中心よりヒンジ部側に片寄る為、この状態で電話機本体を両手で持ち、電話機本体からはみ出た表示部を見ながら操作するような使い方に向いていなかった。
【0013】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、以下の目的を達成しようとするものである。
1)縦長状態において、裏面の段差をなくし、意匠性を向上させる。
2)回転支持機構の強度と薄型化を両立させる。
3)テレビ放送や動画コンテンツの視聴時にスピーカーから良質の音を鳴動させる。
4)テレビ放送や動画コンテンツの視聴時に種々情報を表示するサブ表示部を持つ。
5)横長状態での利用時の操作手段を増やす。
6)本体を畳んで表示部を横長状態として使用する新しい機能を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の発明の表示装置においては、厚さの小さい薄板部と厚さの大きい厚板部とを有し裏面に段差が形成され前面が平坦面とされこの平坦面に表示部が設けられた概略矩形平板状の第1の筐体と、第1の筐体とほぼ同一の幅と第1の筐体より小さい長さと第1の筐体の薄板部と厚板部の差分の厚さを有し、第1の筐体の裏面側で第1の筐体の薄板部に重なり、該薄板部との間に設けられた回転支持機構を介して、第1の筐体を厚板部が上となる縦長状態とこの縦長状態から90度回転した横長状態とに回転可能に支持する第2の筐体とを備え、第1の筐体が縦長状態にあるときには、第1の筐体の薄板部と厚板部との間の段差部分に形成された段差部端面と、第2の筐体の上端面とが、密着するか或いは僅かな隙間を持って対向し、回転支持機構は、第1の筐体の回転動作時に、第2の筐体の上端側の角部が、第1の筐体の段差部端面に沿って、または接触せずに移動するように第1の筐体の回転中心を移動させながら第1の筐体を回転させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の発明の表示装置においては、第1の筐体が横長状態にあるときには、第1の筐体の短手方向に延びる中心線と、第2の筐体の上下方向に延びる中心線とがほぼ重なり、且つ、第1の筐体の上側の長辺端面と、第2の筐体の上端面とがほぼ重なることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の発明の表示装置においては、回転支持機構は、第1の筐体の裏面とこれに対向する第2の筐体の対向面のいずれか一方に形成され、第2の筐体の上下方向に延びる中心線に対して斜めに延びる直線状のメインガイド溝、及びメインガイド溝に対して所定の角度傾いて延びる曲線状のサブガイド溝と、第1の筐体の裏面とこれに対向する第2の筐体の対向面のいずれか他方に設けられ、メインガイド溝内を移動するメインガイドピン、及びサブガイド溝内を移動するサブガイドピンとを含んで構成され、メインガイドピンとサブガイドピンにより第1の筐体と第2の筐体とが相対的に90度回転可能に連結されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の発明の表示装置においては、メインガイドピンには、中心軸に沿って貫通孔が形成され、第1の筐体と第2の筐体とを電気的に接続するケーブルが貫通孔を通過することを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の発明の表示装置においては、メインガイドピンは、メインガイド溝から脱落しない為のフランジを備えており、フランジにケーブルを通す切り欠きが設けられていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第6の発明の表示装置においては、メインガイドピンに弾性部材が取り付けられ、弾性部材は、第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢することを特徴とする。
【0020】
本発明の第7の発明の表示装置においては、サブガイドピンに弾性部材が取り付けられ、弾性部材は、第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢することを特徴とする。
【0021】
本発明の第8の発明の表示装置においては、回転支持機構の少なくとも一部が、第1の筐体、または第2の筐体と一体化されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の第9の発明の表示装置においては、操作部を有する第3の筐体と第2の筐体と第3の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の第10の発明の表示装置においては、厚板部に、カメラモジュールを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明の第11の発明の表示装置においては、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、スピーカーを備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明の第12の発明の表示装置においては、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、サブ操作部を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明の第13の発明の表示装置においては、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、サブ表示部を備えたことを特徴とする。
