説明

表面上に溶接継手を作るための自動水中溶接装置及び自動水中溶接方法

本発明は、表面(2)上の溶接継手(3)の製造用の自動水中溶接装置に関し、電極(21)と共に、保護ガスの供給手段に接続される環状チャンネル(24)を形成する保護ケーシング(23)によって取り囲まれる電極(21)を有する溶接トーチ(20)を備える。溶接トーチ(20)は一組(30)の2つの同心ケーシング(31、32)の中心に軸線方向に配置され、2つのケーシングのうち少なくとも1つは面(2)に対して軸線方向に移動可能で且つ調節可能であり、2つのケーシングはこれらの間に、溶接領域を乾燥させるためと溶接領域から水を遠ざけておくための流れの注入用の環状ギャップ(34)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、票面上に溶接される継手を製造するための自動水中溶接装置及び自動水中溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動水中溶接は、例えば、原子力発電所又は油又はガスの抜き取り用の沖合油田における保守操作又は溶接作業を遂行するために、一般に用いられる。
【0003】
原子力発電所の場合では、水中閉じ込めは、放射線を持つ又は放射性物質で汚染された部材の近くで、冷却液に関して特別の予防措置無く、要素の操作を遂行することを可能にする。
【0004】
高溶接品質を持つ空気中での溶接操作を行うために、MIG(金属不活性ガス)又はGMAW(ガス金属アーク溶接)又はTIG(タングステン不活性ガス)又はGTAW(ガスタングステン自動溶接)のような、消耗性又は非消耗性電極式アークタイプの自動溶接方法を使用することがよく知られている。
【0005】
TIGと呼ばれる方法では、電気アークは、タングステンのような、耐熱性物質の電極と溶接される部分の間に発生させられ、溶接される部分を溶解させる。一般的に、棒の形態の溶加材は、溶解した金属を供給して、溶接されるジョイントに充填する。さらに、不活性ガスは、溶融池上の電気アークのまわりに方向付けられ、溶融中に周囲の媒質の影響のもとでの酸化を防ぐ。一般に、このガスは、アルゴン、ヘリウム又は希ガスの混合物である。
【0006】
MIG溶接方法では、電気アークは、溶加材を構成する消耗性電極と溶接される部分の間に発生され、この溶接される部分を溶解させる。不活性ガスは、また、溶融池上の電気アークの周りに方向付けられ、溶接中に周囲の媒質の影響のもとでの酸化をふせぐ。
【0007】
このような水中方法を使用する際には問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高溶接品質を得て且つ溶融池の過度の急速な冷却を防ぐために、電気アークに点火する前に、溶接領域に在る水を除去し、次いで、アークを保護し且つ溶接領域、すなわち溶融池、を分離して維持する前に、電気アークから周囲の液体媒質を分離することが必要である。さらに、アークの点火は環状チャンネルのガス循環の手段により行なわれ、また環状チャンネルはノズルとも呼ばれ、このチャンネルが電極の大部分を取り囲み、溶接される部分の表面はきわめてきれい且つ乾燥していなければならない。
【0009】
溶接電極の周りでシールドガスの供給を確保する第1環状チャンネルと、周囲の液体媒質を除去し且つ液体媒質を溶接領域から遠ざけておくためのガスの供給を確保する第2環状チャンネルを備える水中溶接トーチが、特に、米国特許981,896号及びフランス特許837,117号から知られている。
【0010】
しかしながら、今まで使用されてきた装置は、電気アークの点火前に、溶接領域を十分且つ正確に乾燥させることができない、そのため電気アークの点火は、溶接領域の湿気の存在によるよくない条件の下で行われている。
【0011】
溶接の専門家には、ほんのわずかな湿気の存在が溶接の質を悪くし、この質の悪化は、質的な側面がとても大事である原子力分野において特に重大であることがは知られている。
【0012】
さらに、原子力設備では、ボロンの堆積物が一次系系統の水に含まれ、溶接領域に存在するかもしれない、また、ボロンの堆積物が溶接の初期の微小割れを生じることによって溶接される継手の質を悪くすることもある。従って、ボロンは、除去されなければならない。
【0013】
