表面を洗浄するための洗浄器具および基材
柔らかい面または硬い面を洗浄するための洗浄器具(10)は、ハンドル(20)、スイーパーヘッド(30)、回転ブレード、および収集容器(50)を具える。収集容器(50)の底壁は、洗浄作業中、洗浄シートによって覆われる開口部を具える。洗浄される面に関するこの底壁の高さは、使用者によって調節可能である。洗浄器具(10)は、使い捨て洗浄シートと共に使用でき、この洗浄シートは、絡んだ毛髪を絨毯面から除去できる突出部を具える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互対照)
本出願は、米国仮出願60/544,048(2004年2月12日出願)、米国仮出願60/546,932(2004年2月23日出願)、および米国仮出願60/632,081(2004年12月1日出願)の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、粒子、食物くず、人間の毛髪、ペットの毛、汚れ、ほこりなどのくずを、絨毯、藁のマット(例:たたみ)、硬い床、布地、室内装飾材料などの面から除去するために、洗浄器具に取り外し可能に装着した使い捨て洗浄基材と共に使用できる洗浄器具に関する。
【背景技術】
【0003】
汚れおよびくずを、室内装飾材料または絨毯などの柔らかい面から、迅速で、容易で、便利な方法で除去することは、特に困難なことがある。この困難さの一部は、柔らかい面で見つかる広範囲の汚れからくる。主に「遊離した」汚れで覆われる、ビニルの床、広葉樹材の床、またはセラミックタイルなどの硬い床面と異なり、柔らかい面は、「遊離した汚れ」と「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を含む。「遊離した汚れ」とは、洗浄される面の上に固定されない、および容易に転置できる如何なる汚れを意味する。典型的な遊離した汚れには、食物くず、砂糖粒、穀物、紙、砂利、砂、草などが挙げられる。「絡み合う可能性がある汚れ」とは、絨毯の繊維付近に閉じ込められ、容易に転置できない如何なる汚れを意味する。絨毯などの柔らかい面は、遊離した汚れを繊維に捕らえられる繊維を有する。絡み合う可能性がある典型的な汚れには、人間の毛髪、ペットの毛、糸などが挙げられる。「遊離した汚れ」と「絡み合う可能性がある汚れ」を柔らかい面から除去することは、特に困難である一方、多くの家庭が柔らかい面と硬い面の両方を含むので、このシステムが、これら同様の汚れを、硬い床など、他の面からも除去できることも有益である。
【0004】
文献には、くずを除去し、また柔らかい面および硬い面を掃除するために使用できる、真空式掃除機または絨毯用掃除機などの装置が数多くある。
【0005】
真空式掃除機は、遊離した汚れを拾い上げるために非常に有効であるが、絡み合う可能性がある汚れ、特に人間の毛髪またはペットの毛を除去するためには、適度に有効なことがある。加えて真空式掃除機は、比較的重くて扱い難く、その結果、硬い床面での使用を含む日常の使用に便利ではない。電池で作動する「より軽い」真空式掃除機(約3kg未満の重量を有する)が開発された。これらは特に、硬い床面で使用するのに、より操作しやすく、より使いやすいという意味において、より使用者に親切であるが、絡み合う可能性がある汚れを除去するにはあまり有効でない。
【0006】
スイーパーの前側に位置し、電気的にまたは機械的に、いずれによっても駆動できる回転ブラシを典型的に含む軽量スイーパーもまた開発されている。回転ブラシは剛毛を含み、当該剛毛が遊離した汚れを収集容器へと投入する。使用者が絨毯の洗浄を終了したとき、使用者は収集容器をごみ箱に空けることができる。加えて、回転ブラシは、汚れが柔らかい面の繊維と絡んだ状態である場合でも、絡み合う可能性がある汚れを面から除去できる。しかし、絡み合う可能性がある汚れ、特に毛髪は、回転ブラシに巻き付く傾向があることが観察された。時間が経過すると、回転ブラシは、これら絡み合う可能性がある汚れで一杯になる。その結果、これらの汚れは、回転ブラシおよびその剛毛が、遊離した汚れを収集容器に投入する能力を低減する。結局、使用者は、ブラシの剛毛に絡んだ遊離した汚れを手で頻繁に除去する必要がある。巻き付いた毛髪をブラシから除去するプロセスは、不便であり、非衛生的でもある。毛髪が回転ブラシに絡むのを防ぐために、絨毯用掃除機には、1本1本の剛毛に対立して、連続する回転ブレードを含むものがある。これら連続するブレードは、遊離した汚れを収集容器に投入するのには比較的有効であるが、特に、柔らかい面の繊維と絡んだ状態である場合、これらのブレードはまた、絡み合う可能性がある汚れ、特に、毛髪または糸などの、長い円筒形の汚れの除去には、あまり効果的ではない。
【0007】
要するに、「遊離した汚れ」および「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を面から有効に除去できるものの、使いやすく、衛生的にマイナスの要素(例えば、ローラーに巻き付いた長い円筒形の汚れを取り除かなければならないこと)のない軽量洗浄機が、消費者に非常に望ましいものである。マイナス要素のない、これら全ての効果を達成する方法は、汚れを分離する方式を使用することであることが判明した。汚れの分離により、スイーパーの様々な領域が最適化されて、「遊離した汚れ」と、絡んだ「絡み合う可能性がある汚れ」の両方が見つかる、絨毯、藁のマット(例えば、たたみ)、布地、室内装飾材料のような柔らかい面および/または非平坦・非平滑化面、および木の床、ビニル、セラミックなどのような硬い面で見つかる様々な汚れを取り扱うように、スイーパーシステムを設計することを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れの両方を、柔らかい面および/または硬い面から、便利で衛生的な方法で除去するための洗浄器具および使い捨て洗浄基材を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0009】
遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れの両方を、柔らかい面および/または硬い面から除去する、有効で、便利で、使いやすく、より衛生的な方法を提供することもまた、本発明の1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、本洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って前記収集容器へと投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドと、上面および下面とならびにこの下面から延在する複数の突出部を有する使い捨て洗浄基材を含む。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、前側壁が少なくとも1つの開口部を含み、底壁が少なくとも1つの開口部を含む、前側壁および底壁を含む収集容器を有するスイーパーヘッドであって、洗浄される面から遊離した汚れを前記前側壁の開口部を通って収集容器に投入するための回転部材を有するスイーパーヘッドと、上面および下面を有する使い捨て洗浄基材であって、スイーパーヘッドに取り外しおよび取り付け可能であり、少なくとも部分的に底壁の開口部を覆う使い捨て洗浄基材とを含む。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って収集容器に投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドであって、回転部材は、回転軸と、回転軸に接続する少なくとも1つのブレード部材とを具え、少なくとも1つのブレード部材は、ブレード部材を貫いて延在する少なくとも1つの脆弱箇所を具えるスイーパーヘッド、ならびにスイーパーヘッドに取り外しおよび取り付け可能である使い捨て洗浄基材を含む。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器を有し、この収集容器が取り外し可能に接続されるスイーパーヘッド−このスイーパーヘッドは、洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えている−と、前記収集容器に取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材とを具える。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って収集容器に投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドであって、収集容器の少なくとも一部の高さが、洗浄される面に関して調節可能であるスイーパーヘッドを具える。
【0015】
他の実施形態では、本発明は、面を洗浄するための使い捨て洗浄基材に関し、当該洗浄基材は、上面および下面を有する第1基材層と、前記第1基材層の下面から延在する複数の突出部と、粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択される添加剤とを含み、添加剤は、前記第1基材層の前記上面の少なくとも一部に塗布される。
【0016】
他の実施形態では、本発明は、面を洗浄する方法に関し、当該方法は、上面および下面を有する使い捨て洗浄基材を用意する工程と、洗浄される面から遊離した汚れを収集容器の第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材と、前記収集容器の底壁の第2開口部とを具え、前記使い捨て洗浄基材が、部分的に第2開口部の少なくとも一部を覆うようにする工程と、洗浄される面を横切って前記スイーパーヘッドを移動させ、前記洗浄基材の下面の少なくとも一部が洗浄される面に接触して、遊離した汚れの一部が、回転部材によって、前記洗浄基材の上面の一部に投入されるようにする工程とを具える。
【0017】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面を洗浄するための使い捨て洗浄基材に関し、当該洗浄基材は、上面および下面と、第1基材層の下面から延在する複数の突出部とを有する第1基材層、ならびに第2基材層を具え、この第2基材層は、前記第1基材層の上面に接続して前記第1基材層と当該第2基材層とでポケットを形成する。
【0018】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、上面および底面を含むスイーパーヘッドを具え、スイーパーヘッドは、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から第1開口部を通って収集容器に汚れを投入する回転部材とを含み、スイーパーヘッドの底面は、少なくとも1つの固定滑り部材を含み、前記固定滑り部材の少なくとも一部は、洗浄される面に接触可能であり、そして固定滑り部材の、洗浄される面に接触する部分は、低摩擦材料から作られる。
【0019】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、前側開口部と、少なくとも1つの側壁と、操作可能かつ移動可能に側壁に接続する底壁とを含む収集容器を有するスイーパーヘッドを含み、底壁は第1の位置から第2の位置へと操作可能かつ移動可能となっている。
【0020】
他の実施形態では、本発明は、前側部分および後側部分を有する使い捨て洗浄シートに関し、当該洗浄シートは、上面および下面を有し、この下面が汚れを保持するための添加剤を具えた材料の下層と、この下層に接続して当該下層とで、少なくとも部分的に囲まれた内部容積を画成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部と、前記洗浄シートの前側部分に接続する延長片を介してアクセス可能である。
【0021】
他の実施形態では、本発明は、使い捨て洗浄シートに関し、本洗浄シートは、上面および下面と前縁部とを有し、前記上面が粘着性添加剤を具え、前記下面が粘着性添加剤を具えた不織布材料の少なくとも1つの層と、、前記上面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナー材料の第1層と、前記下面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナーの第2層と、前記洗浄シートの前記前縁部にほぼ隣接する延長片とを具える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明白に請求する請求項によって結論とするが、添付図面と共になされる以下の記述により、本発明はさらによく理解されると考えられる。
【0023】
本明細書で引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれており、いずれの文献の引用も、それが本発明に関連する先行技術であるとの容認として解釈すべきでない。
【0024】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体にわたって示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるそれより狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0025】
他に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、および請求の範囲におけるすべての割合、比率および百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野において許容可能な通常の程度の精度で使用される。
【0026】
本明細書における洗浄器具の有用性を限定することを意図しないものの、使い捨て基材に関連するその利用法の簡単な説明は、本発明を解明する助けになると考えられる。
【0027】
絨毯を洗浄するための多数の装置が既知である。最も一般的なものは、真空式掃除機および絨毯用掃除機である。真空式掃除機は、絨毯に隣接する領域で、通常絨毯の上で、マイナスの圧力または吸引流を発生することにより、微粒子を除去する。これらの微粒子を除去するその能力は、少なくとも部分的に、このマイナスの圧力を発生するために使用される電動モータの力による。その結果、大抵の強力な真空式掃除機は、洗浄作業全体の間、電気コンセントにプラグが差し込まれる必要がある。真空式掃除機は、遊離した粒子を除去するのには、特に効果的であるが、絡み合う可能性がある汚れを絨毯から除去するのには、あまり効果的ではない。真空式掃除機には、このタイプの汚れを解きほぐすための複数本の剛毛を有する静止ブラシまたは回転ブラシを具えるものがある。ブラシは、絡み合う可能性がある汚れを絨毯から除去するのには効果的であるが、その後、これらの汚れはブラシの剛毛の中で見つけられる。ある程度まで、「絡んだ」汚れは、絨毯からブラシの剛毛に移動する。ブラシが「絡んだ」汚れで一杯になると、使用者は、手でそれらを除去する必要がある。典型的な絨毯用掃除機では、回転ブラシまたは回転ブレードで汚れを除去し、それが微粒子を収集容器に投入する。微粒子を除去する掃除機の能力は、ある程度、ブラシまたはブレードの回転速度による。その結果、電力式の掃除機が、絨毯の掃除により効果的なことが多い。電力式掃除機の回転ブラシは、真空式掃除機のブラシと同じ欠点を有する、すなわち、絡み合う可能性がある汚れは、ブラシの剛毛に再度絡む傾向がある。この問題は、回転ブラシおよびその毛を、連続する回転ブレードに取り換えることにより、少なくとも部分的に解決される。それは、繊維性の汚れに、如何なる定着点も提供しないからである。それは、「絡んだ」汚れが、絨毯用洗浄機の回転部材(すなわち、ブラシ)に簡単に移動するのを防ぐのに有益なことがある一方、結果として、これらの「絡んだ」汚れが、その後、絨毯に残される。
【0028】
本発明の洗浄器具および使い捨て洗浄基材は、「遊離した」汚れおよび「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を、面から容易に、効果的に、また衛生的に除去する能力を使用者に提供する。洗浄器具は、面から遊離した汚れを除去することができ、またこれらの汚れを収集容器に投入できる回転部材を具える。使い捨て洗浄基材は、絡み合う可能性がある汚れを柔らかい面から外すおよび/または除去するための突出部と、任意に、一旦除去されたこれらの汚れを基材上で捕捉するのを援助するための添加剤とを含むことができる。洗浄基材は、洗浄器具の底面に取り外し可能に装着されて、洗浄作業中、洗浄基材の少なくとも一部が、洗浄される面に接触できる。洗浄器具が、柔らかい面を横切って移動するとき、洗浄基材の突出部は、絡み合う可能性がある汚れを外すおよび/または除去する一方、洗浄器具の回転部材は、遊離した汚れを柔らかい面または硬い面から収集容器に投入する。床面が洗浄されると、使用者は、使い捨て洗浄基材を洗浄器具から取り外して、収集容器の内容物と共に、ごみ箱に入れる。
【0029】
次の詳細な開示から明らかなように、本発明は、前記考察を対象としている。
【0030】
本明細書において後でさらに充分に説明されるように、本発明は、その最も好ましい形態では、通常スイーパーヘッドに接続されるハンドルを具える洗浄器具に関する。洗浄器具は、取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材を保持するのに好適である。
【0031】
本発明の好ましい実施形態についてここから詳細に説明するが、その例は添付図により例示し、添付図において、同じ数字は全ての図において同じ数字を示し、下二桁が同じ参照番号(例えば、20と120)は類似の要素を意味する。
【0032】
I.洗浄器具
1)スイーパーヘッド。
【0033】
図1、図2、および図3は、各々、本発明の1つの実施形態により作られる洗浄器具10の斜視図、平面図、および底面図を示している。
【0034】
1つの実施形態では、洗浄器具10は、スイーパーヘッド30に接続されるハンドル20(明確にするために部分的にのみ示されている)を具える。1つの実施形態では、スイーパーヘッド30は、下部本体部分230に取り付けた上部本体部分130を具える。上部本体部分130および下部本体部分230は、スイーパーヘッド30の内部構成要素を収容して保護する。
【0035】
1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、遊離した汚れを洗浄される面から除去し、これらの汚れを収集容器50内に移動させるための回転部材40を具える。回転部材40は、収集容器50の前側または後側のどちらに位置することもでき、尚も、同じ効果を提供する。好ましい実施形態では、回転部材40は、図3に示されるように、収集容器の前側に位置する。回転部材40は、回転軸線A〜Aの周囲で回転できる軸140と、軸140に接続して、軸140から外側に延在する、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のブレード部材240とを具える。洗浄作業中、回転部材が、遊離した汚れを除去する能力を最大にするために、回転軸線A〜Aは、好ましくは、洗浄される面にほぼ平行である。
【0036】
図4は、軸線4〜4(図2に示されている)に沿った、洗浄器具10の横断面を示している。軸部材140およびブレード部材240が回転するとき、ブレード部材は、柔らかい面から収集容器50の中に遊離した汚れを飛ばすかまたは投入できる。収集容器50に関する回転部材40の位置によって、軸140の回転方向が選択されて、遊離した汚れが、実質的に収集容器50に向かって飛ばされるかまたは投入されることを、当業者は理解するであろう。図4に示される実施形態では、回転部材は収集容器の前側に位置し、軸140は、反時計回りに回転するのが好ましい。逆に、回転部材40が収集容器50の後側に位置する場合、軸140は、時計回りに回転するのが好ましい。
【0037】
図3に示される1つの実施形態では、スイーパーヘッド30の下部本体部分230は、第1の長手方向要素230Aおよび第2の長手方向要素230Bを含む。第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、好ましくは、下部本体部分230の右側および左側を各々、形成する。好ましい実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、間隔を空けて離れ、回転部材40および/または収集容器50と干渉しない。特に、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、スイーパーヘッドの重量のためだけでなく、洗浄器具の前方および後方の運動で、使用者によって圧力が加えられるときにも、スイーパーヘッド30が、圧縮性の柔らかい面の中に「沈む」のを防ぐ。加えて、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bにより、スイーパーヘッド30が、柔らかい面を横切って滑るのが可能になる。
【0038】
1つの実施形態では、長手方向要素の長さは、約10mm〜約400mm、好ましくは約50mm〜約200mmであり、また長手方向要素の幅は、約3mm〜約150mm、好ましくは約10mm〜約75mmである。
【0039】
1つの実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、低摩擦材料から作られる。「低摩擦材料」とは、約0.7未満の静止摩擦係数を有する任意の材料を意味する。静止摩擦係数は、ASTM(米国材料試験協会)のD3702の方法により測定できる。1つの実施形態では、長手方向要素は、約0.6未満、好ましくは約0.5未満、より好ましくは約0.4未満、さらにより好ましくは約0.25未満の静止摩擦係数を有することができる。好適な低摩擦材料の非限定的な例には、テフロン(TEFLON)(登録商標)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン(登録商標)、アセタール樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アーモスリップ(ARMOSLIP)(登録商標)、およびこれらの任意の混合物が挙げられる。加えて、長手方向要素(単数または複数)の摩擦抵抗性を下げるために、スリップ剤または低摩擦材料が、コーティング、プレート、または被膜の形態で、ゴム、発泡体、ビニルなどの、より高い摩擦材料に添加されることができる。低摩擦材料を含む長手方向要素により、スイーパーヘッドが、洗浄される面、特に絨毯面を横切って如何なる方向にも移動するのが可能になることが観察される。長手方向要素により、使用者からの最小の努力で、スイーパーが、柔らかい面を横切って左右に移動するのが可能になり、さらに、回転部材が遊離した汚れを柔らかい面から効果的に除去するのが可能になる。スイーパーヘッドの多方向の運動により、洗浄器具を使用する操作性および便利さが改善される。
【0040】
1つの実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、ほぼ平坦である。
【0041】
他の実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、湾曲している。好ましい実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、スイーパーヘッド30に関して外側に湾曲している。外側に湾曲した長手方向要素230Aおよび230Bにより、洗浄作業中、スイーパーヘッド30が、前方および後方に「揺動する」および/または旋回するのが可能になる。1つの実施形態では、長手方向要素230Aおよび230Bの曲率半径は一定である。他の実施形態では、長手方向要素230Aおよび230Bの曲率半径は、長手方向要素の前側部分から後側部分まで変化する。好ましい実施形態では、長手方向要素の前側部分の曲率半径は、長手方向要素の後側部分の曲率半径より大きい。湾曲した長手方向要素の曲率半径は、長手方向要素の弧の部分を少なくとも含む円の半径を測定して決定できる。1つの実施形態では、長手方向要素の曲率半径は、少なくとも約100mm、好ましくは少なくとも約500mm、より好ましくは少なくとも約1000mmである。1つの実施形態では、曲率半径は、約100mm〜約2500mmである。長手方向要素の曲率半径と、生じるスイーパーヘッドの「揺れ軸線」の位置と、スイーパーヘッドの重量の配分とが、揺動の振幅または大きさに影響を与え得ることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、スイーパーヘッドの揺れ軸線は、回転部材40と、収集容器50の後側部分との間に位置する。スイーパーヘッドが使用者によって前方に押された場合、スイーパーヘッドは、後方に「揺動する」かまたは「傾斜して」、スイーパーヘッドの後側部分を、洗浄される面のより近くに移動させる一方、前側部分は、洗浄される面から遠くへ移動することを、当業者は理解するであろう。逆に、スイーパーヘッドが後方に押された場合、スイーパーヘッドは、前方に「揺動する」かまたは「傾斜して」、スイーパーヘッドの後部(および収集容器)を洗浄される面から遠くに移動させる一方、スイーパーヘッドの前部(および回転部材)は、洗浄される面のより近くに移動することを、当業者は理解するであろう。典型的な洗浄作業中、使用者は、後方の運動と比較して、前方の運動で、より大きい圧力をかける傾向があることが観察される。従って、洗浄器具が、スイーパーヘッドの後部底面に取り付けた使い捨て洗浄基材(特に、下記に説明するような、突出部を具える洗浄基材)と共に使用されるとき、そして使用者がスイーパーヘッドを前方に押すとき、揺動により、洗浄基材と洗浄される面との間の接触が増大する。結果として、揺動により、シートの洗浄基材の洗浄性能が改善される。床面に接触する洗浄基材が、摩擦による抵抗の主な源であるので、使用者が、最も大きい圧力をスイーパーヘッドに無意識に加える傾向があるとき、スイーパーヘッドが、後方に「揺動するかまたは傾斜する」こともまた、有益である。逆に、使用者がスイーパーヘッドを後方に引っ張るとき、揺動が、洗浄基材と洗浄される面との間の接触面を低減する。洗浄面と洗浄される面との間の接触面の低減は、結果として、摩擦による抵抗を低減するので、使用者が引っ張る動作/後ろ向きの運動でより小さい圧力を加える傾向があるとき、スイーパーヘッドが、前方に揺動するかまたは傾斜することは有益である。引っ張る動作/後方の運動の間(すなわち、洗浄基材が、洗浄される面から離れて移動するとき)、洗浄基材に恒久的に「捕捉され」なかった遊離した汚れ、または先の押す動作/前方の運動で回転部材に捕捉されなかった遊離した汚れは、次に、収集容器の下を通過できることもまた観察される。回転部材は、引っ張る動作/後ろ向きの運動で、洗浄される面のより近くを移動するので、回転部材は、これら遊離した汚れを収集容器に投入する、より大きい機会を有する。
【0042】
図3および図4に示される1つの実施形態では、スイーパーヘッド30の下部本体部分230は、下部本体部分の底部に位置する、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の滑り部材1230を具える。1つの実施形態では、下部本体部分230は、好ましくは、スイーパーヘッドの各角付近に位置する4つの滑り部材1230を具える。床面(硬い面または柔らかい面のいずれでも)の洗浄作業中、滑り部材は、洗浄される面に接触し、スイーパーヘッドがその面を横切って「滑る」のを可能にする。
【0043】
1つの実施形態では、滑り部材1230は、先に説明した低摩擦材料から作られる。滑り部材1230は、下部本体部分230とは別個に形成されて、次にそこに装着されるか、または下部本体部分230と共に、直接、形成および/または成形されて、尚も同じ効果を提供できる。好ましい実施形態では、滑り部材1230は、静止滑り部材であり、また下部本体部分230に固定して装着されるおよび/または接続される。1つの実施形態では、床面を横切るスイーパーヘッドの運動は、静止滑り部材と車輪との組み合わせで提供できる。1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、3個未満の車輪、好ましくは2個未満の車輪を具える。1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、車輪を全く具えず、床面を横切るその移動は、静止滑り部材により提供される。
【0044】
