説明

表面処理方法及び処理剤

【構成】半導体の表面を無機又は有機のアルカリ、過酸化水素及び水を主たる構成成分とする半導体表面処理剤で洗浄する工程と、洗浄後これを超純水でリンスする工程とから成る半導体表面処理方法であって、半導体表面処理剤とリンス用超純水の少くとも何れか一方に、分子中にホスホン酸基又はその塩を1以上有するキレ−ト剤又はそれらの酸化体、又は縮合リン酸又はその塩(以下、これらを総称して、単に「本発明に係る錯化剤」と略記する。)を存在させて該処理を行う方法、及び処理用薬剤。
【効果】本発明に係る錯化剤を半導体表面処理工程に於ける処理剤又はリンス液中に有機物汚染の害を及ぼさない程度の微量添加することにより、再結合ライフタイム低下とか酸化膜対圧低下等の電気的特性上の問題を起こさない表面不純物濃度まで、有害不純物の吸着を抑制することができ、また有害不純物に対する洗浄能力を向上させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体やLCDの表面の清浄化を向上させる表面処理剤の改良に関する。
【0002】詳しくは、半導体や集積回路,LCD等の製造において賞用されるシリコン、ゲルマニウムあるいはGa−As,Ga−P等の化合物半導体の表面及び半導体に接する膜表面或はガラス基板の中の少なくとも一面の有機物、微粒子及び金属汚染除去等の洗浄処理に使用し、表面の清浄化を向上させ製品歩留まりを改善するための改良された表面処理剤及び処理方法に関する。
【0003】
【従来技術及びその問題点】現在、LSI、IC、ダイオード、整流素子等の半導体デバイスは、ほとんどがシリコンデバイスでありこれらはシリコンウェハーに気相成長、酸化膜形成、不純物拡散、電極金属膜蒸着等の工程を加えて製造されている。
【0004】不純物による汚染は、半導体の電気特性に著しい影響を与えるため、前記各工程の前にシリコンウェハー表面を充分に洗浄し、汚染を除去する必要がある。その工業的手法は、使用する薬液の種類、処理温度等により多岐にわたっているが、70年代の中頃からはRCA洗浄(RCA Review,P187-206,June(1970)等)と呼ばれる一連の処理が広く使われ、ウェット洗浄の基幹となっている。
【0005】即ち、有機物汚染や一部の金属例えばCuやAgなどに対して洗浄効果があり、特に微粒子汚染に対して著効のある[アンモニア+過酸化水素+水]処理(SC-1処理)と自然酸化膜を除去するための希HF処理、及び金属汚染除去効果の著しい[塩酸+過酸化水素+水]処理(SC-2処理)の組合せである。
【0006】一般に用いられてきたRCA洗浄のスケジュールは、SC-1処理→希HF処理→SC-2処理であるが、希HF処理はウェハーが微粒子汚染を受けやすく、またSC-2処理は微粒子を除く力が弱い。LSIの超高集積化と共にデバイスパターンは急速に微細化し、それと共にデバイスを不良化する微粒子のサイズも著しく微細化した。微粒子は小さくなる程、ウェハーに対する付着力が増し、従って除去が難しくなり、製造歩留は洗浄時の微粒子汚染除去能力に強く左右される。そこで、SC-1処理を洗浄スケジュールの最後とすることが試みられてきた。しかしかかる洗浄を行ったウェハーは再結合ライフタイムが低下し、また酸化膜耐圧が劣化する等の電気的特性に問題があることが知られている。
【0007】金属不純物がシリコンウェハー表面を汚染した場合、これらの電気的特性の低下を生じる。SC-1処理後のウェハー表面に検出される金属はFe、Al、Ca、Mg、Znなどである。このような汚染元素は洗浄に入る前の工程で装置から汚染されたり、或は環境から汚染されたりしてSC-1の洗浄能力では、除去できなかった分と、処理液中の薬液に存在したものが逆にウェハーに吸着した分とよりなっている。
【0008】洗浄しにくい元素は一般にウェハーに吸着しやすい元素であってSC-1ではFeとAlが他の元素に比し、顕著にこの傾向がある。量産工場では洗浄装置は生産性を重視するので、キャリアに入ったウェハーを順次洗浄槽に送り込むタクト方式が使われているが、SC-1処理槽では洗浄で溶出した汚染元素が漸次蓄積されて後続ウェハーへ吸着汚染の影響を与える。また使用するアンモニアや過酸化水素は極めて高純度のものを使用しないと薬液中の不純物に起因する吸着汚染を生じる。特に過酸化水素の製造や貯蔵にはAlなどの金属が使われるので半導体用には精密な精製を必要とする。さらにこれらの高純度薬品は輸送容器や洗浄槽への薬品供給系でも、汚染の危険があり、洗浄槽内の薬液を高純度に保つのは容易ではない。
