説明

表面処理装置

【課題】本発明は、メンテナンスを従来よりも一段と簡易に行い得る表面処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】このコロナ放電表面処理装置1では、放電部20を表面処理部2から取り外すことなく、支持軸31で支持させた状態のまま、例えば放電部20内に付着した粉塵や、コロナ電極3の表面に付着した粉塵を簡単に除去でき、また当該放電部20内に設けられたコロナ電極3を簡単に交換することができ、かくしてメンテナンスを従来よりも一段と簡易に行い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理装置に関し、例えば、放電により被処理物の表面処理を行う表面処理装置に適用して好適なものである。ここで、表面処理には、フィルム等への印刷時におけるぬれ性を向上させたり、シールへの粘着剤塗布時における付着性を向上させたりすることなどを含む。
【背景技術】
【0002】
従来、コロナ放電や大気中プラズマ等の放電現象を用いてフィルム等の被処理物の表面を改質する表面処理装置が知られている。この種の表面処理装置は、放電部で保持された長尺な放電電極とアースロールとの間でコロナ放電を発生し得るように構成されており、フィルムを放電電極と交差させるようにアースロール上を移送させ、当該フィルムの表面にコロナ放電を照射して改質させ得るようになされている。
【0003】
例えば、この種の表面処理装置として、特願2008−289274号(特許文献1)では、放電部で発生するオゾンを排出するために、放電部にダクトが設けられた表面処理装置が開示されている。実際上、この表面処理装置は、排気ファンが設けられており、当該排気ファンによって放電部内で発生したオゾンを、放電部内の空気とともにダクトを経由させてオゾン処理装置に排出し得るようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2008−289274号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような表面処理装置で表面処理されるフィルムには、フィルム同士への帯電防止のために、その表面にダスティング粉が振りかけられている。このため、このような表面処理装置では、放電部内のオゾンを空気とともにダクトに吸引する際、フィルムに振りかけられたダスティング粉や、浮遊している塵埃も当該ダクトに吸引される虞があり、この場合、ダクトに到達する前に放電部内の放電電極の表面(以下、電極表面と呼ぶ)に、ダスティング粉や塵埃等の粉塵が付着してしまうという問題がある。
【0006】
この場合、このような表面処理装置では、放電部内や電極表面から粉塵を除去する必要があるが、当該電極表面とアースロールとの間の隙間が非常に狭いため、その隙間から電極表面に付着した粉塵を直接除去することが困難であった。そのため、この種の表面処理装置では、本来、装置本体から取り外す必要のない放電部自体を、その都度、装置本体から取り外し、放電部内や電極表面に付着した粉塵を除去しており、容易にメンテナンスを行い難いという問題があった。
【0007】
また、放電部内の放電電極を交換する際にも、粉塵を除去するときと同様に、本来、装置本体から取り外す必要のない放電部自体を、その都度、装置本体から取り外して放電電極の交換を行っているため、容易にメンテナンスを行い難いという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況を鑑みてなされたもので、メンテナンスを従来よりも一段と簡易に行い得る表面処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明において、請求項1記載の発明では、放電電極と交差させるようにアースロール上を通過させる被処理物の表面に、前記放電電極による放電を照射し、該放電により前記被処理物の表面を改質する表面処理装置において、前記アースロールと平行に配置された支持軸と、前記アースロールと所定の隙間を設けて前記放電電極を配置させ、スライド回動部により前記支持軸に支持された放電保持部と、一端に前記放電保持部が着脱自在に接続されているとともに、前記放電電極の放電により生じるオゾンを他端の排気部へ排出する排出管とを備え、前記スライド回動部は、前記支持軸に沿って前記放電保持部をスライドさせることにより前記排出管から離脱させ、前記支持軸を中心に前記放電保持部を前記アースロールから遠ざかる方向に回動させることにより、前記放電電極を外部に露出させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明では、前記放電保持部を前記アースロールから遠ざかる方向に回動させたとき、前記放電保持部の回動角度を規制する回動規制部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明では、前記アースロールから遠ざかる方向に回動させた前記放電保持部を、前記アースロールに近づける方向に回動させたときに、前記放電保持部の回動角度を規制するアースロール側回動規制部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の発明では、前記放電保持部は、前記放電電極を保持する放電部と、前記放電部に固定されたダクト部とを備