【0027】
本発明の第14の発明の表示装置においては、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に着信報知部を備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の第15の発明の表示装置においては、第3の筐体の裏面に体脂肪測定用の電極を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
第1の発明によれば、第1の筐体が縦長状態にあるときには、第1の筐体の薄板部と厚板部との間の段差部分に形成された段差部端面と、第2の筐体の上端面とが、密着するか或いは僅かな隙間を持って対向するので、第1の筐体の裏面側にて段差が無くなり、第1の筐体と第2の筐体とが1つの直方体のように組み合わせられ、一見すると表示部が回転しない従来の折畳み式と見分けがつかないフラットな背面が実現可能であり、意匠性を高めるという効果がある。また、第1の筐体の厚板部にカメラ等のモジュールを搭載する為の空間的な余裕が生まれるという効果もある。さらには、回転支持機構は、第1の筐体の回転動作時に、第2の筐体の上端側の角部が、第1の筐体の段差部端面に沿って、または接触せずに移動するように第1の筐体の回転中心を移動させながら第1の筐体を回転させるので、コンパクトで操作性のよい回転動作を実現するという効果がある。
【0030】
第2の発明によれば、第1の筐体が横長状態にあるときには、第1の筐体の短手方向に延びる中心線と、第2の筐体の上下方向に延びる中心線とがほぼ重なり、且つ、第1の筐体の上側の長辺端面と、第2の筐体の上端面とがほぼ重なるので、重量バランスがよく、操作する際に電話機を持つ手の疲労が少ないという効果がある。
【0031】
第3の発明によれば、回転支持機構は、第1の筐体の裏面とこれに対向する第2の筐体の対向面のいずれか一方に形成され、第2の筐体の上下方向に延びる中心線に対して斜めに延びる直線状のメインガイド溝、及びメインガイド溝に対して所定の角度傾いて延びる曲線状のサブガイド溝と、第1の筐体の裏面とこれに対向する第2の筐体の対向面のいずれか他方に設けられ、メインガイド溝内を移動するメインガイドピン、及びサブガイド溝内を移動するサブガイドピンとを含んで構成され、メインガイドピンとサブガイドピンにより第1の筐体と第2の筐体とが相対的に90度回転可能に連結されており、回転支持機構におけるメインガイド溝を、中心部から斜め方向に伸びる直線にしたことによって、メインガイドピンのスライド距離を最小にできる為、メインガイドピンの外形を大きく取ることが可能となり、外部からの応力に対する強度を高める効果がある。メインガイドピンの中心部に形成される貫通孔を大きく取ることができ、ケーブルの引き回しに余裕がうまれる為、薄型化の効果がある。
【0032】
第4の発明によれば、メインガイドピンには、中心軸に沿って貫通孔が形成され、第1の筐体と第2の筐体とを電気的に接続するケーブルが貫通孔を通過するので、第1の筐体が縦長状態及び横長状態のいずれの状態であっても、メインガイドピンは第2の筐体の中心に位置する為に、このメインガイドピンをケーブルが通過することで、ケーブルの配線、特に撓み部分を逃がす空間の確保が容易になるとともに、ケーブルの長さを最小とすることができるという効果がある。
【0033】
第5の発明によれば、メインガイドピンは、メインガイド溝から脱落しない為のフランジを備えており、フランジにケーブルを通す切り欠きが設けられているので、メインガイドピンがメインガイド溝から脱落せずに滑らかにスライドすることができる。メインガイドピンの外形を大きく取ることができ、強度を高める効果がある。また、フランジにケーブルを通す為の切り欠きを設けることで、より一層の薄型化を図ることができる効果がある。
【0034】
第6の発明によれば、メインガイドピンに弾性部材が取り付けられ、弾性部材は、第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢するので、使用者が第1の筐体を回転させる際、その操作を補助し滑らかな動作を実現することができ、また、第1の筐体を縦長状態と横長状態のそれぞれの位置に安定して保持することができる効果がある。
【0035】
第7の発明によれば、サブガイドピンに弾性部材が取り付けられ、弾性部材は、第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢するので、使用者が第1の筐体を回転させる際、その操作を補助し滑らかな動作を実現することができ、また、第1の筐体を縦長状態と横長状態のそれぞれの位置に安定して保持することができる効果がある。
