表示装置
【課題】液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することが可能な技術を提供することである。
【解決手段】
表示パネルと、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入される表示装置である。
【解決手段】
表示パネルと、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入される表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係わり、特に、液晶表示パネルとバックライトユニットとを固定するフレーム部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、対向配置されるガラス基板からなる第1基板と第2基板とにより液晶層を挟持する液晶表示パネルと、非発光デバイスである該液晶表示パネルの裏面側に配置されバックライト光を照射するバックライトユニットとを有する構成となっている。バックライトユニットは、冷陰極管やLED等からなる光源と、該光源から照射される光を面状の光に変換する導光板と、該導光板から出射される面状の光の分布や出射光の成分等を補正する光学シート等を備える構成となっている。
【0003】
このような構成からなる液晶表示装置は、例えば、特許文献1に記載の液晶表示装置に示すように、バックライトユニットを構成する光源、導光板、及び光学シート等がシャーシ又は下フレームと称される照射面側が開口される第1のフレーム部材に格納される構成となっている。この下フレームに格納されるバックライトユニットの照射面側には液晶表示パネルが搭載され、液晶表示パネルの表示面側からケーシング又は上フレームと称される第2のフレーム部材をバックライトユニットの下フレームに組み付ける(嵌め込む)ことにより、液晶表示パネルを固定すると共にその辺縁部を保護する構成となっている。
【0004】
さらには、下フレームと嵌合される中フレームと称される第3のフレーム部材を用い、下フレームと中フレームとにより光源、導光板、及び光学シート等を固定したバックライトユニットを形成し、該バックライトユニットの照射面側に液晶表示パネルを搭載し、上フレームとバックライトユニットとにより、液晶表示パネルを固定すると共に保護する液晶表示装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−149501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
下フレーム又は中フレームに上フレームを組み付けることによって液晶表示パネルを保持する構成の液晶表示装置では、下フレームや中フレームの辺部に液晶表示パネルが延在方向に移動することを防止するためにモールドと称される凸状の突起体が形成されていることが一般的である。すなわち、従来の液晶表示装置では、2個所以上に形成されるモールドとの間に液晶表示パネルを搭載した後に、上フレームを組み付けることによって、液晶表示パネルを固定する構成としている。すなわち、上フレームを組み付けた状態では、モールドの頭頂部と上フレームとの隙間が液晶表示パネルの厚さよりも小さい隙間となるような突出量となるように、モールドが形成されている。
【0007】
しかしながら、このような構成からなる液晶表示装置では、液晶表示パネルを搭載する際にモールドに乗り上げた状態で上フレームを組み付けた場合、液晶表示パネルには上フレームの組み付けに伴う力が印加されることとなり、ガラス基板である第1基板及び第2基板にクラック等の破損が生じ、点灯異常が生じてしまうことが懸念され、その解決方法が切望されている。
【0008】
また、特許文献1には、側壁部分が略コの字形状のフレーム部材を上フレームとして用い、側壁の形成されていない側面から下フレームと液晶表示パネルとを挿入する構成の液晶表示装置が記載されている。しかしながら、このような構成の液晶表示装置では、側壁面が形成されない側のフレームの強度が不足することが懸念されている。
【0009】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決すべく、外部システムからの表示信号に基づいた画像表示を行う表示パネルと、前記表示パネルの裏面側に配置され、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記表示パネルに表示される画像を出力する開口部を有し、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入される表示装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0012】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の各構成部位の構成を説明するための図である。
【図3】図1に示すa−a線での断面図である。
【図4】実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け手順を説明するための図である。
【図5】実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け時の側面図である。
【0014】
本発明の実施形態2の表示装置における画素部の構成を説明するための平面図である。
【図6】実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付けを説明するための図である。
【図7】実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付け時の側面図である。
【図8】実施形態1の表示装置における液晶表示パネルがずれた状態を説明するための図である。
【図9】従来の液晶表示装置における正常時のフレーム部材の組み立て工程を説明するための図である。
【図10】従来の液晶表示装置において液晶表示パネルがモールドに重なっている場合のフレーム部材の組み立て工程を説明するための図である。
【図11】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け前の表示面側からの斜視図である。
【図12】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け前の裏面側からの斜視図である。
【図13】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け後の裏面側からの斜視図である。
【図14】フレームFL2に切り欠き部を設けない場合におけるフレキシブルプリント基板の引き出し状態を説明するための図である。
【図15】実施形態1の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図16】実施形態1の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図17】従来の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【図19】本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態3の液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0016】
〈実施形態1〉
図1は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための斜視図であり、図2は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の各構成部位の構成を説明するための図であり、以下、図1及び図2に基づいて、実施形態1の液晶表示装置の構成を説明する。ただし、図1及び図2において、X、Y、ZはそれぞれX軸、Y軸、Z軸を示す。また、実施形態1では、導光板の側壁面に光源が配置されるサイドライト方式(エッジライト方式)のバックライトユニットの場合について説明するが、拡散板の裏面側に光源が配置される直下型方式のバックライトユニットであってもよい。
【0017】
図1に示すように、実施形態1の液晶表示装置は、箱体状のフレーム(フレーム部材)FL1と、フレームFL1に収納される液晶表示パネルPNLと、液晶表示パネルPNLの裏面側に配置される図示しないバックライトユニットと、バックライトユニットに固定されるフレーム(挿入口フレーム)FL2とを備える構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の開口される側壁面をフレームFL2で塞ぐことにより、フレームFL1内部へのゴミ等の侵入を防止する構成となっている。また、液晶表示パネルPNLの一端にはフレキシブルプリント基板FPCが接続され、フレームFL1の裏面側に配置される図示しない駆動基板から駆動信号が入力される構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2の側壁部分には裏面側端部からの開口が連続して形成されてなる切り欠き部CLPが形成され、該切り欠き部CLPを介してフレキシブルプリント基板FPCはフレーム1、2で形成されるフレーム部材の外部に引き出される構成となっている。
【0018】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2が配置される面に隣接する側壁部の内で、図中右側の側壁部にその一部が開口される引き出し口(電源線の引き出し口)OPLが形成され、該引き出し口OPLから後に詳述するバックライトユニットの光源に電力を供給する電源線PWがフレームFL1の外部に引き出される構成となっている。また、対向する2辺の内で液晶表示パネルPNLが配置される側の面(第1の面)である図中上側面には開口部OPPが形成され、該開口部OPPを介して表示画像が出力される。
【0019】
このような構成からなる実施形態1の液晶表示装置では、図2に示すように、フレームFL1の主面(第1の面)である図中上側面に開口部OPPが形成されており、この主面に対向する裏面(第2の面)は開口の形成されない平板状の面を有する構成となっているが、必要に応じて開口を設ける構成としてもよい。このとき、実施形態1のフレームFL1は、主面及び裏面に沿って1つの側壁部が開口されてなる挿入口IHが形成されている。すなわち、箱体状のフレームFL1の側壁部の内で側壁が形成されない1つの側壁面が、挿入口IHの形成される挿入口面となっている。また、この挿入口IHが隣接する側壁面の内で、バックライトユニットBLからの電源線PWが配置される側の側壁は、その一部が挿入口IHと連続して開口される構成となっており、この開口部が引き出し口OPLを形成している。このような構成とすることにより、後に詳述するように、挿入口IHからバックライトユニットBLを挿入する際の電源線PWの引き出し処理を不要としている。
【0020】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の側壁部の内で、挿入口IHに隣接する(挿入口IHを介して対向配置される)側壁部の内壁面(図中左側と右側とに形成される側壁部の内壁面)には、それぞれ内側に突出する凸状体PRが形成されている。特に、実施形態1においては、凸状体PRはバックライトユニットBLの挿入方向に連続して延在する平板状(レール状)の構成となっており、凸状体PRの一方の長辺がフレームFL1の内壁面に固定される片持ち構造となっている。なお、凸状体PRの形状は連続する平板状に限定されることはなく、フレームFL1の内壁面から徒手移される1つ以上の突起物や平板状の凸状体を挿入方向に2つ以上形成した構成であってもよい。
【0021】