え、前記ダクト部が前記排出管に着脱自在に接続されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の発明では、前記排出管が2重管構造からなり、前記放電保持部は前記放電電極を保持する放電部を備えており、前記放電部は前記排出管に着脱自在に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、放電保持部を支持軸で支持させた状態のまま、放電電極を外部に露出させることができるので、放電保持部を支持軸から取り外すことなく、放電保持部の放電電極に付着した粉塵を簡単に除去でき、また当該放電電極を簡単に交換することができ、かくしてメンテナンスを従来よりも一段と簡易に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】表面処理装置の概略説明図である。
【図2】表面処理部及びオゾン処理装置の概略図である。
【図3】第1の実施の形態による表面処理部の正面構成及び上面構成を示す概略図である。
【図4】使用状態のダクト付放電保持部の様子と、メンテナンス状態のダクト付放電保持部の様子を示す概略図である。
【図5】ダクト付放電保持部を固定ダクトから離脱させたときの様子を示す概略図である。
【図6】ダクト付放電保持部を回動させて放電部をアースロールから遠ざけたときの様子を示す概略図である。
【図7】ダクト付放電保持部を位置決めしたときの様子を示す概略図である。
【図8】第2の実施の形態によるダクト付放電保持部の正面構成及び上面構成を示す概略図である。
【図9】第2の実施の形態によるダクト付放電保持部の使用状態のときの様子と、メンテナンス状態のときの様子を示す概略図である。
【図10】第3の実施の形態による表面処理部の正面構成を示す概略図である。
【図11】第3の実施の形態による放電保持部を回動させて放電部をアースロールから遠ざけたときの様子を示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面に基づいて、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0017】
(1)第1の実施の形態
(1−1)コロナ放電表面処理装置の全体構成
ここでは、先ず初めに、コロナ放電表面処理装置の概略について説明する。図1において、1は表面処理装置としてのコロナ放電表面処理装置を示し、表面処理部2に設けられた放電電極としてのコロナ電極3が、接地されたアースロールR1と所定の隙間を設けて配置されている。コロナ放電表面処理装置1は、電源装置5とコロナ電極3とが導体4により接続されており、この電源装置5にアースロールR1も電気的に接続されている。
【0018】
コロナ放電表面処理装置1は、ロールR2から引き出されたフィルムFがアースロールR1上を通過することにより、当該フィルムFがアースロールR1及びコロナ電極3間を通り、この際、当該コロナ電極3から発生するコロナ放電をフィルムFに照射することにより、当該フィルムFを改質し得るようになされている。
【0019】
因みに、本実施形態における被処理物としてのフィルムFは、その表面がPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)等で構成されているものを例示することができ、また、フィルムFのサイズとしては、例えば厚さ40μm、幅380mm、1000m巻きのものを用いている。
【0020】
このようなコロナ放電表面処理装置1は、例えば各種の包装機に設置されており、包装機に設けられた印刷機が賞味期限等を表した文字をフィルムFに印字する前に、当該フィルムFの印字予定箇所にコロナ放電を照射して当該印字予定箇所を改質し得る。これにより改質された印字予定箇所は、インクの付着性が向上し、印刷機による印字が確実に行えるようになり得る。
【0021】
図2に示すように、表面処理部2には、当該表面処理部2から排気されたオゾンを処理するオゾン処理装置6が接続されている。この排気部としてのオゾン処理装置6は、排気路7を備えており、当該排気路7に表面処理部2の固定ダクト8が接続されている。また、オゾン処理装置6は、流量検出手段9と、フィルタ10と、オゾン処理手段としてのオゾン触媒11と、送出手段としての排気ファン12と、オゾン濃度検知器13とが固定ダクト8側から順に並んで配置された構成を有し、排気ファン12を駆動させて、表面処理部2で発生したオゾンを空気と一緒に吸引し、当該空気及びオゾンを排気路7を通過させてオゾン処理装置6の外部に排気し得る。
【0022】
(1−2)表面処理部の詳細構成
次に、本発明の特徴的構成を有する表面処理部2について、以下詳細に説明する。ここで図3(A)は表面処理部2の正面構成を示し、図3(B)は表面処理部2の上面構成を示す概略図である。実際上、表面処理部2は、図3(A)及び(B)に示すように、一端がオゾン処理装置6(図2)に接続された固定ダクト8と、固定ダクト8の他端に着脱自在に接続されたダクト付放電保持部15と、ダクト付放電保持部15をアースロールR1の長手方向に沿ってスライド可能に支持するガイド部16とを備えている。
【0023】