【0036】
第8の発明によれば、回転支持機構の少なくとも一部が、第1の筐体、または第2の筐体と一体化されているので、部品点数の削減による低コスト化、及び更なる薄型化を図ることができる効果がある。
【0037】
第9の発明によれば、操作部を有する第3の筐体と第2の筐体と第3の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とをさらに備えたので、第1の筐体に設けられた表示部を見ながら操作部にて操作をすることができる。また、ヒンジ部により第3の筐体と第2の筐体とを折畳むことができ、第1の筐体が縦長状態のときには、コンパクトに一体化した形状とすることができる効果がある。
【0038】
第10の発明によれば、厚板部に、カメラモジュールを備えたので、カメラモジュールと表示部とが一体となって回転し、撮影方向を縦横切換える際の操作性が向上する。
【0039】
第11の発明によれば、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、スピーカーを備えたので、第1の筐体を横長状態とした時に、スピーカー開口部が使用者に向くことになる為、高音質なものとすることができる。
【0040】
第12の発明によれば、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、サブ操作部を備えたので、第1の筐体を横長状態とした時に、テレビ放送受信時のチャンネル切換や録画操作、パーソナルコンピュータ用のインターネットコンテンツ閲覧時のポインタ操作など、様々な操作手段を増やすことができるという効果がある。
【0041】
第13の発明によれば、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に、サブ表示部を備えたので、例えばメインの表示部にテレビ放送等を表示した上で、サブ表示部に、バッテリー残量、電波状態、番組情報、データ放送、メール受信等の情報を表示させることが可能となり、それらの情報表示により、テレビ映像が見難くなるという欠点を解決する効果がある。
【0042】
第14の発明によれば、第2の筐体と第3の筐体とが開状態にあり、第1の筐体が横長状態にあるときに、第1の筐体と第3の筐体との間で露呈する部分の第2の筐体の前面に着信報知部を備えたので、第1の筐体を横長状態としたときに、着信報知部として例えばイルミネーションなどを第2の筐体の前面に設けることができ、使い勝手が良くなる。
【0043】
第15の発明によれば、第3の筐体の裏面に体脂肪測定用の電極を備えたので、体脂肪測定用の電極に両手の親指の付け根を当てて、第3の筐体を保持し、第3の筐体から上下に露出する表示部に表示された操作ガイダンスに従って、体脂肪の測定を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、この発明の表示装置の実施の形態として携帯電話機に適用した場合について図に基づいて説明するが、この発明の表示装置は、携帯電話機以外にも、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、カーナビ用ディスプレイなどの情報表示装置、及び携帯型ゲーム機、PDAなどの携帯端末機器に適用することが出来る。
【0045】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施形態1の携帯電話機の開いた状態で表示部が縦長状態である様子を前面側から見た斜視図である。図2は、携帯電話機の折畳み状態を示す斜視図である。図3は、図1の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。図4は、携帯電話機の表示部を縦長状態から横長状態に切り替える途中の様子を前面側から見た斜視図である。図5は、図4の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。図6は、携帯電話機の表示部が横長状態である様子を前面側から見た斜視図である。図7は、図6の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。
【0046】
本実施の形態の携帯電話機は、LCD等の表示部4を前面に有する概略矩形平板状の第1の筐体1と、この第1の筐体1を後述する回転支持機構を介して回転可能に支持する第2の筐体2と、キーやタッチパネル等の操作部5を前面に有するとともに第2の筐体2とヒンジ部6にて連結された第3の筐体3とを有している。
【0047】
第1の筐体1は、長手方向の長さがL1で短手方向の幅がW1の細長長尺で概略矩形平板状を成している(図7)。第1の筐体1は、一方の端部において裏面側に向けて厚さを大きくして肉厚とされた厚板部1aと、この厚板部1a以外の部分でなる薄板部1bとにより構成され、裏面に段差が形成されている。そして、全体にわたり平坦面とされた前面に表示部4が設けられている。なお、第1の筐体1の厚板部1aの長さl1を、第1の筐体1の長手方向の長さと幅方向の長さとの差の二分の一の長さとし、第1の筐体1の中心が縦長状態の時と、横長状態の時とでほぼ一致するようにスライドさせるガイド溝を備える構成としている。