【0009】通常SC-1処理後のウェハーではFeは1011〜1012原子/cm2程度、Alは1011〜1013原子/cm2程度、Ca,Mg,Znなどは1010〜1011原子/cm2程度の汚染がみられる。これらの金属汚染の電気的特性への影響はFe以外はこの程度の濃度であれば酸化膜耐圧でもライフタイムでも無視出来ることが分かっている。従ってSC-1処理で電気的特性を著しく害する元素はFeである。Feのライフタイムに対する影響はP型の領域で著しいが、ライフタイム低下が無視出来るのは1010原子/cm2以下である。また酸化膜の経時破壊試験(TDDB特性)も無汚染ウェハーの真性破壊時間に達するにはFeはやはり1010原子/cm2程度まで低濃度化する必要がある。SC-1処理だけでこれだけの清浄度を得ることは極めて難しかった。
【0010】SC-1と類似の洗浄法としては有機アルカリ+過酸化水素による方法が知られている。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)+過酸化水素(特開昭50−147284号公報)、トリアルキル(ヒドロキシアルキル)アンモニウムヒドロキシド+過酸化水素(特公昭53−43012号公報)等があり、いずれもSC-1同様[アルカリ+過酸化水素]処理の特徴である微粒子除去能力に優れている反面、処理液からのFe、Al等の吸着が大きく、従ってFe、Al等の汚染したウェハーに対する洗浄力も十分ではない。金属不純物を安定な水溶性錯塩として捕えて被洗浄体に対して不活性化する手法は一般洗浄剤の配合にあたっても常套的なものであり、TMAH+過酸化水素に錯化剤を添加した例が特開昭50−158281号公報に、トリアルキル(ヒドロキシアルキル)アンモニウムヒドロキシド+過酸化水素に添加した例が特公昭53−20377号公報にある。いずれも錯化剤の添加量は0.01重量%以上必要とされているが、シアン系錯化剤の添加は危険であり、またEDTA(エチレンジアミン四酢酸)やトリエタノールアミン等の有機物を100ppmも添加するとシリコン表面に有害な炭素汚染を生じて電気的特性に問題を生ずる。またシリコン表面にAlの汚染があると、熱酸化にあたって酸化膜成長速度に影響することが知られており、これはプロセスの精密制御の点で好ましくない。
【0011】以上のように微粒子汚染に対して非常に効果のある[アルカリ+過酸化水素]洗浄はFeやAl等の有害金属に対しては洗浄効果が不十分でこれを解決する有効な手段は未だ見出されていない。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、上記した如き従来のアルカリ系表面処理剤における問題点を解決し、処理液からの吸着による金属汚染を抑止すると共に高い洗浄効果を有する改良された表面処理剤及び表面処理方法を提供することにある。
【0013】
【発明の構成】本発明は、半導体の表面を無機又は有機のアルカリ、過酸化水素及び水を主たる構成成分とする半導体表面処理剤で洗浄する工程と、洗浄後これを超純水でリンスする工程とから成る半導体表面処理方法であって、半導体表面処理剤とリンス用超純水の少くとも何れか一方に、分子中にホスホン酸基又はその塩を1以上有するキレ−ト剤又はそれらの酸化体、又は縮合リン酸又はその塩(以下、これらを総称して、単に「本発明に係る錯化剤」と略記する。)を存在させて該処理を行う方法の発明である。
【0014】また、本発明は、無機又は有機のアルカリ、過酸化水素、水、及び上記本発明に係る錯化剤を含有して成る半導体表面処理剤の発明である。
【0015】更に、本発明は、本発明に係る錯化剤を半導体表面処理剤を構成する成分の1以上に含有させたのち各成分を混合するか、又は半導体表面処理剤を構成する各成分を混合したのちこれに本発明に係る錯化剤を含有させることにより調製することを特徴とする、上記半導体表面処理剤の調製方法の発明である。
【0016】また、本発明は、上記本発明に係る錯化剤を含有させて成る半導体表面処理剤用アルカリ水溶液の発明である。
【0017】更にまた、本発明は、蒸留精製後更に金属不純物の除去処理を経た後、上記本発明に係る錯化剤を含有させて成る半導体表面処理剤用過酸化水素水の発明である。
【0018】また、本発明は、本発明に係る錯化剤を含有して成る過酸化水素水を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法の発明である。
【0019】また、本発明は、本発明に係る錯化剤を含有して成るアルカリ水溶液を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法の発明である。
【0020】そして、本発明は、本発明に係る錯化剤を含有して成る水を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法の発明でもある。
