説明

表示装置

【課題】組み立て作業の煩雑化を抑制し且つ組み立て時の光学シートの歪みを防止して輝度ムラの発生を抑制可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、各種の情報を表示する液晶パネル10と、この液晶パネル10の背面側に配置されて該液晶パネルに光を照射する光源ユニット11と、液晶パネル10と光源ユニット11との間に配置され且つ前記光を液晶パネル10の前面側に集束するレンズシート17と、内側に液晶パネル10とレンズシート17と光源ユニット11とを互いに積層した状態で収容するケース20とを備えている。レンズシート17は外縁部から外側に向かって突出した凸部18が設けられている。ケース20は、光源ユニット10とレンズシート17とを所望の積層位置に位置付ける周壁23と、この周壁23に設けられ且つ凸部18が挿入されてレンズシート17の液晶パネル10側への移動を規制する挿入部25とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の情報を表示する液晶表示素子と、この液晶表示素子の背面側に配された光源ユニットと、これら液晶表示素子と光源ユニットとの間に配置された光学シートと、を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、各種のコンピュータ、携帯情報端末、カーナビゲーション等に用いられる表示装置において、例えば、軽量化、薄型化、低消費電力化などを図ることができる液晶表示装置(例えば、特許文献1を参照。)が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された液晶表示装置は、一対の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶パネルと、この液晶パネルの背面側に配置して該液晶パネルに光を照射する光源ユニットとしての面光源と、液晶パネルと面光源との間に配置され且つ面光源からの光を液晶パネルの正面方向に集束させる光学シートと、これら液晶パネルと光学シートと面光源とを互いに積層した状態で収容するケースとしてのフレームと、このフレームに取り付けられ且つ液晶パネルの表示面を露出する露出部が設けられたカバーとしてのベゼルと、を備えている。
【0004】
面光源は、透光性を有する材料からなる矩形状の導光板と、この導光板の一つの側面に沿って設けられた棒状の光源と、導光板の背面側に重ねられた反射シートと、を備えている。フレームは、内側に互いに積層された光学シートと面光源とを収容する下部フレームと、この下部フレームに取り付けられて光学シートの外縁部を覆うとともに内側に光源パネルを収容する上部フレームと、を備えている。
【0005】
前述した構成の液晶表示装置は、まず下部フレーム内に面光源を収容して、下部フレームの内周面に光学シートの外縁部を突き当てながら該光学シートを面光源の表面に重ねることで、下部フレーム内に光学シートと面光源とを互いに積層した状態で収容する。そして、下部フレームに光学シートの外縁部を覆うように上部フレームを取り付けて、上部及び下部フレームをねじ締めにより互いに固定することで、フレームを組み立てた後に、フレームの上部フレーム内に液晶パネルを収容する。最後に、フレームにベゼルを液晶パネルの表示面を露出させた状態で取り付ける。こうして、液晶表示装置が組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−222862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した特許文献1に開示された液晶表示装置は、光学シートは外縁部を下部フレームの内周面に突き当てながら面光源の表面に重ねられて該下部フレーム内に収容されていたため、下部フレーム内に光学シートを収容する際の作業性が悪かった。また、光学シートは外縁部を下部フレームの内周面に突き当てることで該下部フレーム内に位置決めされているため、光学シートの外縁部が浮き上がるなどして、光学シートに歪みが生じてしまい、液晶パネルに輝度ムラが発生する虞があった。さらに、下部フレームに上部フレームをねじ締めにより固定してフレームを組み立てた後に、上部フレーム内に液晶パネルを収容して、フレームにベゼルを取り付けるため、組み立て工数が多く煩雑であった。
【0008】
