説明

袋付き包装紙とそれを用いた食品の包装方法および包装済み食品

【課題】 店頭での食品の包み込みも容易であり、食べるときも手や指を汚すことなく容易に包装した食品を取り出して食べることのできる袋付き包装紙を提供する。この袋付き包装紙を、ファーストフード店でのハンバーガー包装紙として特に優れた効果を発揮する。
【解決手段】 袋付き包装紙1は、調理用台紙を兼ねた包装紙10の上辺部に食品収容袋20が一体に形成されている。好ましくは、基材包装紙10Aの一部を側方に向けて折り返して重畳した領域14を形成し、その重畳領域14の下辺部16と側縁部17とを熱シールして、包装紙10の上辺部に上方を開口した食品収容袋20を一体に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定されるものではないが、特に、ファーストフード店において提供されるハンバーガーなどの食品を収納するのに適した袋付き包装紙とそれを用いた食品の包装方法、および包装済み食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店でハンバーガーなどの食品を提供する際、包装材として、ポリエチレンフィルムなどでラミネートした包装紙または箱型容器(クラムシェル型容器)とが用いられる。ハンバーガーの場合、多段に積み上げて高さの高くされたものはクラムシェル型の箱形容器に入れて提供されるが、比較的薄手のものは、包装紙で包んで提供されることが多い。いずれの場合も、購買者は、ハンバーガーを食べるときに包装材を介してハンバーガーを掴むようにして手で持ち、手や指が汚れるのを防いでいる。
【0003】
包装紙を包装材として用いる場合に、包装紙として比較的広い面積を持つ単純な長方形のものを用いると、それを調理台の上に台紙として開いて置き、その上で、異種食材の積み上げなど販売品となるハンバーガーに対する必要な調理を行い、完成したハンバーガーを、台紙として使用した包装紙でそのまま包み込んで、購買者に手渡すことができるので、店頭での一連の作業を簡素化できる利点がある。しかし、購買者がハンバーガーを食べるときに、注意深く包装紙を開かないとハンバーガーが包装紙の外に飛び出してしまうことがある。また、包装紙全体を手で持ちながら食べることとなり、食べづらさが残る。さらに、店員がハンバーガーを包むときに、包装紙上でのハンバーガーの位置を注意深く決める必要がある。
【0004】
特許文献1には、上下方向の下から中間位置まで両側縁を接着したハンバーガーなどの食品包装袋が記載され、この袋では、両側縁の上方部は接着されてなく、大きな開口部となる舌片を形成することから、食品が包装しやすく、また食べやすくなると記載されている。特許文献2には、単に長方形のハンバーガー用包装紙であって、中央部にミシン目のような切り込みとつまみ部を設けたものが記載され、この包装紙で包み込んだハンバーガーを食べるときには、つまみ部を引くことにより、切り込みから包装紙を容易に左右に切り開くことができ、ハンバーガーを落とすことなくまた手を汚すことなく食べることができると記載されている。
【0005】
【特許文献1】実開平5−40150号公報
【特許文献2】特開2000−43931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の形態の食品包装袋は、店員がハンバーガーを袋内に収容するのも容易であり、収容後の包装も容易である。しかし、調理用の台紙となる面積はなく、店頭で調理用台紙を別途用意すること、用意した調理用の台紙を包装用袋とは別に調理台の上に配置すること、などの作業が必要となる。特許文献2に記載のハンバーガー用包装紙は、調理時の台紙を兼ねることができる。しかし、良好な包装体を得るために、包装時に調理後のハンバーガーを慎重に位置決めすることが必要となる。また、購入してから食べるまでの間に、ミシン目のような切り込み部から、ソースなどが染み出る恐れがある。さらに、半分の包装紙を分離してしまうことから、食休みをしたい場合に、ハンバーガー全体を包み直すことは容易でない。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、調理用の台紙として必要な面積を確保しながら、調理後の食品の位置決めと包装が容易であり、包装後にソースなど食品から液汁が染み出ることもなく、さらに、購買者は手や指を汚すことなく、包装した食品を安定して食べることができるようにした、ファーストフード店などで好適に用いられる包装紙(袋付き包装紙)を提供することを目的とする。また、本発明は、その袋付き包装紙を用いた食品の包装方法および包装済み食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による袋付き包装紙は、調理用台紙を兼ねた包装紙の上辺部に食品収容袋が一体に形成されていることを特徴とする。
