説明

表面特性が強化されたポリアセタールおよびポリビニルブチラールの組成物およびブレンドならびに該組成物およびブレンドから製造された物品

ポリビニルブチラールを含み、強化された表面接着特性を有する光沢が低い強化剤入りポリアセタール組成物およびブレンドが開示されている。本明細書に記載されたポリアセタール組成物を含む製品も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキシメチレン(ポリアセタール)とポリビニルブチラール(PVB)のブレンドに関する。より詳しくは、本発明は、こうしたブレンド、こうした材料の製造のための方法およびこうした材料から調製された成形品に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年6月28日出願の米国仮特許出願第60/483301号明細書および2004年2月25日出願の米国仮特許出願第60/547565号明細書の利益を請求する。
【背景技術】
【0003】
ポリオキシメチレン組成物は、ポリオキシメチレンを多用な最終用途のために好ましい材料であることを可能にするポリオキシメチレン組成物が保有する物理的特性のゆえにエンジニアリング樹脂として有用である。ポリオキシメチレン組成物から製造された物品は、典型的には、高い剛性、高い強度および耐溶剤性などの非常に望ましい物理的特性を保有する。しかし、こうした物品の高度に結晶性の表面のゆえに、こうした物品は他の材料への劣った粘着力を示すとともに、こうした表面上に塗装するか、接着させるか、または印刷するか、こうした物品上に熱可塑性ポリマーを成形するか、あるいは基材の表面に幾つかの他のタイプの層を接着させることが非常に困難でありうる。更に、こうした物品は高い表面光沢を有し、それは表面反射光からの目の刺激を引き起こす傾向がある。低い表面光沢は、より美的に満足感を与える高級な外観を物品に付与する傾向がある。
【0004】
ポリオキシメチレン組成物は、その末端基がエステル化またはエーテル化によって末端封止されているホルムアルデヒドのホモポリマーまたはホルムアルデヒドの環式オリゴマー、例えばトリオキサン、および主鎖中に少なくとも2個の隣接炭素原子を有するオキシアルキレン基を有するホルムアルデヒドのコポリマーまたはホルムアルデヒドの環式オリゴマーに基づく組成物を含み、そのコポリマーの末端基はヒドロキシル末端であることが可能であるか、またはエステル化またはエーテル化によって末端封止されうる。コモノマーの割合は20重量%までであることが可能である。比較的高い分子量、例えば20,000〜100,000のポリオキシメチレンに基づく組成物は、例えば、圧縮成形、射出成形、押出、吹込成形、スタンピングおよび熱成形などの熱可塑性材料で一般に用いられる技術のいずれかによって半完成品および完成品を調製する際に有用である。ポリオキシメチレンにおいて表面粘着力を強化し、光沢を下げることが望ましい場合がある。
【0005】
可塑化PVBは、その固有の粘着性のゆえにコンパウンディング押出機へのフィードとして処理するのが困難でありうる接着剤である。同様に、PVBシートは、それ自体に接着する傾向があるので、作業するのが困難でありうる材料である。最近、PVBを他の材料とブレンドして、自己接着する低い傾向を有する組成物を得ることが可能であることが見出された。例えば、PVBスクラップ材料からペレットを調製するための方法に関する(特許文献1)を参照すること。PVBとポリオキシメチレンポリマーの適するブレンドを得ることが今まで可能ではなかったであろう。
【0006】
易流動性PVBを含むポリアセタール組成物がPVBを含める前にポリアセタールと同じ靱性度をもたないことが見出された。従来の強化剤の使用は、多くの熱可塑性ポリマー組成物を強化する際に有効である一方で、前記強化剤を含む物品の光沢を高めうる。本発明の目的は低光沢製品を製造することであり、従って、光沢を高める従来の強化剤は本明細書において用いるために適切ではない。例えば、ポリウレタンは、米国特許公報(特許文献2)、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、米国特許公報(特許文献5)において強化剤として導入されているが、光沢も高める。米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献7)には、コアシェル樹脂を含むポリアセタール組成物が記載されている。
【0007】
【特許文献1】国際公開第02/12356号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4,640,949号明細書
【特許文献3】米国特許第4,804,716号明細書
【特許文献4】米国特許第4,845,161号明細書
【特許文献5】米国特許第5,286,807号明細書
【特許文献6】米国特許第5,258,431号明細書
【特許文献7】米国特許第5,484,845号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、強化された表面粘着力を有し、強靱であるとともに低表面光沢を有するPVB強化ポリオキシメチレン(ポリアセタール)組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、(a)約20重量%〜約95重量%のポリビニルブチラール(PVB)を含む易流動性PVB複合材組成物約1〜約30重量%、(b)相補的に、約250℃より低い範囲内で溶融加工性であり、および少なくとも10,000の数平均分子量を有するポリアセタール99〜24重量%、(c)任意選択的に、1.0重量%までの量のカップリング剤、および(d)任意選択的に、約45重量%までの量の充填剤を含むことを特徴とする熱可塑性ポリアセタール組成物である。