このように、前述した特許文献1に示された液晶表示装置では、組み付け時に光学シートに歪みが生じて液晶パネルに輝度ムラが発生するとともに、組み立て作業が煩雑化するという問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、上述した問題点に鑑み、組み立て作業の煩雑化を抑制し且つ組み立て時の光学シートの歪みを防止して、液晶表示素子の輝度ムラの発生を抑制可能な表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、各種の情報を表示する液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背面側に配置された光源ユニットと、前記液晶表示素子と前記光源ユニットとの間に配置される光学シートと、内側に前記液晶表示素子と前記光学シートと前記光源ユニットとを互いに積層した状態で収容するケースと、を備えた表示装置であって、前記光学シートが、外縁部から外側に向かって突出した凸部を備え、前記ケースが、前記光源ユニットと前記光学シートとを所望の積層位置に位置付ける周壁と、前記周壁に設けられ且つ前記凸部が挿入されて前記光学シートの前記液晶表示素子側への移動を規制する挿入部と、を備えていることを特徴とする表示装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記光学シートを複数備え、前記複数の光学シートが、それぞれ、前記外縁部の前記凸部と異なる位置から外側に向かって突出するとともに、当該複数の光学シートを重ねた際に互いに重ならないように配置された第2凸部を備え、前記ケースの前記周壁が、該ケース内に前記複数の光学シートを収容した際に、該複数の光学シートの前記第2凸部それぞれと係合する複数の係合凹部を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1に記載された発明によれば、光学シートが外縁部から外側に向かって突出した凸部を備えているとともに、ケースが光源ユニットと光学シートとを所望の積層位置に位置付ける周壁と該周壁に設けられ且つ光学シートの凸部が挿入されて該光学シートの液晶表示素子側への移動を規制する挿入部とを備えているので、光学シートの凸部をケースの周壁に設けられた挿入部に挿入して該ケース内に光学シートを収容するだけで、ケース内の光学シートが外れることを防止することができる。このため、組み立て工数を増加させること無く、ケース内に収容した光学シートに歪みが生じることを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載された発明によれば、複数の光学シートが、それぞれ、外縁部の凸部と異なる位置から外側に向かって突出し且つ当該複数の光学シートを重ねた際に互いに重ならないように配置された第2凸部を備えているとともに、ケースの周壁が、該ケース内に複数の光学シートを収容した際に、これら複数の光学シートの第2凸部それぞれと係合する複数の係合凹部を備えているので、複数の光学シート各々の第2凸部によって、該複数の光学シートがそれぞれケース内に正しい向きで収容されているか否かを、容易に確認することができる。このため、複数の光学シートの誤組み付けを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、光学シートの凸部をケースの周壁に設けられた挿入部に挿入して該ケース内に光学シートを収容するだけで、ケース内の光学シートが外れることを防止することができ、その上からベゼルを組み付けることによって浮き上がりを防止することができるので、組み立て工数を増加させること無く、ケース内に収容した光学シートに歪みが生じることを防止することができる。このため、組み立て作業の煩雑化を抑制するとともに、組み立て時の光学シートの歪みを防止して、液晶表示素子に輝度ムラが生じることを抑制することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、複数の光学シート各々の第2凸部によって、該複数の光学シートがそれぞれケース内に正しい向きで収容されているか否かを、容易に確認することができるので、複数の光学シートの誤組み付けを防止することができる。このため、光学シートの組み付け不良の発生を防止することができ、組み付け性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の表示装置を備えた車両用コンビネーションメータの正面を示す平面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示された表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示された表示装置のケースと光学シートの凸部との関係を説明するための要部拡大図である。
【図5】図3に示された表示装置のケースと光学シートの凸部との関係を説明するための要部断面図である。
【図6】図3に示された表示装置のケースと光学シートの第2凸部との関係を説明するための要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる表示装置を図1乃至図5を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる表示装置1は、例えば、自動車等の車両に搭載される公知の車両用計器装置2に用いられる。この車両用計器装置2は、車両の乗員に対して該車両の状況を表示する装置である。
【0018】
車両用計器装置2は、図1又は図2に示すように、指針式の表示計器としての車両の速度を表示するスピードメータ3と、車両の状況を示す各種情報を表示する表示装置1と、各種の電子部品等が実装されたプリント配線板4と、これらスピードメータ3と表示装置1とプリント配線板等を収容する計器ケース5と、計器ケース5の車両の乗員側即ち前面側に配された見返し部材6と、見返し部材6の乗員側即ち前面側を覆う透明カバー7等を備えている。
