説明

表示装置

【課題】表示部の種別に応じて点灯状態を変更可能な表示装置を提供する。
【解決手段】誘導灯1の装置本体10には発光部2と点灯装置3と表示部4aとが保持されている。発光部2の照射光が表示部4aの上端面から内部に入射すると、表示部4aの内部で反射されて前面から外部に放射されることで、前面の絵柄を光らせて表示を行う。点灯装置3は、常用電源又は予備電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる。表示部4aの裏面には、種別を示すための突起42が設けられている。点灯装置3は、突起42に操作レバーが押されることによって接点状態が切り替わるマイクロスイッチ36を備え、マイクロスイッチ36の接点状態から突起42の有無、すなわち表示部の種別を判別し、常用電源からの電力供給時における点灯状態及び予備電源からの電力供給時における点灯状態のうち少なくとも何れか一方の点灯状態を、表示部の種別に応じて切り替えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光ランプと、蛍光ランプに側面を対向させて配置され、側面から入射した蛍光ランプの光を前面から前方に向かって出射させる導光板と、導光板の前側に配置された矩形板状の表示手段とを備えた誘導灯装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載された誘導灯装置では、表示手段が表裏何れの面を前側にしても使用可能となっており、表示手段の表裏を入れ替えることによって図柄の向きを左右反対にし、誘導方向を変更できるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−23469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された表示装置では、表示手段の表示内容に関係無く、蛍光ランプの点灯状態は一定であった。そのため、表示部の種別(例えば表示内容や用途や設置場所の違い)に応じて蛍光ランプの点灯状態を異ならせたい場合は、蛍光ランプを異なる点灯状態で点灯させる点灯回路部を表示部の種別毎に用意し、表示手段と組み合わせて使用する必要がある。そのため、点灯回路部の品種が増え、多品種の中から表示手段と組み合わせる点灯回路部を選定する工数が必要になるので、工数の増加によってコスト高を招いたり、選定ミスが発生するという問題があった。また、表示手段の種別を途中で変更する場合に、表示手段の種別変更に伴って点灯状態を変更する必要があると、表示手段に加えて点灯回路部も一緒に変更しなければならず、不経済であった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、表示部の種別に応じて点灯状態を変更可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の表示装置は、発光部と、表示部と、点灯回路部と、装置本体と、点灯状態設定部とを備える。表示部は、前面に絵柄を有し、発光部からの照射光を前方に透過させることで表示を行う。点灯回路部は、常用電源又は予備電源から電力供給を受けて発光部を点灯させる。装置本体は、表示部の前面を露出させた状態で発光部と表示部と点灯回路部とを保持する。点灯状態設定部は表示部の種別を判別する。そして、点灯状態設定部は、点灯回路部が常用電源から電力供給を受けて発光部を点灯させる点灯状態、及び、点灯回路部が予備電源から電力供給を受けて発光部を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を種別に応じて設定する。
【0008】
この表示装置において、点灯状態設定部が、点灯回路部と一体的に設けられることも好ましい。
【0009】
この表示装置において、表示部は、種別に応じて形状が異なる形状部を備え、点灯状態設定部は、形状部との接触状態に基づいて表示部の種別を判別することも好ましい。
【0010】
この表示装置において、表示部の種別を示す識別情報を記憶する記憶部が表示部に取り付けられ、点灯状態設定部は、記憶部から識別情報を読み取ることで、表示部の種別を判別することも好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示部の種別に応じて点灯状態設定部が発光部の点灯状態を変更することができる。したがって、複数種類の表示部で点灯回路部を共用できるから、点灯回路部の品種を減らして、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1の誘導灯を示し、(a)は分解斜視図、(b)は外観斜視図、(c)は表示部を裏側から見た斜視図である。