本発明の目的は、信頼性があり且つ使用が容易であると同時に、これらの不利な点を除去することを可能にし、高品質の溶接を自動的に且つ人が水中に入ることなく得ることを可能にする水中溶接装置及び水中溶接方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明は、表面上に溶接されるジョイントの製造のための自動水中溶接装置に関し、電極を備えた溶接トーチを有し、この電極は保護ケーシングにより取り囲まれ、これらの電極と保護ケーシングが保護用ガスの供給手段に接続された環状チャンネルを形成して、表面上に溶接継手を作る自動水中溶接装置であって、溶接トーチは一組の2つの同心ケーシングの中心に軸線方向に配置され、2つの同心ケーシングのうち少なくとも1つは表面に対して軸線方向に移動可能で且つ調節可能であり、2つの同心ケーシングはこれらの間に溶接領域を乾燥させ且つ溶接領域から水を遠ざけるための流れの注入用の環状ギャップを形成し、溶接トーチは溶接される継手(3)に沿う変位手段を備えることを特徴としている。

【0015】
本発明の他の特徴によると、溶接トーチは、溶加材の供給手段を備え、一組の2つのケーシングは、溶接トーチの保護ケーシングに対して配置される内側ケーシング、及び、外側ケーシングを備え、調節可能で且つ軸線方向に変位可能なケーシングが内側ケーシングであり、一組の2つのケーシングは、同時に又は連続的に軸線方向に変位可能で且つ調節可能で、外側ケーシング及び/又は内側ケーシングの軸線方向変位量は0mmから30mmまでであり、好ましくは2mmから20mmまでであり、環状ギャップに注入される流れは、高温又は低温空気、プラズマ、又は、HVOF(高速度酸素燃料)と呼ばれる混合ガスから生じる炎、によって形成される。
【0016】
また、本発明は、表面上に溶接される継手の製造のための自動水中溶接方法に関し、電極を備えた溶接トーチを有し、この電極は保護ケーシングにより取り囲まれ、これらの電極と保護ケーシングが保護用ガスの供給手段に接続された環状チャンネルを形成し、溶接トーチが溶接継手の溶接領域の表面の近くに配置されている、表面上に溶接継手を作る自動水中溶接方法であって、
一組の2つの同心ケーシングの少なくとも1つは、前記表面に対し軸線方向に変位可能で且つ調節可能であり、これら2つの同心ケーシングはこれらの間に環状ギャップを形成し、一組の2つの同心ケーシングは前記溶接トーチの前記保護ケーシングの周りに配置され、少なくとも1つの同心ケーシングは、保護ケーシングの端に対して突出する突出位置と前記端に対して引っ込めさせる引っ込み位置の間を変位可能であり、
外側ケーシングが突出位置にある状態で、溶接領域を乾燥させ且つこの溶接領域を水から遠ざけるための流れが環状ギャップに注入され、保護用ガスの流れは環状チャンネルに注入され、、
溶接トーチと一組の2つの同心ケーシングは、外側ケーシングが前記表面とほぼ接触するまで水中に入れられ、
溶接領域が乾燥されているとき、一組の2つの同心ケーシングの内側ケーシングは、シールドガスの前記流れによって、溶接領域を乱れから遠ざけるために突出位置に変位され、
溶接トーチが運転され、
溶接領域を水やガス流の注入による乱れから遠ざけながら、溶接トーチと一組の2つの円筒ケーシングは、溶接される継手に沿って変位されることを特徴としている。
【0017】
本発明の他の特徴によると、溶接トーチを運転させた後に、一組の2つのケーシングの外側ケーシングは、引っ込み位置に引っ込められ、流れを溶接領域の外側に向け、且つこの溶接領域を水から遠ざける。
【0018】
本発明の他の特徴及び利益は、添付図面を参照して下記の説明の中で明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】水平な溶接領域を乾燥させるための位置にある本発明による溶接装置を示す軸線方向断面概略図である。
【図2】水平な壁を溶接するための位置にある本発明による溶接装置を示す軸線方向断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図は、概略的に2つの部分1a及び1bを示し、2つの部分はその上に表面2を規定し、溶接される継手3は自動溶接装置によって製造され、自動溶接装置は全体が参照番号10によって示され、この装置は表面2に垂直に且つ溶接される継手3によって形成された溶接領域Aの上に配置される。
【0021】
溶接装置10は、耐熱性材料、ほぼタングステンである電極21を有する溶接トーチ20を備え、電極は電力(図示せず)の供給手段に接続され、電極の自由端21aは溶接される継手3の上に配置される。
【0022】
図に示す実施形態においては、溶接トーチ20はTIGタイプのものである。
【0023】
溶接トーチ20は、また、ワイヤ22によって構成される溶加材の供給手段を備え、図に示すように、針金の自由端22aは、電極21の端21aの近くに配置される。
【0024】
MIGタイプの溶接トーチの場合には、従来では、溶加材の供給手段が電極自身によって構成される。
