被加工物の電気処理用のコンタクト・アセンブリ、および被加工物の電気処理のためのコンタクト・アセンブリを備える装置
被加工物の電気処理のためのコンタクト・アセンブリおよびコンタクト・アセンブリを備える装置が、本明細書において開示される。コンタクト・アセンブリは、支持部材および支持部材に組み合わせられたコンタクト部材を含んでいる。支持部材が、被加工物を受け入れるように構成された開口を定める内壁を備えている。コンタクト部材が、支持部材に接続される取り付け部、および取り付け部から突き出している複数のコンタクトを備えている。個々のコンタクトが、被加工物の心出しのために内向きかつ下方に突き出している片持ちセグメント、および心出しされた被加工物との電気的接触をもたらすために内向きかつ上方に突き出している先端セグメントを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、被加工物の電気処理のために微細造作の被加工物に電位をもたらすためのコンタクト・アセンブリ(contact assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン・ウエハなどのミクロ電子工学/微細造作の被加工物の電気処理(すなわち、電気めっきまたは電解研磨/エッチング)は、典型的には、被加工物のデバイス側の導電性表面を電解液に浸して、沈められている電極と被加工物の周縁部分において導電性表面に押し当てられる複数の電気コンタクトとの間に、電流の経路を確立させることを必要とする。結果として、沈められている電極と導電性表面との間で電解液を介して電流の経路が延びるよう、被加工物の電気コンタクトと沈められている電極との間に電位差を加えることによって、選択された種が電解液から被加工物に堆積させられ(電気めっき)、あるいは被加工物から取り去られる(電解研磨/エッチング)。
【0003】
今日では、シリコン・ウエハなどの被加工物の表面での半導体デバイスの製造は、被加工物のデバイス面に銅を堆積させて、相互接続の銅配線またはビア(via)を形成し、あるいは被加工物の選択された部位から銅を除去して、相互接続の銅配線またはビアを独立させることを含んでいる。他の微細造作のデバイスが、銅、その他の金属、および他の非金属材料を同様の様相で堆積させ、しかしながら相互接続の配線またはビアの形成を行わずに被加工物の表面に製造される。製造の過程において、配線、ビア、および他の形成物からなる多数のこのような層を、電気めっきすることができ、あるいはこのような層に電解研磨/エッチングを加えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被加工物の直径が大きくなり(今日では、典型的には200mm〜300mmである)、デバイスのサイズが縮小され、さらには配線およびビアの寸法がより厳しくなるにつれて、被加工物のデバイス面の周縁部分に電気的接触をもたらす電気コンタクト・システムは、厳しさを増す仕様を満足しなければならない。とくには、めっき膜の一様性についての仕様が、ますます厳しくなってきている。また、ウエハとの電気的接触を形成するために利用できるウエハの周縁部分の表面積が、ますます小さくなってきている。これら2つは、とくには、被加工物の周縁部分を巡ってより多数の電気接触点を使用すること、および接触点を被加工物の縁により近く位置させることを必要とする。シリコン・ウエハなどといった被加工物の厚さまたは直径は、(たとえ公称では同じであったとしても)同一ではないため、製造されるデバイスによって占められていない外周の狭い帯の範囲において被加工物の周辺部分に接触する電気コンタクト・システムを用意することは、ますます難しくなっている。
【0005】
狭い外周の帯において電気的接触を形成するために、コンタクト素子が電気処理のサイクルの際に電解液に曝されることが一般的である。このような「湿式コンタクト」素子が使用される場合、ますます多数の接触点が設けられるにつれて、それぞれの接触点において電気的接触を形成しているコンタクト素子の多くが、電気めっきの際に被加工物用の導電性表面にますます張り付く傾向となる。この傾向は、電気めっきの後のコンタクト・システムからの被加工物の取り外しを難しいものにする。これにより、電気めっきの完了後に被加工物をコンタクト素子から取り外すための何らかの手段が必要になる。
【0006】
シリコン・ウエハなどの被加工物の場合には、被加工物の外縁が丸められ、あるいは面取りされており、電気的接触の形成のために許される帯が、外縁のすぐ半径方向内側に位置している。被加工物の表面の外周の帯の寸法についての仕様が縮小されるにつれて、それぞれの接触点において電気的接触を形成するコンタクト素子が、(a)過剰に半径方向内側で接触を形成して、デバイスのために予定されている被加工物の領域を侵してしまい、あるいは(b)過剰に半径方向外側で接触を形成して、完全に被加工物から外れ、あるいは縁において接触を形成してしまうことで、このような帯を外れる恐れがある。電気コンタクト・システムが配置される被加工物取り付け/保持システムは、特定の被加工物の規格の範囲内でさまざまであるサイズの被加工物を収容しなければならないため、被加工物を巡るすべての点において電気的接触を形成することが、難しくなっている。これは、それぞれの被加工物を電気コンタクト・システムのコンタクト素子に対して中心合わせするための何らかの手段を必要とする。
【0007】
従来からの電気処理システムは、被加工物を電解液の中で回転させる。結果として、「湿式コンタクト」素子を備える電気コンタクト・システムは、被加工物および「湿式コンタクト」素子が電気処理の最中に電解液中で回転するときに、流れの攪乱および流体乱流を生じさせる。電気処理される被加工物表面に隣接する電解液の流体乱流は、電気めっきに悪影響を及ぼす気泡および速度境界層の中断を生じさせる可能性がある。
(概要)
【0008】
本発明は、外周の狭い帯の範囲において被加工物に多数の電気的接触をもたらすように設計された電気コンタクト・システムを備えている被加工物取り付け/保持システムを提供する。この電気コンタクト・システムは、被加工物を電気コンタクトに対して正確に整列させて心出しする。この電気コンタクト・システムは、電気めっきの後に電気コンタクト素子と被加工物との間に形成されがちである機械的な結合を分離させるための排出力をもたらす電気コンタクト素子を提供できる。この電気コンタクト・システムは、そのような機械的な結合を分離させるための排出力をもたらすさらなる手段を、電気コンタクト素子によってもたらされる力の補助として提供することができる。電気コンタクト素子は、被加工物の周辺部分を巡って細い帯を占めるにすぎず、わずかな距離しか電解液に突き出さず、流体乱流を少なくする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
電気コンタクト・システムは、複数の電気コンタクト素子を備えており、そのそれぞれが、コンタクト取り付けセグメントから突き出す片持ちセグメントを有しており、コンタクト先端セグメントを終端としている。被加工物が電気めっきのために被加工物取り付け/保持システムに挿入されるとき、被加工物の縁が、それぞれのコンタクト素子の片持ちセグメントに当接するように押され、このセグメントに沿ってスライドする。コンタクト素子は、被加工物を片持ちセグメントに沿って動かすように加えられる力によって、このセグメントが撓まされて変形下におかれ、結果として被加工物が、電気処理のためにコンタクト・システムに配置されるときにコンタクト・システムに対して心出しおよび整列させられる傾向となるように向けられている。
【0010】
コンタクト素子の先端セグメントは、片持ちセグメントの端部に位置しており、被加工物がコンタクト・システムにおいて電気処理のための最終位置に押されるときに先端セグメントの外側の点に係合するように向けられている。被加工物が最終位置に達するときに、先端セグメントの外側の点が、短い距離にわたって被加工物を横切って引きずられ、変形下におかれるように撓まされる。結果として、電気処理の後に被加工物が挿入力から解放されたとき、撓んでいる先端セグメントが、先端の外側の点と被加工物との間に形成された機械的結合を破るよう、それぞれコンタクト素子の片持ちセグメントとの接合部を中心として枢動して未変形の状態に復帰する。片持ちセグメントおよび先端セグメントの相対的な構成は、ひとたび被加工物への挿入力が取り除かれて、機械的な結合が破られたときに、片持ちセグメントが変形前の状態に復帰し、被加工物を押し戻してコンタクト・システムに進入した位置に滑らせるような構成である。コンタクト素子の先端セグメントは短く、流体外乱を少なくするために電解液への突き出しが短い距離だけであるように構成されている。
【0011】
電気コンタクト・システムは、取り付けリングの形態に構成された電気コンタクト素子のための支持部材を備えており、1つ以上の電気取り付け部材が取り付けリングに固定される。取り付け部材は、導電性材料の帯を形成しているコンタクトの取り付けセグメントであり、ここから個々のコンタクト素子の片持ちセグメントが突き出している。2つ以上の取り付け部材が設けられる場合には、取り付けセグメントを、取り付けリングに固定されるときに、連続的な導電リングをもたらすように、端部‐端部で互いに当接させることができる。あるいは、取り付けセグメントを、隣の取り付けセグメントから電気的に絶縁でき、しかしながらやはり端部‐端部のやり方で取り付けリングに固定することができる。
【0012】
取り付け部材は、複数のコンタクト素子の片持ちセグメントおよびそれぞれの片持ちセグメントに組み合わせられた先端セグメントを取り付けセグメントと一体に形成しつつ、薄い導電性材料のシートから製造可能である。取り付け部材をコンタクト部材の片持ちセグメントおよび先端セグメントが一体に形成されてなるコンタクトの取り付けセグメントに形成した後、片持ちセグメントおよび先端セグメントを、それらの設計された構成に形成することができる。先端セグメントを、片持ちセグメントからほぼ90度の角度で延びるように形成することができる。次いで、片持ちセグメントを、取り付けセグメントから鈍角で延びるように形成することができる。
【0013】
被加工物取り付け/保持システムは、被加工物を電気コンタクト・システム内の処理位置に移動させ、電気処理の間その位置に保持するように設計された被加工物裏打ち部材を備えている。被加工物の処理が完了したとき、裏打ち部材が、被加工物を取り付け/保持システムから取り外すことができるように引き込まれる。被加工物裏打ち部材に、裏打ち部材が引き込まれるときに被加工物を裏打ち部材に保持するために、被加工物の処理の完了時に動作させることができる真空システムを備えることができる。この真空システムの適用は、電気コンタクトの先端セグメントと被加工物との間に形成された機械的な結合を破るべく被加工物を移動させるうえで役に立つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(詳細な説明)
以下の説明は、微細造作の被加工物を処理するためのコンタクト・アセンブリ、電気化学処理リアクタ、および一体化されたツールについて、いくつかの実施の形態の詳細および特徴を開示する。用語「微細造作の被加工物」または「被加工物」は、表面および/または内部にマイクロデバイスが形成される基板を指す。典型的なマイクロデバイスとして、マイクロ電子回路またはマイクロ電子部品、薄膜記録ヘッド、データ記憶素子、マイクロ流体デバイス、および他の製品が挙げられる。マイクロマシンまたはマイクロ機械装置も、集積回路とほとんど同じやり方にて製造されるため、この定義に含まれる。基板は、半導体片(例えば、シリコン・ウエハまたはガリウムヒ素ウエハ)、非導電体片(例えば、種々のセラミック基板)、または導電体片(例えば、ドープされたウエハ)であってよい。また、電気化学的な処理または堆積という用語は、電気めっき、電気エッチング、陽極酸化処理、および/または無電解めっきを含む。以下に記載される詳細のそれぞれが、以下の実施の形態を、それら実施の形態を当業者にとって実施および使用可能にするために充分な様相で説明するために提示されていることを、理解できるであろう。しかしながら、後述される詳細および利点のそれぞれは、本発明の或る特定の実施の形態を実行するためには必要でないかもしれない。また、本発明は、特許請求の範囲の技術的範囲に包含されるが、図1〜10に関して詳しく説明されることはない更なる実施の形態を含むことができる。
【0015】
図1、2A、および2Bに概略的に示されている電気コンタクト・システム100は、それぞれが片持ちセグメント142、先端セグメント144、および取り付けセグメント130を有している複数の電気コンタクト素子140と、これらのコンタクト素子140が取り付けられる支持部材110とを備えている。本明細書において後述されるとおり、いくつかのコンタクト素子140を、取り付けセグメント130が別個独立しておらず、複数のコンタクト素子140を突き出させてなる材料の連続的な帯を構成している一体構造として製造することが可能である。支持部材110の取り付け面132は、支持部材110が電源に接続されたときにコンタクト素子140が導電性となるよう、導電性であってよい。図1に示されているように、電気コンタクト・システム100は、支持部材110を回転子構造に接続する接続部材22によるめっき用の回転子20への接続に適している。さらに、接続部材22は、めっき用の回転子を通じて支持部材110に電力をもたらすことができる。また、接続部材22は、コンタクト・システム100について、めっき用の回転子への好都合な取り付けおよび取り外しを提供することができる。
【0016】
支持部材110を、連続的なリングとして設けることができ、あるいはリング状に配置される一連のセグメントとして設けることができ、図1、5、および6Aは、支持部材を、円形の被加工物における使用に適していると考えられる連続的な環状リングとして示している。個々のコンタクト素子140は、図3および4Aに見られるとおり、それらの片持ちセグメント142が支持部材のリングによって定められる支持部材のリングの内側の空間111に突き出すように、支持部材110を巡って配置される。図1、2A、および2Bに示されているように、被加工物の処理対象の面を下方に向けつつ、コンタクト・システム100を処理位置にある被加工物に接触する姿勢に向けたとき、片持ちセグメント142が、内向きかつ下向きに突き出し、先端セグメント144が、内向きかつ上向きに突き出す。
【0017】
めっき用の回転子20は、図1に見られるように、図1の経路「T」に沿って支持部材110に対して延伸および引き込みする被加工物裏打ち部材60を備えている。引き込まれたとき、裏打ち部材60は、支持部材110によって定められる空間111内から取り除かれ、被加工物を空間111に挿入でき、あるいは空間111から取り去ることができる。裏打ち部材60を、被加工物を空間111内の所定の位置に置いた状態で延伸させると、裏打ち部材が被加工物101の背面に接触し、被加工物を図1および2Aに描かれている処理位置に押す。裏打ち部材60が被加工物101を処理位置に押した結果として、被加工物の縁が、電気コンタクト140の片持ちセグメント142に接触し、片持ちセグメントを、図2Bに示されている状態から図2Aに示されている状態に曲げる。さらに、被加工物が図2Aに示されている処理位置に押されるとき、電気コンタクト140の先端セグメント144が、被加工物101の処理対象の表面に接触し、この表面との電気的接触を形成する。