1つの実施形態では、滑り部材1230は、洗浄される面に接触する滑り部材の面が、鋭利な縁を含まないように成形される。1つの実施形態では、滑り部材1230は、ドーム形および/またはほぼ丸い形を有することができる。特に、滑り部材により、スイーパーヘッドは、前方および後方の方向だけでなく、横方向または旋回する運動でも、洗浄される面を横切って移動するのが可能になる。その結果、滑り部材1230により、スイーパーヘッドの多方向の運動が可能になることで、特に、洗浄器具が、バーバーカーペットなどの緻密な柔らかい面、または広葉樹材の床などの硬い面を洗浄するために使用されるとき、洗浄器具の操作性が改善される。理論に束縛されるものではないが、厚さ、密度、および/または圧縮性に関する絨毯の特性/質により、スイーパーヘッドは、絨毯の繊維の中に僅かに「沈む」ことがあると考えられる。その結果、滑らかな縁および/または丸い縁および/または先端を有する滑り部材により、絨毯にひっかかり、損傷するリスクが低減されるだけでなく、スイーパーヘッドが、洗浄される面を横切ってどの方向に移動するのも可能になると考えられる。加えて、硬い床面を洗浄するために洗浄器具が使用されるとき、滑り部材は、スイーパーヘッドを硬い面より上に維持し、その結果、滑り部材により、下部本体部分と硬い床面との間の接触面が最小になる。1つの実施形態では、滑り部材は、滑り部材が全て、硬い面に接触するとき、長手方向要素230Aおよび230Bの下面と硬い面との間の最短距離が、少なくとも約0.5mm、好ましくは少なくとも約1mm、より好ましくは少なくとも約2mm、さらにより好ましくは少なくとも約3mmであるような大きさである。「最短距離」とは、長手方向要素の最も低い点と、硬い面との間の距離を意味する。
【0045】
さらにその上、硬い床は、よりひっかき傷が付く傾向があるので、従来の掃除機および真空式掃除機は、標準的な単一方向の車輪(すなわち、1つの回転軸線の周囲を回転する車輪)を使用し、それが前方および後方の運動を制限する。滑り部材、特に、滑らかな縁を有する滑り部材により、硬い床面、特に、広葉樹材の床にひっかき傷が付くリスクが低減できる。1つの実施形態では、キャスター、多方向回転ボール(典型的なコンピューターのマウスのボール機構に類似する)などを使用して、面に安全な多方向の運動が達成できる。
【0046】
1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、下部本体部分230の底面または収集容器50の底面に、操作可能に接続したブレード部材2230Aを有することができる。好ましい実施形態では、ブレード部材2230Aは、回転部材40と収集容器50との間に位置する。典型的な洗浄作業中、スイーパーヘッドは、洗浄される面を横切って前方および後方に移動する。前方の運動で、ブレード部材2230Aは、回転部材40によって投入された遊離した汚れが、収集容器50の下に到達するのを防ぐバリアを作る。回転部材40の後ろに、スイーパー傾斜面2230Bがあって、これが、粒子を収集容器50に投入および偏向するのを援助する。しかし、スイーパー傾斜面の末端部が、洗浄面に近すぎる場合、末端部は突き立って、スイーパーが動くのを困難にすることがある。好ましい実施形態では、ブレード部材2230Aは、スイーパー傾斜面2230Bの延長部分として位置することができる。本質的に、可撓性のあるスイーパー傾斜面を作る。洗浄器具が、絨毯などの柔らかい面を洗浄するために使用されるとき、遊離した汚れは、ほぼ上向きに投入され、収集容器の内部に容易に到達できることが観察された。しかし、洗浄器具が、広葉樹材の床などの硬い面を洗浄するために使用されるとき、遊離した汚れには、ほぼ水平な軌道を有し、その結果、スイーパーヘッドの下へ跳ねるものもあることもまた、観察された。バリアを作るだけでなく、遊離した汚れへの傾斜面も形成するブレード部材2230Aを具える場合、特に、柔らかい面で使用されるとき、スイーパーが抵抗するかまたは突き立つことが実質的に全くなく、収集容器に捕捉される遊離した汚れの量を増大する。
【0047】
好ましい実施形態では、ブレード部材2230は、下部本体部分230の底面に旋回可能におよび/または柔軟に接続して、スイーパーヘッドが前方および後方に移動するとき、前後にパタパタ動くことができる。特に、下部本体部分230の底面に旋回可能におよび/または柔軟に接続したブレード部材2230は、収集容器の下に位置する遊離した汚れを、回転部材40に到達させることが観察された。その結果、遊離した汚れは、その後、回転部材40により、収集容器50に投入されることができる。
【0048】
図5に表される1つの実施形態では、明確にするために上部本体部分130は示されず、軸140は、作動可能に電動モータ60に接続している。電動モータ60は、軸140に、直接繋がることも、または間接的に繋がることもできる。「直接繋がる」とは、モータと軸の間にギア要素が必要ないことを意味する。「間接的に繋がる」とは、モータによってもたらされる回転運動が、少なくとも1つ、好ましくは2つのギアにより、軸に伝達されることを意味する。好ましい実施形態では、電動モータ60は、エンドレスベルト160、第1ギア260、および第2ギア360によって、軸140に間接的に繋がる。エンドレスベルト160は、モータ60の第1ギア160と、それ自体が軸140に接続した第2ギア360とに作動可能に接続されている。1つの実施形態では、第1ギア260と第2ギア360とのギア比は、約1:1〜約20:1、好ましくは約2:1〜約5:1である。1つの実施形態では、回転部材40は、約26rad/s(250rpm)〜約314rad/s(3000rpm)、好ましくは、約31rad/s(300rpm)〜約251rad/s(2400rpm)、より好ましくは約36.7rad/s(350rpm)〜約188rad/s(1800rpm)、さらにより好ましくは約42rad/s(400rpm)〜約157rad/s(1500rpm)の回転速度(1分当たりの回転数で測定される、本明細書では以後、rpm)で回転できる。大部分の従来のスイーパーは、典型的には、ブラシを使用し、また約262rad/s(2500rpm)超過で作動することを、発明者は見出した。遊離した汚れが充分に飛ぶのを達成するだけでなく、絡み合う可能性がある汚れが、特に、絡んだ状態のときに除去するのを援助するためにも、この高い回転速度は必要である。本発明により画成されるスイーパーシステムは、汚れ分離方式を使用し、スイーパーの様々なゾーンが、様々なタイプの汚れを除去する(例えば、使い捨てシート上のフックは、絡み合う可能性がある汚れを除去する)ので、スイーパーは、低い回転速度で有効な性能を達成できることを、発明者は見出した。低いrpmでスイーパーを作動させることは、実際には、より広範囲の面上でより広範囲の汚れを除去するのに有益であることを、発明者は見出した。特に、硬い面上で、回転部材が、209rad/s(2000rpm)を超過するrpmで回転し、またrpmにおいて52rad/s(500rpm)ずつ前進的に増加する場合、より軽い汚れ(食べ物かす、ほこりなど)は、容易に撒き散らされることがある。回転部材のrpmを測定する簡単で有効な方法は、回転部材上に配置した反射テープを有するレーザーデジタルタコメーターの使用による。測定は、一貫した測定を行うために、回転部材をひっくり返して、スイーパーヘッドの底が上を向き、スイーパーヘッドを変更することなく)行われることができる。回転速度は、一定の力が供給されるスイーパーを使用して測定される。電動モータ60は、当該技術分野において既知の如何なるモータであってもよい。好適なモータの1つの例は、中華人民共和国 香港のジョンソンモータ社(Johnson Motor)により製造され、約1700〜約1850g・cmの停動トルクを生ずる。電動モータ60は、如何なる電源によって動力を供給されてもよい。1つの実施形態では、モータは、壁の電気コンセントに接続したコードにより動力を供給されることができる。好ましい実施形態では、モータは、少なくとも1個であるが、好ましくは複数個の、使い捨ておよび/または充電可式電池62により動力を供給できる。好適な電池の非限定的な例には、中華人民共和国 香港のGPIバッテリー社(GPI Battery Co.)により製造されたニッケル−カドミウムの再充電可能な電池が挙げられる。電池は、好ましくは、スイーパーヘッドの上部本体部分と下部本体部分とにより作られる空間内に位置する。充電式電池は、好ましくは、電気ケーブル(示されず)によって「ジャック」162に接続されている。電動モータ60および電池62は、オン/オフスイッチ64に接続でき、そのスイッチで、使用者は、モータを所望するようにオンにするか、またはオフにすることができる。使用者によって容易に接近可能にするために、オン/オフスイッチ64は、好ましくは、スイーパーヘッド30の最上部分に位置する。さらにより好ましい実施形態では、スイッチ64は、スイーパーヘッドの後部部分(すなわち、使用中、使用者の足に最も近い部分)に位置するので、使用者は、足でスイッチを押すことにより、モータのオンとオフを簡単に切り換えることができる。
【0049】
図6および図7に表される他の実施形態では、洗浄器具10は、電動式でなく、第1車輪170および第2車輪270を具え、それらの車輪は、作動可能に回転部材40に繋がることができる。好ましい実施形態では、軸140は、スイーパーヘッド30の、少なくとも片方であるが、好ましくは両方の車輪部材170および270に機械的に接続されている。「機械的に繋がる」とは、柔らかい面での車輪170および/または270の回転が、軸140を軸線A〜Aの周囲で回転させることを意味する。
【0050】
1つの実施形態では、軸140は、スイーパーヘッド30の、少なくとも片方であるが、好ましくは両方の車輪部材170および270に、直接または間接的に繋がることができる。好ましい実施形態では、軸140は、第1および第2車輪170、270に間接的に繋がって、回転部材40の回転速度は、車輪部材170および/または270の回転速度より大きい。
【0051】
図8は、好適なギアの配置の部分図(明確にするために、車輪の片方だけが示されている)を示し、スイーパーヘッドの車輪270の少なくとも片方が、軸140を回転させる。1つの実施形態では、車輪270は、駆動ギア1270に接続して、駆動ギア1270の回転速度は、車輪1270の回転速度とほぼ同じである。駆動ギア1270は、第1伝達ギア2270と係合し、それが軸140に接続されている。好ましい実施形態では、各車輪は、駆動ギアに接続して、各駆動ギアは、各々、第1伝達ギアおよび第2伝達ギアと係合する。車輪270が回転するとき、駆動ギア1270は、駆動ギアと伝達ギア2270とのギア比による回転速度で伝達ギアを回転させる。1つの実施形態では、このギア比は、約10:1〜約1:1、好ましくは約8:1〜約2:1、より好ましくは約5:1〜約3:1である。先に説明したギアの配置は、軸140が、車輪170および270より大きい回転速度で回転するのを可能にすることを、当業者は理解するであろう。他の種類のギアの配置、例えば、モータで動く器具に関して先に説明したものなどが使用されて、尚も同じ効果をもたらし得ることも、当業者は認めるであろう。先の、電動式でない実施形態では、回転部材40の回転速度は、車輪170および/または270の回転速度に直接、関係することも認めることができる。使用者が、柔らかい面を横切ってスイーパーヘッドを前後に移動させるとき、車輪の回転速度は変化する。その結果、軸140およびブレード240の回転速度は、柔らかい面を横切るスイーパーヘッドの典型的な前後の運動中、一定ではない。加えて、スイーパーヘッドの前方の運動の間の、軸140の回転方向は、スイーパーヘッドの後方の運動の間の、軸140の回転方向と反対である。その結果、遊離した汚れは、収集容器に向かって一貫して飛ばされるまたは投入されることはない。先の、電動式でない器具で、遊離した汚れの除去を最大にするために、回転部材40が、スイーパーヘッド30の真中に位置してもよく、また2つの収集容器が、回転部材の両側に位置してもよい。先の実施形態により、洗浄器具が、前方と後方の両方向で、遊離した汚れを除去するのが可能になる。
【0052】
2)ブレード部材
先に説明したように、回転部材40は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のブレード部材240を具える。
【0053】
1つの実施形態では、軸線A〜Aと洗浄される面との間の距離Dは、軸140およびブレード部材240が、軸線A〜Aの周囲で回転するとき、ブレード部材240の少なくとも1つの末端縁1240が、洗浄される面に接近する距離である。「洗浄される面に接近する」とは、末端縁1240と洗浄される面との間の距離が、約0.5mm〜約15mm、好ましくは約1mm〜約10mm、より好ましくは約2mm〜約5mmであることを意味する。洗浄される面に接近するブレード部材240を有する回転部材40の例が、図9に概略的に表されている。
【0054】
1つの実施形態では、洗浄作業中、ブレード部材240の少なくとも1つが、洗浄される面に接触する。好ましい実施形態では、洗浄される面に接触することができるブレード部材は、可撓性および/または弾性材から作られて、ブレード部材(単数または複数)が、洗浄される面に接触するとき、ブレード部材は、曲がるかまたは変形できる。1つの実施形態では、回転部材40は、少なくとも1つのブレード部材240を具えることができ、このブレード部材は、このブレード部材の遠位部分240Aが、洗浄作業中、洗浄される面に接触する長さである。「ブレードの接触する長さ」として画成される部分240Aの長さは、スイーパーヘッドを、ビニル床など、硬い面の上に配置し、次に、ブレード部材240の近位部分240Bが、硬い面に垂直であり、また軸部材140の回転軸線を含む平面内に位置するまで、回転部材の軸を回転させることにより測定できる。回転軸140に沿ったブレードが、螺線形かまたは「V」字形である場合、測定値は、ブレード上の点で決定され、「曲げられた長さ」の最大値は、ブレードが床に接触するときに達成される。洗浄される面に接触するブレード部材240を有する回転部材40の例が、図10に概略的に表されている。1つの実施形態では、ブレード部材240の遠位部分240Aは、約0.5mm〜約20mm、好ましくは約1mm〜約15mm、より好ましくは約3mm〜約10mmであり、このブレード部材の遠位部分は、洗浄作業中、洗浄される面に接触する。
【0055】
1つの実施形態では、回転部材は、末端縁が、洗浄される面に接触することなくその面に隣接する少なくとも第1のブレード部材と、洗浄作業中、洗浄される面に接触できる少なくとも第2のブレード部材とを具えることができる。好ましい実施形態では、回転部材は、末端縁が、洗浄される面に接触することなくその面に隣接する複数のブレード部材と、洗浄作業中、洗浄される面に接触できる複数のブレード部材とを具える。
【0056】
1つの実施形態では、回転部材は、約1〜約10、好ましくは約2〜約8のブレード部材を具える。1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140に関して対称的に配置される。ブレード部材240は、金属、木、プラスチック、または熱可塑性樹脂など、如何なる材料からでも作製できる。好ましい実施形態では、ブレード部材140は、ゴムなどの、可撓性の弾性材で作られる。可撓性の弾性材により、各々のブレード部材が、柔らかい面に直接、接触するとき、その面を損傷するリスクが低減できる。
【0057】
1つの実施形態では、軸140の半径Rとブレード部材240の幅Wとの合計は、軸線A〜Aと柔らかい面の最上部との間の距離Dより長い。軸140の直径Rとブレード部材の幅Wは、どちらも調節されて、ブレード部材240の少なくとも1つの遠位部分1240が、洗浄される面に隣接する、好ましくは接触するのが可能になることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、ブレード部材240の少なくとも1つの幅Wは、軸140の半径Rより、少なくとも約100%、好ましくは少なくとも約160%、より好ましくは少なくとも200%、さらにより好ましくは少なくとも250%長い。一定の厚みを有するブレード部材を作製するために使用される任意の所定材料では、より長いブレードは、より短いブレードより可撓性である傾向があることを、当業者は理解するであろう。
【0058】
特に、そのような軸とブレード部材とを組み合わせると、ブレード部材の遠位部分が、洗浄される柔らかい面の繊維の中に到達して、より大量の遊離した汚れを「引き出す」かまたは除去するのが可能になる。加えて、ブレード部材が可撓性の弾性材で作られるとき、ブレード部材は、柔らかい面に接触すると、最初、曲がる。ブレード部材の弾性力が、柔らかい面の抵抗力を超えるとすぐに、ブレード部材は、その弾性特性のために、その最初の形に戻る。ブレード部材が、その最初の形に戻るとき、ブレード付近の遊離した汚れは、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される。
【0059】
図11〜図13に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、ブレード部材(単数または複数)240の可撓性を増大するために、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の脆弱箇所245を具えることができる。1つの実施形態では、脆弱箇所245は、ブレード部材240の厚みを少なくとも部分的に貫いて延在する長手方向スリットまたは切れ目であることができる。好ましい実施形態では、長手方向スリットまたは切れ目は、ブレード部材の厚み全体を貫いて延在する。
【0060】
1つの実施形態では、脆弱箇所245は、平面的であることができる(すなわち、ブレードを貫く空の容積を作る)。図12は、ブレード部材を貫いて延在する複数の円形の脆弱箇所を具えるブレード部材240を示し、また図13は、ブレード部材を貫いて延在する複数の平面的な溝を有するブレード部材240を示している。好ましい実施形態では、脆弱箇所245は、ブレード部材240の厚み全体を貫いて延在する穴であることができる。1つの実施形態では、ブレード部材は、約1〜約1000個、好ましくは約10〜約500個、より好ましくは約20〜約250個の穴を含む。先に説明した脆弱箇所および/または穴は、まっすぐ、湾曲する、斜めであってもよく、また当該技術分野において既知の如何なる幾何学的形状(円形、楕円形、正方形、三角形など)を有してもよい。ブレード部材が回転するとき、特に、その回転速度が52rad/s(500rpm)を超えるとき、ブレード部材は、スイーパーヘッドの前側に空気流を発生することが観察された。この空気流は、スイーパーヘッドの前側の遊離した汚れを、押すかまたは「吹く」ことができる。理論に束縛されるものではないが、スイーパーヘッドが、床面、特に絨毯の上にあるとき、スイーパーヘッドの上部本体部分と下部本体部分は、ほぼ気密な容積を形成すると考えられる。発生した空気流のための唯一の「逃げる」道または通路は、下部本体部分と洗浄される面との間の空所を通るものであることも考えられる。ブレード部材の可撓性を増大することに加えて、脆弱箇所(および特に穴)は、空気孔を提供し、空気がブレード部材を通って流れるのを可能にし、その結果、ブレード部材の回転で発生する空気流を最小にすることが判明している。
【0061】
ブレード部材240は、当該技術分野において既知の任意の手段で軸140に接続されることができる。1つの実施形態では、ブレード部材(単数または複数)は、接着剤で軸140に取り付けることができる。好ましい実施形態では、軸140は、ブレード部材の少なくとも近位部分を保持するための複数の溝を含む。
【0062】
図14に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140から放射状に延在する。
【0063】
図15に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140の半径Rに関して、約0〜約90°の角度αで軸240から延在する。
【0064】
図16に示される1つの実施形態では、ブレード部材240は、連続する直線2140に沿って軸140から延在することができる。
【0065】
図17に示される1つの実施形態では、ブレード部材240は、連続する螺旋状の線3140に沿って軸140から延在することができる。
【0066】
図18および図19に示される好ましい実施形態では、ブレード部材240は、正弦波形状の線4140に沿って軸140から延在する。「正弦波形状の線」とは、線が、少なくとも1つの変曲点または頂点を含み、その点からから線が方向を変えることを意味する。1つの実施形態では、ブレード部材240は、ほぼV字形またはU字形を有し、Vの「先端」または頂点は、軸140の両方の末端部にほぼ等距離で位置する。特にV字形のブレード部材は、ブレードが遊離した汚れ、特に「より重い」かまたは大きい遊離した汚れを、収集容器50の中に飛ばすかまたは投入する能力を増大する。V字形のブレード部材は、好ましくは、軸140に接続して、軸とV字形のブレード部材が軸線A〜Aの周囲を回転するとき、ブレードの先端または頂点部分3240が柔らかい面と接触する前に、V字形のブレードの外側部分1240および2240が、柔らかい面と接触する。特に、先のV字形のブレード部材により、回転部材40が、遊離した汚れ、特に「より重い」かまたはより大きい遊離した汚れを、スイーパーヘッドの中央部分の方に持ってくるのが可能になる。遊離した汚れが、外側部分1240および2240から「先端」3240まで「移動する」間、これらの遊離した汚れは、速度を増す。遊離した汚れが、V字形のブレードの「先端」または頂点に到達すると、これらの汚れは、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される。
【0067】
3)収集容器
先に説明したように、スイーパーヘッド30は、洗浄作業中、回転部材40によって柔らかい面から除去された遊離した汚れを収容して閉じ込めるための収集容器50を具える。
【0068】
図20に示される1つの実施形態では、収集容器50は、前側壁、後ろ側壁、および側壁、各々152、154、156、および158を具え、それらは、上壁250と底壁350とに接続している。
【0069】
1つの実施形態では、前側壁152は、少なくとも1つの開口部1152を有し、回転部材40により飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れが、収集容器50の内側に達するのを可能にする。前側壁を具えない収集容器を設けることにより、同じ効果が達成できることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、開口部1152は、底壁350から離れて位置し、前側壁152の下部部分2152は、遊離した汚れが収集容器50から偶発的に出るのを防ぐバリアを形成する。開口部1152は、回転部材により飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れが、前側壁152の下部部分2152に妨げられることなく、収集容器に達することができる機会を最大にするために充分大きい。1つの実施形態では、開口部1152の面積は、約1cm2〜約100cm2、好ましくは約30cm2〜約60cm2である。
【0070】
1つの実施形態では、前側壁152の下部部分2152は、洗浄される面にほぼ垂直である。好ましい実施形態では、洗浄される面と、前側壁152の下部部分2152との間の角度β(図4に示されている)は、約0〜約90°、好ましくは約2〜約20°である。洗浄される面と、前側壁152の下部部分2152との間の角度βが、90°またはそれ以上であるとき、下部部分2152に衝突する如何なる遊離した汚れも、回転部材30に向かって跳ね返り、すぐに収集容器50に「捕捉されない」ことを、当業者は理解するであろう。前側壁152の下部部分2152が、後ろ側壁154に向けて配向されるとき(すなわち、βが90°未満であるとき)、下部部分2152は、開口部1152に向かって投入される遊離した汚れのための傾斜面を形成する。下部部分2152に衝突する遊離した汚れは、開口部1152に向かって偏向される、より大きい機会/可能性を有し、その結果、収集容器によって「捕捉される」より大きい機会を有する。
【0071】
さらにより好ましい実施形態では、下部部分2152は、旋回軸線B〜Bの周囲で旋回可能に、側壁、上壁、または底壁の1つに接続し、収集容器が、床面に向かって傾けられる(すなわち、開口部1152が下を向く)とき、下部部分2152は、その自重のために、開口部1152に向かって旋回し、開口部1152の少なくとも一部、しかし好ましくは全体を閉じる。好ましい実施形態では、特に、洗浄器具が柔らかい面から持ち上げられて、スイーパーヘッドの前側が床に面するとき、旋回可能な下部部分は、遊離した汚れが、開口部1152を通って収集から出るのを防ぐことができる。
【0072】
1つの実施形態では、収集容器50の底壁350は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の開口部1350を具える。先に説明したように、洗浄器具は、好ましくは、使い捨て洗浄基材と共に使用される。この実施形態では、洗浄基材が、スイーパーヘッドおよび/または収集容器50に取り付けられて、基材は、底壁350の開口部(単数または複数)1350を少なくとも部分的に、しかし、好ましくは全体的に覆うことができる。さらにより好ましい実施形態では、洗浄基材は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器50に取り付けられて、洗浄基材の上面が、底壁350の下面に接触できる。収集容器50の底壁350が、少なくとも1つの開口部1350を具え、洗浄基材が、開口部1350を少なくとも部分的に覆うとき、遊離した汚れ(回転部材によって先に容器に投入された)が、開口部1350を通って柔らかい面に戻るのが妨げられる。洗浄作業中、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れは、洗浄基材の上面(すなわち、床から遠位である基材の面)に落下する。特に、底壁350を貫く開口部1350により、使用者が収集容器の内容物を空にし、同時に、洗浄基材を取り外すのが可能になる。洗浄作業後、洗浄基材が開口部1350をまだ覆ったままで、使用者は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器を、ごみ箱の上に配置できる。使用者が洗浄基材を取り外すとき、遊離した汚れは、重力でごみ箱の中に落下する。次に、使用者は、洗浄基材をごみ箱の中に落とすことができる。底壁を具えない(すなわち、大きい開口部を具える)収集容器が同じ効果をもたらし得ることを、当業者は理解するであろう。底壁350を具えないが、代わりに下部開口部を具える収集容器50が、同じ効果をもたらすことも、当業者は理解するであろう。
【0073】
1つの実施形態では、底壁350は、前側壁、後ろ側壁、または側壁、152、154、156、または158の1つに、旋回可能に接続できる。好ましい実施形態では、底壁350は、収集容器50の後ろ側壁154に、旋回軸線B’〜B’の周囲で旋回可能に接続されている。前側壁、後ろ側壁、または側壁の1つに旋回可能に接続した底壁350は、該底壁350を下方に引っ張ることで、収集容器50の内部容積に容易にアクセスできる。加えて、前側壁、後ろ側壁、または側壁の1つに旋回可能に接続した底壁350はまた、洗浄基材を収集容器50に固定するためにも使用できる。
【0074】
先に説明した洗浄器具は、好ましくは、図21に概略的に表され、この洗浄器具に取り外し可能に貼り付けられる使い捨て洗浄基材またはシート100と共に使用されて、洗浄作業中、洗浄基材の少なくとも一部が、柔らかい面に接触する。
【0075】
好ましい実施形態では、基材100の下面から延在する突出部1100を具える使い捨て洗浄基材またはシート100は、洗浄器具に貼り付けられて、突出部の少なくとも一部が、洗浄される面に接触する。洗浄作業中、また特に絨毯面の洗浄中、シートの突出部の一部は、絨毯の中に到達し、その結果、絨毯から、絡み合う可能性がある汚れを除去するかまたは「引き出す」ことができる。突出部を具える洗浄シートは、第1の絨毯の面を容易に横切って移動できるものの、第1の絨毯と異なる特性を有する第2の絨毯を横切って同じシートを移動させるのは、特に困難なことがあるのが観察されている。家庭内で見られる絨毯は、厚さ、密度、絨毯の繊維の長さ、および経年数(すなわち、新しい絨毯か、古いまたは使い古した/損傷した絨毯)に関して、多種多様である。
【0076】
1つの実施形態では、様々なタイプの絨毯を洗浄するために使用できる様々な洗浄シートを提供するために、基材またはシートの突出部の数、突出部の長さまたは高さ、および突出部の可撓性が調節できる。
【0077】
好ましい実施形態では、全く同じ洗浄シートが、異なるタイプの絨毯を洗浄するために使用できる。洗浄される絨毯に関するシートの位置が調節可能であるとき、異なるタイプの洗浄シートを提供するよりも、全く同じ洗浄シートが、様々なタイプの絨毯を洗浄するために使用できることが判明している。
【0078】