【0025】
最後に、溶接トーチ20は、保護ケーシング23を備え、保護ケーシングは電極21に関して同心に配置され、且つ電極21と共に保護用ガスの供給手段に接続される環状チャンネル24を形成する。保護ケーシング23の自由端23aは、保護用ガスを溶接領域Aに向かって運ぶように電極21の端21aに向かって集中するように形成されている。
【0026】
溶接装置10は、一組30の2つの同心ケーシングを備え、2つの同心ケーシングは、それぞれ内側ケーシング31及び外側ケーシング32である。溶接トーチ20は、一組30の中心に軸線方向に配置され、好ましくは内側ケーシング31は保護ケーシング23に対して配置される。
【0027】
一組30の2つのケーシング31及び32は、溶接領域Aを乾燥させるため且つこの溶接領域Aを水から遠ざけるための流れの注入用の環状ギャップ34を、これら2つのケーシングの間に形成している。
【0028】
その目的のために、環状ギャップ34は流れの供給手段(図示せず)に接続され、内側ケーシング31と外側ケーシング32の下端31a及び32aは、それぞれ、表面2の近くに配置され、面2は空間36及び空間37の下端をそれぞれ形成する。
【0029】
環状ギャップ34に注入される流れは、高温又は低温空気によって、又は、プラズマによって、又は、HVOF(高速度酸素燃料)による炎によって、形成される。
【0030】
後述するように、一組30のケーシング31及び32は、好ましくは円筒であり、これらのケーシングの少なくとも1つは、少なくとも1つの空間36及び/又は37の高さを変えるように軸線方向に移動可能で且つ調節可能であり、大きな量の流れを溶接領域A又は外側ケーシング32の外側に向けるようになっている。
【0031】
一般に、少なくとも1つのケーシング31及び/又は32は、保護ケーシング23の端に対して突出する突出位置と前記端に対して引っ込めさせる引っ込み位置の間を軸線方向に変位できる。
【0032】
第1実施形態によると、内側ケーシング31のみが、空間36の高さを変えるために長手方向に移動でき且つ調節できる。
【0033】
第2実施形態によると、2つのケーシング31及び32は、同時に又は連続的に軸線方向に変位でき且つ調節でき、空間36及び37の高さを別々に又は同時に変える。
【0034】
一組30の内側ケーシング31及び/又は外側ケーシング32の軸線方向変位は、部分1a及び1bの表面2に対して、0mmから30mmであり、好ましくは2mmから20mmである。
【0035】
ケーシング31及び32の空間36及び37の1つ又は両方の軸線方向変位及び高さ調節は、それぞれ、例えば、ラックとピニオン、ねじとナットシステム、空気又は油圧ジャッキ、電気モーター又は電磁石システムを有する装置のような知られたタイプの適当な手段によってまたは他の装置によって行なわれる。
【0036】
水中部分1aと1bの溶接される継手3は、下記の方法で作られる。
【0037】
まず第1に、溶接トーチ20を形成するさまざまな要素、電極21の作動端21a、溶加剤ワイヤ22の端22a及び保護ケーシング23の端が、水の表面上の空中、表面2にほぼ垂直な方向に準備され、一組30の内側ケーシング31と外側ケーシング32は溶接トーチ20の保護ケーシング23の周りに配置される。
【0038】
第1ステップでは、溶接領域Aを乾燥させ且つこの領域を水から遠ざけるための流れが、2つの環状の同心のケーシング31及び32によって形成された環状ギャップ34に注入され、溶接領域Aを保護するためのガスの流れは、電極21を取り囲む環状チャンネル24に注入され、外側ケーシング32は突出位置にある。
【0039】
溶接装置10は溶接トーチ20及び2つの一組30のケーシング31及び32によって構成され、一組30の2つのケーシング31及び32は、次いで、外側ケーシング32が表面2とほぼ接触するようになるまで水中に入れられ、図1に示すように、一組30の2つのケーシング31及び32の少なくとも1つは、溶接トーチ20に沿って軸線方向に変位され、これらのケーシングのそれぞれの端31a及び32aと部分1a及び1bの面2の間に形成された空間36及び37の高さを調節する。この第1ステップの目的は、溶接領域Aを乾燥させることであり、溶接トーチ20が点火される前に、水の痕跡やまたこの溶接領域Aから湿気の痕跡を除去する。
【0040】
その目的のために、内側ケーシング31は、表面2から引っ込み位置に遠ざけられ、外側ケーシング32は、表面2に近い突出位置に維持され、空間36の高さd1は空間37の高さd2よりも高い。この位置では、環状ギャップ34に注入されたより大きな量のガス流れは、溶接領域Aに向けられ、この流れは溶接領域Aを速く乾燥させ且つ湿気の痕跡を除去することを可能にする。環状ギャップ34に注入される流れのいくらかは、空間37を介して通り、溶接領域Aを水から遠ざけることを可能にする。