【0018】
被加工物101の図2Aに示した処理位置への移動の経過において、被加工物101の軸が空間111において中心に位置していない場合、片持ちセグメント142に加わる曲げ力が、コンタクト・システム100の一方の側と他方の側とで等しくなくなり、結果として、より大きな負担が加わる片持ちセグメント142が被加工物101を押して、軸が中心に位置するように移動させる。さらに、被加工物101が図2Aに示した処理位置に動かされ、先端セグメント144の外側端との物理的接触が生じるとき、被加工物の片持ちセグメント142との接触は終わり、結果として被加工物101との電気的接触は、先端セグメント144の外側端における接触だけになる。これが、本明細書において図3および4を参照してさらに詳しく後述される。
【0019】
図3A〜3Cは、個々のコンタクト140を、被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されるときの種々の段階について示している。図3A〜3Cに示した向きを参照すると、裏打ち部材60(図1)が被加工物101を方向P1に上方に押すとき、被加工物101の縁102が、個々のコンタクト140の片持ちセグメント142に接触してスライドする。被加工物101の縁102によって片持ちセグメント142に加えられる力によって、片持ちセグメント142が曲げられ、方向S1にそらされる。被加工物101が開口111において中心から外れており、したがってコンタクト・アセンブリ100の一方の側において他方の側よりもコンタクト140の片持ちセグメントがより大きく曲げられる場合、より大きな変形を受ける片持ちセグメント142が、被加工物101を方向Yに動かして、被加工物101を中心に整列させる。コンタクト・システム100の設計ゆえ、先端セグメント144は、被加工物101にわずかな距離だけしか延びておらず、したがって、すべての先端セグメントの接触が適切に被加工物101を巡ってなされるように保証するために、被加工物101が開口111において正確に心出しされることが重要である。半導体ウエハなど、およびその他の被加工物は、公差の限界の範囲内で製造され、一様にまったく同じ直径であるわけではない。したがって、開口111は、小さな寸法のばらつきを有する被加工物を、処理のために挿入できるような寸法でなければならない。しかしながら、本発明のコンタクト・システム100によれば、片持ちセグメント142の構成ゆえに、所与の公差の仕様の範囲内でさまざまな寸法である被加工物を、適正に配置することができる。これらの片持ちセグメント142は、開口111において被加工物101の軸の整列が生じ得る長さにわたって被加工物の縁102を片持ちセグメント142に当接させるための充分な鋭角(装填の経路P1に対して)で、開口111に延びている。適切な鋭角は、図3Aに示されているように被加工物との最初の接触の点において約60度を超えず、あるいは図4Cに示されているように最終的なたわみの点において約30度を過ぎないよう、装填の経路P1に対して30度〜60度であり、荷重が加わっていないときの好ましい鋭角は約45度である。
【0020】
片持ちセグメント142に蓄積されるばね力は、図3Cに見られるように、被加工物101が先端セグメント144に接する点で最大となる。この状態が、図4Aに拡大されて詳しく示されている。被加工物/コンタクトの状況が片持ちセグメント142のみとの接触から先端セグメント144のみとの接触に移行する直前まで、片持ちセグメント142に蓄積されるばね力が、被加工物101の心出しを生じさせる。被加工物101がさらに方向P1に移動すると、片持ちセグメント142が曲がり続けて方向S1に反り、被加工物101の縁102がコンタクト140の片持ちセグメント142から離れる。
【0021】
被加工物101が図4Aに示した位置から図4Cに示した位置に進み続けるにつれ、コンタクト140の過渡セグメント(湾曲143)が広がり、先端セグメント144が、先端セグメント144と片持ちセグメント142との間の角度βが約90度から鈍角に増加するように方向S2に枢動する。被加工物101が図4Cに示した位置に移動するとき、片持ちセグメント142は、固定点138を中心としてたわみ続ける。結果として、個々のコンタクト140の先端セグメントの縁145が、被加工物101の表面を横方向に滑って、被加工物101の表面に存在しうる酸化物を好都合に除去し、先端セグメントの縁145が図4Cに示したとおりの最終位置に達したときに、被加工物の表面との良好な電気的接触を保証する。
【0022】
図5Aおよび5Bは、本発明によるコンタクト・アセンブリ100を形成するための方法を示している。例えば、図5Aは、第1の部位230aおよび第2の部位230bを有している導電性材料のシート228の上面図である。シート228は、第1および第2の部位230a、230bを形成すべく型押しされ、あるいは適切な技法を使用して切断されている。図示の第1および第2の部位230a、230bは、お互いの鏡像であって、それぞれ台形の部位240を含んでいる。
【0023】
図5Bは、第2の部位230bを分離した後の第1の部位230aの上面図である。次に、部位240が線A‐Aに沿って曲げられて、コンタクト140の先端セグメント144および過渡セグメント(湾曲143)が形成され、第1の部位230aが線B‐Bに沿って曲げられて、取り付け部132から鈍角で突き出すコンタクト140の片持ちセグメント142が形成される。次いで、第1の部位230aが線C‐Cに沿って曲げられ、支持部材110の取り付け面132の構成におおむね一致するように取り付けセグメント130の輪郭が作られる。
【0024】
このようにして形成されたシートの部位230aおよび230bを、スポット溶接、ねじ、または他の技法によって支持部材110に固定することができる。図5Aおよび5Bに示されているように、このようにして形成された部位の端部同士を整列させて、支持部材110に溶接またはネジ止めできるよう、取り付け穴239が部位230aおよび230bに設けられ、半分の穴241が部位230aおよび230bの両端に設けられている。このようにして形成されたシートの部位のこの端部‐端部の取り付けが、図7Bに示されている。
【0025】
コンタクト・アセンブリの動作および特徴は、それらを被加工物の電気処理(例えば、電気めっきおよび/または電解研磨/電気エッチング)に使用することができる環境および設備に照らして最もよく理解される。したがって、以下の説明は、以下の各セクション、すなわち(A)コンタクト・アセンブリを有するリアクタ・ヘッド、(B)コンタクト・アセンブリを有する電気化学処理ステーション、および(C)一体化されたツールおよび電気処理リアクタに分割される。
【0026】
A.コンタクト・アセンブリを有するリアクタ・ヘッド
図1は、被加工物101に電位を与えるための本発明による電気処理システム10の概略の側面断面図である。電気処理システム10は、被加工物101を保持するためのヘッド・アセンブリ20と、処理用の流体を収容するための反応容器90とを備えている。ヘッド・アセンブリ20は、被加工物101を方向Rに回転させるための駆動部材30と、被加工物101をヘッド・アセンブリ20内に配置するための裏打ち部材60と、被加工物101に電位を加えるためのコンタクト・アセンブリ100とを備えている。電気処理の際に、裏打ち部材60およびコンタクト・アセンブリ100が、被加工物101を反応容器90内の被加工物処理位置に、少なくとも被加工物101の処理面が処理用の流体に係わるように保持する。
【0027】
図2Aは、被加工物101を処理位置に装填した状態におけるコンタクト・アセンブリ100の一部分の側面断面図であり、図2Bは、被加工物が装填されていない状態におけるコンタクト・アセンブリ100の当該部位の側面断面図である。図8に示されているように、コンタクト・アセンブリを図1に示されている「下向き」の位置から図8に示されている「上向き」の位置に回転させることができるよう、ヘッド・アセンブリを、水平な軸を中心として枢動するように取り付けてもよい。図8の実施の形態においては、コンタクト・アセンブリが図示の「上向き」位置にあり、かつ裏打ち部材が引き込まれているとき、処理対象面を有している被加工物101を、その面を「上向き」にした状態でコンタクト・アセンブリに装填することができる。被加工物が装填され、裏打ち部材が被加工物を図1および2Aに示したヘッド・アセンブリ内の安定状態に位置させるように延ばされた後で、ヘッド・アセンブリを図1に示した「下向き」位置に枢動させて、処理のために反応容器90に下降させることができる。図6は、図8に示した「上向き」位置に反転させたコンタクト・アセンブリ100の等角投影図である。
【0028】
すでに述べたように、図2A、2B、および7を参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、支持部材110および複数のコンタクト140を備えている。個々のコンタクト140は、装填経路P(図7)に対して傾けられた角度にある第1の方向におおむね内側に突き出している片持ちセグメント142と、片持ちセグメント142から装填経路Pに対する第2の方向におおむね内側に突き出している先端セグメント144とを有している。図7Bに示されているように、「第1の方向」は下向きであり、「第2の方向」は上向きである。しかしながら、ヘッド・アセンブリが図示の「上向き」位置に反転させられているときに被加工物がヘッド・アセンブリに装填される図8の実施の形態によれば、「第1の方向」が上向きであり、「第2の方向」が下向きである。
【0029】
コンタクト140は柔軟であり、(a)被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に完全に装填されたときの撓んだ第1の位置(図2Aに示されている)と、(b)被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されていないときの第2の位置(図2Bに示されている)との間を移動する。コンタクト140の可撓性および個々のコンタクト140の片持ちセグメント142の向きゆえ、被加工物101の正確な心出しが可能である。具体的には、被加工物101の軸が、コンタクト・アセンブリ100において中心に位置しないことが通常である。被加工物の直径が(たとえ指定の公差の限界内にあるにせよ)均一ではなく、かつ開口111が妥当な範囲の被加工物の直径を受け入れるために充分に大きくなくてはならないため、被加工物101は、多くの場合、「中心がずれた状態」でコンタクト140の片持ちセグメント142に接触する。柔軟であるほかに、片持ちセグメント142は、上述のように被加工物101を軸が中心に位置するように押すために充分に剛でなければならない。被加工物101が装填経路Pに沿って先端セグメント144に向かって移動するときに、中心ずれした被加工物101ゆえにより大きな変形にさらされるコンタクト140の片持ちセグメント142が、コンタクト・アセンブリ100の反対側のコンタクト140に向かって被加工物101を押す。このようにして、コンタクト140によって被加工物101が中心に配置される。被加工物をコンタクト・アセンブリ100において中心に整列させることで、コンタクト140の先端セグメント144が、常に外周からのわずかな距離の範囲内で被加工物に接触するように位置する。これにより、個々のコンタクト140の先端セグメント144によって占められる領域を、被加工物101の外周のわずかな領域のみとすることができる。半導体ウエハなどの被加工物は、被加工物の「デバイス側(被加工物において処理が典型的に行われる面)」の外周に「除外ゾーン」を有している。コンタクト140は、狭い除外ゾーンにおいて被加工物の処理面との確実な電気的接触をもたらすことで、被加工物において外周の除外ゾーンの半径方向内側の使用可能表面を増加させる。
【0030】
個々のコンタクト140の過渡セグメント(湾曲143)も、やはり柔軟であり、結果として、被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されるにつれて先端セグメント144が枢動する(図2A)。これにより、過渡セグメント143および先端セグメント144に変形が生じる。電気めっきのプロセスにおいて、電気めっきされた金属が、先端の縁145の周囲において被加工物101の表面に溜まる傾向にあり、先端の縁145を被加工物101に貼り付けようとする傾向にある。先端セグメント144は、片持ちセグメント142よりもはるかに短く、したがってはるかに剛であるため、裏打ち60が引き込まれるとき、過渡セグメント143および先端セグメント144に生じていた変形が、先端の縁145を被加工物101への付着から開放して、先端セグメント144を未変形の状態に復帰させる。個々のコンタクト140の撓みによって生じた変形が、処理後に被加工物101を取り外すときに、被加工物101とコンタクト140との間の機械的な結合を破るための排出力を生みだす。排出力は、コンタクト140が撓む前の当初の状態に跳ね戻るときに生み出される。この特徴は、コンタクト140を傷めることなく、被加工物101の個々のコンタクト140の先端セグメント144からの分離を容易にする。
【0031】
図1および2Aを参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、電気処理の最中にコンタクト140の一部分が処理用の流体に突出しているという意味で、「湿式コンタクト」アセンブリである。具体的には、被加工物101を電解液に接触させる処理位置において、被加工物101が下向きにて処理用の流体に途中まで沈められ、コンタクト140の先端セグメント144が、被加工物101の下方において処理用の流体に浸される。このように沈められた先端セグメント144、過渡セグメント143、および片持ちセグメント142の一部分の直近におけるめっきプロセスへの負の影響を最小限にするために、片持ちセグメント142が、小さな平面形状を有するように形成される。これは、図5Aおよび5Bに示されているように、片持ちセグメント142を、付け根(線B‐Bに示されている)においてより幅広く、先端(線A‐Aに示されている)においてより狭い台形形状を備えて形成することによって達成できる。
【0032】
コンタクト140を、個々のコンタクト140において沈められた部位が被加工物101の外周の付近の処理用流体から金属を奪い取るように、絶縁材料で被覆しなくてもよい。この特徴の利点は、奪い取りによって被加工物101の外周においてめっき層の厚さが小さくなり、材料が被加工物101の全体にわたってより一様にめっきされる点にある。この特徴は、エッジ効果を補償すべく被加工物の外周においてめっき層の厚さを小さくすることが望ましい用途に、とくに有用である。
【0033】
図2Aおよび2Bを参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、さらに絶縁スプラッシュガード160を支持部材110に取り付けて備えている。絶縁スプラッシュガード160は、支持部材110からおおむねコンタクト140に平行な方向に突き出しており、コンタクト140を保護すべくコンタクト140の周囲にスカートを形成している。この保護の造作によれば、コンタクト・アセンブリを平坦な表面に、先端セグメント144をそのような平坦面から持ち上げて離しつつ載せて保管、輸送、または配置することができる。絶縁スプラッシュガード160は、すすぎのサイクルの後にすすぎ水をその場に集めるうえでも役に立つ。