【0021】[アルカリ+過酸化水素]洗浄で電気的特性が低下する場合の主役はFeであるが、その吸着汚染並びに洗浄力の不足は本発明で充分に解決される。後述の比較例1で分かるようにSC-1洗浄後電気的特性上必要なシリコン表面のFeの濃度を1010原子/cm2以下にするにはSC-1処理液中のFe濃度は0.01ppb以下に維持しなければならない。しかし本来洗浄を行うということは汚れたウェハーが順次洗浄液に入ってくるということであり、実際の例では上述のようにSC-1処理後の表面Fe濃度は1011〜1012原子が普通である。即ち図1から実際のSC-1洗浄槽のFe濃度は0.1〜1ppb程度となっていることが推測出来る。ここでFe1ppbを含むSC-1処理液中に、既述の錯化剤添加特許に記載された錯化剤例えばトリエタノールアミンを添加しても、その濃度が1%でやっとFe吸着が1011原子/cm2以下となる。EDTAのような典型的なキレート剤でも10-2重量%で漸く1010原子/cm2程度が得られる。
【0022】経験によれば[アルカリ+過酸化水素]処理剤中の低沸点物質に分解し難い有機物は炭素濃度で多くとも10-4重量%以下でないとデバイス収率に影響する。そこでFe1ppbを含むSC-1処理液に種々のキレート剤を10-4重量%加えてシリコン表面へのFe吸着量を比較したが、EDTAをはじめ、Feに対して同程度の高い錯形成定数をもつ1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)のいずれもが、キレート剤未添加の場合の1/2〜1/3程度までしか吸着が減らなかった。本発明では特定の錯化剤の添加でその目的の達成をはかっているが、その効果を強力にしてできるだけ少量の添加で充分の効果を得ようとするものである。
【0023】即ち、本発明者らは、上記目的を達成するためウェハー表面における金属吸着メカニズムについて鋭意研究を重ねた結果、吸着は金属に配位されたOH基とウェハー表面に存在するOH基,H基との間に作用する水素結合に起因するものであり、金属に対するOH基の配位を抑制する錯化剤を半導体表面処理剤又はリンス液中に含有させることで、吸着による汚染を低減できるとの結論に達し、本発明を完成するに到った。
【0024】錯形成反応は、酸性領域においては錯化剤に対する金属イオンとH基との競争反応であるが、アルカリ性領域においては金属イオンに対する錯化剤とOH基との競争反応である。即ち、金属イオンに対する錯化剤の反応(錯形成反応)が金属イオンに対するOH基の反応(水酸化物生成反応)よりも速やかで、且つ反応により生成した錯化合物が安定で、尚且つ水溶性であれば、錯化剤はアルカリ性溶液中に共存する金属イオンの水酸化物生成を抑止することができる。更にまた、強力な錯形成能を有する錯化剤は水酸化物をも溶解できることから、錯形成反応を利用することで金属に対するOH基の配位を抑止できると共に、吸着している金属をも溶解できると本発明者らは考えたのである。
【0025】このOH基の配位を抑制する強力な錯化剤として本発明者らは鋭意研究の結果、ホスホン酸系のキレート剤及び縮合リン酸類を選択した。即ち、これら本発明に係る錯化剤は何れもFe,Al,Znなどの金属イオンに対する錯形成定数がOH基の配位を充分に抑制できる程に大きいこと、錯形成反応は容易で且つ速やかであること、及び生成した錯化合物は安定で且つ水溶性であることを見出し、更に、ホスホン酸系キレート剤の酸化体についても錯形成能等について確認し、ホスホン酸系キレート剤と同様に金属の吸着抑制に顕著な効果を有することを見出し、本発明に到達した。
【0026】本発明に係るホスホン酸系キレート剤としては、例えばメチルジホスホン酸、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチリデンジホスホン酸、1ヒドロキシエチリデン1,1ジホスホン酸、1ヒドロキシプロピリデン1,1ジホスホン酸、1ヒドロキシブチリデン1,1ジホスホン酸、エチルアミノビス(メチレンホスホン酸)、ドデシルアミノビス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンビス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ヘキセンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、或はこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩(Na塩は除く)等、分子中にホスホン酸基又はその塩を1以上有するキレート剤が挙げられ、それらの酸化体としては、これらホスホン酸系キレート剤の内、その分子中に窒素原子を有するものが酸化されてN−オキシド体となっているものが挙げられる。また、本発明に係る縮合リン酸類としては、例えばメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、或はこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩(Na塩は除く)等が挙げられる。