【0010】
もう1つの態様において、本発明は、(a)約20重量%〜約95重量%のポリビニルブチラール(PVB)を含む易流動性ポリビニルブチラール組成物約1〜約30重量%、(b)約200℃より低い範囲内で溶融加工性であり、および少なくとも10,000の数平均分子量(Mn)を有するポリアセタール約99〜約24重量%、(c)任意選択的に、1.0重量%までの量のカップリング剤、(d)任意選択的に、約45重量%までの量の充填剤、および(e)任意選択的に、コアシェル樹脂強化剤を含む物品であって、ASTM D256またはISO180に準拠して決定される、少なくとも約1.0ft−lbs/in(4.78kJ/m)のノッチ付きアイゾット(Nizod)靱性および約68%未満の表面光沢を有することを特徴とする物品である。
【0011】
なおもう1つの態様において、本発明は、ASTM D256に準拠して決定される約1.0ft−lbs/inを上回るノッチ付きアイゾット、およびASTM D523またはASTM D2457のいずれかに準拠して測定される約68%未満の表面光沢を有するポリアセタール組成物を調製する方法であって、ポリアセタール組成物を易流動性ポリビニルブチラール(PVB)組成物および強化剤とブレンドする工程を含み、前記PVB組成物が全ポリアセタール組成物の約1〜約30重量%の量で含まれ、および前記強化剤がコアシェル樹脂であることを特徴とする方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1実施形態において、本発明は、表面粘着力特性が強化されたポリアセタール組成物である。本発明の組成物は、強化剤および光沢減少組成物として(特許文献1)に記載された易流動性PVB組成物を含む。(特許文献1)の教示は本明細書に引用して援用する。本発明の組成物は、約1重量%〜約30重量%、好ましくは約5重量%〜約28重量%、より好ましくは約6重量%〜約25重量%、最も好ましくは約7重量%〜約25重量%の易流動性PVB組成物を含む。
【0013】
(特許文献1)のPVB組成物は、熱可塑性ポリマー組成物中に含める時、PVB組成物から製造された物品の表面特性に影響を及ぼすとともに物品の表面上の光沢を下げることが可能である。低光沢を有するプラスチック表面は、特定の用途において用いられる物品のために望ましい特性でありうる。
【0014】
幾つかの例において、(特許文献1)に記載されたPVB組成物は熱可塑性樹脂組成物の強化剤として機能することが可能である。しかし、本発明の実施技術において、表面光沢を下げるのに十分なレベルで添加した時、(特許文献1)に記載されたPVB組成物は、意外にも本明細書に記載された組成物の靱性に悪影響を及ぼしうる。従って、靱性が本発明の組成物の望ましい特性であるので、代替強化剤を本発明のポリマー組成物に添加して、少なくとも、PVBを添加していないポリマー組成物の靱性の靱性を有するポリマー組成物を製造することが可能である。PVB組成物は、約20〜約95重量%、好ましくは約40重量%〜約95重量%、より好ましくは約60重量%〜約95重量%、最も好ましくは約75重量%〜約95重量%のPVBを含む。本発明の組成物およびブレンドは、ポリアセタールおよび任意選択的にカップリング剤および/または他の原料と強化剤をブレンドして、表面特性が強化された強化剤入りポリアセタールブレンドを製造することにより調製される。
【0015】
PVB組成物はPVBに加えて少なくとも1種の成分を含む。こうした他の成分はモノマー材料またはポリマー材料あるいはそれらの混合物であることが可能である。他の成分は、反応性官能基を有するポリマーおよび/またはモノマーあるいは例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、他の熱可塑性材料またはそれらの混合物などの非反応性ポリマーおよび/またはモノマーから選択することが可能である。好ましくは、第2の成分は、「フサボンド(Fusabond)」(登録商標)ブランド名で本願特許出願人から市販されているような無水物官能基あるいはカルボン酸官能基などの反応性官能基を含むポリマー組成物である。「フサボンド(Fusabond)」(登録商標)ポリマーは無水物官能基を有するポリオレフィンである。他の成分は、組成物100重量%を計上するのに必要とされる量である、PVBの量を補足する量で存在する。
【0016】
もう1つの実施形態において、本発明は光沢減少剤などの無機炭酸塩を含むことが可能である。炭酸塩は、本発明のPVB成分に加えて、または本発明のPVB成分の代わりとしてのいずれかで添加することが可能である。炭酸塩は、例えばアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属イオンまたは遷移金属イオンから選択されたものなどのいかなる金属カチオンも対イオンとして有することが可能である。有効量の炭酸塩は好ましい。この用語が本明細書で用いられる時、「有効量」は、所望の効果をもたらすあらゆる量である。例えば、光沢減少剤の有効量は、プラスチック物品の表面光沢を許容レベルに下げるために必要な光沢減少剤の最少量であることが可能である。
