表示記録媒体管理システム
【課題】 電子ペーパーEPの繰り返し使用回数や表示保持しているドキュメントの経過時間をユーザが容易に視認できるようにして、紙媒体に代えて電子ペーパーを利用することの利点をユーザに容易に認識させ、或いは、電子ペーパーの信頼性を担保する情報をユーザに容易に認識させる。
【解決手段】 ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部2を備えた電子ペーパーEPが、カウンタ部42によって表示部2にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、使用度表示手段を構成する書き換え部40が書き込み回数に応じて領域2aにマークを表示、ドキュメント画像の背景色を変化させる等の表示処理を行う。また、タイマ部43がドキュメント画像を表示保持している時間を計時して、計時時間に応じた表示を行う。
【解決手段】 ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部2を備えた電子ペーパーEPが、カウンタ部42によって表示部2にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、使用度表示手段を構成する書き換え部40が書き込み回数に応じて領域2aにマークを表示、ドキュメント画像の背景色を変化させる等の表示処理を行う。また、タイマ部43がドキュメント画像を表示保持している時間を計時して、計時時間に応じた表示を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体の使用状況を当該表示記録媒体に表示する技術に関し、当該表示により、例えば、使用回数に応じた資源消費の削減量、使用回数に応じた表示記録媒体の寿命、表示保持時間に応じたドキュメント画像の情報としての新しさ等をユーザに認知させることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
文書やコンテンツ等と称せられるドキュメントは電子データ化されて編集やファイリング等の処理がなされるが、このようなドキュメントデータをユーザが閲覧するには、ドキュメント画像をディスプレイ装置に表示させたり、ドキュメント画像を紙媒体の用紙に印刷して表示保持させる方法が知られている。
ドキュメント画像の閲覧をディスプレイ表示で行うか或いは印刷で行うかは、ユーザの好みや用途に応じて選択されるが、ドキュメントを用紙に印刷する場合の利点として、ドキュメントを持ち運んで何時でも何処ででも閲覧することができるといった可搬性や、複数ページのドキュメントを並べて閲覧できるといった一覧性等の利便性がある。
【0003】
ここで、近年では、紙媒体である用紙にとって代わることが可能なドキュメント閲覧のための表示記録媒体として、用紙の如く柔軟な薄型でドキュメント画像を表示部に無電源状態で表示保持することができ、しかも、当該ドキュメント画像を書き換えて繰り返し使用することができる電子ペーパーと称せられる装置が開発されている。
このような電子ペーパーによると、人間の日常的な環境における自然な行動の中で用紙に印刷したドキュメントと同様にストレスなく電子データでドキュメント内容を閲覧利用することを可能ならしめることができる。
【0004】
電子ペーパーは、例えば、無電源状態でドキュメント画像を表示保持する表示部を有した装置であり、その表示部への画像情報の書き込み形式で大別すると、電子データに基づいて自己で画像情報を表示部に書き込む機能を有する自己書き込み型電子ペーパーと、電子データに基づいて投影された画像情報を表示部に保持する光書き込み型電子ペーパーとがある。
このような電子ペーパーは、用紙と異なって表示部に表示保持したドキュメント画像を消去したり上書きすることが可能であり、表示保持するドキュメント画像を更新したり、繰り返し使用することができるので紙資源の節約等の観点からも利用促進が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように電子ペーパーの利用促進を図るためには、紙媒体の用紙より優れた機能を備えること、紙媒体に代えて電子ペーパーを使用することの動機付けをユーザに与えること、電子ペーパーの所期の機能を奏することができる寿命をユーザに認知させて装置としての信頼性を担保すること等といった種々な改良が望まれる。
【0006】
本発明は、上記のような改善の余地に着目し、電子ペーパーの利用促進を実現することを目的としている。
より具体的には、例えば、紙媒体に代えて電子ペーパーを利用することの利点をユーザに容易に認識させ、或いは、電子ペーパーの信頼性を担保する情報をユーザに容易に認識させることにより、電子ペーパーの有用性、利便性、信頼性等をユーザに認知させて、電子ペーパーの利用促進を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体(電子ペーパー)に、ドキュメント画像の書き込み回数に応じた表示や、表示部にドキュメント画像を表示保持している時間に応じた表示をすることで、ユーザに自己が使用している電子ペーパーがどの程度の回数使用されたか、ユーザに電子ペーパーが表示保持しているドキュメント画像が表示保持されてからどの程度の時間が経過したものかを視覚的に認知させる。
【0008】
本発明では、ドキュメント画像の書き込み回数に応じた表示は、例えば、回数を表す数値を表示する、回数に応じて予め設定されたマークを表示する、表示部に表示保持しているドキュメント画像に回数に応じて予め設定された変化(背景色や縁取り部の色やデザインの変化等)させることで行うが、電子ペーパーの繰り返し使用により紙媒体の消費が避けられたことになるので、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を表示するようにしてもよい。
また、本発明では、ドキュメント画像の表示保持時間に応じた表示は、例えば、時間を表す数値を表示する、時間に応じて予め設定されたマークを表示する、表示部に表示保持しているドキュメント画像に時間に応じて予め設定された変化(背景色や縁取り部の色やデザインの変化等)させることで行う。
ここで、電子ペーパーを繰り返し使用することは資源の節約や二酸化炭素の削減等にも役立つので、本発明では、電子ペーパーの繰り返し使用に対する特典を与える管理を行う。
【0009】
本発明における書き込み回数や表示保持時間の計測・管理は、電子ペーパーの形式やシステム設計に応じて、電子ペーパー自身で行う他、電子ペーパーと関連して用いる管理装置で行うようにすることができる。
【0010】
本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、当該電子ペーパーに、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、を備えた構成とする。
【0011】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたカウンタ手段が表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、電子ペーパーに設けた使用度表示手段が計数された書き込み回数に応じた表示を行う。
【0012】
また、本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーの使用状況を管理する管理装置を備えたシステムとして、電子ペーパーは、管理装置と接触式又は非接触式で情報通信を行う通信手段と、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、計数された書き込み回数を自己の電子ペーパーを識別する情報とともに管理装置へ送信する通知手段と、管理装置から受信する表示指示(例えば、電子ペーパーが保持する回数表示データの指定、電子ペーパーへ回数表示データを送信する等を含む表示指示)に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段とを備えた構成とし、管理装置は、電子ペーパーと上記同様にして情報通信を行う通信手段と、電子ペーパーから受信する書き込み回数と識別情報に基づいて電子ペーパー毎の書き換え回数を管理して電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信する回数管理手段とを備えた構成とする。
【0013】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたカウンタ手段が表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、電子ペーパーに設けた通知手段が計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに管理装置へ送信し、管理装置に設けた回数管理手段が電子ペーパーから受信する書き込み回数と識別情報に基づいて電子ペーパー毎の書き換え回数を管理して、電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信し、電子ペーパーに設けた使用度表示手段が管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う。
【0014】
また、本発明は具体的には、後述する光書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーの使用状況を管理する管理装置を備えたシステムとして、電子ペーパーは、管理装置と上記同様に情報通信を行う通信手段と、自己の電子ペーパーを識別する情報を管理装置へ送信する通知手段とを備えた構成とし、管理装置は、電子ペーパーと上記同様に情報通信を行う通信手段と、電子ペーパーの表示部にドキュメント画像を投影等の方法で書き込む書き込み手段と、電子ペーパーから受信する識別情報に基づいて電子ペーパー毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して書き込み手段により電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる回数管理手段とを備えた構成とする。
【0015】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けた通知手段が自己の識別情報を管理装置へ送信し、管理装置に設けた書き込み手段が電子ペーパーの表示部にドキュメント画像を書き込み、管理装置に設けた回数管理手段が電子ペーパーから受信する識別情報に基づいて電子ペーパー毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して書き込み手段による書き込み処理で電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる。
【0016】
また、本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーに、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時するタイマ手段と、計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段とを備えた構成とする。
【0017】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたタイマ手段が表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時し、電子ペーパーに設けた経過時間表示手段が計時された表示保持時間に応じた表示を行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、電子ペーパーの繰り返し使用回数や表示保持しているドキュメントの経過時間をユーザが視認可能としたため、紙媒体に代えて電子ペーパーを利用することの利点をユーザに容易に認識させ、或いは、電子ペーパーの信頼性を担保する情報をユーザに容易に認識させることができ、電子ペーパーの有用性、利便性、信頼性等をユーザに認知させて電子ペーパーの利用促進を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を一実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明に利用される電子ペーパー(表示記録媒体)の一例について、図11〜図18を参照して説明する。
