被搬送物の搬送姿勢変換装置
【課題】被搬送物を、次作業ポジションにおいて取り扱い易いように、横倒し状態（立位状態）から立位状態（横倒し状態）に姿勢変換して排出し、デリバリーオペレーターの人員削減、デリバリースキルレスの実現を達成しようとするものである。
【解決手段】シート状の被搬送物Ｈを受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段２を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションＮＰに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【解決手段】シート状の被搬送物Ｈを受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段２を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションＮＰに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、被搬送物の搬送過程において、当該被搬送物の搬送姿勢を変換して排出するように構成した被搬送物の搬送姿勢変換装置に関するものであり、例えば、封書加工機によって、封筒ブランク内に所望量の封入物を名寄せなどの工程を経て封入して封閉加工した封書類を、次の作業ポジションなどに搬送する際、封閉加工した封書類の姿勢を変更するようにした搬送姿勢変換装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
周知のように、経済流通あるいは情報伝達の多様化にともない、種々の技術分野において、コンピュータ装置などにおける連続印字処理システムが、極一般的に普及してきている。また、特許文献１に記載されているように、封筒体を形成するための封筒体形成用連続紙から単位封筒体をバーストして、封筒体を形成する過程において、該封筒の内部に予め情報処理されている封入物を封入して封閉する構成の封書類加工機も多種類のものが開発され、提供されてきている。
【０００３】
この特許文献１並びに図７に示すように、従来の封書類加工機Ｍによれば、封筒体内に所望量の封入物を封入封閉した封書類Ｈは、一部重ね合わされた状態で横倒し状に排出され、コンベアテーブルＣＴ上に乗った状態でベルト搬送され、次作業ポジションに供給されるようになっている。
【０００４】
このように、一部が重なり合った状態で横倒し状に排出される封書類Ｈは、次作業ポジションにおいて、例えば、デリバリーオペレーターにより、コンベアベルト上に排出され送り出された封書類を、指示数量に応じて、都度かき集めて整列させ、しかる後、「数量カウント」「帯掛け」の処置を行い、最終的に出荷ケースに詰め合わせている。
【０００５】
この従来の方法では、封書類加工機Ｍの操作オペレーター以外に、デリバリー担当のオペレーターを少なくとも３名を要し、人件費高によるコスト増、並びに、人員の安定確保の負担が大きいものであった。さらに、コンベアベルト上での封筒整列においては、相応のスキル（経験）が必要となり、オペレーターの負担（数量区分け管理、整列、品質確認、封筒口空きなどの確認）が大きくなるという問題を有していた。
【０００６】
【特許文献１】特開２００１−１８０１５７号公報（要約、図１および図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、この発明は、上記する従来の技術にみられる問題点を解消しようとするものであり、封書類加工機Ｍによって加工された被搬送物Ｈを、次作業ポジションにおいて取り扱い易いように、立位状態に姿勢変換して排出するようにした被搬送物の搬送姿勢変換装置を提供するものであり、それによって、デリバリーオペレーターの人員削減、デリバリースキルレスの実現を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、シート状の被搬送物を受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置を構成するものである。
【０００９】
さらに、この発明において、請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の封書類の搬送姿勢変換装置であって、前記搬送姿勢変換手段が、搬送姿勢変換ユニットからなり、前記搬送姿勢変換ユニットが、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物を受け入れる搬入手段を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物を排出する排出手段を備えた機枠と、前記搬入手段は、前記被搬送物を受入れ、一つの回転駆動源によって同期回転し、協働して前記被搬送物を案内する一対の搬入側スパイラル送り車を含み、前記排出手段は、排出側スパイラル送り車を含むものからなり、前記搬入側スパイラル送り車の一方と、前記排出側スパイラル送り車との間を、スパイラル線部材により連結してなり、前記搬入側スパイラル送り車、スパイラル線部材および排出側スパイラル送り車を通過する過程において前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とするものである。
【００１０】
