説明

被処理物の乾燥方法および乾燥装置

【課題】 被処理物を乾燥させる際、より短時間にかつ効率的に乾燥させることができるようにする。
【解決手段】 被処理物の一例としての生ゴミGを回転可能な容器5内に収容し、容器内に温風を導入することで生ゴミGを乾燥させる際、容器5の回転を停止させた状態で容器5内に温風を導入して表面に露出する生ゴミGを乾燥させる第1工程と、その後容器5を回転させることで新たに水分を含んだ生ゴミGを表面に露出させる第2工程と、水分を含んだ生ゴミGが表面に露出した時点で容器の回転を停止させて新たに表面に露出する生ゴミGを乾燥させる第3工程を設け、これら工程を繰り返すようにする。また、必要に応じて、攪拌ばね23によって生ゴミGを攪拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生ゴミや乾燥食品等の被処理物を効率的に乾燥処理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人は、水分を多く含む生ゴミを処理する生ゴミ処理機として、円筒ドラム型の容器内に生ゴミと微生物を投入した後、ドラム内の温度を微生物育成に適した温度に加温すると同時にドラムを縦回転させ、この際、くっついて団子状になりやすい生ゴミを破砕手段によって細かく破砕するような技術を提案している(例えば、特許文献1参照。)。
一方、生ゴミに温風を吹き付けて乾燥させるような技術として、生ゴミを収容する生ゴミ処理部の上部に、送風口と排気口を設け、攪拌手段によって生ゴミを送風口に向けて攪拌しながら移送し、送風口から温風を吹きつけるような技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−68183号公報
【特許文献2】特開2007−75722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水分を多く含む生ゴミを処理する際、前記特許文献1のように、バクテリアで処理しようとすると、バクテリアの増殖を図りつつ処理する必要があることから、容器内に相当程度の湿気を必要とし(例えば40%程度)、迅速に減容処理しようとしても減容処理することが困難であった。また、容器内で団子状になるのを破砕手段で破砕しようとしても、効率的に破砕することができないという問題もあった。
【0005】
一方、前記特許文献2のように、攪拌手段によって生ゴミを攪拌しながら温風を直接吹き付けて乾燥させようとしても、攪拌中に生ゴミが団子状態に固まりやすく、団子状になってしまうと、団子の内部から水分が抜け出ないため、乾燥に時間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、生ゴミや乾燥食品等を乾燥させる際、より短時間にかつ効率的に乾燥させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、被処理物を乾燥させる乾燥方法において、被処理物を回転可能な容器内に収容する収容工程と、容器の回転軸部分に設けられる導入路を通して所定温度に加温した温風を容器内に導入することで容器内に蒸気を発生させ、この蒸気が含まれる空気を容器の回転軸部分に設けられる排気路から容器外に排気する乾燥工程を設け、この乾燥工程では、容器の回転を停止させた状態で容器内に温風を導入することで表面に露出する被処理物を乾燥させる第1工程と、その後容器を回転させることで新たな水分を含んだ被処理物を表面に露出させる第2工程と、水分を含んだ被処理物が表面に露出した時点で容器の回転を停止させて表面に露出する被処理物を乾燥させる第3工程とを繰り返すようにした。
【0008】
このように、被処理物を乾燥させる際、表面に露出する被処理物が乾燥するまで容器の回転を停止させることによって、被処理物が団子状になりやすいのを防止することができる。そして、表面に露出する被処理物が乾燥すると、新たな被処理物が表面に露出するまで容器を回転させ、新たに水分を含む被処理物が表面に露出すると、容器の回転を停止させて温風で乾燥する。そして、この繰り返しによって、被処理物が団子状になるのを防止し、より効率的にかつ短時間に乾燥させることができる。
この際、容器の回転方式等は任意であるが、例えばドラム型の容器を縦回転(ドラム軸に対して直交する方向の回転軸周りに回転)させることにより、攪拌効果が高くなって好適である。
また、温風を導入する導入路や排気路を回転軸部分に設けることにより、装置の簡素化が図れる。