電子ペーパーはドキュメント画像の記録方式に違いにより大別して、図11〜図13に示す自己書き込み型と、図14〜図17に示す光書き込み型とがあり、いずれの形式にあっても電子ペーパーと称せられるように紙の様に薄型でドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた装置である。
【0020】
図11(a)には自己書き込み型電子ペーパーEPを正面視して示し、同図(b)には当該自己書き込み型電子ペーパーEPを側面視で示してある。図示の電子ペーパーEPは情報画像を表示保持する表示部2と電子データの処理を司る処理部3とを有しており、同図(a)には処理部3に内蔵されている諸機能部も表してある。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型装置であり、大部分の面積を占める表示部2の一片に処理部3が設けられている。なお、表示部2の大きさは用途に応じた大きさのものとされる。
【0021】
処理部3には、表示部2を駆動するドライバ4、外部と無線通信するための無線部5、電子データを読み書き自在に保持するメモリ6、本発明に係る種々な処理を行うプロセッサ7、ドライバ4や無線部5やプロセッサ7の駆動電力を供給するバッテリ8、ドライバ4による画像表示に対する操作入力を受け付けるボタン等の操作部9が設けられている。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、外部の無線通信機能を有する装置(後述するライタ(リーダ))と無線部5で無線通信することにより、表示部2に表示保持するためのドキュメント画像データや当該電子ペーパーEPに設定された識別子(媒体ID)等の情報を送受信し、また、これら情報をメモリ6に保持することができる。
【0022】
更に、自己書き込み型電子ペーパーEPは、メモリ6に保持したドキュメント画像データに基づいてドライバ4が表示部2にドキュメント画像を書き込むことができ、ドライバ4の駆動電力を除去しても表示部2にドキュメント画像を表示状態で保持し続ける機能を有している。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の断面構造を表す図13に示すように、複写機にトナーとして利用されている微細な着色粒子(図示の例では、白色粒子21と黒色粒子22)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極23間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板24で挟んだ構造となっている。着色粒子21、22が自由に移動できるように電極層23間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層23には着色粒子21、22との接触を防止する絶縁層25が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0023】
そして、自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の動作原理を表す図12に示すように、電極23に電圧を印加していない状態(但し、電極23は前回の駆動時の極性に帯電している)では、負(マイナス)に帯電した白色粒子21は裏面側に溜まる一方、正(プラス)に帯電した黒色粒子22は表面側に溜まり、表示部2を表面側から目視すると表示部2は黒色な状態となる。そして、メモリ6に記憶されたデータに基づいてドライバ4が動作して表示する画像情報に応じたマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子21と黒色粒子22との位置関係が入れ替わって、表示部2に白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストによるドキュメント画像が表示される。なお、異なるデータに基づいてドライバ4を動作させることにより、白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストにより表示部2に表示される画像情報を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
【0024】
したがって、自己書き込み型電子ペーパーEPは、紙のように薄く柔軟である性質に加えて、表示部2に表示した画像情報を無電源保持する性質があるので、あたかも紙の如く用いることができる表示記録媒体である。更に、本例の自己書き込み型電子ペーパーEPは、無線通信機能及びメモリ機能を備えているので、後述するように、メモリ6に記録される電子データを非接触で送受信することができる。なお、後述するライタ(リーダ)に備えられる通信部とともに、磁気誘導による非接触型の通信部としたり、端子接触による接触型の通信部としてもよい。
【0025】
図14(a)には光書き込み型電子ペーパーEPを正面視して示し、同図(b)には当該光書き込み型電子ペーパーEPを側面視で示してある。なお、図示の電子ペーパーEPはドキュメント画像を表示保持する表示部12と電子データの処理を司る処理部13とを有しており、同図(a)には処理部13に内蔵されている諸機能部も表してある。
光書き込み型電子ペーパーEPは、自己書き込み型電子ペーパーEPと同様に、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型であり、大部分の面積を占める表示部12の一片に処理部13が設けられている。
なお、自己書き込み型電子ペーパーEPと同様に、表示部12の大きさは任意であり、用途に応じた大きさのものとされる。
【0026】
処理部13には、後述するように表示部12を駆動する電圧を印加するための電極14、外部と無線通信するための無線部15、電子データを読み書き自在に保持するメモリ16、本発明に係る種々な処理を行うプロセッサ17、無線部15やプロセッサ17の駆動電力を供給するバッテリ18が設けられている。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、外部の無線通信機能を有する装置(後述するライタ(リーダ))と無線部15で無線通信することにより、当該電子ペーパーEPに設定された識別子(媒体ID)等の情報を送受信し、また、これら情報をメモリ16に保持することができる。
【0027】
例えば、光書き込み型電子ペーパーEPは、図15に示すように液晶パネル39にドキュメント画像を表示し、電極14に外部の電源から電圧を印加しながら光書き込み型電子ペーパーEPを液晶パネル39に重ねて光を照射することにより、液晶パネル39に表示させたドキュメント画像を表示部12に転写して表示保持させることができる。
すなわち、光書き込み型電子ペーパーEPは電極14に電圧を印加することで投影されたドキュメント画像を表示部12に転写し、電極14に印加した電圧を除去した後も当該ドキュメント画像を表示状態で保持し続ける機能を有している。
【0028】
光書き込み型電子ペーパーEPは、表示部12の断面構造を表す図17に示すように、複写機に利用されている有機光導電性材料の層(有機光導電層)30と液晶表示材料の層(マイクロカプセル化したコレステリック液晶層)31とを組み合わせ、これら層を表裏一対の透明電極32で挟み、この積層体を表裏一対の透明な基材フィルム33で挟んだ構造となっている。なお、この構成では、コレステリック液晶層31が光を反射する白表示と、光が液晶層31を透過しコレステリック液晶層31と有機光導電層30との間に設けられた黒色層34で吸収される黒表示のモノクロ画像表示が可能である。さらにコレステリック液晶には螺旋ピッチに応じたカラー光を干渉反射するという特性があるので、コレステリック液晶層31を螺旋ピッチの異なる液晶を積層した構成にすることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0029】
そして、光書き込み型電子ペーパーEPは、表示部12の動作原理を表す図16に示すように、例えば画像書込み用の調光素子パネル(発光パネル)39に転写する画像を表示して表示部12に投影し、電極14に電圧を印加すると、光の強弱を瞬時に反射濃度に変換して当該投影画像を保持する。そして、電極14に消去電圧を印加することにより表示部12に保持された画像情報を消去することができ、光書き込み型電子ペーパーEPは書き込みと消去を繰り返して幾度も再使用することができる。なお、光書き込み型電子ペーパーEPはこのような消去処理を行わずに、上記のように電極14に電圧を印加して新たな画像を投影することにより、表示部12に保持されている画像を上書きすることもでき、このような上書き処理によっても幾度も再使用することができる。
【0030】
したがって、光書き込み型電子ペーパーEPは、紙のように薄く柔軟である性質に加えて、ドキュメント画像の投影により転写されたドキュメント画像を無電源保持する性質があるので、あたかもプリンタや複写機に使用する紙の如く用いることができ、しかも、繰り返し再使用することができる表示記録媒体である。更に、本例の光書き込み型電子ペーパーEPは、無線通信機能及びメモリ機能を備えているので、後述するように、メモリ16に記録される電子データを非接触で送受信することができる。なお、後述するライタ(リーダ)に備えられる通信部とともに、磁気誘導による非接触型の通信部としたり、端子接触による接触型の通信部としてもよい。
【0031】
ここで、光書き込み型や自己書き込み型等の形式を問わず、図18に示すように、無線部5(15)やメモリ6(16)等といった通信機能やメモリ機能部を電子ペーパーの表示部2(12)とは別の無線ICタグ(RFID)27として構成し、当該RFIDタグ27を電子ペーパーEPの表示部に取り付けることにより上記と同様に自己の識別情報を外部の装置に提供することができる構成としてもよい。なお、無線ICタグとした場合等において、バッテリは後述するライタ(リーダ)からの起電力を保持するコンデンサとするようにしてもよい。
また、自己の識別情報を二次元コード化したバーコード28を印刷或いは貼付し、後述するライタ(リーダ)によりバーコード28を読み取って当該識別情報を提供するようにしてもよい。
【0032】
また、本発明は、上記例示したような自己書き込み型電子ペーパーや光書き込み型電子ペーパーといった形式以外の電子ペーパーも勿論適用することができ、例えば、外部の書き換え装置(ライタ)に装填して表示部に自己書き込み型のように電子的にドキュメント画像を書き込む形式であってもよい。すなわち、上記の自己書き込み型電子ペーパーは外部の画像書き込み装置を要しない形式の電子ペーパーの一例であり、光書き込み型電子ペーパーは外部の画像書き込み装置を要する形式の電子ペーパーの一例であるとも言える。
また、電子ペーパーEPの表示部2(12)としては、強誘電液晶に代表されるメモリー性のある液晶や、帯電された粒子を移動させて表示を切り替える電気泳動方式、帯電された粒子を回転させて表示を切り替える粒子回転方式、磁気により粒子を移動させて表示を切り替える磁気泳動方式、小型バッテリー駆動の薄型の液晶やEL素子を用いてもよい。
【0033】
次に、上記のような基本構成を有する電子ペーパーEPを用いて、ドキュメント画像の書き込み回数や表示保持時間に応じた管理を行うシステム例を説明する。
図1には電子ペーパーEP自身が書き込み回数の計数及び管理を行って対応する表示処理を行う例を示し、図2には電子ペーパーEP自身が計数した書き込み回数に基づいて管理装置60が対応する表示管理を行う例を示し、図3には管理装置60が書き込み回数の計数及び管理を行って対応する表示処理を行う例を示し、図4には電子ペーパーEP自身が表示保持時間の計時を行って対応する表示処理を行う例を示してある。
【0034】
まず、図1に示す例は電子ペーパー自身が書き換え機能を有する自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、表示部2、通信部5、メモリ6に加えて、プロセッサ7及びドライバ4により構成される書き換え部40、プロセッサ7及び作業用メモリ6により構成される回数管理部41を備えている。
【0035】
回数管理部41はカウンタ部42を有しており、書き換え部40が行う表示部2へのドキュメント画像の書き込み回数をカウンタ部42が計数し、回数管理部41が計数された書き込み回数を蓄積管理するとともに書き込み回数に応じた表示処理を行う。
また、本例では、表示部2の一部分(例えば、縁部や隅部)に書き込み回数に応じた表示を行う領域2aが設けられており、書き換え部40は、回数管理部41の制御下で行う領域2aへの書き込み回数に応じた表示処理と、表示部2の領域2aを除く領域にドキュメント画像を書き込む表示処理とを独立して実行することができる。
なお、回数管理部41及び書き換え部40は、領域2aに計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段を構成している。