【0027】例えば、エチリデンジホスホン酸(EDP)を10-4重量%になるようFe1ppbを含むSC-1処理液に加えた場合、Feの吸着は目的の1010原子/cm2以下となり、明らかに従来のキレート剤と吸着量に差が出た。他の本発明に係る錯化剤でも同様の効果が得られ、またFeの汚染したシリコンに対する洗浄後残存率も従来の錯化剤の場合の約1/10となり、洗浄効果も著しく改善される。
【0028】これら本発明に係る錯化剤は、単独で使用してもまた2種以上を混合して使用してもよい。その含有量は、全溶液中で通常10-7〜10-3重量%の範囲であり好ましくは10-6〜10-4重量%の範囲である。尚、この濃度範囲以上に含有させると有害な表面の炭素汚染を起こす。また、この濃度範囲以下では洗浄効果があまり期待できない。
【0029】本発明に係る半導体表面処理剤は、通常、無機又は有機のアルカリ、過酸化水素及び水を主たる構成成分とする。本発明で用いられる無機のアルカリとしてはアンモニアが挙げられ、通常20〜30%水溶液として用いられる。また、本発明で用いられる有機のアルカリとしてはまず第4級アンモニウムヒドロキシドが挙げられ、通常0.5〜10重量%水溶液として用いられる。第4級アンモニウムヒドロキシドの具体例としては、例えばトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。また本発明に用いられる有機アルカリは第4級アンモニウムヒドロキシドのみに限定されない。例えば炭酸グアニジンも同様の濃度で使用出来る。これらの無機又は有機のアルカリは、何れも半導体表面処理剤全溶液中の濃度が通常0.01〜30重量%好ましくは0.01〜20重量%の濃度範囲になるように用いられる。
【0030】過酸化水素は通常20〜40重量%の水溶液として使用に供され、通常半導体表面処理剤全溶液中の過酸化水素濃度が0.01〜30重量%の濃度範囲になるように用いられるが、その範囲外であっても洗浄効果に特に影響を与えない。
【0031】本発明に係る錯化剤は、半導体表面処理剤を構成している上記アルカリ、過酸化水素水又は水のいずれかの成分、又は任意の二成分、或は全ての成分に夫々溶解して使用するのが普通であるが、アルカリ、過酸化水素水及び水を混合したのちに該混合液にこれを溶解して使用してもかまわない。即ち半導体表面処理剤中に本発明に係る錯化剤を存在させる方法については特に限定されない。
【0032】また、本発明に係る錯化剤は、これをリンス用の水(通常、超純水を使用)に添加しても全く同様の効果が得られる。
【0033】本発明に係る錯化剤の内の一部は、これまでに過酸化水素の安定化剤として使用された例は多数あるが(特公昭43−11656号公報、特公昭55−45484号公報、特公昭59−45601号公報、特公昭60−239305号公報、特公昭62−57566号公報、特公昭62−57567号公報等)、本発明の如き目的で使用された例はこれまでに全くなく、従って本発明の如き目的で過酸化水素水に添加された例も皆無である。即ち、本発明に係る錯化剤を含有する過酸化水素水が半導体表面処理剤として用いられた例はこれまで皆無である。(従来、上記安定化剤により安定化された過酸化水素水をSC-1処理に使用する場合にはこれを蒸留精製後、更にイオン交換等で精製した後、使用に供していた為これら安定化剤は全て事前に除去されていた。)
【0034】本発明に於いて、本発明に係る錯化剤を過酸化水素水に添加して用いる場合には該錯化剤を蒸留精製後更に金属不純物の除去処理を経た後の過酸化水素水に添加して用いるのが好ましいが、精製未処理の過酸化水素水に添加して用いても、Fe、Al、Zn等に関しては充分効果が認められる。このことはこれまで全く確認されておらず、本発明者らが初めて見出した事実である。
【0035】本発明の表面処理剤は、常温においても優れた吸着抑止効果と高い洗浄効果を示すので敢えて加熱する必要は全くない。勿論、適度な加熱下においてもその効果に変りがないことは言うまでもない。尚、本発明に係る半導体表面処理剤は、アルカリ、過酸化水素、水及び本発明に係るキレート剤の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種補助成分(例えば界面活性剤等)が含まれていてもよい。