1つの実施形態では、使い捨て洗浄基材と洗浄される絨毯との間の接触面を増大させるかまたは減少させるために、洗浄される面に関する、収集容器の少なくとも一部の高さが、使用者によって調節されることができる。好ましい実施形態では、洗浄シートは、「高さ調節可能な」収集容器を有する洗浄器具に貼り付けることができる。「高さ調節可能な収集容器」とは、収集容器の少なくとも一部が、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で調節可能かつ移動可能であることを意味する。収集容器のこの「高さ調節可能な」部分が、第1の位置から第2の位置まで移動する場合、容器のこの部分が、洗浄される面に向かって(すなわち、下向きに)移動することが理解される。逆に、収集容器のこの部分が、第2の位置から第1の位置まで移動する場合、容器のこの部分は洗浄される面から離れて(すなわち、上向きに)移動することが理解される。洗浄基材またはシート100は、好ましくは、スイーパーヘッドおよび/または高さ調節可能な収集容器に貼り付けられて、シートの上側または上面は、収集容器50の底壁350にほぼ隣接する。
【0079】
図22〜図25は、各々、「高さ調節可能な」収集容器55の好ましい実施例の斜視図、平面図、底面図、および分解図を示している。
【0080】
理論に束縛されるものではないが、高さ調節可能な収集容器は、シートの突出部が、絨毯の繊維の中に捕えられるかまたは絡まる危険をかなり低減すると考えられる。容器の高さは調節可能であるが、洗浄される面に関するスイーパーヘッドの高さが、変化しないとき、回転部材のブレード部材は、遊離した汚れを収集容器の中に投入し続けることも考えられる。
【0081】
1つの実施形態では、「高さ調節可能な」収集容器は、上部シャーシ部材155および下部シャーシ部材255を具え、下部シャーシ部材255は、上部シャーシ部材155に関して、第1の位置から第2の位置まで(逆もまた同様)移動可能である。1つの実施形態では、下部シャーシ部材255は、回転軸線C〜Cのあたりで旋回可能に上部シャーシ部材155に接続されている。好ましい実施形態では、回転軸線C〜Cは、容器55の開口部1055に隣接し、それにより、遊離した汚れが容器55内に達するのが可能になる。下部シャーシ部材255の後ろ側(すなわち、開口部1055から離れた)部分は、上部シャーシ部材155に関して上方または下方に移動できることを、当業者は理解するであろう。
【0082】
1つの実施形態では、収集容器55は、高さ調節機構355を具えることができ、この機構は、操作可能に、上部シャーシ部材155と下部シャーシ部材255とに接続し、また使用者が、上部シャーシ部材155に関する下部シャーシ部材255の位置を調節するのを可能にする。1つの実施形態では、高さ調節機構355は、操作可能に上部シャーシ部材155に接続したレバー部材1355と、操作可能に下部シャーシ部材255に接続した移動部材2355とを具える。1つの実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材155の後ろ側部分に位置する開口部1155内に位置する。好ましい実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材に接続して、水平な平面内で、実質的な垂直の移動なしに、第1の位置から第2の位置まで移動できる。1つの実施形態では、レバー部材1355は、下部シャーシ部材255の後ろ側部分に位置する開口部1255内に位置する移動部材2355に装着される。好ましい実施形態では、移動部材2355は、回転軸線D〜Dの周囲で旋回可能に下部シャーシ部材255に接続して、レバー部材1355が、第1の位置から第2の位置まで移動するとき、移動部材は、下部シャーシ部材255の開口部1255内で、ほぼ垂直な(すなわち、洗浄される面にほぼ垂直な)軸線の周囲を旋回する。好ましい実施形態では、移動部材2355は、リップ部分12355を具え、この部分が、下部シャーシ部材255に接触してこれを支持する。さらにより好ましい実施形態では、下部シャーシ部材255の開口部1255は、下向きに傾斜して、移動部材2355の回転が、下部シャーシ部材255の後ろ側部分を上または下へ移動させる。高さ調節機構は、レバー部材の回転を、下部シャーシ部材の線状の垂直な運動に変えることを、当業者は理解するであろう。
【0083】
図26Aおよび図26Bは、第1の位置および第2の位置での高さ調節可能な収集容器55を示している。
【0084】
使用者が、第1の位置から第2の位置へとレバー部材を移動させる場合、下部シャーシ部材255は、下向きに移動する。逆に、使用者が第2の位置から第1の位置へとレバーを戻す場合、下部シャーシ部材255は上向きに移動する。
【0085】
下部シャーシの前側部分が、旋回可能に上部シャーシに接続しているので、また下部シャーシが、移動部材2355で支持されているので、下部シャーシの後ろ側部分は、上部シャーシ部材155のより近くに(すなわち、上に)または遠くに(すなわち、下に)移動できることを、当業者は理解するであろう。
【0086】
より多くの高さ調節の可能性を使用者に提供するために、収集容器は、2つを超える位置を有し得ることが認められる。
【0087】
1つの実施形態では、高さ調節可能な容器55は、使用者が洗浄することを希望する絨毯のタイプによって選択できる4つの位置を有することができる。1つの実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材155上に位置する複数の対応する凹部2155の少なくとも1つに係合するための突起を有することができる。
【0088】
図27Aに示される1つの実施形態では、レバー部材1355に接続した移動部材2355は、レバー部材の中空の円筒形部分内で軸線方向に自由に移動し、また中空の円筒部分内に位置するばね2355Bで上向きに押されるピン2355Aを具えることができる。ピン2355Aは、上部シャーシ155の内側面内に形成された複数の凹部2155Aの1つと係合できる。使用者が、設定位置から第2の位置へとレバー部材1355を移動させる場合、バネ搭載ピン2355Aは、凹部2155Aの1つから外れて次の凹部と係合する一方、高さ調節可能な容器が別の位置にあることを示唆する可聴音を発生する。特に、ばね搭載ピンは、レバー部材1355および高さ調節可能な容器が、洗浄作業中、偶発的に位置を変えるのを防ぐ。
【0089】
先に説明したように、洗浄器具は、柔らかい面または硬い面のいずれを洗浄するためにも使用できる。洗浄器具が硬い面を洗浄するために使用されるとき、その器具は、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Protect & Gamble Company)からのスイファー(SWIFFER)(登録商標)洗浄シートまたはジョンソン社(S.C. Johnson Company)からのプレッジ・グラブイット(PLEDGE GRAB-IT)(登録商標)洗浄シートなどの、不織布材料を具える使い捨て洗浄シートと共に使用することができ、洗浄シートは、スイーパーヘッドの底面に取り付けることができる。先に説明したような高さ調節機構を有する収集容器により、洗浄シートは、洗浄される硬い面のすぐ近くに配置されて、使い捨て洗浄シートが硬い面を横切って拭くのが可能になる。
【0090】
図27Bに示される1つの実施形態では、洗浄される柔らかい面のタイプによって、レバー部材1355の適切な配置を使用者に伝えるために、高さ調節可能な容器55は、レバー部材1355にほぼ隣接して位置するアイコン,写真,単語,記号,およびそれらの任意の組み合わせの形態の、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのしるし56を含む。好ましい実施形態では、しるしの数は、レバー部材が有し得る位置の数に等しい。好ましい実施形態では、しるし56は、様々な寸法を有する絨毯繊維の側面図を概略的に表す。最適の洗浄性能のために、「最短」繊維を示す絨毯の側面図は、好ましくは、高さ調節可能な容器、結果として、洗浄シートが、絨毯面に最も近い(すなわち最も低い位置)レバー部材の位置に隣接する。逆に、「最長」繊維を示す絨毯の側面図は、好ましくは、高さ調節可能な容器および洗浄シートが、絨毯面から最も離れた(すなわち、最も高い位置)レバー部材の位置に隣接する。レバー部材は、所望されるような多くの中間位置を有してもよいが、最も低い位置と最も高い位置とを組み合わせた、2つの中間位置が、家庭で典型的に見られる絨毯のタイプに基づいた、高さ調節の充分な変化性を提供すると考えられる。好ましい実施形態では、硬い面を洗浄するために洗浄器具が使用されるとき、収集容器はまた、使用者にレバー部材の適切な位置を伝えるしるしも含む。スイファー(SWIFFER)(登録商標)洗浄シートなどの使い捨て洗浄シートで、硬い面を洗浄するとき、洗浄シートが硬い面にぴったり接触するのが有益であることを、当業者は理解するであろう。従って、硬い面の洗浄に関するしるしは、好ましくは、高さ調節可能な容器が洗浄される面に最も近いレバー部材の位置に隣接する。
【0091】
1つの実施形態では、同種のしるしはまた、洗浄器具が販売されるパッケージ上に、使い捨て洗浄シートが販売されるパッケージ上に、取扱説明書に、およびこれらの任意の組み合わせに含まれることができる。
【0092】
図28に表される1つの実施形態では、下部シャーシ部材255は、操作可能に下部シャーシ部材255に接続した底壁455を具え、底壁は、下部シャーシ部材255に関して、少なくとも部分的に移動可能である。好ましい実施形態では、底壁455は、下部シャーシ部材255の裏側部分に(すなわち、開口部1055から離れて)旋回可能に接続されている。特に、旋回可能な底壁455により、使用者は、収集容器55の内側に到達するのが可能になり、また使用者が、使い捨て洗浄基材を収集容器55に取り付けるのも可能になる。底壁455は、矩形、三角形、および/または円形など、如何なる所望の形状を有してもよい。
【0093】
1つの実施形態では、収集容器は、恒久的にスイーパーヘッド30に取り付けられて、スイーパーヘッドの一体化した部分を形成する。
【0094】
好ましい実施形態では、収集容器は、スイーパーヘッド30に取り外し可能に接続されているので、使用者は、スイーパーヘッド30全体を持ち運ぶ必要なしに、収集容器の内容物をごみ箱に空けて、洗浄基材を処分してもよい。
【0095】
図29に示される1つの実施形態では、収集容器55は、使用者が収集容器55を取り外して持ち運ぶのを可能にするための把持部材455を具える。
【0096】
図29は、洗浄器具のスイーパーヘッドに接続した収集容器55を維持するためのロック機構555を具える収集容器55の部分断面図を示している。1つの実施形態では、ロック機構555は、スイーパーヘッドの対応する雌部分と係合できる雄部分1555を有する。好ましい実施形態では、使用者は、把持部材455から延在する解放ボタン2555を押すことで、雄部分と雌部分を外すことができる。好ましい実施形態では、ロック機構は、コイルばね3555により、ばね上げされている。
【0097】
1つの実施形態では、収集容器50は、好ましくは、スイーパーヘッド30に取り外し可能に接続して、また把持部材450を有し、スイーパーヘッド30と別個に、洗浄基材と共に使用できる。この実施形態では、収集容器50は、小型洗浄器具として見られることができ、洗浄基材と組み合わされて使用されて、絨毯敷き階段、布地で覆われたクッションなどの、より小さい柔らかい面、および/または布地で覆われた家具、室内装飾材料、若しくは壁など、布地で覆われた任意のタイプの垂直な面などの、洗浄器具で届くのが困難である柔らかい面、またはカーテンから、絡み合う可能性がある汚れを除去できる。
【0098】
図30に表される好ましい実施形態では、ハンドル20が、第1脚部分1120および第2脚部分2120を有するヨーク部材120に接続し、ヨーク部材120は、少なくとも1つの回転軸線E〜Eに沿って操作可能にスイーパーヘッド30に接続している。ハンドル20は、当該技術分野において既知の如何なるハンドルであってもよく、また一体成形で、分割式,入れ子式,または折り畳み式に作製できる。
【0099】
1つの実施形態では、第1脚部分1120と第2脚部分2120との間の距離は、スイーパーヘッドの幅より大きいので、洗浄器具が床面から持ち上げられるとき、スイーパーヘッド30の前側は、床に向かって傾斜し、スイーパーヘッドの後ろ側部分は、図1に示されるように、ヨーク部材120の第1脚部分1120と第2脚部分2120との間に位置する。特に、先のヨーク部材により、使用者は、洗浄器具を壁のフックに「掛ける」ことができ、スイーパーヘッドに取られる空間を最小にすることができる。
【0100】
1つの実施形態では、洗浄器具は、先に説明した回転部材の代わりにまたは加えて、真空発生要素を有し、尚も同じ効果を提供できる。真空発生要素は、遊離した汚れを収集容器の中に運ぶことができる空気流を発生するマイナスの圧力を作ることにより、柔らかい面または硬い面のいずれからでも、遊離した汚れを除去できることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、真空発生要素は、操作可能にモータに接続したファンと流体連通である吸引ノズルを具える。真空発生要素のモータは、少なくとも1個の電池、または電気でモータに接続した電気コンセントのどちらでも動かすことができる。
【0101】
II.使い捨て洗浄基材
柔らかい面から、絡み合う可能性がある汚れを除去するために、様々な取り外し可能な洗浄基材が、洗浄器具に取り付けられてもよい。洗浄基材は、合成繊維、天然繊維、または混合繊維を含む、織布または不織布の繊維性材料を含むことができる。基材はまた、ポリマー被膜も含むことができる。基材は、水流交絡、スパンボンド、メルトブローン、カードなどが挙げられるが、これらに限定されない様々なプロセスから作製できる。好ましい実施形態では、基材は、合成繊維を含む不織布繊維性材料を含み、水流交絡させるプロセスかまたはスパンボンドされるプロセスで形成される。
【0102】
図31および図32は、各々、本発明の洗浄器具と共に使用するのに好適な取り外し可能な/使い捨て洗浄基材の実施例の下面および上面を示している。洗浄基材の下面は、洗浄作業中、洗浄される面に最も近い面であることを理解されたい。逆に、「上面」は、洗浄作業中、洗浄される面から離れている洗浄基材の面である。
【0103】
1つの実施形態では、使い捨て洗浄基材は、基材101と、基材101に、好ましくは基材の下面に貼り付けた複数の突出部1100とを具える使い捨て洗浄シート100の形態である。好ましい実施形態では、基材101は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の突出部1100の列を具える。さらにより好ましい実施形態では、洗浄シートは、洗浄器具に取り付けられて、突出部1100の列は、洗浄作業中、スイーパーヘッドの前方の運動と後方の運動にほぼ垂直である。突出部1100は、当該技術分野において既知の如何なる突出部であってもよい。好適な突出部の非限定的な例には、フック型突出部、傾斜した繊維、毛などが挙げられる。そのような洗浄シートは、毛髪などの絡み合う可能性がある汚れを、室内装飾材料,布地,絨毯など、柔らかい面から除去するのに、特に好適である。好ましい基材および突出部は、どちらもプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された同時係属の米国特許出願10/161,445(カチャー(Kacher)ら、2002年6月25日出願)、米国特許出願10/161,444(カチャー(Kacher)ら、2002年6月25日出願)に詳細に記載されている。
【0104】
1つの実施形態では、基材101の下面は、洗浄作業中、突出部1100によって柔らかい面から除去された、絡み合う可能性がある汚れを保持するための添加剤2100を含む。好適な添加剤の非限定的な例には、ポリマーの添加剤,粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物が挙げられる。好適な粘着性ポリマーの非限定的な例には、ポリイソブチレンポリマー,N−デシルメタクリル酸塩,およびこれらの混合物が挙げられる。好適な感圧性接着剤の非限定的な例は、55164ミネソタ州セントポールのH.B.フラー社(H.B. FULLER Company)から、商標名HL−1496、HL−1500、HM−1597、HM−1902、HM−1972、HM−2713で入手可能である。好適なオイルジェルまたはホットメルト接着剤の非限定的な例は、ナショナルスターチ社(National Starch Company)から、ソフトジェル(SoftGel)546−47Eの名称で入手可能である。好適なワックスの非限定的な例には、パラフィン,蜜蝋,マイクロクリスタリンワックス,およびこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
図32に示される1つの実施形態では、基材101の上面は、添加剤3100、好ましくは、粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択される粘着性添加剤を具えることができる。特に、接着性または粘着性を有する添加剤が、基材の上面に塗布されて、先に説明した洗浄器具のいずれかの、スイーパーヘッドの底面、好ましくは収集容器の底面に、洗浄シートを取り外し可能に装着されるために使用できる。洗浄作業中、洗浄シートの上面は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器の少なくとも一部に接触し、突出部1100は、洗浄される柔らかい面と係合できる。
【0106】
加えて、洗浄基材上の添加剤は、特に収集容器の底壁が少なくとも1つの開口部を具えるとき、回転部材によって投入された遊離した汚れを保持できる。洗浄作業中、そのような洗浄シートの上面および下面は、汚れを同時に捕捉するおよび/または保持することが認められる。柔らかい面または硬い面が清浄になったとき、使用者は、洗浄シートを簡単に取り外すことができ、洗浄シートは、絡み合う可能性がある汚れをその下面に、また遊離した汚れをその上面に主に含み、これらの汚れは、添加剤3100で少なくとも部分的に保持される。
【0107】
添加剤3100の接着性または粘着性が、弱いまたは全くない場合、当該技術分野において既知の、洗浄基材を保持するための任意手段で、スイーパーヘッドおよび/または収集容器に取り付け得ることを、当業者は理解するであろう。基材を保持するのに好適な手段の非限定的な例には、フック・ループ式ファスナ,および/または変形可能な切り離し構造体,クリップ,およびピンチ機構などの、器具上に位置する機械的構造体が挙げられる。
【0108】
図33は、空洞2200にアクセスするための開口部1200を有する少なくとも1つのポケットまたはパウチ200を具える使い捨て洗浄シート100の上面を示している。
【0109】
図34は、軸線33〜33に沿って取った、図33の使い捨て洗浄シートの断面図を示している。ポケットまたはパウチ200は、第2基材102の層を第1基材101の上面に取り付けることで作製できる。ポケットまたはパウチはまた、開口部によって空洞にアクセス可能であるために、第1基材の少なくとも一部をそれ自体の上に折り畳み、次に、折り畳んだ部分を基材の下側部分に固定することにより形成できる。特に、収集容器が、図28に示されるような、旋回可能な底壁を具えるとき、ポケット200により、洗浄シートは、収集容器の底面で保持されるのが可能になる。使用者は、開口部1200を通って底壁の前側部分をポケット200に挿入することにより、洗浄シート100を取り付けることができる。底壁が挿入されると、使用者は、底壁をその最初の位置まで押すことができる。1つの実施形態では、第1基材101の上面および/または第2基材102の上面は、先に説明したような、また好ましくは接着性または粘着性を有する添加剤3100を含む。
【0110】
ポケットまたはパウチ200は、如何なる所望の形を有することもできるが、ポケット200の形は、好ましくは、底壁350の形に対応する。例えば、底壁の前側部分の外側縁部が矩形を形成する場合、ポケットもまた矩形を有することが好ましい。
【0111】
図35に示される1つの実施形態では、洗浄シートは、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のスリット4100を具え、収集容器の底壁350の少なくとも1つの部分または複数部分が、スリット4100を通って挿入されるのが可能になる。
【0112】
図36に概略的に表される1つの実施形態では、洗浄基材100は、洗浄基材の少なくとも一部、好ましくは基材の前側部分に、少なくとも1つの延長片またはつまみ5100を具える。先に説明したように、基材の上面および/または下面は、各々、洗浄作業中、遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れを収集する。延長片またはつまみ5100により、洗浄作業が終わると、使用者は、これらの汚れに触れる必要なく、洗浄器具から洗浄基材を容易に取り外すかまたは分離するのが可能になる。好ましい実施形態では、延長片またはつまみには、好ましくは、如何なる添加剤および/または突出部もほぼないので、延長片またはつまみは、洗浄作業中、汚れを収集しない。その結果、延長片またはつまみは、ほぼ清浄なままであり、また衛生的なやり方で、使用者によって把持されるおよび/または引っ張られることができる清浄面を提供する。
【0113】
好ましい実施形態では、延長片またはつまみ5100は、洗浄基材の前側部分に隣接して位置し、洗浄基材の前側で延在する。好ましい実施形態では、延長片またはタブは、洗浄基材の前側部分のほぼ真ん中または中央に位置する。
【0114】
延長片またはつまみは、好ましくは、使用者によって容易に「把持可能」であるような大きさであることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、延長片またはつまみは、少なくとも約0.25cm2、好ましくは少なくとも約1cm2、より好ましくは少なくとも約2cm2の「把持可能な清浄面」を含むような大きさである。1つの実施形態では、延長片またはつまみは、約40cm2未満、好ましくは約10cm2未満、より好ましくは約5cm2未満の「把持可能な清浄面」を含むような大きさである。「把持可能な清浄面」とは、汚れを保持できる如何なる添加剤または突出部もほぼない、延長片またはつまみの領域を意味する。
【0115】
1つの実施形態では、延長片またはつまみの長さは、約5cm未満、好ましくは約3cm未満、より好ましくは約2cm未満であり、洗浄作業中、回転部材におよびまたは洗浄基材の下面に、干渉または接触しない。
【0116】
延長片またはつまみは、織布または不織布繊維性材料、フィルム、カードストック、およびこれらの任意の組み合わせから作製できる。延長片若しくはつまみは、洗浄基材に貼り付けられる別個の材料片であることができるか、または洗浄基材の一部を取り除くか若しくは切断することにより、洗浄基材と同時に形成できる。
【0117】
1つの実施形態では、延長つまみは、好ましくは、延長つまみの上の接着剤部分であってもよく、洗浄作業中、つまみの上面の少なくとも一部は、器具の底面に接着剤で接続できる。
【0118】
先に説明した洗浄基材または洗浄シートのいずれも、先に説明したような延長片またはつまみを具えてもよいことが、認められる。
【0119】
特に、延長片またはつまみにより、先に説明し、図28に示されるようなスイーパーまたは収集容器の旋回可能な底壁を、消費者が操作可能に旋回させるのも可能になる。延長片またはつまみを有する洗浄基材が、スイーパーおよび/または収集容器に装着されるとき、使用者は、旋回可能な壁の旋回軸線にほぼ垂直である、構成要素を有する方向に、延長片またはつまみを引っ張ることにより、旋回可能な壁を旋回させて、その結果、容器を「開く」ことができる。
【0120】
洗浄基材の延長片またはつまみの効果を使用者に伝えるためにアイコン,写真,単語,記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されるしるしの形態の説明が含まれてもよく、説明は、洗浄基材上に、洗浄基材を含む、延長片またはつまみのパッケージ上に、および/またはインターネットによりアクセス可能なウェブサイトに加えられて、洗浄器具に、シートおよび/または容器を取り付ける/取り外すための最良の方法を説明できる。
【0121】
本発明の洗浄シートは、絨毯または室内装飾材料などの柔らかい面から除去するのが一般には困難である、絡み合う可能性がある汚れの除去に、特に有用である。ペットの毛および人間の毛髪は、絨毯などの柔らかい面から除去するのが特に困難である。しかし、本発明の洗浄シートは、そのようなくずを、柔らかい面から除去するのに特に有効であり、また使用後、適切に処分できる。故に、洗浄シートは、使用後、洗浄シートによって収集された全ての汚れと共に、簡単に捨てることができる。
【0122】
1つの実施形態では、添加剤、特に粘着性添加剤を具える前述の洗浄基材または洗浄シートはいずれも、使用前に前記添加剤を保護する剥離紙または剥離ライナーを具えることができる。使用者が柔らかい面を洗浄するために洗浄シートを使用することを希望するとき、使用者は、保護している剥離紙または剥離ライナーを単に取り外して、添加剤を露出できることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、剥離紙または剥離ライナーの外側(すなわち、露出した)面は、洗浄シートの適切な取り付けおよび/または使用方法を使用者に伝える説明を含むことができる。
【0123】
A.基材
使い捨て洗浄シートは、様々なタイプの基材から作製できる。基材は、織布または不織布であってもよく、また合成繊維、天然繊維、または混合繊維から作られてもよい。基材はまた、ポリマー被膜であってもよく、または型に、特にベルトに配置された融解した材料を使用する成形作業による、および/または被膜上で行われる機械的操作/改変を含む成形作業によることも可能である。構造体は、任意の数の手順(例えば、スパンボンド,メルトブローン,樹脂結合,エアースルー接着など)で行われる。好ましい基材は、スパンボンド基材,メルトブローン基材,水流交絡基材,熱可塑性フィルム基材,エアレイド基材,カード基材,およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される不織布基材を具える。
【0124】
本洗浄シートの好ましい不織布基材を形成するのに特に好適な材料には、例えば、天然セルロース,ならびにポリオレフィン類(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン),ポリエステル類,ポリアミド類,合成セルロース(例えば、レーヨン(登録商標))などの合成繊維,およびこれらの混合物が挙げられる。同様に有用であるのは、木綿またはそのブレンドなどの天然繊維,および様々なセルロース源から誘導された繊維である。本洗浄シートの基材を作製するための好ましい出発材料は、合成材料であり、これは、カード,スパンボンド,メルトブローン,エアレイド,または他の構造体の形態であってもよい。特に好ましいのは、ポリエステル類、特に、カードポリエステル繊維,ポリプロピレン繊維,およびポリエチレン繊維である。洗浄シートが面、例えば絨毯,室内装飾材料,または他の布地面を横切って擦れるとき、基材の表皮剥離および切れへの抵抗性は、基材の形態および繊維組成物の選択において重要な要因であり得る。繊維の疎水性または親水性の程度は、除去される汚れのタイプ、添加剤が存在するとき、供給される添加剤のタイプ,生分解性,有用性,およびこのような考察の組み合わせのいずれかに関して、シートの所望の目的により、さらに最適化される。一般に、より生分解性である材料は親水性であるが、より有効な材料は疎水性である傾向がある。
【0125】
基材は、1つの繊維性層から形成できる、または2つ若しくはそれ以上の別個の層の積層体であることができる。好ましくは、シートは、水流交絡するプロセスまたはスパンボンドされるプロセスで作られる不織布である。この点に関して、繊維の別個の層を水流交絡する前に、層のそれぞれを僅かに交絡してから、層のグループを交絡により結合するのが望ましい場合もある。
【0126】
基材の一体性を強めるために、高分子網(本明細書では「スクリム」材料と称される)が、基材に組み込まれることができ、スクリム材料は、例えば、熱、若しくは接着剤などの化学的手段によるか、または水流交絡による積層体によって、繊維性材料と共に配置される。本明細書において有用なスクリム材料が、米国特許第4,636,419号に詳細に記載される。スクリムは、押出し型で直接、成形できるか、または繊維成型若しくはエンボス加工により、押出されたフィルムから誘導され、続いて、引き伸ばしおよび分割されることができる。スクリムは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン,そのコポリマー,ポリ(ブチレンテレフタレート),ポリエチレンテレフタレート,ナイロン6,ナイロン66などから誘導されてもよい。スクリム材料は、様々な商業的源から入手可能である。本発明に有用な好ましいスクリム材料は、ミネソタ州ミネアポリスのコンウェドプラスチック社(Conwed Plastics)から入手可能なポリプロピレンスクリムである。
【0127】