【0036】
管理装置60は、電子ペーパーEPに対するインタフェースとなるライタ70と、電子ペーパーEPにドキュメント画像を表示保持させるためのドキュメントデータを管理するサーバ80とを備えている。
ライタ70は、電子ペーパーEPが無線式の通信部5を備えていることに対応して、無線通信部71を有している。
サーバ80は、ドキュメントデータ(或いは、外部のデータサーバに保持されたドキュメントデータを取得するためのドキュメントID)を蓄積したデータベース81と、当該データベース81からドキュメントデータを読み出す(或いは、ドキュメントIDに基づいて外部のデータサーバから該当するドキュメントデータを読み出す)読み出し部82とを有している。
【0037】
すなわち、管理装置60は、図外の操作部からのユーザ入力に応じて指定されたドキュメントデータをサーバ80が読み出し、当該ドキュメントデータを無線部71により送信して、電子ペーパーEPに通信部5で受信させてメモリ6に記憶保持させる。
また、電子ペーパーEPでは、操作部9からのユーザ入力に応じて、書き換え部40がメモリ6に記憶保持されているドキュメントデータに基づいて表示部2にドキュメント画像を書き込んで表示保持させる。なお、メモリ6に複数のドキュメントデータを記憶保持させておき、ユーザ入力に応じて、書き換え部40が表示部2に表示保持させるドキュメント画像を切換えるようにしてもよい。
【0038】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にカウンタ部42が書き込み回数を計数し、回数管理部41が所定の書き込み回数に達すると、回数管理部41の制御下で書き換え手段40がメモリ6に予め保持している回数表示用データに応じて書き込み回数を表す表示を領域2aに表示保持させる。例えば図6に示すように、回数管理部41は、0回から10回、11回から20回、21回から50回…といったように書き換え回数毎に回数表示用データを対応付けたテーブルを有しており、カウンタ部42が計数する書き換え回数に基づいて、これら設定回数に対応した回数表示用画像を領域2aに表示する。
【0039】
本発明では回数表示用画像は種々な態様で表示することが可能である。
例えば図7に示すように、表示部2の縁部に設定した回数表示用の領域2aに、0回から10回の書き込み回数範囲ではマーク(樹木を模ったエコマーク)Mを1つ、11回から20回の書き込み回数範囲ではマークMを2つ、21回から50回の書き込み回数範囲ではマークMを3つ…といったように表示する。すなわち、この場合には、回数に応じた個数のマークMの画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aにマーク画像が書き込まれる。
【0040】
また、例えば図8に示すように、表示部2の縁部に設定した回数表示用の領域2aに、0回から10回の書き込み回数範囲では白色、11回から20回の書き込み回数範囲では薄い灰色、21回から50回の書き込み回数範囲では濃い灰色…といったように濃度(或いは、色や色調)を変えた縁取り画像表示する。すなわち、この場合には、回数に応じた濃度の縁取り画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに縁取り画像が書き込まれる。
【0041】
また、例えば図9(a)に示すように表示部2の隅部に設けた領域2aに計数された書き込み回数を数値(図示では35回)で表示してもよく、この場合には、計数された書き込み回数に応じた数値画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに書き込まれる。
また、例えば図10に示すように、回数表示用領域2aとドキュメント画像を表示する表示部2とを分けることなく使用して、ドキュメント画像の背景を書き込み回数に応じて濃度や色を変化させるようにしてもよい。すなわち、この場合には、回数に応じた濃度等の背景画像をメモリ6に保持しておき、計数回数に応じて表示部2に書き込まれるようにしたり、表示保持しているドキュメント画像のデータ自体を背景の異なるものに変更したり或いはドキュメントデータ自体を加工して背景を変更するようにする。
【0042】
ここで、ドキュメント画像の閲覧に紙媒体を用いる場合には、紙媒体を使用する毎に紙の原料となる森林資源が消費され、また、ドキュメント画像が不要になった時には紙媒体はゴミとなって焼却による大気汚染の原因ともなる。すなわち、繰り返し使用ができる電子ペーパーEPを紙媒体に代えて用いることにより、森林資源の節約や二酸化炭素(CO2)の発生による大気汚染を防止することができ、電子ペーパーEPを書き換えて繰り返し使用する回数は資源節約量や二酸化炭素削減量に換算することができる。
このことから、例えば図9(b)に示すように、表示部2の隅部に設けた領域2aにCO2削減量や森林資源節約量を書き込み回数に応じて表示するようにしてもよい。なお、この場合には、書き込み回数に応じたCO2削減量や森林資源節約量を対応た数値画像等がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに書き込まれる。
【0043】
上記の例によると、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかが、ユーザが容易に認識できる態様で表示される。したがって、繰り返し使用による電子ペーパーEPの寿命をユーザが認知することができ、表示保持媒体としての信頼性を担保することができる。
また、電子ペーパーEPの使用による資源節約や大気汚染防止への貢献度をユーザが認知することができ、電子ペーパーの使用の有用性をユーザに認識させることができる。
【0044】
次に、図2に示す例は自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、上記の例と同様に、表示部2、回数表示用の領域2a、通信部5、メモリ6、書き換え部40、プロセッサ7及び作業用メモリ6により構成されるカウンタ部42を備えており、通信部5及び書き換え部40が、管理装置60から受信する表示指示に応じて、領域2aに計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段を構成している。なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
【0045】
電子ペーパーEPは予め自己を識別するための媒体IDが付与されてメモリ6に記録保持しており、通信部5がライタ70と通信をすることに応じて、メモリ6から媒体IDが読み出され、当該媒体IDがカウンタ部42で計数された書き込み回数とともにライタ70に送信される。すなわち、計数された書き込み回数を自己を識別する情報とともに管理装置60へ送信する通知手段が備えられている。
本例では、管理装置60側が書き込み回数を管理する回数管理部41を備えており、サーバ80に設けられた回数管理部41は電子ペーパーEPから受信した書き込み回数と媒体IDに基づいて電子ペーパーEP毎の書き換え回数を管理して、電子ペーパーEPに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を通信部71から送信する。
【0046】
ここで、電子ペーパーEPは管理装置60から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を領域2aに行うが、この表示指示の内容はシステム設定に応じて種々な態様とすることができる。
例えば、上記例のように電子ペーパーEPが書き換え回数に応じた表示用データ(図6)を保持する場合には、回数管理部41が通知された書き換え回数の累積値に応じて予め設定された表示用データを指定する指示を表示指示として電子ペーパーEPに送信すればよく、また、書き換え回数に応じた表示用データ(図6)を回数管理部41(管理装置側)が保持する場合には、回数管理部41が通知された書き換え回数の積算値に応じて新た締め設定された表示用データを表示指示として電子ペーパーEPに送信すればよい。
【0047】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にカウンタ部42が書き込み回数を計数し、ライタ(リーダ)70と通信する際(或いは、書き込み処理が行われた毎)に、計数された書き込み回数を媒体IDとともに通信部5から管理装置60へ送信する。
【0048】
管理装置60では、電子ペーパーEPからの書き込み回数と媒体IDを通信部71で受信し、回数管理部41が、受信した書き込み回数と媒体IDに基づいて電子ペーパーEP毎の書き換え回数を管理し、電子ペーパーEPに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を通信部71から送信する。回数管理部41は、例えば図5に示すような管理テーブルを有しており、媒体IDに対応付けて通知された書き込み回数と最新の更新日時を管理して、所定の回数に達する毎に(或いは、書き込み回数が増加する毎に)表示指示を電子ペーパーEPに送信する。
【0049】
電子ペーパーEPでは、媒体ID等で識別される自己に対する表示指示を通信部5で受信すると、当該表示指示に従って、書き換え手段40がメモリ6に予め保持している(或いは、表示指示として受信した)回数表示用データに基づいて書き込み回数を表す表示を領域2aに表示保持させる。
この書き込み回数を表す表示は、上記の例と同様に例えば図7〜図10に示すような種々な態様を採用することができ、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかをユーザに容易に認識させることができる。
【0050】
ここで、本例のように管理装置60側で各電子ペーパーEP毎の書き込み回数(すなわち、紙媒体に代えて使用した回数)を集中的に管理する場合には、システムにおいて使用されている各電子ペーパーEP(或いは、そのユーザ)に対して特典を付与する管理を容易に行うことができる。
例えば、サーバ80にプライズ管理部83を設け、プライズ管理部83が、回数管理部41により管理される電子ペーパー毎の書き換え回数に基づいて、各電子ペーパーに与えられる特典を管理する。具体的には、例えば、電子ペーパーにドキュメントデータを有料で提供する場合にはプライズ管理部83が書き換え回数が多くなるに応じてデータ提供量を低額にする課金処理を行う。
【0051】
次に、図3に示す例は光書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは比較的受動的な装置として構成されて、表示部12と自己に設定された媒体IDを外部に提供可能に保持するID通知部19を備えている。なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
このID通知部19は、種々な態様とすることが可能で、メモリ16に媒体IDを記憶させておいて通信部15により外部に送信する、媒体IDを外部読み取り可能に保持したRFID27とする、媒体IDを外部読み取り可能に保持したバーコード28とする等が可能である。なお、ライタ70には、ID通知部19の態様に応じて、ID通知部19から媒体IDを取得する読み取り部が設けられる。
【0052】
管理装置60側のライタ70はドキュメント画像を電子ペーパーEPの表示部12に表示保持さる書き込み部72を有しており、ライタ70に光書き込み型電子ペーパーEPが装填されてユーザからの書き込み指示が入力されると、データベース81から読み出されたドキュメントデータに基づいて表示部12にドキュメント画像が投影されるとともに、電子ペーパーEPの電極14に書き込み電圧が印加されて、ドキュメント画像が表示部12に表示保持される。
【0053】
このような表示部12へのドキュメント画像の書き込み処理はカウンタ部42により計数され、また、当該書き込み処理に際してID通知部19から書き込みがなされた電子ペーパーの媒体IDが取得され、これら媒体IDと計数された書き込み回数とが図5に示すように回数管理部41で管理される。
また、回数管理部41は図6に示すように書き込み回数に応じて予め設定された回数表示用データを保持管理しており、電子ペーパーEPにドキュメント画像を書き込む際に、ドキュメント画像と共に回数表示用データに基づき回数表示画像を表示部12に書き込んで表示保持させる。
【0054】
この書き込み回数を表す表示は、表示部12に領域を分けて表示したり、或いは表示部12のドキュメント画像と重ねたり合成して表示したり、上記の例と同様に例えば図7〜図10に示すような種々な態様を採用することができ、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかをユーザに容易に認識させることができる。
