説明

表面塗布装置及び表面塗布方法

【課題】塗布した加工品の表面への塗料噴霧の再沈着及び塗料噴霧による汚染を抑えられる塗布装置及び方法の提供。
【解決手段】塗布装置1は加工品3の面に塗料を塗布する塗布ノズル2及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含んだ空気を吸引する吸引装置を有し、塗布ノズル2と加工品3は相対的に可動に構成している。塗布ノズル2の開口部9を覆うように配置した吸引ベル4を噴霧ノズル2のノズル壁14に強固に連結する。吸引ベル4は内部ベル5及び外部ベル6を含んで構成され、加工品3から僅かな間隔を隔てて配置されている。外部ベル6は内部ベル5を覆うように、互いに離れた状態を保って配置され、内部ベル5が噴霧室7を形成し、外部ベル6及び内部ベル5はその間に吸引口10を有する吸引室8を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料を表面に塗布するノズル及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気を噴霧室から排出する装置及び方法に関するもので、ノズルと加工品が相対的に動くようになっている。
【背景技術】
【0002】
ラッカー又は同様の塗料により対象物を全自動で塗布する塗布装置は、一方が開放されているか又は完全に密閉した噴霧室内に組み込まれることが多い。対象物へ塗布すべき塗料噴霧の一部は通過した噴霧室の壁に沈着することは避けられないので、そのような噴霧室の壁、天井及び床は極度に汚染される。その結果、定期的な清掃作業が必要となり、長期の停止、高い費用を要することになる。更に、塗布すべき対象物で跳ね返った塗料噴霧の一部が既に塗布した表面に沈着し、塗膜の品質を劣化させることになる。それにより表面が完全に滑らかではなく、時にはオレンジピールを呈し、塗膜の厚さのばらつきが大きく、不十分な表面性情となり、多数の用途、特に半導体設備には適用できない。
【0003】
汚染物質を含み、溶媒を帯びた空気は、噴霧室から吸引され、フィルターを通して排気される。フィルターを通って浄化された排気は大気中に放出される。汚染された空気を排出する装置は、塗布状態において僅かではあるが負圧を生成するに十分な能力が必要である。しかし、このような吸引では、装置及び塗布すべき対象物を跳ね返った塗料噴霧から保護するためには、極めて高い流速、即ち極めて大きな負圧が必要となる。このような吸引装置は複雑であり、騒音が大きく、運転費用が高くなり、流速が高いことが塗膜の品質に悪影響を及ぼすという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により、上記の課題が解決され、技術面での経費を増さずに且つ流速を高めることなく、さらに、既に塗布した加工品の表面への塗料噴霧の再沈着及び塗料噴霧による汚染を抑えるための塗料噴霧の吸引装置を有する塗布装置を提供できるようになる。更に、本発明の目的は、上記装置を用いて加工品の表面に塗布する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は独立請求項に記載の塗布装置及び塗布方法により解決できる。それを発展させた形態を従属請求項に記載した。
【0006】
即ち、下記構成により、上記課題が解決できる。
【0007】
(1)加工品の面に塗料を塗布する塗布ノズル及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含んだ空気を噴霧室から吸引する吸引装置を有し、塗布ノズルは加工品に対して相対的に可動に設置され、吸引ベルは塗布ノズルの開口部を覆うように設置され且つ噴霧ノズルのノズル壁に強固に連結され、塗布ノズルは加工品から離して噴霧室の上端に配置され、吸引ベルは加工品から僅かな間隔をおいて配置されていることを特徴とする表面塗布装置。
【0008】
(2)吸引ベルは内部ベル及び外部ベルを含んで構成され、外部ベルは内部ベルを覆うように互いに離れた状態を保って配置され、2つのベルの間に吸引室を形成し且つ内部ベル内に噴霧室を形成し、内部ベルが噴霧ノズルのノズル壁に連結されていることを特徴とする(1)に記載の表面塗布装置。
【0009】
(3)加工品に向いた外部ベル及び内部ベルの前面端の間に吸引口が形成されていることを特徴とする(2)に記載の表面塗布装置。
【0010】
(4)吸引ベルの吸引口は加工品の表面にほぼ平行に配置されていることを特徴とする(3)に記載の表面塗布装置。