【図2】同上の概略的なブロック図である。
【図3】(a)は表示部及び発光部の取付前の断面図、(b)は表示部及び発光部が取り付けられた状態の断面図である。
【図4】(a)は表示部及び発光部の取付前の断面図、(b)は表示部及び発光部が取り付けられた状態の断面図である。
【図5】(a)(b)は常用電源から電力供給を受けた状態での点灯パターンを示す説明図である。
【図6】(a)〜(c)は予備電源から電力供給を受けた状態での点灯パターンを示す説明図である。
【図7】実施形態2の誘導灯を示し、(a)は分解斜視図、(b)は表示部を裏側から見た斜視図である。
【図8】同上の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明に係る表示装置を、消防法に定められた避難誘導用の誘導灯に適用した実施形態について図面を参照して説明する。尚、表示装置を誘導灯に限定する趣旨のものではなく、建築基準法に定められた避難誘導用の非常灯でもよいし、各種の標識や広告を表示するための電灯でもよい。
【0014】
(実施形態1)
実施形態1について図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態の誘導灯1は、造営材(例えば、天井や壁など)に取り付けられ、避難誘導用の標識として用いられるものである。尚、以下の説明では特に断りが無い限り、図3(a)における上下方向を上下方向、図3(a)における左右方向を前後方向、図3(a)の紙面と垂直な方向を左右方向として説明を行う。
【0015】
この誘導灯1は、図1,図3及び図4に示すように、装置本体10と、発光部2と、点灯装置3と、表示部4a,4bとを主要な構成として備えている。本実施形態では2種類の表示部4a、4bがあり、表示部4a,4bの何れかが選択して使用される。尚、以下の説明において表示部4a,4bに共通する説明を行う場合は表示部4と表記し、個々の表示部4a,4bについて説明する場合は表示部4a又は表示部4bと表記する。
【0016】
装置本体10は、例えば合成樹脂成形品であって、前面側が開口した矩形箱状に形成されている。装置本体10の上側壁11には左右方向の略中央に電源線用のノックアウト12が設けられ、このノックアウト12の左右両側にネジ挿通用のノックアウト13がそれぞれ設けられている。この装置本体10は、ノックアウト13を開けることによって形成された孔に固定ネジ(図示せず)を通し、天井材に固定された取付金具(図示せず)にねじ込むことによって、天井材に固定される。また、天井材の裏側に配線された外部電源(例えば商用交流電源)からの電源線が、天井材に設けられた穴と、ノックアウト12を開けることで形成された穴とに通されて、装置本体10の内部に導入される。この電源線は、装置本体10の内部に収納された点灯装置3の端子台(図示せず)に電気的に接続され、点灯装置3の回路部に電源が供給されるようになっている。
【0017】
装置本体10の開口部には、横長の直方体状の発光部2と、矩形板状の表示部4とが上下に並べて取り付けられ、発光部2及び表示部4によって装置本体10の前側の開口が塞がれる。
【0018】
装置本体10の左右両側壁の内側面には、表示部4の左右両側縁に設けられた係止突起41と係合する係止片14が2個ずつ設けられている。各係止片14は左右方向から見た形状が略L形に形成されており、装置本体10の開口部を覆うようにして配置された表示部4を下側へスライド移動させると、表示部4の係止突起41と係止片14とが係止することで、表示部4が装置本体10に取り付けられる。
【0019】
また装置本体10の左右両側壁の内側面には、発光部2の背面と対向する位置に、発光部2の左右両側にそれぞれ設けられたガイド棒22及び差込端子23が差込接続される差込口15が設けられている。
【0020】
発光部2は、左右方向に細長い直方体状に形成された本体21を備え、本体21の下面には複数個の発光ダイオード(図示せず)が一定の間隔で配置されている。本体21の背面の左右両側には、装置本体10の差込口15内に挿入されて、本体21を装置本体10に機械的に取り付けるためのガイド棒22がそれぞれ設けられている。また、本体21の背面の左右両側には、装置本体10の差込口15内に挿入されて、差込口15内に配置された端子に電気的に接続される差込端子23がそれぞれ設けられている。而して、本体21のガイド棒22及び差込端子23が装置本体10の差込口15にそれぞれ差込接続されると、本体21が装置本体10の上部に取り付けられるとともに、本体21内に収納された複数の発光ダイオードが点灯装置3の出力端間に接続される。