【0019】
なお、本実施形態では、説明を簡略化するために、車両の速度を示す指針式の表示計器であるスピードメータ3のみ備えた構成としているが、他にも車両のエンジン回転数を示す回転計、エンジンの冷却水温度を示す水温計、燃料残量を示す燃料計等の指針式計器を備えた構成としても良いことは勿論である。
【0020】
スピードメータ3は、図1又は図2に示すように、表面(視認者側の面)に車速度表示用の目盛及び数字、文字又は記号等の指標部31が設けられた文字板30と、この文字板30の視認者側に配される指針32と、この指針32が取り付けられるムーブメント35と、文字板30の指標部31の外周に配される装飾リング37と、を備えている。
【0021】
文字板30は、透光性の合成樹脂等からなり、円盤状に形成されている。文字板30は、表面に遮光層が設けられており、この遮光層の指標部31の部分が除かれることで該指標部31が形成されている。文字板30は、指標部31が指針32の回動許容範囲に対応して略円弧状に配置されているとともに、該指標部31が背後からの光を前方(乗員側)に透過することで車両の乗員(利用者)に発光視認される。
【0022】
指針32は、アクリル樹脂等の透光性を有する材料等から構成されており、中心軸となる基端部33と、該基端部33から直線状に延び且つ前述した指標部31を指示する指示部34と、を備えている。指針32は、指標部31の中央部に基端部33が位置した状態で、ムーブメント35の後述する出力軸36に取り付けられて、該出力軸36と一体となって回転する。
【0023】
そして、前述した構成の指針32は、図示しない車速計測手段が計測した計測量に応じてムーブメント35によって回動されて、文字板30に設けられた指標部31と協働して計測量を表示する。また、指針32は、例えば夜間等の暗い時等において、基端部33にプリント配線板4の後述するLED38からの光が入射されて、入射した光を指示部34の先端に向かって反射して該指示部34が光輝する。
【0024】
ムーブメント35は、図2に示すように、プリント配線板4の視認者から離れた側即ち背面側に取り付けられて計器ケース5内に収容されているとともに、車両に搭載された図示しない車速度計測手段と接続されている。ムーブメント35は、車速度計測手段が計測した計測量等に応じて回転する出力軸36を備えている。
【0025】
装飾リング37は、平面形状がリング状に形成されており、文字板30の表面(乗員から視認される面)に取り付けられて、車両の乗員側から見て文字板30の指標部31の外周縁を縁取るように設けられている。
【0026】
表示装置1は、図1又は図2に示すように、指針32の基端部33を覆うように、即ち、指針32の回動中心を覆うように該指針32の車両の乗員側に配置されている。そして、表示装置1は、シフトポジション、走行距離、平均速度、燃料残量などの車両の状態を示す各種の情報を表示する。この表示装置1の詳細な構成については後述する。
【0027】
プリント配線板4は、可撓性を有さない比較的硬質な材料からなり、略矩形の平板状に形成されている。プリント配線板4は、前述した指標部31及び指針32等を照明する複数のLED38と、前述したムーブメント35と、これらの複数のLED38とムーブメント35及び表示装置1の後述する液晶パネル10やバックライトユニット11等の動作を制御するための制御ユニットなどの電子部品等が、電気的に接続されて実装されている。そして、プリント配線板4は、計器ケース5の後述するケース本体40の前面壁41及び裏カバー45の底壁46と略平行に配されるとともに、ケース本体40と裏カバー45との間に取り付けられて、計器ケース5内に収容される。
【0028】
計器ケース5は、合成樹脂等から形成されており、図2に示すように、ケース本体40と、裏カバー45と、を備えている。ケース本体40は、車両の乗員に相対する前面壁41と、この前面壁41の外周縁から車両の乗員から離れる方向に延びた周壁42と、を備えている。ケース本体40は、乗員から離れる側、即ち、背面側に開口する箱状に形成されている。
【0029】
前面壁41には、前述したムーブメント35の出力軸36を通すとともに、プリント配線板4の複数のLED38からの光を文字板30及び指針32側へ通すための複数の開口部43が設けられている。周壁42は、ケース本体40の外郭を形成する。そして、ケース本体40は、前面壁41の車両の乗員側の面に文字板30が重ねられて、この文字板30を前面壁41との間に挟む格好で装飾リング37が取り付けられる。
【0030】
裏カバー45は、図2に示すように、底壁46と該底壁46の外周縁から立設し且つ車両の乗員側に延びた周壁47とを備えて、視認者側即ちケース本体40側に開口したケース状に形成されている。裏カバー45は、ケース本体40の視認者から離れた側即ち背面側に取り付けられて、該ケース本体40の開口を閉塞する。
【0031】