本洗浄シートの基材は、典型的には、約15〜約195g/m2、好ましくは約20〜約90g/m2、より好ましくは約30〜約80g/m2の坪量を有する。基材は、1層またはそれ以上の繊維層を含んでもよい。各繊維層は、同じ構造であってもよく、または異なる構造であってもよい。
【0128】
本明細書における好ましい基材は、ポリプロピレン繊維80%およびレーヨン繊維20%を含む、70g/m2の坪量を有する熱接着したカード繊維性ウェブを含む。他の好ましい基材は、外側の2つのスパンボンド層と、内側のメルトブローン層を含み、48g/m2の坪量を有する三層積層体であり、ポリプロピレンを100%含む。どちらの好ましい基材も、米国サウスカロライナ州 シンプソンビレ(Simpsonville)のBBAノンウオブンズ社(BBA Nonwovens)から市販されている。他の好適な基材は、米国特許出願09/082,349(1998年5月20日出願)、米国特許出願09/082,396(1998年5月20日出願)、および米国特許出願09/729,626(2000年11月30日出願)に詳細に記載されている。
【0129】
使い捨て洗浄シートが、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された、同時係属の米国特許出願10/216,117(キングリー(Kingry)ら、2003年7月14日出願)に記載される構造体などの、スリットのある構造体を具える洗浄器具と共に使用される場合、基材は、その少なくとも一部が、スリットのある構造体によって、取り外し可能に「把持可能」であるような大きさであることを、当業者は理解するであろう。
【0130】
B.突出部
本発明の洗浄シートは、本明細書に説明される基材に貼り付けられる複数の突出部をさらに具える。本洗浄シートの突出部は、絡み合う可能性がある汚れ、特に動物の毛または人間の毛髪を、面、特に絨毯、室内装飾材料などの柔らかい面からピックアップするのを強化する。加えて、突出部を具える洗浄シートが、絨毯を洗浄するために使用されるとき、突出部の一部は、絨毯の繊維の中に到達し、その後、先に説明した洗浄器具の回転部材により除去されることができる小さい微粒子を絨毯の表面に持ってくることができる。好ましい実施形態では、突出部は、絨毯に絡まないように選択される。
【0131】
突出部は、フック、傾斜した繊維、毛などが挙げられるが、これらに限定されない様々な形状であってもよい。基材に貼り付いた複数の突出部は、全て同じ形状であってもよく、または様々な形状の組み合わせであってもよい。好ましくは、突出部の少なくとも一部は、フック型の突出部である。好ましいフック型の突出部には様々なタイプが含まれ、例えば、「Jタイプ」のフック、「プロング(尖った器具)タイプ」のフック、「マッシュルームタイプ」のフック、「バナナタイプ」のフック、「Yタイプ」のフック、「多数の先端をなす」フックなどが挙げられる。
【0132】
洗浄シートと共に提供される突出部は、様々な材料から作製できる。例えば、突出部は、ポリマー、ポリマー樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない材料から形成でき、好ましくは熱可塑性樹脂から形成できる。熱可塑性樹脂は、好ましくは、熱可塑性ポリマーを含み、また好ましくは、粘着付与樹脂,可塑剤,ならびに希釈剤,安定剤,酸化防止剤,着色剤,および充填剤などの他の任意成分をさらに含むことができる。好適な粘着付与樹脂および可塑剤は、同時係属の米国特許出願09/821,953(カチャー(Kacher)ら、2001年3月30日出願)に記載されている。
【0133】
本洗浄シートの突出部を形成するための好ましい材料は、熱可塑性樹脂である。本明細書における熱可塑性樹脂は、典型的には、約45℃〜約260℃、より好ましくは約80℃〜約200℃、さらにより好ましくは約90℃〜約180℃の軟化温度を有する。熱可塑性樹脂の「軟化温度」は、ASTM(米国材料試験協会)のD1525の標準方法により、測定できる。
【0134】
好ましい熱可塑性樹脂は、スチレンコポリマーブレンド類からなるグループから選択される熱可塑性ポリマーを含み、コポリマーは、ブタジエン、アクリロニトリル、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸からなるグループから選択され;ポリスチレンのエンドブロックと、ポリイソプレン、ポリブタジエン、および/またはポリエチレン−ブチレンのミッドブロックとを含有するブロックコポリマー類;ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリプロピレン、ポリイソプレン、およびポリエチレンプロピレンなどのポリオレフィン類;エチレンビニルアセテートコポリマー類;アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー類;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類;ナイロン6およびナイロン11などのポリアミド類;ポリイソブチレン;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム[ポリシス−イソプレン];ポリアクリル酸およびその塩;ポリメタクリル酸およびその塩;ポリジメチルシロキサン;ポリジフェニルシロキサン;ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリウレタン;およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0135】
好ましくは、突出部を形成するために使用される熱可塑性樹脂は、ある程度の弾性を有する。弾性の程度は、ヤングの弾性率に関係し、これは、所定材料の延伸による変形に対する引張応力の比である。ヤングの弾性率の値は、戻ることができる長手方向の変形に対する材料の抵抗性を指す。極度に単純化して、これは、試料の長さを2倍にするのに必要な理論上の応力または力として考えることができる。ロフ(W.J. Roff)らにより編集された「一般的なポリマー−繊維、フィルム、塑性体、およびゴムのハンドブック(The Handbook of Commn Polymers-Fibres, Films, Plastics, and Rubber)」(1971)は、多くの材料について、ヤングの弾性率を列挙している。ヤングの弾性率は、ASTMのD797として既知である標準方法を使用して測定できる。本発明の熱可塑性樹脂/ポリマーが、長繊維、糸、またはワイヤの形態であるとき、また湿度が結果に影響を与え得るとき、相対湿度が65%である場合、20℃〜25℃での前記樹脂/ポリマーの、ヤングの弾性率の典型的な値が、次の表に示されている。
【0136】
一般的な熱可塑性樹脂/ポリマー繊維のヤングの弾性率
【0137】
【表1】
【0138】
本洗浄シートの好ましい突出部は、約1〜約1500kN/m2(×10-4)、好ましくは約50〜約1000kN/m2(×10-4)、より好ましくは約75〜約750kN/m2(×10-4)のヤングの弾性率を有する材料から形成される。
【0139】
本洗浄シートの突出部を形成するための、本明細書において好ましい熱可塑性樹脂には、ポリエチレン(低密度でも、高密度でも、および/または架橋したものでもよい)、ポリプロピレン(単繊維または連続する長繊維)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0140】
一般に、複数の突出部を支える熱可塑性材料のストリップが、基材に貼り付けられて、突出部のストリップは、基材の少なくとも1つの外側面の表面積の約5%〜約100%、好ましくは約10%〜約70%、より好ましくは約15%〜約60%を覆うことができる。突出部は、洗浄シートの基材の1つの外側面のみに貼り付けることができるが、突出部はまた、両方の外側面に貼り付けることもできる。
【0141】
突出部の列を作るために、突出部または突出部のストリップは、本明細書の基材に貼り付けることができる。突出部は一般に、所定の列での連続する2つの突出部間の距離が、少なくとも0.15mm、約0.2〜約10mm、好ましくは約0.2〜約5mm、好ましくは約0.3〜約5mm、より好ましくは約0.6〜約3mm、さらにより好ましくは約0.8〜約3mm、最も好ましくは約0.9〜約2mmであるように位置する。1平方センチメートル当たりの突出部の数は、典型的には、約1〜約1000、好ましくは約10〜約100、より好ましくは約20〜約50である。1つの実施形態では、2つまたはそれ以上の突出部が共通の基部を共有し、次に、外側に広がって分離してもよい。
【0142】
以上、説明したように、本洗浄シートの突出部は、様々な形状であってよい。例えば、突出部は、傾斜した繊維であってもよい。傾斜した繊維は、好ましくは、充分なヤングの弾性率を有し、傾斜した繊維に充分な弾力性(例えば、低い弾性)をもたらして、傾斜した繊維が、洗浄される面からくずを除去するのを可能にする。傾斜した繊維は、基材から、基材に関して鋭角で延在するまっすぐな突出部である。
【0143】
突出部はまた、基材からまっすぐ垂直に外に伸びて、基材と90°の角度を形成する以外、傾斜した繊維に類似する剛毛を具えることもできる。
【0144】
しかし、本明細書で好ましい突出部は、フック型突出部である。フック型突出部は、それ自体、様々な形状であってもよい。好ましいフック型突出部には、例えば、「Jタイプ」のフック、「プロングタイプ」のフック、「マッシュルームタイプ」のフック、「バナナタイプ」のフック、「Yタイプ」のフック、「多数の先端をなす」フックなどが挙げられ、本明細書において後で説明される。
【0145】
本洗浄シートは、複数の突出部を具え、それらは全て同じ形状であってもよく、または2つ若しくはそれ以上の異なる形状を有する突出部の組み合わせであってもよい。全てが同じ方向を向くか、または異なる方向を指す複数の突出部を具えることもできる。突出部の形状および弾力性は、好ましくは、洗浄されることを所望される面、特に、絨毯、室内装飾材料などの柔らかい面に基づいて選択される。面を横切る洗浄シートの、最良のくずの除去および移動しやすさをもたらすために、突出部の形状および弾力性もまた、洗浄される絨毯または室内装飾材料のタイプに基づいて選択できる。例えば、より強いフック(例えば、フックの係合末端部で、弾性がより弱いおよび/またはよりねじれた)が、プラッシュ絨毯上で使用できる一方、より強くないフック(例えば、フックの係合末端部で、弾性がより強いおよび/またはカールがより少ない)は、バーバーカーペットなどの、ループタイプの絨毯に好ましい。典型的には、突出部がより細く、個々の突出部間の距離がより大きい程、得られる洗浄シートはあまり強力ではない。
【0146】
1つの実施形態では、突出部を具える洗浄シートは、「従来の」真空式掃除機または改良された真空式掃除機と共に使用できる。
【0147】
「従来の真空式掃除機」とは、現在使用されている如何なる真空式掃除機をも意味し、洗浄シートを取り付けるための手段を必ずしも含まない。洗浄シートは、シートを従来の真空式掃除機の底面に取り外し可能に装着するために、接着剤コーティング、ストリング、ストラップ、フック・ループ式ファスナを具えることができる。従来の真空式掃除機が、洗浄シートが装着されるための充分な接触面を含まない場合、洗浄シートは、真空式掃除機に取り付けることができるアダプタヘッドによって、操作可能に真空式掃除機に接続されることができる。
【0148】
従来の真空式掃除機は、典型的には、流体工学的に管に接続した吸引ノズルまたは吸引ヘッドを具える(例えば、缶型真空式掃除機)。アダプタヘッドは、そのような真空式掃除機の吸引ノズル若しくは吸引ヘッドに接続されているかまたは置き換えられるかのいずれであってもよい。
【0149】
「改良された真空式掃除機」により、洗浄シートを保持するための手段を含む如何なる真空式掃除機をも意味し、真空式掃除機で床面を洗浄する作業中、洗浄シートは、洗浄される面に接触する。1つの実施形態では、洗浄シートを保持するための手段は、洗浄シートを受け取るためのプレートであり、プレートは、操作可能に真空式掃除機の一部に接続して、洗浄作業中、シートの下面が、柔らかい面に接触する。
【0150】
III.洗浄キット
1つの実施形態では、先に説明した洗浄器具のいずれかも、少なくとも1枚であるが、好ましくは複数枚の使い捨て洗浄基材と組み合わせて、洗浄キットとして販売されてもよい。
【0151】
1つの実施形態では、洗浄キットは、洗浄器具と、突出部を具える使い捨て洗浄シートと、如何なる突出部も具えない不織布洗浄シートとを含む。特に、このキットは、柔らかい面と硬い面の両方を洗浄するために使用できる。使用者は、柔らかい面を洗浄するために、突出部を具える洗浄シートを利用できるが、使用者はまた、硬い面を洗浄するために、突出部を具えない不織布洗浄シートも使用できる。1つの実施形態では、突出部を具えない不織布洗浄シートは、先に説明した如何なる手順にもよって、直接、スイーパーヘッドに取り付けられてもよい。他の実施形態では、使用者は、突出部を具える第1洗浄シートを、スイーパーヘッドに取り付けて、次に、突出部を具えない第2洗浄シートを、第1洗浄シートの下面(すなわち、突出部を具える面)に対して接触させることができる。第1洗浄シートの突出部は、洗浄作業中、不織布材料から作られた第2洗浄シートを保持できることを、当業者は理解するであろう。特に、洗浄キットにより、使用者は、1つの洗浄器具で柔らかい面と硬い面の両方を洗浄するのが可能になる。
【0152】
1つの実施形態では、洗浄キットは、パッケージ上に印刷された説明を含むパッケージ、洗浄器具、および/または少なくとも1枚の洗浄シートを含む。
【0153】
主題発明の特定の実施形態を記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、主題発明の様々な変更や修正が可能であることは当該技術分野において当業者には明らかであろう。さらに、本発明を、ある特定の実施形態と関連させて説明したが、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、従来技術で認められるのと同様に広範に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の洗浄器具の斜視図。
【図2】図1の洗浄器具の平面図。
【図3】図1の洗浄器具の底面図。
【図4】図2の洗浄器具の、線4〜4に沿って取った断面側面図。
【図5】上部本体部分のない、図1の洗浄器具の斜視図。
【図6】本発明の他の洗浄器具の斜視図。
【図7】図6の洗浄器具の平面図。
【図8】図6の洗浄器具の、回転部材の部分的斜視図。
【図9】回転部材の側面図の略図。
【図10】他の回転部材の側面図の略図。
【図11】ブレード部材の正面図の略図。
【図12】他のブレード部材の正面図の略図。
【図13】他のブレード部材の正面図の略図。
【図14】回転部材の側面図の略図。
【図15】他の回転部材の側面図の略図。
【図16】回転部材の正面図の略図。
【図17】他の回転部材の正面図の略図。
【図18】他の回転部材の正面図の略図。
【図19】回転部材の斜視図。
【図20】本発明の収集容器の正面図。
【図21】本発明の使い捨て洗浄基材の斜視図。
【図22】図20の収集容器の斜視図。
【図23】図20の収集容器の平面図。
【図24】図20の収集容器の底面図。
【図25】請求項20の収集容器の分解図。
【図26A】第1の位置での、高さ調節可能な収集容器の部分図。
【図26B】第2の位置での、図26Aの高さ調節可能な収集容器の部分図。
【図27A】本発明の他の高さ調節容器の部分図。
【図27B】図27Aの高さ調節容器を有する洗浄器具の斜視図。
【図28】本発明の収集容器の側面図。
【図29】収集容器のロック機構を示す、図28の収集容器の断面図。
【図30】本発明の洗浄器具の斜視図。
【図31】本発明の使い捨て洗浄基材の底面図。
【図32】図31の洗浄基材の平面図。
【図33】本発明の使い捨て洗浄基材の斜視図。
【図34】図33の洗浄基材の断面図。
【図35】本発明の使い捨て洗浄基材の平面図。
【図36】使い捨て洗浄基材の底面図。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互対照)
本出願は、米国仮出願60/544,048(2004年2月12日出願)、米国仮出願60/546,932(2004年2月23日出願)、および米国仮出願60/632,081(2004年12月1日出願)の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、粒子、食物くず、人間の毛髪、ペットの毛、汚れ、ほこりなどのくずを、絨毯、藁のマット(例:たたみ)、硬い床、布地、室内装飾材料などの面から除去するために、洗浄器具に取り外し可能に装着した使い捨て洗浄基材と共に使用できる洗浄器具に関する。
【背景技術】
【0003】
汚れおよびくずを、室内装飾材料または絨毯などの柔らかい面から、迅速で、容易で、便利な方法で除去することは、特に困難なことがある。この困難さの一部は、柔らかい面で見つかる広範囲の汚れからくる。主に「遊離した」汚れで覆われる、ビニルの床、広葉樹材の床、またはセラミックタイルなどの硬い床面と異なり、柔らかい面は、「遊離した汚れ」と「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を含む。「遊離した汚れ」とは、洗浄される面の上に固定されない、および容易に転置できる如何なる汚れを意味する。典型的な遊離した汚れには、食物くず、砂糖粒、穀物、紙、砂利、砂、草などが挙げられる。「絡み合う可能性がある汚れ」とは、絨毯の繊維付近に閉じ込められ、容易に転置できない如何なる汚れを意味する。絨毯などの柔らかい面は、遊離した汚れを繊維に捕らえられる繊維を有する。絡み合う可能性がある典型的な汚れには、人間の毛髪、ペットの毛、糸などが挙げられる。「遊離した汚れ」と「絡み合う可能性がある汚れ」を柔らかい面から除去することは、特に困難である一方、多くの家庭が柔らかい面と硬い面の両方を含むので、このシステムが、これら同様の汚れを、硬い床など、他の面からも除去できることも有益である。
【0004】
文献には、くずを除去し、また柔らかい面および硬い面を掃除するために使用できる、真空式掃除機または絨毯用掃除機などの装置が数多くある。
【0005】
真空式掃除機は、遊離した汚れを拾い上げるために非常に有効であるが、絡み合う可能性がある汚れ、特に人間の毛髪またはペットの毛を除去するためには、適度に有効なことがある。加えて真空式掃除機は、比較的重くて扱い難く、その結果、硬い床面での使用を含む日常の使用に便利ではない。電池で作動する「より軽い」真空式掃除機(約3kg未満の重量を有する)が開発された。これらは特に、硬い床面で使用するのに、より操作しやすく、より使いやすいという意味において、より使用者に親切であるが、絡み合う可能性がある汚れを除去するにはあまり有効でない。
【0006】
スイーパーの前側に位置し、電気的にまたは機械的に、いずれによっても駆動できる回転ブラシを典型的に含む軽量スイーパーもまた開発されている。回転ブラシは剛毛を含み、当該剛毛が遊離した汚れを収集容器へと投入する。使用者が絨毯の洗浄を終了したとき、使用者は収集容器をごみ箱に空けることができる。加えて、回転ブラシは、汚れが柔らかい面の繊維と絡んだ状態である場合でも、絡み合う可能性がある汚れを面から除去できる。しかし、絡み合う可能性がある汚れ、特に毛髪は、回転ブラシに巻き付く傾向があることが観察された。時間が経過すると、回転ブラシは、これら絡み合う可能性がある汚れで一杯になる。その結果、これらの汚れは、回転ブラシおよびその剛毛が、遊離した汚れを収集容器に投入する能力を低減する。結局、使用者は、ブラシの剛毛に絡んだ遊離した汚れを手で頻繁に除去する必要がある。巻き付いた毛髪をブラシから除去するプロセスは、不便であり、非衛生的でもある。毛髪が回転ブラシに絡むのを防ぐために、絨毯用掃除機には、1本1本の剛毛に対立して、連続する回転ブレードを含むものがある。これら連続するブレードは、遊離した汚れを収集容器に投入するのには比較的有効であるが、特に、柔らかい面の繊維と絡んだ状態である場合、これらのブレードはまた、絡み合う可能性がある汚れ、特に、毛髪または糸などの、長い円筒形の汚れの除去には、あまり効果的ではない。
【0007】
要するに、「遊離した汚れ」および「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を面から有効に除去できるものの、使いやすく、衛生的にマイナスの要素(例えば、ローラーに巻き付いた長い円筒形の汚れを取り除かなければならないこと)のない軽量洗浄機が、消費者に非常に望ましいものである。マイナス要素のない、これら全ての効果を達成する方法は、汚れを分離する方式を使用することであることが判明した。汚れの分離により、スイーパーの様々な領域が最適化されて、「遊離した汚れ」と、絡んだ「絡み合う可能性がある汚れ」の両方が見つかる、絨毯、藁のマット(例えば、たたみ)、布地、室内装飾材料のような柔らかい面および/または非平坦・非平滑化面、および木の床、ビニル、セラミックなどのような硬い面で見つかる様々な汚れを取り扱うように、スイーパーシステムを設計することを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れの両方を、柔らかい面および/または硬い面から、便利で衛生的な方法で除去するための洗浄器具および使い捨て洗浄基材を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0009】
遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れの両方を、柔らかい面および/または硬い面から除去する、有効で、便利で、使いやすく、より衛生的な方法を提供することもまた、本発明の1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、本洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って前記収集容器へと投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドと、上面および下面とならびにこの下面から延在する複数の突出部を有する使い捨て洗浄基材を含む。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、前側壁が少なくとも1つの開口部を含み、底壁が少なくとも1つの開口部を含む、前側壁および底壁を含む収集容器を有するスイーパーヘッドであって、洗浄される面から遊離した汚れを前記前側壁の開口部を通って収集容器に投入するための回転部材を有するスイーパーヘッドと、上面および下面を有する使い捨て洗浄基材であって、スイーパーヘッドに取り外しおよび取り付け可能であり、少なくとも部分的に底壁の開口部を覆う使い捨て洗浄基材とを含む。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って収集容器に投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドであって、回転部材は、回転軸と、回転軸に接続する少なくとも1つのブレード部材とを具え、少なくとも1つのブレード部材は、ブレード部材を貫いて延在する少なくとも1つの脆弱箇所を具えるスイーパーヘッド、ならびにスイーパーヘッドに取り外しおよび取り付け可能である使い捨て洗浄基材を含む。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器を有し、この収集容器が取り外し可能に接続されるスイーパーヘッド−このスイーパーヘッドは、洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えている−と、前記収集容器に取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材とを具える。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から遊離した汚れを第1開口部を通って収集容器に投入するための回転部材とを有するスイーパーヘッドであって、収集容器の少なくとも一部の高さが、洗浄される面に関して調節可能であるスイーパーヘッドを具える。
【0015】
他の実施形態では、本発明は、面を洗浄するための使い捨て洗浄基材に関し、当該洗浄基材は、上面および下面を有する第1基材層と、前記第1基材層の下面から延在する複数の突出部と、粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択される添加剤とを含み、添加剤は、前記第1基材層の前記上面の少なくとも一部に塗布される。
【0016】
他の実施形態では、本発明は、面を洗浄する方法に関し、当該方法は、上面および下面を有する使い捨て洗浄基材を用意する工程と、洗浄される面から遊離した汚れを収集容器の第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材と、前記収集容器の底壁の第2開口部とを具え、前記使い捨て洗浄基材が、部分的に第2開口部の少なくとも一部を覆うようにする工程と、洗浄される面を横切って前記スイーパーヘッドを移動させ、前記洗浄基材の下面の少なくとも一部が洗浄される面に接触して、遊離した汚れの一部が、回転部材によって、前記洗浄基材の上面の一部に投入されるようにする工程とを具える。
【0017】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面を洗浄するための使い捨て洗浄基材に関し、当該洗浄基材は、上面および下面と、第1基材層の下面から延在する複数の突出部とを有する第1基材層、ならびに第2基材層を具え、この第2基材層は、前記第1基材層の上面に接続して前記第1基材層と当該第2基材層とでポケットを形成する。
【0018】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、上面および底面を含むスイーパーヘッドを具え、スイーパーヘッドは、第1開口部を含む収集容器と、洗浄される面から第1開口部を通って収集容器に汚れを投入する回転部材とを含み、スイーパーヘッドの底面は、少なくとも1つの固定滑り部材を含み、前記固定滑り部材の少なくとも一部は、洗浄される面に接触可能であり、そして固定滑り部材の、洗浄される面に接触する部分は、低摩擦材料から作られる。
【0019】
他の実施形態では、本発明は、柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具に関し、当該洗浄器具は、前側開口部と、少なくとも1つの側壁と、操作可能かつ移動可能に側壁に接続する底壁とを含む収集容器を有するスイーパーヘッドを含み、底壁は第1の位置から第2の位置へと操作可能かつ移動可能となっている。
【0020】
他の実施形態では、本発明は、前側部分および後側部分を有する使い捨て洗浄シートに関し、当該洗浄シートは、上面および下面を有し、この下面が汚れを保持するための添加剤を具えた材料の下層と、この下層に接続して当該下層とで、少なくとも部分的に囲まれた内部容積を画成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部と、前記洗浄シートの前側部分に接続する延長片を介してアクセス可能である。
【0021】
他の実施形態では、本発明は、使い捨て洗浄シートに関し、本洗浄シートは、上面および下面と前縁部とを有し、前記上面が粘着性添加剤を具え、前記下面が粘着性添加剤を具えた不織布材料の少なくとも1つの層と、、前記上面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナー材料の第1層と、前記下面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナーの第2層と、前記洗浄シートの前記前縁部にほぼ隣接する延長片とを具える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明白に請求する請求項によって結論とするが、添付図面と共になされる以下の記述により、本発明はさらによく理解されると考えられる。
【0023】
本明細書で引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれており、いずれの文献の引用も、それが本発明に関連する先行技術であるとの容認として解釈すべきでない。
【0024】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体にわたって示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるそれより狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0025】