【0011】
(5)外部ベルに少なくとも一つの連結管を配置し、吸引ベルが該連結管を介して吸引装置へ連結されていることを特徴とする(2)に記載の表面塗布装置。
【0012】
(6)前面端に空隙が形成されるように吸引口を加工品の上方に配置し、空隙の断面が吸引口の吸引面にほぼ相当することを特徴とする(3)又は(4)に記載の表面塗布装置。
【0013】
(7)噴霧ノズル中心軸と吸引ベルの中心軸は同一線上にあり、吸引ベル及び加工品は互いに加工品の表面に対して平行に可動であることを特徴とする(2)ないし(4)のいずれか1項に記載の表面塗布装置。
【0014】
(8)加工品の面に塗料を塗布する塗布ノズル及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含んだ空気を噴霧室から吸引する吸引装置を有し、塗布ノズルは加工品に対して相対的に可動に構成された装置の表面塗布方法であって、
加工品の上方に離して配置した可動の噴霧室の上端に配置した噴霧ノズルにより、加工品の塗布すべき表面に局所的に塗料を塗布する工程、
加工品の塗装すべき面全体を走査できるように、塗布ノズル及び/又は加工品を互いに相対的に動かす工程、
加工品から僅かに離れた距離に備えた吸引装置により、塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気を所定の位置において正確に吸引する工程、
を含んで構成したことを特徴とする表面塗布方法。
【0015】
(9)塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、吸引装置の吸引ベルの内部ベル内に形成した可動の噴霧室から、内部ベル及び内部ベルを覆っている外部ベルとの間に形成した吸引ベルの吸引室へと導かれることを特徴とする(8)に記載の表面塗布方法。
【0016】
(10)吸引ベルは加工品の上方に僅かの間隔を隔てて可動に配置され、外部ベル及び内部ベルの加工品に向いている前面端の2つのベルの間に、加工品の塗装すべき面にほぼ平行に吸引口が形成されていることを特徴とする(9)に記載の表面塗布方法。
【0017】
(11)噴霧室からの塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、吸引ベルと加工品の間の吸引口の前面端に配置した空隙を通って吸引室へと導かれることを特徴とする(9)に記載の表面塗布方法。
【0018】
(12)吸引ベルは噴霧ノズルと共に加工品の塗装すべき面の上方へ導かれ、各々の中心軸が同一線上に且つ吸引ベルが噴霧ノズルを覆うように配置され、吸引ベルの吸引口を加工品の塗布すべき面に平行に動かすことを特徴とする(9)ないし(11)のいずれか1項に記載の表面塗布方法。
【0019】
(13)平面状の加工品への表面塗布、特にマイクロエレクトロニクス基板へのレジスト及び皮膜の塗布に(1)に記載の塗布装置及び(8)に記載の表面塗布方法を適用して得た表面塗布加工品。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、経費を押さえ且つ流速を高めることなく、既に塗布した加工品の表面への塗料噴霧の再沈着及び塗料噴霧による汚染を抑えられる塗布装置を提供することが可能となった。更に、本発明により、上記装置を用いて加工品の表面に塗布する方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明による塗布装置は、塗布装置の噴霧ノズルの下流に吸引ベルを備えている。吸引ベルは噴霧ノズルの開口部を覆っており、噴霧ノズルに強固に連結している。噴霧ノズルは、一定の間隔を隔てて塗布すべき表面の上方に、噴霧室の上端に配置されるのに対し、吸引ベルは加工品から僅かに離れて配置されている。
【0022】
塗布工程においては、噴霧ノズル及び吸引装置は、一体的に加工品表面の上方へと導かれ、吸引ベルはその開口部前面が加工品に向くように配置され、吸引ノズルとして作動する。吸引ベルは吸引装置に連結され、塗布位置において、正確に且つ直接に塗料噴霧を吸引する。この場合、吸引ベルは必ずしもベルの形状でなくてもよく、円筒状又は多角形の側面を有してもよい。
【0023】
本発明により、互いに隔たった内部ベル及び外部ベルより構成する吸引ベルを提供することが可能となる。内部ベル及び外部ベルは同心状に嵌合しており噴霧ノズルの壁に連結している。内部及び外部ベルの加工品に向いている前面端は、同一線上に配置されている。前面端と加工品との間隔の変化が塗布性情に影響を及ぼす。従って、例えば、内部ベルを加工品から引き上げると吸引量を増加させることができる。外部ベルは内部ベルとの間に塗料噴霧を吸引する吸引室を形成し、内部ベルは加工品を正確に塗布する噴霧室を形成する。