【0021】
2種類の表示部4a,4bは表示する内容、用途、或いは設置場所が互いに異なっており、種類を識別するために設けられた突起42以外は同様の構成を有しているので、突起42が設けられた表示部4aについて、図1を参照して説明する。尚、表示部4bは、突起42が設けられていない点を除いて、表示部4aと同様の構成を有している。
【0022】
表示部4aは、例えば避難口の方向や避難経路を示す絵柄が前面に形成された矩形板状の表示パネルと、この表示パネルの背面側に配置された矩形板状の導光パネルとが前後に重なるように結合された矩形板状の本体40を備えている。導光パネルは、例えば透明なアクリル樹脂成形品であって、表示パネルと略同形状に形成されている。発光部2の照射光は、導光パネルの上端面に入射し、導光パネルの内部で1乃至複数回反射された後、導光パネルの前面(表示パネルと対向する面)から前方へ均一に照射される。表示パネルは、例えば合成樹脂成形品であって略矩形板状に形成され、前面側には、例えば印刷により人物を模したピクトグラムで構成された表示パターンが形成されており、裏面から光が照射されることによって、表示パターンを光らせて表示を行っている。
【0023】
本体40の背面の左右両側縁には係止突起41が上下2箇所にそれぞれ設けられている。係止突起41を上側から見た形状は略L字形であり、左側縁にある係止突起41の先端は左側へ、右側縁にある係止突起41の先端は右側へそれぞれ突出している。この表示部4aは、係止突起41が対応する係止片14の上側に位置するように装置本体10の開口部に配置された後、下側へスライド移動させられると、係止突起41と係止片14とが係止することによって、装置本体10に取り付けられる。尚、この取付状態においては、係止突起41が対応する係止片14の下辺に当接することで、表示部4の下側への移動が規制され、係止突起41が対応する係止片14の縦辺と当接することで、表示部4の前側への移動が規制されている。
【0024】
また本体40の裏面には、点灯装置3と対向する部位に、側面視の形状が三角形状に形成された突起42(形状部)が設けられている。この突起42は表示部4の種別を示すためのものであり、表示部4bの裏面には突起42が設けられておらず、平坦面となっている。
【0025】
点灯装置3は、図2のブロック図に示されるように、点灯回路部31と、点灯状態設定部(認識部32及び設定部33からなる)と、停電検出部34と、充放電部35とを備え、これらの回路部を箱状のケース30の内部に収納して構成される。
【0026】
点灯回路部31は、常用電源である商用交流電源6、又は、装置本体10内に収納されたバッテリからなる予備電源5から電力供給を受けて発光部2を点灯させる。
【0027】
認識部32は、ケース30の前面において突起42に対向する部位に操作レバーが配置されたマイクロスイッチ36からなり、表示部4の種別によって突起42で操作レバーが押されるか否かでマイクロスイッチ36の接点のオン/オフが切り替わる。ここで、図3(a)(b)に示されるように、突起42を備えた表示部4aが装置本体10に取り付けられると、マイクロスイッチ36の操作レバーが突起42に押されて、マイクロスイッチ36の接点状態が反転する。一方、図4(a)(b)に示されるように、突起42が設けられていない表示部4bが装置本体10に取り付けられると、マイクロスイッチ36の操作レバーは押されないから、マイクロスイッチ36の接点状態は反転しない。
【0028】
設定部33は、認識部32の認識結果、すなわちマイクロスイッチ36の接点のオン/オフをもとに表示部4の種別を判別する。そして、設定部33は、商用交流電源6から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態、及び、予備電源5から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を表示部4の種別に応じて設定する。ここにおいて、認識部32と設定部33とで点灯状態設定部が構成される。
【0029】