【0041】
第2ステップでは、一組30のケーシング31及び32は、溶接トーチ20に沿って軸線方向に変位され、環状ギャップ34に導入された流れの分布を変える。
【0042】
図2に示すように、内側ケーシング31は表面2に近い突出位置に変位され、外側ケーシング32は、表面2から遠くの引っ込み位置にあり、空間36の高さd3は、空間37の高さd4よりも小さく、環状ギャップ34に注入された流れのうちより大きな量の流れを、外側ケーシング32の外側に向け、乾燥させる流れによって引き起こされるガス流の乱れから保護された静かな溶接領域を生じさせる。
【0043】
したがって、環状チャンネル24に注入された保護用ガスの流れに加えられた環状ギャップ34に注入された流れは、溶接領域Aを乾燥し且つまた水から遠ざけることを可能にする。
【0044】
次いで、溶接トーチ20が運転され、溶接トーチ並びに一組30の2つのケーシングは、溶接領域を水やガス流の乱れから遠ざけると同時に、全体溶接を行なうため、溶接されるジョイント3に沿って知られたタイプの適当な手段によって変位される。
【0045】
ケーシング31と32の軸線方向変位により空間36と37の高さを調節することによって環状ギャップ34を介して注入された流れの分布の変化が起りうる、第1ステップでは、溶接領域Aを効率的に且つ速く乾燥させ、第2ステップでは、良い状況の下で溶接トーチを点火し、この溶接領域Aの乾燥を保ち且つ水から遠ざけ、とりわけ流れの乱れから遠ざけ、溶接が理想的な条件の下行なわれる。
【0046】
使用の条件に応じて、内側ケーシング31又は2つのケーシング31と32の位置の調節は、溶接される継手に沿って溶接トーチ20の変位のコースに調整されることができる。
【0047】
加えて、溶接領域に在るいかなるホウ素も、環状チャンネル34に注入された流れによりこの溶接領域から除去され、この除去は、ホウ素の存在によってこの溶接されるジョイントに微小割れを形成させるリスクを除去することによって溶接される継手の質に寄与する。
【0048】
環状チャンネル34に注入されることができるさまざまなガス流のプラズマ及びHVOF炎は、これらの超高温により使用されるのが好ましく、プラズマの場合には1000℃よりも高温になりうるが、高温空気は最大温度が150℃である。プラズマ流のこの高温は、流れの物理的な推力に加えて、周囲の水を蒸発させることを可能にする、これは高温空気ではできない。
【0049】
プラズマ流の高温にもかかわらず、材料の物理化学一体性を維持して溶接することが可能であることに留意されたい。
【0050】
さらに、表面2に対する内側ケーシング31及び/又は外側ケーシング32の軸線方向変位量は、0mmから30mmの範囲にわたり、溶接トーチ20に点火する前のステップか、溶接継手自身の製造かどうかに応じる。
【0051】
溶接継手の製造中に、環状チャンネル34に注入され溶接領域Aの周りを流れるガス流は、この溶接領域Aを周囲の水の圧力に対して超える圧力の下に維持することを可能にする。
【0052】
信頼性があり且つ簡単に使用できる手段により、本発明による溶接装置は、高品質の溶接を、自動的に且つ人が水中に入ること無く得ることを可能にする。
【0053】
小型カメラが、溶接領域、特に環状チャンネル24、の近くに設置されてもよく、視覚の指示を離れた場所にいる操作者に与えることにより溶接操作の正確な遂行に寄与する。
【0054】
圧力センサーが、乾燥流の供給又は溶接池を保護するためのガスの供給用に少なくとも1つの環状チャンネルに設置されてもよく、これらの流れ又はガスの流速や圧力の遠隔調節に寄与する。
【0055】
溶接は、本発明による溶接装置によって平らな又は任意に曲がった表面のいかなる位置でも行なうことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極(21)を備えた溶接トーチ(20)を有し、この電極(21)は保護ケーシング(20)により取り囲まれ、これらの電極(21)と保護ケーシング(20)が保護用ガスの供給手段に接続された環状チャンネル(24)を形成して、表面上に溶接継手を作る自動水中溶接装置であって、
前記溶接トーチ(20)は一組(30)の2つの同心ケーシング(31、32)の中心に軸線方向に配置され、2つの同心ケーシングのうち少なくとも1つは前記表面(2)に対して軸線方向に移動可能で且つ調節可能であり、2つの同心ケーシングはこれらの間に溶接領域を乾燥させ且つ溶接領域から水を遠ざけるための流れの注入用の環状ギャップ(34)を形成し、前記溶接トーチは溶接される継手(3)に沿う変位手段を備えることを特徴とする自動水中溶接装置。