他に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、および請求の範囲におけるすべての割合、比率および百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野において許容可能な通常の程度の精度で使用される。
【0026】
本明細書における洗浄器具の有用性を限定することを意図しないものの、使い捨て基材に関連するその利用法の簡単な説明は、本発明を解明する助けになると考えられる。
【0027】
絨毯を洗浄するための多数の装置が既知である。最も一般的なものは、真空式掃除機および絨毯用掃除機である。真空式掃除機は、絨毯に隣接する領域で、通常絨毯の上で、マイナスの圧力または吸引流を発生することにより、微粒子を除去する。これらの微粒子を除去するその能力は、少なくとも部分的に、このマイナスの圧力を発生するために使用される電動モータの力による。その結果、大抵の強力な真空式掃除機は、洗浄作業全体の間、電気コンセントにプラグが差し込まれる必要がある。真空式掃除機は、遊離した粒子を除去するのには、特に効果的であるが、絡み合う可能性がある汚れを絨毯から除去するのには、あまり効果的ではない。真空式掃除機には、このタイプの汚れを解きほぐすための複数本の剛毛を有する静止ブラシまたは回転ブラシを具えるものがある。ブラシは、絡み合う可能性がある汚れを絨毯から除去するのには効果的であるが、その後、これらの汚れはブラシの剛毛の中で見つけられる。ある程度まで、「絡んだ」汚れは、絨毯からブラシの剛毛に移動する。ブラシが「絡んだ」汚れで一杯になると、使用者は、手でそれらを除去する必要がある。典型的な絨毯用掃除機では、回転ブラシまたは回転ブレードで汚れを除去し、それが微粒子を収集容器に投入する。微粒子を除去する掃除機の能力は、ある程度、ブラシまたはブレードの回転速度による。その結果、電力式の掃除機が、絨毯の掃除により効果的なことが多い。電力式掃除機の回転ブラシは、真空式掃除機のブラシと同じ欠点を有する、すなわち、絡み合う可能性がある汚れは、ブラシの剛毛に再度絡む傾向がある。この問題は、回転ブラシおよびその毛を、連続する回転ブレードに取り換えることにより、少なくとも部分的に解決される。それは、繊維性の汚れに、如何なる定着点も提供しないからである。それは、「絡んだ」汚れが、絨毯用洗浄機の回転部材(すなわち、ブラシ)に簡単に移動するのを防ぐのに有益なことがある一方、結果として、これらの「絡んだ」汚れが、その後、絨毯に残される。
【0028】
本発明の洗浄器具および使い捨て洗浄基材は、「遊離した」汚れおよび「絡み合う可能性がある汚れ」の両方を、面から容易に、効果的に、また衛生的に除去する能力を使用者に提供する。洗浄器具は、面から遊離した汚れを除去することができ、またこれらの汚れを収集容器に投入できる回転部材を具える。使い捨て洗浄基材は、絡み合う可能性がある汚れを柔らかい面から外すおよび/または除去するための突出部と、任意に、一旦除去されたこれらの汚れを基材上で捕捉するのを援助するための添加剤とを含むことができる。洗浄基材は、洗浄器具の底面に取り外し可能に装着されて、洗浄作業中、洗浄基材の少なくとも一部が、洗浄される面に接触できる。洗浄器具が、柔らかい面を横切って移動するとき、洗浄基材の突出部は、絡み合う可能性がある汚れを外すおよび/または除去する一方、洗浄器具の回転部材は、遊離した汚れを柔らかい面または硬い面から収集容器に投入する。床面が洗浄されると、使用者は、使い捨て洗浄基材を洗浄器具から取り外して、収集容器の内容物と共に、ごみ箱に入れる。
【0029】
次の詳細な開示から明らかなように、本発明は、前記考察を対象としている。
【0030】
本明細書において後でさらに充分に説明されるように、本発明は、その最も好ましい形態では、通常スイーパーヘッドに接続されるハンドルを具える洗浄器具に関する。洗浄器具は、取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材を保持するのに好適である。
【0031】
本発明の好ましい実施形態についてここから詳細に説明するが、その例は添付図により例示し、添付図において、同じ数字は全ての図において同じ数字を示し、下二桁が同じ参照番号(例えば、20と120)は類似の要素を意味する。
【0032】
I.洗浄器具
1)スイーパーヘッド。
【0033】
図1、図2、および図3は、各々、本発明の1つの実施形態により作られる洗浄器具10の斜視図、平面図、および底面図を示している。
【0034】
1つの実施形態では、洗浄器具10は、スイーパーヘッド30に接続されるハンドル20(明確にするために部分的にのみ示されている)を具える。1つの実施形態では、スイーパーヘッド30は、下部本体部分230に取り付けた上部本体部分130を具える。上部本体部分130および下部本体部分230は、スイーパーヘッド30の内部構成要素を収容して保護する。
【0035】
1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、遊離した汚れを洗浄される面から除去し、これらの汚れを収集容器50内に移動させるための回転部材40を具える。回転部材40は、収集容器50の前側または後側のどちらに位置することもでき、尚も、同じ効果を提供する。好ましい実施形態では、回転部材40は、図3に示されるように、収集容器の前側に位置する。回転部材40は、回転軸線A〜Aの周囲で回転できる軸140と、軸140に接続して、軸140から外側に延在する、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のブレード部材240とを具える。洗浄作業中、回転部材が、遊離した汚れを除去する能力を最大にするために、回転軸線A〜Aは、好ましくは、洗浄される面にほぼ平行である。
【0036】
図4は、軸線4〜4(図2に示されている)に沿った、洗浄器具10の横断面を示している。軸部材140およびブレード部材240が回転するとき、ブレード部材は、柔らかい面から収集容器50の中に遊離した汚れを飛ばすかまたは投入できる。収集容器50に関する回転部材40の位置によって、軸140の回転方向が選択されて、遊離した汚れが、実質的に収集容器50に向かって飛ばされるかまたは投入されることを、当業者は理解するであろう。図4に示される実施形態では、回転部材は収集容器の前側に位置し、軸140は、反時計回りに回転するのが好ましい。逆に、回転部材40が収集容器50の後側に位置する場合、軸140は、時計回りに回転するのが好ましい。
【0037】
図3に示される1つの実施形態では、スイーパーヘッド30の下部本体部分230は、第1の長手方向要素230Aおよび第2の長手方向要素230Bを含む。第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、好ましくは、下部本体部分230の右側および左側を各々、形成する。好ましい実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、間隔を空けて離れ、回転部材40および/または収集容器50と干渉しない。特に、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、スイーパーヘッドの重量のためだけでなく、洗浄器具の前方および後方の運動で、使用者によって圧力が加えられるときにも、スイーパーヘッド30が、圧縮性の柔らかい面の中に「沈む」のを防ぐ。加えて、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bにより、スイーパーヘッド30が、柔らかい面を横切って滑るのが可能になる。
【0038】
1つの実施形態では、長手方向要素の長さは、約10mm〜約400mm、好ましくは約50mm〜約200mmであり、また長手方向要素の幅は、約3mm〜約150mm、好ましくは約10mm〜約75mmである。
【0039】
1つの実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、低摩擦材料から作られる。「低摩擦材料」とは、約0.7未満の静止摩擦係数を有する任意の材料を意味する。静止摩擦係数は、ASTM(米国材料試験協会)のD3702の方法により測定できる。1つの実施形態では、長手方向要素は、約0.6未満、好ましくは約0.5未満、より好ましくは約0.4未満、さらにより好ましくは約0.25未満の静止摩擦係数を有することができる。好適な低摩擦材料の非限定的な例には、テフロン(TEFLON)(登録商標)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン(登録商標)、アセタール樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アーモスリップ(ARMOSLIP)(登録商標)、およびこれらの任意の混合物が挙げられる。加えて、長手方向要素(単数または複数)の摩擦抵抗性を下げるために、スリップ剤または低摩擦材料が、コーティング、プレート、または被膜の形態で、ゴム、発泡体、ビニルなどの、より高い摩擦材料に添加されることができる。低摩擦材料を含む長手方向要素により、スイーパーヘッドが、洗浄される面、特に絨毯面を横切って如何なる方向にも移動するのが可能になることが観察される。長手方向要素により、使用者からの最小の努力で、スイーパーが、柔らかい面を横切って左右に移動するのが可能になり、さらに、回転部材が遊離した汚れを柔らかい面から効果的に除去するのが可能になる。スイーパーヘッドの多方向の運動により、洗浄器具を使用する操作性および便利さが改善される。
【0040】
1つの実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、ほぼ平坦である。
【0041】
他の実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、湾曲している。好ましい実施形態では、第1および第2の長手方向要素230Aおよび230Bは、スイーパーヘッド30に関して外側に湾曲している。外側に湾曲した長手方向要素230Aおよび230Bにより、洗浄作業中、スイーパーヘッド30が、前方および後方に「揺動する」および/または旋回するのが可能になる。1つの実施形態では、長手方向要素230Aおよび230Bの曲率半径は一定である。他の実施形態では、長手方向要素230Aおよび230Bの曲率半径は、長手方向要素の前側部分から後側部分まで変化する。好ましい実施形態では、長手方向要素の前側部分の曲率半径は、長手方向要素の後側部分の曲率半径より大きい。湾曲した長手方向要素の曲率半径は、長手方向要素の弧の部分を少なくとも含む円の半径を測定して決定できる。1つの実施形態では、長手方向要素の曲率半径は、少なくとも約100mm、好ましくは少なくとも約500mm、より好ましくは少なくとも約1000mmである。1つの実施形態では、曲率半径は、約100mm〜約2500mmである。長手方向要素の曲率半径と、生じるスイーパーヘッドの「揺れ軸線」の位置と、スイーパーヘッドの重量の配分とが、揺動の振幅または大きさに影響を与え得ることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、スイーパーヘッドの揺れ軸線は、回転部材40と、収集容器50の後側部分との間に位置する。スイーパーヘッドが使用者によって前方に押された場合、スイーパーヘッドは、後方に「揺動する」かまたは「傾斜して」、スイーパーヘッドの後側部分を、洗浄される面のより近くに移動させる一方、前側部分は、洗浄される面から遠くへ移動することを、当業者は理解するであろう。逆に、スイーパーヘッドが後方に押された場合、スイーパーヘッドは、前方に「揺動する」かまたは「傾斜して」、スイーパーヘッドの後部(および収集容器)を洗浄される面から遠くに移動させる一方、スイーパーヘッドの前部(および回転部材)は、洗浄される面のより近くに移動することを、当業者は理解するであろう。典型的な洗浄作業中、使用者は、後方の運動と比較して、前方の運動で、より大きい圧力をかける傾向があることが観察される。従って、洗浄器具が、スイーパーヘッドの後部底面に取り付けた使い捨て洗浄基材(特に、下記に説明するような、突出部を具える洗浄基材)と共に使用されるとき、そして使用者がスイーパーヘッドを前方に押すとき、揺動により、洗浄基材と洗浄される面との間の接触が増大する。結果として、揺動により、シートの洗浄基材の洗浄性能が改善される。床面に接触する洗浄基材が、摩擦による抵抗の主な源であるので、使用者が、最も大きい圧力をスイーパーヘッドに無意識に加える傾向があるとき、スイーパーヘッドが、後方に「揺動するかまたは傾斜する」こともまた、有益である。逆に、使用者がスイーパーヘッドを後方に引っ張るとき、揺動が、洗浄基材と洗浄される面との間の接触面を低減する。洗浄面と洗浄される面との間の接触面の低減は、結果として、摩擦による抵抗を低減するので、使用者が引っ張る動作/後ろ向きの運動でより小さい圧力を加える傾向があるとき、スイーパーヘッドが、前方に揺動するかまたは傾斜することは有益である。引っ張る動作/後方の運動の間(すなわち、洗浄基材が、洗浄される面から離れて移動するとき)、洗浄基材に恒久的に「捕捉され」なかった遊離した汚れ、または先の押す動作/前方の運動で回転部材に捕捉されなかった遊離した汚れは、次に、収集容器の下を通過できることもまた観察される。回転部材は、引っ張る動作/後ろ向きの運動で、洗浄される面のより近くを移動するので、回転部材は、これら遊離した汚れを収集容器に投入する、より大きい機会を有する。
【0042】
図3および図4に示される1つの実施形態では、スイーパーヘッド30の下部本体部分230は、下部本体部分の底部に位置する、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の滑り部材1230を具える。1つの実施形態では、下部本体部分230は、好ましくは、スイーパーヘッドの各角付近に位置する4つの滑り部材1230を具える。床面(硬い面または柔らかい面のいずれでも)の洗浄作業中、滑り部材は、洗浄される面に接触し、スイーパーヘッドがその面を横切って「滑る」のを可能にする。
【0043】
1つの実施形態では、滑り部材1230は、先に説明した低摩擦材料から作られる。滑り部材1230は、下部本体部分230とは別個に形成されて、次にそこに装着されるか、または下部本体部分230と共に、直接、形成および/または成形されて、尚も同じ効果を提供できる。好ましい実施形態では、滑り部材1230は、静止滑り部材であり、また下部本体部分230に固定して装着されるおよび/または接続される。1つの実施形態では、床面を横切るスイーパーヘッドの運動は、静止滑り部材と車輪との組み合わせで提供できる。1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、3個未満の車輪、好ましくは2個未満の車輪を具える。1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、車輪を全く具えず、床面を横切るその移動は、静止滑り部材により提供される。
【0044】
1つの実施形態では、滑り部材1230は、洗浄される面に接触する滑り部材の面が、鋭利な縁を含まないように成形される。1つの実施形態では、滑り部材1230は、ドーム形および/またはほぼ丸い形を有することができる。特に、滑り部材により、スイーパーヘッドは、前方および後方の方向だけでなく、横方向または旋回する運動でも、洗浄される面を横切って移動するのが可能になる。その結果、滑り部材1230により、スイーパーヘッドの多方向の運動が可能になることで、特に、洗浄器具が、バーバーカーペットなどの緻密な柔らかい面、または広葉樹材の床などの硬い面を洗浄するために使用されるとき、洗浄器具の操作性が改善される。理論に束縛されるものではないが、厚さ、密度、および/または圧縮性に関する絨毯の特性/質により、スイーパーヘッドは、絨毯の繊維の中に僅かに「沈む」ことがあると考えられる。その結果、滑らかな縁および/または丸い縁および/または先端を有する滑り部材により、絨毯にひっかかり、損傷するリスクが低減されるだけでなく、スイーパーヘッドが、洗浄される面を横切ってどの方向に移動するのも可能になると考えられる。加えて、硬い床面を洗浄するために洗浄器具が使用されるとき、滑り部材は、スイーパーヘッドを硬い面より上に維持し、その結果、滑り部材により、下部本体部分と硬い床面との間の接触面が最小になる。1つの実施形態では、滑り部材は、滑り部材が全て、硬い面に接触するとき、長手方向要素230Aおよび230Bの下面と硬い面との間の最短距離が、少なくとも約0.5mm、好ましくは少なくとも約1mm、より好ましくは少なくとも約2mm、さらにより好ましくは少なくとも約3mmであるような大きさである。「最短距離」とは、長手方向要素の最も低い点と、硬い面との間の距離を意味する。
【0045】
さらにその上、硬い床は、よりひっかき傷が付く傾向があるので、従来の掃除機および真空式掃除機は、標準的な単一方向の車輪(すなわち、1つの回転軸線の周囲を回転する車輪)を使用し、それが前方および後方の運動を制限する。滑り部材、特に、滑らかな縁を有する滑り部材により、硬い床面、特に、広葉樹材の床にひっかき傷が付くリスクが低減できる。1つの実施形態では、キャスター、多方向回転ボール(典型的なコンピューターのマウスのボール機構に類似する)などを使用して、面に安全な多方向の運動が達成できる。
【0046】
1つの実施形態では、スイーパーヘッドは、下部本体部分230の底面または収集容器50の底面に、操作可能に接続したブレード部材2230Aを有することができる。好ましい実施形態では、ブレード部材2230Aは、回転部材40と収集容器50との間に位置する。典型的な洗浄作業中、スイーパーヘッドは、洗浄される面を横切って前方および後方に移動する。前方の運動で、ブレード部材2230Aは、回転部材40によって投入された遊離した汚れが、収集容器50の下に到達するのを防ぐバリアを作る。回転部材40の後ろに、スイーパー傾斜面2230Bがあって、これが、粒子を収集容器50に投入および偏向するのを援助する。しかし、スイーパー傾斜面の末端部が、洗浄面に近すぎる場合、末端部は突き立って、スイーパーが動くのを困難にすることがある。好ましい実施形態では、ブレード部材2230Aは、スイーパー傾斜面2230Bの延長部分として位置することができる。本質的に、可撓性のあるスイーパー傾斜面を作る。洗浄器具が、絨毯などの柔らかい面を洗浄するために使用されるとき、遊離した汚れは、ほぼ上向きに投入され、収集容器の内部に容易に到達できることが観察された。しかし、洗浄器具が、広葉樹材の床などの硬い面を洗浄するために使用されるとき、遊離した汚れには、ほぼ水平な軌道を有し、その結果、スイーパーヘッドの下へ跳ねるものもあることもまた、観察された。バリアを作るだけでなく、遊離した汚れへの傾斜面も形成するブレード部材2230Aを具える場合、特に、柔らかい面で使用されるとき、スイーパーが抵抗するかまたは突き立つことが実質的に全くなく、収集容器に捕捉される遊離した汚れの量を増大する。
【0047】
好ましい実施形態では、ブレード部材2230は、下部本体部分230の底面に旋回可能におよび/または柔軟に接続して、スイーパーヘッドが前方および後方に移動するとき、前後にパタパタ動くことができる。特に、下部本体部分230の底面に旋回可能におよび/または柔軟に接続したブレード部材2230は、収集容器の下に位置する遊離した汚れを、回転部材40に到達させることが観察された。その結果、遊離した汚れは、その後、回転部材40により、収集容器50に投入されることができる。
【0048】
図5に表される1つの実施形態では、明確にするために上部本体部分130は示されず、軸140は、作動可能に電動モータ60に接続している。電動モータ60は、軸140に、直接繋がることも、または間接的に繋がることもできる。「直接繋がる」とは、モータと軸の間にギア要素が必要ないことを意味する。「間接的に繋がる」とは、モータによってもたらされる回転運動が、少なくとも1つ、好ましくは2つのギアにより、軸に伝達されることを意味する。好ましい実施形態では、電動モータ60は、エンドレスベルト160、第1ギア260、および第2ギア360によって、軸140に間接的に繋がる。エンドレスベルト160は、モータ60の第1ギア160と、それ自体が軸140に接続した第2ギア360とに作動可能に接続されている。1つの実施形態では、第1ギア260と第2ギア360とのギア比は、約1:1〜約20:1、好ましくは約2:1〜約5:1である。1つの実施形態では、回転部材40は、約26rad/s(250rpm)〜約314rad/s(3000rpm)、好ましくは、約31rad/s(300rpm)〜約251rad/s(2400rpm)、より好ましくは約36.7rad/s(350rpm)〜約188rad/s(1800rpm)、さらにより好ましくは約42rad/s(400rpm)〜約157rad/s(1500rpm)の回転速度(1分当たりの回転数で測定される、本明細書では以後、rpm)で回転できる。大部分の従来のスイーパーは、典型的には、ブラシを使用し、また約262rad/s(2500rpm)超過で作動することを、発明者は見出した。遊離した汚れが充分に飛ぶのを達成するだけでなく、絡み合う可能性がある汚れが、特に、絡んだ状態のときに除去するのを援助するためにも、この高い回転速度は必要である。本発明により画成されるスイーパーシステムは、汚れ分離方式を使用し、スイーパーの様々なゾーンが、様々なタイプの汚れを除去する(例えば、使い捨てシート上のフックは、絡み合う可能性がある汚れを除去する)ので、スイーパーは、低い回転速度で有効な性能を達成できることを、発明者は見出した。低いrpmでスイーパーを作動させることは、実際には、より広範囲の面上でより広範囲の汚れを除去するのに有益であることを、発明者は見出した。特に、硬い面上で、回転部材が、209rad/s(2000rpm)を超過するrpmで回転し、またrpmにおいて52rad/s(500rpm)ずつ前進的に増加する場合、より軽い汚れ(食べ物かす、ほこりなど)は、容易に撒き散らされることがある。回転部材のrpmを測定する簡単で有効な方法は、回転部材上に配置した反射テープを有するレーザーデジタルタコメーターの使用による。測定は、一貫した測定を行うために、回転部材をひっくり返して、スイーパーヘッドの底が上を向き、スイーパーヘッドを変更することなく)行われることができる。回転速度は、一定の力が供給されるスイーパーを使用して測定される。電動モータ60は、当該技術分野において既知の如何なるモータであってもよい。好適なモータの1つの例は、中華人民共和国 香港のジョンソンモータ社(Johnson Motor)により製造され、約1700〜約1850g・cmの停動トルクを生ずる。電動モータ60は、如何なる電源によって動力を供給されてもよい。1つの実施形態では、モータは、壁の電気コンセントに接続したコードにより動力を供給されることができる。好ましい実施形態では、モータは、少なくとも1個であるが、好ましくは複数個の、使い捨ておよび/または充電可式電池62により動力を供給できる。好適な電池の非限定的な例には、中華人民共和国 香港のGPIバッテリー社(GPI Battery Co.)により製造されたニッケル−カドミウムの再充電可能な電池が挙げられる。電池は、好ましくは、スイーパーヘッドの上部本体部分と下部本体部分とにより作られる空間内に位置する。充電式電池は、好ましくは、電気ケーブル(示されず)によって「ジャック」162に接続されている。電動モータ60および電池62は、オン/オフスイッチ64に接続でき、そのスイッチで、使用者は、モータを所望するようにオンにするか、またはオフにすることができる。使用者によって容易に接近可能にするために、オン/オフスイッチ64は、好ましくは、スイーパーヘッド30の最上部分に位置する。さらにより好ましい実施形態では、スイッチ64は、スイーパーヘッドの後部部分(すなわち、使用中、使用者の足に最も近い部分)に位置するので、使用者は、足でスイッチを押すことにより、モータのオンとオフを簡単に切り換えることができる。
【0049】
図6および図7に表される他の実施形態では、洗浄器具10は、電動式でなく、第1車輪170および第2車輪270を具え、それらの車輪は、作動可能に回転部材40に繋がることができる。好ましい実施形態では、軸140は、スイーパーヘッド30の、少なくとも片方であるが、好ましくは両方の車輪部材170および270に機械的に接続されている。「機械的に繋がる」とは、柔らかい面での車輪170および/または270の回転が、軸140を軸線A〜Aの周囲で回転させることを意味する。
【0050】
1つの実施形態では、軸140は、スイーパーヘッド30の、少なくとも片方であるが、好ましくは両方の車輪部材170および270に、直接または間接的に繋がることができる。好ましい実施形態では、軸140は、第1および第2車輪170、270に間接的に繋がって、回転部材40の回転速度は、車輪部材170および/または270の回転速度より大きい。
【0051】
図8は、好適なギアの配置の部分図(明確にするために、車輪の片方だけが示されている)を示し、スイーパーヘッドの車輪270の少なくとも片方が、軸140を回転させる。1つの実施形態では、車輪270は、駆動ギア1270に接続して、駆動ギア1270の回転速度は、車輪1270の回転速度とほぼ同じである。駆動ギア1270は、第1伝達ギア2270と係合し、それが軸140に接続されている。好ましい実施形態では、各車輪は、駆動ギアに接続して、各駆動ギアは、各々、第1伝達ギアおよび第2伝達ギアと係合する。車輪270が回転するとき、駆動ギア1270は、駆動ギアと伝達ギア2270とのギア比による回転速度で伝達ギアを回転させる。1つの実施形態では、このギア比は、約10:1〜約1:1、好ましくは約8:1〜約2:1、より好ましくは約5:1〜約3:1である。先に説明したギアの配置は、軸140が、車輪170および270より大きい回転速度で回転するのを可能にすることを、当業者は理解するであろう。他の種類のギアの配置、例えば、モータで動く器具に関して先に説明したものなどが使用されて、尚も同じ効果をもたらし得ることも、当業者は認めるであろう。先の、電動式でない実施形態では、回転部材40の回転速度は、車輪170および/または270の回転速度に直接、関係することも認めることができる。使用者が、柔らかい面を横切ってスイーパーヘッドを前後に移動させるとき、車輪の回転速度は変化する。その結果、軸140およびブレード240の回転速度は、柔らかい面を横切るスイーパーヘッドの典型的な前後の運動中、一定ではない。加えて、スイーパーヘッドの前方の運動の間の、軸140の回転方向は、スイーパーヘッドの後方の運動の間の、軸140の回転方向と反対である。その結果、遊離した汚れは、収集容器に向かって一貫して飛ばされるまたは投入されることはない。先の、電動式でない器具で、遊離した汚れの除去を最大にするために、回転部材40が、スイーパーヘッド30の真中に位置してもよく、また2つの収集容器が、回転部材の両側に位置してもよい。先の実施形態により、洗浄器具が、前方と後方の両方向で、遊離した汚れを除去するのが可能になる。
【0052】
2)ブレード部材
先に説明したように、回転部材40は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のブレード部材240を具える。
【0053】
1つの実施形態では、軸線A〜Aと洗浄される面との間の距離Dは、軸140およびブレード部材240が、軸線A〜Aの周囲で回転するとき、ブレード部材240の少なくとも1つの末端縁1240が、洗浄される面に接近する距離である。「洗浄される面に接近する」とは、末端縁1240と洗浄される面との間の距離が、約0.5mm〜約15mm、好ましくは約1mm〜約10mm、より好ましくは約2mm〜約5mmであることを意味する。洗浄される面に接近するブレード部材240を有する回転部材40の例が、図9に概略的に表されている。
【0054】
1つの実施形態では、洗浄作業中、ブレード部材240の少なくとも1つが、洗浄される面に接触する。好ましい実施形態では、洗浄される面に接触することができるブレード部材は、可撓性および/または弾性材から作られて、ブレード部材(単数または複数)が、洗浄される面に接触するとき、ブレード部材は、曲がるかまたは変形できる。1つの実施形態では、回転部材40は、少なくとも1つのブレード部材240を具えることができ、このブレード部材は、このブレード部材の遠位部分240Aが、洗浄作業中、洗浄される面に接触する長さである。「ブレードの接触する長さ」として画成される部分240Aの長さは、スイーパーヘッドを、ビニル床など、硬い面の上に配置し、次に、ブレード部材240の近位部分240Bが、硬い面に垂直であり、また軸部材140の回転軸線を含む平面内に位置するまで、回転部材の軸を回転させることにより測定できる。回転軸140に沿ったブレードが、螺線形かまたは「V」字形である場合、測定値は、ブレード上の点で決定され、「曲げられた長さ」の最大値は、ブレードが床に接触するときに達成される。洗浄される面に接触するブレード部材240を有する回転部材40の例が、図10に概略的に表されている。1つの実施形態では、ブレード部材240の遠位部分240Aは、約0.5mm〜約20mm、好ましくは約1mm〜約15mm、より好ましくは約3mm〜約10mmであり、このブレード部材の遠位部分は、洗浄作業中、洗浄される面に接触する。