一方、バックライトユニットBLの側壁面(図中左右の側壁面)には、それぞれ側壁面の長手方向すなわち挿入方向に延在する段差を形成するための凸部DIT1がY方向に連続して延在する平板状(レール状)に形成されている。このような凸状体PRと凸部DIT1を設けることにより、バックライトユニットBLの挿入時には凸状体PRに凸部DIT1を重ね、凸状体PRに対して凸部DIT1を摺動させることによって、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとからなる表示ユニットをフレームFL1内の所定位置に容易に挿入可能な構成としている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、凸状体PRの開口部OPP側に凸部DIT1を配置することにより、フレームFL1に対する液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLからなる表示ユニットのX方向及びZ方向の位置を容易に位置決めさせることが可能となる。
【0022】
また、実施形態1では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLからなる表示ユニットをフレームFL1に挿入した後に、バックライトユニットBLをフレームFL1に周知のネジSCW等で固定するいわゆるネジ止め(ビス止め)の構成となっており、図2に示すように、フレームFL1の該当する側壁面にはネジ用の貫通孔SHが形成されている。
【0023】
フレームFL2は、図2中のYZ平面での断面形状が略L字型の形状をしている。このような形状とすることにより、フレームFL1の挿入口部分にフレームFL2を取り付けた際に、表示装置の観察者側の額縁部分が2重となるような構成としているが、フレームFL2はその断面形状が平板型又はコの字型、さらにはフレームFL1に挿入される面が開口される箱体状であってもよい。このように形成される実施形態1のフレームFL2は、フレームFL1の開口される側壁面である挿入口IHを覆う構成となっており、実施形態1では、バックライトユニットBLの側壁面にネジSCWで固定されている。従って、フレームFL1と同様に、フレームFL2の側壁面にもネジ用の貫通孔SHが形成されている。また、バックライトユニットBLの側壁面には、ネジ止め用の受孔RHが形成されている。
【0024】
実施形態1のバックライトユニットBLは導光板の側面に光源が配置されるサイドライト方式であり、当該バックライトユニットBLがフレームFL1に内装された状態では光源が挿入口IH側に配置されるように、フレームFL1にバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLが挿入される構成となっている。このような構成とすることにより、光源に電極を供給する電源線PWの引き出しを容易にすると共に、フレームFL1内における電源線PWの引き回し距離を短くすることを可能としている。
【0025】
また、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNLに接続されるフレキシブルプリント基板FPCの接続側の辺部がフレームFL1の挿入口IH側となる配置としている。このような構成とすることにより、フレキシブルプリント基板FPCの長さを短くすると共に、フレームFL2の下部に形成される切り欠き部CLPからの引き出しを容易とすることにより、後に詳述するように、当該フレキシブルプリント基板FPCを引き出す際の断線等を防止することが可能な構成としている。
【0026】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の表示面側には、図示しない周知の画素がマトリクス状に配置される表示領域に対応した開口部OPPが形成されることとなっており、該開口部OPPを介してバックライトユニットBLから照射されたバックライト光が液晶表示パネルPNLを透過し、所望の画像表示がなされることとなる。従って、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の開口部OPPの大きさは、従来のフレームと同様に、表示領域のX方向及びY方向の大きさよりも大きく、かつ液晶表示パネルPNLのX方向及びY方向の大きさよりも小さい構成となっている。
【0027】
また、実施形態1の液晶表示装置においては、液晶表示パネルPNLが延在方向に移動することを防止するため、凸状の突起体であるモールドMDがバックライトユニットBLの照射面側に形成されている。該モールドMDはバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのフレームFL1への挿入方向である短辺の延在方向(図中のY方向)に沿って連続して形成される凸状の突起体からなり、実施形態1においては、バックライトユニットBLの短辺に沿って、2本のモールドMDが2つの短辺側にそれぞれ形成されている。すなわち、実施形態1のバックライトユニットBLでは、バックライトユニットBLの照射面側にZ方向すなわち液晶表示パネルPNLの搭載側に突出するモールドMDを備える構成となっている。該モールドMDは2本の凸状の突出体からなり、バックライトユニットBLの図中左右の辺部(バックライトユニットBLの挿入方向である短辺)に沿って直線状に形成されている。また、2本のモールドMDはバックライトユニットBLの長軸方向(X方向)の幅よりも所定量だけ大きな間隔で形成されており、この2本のモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが搭載される構成となっている。このような構成とすることにより、バックライトユニットBLをフレームFL1に挿入する際の挿入方向と直交する方向への液晶表示パネルPNLの移動を、モールドMDが防止する構成となっている。特に、実施形態1のモールドMDの形成位置はバックライトユニットBLの辺縁部から開口部OPPの端部に至る領域に形成される構成となっている。このような構成とすることにより、モールドMDが開口部OPPを介して観察者に視認されることを防止すると共に、モールドMDとフレームFL1との間の間隔を液晶表示パネルPNLの厚さ以下に保持し、液晶表示パネルPNLのがたつき等を防止できる。ただし、モールドMDの形成位置及び形状並びに本数はこれに限定されることはない。また、モールドMDの間隔はバックライトユニットBLや液晶表示パネルPNLの形成精度、温度による伸縮率、及び作業効率等の条件に基づいて適宜設定される。
【0028】
〈断面構造の説明〉
図3は図1に示すa−a線での断面図であり、図3から明らかなように、実施形態1の液晶表示装置では、バックライトユニットBLの短辺側の側壁面にそれぞれ形成される凸部DIT1がフレームFL1の短辺側の内壁面にそれぞれ当接することにより、バックライトユニットBLのX方向に対する位置決めがなされる。このとき、バックライトユニットBLの照射面側に搭載される液晶表示パネルPNLの側面がモールドMDに当接される構成となっているので、バックライトユニットBLの位置決めがなされることにより、液晶表示パネルPNLのX方向の位置決めもされることとなる。すなわち、バックライトユニットBLと液晶表示パネルPNLの位置決めでは、対向配置されるバックライトユニットBLの短辺側の側壁面からフレームFL1の近接される内壁面方向(X方向、長辺方向)に突出される凸部DIT1の内で、図中左側の短辺側は、バックライトユニットBLの側壁面からX1方向(フレームFL1の側壁方向)に突出する凸部DIT1が形成され、該凸部DIT1の頭頂部がフレームFL1の内壁面に当接される。同様にして、図中右側の短辺側は、バックライトユニットBLの側壁面からX4方向(フレームFL1の側壁方向)に突出する凸部DIT1が形成され、該凸部DIT1の頭頂部がフレームFL1の内壁面に当接される構成となっているので、フレームFL1に挿入されるバックライトユニットBLのX方向(長手方向)の位置決めが容易になされる。
【0029】
また、実施形態1の液晶表示装置では、図中左側の短辺側では、フレームFL1の側壁にはその内壁面からX2方向(バックライトユニットBL側)に突出する凸状体PRが形成され、該凸状体PRの図中上面側にバックライトユニットBLの凸部DIT1が配置されている。同様にして、図中右側の短辺側では、フレームFL1の側壁の内壁面からX3方向(バックライトユニットBL側)に突出する凸状体PRが形成され、該凸状体PRの図中上面側に凸部DIT1が配置されているので、フレームFL1に挿入されるバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向(表示面方向、厚さ方向)の位置決めが容易になされる。
【0030】
〈組み立て工程〉
次に、図4に実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け手順を説明するための図、図5に実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け時の側面図を示し、以下、図4及び図5に基づいて、実施形態1の液晶表示装置における組み立て手順を説明する。ただし、図4及び図5は液晶表示パネルが2つのモールド間に位置決めされた場合の組み立て時を示す図である。
【0031】
図4に示すように、バックライトユニットBLと液晶表示パネルPNLとにフレーム部材を取り付ける工程においては、まず、図示しない光源が配置されない辺部に対向する辺部側からフレームFL1に液晶表示パネルPNLが搭載されるバックライトユニットBLを矢印AW1で示す方向に挿入する。これにより、図5に示すように、モールドMD及びフレームFL1の内壁面により液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLが所望の位置に格納されることとなる。この挿入時における液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLとフレームFL1との位置関係は、図5から明らかなように、2つのモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが搭載される場合には、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとがフレームFL1の内壁内に納まることとなる。また、図5中丸印Aの拡大図A’に示すように、液晶表示パネルPNLはバックライトユニットBLとフレームFL1の表示面側の内壁面とによりZ方向(表示面方向、厚さ方向)へのズレが固定されると共に、バックライトユニットBLの照射面側に形成される2つのモールドMDによりX方向へのズレが固定される。
【0032】
このとき、液晶表示パネルPNLを搭載したバックライトユニットBLをフレームFL1に挿入した後に、フレームFL1の挿入口IHを覆うフレームFL2をバックライトユニットBLの側壁面に取り付ける。このフレームFL2の取り付けにより、開口部OPPを除く他の面がフレームFL1、FLM2で覆われる構成となり、外部からのゴミ等の内部への侵入を防止できると共に、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLを外部からの衝撃等から保護することが可能となる。
【0033】
次に、図6に実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付けを説明するための図、図7に実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付け時の側面図を示し、以下、図6及び図7に基づいて、実施形態1の液晶表示装置における組み立て工程で液晶表示パネルが位置ずれした場合について説明する。
【0034】
図6に示すように、バックライトユニットBLに液晶表示パネルPNLを搭載する際、X方向にズレが生じてモールドMD(点線で示す)上に液晶表示パネルPNLが重なってしまった場合、バックライトユニットBLの裏面側(照射面と対向する面)から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離(厚さ)が重なりの生じている側と重なりの生じていない側とで異なることとなる。モールドMDと液晶表示パネルPNLとの重なりが生じていない短辺側(図中左側)では、バックライトユニットBLの裏面側から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離はバックライトユニットBLの厚さと液晶表示パネルPNLの厚さとを加算したものとなる。一方、モールドMDと液晶表示パネルPNLとが重なりが生じる短辺側(図中右側)では、バックライトユニットBLの裏面側から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離は、バックライトユニットBLの厚さと液晶表示パネルPNLの厚さとにモールドMDの高さ(厚さ)を加算したものとなる。さらには、この短辺側の端部では、液晶表示パネルPNLの傾きに起因する厚さも加わることとなるので、さらに距離(厚さ)が増加する。