【0036】以下に実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。
【0037】尚、本実施例におけるウェハー表面の金属濃度は清浄化したテフロンシートとウェハー表面でサンドイッチした微量の超高純度希フッ酸に該金属を溶出させ、これをフレームレス原子吸光分析で定量した。
【0038】特に断りのない限りアンモニア水は28%、過酸化水素は35%を使用した。以下、濃度を表わす%やppm、ppbはすべて重量比を示すものとする。また特に断りのない限りこれらの薬品は超高純度品、即ちFe 0.1ppb、Al 0.1ppb以下であることをフレームレス原子吸光分析で確認して使用した。また水はすべてFe 0.01ppb、Al0.01ppb程度であることを同様に分析で確認した超純水を使用した。
【0039】
【実施例】実施例 1.アンモニア水1容、過酸化水素水1容及び水5容からなる混合液(以下SC-1処理液と略称)にエチリデンジホスホン酸(EDP)を10-4%並びに1.5×10-5%添加した夫々一連の処理液についてFeを10ppb、1ppb、0.1ppb添加したものに夫々5インチP型数Ωcm、結晶方位(100)のウェハーを浸漬し、70℃で10分処理し、超純水で10分リンスした後(以下ウェハーとSC-1での処理条件はこの場合と同様である。)、ウェハー表面に吸着したFe濃度を定量した。これらの吸着実験の結果をフロインドリッヒプロットしたものを図1に点線で示す。更にEDPを10-3%加えた場合でFe 10ppbの液からの吸着との関係を三角印で示した。
【0040】比較例 1.実施例1で用いた過酸化水素水(EDP無添加)及び他の市販二社の過酸化水素水(錯化剤無添加、市販品A及び市販品B)を用いたSC-1処理液の三つのシリーズについて実施例1と同様に処理液からのFe吸着実験を行った。そのフロインドリッヒプロットしたものを図1に実線で示す。
【0041】過酸化水素水のメーカーによる差は殆ど無く、SC-1処理液中にFeが1ppbあれば吸着はほぼ1012原子/cm2、吸着量を1010原子/cm2以下にするにはSC-1処理液のFe濃度は0.01ppb以下に管理しなければならないことが分かる。
【0042】実施例1の該表面処理剤は比較例1に対し顕著な吸着防止効果を示し、SC-1処理液中のFeの管理レベルが0.1ppbならばEDPの1.5×10-5%で、1ppbなら10-4%、10ppbなら10-3%で1010原子/cm2以下にFeの吸着を抑制し得る。即ち炭素汚染を無視できる程度の微量錯化剤で目的を達し得る。
【0043】比較例 2.比較例1と同様の吸着実験をAlについても行ったが、フロインドリッヒプロットは図1R>1のFeと殆ど一致した。
【0044】実施例 2.実施例1と同様の吸着実験をAlに関してEDPの10-3%で行ったがフロインドリッヒプロットは無添加の場合(比較例2)に比し1桁程度低下するだけで吸着低減効果はあるもののFeよりかなり弱い。従って本発明に係るキレート剤の添加にあたっては過酸化水素の精製を十分に行い、出来るだけAlの濃度を下げてから添加を行い薬品起因のAl汚染を最小に抑止しておくことが望ましい。
【0045】実施例 3.Feに対するマスク効果が強いとされるトリエタノールアミン並びにEDTAと本発明に係るジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(ETPPO)との比較でFe1ppbを含むSC-1処理液中の錯化剤濃度とシリコン表面へのFe吸着量の関係を求め図2に示した。本発明に係るキレート剤は10-7%から効果がみられ、10-4%でFe吸着量を1010原子/cm2以下に抑止できる。一方トリエタノールアミンは1%でやっと1011原子/cm2をきり、EDTAでも10-2%でないと1010原子/cm2の吸着レベルに達しない。
【0046】比較例 3.Fe1ppbを含むSC-1処理液中で各種錯化剤を3×10-4%添加した場合のウェハーへの吸着量を求め比較した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】


【0048】実施例 4.メチルジホスホン酸(MDP)を10-4%を予め添加したアンモニア水(28%)を用い、上記諸例と同様にSC-1処理液を作製した。処理液のMDP濃度は1.5×10-5%となる。この液にFe1ppbを加えたものについて洗浄処理後ウェハーへの吸着を調べた。吸着は6×1010原子/cm2であった。