【0055】
1つの実施形態では、回転部材は、末端縁が、洗浄される面に接触することなくその面に隣接する少なくとも第1のブレード部材と、洗浄作業中、洗浄される面に接触できる少なくとも第2のブレード部材とを具えることができる。好ましい実施形態では、回転部材は、末端縁が、洗浄される面に接触することなくその面に隣接する複数のブレード部材と、洗浄作業中、洗浄される面に接触できる複数のブレード部材とを具える。
【0056】
1つの実施形態では、回転部材は、約1〜約10、好ましくは約2〜約8のブレード部材を具える。1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140に関して対称的に配置される。ブレード部材240は、金属、木、プラスチック、または熱可塑性樹脂など、如何なる材料からでも作製できる。好ましい実施形態では、ブレード部材140は、ゴムなどの、可撓性の弾性材で作られる。可撓性の弾性材により、各々のブレード部材が、柔らかい面に直接、接触するとき、その面を損傷するリスクが低減できる。
【0057】
1つの実施形態では、軸140の半径Rとブレード部材240の幅Wとの合計は、軸線A〜Aと柔らかい面の最上部との間の距離Dより長い。軸140の直径Rとブレード部材の幅Wは、どちらも調節されて、ブレード部材240の少なくとも1つの遠位部分1240が、洗浄される面に隣接する、好ましくは接触するのが可能になることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、ブレード部材240の少なくとも1つの幅Wは、軸140の半径Rより、少なくとも約100%、好ましくは少なくとも約160%、より好ましくは少なくとも200%、さらにより好ましくは少なくとも250%長い。一定の厚みを有するブレード部材を作製するために使用される任意の所定材料では、より長いブレードは、より短いブレードより可撓性である傾向があることを、当業者は理解するであろう。
【0058】
特に、そのような軸とブレード部材とを組み合わせると、ブレード部材の遠位部分が、洗浄される柔らかい面の繊維の中に到達して、より大量の遊離した汚れを「引き出す」かまたは除去するのが可能になる。加えて、ブレード部材が可撓性の弾性材で作られるとき、ブレード部材は、柔らかい面に接触すると、最初、曲がる。ブレード部材の弾性力が、柔らかい面の抵抗力を超えるとすぐに、ブレード部材は、その弾性特性のために、その最初の形に戻る。ブレード部材が、その最初の形に戻るとき、ブレード付近の遊離した汚れは、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される。
【0059】
図11〜図13に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、ブレード部材(単数または複数)240の可撓性を増大するために、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の脆弱箇所245を具えることができる。1つの実施形態では、脆弱箇所245は、ブレード部材240の厚みを少なくとも部分的に貫いて延在する長手方向スリットまたは切れ目であることができる。好ましい実施形態では、長手方向スリットまたは切れ目は、ブレード部材の厚み全体を貫いて延在する。
【0060】
1つの実施形態では、脆弱箇所245は、平面的であることができる(すなわち、ブレードを貫く空の容積を作る)。図12は、ブレード部材を貫いて延在する複数の円形の脆弱箇所を具えるブレード部材240を示し、また図13は、ブレード部材を貫いて延在する複数の平面的な溝を有するブレード部材240を示している。好ましい実施形態では、脆弱箇所245は、ブレード部材240の厚み全体を貫いて延在する穴であることができる。1つの実施形態では、ブレード部材は、約1〜約1000個、好ましくは約10〜約500個、より好ましくは約20〜約250個の穴を含む。先に説明した脆弱箇所および/または穴は、まっすぐ、湾曲する、斜めであってもよく、また当該技術分野において既知の如何なる幾何学的形状(円形、楕円形、正方形、三角形など)を有してもよい。ブレード部材が回転するとき、特に、その回転速度が52rad/s(500rpm)を超えるとき、ブレード部材は、スイーパーヘッドの前側に空気流を発生することが観察された。この空気流は、スイーパーヘッドの前側の遊離した汚れを、押すかまたは「吹く」ことができる。理論に束縛されるものではないが、スイーパーヘッドが、床面、特に絨毯の上にあるとき、スイーパーヘッドの上部本体部分と下部本体部分は、ほぼ気密な容積を形成すると考えられる。発生した空気流のための唯一の「逃げる」道または通路は、下部本体部分と洗浄される面との間の空所を通るものであることも考えられる。ブレード部材の可撓性を増大することに加えて、脆弱箇所(および特に穴)は、空気孔を提供し、空気がブレード部材を通って流れるのを可能にし、その結果、ブレード部材の回転で発生する空気流を最小にすることが判明している。
【0061】
ブレード部材240は、当該技術分野において既知の任意の手段で軸140に接続されることができる。1つの実施形態では、ブレード部材(単数または複数)は、接着剤で軸140に取り付けることができる。好ましい実施形態では、軸140は、ブレード部材の少なくとも近位部分を保持するための複数の溝を含む。
【0062】
図14に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140から放射状に延在する。
【0063】
図15に概略的に表される1つの実施形態では、ブレード部材240は、軸140の半径Rに関して、約0〜約90°の角度αで軸240から延在する。
【0064】
図16に示される1つの実施形態では、ブレード部材240は、連続する直線2140に沿って軸140から延在することができる。
【0065】
図17に示される1つの実施形態では、ブレード部材240は、連続する螺旋状の線3140に沿って軸140から延在することができる。
【0066】
図18および図19に示される好ましい実施形態では、ブレード部材240は、正弦波形状の線4140に沿って軸140から延在する。「正弦波形状の線」とは、線が、少なくとも1つの変曲点または頂点を含み、その点からから線が方向を変えることを意味する。1つの実施形態では、ブレード部材240は、ほぼV字形またはU字形を有し、Vの「先端」または頂点は、軸140の両方の末端部にほぼ等距離で位置する。特にV字形のブレード部材は、ブレードが遊離した汚れ、特に「より重い」かまたは大きい遊離した汚れを、収集容器50の中に飛ばすかまたは投入する能力を増大する。V字形のブレード部材は、好ましくは、軸140に接続して、軸とV字形のブレード部材が軸線A〜Aの周囲を回転するとき、ブレードの先端または頂点部分3240が柔らかい面と接触する前に、V字形のブレードの外側部分1240および2240が、柔らかい面と接触する。特に、先のV字形のブレード部材により、回転部材40が、遊離した汚れ、特に「より重い」かまたはより大きい遊離した汚れを、スイーパーヘッドの中央部分の方に持ってくるのが可能になる。遊離した汚れが、外側部分1240および2240から「先端」3240まで「移動する」間、これらの遊離した汚れは、速度を増す。遊離した汚れが、V字形のブレードの「先端」または頂点に到達すると、これらの汚れは、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される。
【0067】
3)収集容器
先に説明したように、スイーパーヘッド30は、洗浄作業中、回転部材40によって柔らかい面から除去された遊離した汚れを収容して閉じ込めるための収集容器50を具える。
【0068】
図20に示される1つの実施形態では、収集容器50は、前側壁、後ろ側壁、および側壁、各々152、154、156、および158を具え、それらは、上壁250と底壁350とに接続している。
【0069】
1つの実施形態では、前側壁152は、少なくとも1つの開口部1152を有し、回転部材40により飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れが、収集容器50の内側に達するのを可能にする。前側壁を具えない収集容器を設けることにより、同じ効果が達成できることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、開口部1152は、底壁350から離れて位置し、前側壁152の下部部分2152は、遊離した汚れが収集容器50から偶発的に出るのを防ぐバリアを形成する。開口部1152は、回転部材により飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れが、前側壁152の下部部分2152に妨げられることなく、収集容器に達することができる機会を最大にするために充分大きい。1つの実施形態では、開口部1152の面積は、約1cm2〜約100cm2、好ましくは約30cm2〜約60cm2である。
【0070】
1つの実施形態では、前側壁152の下部部分2152は、洗浄される面にほぼ垂直である。好ましい実施形態では、洗浄される面と、前側壁152の下部部分2152との間の角度β(図4に示されている)は、約0〜約90°、好ましくは約2〜約20°である。洗浄される面と、前側壁152の下部部分2152との間の角度βが、90°またはそれ以上であるとき、下部部分2152に衝突する如何なる遊離した汚れも、回転部材30に向かって跳ね返り、すぐに収集容器50に「捕捉されない」ことを、当業者は理解するであろう。前側壁152の下部部分2152が、後ろ側壁154に向けて配向されるとき(すなわち、βが90°未満であるとき)、下部部分2152は、開口部1152に向かって投入される遊離した汚れのための傾斜面を形成する。下部部分2152に衝突する遊離した汚れは、開口部1152に向かって偏向される、より大きい機会/可能性を有し、その結果、収集容器によって「捕捉される」より大きい機会を有する。
【0071】
さらにより好ましい実施形態では、下部部分2152は、旋回軸線B〜Bの周囲で旋回可能に、側壁、上壁、または底壁の1つに接続し、収集容器が、床面に向かって傾けられる(すなわち、開口部1152が下を向く)とき、下部部分2152は、その自重のために、開口部1152に向かって旋回し、開口部1152の少なくとも一部、しかし好ましくは全体を閉じる。好ましい実施形態では、特に、洗浄器具が柔らかい面から持ち上げられて、スイーパーヘッドの前側が床に面するとき、旋回可能な下部部分は、遊離した汚れが、開口部1152を通って収集から出るのを防ぐことができる。
【0072】
1つの実施形態では、収集容器50の底壁350は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の開口部1350を具える。先に説明したように、洗浄器具は、好ましくは、使い捨て洗浄基材と共に使用される。この実施形態では、洗浄基材が、スイーパーヘッドおよび/または収集容器50に取り付けられて、基材は、底壁350の開口部(単数または複数)1350を少なくとも部分的に、しかし、好ましくは全体的に覆うことができる。さらにより好ましい実施形態では、洗浄基材は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器50に取り付けられて、洗浄基材の上面が、底壁350の下面に接触できる。収集容器50の底壁350が、少なくとも1つの開口部1350を具え、洗浄基材が、開口部1350を少なくとも部分的に覆うとき、遊離した汚れ(回転部材によって先に容器に投入された)が、開口部1350を通って柔らかい面に戻るのが妨げられる。洗浄作業中、収集容器50の中に飛ばされるかまたは投入される遊離した汚れは、洗浄基材の上面(すなわち、床から遠位である基材の面)に落下する。特に、底壁350を貫く開口部1350により、使用者が収集容器の内容物を空にし、同時に、洗浄基材を取り外すのが可能になる。洗浄作業後、洗浄基材が開口部1350をまだ覆ったままで、使用者は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器を、ごみ箱の上に配置できる。使用者が洗浄基材を取り外すとき、遊離した汚れは、重力でごみ箱の中に落下する。次に、使用者は、洗浄基材をごみ箱の中に落とすことができる。底壁を具えない(すなわち、大きい開口部を具える)収集容器が同じ効果をもたらし得ることを、当業者は理解するであろう。底壁350を具えないが、代わりに下部開口部を具える収集容器50が、同じ効果をもたらすことも、当業者は理解するであろう。
【0073】
1つの実施形態では、底壁350は、前側壁、後ろ側壁、または側壁、152、154、156、または158の1つに、旋回可能に接続できる。好ましい実施形態では、底壁350は、収集容器50の後ろ側壁154に、旋回軸線B’〜B’の周囲で旋回可能に接続されている。前側壁、後ろ側壁、または側壁の1つに旋回可能に接続した底壁350は、該底壁350を下方に引っ張ることで、収集容器50の内部容積に容易にアクセスできる。加えて、前側壁、後ろ側壁、または側壁の1つに旋回可能に接続した底壁350はまた、洗浄基材を収集容器50に固定するためにも使用できる。
【0074】
先に説明した洗浄器具は、好ましくは、図21に概略的に表され、この洗浄器具に取り外し可能に貼り付けられる使い捨て洗浄基材またはシート100と共に使用されて、洗浄作業中、洗浄基材の少なくとも一部が、柔らかい面に接触する。
【0075】
好ましい実施形態では、基材100の下面から延在する突出部1100を具える使い捨て洗浄基材またはシート100は、洗浄器具に貼り付けられて、突出部の少なくとも一部が、洗浄される面に接触する。洗浄作業中、また特に絨毯面の洗浄中、シートの突出部の一部は、絨毯の中に到達し、その結果、絨毯から、絡み合う可能性がある汚れを除去するかまたは「引き出す」ことができる。突出部を具える洗浄シートは、第1の絨毯の面を容易に横切って移動できるものの、第1の絨毯と異なる特性を有する第2の絨毯を横切って同じシートを移動させるのは、特に困難なことがあるのが観察されている。家庭内で見られる絨毯は、厚さ、密度、絨毯の繊維の長さ、および経年数(すなわち、新しい絨毯か、古いまたは使い古した/損傷した絨毯)に関して、多種多様である。
【0076】
1つの実施形態では、様々なタイプの絨毯を洗浄するために使用できる様々な洗浄シートを提供するために、基材またはシートの突出部の数、突出部の長さまたは高さ、および突出部の可撓性が調節できる。
【0077】
好ましい実施形態では、全く同じ洗浄シートが、異なるタイプの絨毯を洗浄するために使用できる。洗浄される絨毯に関するシートの位置が調節可能であるとき、異なるタイプの洗浄シートを提供するよりも、全く同じ洗浄シートが、様々なタイプの絨毯を洗浄するために使用できることが判明している。
【0078】
1つの実施形態では、使い捨て洗浄基材と洗浄される絨毯との間の接触面を増大させるかまたは減少させるために、洗浄される面に関する、収集容器の少なくとも一部の高さが、使用者によって調節されることができる。好ましい実施形態では、洗浄シートは、「高さ調節可能な」収集容器を有する洗浄器具に貼り付けることができる。「高さ調節可能な収集容器」とは、収集容器の少なくとも一部が、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で調節可能かつ移動可能であることを意味する。収集容器のこの「高さ調節可能な」部分が、第1の位置から第2の位置まで移動する場合、容器のこの部分が、洗浄される面に向かって(すなわち、下向きに)移動することが理解される。逆に、収集容器のこの部分が、第2の位置から第1の位置まで移動する場合、容器のこの部分は洗浄される面から離れて(すなわち、上向きに)移動することが理解される。洗浄基材またはシート100は、好ましくは、スイーパーヘッドおよび/または高さ調節可能な収集容器に貼り付けられて、シートの上側または上面は、収集容器50の底壁350にほぼ隣接する。
【0079】
図22〜図25は、各々、「高さ調節可能な」収集容器55の好ましい実施例の斜視図、平面図、底面図、および分解図を示している。
【0080】
理論に束縛されるものではないが、高さ調節可能な収集容器は、シートの突出部が、絨毯の繊維の中に捕えられるかまたは絡まる危険をかなり低減すると考えられる。容器の高さは調節可能であるが、洗浄される面に関するスイーパーヘッドの高さが、変化しないとき、回転部材のブレード部材は、遊離した汚れを収集容器の中に投入し続けることも考えられる。
【0081】
1つの実施形態では、「高さ調節可能な」収集容器は、上部シャーシ部材155および下部シャーシ部材255を具え、下部シャーシ部材255は、上部シャーシ部材155に関して、第1の位置から第2の位置まで(逆もまた同様)移動可能である。1つの実施形態では、下部シャーシ部材255は、回転軸線C〜Cのあたりで旋回可能に上部シャーシ部材155に接続されている。好ましい実施形態では、回転軸線C〜Cは、容器55の開口部1055に隣接し、それにより、遊離した汚れが容器55内に達するのが可能になる。下部シャーシ部材255の後ろ側(すなわち、開口部1055から離れた)部分は、上部シャーシ部材155に関して上方または下方に移動できることを、当業者は理解するであろう。
【0082】
1つの実施形態では、収集容器55は、高さ調節機構355を具えることができ、この機構は、操作可能に、上部シャーシ部材155と下部シャーシ部材255とに接続し、また使用者が、上部シャーシ部材155に関する下部シャーシ部材255の位置を調節するのを可能にする。1つの実施形態では、高さ調節機構355は、操作可能に上部シャーシ部材155に接続したレバー部材1355と、操作可能に下部シャーシ部材255に接続した移動部材2355とを具える。1つの実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材155の後ろ側部分に位置する開口部1155内に位置する。好ましい実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材に接続して、水平な平面内で、実質的な垂直の移動なしに、第1の位置から第2の位置まで移動できる。1つの実施形態では、レバー部材1355は、下部シャーシ部材255の後ろ側部分に位置する開口部1255内に位置する移動部材2355に装着される。好ましい実施形態では、移動部材2355は、回転軸線D〜Dの周囲で旋回可能に下部シャーシ部材255に接続して、レバー部材1355が、第1の位置から第2の位置まで移動するとき、移動部材は、下部シャーシ部材255の開口部1255内で、ほぼ垂直な(すなわち、洗浄される面にほぼ垂直な)軸線の周囲を旋回する。好ましい実施形態では、移動部材2355は、リップ部分12355を具え、この部分が、下部シャーシ部材255に接触してこれを支持する。さらにより好ましい実施形態では、下部シャーシ部材255の開口部1255は、下向きに傾斜して、移動部材2355の回転が、下部シャーシ部材255の後ろ側部分を上または下へ移動させる。高さ調節機構は、レバー部材の回転を、下部シャーシ部材の線状の垂直な運動に変えることを、当業者は理解するであろう。
【0083】
図26Aおよび図26Bは、第1の位置および第2の位置での高さ調節可能な収集容器55を示している。
【0084】
使用者が、第1の位置から第2の位置へとレバー部材を移動させる場合、下部シャーシ部材255は、下向きに移動する。逆に、使用者が第2の位置から第1の位置へとレバーを戻す場合、下部シャーシ部材255は上向きに移動する。
【0085】
下部シャーシの前側部分が、旋回可能に上部シャーシに接続しているので、また下部シャーシが、移動部材2355で支持されているので、下部シャーシの後ろ側部分は、上部シャーシ部材155のより近くに(すなわち、上に)または遠くに(すなわち、下に)移動できることを、当業者は理解するであろう。
【0086】
より多くの高さ調節の可能性を使用者に提供するために、収集容器は、2つを超える位置を有し得ることが認められる。
【0087】
1つの実施形態では、高さ調節可能な容器55は、使用者が洗浄することを希望する絨毯のタイプによって選択できる4つの位置を有することができる。1つの実施形態では、レバー部材1355は、上部シャーシ部材155上に位置する複数の対応する凹部2155の少なくとも1つに係合するための突起を有することができる。
【0088】
図27Aに示される1つの実施形態では、レバー部材1355に接続した移動部材2355は、レバー部材の中空の円筒形部分内で軸線方向に自由に移動し、また中空の円筒部分内に位置するばね2355Bで上向きに押されるピン2355Aを具えることができる。ピン2355Aは、上部シャーシ155の内側面内に形成された複数の凹部2155Aの1つと係合できる。使用者が、設定位置から第2の位置へとレバー部材1355を移動させる場合、バネ搭載ピン2355Aは、凹部2155Aの1つから外れて次の凹部と係合する一方、高さ調節可能な容器が別の位置にあることを示唆する可聴音を発生する。特に、ばね搭載ピンは、レバー部材1355および高さ調節可能な容器が、洗浄作業中、偶発的に位置を変えるのを防ぐ。
【0089】
先に説明したように、洗浄器具は、柔らかい面または硬い面のいずれを洗浄するためにも使用できる。洗浄器具が硬い面を洗浄するために使用されるとき、その器具は、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Protect & Gamble Company)からのスイファー(SWIFFER)(登録商標)洗浄シートまたはジョンソン社(S.C. Johnson Company)からのプレッジ・グラブイット(PLEDGE GRAB-IT)(登録商標)洗浄シートなどの、不織布材料を具える使い捨て洗浄シートと共に使用することができ、洗浄シートは、スイーパーヘッドの底面に取り付けることができる。先に説明したような高さ調節機構を有する収集容器により、洗浄シートは、洗浄される硬い面のすぐ近くに配置されて、使い捨て洗浄シートが硬い面を横切って拭くのが可能になる。
【0090】
図27Bに示される1つの実施形態では、洗浄される柔らかい面のタイプによって、レバー部材1355の適切な配置を使用者に伝えるために、高さ調節可能な容器55は、レバー部材1355にほぼ隣接して位置するアイコン,写真,単語,記号,およびそれらの任意の組み合わせの形態の、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのしるし56を含む。好ましい実施形態では、しるしの数は、レバー部材が有し得る位置の数に等しい。好ましい実施形態では、しるし56は、様々な寸法を有する絨毯繊維の側面図を概略的に表す。最適の洗浄性能のために、「最短」繊維を示す絨毯の側面図は、好ましくは、高さ調節可能な容器、結果として、洗浄シートが、絨毯面に最も近い(すなわち最も低い位置)レバー部材の位置に隣接する。逆に、「最長」繊維を示す絨毯の側面図は、好ましくは、高さ調節可能な容器および洗浄シートが、絨毯面から最も離れた(すなわち、最も高い位置)レバー部材の位置に隣接する。レバー部材は、所望されるような多くの中間位置を有してもよいが、最も低い位置と最も高い位置とを組み合わせた、2つの中間位置が、家庭で典型的に見られる絨毯のタイプに基づいた、高さ調節の充分な変化性を提供すると考えられる。好ましい実施形態では、硬い面を洗浄するために洗浄器具が使用されるとき、収集容器はまた、使用者にレバー部材の適切な位置を伝えるしるしも含む。スイファー(SWIFFER)(登録商標)洗浄シートなどの使い捨て洗浄シートで、硬い面を洗浄するとき、洗浄シートが硬い面にぴったり接触するのが有益であることを、当業者は理解するであろう。従って、硬い面の洗浄に関するしるしは、好ましくは、高さ調節可能な容器が洗浄される面に最も近いレバー部材の位置に隣接する。
【0091】
1つの実施形態では、同種のしるしはまた、洗浄器具が販売されるパッケージ上に、使い捨て洗浄シートが販売されるパッケージ上に、取扱説明書に、およびこれらの任意の組み合わせに含まれることができる。
【0092】
図28に表される1つの実施形態では、下部シャーシ部材255は、操作可能に下部シャーシ部材255に接続した底壁455を具え、底壁は、下部シャーシ部材255に関して、少なくとも部分的に移動可能である。好ましい実施形態では、底壁455は、下部シャーシ部材255の裏側部分に(すなわち、開口部1055から離れて)旋回可能に接続されている。特に、旋回可能な底壁455により、使用者は、収集容器55の内側に到達するのが可能になり、また使用者が、使い捨て洗浄基材を収集容器55に取り付けるのも可能になる。底壁455は、矩形、三角形、および/または円形など、如何なる所望の形状を有してもよい。
【0093】
1つの実施形態では、収集容器は、恒久的にスイーパーヘッド30に取り付けられて、スイーパーヘッドの一体化した部分を形成する。
【0094】
好ましい実施形態では、収集容器は、スイーパーヘッド30に取り外し可能に接続されているので、使用者は、スイーパーヘッド30全体を持ち運ぶ必要なしに、収集容器の内容物をごみ箱に空けて、洗浄基材を処分してもよい。
【0095】
図29に示される1つの実施形態では、収集容器55は、使用者が収集容器55を取り外して持ち運ぶのを可能にするための把持部材455を具える。
【0096】
図29は、洗浄器具のスイーパーヘッドに接続した収集容器55を維持するためのロック機構555を具える収集容器55の部分断面図を示している。1つの実施形態では、ロック機構555は、スイーパーヘッドの対応する雌部分と係合できる雄部分1555を有する。好ましい実施形態では、使用者は、把持部材455から延在する解放ボタン2555を押すことで、雄部分と雌部分を外すことができる。好ましい実施形態では、ロック機構は、コイルばね3555により、ばね上げされている。
【0097】
1つの実施形態では、収集容器50は、好ましくは、スイーパーヘッド30に取り外し可能に接続して、また把持部材450を有し、スイーパーヘッド30と別個に、洗浄基材と共に使用できる。この実施形態では、収集容器50は、小型洗浄器具として見られることができ、洗浄基材と組み合わされて使用されて、絨毯敷き階段、布地で覆われたクッションなどの、より小さい柔らかい面、および/または布地で覆われた家具、室内装飾材料、若しくは壁など、布地で覆われた任意のタイプの垂直な面などの、洗浄器具で届くのが困難である柔らかい面、またはカーテンから、絡み合う可能性がある汚れを除去できる。
【0098】
図30に表される好ましい実施形態では、ハンドル20が、第1脚部分1120および第2脚部分2120を有するヨーク部材120に接続し、ヨーク部材120は、少なくとも1つの回転軸線E〜Eに沿って操作可能にスイーパーヘッド30に接続している。ハンドル20は、当該技術分野において既知の如何なるハンドルであってもよく、また一体成形で、分割式,入れ子式,または折り畳み式に作製できる。
【0099】
1つの実施形態では、第1脚部分1120と第2脚部分2120との間の距離は、スイーパーヘッドの幅より大きいので、洗浄器具が床面から持ち上げられるとき、スイーパーヘッド30の前側は、床に向かって傾斜し、スイーパーヘッドの後ろ側部分は、図1に示されるように、ヨーク部材120の第1脚部分1120と第2脚部分2120との間に位置する。特に、先のヨーク部材により、使用者は、洗浄器具を壁のフックに「掛ける」ことができ、スイーパーヘッドに取られる空間を最小にすることができる。
【0100】
1つの実施形態では、洗浄器具は、先に説明した回転部材の代わりにまたは加えて、真空発生要素を有し、尚も同じ効果を提供できる。真空発生要素は、遊離した汚れを収集容器の中に運ぶことができる空気流を発生するマイナスの圧力を作ることにより、柔らかい面または硬い面のいずれからでも、遊離した汚れを除去できることを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、真空発生要素は、操作可能にモータに接続したファンと流体連通である吸引ノズルを具える。真空発生要素のモータは、少なくとも1個の電池、または電気でモータに接続した電気コンセントのどちらでも動かすことができる。
【0101】
II.使い捨て洗浄基材
柔らかい面から、絡み合う可能性がある汚れを除去するために、様々な取り外し可能な洗浄基材が、洗浄器具に取り付けられてもよい。洗浄基材は、合成繊維、天然繊維、または混合繊維を含む、織布または不織布の繊維性材料を含むことができる。基材はまた、ポリマー被膜も含むことができる。基材は、水流交絡、スパンボンド、メルトブローン、カードなどが挙げられるが、これらに限定されない様々なプロセスから作製できる。好ましい実施形態では、基材は、合成繊維を含む不織布繊維性材料を含み、水流交絡させるプロセスかまたはスパンボンドされるプロセスで形成される。
【0102】
図31および図32は、各々、本発明の洗浄器具と共に使用するのに好適な取り外し可能な/使い捨て洗浄基材の実施例の下面および上面を示している。洗浄基材の下面は、洗浄作業中、洗浄される面に最も近い面であることを理解されたい。逆に、「上面」は、洗浄作業中、洗浄される面から離れている洗浄基材の面である。