なお、容器の回転と停止のタイミングの一例としては、例えば、容器がドラム型で縦回転させるような場合に、回転は数回転程度、容器の回転を停止させた乾燥時間を5分〜25分程度とるようにすれば好適であり、また、温風の温度としては、例えば80〜150℃程度が好適である。
【0009】
また本発明では、前記乾燥工程において、所定のタイミングで、容器内の空気の一部を抜き出して空気中に含まれる水分や臭気を除去した後、水分や臭気が除去された空気を再び容器内に戻す循環工程を行うようにした。
ここで、容器内で被処理物を乾燥させるに際しては、容器内の湿気の程度が大きく影響し、相対湿度が高いままでは乾燥効率が悪くなる。また、高温の空気を多量に送りこんでも熱効率が悪く、しかも排ガスを脱臭するための労力が多大に必要となる。そこで、容器内の湿気を積極的に除去して乾燥効率を上げるため、所定のタイミングで、容器内の空気を循環させて水分を除去する循環工程を行う。なお、このように水分を除去して乾燥させれば、熱処理されて臭気も少なくなるのが一般的であるため、特に脱臭器等は必要ではないが、必要に応じて脱臭器等を設けるようにしてもよい。
ここで、所定のタイミングとして、例えば、容器の回転が停止したときなどに行うと好適である。
【0010】
また、本発明では、容器内に所定温度に加温した温風を導入する際、空気を加温するための加熱源を容器内に設けるようにした。
すなわち、容器の回転軸部分に設けられる導入路を通して温風を容器内に供給する場合、50〜60℃程度の温風であれば特に問題はないが、温風の温度をそれ以上に高くすると、容器を回転させるための軸受けベアリングのオイル等に熱的負担がかかり、保守整備が煩雑となる。そこで、加熱源を容器内に設けることで、装置を簡素に構成できる。
【0011】
また本発明では、前記乾燥工程において、容器の姿勢が特定の姿勢になったとき、容器内に設けられる攪拌ばねによって被処理物を攪拌する第4工程を行うようにした。
そして、この攪拌ばねによって被処理物を攪拌すれば、被処理物が団子状に固まるのを防止でき、効果的に乾燥させることができる。
ここで、容器の姿勢が特定の姿勢になったときの一例としては、例えば容器内に設けられる攪拌ばねが被処理物に接触した時点などである。
【0012】
また本発明では、被処理物を乾燥させる乾燥装置として、被処理物を収容する回転可能な容器と、この容器内に所定温度に加温した温風を導入することができる温風導入機構と、容器内から蒸気が含まれる空気を排気することのできる排気機構と、容器内の空気の一部を抜き出して空気中に含まれる水分を容器外に放出させた後、水分が放出された空気を再び容器内に戻すことのできる水分除去用循環機構を設けるようにした。
なお、この水分除去用循環機構としては、例えば、容器内の空気を一時的に容器外に導いて空気から水分を抜き取った後、この空気を容器内に戻す工程で加熱部によって一部の空気を加熱して高温脱臭を連続的に行うようにしてもよく、空気を循環させるためのファンや、抜き取った水分を容器外に排出するための排水部や、空気を加熱するための加熱部等によって構成すれば好適である。
また、容器内の一部に、被処理物を攪拌するための攪拌ばねを設ければ、被処理物が団子状になるのを効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0013】
容器内に収容した被処理物を温風で乾燥させる際、容器を継続的に回転させたり、被処理物を継続的に攪拌したりすると、被処理物に水分が多く含まれるような場合に、被処理物が団子状に固まりやすいため、容器内の被処理物の表面が乾燥した時点で、最小限に容器を回転させて、新たに水分を含む被処理物を表面に露出させ、水分を含む被処理物が表面に露出すると、容器の回転を停止させて温風で乾燥させる。この繰り返しによって、被処理物が団子状になるのを防止して、より効率的に且つ短時間に全体を乾燥させることができる。
また、容器内の空気の一部を取り出して水分や臭気を除去し再び容器内に戻す工程を行うことにより、より効率的に乾燥等を行うことができる。
また、容器内に温風を導入する際、空気を加温するための加熱源を容器内に設ければ、回転軸のベアリング等からオイルが乾いたり蒸発したりすることが防止され保守整備が楽になる。
また、容器が回転して特定の姿勢になったとき、攪拌ばねによって被処理物を攪拌すれば、被処理物が団子状に固まるのを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る乾燥装置の第1実施例を示す説明図である。