【0035】
このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1にバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLを収納した状態での液晶表示パネルPNLの表示面と当該フレームFL1の内壁面までの間隔よりもモールドMDの高さが大きく形成されている。その結果、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLをフレームFL1に挿入する際に、図7に示すように、フレームFL1の挿入口IHの開口高さ(Z方向高さ)よりも、重なりの生じているバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLの高さの方が大きくなるために、挿入口IHからの挿入ができなくなるので、容易に液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりを把握することができる。すなわち、図7中丸印Bの拡大図B’に示すように、液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりにより、液晶表示パネルPNLの裏面とバックライトユニットBLの表面(照射面)との間にモールドMDの高さ(Z方向)に対応する隙間が形成され、液晶表示パネルPNLはバックライトユニットBLの表面から浮き上がった状態となる。これにより、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとを合わせた厚さがフレームFL1の挿入口IHのZ方向高さよりも高くなってしまい、拡大図B’に示すように、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLの挿入時に、挿入口IHの開口端が液晶表示パネルPNLの側壁部に接触することとなり、作業者は容易に液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりに気づくことが可能となる。さらには、挿入口IHからの液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLの挿入という比較的小さな力(挿入力)での作業であると共に、表示面の垂線方向からの力の印加がなく、さらには構造的に表示面の垂線方向よりも強度が大きい側壁面(横方向)からの力の印加となるので、液晶表示パネルPNLの破損を防止できる。その結果、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0036】
一方、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLをフレームFL1に格納する際に、液晶表示パネルPNLの表示面の垂線方向からの力を直接的に印加しない構成となっているので、液晶表示パネルPNLがモールドMDに重なって載置されている場合には、フレームFL1へのバックライトユニットBLの挿入は不可能となる。しかしながら、液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なり領域が小さい場合、さらには、モールドMDの高さが十分な高さを有しない場合等により、液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なった状態でフレームFL1内にバックライトユニットBLが挿入可能になってしまうことも考えられる。このように液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なった状態でバックライトユニットBLが挿入された場合であっても、バックライトユニットBLのX方向への位置決めが正確になされているので、図8に示すように、フレームFL1の開口部OPPから液晶表示パネルPNLの端部が確認されることとなるので、容易に液晶表示パネルPNLの位置ずれを発見することが可能である。
【0037】
実施形態1のフレーム部材の組み立て工程に対して、図9に示すように従来のフレーム部材であるフレーム3を用いた組み立て工程では、フレームFLM3の表示面側から矢印AW2で示す方向に押圧することによって、フレームFLM3をバックライトユニットBLに嵌合させ、液晶表示パネルPNLを固定する構成となっている。従って、図9に示すように、バックライトユニットBLの照射面側に形成された2つのモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが配置されている場合(正常配置の場合)には、フレームFLM3の取り付けに伴う押圧力は液晶表示パネルPNLの周辺部分全体で受けることとなるので、液晶表示パネルPNLは破損なく固定される。
【0038】
これに対して、図10に示すように、液晶表示パネルPNLがモールドMDに乗り上げて重なりが生じている場合には、液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なる点線で示す重畳部分に、フレームFLM3を嵌合させるための矢印AW2で示す方向の押圧が集中することとなるので、液晶表示パネルPNLの当該重畳領域部分に破損が生じることとなる。
【0039】
〈フレームFL2の詳細構成〉
次に、図11〜図13に本発明の実施形態1の液晶表示装置におけるフレキシブルプリント基板の引き出し部の詳細構成を説明するための図を示し、フレームFL2の詳細構成を説明する。ただし、図11はフレームFL2の取り付け前の表示面側からの斜視図であり、図12はフレームFL2の取り付け前の裏面側からの斜視図であり、図13はフレームFL2の取り付け後の裏面側からの斜視図である。
【0040】
前述するように、実施形態1のフレームFLM2はフレームFL1の側壁部に形成される挿入口IHを塞ぐためのフレーム部材であり、図11及び図12の点線の丸印で示すように、フレキシブルプリント基板FPCの引き出し位置に切り欠き部CLPが形成される構成となっている。この切り欠き部CLPは、図13に示すように、フレームFL1にフレームFL2を取り付けた時に、液晶表示パネルPNLの制御回路等が搭載される駆動基板CSが搭載される側であるフレームFL1の裏面側に向かって開口される構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2の端部がフレームFL1の裏面側に開口される構成となっている。
【0041】
このような構成とすることにより、矢印AW3で示すように、フレームFL2をフレームFL1の挿入口の形成される側壁部に取り付けた際に、金属部材で形成されるフレームFL1の端部とフレームFL2の端部との間にフレキシブルプリント基板FPCが挟まれることなく、フレーム部材内から引き出すことを可能としている。すなわち、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2をフレームFL1の挿入口IHに取り付けた際のフレームFL1の裏面側から表示面側(Z方向)への開口長が所定値以上となる構成となっている。このような構成とすることにより、フレキシブルプリント基板FPCは液晶表示パネルPNLから引き出された後に、バックライトユニットBLの端部でその側面形状に沿って屈曲される。この屈曲の後に、フレキシブルプリント基板FPCはバックライトユニットBLの側壁面とフレームFL2の側面との間を介して、切り欠き部CLPに達した後に、図13のフレキシブルプリント基板FPCの拡大図Cに示すように、角部が形成されないフレキシブルプリント基板FPCの弾性に従った滑らかな弧状形状に湾曲され、他端側が駆動基板CSに接続される構成となる。このように、フレームFL2の一部に切り欠き部CLPを形成することにより、フレキシブルプリント基板FPCの少なくとも一方の面を平面と接する構成とし、局所的に大きな力が印加されることを防止し、フレキシブルプリント基板FPCの損傷を防止することを可能としている。
【0042】
例えば、図14に示すように、フレームFL2に切り欠き部CLPを設けない場合には、フレーム部材からフレキシブルプリント基板FPCを引き出す際に、図14中の丸印Eで示すように、フレームFL1の端部とフレームFL2の端部とにより形成される液晶表示装置の角部からフレキシブルプリント基板FPCを引き出すこととなる。従って、樹脂製の保護膜で配線部分を含めた基板表面を覆う構成となるフレキシブルプリント基板FPC保護膜へ与える力が大きくなると共に、図14中のフレキシブルプリント基板FPCの拡大図Dに示すように、フレキシブルプリント基板FPCに角部が形成されて屈曲されることとなり、金属薄膜で形成される配線の断線等のフレキシブルプリント基板FPCの損傷の可能性が大きくなってしまう。これに対して、実施形態1の構成では、湾曲形状を保持したままで駆動基板CSに接続することができるので、フレキシブルプリント基板FPCの損傷を大幅に低減できるという効果を得ることができる。さらには、フレキシブルプリント基板FPCの少なくとも一方の面を保護膜と同じ樹脂部材とすることができるので、フレキシブルプリント基板FPCの損傷の可能性をさらに低減できる。
【0043】
〈放熱効果の説明〉
また、近年の高画質化に伴う高解像度化に伴う開口率の低下や高輝度化に対応して、バックライトユニットBLのさらなる高輝度化が要望されており、光源の放熱対策が重要となっている。これに対して、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLを一体で形成される金属製のフレームFL1で覆う構成となっているので、光源で発生した熱はフレームFL1の全体に容易に伝導され放熱されることとなり、放熱性能を向上できるという格別の効果を得ることができる。すなわち、光源で発生した熱により、図16に示すように、まずフレームFL1の光源に近い部位であるフレームFL1の裏面側やフレームFL2が熱せられ、この熱がフレームFL1の裏面側全体に熱伝導され、フレームFL1の裏面全体から矢印AW4で示すように放熱される。このとき、実施形態1のフレームFL1は側壁部及び表示面側と一体に形成されているので、光源からの熱は側壁部及び表示面側にも熱伝導され、図15中の矢印AW4に示すように、その表面からも放熱されることとなる。
【0044】
一方、従来の液晶表示装置では、図17に示すように、液晶表示装置の表示面側に配置されるフレームFL3と裏面側に配置されるフレームFL4とが別体で形成され、それぞれが接触しない構成となっている。このために、従来の液晶表示装置では、裏面側に配置されるフレームFL4からの放熱がその主たる放熱経路となるので、放熱効率が低い。
【0045】
以上の説明から明らかなように、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の表示面側及び裏面側並びに側壁面から光源で発生する熱を放熱することができる、すなわち光源の放熱効率を向上させることができるので、光源として用いるLEDや冷陰極管等の発光効率及び寿命等を向上させることが可能となる。このとき、実施形態1の液晶表示装置をバッテリー駆動する携帯情報端末等に用いた場合、他の構成部品で消費される電力に比較しても光源で消費される電力は比較的大きなものとなり、実施形態1の液晶表示装置では光源の発光光率を向上させることができるので、バッテリーでの駆動時間を向上させることができるという格別の効果も得ることができる。
【0046】