見返し部材6は、合成樹脂等から形成されており、図2に示すように、スピードメータ3及び表示装置1に対応する部分に開口が設けられている。見返し部材6は、計器ケース5のケース本体40の車両の乗員側即ち前面側に取り付けられて、スピードメータ3及び表示装置1の表示部分以外を車両の乗員に対して遮蔽する。
【0032】
透明カバー7は、透明性を有する樹脂等で構成され且つ平板状に形成されている。透明カバー7は、計器ケース5のケース本体40の前面壁41との間に見返し部材6を挟む格好で該ケース本体40に取り付けられる。そして、透明カバー7は、スピードメータ3、表示装置1及び見返し部材6等の車両の乗員側即ち前面側を覆って、車両用計器装置2内へ埃等が侵入するのを防ぐ。
【0033】
表示装置1は、図3に示すように、液晶表示素子としての液晶パネル10と、前記液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に配置されて該液晶パネル10を照明する光源ユニット11と、これら液晶パネル10と光源ユニット11との間に配置される光学シートとしての複数のレンズシート17と、液晶パネル10と複数のレンズシート17と光源ユニット11とを積層した状態で収容するケース20と、を備えている。
【0034】
液晶パネル10は、背面側からの光が透過可能な周知であるLCD(液晶ディスプレイ)が用いられる。液晶パネル10には、当該液晶パネル10の内部から外部に導出された接続ケーブル10bが設けられている。接続ケーブル10bは、周知である薄型のFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)やFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)等が用いられる。接続ケーブル10bは、一端部が液晶パネル10と電気的に接続され且つ他端部が前述したプリント配線板4の制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。
【0035】
前述した構成の液晶パネル10は、接続ケーブル10bを介して前述したプリント配線板4に設けられた制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。そして、液晶パネル10は、制御ユニットの制御によって、シフトポジション、走行距離、平均速度、燃料残量などの車両の状態を示す各種の情報を表示面10aに表示する。
【0036】
なお、本実施形態では、液晶パネル10としてLCD(液晶ディスプレイ)を用いるが、例えば、TFT液晶(薄膜トランジスタ)やDSTN(Dual-scan Super Twisted Nematic)液晶などを用いても良く、また、蛍光表示管(VFD)等の自発光デバイスを用いることができる。
【0037】
光源ユニット11は、液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に対向するように配置されており、液晶パネル10を照明するための光源14が実装された光源用基板13と、前記光源14からの光を液晶パネル10に導く導光板12と、該導光板12の車両の乗員から離れた背面側に配置された反射シート16と、を備えている。
【0038】
光源用基板13は、可撓性を有していない比較的硬質な材料からなり、略矩形の平板状に形成されている。光源用基板13は、ケース20の後述するホルダ21の基板収容部24内に収容された際に導光板12の後述する受光部12aと相対する面に、LEDやバルブ等の光源14と、コネクタ15と、が設けられている。そして、光源用基板13は、コネクタ15に電線15a等が接続されて、該電線15aによって前述したプリント配線板4と電気的に接続されている。なお、前記電線15aには、周知である薄型のFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)やFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)等が用いられる。
【0039】
導光板12は、透光性を有する合成樹脂等からなり、平板状に形成されており、外周の一部に光源14からの光を受光する受光部12aが設けられている。導光板12は、液晶パネル10の車両の乗員から離れた背面側に配置されて、該液晶パネル10と光源14との間に介在するようにケース20の後述するホルダ21内に収容される。そして、導光板12は、受光部12aで受光した光源14からの光を液晶パネル10に向けて出射する。
【0040】
反射シート16は、合成樹脂等からなり、薄膜状に形成されている。反射シート16は、導光板12の車両の乗員から離れた背面側に配置されて、該導光板12と積層されてケース20の後述するホルダ21内に収容される。そして、反射シート16は、導光板12を透過した光源14からの光を該導光板12に向かって反射する。
【0041】
そして、前述した構成の光源ユニット11は、液晶パネル10が表示を行う際に、前述した制御ユニットの制御によって点灯して、液晶パネル10を透過させるための光、即ち液晶パネル10を発光させるための光を発する。
【0042】