【0034】
コンタクト・アセンブリ100は、小さな造作を有する大きな被加工物を電気処理するためにとくに好都合である。被加工物を常に中心に位置させる点、および被加工物の取り出しを可能にする点に加えて、さらにコンタクトは、乱流を軽減するための小さな外形および電流密度の一様性を向上させる高い密度を有している。本発明によるコンタクトのいくつかの特定の特徴を、図6、7A、および7Bを参照してさらに詳しく説明する。
【0035】
図7Aは、コンタクト・アセンブリ100の下面の等角投影図であり、図7Bは、コンタクト・アセンブリ100を拡大した等角投影断面図である。図7Aおよび7Bの両者を参照すると、支持部材110は、装填経路Pに沿って被加工物101を受け入れるための開口111を有している。さらに具体的には、支持部材110が、内壁112と、内壁112の反対側の外壁114と、第1の壁116と、第1の壁116の反対側の第2の壁118とを備えている。図示の外壁114は、第2の壁118から第1の壁116に向かって延びて内向きに先細りである。さらに支持部材110は、内壁112から半径方向内側に突き出して第1の壁116の一部を定めているリム120を備えている。リム120は、開口111(図7A)が装填経路P(図7A)に沿って被加工物を受け入れるために充分な大きさであるように、寸法付けられている。支持部材110は導電性であり、外表面に白金の層をめっきしてなるチタニウムで構成されている。図示の支持部材110は、円形の被加工物に合わせて設計された連続リングであるが、何らかの種類の被加工物を収容するように配置される一連の分離した湾曲セグメントであってもよい。
【0036】
図7Bのみを参照すると、コンタクト140は、コンタクト部材130の一部分であり、コンタクト部材130は、リム120に近接する第1の縁133と、内壁112と第2の壁118との接合部に近接する第2の縁134とを備える取り付け部132を有している。図示の取り付け部132は、取り付け部132がおおむね環状となり、あるいは被加工物を収容するように他のやり方で構成されるよう、複数のおおむね平坦なセグメント136を該当の曲げ137によって隔てて備えている。取り付け部132は、支持部材110の内壁112を巡って延びる単一の連続帯であり、あるいはリング状の導体を形成すべく一体に接続されるいくつかの個々の部位である。いずれの場合も、取り付け部132の個々の部位136は、コンタクト・アセンブリ100または被加工物の位置にかかわらず、互いに電気的に連絡している。すでに述べたように、個々の部位は、端部‐端部で突き合わせられ、取り付け穴239および241を貫いて挿入されるねじまたはリベット(図示されていない)によって支持部材の内壁112に固定されている。支持部材110は、導電性の材料で製作され、あるいは導電性の材料で製作された内壁112を備えるなど、コンタクト・アセンブリに導電性の取り付けをもたらしており、あるいは他のやり方でコンタクトの取り付け部132に適切な電力の接続をもたらしている。
【0037】
コンタクト140は、取り付け部132から半径方向内向きかつおおむね下方に突き出している片持ち式のフィンガである。図7Aおよび7Bに示したコンタクト140および取り付け部132は、コンタクト部材130の一体の構成部品である。具体的には、コンタクト140および取り付け部132が、金属薄板の共通の一片からなる一体の一部分である。図示のコンタクト部材130は、コンタクト140が開口111(図7A)に突き出すよう、取り付け部132の第2の縁134に曲げ138を備えている。
【0038】
個々のコンタクト140の片持ちセグメント142は、取り付け部132から内側に、装填経路P(図7A)に対して斜めの角度にある第1の方向に突き出しており、処理位置の被加工物によって定められる被加工物の処理面に延びている。個々のコンタクト140の先端セグメント144は、装填経路Pに対して斜めの角度にある第2の方向にて内側に突き出しており、再び被加工物の処理面に向かって延びている。片持ちセグメント142の向きゆえに、被加工物が開口111(図7A)において整列させられて中心に位置し、先端セグメント144の斜めの向きゆえに、先端の縁145が被加工物に接触して、コンタクト・アセンブリ100の被加工物への電気的接触を保証する。これらの態様は、図3A〜4Cに関連してさらに詳しく説明済みである。
【0039】
図示のコンタクト140においては、片持ちセグメント142の長さが、先端セグメント144の長さよりも大きく、したがって個々のコンタクト140の先端の縁145が、支持部材110の第2の壁118よりも下方に位置している。この特徴の利点は、コンタクト140が少なくとも部分的に処理用の流体に沈められて、被加工物と接触する一方で、支持部材110が処理用の流体の上方に位置する点にある。これにより、支持部材110の外表面に、材料が支持部材にめっきされることがないようにするための絶縁層が不要であり、さらには、支持部材110が、処理面に沿った処理用流体の流れを妨げることがない。
【0040】
図示の個々のコンタクト140は、先細りであって、取り付け部132と片持ちセグメント142との間の接合部において第1の幅W1を有し、片持ちセグメント142と先端セグメント144との間の接合部において第2の幅W2を有している。したがって、隣り合うコンタクト140の先端セグメント144の間の距離は、隣り合うコンタクト140の片持ちセグメント142の間の距離よりも大きい。また、上述のように、コンタクト140は、薄くて柔軟な部材である。例えば、図示のコンタクト140およびコンタクト部材130は、約0.05mm〜約1.25mmの厚さを有している。薄くて柔軟ではあるけれども、コンタクト140は、被加工物を装填することによってもたらされる変形によって、裏打ち部材60が引き込まれるときに被加工物とコンタクト140との間の機械的な結合を破るための排出力が生み出されるように充分に剛である。この特徴は、コンタクト140を傷めることなく被加工物のコンタクト140からの分離を容易にする。
【0041】
コンタクト140は、特定の電気処理用流体において不活性である導電性材料で構成することができる。適切な導電性材料として、白金/イリジウム合金、白金、ステンレス鋼、タングステン、および/またはモリブデンが挙げられる。例えば、コンタクト140を、約5〜30%のイリジウム、とくには約20%のイリジウムを有する白金/イリジウム合金で構成できる。図示のコンタクト140は、導電性材料上に絶縁コーティングを備えていない。したがって、コンタクト140が、被加工物の外周の付近の処理用流体から材料を奪い取る。この特徴は、エッジ効果を補償すべく被加工物の外周においてめっき層の厚さを小さくすることが望まれる用途において、とくに有用である。
【0042】
図1〜7に示したコンタクト・アセンブリ100の1つの特徴は、コンタクト140の柔軟な性状ゆえ、先端セグメント144を被加工物101の地形学的表面をごくわずかに超えて突き出させ、コンタクト140と被加工物101との間の電気的接続を改善できる点にある。さらに、多数の個々のコンタクト140が、被加工物101の周囲を巡って電位の一様性を改善する。したがって、このコンタクト・アセンブリ100によれば、被加工物101上の種々の地形学的造作にあわせて構成できる多数のコンタクト140を設けることによって、めっき層の均一さがさらに向上するものと予想される。
【0043】
再び図2A、2B、および7Bを参照すると、図示のコンタクト・アセンブリ100は、支持部材110を貫いて延びる複数の排水溝122をさらに備えている。排水溝122は、第1の壁116に位置する第1の端部124と、第2の壁118に位置する第2の端部126とを備えている。排水溝122は、コンタクト・アセンブリ100が回転しているときに、めっき工程またはすすぎ工程からの液体が出口を有し、後にコンタクト・アセンブリ100が反転させられたときに被加工物に滴下することがないように配置されている。
【0044】
絶縁スプラッシュガード160が、支持部材110の外壁114および第2の壁118に取り付けられている。絶縁スプラッシュガード160は、第1の部位162と、コンタクト140におおむね平行な方向に第1の部位162から内向きかつ下方に突き出している第2の部位164とを備えている。この第2の部位164は、第2の壁118から第1の距離D1だけ下方に突出しており、コンタクト140は、コンタクト・アセンブリ100に被加工物が装填されていないときには、第2の壁118から第2の距離D2だけ下方に突出している。第1の距離D1は、コンタクト140を保護すべくスプラッシュガード160によってコンタクト140の周囲にスカートが形成されるよう、第2の距離D2よりも大きく、あるいは第2の距離D2に等しい。また、スプラッシュガード160は、すすぎのサイクルの後にすすぎ水をその場に集めるうえでも役に立ち、すすぎのサイクルにおいてすすぎ水を飛ばすための複数の溝166を備えている。
【0045】
図6および8を参照すると、ヘッド・アセンブリ20が、被加工物を通過させて出し入れできるスロット22をさらに備えており、裏打ち部材60が、被加工物をコンタクト・アセンブリ100に押し付けるための複数のタブ62を備えている。被加工物は、アセンブリ100をコンタクト140がおおむね上方に突き出している状態に向けつつ、タブ62によって被加工物がコンタクト・アセンブリ100に上方に動かされるよう、上向きの状態でコンタクト・アセンブリ100に装填される。装填後に、被加工物101およびコンタクト・アセンブリ100が反転させられ、図1〜2Bに示されているように被加工物101が下向きになり、コンタクト140が支持部材110から下方に突き出す。
【0046】
図8が、コンタクト・アセンブリ100を使用することが可能な電気処理リアクタのリアクタ・ヘッド350を示している。リアクタ・ヘッド350は、回転子アセンブリ330および固定アセンブリ360を備えている。回転子アセンブリ330は、該当のウエハまたは被加工物101を収容して保持し、リアクタ・ボウル内に被加工物101を処理面を下に向けて配置し、被加工物101の導電面をリアクタ・アセンブリのめっき回路に接続しつつ、被加工物101を回転またはスピンさせるように構成されている。リアクタ・ヘッド350は、典型的には、リアクタ・ヘッド350を上向きの配置(めっき対象の被加工物101を受け取る)から下向きの配置(被加工物101のめっき対象面が、電気処理のためのリアクタ・ボウル内に下向きに配置される)に回転させるように構成されたリフト/回転装置370に取り付けられる。ロボットアーム390(エンド・エフェクタと称されることもある)が、被加工物101を回転子アセンブリ330上の所定の位置に配置し、めっき後の被加工物101を回転子アセンブリ330から取り出すために、典型的には使用される。
【0047】
B.コンタクト・アセンブリを有する電気化学処理ステーション
図9は、コンタクト・アセンブリ100を使用することができる他の環境を示している。図9は、ヘッド・アセンブリ450および処置チャンバ470を有している電気化学処理ステーション420の概略の側面断面図である。ヘッド・アセンブリ450は、スピン・モータ452、スピン・モータ452に接続された回転子454、および回転子454によって保持されたコンタクト・アセンブリ100を備えている。回転子454は、ベローズ456および裏打ちプレート460を有している。裏打ちプレート460が、被加工物101の背面に接する第1の位置と被加工物101の背面から離間した第2の位置との間で被加工物101に対して移動する(矢印T)。コンタクト・アセンブリ100は、複数の軸459によってヘッド・アセンブリ450に接続されている。
【0048】
処理チャンバ470が、外側のハウジング480とハウジング480内の反応容器490とを備えるリアクタを定めている。反応容器490は、複数の電極492と、電極492と被加工物101との間の処理用の流体の流れを案内するための絶縁仕切り494とを備えている。処理用の流体は、例えば、堰を超えて(矢印F)ハウジング480に流れ、ここから再利用される。代案として、反応容器490が電極を1つだけ備えてもよい。適切な処理チャンバは、参照により本明細書の一部とする米国特許出願第10/729,349号および第10/860,384号に開示されている。
【0049】
ヘッド・アセンブリ450およびコンタクト・アセンブリ100が、被加工物101を、被加工物101の少なくとも処理面が処理用の流体に触れるように反応容器490内の被加工物処理位置に保持する。コンタクト・アセンブリ100によって被加工物101の表面と電極492との間に電位を生じさせることで、流体内に電界が確立される。例えば、被加工物101に金属または他の種類の材料をめっきするために、コンタクト・アセンブリ100を電極492に対して負の電位にバイアスすることができる。あるいは、(a)コンタクト140のめっきの除去または被加工物101のめっき材料の電解研磨のため、あるいは(b)他の材料(例えば、電気泳動レジスト)を被加工物101に堆積させるために、コンタクト・アセンブリ100を電極492に対して正の電位にバイアスすることができる。このように、電気化学プロセスにおいて使用される特定の材料の種類に応じ、被加工物を陰極または陽極として機能させて、材料を被加工物に堆積させ、あるいは被加工物から除去することが一般的に可能である。
【0050】
C.一体化されたツールおよび電気処理リアクタ
図10は、電気化学処理ステーション420を有している処理装置500の等角投影図である。処理装置500の一部が、いくつかの内部部品を示すために切断図にて示されている。処理装置500は、キャビネット502を備えており、キャビネット502が、外部領域505から少なくとも部分的に絶縁された囲いを定めている内部領域504を有している。さらに、図示のキャビネット502は、内部領域504と装填/取り出しステーション510との間で被加工物101を通過させて出し入れできる複数の開口506を備えている。
【0051】
装填/取り出しステーション510は、それぞれ保護用覆い513の内部に収容された2つの容器支持部512を有している。容器支持部512は、被加工物の容器514をキャビネット502の開口506に対して位置決めするように構成されている。被加工物の容器514は、それぞれ複数の微細造作被加工物101を、クリーンルームの水準にない他の環境を通って被加工物101を運ぶための「小型」のクリーン環境に収容している。被加工物の容器514のそれぞれに、開口506を通してキャビネット502の内部領域504からアクセスすることが可能である。
【0052】
さらに処理装置500は、キャビネット502の内部領域504に、1つ以上の被加工物清浄化ステーション、および被加工物エッチング・ステーション522、ならびに電気化学処理ステーション、および搬送装置530を備えている。搬送装置530が、被加工物の容器514と処理ステーション420および522との間で微細造作被加工物101を移動させる。例えば、搬送装置530は、処理ステーション420の間を内部領域504の長さ方向に延びている直線レール532を備えている。図示の装置500は、第1の列R1‐R1に沿って配置された第1組の処理ステーション420と、第2の列R2‐R2に沿って配置された第2組の処理ステーション420とを備えている。直線レール532が、処理ステーション420の第1および第2の列R1‐R1およびR2‐R2の間を延びている。さらに搬送装置530は、レール532によって保持され、レール532に沿った任意の処理ステーション420にアクセスできるロボット・ユニット534を備えている。適切な搬送装置が、いずれも引用することにより本明細書の一部に組み込まれる米国特許第6,752,584号、第6,749,391号、第6,749,390号、第6,318,951号、および第6,322,119号に開示されている。