停電検出部34は、商用交流電源6の電源電圧と所定のしきい値との高低を比較することによって、停電状態か否かを検出する。
【0030】
充放電部35は、商用交流電源6が供給されている状態では商用交流電源6から電力供給を受けて予備電源5を充電し、停電検出部34が停電を検出すると、予備電源5から放電させて点灯回路部31に電力を供給させる。
【0031】
誘導灯1の各部は上記のような構成を有しており、この誘導灯1は以下のようにして天井に施工される。施工者は、先ず天井材の所定位置に取付金具を固定し、天井材の裏側に配線された電源線を天井材及び取付金具の孔と、ノックアウト12を開けることによって形成した孔とに通して、装置本体10の内部に導入する。次に施工者は、ノックアウト13を開けることによって形成した孔に固定ネジを通し、この固定ネジを取付金具にねじ込むことによって、装置本体10を天井材に固定する。また施工者は、装置本体10の内部に導入された電源線を点灯装置3の端子台(図示せず)に接続する。次に施工者は、係止突起41が対応する係止片14の上側に位置するようにして表示部4(表示部4a,4bの何れか)を装置本体10の開口部に配置し、この表示部4を下側へスライド移動させることによって、係止突起41を係止片14と係止させる。このようにして表示部4が装置本体10に保持された状態で、施工者は、ガイド棒22及び差込端子23を装置本体10側に向けた状態で発光部2を装置本体10に前方から近付け、ガイド棒22及び差込端子23をそれぞれ差込口15に差込接続する。この時、発光部2が装置本体10に対して機械的に保持されるとともに、発光部2と点灯装置3との間が電気的に接続され、誘導灯1の施工が完了する。尚、発光部2が装置本体10に取り付けられると、表示部4が上側にスライド移動できないから、表示部4が装置本体10から外れることがない。
【0032】
次に、本実施形態の誘導灯1の動作について説明する。常用電源である商用交流電源6が供給されている状態では、点灯回路部31は、商用交流電源6から電力供給を受けて、発光部2を点灯させ、通常時の表示を行わせる。また充放電部35は、商用交流電源6の通電中にバッテリからなる予備電源5を充電する。一方、商用交流電源6の停電が発生すると、停電検出部34が停電を検知して充放電部35に検知信号を出力し、充放電部35が予備電源5から放電させて点灯回路部31に電力供給を行わせる。而して、商用交流電源6の停電時には、点灯回路部31は、予備電源5から電力供給を受けて発光部2を点灯させ、停電時の表示を行わせる。すなわち、点灯回路部31は、商用交流電源6又は予備電源5から電力供給を受けて発光部2を点灯させ、表示部4に通常時の表示又は停電時の表示を行わせている。
【0033】
ここで、設定部33は、商用交流電源6からの電力供給時における点灯状態、及び、予備電源5からの電力供給時における点灯状態のうち少なくとも何れか一方を、認識部32によって判別された表示部4の種別をもとに設定している。
【0034】
例えば、常用電源である商用交流電源6からの電力供給時に表示部4の種別に応じて発光部2の明るさを異ならせたい場合は、設定部33が、表示部4の種別に応じて、常用電源からの電力供給時における点灯回路部31の出力を異ならせればよい。図5は商用交流電源6からの電力供給時における点灯状態を表示部4の種別に応じて設定した設定例を示し、例えば突起42を有する表示部4aの場合は光出力がL1に設定され、突起42がない表示部4bの場合は光出力がL1よりも暗いL2に設定されている。これにより、2種類の表示部4a,4bで発光部2の明るさを異ならせたい場合でも、設定部33が、常用電源からの電力供給時における点灯状態を表示部4の種別に応じて設定することで、点灯装置3を変更することなく両方の表示部4a,4bに対応できる。
【0035】
また、予備電源5からの電力供給時(停電時)に表示部4の種別に応じて発光部2の点滅周波数を異ならせたい場合は、設定部33が、表示部4の種別に応じて、予備電源5からの電力供給時に点灯回路部31が発光部2を点滅させる周波数を変更すればよい。
【0036】
図6は予備電源5からの電力供給時における点灯状態を表示部4の種別に応じて設定した設定例である。設定部33は、突起42を有する表示部4aが装着された場合は図6(a)のように発光部2を常時点灯させ、突起42がない表示部4bが装着された場合は図6(b)のように発光部2を所定周波数(例えば2Hz)で点滅させるように点灯状態を設定する。これにより2種類の表示部4a,4bで点灯させるか、点滅させるかを切り替えたい場合でも、設定部33が、予備電源5からの電力供給時における点灯状態を表示部の種別に応じて設定することによって、1台の点灯装置3で両方の表示部4a,4bに対応できる。