【0055】
次に、図4に示す例は自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、図1に示した例において回数管理部41及びカウンタ部42に代えて計時処理を行うタイマ部43が設けられた構成である。
なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
【0056】
タイマ部43は、書き換え部40による表示部2へのドキュメント画像の書き込みを監視しており、ドキュメント画像が表示部2に表示保持された時点からの経過時間を計時する。すなわち、タイマ部43が或るドキュメント画像が表示部2に表示保持されている時間を計時し、書き換え部40が計時された表示保持時間に応じて予め設定された表示画像をメモリ6から読み出して領域2aに表示保持させる。
なお、タイマ部43及び書き換え部40は、領域2aに計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段を構成している。
【0057】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にタイマ部43が当該ドキュメント画像についての表示保持時間を計時し、所定の表示保持時間に達すると、書き換え手段40がメモリ6に予め保持している経過時間表示用データに応じて表示保持時間を表す表示を領域2aに表示保持させる。例えば、メモリ6は、0回から10回、11回から20回、21回から50回…といったように表示保持時間毎に表示用データを対応付けたテーブルを有しており、タイマ部43が計時する時間に基づいて、これら設定時間に対応した経過時間表示用画像を領域2aに表示する。
【0058】
本発明では経過時間表示用画像は種々な態様で表示することが可能であり、例えば(図7参照)、表示部2の縁部に設定した経過時間用の領域2aに、0日から10日の経過時間範囲ではマークを1つ、11日から20日の範囲ではマークを2つ、21日から50日の範囲ではマークを3つ…といったように表示する。すなわち、この場合には、表示保持時間に応じた個数のマークの画像がメモリ6に保持されており、計時時間に応じて領域2aにマーク画像が書き込まれる。
また、図8、図9(a)、図10を参照することにより明らかなように、表示部2の縁部やドキュメント画像の背景を時間とともに変化させたり、経過時間を数値表示したり等、計時時間に応じた表示を種々な態様で行うことができ、電子ペーパーEPに表示保持されたドキュメント画像がどの程度の古さのものかをユーザに容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図5】本発明の一例に係る書き込み回数管理テーブルを示す図である。
【図6】本発明の一例に係る回数表示用データの管理テーブルを示す図である。
【図7】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図8】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図9】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図10】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図11】自己書き込み型電子ペーパーを示す図である。
【図12】自己書き込み型電子ペーパーの動作原理を説明する図である。
【図13】自己書き込み型電子ペーパーの構造を説明する図である。
【図14】光書き込み型電子ペーパーを示す図である。
【図15】光書き込み型電子ペーパーの使用方法を説明する図である。
【図16】光書き込み型電子ペーパーの動作原理を説明する図である。
【図17】光書き込み型電子ペーパーの構造を説明する図である。
【図18】電子ペーパーの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
EP、:表示記録媒体(電子ペーパー)、
2:表示部、 3:処理部、
4:ドライバ、 5:無線部、
6:メモリ、 7:プロセッサ、
12:表示部、 13:処理部、
14:電極、 15:無線部、
16:メモリ、 40:書き換え部、
41:回数管理部、 42;カウンタ部、
43:タイマ部、 60:管理装置、
70:ライタ(リーダ)、 71:通信部、
72:書き込み部、 80:サーバ、
81:データベース、 82:読み出し部、
83:プライズ管理部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体の使用状況を当該表示記録媒体に表示する技術に関し、当該表示により、例えば、使用回数に応じた資源消費の削減量、使用回数に応じた表示記録媒体の寿命、表示保持時間に応じたドキュメント画像の情報としての新しさ等をユーザに認知させることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
文書やコンテンツ等と称せられるドキュメントは電子データ化されて編集やファイリング等の処理がなされるが、このようなドキュメントデータをユーザが閲覧するには、ドキュメント画像をディスプレイ装置に表示させたり、ドキュメント画像を紙媒体の用紙に印刷して表示保持させる方法が知られている。
ドキュメント画像の閲覧をディスプレイ表示で行うか或いは印刷で行うかは、ユーザの好みや用途に応じて選択されるが、ドキュメントを用紙に印刷する場合の利点として、ドキュメントを持ち運んで何時でも何処ででも閲覧することができるといった可搬性や、複数ページのドキュメントを並べて閲覧できるといった一覧性等の利便性がある。
【0003】
ここで、近年では、紙媒体である用紙にとって代わることが可能なドキュメント閲覧のための表示記録媒体として、用紙の如く柔軟な薄型でドキュメント画像を表示部に無電源状態で表示保持することができ、しかも、当該ドキュメント画像を書き換えて繰り返し使用することができる電子ペーパーと称せられる装置が開発されている。
このような電子ペーパーによると、人間の日常的な環境における自然な行動の中で用紙に印刷したドキュメントと同様にストレスなく電子データでドキュメント内容を閲覧利用することを可能ならしめることができる。
【0004】
電子ペーパーは、例えば、無電源状態でドキュメント画像を表示保持する表示部を有した装置であり、その表示部への画像情報の書き込み形式で大別すると、電子データに基づいて自己で画像情報を表示部に書き込む機能を有する自己書き込み型電子ペーパーと、電子データに基づいて投影された画像情報を表示部に保持する光書き込み型電子ペーパーとがある。
このような電子ペーパーは、用紙と異なって表示部に表示保持したドキュメント画像を消去したり上書きすることが可能であり、表示保持するドキュメント画像を更新したり、繰り返し使用することができるので紙資源の節約等の観点からも利用促進が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように電子ペーパーの利用促進を図るためには、紙媒体の用紙より優れた機能を備えること、紙媒体に代えて電子ペーパーを使用することの動機付けをユーザに与えること、電子ペーパーの所期の機能を奏することができる寿命をユーザに認知させて装置としての信頼性を担保すること等といった種々な改良が望まれる。
【0006】
本発明は、上記のような改善の余地に着目し、電子ペーパーの利用促進を実現することを目的としている。
より具体的には、例えば、紙媒体に代えて電子ペーパーを利用することの利点をユーザに容易に認識させ、或いは、電子ペーパーの信頼性を担保する情報をユーザに容易に認識させることにより、電子ペーパーの有用性、利便性、信頼性等をユーザに認知させて、電子ペーパーの利用促進を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体(電子ペーパー)に、ドキュメント画像の書き込み回数に応じた表示や、表示部にドキュメント画像を表示保持している時間に応じた表示をすることで、ユーザに自己が使用している電子ペーパーがどの程度の回数使用されたか、ユーザに電子ペーパーが表示保持しているドキュメント画像が表示保持されてからどの程度の時間が経過したものかを視覚的に認知させる。
【0008】
本発明では、ドキュメント画像の書き込み回数に応じた表示は、例えば、回数を表す数値を表示する、回数に応じて予め設定されたマークを表示する、表示部に表示保持しているドキュメント画像に回数に応じて予め設定された変化(背景色や縁取り部の色やデザインの変化等)させることで行うが、電子ペーパーの繰り返し使用により紙媒体の消費が避けられたことになるので、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を表示するようにしてもよい。
また、本発明では、ドキュメント画像の表示保持時間に応じた表示は、例えば、時間を表す数値を表示する、時間に応じて予め設定されたマークを表示する、表示部に表示保持しているドキュメント画像に時間に応じて予め設定された変化(背景色や縁取り部の色やデザインの変化等)させることで行う。
ここで、電子ペーパーを繰り返し使用することは資源の節約や二酸化炭素の削減等にも役立つので、本発明では、電子ペーパーの繰り返し使用に対する特典を与える管理を行う。
【0009】
本発明における書き込み回数や表示保持時間の計測・管理は、電子ペーパーの形式やシステム設計に応じて、電子ペーパー自身で行う他、電子ペーパーと関連して用いる管理装置で行うようにすることができる。
【0010】
本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、当該電子ペーパーに、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、を備えた構成とする。
【0011】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたカウンタ手段が表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、電子ペーパーに設けた使用度表示手段が計数された書き込み回数に応じた表示を行う。
【0012】
また、本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーの使用状況を管理する管理装置を備えたシステムとして、電子ペーパーは、管理装置と接触式又は非接触式で情報通信を行う通信手段と、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、計数された書き込み回数を自己の電子ペーパーを識別する情報とともに管理装置へ送信する通知手段と、管理装置から受信する表示指示(例えば、電子ペーパーが保持する回数表示データの指定、電子ペーパーへ回数表示データを送信する等を含む表示指示)に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段とを備えた構成とし、管理装置は、電子ペーパーと上記同様にして情報通信を行う通信手段と、電子ペーパーから受信する書き込み回数と識別情報に基づいて電子ペーパー毎の書き換え回数を管理して電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信する回数管理手段とを備えた構成とする。
【0013】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたカウンタ手段が表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、電子ペーパーに設けた通知手段が計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに管理装置へ送信し、管理装置に設けた回数管理手段が電子ペーパーから受信する書き込み回数と識別情報に基づいて電子ペーパー毎の書き換え回数を管理して、電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信し、電子ペーパーに設けた使用度表示手段が管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う。
【0014】