【0053】
以上から、本明細書において本発明の特定の実施の形態を例示を目的として説明したが、本発明の技術的思想および技術的範囲から逸脱することなくさまざまな変更が可能であることを、理解できるであろう。例えば、コンタクト部材を、図5Aおよび5Bに関して上述した方法とは異なる方法を用いて製造でき、あるいはコンタクト140が、支持部材110またはコンタクト部材130の取り付け部に直接取り付けられる別個独立のフィンガであってよい。また、上述のコンタクト・アセンブリは、さまざまな種類のリアクタにおいて使用可能である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲以外の何ものによっても限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】被加工物に電位を与えるための本発明による電気処理システムの概略の側面断面図である。
【図2A】図1の拡大詳細図であり、被加工物に接触しているコンタクト・システムの一部分を示す図である。
【図2B】被加工物は存在していないが、図2Aと同様の側面断面図である。
【図3A】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図3B】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図3C】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図4A】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図4B】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図4C】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図5A】コンタクト・アセンブリのコンタクト部材の形成のための方法を示す図である。
【図5B】コンタクト・アセンブリのコンタクト部材の形成のための方法を示す図である。
【図6】めっき用回転子に取り付けられたコンタクト・アセンブリの等角投影図である。
【図7A】コンタクト・アセンブリの底部の等角投影図である。
【図7B】コンタクト・アセンブリの一部分を拡大した等角投影断面図である。
【図8】コンタクト・アセンブリを使用することができる電気めっきリアクタのリアクタ・ヘッドの等角投影図である。
【図9】コンタクト・アセンブリを使用することができる電気化学処理ステーションの概略の側面断面図である。
【図10】コンタクト・アセンブリを使用することができる処理装置の等角投影図である。
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、被加工物の電気処理のために微細造作の被加工物に電位をもたらすためのコンタクト・アセンブリ(contact assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン・ウエハなどのミクロ電子工学/微細造作の被加工物の電気処理(すなわち、電気めっきまたは電解研磨/エッチング)は、典型的には、被加工物のデバイス側の導電性表面を電解液に浸して、沈められている電極と被加工物の周縁部分において導電性表面に押し当てられる複数の電気コンタクトとの間に、電流の経路を確立させることを必要とする。結果として、沈められている電極と導電性表面との間で電解液を介して電流の経路が延びるよう、被加工物の電気コンタクトと沈められている電極との間に電位差を加えることによって、選択された種が電解液から被加工物に堆積させられ(電気めっき)、あるいは被加工物から取り去られる(電解研磨/エッチング)。
【0003】
今日では、シリコン・ウエハなどの被加工物の表面での半導体デバイスの製造は、被加工物のデバイス面に銅を堆積させて、相互接続の銅配線またはビア(via)を形成し、あるいは被加工物の選択された部位から銅を除去して、相互接続の銅配線またはビアを独立させることを含んでいる。他の微細造作のデバイスが、銅、その他の金属、および他の非金属材料を同様の様相で堆積させ、しかしながら相互接続の配線またはビアの形成を行わずに被加工物の表面に製造される。製造の過程において、配線、ビア、および他の形成物からなる多数のこのような層を、電気めっきすることができ、あるいはこのような層に電解研磨/エッチングを加えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被加工物の直径が大きくなり(今日では、典型的には200mm〜300mmである)、デバイスのサイズが縮小され、さらには配線およびビアの寸法がより厳しくなるにつれて、被加工物のデバイス面の周縁部分に電気的接触をもたらす電気コンタクト・システムは、厳しさを増す仕様を満足しなければならない。とくには、めっき膜の一様性についての仕様が、ますます厳しくなってきている。また、ウエハとの電気的接触を形成するために利用できるウエハの周縁部分の表面積が、ますます小さくなってきている。これら2つは、とくには、被加工物の周縁部分を巡ってより多数の電気接触点を使用すること、および接触点を被加工物の縁により近く位置させることを必要とする。シリコン・ウエハなどといった被加工物の厚さまたは直径は、(たとえ公称では同じであったとしても)同一ではないため、製造されるデバイスによって占められていない外周の狭い帯の範囲において被加工物の周辺部分に接触する電気コンタクト・システムを用意することは、ますます難しくなっている。
【0005】
狭い外周の帯において電気的接触を形成するために、コンタクト素子が電気処理のサイクルの際に電解液に曝されることが一般的である。このような「湿式コンタクト」素子が使用される場合、ますます多数の接触点が設けられるにつれて、それぞれの接触点において電気的接触を形成しているコンタクト素子の多くが、電気めっきの際に被加工物用の導電性表面にますます張り付く傾向となる。この傾向は、電気めっきの後のコンタクト・システムからの被加工物の取り外しを難しいものにする。これにより、電気めっきの完了後に被加工物をコンタクト素子から取り外すための何らかの手段が必要になる。
【0006】
シリコン・ウエハなどの被加工物の場合には、被加工物の外縁が丸められ、あるいは面取りされており、電気的接触の形成のために許される帯が、外縁のすぐ半径方向内側に位置している。被加工物の表面の外周の帯の寸法についての仕様が縮小されるにつれて、それぞれの接触点において電気的接触を形成するコンタクト素子が、(a)過剰に半径方向内側で接触を形成して、デバイスのために予定されている被加工物の領域を侵してしまい、あるいは(b)過剰に半径方向外側で接触を形成して、完全に被加工物から外れ、あるいは縁において接触を形成してしまうことで、このような帯を外れる恐れがある。電気コンタクト・システムが配置される被加工物取り付け/保持システムは、特定の被加工物の規格の範囲内でさまざまであるサイズの被加工物を収容しなければならないため、被加工物を巡るすべての点において電気的接触を形成することが、難しくなっている。これは、それぞれの被加工物を電気コンタクト・システムのコンタクト素子に対して中心合わせするための何らかの手段を必要とする。
【0007】
従来からの電気処理システムは、被加工物を電解液の中で回転させる。結果として、「湿式コンタクト」素子を備える電気コンタクト・システムは、被加工物および「湿式コンタクト」素子が電気処理の最中に電解液中で回転するときに、流れの攪乱および流体乱流を生じさせる。電気処理される被加工物表面に隣接する電解液の流体乱流は、電気めっきに悪影響を及ぼす気泡および速度境界層の中断を生じさせる可能性がある。
(概要)
【0008】
本発明は、外周の狭い帯の範囲において被加工物に多数の電気的接触をもたらすように設計された電気コンタクト・システムを備えている被加工物取り付け/保持システムを提供する。この電気コンタクト・システムは、被加工物を電気コンタクトに対して正確に整列させて心出しする。この電気コンタクト・システムは、電気めっきの後に電気コンタクト素子と被加工物との間に形成されがちである機械的な結合を分離させるための排出力をもたらす電気コンタクト素子を提供できる。この電気コンタクト・システムは、そのような機械的な結合を分離させるための排出力をもたらすさらなる手段を、電気コンタクト素子によってもたらされる力の補助として提供することができる。電気コンタクト素子は、被加工物の周辺部分を巡って細い帯を占めるにすぎず、わずかな距離しか電解液に突き出さず、流体乱流を少なくする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
電気コンタクト・システムは、複数の電気コンタクト素子を備えており、そのそれぞれが、コンタクト取り付けセグメントから突き出す片持ちセグメントを有しており、コンタクト先端セグメントを終端としている。被加工物が電気めっきのために被加工物取り付け/保持システムに挿入されるとき、被加工物の縁が、それぞれのコンタクト素子の片持ちセグメントに当接するように押され、このセグメントに沿ってスライドする。コンタクト素子は、被加工物を片持ちセグメントに沿って動かすように加えられる力によって、このセグメントが撓まされて変形下におかれ、結果として被加工物が、電気処理のためにコンタクト・システムに配置されるときにコンタクト・システムに対して心出しおよび整列させられる傾向となるように向けられている。
【0010】
コンタクト素子の先端セグメントは、片持ちセグメントの端部に位置しており、被加工物がコンタクト・システムにおいて電気処理のための最終位置に押されるときに先端セグメントの外側の点に係合するように向けられている。被加工物が最終位置に達するときに、先端セグメントの外側の点が、短い距離にわたって被加工物を横切って引きずられ、変形下におかれるように撓まされる。結果として、電気処理の後に被加工物が挿入力から解放されたとき、撓んでいる先端セグメントが、先端の外側の点と被加工物との間に形成された機械的結合を破るよう、それぞれコンタクト素子の片持ちセグメントとの接合部を中心として枢動して未変形の状態に復帰する。片持ちセグメントおよび先端セグメントの相対的な構成は、ひとたび被加工物への挿入力が取り除かれて、機械的な結合が破られたときに、片持ちセグメントが変形前の状態に復帰し、被加工物を押し戻してコンタクト・システムに進入した位置に滑らせるような構成である。コンタクト素子の先端セグメントは短く、流体外乱を少なくするために電解液への突き出しが短い距離だけであるように構成されている。
【0011】
電気コンタクト・システムは、取り付けリングの形態に構成された電気コンタクト素子のための支持部材を備えており、1つ以上の電気取り付け部材が取り付けリングに固定される。取り付け部材は、導電性材料の帯を形成しているコンタクトの取り付けセグメントであり、ここから個々のコンタクト素子の片持ちセグメントが突き出している。2つ以上の取り付け部材が設けられる場合には、取り付けセグメントを、取り付けリングに固定されるときに、連続的な導電リングをもたらすように、端部‐端部で互いに当接させることができる。あるいは、取り付けセグメントを、隣の取り付けセグメントから電気的に絶縁でき、しかしながらやはり端部‐端部のやり方で取り付けリングに固定することができる。
【0012】
取り付け部材は、複数のコンタクト素子の片持ちセグメントおよびそれぞれの片持ちセグメントに組み合わせられた先端セグメントを取り付けセグメントと一体に形成しつつ、薄い導電性材料のシートから製造可能である。取り付け部材をコンタクト部材の片持ちセグメントおよび先端セグメントが一体に形成されてなるコンタクトの取り付けセグメントに形成した後、片持ちセグメントおよび先端セグメントを、それらの設計された構成に形成することができる。先端セグメントを、片持ちセグメントからほぼ90度の角度で延びるように形成することができる。次いで、片持ちセグメントを、取り付けセグメントから鈍角で延びるように形成することができる。
【0013】
被加工物取り付け/保持システムは、被加工物を電気コンタクト・システム内の処理位置に移動させ、電気処理の間その位置に保持するように設計された被加工物裏打ち部材を備えている。被加工物の処理が完了したとき、裏打ち部材が、被加工物を取り付け/保持システムから取り外すことができるように引き込まれる。被加工物裏打ち部材に、裏打ち部材が引き込まれるときに被加工物を裏打ち部材に保持するために、被加工物の処理の完了時に動作させることができる真空システムを備えることができる。この真空システムの適用は、電気コンタクトの先端セグメントと被加工物との間に形成された機械的な結合を破るべく被加工物を移動させるうえで役に立つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(詳細な説明)
以下の説明は、微細造作の被加工物を処理するためのコンタクト・アセンブリ、電気化学処理リアクタ、および一体化されたツールについて、いくつかの実施の形態の詳細および特徴を開示する。用語「微細造作の被加工物」または「被加工物」は、表面および/または内部にマイクロデバイスが形成される基板を指す。典型的なマイクロデバイスとして、マイクロ電子回路またはマイクロ電子部品、薄膜記録ヘッド、データ記憶素子、マイクロ流体デバイス、および他の製品が挙げられる。マイクロマシンまたはマイクロ機械装置も、集積回路とほとんど同じやり方にて製造されるため、この定義に含まれる。基板は、半導体片(例えば、シリコン・ウエハまたはガリウムヒ素ウエハ)、非導電体片(例えば、種々のセラミック基板)、または導電体片(例えば、ドープされたウエハ)であってよい。また、電気化学的な処理または堆積という用語は、電気めっき、電気エッチング、陽極酸化処理、および/または無電解めっきを含む。以下に記載される詳細のそれぞれが、以下の実施の形態を、それら実施の形態を当業者にとって実施および使用可能にするために充分な様相で説明するために提示されていることを、理解できるであろう。しかしながら、後述される詳細および利点のそれぞれは、本発明の或る特定の実施の形態を実行するためには必要でないかもしれない。また、本発明は、特許請求の範囲の技術的範囲に包含されるが、図1〜10に関して詳しく説明されることはない更なる実施の形態を含むことができる。
【0015】
図1、2A、および2Bに概略的に示されている電気コンタクト・システム100は、それぞれが片持ちセグメント142、先端セグメント144、および取り付けセグメント130を有している複数の電気コンタクト素子140と、これらのコンタクト素子140が取り付けられる支持部材110とを備えている。本明細書において後述されるとおり、いくつかのコンタクト素子140を、取り付けセグメント130が別個独立しておらず、複数のコンタクト素子140を突き出させてなる材料の連続的な帯を構成している一体構造として製造することが可能である。支持部材110の取り付け面132は、支持部材110が電源に接続されたときにコンタクト素子140が導電性となるよう、導電性であってよい。図1に示されているように、電気コンタクト・システム100は、支持部材110を回転子構造に接続する接続部材22によるめっき用の回転子20への接続に適している。さらに、接続部材22は、めっき用の回転子を通じて支持部材110に電力をもたらすことができる。また、接続部材22は、コンタクト・システム100について、めっき用の回転子への好都合な取り付けおよび取り外しを提供することができる。