【0037】
また、予備電源5からの電力供給時(すなわち停電時)に発光部2を点滅させる点滅周波数を表示部4の種別に応じて異ならせたい場合がある。例えば避難口に設置される誘導灯1の場合は、表示部4の存在が目立つように、消防法では点滅周波数を比較的高い周波数(例えば2Hz)とするように規定されている。一方、通路に設置される誘導灯1の場合、避難方向を示す絵柄(例えば矢印の向き)を確実に識別できることが重要であり、そのため避難口にある誘導灯1よりも点滅周波数を下げ、一回当たりの点灯時間を長くすることが考えられる。そこで、避難口に設置される誘導灯1には突起42がある表示部4aを、通路に設置される誘導灯1には突起42がない表示部4bをそれぞれ使用し、設定部33は、認識部32の判別結果に応じて予備電源5からの電力供給時における点滅周波数を設定する。すなわち、認識部32によって表示部4aと識別された場合、設定部33は、図6(b)に示すように、予備電源5からの電力供給時に発光部2を2Hz(T1=約0.5秒)で点滅させるように点灯回路部31の点灯状態を設定する。また、認識部32によって表示部4bと識別された場合、設定部33は、図6(c)に示すように、予備電源5からの電力供給時に発光部2を1Hz(T2=約1秒)で点滅させるように点灯回路部31の点灯状態を設定する。これにより、予備電源5からの電力供給時において、避難口に設置された誘導灯1は発光部2を2Hzで点滅させることによって、表示部4aの存在が目立ちやすくなる。また、予備電源5からの電力供給時において、通路に設置された誘導灯1は発光部2を1Hzで点滅することによって、発光部2の1回当たりの点灯時間を長くでき、表示部4bの絵柄が識別しやすくなるから、避難方向を確実に判別することができる。
【0038】
以上説明したように本実施形態の誘導灯1(表示装置)は、発光部2と、表示部4と、点灯回路部31と、装置本体10と、点灯状態設定部(認識部32及び設定部33からなる)とを備える。表示部4は、前面に絵柄を有し、発光部2からの照射光を前方に透過させることで表示を行う。点灯回路部31は、常用電源又は予備電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる。装置本体10は、表示部4の前面を露出させた状態で発光部2と表示部4と点灯装置3(点灯回路部31などからなる)とを保持する。点灯状態設定部(認識部32)は表示部4の種別を判別する。そして、点灯状態設定部(設定部33)は、点灯回路部31が常用電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態、及び、点灯回路部31が予備電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を、表示部4の種別に応じて設定する。
【0039】
これにより、表示部4の種別、例えば表示する内容や用途や設置場所に応じて、点灯状態設定部が、常用電源からの電力供給時における点灯状態、及び、予備電源からの電力供給時における点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を変更することができる。したがって、複数種類の表示部4で点灯状態を異ならせたい場合でも同一の点灯回路部31を共用できるから、点灯回路部31(すなわち点灯装置3)の品種を減らすことができる。点灯回路部31の品種が増えると、使用する点灯回路部31の品種を選定するために工数がかかり、また多品種の在庫を用意する必要があるから、管理費などのコストも高くつくが、本実施形態では複数種類の表示部で点灯回路部31が共用することができる。よって点灯回路部31の品種を少なくでき、点灯回路部31の品種を統合することによってコストダウンを図ることができる。
【0040】
また本実施形態では、点灯装置3のケース30に、点灯状態設定部(マイクロスイッチ36からなる認識部32と設定部33とで構成される)や点灯回路部31が収納されている。すなわち、本実施形態では点灯状態設定部が点灯回路部31と一体的に設けられている。
【0041】
これにより、部品点数が削減され、組み立て作業の手間が簡略化できる。
【0042】