【0017】
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物はコアシェル樹脂材料を強化剤として含む。コアシェル樹脂材料は、2003年11月3日出願のまだ未発行の米国仮特許出願、発明の名称「コアシェル強化剤を製造するとともにポリオキシメチレン樹脂を強化する方法(A Process for Making Core Shell Toughener and Toughening Polyoxymethylene Resins)」に記載された方法により調製することが可能である。一般に、本発明の実施技術において有用なコアシェル樹脂は、適するコアモノマーの水相重合を行い、その後、第1の工程で形成されたコアポリマー上にシェル樹脂モノマーを重合させ、よってコアシェル樹脂のラテックスを形成することにより調製することが可能である。その後、コアシェル樹脂はラテックスから凝固させ、更に処理して本発明の実施技術において用いるために適するコアシェル強化剤をもたらす。
【0018】
従来の強化剤の使用は、多くの熱可塑性ポリマー組成物を強化する際に効果的である一方で、前記強化剤を含む物品の光沢を増加させうる。本発明の目的は、低光沢製品を製造することであり、従って、光沢を増す従来の強化剤は本明細書において用いるために適切でない。本明細書で記載されたコアシェル樹脂強化剤は、光沢を増加させずに本発明の実施技術において用いることが可能であり、実際、特定のポリマー組成物の光沢を下げることが可能である。
【0019】
しかし、コアシェル樹脂の光沢減少効果は、コアシェル樹脂を導入する樹脂組成物に応じて異なりうる。場合によって、コアシェルは光沢を下げ、他の場合に光沢減少は本質的にない。本願特許出願人にとって特に関心のある組成物において、単独で用いられるコアシェル樹脂は、本明細書に記載されたPVB組成物を含める時ほどに光沢の減少に効果的ではない。ともかく、コアシェル樹脂単独の光沢減少効果は本明細書に記載されたPVB組成物の光沢減少効果に比べて非常に小さい。更に、コアシェル樹脂は、PVB樹脂組成物より高価であり、従って、強化剤としてコアシェル樹脂を含めるのに加えてPVB組成物を使用するのは、本発明の実施技術において遥かに好ましい。
【0020】
コアシェル樹脂のコストは本発明の組成物中に含まれる量が決定的要素でありうる。コアシェル樹脂は、本明細書に記載されたPVBまたは光沢減少成分を含むポリマー組成物を製造するためにあらゆる有効な量で含めることが可能である。強化剤入りポリマー組成物は、PVB成分の存在しない状態でポリマーと少なくとも同程度に高いアイゾットおよび破断点伸びを有する。好ましい実施形態において、コアシェル樹脂は、低光沢の強化剤入りポリマー組成物の全重量を基準にして約1〜約25重量%の量で含まれる。コアシェル樹脂は、好ましくは約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約2重量%〜約18重量%、最も好ましくは約2重量%〜約16重量%の量で含まれる。
【0021】
とにかく、コアシェル樹脂強化剤は有効量で添加される。すなわち、強化剤は、ASTM D256またはISO180に準拠して決定される少なくとも約1.0ft−lbs/in(4.78kJ/m)のノッチ付きアイゾット(Nizod)を成形品に付与するのに必要とされるあらゆる量で添加することが可能である。Nizodは、好ましくは少なくとも約1.5ft−lbs/in(7.17kJ/m)、より好ましくは少なくとも約2.0ft−lbs/in(9.56kJ/m)である。最も好ましくは、Nizodは少なくとも約2.5ft−lbs/in(11.95kJ/m)である。
【0022】
基材のポリオキシメチレン成分には、その末端基がエステル化またはエーテル化によって末端封止されているホルムアルデヒドのホモポリマーまたはホルムアルデヒドの環式オリゴマー、および主鎖中に少なくとも2個の隣接炭素原子を有するオキシアルキレン基をもたらすホルムアルデヒドのコポリマーまたはホルムアルデヒドおよび他のモノマーの環式オリゴマーを含み、そのコポリマーの末端基はヒドロキシル末端であることが可能であるか、またはエステル化またはエーテル化によって末端封止されうる。
【0023】
本発明の基材中で用いられるポリオキシメチレンは分枝または線状であることが可能であり、一般には約10,000〜100,000、好ましくは約20,000〜約90,000、より好ましくは約25,000〜約70,000の範囲内の数平均分子量を有する。分子量は、60Aと100Aの公称孔サイズを有する「デュポン PSM(DuPont PSM)」二頂カラムキットを用いて160℃でm−クレゾール中のゲル透過クロマトグラフィによって測定することが可能である。一般に、高分子量ポリオキシメチレンは第2の相材料からより大幅に非ポリオキシメチレン成分に分離し、従って、加数は、より大きな粘着力を示しうる。より高い分子量平均またはより低い分子量平均を有するポリオキシメチレンを用いることが可能であるけれども、望まれる物理的特性および加工特性に応じて、上述したポリオキシメチレン重量平均は、高い剛性、高い強度および耐溶剤性などの他の物理的特性と表面粘着力の最適バランスを提供するために好ましい。
【0024】