【0103】
1つの実施形態では、使い捨て洗浄基材は、基材101と、基材101に、好ましくは基材の下面に貼り付けた複数の突出部1100とを具える使い捨て洗浄シート100の形態である。好ましい実施形態では、基材101は、少なくとも1つであるが、好ましくは複数の突出部1100の列を具える。さらにより好ましい実施形態では、洗浄シートは、洗浄器具に取り付けられて、突出部1100の列は、洗浄作業中、スイーパーヘッドの前方の運動と後方の運動にほぼ垂直である。突出部1100は、当該技術分野において既知の如何なる突出部であってもよい。好適な突出部の非限定的な例には、フック型突出部、傾斜した繊維、毛などが挙げられる。そのような洗浄シートは、毛髪などの絡み合う可能性がある汚れを、室内装飾材料,布地,絨毯など、柔らかい面から除去するのに、特に好適である。好ましい基材および突出部は、どちらもプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された同時係属の米国特許出願10/161,445(カチャー(Kacher)ら、2002年6月25日出願)、米国特許出願10/161,444(カチャー(Kacher)ら、2002年6月25日出願)に詳細に記載されている。
【0104】
1つの実施形態では、基材101の下面は、洗浄作業中、突出部1100によって柔らかい面から除去された、絡み合う可能性がある汚れを保持するための添加剤2100を含む。好適な添加剤の非限定的な例には、ポリマーの添加剤,粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物が挙げられる。好適な粘着性ポリマーの非限定的な例には、ポリイソブチレンポリマー,N−デシルメタクリル酸塩,およびこれらの混合物が挙げられる。好適な感圧性接着剤の非限定的な例は、55164ミネソタ州セントポールのH.B.フラー社(H.B. FULLER Company)から、商標名HL−1496、HL−1500、HM−1597、HM−1902、HM−1972、HM−2713で入手可能である。好適なオイルジェルまたはホットメルト接着剤の非限定的な例は、ナショナルスターチ社(National Starch Company)から、ソフトジェル(SoftGel)546−47Eの名称で入手可能である。好適なワックスの非限定的な例には、パラフィン,蜜蝋,マイクロクリスタリンワックス,およびこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
図32に示される1つの実施形態では、基材101の上面は、添加剤3100、好ましくは、粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択される粘着性添加剤を具えることができる。特に、接着性または粘着性を有する添加剤が、基材の上面に塗布されて、先に説明した洗浄器具のいずれかの、スイーパーヘッドの底面、好ましくは収集容器の底面に、洗浄シートを取り外し可能に装着されるために使用できる。洗浄作業中、洗浄シートの上面は、スイーパーヘッドおよび/または収集容器の少なくとも一部に接触し、突出部1100は、洗浄される柔らかい面と係合できる。
【0106】
加えて、洗浄基材上の添加剤は、特に収集容器の底壁が少なくとも1つの開口部を具えるとき、回転部材によって投入された遊離した汚れを保持できる。洗浄作業中、そのような洗浄シートの上面および下面は、汚れを同時に捕捉するおよび/または保持することが認められる。柔らかい面または硬い面が清浄になったとき、使用者は、洗浄シートを簡単に取り外すことができ、洗浄シートは、絡み合う可能性がある汚れをその下面に、また遊離した汚れをその上面に主に含み、これらの汚れは、添加剤3100で少なくとも部分的に保持される。
【0107】
添加剤3100の接着性または粘着性が、弱いまたは全くない場合、当該技術分野において既知の、洗浄基材を保持するための任意手段で、スイーパーヘッドおよび/または収集容器に取り付け得ることを、当業者は理解するであろう。基材を保持するのに好適な手段の非限定的な例には、フック・ループ式ファスナ,および/または変形可能な切り離し構造体,クリップ,およびピンチ機構などの、器具上に位置する機械的構造体が挙げられる。
【0108】
図33は、空洞2200にアクセスするための開口部1200を有する少なくとも1つのポケットまたはパウチ200を具える使い捨て洗浄シート100の上面を示している。
【0109】
図34は、軸線33〜33に沿って取った、図33の使い捨て洗浄シートの断面図を示している。ポケットまたはパウチ200は、第2基材102の層を第1基材101の上面に取り付けることで作製できる。ポケットまたはパウチはまた、開口部によって空洞にアクセス可能であるために、第1基材の少なくとも一部をそれ自体の上に折り畳み、次に、折り畳んだ部分を基材の下側部分に固定することにより形成できる。特に、収集容器が、図28に示されるような、旋回可能な底壁を具えるとき、ポケット200により、洗浄シートは、収集容器の底面で保持されるのが可能になる。使用者は、開口部1200を通って底壁の前側部分をポケット200に挿入することにより、洗浄シート100を取り付けることができる。底壁が挿入されると、使用者は、底壁をその最初の位置まで押すことができる。1つの実施形態では、第1基材101の上面および/または第2基材102の上面は、先に説明したような、また好ましくは接着性または粘着性を有する添加剤3100を含む。
【0110】
ポケットまたはパウチ200は、如何なる所望の形を有することもできるが、ポケット200の形は、好ましくは、底壁350の形に対応する。例えば、底壁の前側部分の外側縁部が矩形を形成する場合、ポケットもまた矩形を有することが好ましい。
【0111】
図35に示される1つの実施形態では、洗浄シートは、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のスリット4100を具え、収集容器の底壁350の少なくとも1つの部分または複数部分が、スリット4100を通って挿入されるのが可能になる。
【0112】
図36に概略的に表される1つの実施形態では、洗浄基材100は、洗浄基材の少なくとも一部、好ましくは基材の前側部分に、少なくとも1つの延長片またはつまみ5100を具える。先に説明したように、基材の上面および/または下面は、各々、洗浄作業中、遊離した汚れおよび絡み合う可能性がある汚れを収集する。延長片またはつまみ5100により、洗浄作業が終わると、使用者は、これらの汚れに触れる必要なく、洗浄器具から洗浄基材を容易に取り外すかまたは分離するのが可能になる。好ましい実施形態では、延長片またはつまみには、好ましくは、如何なる添加剤および/または突出部もほぼないので、延長片またはつまみは、洗浄作業中、汚れを収集しない。その結果、延長片またはつまみは、ほぼ清浄なままであり、また衛生的なやり方で、使用者によって把持されるおよび/または引っ張られることができる清浄面を提供する。
【0113】
好ましい実施形態では、延長片またはつまみ5100は、洗浄基材の前側部分に隣接して位置し、洗浄基材の前側で延在する。好ましい実施形態では、延長片またはタブは、洗浄基材の前側部分のほぼ真ん中または中央に位置する。
【0114】
延長片またはつまみは、好ましくは、使用者によって容易に「把持可能」であるような大きさであることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、延長片またはつまみは、少なくとも約0.25cm2、好ましくは少なくとも約1cm2、より好ましくは少なくとも約2cm2の「把持可能な清浄面」を含むような大きさである。1つの実施形態では、延長片またはつまみは、約40cm2未満、好ましくは約10cm2未満、より好ましくは約5cm2未満の「把持可能な清浄面」を含むような大きさである。「把持可能な清浄面」とは、汚れを保持できる如何なる添加剤または突出部もほぼない、延長片またはつまみの領域を意味する。
【0115】
1つの実施形態では、延長片またはつまみの長さは、約5cm未満、好ましくは約3cm未満、より好ましくは約2cm未満であり、洗浄作業中、回転部材におよびまたは洗浄基材の下面に、干渉または接触しない。
【0116】
延長片またはつまみは、織布または不織布繊維性材料、フィルム、カードストック、およびこれらの任意の組み合わせから作製できる。延長片若しくはつまみは、洗浄基材に貼り付けられる別個の材料片であることができるか、または洗浄基材の一部を取り除くか若しくは切断することにより、洗浄基材と同時に形成できる。
【0117】
1つの実施形態では、延長つまみは、好ましくは、延長つまみの上の接着剤部分であってもよく、洗浄作業中、つまみの上面の少なくとも一部は、器具の底面に接着剤で接続できる。
【0118】
先に説明した洗浄基材または洗浄シートのいずれも、先に説明したような延長片またはつまみを具えてもよいことが、認められる。
【0119】
特に、延長片またはつまみにより、先に説明し、図28に示されるようなスイーパーまたは収集容器の旋回可能な底壁を、消費者が操作可能に旋回させるのも可能になる。延長片またはつまみを有する洗浄基材が、スイーパーおよび/または収集容器に装着されるとき、使用者は、旋回可能な壁の旋回軸線にほぼ垂直である、構成要素を有する方向に、延長片またはつまみを引っ張ることにより、旋回可能な壁を旋回させて、その結果、容器を「開く」ことができる。
【0120】
洗浄基材の延長片またはつまみの効果を使用者に伝えるためにアイコン,写真,単語,記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されるしるしの形態の説明が含まれてもよく、説明は、洗浄基材上に、洗浄基材を含む、延長片またはつまみのパッケージ上に、および/またはインターネットによりアクセス可能なウェブサイトに加えられて、洗浄器具に、シートおよび/または容器を取り付ける/取り外すための最良の方法を説明できる。
【0121】
本発明の洗浄シートは、絨毯または室内装飾材料などの柔らかい面から除去するのが一般には困難である、絡み合う可能性がある汚れの除去に、特に有用である。ペットの毛および人間の毛髪は、絨毯などの柔らかい面から除去するのが特に困難である。しかし、本発明の洗浄シートは、そのようなくずを、柔らかい面から除去するのに特に有効であり、また使用後、適切に処分できる。故に、洗浄シートは、使用後、洗浄シートによって収集された全ての汚れと共に、簡単に捨てることができる。
【0122】
1つの実施形態では、添加剤、特に粘着性添加剤を具える前述の洗浄基材または洗浄シートはいずれも、使用前に前記添加剤を保護する剥離紙または剥離ライナーを具えることができる。使用者が柔らかい面を洗浄するために洗浄シートを使用することを希望するとき、使用者は、保護している剥離紙または剥離ライナーを単に取り外して、添加剤を露出できることを、当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、剥離紙または剥離ライナーの外側(すなわち、露出した)面は、洗浄シートの適切な取り付けおよび/または使用方法を使用者に伝える説明を含むことができる。
【0123】
A.基材
使い捨て洗浄シートは、様々なタイプの基材から作製できる。基材は、織布または不織布であってもよく、また合成繊維、天然繊維、または混合繊維から作られてもよい。基材はまた、ポリマー被膜であってもよく、または型に、特にベルトに配置された融解した材料を使用する成形作業による、および/または被膜上で行われる機械的操作/改変を含む成形作業によることも可能である。構造体は、任意の数の手順(例えば、スパンボンド,メルトブローン,樹脂結合,エアースルー接着など)で行われる。好ましい基材は、スパンボンド基材,メルトブローン基材,水流交絡基材,熱可塑性フィルム基材,エアレイド基材,カード基材,およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される不織布基材を具える。
【0124】
本洗浄シートの好ましい不織布基材を形成するのに特に好適な材料には、例えば、天然セルロース,ならびにポリオレフィン類(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン),ポリエステル類,ポリアミド類,合成セルロース(例えば、レーヨン(登録商標))などの合成繊維,およびこれらの混合物が挙げられる。同様に有用であるのは、木綿またはそのブレンドなどの天然繊維,および様々なセルロース源から誘導された繊維である。本洗浄シートの基材を作製するための好ましい出発材料は、合成材料であり、これは、カード,スパンボンド,メルトブローン,エアレイド,または他の構造体の形態であってもよい。特に好ましいのは、ポリエステル類、特に、カードポリエステル繊維,ポリプロピレン繊維,およびポリエチレン繊維である。洗浄シートが面、例えば絨毯,室内装飾材料,または他の布地面を横切って擦れるとき、基材の表皮剥離および切れへの抵抗性は、基材の形態および繊維組成物の選択において重要な要因であり得る。繊維の疎水性または親水性の程度は、除去される汚れのタイプ、添加剤が存在するとき、供給される添加剤のタイプ,生分解性,有用性,およびこのような考察の組み合わせのいずれかに関して、シートの所望の目的により、さらに最適化される。一般に、より生分解性である材料は親水性であるが、より有効な材料は疎水性である傾向がある。
【0125】
基材は、1つの繊維性層から形成できる、または2つ若しくはそれ以上の別個の層の積層体であることができる。好ましくは、シートは、水流交絡するプロセスまたはスパンボンドされるプロセスで作られる不織布である。この点に関して、繊維の別個の層を水流交絡する前に、層のそれぞれを僅かに交絡してから、層のグループを交絡により結合するのが望ましい場合もある。
【0126】
基材の一体性を強めるために、高分子網(本明細書では「スクリム」材料と称される)が、基材に組み込まれることができ、スクリム材料は、例えば、熱、若しくは接着剤などの化学的手段によるか、または水流交絡による積層体によって、繊維性材料と共に配置される。本明細書において有用なスクリム材料が、米国特許第4,636,419号に詳細に記載される。スクリムは、押出し型で直接、成形できるか、または繊維成型若しくはエンボス加工により、押出されたフィルムから誘導され、続いて、引き伸ばしおよび分割されることができる。スクリムは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン,そのコポリマー,ポリ(ブチレンテレフタレート),ポリエチレンテレフタレート,ナイロン6,ナイロン66などから誘導されてもよい。スクリム材料は、様々な商業的源から入手可能である。本発明に有用な好ましいスクリム材料は、ミネソタ州ミネアポリスのコンウェドプラスチック社(Conwed Plastics)から入手可能なポリプロピレンスクリムである。
【0127】
本洗浄シートの基材は、典型的には、約15〜約195g/m2、好ましくは約20〜約90g/m2、より好ましくは約30〜約80g/m2の坪量を有する。基材は、1層またはそれ以上の繊維層を含んでもよい。各繊維層は、同じ構造であってもよく、または異なる構造であってもよい。
【0128】
本明細書における好ましい基材は、ポリプロピレン繊維80%およびレーヨン繊維20%を含む、70g/m2の坪量を有する熱接着したカード繊維性ウェブを含む。他の好ましい基材は、外側の2つのスパンボンド層と、内側のメルトブローン層を含み、48g/m2の坪量を有する三層積層体であり、ポリプロピレンを100%含む。どちらの好ましい基材も、米国サウスカロライナ州 シンプソンビレ(Simpsonville)のBBAノンウオブンズ社(BBA Nonwovens)から市販されている。他の好適な基材は、米国特許出願09/082,349(1998年5月20日出願)、米国特許出願09/082,396(1998年5月20日出願)、および米国特許出願09/729,626(2000年11月30日出願)に詳細に記載されている。
【0129】
使い捨て洗浄シートが、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された、同時係属の米国特許出願10/216,117(キングリー(Kingry)ら、2003年7月14日出願)に記載される構造体などの、スリットのある構造体を具える洗浄器具と共に使用される場合、基材は、その少なくとも一部が、スリットのある構造体によって、取り外し可能に「把持可能」であるような大きさであることを、当業者は理解するであろう。
【0130】
B.突出部
本発明の洗浄シートは、本明細書に説明される基材に貼り付けられる複数の突出部をさらに具える。本洗浄シートの突出部は、絡み合う可能性がある汚れ、特に動物の毛または人間の毛髪を、面、特に絨毯、室内装飾材料などの柔らかい面からピックアップするのを強化する。加えて、突出部を具える洗浄シートが、絨毯を洗浄するために使用されるとき、突出部の一部は、絨毯の繊維の中に到達し、その後、先に説明した洗浄器具の回転部材により除去されることができる小さい微粒子を絨毯の表面に持ってくることができる。好ましい実施形態では、突出部は、絨毯に絡まないように選択される。
【0131】
突出部は、フック、傾斜した繊維、毛などが挙げられるが、これらに限定されない様々な形状であってもよい。基材に貼り付いた複数の突出部は、全て同じ形状であってもよく、または様々な形状の組み合わせであってもよい。好ましくは、突出部の少なくとも一部は、フック型の突出部である。好ましいフック型の突出部には様々なタイプが含まれ、例えば、「Jタイプ」のフック、「プロング(尖った器具)タイプ」のフック、「マッシュルームタイプ」のフック、「バナナタイプ」のフック、「Yタイプ」のフック、「多数の先端をなす」フックなどが挙げられる。
【0132】
洗浄シートと共に提供される突出部は、様々な材料から作製できる。例えば、突出部は、ポリマー、ポリマー樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない材料から形成でき、好ましくは熱可塑性樹脂から形成できる。熱可塑性樹脂は、好ましくは、熱可塑性ポリマーを含み、また好ましくは、粘着付与樹脂,可塑剤,ならびに希釈剤,安定剤,酸化防止剤,着色剤,および充填剤などの他の任意成分をさらに含むことができる。好適な粘着付与樹脂および可塑剤は、同時係属の米国特許出願09/821,953(カチャー(Kacher)ら、2001年3月30日出願)に記載されている。
【0133】
本洗浄シートの突出部を形成するための好ましい材料は、熱可塑性樹脂である。本明細書における熱可塑性樹脂は、典型的には、約45℃〜約260℃、より好ましくは約80℃〜約200℃、さらにより好ましくは約90℃〜約180℃の軟化温度を有する。熱可塑性樹脂の「軟化温度」は、ASTM(米国材料試験協会)のD1525の標準方法により、測定できる。
【0134】
好ましい熱可塑性樹脂は、スチレンコポリマーブレンド類からなるグループから選択される熱可塑性ポリマーを含み、コポリマーは、ブタジエン、アクリロニトリル、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸からなるグループから選択され;ポリスチレンのエンドブロックと、ポリイソプレン、ポリブタジエン、および/またはポリエチレン−ブチレンのミッドブロックとを含有するブロックコポリマー類;ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリプロピレン、ポリイソプレン、およびポリエチレンプロピレンなどのポリオレフィン類;エチレンビニルアセテートコポリマー類;アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー類;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類;ナイロン6およびナイロン11などのポリアミド類;ポリイソブチレン;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム[ポリシス−イソプレン];ポリアクリル酸およびその塩;ポリメタクリル酸およびその塩;ポリジメチルシロキサン;ポリジフェニルシロキサン;ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリウレタン;およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0135】
好ましくは、突出部を形成するために使用される熱可塑性樹脂は、ある程度の弾性を有する。弾性の程度は、ヤングの弾性率に関係し、これは、所定材料の延伸による変形に対する引張応力の比である。ヤングの弾性率の値は、戻ることができる長手方向の変形に対する材料の抵抗性を指す。極度に単純化して、これは、試料の長さを2倍にするのに必要な理論上の応力または力として考えることができる。ロフ(W.J. Roff)らにより編集された「一般的なポリマー−繊維、フィルム、塑性体、およびゴムのハンドブック(The Handbook of Commn Polymers-Fibres, Films, Plastics, and Rubber)」(1971)は、多くの材料について、ヤングの弾性率を列挙している。ヤングの弾性率は、ASTMのD797として既知である標準方法を使用して測定できる。本発明の熱可塑性樹脂/ポリマーが、長繊維、糸、またはワイヤの形態であるとき、また湿度が結果に影響を与え得るとき、相対湿度が65%である場合、20℃〜25℃での前記樹脂/ポリマーの、ヤングの弾性率の典型的な値が、次の表に示されている。
【0136】
一般的な熱可塑性樹脂/ポリマー繊維のヤングの弾性率
【0137】
【表1】
【0138】
本洗浄シートの好ましい突出部は、約1〜約1500kN/m2(×10-4)、好ましくは約50〜約1000kN/m2(×10-4)、より好ましくは約75〜約750kN/m2(×10-4)のヤングの弾性率を有する材料から形成される。
【0139】
本洗浄シートの突出部を形成するための、本明細書において好ましい熱可塑性樹脂には、ポリエチレン(低密度でも、高密度でも、および/または架橋したものでもよい)、ポリプロピレン(単繊維または連続する長繊維)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0140】
一般に、複数の突出部を支える熱可塑性材料のストリップが、基材に貼り付けられて、突出部のストリップは、基材の少なくとも1つの外側面の表面積の約5%〜約100%、好ましくは約10%〜約70%、より好ましくは約15%〜約60%を覆うことができる。突出部は、洗浄シートの基材の1つの外側面のみに貼り付けることができるが、突出部はまた、両方の外側面に貼り付けることもできる。
【0141】
突出部の列を作るために、突出部または突出部のストリップは、本明細書の基材に貼り付けることができる。突出部は一般に、所定の列での連続する2つの突出部間の距離が、少なくとも0.15mm、約0.2〜約10mm、好ましくは約0.2〜約5mm、好ましくは約0.3〜約5mm、より好ましくは約0.6〜約3mm、さらにより好ましくは約0.8〜約3mm、最も好ましくは約0.9〜約2mmであるように位置する。1平方センチメートル当たりの突出部の数は、典型的には、約1〜約1000、好ましくは約10〜約100、より好ましくは約20〜約50である。1つの実施形態では、2つまたはそれ以上の突出部が共通の基部を共有し、次に、外側に広がって分離してもよい。
【0142】
以上、説明したように、本洗浄シートの突出部は、様々な形状であってよい。例えば、突出部は、傾斜した繊維であってもよい。傾斜した繊維は、好ましくは、充分なヤングの弾性率を有し、傾斜した繊維に充分な弾力性(例えば、低い弾性)をもたらして、傾斜した繊維が、洗浄される面からくずを除去するのを可能にする。傾斜した繊維は、基材から、基材に関して鋭角で延在するまっすぐな突出部である。
【0143】
突出部はまた、基材からまっすぐ垂直に外に伸びて、基材と90°の角度を形成する以外、傾斜した繊維に類似する剛毛を具えることもできる。
【0144】
しかし、本明細書で好ましい突出部は、フック型突出部である。フック型突出部は、それ自体、様々な形状であってもよい。好ましいフック型突出部には、例えば、「Jタイプ」のフック、「プロングタイプ」のフック、「マッシュルームタイプ」のフック、「バナナタイプ」のフック、「Yタイプ」のフック、「多数の先端をなす」フックなどが挙げられ、本明細書において後で説明される。
【0145】
本洗浄シートは、複数の突出部を具え、それらは全て同じ形状であってもよく、または2つ若しくはそれ以上の異なる形状を有する突出部の組み合わせであってもよい。全てが同じ方向を向くか、または異なる方向を指す複数の突出部を具えることもできる。突出部の形状および弾力性は、好ましくは、洗浄されることを所望される面、特に、絨毯、室内装飾材料などの柔らかい面に基づいて選択される。面を横切る洗浄シートの、最良のくずの除去および移動しやすさをもたらすために、突出部の形状および弾力性もまた、洗浄される絨毯または室内装飾材料のタイプに基づいて選択できる。例えば、より強いフック(例えば、フックの係合末端部で、弾性がより弱いおよび/またはよりねじれた)が、プラッシュ絨毯上で使用できる一方、より強くないフック(例えば、フックの係合末端部で、弾性がより強いおよび/またはカールがより少ない)は、バーバーカーペットなどの、ループタイプの絨毯に好ましい。典型的には、突出部がより細く、個々の突出部間の距離がより大きい程、得られる洗浄シートはあまり強力ではない。
【0146】
1つの実施形態では、突出部を具える洗浄シートは、「従来の」真空式掃除機または改良された真空式掃除機と共に使用できる。
【0147】
「従来の真空式掃除機」とは、現在使用されている如何なる真空式掃除機をも意味し、洗浄シートを取り付けるための手段を必ずしも含まない。洗浄シートは、シートを従来の真空式掃除機の底面に取り外し可能に装着するために、接着剤コーティング、ストリング、ストラップ、フック・ループ式ファスナを具えることができる。従来の真空式掃除機が、洗浄シートが装着されるための充分な接触面を含まない場合、洗浄シートは、真空式掃除機に取り付けることができるアダプタヘッドによって、操作可能に真空式掃除機に接続されることができる。
【0148】
従来の真空式掃除機は、典型的には、流体工学的に管に接続した吸引ノズルまたは吸引ヘッドを具える(例えば、缶型真空式掃除機)。アダプタヘッドは、そのような真空式掃除機の吸引ノズル若しくは吸引ヘッドに接続されているかまたは置き換えられるかのいずれであってもよい。
【0149】
「改良された真空式掃除機」により、洗浄シートを保持するための手段を含む如何なる真空式掃除機をも意味し、真空式掃除機で床面を洗浄する作業中、洗浄シートは、洗浄される面に接触する。1つの実施形態では、洗浄シートを保持するための手段は、洗浄シートを受け取るためのプレートであり、プレートは、操作可能に真空式掃除機の一部に接続して、洗浄作業中、シートの下面が、柔らかい面に接触する。
【0150】
III.洗浄キット
1つの実施形態では、先に説明した洗浄器具のいずれかも、少なくとも1枚であるが、好ましくは複数枚の使い捨て洗浄基材と組み合わせて、洗浄キットとして販売されてもよい。
【0151】
1つの実施形態では、洗浄キットは、洗浄器具と、突出部を具える使い捨て洗浄シートと、如何なる突出部も具えない不織布洗浄シートとを含む。特に、このキットは、柔らかい面と硬い面の両方を洗浄するために使用できる。使用者は、柔らかい面を洗浄するために、突出部を具える洗浄シートを利用できるが、使用者はまた、硬い面を洗浄するために、突出部を具えない不織布洗浄シートも使用できる。1つの実施形態では、突出部を具えない不織布洗浄シートは、先に説明した如何なる手順にもよって、直接、スイーパーヘッドに取り付けられてもよい。他の実施形態では、使用者は、突出部を具える第1洗浄シートを、スイーパーヘッドに取り付けて、次に、突出部を具えない第2洗浄シートを、第1洗浄シートの下面(すなわち、突出部を具える面)に対して接触させることができる。第1洗浄シートの突出部は、洗浄作業中、不織布材料から作られた第2洗浄シートを保持できることを、当業者は理解するであろう。特に、洗浄キットにより、使用者は、1つの洗浄器具で柔らかい面と硬い面の両方を洗浄するのが可能になる。
【0152】
1つの実施形態では、洗浄キットは、パッケージ上に印刷された説明を含むパッケージ、洗浄器具、および/または少なくとも1枚の洗浄シートを含む。
【0153】
主題発明の特定の実施形態を記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、主題発明の様々な変更や修正が可能であることは当該技術分野において当業者には明らかであろう。さらに、本発明を、ある特定の実施形態と関連させて説明したが、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、従来技術で認められるのと同様に広範に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の洗浄器具の斜視図。