複数のレンズシート17は、透光性を有する合成樹脂等からなり、薄膜状に形成されている。複数のレンズシート17は、外形が前述した液晶パネル10と略等しく形成されている。複数のレンズシート17は、それぞれ、外縁部から外側に向かって突出した矩形状の凸部18と、該凸部18と異なる位置の外縁部から外側に向かって突出した矩形状の第2凸部19とを備えている。複数のレンズシート17の各凸部18は、当該複数のレンズシート17を重ねた際に互いに重なるように配置されている。複数のレンズシート17の各第2凸部19は、当該複数のレンズシート17を重ねた際に互いに重ならないように配置されている。
【0043】
そして、複数のレンズシート17は、液晶パネル10と光源ユニット11の導光板12との間に配置され且つ液晶パネル10及び導光板12と積層された状態でケース20の後述するホルダ21内に収容されて、光源ユニット11の導光板12を透過した光源14からの光を液晶パネル10の車両の乗員側即ち前面側に集束させる。なお、本実施形態では、複数の光学シートとして複数のレンズシート17を用いるが、例えば、偏光シートや輝度向上シートなど、各々異なる光学特性を有する複数の光学シートを用いることができる。
【0044】
ケース20は、絶縁性の合成樹脂で構成され、ホルダ21と、該ホルダ21を覆うカバー部材27と、を備えている。
【0045】
ホルダ21は、円盤状の底壁22と、該底壁22の外周縁から立設し且つ車両の乗員側に延びた周壁23とを備えて、乗員側に開口したケース状に形成されている。底壁22には、当該底壁22を貫通して形成され且つ周壁23と隣接して配置された基板収容部24が設けられている。基板収容部24は、前述した光源用基板13の光源14を導光板12の受光部12aと相対させた状態で、該光源用基板13を内側に収容する。
【0046】
周壁23は、前述した複数のレンズシート17の各凸部18が挿入される挿入部25と、複数のレンズシート17の各凸部19それぞれと係合する複数の係合凹部26と、を備えている。挿入部25は、周壁23を貫通しているとともに、複数のレンズシート17の凸部18同士を重ねた状態で挿入可能な矩形状に形成されている。複数の係合凹部26は、それぞれ、周壁23の底壁22から離れた端部が切り欠かれて該端部から底壁22に向かって凹状に形成されている。複数の係合凹部26は、周壁23に沿って互いに間隔をあけて並べられている。
【0047】
また、周壁23には、当該周壁23の底壁22から離れた端部から突出した一対の保持片23aが設けられている。一対の保持片23aは、周壁23の径方向に相対して配置されている。一対の保持片23aは、互いに離れる方向に弾性変形可能に形成されている。そして、一対の保持片23aは、互いの間に前述した液晶パネル10を挟んで該液晶パネル10を保持する。
【0048】
そして、前述した周壁23は、内側に前述した光源ユニット11の反射シート16及び導光板12と複数のレンズシート17とを収容して、積層位置としての底壁22の表面に反射シート16と導光板12と複数のレンズシート17とを順に積層した状態で位置付けるとともに、一対の保持片23aにより複数のレンズシート17の前面側に液晶パネル10を重ねた状態で該液晶パネル10を保持する。前記周壁23は、特許請求に記載の周壁に相当する。
【0049】
カバー部材27は、車両の乗員に相対する前面壁28と、この前面壁28の外周縁から車両の乗員から離れる方向に延びた周壁29とを備えて、乗員から離れる側即ち背面側に開口したケース状に形成されている。前面壁28には、液晶パネル10の表示面10aを車両の乗員に対して露出する露出部28aが設けられている。周壁29は、カバー部材27がホルダ21に取り付けられた際に該ホルダ21の周壁23の外周を覆うように設けられており、ケース20の外郭を形成する。
【0050】
以下に、前述した構成の表示装置1を組み立てる方法を説明する。
【0051】
まず、反射シート16と導光板12とを順次ホルダ21の底壁22の表面に重ねるとともに、光源用基板13をホルダ21の基板収容部24内に収容し且つ電線15aを基板収容部24内を通してホルダ21外部に導出させて、ホルダ21内に光源ユニット11を収容する。
【0052】
次に、図4に示すように、複数のレンズシート17のうち一方のレンズシート17bの凸部18をホルダ21の周壁23の挿入部25内に挿入するとともに、第2凸部19をホルダ21の周壁23の一方の係合凹部26bに係合させることで、この一方のレンズシート17bを光源ユニット11の導光板12の前面側に重ねてホルダ21内に収容する。
【0053】
そして、複数のレンズシート17のうち他方のレンズシート17aの凸部18をホルダ21の周壁23の挿入部25内に挿入するとともに、第2凸部19をホルダ21の周壁23の他方の係合凹部26aに係合させることで、この他方のレンズシート17aを一方のレンズシート17bの前面側に重ねてホルダ21内に収容する。
【0054】
このとき、一方のレンズシート17bの第2凸部19が一方の係合凹部26bに係合するとともに、他方のレンズシート17aの第2凸部19が他方の係合凹部26aに係合することで、これら複数のレンズシート17それぞれをホルダ21内に正しい向きで収容させる。こうして、複数のレンズシート17を互いに重ね且つ光源ユニット11の導光板12と積層された状態で、ホルダ21内に収容する。