請求項1記載の排出管としての固定ダクト8は、例えば、透明なポリカーボネイト等の絶縁性を備える硬質材料で形成されており、所定の長さを有する円筒形状に形成された構成を有する。この固定ダクト8は、ガイド部16の一側部フレーム22aに穿設された貫通孔(図示せず)に、他端が挿通するようにして固定されており、当該他端内側にダクト付放電保持部15のダクト部8aが挿通されている。
【0024】
実際上、固定ダクト8は、その内径が円筒状のダクト部8aの外径よりも僅かに大きく形成されており、当該ダクト部8aが他端側の円柱状の中空部に部分的に遊挿し得るように構成されている。かくして、固定ダクト8には、ダクト付放電保持部15のダクト部8aと内部を連通させた状態のまま、当該ダクト付放電保持部15が移動し得るように接続され得る。
【0025】
因みに、固定ダクト8及びダクト部8aの内部には、導体4が絶縁取付部材23a,23b,23cにより内壁から離間して配置され、この導体4により放電部20内のコロナ電極3に高電圧を供給し得るようになされている。ここで、導体4は、導電材料からなる一側導体4aと他側導体4bとから構成されている。一側導体4aは、円管状に形成されており、円管状又は棒状に形成された他側導体4bが他端から中空部に摺動可能に挿入された構成を有する。
【0026】
なお、一側導体4aは、絶縁取付部材23aと絶縁取付部材23bとによりダクト部8a内のほぼ中心に支持される。また、他側導体4bは、一端が一側導体4aの他端に挿入され、絶縁取付部材23cに支持されることで、固定ダクト8内のほぼ中心に支持される。かくして、導体4は、ダクト付放電保持部15の移動に連動して一側導体4a及び他側導体4bが伸縮するように構成されている。
【0027】
ガイド部16は、板状でなる一側部フレーム22aと、当該一側部フレーム22aと対向するように配置された板状の他側部フレーム22bとを有し、アースロールR1の一端部が回動自在に設けられた一側壁部14aに当該一側部フレーム22aが固定されているとともに、アースロールR1の他端部が回動自在に設けられた他側壁部14bに当該他側部フレーム22bが固定されている。かくして、これら一側部フレーム22a及び他側部フレーム22b間には、その下方にアースロールR1が配置され、支持軸31の長手方向と、後述する第1回動規制部32及び第2回動規制部33の各長手方向とが、当該アースロールR1の長手方向とほぼ平行になるように配置され得る。
【0028】
ここで、支持軸31は、ほぼ円柱形状からなり、その両端部が一側部フレーム22a及び他側部フレーム22bにネジN1によりそれぞれ固定されている。この支持軸31には、長手方向に沿ってダクト付放電保持部15がスライド可能に設けられているとともに、固定ダクト8から離脱されたダクト付放電保持部15が回動自在に設けられている。因みに、この支持軸31には、2つのスライドセットカラ34a,34bが設けられており、これらのスライドセットカラ34a,34b間でダクト付放電保持部15が移動し得る。また、スライドセットカラ34a,34bは、ダクト付放電保持部15を挟み込むことで、当該ダクト付放電保持部15を所望の位置で位置決めすることもできる。
【0029】
ここで、放電保持部としてのダクト付放電保持部15は、排出管としての固定ダクト8と着脱自在に接続されたダクト部8aと、当該ダクト部8aの他端に固定された放電部20と、支持軸31に対しダクト部8a及び放電部20をスライド自在及び回動自在に設けるスライド回動部19とから構成されている。
【0030】
ここで、放電部20は、上面と、開口した下面と、4つの側面とからなる箱状に形成されたケース25と、ケース25内に配置され、コロナ放電を発生させる複数のコロナ電極3と、このケース25内において開口した下面側に複数のコロナ電極3を保持する電極位置調整用ガイシ24とを有する。
【0031】
ケース25は、直方体からなり、長手方向の長さがアースロールR1の長さより短く、コロナ電極3の長さより僅かに長く形成されており、長手方向がアースロールR1の長手方向に沿って配置されている。そして、ケース25には、ダクト部8aの内部とケース25の内部とを連通させるようにして側面にダクト部8aが固定されている。
【0032】
このように、ケース25は、上面と側面とによりコロナ電極3を覆うことで、コロナ放電の際に発生するオゾンの拡散を防止しつつ、ダクト部8aから吸引されたオゾンを固定ダクト8を経由させてオゾン処理装置6へ送るようになされている。
【0033】
また、図4(A)に示すように、このケース25は、その幅がアースロールR1の幅より僅かに大きく形成されており、電極位置調整用ガイシ24によって、円柱形状でなる2つのコロナ電極3の長手方向がアースロールR1の長手方向と平行に配置させているとともに、これら2つのコロナ電極3がアースロールR1の中心軸を挟むようにアースロールR1の上方に配置させている。
【0034】
電極位置調整用ガイシ24は、ケース25上面にネジN2で固定されおり、アースロールR1との間に所定の隙間Gを設けて複数のコロナ電極3が配置されるように調整し得、アースロールR1上を通過するフィルムFに対して当該コロナ電極3からのコロナ放電を確実に照射し得るようになされている。
【0035】