【0009】
包装紙は調理用台紙を兼ねており、店頭では、調理台の上に本発明による袋付き包装紙を広げて置き、上辺部に取り付けた食品収容袋を包装紙の外側に位置させることにより、包装紙の全面積を調理用空間として利用することができる。食品が例えばハンバーガーの場合、下パンと上パンとを包装紙の上に並べておき、下パンの上に順次異種食材を積み上げていく作業を行い、最後に上パンを最上位に積み重ねることにより、目的とするハンバーガーは完成する。食材毎の積み重ねを調理台上の異なった位置で行うようになっている店頭においては、店員は、包装紙を調理台上で滑らすようにして移動させることにより、それを行うことができる。
【0010】
完成した食品を袋詰めする作業も、包装紙と食品収容袋は一体に形成されているのできわめて容易であり、袋詰め後も、格別の注意を払うことなく、食品を収容した食品袋全体を包装紙によって容易に包み込むことができる。包装済みの食品はそのまま店頭にディスプレーすることもでき、購買者に手渡すこともできる。包装紙の包装した食品に直接触れる部分には、ミシン目などの開孔はなく、購買者が持ち歩くときに、食品の液汁が外部に染み出ることもない。
【0011】
食べようとするときは、包み込んだ包装紙を自由に解放しても、食品は食品収容袋内に納められており、不用意に落下いることはない。また、食品収容袋を手でもって食べることができるので、手や指が汚れることもない。食品収容袋と包装紙とを食べるときに分離してしまえば、包装紙が食べるときの邪魔になることはない。さらに、分離した包装紙を食休み置き場やシートとしても利用することができる。もちろん、食休みをとるなど、複数回に分けて食べることを予定する場合には、食品収容袋と包装紙とを分離することなく食べるようにすれば、食休み後などでの再包装も容易である。
【0012】
本発明において、包装紙と食品収容袋の素材には、好ましくは、紙とポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムを積層したものが用いられ、樹脂フィルム側が食品側となるようにして用いられる。包装紙と食品収容袋は同じ素材であってもよく、異なった素材で作られていてもよい。後者の場合、別途作った食品収容袋を熱シールなど適宜の手段で包装紙の上辺に一体化する。しかし、両者を同じ素材で作ることは、コスト的にも作業的にも有効である。
【0013】
従って、本発明による袋付き包装紙の好ましい態様は、包装紙の上から一定幅の領域が側方に向けて折り返されて重畳した領域とされ、重畳した領域の下辺部分または下辺部分と側縁部分とが熱シールされることにより重畳した領域が食品収容袋とされていることを特徴とする。
【0014】
この態様の袋付き包装紙は、一枚の矩形状の包装紙を用いて容易に作り出すことができる。最初に矩形状の包装紙を用意し、上辺から一定距離aだけ下がった位置で、一方の側辺から上辺に平行に所定距離bの切り込みを入れ、該切り込みを入れた部分を他の側辺がわに向けて折り返えす。それにより、高さが前記aであり、幅が前記bである重畳した領域ができあがる。その領域の下辺部分と側縁部分とを熱シールすることにより、包装紙の上辺部に一体となった形で、上方が開口し、深さがa、幅がbである食品収容袋が完成する。重畳領域の側縁の熱シール方向は、折り返し片と平行であってもよく、上方が広がるように斜めに傾斜した方向であってもよい。後者の場合は、入り口部が底部よりも大きくなった食品収容袋が得られる。収容しようとする食品の種類や大きさによっては、重畳した領域の下辺部分のみを熱シールにより融着してもよく、この場合には、上方と一つの側縁が開放した食品収容袋となる。なお、包装紙として、紙とポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムを積層したものを用いる場合には、樹脂フィルム側を上面側として、上記の作業を行う。それにより、包装時に食品が接する面はすべて樹脂フィルム面となり、かつ熱融着される面も樹脂フィルム面となる。
【0015】
包装する食品によって異なるが、例えばハンバーガー用の袋付き包装紙を作る場合の一例では、最初に用意する包装紙の寸法は、縦200〜300mm×横400〜500mm程度の大きさとされ、前記距離aは70〜80mm程度、距離bは150〜170mm程度とされる。そのような寸法取りをすることにより、包装紙の上辺部のほぼ中央に食品収容袋が位置する袋付き包装紙が得られる。この形態の袋付き包装紙は、食品収容袋に食品を収容した後の包装紙による食品の包装作業は容易となるが、前記距離bを調整して、包装紙の一方の側辺側に偏った位置に食品収容袋が位置するようにしてもよい。食品収容袋よりも前記折り返した部分と反対側の包装紙の領域はそのまま残されていてもよいが、適宜の手段により除去してもよい。後者の場合、食品を収容した食品収容袋をそこに続く包装紙で包装する作業が容易となる。