数平均分子量によってポリオキシメチレンを特徴付けるのに対する別案として、ポリオキシメチレンをメルトフローインデックスによって特徴付けることが可能である。本発明のブレンド中で用いるために適するポリアセタールは、直径1.0mm(0.0413)のオリフィスを用いるASTM−D−1238、手順A、条件Gに準拠して測定して0.1〜40グラム/10分の)メルトフローインデックスを有する。好ましくは、本発明のブレンド中で用いられるポリアセタールのメルトフローインデックスは約0.5〜35グラム/10分である。最も好ましいポリアセタールは約1〜20グラム/10分のメルトフローインデックスを有する。
【0025】
上で示したように、本発明の基材中で用いられるポリアセタールは、ホモポリマー、コポリマーまたはそれらの混合物のいずれかであることが可能である。コポリマーは、ポリアセタール組成物を調製する際に一般に用いられるものなどの1種または複数種のコモノマーを含むことが可能である。より一般に用いられるコモノマーには、炭素原子数2〜12のアルキレンオキシドおよびそれらのホルムアルデヒドとの環式付加製品が挙げられる。コモノマーの量は、20重量%以下、好ましくは15重量%以下、最も好ましくは約2重量%である。最も好ましいコモノマーはエチレンオキシドである。一般に、ポリアセタールホモポリマーは、より高い剛性および強度のゆえにコポリマーより好ましい。好ましいポリアセタールホモポリマーには、その末端ヒドロキシル基がそれぞれエステル基またはエーテル基、好ましくはアセテート基またはメトキシ基を形成する化学反応によって末端封止されているホモポリマーが挙げられる。
【0026】
ポリアセタールは、成形、老化および耐熱性の改善のためにポリアセタール組成物に添加されることが知られている添加剤、原料および改質剤も含んでよい。
【0027】
カップリング剤は本発明の組成物中に任意選択的に含まれる。カップリング剤は本発明の強化剤入りポリアセタール組成物の接着表面特性を強化する。カップリング剤はシラン化合物であることが可能である。好ましくは、カップリング化合物は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノプロピルトリアルコキシシランまたはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジアルコキシシランからなる群から選択される。カップリング化合物が存在する時、カップリング化合物は、好ましくは少なくとも約0.01重量%の量で含まれる。より好ましくは、カップリング剤は約0.1〜約3重量%の量で存在する。より好ましくは、カップリング剤は約0.3重量%〜約2.0重量%の量で存在し、最も好ましくは、約0.5重量%〜約1.5重量%の量で存在する。カップリング剤は組成物中の被膜として、または分散成分として存在することが可能である。カップリング剤は、強化剤入りポリアセタールと熱可塑性エラストマー(TPE)などの第2のポリマーとの間の粘着力を強化するように機能することが可能である。TPEは、ポリマーのソフトな感触のゆえに望ましい場合があり、本明細書においてソフトタッチポリマーとも呼ぶ。
【0028】
充填剤などの任意選択の成分は存在することが可能である。充填剤は45%までの料で存在することが可能である。ファイバーグラス充填剤入りポリアセタール組成物および/または無機充填剤入りポリアセタール組成物は特に好ましい。適する無機充填剤は、例えば、焼成クレー、ウォラストナイトまたはタルクである。他の成分と非反応性であるポリマー材料も充填剤として用いてよい。本発明の実施技術において充填剤として有用なポリマーには、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアクリレートが挙げられる。酸化防止剤は必須でないが、それは好ましい。酸化防止剤を含める場合、酸化防止剤は少なくとも約0.1重量%の量、および酸化防止剤の効果が最適である量に至るまでの量で存在することが可能である。
【0029】
もう1つの実施形態において、本発明は、本発明の強化剤入りポリアセタール組成物を調製するための方法である。本発明のPVB組成物は、例えば(特許文献1)に記載された方法であって、PVBは第2のポリマー成分と組み合わされて、PVBの実質的な量を有する不粘着性ペレットを産出する方法を用いて得ることが可能である。PVBは多くの用途においてガラスに対する耐破砕性を付与するために有用な市販品である。その用途の中には自動車のためのウィンドシールドならびに住宅および建物の窓ガラスがある。PVBの調製は酸媒体中でのアルデヒドとアルコールとの間の周知された反応である。可塑剤を用いることが可能であり、可塑剤はPVBを調製するプロセスにおいて一般的に用いられる。有用な可塑剤は知られており、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸のジエステル、例えば、トリ−エチレングリコールジ−2−エチルへキソエート(3GO)またはテトラ−エチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)などの市販されている化合物である。未使用の可塑化PVBシート(すなわち、製造業者のロールから直接に得られているPVB)は、例えば「ブタサイト(BUTACITE)」(登録商標)の商品名で本願特許出願人から商業的に得ることが可能である。PVBは、安全ガラスまたは建築ガラスの製造運転からの縁トリムから得られる余分なPVB、スクラップ自動車またはスクラップ建築のガラスから回収されたPVB、他の商業用途で使用可能とみなされなかったPVBおよび他の類似ソースまたはこれらのソースの混合ソースを含め、他のソースからも得ることが可能である。これらのソースのすべてを本発明の精神および範囲から逸脱せずに満足に用いることが可能である。