因みに、アルミ層を有するアルミ蒸着フィルムは、コロナ電極3の電極体で直接的に局部的な放電が行われると、アルミ層に穴が開いてしまうおそれがある。そこで、コロナ電極3は、電極体(図示せず)の外周が絶縁体で被覆された構成を有し、この絶縁体を誘電体として機能させ、電極体からの局部的な放電を抑制し得る。そして、コロナ電極3は、このような放電の抑制により、アルミ蒸着フィルムの表面処理をする際、アルミ層の損傷を防止している。また、この実施の形態の場合、電極体は、円柱形状に形成されていることから、その周面から放電が放射状に照射し、局部的な放電を抑制し得るようになされている。尚、本実施形態のコロナ電極3は、電極体の軸心の長さが125mm、直径が16mmに選定された円柱状の電極体が用いられている。
【0036】
かかる構成に加えて、この放電部20のケース25には、支持軸31にダクト付放電保持部15をスライド自在及び回動自在に支持するスライド回動部19が設けられている。この実施の形態の場合、スライド回動部19は、ケース25の背面に固定される板状のケース支持部27と、このケース支持部27に固定され、かつ支持軸31にスライド自在及び回動自在に設けられる軸受け部26とを有する。
【0037】
ケース支持部27は、図3(B)に示したように、ケース25の上面に固定されるケース固定面27aと、軸受け部26に固定される軸受け固定面27bとを有する。この実施の形態の場合、ケース固定面27aは、ほぼ正方形状からなり、軸受け固定面27bよりも小さく選定された構成を有する。また、ケース固定面27aは、軸受け固定面27bの長手方向一辺中央に一体成形されているとともに、ケース25の上面と電極位置調整用ガイシ24とを固定するネジN2を避けるようにしてケース上面の中央領域に固定されている。
【0038】
また、この実施の形態の場合、軸受け固定面27bは、ほぼ長方形状からなる本体面27cと、この本体面27cの長手方向の他辺に形成されたほぼ台形状の膨出面27dとからなり、図4(A)に示すように、本体面27cに軸受け部26が固定されているとともに、後述する回動位置決め部29が膨出面27dに設けられた構成を有する。
【0039】
軸受け部26は、軸受け固定面27bの本体面27cの長手方向の寸法とほぼ同じ寸法を有した柱状の本体を有し、軸受け固定面27bの本体面27cの裏面に当該本体がネジN3により固定されている。かかる構成に加えて、軸受け部26は、本体の長手方向中心軸を貫通するように貫通孔(図示せず)が穿設されており、この貫通孔に支持軸31が挿通されることにより、支持軸31に沿ってスライドし得るとともに、図4(B)に示すように、当該支持軸31を回動軸としてアースロールR1から遠ざける方向m1又は近づく方向m2へ回動し得る構成を有する。
【0040】
図4(A)に示したように、回動位置決め部29は、コロナ電極3がアースロールR1と所定の隙間Gを設けて上方に配置され、かつコロナ電極3の長手方向とアースロールR1の長手方向とが平行に配置されている状態(すなわち、フィルムFにコロナ放電を照射する状態であり、以下、これを使用状態と呼ぶ)のとき、ガイド部16に設けられた第1回動規制部32に当接することにより、ダクト付放電保持部15を使用状態で維持し得るようになされている。
【0041】
実際上、回動位置決め部29は、使用状態のとき、第1回動規制部32の下面32aに位置する膨出面27dに設けられており、一端部29aが第1回動規制部32の下面32aに当接することにより、ダクト付放電保持部15を使用状態に位置決めし得る。
【0042】
この実施の形態の場合、回動位置決め部29は、ネジ部材からなり、軸受け固定面27bの膨出面27dに穿設された雌ねじ(図示せず)に、ネジ先端である一端部29aが螺入され、膨出面27dから当該一端部29aが突出する距離を調整し得るように構成されている。
【0043】
これにより、回動位置決め部29は、使用状態のとき、例えば膨出面27dから一端部29aが突出する距離を大きくすることにより、支持軸31を中心に放電部20を上方側に回動させ、アースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を微調整し得るようになされている。これに対して、回動位置決め部29は、使用状態のとき、例えば膨出面27dから一端部29aが突出する距離を小さくすることにより、支持軸31を中心に放電部20を下方側に回動させ、アースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を微調整し得るようになされている。
【0044】
ここで、この実施の形態の場合、使用状態のときに回動位置決め部29が当接する第1回動規制部32は、断面四辺形の角材からなり、図4(A)及び(B)に示すように、他側部フレーム22bにおいて支持軸31よりもアースロールR1から遠く、かつ支持軸31よりも上方の上角部に配置されていることにより、使用状態のとき膨出面27dの回動位置決め部29のみが当接し得るようになされている。
【0045】
かかる構成に加えて、回動位置決め部29は、支持軸31に沿ってスライドされ固定ダクト8から外されたダクト付放電保持部15を、図4(B)に示すように、当該支持軸31を中心にコロナ電極3をアースロールR1から遠ざける方向m1へ約90度回動させ、コロナ電極3を外部に露出させた状態(以下、これをメンテナンス状態と呼ぶ)になったとき、ガイド部16に設けられた第2回動規制部33に当接することにより、ダクト付放電保持部15をメンテナンス状態で維持し得るようになされている。
【0046】
実際上、回動位置決め部29は、メンテナンス状態のとき、第2回動規制部33の側面33aに、他端部29bが当接することにより、ダクト付放電保持部15をメンテナンス状態に位置決めし得る。