以上説明したように、実施形態1の表示装置では、バックライトユニット及び該バックライトユニットの照射面側に配置される液晶表示パネルPNLからなる表示ユニットの前面(表示面)及び裏面並びに側面を覆うフレームからなり、該フレームの前面に形成され前記液晶表示パネルの表示領域を少なくとも露出させる開口部が形成されるフレームからなり、前記表示ユニットを挿入する挿入口が形成されるフレームからなり、フレームの側壁面の内で前記表示ユニットの挿入方向に延在する2つの側壁面から内部方向に突出される凸状体と、前記バックライトユニットの側壁面の内で前記フレームへの挿入方向に延在する側壁面に形成され、前記凸状体に摺動可能に接する(摺接される)段差部とを有する構成であり、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットを挿入する構成となっているので、液晶表示パネルが位置決め用段差を超えた状態でフレームに当該表示ユニットを挿入する際に、表示ユニットの厚さが挿入口の開口幅を超えており、表示ユニットがフレームの挿入口端部に当たることとなり、容易に液晶表示パネルの位置ずれを発見することが可能となる。さらには、実施形態1の液晶表示装置では、フレームと表示ユニットとを一体化する際に、耐衝撃性能が比較的低い液晶表示パネルの表示面の垂線方向ではなく、表示面の延在方向に力を印加して当該液晶表示パネル及びバックライトユニットからなる表示ユニットをフレームに挿入する構成となっているので、フレームの装着に伴う液晶表示パネルの破損を大幅に低減できる。その結果、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0047】
〈実施形態2〉
図18は本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図であり、以下、図18に基づいて、実施形態2の液晶表示装置の全体構成を説明する。ただし、実施形態2の液晶表示装置は、バックライトユニットBLの側面に形成される段差形状を除く他の構成は実施形態1の液晶表示装置と同様となる。
【0048】
図18に示すように、実施形態2のバックライトユニットBLでは、照射面に近い側と裏面に近い側とで、当該バックライトユニットBLの長辺方向の大きさを異なる大きさで形成する構成となっている。すなわち、実施形態2のバックライトユニットBLの照射面側(図中上側)の長辺方向(X方向)の長さが裏面側(図中下側)の長辺方向の長さよりも大きく形成することにより、凸状体PRが形成されるフレームFL1の内壁面に当接するバックライトユニットBLの側壁部に段差DIT2を形成する構成となっている。このとき、実施形態2の液晶表示装置においても、凸状体PRの照射面側に段差DIT2の下面(段差の当接面)が当接され、フレームFL1に対してバックライトユニットBLが摺動可能な構成となっている。
【0049】
また、実施形態2のバックライトユニットBLは、バックライトユニットBLの照射面側の長辺方向長さがフレームFL1の長辺方向の内壁面間の間隔とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。このような構成とすることにより、フレームFL1へバックライトユニットBLを挿入する際に、X方向への位置決めが可能となる。また、実施形態2においては、凸状体PRの照射面側にバックライトユニットBLの長辺方向に長い側が配置されるように、フレームFL1に当該バックライトユニットBLを挿入する構成となっている。従って、実施形態2のバックライトユニットBLでは、長辺方向に長い部分の厚さ(Z方向厚さ)すなわちバックライトユニットBLの長辺方向に長い側の照射面から段差部分までのZ方向厚さを調整することによって、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向への位置決めが可能となるので、実施形態1の液晶表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0050】
〈実施形態3〉
図19は本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための図であり、図20は本発明の実施形態3の液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。ただし、実施形態3の液晶表示装置は、バックライトユニットBLの側壁面に形成される段差及び係止機構を除く他の構成は実施形態1と同様となるので、以下の説明では、段差及び係止機構について詳細に説明する。
【0051】
図19に示すように、実施形態3のフレームFL1は実施形態1と同様に、対向する2つの内壁面に凸状体PRが形成され、特に、該凸状体PRの下側(裏面側)には凸状体PRと同様に内側方向に突出し、例えば突出量が凸状体PRよりも小さい係止用の突起部RK2が形成される構成となっている。特に、実施形態3の液晶表示装置においては、突起部PK2は液晶表示パネルPNLの長辺側に近い位置にそれぞれ1つずつ形成される構成となっており、後述する係止用の係止孔RK1に突起部PK2が入り込むことによって、フレームFL1に挿入されたバックライトユニットBLを仮固定(仮止め)する構成となっている。すなわち、実施形態3の液晶表示装置は、突起部PK2と係止孔PK1とにより、フレームFL1内に挿入されたバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLとを仮固定するための係止機構を形成している。
【0052】
実施形態3のバックライトユニットBLは、バックライトユニットBLの挿入時に凸状体PRが形成される内壁面に当接される側壁面であり、対向配置される短辺側の一対の側壁面に、当該バックライトユニットBLの挿入方向すなわち側壁面の延在方向に沿った段差である溝状の凹部DIT3がそれぞれ形成される構成となっている。また、バックライトユニットBLの側壁面には、凹部DIT3とは異なる位置に凹状の係止孔RK1が形成されている。該係止孔PK1は凹部DIT3よりもバックライトユニットBLの裏面に近く、さらには当該当該バックライトユニットBLの長辺に近い位置に形成される構成となっている。このような構成とすることによって、係止孔PK1と突起部PK2とからなる係止部はバックライトユニットBLを容易に位置決めすることを可能とすると共に、仮固定することを可能としている。ただし、係止孔RK1及び突起部PK2の形成位置は凹部DIT3や凸状体PRの下側や長辺側近傍に限定されることはなく、短辺側の側壁面ならば何れの位置に形成してもよい。
【0053】
さらには、図20に示すように、実施形態3のバックライトユニットBLでは、長辺方向(X方向)長さが凸状体PRの形成されるフレームFL1の内壁面間の間隔よりも所定量だけ小さい構成となっている。また、凹部DIT3の窪み方向長さである深さが凸状体PRの突出量よりも大きい構成となっている。このような構成とすることにより、実施形態3の液晶表示装置では、バックライトユニットBLの挿入時に当該バックライトユニットBLの側壁面がフレームFL1の内壁面に内接(当接)することとなるので、長辺方向すなわちX方向へのバックライトユニットBLの位置決めを行うことが可能となる。
【0054】
また、バックライトユニットBLのフレームFL1への挿入時においては、直線状に形成される凹部DIT3がフレームFL1の内壁面から突出する平板状の凸状体PRを、Z方向に跨ぐようにして挿入されることとなる。その結果、フレームFL1の対向する内壁面からそれぞれ突出される2つの凸状体PRにより、バックライトユニットBLがフレームFL1に架け渡される構成となり、バックライトユニットBLのZ方向が位置決めされることとなる。すなわち、図20に示すように、バックライトユニットBLの上面側に液晶表示パネルPNLを搭載してフレームFL1に挿入する場合、凸状体PRの上面が凹部DIT3の下向面に当接されることとなる。従って、実施形態3の液晶表示装置においても、実施形態1、2と同様に、凸状体PRと凹部DIT3との形成位置を調整することにより、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向への位置決めが可能となるので、実施形態1の液晶表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
さらには、実施形態3の液晶表示装置では、フレームFL1とバックライトユニットBLの側壁面に形成した係止孔RK1と突起部PK2とが嵌合してフレームFL1内に挿入されたバックライトユニットBLを位置決め及び仮固定する構成となっているので、フレームFL1の取り付けを容易に行うことができるという格別の効果を得ることができる。なお、係止機構は実施形態1、2の液晶表示装置にも適用可能である。
【0056】
さらには、実施形態3の液晶表示装置では、凸状体PRを上下方向に当接面が形成される構成となるので、フレームFL1にバックライトユニットBLを挿入する際の凸状体PRの図中下面側が凹部DIT3の図中下面側と当接することにより、挿入時におけるバックライトユニットBLの図中上方向への移動量を制限できるので、バックライトユニットBLの上面側に搭載される液晶表示パネルPNLとフレームFL1の内壁との間隔を所定値以上に保持することが可能となる。このような構成とすることにより、挿入時に液晶表示パネルPNLの表示面がフレームFL1の内壁面と接触してしまうことを防止できるという格別の効果を得ることも可能となる。
【0057】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0058】
FL1〜4……フレーム、PNL……液晶表示パネル、OPP……開口部
PW……電源線、OPL……引き出し口、CLP……切り欠き部、SCW……ネジ
SH……貫通孔、RH……受孔、IH……挿入口、PR……凸状体、MD……モールド
BL……バックライトユニット、CS……駆動基板、DIT1……凸部
DIT2……段差、DIT3……凹部、PK1……係止孔、PK2……突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係わり、特に、液晶表示パネルとバックライトユニットとを固定するフレーム部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、対向配置されるガラス基板からなる第1基板と第2基板とにより液晶層を挟持する液晶表示パネルと、非発光デバイスである該液晶表示パネルの裏面側に配置されバックライト光を照射するバックライトユニットとを有する構成となっている。バックライトユニットは、冷陰極管やLED等からなる光源と、該光源から照射される光を面状の光に変換する導光板と、該導光板から出射される面状の光の分布や出射光の成分等を補正する光学シート等を備える構成となっている。
【0003】
このような構成からなる液晶表示装置は、例えば、特許文献1に記載の液晶表示装置に示すように、バックライトユニットを構成する光源、導光板、及び光学シート等がシャーシ又は下フレームと称される照射面側が開口される第1のフレーム部材に格納される構成となっている。この下フレームに格納されるバックライトユニットの照射面側には液晶表示パネルが搭載され、液晶表示パネルの表示面側からケーシング又は上フレームと称される第2のフレーム部材をバックライトユニットの下フレームに組み付ける(嵌め込む)ことにより、液晶表示パネルを固定すると共にその辺縁部を保護する構成となっている。
【0004】
さらには、下フレームと嵌合される中フレームと称される第3のフレーム部材を用い、下フレームと中フレームとにより光源、導光板、及び光学シート等を固定したバックライトユニットを形成し、該バックライトユニットの照射面側に液晶表示パネルを搭載し、上フレームとバックライトユニットとにより、液晶表示パネルを固定すると共に保護する液晶表示装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−149501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
下フレーム又は中フレームに上フレームを組み付けることによって液晶表示パネルを保持する構成の液晶表示装置では、下フレームや中フレームの辺部に液晶表示パネルが延在方向に移動することを防止するためにモールドと称される凸状の突起体が形成されていることが一般的である。すなわち、従来の液晶表示装置では、2個所以上に形成されるモールドとの間に液晶表示パネルを搭載した後に、上フレームを組み付けることによって、液晶表示パネルを固定する構成としている。すなわち、上フレームを組み付けた状態では、モールドの頭頂部と上フレームとの隙間が液晶表示パネルの厚さよりも小さい隙間となるような突出量となるように、モールドが形成されている。