【0016】
本発明による袋付き包装紙の好ましい形態では、食品収容袋の下辺近傍には易破断部が形成される。易破断部を形成することにより、必要なときに下方の包装紙を食品収容袋から容易に分離することができるので、食べるときの煩わしさを無くすことができる。易破断部は、ミシン目や熱溶融線などであってよく、破断開始位置にVカット部のような応力集中部を設けるようにしてもよい。
【0017】
本発明による袋付き包装紙の他の形態では、食品収容袋の下辺近傍における包装紙部分に補強板が包装紙の幅方向に配置される。この形態の袋付き包装紙では、食品を収容した食品収容袋を包装紙で包み込んだ後、該補強板を立てた姿勢として、包装品の周囲を囲い込むことが可能となり、潰れなどに対する食品保護性が向上する。
【0018】
本発明による袋付き包装紙は、保管時には、食品収容袋部分を包装紙側に折り込んだ姿勢としておくのが好ましく、それにより、保管スペースを有効利用することができる。
【0019】
本発明は、また、調理台の上に、上記のいずれかの態様の袋付き包装用紙をその調理用台紙を兼ねた包装紙を開いた姿勢で置き、包装紙の上に包装しようとする食品を置いて必要な調理を行い、調理後の食品を食品収容袋に収容した後、包装紙で食品を収容した食品袋全体を包み込むことを特徴とする食品の包装方法、および上記の食品の包装方法により包装された包装済み食品をも開示する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、袋付き包装紙を構成する包装紙が調理用台紙を兼ねているので、店頭で別途調理用台紙を用意する必要がない。また、包装紙の上辺部に食品収容袋が一体に形成されているので、包装紙の上で食材を積み上げて調理した調理後の食品を、そのまま袋詰めしかつ容易に全体を包装することができる。購買者は、包装した食品を食べるときに袋と包装紙とを分離し、袋の部分を手に持って食べることにより、手や指を汚すことなくまた障害物が周囲にない状態で、包装した食品を食べることができる。分離した包装紙は飲食時の食休み置き場となどとして有効に利用することができる。本発明による袋付き包装紙は、ファーストフード店でのハンバーガー包装紙として特に優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1は本発明による袋付き包装紙の一形態を作るのに用いる基材包装紙を示す平面図であり、図2は図1に示した基材包装紙を用いて作った袋付き包装紙を示す平面図である。図3は図2に示す袋付き包装紙の保管時の姿勢を示しており、図4はその袋付き包装紙を用いて食品を調理する状態を示している。図5は完成した食品(ハンバーガー)を食品収容袋に入れた状態を示し、図6は図5に示す状態から包装紙による包装を開始するときの状態を示している。また、図7は包装済み食品の包装を解き、食品(ハンバーガー)を食べるときの状態を説明している。
【0022】
図1に、本発明による袋付き包装紙の一形態を作るのに用いる基材包装紙10Aを示しており、紙とポリエチレンフィルム10aの積層シートであって、ポリエチレンフィルム10a側が上面として置かれている。この例において、基材包装紙10Aは縦aは305mm、横bは480mmの長方形であり、左側辺の上辺から75mmの箇所で、水平方向に160mmの切り込み線11が入っている。
【0023】
袋付き包装紙1とするには、切り込み線11よりも上の部分12を内側に向けて折り込む。それにより、部分12はその右方の基材包装紙10Aの部分13に上から重畳し、図2に示すように、2枚の包装紙部分12と13が重なった領域14が形成される。重畳領域14の右方部分15は、そのまま残しておいてもよく、図2に示すように、切除してもよい。
【0024】
重畳領域14の下辺部16と右側縁部17に沿って熱シールする。それにより、熱シール部で、基材包装紙10Aに積層されているポリエチレンフィルム10a同士が熱融着して一体化し、下辺部16と右側縁部17と折り込み線である左側縁部18が閉鎖し、上縁19が開放した食品収容袋20が、下方の包装紙10と下辺部16の部分で一体化した形で形成されて、本発明による袋付き包装紙1となる。必須のものではないが、食品収容袋20の下辺部16の全長に沿ってミシン目21が易破断部として形成され、ミシン目21の一方端、図示の例では左端には、Vカット部22が応力集中部として形成される。
【0025】