【図2】図1の洗浄器具の平面図。
【図3】図1の洗浄器具の底面図。
【図4】図2の洗浄器具の、線4〜4に沿って取った断面側面図。
【図5】上部本体部分のない、図1の洗浄器具の斜視図。
【図6】本発明の他の洗浄器具の斜視図。
【図7】図6の洗浄器具の平面図。
【図8】図6の洗浄器具の、回転部材の部分的斜視図。
【図9】回転部材の側面図の略図。
【図10】他の回転部材の側面図の略図。
【図11】ブレード部材の正面図の略図。
【図12】他のブレード部材の正面図の略図。
【図13】他のブレード部材の正面図の略図。
【図14】回転部材の側面図の略図。
【図15】他の回転部材の側面図の略図。
【図16】回転部材の正面図の略図。
【図17】他の回転部材の正面図の略図。
【図18】他の回転部材の正面図の略図。
【図19】回転部材の斜視図。
【図20】本発明の収集容器の正面図。
【図21】本発明の使い捨て洗浄基材の斜視図。
【図22】図20の収集容器の斜視図。
【図23】図20の収集容器の平面図。
【図24】図20の収集容器の底面図。
【図25】請求項20の収集容器の分解図。
【図26A】第1の位置での、高さ調節可能な収集容器の部分図。
【図26B】第2の位置での、図26Aの高さ調節可能な収集容器の部分図。
【図27A】本発明の他の高さ調節容器の部分図。
【図27B】図27Aの高さ調節容器を有する洗浄器具の斜視図。
【図28】本発明の収集容器の側面図。
【図29】収集容器のロック機構を示す、図28の収集容器の断面図。
【図30】本発明の洗浄器具の斜視図。
【図31】本発明の使い捨て洗浄基材の底面図。
【図32】図31の洗浄基材の平面図。
【図33】本発明の使い捨て洗浄基材の斜視図。
【図34】図33の洗浄基材の断面図。
【図35】本発明の使い捨て洗浄基材の平面図。
【図36】使い捨て洗浄基材の底面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
第1開口部を含む収集容器を有し、洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器へと投入するための回転部材を有するスイーパーヘッドと、
上面および下面ならびにこの下面から延在する複数の突出部を有する使い捨て洗浄基材と
を具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項2】
前記使い捨て洗浄基材が前記スイーパーヘッドの底面に取り外しおよび取り付け可能であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項3】
前記回転部材が電動式であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項4】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項5】
前記収集容器は、この収集容器の底壁に位置する第2開口部を少なくとも具えていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項6】
使い捨て洗浄基材が前記少なくとも第2開口部の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項5に記載の洗浄器具。
【請求項7】
前記回転部材によって投入される遊離した汚れの少なくとも一部が前記洗浄基材の前記上面に落下することを特徴とする請求項6に記載の洗浄器具。
【請求項8】
前記回転部材が、回転軸と、この回転軸に接続する少なくとも1つのブレード部材とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つのブレード部材は、このブレード部材を貫いて延在する少なくとも1つの脆弱箇所を具えていることを特徴とする請求項8に記載の洗浄器具。
【請求項10】
前記回転部材が、前記スイーパーヘッドの前側で空気流を発生し、前記少なくとも1つの脆弱箇所がこの空気流を減衰させることを特徴とする請求項9に記載の洗浄器具。
【請求項11】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
第1開口部を含む収集容器を有し、この収集容器が取り外し可能に接続されるスイーパーヘッド−このスイーパーヘッドは洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えている−と、
前記収集容器に取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材と
を具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項12】
前記使い捨て洗浄基材は、絡み合う可能性がある汚れを洗浄される面から除去するための複数の突出部を具えていることを特徴とする請求項11に記載の洗浄器具。
【請求項13】
前記収集容器の少なくとも一部の高さが洗浄される面に関して調節可能であることを特徴とする請求項11に記載の洗浄器具。
【請求項14】
前記収集容器の前記高さ調節可能な部分が第1の位置から第2の位置まで移動可能であることを特徴とする請求項13に記載の洗浄器具。
【請求項15】
前記収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第1の位置から前記第2の位置へと移動する場合、前記使い捨て洗浄基材が洗浄される面に向かって移動することを特徴とする請求項14に記載の洗浄器具。
【請求項16】
柔らかい面を洗浄するための使い捨て洗浄基材であって、
上面および下面を有する第1基材層と、
前記第1基材層の前記下面から延在する複数の突出部と、
粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択され、前記第1基材層の前記上面の少なくとも一部に塗布される添加剤と
を具えたことを特徴とする使い捨て洗浄基材。
【請求項17】
第2基材層をさらに具え、この第2基材層が前記第1基材層の上面に接続して前記第1基材層と当該第2基材層とでポケットを形成するようになっていることを特徴とする請求項16のに記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項18】
前記ポケットは、開口部と、洗浄器具の一部を収容するための空洞とを含み、この使い捨て洗浄基材が前記洗浄器具の一部に取り外し可能に装着されるようになっていることを特徴とする請求項17に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項19】
前記添加剤がこの洗浄基材を洗浄器具の底面に取り外し可能に装着するための感圧性接着剤であることを特徴とする請求項16に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項20】
前記第1基材層および前記第2基材層が不織布材料から作られていることを特徴とする請求項17に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項21】
前記第1基材の前記下面に添加剤をさらに具え、前記添加剤が粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物の少なくとも1つであることを特徴とする請求項16の使い捨て洗浄基材。
【請求項22】
面を洗浄する方法であって、
上面および下面を有する使い捨て洗浄基材を用意する工程と、
洗浄される面から遊離した汚れを収集容器の第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材と、前記収集容器の底壁の第2開口部とを具えたスイーパーヘッドに前記使い捨て洗浄基材を取り付け、前記使い捨て洗浄基材が部分的に前記第2開口部の少なくとも一部を覆うようにする工程と、
洗浄される面を横切って前記スイーパーヘッドを移動させ、前記洗浄基材の下面の少なくとも一部が洗浄される面に接触して遊離した汚れの一部が前記回転部材によって前記洗浄基材の前記上面の一部に投入されるようにする工程と
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続され、前記使い捨て洗浄基材が前記収集容器に取り外し可能に装着されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記収集容器を前記スイーパーヘッドから取り外す工程と、
前記使い捨て洗浄基材を前記収集容器から取り外す工程と
をさらに具えたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
上面および底面を有し、第1開口部を有する収集容器と、洗浄される面から前記第1開口部を通って前記収集容器に汚れを投入するための回転部材とを含み、前記底面が第1の長手方向要素と第2の長手方向要素とを含み、これら第1および第2の長手方向要素が湾曲しているスイーパーヘッドを含むことを特徴とする洗浄器具。
【請求項26】
前記スイーパーヘッドが揺動可能であり、前記スイーパーヘッドが使用者によって前方に押された場合、前記スイーパーヘッドが後方に揺動し、前記スイーパーヘッドが使用者によって後方に押された場合、前記スイーパーヘッドが前方に揺動することを特徴とする請求項25に記載の洗浄器具。
【請求項27】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
前側開口部と、少なくとも1つの側壁と、操作可能かつ移動可能に前記側壁に接続する底壁とを含む収集容器を有し、前記底壁が第1の位置から第2の位置へと操作可能かつ移動可能となっているスイーパーヘッドを具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項28】
前記スイーパーヘッドは、洗浄される面から遊離した汚れを前記前側開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えていることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項29】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続していることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項30】
使い捨て洗浄基材をさらに具え、この洗浄基材の少なくとも一部が前記収集容器の前記底壁に取り外し可能に接続していることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項31】
前記収集容器の少なくとも一部の高さが洗浄される面に関して少なくとも第1の位置から第2の位置まで調節可能であることを特徴とする請求項30に記載の洗浄器具。
【請求項32】
前記収集容器は、この収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第1の位置にあることを使用者に伝えるための少なくとも第1のしるしを具え、この第1のしるしがアイコン,写真,単語、記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項31に記載の洗浄器具。
【請求項33】
前記収集容器は、この収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第2の位置にあることを使用者に伝えるための第2のしるしを具え、この第2のしるしがアイコン,写真,単語,記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項32に記載の洗浄器具。
【請求項34】
前記第1のしるしが厚みを有する第1の絨毯面を表し、前記第2のしるしが厚みを有する第2の絨毯面を表し、前記第1の絨毯の厚さが前記第2の絨毯の厚さと異なっていることを特徴とする請求項33に記載の洗浄器具。
【請求項35】
前側部分および後ろ側部分を有する使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面を有し、この下面が汚れを保持するための添加剤を具えた材料の下層と、
この下層に接続して当該下層とで少なくとも部分的に囲まれた内部容積を画成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部を介してアクセス可能である材料の上層と、
前記洗浄シートの前記前側部分に接続する延長片と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項36】
前記延長片が汚れを保持するための如何なる添加剤も実質的に含まない把持可能な清浄面を具えていることを特徴とする請求項35に記載の使い捨て洗浄シート。
【請求項37】
前記下層が上面および下面を有し、前記洗浄シートが前記下層の前記下面に接続する複数の突出部を具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項38】
前記上層が上面および下面を有し、前記上層の前記上面が汚れを保持するための添加剤を具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項39】
前記延長片は、この延長片を把持することを使用者に教示するしるしを具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項40】
使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面を有する材料の下層と、
上面および下面を有し、前記下層に対向状態で接続して前記下層とで少なくとも部分的に囲まれた内部容積を形成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部を介してアクセス可能であり、その上面が汚れを保持するための添加剤を具えている材料の上層と、
前記材料の第1層の前記下面に接続する複数の突出部と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項41】
前記添加剤が粘着性ポリマー添加剤であることを特徴とする請求項40に記載の洗浄シート。
【請求項42】
前記下層の前記下面が汚れを保持するための添加剤を具えていることを特徴とする請求項40に記載の洗浄シート。
【請求項43】
使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面と前縁部とを有し、前記上面が粘着性添加剤を具え、前記下面が粘着性添加剤を具えた基体材料の少なくとも1つの層と、
前記上面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナー材料の第1層と、
前記下面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナーの第2層と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項44】
前記洗浄シートの前記前縁部にほぼ隣接する延長片をさらに具えていることを特徴とする請求項43に記載の使い捨て洗浄シート。
【請求項45】
前記基体材料の層が不織布材料から作られていることを特徴とする請求項43に記載の使い捨て洗浄シート。
【請求項1】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
第1開口部を含む収集容器を有し、洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器へと投入するための回転部材を有するスイーパーヘッドと、
上面および下面ならびにこの下面から延在する複数の突出部を有する使い捨て洗浄基材と
を具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項2】
前記使い捨て洗浄基材が前記スイーパーヘッドの底面に取り外しおよび取り付け可能であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項3】
前記回転部材が電動式であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項4】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項5】
前記収集容器は、この収集容器の底壁に位置する第2開口部を少なくとも具えていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項6】
使い捨て洗浄基材が前記少なくとも第2開口部の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項5に記載の洗浄器具。
【請求項7】
前記回転部材によって投入される遊離した汚れの少なくとも一部が前記洗浄基材の前記上面に落下することを特徴とする請求項6に記載の洗浄器具。
【請求項8】
前記回転部材が、回転軸と、この回転軸に接続する少なくとも1つのブレード部材とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つのブレード部材は、このブレード部材を貫いて延在する少なくとも1つの脆弱箇所を具えていることを特徴とする請求項8に記載の洗浄器具。
【請求項10】
前記回転部材が、前記スイーパーヘッドの前側で空気流を発生し、前記少なくとも1つの脆弱箇所がこの空気流を減衰させることを特徴とする請求項9に記載の洗浄器具。
【請求項11】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
第1開口部を含む収集容器を有し、この収集容器が取り外し可能に接続されるスイーパーヘッド−このスイーパーヘッドは洗浄される面から遊離した汚れを前記第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えている−と、
前記収集容器に取り外しおよび取り付け可能な使い捨て洗浄基材と
を具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項12】
前記使い捨て洗浄基材は、絡み合う可能性がある汚れを洗浄される面から除去するための複数の突出部を具えていることを特徴とする請求項11に記載の洗浄器具。
【請求項13】
前記収集容器の少なくとも一部の高さが洗浄される面に関して調節可能であることを特徴とする請求項11に記載の洗浄器具。
【請求項14】
前記収集容器の前記高さ調節可能な部分が第1の位置から第2の位置まで移動可能であることを特徴とする請求項13に記載の洗浄器具。
【請求項15】
前記収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第1の位置から前記第2の位置へと移動する場合、前記使い捨て洗浄基材が洗浄される面に向かって移動することを特徴とする請求項14に記載の洗浄器具。
【請求項16】
柔らかい面を洗浄するための使い捨て洗浄基材であって、
上面および下面を有する第1基材層と、
前記第1基材層の前記下面から延在する複数の突出部と、
粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物からなるグループから選択され、前記第1基材層の前記上面の少なくとも一部に塗布される添加剤と
を具えたことを特徴とする使い捨て洗浄基材。
【請求項17】
第2基材層をさらに具え、この第2基材層が前記第1基材層の上面に接続して前記第1基材層と当該第2基材層とでポケットを形成するようになっていることを特徴とする請求項16のに記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項18】
前記ポケットは、開口部と、洗浄器具の一部を収容するための空洞とを含み、この使い捨て洗浄基材が前記洗浄器具の一部に取り外し可能に装着されるようになっていることを特徴とする請求項17に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項19】
前記添加剤がこの洗浄基材を洗浄器具の底面に取り外し可能に装着するための感圧性接着剤であることを特徴とする請求項16に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項20】
前記第1基材層および前記第2基材層が不織布材料から作られていることを特徴とする請求項17に記載の使い捨て洗浄基材。
【請求項21】
前記第1基材の前記下面に添加剤をさらに具え、前記添加剤が粘着性ポリマー,感圧性接着剤,オイルジェル,ワックス,およびこれらの任意の混合物の少なくとも1つであることを特徴とする請求項16の使い捨て洗浄基材。
【請求項22】
面を洗浄する方法であって、
上面および下面を有する使い捨て洗浄基材を用意する工程と、
洗浄される面から遊離した汚れを収集容器の第1開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材と、前記収集容器の底壁の第2開口部とを具えたスイーパーヘッドに前記使い捨て洗浄基材を取り付け、前記使い捨て洗浄基材が部分的に前記第2開口部の少なくとも一部を覆うようにする工程と、
洗浄される面を横切って前記スイーパーヘッドを移動させ、前記洗浄基材の下面の少なくとも一部が洗浄される面に接触して遊離した汚れの一部が前記回転部材によって前記洗浄基材の前記上面の一部に投入されるようにする工程と
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続され、前記使い捨て洗浄基材が前記収集容器に取り外し可能に装着されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記収集容器を前記スイーパーヘッドから取り外す工程と、
前記使い捨て洗浄基材を前記収集容器から取り外す工程と
をさらに具えたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
上面および底面を有し、第1開口部を有する収集容器と、洗浄される面から前記第1開口部を通って前記収集容器に汚れを投入するための回転部材とを含み、前記底面が第1の長手方向要素と第2の長手方向要素とを含み、これら第1および第2の長手方向要素が湾曲しているスイーパーヘッドを含むことを特徴とする洗浄器具。
【請求項26】
前記スイーパーヘッドが揺動可能であり、前記スイーパーヘッドが使用者によって前方に押された場合、前記スイーパーヘッドが後方に揺動し、前記スイーパーヘッドが使用者によって後方に押された場合、前記スイーパーヘッドが前方に揺動することを特徴とする請求項25に記載の洗浄器具。
【請求項27】
柔らかい面および/または硬い面を洗浄するための洗浄器具であって、
前側開口部と、少なくとも1つの側壁と、操作可能かつ移動可能に前記側壁に接続する底壁とを含む収集容器を有し、前記底壁が第1の位置から第2の位置へと操作可能かつ移動可能となっているスイーパーヘッドを具えたことを特徴とする洗浄器具。
【請求項28】
前記スイーパーヘッドは、洗浄される面から遊離した汚れを前記前側開口部を通って前記収集容器に投入するための回転部材を具えていることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項29】
前記収集容器が前記スイーパーヘッドに取り外し可能に接続していることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項30】
使い捨て洗浄基材をさらに具え、この洗浄基材の少なくとも一部が前記収集容器の前記底壁に取り外し可能に接続していることを特徴とする請求項27に記載の洗浄器具。
【請求項31】
前記収集容器の少なくとも一部の高さが洗浄される面に関して少なくとも第1の位置から第2の位置まで調節可能であることを特徴とする請求項30に記載の洗浄器具。
【請求項32】
前記収集容器は、この収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第1の位置にあることを使用者に伝えるための少なくとも第1のしるしを具え、この第1のしるしがアイコン,写真,単語、記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項31に記載の洗浄器具。
【請求項33】
前記収集容器は、この収集容器の前記高さ調節可能な部分が前記第2の位置にあることを使用者に伝えるための第2のしるしを具え、この第2のしるしがアイコン,写真,単語,記号,およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項32に記載の洗浄器具。
【請求項34】
前記第1のしるしが厚みを有する第1の絨毯面を表し、前記第2のしるしが厚みを有する第2の絨毯面を表し、前記第1の絨毯の厚さが前記第2の絨毯の厚さと異なっていることを特徴とする請求項33に記載の洗浄器具。
【請求項35】
前側部分および後ろ側部分を有する使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面を有し、この下面が汚れを保持するための添加剤を具えた材料の下層と、
この下層に接続して当該下層とで少なくとも部分的に囲まれた内部容積を画成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部を介してアクセス可能である材料の上層と、
前記洗浄シートの前記前側部分に接続する延長片と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項36】
前記延長片が汚れを保持するための如何なる添加剤も実質的に含まない把持可能な清浄面を具えていることを特徴とする請求項35に記載の使い捨て洗浄シート。
【請求項37】
前記下層が上面および下面を有し、前記洗浄シートが前記下層の前記下面に接続する複数の突出部を具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項38】
前記上層が上面および下面を有し、前記上層の前記上面が汚れを保持するための添加剤を具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項39】
前記延長片は、この延長片を把持することを使用者に教示するしるしを具えていることを特徴とする請求項35に記載の洗浄シート。
【請求項40】
使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面を有する材料の下層と、
上面および下面を有し、前記下層に対向状態で接続して前記下層とで少なくとも部分的に囲まれた内部容積を形成するようになっており、この少なくとも部分的に囲まれた内部容積に少なくとも1つの開口部を介してアクセス可能であり、その上面が汚れを保持するための添加剤を具えている材料の上層と、
前記材料の第1層の前記下面に接続する複数の突出部と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項41】
前記添加剤が粘着性ポリマー添加剤であることを特徴とする請求項40に記載の洗浄シート。
【請求項42】
前記下層の前記下面が汚れを保持するための添加剤を具えていることを特徴とする請求項40に記載の洗浄シート。
【請求項43】
使い捨て洗浄シートであって、
上面および下面と前縁部とを有し、前記上面が粘着性添加剤を具え、前記下面が粘着性添加剤を具えた基体材料の少なくとも1つの層と、
前記上面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナー材料の第1層と、
前記下面の前記粘着性添加剤の少なくとも一部を覆うライナーの第2層と
を具えたことを特徴とする洗浄シート。
【請求項44】
前記洗浄シートの前記前縁部にほぼ隣接する延長片をさらに具えていることを特徴とする請求項43に記載の使い捨て洗浄シート。
【請求項45】
前記基体材料の層が不織布材料から作られていることを特徴とする請求項43に記載の使い捨て洗浄シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2007−526035(P2007−526035A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553370(P2006−553370)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/005202
【国際公開番号】WO2005/079653
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/005202
【国際公開番号】WO2005/079653
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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