【0007】
しかしながら、このような構成からなる液晶表示装置では、液晶表示パネルを搭載する際にモールドに乗り上げた状態で上フレームを組み付けた場合、液晶表示パネルには上フレームの組み付けに伴う力が印加されることとなり、ガラス基板である第1基板及び第2基板にクラック等の破損が生じ、点灯異常が生じてしまうことが懸念され、その解決方法が切望されている。
【0008】
また、特許文献1には、側壁部分が略コの字形状のフレーム部材を上フレームとして用い、側壁の形成されていない側面から下フレームと液晶表示パネルとを挿入する構成の液晶表示装置が記載されている。しかしながら、このような構成の液晶表示装置では、側壁面が形成されない側のフレームの強度が不足することが懸念されている。
【0009】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決すべく、外部システムからの表示信号に基づいた画像表示を行う表示パネルと、前記表示パネルの裏面側に配置され、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記表示パネルに表示される画像を出力する開口部を有し、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入される表示装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0012】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の各構成部位の構成を説明するための図である。
【図3】図1に示すa−a線での断面図である。
【図4】実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け手順を説明するための図である。
【図5】実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け時の側面図である。
【0014】
本発明の実施形態2の表示装置における画素部の構成を説明するための平面図である。
【図6】実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付けを説明するための図である。
【図7】実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付け時の側面図である。
【図8】実施形態1の表示装置における液晶表示パネルがずれた状態を説明するための図である。
【図9】従来の液晶表示装置における正常時のフレーム部材の組み立て工程を説明するための図である。
【図10】従来の液晶表示装置において液晶表示パネルがモールドに重なっている場合のフレーム部材の組み立て工程を説明するための図である。
【図11】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け前の表示面側からの斜視図である。
【図12】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け前の裏面側からの斜視図である。
【図13】実施形態1の表示装置におけるフレームFL2の取り付け後の裏面側からの斜視図である。
【図14】フレームFL2に切り欠き部を設けない場合におけるフレキシブルプリント基板の引き出し状態を説明するための図である。
【図15】実施形態1の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図16】実施形態1の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図17】従来の表示装置におけるフレームからの放熱経路を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【図19】本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態3の液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0016】
〈実施形態1〉
図1は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための斜視図であり、図2は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の各構成部位の構成を説明するための図であり、以下、図1及び図2に基づいて、実施形態1の液晶表示装置の構成を説明する。ただし、図1及び図2において、X、Y、ZはそれぞれX軸、Y軸、Z軸を示す。また、実施形態1では、導光板の側壁面に光源が配置されるサイドライト方式(エッジライト方式)のバックライトユニットの場合について説明するが、拡散板の裏面側に光源が配置される直下型方式のバックライトユニットであってもよい。
【0017】
図1に示すように、実施形態1の液晶表示装置は、箱体状のフレーム(フレーム部材)FL1と、フレームFL1に収納される液晶表示パネルPNLと、液晶表示パネルPNLの裏面側に配置される図示しないバックライトユニットと、バックライトユニットに固定されるフレーム(挿入口フレーム)FL2とを備える構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の開口される側壁面をフレームFL2で塞ぐことにより、フレームFL1内部へのゴミ等の侵入を防止する構成となっている。また、液晶表示パネルPNLの一端にはフレキシブルプリント基板FPCが接続され、フレームFL1の裏面側に配置される図示しない駆動基板から駆動信号が入力される構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2の側壁部分には裏面側端部からの開口が連続して形成されてなる切り欠き部CLPが形成され、該切り欠き部CLPを介してフレキシブルプリント基板FPCはフレーム1、2で形成されるフレーム部材の外部に引き出される構成となっている。
【0018】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2が配置される面に隣接する側壁部の内で、図中右側の側壁部にその一部が開口される引き出し口(電源線の引き出し口)OPLが形成され、該引き出し口OPLから後に詳述するバックライトユニットの光源に電力を供給する電源線PWがフレームFL1の外部に引き出される構成となっている。また、対向する2辺の内で液晶表示パネルPNLが配置される側の面(第1の面)である図中上側面には開口部OPPが形成され、該開口部OPPを介して表示画像が出力される。
【0019】
このような構成からなる実施形態1の液晶表示装置では、図2に示すように、フレームFL1の主面(第1の面)である図中上側面に開口部OPPが形成されており、この主面に対向する裏面(第2の面)は開口の形成されない平板状の面を有する構成となっているが、必要に応じて開口を設ける構成としてもよい。このとき、実施形態1のフレームFL1は、主面及び裏面に沿って1つの側壁部が開口されてなる挿入口IHが形成されている。すなわち、箱体状のフレームFL1の側壁部の内で側壁が形成されない1つの側壁面が、挿入口IHの形成される挿入口面となっている。また、この挿入口IHが隣接する側壁面の内で、バックライトユニットBLからの電源線PWが配置される側の側壁は、その一部が挿入口IHと連続して開口される構成となっており、この開口部が引き出し口OPLを形成している。このような構成とすることにより、後に詳述するように、挿入口IHからバックライトユニットBLを挿入する際の電源線PWの引き出し処理を不要としている。
【0020】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の側壁部の内で、挿入口IHに隣接する(挿入口IHを介して対向配置される)側壁部の内壁面(図中左側と右側とに形成される側壁部の内壁面)には、それぞれ内側に突出する凸状体PRが形成されている。特に、実施形態1においては、凸状体PRはバックライトユニットBLの挿入方向に連続して延在する平板状(レール状)の構成となっており、凸状体PRの一方の長辺がフレームFL1の内壁面に固定される片持ち構造となっている。なお、凸状体PRの形状は連続する平板状に限定されることはなく、フレームFL1の内壁面から徒手移される1つ以上の突起物や平板状の凸状体を挿入方向に2つ以上形成した構成であってもよい。
【0021】
一方、バックライトユニットBLの側壁面(図中左右の側壁面)には、それぞれ側壁面の長手方向すなわち挿入方向に延在する段差を形成するための凸部DIT1がY方向に連続して延在する平板状(レール状)に形成されている。このような凸状体PRと凸部DIT1を設けることにより、バックライトユニットBLの挿入時には凸状体PRに凸部DIT1を重ね、凸状体PRに対して凸部DIT1を摺動させることによって、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとからなる表示ユニットをフレームFL1内の所定位置に容易に挿入可能な構成としている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、凸状体PRの開口部OPP側に凸部DIT1を配置することにより、フレームFL1に対する液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLからなる表示ユニットのX方向及びZ方向の位置を容易に位置決めさせることが可能となる。
【0022】
また、実施形態1では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLからなる表示ユニットをフレームFL1に挿入した後に、バックライトユニットBLをフレームFL1に周知のネジSCW等で固定するいわゆるネジ止め(ビス止め)の構成となっており、図2に示すように、フレームFL1の該当する側壁面にはネジ用の貫通孔SHが形成されている。
【0023】
フレームFL2は、図2中のYZ平面での断面形状が略L字型の形状をしている。このような形状とすることにより、フレームFL1の挿入口部分にフレームFL2を取り付けた際に、表示装置の観察者側の額縁部分が2重となるような構成としているが、フレームFL2はその断面形状が平板型又はコの字型、さらにはフレームFL1に挿入される面が開口される箱体状であってもよい。このように形成される実施形態1のフレームFL2は、フレームFL1の開口される側壁面である挿入口IHを覆う構成となっており、実施形態1では、バックライトユニットBLの側壁面にネジSCWで固定されている。従って、フレームFL1と同様に、フレームFL2の側壁面にもネジ用の貫通孔SHが形成されている。また、バックライトユニットBLの側壁面には、ネジ止め用の受孔RHが形成されている。
【0024】
実施形態1のバックライトユニットBLは導光板の側面に光源が配置されるサイドライト方式であり、当該バックライトユニットBLがフレームFL1に内装された状態では光源が挿入口IH側に配置されるように、フレームFL1にバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLが挿入される構成となっている。このような構成とすることにより、光源に電極を供給する電源線PWの引き出しを容易にすると共に、フレームFL1内における電源線PWの引き回し距離を短くすることを可能としている。
【0025】
また、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNLに接続されるフレキシブルプリント基板FPCの接続側の辺部がフレームFL1の挿入口IH側となる配置としている。このような構成とすることにより、フレキシブルプリント基板FPCの長さを短くすると共に、フレームFL2の下部に形成される切り欠き部CLPからの引き出しを容易とすることにより、後に詳述するように、当該フレキシブルプリント基板FPCを引き出す際の断線等を防止することが可能な構成としている。