【0048】
第2の筐体2は、第1の筐体1とほぼ同一の幅W2と第1の筐体1より小さい長さL2と第1の筐体1の厚板部1aと薄板部1bとの差分の厚さを有している。第2の筐体2の長さL2は、概ね第1の筐体1の薄板部1bの長さと同じ長さである。そして、第2の筐体2は、第1の筐体1の裏面側で薄板部1bに重なり、この薄板部1bとの間に設けられた回転支持機構を介して、第1の筐体1を回転可能に支持する。第2の筐体2は、第1の筐体1を、厚板部1aが上となる縦長状態とこの縦長状態から90度回転した横長状態とに回転可能に支持する。
【0049】
第3の筐体3は、第1の筐体1とほぼ同一の幅とほぼ同一の長さを有ししている。第2の筐体2と第3の筐体3とは、ヒンジ部6により折畳み開閉自在に連結されている。
【0050】
そして、本実施の形態においては、第1の筐体1が縦長状態にあるときには、第1の筐体1の厚板部1aと薄板部1bとの間の段差部分に形成された段差部端面1cと、第2の筐体2の上端面(第2の筐体2の厚板部1a側の端面)2aとが、僅かな隙間を持って対向する。第2の筐体2は、第1の筐体1の厚板部1aと薄板部1bとの差分の厚さを有しているので、第1の筐体1の裏面にて段差は無くなる。このようにして、第1の筐体と第2の筐体とが1つの直方体のように組み合わせられ、段差が無くなるので、一見すると表示部が回転しない従来の折畳み式と見分けがつかないフラットな背面が実現され、意匠性が向上する。また、第1の筐体1の厚板部1aにカメラ等のモジュールを搭載する為の空間的な余裕が生まれるという二次的な効果も生まれる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、縦長状態にあるときには、第1の筐体1の段差部端面1cと第2の筐体2の上端面2aとが、僅かな隙間を持って対向するが、第1の筐体1の段差部端面1cと第2の筐体2の上端面2aとは、縦長状態において密着してもよい。
【0052】
以上にように、本実施の形態の携帯電話機においては、操作部5を有する第3の筐体3と、第2の筐体2と第3の筐体3とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部6とを有しているので、第1の筐体1に設けられた表示部4を見ながら操作部5にて操作をすることができる。また、ヒンジ部6により第3の筐体3と第2の筐体2とを折畳むことができ、第1の筐体1が縦長状態のときには、コンパクトに一体化した形状とすることができる。また、折畳み時には、表示部4ならびに操作部5を外部から保護することができる。
【0053】
また、本実施の形態においては、第1の筐体1が横長状態にあるときには、第1の筐体1の短手方向に延びる中心線(図示せず)と、第2の筐体2の上下方向に延びる中心線(図示せず)とがほぼ重なり、且つ、第1の筐体1の上側の長辺端面と、第2の筐体2の上端面とがほぼ重なる。ここで、「ほぼ重なる」とは、ほぼ同一平面上に存在することである。また、「短手方向に延びる中心線」とは、第1の筐体1を長手方向に2分割して短手方向に延びる中心線と、第1の筐体1を短手方向に2分割して長手方向に延びる中心線の前者のことである。これにより、図6及び図7に示すように、第1の筐体1が横長状態にあるときには、第1の筐体1の左右方向の中心が、携帯電話機の中心軸線上に存在することとなり、重量バランスがよく、第3の筐体3を手で持って操作する際に疲労が少ない。
【0054】
さらに、本実施の形態においては、図7に示すように、第1の筐体1が横長状態にあるときには、第1の筐体1の段差部端面1cと、第2の筐体2の側面とが僅かな隙間を持って対向する。これにより、横長状態においても意匠性が向上する。第1の筐体1の段差部端面1cと第2の筐体2の側面とは、横長状態において密着してもよい。また、第1の筐体1が横長状態にあるときに、第1の筐体1と第3の筐体3との間で、第2の筐体2の内面2cが一部露呈するので、この部分に、スピーカーや操作部を搭載することが可能となるという二次的な効果も生まれる。
【0055】
また、本実施の形態においては、第1の筐体1の厚板部1aにカメラモジュール7が搭載されている。そして、第3の筐体3上の操作部5等を操作することにより、写真撮影を行うことができる。この際、カメラモジュール7は第1の筐体1の縦横状態と連動して回転する為、使用者にとって縦横切換時の混乱が少ない。すなわち、カメラモジュール7と表示部4とが一体となって回転する為、撮影方向を縦横切換える際の操作性が向上する。さらに、第1の筐体1を回転させた時に、プレビュー表示の縦横切換処理をソフトウェアスイッチまたはハードウェアスイッチにて行う必要がない。また、ヒンジ部6を開いた状態で第3の筐体3をテーブル等の上に置き、カメラモジュール7を被写体に向けてセルフタイマー等で記念撮影する使い方が可能となる。同様に、三脚なしでも手ブレを防止し夜景などを美しく撮影することができる。
【0056】
実施の形態2.