【0024】
塗布する際には、塗布装置は加工品の塗布すべき面と僅かな間隔を隔てるように導かれる。加工品の塗布すべき面を塗布装置の下に導いてもよい。内部ベルの噴霧室をほぼ閉じた状態にすると、周囲の条件に依存するが局所的な正圧が生ずる。内部ベルと加工品表面の間から噴出した塗料噴霧は外部ベルの吸引室により吸引される。噴霧ノズルから生成する塗料噴霧の液滴の大きさは、吸引速度及び噴霧室の負圧に依存する。
【0025】
外部ベル及び内部ベルの加工品に面する前面端が吸引口を形成する。吸引口は環状に且つ加工品の表面にほぼ平行に形成される。
【0026】
更に本発明は、空隙部が前面端に形成されるように吸引ベルの吸引口を加工品の上方に配置し、空隙部の総体断面積が吸引面とほぼ同等になるように構成する。加工品表面と吸引口との間隔が流速を決定し、加工品の塗布面への塗料噴霧の再沈着に影響を及ぼす。
【0027】
本発明の構成では、吸引ベルを吸引装置へ連結する少なくとも1つの連結管を外部ベルに配置している。連結管には吸引ベルへの開口部を備えている。連結管は吸引ベルの側面又は塗布ノズルに向いた吸引ベルの前面端に備えてもよい。吸引ベルと噴霧ノズルが互いに阻害しないので、連結管を吸引ベルの側面に備えることは目的に適っている。
【0028】
本発明により、噴霧ノズルの軸及び吸引ベルの軸を直線状に配列し、吸引ベルと加工品が互いに平行に可動な塗布装置も提供できる。その装置の軸は、加工品に垂直又は傾斜していてもよい。
【0029】
本発明による加工品への塗料の塗布は、以下の3工程を含んで構成される。
【0030】
加工品の上方に離れている可動の噴霧室の上端に配置した噴霧ノズルにより、加工品の塗布すべき表面に局所的に塗料を塗布する。
【0031】
加工品の塗装すべき面全体が走査されるように、塗布ノズル及び/又は加工品を互いに相対的に動かす。
【0032】
加工品から僅かに離れた距離に備えた吸引装置により、塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気を所定の位置において正確に吸引する。
【0033】
吸引装置の吸引ベルの内部ベル内に形成された可動の噴霧室からの塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、内部ベルとそれを覆う外部ベル間に形成された吸引ベルの吸引室へと導かれる。外部ベルと内部ベルの前面端には塗布すべき加工品の面にほぼ平行な吸引口が形成され、吸引ベルを加工品の僅か上方で動かして吸引するようになっている。塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、吸引ベルと加工品の間の吸引口の前面端に配置した空隙を通って噴霧室から吸引室へと導かれる。その際、噴霧ノズルを覆っている吸引ベルは噴霧ノズルと中心軸を合せて加工品の塗布すべき面の上方へ導かれ、吸引ベルの吸引口を加工品の塗布すべき面に平行に動かす。
【0034】
本発明による装置は、電子工業の噴霧式塗布システムに用いられる。この装置により、例えば、プリント基板、多層板、混成回路板、ウェファー、液晶ディスプレイなどの加工品の表面に、レジスト、皮膜など塗布することができる。
塗布すべ物体の表面で跳ね返った塗料噴霧の一部は、塗布場所において正確に且つ直接に吸引され、既に塗布した表面に沈着しないようにして、塗布結果を良好に保つようにする。それにより、完全に滑らかな表面が形成され、特にオレンジピールのような構造を抑えることができる。その結果、特にマイクロエレクトロニクス回路に適した十分な表面性状及び厚みのばらつきが少ない塗膜が得られる。
【実施例】
【0035】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【0036】
図に示す本発明による塗布装置1は、粘性のある塗料を用いて平面状の加工品3の表面を塗布するための装置である。塗布ノズル2を用いて、加工品3の塗布すべき面に塗料(不図示)を塗布する。塗布ノズルの開口部9からの塗料噴霧(不図示)は加工品3の表面へと吹きつけられる。加工品3の表面で跳ね返った塗料噴霧は 吸引装置(不図示)により空気と共に吸引、排出される。
【0037】