【0047】
この実施の形態の場合、回動位置決め部29は、軸受け固定面27bの膨出面27dに穿設された雌ねじに、ネジ先端である一端部29aが螺入され、膨出面27dから他端部29bが突出する距離を調整し得るように構成されている。
【0048】
これにより、回動位置決め部29は、メンテナンス状態のとき、例えば膨出面27dから他端部29bが突出する距離を大きくすることにより、支持軸31を中心に放電部20を下方側に回動させ、コロナ電極3をアースロールR1側に僅かに近づけることができる。これに対して、回動位置決め部29は、メンテナンス状態のとき、例えば膨出面27dから他端部29bが突出する距離を小さくすることにより、支持軸31を中心に放電部20を上方側に回動させ、コロナ電極3をアースロールR1から僅かに遠ざけることができる。
【0049】
ここで、この実施の形態の場合、メンテナンス状態のときに回動位置決め部29が当接する第2回動規制部33は、ほぼ断面四辺状の角材からなり、図4(A)及び(B)に示すように、他側部フレーム22bにおいて支持軸31よりもアースロールR1に近く、かつ支持軸31よりも下方の下角部(すなわち、第1回動規制部32と対角位置)に配置されていることにより、メンテナンス状態のとき膨出面27dの回動位置決め部29のみが当接し得るようになされている。
【0050】
このようなダクト付放電保持部15は、図5(A)及び(B)に示すように、他側部フレーム22b近傍に配置したスライドセットカラ34bにスライド回動部19の本体面27cが当たるまで、支持軸31に沿って他側部フレーム22b側に近づける方向x1へ移動されることにより、固定ダクト8からダクト部8aが離脱し得るように構成されている。
【0051】
これにより、ダクト付放電保持部15は、スライド回動部19だけで支持軸31に支持された状態となり、図6に示すように、支持軸31を中心にスライド回動部19を介して放電部20及びダクト部8aが一体的に回動し、コロナ電極3をアースロールR1から遠ざけて外部に露出させたメンテナンス状態となり得る。また、かかる構成に加えて、ガイド部16の一側部フレーム22aには、メンテナンス状態にあるダクト部8aと対向した位置に、ダクト部8aの端部外郭形状とほぼ同一形状からなり、かつダクト部8aの外径よりも僅かに大きく選定された位置決め孔35が穿設されている。
【0052】
ダクト付放電保持部15は、メンテナンス状態のまま、図7に示すように、支持軸31に沿って一側部フレーム22a側に近づける方向x2にスライドされることにより、ダクト部8aの他端が位置決め孔35に挿入され得るようになされている。これにより、ダクト付放電保持部15は、ダクト部8aが位置決め孔35に挿入されて位置決めされることにより、支持軸31を中心とした回動が規制され得る。かくして、メンテナンス状態にあるダクト付放電保持部15は、支持軸31を中心にコロナ電極3がアースロールR1側へ近づける方向m2(図4(B))へ回動し、再び使用状態へ戻ることを防止し得るようになされている。
【0053】
(1−3)動作及び効果
以上の構成において、コロナ放電表面処理装置1では、ダクト付放電保持部15のダクト部8aを固定ダクト8に脱着可能に接続し、スライド回動部19により支持軸31に沿ってダクト付放電保持部15を固定ダクト8から遠ざかる方向(すなわち、図5(B)中の矢印x1方向)へスライドさせることにより、固定ダクト8からダクト付放電保持部15を離脱させることができる。
【0054】
また、このコロナ放電表面処理装置1では、放電部20内のコロナ電極3に高電圧を供給する導体4の他側導体4bを固定ダクト8の内部に設けるとともに、他側導体4bと摺動可能に挿入される導体4の一側導体4aをダクト付放電保持部15のダクト部8aの内部に設け、固定ダクト8からダクト付放電保持部15を離脱させた際に、他側導体4bが一側導体4aから離脱するようにした。これにより、コロナ放電表面処理装置1では、固定ダクト8及びダクト部8aの内部に導体4の一側導体4a及び他側導体4bを通電可能に配置させることができるとともに、固定ダクト8からダクト付放電保持部15を離脱させる際に、他側導体4bから一側導体4aが離脱することで、固定ダクト8からダクト付放電保持部15を完全に離脱させることができる。
【0055】
また、このコロナ放電表面処理装置1では、ダクト付放電保持部15のスライド回動部19を支持軸31に回動自在に設けるようにしたことにより、当該ダクト付放電保持部15を支持軸31から外すことなく、当該支持軸31で支持させた状態のままで、スライド回動部19によって放電部20をアースロールR1から遠ざかる方向m1へ回動させることができる。
【0056】
これにより、コロナ放電表面処理装置1では、使用状態のときにアースロールR1と僅かな隙間Gを設けて対向するように配置されていた放電部20のコロナ電極3を、当該アースロールR1から遠ざけて外部に露出させた状態にすることができる。従って、このコロナ放電表面処理装置1では、放電部20を表面処理部2から取り外すことなく、支持軸31で支持させた状態のまま、例えば放電部20内に付着した粉塵や、コロナ電極3の表面に付着した粉塵を簡単に除去でき、また当該放電部20内に設けられたコロナ電極3を簡単に交換することができ、かくしてメンテナンスを従来よりも一段と簡易に行い得る。
【0057】