【0030】
好ましい実施形態において、可塑化PVBおよび3種の他の原料(1)無水物官能基またはカルボン酸官能基を有するポリマーなどの反応性ポリマー、(2)ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン/n−ブチルアクリレート/COターポリマーなどの非反応性ポリマーおよび(3)酸化防止剤を約100℃〜約280℃、好ましくは約150℃〜約220℃の範囲内の高温でバッチプロセスまたは連続プロセスで混合して、均質溶融物ブレンドを生成させる。このブレンドを1組のロールミルに落として更に混合し、ブレンドをシート状にプレスする。シートの細片はベルトフィーダを通して押出機に連続的にフィードする。押出機内で、混合物を再び溶融し、メルトフィルタを通して一切の固体異物を除去する。清浄な溶融物を多数の孔を有するダイに分配する。水中フェースカッターは、ダイフェースからペレットにポリマーを切断する。水は、ポリマーを切断しスクリーンに搬送してポリマーを大量の水から分離している間にペレットを冷却する。湿ったペレットは包装前に流動乾燥機内で乾燥させる。
【0031】
こうして得られたペレットは、溶融ブレンディングによって適するポリアセタール組成物と混合することが可能である。例えば、本明細書において用いるために適する強化剤入りポリアセタールブレンドは、「バンバリー(Banbury)」ブレンダー、「ハーケ(Haake)」ミキサー、「ファレル(Farrell)」ミキサーまたは押出機などの適するいずれかのブレンド装置または混合装置内で溶融ブレンディングまたは溶融混合することにより得ることが可能である。押出機は、種々の厳密度を有するスクリュー付きの一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機のいずれかであることが可能である。混合またはブレンディングは、約100℃〜約250℃の範囲内の温度で、好ましくは約150℃〜約230℃の範囲内の温度で行うことが可能である。
【0032】
本発明の強化剤入りポリアセタールは、圧縮剪断試験によって決定される200psiを上回る圧縮剪断強度(CSS)値を与える。CSSは粘着力の目安である。好ましくは、CSSは少なくとも300psiであり、より好ましくは少なくとも400psiである。更に強化された接着特性を有する強化剤入りポリアセタールは、カップリング剤または架橋剤を強化剤入りポリアセタールに更に導入することにより得られる。例えば、クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)から市販されている「シルクエスト(Silquest)」A−1100(登録商標)などのカップリング剤は強化剤入りポリアセタール組成物に一括して含めることによって、または強化剤入りポリアセタール組成物の表面を被覆することによって導入することが可能である。カップリング化合物は、水溶液としていずれかの方式で導入することが可能である。溶液のpHは、例えば酢酸またはクエン酸などの酸を用いて下げることが可能である。
【0033】
もう1つの実施形態において、本発明は本発明のポリアセタール組成物から得られた物品である。本発明の物品には、積層品、成形品などが挙げられる。本発明のポリアセタール組成物を含む積層物は、例えば、車、列車、自動車、電気器具、ボート、防音タイル、防音床、壁、天井、屋根材料または制音、低表面光沢および/または靱性ポリマーが望ましい他の物品などの種々の他の物品に導入することが可能である。
【0034】
本発明の実施技術において、表面に関する%光沢は、以下で記載されたように修正されたASTM D−523に準拠して決定される。光沢測定値は、例えばガラスなどの任意選択の充填剤が存在するか否かに応じて異なりうる。任意選択の充填剤を含まない本発明のポリアセタール組成物を含む表面に関する低い表面光沢は68%未満の光沢測定値である。好ましくは、本発明の充填剤なしのポリアセタール組成物を含む表面は、好ましくは約65%未満、より好ましくは約60%未満の光沢を有する。ポリアセタール樹脂は、例えばカーボンブラックなどの色添加剤または顔料を任意選択的に含むことが可能である。着色剤を含むポリアセタール組成物は、着色剤のない類似組成物より低い光沢を有することが本質的に可能である。
【0035】
充填剤を含む従来のポリアセタール組成物において、表面光沢は充填剤のない従来のポリアセタール組成物を基準として低下する。従来のポリアセタール組成物において、充填剤の百分率が高ければ高いほど、光沢は低下する。しかし、本発明の充填剤入りポリアセタール組成物において、%光沢は、似た充填剤含有率を有する従来の充填剤入りポリアセタール組成物を基準として低下する。その効果は、本発明の充填剤入り組成物中の充填剤の全量を下げることが、従来のポリアセタール組成物のように光沢を高めるのでなく表面光沢を下げることが可能であることである。少なくとも約1重量%〜約10重量%の充填剤を含む本発明の充填剤入り組成物は50%未満の光沢を有する。少なくとも約10重量%〜約20重量%の充填剤を有する本発明の充填剤入りポリアセタール組成物は20%未満の光沢を有する。少なくとも約20重量%〜約25%未満の充填剤を有する本発明の充填剤入りポリアセタール組成物は約16%以下の光沢を有する。25%を上回る充填剤を有する組成物の光沢の減少は、充填剤の量が増加するにつれて、より実質的でない場合がある。