塗布装置1は、加工品3の上方にある塗布ノズル2を動かすか又は塗布ノズル2の下方にある加工品3を動かす塗布設備(不図示)に配置される。塗布ノズル2の前方に、加工品3の表面で跳ね返った塗料噴霧を局所的に吸引する吸引ベル4が備えられている。吸引ベル4は塗布ノズル2のノズル壁14に強固に取り付けられ、塗布ノズル2と共に加工品3の上方へと伸長している。吸引ベルはカップ状を呈し、塗布ノズルの開口部9を覆っている。吸引ベル4は塗布ノズル2の中心軸と同心状に配置され、その開口端は加工品3に向いている。
【0038】
図1には第一の実施例を示し、吸引ベル4は円筒状の側面を備え、吸引ベル4の中心軸は加工品3に対して垂直であり、この構成においては、吸引ベル4は加工品3の表面を向いている。図2には第二の実施例を示し、吸引ベル4の中心軸は、加工品3の表面に対し90度からずれた角度となっている。
【0039】
吸引ベル4は、所定の間隙を隔てて構成した内部ベル5及び外部ベル6を含んでいる。外部ベル6は内部ベル5を覆い、加工品3に面している前面端は互いに離れている。外部ベル6と内部ベル5の間の空間が、吸引室8を形成している。塗布ノズル2の開口部9からの塗料噴霧は、内部ベル5の内部に形成された噴霧室7に入る。吸引ベル4の加工品3に向いた前面端に備えた吸引口10を通って噴霧室7内の塗料噴霧で汚染された空気を吸引するようになっている。加工品3に向いている吸引口10は、内部ベル5及び外部ベル6の前面端の間に形成されている。吸引口10は環状に形成され、噴霧室7の中心軸と同心に配置されている。吸引ベル4の吸引口10は加工品3の上方に僅かに隔てて、加工品3の面にほぼ平行に配置され、塗装時には加工品3から僅かに隔たったまま動かされる。吸引口10と加工品3との間に空隙11が形成され、その空隙を通って塗料噴霧が吸引室8へと導かれる。加工品3に向いている外部ベル6と内部ベル5の前面端の間隔は、空隙11の総体断面積が吸引口10の吸い込み面積とほぼ同じになるように決める。外部ベル6はその側壁を貫通する連結管13を備え、不図示の吸引装置へ連結している。噴霧室7を出た後、塗料噴霧を含む排気は内部ベル5と加工品3の間に形成された空隙11を通って、吸引口10を介して吸引室8へと流れ、連結管13の開口部12を通って吸引装置へと吸引される。
【0040】
図2は中心軸を加工品の面に対して傾斜して配置した塗布装置の断面を示す図である。各部材は図1と同一の符号で示し、その機能も図1に示した装置と同じであるので説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明により、特にマイクロエレクトロニクス回路に適した十分な表面性状及び厚みのばらつきが少ない塗膜が得られので、例えば、プリント基板、多層板、混成回路板、ウェファー、液晶ディスプレイなどの加工品の表面に、レジスト、皮膜などの形成に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】中心軸を加工品の面に対して垂直に配置した本発明による塗布装置の断面図
【図2】中心軸を加工品の面に対して傾斜して配置した本発明による塗布装置の断面図
【符号の説明】
【0043】
1 塗布装置
2 塗布ノズル
3 加工品
4 吸引ベル
5 内部ベル
6 外部ベル
7 噴霧室
8 吸引室
9 開口部
10 吸引口
11 空隙
12 開口部
13 連結管
14 ノズル壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工品(3)の面に塗料を塗布する塗布ノズル(2)及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含んだ空気を噴霧室(7)から吸引する吸引装置を有し、塗布ノズル(2)は加工品(3)に対して相対的に可動に設置され、吸引ベル(4)は塗布ノズル(2)の開口部(9)を覆うように設置され且つ噴霧ノズル(2)のノズル壁(14)に強固に連結され、塗布ノズル(2)は加工品(3)から離して噴霧室(7)の上端に配置され、吸引ベル(4)は加工品(3)から僅かな間隔をおいて配置されていることを特徴とする表面塗布装置。
【請求項2】
吸引ベル(4)は内部ベル(5)及び外部ベル(6)を含んで構成され、外部ベル(6)は内部ベル(5)を覆うように互いに離れた状態を保って配置され、2つのベルの間に吸引室(8)を形成し且つ内部ベル(5)内に噴霧室(7)を形成し、内部ベル(5)が噴霧ノズル(2)のノズル壁(14)に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の表面塗布装置。