【図2】同乾燥装置を平面方向からみた説明図である。
【図3】本発明に係る乾燥装置の第2実施例を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る乾燥装置は、容器の内部に被処理物を収容し、容器内に温風を導入して被処理物を乾燥させるとともに、被処理物の表面が乾燥すると容器を回転させることで、新たな水分を含む被処理物を表面に露出させ、その後、容器の回転を停止して、表面の露出する被処理物を乾燥し、これを繰り返すことを特徴としている。以下、被処理物として生ゴミの場合を例にとって説明する。
【0016】
本乾燥装置の第1実施例に係る生ゴミ乾燥装置1は、図1、図2に示すように、左右一対の支持柱2間に架け渡される水平パイプ3と、この水平パイプ3に対して軸受け部4を介して回転自在に支持されるドラム型の容器5を備えており、前記水平パイプ3は、容器5のドラム軸の中心部を横に貫いている。すなわち、本実施例のドラム型の容器5は、縦回転(ドラム軸と直交する方向の回転軸まわりに回転)するようにされている。
【0017】
そして、前記軸受け部4は、容器5の筒状フランジ部5fに軸受けベアリング6を介して前記水平パイプ3を挿通せしめることで構成されており、一方側の筒状フランジ部5fと、下方の駆動モータ8との間には、動力伝達機構10が設けられており、駆動モータ8の動力を筒状フランジ部5fに伝達できるようにされている。
【0018】
この動力伝達機構10は、駆動モータ8のモータ軸に取り付けられる駆動ギヤ11と、一方側の筒状フランジ部5fに固定される被動ギヤ12と、駆動ギヤ11及び被動ギヤ12間に掛け渡されるチェーン13を備えている。
【0019】
前記ドラム型の容器5は、ドラム軸方向の一端側に生ゴミを出し入れするための出し入れ口14を備えており、この出し入れ口14から処理前の生ゴミを投入したり、処理後の生ゴミを払い出すことができるようにされている。
【0020】
ところで、前記水平パイプ3の一端側開口部からは、温風導入機構の導入路としての小径の空気導入パイプ15が挿入され、この空気導入パイプ15の挿入先端部は、水平パイプ3を貫いて容器5内に向けて折り曲げられ、容器5内部に開口している。そして、例えばこの空気導入パイプ15の上流側に配設される不図示の送給ポンプ等を通して容器5内に温風を導入するようにしているが、本実施例では、空気を加温して温風にするためのヒータ等の加熱源16を、容器5内の空気導入パイプ15の先端部付近に設けることにより、前記軸受けベアリング6が存在する箇所に熱的負担がかからないようにしている。
なお、このような空気導入パイプ15内の空気を加温する加熱源16としては、例えば容器5内の水平パイプ3の中間部分(図の破線に示すような箇所)に配置してもよい。
なお、温風の温度としては、例えば80〜130℃程度が好適である。
【0021】
一方、水平パイプ3の他端側開口部からは、容器5内の空気を排気するための排気機構の排気路としての小径の排気パイプ17が挿入され、この排気パイプ17の挿入先端部も、水平パイプ3を貫いて容器5内に向けて折り曲げられ、容器5内部に開口している。
そして、この排気パイプ17を通して容器5内の空気を排気するが、この排気パイプ17の下流側には、脱臭器やフィルタ等(不図示)を設け、また必要に応じて吸引ポンプを設けるようにしている。
【0022】
ところで、このような容器5内に生ゴミGを収容する際、概ね容器5内の半分程度を限度とし、それ以上充填しないようにすることで、容器5の上半分程度は空気が存在する空間部にするようにしているが、状況によって投入初期の温風乾燥で生ゴミGの減容が大きい場合には、相当上部まで投入できる。
そして、この空気が存在する空間部には、容器5内の空気の一部を一時的に容器5外に出して、空気に含まれる水分を抜き出して除去した後、この空気を再び容器5内に戻す水分除去用循環機構18を設けている。
【0023】
この水分除去用循環機構18は、図1に示すように、容器5内の空気の一部を一時的に抜き出した後、抜き出した空気を再び容器5内に戻すための循環路20やファン21を備えており、この循環路20の途中には、水を排水するための排水部22を設けている。
そして、この水分除去用循環機構18は、容器5のドラム軸方向の一方側の側壁から張り出して設けており、この方向は、容器5の回転を停止させて生ゴミの表面を乾燥させる際、生ゴミGが溜まる方向とは逆の上部側で、空気が存在する側としている。
【0024】