図8は、表示部を縦長状態としたときの回転支持機構を示した斜視図である。図9は、表示部を縦長状態または横長状態に切り替える途中の回転支持機構を示した斜視図である。図10は、表示部を横長状態としたときの回転支持機構を示した斜視図である。なお、図8乃至図10においては、回転支持機構の様子を詳細に示すために、第1の筐体1は輪郭のみを一点鎖線にて表し透過した状態としている。回転支持機構8は、第1の筐体1の裏面に取り付けられた概略ホームベース型板状のプレート9と、第2の筐体2の前面に取り付けられた概略正方形板状のプレート10とを含んで構成されている。
【0057】
プレート10は、第2の筐体2の上辺側に寄った位置に取り付けられている。プレート10には、中心部から概略対角線に沿うように斜めに延びる幅の大きい直線状のメインガイド溝11と、メインガイド溝11の両側部にメインガイド溝11に対して所定角度傾いて形成された幅の小さい曲線状の2本のサブガイド溝12a、12bとが切られている。
【0058】
一方、プレート9は、薄板部1bの裏面に取り付けられている。プレート9には、第1の筐体1の中心に当たる位置に太径のメインガイドピン13が立設され、このメインガイドピン13から所定距離離れた位置に2本のサブガイドピン14a、14bが第2の筐体2の上下方向に延びる中心線(図示せず)に対称に立設されている。
【0059】
メインガイドピン13は、メインガイド溝11に挿入され、サブガイドピン14a、14bは、それぞれサブガイド溝12a、12bに挿入されており、それぞれのガイドピン13、14a、14bは、それぞれのガイド溝11、12a、12bに沿ってスライド移動することができる。
【0060】
図11は、回転支持機構8を図8乃至図10とは反対の側(第2の筐体2側)から示した斜視図である。なお、図11においては、回転支持機構の様子を詳細に示すために、第2の筐体2は輪郭のみを一点鎖線にて表し透過した状態としている。メインガイドピン13は、先端に設けられたメインフランジ15によって、メインガイド溝11からの脱落を防止されている。同様にして、サブガイドピン14a、14bは、それぞれ先端に設けられたサブフランジ16a、16bによって、サブガイド溝12a、12bから脱落するのを防止されている。
【0061】
第1の筐体1と第2の筐体2の間には、両者を電気的に接続する電気ケーブル17が配線されており、この電気ケーブル17は、メインガイドピン13の中心軸に沿って開口された貫通孔18を通って引き回されている。そして、電気ケーブル17が引き回される位置のメインフランジ15に切り欠き19が形成されている。切り欠き19を通過させて電気ケーブル17を引き回すことにより、メインフランジ15と第2の筐体2の背面カバー2eとの隙間を小さくすることができ、第2の筐体2の厚さを薄くすることができる。また、第2の筐体2とメインガイドピン13との間に弾性部材である圧縮バネ20が縮めた状態で配設されている。メインガイドピン13は、圧縮バネ20によって絶えず中心方向に押し付けられており、第1の筐体1が縦長状態または縦横状態に保持する。すなわち、圧縮バネ20は、第1の筐体1が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体1を縦長状態または横長状態に付勢する。
【0062】
本実施の形態においては、回転支持機構8のうち、プレート9が第1の筐体1に設けられ、プレート10が第2の筐体2に設けられているが、逆に、プレート9が第2の筐体2に設けられ、プレート10が第1の筐体1に設けられてもよい。また、回転支持機構8のうち、プレート9は第1の筐体1と一体化とされてもよいし、プレート10は第2の筐体2と一体化とされてもよい。このような構成とすることにより、部品点数の削減による低コスト化、及び更なる薄型化を図ることができる。
【0063】
図12は、第1の筐体1の回転移動動作を連続的に示す模式図である。なお、図12に示した回転支持機構は、上述の回転支持機構とは異なる軌跡のサブガイド溝32a、32bを有している。サブガイド溝は、メインガイドピン13に対してサブガイドピン14a、14bが何れの位置にあるかで大きく形状を異にするものであるが、サブガイド溝32a、32bの形状が変わっても、第2の筐体2に対する第1の筐体1の回転移動動作は、上記図1乃至図11に示したものと同様である。