【0036】
特に好ましい実施形態において、本発明のポリアセタール組成物は、熱可塑性エラストマー(TPE)などの他のポリマー材料に積層することが可能である。TPEは、ゴム様特性を有する熱可塑性材料であり、手触りに対して柔らかいポリマーである。しかし、TPEは、一般に硬質ポリマーに対して良好な粘着力をもたない。本発明のポリアセタールと合わせたTPE積層物は多くの場合にこの粘着力の問題をなくすであろう。
【0037】
もう1つの好ましい実施形態において、本発明のポリアセタール組成物はPVBに積層して、実質的な減音特性を有するPVB積層物をもたらすことが可能である。
【0038】
なおもう1つの実施形態において、PVB中間層の反対表面上に接着された本発明のポリアセタール組成物を含む少なくとも2枚のシートを有する積層物は、積層ポリアセタールシートの厚さの2倍の厚さを有するポリアセタールの1枚のシートを基準として改善された構造的な強度を有する。こうした積層物は、構造および強度を付与するために自動車ドアパネル、艇体または他の似た用途において用途を見つけることが可能である。
【0039】
なおもう1つの実施形態において、本発明のポリアセタール組成物は、ファイバーグラス充填剤入りポリアセタール組成物を含む物品の表面上または表面付近にあるガラス繊維を保持するために用いることが可能である。
【実施例】
【0040】
(実施例1〜5および対照実施例C1)
(ポリマーブレンドを製造するための押出プロセスおよびブレンドの物理的特性)
「エコサイト(ECOCITE)」(商標)((特許文献1)により調製された易流動性PVBペレット、本願特許出願人から入手できる)をナチュラルカラー「デルリン(Delrin)」(登録商標)500と合わせて溶融ブレンドした。「デルリン(Delrin)」(登録商標)グレード製品は本願特許出願人から入手できる。混合物をプレミックスした後、230℃未満の溶融温度で28mm「ワーナー&フライダー(Werner & Pfleiderer)」同方向回転二軸スクリュー押出機内で溶融ブレンドすることによりコンパウンドした。スクリュー速度は200rpmであり、全押出機フィード速度は15ポンド/時間であった。
【0041】
得られたストランドを水中で冷却し、ペレットに切断し、冷えるまで窒素でパージした。ISO294に準拠して射出成形することにより引張試験片を得た。引張試験片のノッチ付きアイゾット(Nizod)をISO180により、降伏点伸び(%EL−Y)をISO527により、破断点伸び(EL−B)をISO527により、引張強度(TS)をISO527により、曲げ弾性率(F.Mod)をISO178により、圧縮剪断強度(CSS)、および%光沢をASTM D523により測定した。結果を表1に記録している。
【0042】
(積層ポリマープレートの粘着力に関する修正圧縮剪断応力(CSS)試験)
厚さ2mmの正方形(5インチ×5インチ)プレートをISO試験方法294に準拠して射出成形機内で成形した。PVBシートを湿度制御室(相対湿度:23%RH)内で2枚のプレート間に挟んだ。135℃で20分にわたりオートクレーブの中に入れた後、5インチ×5インチ積層ポリマープレートを切断して、中心プレートから6枚の1インチ×1インチ正方形を得た。6枚の正方形を真空炉内で60℃で一晩乾燥させた。各正方形を湿度制御室(相対湿度:50%RH)内のインストロン(Instron)内で角度45度で剪断した。正方形をねじり切るのに要した力(ポンド/インチ)(CSS)を記録した。6枚の正方形の平均および標準偏差をサンプルごとに計算し、表1に記録している。
【0043】
(光沢測定)
表1において報告した%光沢は、マクベス(Macbeth)によって製造された「ノボ−グロスメータ(Novo−Gloss Meter)」を用いて修正ASTM D−523法によって60°で測定した。光沢を2個のISO試験片上で18mm×29mmエンドタブの中心で測定し、平均したことを除き、測定はASTM D−523に従った。ゲートの汚れが測定に影響を及ぼさないように、光沢を試験片の非ゲート端上で測定した。
【0044】
【表1】

【0045】
(実施例6〜9および比較例C2およびC3)
(a)「デルリン(Delrin)」(登録商標)500の代わりに実施例6、実施例7およびC2においてガラス充填剤入りナチュラルカラー「デルリン(Delrin)」(登録商標)570を、および実施例8、実施例9およびC3に関してナチュラルカラー525GRを用い、(b)二軸スクリュー押出機の代わりに、「キリオン(Killion)」製の2インチ一軸スクリュー押出機を用いて、〜230℃の溶融温度でプレミックス混合物を溶融ブレンドし、(c)スクリュー速度が100rpmであり、全押出機フィード速度が75ポンド/時間であったことを除き、表2の実施例6〜9および比較例C2およびC3のために上の実施例1〜5およびC1と同じプロセス、手順および試験方法を用いた。
【0046】
【表2】

【0047】
(実施例10〜13および比較例C4およびC5)