また、本発明は具体的には、後述する光書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーの使用状況を管理する管理装置を備えたシステムとして、電子ペーパーは、管理装置と上記同様に情報通信を行う通信手段と、自己の電子ペーパーを識別する情報を管理装置へ送信する通知手段とを備えた構成とし、管理装置は、電子ペーパーと上記同様に情報通信を行う通信手段と、電子ペーパーの表示部にドキュメント画像を投影等の方法で書き込む書き込み手段と、電子ペーパーから受信する識別情報に基づいて電子ペーパー毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して書き込み手段により電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる回数管理手段とを備えた構成とする。
【0015】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けた通知手段が自己の識別情報を管理装置へ送信し、管理装置に設けた書き込み手段が電子ペーパーの表示部にドキュメント画像を書き込み、管理装置に設けた回数管理手段が電子ペーパーから受信する識別情報に基づいて電子ペーパー毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して書き込み手段による書き込み処理で電子ペーパーに書き込み回数に応じた表示を行わせる。
【0016】
また、本発明は具体的には、後述する自己書き込み型電子ペーパーを用いる場合には、電子ペーパーに、表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時するタイマ手段と、計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段とを備えた構成とする。
【0017】
そして、本発明では、電子ペーパーに設けたタイマ手段が表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時し、電子ペーパーに設けた経過時間表示手段が計時された表示保持時間に応じた表示を行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、電子ペーパーの繰り返し使用回数や表示保持しているドキュメントの経過時間をユーザが視認可能としたため、紙媒体に代えて電子ペーパーを利用することの利点をユーザに容易に認識させ、或いは、電子ペーパーの信頼性を担保する情報をユーザに容易に認識させることができ、電子ペーパーの有用性、利便性、信頼性等をユーザに認知させて電子ペーパーの利用促進を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を一実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明に利用される電子ペーパー(表示記録媒体)の一例について、図11〜図18を参照して説明する。
電子ペーパーはドキュメント画像の記録方式に違いにより大別して、図11〜図13に示す自己書き込み型と、図14〜図17に示す光書き込み型とがあり、いずれの形式にあっても電子ペーパーと称せられるように紙の様に薄型でドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた装置である。
【0020】
図11(a)には自己書き込み型電子ペーパーEPを正面視して示し、同図(b)には当該自己書き込み型電子ペーパーEPを側面視で示してある。図示の電子ペーパーEPは情報画像を表示保持する表示部2と電子データの処理を司る処理部3とを有しており、同図(a)には処理部3に内蔵されている諸機能部も表してある。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型装置であり、大部分の面積を占める表示部2の一片に処理部3が設けられている。なお、表示部2の大きさは用途に応じた大きさのものとされる。
【0021】
処理部3には、表示部2を駆動するドライバ4、外部と無線通信するための無線部5、電子データを読み書き自在に保持するメモリ6、本発明に係る種々な処理を行うプロセッサ7、ドライバ4や無線部5やプロセッサ7の駆動電力を供給するバッテリ8、ドライバ4による画像表示に対する操作入力を受け付けるボタン等の操作部9が設けられている。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、外部の無線通信機能を有する装置(後述するライタ(リーダ))と無線部5で無線通信することにより、表示部2に表示保持するためのドキュメント画像データや当該電子ペーパーEPに設定された識別子(媒体ID)等の情報を送受信し、また、これら情報をメモリ6に保持することができる。
【0022】
更に、自己書き込み型電子ペーパーEPは、メモリ6に保持したドキュメント画像データに基づいてドライバ4が表示部2にドキュメント画像を書き込むことができ、ドライバ4の駆動電力を除去しても表示部2にドキュメント画像を表示状態で保持し続ける機能を有している。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の断面構造を表す図13に示すように、複写機にトナーとして利用されている微細な着色粒子(図示の例では、白色粒子21と黒色粒子22)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極23間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板24で挟んだ構造となっている。着色粒子21、22が自由に移動できるように電極層23間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層23には着色粒子21、22との接触を防止する絶縁層25が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0023】
そして、自己書き込み型電子ペーパーEPは、表示部2の動作原理を表す図12に示すように、電極23に電圧を印加していない状態(但し、電極23は前回の駆動時の極性に帯電している)では、負(マイナス)に帯電した白色粒子21は裏面側に溜まる一方、正(プラス)に帯電した黒色粒子22は表面側に溜まり、表示部2を表面側から目視すると表示部2は黒色な状態となる。そして、メモリ6に記憶されたデータに基づいてドライバ4が動作して表示する画像情報に応じたマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子21と黒色粒子22との位置関係が入れ替わって、表示部2に白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストによるドキュメント画像が表示される。なお、異なるデータに基づいてドライバ4を動作させることにより、白色粒子21と黒色粒子22とのコントラストにより表示部2に表示される画像情報を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
【0024】
したがって、自己書き込み型電子ペーパーEPは、紙のように薄く柔軟である性質に加えて、表示部2に表示した画像情報を無電源保持する性質があるので、あたかも紙の如く用いることができる表示記録媒体である。更に、本例の自己書き込み型電子ペーパーEPは、無線通信機能及びメモリ機能を備えているので、後述するように、メモリ6に記録される電子データを非接触で送受信することができる。なお、後述するライタ(リーダ)に備えられる通信部とともに、磁気誘導による非接触型の通信部としたり、端子接触による接触型の通信部としてもよい。
【0025】
図14(a)には光書き込み型電子ペーパーEPを正面視して示し、同図(b)には当該光書き込み型電子ペーパーEPを側面視で示してある。なお、図示の電子ペーパーEPはドキュメント画像を表示保持する表示部12と電子データの処理を司る処理部13とを有しており、同図(a)には処理部13に内蔵されている諸機能部も表してある。
光書き込み型電子ペーパーEPは、自己書き込み型電子ペーパーEPと同様に、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型であり、大部分の面積を占める表示部12の一片に処理部13が設けられている。
なお、自己書き込み型電子ペーパーEPと同様に、表示部12の大きさは任意であり、用途に応じた大きさのものとされる。
【0026】
処理部13には、後述するように表示部12を駆動する電圧を印加するための電極14、外部と無線通信するための無線部15、電子データを読み書き自在に保持するメモリ16、本発明に係る種々な処理を行うプロセッサ17、無線部15やプロセッサ17の駆動電力を供給するバッテリ18が設けられている。
自己書き込み型電子ペーパーEPは、外部の無線通信機能を有する装置(後述するライタ(リーダ))と無線部15で無線通信することにより、当該電子ペーパーEPに設定された識別子(媒体ID)等の情報を送受信し、また、これら情報をメモリ16に保持することができる。
【0027】
例えば、光書き込み型電子ペーパーEPは、図15に示すように液晶パネル39にドキュメント画像を表示し、電極14に外部の電源から電圧を印加しながら光書き込み型電子ペーパーEPを液晶パネル39に重ねて光を照射することにより、液晶パネル39に表示させたドキュメント画像を表示部12に転写して表示保持させることができる。
すなわち、光書き込み型電子ペーパーEPは電極14に電圧を印加することで投影されたドキュメント画像を表示部12に転写し、電極14に印加した電圧を除去した後も当該ドキュメント画像を表示状態で保持し続ける機能を有している。
【0028】
光書き込み型電子ペーパーEPは、表示部12の断面構造を表す図17に示すように、複写機に利用されている有機光導電性材料の層(有機光導電層)30と液晶表示材料の層(マイクロカプセル化したコレステリック液晶層)31とを組み合わせ、これら層を表裏一対の透明電極32で挟み、この積層体を表裏一対の透明な基材フィルム33で挟んだ構造となっている。なお、この構成では、コレステリック液晶層31が光を反射する白表示と、光が液晶層31を透過しコレステリック液晶層31と有機光導電層30との間に設けられた黒色層34で吸収される黒表示のモノクロ画像表示が可能である。さらにコレステリック液晶には螺旋ピッチに応じたカラー光を干渉反射するという特性があるので、コレステリック液晶層31を螺旋ピッチの異なる液晶を積層した構成にすることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0029】
そして、光書き込み型電子ペーパーEPは、表示部12の動作原理を表す図16に示すように、例えば画像書込み用の調光素子パネル(発光パネル)39に転写する画像を表示して表示部12に投影し、電極14に電圧を印加すると、光の強弱を瞬時に反射濃度に変換して当該投影画像を保持する。そして、電極14に消去電圧を印加することにより表示部12に保持された画像情報を消去することができ、光書き込み型電子ペーパーEPは書き込みと消去を繰り返して幾度も再使用することができる。なお、光書き込み型電子ペーパーEPはこのような消去処理を行わずに、上記のように電極14に電圧を印加して新たな画像を投影することにより、表示部12に保持されている画像を上書きすることもでき、このような上書き処理によっても幾度も再使用することができる。
【0030】
したがって、光書き込み型電子ペーパーEPは、紙のように薄く柔軟である性質に加えて、ドキュメント画像の投影により転写されたドキュメント画像を無電源保持する性質があるので、あたかもプリンタや複写機に使用する紙の如く用いることができ、しかも、繰り返し再使用することができる表示記録媒体である。更に、本例の光書き込み型電子ペーパーEPは、無線通信機能及びメモリ機能を備えているので、後述するように、メモリ16に記録される電子データを非接触で送受信することができる。なお、後述するライタ(リーダ)に備えられる通信部とともに、磁気誘導による非接触型の通信部としたり、端子接触による接触型の通信部としてもよい。
【0031】
ここで、光書き込み型や自己書き込み型等の形式を問わず、図18に示すように、無線部5(15)やメモリ6(16)等といった通信機能やメモリ機能部を電子ペーパーの表示部2(12)とは別の無線ICタグ(RFID)27として構成し、当該RFIDタグ27を電子ペーパーEPの表示部に取り付けることにより上記と同様に自己の識別情報を外部の装置に提供することができる構成としてもよい。なお、無線ICタグとした場合等において、バッテリは後述するライタ(リーダ)からの起電力を保持するコンデンサとするようにしてもよい。
また、自己の識別情報を二次元コード化したバーコード28を印刷或いは貼付し、後述するライタ(リーダ)によりバーコード28を読み取って当該識別情報を提供するようにしてもよい。
【0032】