【0016】
支持部材110を、連続的なリングとして設けることができ、あるいはリング状に配置される一連のセグメントとして設けることができ、図1、5、および6Aは、支持部材を、円形の被加工物における使用に適していると考えられる連続的な環状リングとして示している。個々のコンタクト素子140は、図3および4Aに見られるとおり、それらの片持ちセグメント142が支持部材のリングによって定められる支持部材のリングの内側の空間111に突き出すように、支持部材110を巡って配置される。図1、2A、および2Bに示されているように、被加工物の処理対象の面を下方に向けつつ、コンタクト・システム100を処理位置にある被加工物に接触する姿勢に向けたとき、片持ちセグメント142が、内向きかつ下向きに突き出し、先端セグメント144が、内向きかつ上向きに突き出す。
【0017】
めっき用の回転子20は、図1に見られるように、図1の経路「T」に沿って支持部材110に対して延伸および引き込みする被加工物裏打ち部材60を備えている。引き込まれたとき、裏打ち部材60は、支持部材110によって定められる空間111内から取り除かれ、被加工物を空間111に挿入でき、あるいは空間111から取り去ることができる。裏打ち部材60を、被加工物を空間111内の所定の位置に置いた状態で延伸させると、裏打ち部材が被加工物101の背面に接触し、被加工物を図1および2Aに描かれている処理位置に押す。裏打ち部材60が被加工物101を処理位置に押した結果として、被加工物の縁が、電気コンタクト140の片持ちセグメント142に接触し、片持ちセグメントを、図2Bに示されている状態から図2Aに示されている状態に曲げる。さらに、被加工物が図2Aに示されている処理位置に押されるとき、電気コンタクト140の先端セグメント144が、被加工物101の処理対象の表面に接触し、この表面との電気的接触を形成する。
【0018】
被加工物101の図2Aに示した処理位置への移動の経過において、被加工物101の軸が空間111において中心に位置していない場合、片持ちセグメント142に加わる曲げ力が、コンタクト・システム100の一方の側と他方の側とで等しくなくなり、結果として、より大きな負担が加わる片持ちセグメント142が被加工物101を押して、軸が中心に位置するように移動させる。さらに、被加工物101が図2Aに示した処理位置に動かされ、先端セグメント144の外側端との物理的接触が生じるとき、被加工物の片持ちセグメント142との接触は終わり、結果として被加工物101との電気的接触は、先端セグメント144の外側端における接触だけになる。これが、本明細書において図3および4を参照してさらに詳しく後述される。
【0019】
図3A〜3Cは、個々のコンタクト140を、被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されるときの種々の段階について示している。図3A〜3Cに示した向きを参照すると、裏打ち部材60(図1)が被加工物101を方向P1に上方に押すとき、被加工物101の縁102が、個々のコンタクト140の片持ちセグメント142に接触してスライドする。被加工物101の縁102によって片持ちセグメント142に加えられる力によって、片持ちセグメント142が曲げられ、方向S1にそらされる。被加工物101が開口111において中心から外れており、したがってコンタクト・アセンブリ100の一方の側において他方の側よりもコンタクト140の片持ちセグメントがより大きく曲げられる場合、より大きな変形を受ける片持ちセグメント142が、被加工物101を方向Yに動かして、被加工物101を中心に整列させる。コンタクト・システム100の設計ゆえ、先端セグメント144は、被加工物101にわずかな距離だけしか延びておらず、したがって、すべての先端セグメントの接触が適切に被加工物101を巡ってなされるように保証するために、被加工物101が開口111において正確に心出しされることが重要である。半導体ウエハなど、およびその他の被加工物は、公差の限界の範囲内で製造され、一様にまったく同じ直径であるわけではない。したがって、開口111は、小さな寸法のばらつきを有する被加工物を、処理のために挿入できるような寸法でなければならない。しかしながら、本発明のコンタクト・システム100によれば、片持ちセグメント142の構成ゆえに、所与の公差の仕様の範囲内でさまざまな寸法である被加工物を、適正に配置することができる。これらの片持ちセグメント142は、開口111において被加工物101の軸の整列が生じ得る長さにわたって被加工物の縁102を片持ちセグメント142に当接させるための充分な鋭角(装填の経路P1に対して)で、開口111に延びている。適切な鋭角は、図3Aに示されているように被加工物との最初の接触の点において約60度を超えず、あるいは図4Cに示されているように最終的なたわみの点において約30度を過ぎないよう、装填の経路P1に対して30度〜60度であり、荷重が加わっていないときの好ましい鋭角は約45度である。
【0020】
片持ちセグメント142に蓄積されるばね力は、図3Cに見られるように、被加工物101が先端セグメント144に接する点で最大となる。この状態が、図4Aに拡大されて詳しく示されている。被加工物/コンタクトの状況が片持ちセグメント142のみとの接触から先端セグメント144のみとの接触に移行する直前まで、片持ちセグメント142に蓄積されるばね力が、被加工物101の心出しを生じさせる。被加工物101がさらに方向P1に移動すると、片持ちセグメント142が曲がり続けて方向S1に反り、被加工物101の縁102がコンタクト140の片持ちセグメント142から離れる。
【0021】
被加工物101が図4Aに示した位置から図4Cに示した位置に進み続けるにつれ、コンタクト140の過渡セグメント(湾曲143)が広がり、先端セグメント144が、先端セグメント144と片持ちセグメント142との間の角度βが約90度から鈍角に増加するように方向S2に枢動する。被加工物101が図4Cに示した位置に移動するとき、片持ちセグメント142は、固定点138を中心としてたわみ続ける。結果として、個々のコンタクト140の先端セグメントの縁145が、被加工物101の表面を横方向に滑って、被加工物101の表面に存在しうる酸化物を好都合に除去し、先端セグメントの縁145が図4Cに示したとおりの最終位置に達したときに、被加工物の表面との良好な電気的接触を保証する。
【0022】
図5Aおよび5Bは、本発明によるコンタクト・アセンブリ100を形成するための方法を示している。例えば、図5Aは、第1の部位230aおよび第2の部位230bを有している導電性材料のシート228の上面図である。シート228は、第1および第2の部位230a、230bを形成すべく型押しされ、あるいは適切な技法を使用して切断されている。図示の第1および第2の部位230a、230bは、お互いの鏡像であって、それぞれ台形の部位240を含んでいる。
【0023】
図5Bは、第2の部位230bを分離した後の第1の部位230aの上面図である。次に、部位240が線A‐Aに沿って曲げられて、コンタクト140の先端セグメント144および過渡セグメント(湾曲143)が形成され、第1の部位230aが線B‐Bに沿って曲げられて、取り付け部132から鈍角で突き出すコンタクト140の片持ちセグメント142が形成される。次いで、第1の部位230aが線C‐Cに沿って曲げられ、支持部材110の取り付け面132の構成におおむね一致するように取り付けセグメント130の輪郭が作られる。
【0024】
このようにして形成されたシートの部位230aおよび230bを、スポット溶接、ねじ、または他の技法によって支持部材110に固定することができる。図5Aおよび5Bに示されているように、このようにして形成された部位の端部同士を整列させて、支持部材110に溶接またはネジ止めできるよう、取り付け穴239が部位230aおよび230bに設けられ、半分の穴241が部位230aおよび230bの両端に設けられている。このようにして形成されたシートの部位のこの端部‐端部の取り付けが、図7Bに示されている。
【0025】
コンタクト・アセンブリの動作および特徴は、それらを被加工物の電気処理(例えば、電気めっきおよび/または電解研磨/電気エッチング)に使用することができる環境および設備に照らして最もよく理解される。したがって、以下の説明は、以下の各セクション、すなわち(A)コンタクト・アセンブリを有するリアクタ・ヘッド、(B)コンタクト・アセンブリを有する電気化学処理ステーション、および(C)一体化されたツールおよび電気処理リアクタに分割される。
【0026】
A.コンタクト・アセンブリを有するリアクタ・ヘッド
図1は、被加工物101に電位を与えるための本発明による電気処理システム10の概略の側面断面図である。電気処理システム10は、被加工物101を保持するためのヘッド・アセンブリ20と、処理用の流体を収容するための反応容器90とを備えている。ヘッド・アセンブリ20は、被加工物101を方向Rに回転させるための駆動部材30と、被加工物101をヘッド・アセンブリ20内に配置するための裏打ち部材60と、被加工物101に電位を加えるためのコンタクト・アセンブリ100とを備えている。電気処理の際に、裏打ち部材60およびコンタクト・アセンブリ100が、被加工物101を反応容器90内の被加工物処理位置に、少なくとも被加工物101の処理面が処理用の流体に係わるように保持する。
【0027】
図2Aは、被加工物101を処理位置に装填した状態におけるコンタクト・アセンブリ100の一部分の側面断面図であり、図2Bは、被加工物が装填されていない状態におけるコンタクト・アセンブリ100の当該部位の側面断面図である。図8に示されているように、コンタクト・アセンブリを図1に示されている「下向き」の位置から図8に示されている「上向き」の位置に回転させることができるよう、ヘッド・アセンブリを、水平な軸を中心として枢動するように取り付けてもよい。図8の実施の形態においては、コンタクト・アセンブリが図示の「上向き」位置にあり、かつ裏打ち部材が引き込まれているとき、処理対象面を有している被加工物101を、その面を「上向き」にした状態でコンタクト・アセンブリに装填することができる。被加工物が装填され、裏打ち部材が被加工物を図1および2Aに示したヘッド・アセンブリ内の安定状態に位置させるように延ばされた後で、ヘッド・アセンブリを図1に示した「下向き」位置に枢動させて、処理のために反応容器90に下降させることができる。図6は、図8に示した「上向き」位置に反転させたコンタクト・アセンブリ100の等角投影図である。
【0028】
すでに述べたように、図2A、2B、および7を参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、支持部材110および複数のコンタクト140を備えている。個々のコンタクト140は、装填経路P(図7)に対して傾けられた角度にある第1の方向におおむね内側に突き出している片持ちセグメント142と、片持ちセグメント142から装填経路Pに対する第2の方向におおむね内側に突き出している先端セグメント144とを有している。図7Bに示されているように、「第1の方向」は下向きであり、「第2の方向」は上向きである。しかしながら、ヘッド・アセンブリが図示の「上向き」位置に反転させられているときに被加工物がヘッド・アセンブリに装填される図8の実施の形態によれば、「第1の方向」が上向きであり、「第2の方向」が下向きである。
【0029】
コンタクト140は柔軟であり、(a)被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に完全に装填されたときの撓んだ第1の位置(図2Aに示されている)と、(b)被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されていないときの第2の位置(図2Bに示されている)との間を移動する。コンタクト140の可撓性および個々のコンタクト140の片持ちセグメント142の向きゆえ、被加工物101の正確な心出しが可能である。具体的には、被加工物101の軸が、コンタクト・アセンブリ100において中心に位置しないことが通常である。被加工物の直径が(たとえ指定の公差の限界内にあるにせよ)均一ではなく、かつ開口111が妥当な範囲の被加工物の直径を受け入れるために充分に大きくなくてはならないため、被加工物101は、多くの場合、「中心がずれた状態」でコンタクト140の片持ちセグメント142に接触する。柔軟であるほかに、片持ちセグメント142は、上述のように被加工物101を軸が中心に位置するように押すために充分に剛でなければならない。被加工物101が装填経路Pに沿って先端セグメント144に向かって移動するときに、中心ずれした被加工物101ゆえにより大きな変形にさらされるコンタクト140の片持ちセグメント142が、コンタクト・アセンブリ100の反対側のコンタクト140に向かって被加工物101を押す。このようにして、コンタクト140によって被加工物101が中心に配置される。被加工物をコンタクト・アセンブリ100において中心に整列させることで、コンタクト140の先端セグメント144が、常に外周からのわずかな距離の範囲内で被加工物に接触するように位置する。これにより、個々のコンタクト140の先端セグメント144によって占められる領域を、被加工物101の外周のわずかな領域のみとすることができる。半導体ウエハなどの被加工物は、被加工物の「デバイス側(被加工物において処理が典型的に行われる面)」の外周に「除外ゾーン」を有している。コンタクト140は、狭い除外ゾーンにおいて被加工物の処理面との確実な電気的接触をもたらすことで、被加工物において外周の除外ゾーンの半径方向内側の使用可能表面を増加させる。
【0030】
個々のコンタクト140の過渡セグメント(湾曲143)も、やはり柔軟であり、結果として、被加工物101がコンタクト・アセンブリ100に装填されるにつれて先端セグメント144が枢動する(図2A)。これにより、過渡セグメント143および先端セグメント144に変形が生じる。電気めっきのプロセスにおいて、電気めっきされた金属が、先端の縁145の周囲において被加工物101の表面に溜まる傾向にあり、先端の縁145を被加工物101に貼り付けようとする傾向にある。先端セグメント144は、片持ちセグメント142よりもはるかに短く、したがってはるかに剛であるため、裏打ち60が引き込まれるとき、過渡セグメント143および先端セグメント144に生じていた変形が、先端の縁145を被加工物101への付着から開放して、先端セグメント144を未変形の状態に復帰させる。個々のコンタクト140の撓みによって生じた変形が、処理後に被加工物101を取り外すときに、被加工物101とコンタクト140との間の機械的な結合を破るための排出力を生みだす。排出力は、コンタクト140が撓む前の当初の状態に跳ね戻るときに生み出される。この特徴は、コンタクト140を傷めることなく、被加工物101の個々のコンタクト140の先端セグメント144からの分離を容易にする。