【0026】
また、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の表示面側には、図示しない周知の画素がマトリクス状に配置される表示領域に対応した開口部OPPが形成されることとなっており、該開口部OPPを介してバックライトユニットBLから照射されたバックライト光が液晶表示パネルPNLを透過し、所望の画像表示がなされることとなる。従って、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の開口部OPPの大きさは、従来のフレームと同様に、表示領域のX方向及びY方向の大きさよりも大きく、かつ液晶表示パネルPNLのX方向及びY方向の大きさよりも小さい構成となっている。
【0027】
また、実施形態1の液晶表示装置においては、液晶表示パネルPNLが延在方向に移動することを防止するため、凸状の突起体であるモールドMDがバックライトユニットBLの照射面側に形成されている。該モールドMDはバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのフレームFL1への挿入方向である短辺の延在方向(図中のY方向)に沿って連続して形成される凸状の突起体からなり、実施形態1においては、バックライトユニットBLの短辺に沿って、2本のモールドMDが2つの短辺側にそれぞれ形成されている。すなわち、実施形態1のバックライトユニットBLでは、バックライトユニットBLの照射面側にZ方向すなわち液晶表示パネルPNLの搭載側に突出するモールドMDを備える構成となっている。該モールドMDは2本の凸状の突出体からなり、バックライトユニットBLの図中左右の辺部(バックライトユニットBLの挿入方向である短辺)に沿って直線状に形成されている。また、2本のモールドMDはバックライトユニットBLの長軸方向(X方向)の幅よりも所定量だけ大きな間隔で形成されており、この2本のモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが搭載される構成となっている。このような構成とすることにより、バックライトユニットBLをフレームFL1に挿入する際の挿入方向と直交する方向への液晶表示パネルPNLの移動を、モールドMDが防止する構成となっている。特に、実施形態1のモールドMDの形成位置はバックライトユニットBLの辺縁部から開口部OPPの端部に至る領域に形成される構成となっている。このような構成とすることにより、モールドMDが開口部OPPを介して観察者に視認されることを防止すると共に、モールドMDとフレームFL1との間の間隔を液晶表示パネルPNLの厚さ以下に保持し、液晶表示パネルPNLのがたつき等を防止できる。ただし、モールドMDの形成位置及び形状並びに本数はこれに限定されることはない。また、モールドMDの間隔はバックライトユニットBLや液晶表示パネルPNLの形成精度、温度による伸縮率、及び作業効率等の条件に基づいて適宜設定される。
【0028】
〈断面構造の説明〉
図3は図1に示すa−a線での断面図であり、図3から明らかなように、実施形態1の液晶表示装置では、バックライトユニットBLの短辺側の側壁面にそれぞれ形成される凸部DIT1がフレームFL1の短辺側の内壁面にそれぞれ当接することにより、バックライトユニットBLのX方向に対する位置決めがなされる。このとき、バックライトユニットBLの照射面側に搭載される液晶表示パネルPNLの側面がモールドMDに当接される構成となっているので、バックライトユニットBLの位置決めがなされることにより、液晶表示パネルPNLのX方向の位置決めもされることとなる。すなわち、バックライトユニットBLと液晶表示パネルPNLの位置決めでは、対向配置されるバックライトユニットBLの短辺側の側壁面からフレームFL1の近接される内壁面方向(X方向、長辺方向)に突出される凸部DIT1の内で、図中左側の短辺側は、バックライトユニットBLの側壁面からX1方向(フレームFL1の側壁方向)に突出する凸部DIT1が形成され、該凸部DIT1の頭頂部がフレームFL1の内壁面に当接される。同様にして、図中右側の短辺側は、バックライトユニットBLの側壁面からX4方向(フレームFL1の側壁方向)に突出する凸部DIT1が形成され、該凸部DIT1の頭頂部がフレームFL1の内壁面に当接される構成となっているので、フレームFL1に挿入されるバックライトユニットBLのX方向(長手方向)の位置決めが容易になされる。
【0029】
また、実施形態1の液晶表示装置では、図中左側の短辺側では、フレームFL1の側壁にはその内壁面からX2方向(バックライトユニットBL側)に突出する凸状体PRが形成され、該凸状体PRの図中上面側にバックライトユニットBLの凸部DIT1が配置されている。同様にして、図中右側の短辺側では、フレームFL1の側壁の内壁面からX3方向(バックライトユニットBL側)に突出する凸状体PRが形成され、該凸状体PRの図中上面側に凸部DIT1が配置されているので、フレームFL1に挿入されるバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向(表示面方向、厚さ方向)の位置決めが容易になされる。
【0030】
〈組み立て工程〉
次に、図4に実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け手順を説明するための図、図5に実施形態1の表示装置である液晶表示装置におけるバックライトユニット及び液晶表示パネルのフレームへの取り付け時の側面図を示し、以下、図4及び図5に基づいて、実施形態1の液晶表示装置における組み立て手順を説明する。ただし、図4及び図5は液晶表示パネルが2つのモールド間に位置決めされた場合の組み立て時を示す図である。
【0031】
図4に示すように、バックライトユニットBLと液晶表示パネルPNLとにフレーム部材を取り付ける工程においては、まず、図示しない光源が配置されない辺部に対向する辺部側からフレームFL1に液晶表示パネルPNLが搭載されるバックライトユニットBLを矢印AW1で示す方向に挿入する。これにより、図5に示すように、モールドMD及びフレームFL1の内壁面により液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLが所望の位置に格納されることとなる。この挿入時における液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLとフレームFL1との位置関係は、図5から明らかなように、2つのモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが搭載される場合には、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとがフレームFL1の内壁内に納まることとなる。また、図5中丸印Aの拡大図A’に示すように、液晶表示パネルPNLはバックライトユニットBLとフレームFL1の表示面側の内壁面とによりZ方向(表示面方向、厚さ方向)へのズレが固定されると共に、バックライトユニットBLの照射面側に形成される2つのモールドMDによりX方向へのズレが固定される。
【0032】
このとき、液晶表示パネルPNLを搭載したバックライトユニットBLをフレームFL1に挿入した後に、フレームFL1の挿入口IHを覆うフレームFL2をバックライトユニットBLの側壁面に取り付ける。このフレームFL2の取り付けにより、開口部OPPを除く他の面がフレームFL1、FLM2で覆われる構成となり、外部からのゴミ等の内部への侵入を防止できると共に、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLを外部からの衝撃等から保護することが可能となる。
【0033】
次に、図6に実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付けを説明するための図、図7に実施形態1の表示装置である液晶表示装置における液晶表示パネルに位置ずれが生じた場合のフレームへの取り付け時の側面図を示し、以下、図6及び図7に基づいて、実施形態1の液晶表示装置における組み立て工程で液晶表示パネルが位置ずれした場合について説明する。
【0034】
図6に示すように、バックライトユニットBLに液晶表示パネルPNLを搭載する際、X方向にズレが生じてモールドMD(点線で示す)上に液晶表示パネルPNLが重なってしまった場合、バックライトユニットBLの裏面側(照射面と対向する面)から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離(厚さ)が重なりの生じている側と重なりの生じていない側とで異なることとなる。モールドMDと液晶表示パネルPNLとの重なりが生じていない短辺側(図中左側)では、バックライトユニットBLの裏面側から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離はバックライトユニットBLの厚さと液晶表示パネルPNLの厚さとを加算したものとなる。一方、モールドMDと液晶表示パネルPNLとが重なりが生じる短辺側(図中右側)では、バックライトユニットBLの裏面側から液晶表示パネルPNLの表示面までの距離は、バックライトユニットBLの厚さと液晶表示パネルPNLの厚さとにモールドMDの高さ(厚さ)を加算したものとなる。さらには、この短辺側の端部では、液晶表示パネルPNLの傾きに起因する厚さも加わることとなるので、さらに距離(厚さ)が増加する。
【0035】
このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1にバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLを収納した状態での液晶表示パネルPNLの表示面と当該フレームFL1の内壁面までの間隔よりもモールドMDの高さが大きく形成されている。その結果、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLをフレームFL1に挿入する際に、図7に示すように、フレームFL1の挿入口IHの開口高さ(Z方向高さ)よりも、重なりの生じているバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLの高さの方が大きくなるために、挿入口IHからの挿入ができなくなるので、容易に液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりを把握することができる。すなわち、図7中丸印Bの拡大図B’に示すように、液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりにより、液晶表示パネルPNLの裏面とバックライトユニットBLの表面(照射面)との間にモールドMDの高さ(Z方向)に対応する隙間が形成され、液晶表示パネルPNLはバックライトユニットBLの表面から浮き上がった状態となる。これにより、液晶表示パネルPNLとバックライトユニットBLとを合わせた厚さがフレームFL1の挿入口IHのZ方向高さよりも高くなってしまい、拡大図B’に示すように、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLの挿入時に、挿入口IHの開口端が液晶表示パネルPNLの側壁部に接触することとなり、作業者は容易に液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なりに気づくことが可能となる。さらには、挿入口IHからの液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLの挿入という比較的小さな力(挿入力)での作業であると共に、表示面の垂線方向からの力の印加がなく、さらには構造的に表示面の垂線方向よりも強度が大きい側壁面(横方向)からの力の印加となるので、液晶表示パネルPNLの破損を防止できる。その結果、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0036】