また、このコロナ放電表面処理装置1では、一側部フレーム22aに設けた位置決め孔35に、メンテナンス状態にあるダクト付放電保持部15のダクト部8aを挿入することにより、当該一側部フレーム22aにダクト付放電保持部15を位置決めすることができ、かくして、メンテナンス状態のとき、何らかの原因で外力が与えられダクト付放電保持部15が支持軸31を中心にアースロールR1側へ回動し再び通常状態に戻ってしまうことを防止できる。
【0058】
ここで、ダクト付放電保持部15では、支持軸31を中心に放電部20をアースロールR1から遠ざかる方向m1へ回動させるだけで、スライド回動部19に設けられた回動位置決め部29が第2回動規制部33に当接し、簡単に所定角度のメンテナンス状態に位置決めできる。また、ダクト付放電保持部15では、支持軸31を中心に放電部20をアースロールR1に近づく方向m2へ回動させるだけで、スライド回動部19に設けられた回動位置決め部29が第1回動規制部32に当接し、簡単に所定角度の使用状態に位置決めできる。
【0059】
また、回動位置決め部29では、軸受け固定面27bの膨出面27dから一端部29aが突出する距離を調整することにより、図4(A)に示したように、アースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を簡単に調整することができる。さらに、回動位置決め部29では、軸受け固定面27bの膨出面27dから他端部29bが突出する距離を調整することにより、図4(B)に示したように、メンテナンス状態におけるコロナ電極3の露出角度を簡単に調整することができる。
【0060】
因みに、このコロナ放電表面処理装置1では、メンテナンス終了後に、ダクト付放電保持部15を他側部フレーム22bに近づける方向x1に移動させて、位置決め孔35からダクト部8aを引き抜き、コロナ電極3をアースロールR1に近づける方向m2にダクト付放電保持部15を回動させた後、ダクト付放電保持部15を一側部フレーム22aに近づける方向x2に移動させることで、ダクト部8aを固定ダクト8に挿入できるとともに、一側導体4aと他側導体4bとを接続させることができ、簡単に使用状態に戻すことができる。
【0061】
(2)第2の実施の形態
図3(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付して示す図8(A)及び(B)において、41は第2の実施の形態による表面処理部を示す。この表面処理部41は、ダクト付放電保持部42の回動時における位置決め方法が、上述した第1の実施の形態とは相違している。この場合、ダクト付放電保持部42に設けられたスライド回動部43は、長方形状の軸受け固定面44に軸受け部26が固定されるとともに、正方形状のケース固定面45にケース25の上面が固定され、図4(A)との対応部分に同一符号を付した図9(A)のように、当該軸受け固定面44の裏面に断面逆L字状の受止部46が設けられている。
【0062】
因みに、ここで、この第2の実施の形態において、請求項1記載の放電保持部としてのダクト付放電保持部42は、排出管としての固定ダクト8と着脱自在に接続されたダクト部8aと、当該ダクト部8aの他端に固定された放電部20と、支持軸31に対しダクト部8a及び放電部20をスライド自在及び回動自在に設けるスライド回動部43とから構成されている。
【0063】
この実施の形態の場合、受止部46は、平坦な固定面47が軸受け固定面44の背面にネジN3により固定され、当該軸受け固定面44の一辺から垂下した平坦な受止面48がケース25近傍に配置されているとともに、当該受止面48がケース25の側面とほぼ平行に配置されている。
【0064】
ここで、ガイド部16の第2回動規制部49には、対向する一側面49a及び他側面49bを貫通するように貫通孔51が穿設されており、当該貫通孔51に回動位置決め部52が挿通され得るようになされている。この回動位置決め部52は、ネジ部材からなり、先端部53が受止部46の受止面48と当接するように貫通孔51に挿通されており、第2回動規制部49の他側面49bから先端部53が突出する距離が調整された後、ナット52aによって第2回動規制部49に固定されている。
【0065】
アースロール側回動規制部としての回動位置決め部52は、例えば第2回動規制部49の他側面49bから先端部53が突出する距離を大きくすることで、支持軸31を中心に放電部20を上方側に回動させ、アースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を微調整し得るようになされている。これに対して、回動位置決め部52は、例えば第2回動規制部49の他側面49bから先端部53が突出する距離を小さくすることで、支持軸31を中心に放電部20を自重により下方側に回動させ、アースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を微調整し得るようになされている。
【0066】
なお、このような回動位置決め部52が挿入される貫通孔51は、図8(A)に示すように、第2回動規制部49における他側面49bの任意の位置に複数穿設されている。これにより、表面処理部41では、アースロールR1上を通過するフィルムFの改質位置に合わせて放電部20を支持軸31に沿ってスライドさせた際、各位置で放電部20に対向する貫通孔51に、回動位置決め部52を挿入し、受止部46への回動位置決め部52の突出状態を調整することで、各位置においてアースロールR1に対するコロナ電極3の配置状態を微調整できるようになされている。