【0064】
図12の特に2番目と3番目の図によく示されるように、回転支持機構は、第1の筐体1の回転移動動作時に、第2の筐体2の上端側の一方の角部2bが、第1の筐体1の段差部端面1cに沿って移動するように、第1の筐体1の回転中心(メインガイドピン13)をメインガイド溝11内で移動させながら第1の筐体1を回転させる。このとき、第2の筐体2の上端側の角部2bは、第1の筐体1の段差部端面1cに接触することはなく、段差部端面1cに極めて近い位置を段差部端面1cとほぼ平行に移動する。これにより、コンパクトな回転移動動作を実現している。
【0065】
第1の筐体1が例えば縦長状態から横長状態に回転移動する際に、メインガイドピン13は、メインガイド溝11を一往復する。このため、第2の筐体2とメインガイドピン13との間に圧縮バネ20が縮めた状態で配設することによって、第1の筐体1を縦長状態または横長状態に付勢することができる。
【0066】
以上のように、本実施の形態においては、回転支持機構8は、第1の筐体1の裏面に対向する第2の筐体2の対向面に形成され、第2の筐体2の上下方向に延びる中心線に対して斜めに延びる直線状のメインガイド溝11、及びメインガイド溝11に対して所定の角度傾いて延びる曲線状のサブガイド溝12a、12bと、第1の筐体1の裏面に設けられ、メインガイド溝11内を移動するメインガイドピン13、及びサブガイド溝12a、12b内を移動するサブガイドピン14a、14bとを含んで構成され、メインガイドピン13とサブガイドピン14a、14bにより第1の筐体1と第2の筐体2とが相対的に90度回転可能に連結されている。この構成によれば、回転支持機構におけるメインガイド溝11を、中心部から斜め方向に伸びる直線にしたことによって、メインガイドピン13のスライド距離を最小にできる為、メインガイドピン13の外形を大きく取ることが可能となり、外部からの応力に対する強度を高める効果がある。メインガイドピン13の中心部に形成される貫通孔18を大きく取ることができ、電気ケーブル17の引き回しに余裕がうまれる為、薄型化の効果がある。
【0067】
さらに、メインガイドピン13には、中心軸に沿って貫通孔18が形成され、第1の筐体1と第2の筐体2とを電気的に接続する電気ケーブル17が、この貫通孔18を通過するので、電気ケーブル17の配線が容易となるとともに、第1の筐体1が縦長状態及び横長状態のいずれであっても、メインガイドピン13は第2の筐体2の中心に位置する為に、電気ケーブル17の配線、特に撓み部分を逃がす空間の確保が容易になるとともに、電気ケーブル17の長さを最小とすることができる。
【0068】
さらにまた、メインガイドピン13は、メインガイド溝11から脱落しない為のメインフランジ15を備えており、このメインフランジ15に電気ケーブル17を通す切り欠き19が設けられているので、メインガイドピン13がメインガイド溝11から脱落せずに滑らかにスライドする他、メインガイドピン13の外形を大きく取ることで、強度を高める効果がある。また、メインフランジ15に電気ケーブル17を通す為の切り欠き19を設けることで、より一層の薄型化を図ることができる。
【0069】
また、メインガイドピン13に圧縮バネ20が取り付けられ、圧縮バネ20は、第1の筐体1が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、第1の筐体1を縦長状態または横長状態に付勢するので、使用者が第1の筐体1を回転させる際、その操作を補助し滑らかな動作を実現する他、第1の筐体1を縦長状態と横長状態のそれぞれの位置に安定して保持することができる。なお、本実施の形態においては、圧縮バネ20は、メインガイドピン13に取り付けられているが、圧縮バネ20は、2本のサブガイドピン14a、14bのいずれかに取り付けられてもよい。
【0070】
実施の形態3.