一方、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLをフレームFL1に格納する際に、液晶表示パネルPNLの表示面の垂線方向からの力を直接的に印加しない構成となっているので、液晶表示パネルPNLがモールドMDに重なって載置されている場合には、フレームFL1へのバックライトユニットBLの挿入は不可能となる。しかしながら、液晶表示パネルPNLとモールドMDとの重なり領域が小さい場合、さらには、モールドMDの高さが十分な高さを有しない場合等により、液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なった状態でフレームFL1内にバックライトユニットBLが挿入可能になってしまうことも考えられる。このように液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なった状態でバックライトユニットBLが挿入された場合であっても、バックライトユニットBLのX方向への位置決めが正確になされているので、図8に示すように、フレームFL1の開口部OPPから液晶表示パネルPNLの端部が確認されることとなるので、容易に液晶表示パネルPNLの位置ずれを発見することが可能である。
【0037】
実施形態1のフレーム部材の組み立て工程に対して、図9に示すように従来のフレーム部材であるフレーム3を用いた組み立て工程では、フレームFLM3の表示面側から矢印AW2で示す方向に押圧することによって、フレームFLM3をバックライトユニットBLに嵌合させ、液晶表示パネルPNLを固定する構成となっている。従って、図9に示すように、バックライトユニットBLの照射面側に形成された2つのモールドMDの間に液晶表示パネルPNLが配置されている場合(正常配置の場合)には、フレームFLM3の取り付けに伴う押圧力は液晶表示パネルPNLの周辺部分全体で受けることとなるので、液晶表示パネルPNLは破損なく固定される。
【0038】
これに対して、図10に示すように、液晶表示パネルPNLがモールドMDに乗り上げて重なりが生じている場合には、液晶表示パネルPNLとモールドMDとが重なる点線で示す重畳部分に、フレームFLM3を嵌合させるための矢印AW2で示す方向の押圧が集中することとなるので、液晶表示パネルPNLの当該重畳領域部分に破損が生じることとなる。
【0039】
〈フレームFL2の詳細構成〉
次に、図11〜図13に本発明の実施形態1の液晶表示装置におけるフレキシブルプリント基板の引き出し部の詳細構成を説明するための図を示し、フレームFL2の詳細構成を説明する。ただし、図11はフレームFL2の取り付け前の表示面側からの斜視図であり、図12はフレームFL2の取り付け前の裏面側からの斜視図であり、図13はフレームFL2の取り付け後の裏面側からの斜視図である。
【0040】
前述するように、実施形態1のフレームFLM2はフレームFL1の側壁部に形成される挿入口IHを塞ぐためのフレーム部材であり、図11及び図12の点線の丸印で示すように、フレキシブルプリント基板FPCの引き出し位置に切り欠き部CLPが形成される構成となっている。この切り欠き部CLPは、図13に示すように、フレームFL1にフレームFL2を取り付けた時に、液晶表示パネルPNLの制御回路等が搭載される駆動基板CSが搭載される側であるフレームFL1の裏面側に向かって開口される構成となっている。このとき、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2の端部がフレームFL1の裏面側に開口される構成となっている。
【0041】
このような構成とすることにより、矢印AW3で示すように、フレームFL2をフレームFL1の挿入口の形成される側壁部に取り付けた際に、金属部材で形成されるフレームFL1の端部とフレームFL2の端部との間にフレキシブルプリント基板FPCが挟まれることなく、フレーム部材内から引き出すことを可能としている。すなわち、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL2をフレームFL1の挿入口IHに取り付けた際のフレームFL1の裏面側から表示面側(Z方向)への開口長が所定値以上となる構成となっている。このような構成とすることにより、フレキシブルプリント基板FPCは液晶表示パネルPNLから引き出された後に、バックライトユニットBLの端部でその側面形状に沿って屈曲される。この屈曲の後に、フレキシブルプリント基板FPCはバックライトユニットBLの側壁面とフレームFL2の側面との間を介して、切り欠き部CLPに達した後に、図13のフレキシブルプリント基板FPCの拡大図Cに示すように、角部が形成されないフレキシブルプリント基板FPCの弾性に従った滑らかな弧状形状に湾曲され、他端側が駆動基板CSに接続される構成となる。このように、フレームFL2の一部に切り欠き部CLPを形成することにより、フレキシブルプリント基板FPCの少なくとも一方の面を平面と接する構成とし、局所的に大きな力が印加されることを防止し、フレキシブルプリント基板FPCの損傷を防止することを可能としている。
【0042】
例えば、図14に示すように、フレームFL2に切り欠き部CLPを設けない場合には、フレーム部材からフレキシブルプリント基板FPCを引き出す際に、図14中の丸印Eで示すように、フレームFL1の端部とフレームFL2の端部とにより形成される液晶表示装置の角部からフレキシブルプリント基板FPCを引き出すこととなる。従って、樹脂製の保護膜で配線部分を含めた基板表面を覆う構成となるフレキシブルプリント基板FPC保護膜へ与える力が大きくなると共に、図14中のフレキシブルプリント基板FPCの拡大図Dに示すように、フレキシブルプリント基板FPCに角部が形成されて屈曲されることとなり、金属薄膜で形成される配線の断線等のフレキシブルプリント基板FPCの損傷の可能性が大きくなってしまう。これに対して、実施形態1の構成では、湾曲形状を保持したままで駆動基板CSに接続することができるので、フレキシブルプリント基板FPCの損傷を大幅に低減できるという効果を得ることができる。さらには、フレキシブルプリント基板FPCの少なくとも一方の面を保護膜と同じ樹脂部材とすることができるので、フレキシブルプリント基板FPCの損傷の可能性をさらに低減できる。
【0043】
〈放熱効果の説明〉
また、近年の高画質化に伴う高解像度化に伴う開口率の低下や高輝度化に対応して、バックライトユニットBLのさらなる高輝度化が要望されており、光源の放熱対策が重要となっている。これに対して、実施形態1の液晶表示装置では、液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLを一体で形成される金属製のフレームFL1で覆う構成となっているので、光源で発生した熱はフレームFL1の全体に容易に伝導され放熱されることとなり、放熱性能を向上できるという格別の効果を得ることができる。すなわち、光源で発生した熱により、図16に示すように、まずフレームFL1の光源に近い部位であるフレームFL1の裏面側やフレームFL2が熱せられ、この熱がフレームFL1の裏面側全体に熱伝導され、フレームFL1の裏面全体から矢印AW4で示すように放熱される。このとき、実施形態1のフレームFL1は側壁部及び表示面側と一体に形成されているので、光源からの熱は側壁部及び表示面側にも熱伝導され、図15中の矢印AW4に示すように、その表面からも放熱されることとなる。
【0044】
一方、従来の液晶表示装置では、図17に示すように、液晶表示装置の表示面側に配置されるフレームFL3と裏面側に配置されるフレームFL4とが別体で形成され、それぞれが接触しない構成となっている。このために、従来の液晶表示装置では、裏面側に配置されるフレームFL4からの放熱がその主たる放熱経路となるので、放熱効率が低い。
【0045】
以上の説明から明らかなように、実施形態1の液晶表示装置では、フレームFL1の表示面側及び裏面側並びに側壁面から光源で発生する熱を放熱することができる、すなわち光源の放熱効率を向上させることができるので、光源として用いるLEDや冷陰極管等の発光効率及び寿命等を向上させることが可能となる。このとき、実施形態1の液晶表示装置をバッテリー駆動する携帯情報端末等に用いた場合、他の構成部品で消費される電力に比較しても光源で消費される電力は比較的大きなものとなり、実施形態1の液晶表示装置では光源の発光光率を向上させることができるので、バッテリーでの駆動時間を向上させることができるという格別の効果も得ることができる。
【0046】
以上説明したように、実施形態1の表示装置では、バックライトユニット及び該バックライトユニットの照射面側に配置される液晶表示パネルPNLからなる表示ユニットの前面(表示面)及び裏面並びに側面を覆うフレームからなり、該フレームの前面に形成され前記液晶表示パネルの表示領域を少なくとも露出させる開口部が形成されるフレームからなり、前記表示ユニットを挿入する挿入口が形成されるフレームからなり、フレームの側壁面の内で前記表示ユニットの挿入方向に延在する2つの側壁面から内部方向に突出される凸状体と、前記バックライトユニットの側壁面の内で前記フレームへの挿入方向に延在する側壁面に形成され、前記凸状体に摺動可能に接する(摺接される)段差部とを有する構成であり、前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットを挿入する構成となっているので、液晶表示パネルが位置決め用段差を超えた状態でフレームに当該表示ユニットを挿入する際に、表示ユニットの厚さが挿入口の開口幅を超えており、表示ユニットがフレームの挿入口端部に当たることとなり、容易に液晶表示パネルの位置ずれを発見することが可能となる。さらには、実施形態1の液晶表示装置では、フレームと表示ユニットとを一体化する際に、耐衝撃性能が比較的低い液晶表示パネルの表示面の垂線方向ではなく、表示面の延在方向に力を印加して当該液晶表示パネル及びバックライトユニットからなる表示ユニットをフレームに挿入する構成となっているので、フレームの装着に伴う液晶表示パネルの破損を大幅に低減できる。その結果、液晶表示装置の組み立て工程における不良率を低減することができる。
【0047】
〈実施形態2〉
図18は本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図であり、以下、図18に基づいて、実施形態2の液晶表示装置の全体構成を説明する。ただし、実施形態2の液晶表示装置は、バックライトユニットBLの側面に形成される段差形状を除く他の構成は実施形態1の液晶表示装置と同様となる。
【0048】
図18に示すように、実施形態2のバックライトユニットBLでは、照射面に近い側と裏面に近い側とで、当該バックライトユニットBLの長辺方向の大きさを異なる大きさで形成する構成となっている。すなわち、実施形態2のバックライトユニットBLの照射面側(図中上側)の長辺方向(X方向)の長さが裏面側(図中下側)の長辺方向の長さよりも大きく形成することにより、凸状体PRが形成されるフレームFL1の内壁面に当接するバックライトユニットBLの側壁部に段差DIT2を形成する構成となっている。このとき、実施形態2の液晶表示装置においても、凸状体PRの照射面側に段差DIT2の下面(段差の当接面)が当接され、フレームFL1に対してバックライトユニットBLが摺動可能な構成となっている。
【0049】
また、実施形態2のバックライトユニットBLは、バックライトユニットBLの照射面側の長辺方向長さがフレームFL1の長辺方向の内壁面間の間隔とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。このような構成とすることにより、フレームFL1へバックライトユニットBLを挿入する際に、X方向への位置決めが可能となる。また、実施形態2においては、凸状体PRの照射面側にバックライトユニットBLの長辺方向に長い側が配置されるように、フレームFL1に当該バックライトユニットBLを挿入する構成となっている。従って、実施形態2のバックライトユニットBLでは、長辺方向に長い部分の厚さ(Z方向厚さ)すなわちバックライトユニットBLの長辺方向に長い側の照射面から段差部分までのZ方向厚さを調整することによって、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向への位置決めが可能となるので、実施形態1の液晶表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0050】