そして、ファン20を駆動して容器5内の空気の一部を循環路20内に導くと、循環路20内で空気に含まれる水分が冷却されて水となり、この水は排水部22から排水される。この際、必要に応じて循環路20内に空気を冷却するための冷却機構や、水分を除去する水分除去フィルタ等を設けてもよい。
また、このような水分除去用循環機構18は、乾燥時に容器内に空気が存在する側の容器5の側壁に複数個所設けるようにしてもよく、また、循環路20と容器5内部との境界部に、異物の侵入を防止するメッシュ部材等を設けてもよい。
【0025】
以上のような生ゴミ乾燥装置1による乾燥方法について説明する。
出し入れ口14から容器5内に生ゴミGを投入する。この際、生ゴミGの量は、容器5内の半分程度とし、少なくとも、水分除去用循環機構18の循環路20には届かないような量にする。
【0026】
出し入れ口14からの生ゴミGの投入が完了すると、出し入れ口14の蓋を閉め、空気導入パイプ15から容器5内に空気を導入するとともに、加熱源16を作動させることにより、空気を100〜150℃程度に加熱する。
また、これと同時に水分除去用循環機構18のファン21を駆動して、容器5内の空気を循環路20を通して循環させる。
すると、容器5内に導入された温風によって、表面に露出する生ゴミの水分が蒸発し、容器5内の湿度があがるが、この湿度の高い空気の一部は水分除去用循環機構18を循環することで、水分を除去される。
【0027】
一方、容器5内の空気の一部は、排気パイプ17からも排気され、脱臭器等を通して外部に放出されているが、そのときの最終排出空気量は少なく、脱臭器等の小型化が図れる。
【0028】
そして、ある程度時間が経過して、表面に露出する生ゴミGの表面が乾燥すると、水分除去用循環機構18の駆動を停止させ、容器5を回転させることで新たに水分を含む生ゴミGを表面に露出させた後、再び水分除去用循環機構18が上方になる姿勢(空気が存在する状態)で容器5の回転を停止させる。
因みに、この回転は、通常2〜5回転程度である。また、容器5を回転させている間における空気導入パイプ15からの温風の供給や、排気パイプ17からの排気は自由であり、継続していても停止していてもよい。
【0029】
容器5の回転が停止すると、再び水分除去用循環機構18を駆動し、容器5内の空気を循環させて水分を取り除く。この際、容器5の回転を停止させて生ゴミGの表面を乾燥させる時間は、容器5の大きさとか、生ゴミの種類等によって異なるが、一般的に5〜25分程度である。
そして、表面に露出する生ゴミGが乾燥すると、上記のような手順を繰り返すことで、生ゴミGが団子状になるのを防止できるとともに、効率よく乾燥させることができる。
なお、容器5が回転中に水分除去用循環機構18の駆動を停止する理由は、循環路20内に生ゴミG等が吸い込まれるのを防止するためである。
【0030】
以上のような要領により、容器5を間歇回転させることにより、水分を含む生ゴミGを表面に露出させ、表面に露出した生ゴミGを順次乾燥させるような方式を採用することで、生ゴミGが団子状になるのを防ぐことができ、より効率的にかつ短時間に乾燥させることができる。
そして、容器5内の生ゴミGの乾燥が完了すると、容器5を回転させて出し入れ口14を下向きにし、蓋を開けて払い出す。
【0031】
ところで、以上の実施例では、容器5を縦回転式のものとしているが、横回転式のものでもよい。また、このような生ゴミ処理装置1は、特に大量の生ゴミGを処理する装置に適しているが、例えば家庭等で発生する少量の生ゴミ処理に適用することも可能である。
なお、生ゴミ処理の場合、必要に応じて容器5内に生ゴミ処理用の微生物を投入してもよい。微生物を投入することにより生ゴミの乾燥と生ゴミ処理を効率的に行うことができる。
【0032】
次に、本発明に係る乾燥装置の第2実施例について、図3に基づき説明する。
この実施例は、容器5内の所定箇所に攪拌ばねを設け、容器5の姿勢が特定の姿勢になったとき、攪拌ばねで被処理物を攪拌するようにした構成例であり、上記例と同様に、被処理物として生ゴミGを例にとり、また、図面においては、前記例と同様な箇所に同一の番号を付している。
【0033】
この構成例では、生ゴミGを出し入れする半円形状の出し入れ口14を、半円形状の固定蓋5hに対してヒンジh止めして開閉自在にし、固定蓋5hの裏側の容器5内に攪拌ばね23を設けるとともに、この攪拌ばね23を回転させる駆動モータや制御機構等の駆動源24を容器5の外部に設けている。
【0034】