【0049】またFe1ppbを添加しないこのSC-1処理液で、予めFeを表面に1012原子/cm2汚染させたシリコンウェハーを70℃で10分洗浄後、純水で10分リンスした(以後のSC-1洗浄実験で使用するFe汚染ウェハーと洗浄条件はこれに同じ)とき、ウェハー上のFe残存量は6×109原子/cm2で残存率(残存量の当初汚染量に対する百分率)が0.6%となりSC-1処理液によるFeの洗浄効果は1桁向上した。
【0050】比較例 4.実施例4のMDPに変えて同濃度で各種のキレート安定定数の大きいEDTA類似のキレート剤を用い、同様の吸着実験及び洗浄実験を行った。その結果を実施例4の結果と比較して表2に示す。
【0051】
【表2】


【0052】これらのキレート剤は10-5%では、Feの吸着抑制効果も洗浄効果の向上も殆どないことが分かる。
【0053】実施例 5.SC-1処理液に本発明に係るキレート剤としてヘキサメタリン酸(HP)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HDP)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTPO)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)またはETPPOを10-4%含有させて本発明に係る表面処理液を夫々調製した。該SC-1処理液を用いて、1012原子/cm2のFe汚染シリコンウェハーを洗浄し、洗浄後の残存量を定量し、残存率を求めた。また5×1012原子/cm2のAl汚染シリコンウェハーを同様の条件で洗浄し、同じく残存率を求めた。更に1012原子/cm2のZn汚染シリコンウェハーに対しても同様に行い、これらの残存率を表3に示す。
【0054】比較例 5.本発明に係るキレート剤の代りに汎用且つ代表的なキレート剤であるEDTA又はアセチルアセトンを10-4%添加したSC-1処理液、並びにキレート剤無添加のSC-1処理液で、夫々実施例5と同様の洗浄実験を行った。得られた残存率を表3に併せて示す。
【0055】
【表3】


【0056】表3から明らかなように本発明に係る半導体表面処理剤は10-4%という極めて微量の添加でFe、Znに対して著しい洗浄効果の向上を示しており、Alに対してもかなりの向上がある。一方、このような微量添加の領域では本発明に係るホスホン酸系のキレート剤と同様に環状のキレートを形成し得るEDTAやアセチルアセトンを添加しても本発明の如き効果は殆ど得られなかった。
【0057】実施例 6.実施例1の28%アンモニア水を1%トリメチル(2-ヒドロキシ)エチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に置き換えた処理液[有機アルカリ+過酸化水素]を用い、実施例1と同様に本発明に係るキレート剤EDPを添加し、実施例1と全く同様にして洗浄液からシリコンウェハーへのFeの吸着実験(70℃、10分)を行ったところ、図1の点線とほぼ一致するフロインドリッヒプロットを得た。
【0058】実施例 7.実施例1の28%アンモニア水を1%TMAH水溶液に置き換えた処理液[有機アルカリ+過酸化水素]を用い、実施例6と全く同様の吸着実験を行ったところ、図1の点線とほぼ一致するフロインドリッヒプロットを得た。
【0059】実施例6,7の結果から無機・有機を問わず[アルカリ+過酸化水素]処理液に於いて本発明に係るキレート剤が強力なFe吸着抑制効果を示すことが分る。
【0060】実施例 8.実施例6の処理液のEDPの代りにHDPまたはETPPOを添加した処理液で Feに対する吸着並びに洗浄実験を行った。該キレートの添加量は10-4%である。夫々の液で、Fe1012原子/cm2汚染シリコンウェハーを70℃で10分洗浄し、純水 で10分リンス後、Feの残存率を求めた。更に夫々の液にFe 1ppbを加えた処理液で清浄なシリコンウェハーを同様に処理した時のウェハーへのFe吸着量を求めた。これらの結果を表4に示す。
【0061】
【表4】


【0062】これらの結果から本発明に係るキレート剤の効果はアルカリが無機・有機に拘らないことが分る。
【0063】実施例 9.下記A〜Cに示される3種の処方で、28%アンモニア水:35%過酸化水素水:水=1容:1容:5容からなる半導体表面処理剤を調製した。
A=28%アンモニア水にEDPを添加し溶解後、これを過酸化水素水及び水と混合して調製。
B=過酸化水素水にEDPを添加し溶解後、これを28%アンモニア水及び水と混合して調製。
C=水にEDPを添加し溶解後、これを28%アンモニア水及び35%過酸化水素水と混合して調製。
これら3種の処理剤の夫々にFe 1ppbを添加した後、実施例1と同様にシリコンウェハーを洗浄、リンスし、表面の吸着Fe量を測定した。結果を表5に示す。
【0064】
【表5】