また本実施形態では、表示部4が、種別に応じて形状が異なる形状部(突起42)を備え、点灯状態設定部(認識部32を構成するマイクロスイッチ36)は、形状部との接触状態に基づいて表示部4の種別を判別している。
【0043】
これにより、点灯状態設定部の認識部32をマイクロスイッチ36などで実現できるから、表示部4に設けられたIDタグから識別情報を読み込む場合に比べて、低コストであり、また表示部4の種別を判別するために必要な電力が少なくて済む。
【0044】
尚、表示部4の反りや変形によって形状部との接触状態が変化しにくいよう、突起42及び突起42で駆動されるマイクロスイッチ36は、表示部4と装置本体10とを係止させるために設けられた係止突起41及び係止片14の近くに配置されるのが好ましい。
【0045】
(実施形態2)
実施形態2について図7及び図8を参照して説明する。尚、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
上述の実施形態1では、種別に応じて形状が異なる形状部(突起42)を表示部4に設け、認識部32が形状部との接触状態に基づいて表示部4の種別を判別している。それに対して、本実施形態では各々の表示部4に、種別を示す識別情報が予め登録されたIDタグ43(記憶部)が取り付けられている。一方、点灯装置3には、IDタグ43との間で電波や電磁界を用いた近距離の無線通信(RFID)を行うことによって、IDタグ43に記憶された識別情報を読み取るリーダ37が設けられている。そして、図8に示すように表示部4が装置本体10に取り付けられると、リーダ37と通信可能な範囲にIDタグ43が配置されるから、リーダ37はIDタグ43から識別情報を読み取ることができる。ここにおいて、本実施形態ではリーダ37によって認識部32が構成される。
【0047】
そして、設定部33は、実施形態1と同様に、商用交流電源6から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態、及び、予備電源5から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を認識部32が読み取った識別情報をもとに設定する。これにより、常用電源からの電力供給時及び予備電源からの電力供給時のうち少なくとも何れか一方の状態における点灯状態を表示部4の種別に応じて設定できる。よって、表示部4の種別に応じて発光部2の点灯状態が異なる場合でも同じ点灯回路部31で対応できるから、複数種類の表示部4で点灯回路部31を共用することで、点灯回路部31(すなわち点灯装置3)の品種を削減でき、点灯回路部31の品種を統合することでコストダウンを図ることができる。また点灯回路部31の品種が複数存在する場合は、表示部4の種別に応じて点灯回路部31の品種を選定する作業が必要であるが、複数種類の表示部4で点灯回路部31を共用しているので、点灯回路部31(点灯装置3)を選定する作業が不要になる。また複数種類の点灯装置3を調達し、保管する必要がなくなるから、全体としてコストダウンを図ることができる。
【0048】
以上説明したように本実施形態の誘導灯1(表示装置)は、発光部2と、表示部4と、点灯回路部31と、装置本体10と、点灯状態設定部(認識部32及び設定部33からなる)とを備える。表示部4は、前面に絵柄を有し、発光部2からの照射光を前方に透過させることで表示を行う。点灯回路部31は、常用電源又は予備電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる。装置本体10は、表示部4の前面を露出させた状態で発光部2と表示部4と点灯装置3(点灯回路部31などからなる)とを保持する。点灯状態設定部(認識部32)は表示部4の種別を判別する。そして、点灯状態設定部(設定部33)は、点灯回路部31が常用電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態、及び、点灯回路部31が予備電源から電力供給を受けて発光部2を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を種別に応じて設定する。
【0049】