図示の例において、袋付き包装紙1における、食品収容袋20の寸法は、深さdが75mm、幅wが160mmであり、その下辺部16から左右横方向に包装紙10が160mmの幅で広がっている。包装紙10の大きさは、上下幅a1は230mm、横幅bは480mmである。製造された袋付き包装紙1は、図3に示すように、食品収容袋20を包装紙10側に向けて折り込まれ、その状態で必要枚数だけ積層した状態で、例えばハンバーガーショップの店頭に運ばれる。
【0026】
上記の袋付き包装紙1を用いて食品を包装する方法を、食品がハンバーガーである場合を例として説明する。ハンバーガーショップの店員は、積層状態の袋付き包装紙群から一枚の袋付き包装紙1を取り、それを調理台の上に置く。そして、調理スペースを広くとるために折り込んである食品収容袋20を、図4に示すように、上方に広げる。次ぎに、包装紙10の上にハンバーガー30の下パン31と上パン32を切り口を上にして置き、包装紙10を調理用台紙として利用して、下パン31の上に他の食材(不図示)を順次積み重ね、最後にその上に上パン32を載せて、ハンバーガー30とする。調理台上の異なった場所で、異なった食材を積み上げるような場合には、包装紙10を手で引いて全体を調理台上の異なった場所に移動する。
【0027】
ハンバーガー30の完成後、店員は、上方に広げた食品収容袋20を再び包装紙10側に倒し、食品収容袋20の開放部である上縁19を開き、図5に示すように、そこからハンバーガー30を食品収容袋20内に入れる。その上を、包装紙10の左右の領域部分10c,10c(右上がり斜線領域)で包み込み、包み込んだ後、包装紙10の図で下側の部分10d(左上がり斜線領域)を上方に折り曲げることにより、ハンバーガー包装品は完成する。
【0028】
購買者はその状態の包装品を店頭で購入する。食べるときは、包装紙10を開いて包装を解き、図7に示すように、前記ミシン目21の部分で、ハンバーガー30を収容した食品収容袋20と包装紙10とを切り離す。食品収容袋20の部分を手に持ちハンバーガー30を食べることができるので、手や指が汚れることはない。分離した包装紙10は、廃棄するか、シートとして利用することもできる。分離しないで途中までハンバーガー30を食べ、再度、残りのハンバーガー30を収容した食品収容袋20を包装紙10で包み込むこともできる。
【0029】
図8aは、他の形態の袋付き包装紙を作るときの、基材包装紙10Aの他の形態を示している。この基材包装紙10A1では、図1に示した基材包装紙10Aにおける部分12の上方側が基材包装紙10Aの上辺よりもさらに上方に広がった部分12aを有している点で相違する。この基材包装紙10A1を用いて作られる袋付き包装紙1Aでは、図8bに示すように、食品収容袋20の開口部19の上方に、前記広がった部分12aによる舌片25が形成されるので、そこを利用することにより、店員が食品収容袋20の開口部19を開く作業が容易となり、結果として、ハンバーガー30を袋20内に収容する作業も容易となる。
【0030】
図9は本発明による袋付き包装紙1のさらに他の形態を示している。この袋付き包装紙1Bでは、包装紙10の食品収容袋20側に上辺に沿って、その裏面側に、厚紙のような適宜の強さを持つ帯状の板材が補強材26として取り付けられている点、補強材26の下縁に沿うようにして包装紙10には、第2の切り込み線27が形成されている点で、上記した袋付き包装紙1と相違している。この袋付き包装紙1Bでは、食品収容袋20にハンバーガー30を収容した後、前記切り込み線27の位置で全体を包装紙10の上に折り返し、その状態で、包装紙10で食品収容袋20を包み込む。そのときに、補強材26はそのままの姿勢で放置しておく。包装紙10による包み込みが終わった後、包装品の周りを囲むように補強材26を立てた姿勢で湾曲させ、端部同士を粘着テープなどで接合する。その状態が図10に示される。この包装品では、補強板26で包装品の周囲を囲い込むことができるので、潰れなどに対する食品保護性が向上する。
【0031】
なお、上記の袋付き包装紙1Bでは、補強材26が露出しているために、調理時に補強材26が食品(ハンバーガー)に触れないように、注意を払いながら調理を行う必要がある。図11は、その不都合を解消した、前記した袋付き包装紙1Bの変形例を示す。この袋付き包装紙1B1では、図9のようにして補強材26を包装紙10の表側に配置した後、補強材26の下縁に沿って全体を包装紙10の上に折り曲げる。そして、折り曲げられた包装紙10の上辺部に沿って、熱シール部28,28を形成するとともに、該熱シール部28,28に沿って、包装紙10に第2の切り込み線29,29を形成する。この袋付き包装紙1B1の使用態様は、前記袋付き包装紙1Bと同様であるが、補強材26を包装紙10で包み込んでいるので、包装紙10の上での食品(ハンバーガー)の調理を容易に行える利点がある。