また、本発明は、上記例示したような自己書き込み型電子ペーパーや光書き込み型電子ペーパーといった形式以外の電子ペーパーも勿論適用することができ、例えば、外部の書き換え装置(ライタ)に装填して表示部に自己書き込み型のように電子的にドキュメント画像を書き込む形式であってもよい。すなわち、上記の自己書き込み型電子ペーパーは外部の画像書き込み装置を要しない形式の電子ペーパーの一例であり、光書き込み型電子ペーパーは外部の画像書き込み装置を要する形式の電子ペーパーの一例であるとも言える。
また、電子ペーパーEPの表示部2(12)としては、強誘電液晶に代表されるメモリー性のある液晶や、帯電された粒子を移動させて表示を切り替える電気泳動方式、帯電された粒子を回転させて表示を切り替える粒子回転方式、磁気により粒子を移動させて表示を切り替える磁気泳動方式、小型バッテリー駆動の薄型の液晶やEL素子を用いてもよい。
【0033】
次に、上記のような基本構成を有する電子ペーパーEPを用いて、ドキュメント画像の書き込み回数や表示保持時間に応じた管理を行うシステム例を説明する。
図1には電子ペーパーEP自身が書き込み回数の計数及び管理を行って対応する表示処理を行う例を示し、図2には電子ペーパーEP自身が計数した書き込み回数に基づいて管理装置60が対応する表示管理を行う例を示し、図3には管理装置60が書き込み回数の計数及び管理を行って対応する表示処理を行う例を示し、図4には電子ペーパーEP自身が表示保持時間の計時を行って対応する表示処理を行う例を示してある。
【0034】
まず、図1に示す例は電子ペーパー自身が書き換え機能を有する自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、表示部2、通信部5、メモリ6に加えて、プロセッサ7及びドライバ4により構成される書き換え部40、プロセッサ7及び作業用メモリ6により構成される回数管理部41を備えている。
【0035】
回数管理部41はカウンタ部42を有しており、書き換え部40が行う表示部2へのドキュメント画像の書き込み回数をカウンタ部42が計数し、回数管理部41が計数された書き込み回数を蓄積管理するとともに書き込み回数に応じた表示処理を行う。
また、本例では、表示部2の一部分(例えば、縁部や隅部)に書き込み回数に応じた表示を行う領域2aが設けられており、書き換え部40は、回数管理部41の制御下で行う領域2aへの書き込み回数に応じた表示処理と、表示部2の領域2aを除く領域にドキュメント画像を書き込む表示処理とを独立して実行することができる。
なお、回数管理部41及び書き換え部40は、領域2aに計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段を構成している。
【0036】
管理装置60は、電子ペーパーEPに対するインタフェースとなるライタ70と、電子ペーパーEPにドキュメント画像を表示保持させるためのドキュメントデータを管理するサーバ80とを備えている。
ライタ70は、電子ペーパーEPが無線式の通信部5を備えていることに対応して、無線通信部71を有している。
サーバ80は、ドキュメントデータ(或いは、外部のデータサーバに保持されたドキュメントデータを取得するためのドキュメントID)を蓄積したデータベース81と、当該データベース81からドキュメントデータを読み出す(或いは、ドキュメントIDに基づいて外部のデータサーバから該当するドキュメントデータを読み出す)読み出し部82とを有している。
【0037】
すなわち、管理装置60は、図外の操作部からのユーザ入力に応じて指定されたドキュメントデータをサーバ80が読み出し、当該ドキュメントデータを無線部71により送信して、電子ペーパーEPに通信部5で受信させてメモリ6に記憶保持させる。
また、電子ペーパーEPでは、操作部9からのユーザ入力に応じて、書き換え部40がメモリ6に記憶保持されているドキュメントデータに基づいて表示部2にドキュメント画像を書き込んで表示保持させる。なお、メモリ6に複数のドキュメントデータを記憶保持させておき、ユーザ入力に応じて、書き換え部40が表示部2に表示保持させるドキュメント画像を切換えるようにしてもよい。
【0038】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にカウンタ部42が書き込み回数を計数し、回数管理部41が所定の書き込み回数に達すると、回数管理部41の制御下で書き換え手段40がメモリ6に予め保持している回数表示用データに応じて書き込み回数を表す表示を領域2aに表示保持させる。例えば図6に示すように、回数管理部41は、0回から10回、11回から20回、21回から50回…といったように書き換え回数毎に回数表示用データを対応付けたテーブルを有しており、カウンタ部42が計数する書き換え回数に基づいて、これら設定回数に対応した回数表示用画像を領域2aに表示する。
【0039】
本発明では回数表示用画像は種々な態様で表示することが可能である。
例えば図7に示すように、表示部2の縁部に設定した回数表示用の領域2aに、0回から10回の書き込み回数範囲ではマーク(樹木を模ったエコマーク)Mを1つ、11回から20回の書き込み回数範囲ではマークMを2つ、21回から50回の書き込み回数範囲ではマークMを3つ…といったように表示する。すなわち、この場合には、回数に応じた個数のマークMの画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aにマーク画像が書き込まれる。
【0040】
また、例えば図8に示すように、表示部2の縁部に設定した回数表示用の領域2aに、0回から10回の書き込み回数範囲では白色、11回から20回の書き込み回数範囲では薄い灰色、21回から50回の書き込み回数範囲では濃い灰色…といったように濃度(或いは、色や色調)を変えた縁取り画像表示する。すなわち、この場合には、回数に応じた濃度の縁取り画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに縁取り画像が書き込まれる。
【0041】
また、例えば図9(a)に示すように表示部2の隅部に設けた領域2aに計数された書き込み回数を数値(図示では35回)で表示してもよく、この場合には、計数された書き込み回数に応じた数値画像がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに書き込まれる。
また、例えば図10に示すように、回数表示用領域2aとドキュメント画像を表示する表示部2とを分けることなく使用して、ドキュメント画像の背景を書き込み回数に応じて濃度や色を変化させるようにしてもよい。すなわち、この場合には、回数に応じた濃度等の背景画像をメモリ6に保持しておき、計数回数に応じて表示部2に書き込まれるようにしたり、表示保持しているドキュメント画像のデータ自体を背景の異なるものに変更したり或いはドキュメントデータ自体を加工して背景を変更するようにする。
【0042】
ここで、ドキュメント画像の閲覧に紙媒体を用いる場合には、紙媒体を使用する毎に紙の原料となる森林資源が消費され、また、ドキュメント画像が不要になった時には紙媒体はゴミとなって焼却による大気汚染の原因ともなる。すなわち、繰り返し使用ができる電子ペーパーEPを紙媒体に代えて用いることにより、森林資源の節約や二酸化炭素(CO2)の発生による大気汚染を防止することができ、電子ペーパーEPを書き換えて繰り返し使用する回数は資源節約量や二酸化炭素削減量に換算することができる。
このことから、例えば図9(b)に示すように、表示部2の隅部に設けた領域2aにCO2削減量や森林資源節約量を書き込み回数に応じて表示するようにしてもよい。なお、この場合には、書き込み回数に応じたCO2削減量や森林資源節約量を対応た数値画像等がメモリ6に保持されており、計数回数に応じて領域2aに書き込まれる。
【0043】
上記の例によると、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかが、ユーザが容易に認識できる態様で表示される。したがって、繰り返し使用による電子ペーパーEPの寿命をユーザが認知することができ、表示保持媒体としての信頼性を担保することができる。
また、電子ペーパーEPの使用による資源節約や大気汚染防止への貢献度をユーザが認知することができ、電子ペーパーの使用の有用性をユーザに認識させることができる。
【0044】
次に、図2に示す例は自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、上記の例と同様に、表示部2、回数表示用の領域2a、通信部5、メモリ6、書き換え部40、プロセッサ7及び作業用メモリ6により構成されるカウンタ部42を備えており、通信部5及び書き換え部40が、管理装置60から受信する表示指示に応じて、領域2aに計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段を構成している。なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
【0045】
電子ペーパーEPは予め自己を識別するための媒体IDが付与されてメモリ6に記録保持しており、通信部5がライタ70と通信をすることに応じて、メモリ6から媒体IDが読み出され、当該媒体IDがカウンタ部42で計数された書き込み回数とともにライタ70に送信される。すなわち、計数された書き込み回数を自己を識別する情報とともに管理装置60へ送信する通知手段が備えられている。
本例では、管理装置60側が書き込み回数を管理する回数管理部41を備えており、サーバ80に設けられた回数管理部41は電子ペーパーEPから受信した書き込み回数と媒体IDに基づいて電子ペーパーEP毎の書き換え回数を管理して、電子ペーパーEPに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を通信部71から送信する。
【0046】
ここで、電子ペーパーEPは管理装置60から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を領域2aに行うが、この表示指示の内容はシステム設定に応じて種々な態様とすることができる。
例えば、上記例のように電子ペーパーEPが書き換え回数に応じた表示用データ(図6)を保持する場合には、回数管理部41が通知された書き換え回数の累積値に応じて予め設定された表示用データを指定する指示を表示指示として電子ペーパーEPに送信すればよく、また、書き換え回数に応じた表示用データ(図6)を回数管理部41(管理装置側)が保持する場合には、回数管理部41が通知された書き換え回数の積算値に応じて新た締め設定された表示用データを表示指示として電子ペーパーEPに送信すればよい。
【0047】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にカウンタ部42が書き込み回数を計数し、ライタ(リーダ)70と通信する際(或いは、書き込み処理が行われた毎)に、計数された書き込み回数を媒体IDとともに通信部5から管理装置60へ送信する。
【0048】
管理装置60では、電子ペーパーEPからの書き込み回数と媒体IDを通信部71で受信し、回数管理部41が、受信した書き込み回数と媒体IDに基づいて電子ペーパーEP毎の書き換え回数を管理し、電子ペーパーEPに書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を通信部71から送信する。回数管理部41は、例えば図5に示すような管理テーブルを有しており、媒体IDに対応付けて通知された書き込み回数と最新の更新日時を管理して、所定の回数に達する毎に(或いは、書き込み回数が増加する毎に)表示指示を電子ペーパーEPに送信する。
【0049】
電子ペーパーEPでは、媒体ID等で識別される自己に対する表示指示を通信部5で受信すると、当該表示指示に従って、書き換え手段40がメモリ6に予め保持している(或いは、表示指示として受信した)回数表示用データに基づいて書き込み回数を表す表示を領域2aに表示保持させる。
この書き込み回数を表す表示は、上記の例と同様に例えば図7〜図10に示すような種々な態様を採用することができ、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかをユーザに容易に認識させることができる。
【0050】
ここで、本例のように管理装置60側で各電子ペーパーEP毎の書き込み回数(すなわち、紙媒体に代えて使用した回数)を集中的に管理する場合には、システムにおいて使用されている各電子ペーパーEP(或いは、そのユーザ)に対して特典を付与する管理を容易に行うことができる。
例えば、サーバ80にプライズ管理部83を設け、プライズ管理部83が、回数管理部41により管理される電子ペーパー毎の書き換え回数に基づいて、各電子ペーパーに与えられる特典を管理する。具体的には、例えば、電子ペーパーにドキュメントデータを有料で提供する場合にはプライズ管理部83が書き換え回数が多くなるに応じてデータ提供量を低額にする課金処理を行う。