【0031】
図1および2Aを参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、電気処理の最中にコンタクト140の一部分が処理用の流体に突出しているという意味で、「湿式コンタクト」アセンブリである。具体的には、被加工物101を電解液に接触させる処理位置において、被加工物101が下向きにて処理用の流体に途中まで沈められ、コンタクト140の先端セグメント144が、被加工物101の下方において処理用の流体に浸される。このように沈められた先端セグメント144、過渡セグメント143、および片持ちセグメント142の一部分の直近におけるめっきプロセスへの負の影響を最小限にするために、片持ちセグメント142が、小さな平面形状を有するように形成される。これは、図5Aおよび5Bに示されているように、片持ちセグメント142を、付け根(線B‐Bに示されている)においてより幅広く、先端(線A‐Aに示されている)においてより狭い台形形状を備えて形成することによって達成できる。
【0032】
コンタクト140を、個々のコンタクト140において沈められた部位が被加工物101の外周の付近の処理用流体から金属を奪い取るように、絶縁材料で被覆しなくてもよい。この特徴の利点は、奪い取りによって被加工物101の外周においてめっき層の厚さが小さくなり、材料が被加工物101の全体にわたってより一様にめっきされる点にある。この特徴は、エッジ効果を補償すべく被加工物の外周においてめっき層の厚さを小さくすることが望ましい用途に、とくに有用である。
【0033】
図2Aおよび2Bを参照すると、コンタクト・アセンブリ100は、さらに絶縁スプラッシュガード160を支持部材110に取り付けて備えている。絶縁スプラッシュガード160は、支持部材110からおおむねコンタクト140に平行な方向に突き出しており、コンタクト140を保護すべくコンタクト140の周囲にスカートを形成している。この保護の造作によれば、コンタクト・アセンブリを平坦な表面に、先端セグメント144をそのような平坦面から持ち上げて離しつつ載せて保管、輸送、または配置することができる。絶縁スプラッシュガード160は、すすぎのサイクルの後にすすぎ水をその場に集めるうえでも役に立つ。
【0034】
コンタクト・アセンブリ100は、小さな造作を有する大きな被加工物を電気処理するためにとくに好都合である。被加工物を常に中心に位置させる点、および被加工物の取り出しを可能にする点に加えて、さらにコンタクトは、乱流を軽減するための小さな外形および電流密度の一様性を向上させる高い密度を有している。本発明によるコンタクトのいくつかの特定の特徴を、図6、7A、および7Bを参照してさらに詳しく説明する。
【0035】
図7Aは、コンタクト・アセンブリ100の下面の等角投影図であり、図7Bは、コンタクト・アセンブリ100を拡大した等角投影断面図である。図7Aおよび7Bの両者を参照すると、支持部材110は、装填経路Pに沿って被加工物101を受け入れるための開口111を有している。さらに具体的には、支持部材110が、内壁112と、内壁112の反対側の外壁114と、第1の壁116と、第1の壁116の反対側の第2の壁118とを備えている。図示の外壁114は、第2の壁118から第1の壁116に向かって延びて内向きに先細りである。さらに支持部材110は、内壁112から半径方向内側に突き出して第1の壁116の一部を定めているリム120を備えている。リム120は、開口111(図7A)が装填経路P(図7A)に沿って被加工物を受け入れるために充分な大きさであるように、寸法付けられている。支持部材110は導電性であり、外表面に白金の層をめっきしてなるチタニウムで構成されている。図示の支持部材110は、円形の被加工物に合わせて設計された連続リングであるが、何らかの種類の被加工物を収容するように配置される一連の分離した湾曲セグメントであってもよい。
【0036】
図7Bのみを参照すると、コンタクト140は、コンタクト部材130の一部分であり、コンタクト部材130は、リム120に近接する第1の縁133と、内壁112と第2の壁118との接合部に近接する第2の縁134とを備える取り付け部132を有している。図示の取り付け部132は、取り付け部132がおおむね環状となり、あるいは被加工物を収容するように他のやり方で構成されるよう、複数のおおむね平坦なセグメント136を該当の曲げ137によって隔てて備えている。取り付け部132は、支持部材110の内壁112を巡って延びる単一の連続帯であり、あるいはリング状の導体を形成すべく一体に接続されるいくつかの個々の部位である。いずれの場合も、取り付け部132の個々の部位136は、コンタクト・アセンブリ100または被加工物の位置にかかわらず、互いに電気的に連絡している。すでに述べたように、個々の部位は、端部‐端部で突き合わせられ、取り付け穴239および241を貫いて挿入されるねじまたはリベット(図示されていない)によって支持部材の内壁112に固定されている。支持部材110は、導電性の材料で製作され、あるいは導電性の材料で製作された内壁112を備えるなど、コンタクト・アセンブリに導電性の取り付けをもたらしており、あるいは他のやり方でコンタクトの取り付け部132に適切な電力の接続をもたらしている。
【0037】
コンタクト140は、取り付け部132から半径方向内向きかつおおむね下方に突き出している片持ち式のフィンガである。図7Aおよび7Bに示したコンタクト140および取り付け部132は、コンタクト部材130の一体の構成部品である。具体的には、コンタクト140および取り付け部132が、金属薄板の共通の一片からなる一体の一部分である。図示のコンタクト部材130は、コンタクト140が開口111(図7A)に突き出すよう、取り付け部132の第2の縁134に曲げ138を備えている。
【0038】
個々のコンタクト140の片持ちセグメント142は、取り付け部132から内側に、装填経路P(図7A)に対して斜めの角度にある第1の方向に突き出しており、処理位置の被加工物によって定められる被加工物の処理面に延びている。個々のコンタクト140の先端セグメント144は、装填経路Pに対して斜めの角度にある第2の方向にて内側に突き出しており、再び被加工物の処理面に向かって延びている。片持ちセグメント142の向きゆえに、被加工物が開口111(図7A)において整列させられて中心に位置し、先端セグメント144の斜めの向きゆえに、先端の縁145が被加工物に接触して、コンタクト・アセンブリ100の被加工物への電気的接触を保証する。これらの態様は、図3A〜4Cに関連してさらに詳しく説明済みである。
【0039】
図示のコンタクト140においては、片持ちセグメント142の長さが、先端セグメント144の長さよりも大きく、したがって個々のコンタクト140の先端の縁145が、支持部材110の第2の壁118よりも下方に位置している。この特徴の利点は、コンタクト140が少なくとも部分的に処理用の流体に沈められて、被加工物と接触する一方で、支持部材110が処理用の流体の上方に位置する点にある。これにより、支持部材110の外表面に、材料が支持部材にめっきされることがないようにするための絶縁層が不要であり、さらには、支持部材110が、処理面に沿った処理用流体の流れを妨げることがない。
【0040】
図示の個々のコンタクト140は、先細りであって、取り付け部132と片持ちセグメント142との間の接合部において第1の幅W1を有し、片持ちセグメント142と先端セグメント144との間の接合部において第2の幅W2を有している。したがって、隣り合うコンタクト140の先端セグメント144の間の距離は、隣り合うコンタクト140の片持ちセグメント142の間の距離よりも大きい。また、上述のように、コンタクト140は、薄くて柔軟な部材である。例えば、図示のコンタクト140およびコンタクト部材130は、約0.05mm〜約1.25mmの厚さを有している。薄くて柔軟ではあるけれども、コンタクト140は、被加工物を装填することによってもたらされる変形によって、裏打ち部材60が引き込まれるときに被加工物とコンタクト140との間の機械的な結合を破るための排出力が生み出されるように充分に剛である。この特徴は、コンタクト140を傷めることなく被加工物のコンタクト140からの分離を容易にする。
【0041】
コンタクト140は、特定の電気処理用流体において不活性である導電性材料で構成することができる。適切な導電性材料として、白金/イリジウム合金、白金、ステンレス鋼、タングステン、および/またはモリブデンが挙げられる。例えば、コンタクト140を、約5〜30%のイリジウム、とくには約20%のイリジウムを有する白金/イリジウム合金で構成できる。図示のコンタクト140は、導電性材料上に絶縁コーティングを備えていない。したがって、コンタクト140が、被加工物の外周の付近の処理用流体から材料を奪い取る。この特徴は、エッジ効果を補償すべく被加工物の外周においてめっき層の厚さを小さくすることが望まれる用途において、とくに有用である。
【0042】
図1〜7に示したコンタクト・アセンブリ100の1つの特徴は、コンタクト140の柔軟な性状ゆえ、先端セグメント144を被加工物101の地形学的表面をごくわずかに超えて突き出させ、コンタクト140と被加工物101との間の電気的接続を改善できる点にある。さらに、多数の個々のコンタクト140が、被加工物101の周囲を巡って電位の一様性を改善する。したがって、このコンタクト・アセンブリ100によれば、被加工物101上の種々の地形学的造作にあわせて構成できる多数のコンタクト140を設けることによって、めっき層の均一さがさらに向上するものと予想される。
【0043】
再び図2A、2B、および7Bを参照すると、図示のコンタクト・アセンブリ100は、支持部材110を貫いて延びる複数の排水溝122をさらに備えている。排水溝122は、第1の壁116に位置する第1の端部124と、第2の壁118に位置する第2の端部126とを備えている。排水溝122は、コンタクト・アセンブリ100が回転しているときに、めっき工程またはすすぎ工程からの液体が出口を有し、後にコンタクト・アセンブリ100が反転させられたときに被加工物に滴下することがないように配置されている。
【0044】
絶縁スプラッシュガード160が、支持部材110の外壁114および第2の壁118に取り付けられている。絶縁スプラッシュガード160は、第1の部位162と、コンタクト140におおむね平行な方向に第1の部位162から内向きかつ下方に突き出している第2の部位164とを備えている。この第2の部位164は、第2の壁118から第1の距離D1だけ下方に突出しており、コンタクト140は、コンタクト・アセンブリ100に被加工物が装填されていないときには、第2の壁118から第2の距離D2だけ下方に突出している。第1の距離D1は、コンタクト140を保護すべくスプラッシュガード160によってコンタクト140の周囲にスカートが形成されるよう、第2の距離D2よりも大きく、あるいは第2の距離D2に等しい。また、スプラッシュガード160は、すすぎのサイクルの後にすすぎ水をその場に集めるうえでも役に立ち、すすぎのサイクルにおいてすすぎ水を飛ばすための複数の溝166を備えている。
【0045】
図6および8を参照すると、ヘッド・アセンブリ20が、被加工物を通過させて出し入れできるスロット22をさらに備えており、裏打ち部材60が、被加工物をコンタクト・アセンブリ100に押し付けるための複数のタブ62を備えている。被加工物は、アセンブリ100をコンタクト140がおおむね上方に突き出している状態に向けつつ、タブ62によって被加工物がコンタクト・アセンブリ100に上方に動かされるよう、上向きの状態でコンタクト・アセンブリ100に装填される。装填後に、被加工物101およびコンタクト・アセンブリ100が反転させられ、図1〜2Bに示されているように被加工物101が下向きになり、コンタクト140が支持部材110から下方に突き出す。
【0046】
図8が、コンタクト・アセンブリ100を使用することが可能な電気処理リアクタのリアクタ・ヘッド350を示している。リアクタ・ヘッド350は、回転子アセンブリ330および固定アセンブリ360を備えている。回転子アセンブリ330は、該当のウエハまたは被加工物101を収容して保持し、リアクタ・ボウル内に被加工物101を処理面を下に向けて配置し、被加工物101の導電面をリアクタ・アセンブリのめっき回路に接続しつつ、被加工物101を回転またはスピンさせるように構成されている。リアクタ・ヘッド350は、典型的には、リアクタ・ヘッド350を上向きの配置(めっき対象の被加工物101を受け取る)から下向きの配置(被加工物101のめっき対象面が、電気処理のためのリアクタ・ボウル内に下向きに配置される)に回転させるように構成されたリフト/回転装置370に取り付けられる。ロボットアーム390(エンド・エフェクタと称されることもある)が、被加工物101を回転子アセンブリ330上の所定の位置に配置し、めっき後の被加工物101を回転子アセンブリ330から取り出すために、典型的には使用される。
【0047】
B.コンタクト・アセンブリを有する電気化学処理ステーション
図9は、コンタクト・アセンブリ100を使用することができる他の環境を示している。図9は、ヘッド・アセンブリ450および処置チャンバ470を有している電気化学処理ステーション420の概略の側面断面図である。ヘッド・アセンブリ450は、スピン・モータ452、スピン・モータ452に接続された回転子454、および回転子454によって保持されたコンタクト・アセンブリ100を備えている。回転子454は、ベローズ456および裏打ちプレート460を有している。裏打ちプレート460が、被加工物101の背面に接する第1の位置と被加工物101の背面から離間した第2の位置との間で被加工物101に対して移動する(矢印T)。コンタクト・アセンブリ100は、複数の軸459によってヘッド・アセンブリ450に接続されている。
【0048】
処理チャンバ470が、外側のハウジング480とハウジング480内の反応容器490とを備えるリアクタを定めている。反応容器490は、複数の電極492と、電極492と被加工物101との間の処理用の流体の流れを案内するための絶縁仕切り494とを備えている。処理用の流体は、例えば、堰を超えて(矢印F)ハウジング480に流れ、ここから再利用される。代案として、反応容器490が電極を1つだけ備えてもよい。適切な処理チャンバは、参照により本明細書の一部とする米国特許出願第10/729,349号および第10/860,384号に開示されている。
【0049】
ヘッド・アセンブリ450およびコンタクト・アセンブリ100が、被加工物101を、被加工物101の少なくとも処理面が処理用の流体に触れるように反応容器490内の被加工物処理位置に保持する。コンタクト・アセンブリ100によって被加工物101の表面と電極492との間に電位を生じさせることで、流体内に電界が確立される。例えば、被加工物101に金属または他の種類の材料をめっきするために、コンタクト・アセンブリ100を電極492に対して負の電位にバイアスすることができる。あるいは、(a)コンタクト140のめっきの除去または被加工物101のめっき材料の電解研磨のため、あるいは(b)他の材料(例えば、電気泳動レジスト)を被加工物101に堆積させるために、コンタクト・アセンブリ100を電極492に対して正の電位にバイアスすることができる。このように、電気化学プロセスにおいて使用される特定の材料の種類に応じ、被加工物を陰極または陽極として機能させて、材料を被加工物に堆積させ、あるいは被加工物から除去することが一般的に可能である。