【0032】
上記の説明では、食品収容袋20は、3辺が閉鎖しているものを示したが、前記重畳領域14の下辺部16のみを熱シールして、上辺19と右側縁17の全体が開放した食品包装袋20としてもよく、下辺部16と右側縁17の一部を熱シールして、上辺19と右側縁17の上方位置が開放した食品包装袋20としてもよい。いずれの場合も、袋の開放部分が広くなるので、食品(ハンバーガー30)を袋詰めしやすくなる利点がある。反面、包装を開くときに、食品(ハンバーガー30)が袋20から飛び出しやすくなるので、どの形態の食品包装用袋20を採用するかは、袋の大きさや収容する食品の大きさなどを考慮して、適宜選択すればよい。
【0033】
また、基材包装紙10Aから食品収容袋20と包装紙10とが一体となった袋付き包装紙1を作成する場合のみを説明したが、別途食品収容袋20を作成し、それを基材包装紙10Aの上辺に熱シールなどの手段により一体化して袋付き包装紙とすることもできる。また、食品収容袋20として、側縁や底部に折り込み(タグ)のないものを説明したが、折り込みを持たせて、食品を収容する容積をより大きなものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による袋付き包装紙の一形態を作るのに用いる基材包装紙を示す平面図。
【図2】図1に示した基材包装紙を用いて作った袋付き包装紙を示す平面図。
【図3】図2に示す袋付き包装紙の保管時の姿勢を示す平面図。
【図4】図2に示す袋付き包装紙を用いて食品を調理する状態を説明するための図。
【図5】完成した食品(ハンバーガー)を食品収容袋に入れた状態を示す図。
【図6】図5に示す状態から、包装紙による包装を開始するときの状態を示す図。
【図7】包装済み食品の包装を解き、食品(ハンバーガー)を食べるときの状態を説明する図。
【図8】他の形態の基材包装紙を示す平面図(図8a)とそれを用いて作った袋付き包装紙の平面図(図8b)。
【図9】他の形態の袋付き包装紙を示す平面図。
【図10】図9に示した袋付き包装紙を用いて食品を包装した後の状態を示す図。
【図11】さらに他の形態の袋付き包装紙を示す平面図。
【符号の説明】
【0035】
1、1A、1B、1B1…袋付き包装紙、10A、10A1…基材包装紙、10…包装紙、11…切り込み線、14…重畳した領域、16…重畳領域の下辺部、17…重畳領域の右側縁部、18…折り込み線である重畳部の左側縁部、19…重畳部の開放した上縁、20…食品収容袋、21…ミシン目(易破断部)、22…Vカット部(応力集中部)、26…補強材、28…熱シール部、29…切り込み線、30…ハンバーガー(食品)、31…ハンバーガーの下パン、32…ハンバーガーの上パン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理用台紙を兼ねた包装紙の上辺部に食品収容袋が一体に形成されていることを特徴とする袋付き包装紙。
【請求項2】
包装紙の上から一定幅の領域が側方に向けて折り返されて重畳した領域とされ、重畳した領域の下辺部分または下辺部分と側縁部分とが熱シールされることにより重畳した領域が食品収容袋とされていることを特徴とする請求項1に記載の袋付き包装紙。
【請求項3】
食品収容袋は包装紙の上辺部のほぼ中央に位置しており、包装紙の上から一定幅の領域であって食品収容袋よりも前記折り返した部分と反対側の領域は除去されていることを特徴とする請求項2に記載の袋付き包装紙。
【請求項4】
食品収容袋の下辺近傍には易破断部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の袋付き包装紙。
【請求項5】
食品収容袋の下辺近傍における包装紙には補強板が包装紙の幅方向に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の袋付き包装紙。
【請求項6】
調理台の上に、請求項1から5のいずれか記載の袋付き包装用紙をその調理用台紙を兼ねた包装紙を開いた姿勢で置き、包装紙の上に食品を置いて必要な調理を行い、調理後の食品を食品収容袋に収容した後、包装紙で食品を収容した食品袋全体を包み込むことを特徴とする食品の包装方法。
【請求項7】
請求項6に記載の食品の包装方法により包装された包装済み食品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−273378(P2006−273378A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95434(P2005−95434)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】