図13は、第2の筐体2の内面2cにスピーカー21a、21bを備えた携帯電話機の斜視図である。第2の筐体2の内面2cにスピーカー21a、21bを備えていることにより、第1の筐体1を横長状態としたときに、スピーカー開口部が使用者に向くことになる為、高音質になる効果がある。
【0071】
実施の形態4.
図14は、第2の筐体2の内面2cに、サブ操作部22を備えた携帯電話機の斜視図である。第2の筐体2の内面2cに、キーやタッチパネル等のサブ操作部22を備えていることにより、第1の筐体1を横長状態としたときに、テレビ放送受信時のチャンネル切換や録画操作、パーソナルコンピュータ用のインターネットコンテンツ閲覧時のポインタ操作など、様々な操作手段を増やすことができるという効果がある。
【0072】
実施の形態5.
図15は、第2の筐体2の内面2cに、サブ表示部23を備えた携帯電話機の斜視図である。第2の筐体2の内面2cに、サブ表示部23を備えていることにより、例えばメインの表示部4にテレビ放送等を表示した上で、サブ表示部23に、バッテリー残量、電波状態、番組情報、データ放送、メール受信等の情報を表示させることが可能となり、それらの情報表示により、テレビ映像が見難くなるという欠点を解決する効果がある。
【0073】
実施の形態6.
図16は、第3の筐体3の裏側に、体脂肪測定用の電極24を備えた携帯電話機の斜視図である。図17に示すように、第1の筐体1を横長状態にしたままヒンジ部6を折畳み、体脂肪測定用の電極24に両手の親指の付け根を当てて、第3の筐体3を保持し、第3の筐体3から上下に露出する表示部4に表示された操作ガイダンスに従って、体脂肪計の測定を行うことができる。また、第3の筐体3から上下に露出する表示部4に、測定状況を表示することによって、使い勝手を良くすることができる。
【0074】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかる表示装置は、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、カーナビ用ディスプレイなどの情報表示装置、及び携帯型ゲーム機、PDA、携帯電話機などの携帯端末機器のように表示部を装備する表示装置に有用であり、特に表示部を回転可能に支持する回転支持機構を備えた表示装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1の携帯電話機の開いた状態で表示部が縦長状態である様子を前面側から見た斜視図である。
【図2】携帯電話機の折畳み状態を示す斜視図である。
【図3】図1の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。
【図4】携帯電話機の表示部を縦長状態から横長状態に切り替える途中の様子を前面側から見た斜視図である。
【図5】図4の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。
【図6】携帯電話機の表示部が横長状態である様子を前面側から見た斜視図である。
【図7】図6の携帯電話機を裏面側から見た斜視図である。
【図8】表示部を縦長状態としたときの回転支持機構を示した斜視図である。
【図9】表示部を縦長状態または横長状態に切り替える途中の回転支持機構を示した斜視図である。
【図10】表示部を横長状態としたときの回転支持機構を示した斜視図である。
【図11】回転支持機構を図8乃至図10とは反対の側から示した斜視図である。
【図12】第1の筐体の回転移動動作を連続的に示す模式図である。
【図13】第2の筐体の内面にスピーカーを備えた携帯電話機の斜視図である。
【図14】第2の筐体の内面にサブ操作部を備えた携帯電話機の斜視図である。
【図15】第2の筐体の内面にサブ表示部を備えた携帯電話機の斜視図である。
【図16】第3の筐体の裏側に体脂肪測定用の電極を備えた携帯電話機の斜視図である。
【図17】体脂肪を測定する時の携帯電話機の持ち方を示した正視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 第1の筐体
1a 厚板部
1b 薄板部
1c 段差部端面
2 第2の筐体
2a 第2の筐体の上端面
2b 第2の筐体の上端側の角部
2c 第2の筐体の内面
3 第3の筐体
4 表示部
5 操作部
6 ヒンジ部
7 カメラモジュール
8 回転支持機構
9,10 プレート
11 メインガイド溝
12a,12b サブガイド溝
13 メインガイドピン
14a,14b サブガイドピン
15 メインフランジ(フランジ)
16a,16b サブフランジ
17 電気ケーブル(ケーブル)
18 貫通孔
19 切り欠き
20 圧縮バネ
21 スピーカー
22 サブ操作部
23 サブ表示部
24 体脂肪測定用の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さの小さい薄板部と厚さの大きい厚板部とを有し裏面に段差が形成され前面が平坦面とされ該平坦面に表示部が設けられた概略矩形平板状の第1の筐体と、
前記第1の筐体とほぼ同一の幅と前記第1の筐体より小さい長さと前記第1の筐体の前記薄板部と前記厚板部の差分の厚さを有し、前記第1の筐体の裏面側で前記第1の筐体の前記薄板部に重なり、該薄板部との間に設けられた回転支持機構を介して、前記第1の筐体を前記厚板部が上となる縦長状態と該縦長状態から90度回転した横長状態とに回転可能に支持する第2の筐体とを備え、