【0051】
次に、図3に示す例は光書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは比較的受動的な装置として構成されて、表示部12と自己に設定された媒体IDを外部に提供可能に保持するID通知部19を備えている。なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
このID通知部19は、種々な態様とすることが可能で、メモリ16に媒体IDを記憶させておいて通信部15により外部に送信する、媒体IDを外部読み取り可能に保持したRFID27とする、媒体IDを外部読み取り可能に保持したバーコード28とする等が可能である。なお、ライタ70には、ID通知部19の態様に応じて、ID通知部19から媒体IDを取得する読み取り部が設けられる。
【0052】
管理装置60側のライタ70はドキュメント画像を電子ペーパーEPの表示部12に表示保持さる書き込み部72を有しており、ライタ70に光書き込み型電子ペーパーEPが装填されてユーザからの書き込み指示が入力されると、データベース81から読み出されたドキュメントデータに基づいて表示部12にドキュメント画像が投影されるとともに、電子ペーパーEPの電極14に書き込み電圧が印加されて、ドキュメント画像が表示部12に表示保持される。
【0053】
このような表示部12へのドキュメント画像の書き込み処理はカウンタ部42により計数され、また、当該書き込み処理に際してID通知部19から書き込みがなされた電子ペーパーの媒体IDが取得され、これら媒体IDと計数された書き込み回数とが図5に示すように回数管理部41で管理される。
また、回数管理部41は図6に示すように書き込み回数に応じて予め設定された回数表示用データを保持管理しており、電子ペーパーEPにドキュメント画像を書き込む際に、ドキュメント画像と共に回数表示用データに基づき回数表示画像を表示部12に書き込んで表示保持させる。
【0054】
この書き込み回数を表す表示は、表示部12に領域を分けて表示したり、或いは表示部12のドキュメント画像と重ねたり合成して表示したり、上記の例と同様に例えば図7〜図10に示すような種々な態様を採用することができ、電子ペーパーEPを何回書き込み処理して繰り返し使用したかをユーザに容易に認識させることができる。
【0055】
次に、図4に示す例は自己書き込み型電子ペーパーEPを用いており、当該電子ペーパーEPは、図1に示した例において回数管理部41及びカウンタ部42に代えて計時処理を行うタイマ部43が設けられた構成である。
なお、本例の説明で、上記の例と同様な部分については重複する説明は割愛する。
【0056】
タイマ部43は、書き換え部40による表示部2へのドキュメント画像の書き込みを監視しており、ドキュメント画像が表示部2に表示保持された時点からの経過時間を計時する。すなわち、タイマ部43が或るドキュメント画像が表示部2に表示保持されている時間を計時し、書き換え部40が計時された表示保持時間に応じて予め設定された表示画像をメモリ6から読み出して領域2aに表示保持させる。
なお、タイマ部43及び書き換え部40は、領域2aに計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段を構成している。
【0057】
本例の電子ペーパーEPでは、上記のように書き換え部40がドキュメント画像を表示部2に書き込み処理する毎にタイマ部43が当該ドキュメント画像についての表示保持時間を計時し、所定の表示保持時間に達すると、書き換え手段40がメモリ6に予め保持している経過時間表示用データに応じて表示保持時間を表す表示を領域2aに表示保持させる。例えば、メモリ6は、0回から10回、11回から20回、21回から50回…といったように表示保持時間毎に表示用データを対応付けたテーブルを有しており、タイマ部43が計時する時間に基づいて、これら設定時間に対応した経過時間表示用画像を領域2aに表示する。
【0058】
本発明では経過時間表示用画像は種々な態様で表示することが可能であり、例えば(図7参照)、表示部2の縁部に設定した経過時間用の領域2aに、0日から10日の経過時間範囲ではマークを1つ、11日から20日の範囲ではマークを2つ、21日から50日の範囲ではマークを3つ…といったように表示する。すなわち、この場合には、表示保持時間に応じた個数のマークの画像がメモリ6に保持されており、計時時間に応じて領域2aにマーク画像が書き込まれる。
また、図8、図9(a)、図10を参照することにより明らかなように、表示部2の縁部やドキュメント画像の背景を時間とともに変化させたり、経過時間を数値表示したり等、計時時間に応じた表示を種々な態様で行うことができ、電子ペーパーEPに表示保持されたドキュメント画像がどの程度の古さのものかをユーザに容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の一例に係る表示記録媒体管理システムの構成を示す図である。
【図5】本発明の一例に係る書き込み回数管理テーブルを示す図である。
【図6】本発明の一例に係る回数表示用データの管理テーブルを示す図である。
【図7】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図8】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図9】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図10】本発明の一例に係る書き込み回数の表示態様を示す図である。
【図11】自己書き込み型電子ペーパーを示す図である。
【図12】自己書き込み型電子ペーパーの動作原理を説明する図である。
【図13】自己書き込み型電子ペーパーの構造を説明する図である。
【図14】光書き込み型電子ペーパーを示す図である。
【図15】光書き込み型電子ペーパーの使用方法を説明する図である。
【図16】光書き込み型電子ペーパーの動作原理を説明する図である。
【図17】光書き込み型電子ペーパーの構造を説明する図である。
【図18】電子ペーパーの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
EP、:表示記録媒体(電子ペーパー)、
2:表示部、 3:処理部、
4:ドライバ、 5:無線部、
6:メモリ、 7:プロセッサ、
12:表示部、 13:処理部、
14:電極、 15:無線部、
16:メモリ、 40:書き換え部、
41:回数管理部、 42;カウンタ部、
43:タイマ部、 60:管理装置、
70:ライタ(リーダ)、 71:通信部、
72:書き込み部、 80:サーバ、
81:データベース、 82:読み出し部、
83:プライズ管理部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体であって、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、
前記計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、
を備えたことを特徴とする表示記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に書き込み回数を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に所定の回数に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を、表示記録媒体に表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項5】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の回数に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項6】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを備えた表示記録媒体管理システムであって、
前記表示記録媒体は、
前記管理装置と情報通信を行う通信手段と、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、
前記計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに前記管理装置へ送信する通知手段と、
前記管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記表示記録媒体と情報通信を行う通信手段と、
前記表示記録媒体から受信する書き込み回数と識別情報に基づいて表示記録媒体毎の書き換え回数を管理して、表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信する回数管理手段と、を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項7】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを備えた表示記録媒体管理システムであって、
前記表示記録媒体は、
前記管理装置と情報通信を行う通信手段と、
自己の表示記録媒体を識別する情報を前記管理装置へ送信する通知手段と、
前記管理装置は、
前記表示記録媒体と情報通信を行う通信手段と、
前記表示記録媒体の表示部にドキュメント画像を書き込む書き込み手段と、
前記表示記録媒体から受信する識別情報に基づいて表示記録媒体毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して、前記書き込み手段により表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる回数管理手段と、を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に書き込み回数を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に所定の回数に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項10】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を、表示記録媒体に表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項11】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の回数に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項12】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記回数管理手段が管理する表示記録媒体毎の書き換え回数に基づいて、各表示記録媒体に与えられる特典を管理するプライズ管理手段を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項13】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体であって、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時するタイマ手段と、
前記計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段と、
を備えたことを特徴とする表示記録媒体。
【請求項14】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示記録媒体に表示保持時間を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項15】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示記録媒体に所定の表示保持時間に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項16】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の表示保持時間に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項17】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体に、使用状況を表示させる方法であって、