【0050】
C.一体化されたツールおよび電気処理リアクタ
図10は、電気化学処理ステーション420を有している処理装置500の等角投影図である。処理装置500の一部が、いくつかの内部部品を示すために切断図にて示されている。処理装置500は、キャビネット502を備えており、キャビネット502が、外部領域505から少なくとも部分的に絶縁された囲いを定めている内部領域504を有している。さらに、図示のキャビネット502は、内部領域504と装填/取り出しステーション510との間で被加工物101を通過させて出し入れできる複数の開口506を備えている。
【0051】
装填/取り出しステーション510は、それぞれ保護用覆い513の内部に収容された2つの容器支持部512を有している。容器支持部512は、被加工物の容器514をキャビネット502の開口506に対して位置決めするように構成されている。被加工物の容器514は、それぞれ複数の微細造作被加工物101を、クリーンルームの水準にない他の環境を通って被加工物101を運ぶための「小型」のクリーン環境に収容している。被加工物の容器514のそれぞれに、開口506を通してキャビネット502の内部領域504からアクセスすることが可能である。
【0052】
さらに処理装置500は、キャビネット502の内部領域504に、1つ以上の被加工物清浄化ステーション、および被加工物エッチング・ステーション522、ならびに電気化学処理ステーション、および搬送装置530を備えている。搬送装置530が、被加工物の容器514と処理ステーション420および522との間で微細造作被加工物101を移動させる。例えば、搬送装置530は、処理ステーション420の間を内部領域504の長さ方向に延びている直線レール532を備えている。図示の装置500は、第1の列R1‐R1に沿って配置された第1組の処理ステーション420と、第2の列R2‐R2に沿って配置された第2組の処理ステーション420とを備えている。直線レール532が、処理ステーション420の第1および第2の列R1‐R1およびR2‐R2の間を延びている。さらに搬送装置530は、レール532によって保持され、レール532に沿った任意の処理ステーション420にアクセスできるロボット・ユニット534を備えている。適切な搬送装置が、いずれも引用することにより本明細書の一部に組み込まれる米国特許第6,752,584号、第6,749,391号、第6,749,390号、第6,318,951号、および第6,322,119号に開示されている。
【0053】
以上から、本明細書において本発明の特定の実施の形態を例示を目的として説明したが、本発明の技術的思想および技術的範囲から逸脱することなくさまざまな変更が可能であることを、理解できるであろう。例えば、コンタクト部材を、図5Aおよび5Bに関して上述した方法とは異なる方法を用いて製造でき、あるいはコンタクト140が、支持部材110またはコンタクト部材130の取り付け部に直接取り付けられる別個独立のフィンガであってよい。また、上述のコンタクト・アセンブリは、さまざまな種類のリアクタにおいて使用可能である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲以外の何ものによっても限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】被加工物に電位を与えるための本発明による電気処理システムの概略の側面断面図である。
【図2A】図1の拡大詳細図であり、被加工物に接触しているコンタクト・システムの一部分を示す図である。
【図2B】被加工物は存在していないが、図2Aと同様の側面断面図である。
【図3A】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図3B】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図3C】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトを示す図である。
【図4A】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図4B】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図4C】被加工物がコンタクト・アセンブリに装填されるときの種々の段階について、コンタクト・アセンブリの個々のコンタクトの先端セグメントを示す図である。
【図5A】コンタクト・アセンブリのコンタクト部材の形成のための方法を示す図である。
【図5B】コンタクト・アセンブリのコンタクト部材の形成のための方法を示す図である。
【図6】めっき用回転子に取り付けられたコンタクト・アセンブリの等角投影図である。
【図7A】コンタクト・アセンブリの底部の等角投影図である。
【図7B】コンタクト・アセンブリの一部分を拡大した等角投影断面図である。
【図8】コンタクト・アセンブリを使用することができる電気めっきリアクタのリアクタ・ヘッドの等角投影図である。
【図9】コンタクト・アセンブリを使用することができる電気化学処理ステーションの概略の側面断面図である。
【図10】コンタクト・アセンブリを使用することができる処理装置の等角投影図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持し、被加工物が処理位置に配置されたときに被加工物に電位を与えるべく、電気処理システムにおいて被加工物に電気的な接触をもたらすための被加工物ホルダであって、該被加工物ホルダが、
(a)被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく、支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材と、
(b)コンタクト・アセンブリと、を備え、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている前記支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、
前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
ことを特徴とする被加工物ホルダ。
【請求項2】
前記片持ちセグメントはコンタクトの取り付け部と一体であり、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材に固定される、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項3】
前記コンタクト・アセンブリが、端部‐端部で整列させられて前記支持部材に固定される複数の取り付け部をさらに有しており、該取り付け部のそれぞれに複数のコンタクトが一体化されている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項4】
前記片持ちセグメントが、前記装填経路に対して約30度〜60度の間の鋭角で突き出している、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項5】
前記片持ちセグメントが、幅広い付け根から細い外側端に先細りである台形の平面形状を有しており、前記先端セグメントが前記片持ちセグメントの外側端から延びている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項6】
それぞれの先端セグメントが、一体である片持ちセグメントに対してほぼ直角に延びている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項7】
前記片持ちセグメントが、被加工物が処理位置にあるときに被加工物に接触していない、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項8】
前記支持部材が、前記開口を定める導電性の内壁を有しており、前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であって、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材の内壁に固定される、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項9】
個々のコンタクトが、前記取り付け部と前記片持ちセグメントとの間の接合部において第1の幅を有し、前記片持ちセグメントと前記先端セグメントとの間の接合部において第2の幅を有しており、前記第1の幅が、隣り合う先端セグメントが互いに離間するよう、前記第2の幅よりも大きい、請求項8に記載の被加工物ホルダ。
【請求項10】
電気めっきの作業において使用するための被加工物ホルダであって、前記被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項11】
前記支持部材に取り付けられ、被加工物が前記コンタクトから取り去られたときに前記コンタクトを超えて延びるように前記支持部材から延びているスカート・リングをさらに有している、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項12】
前記支持部材およびスカート・リングに、処理の最中に電気処理用の流体を被加工物から排出するための流体排出孔が設けられている、請求項11に記載の被加工物ホルダ。
【請求項13】
微細造作の被加工物に電位を印加すべく電気化学処理システムにおいて使用するためのコンタクト・アセンブリであって、
・開口を定める内壁を有し、該開口が被加工物を装填経路に沿って受け入れるように構成されている支持部材と、
・前記支持部材に接続された複数のコンタクトと、を備え、
個々のコンタクトが、片持ちセグメント、および該片持ちセグメントと一体であって該片持ちセグメントから突き出している先端セグメントを備えており、前記片持ちセグメントが前記装填経路に沿って第1の方向に内側に突き出し、前記先端セグメントが前記装填経路に沿って第2の方向に内側に突き出しており、前記第1の方向が前記第2の方向と反対であって、前記個々のコンタクトが、被加工物の位置にかかわらず互いに電気的に連絡している、
ことを特徴とするコンタクト・アセンブリ。
【請求項14】
電気めっきの作業において使用するためのコンタクト・アセンブリであって、被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項15】
前記支持部材から前記第1の方向に突き出している外側絶縁部材をさらに有している、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項16】
取り付け部を前記支持部材の内壁に取り付けて有しているコンタクト部材をさらに有し、前記複数のコンタクトが前記取り付け部から突き出しており、前記取り付け部および前記コンタクトが前記コンタクト部材の一体の構成部分である、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項17】
取り付け部を前記支持部材の内壁に取り付けて有しているコンタクト部材をさらに有し、前記複数のコンタクトが前記取り付け部から突き出しており、個々のコンタクトが、前記取り付け部と前記片持ちセグメントとの間の接合部において第1の幅を有し、前記片持ちセグメントと前記先端セグメントとの間の接合部において第2の幅を有しており、隣り合うコンタクトの前記片持ちセグメントの間の距離が隣り合うコンタクトの前記先端セグメントの間の距離よりも小さくなるよう、前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項18】
被加工物の電気処理のためのリアクタであって、
電気処理用の流体を保持するための容器と、
前記容器内に電位をもたらすため、前記容器に対して配置されて、互いに誘電的に分離されている複数の電極と、
装填/取り出し位置と処理位置との間を前記容器に対して可動であり、被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材を備えているヘッド・アセンブリと、
前記ヘッド・アセンブリによって保持されたコンタクト・アセンブリと、を備え、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、
前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
ことを特徴とするリアクタ。
【請求項19】
前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であり、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材に固定されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項20】
コンタクト・アセンブリが、端部‐端部で整列させられて前記支持部材に固定される複数の取り付け部をさらに有しており、該取り付け部のそれぞれに複数の片持ちセグメントが一体化されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項21】
前記片持ちセグメントが、前記装填経路に対して約30度〜60度の間の鋭角で突き出している、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項22】
前記片持ちセグメントが、幅広い付け根から細い外側端に先細りである台形の平面形状を有しており、前記先端セグメントが前記片持ちセグメントの外側端から延びている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項23】
それぞれの先端セグメントが、一体である片持ちセグメントに対してほぼ直角に延びている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項24】
前記片持ちセグメントが、被加工物が処理位置にあるときに被加工物に接触していない、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項25】
前記支持部材が、前記開口を定める導電性の内壁を有しており、前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であって、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材の内壁に固定されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項26】
電気めっきの作業において使用するためのリアクタであって、前記被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項27】
ヘッド・アセンブリを、被加工物を受け取りための上向きの配置から、電気処理のために被加工物容器内に配置するための下向きの配置に回転させるように構成されたリフト/回転アセンブリをさらに有している、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項28】