【0065】表5から明らかなように該表面処理剤を構成するアンモニア水、過酸化水素水または水のどの成分に本発明に係るキレート剤を添加溶解して調製しても、錯形成効果は同様に発現し、吸着抑制,洗浄の有効性に有意差を与えない。また、実施例1及び3〜5に示したように各成分を混合後に添加溶解して使用してもよく、該表面処理剤の調製法は特に限定されないことが判る。
【0066】実施例 10.酸洗浄を行って、Feが5×109原子/cm2程度であることを確認したP型(100)の清浄ウェハーを用い、Fe 1ppbの汚染のあるSC-1処理液とそれに10-4%のEDPを加えた処理液の夫々で、70℃、10分の洗浄を行った後、超純水でリンスし 乾燥した。洗浄ウェハーを熱酸化して、マイクロ波検出のフォトディケイ法による再結合ライフタイムの比較を行った。結果を表6に示す。
【0067】
【表6】


【0068】表6でみられるようにFe 1ppbの汚染SC-1処理液で処理されても本発明に係るキレート剤が微量でも存在すれば再結合ライフタイムがSC-1処理前の清浄ウェハーと同じレベルである。P型ウェハーではFe汚染でライフタイムが敏感に影響されることが知られており、実施例1から分るように、本発明に係るキレート剤の存在で、ライフタイムが低下しない1010原子/cm2以下にFe汚染が抑止されるためである。
【0069】実施例 11.Fe 0.01ppbの超純水中に0.1ppbのFeを添加し、アンモニア水でpH8.5に調製した水にシリコンウェハーを10分浸漬したところ、1.1×1011原子/cm2のFe吸着を生じた。この水に1.5×10-6%のEDTPOを添加し、アンモニア水でpH8.5に調製したものに同様の浸漬を行ったところ、ウェハーへの吸着量は〈1010原子/cm2以下であった。
【0070】実施例 12.EDTPO及びNTPOを過酸化水素に添加し、それらのNーオキシド(酸化体)を作製した。これらのNーオキシド体(酸化体)が、3×10-4%となるように添加したFe 1ppbを含むSC-1処理液でウェーハを実施例1と同様に処理し、Feの吸着量を求めた。
【0071】また、2×10-3%のN−オキシド体(酸化体)を含む過酸化水素水を20℃で30日間保存した。これらの過酸化水素水を用いてFe 1ppbを含むSC-1処理液を調製し、ウェーハを実施例1と同様に処理し、Feの吸着量を求めた。その結果を表7に併せて示す。
【0072】
【表7】


【0073】表7から明らかなように、EDTPOー酸化体及びNTPOー酸化体は、EDTPO及びNTPOと同様にFeの吸着抑制に有効に作用し、その効果は30日を経過しても変化せずに安定であった。
【0074】
【発明の効果】微粒子除去効果が極めて優れており、且つ油脂汚染の除去にも有効な[アルカリ+過酸化水素]洗浄では電気的特性を満足出来るシリコンウェハーが得られなかった。しかし本発明に係る錯化剤を半導体表面処理工程に於ける処理剤又はリンス液中に有機物汚染の害を及ぼさない程度の微量添加することにより、再結合ライフタイム低下とか酸化膜耐圧低下等の電気的特性上の問題を起こさない表面不純物濃度まで、有害不純物の吸着を抑制することができ、また有害不純物に対する洗浄能力を向上させることが出来る。本発明の効果は[アルカリ+過酸化水素]の組成だけに限定されない。シリコンウェハーに対する微粒子の付着はpHが高くなる程弱まることが知られている。しかしpH3より高くなると水中のFeはコロイドになる傾向が強くなり、Fe汚染の危険が増す。リンスに用いる超純水はしばしば0.1ppb程度までFe濃度が増大する恐れがあり、本発明に係る錯化剤はこのような吸着汚染も防止する。
【0075】本発明に係る処理法・処理剤の効果はシリコン単結晶表面に限らず多結晶膜表面にも効果的であることは勿論である。従って、このような膜を用いるLCD用ガラス基板洗浄にも有効であり、またFeやZn等の汚染を嫌う化合物半導体にも適用出来る。また工程としてウェハーの材料としての製造段階からパターン化したデバイス製造段階まで広く使用出来る。その波及的効果は絶大であるため、本発明の表面処理剤は工業的に非常に有用である。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1及び比較例1で得られたSC-1処理液中のFe濃度(ppb)とシリコンウェハー表面のFeの吸着量(原子/cm2)との関係を示す曲線図(フロインドリッヒプロット)である。但し、点線は実施例1(但し、・・・・・・はエチリデンジホスホン酸(EDP)を10-4%添加、・・・・・・はEDPを1.5×10-5%添加した処理液の結果を夫々示す。)、実線は比較例1(但し、ー×ー はEDP無添加、ー◎ーは市販品A、ー●ー は市販品Bの結果を夫々示す。)を示す。また、△は実施例1でEDPを10-3%添加した場合の結果を示す。