前記第1の筐体が前記縦長状態にあるときには、前記第1の筐体の前記薄板部と前記厚板部との間の段差部分に形成された段差部端面と、前記第2の筐体の上端面とが、密着するか或いは僅かな隙間を持って対向し、
前記回転支持機構は、前記第1の筐体の回転動作時に、前記第2の筐体の前記上端側の角部が、前記第1の筐体の前記段差部端面に沿って、または接触せずに移動するように前記第1の筐体の回転中心を移動させながら第1の筐体を回転させる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の筐体が前記横長状態にあるときには、前記第1の筐体の短手方向に延びる中心線と、前記第2の筐体の上下方向に延びる中心線とがほぼ重なり、且つ、前記第1の筐体の上側の長辺端面と、前記第2の筐体の前記上端面とがほぼ重なる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記回転支持機構は、
前記第1の筐体の裏面とこれに対向する前記第2の筐体の対向面のいずれか一方に形成され、前記第2の筐体の上下方向に延びる中心線に対して斜めに延びる直線状のメインガイド溝、及び前記メインガイド溝に対して所定の角度傾いて延びる曲線状のサブガイド溝と、
前記第1の筐体の裏面とこれに対向する前記第2の筐体の対向面のいずれか他方に設けられ、前記メインガイド溝内を移動するメインガイドピン、及び前記サブガイド溝内を移動するサブガイドピンとを含んで構成され、
前記メインガイドピンと前記サブガイドピンにより前記第1の筐体と前記第2の筐体とが相対的に90度回転可能に連結されている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記メインガイドピンには、中心軸に沿って貫通孔が形成され、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを電気的に接続するケーブルが前記貫通孔を通過する
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記メインガイドピンは、前記メインガイド溝から脱落しない為のフランジを備えており、前記フランジに前記ケーブルを通す切り欠きが設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記メインガイドピンに弾性部材が取り付けられ、
前記弾性部材は、前記第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、前記第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢する
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記サブガイドピンに弾性部材が取り付けられ、
前記弾性部材は、前記第1の筐体が縦長状態と横長状態の中間にあるときに撓みが最大となり、前記第1の筐体を縦長状態または横長状態に付勢する
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記回転支持機構の少なくとも一部が、前記第1の筐体、または前記第2の筐体と一体化されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
操作部を有する第3の筐体と
前記第2の筐体と前記第3の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記厚板部に、カメラモジュールを備えた
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2の筐体と前記第3の筐体とが開状態にあり、前記第1の筐体が横長状態にあるときに、前記第1の筐体と前記第3の筐体との間で露呈する部分の前記第2の筐体の前面に、スピーカーを備えた
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2の筐体と前記第3の筐体とが開状態にあり、前記第1の筐体が横長状態にあるときに、前記第1の筐体と前記第3の筐体との間で露呈する部分の前記第2の筐体の前面に、サブ操作部を備えた
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2の筐体と前記第3の筐体とが開状態にあり、前記第1の筐体が横長状態にあるときに、前記第1の筐体と前記第3の筐体との間で露呈する部分の前記第2の筐体の前面に、サブ表示部を備えた
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2の筐体と前記第3の筐体とが開状態にあり、前記第1の筐体が横長状態にあるときに、前記第1の筐体と前記第3の筐体との間で露呈する部分の前記第2の筐体の前面に着信報知部を備えた
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第3の筐体の裏面に体脂肪測定用の電極を備えた
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−166331(P2010−166331A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6935(P2009−6935)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】