【0067】
また、このような表面処理部41でも上述した実施の形態と同様に、ダクト付放電保持部42が支持軸31に沿って他側部フレーム22bに近づく方向x1にスライドされることにより(図8(B))、排出管としての固定ダクト8からダクト部8aが離脱される。そして、ダクト付放電保持部42は、図9(B)に示すように、支持軸31を中心にコロナ電極3をアースロールR1から遠ざける方向m1へ約90度回動させ、コロナ電極3を外部に露出させた状態(すなわち、メンテナンス状態)のとき、回動規制部としての第1回動規制部32に当接することにより、ダクト付放電保持部42をメンテナンス状態で維持し得るようになされている。
【0068】
この実施の形態の場合、スライド回動部43は、メンテナンス状態のとき、ケース固定面45に対してケース25を固定するために設けられた所定のネジN5が、第1回動規制部32の側面32bに当接することにより、ダクト付放電保持部42をメンテナンス状態に位置決めし得る。
【0069】
以上の構成において、このような表面処理部41でも、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、放電部20を表面処理部41から取り外すことなく、支持軸31で支持させた状態のまま、例えば放電部20内に付着した粉塵や、コロナ電極3の表面に付着した粉塵を簡単に除去でき、また当該放電部20内に設けられたコロナ電極3を簡単に交換することができる。
【0070】
なお、第2の実施の形態においても、一側部フレーム22aに設けた位置決め孔35に、メンテナンス状態にあるダクト付放電保持部42のダクト部8aを挿入することにより、当該一側部フレーム22aにダクト付放電保持部42を位置決めさせるようにしてもよい。
【0071】
(3)第3の実施の形態
図3(A)との対応部分に同一符号を付して示す図10において、61は第3の実施の形態による表面処理部を示す。この表面処理部61は、一端側がオゾン処理装置6(図2)に接続され、伸縮自在に構成された伸縮ダクト62と、伸縮ダクト62の他端側に着脱自在に接続された放電保持部63と、この放電保持部63をアースロールR1の長手方向に沿ってスライド可能に支持するガイド部16とを備えており、放電保持部63にダクト部分が一体的に設けられていない点で上述した第1実施の形態と相違する。
【0072】
ここで、この第3の実施の形態において、請求項1記載の放電保持部としての放電保持部63は、排出管としての伸縮ダクト62の他端側に着脱自在に接続され、ケース25内に設けた電極位置調整用ガイシ24によりコロナ電極3を保持する放電部20と、支持軸31に対して放電部20をスライド自在及び回動自在に設けるスライド回動部19とから構成されている。
【0073】
この場合、請求項1記載の排出管としての伸縮ダクト62は、円筒形状に形成された一側管62aと他側管62bとからなり、一側管62aに放電保持部63が着脱自在に接続され、他側管62bに排出部としてのオゾン処理装置6(図2)が接続された構成を有する。伸縮ダクト62は、例えば他側管62bの内径が一側管62aの外径よりも僅かに大きく形成されており、一側管62aが他側管62bの円筒状の中空部に部分的に遊挿し得るように構成されている。すなわち、伸縮ダクト62は、一側管62aと他側管62bとからなる重なり代を有した二重管構造を有する。
【0074】
放電保持部63は、放電部20とスライド回動部19とから構成されており、放電部20のケース25側面に一側管62aが着脱自在に接続されるダクト取付部が設けられている。実際上、このダクト取付部64は、一側管62aの外郭形状とほぼ同一形状で、かつ外径が当該一側管62aの内径よりも僅かに小さく選定されており、当該一側管62aの円筒状の中空部に嵌合されることにより装着され得る。
【0075】
このような表面処理部61でも、上述した実施の形態と同様に、放電保持部63が支持軸31に沿って他側部フレーム22bに近づける方向x1にスライドされることにより、伸縮ダクト62の一側管62aから離脱される。そして、放電保持部63は、図11に示すように、スライド回動部19によって、支持軸31を中心にコロナ電極3をアースロールR1から遠ざける方向へ約90度回動させ、コロナ電極3を外部に露出させた状態(すなわち、メンテナンス状態)にできる。
【0076】
以上の構成において、この表面処理部61でも、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、放電部20を表面処理部61から取り外すことなく、支持軸31で支持させた状態のまま、例えば放電部20内に付着した粉塵や、コロナ電極3の表面に付着した粉塵を簡単に除去でき、また当該放電部20内に設けられたコロナ電極3を簡単に交換することができる。
【0077】
また、この第3の実施の形態では、上述した第1及び第2の実施の形態のような筒状部材からなるダクト部を放電保持部63に設けずに、当該放電保持部63のみをスライド回動部19によって支持軸31に回動自在に支持させるようにした。これによりこの表面処理部61では、上述した第1及び第2の実施の形態に比べて、ダクト部が設けられていない分だけ当該放電保持部63の重さを低減させることができ、かくして当該放電保持部63を回動させる際に生じるスライド回動部19への負担を軽減させることができる。