【図2】図2は実施例3で得られたFe 1ppbを含むSC-1処理液中の錯化剤濃度(重量%)とシリコン表面へのFe吸着量(原子/cm2)の関係を示す曲線図である。但し、−□− は本発明に係るキレート剤であるETPPOを加えたときの結果を示し、−△−はトリエタノールアミン、−○− はEDTAを夫々錯化剤として加えたときの結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体の表面を無機又は有機のアルカリ、過酸化水素及び水を主たる構成成分とする半導体表面処理剤で洗浄する工程と、洗浄後これを超純水でリンスする工程とから成る半導体表面処理方法であって、半導体表面処理剤とリンス用超純水の少くとも何れか一方に、分子中にホスホン酸基又はその塩を1以上有するキレ−ト剤又はそれらの酸化体、又は縮合リン酸又はその塩(以下、これらを総称して、単に「本発明に係る錯化剤」と略記する。)を存在させて該処理を行う方法。
【請求項2】 本発明に係る錯化剤を含有して成る半導体表面処理剤を用いて洗浄する請求項1に記載の半導体表面処理方法。
【請求項3】 本発明に係る錯化剤を含有して成る超純水を用いてリンスする請求項1に記載の半導体表面処理方法。
【請求項4】 無機又は有機のアルカリ、過酸化水素、水、及び請求項1に記載の本発明に係る錯化剤を含有して成る半導体表面処理剤。
【請求項5】 本発明に係る錯化剤を10-7〜10-3重量%含んで成る請求項4に記載の半導体表面処理剤。
【請求項6】 無機又は有機のアルカリが、アンモニア又は第4級アンモニウムヒドロキシドである請求項4又は5に記載の半導体表面処理剤。
【請求項7】 無機又は有機のアルカリの濃度が全溶液中0.01〜20重量%である請求項4〜6の何れかに記載の半導体表面処理剤。
【請求項8】 過酸化水素の濃度が全溶液中0.01〜30重量%である請求項4〜7の何れかに記載の半導体表面処理剤。
【請求項9】 請求項1に記載の本発明に係る錯化剤を半導体表面処理剤を構成する成分の1以上に含有させたのち各成分を混合するか、又は半導体表面処理剤を構成する各成分を混合したのちこれに本発明に係る錯化剤を含有させることにより調製することを特徴とする、請求項4に記載の半導体表面処理剤の調製方法。
【請求項10】 請求項1に記載の本発明に係る錯化剤を含有させて成る半導体表面処理剤用アルカリ水溶液。
【請求項11】 アルカリがアンモニア又は第4級アンモニウムヒドロキシドである請求項10に記載の半導体表面処理剤用アルカリ水溶液。
【請求項12】 蒸留精製後更に金属不純物の除去処理を経た後、請求項1に記載の本発明に係る錯化剤を含有させて成る半導体表面処理剤用過酸化水素水。
【請求項13】 本発明に係る錯化剤が、エチリデンジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、メチルジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)又はそれらの酸化体である請求項4に記載の半導体表面処理剤。
【請求項14】 本発明に係る錯化剤が、ヘキサメタリン酸又はヘキサメタリン酸アンモニウムである請求項4に記載の半導体表面処理剤。
【請求項15】 本発明に係る錯化剤を含有して成る過酸化水素水を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法。
【請求項16】 蒸留精製後更に金属不純物の除去処理を経た後本発明に係る錯化剤を含有させて成る過酸化水素水を用いる請求項15に記載の処理方法。
【請求項17】 本発明に係る錯化剤を含有して成るアルカリ水溶液を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法。
【請求項18】 アルカリがアンモニア又は第4級アンモニウムヒドロキシドである請求項17に記載の処理方法。
【請求項19】 本発明に係る錯化剤を含有して成る水を半導体表面処理剤の構成成分として用いて半導体表面処理を行うことを特徴とする半導体表面処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開平5−275405
【公開日】平成5年(1993)10月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−32633
【出願日】平成4年(1992)1月23日
【出願人】(000252300)和光純薬工業株式会社 (105)
【出願人】(390039619)株式会社ピュアレックス (19)