「エコサイト(ECOCITE)」(商標)およびポリアセタールコポリマーD460 NC010(「デルリン(Delrin)」(登録商標)460、ナチュラルカラー)およびD460BK(「デルリン(Delrin)」(登録商標)460、ブラック)をプレブレンドした後、210℃未満の溶融温度で34mm「レイストリッツ(Leistritz)」二軸スクリュー押出機内で溶融ブレンドした。スクリュー速度は200rpmであり、全押出機フィード速度は30ポンド/時間であった。他の点では、実施例1〜5およびC1のために用いられた手順を実施例10〜13および比較例C3およびC4のために用いた。上述した試験方法を用いてブレンドを評価した。結果を表3において以下で報告している。
【0048】
【表3】

【0049】
(実施例14〜22および比較例C5〜C7)
「エコサイト(ECOCITE)」(商標)およびポリアセタールコポリマーD460 NC010をプレブレンドした後、210℃未満の溶融温度で34mm「レイストリッツ(Leistritz)」二軸スクリュー押出機内で溶融ブレンドした。スクリュー速度は200rpmであり、全押出機フィード速度は30ポンド/時間であった。他の点では、実施例1〜5およびC1のために用いられた手順を実施例14〜22および比較例C5〜C7のために用いた。上述した試験方法を用いてブレンドを評価した。結果を表4において以下で報告している。
【0050】
【表4】

【0051】
(実施例23〜30)
「エコサイト(ECOCITE)」(商標)およびポリアセタールコポリマーをプレブレンドした後、210℃未満の溶融温度で30mm「ワーナー&フライダー(Werner & Pfleiderer)」二軸スクリュー押出機内で溶融ブレンドした。スクリュー速度は200rpmであり、全押出機フィード速度は30ポンド/時間であった。褐色顔料(「クラリアント(Clariant)」ブラウン(Brown)9648コンセントレート(Concentrate))を4重量%の装填率で添加した。他の点では、実施例1〜5およびC1のために用いられた手順を実施例23〜30のために用いた。ブレンドのノッチ付きアイゾット(Nizod)をASTM D256により、破断点伸び(EL−B)をASTM D638により、および%光沢をASTM D2457により評価した。結果を表5に記録している。
【0052】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約20重量%〜約95重量%のポリビニルブチラール(PVB)を含む易流動性光沢減少組成物約1〜約30重量%、(b)相補的に、約250℃より低い範囲内で溶融加工性であり、および少なくとも10,000の数平均分子量(Mn)を有するポリアセタール99〜24重量%、(c)任意選択的に、1.0重量%までの量のカップリング剤、および(d)任意選択的に、約45重量%までの量の充填剤を含むことを特徴とする熱可塑性ポリアセタール組成物。
【請求項2】
前記光沢減少組成物のPVBが、未使用PVB、スクラップPVB、未使用の可塑化PVB、スクラップの可塑化PVB、縁トリムPVB、ウィンドシールドから回収された可塑化PVBおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記光沢減少組成物が、無水物官能基を有する1種または複数種のポリマーおよび/またはカルボン酸官能基を有する1種または複数種のポリマーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記光沢減少組成物が非反応性ポリマーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記非反応性ポリマーが、コアシェル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、オレフィン系コポリマーおよびそれらの混合物からなる群のポリマーから選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記充填剤(d)が、ファイバーグラス;焼成クレー、ウォラストナイトまたはタルクから選択される鉱物;あるいはポリウレタン、ポリアミドまたはポリアリーレートなどの使用中にポリアセタールに相溶性のもう1種のポリマーからなる群の充填剤から選択される充填剤であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記カップリング剤がアミノ官能性シランであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリアセタール(b)が分枝または線状のポリオキシメチレンポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも0.1重量%の酸化防止剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
(a)約20重量%〜約95重量%のポリビニルブチラール(PVB)を含む易流動性ポリビニルブチラール組成物約1〜約30重量%、(b)約200℃より低い範囲内で溶融加工性であり、および少なくとも10,000の数平均分子量(Mn)を有するポリアセタール約99〜約24重量%、(c)任意選択的に、1.0重量%までの量のカップリング剤、(d)任意選択的に、約45重量%までの量の充填剤、および(e)任意選択的に、コアシェル樹脂強化剤を含む物品であって、ASTM D256またはISO180に準拠して決定される、少なくとも約1.0ft−lbs/in(4.78kJ/m)のノッチ付きアイゾット(Nizod)靱性を有することを特徴とする物品。