【0078】
さらに、この第3の実施の形態では、上述した第1及び第2の実施の形態のように、固定ダクト8との間で伸縮構造を実現するダクト部8a(図3(A)及び(B))が放電保持部63に設けられていなくても、伸縮自在に構成された二重管構造からなる伸縮ダクト62に放電保持部63を着脱自在に設けるようにしたことにより、放電保持部63を支持軸31に沿ってスライドさせても、伸縮ダクト62自体が放電保持部63に追従して伸張するので、放電部20内に生じるオゾンを伸縮ダクト62を通過させて確実に排出させることができる。
【0079】
(4)他の実施の形態
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明では、支持軸31を中心にダクト付放電保持部15,42、放電保持部63をアースロールR1から遠ざかる方向に回動させることにより、コロナ電極3を外部に露出させることができればよく、ダクト付放電保持部15,42、放電保持部63を種々の角度で位置決めさせるようにしてもよい。
【0080】
また、例えば上述した第1の実施の形態においては、メンテナンス状態にあるダクト付放電保持部15を、一側部フレーム22aに穿設された位置決め孔35に挿通させて位置決めするようにした場合について述べたが、ダクト付放電保持部15と一側部フレーム22aとを種々の金具で係止させて位置決めさせるようにしてもよい。
【0081】
さらに、上述した実施の形態においては、固定ダクト8及びダクト部8aや、伸縮ダクト62の内部に伸縮自在に構成された導体4を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、固定ダクト8及びダクト部8aや、伸縮ダクト62の外部に導体4を設けるようにしてもよい。
【0082】
さらに、上述した第3の実施の形態においては、伸縮自在に構成された二重管構造からなる伸縮ダクト62を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、伸縮構造を有しない1本の単なる筒状の単管を適用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 コロナ放電表面処理装置
2 表面処理部
3 コロナ電極(放電電極)
15,42 ダクト付放電保持部(放電保持部)
8 固定ダクト(排出管)
31 支持軸
32 第1回動規制部(アースロール側回動規制部)
33 第2回動規制部(回動規制部)
62 伸縮ダクト(排出管)
63 放電保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と交差させるようにアースロール上を通過させる被処理物の表面に、前記放電電極による放電を照射し、該放電により前記被処理物の表面を改質する表面処理装置において、
前記アースロールと平行に配置された支持軸と、
前記アースロールと所定の隙間を設けて前記放電電極を配置させ、スライド回動部により前記支持軸に支持された放電保持部と、
一端に前記放電保持部が着脱自在に接続されているとともに、前記放電電極の放電により生じるオゾンを他端の排気部へ排出する排出管とを備え、
前記スライド回動部は、
前記支持軸に沿って前記放電保持部をスライドさせることにより前記排出管から離脱させ、前記支持軸を中心に前記放電保持部を前記アースロールから遠ざかる方向に回動させることにより、前記放電電極を外部に露出させる
ことを特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
前記放電保持部を前記アースロールから遠ざかる方向に回動させたとき、前記放電保持部の回動角度を規制する回動規制部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
【請求項3】
前記アースロールから遠ざかる方向に回動させた前記放電保持部を、前記アースロールに近づける方向に回動させたときに、前記放電保持部の回動角度を規制するアースロール側回動規制部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の表面処理装置。
【請求項4】
前記放電保持部は、
前記放電電極を保持する放電部と、前記放電部に固定されたダクト部とを備え、前記ダクト部が前記排出管に着脱自在に接続されている
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の表面処理装置。
【請求項5】
前記排出管が伸縮可能な二重管構造からなり、前記放電保持部は前記放電電極を保持する放電部を備えており、前記放電部は前記排出管に着脱自在に接続されている
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−212581(P2011−212581A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82993(P2010−82993)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(505126610)株式会社ニチレイフーズ (71)
【Fターム(参考)】