【請求項2】
前記溶接トーチ(20)は、溶加材(22)の供給手段を備えることを特徴とする請求項1記載の自動水中溶接装置。
【請求項3】
前記一組(30)の2つの同心ケーシングは、前記溶接トーチ(20)の保護ケーシング(23)に対して配置される内側ケーシング(31)、及び、外側ケーシング(32)を有することを特徴とする請求項1記載の自動水中溶接装置。
【請求項4】
前記軸方向に移動可能で且つ調整可能なケーシングが、前記内側ケーシング(31)であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の自動水中溶接装置。
【請求項5】
前記一組(30)の2つのケーシング(31、32)は、同時に又は連続的に軸線方向に変位可能で且つ調節可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の自動水中溶接装置。
【請求項6】
前記内側ケーシング(31)及び/又は前記外側ケーシング(32)の軸線方向変位量は0mmから30mmまでであり、好ましくは2mmから20mmまでであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の自動水中溶接装置。
【請求項7】
前記環状ギャップ(34)に注入される前記流れは、高温又は低温空気、プラズマ、又は、HVOF(高速度酸素燃料)と呼ばれる混合ガスから作られる炎、によって形成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の自動水中溶接装置。
【請求項8】
電極(21)を備えた溶接トーチ(20)を有し、この電極(21)は保護ケーシング(20)により取り囲まれ、これらの電極(21)と保護ケーシング(20)が保護用ガスの供給手段に接続された環状チャンネル(24)を形成し、溶接トーチ(20)が溶接継手(3)の溶接領域の表面(2)の近くに配置されている、表面(2)上に溶接継手を作る自動水中溶接方法であって、
一組(30)の2つの同心ケーシング(31、32)の少なくとも1つは、前記表面(2)に対し軸線方向に変位可能で且つ調節可能であり、これら2つの同心ケーシングはこれらの間に環状ギャップ(34)を形成し、一組(30)の2つの同心ケーシングは前記溶接トーチ(20)の前記保護ケーシング(23)の周りに配置され、少なくとも1つの同心ケーシングは、保護ケーシング(23)の端に対して突出する突出位置と前記端に対して引っ込めさせる引っ込み位置の間を変位可能であり、
前記外側ケーシング(32)が前記突出位置にある状態で、前記溶接領域を乾燥させ且つこの溶接領域を水から遠ざけるための流れが環状ギャップ(34)に注入され、保護用ガスの流れは前記環状チャンネル(24)に注入され、、
前記溶接トーチ(20)と一組(30)の2つの同心ケーシング(31、32)は、前記外側ケーシング(32)が前記表面(2)とほぼ接触するまで水中に入れられ、
前記溶接領域が乾燥されているとき、一組(30)の2つの同心ケーシングの前記内側ケーシング(31)は、シールドガスの前記流れによって、前記溶接領域を乱れから遠ざけるために前記突出位置に変位され、
前記溶接トーチ(20)が運転され、
前記溶接領域を前記水やガス流の注入による乱れから遠ざけながら、前記溶接トーチ(20)と一組(30)の2つの円筒ケーシングは、溶接される前記継手(3)に沿って変位されることを特徴とする自動水中溶接方法。
【請求項9】
前記溶接トーチ(20)を運転させた後に、一組(30)のケーシングの前記外側ケーシング(32)は、引っ込み位置に引っ込められ、前記流れを前記溶接領域の外側に向け、且つこの溶接領域を前記水から遠ざけることを特徴とする請求項8に記載の自動水中溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−508155(P2010−508155A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535766(P2009−535766)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001778
【国際公開番号】WO2008/056062
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509104562)アレヴァ エヌペ (28)
【Fターム(参考)】