【請求項11】
前記物品が中間層としてPVBシートの層を含む積層物であって、200ポンド/平方インチ(psi)を上回る圧縮剪断応力(CSS)を有する積層物であることを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項12】
アミノ官能性シランの被膜を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記アミノ官能性シランが、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノプロピルトリアルコキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジアルコキシシランからなる群から選択されるアミノシランであることを特徴とする請求項12に記載の物品。
【請求項14】
熱可塑性エラストマー(ソフトタッチ)ポリマーの層を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項15】
200psiを上回るCSSを有し、前記強化剤入りポリアセタールポリマーが前記積層物の少なくとも1層の外層を形成し、前記積層物中間層がPVBのシートを含むことを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項16】
請求項15に記載の積層物を含むことを特徴とする物品。
【請求項17】
前記積層物が前記積層物の第2の外層としてポリマーを含むことを特徴とする請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記ポリマーが、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレートおよびポリアセタールからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記積層物の第2の外層が強化剤入りポリアセタール組成物の第2の層を含むことを特徴とする請求項18に記載の積層物品。
【請求項20】
前記物品が、ボート、車、列車、航空機、屋根、壁、建物、壁、天井、床、工具、電気器具であることを特徴とする請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記物品が射出成形法またはプレス成形法によって形成されることを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項22】
充填剤を含まず、および68%未満の表面光沢を有することを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項23】
20重量%未満の充填剤および20%未満の光沢を有することを特徴とする請求項10に記載の物品。
【請求項24】
25重量%未満の充填剤および16%未満の光沢を有することを特徴とする請求項23に記載の物品。
【請求項25】
前記組成物の全重量を基準にして少なくとも約1重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項24に記載の物品。
【請求項26】
前記物品が少なくとも約3重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記物品が少なくとも約5重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項26に記載の物品。
【請求項28】
前記物品が少なくとも約7重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記物品が少なくとも約10重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記物品が約1重量%〜約25重量%のコアシェル樹脂を含むことを特徴とする請求項29に記載の物品。
【請求項31】
ASTM D256に準拠して決定される約1.0ft−lbs/in(4.78kJ/m)を上回るノッチ付きアイゾット、およびASTM D523またはASTM D2457のいずれかに準拠して測定される約68%未満の表面光沢を有するポリアセタール組成物を調製する方法であって、ポリアセタール組成物を易流動性ポリビニルブチラール(PVB)組成物および強化剤とブレンドする工程を含み、前記PVB組成物が全ポリアセタール組成物の約1〜約30重量%の量で含まれ、および前記強化剤がコアシェル樹脂であることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2007−521374(P2007−521374A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518709(P2006−518709)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020826
【国際公開番号】WO2005/003234
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】