(a)被加工物の処理を行うことができる内部領域を有しているキャビネットと、
(b)前記内部領域に位置する複数の被加工物処理ステーションであって、該ステーションのうちの少なくとも1つが被加工物の電気処理のためのリアクタを有しており、
該リアクタが、
・電気処理用の流体を保持するための容器と、
・前記容器内に電位をもたらすため、前記容器に対して配置されて、お互いからは電気的に隔てられている複数の電極と、
・装填/取り出し位置と処理位置との間を前記容器に対して可動であり、被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材を備えているヘッド・アセンブリと、
・前記ヘッド・アセンブリによって保持されたコンタクト・アセンブリと、を有しており、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている前記支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
複数の被加工物処理ステーションと、
(c)被加工物を前記内部領域に届けるため、および前記内部領域から受け取るための装填/取り出しステーションと、
(d)被加工物を前記内部領域の処理ステーションに届け、前記内部領域の処理ステーションから届けるための被加工物搬送具と、
を備えていることを特徴とする電気処理装置。
【請求項29】
前記処理ステーションが、少なくとも1つの被加工物清浄化ステーションを含んでいる、請求項28に記載の電気処理装置。
【請求項30】
前記処理ステーションが、少なくとも1つの被加工物エッチング・ステーションを含んでいる、請求項28に記載の電気処理装置。
【請求項1】
被加工物を保持し、被加工物が処理位置に配置されたときに被加工物に電位を与えるべく、電気処理システムにおいて被加工物に電気的な接触をもたらすための被加工物ホルダであって、該被加工物ホルダが、
(a)被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく、支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材と、
(b)コンタクト・アセンブリと、を備え、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている前記支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、
前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
ことを特徴とする被加工物ホルダ。
【請求項2】
前記片持ちセグメントはコンタクトの取り付け部と一体であり、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材に固定される、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項3】
前記コンタクト・アセンブリが、端部‐端部で整列させられて前記支持部材に固定される複数の取り付け部をさらに有しており、該取り付け部のそれぞれに複数のコンタクトが一体化されている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項4】
前記片持ちセグメントが、前記装填経路に対して約30度〜60度の間の鋭角で突き出している、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項5】
前記片持ちセグメントが、幅広い付け根から細い外側端に先細りである台形の平面形状を有しており、前記先端セグメントが前記片持ちセグメントの外側端から延びている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項6】
それぞれの先端セグメントが、一体である片持ちセグメントに対してほぼ直角に延びている、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項7】
前記片持ちセグメントが、被加工物が処理位置にあるときに被加工物に接触していない、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項8】
前記支持部材が、前記開口を定める導電性の内壁を有しており、前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であって、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材の内壁に固定される、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項9】
個々のコンタクトが、前記取り付け部と前記片持ちセグメントとの間の接合部において第1の幅を有し、前記片持ちセグメントと前記先端セグメントとの間の接合部において第2の幅を有しており、前記第1の幅が、隣り合う先端セグメントが互いに離間するよう、前記第2の幅よりも大きい、請求項8に記載の被加工物ホルダ。
【請求項10】
電気めっきの作業において使用するための被加工物ホルダであって、前記被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項11】
前記支持部材に取り付けられ、被加工物が前記コンタクトから取り去られたときに前記コンタクトを超えて延びるように前記支持部材から延びているスカート・リングをさらに有している、請求項1に記載の被加工物ホルダ。
【請求項12】
前記支持部材およびスカート・リングに、処理の最中に電気処理用の流体を被加工物から排出するための流体排出孔が設けられている、請求項11に記載の被加工物ホルダ。
【請求項13】
微細造作の被加工物に電位を印加すべく電気化学処理システムにおいて使用するためのコンタクト・アセンブリであって、
・開口を定める内壁を有し、該開口が被加工物を装填経路に沿って受け入れるように構成されている支持部材と、
・前記支持部材に接続された複数のコンタクトと、を備え、
個々のコンタクトが、片持ちセグメント、および該片持ちセグメントと一体であって該片持ちセグメントから突き出している先端セグメントを備えており、前記片持ちセグメントが前記装填経路に沿って第1の方向に内側に突き出し、前記先端セグメントが前記装填経路に沿って第2の方向に内側に突き出しており、前記第1の方向が前記第2の方向と反対であって、前記個々のコンタクトが、被加工物の位置にかかわらず互いに電気的に連絡している、
ことを特徴とするコンタクト・アセンブリ。
【請求項14】
電気めっきの作業において使用するためのコンタクト・アセンブリであって、被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項15】
前記支持部材から前記第1の方向に突き出している外側絶縁部材をさらに有している、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項16】
取り付け部を前記支持部材の内壁に取り付けて有しているコンタクト部材をさらに有し、前記複数のコンタクトが前記取り付け部から突き出しており、前記取り付け部および前記コンタクトが前記コンタクト部材の一体の構成部分である、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項17】
取り付け部を前記支持部材の内壁に取り付けて有しているコンタクト部材をさらに有し、前記複数のコンタクトが前記取り付け部から突き出しており、個々のコンタクトが、前記取り付け部と前記片持ちセグメントとの間の接合部において第1の幅を有し、前記片持ちセグメントと前記先端セグメントとの間の接合部において第2の幅を有しており、隣り合うコンタクトの前記片持ちセグメントの間の距離が隣り合うコンタクトの前記先端セグメントの間の距離よりも小さくなるよう、前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、請求項13に記載のコンタクト・アセンブリ。
【請求項18】
被加工物の電気処理のためのリアクタであって、
電気処理用の流体を保持するための容器と、
前記容器内に電位をもたらすため、前記容器に対して配置されて、互いに誘電的に分離されている複数の電極と、
装填/取り出し位置と処理位置との間を前記容器に対して可動であり、被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材を備えているヘッド・アセンブリと、
前記ヘッド・アセンブリによって保持されたコンタクト・アセンブリと、を備え、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、
前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
ことを特徴とするリアクタ。
【請求項19】
前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であり、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材に固定されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項20】
コンタクト・アセンブリが、端部‐端部で整列させられて前記支持部材に固定される複数の取り付け部をさらに有しており、該取り付け部のそれぞれに複数の片持ちセグメントが一体化されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項21】
前記片持ちセグメントが、前記装填経路に対して約30度〜60度の間の鋭角で突き出している、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項22】
前記片持ちセグメントが、幅広い付け根から細い外側端に先細りである台形の平面形状を有しており、前記先端セグメントが前記片持ちセグメントの外側端から延びている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項23】
それぞれの先端セグメントが、一体である片持ちセグメントに対してほぼ直角に延びている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項24】
前記片持ちセグメントが、被加工物が処理位置にあるときに被加工物に接触していない、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項25】
前記支持部材が、前記開口を定める導電性の内壁を有しており、前記片持ちセグメントがコンタクトの取り付け部と一体であって、該コンタクトの取り付け部が前記支持部材の内壁に固定されている、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項26】
電気めっきの作業において使用するためのリアクタであって、前記被加工物裏打ち部材を引き込むことにより、前記先端セグメントの先端縁が電気めっきの作業において生成されためっき済みの被加工物表面から解放されるよう、前記片持ちセグメントが被加工物を前記先端セグメントに装填する際に撓まされる、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項27】
ヘッド・アセンブリを、被加工物を受け取りための上向きの配置から、電気処理のために被加工物容器内に配置するための下向きの配置に回転させるように構成されたリフト/回転アセンブリをさらに有している、請求項18に記載のリアクタ。
【請求項28】
(a)被加工物の処理を行うことができる内部領域を有しているキャビネットと、
(b)前記内部領域に位置する複数の被加工物処理ステーションであって、該ステーションのうちの少なくとも1つが被加工物の電気処理のためのリアクタを有しており、
該リアクタが、
・電気処理用の流体を保持するための容器と、
・前記容器内に電位をもたらすため、前記容器に対して配置されて、お互いからは電気的に隔てられている複数の電極と、
・装填/取り出し位置と処理位置との間を前記容器に対して可動であり、被加工物を積み込み位置から処理位置まで装填経路に沿って移動させるべく支持部材に対して軸方向に延伸可能である被加工物裏打ち部材を備えているヘッド・アセンブリと、
・前記ヘッド・アセンブリによって保持されたコンタクト・アセンブリと、を有しており、
該コンタクト・アセンブリが、
・被加工物を受け入れるための開口を定めている前記支持部材と、
・前記支持部材の開口の周囲を巡って配置され、前記支持部材に接続されている複数のコンタクトと、を備えており、
個々のコンタクトのそれぞれが、被加工物が処理位置に動かされるときに被加工物の外周縁に接触するよう、前記装填経路に対して鋭角に前記支持部材の開口に突き出している片持ちセグメントと、被加工物が処理位置に動かされたときに、被加工物に接触しかつ被加工物を支持するよう、前記片持ちセグメントから突き出している前記片持ちセグメントと一体の先端セグメントとからなり、
前記片持ちセグメントが、被加工物が前記被加工物裏打ち部材によって処理位置に動かされるときに被加工物を案内して中心に位置させるように構成および配置されており、前記先端セグメントが、処理位置にある被加工物に電気的に接触する先端縁をもたらすように構成および配置されている、
複数の被加工物処理ステーションと、
(c)被加工物を前記内部領域に届けるため、および前記内部領域から受け取るための装填/取り出しステーションと、
(d)被加工物を前記内部領域の処理ステーションに届け、前記内部領域の処理ステーションから届けるための被加工物搬送具と、
を備えていることを特徴とする電気処理装置。
【請求項29】
前記処理ステーションが、少なくとも1つの被加工物清浄化ステーションを含んでいる、請求項28に記載の電気処理装置。
【請求項30】
前記処理ステーションが、少なくとも1つの被加工物エッチング・ステーションを含んでいる、請求項28に記載の電気処理装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−546913(P2008−546913A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519477(P2008−519477)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/024950
【国際公開番号】WO2007/002656
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(500287329)セミトゥール・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/024950
【国際公開番号】WO2007/002656
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(500287329)セミトゥール・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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