【0055】
続いて、液晶パネル10をホルダ21内に収容された他方のレンズシート17aの前面側即ち複数のレンズシート17の前面側に重ねて、ホルダ21の一対の保持片23aの間に液晶パネル10を挟むことで、該液晶パネル10が一対の保持片23a即ちホルダ21に保持される。そして、液晶パネル10の接続ケーブル10bをホルダ21外部に導出させる。
【0056】
最後に、カバー部材27をホルダ21に取り付ける。すると、カバー部材27がホルダ21を覆うとともに、カバー部材27の露出部28aから液晶パネル10の表示面10aが露出する。こうして、表示装置1が組み立てられる。
【0057】
本実施形態によれば、レンズシート17が外縁部から外側に向かって突出した凸部18を備えているとともに、ケース20が光源ユニット11とレンズシート17とを所望の積層位置に位置付ける周壁23と該周壁23に設けられ且つレンズシート17の凸部18が挿入されて該レンズシート17の液晶パネル10側への移動を規制する挿入部25とを備えている。
【0058】
このため、レンズシート17の凸部18をケース20の周壁23に設けられた挿入部25に挿入して該ケース20内にレンズシート17を収容するだけで、ケース20内のレンズシート17が外れることを防止することができるので、組み立て工数を増加させること無く、ケース20内に収容したレンズシート17に歪みが生じることを防止することができる。したがって、組み立て作業の煩雑化を抑制するとともに、組み立て時のレンズシート17の歪みを防止して、液晶パネル10に輝度ムラが生じることを抑制することができる。
【0059】
また、複数のレンズシート17が、それぞれ、外縁部の凸部18と異なる位置から外側に向かって突出し且つ当該複数のレンズシート17を重ねた際に互いに重ならないように配置された第2凸部19を備えているとともに、ケース20の周壁23が、該ケース20内に複数のレンズシート17を収容した際に、これら複数のレンズシート17の第2凸部19それぞれと係合する複数の係合凹部26を備えている。
【0060】
このため、複数のレンズシート17各々の第2凸部19によって、該複数のレンズシート17がそれぞれケース20内に正しい向きで収容されているか否かを、容易に確認することができるので、複数のレンズシート17の誤組み付けを防止することができる。したがって、レンズシート17の組み付け不良の発生を防止することができ、組み付け性の向上を図ることができる。
【0061】
前述した実施形態では、液晶パネル10を照明するための光源ユニット11が、光源用基板13に実装された光源14が、導光板12の外周の一部に設けられた受光部12aと相対するように配置された、サイドライト方式が用いられている。しかしながら、本発明では、光源ユニットは、液晶パネル10の背面側に拡散板を配置するとともに、拡散板の背面側に複数の冷陰極管等が配置された、直下型方式が用いられていても良い。
【0062】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 表示装置
2 計器装置
10 液晶パネル(液晶表示素子)
11 光源ユニット
17 レンズシート(光学シート)
18 凸部
19 第2凸部
20 ケース
23 周壁
25 挿入部
26 係合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の情報を表示する液晶表示素子と、前記液晶表示素子の背面側に配置された光源ユニットと、前記液晶表示素子と前記光源ユニットとの間に配置される光学シートと、内側に前記液晶表示素子と前記光学シートと前記光源ユニットとを互いに積層した状態で収容するケースと、を備えた表示装置であって、
前記光学シートが、外縁部から外側に向かって突出した凸部を備え、
前記ケースが、前記光源ユニットと前記光学シートとを所望の積層位置に位置付ける周壁と、前記周壁に設けられ且つ前記凸部が挿入されて前記光学シートの前記液晶表示素子側への移動を規制する挿入部と、を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光学シートを複数備え、
前記複数の光学シートが、それぞれ、前記外縁部の前記凸部と異なる位置から外側に向かって突出するとともに、当該複数の光学シートを重ねた際に互いに重ならないように配置された第2凸部を備え、
前記ケースの前記周壁が、該ケース内に前記複数の光学シートを収容した際に、該複数の光学シートの前記第2凸部それぞれと係合する複数の係合凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−48125(P2011−48125A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196291(P2009−196291)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】