【請求項3】
加工品(3)に向いた外部ベル(6)及び内部ベル(5)の前面端の間に吸引口(10)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の表面塗布装置。
【請求項4】
吸引ベル(4)の吸引口(10)は加工品(3)の表面にほぼ平行に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の表面塗布装置。
【請求項5】
外部ベル(6)に少なくとも一つの連結管(13)を配置し、吸引ベル(4)が該連結管を介して吸引装置へ連結されていることを特徴とする請求項2に記載の表面塗布装置。
【請求項6】
前面端に空隙(11)が形成されるように吸引口(10)を加工品(3)の上方に配置し、空隙(11)の断面が吸引口(10)の吸引面にほぼ相当することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の表面塗布装置。
【請求項7】
噴霧ノズル(2)の中心軸と吸引ベル(4)の中心軸は同一線上にあり、吸引ベル(4)及び加工品(3)は互いに加工品(3)の表面に対して平行に可動であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の表面塗布装置。
【請求項8】
加工品(3)の面に塗料を塗布する塗布ノズル(2)及び塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含んだ空気を噴霧室(7)から吸引する吸引装置を有し、塗布ノズル(2)は加工品(3)に対して相対的に可動に構成された装置の表面塗布方法であって、
加工品(3)の上方に離して配置した可動の噴霧室(7)の上端に配置した噴霧ノズル(2)により、加工品(3)の塗布すべき表面に局所的に塗料を塗布する工程、
加工品(3)の塗装すべき面全体を走査できるように、塗布ノズル(2)及び/又は加工品(3)を互いに相対的に動かす工程、
加工品(3)から僅かに離れた距離に備えた吸引装置により、塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気を所定の位置において正確に吸引する工程、
を含んで構成したことを特徴とする表面塗布方法。
【請求項9】
塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、吸引装置の吸引ベル(4)の内部ベル(5)内に形成した可動の噴霧室(7)から、内部ベル(5)及び内部ベル(5)を覆っている外部ベル(6)との間に形成した吸引ベル(4)の吸引室(8)へと導かれることを特徴とする請求項8に記載の表面塗布方法。
【請求項10】
吸引ベル(4)は加工品(3)の上方に僅かの間隔を隔てて可動に配置され、外部ベル(6)及び内部ベル(5)の加工品(3)に向いている前面端の2つのベルの間に、加工品(3)の塗装すべき面にほぼ平行に吸引口(10)が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表面塗布方法。
【請求項11】
噴霧室(7)からの塗料蒸気及び/又は塗料噴霧を含む空気は、吸引ベル(4)と加工品(3)の間の吸引口(10)の前面端に配置した空隙(11)を通って吸引室(8)へと導かれることを特徴とする請求項9に記載の表面塗布方法。
【請求項12】
吸引ベル(4)は噴霧ノズル(2)と共に加工品(3)の塗装すべき面の上方へ導かれ、各々の中心軸が同一線上に且つ吸引ベルが噴霧ノズルを覆うように配置され、吸引ベル(4)の吸引口(10)を加工品(3)の塗布すべき面に平行に動かすことを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載の表面塗布方法。
【請求項13】
平面状の加工品への表面塗布、特にマイクロエレクトロニクス基板へのレジスト及び皮膜の塗布に請求項1に記載の塗布装置及び請求項8に記載の表面塗布方法を適用して得た表面塗布加工品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−167716(P2006−167716A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356150(P2005−356150)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(502226782)ナノワールド アーゲー (5)
【Fターム(参考)】