前記表示記録媒体に設けたカウンタ手段が、前記表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、
前記表示記録媒体に設けた使用度表示手段が、前記計数された書き込み回数に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項18】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを用いて、表示記録媒体の使用状況を表示する方法であって、
前記表示記録媒体に設けたカウンタ手段が、前記表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、
前記表示記録媒体に設けた通知手段が、前記計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに前記管理装置へ送信し、
前記管理装置に設けた回数管理手段が、前記表示記録媒体から受信する書き込み回数と識別情報に基づいて表示記録媒体毎の書き換え回数を管理して、表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信し、
前記表示記録媒体に設けた使用度表示手段が、前記管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項19】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを用いて、表示記録媒体の使用状況を表示する方法であって、
前記表示記録媒体に設けた通知手段が、自己の表示記録媒体を識別する情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置に設けた書き込み手段が、前記表示記録媒体の表示部にドキュメント画像を書き込み、
前記管理装置に設けた回数管理手段が、前記表示記録媒体から受信する識別情報に基づいて表示記録媒体毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して、前記書き込み手段による書き込み処理で表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせることを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項20】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体に、使用状況を表示させる方法であって、
前記表示記録媒体に設けたタイマ手段が、前記表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時し、
前記表示記録媒体に設けた経過時間表示手段が、前記計時された表示保持時間に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項1】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体であって、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、
前記計数された書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、
を備えたことを特徴とする表示記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に書き込み回数を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に所定の回数に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を、表示記録媒体に表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項5】
請求項1に記載の表示記録媒体において、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の回数に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項6】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを備えた表示記録媒体管理システムであって、
前記表示記録媒体は、
前記管理装置と情報通信を行う通信手段と、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記ドキュメント画像の書き込み回数を計数するカウンタ手段と、
前記計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに前記管理装置へ送信する通知手段と、
前記管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行う使用度表示手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記表示記録媒体と情報通信を行う通信手段と、
前記表示記録媒体から受信する書き込み回数と識別情報に基づいて表示記録媒体毎の書き換え回数を管理して、表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信する回数管理手段と、を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項7】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを備えた表示記録媒体管理システムであって、
前記表示記録媒体は、
前記管理装置と情報通信を行う通信手段と、
自己の表示記録媒体を識別する情報を前記管理装置へ送信する通知手段と、
前記管理装置は、
前記表示記録媒体と情報通信を行う通信手段と、
前記表示記録媒体の表示部にドキュメント画像を書き込む書き込み手段と、
前記表示記録媒体から受信する識別情報に基づいて表示記録媒体毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して、前記書き込み手段により表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる回数管理手段と、を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に書き込み回数を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示記録媒体に所定の回数に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項10】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、ドキュメント画像表示に紙媒体を消費する場合に換算した資源節約量または二酸化炭素削減量を、表示記録媒体に表示してなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項11】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記書き込み回数に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の回数に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項12】
請求項6又は請求項7に記載の表示記録媒体管理システムにおいて、
前記回数管理手段が管理する表示記録媒体毎の書き換え回数に基づいて、各表示記録媒体に与えられる特典を管理するプライズ管理手段を備えたことを特徴とする表示記録媒体管理システム。
【請求項13】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体であって、
前記表示部に表示保持するドキュメント画像を書き込む書き換え手段と、
前記表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時するタイマ手段と、
前記計時された表示保持時間に応じた表示を行う経過時間表示手段と、
を備えたことを特徴とする表示記録媒体。
【請求項14】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示記録媒体に表示保持時間を表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項15】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示記録媒体に所定の表示保持時間に応じて設定されるマークを表示してなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項16】
請求項13に記載の表示記録媒体において、
前記表示保持時間に応じた表示は、表示部に表示保持されるドキュメント画像に所定の表示保持時間に応じて設定される変化を加えてなされることを特徴とする表示記録媒体。
【請求項17】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体に、使用状況を表示させる方法であって、
前記表示記録媒体に設けたカウンタ手段が、前記表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、
前記表示記録媒体に設けた使用度表示手段が、前記計数された書き込み回数に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項18】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを用いて、表示記録媒体の使用状況を表示する方法であって、
前記表示記録媒体に設けたカウンタ手段が、前記表示部にドキュメント画像が書き込まれた書き込み回数を計数し、
前記表示記録媒体に設けた通知手段が、前記計数された書き込み回数を自己の表示記録媒体を識別する情報とともに前記管理装置へ送信し、
前記管理装置に設けた回数管理手段が、前記表示記録媒体から受信する書き込み回数と識別情報に基づいて表示記録媒体毎の書き換え回数を管理して、表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせる表示指示を送信し、
前記表示記録媒体に設けた使用度表示手段が、前記管理装置から受信する表示指示に基づいて書き込み回数に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項19】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を有する表示記録媒体と、前記表示記録媒体の使用状況を管理する管理装置とを用いて、表示記録媒体の使用状況を表示する方法であって、
前記表示記録媒体に設けた通知手段が、自己の表示記録媒体を識別する情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置に設けた書き込み手段が、前記表示記録媒体の表示部にドキュメント画像を書き込み、
前記管理装置に設けた回数管理手段が、前記表示記録媒体から受信する識別情報に基づいて表示記録媒体毎のドキュメント画像書き込み回数を管理して、前記書き込み手段による書き込み処理で表示記録媒体に書き込み回数に応じた表示を行わせることを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【請求項20】
ドキュメント画像を書き換え可能且つ無電源保持する表示部を備えた表示記録媒体に、使用状況を表示させる方法であって、
前記表示記録媒体に設けたタイマ手段が、前記表示部によるドキュメント画像の表示保持時間を計時し、
前記表示記録媒体に設けた経過時間表示手段が、前記計時された表示保持時間に応じた表示を行うことを特徴とする表示記録媒体の使用状況表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−30558(P2006−30558A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208839(P2004−208839)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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