〈実施形態3〉
図19は本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置の概略構成を説明するための図であり、図20は本発明の実施形態3の液晶表示装置の概略構成を説明するための断面図である。ただし、実施形態3の液晶表示装置は、バックライトユニットBLの側壁面に形成される段差及び係止機構を除く他の構成は実施形態1と同様となるので、以下の説明では、段差及び係止機構について詳細に説明する。
【0051】
図19に示すように、実施形態3のフレームFL1は実施形態1と同様に、対向する2つの内壁面に凸状体PRが形成され、特に、該凸状体PRの下側(裏面側)には凸状体PRと同様に内側方向に突出し、例えば突出量が凸状体PRよりも小さい係止用の突起部RK2が形成される構成となっている。特に、実施形態3の液晶表示装置においては、突起部PK2は液晶表示パネルPNLの長辺側に近い位置にそれぞれ1つずつ形成される構成となっており、後述する係止用の係止孔RK1に突起部PK2が入り込むことによって、フレームFL1に挿入されたバックライトユニットBLを仮固定(仮止め)する構成となっている。すなわち、実施形態3の液晶表示装置は、突起部PK2と係止孔PK1とにより、フレームFL1内に挿入されたバックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLとを仮固定するための係止機構を形成している。
【0052】
実施形態3のバックライトユニットBLは、バックライトユニットBLの挿入時に凸状体PRが形成される内壁面に当接される側壁面であり、対向配置される短辺側の一対の側壁面に、当該バックライトユニットBLの挿入方向すなわち側壁面の延在方向に沿った段差である溝状の凹部DIT3がそれぞれ形成される構成となっている。また、バックライトユニットBLの側壁面には、凹部DIT3とは異なる位置に凹状の係止孔RK1が形成されている。該係止孔PK1は凹部DIT3よりもバックライトユニットBLの裏面に近く、さらには当該当該バックライトユニットBLの長辺に近い位置に形成される構成となっている。このような構成とすることによって、係止孔PK1と突起部PK2とからなる係止部はバックライトユニットBLを容易に位置決めすることを可能とすると共に、仮固定することを可能としている。ただし、係止孔RK1及び突起部PK2の形成位置は凹部DIT3や凸状体PRの下側や長辺側近傍に限定されることはなく、短辺側の側壁面ならば何れの位置に形成してもよい。
【0053】
さらには、図20に示すように、実施形態3のバックライトユニットBLでは、長辺方向(X方向)長さが凸状体PRの形成されるフレームFL1の内壁面間の間隔よりも所定量だけ小さい構成となっている。また、凹部DIT3の窪み方向長さである深さが凸状体PRの突出量よりも大きい構成となっている。このような構成とすることにより、実施形態3の液晶表示装置では、バックライトユニットBLの挿入時に当該バックライトユニットBLの側壁面がフレームFL1の内壁面に内接(当接)することとなるので、長辺方向すなわちX方向へのバックライトユニットBLの位置決めを行うことが可能となる。
【0054】
また、バックライトユニットBLのフレームFL1への挿入時においては、直線状に形成される凹部DIT3がフレームFL1の内壁面から突出する平板状の凸状体PRを、Z方向に跨ぐようにして挿入されることとなる。その結果、フレームFL1の対向する内壁面からそれぞれ突出される2つの凸状体PRにより、バックライトユニットBLがフレームFL1に架け渡される構成となり、バックライトユニットBLのZ方向が位置決めされることとなる。すなわち、図20に示すように、バックライトユニットBLの上面側に液晶表示パネルPNLを搭載してフレームFL1に挿入する場合、凸状体PRの上面が凹部DIT3の下向面に当接されることとなる。従って、実施形態3の液晶表示装置においても、実施形態1、2と同様に、凸状体PRと凹部DIT3との形成位置を調整することにより、バックライトユニットBL及び液晶表示パネルPNLのZ方向への位置決めが可能となるので、実施形態1の液晶表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
さらには、実施形態3の液晶表示装置では、フレームFL1とバックライトユニットBLの側壁面に形成した係止孔RK1と突起部PK2とが嵌合してフレームFL1内に挿入されたバックライトユニットBLを位置決め及び仮固定する構成となっているので、フレームFL1の取り付けを容易に行うことができるという格別の効果を得ることができる。なお、係止機構は実施形態1、2の液晶表示装置にも適用可能である。
【0056】
さらには、実施形態3の液晶表示装置では、凸状体PRを上下方向に当接面が形成される構成となるので、フレームFL1にバックライトユニットBLを挿入する際の凸状体PRの図中下面側が凹部DIT3の図中下面側と当接することにより、挿入時におけるバックライトユニットBLの図中上方向への移動量を制限できるので、バックライトユニットBLの上面側に搭載される液晶表示パネルPNLとフレームFL1の内壁との間隔を所定値以上に保持することが可能となる。このような構成とすることにより、挿入時に液晶表示パネルPNLの表示面がフレームFL1の内壁面と接触してしまうことを防止できるという格別の効果を得ることも可能となる。
【0057】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0058】
FL1〜4……フレーム、PNL……液晶表示パネル、OPP……開口部
PW……電源線、OPL……引き出し口、CLP……切り欠き部、SCW……ネジ
SH……貫通孔、RH……受孔、IH……挿入口、PR……凸状体、MD……モールド
BL……バックライトユニット、CS……駆動基板、DIT1……凸部
DIT2……段差、DIT3……凹部、PK1……係止孔、PK2……突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、前記表示パネルの裏面側に配置され、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記表示パネルに表示される画像を出力する開口部を有し、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、
前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、
前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、
前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、
前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記フレームの側壁部の内で、前記挿入口に隣接し前記表示ユニットを介して対向する内壁面に形成される第1の段差と、前記表示ユニットは側壁面に形成される第2の段差とを有し、
前記第1の段差と前記第2の段差とにより、前記フレームに挿入される前記表示ユニットの位置決めがなされることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記バックライトユニットは、照射光を生成する光源と、前記光源からの照射光を面状のバックライト光に変換する導光板とを備え、
前記光源が前記挿入口側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
一端が前記表示パネルに接続され、前記表示パネルに制御信号を入力するフレキシブルプリント基板と、前記フレームの挿入口面に配置され、前記表示ユニットの挿入後の前記挿入口を覆う挿入口フレームとを備え、
前記挿入口フレームは前記フレームの裏面側方向に開口される切り欠き領域を備え、前記切り欠き領域を介して前記フレキシブルプリント基板が前記フレームの外部に引き出されることを特徴とする請求項1乃至3の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記フレームの前記挿入口に隣接する側壁部に形成され、前記挿入口に連続して開口される電源線の引き出し領域を備えることを特徴とする請求項1乃至4の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記フレーム及び挿入口フレームは金属部材で形成されることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項1】
表示パネルと、前記表示パネルの裏面側に配置され、バックライト光を照射するバックライトユニットと、前記表示パネルに表示される画像を出力する開口部を有し、前記バックライトユニットの前記バックライト光の照射面側に重ねた前記表示パネルを固定し保持するフレームとを備える表示装置であって、
前記フレームは、前記バックライトユニット及びその照射面側に配置される前記表示パネルからなる表示ユニットの表示面側を覆う第1の面と、前記第1の面と対向し前記表示ユニットの裏面側を覆う第2の面と、前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁部を有するフレーム部材からなり、
前記第1の面は前記表示パネルの表示領域を露出させる開口部を有し、
前記側壁部は前記表示ユニットの側壁面を覆う側壁面の内で、前記第1の面及び前記第2の面並びに隣接する側壁面の内壁面に沿って開口する挿入口を有し、
前記挿入口から前記フレームに前記表示ユニットが挿入されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記フレームの側壁部の内で、前記挿入口に隣接し前記表示ユニットを介して対向する内壁面に形成される第1の段差と、前記表示ユニットは側壁面に形成される第2の段差とを有し、
前記第1の段差と前記第2の段差とにより、前記フレームに挿入される前記表示ユニットの位置決めがなされることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記バックライトユニットは、照射光を生成する光源と、前記光源からの照射光を面状のバックライト光に変換する導光板とを備え、
前記光源が前記挿入口側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
一端が前記表示パネルに接続され、前記表示パネルに制御信号を入力するフレキシブルプリント基板と、前記フレームの挿入口面に配置され、前記表示ユニットの挿入後の前記挿入口を覆う挿入口フレームとを備え、
前記挿入口フレームは前記フレームの裏面側方向に開口される切り欠き領域を備え、前記切り欠き領域を介して前記フレキシブルプリント基板が前記フレームの外部に引き出されることを特徴とする請求項1乃至3の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記フレームの前記挿入口に隣接する側壁部に形成され、前記挿入口に連続して開口される電源線の引き出し領域を備えることを特徴とする請求項1乃至4の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記フレーム及び挿入口フレームは金属部材で形成されることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−73418(P2012−73418A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218193(P2010−218193)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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