そして、本実施例の場合、駆動源24の制御機構として、攪拌ばね23を所定のタイミングで正逆回転させることができるようにされている。
【0035】
そして、このような乾燥装置において、図3に示す容器5の姿勢から180度回転して攪拌ばね23が下方に位置する姿勢になったとき、駆動源24によって攪拌ばね23を回転させれば、生ゴミGが攪拌されて団子状に固まるのを防止することができる。そして、所定のタイミングで攪拌ばね23の回転方向を切り換えて正逆回転させれば、団子状に固まるのを一層効果的に防止できる。
【0036】
この際、攪拌ばね23の位置は容器5内の一方側に偏った位置にあるが、容器5を縦回転させる際に生ゴミGの位置が変化するため、攪拌効果は生ゴミG全体に均一に作用する。
【0037】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、容器5の回転軸となる水平パイプ3を容器5の中央部分に貫通させているが、このような構成は例示であり、また、被処理物は生ゴミGに限定されるものではなく、例えば、乾燥食品等を乾燥する場合などにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
被処理物を早期に乾燥させることができるため、特に食堂やレストラン等から大量に排出される調理屑や生ゴミや家庭用の厨房から出される少量の生ゴミ処理などのほか、乾燥食品等を乾燥させるときにも適用でき便利である。
【符号の説明】
【0039】
1…生ゴミ乾燥装置、5…容器、15…空気導入パイプ、16…加熱源、17…排気パイプ、18…水分除去用循環機構、23…攪拌ばね、G…生ゴミ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を乾燥させる乾燥方法であって、被処理物を回転可能な容器内に収容する収容工程と、容器の回転軸部分に設けられる導入路を通して所定温度に加温した温風を容器内に導入することで容器内に蒸気を発生させ、この蒸気が含まれる空気を容器の回転軸部分に設けられる排気路から容器外に排気する乾燥工程を備え、この乾燥工程では、容器の回転を停止させた状態で容器内に温風を導入することで表面に露出する被処理物を乾燥させる第1工程と、その後容器を回転させることで新たな水分を含んだ被処理物を表面に露出させる第2工程と、水分を含んだ被処理物が表面に露出した時点で容器の回転を停止させて表面に露出する被処理物を乾燥させる第3工程とを繰り返すようにしたことを特徴とする被処理物の乾燥方法。
【請求項2】
前記乾燥工程において、所定のタイミングで、容器内の空気の一部を抜き出して空気中に含まれる水分や臭気を除去した後、水分や臭気が除去された空気を再び容器内に戻す循環工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の被処理物の乾燥方法。
【請求項3】
前記容器内に所定温度に加温した温風を導入する際、空気を加温するための加熱源を容器内に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被処理物の乾燥方法。
【請求項4】
前記乾燥工程において、容器の姿勢が特定の姿勢になったとき、容器内に設けられる攪拌ばねによって被処理物を攪拌する工程が行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の被処理物の乾燥方法。
【請求項5】
被処理物を乾燥させる乾燥装置であって、被処理物を収容することのできる回転可能な容器と、この容器内に所定温度に加温した温風を導入することができる温風導入機構と、容器内から蒸気が含まれる空気を排気することのできる排気機構と、容器内の空気の一部を抜き出して空気中に含まれる水分を容器外に放出させた後、水分が放出された空気を再び容器内に戻すことのできる水分除去用循環機構を備えたことを特徴とする乾燥装置。
【請求項6】
前記容器内の一部に、被処理物を攪拌するための攪拌ばねを設けたことを特徴とする請求項5に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−185587(P2011−185587A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169122(P2010−169122)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(390029506)
【Fターム(参考)】