これにより、表示部4の種別、すなわち表示部4が表示する内容や用途や設置場所に応じて、点灯状態設定部が、常用電源からの電力供給時における点灯状態、及び、予備電源からの電力供給時における点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を変更することができる。したがって、複数種類の表示部4で点灯状態を異ならせたい場合でも同一の点灯回路部31を共用できるから、点灯回路部31の品種を減らすことができる。点灯回路部31の品種が増えると、使用する点灯回路部31の品種を選定するために工数がかかり、また多品種の在庫を用意する必要があるから、管理費などのコストも高くつくが、複数種類の表示部で点灯回路部31が共用されることによって、点灯回路部31の品種を少なくでき、全体としてコストダウンを図ることができる。
【0050】
また本実施形態では、点灯装置3のケース30に、点灯状態設定部(リーダ37からなる認識部32と設定部33とで構成される)や点灯回路部31が収納されている。すなわち、本実施形態では点灯状態設定部が点灯回路部31と一体的に設けられている。
【0051】
これにより、部品点数が削減され、組み立て作業の手間が簡略化できる。
【0052】
また本実施形態では、表示部4の種別を示す識別情報を記憶する記憶部(IDタグ43)が表示部4に取り付けられ、点灯状態設定部は、記憶部から識別情報を読み取ることで、表示部4の種別を判別している。
【0053】
実施形態1のように、種別に応じて形状が異なる形状部を表示部4に設ける場合、表示部4の品種が多くなると、形状部の形状が複雑になり、またマイクロスイッチの数を増やす必要があるが、記憶部に識別情報を記憶させることで、表示部4の品種が多い場合にも容易に対応できる。
【0054】
尚、表示部4に設けられたIDタグ43からリーダ37が識別情報を読み取るタイミングは、例えば初期施工時の電源投入時や、動作点検を実施した後に通常の制御モードに復帰するタイミングなどに限定するのが好ましく、リーダ37がIDタグ43から識別情報を読み取るために必要な電力を低減できる。
【0055】
また、本実施形態では認識部32が、表示部4に設けられた記憶部(IDタグ43)から非接触で識別情報を読み取っているが、表示部4及び装置本体31に互いに電気的に接触する接点が設けられ、接点を通じて認識部32が記憶部から識別情報を読み取るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 誘導灯(表示装置)
2 発光部
3 点灯装置
4a,4b 表示部
10 装置本体
31 点灯回路部
32 認識部(点灯状態設定部)
33 設定部(点灯状態設定部)
36 マイクロスイッチ
37 リーダ
42 突起(形状部)
43 IDタグ(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前面に絵柄を有し、前記発光部からの照射光を前方に透過させることで表示を行う表示部と、
常用電源又は予備電源から電力供給を受けて前記発光部を点灯させる点灯回路部と、
前記表示部の前面を露出させた状態で前記発光部と前記表示部と前記点灯回路部とを保持する装置本体と、
前記表示部の種別を判別し、前記点灯回路部が前記常用電源から電力供給を受けて前記発光部を点灯させる点灯状態、及び、前記点灯回路部が前記予備電源から電力供給を受けて前記発光部を点灯させる点灯状態のうち、少なくとも何れか一方の点灯状態を前記種別に応じて設定する点灯状態設定部とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記点灯状態設定部が、前記点灯回路部と一体的に設けられたことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、種別に応じて形状が異なる形状部を備え、前記点灯状態設定部は、前記形状部との接触状態に基づいて前記表示部の種別を判別することを特徴とする請求項1又は2の何れか記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部の種別を示す識別情報を記憶する記憶部が前記表示部に取り付けられ、
前記点灯状態設定部は、前記記憶部から前記識別情報を読み取ることで、前記表示部の種別を判別することを特徴とする請求項1又は2の何れか記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97111(P2013−97111A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238743(P2011−238743)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】