さらに、この発明において、請求項３に記載の発明は、請求項１あるいは請求項２に記載の封書類の搬送姿勢変換装置であって、前記被搬送物が、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションに排出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置は、封書類加工機における加工した封書類の排出側に、封書類加工機から横倒し状態で排出される封書類を立位状態に搬送姿勢を変換して排出する搬送姿勢変換手段を設け、この搬送姿勢変換手段によって、封書類を立位状態で次作業ポジションに排出するように構成したことにより、封筒加工機によって加工された封書体を、次作業ポジションにおいて取り扱い易いように排出することができ、それによって、デリバリーオペレーターの人員削減、デリバリースキルレスの実現を達成することができるという点において、極めて有効に作用するものといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置について、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図１は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置の具体的な実施例について、その全体の外観を示す概略的な正面図、図２は、図１における矢印Ｘ１の方向から見た当該搬送姿勢変換装置の概略的な側面図、図３は、図１における矢印Ｙの方向から見た概略的な側面図、図４は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置であって、その主要部の詳細を示す概略的な正面図、図５は、図４における矢印Ｘ２の方向から見た概略的な側面図、図６は、搬入スパイラル治具と搬送用スプリングとによって封書類の搬送姿勢が変換される様子を示す概略的な斜視図である。
【００１３】
まず、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置１について、図１〜図６に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置１は、基本的には、図１に示すように、例えば、封書類加工機Ｍにより加工された被搬送物Ｈを受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、当該被搬送物Ｈの搬送姿勢を、第１の搬送姿勢ＤＰ１（図１に示す実施例において横倒し状態）から第２の搬送姿勢ＤＰ２（図１に示す実施例において立位状態）に姿勢変換する搬送姿勢変換手段２を含むものからなっており、該搬送姿勢変換手段２によって、前記被搬送物Ｈを、第２の搬送姿勢ＤＰ２のままの状態で次作業ポジションＮＰに排出するように構成したものである。
【００１４】
前記搬送姿勢変換手段２は、搬送姿勢変換ユニットＵによって構成されているものであり、該搬送姿勢変換ユニットＵは、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物Ｈを受け入れる搬入手段３を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物Ｈを排出する排出手段４を備えた機枠５を含むものによって構成されている。
【００１５】
前記搬入手段３は、前記被搬送物Ｈを受入れ、一つの回転駆動源６によって同期回転し、協働して前記被搬送物Ｈを案内する一対の搬入側スパイラル送り車７、８を含むものからなっている。前記排出手段４は、排出側スパイラル送り車９を含むものからなっている。前記搬入側スパイラル送り車７、８のうちの一方の搬入側スパイラル送り車７と、排出側スパイラル送り車９とは、スパイラル線部材１０によって接続されている。
詳しくは、前記スパイラル線部材１０の一端１０ａは、搬入側スパイラル送り車８に連結されており、前記スパイラル線部材１０の他端側１０ｂは、排出側スパイラル送り車９の螺旋溝９ａに係合している。
【００１６】
前記搬入側スパイラル送り車７、８は、それぞれ螺旋溝７ａ、８ａを備え、回転軸７ｂ、８ｂを有するものからなっている。前記搬入側スパイラル送り車７、８のうちの他方の搬入側スパイラル送り車８は、その螺旋溝８ａの終端側に、被搬送物Ｈを搬入側スパイラル送り車７側に押し出す被搬送物押し出しカム１１が設けてある。
【００１７】
前記スパイラル送り車７、８、９の駆動機構１２は、一例において、機枠５に搭載した一つの回転駆動源６と、前記回転駆動源６の回転軸６ａに伝動ベルト１３を介して伝動連結され、一端に排出側スパイラル送り車９を備えた第１の回転軸１４と、ベベルギヤ１５を介して伝動連結されている第２の回転軸１６と、前記第２の回転軸１６の出力端側１６ａに伝動ベルト１７を介して前記搬入側スパイラル送り車７、８の回転軸７ｂ、８ｂに伝動連結される伝動連結手段１８とを含むものからなり、一つの回転駆動源６によって、前記搬入側スパイラル送り車７、８および排出側スパイラル送り車９を同期回転させることができるようになっている。
【００１８】
さらに、前記第１の回転軸１４の出力端側１４ａには、被搬送物Ｈを送り出す補助送り車１９が取り付けられている。
【００１９】
このような構成により、被搬送物Ｈは、図１において矢印Ａ１の方向から横倒し状態で受入位置Ｐ１に搬送され、前記搬入側スパイラル送り車７、８で受け入れ、スパイラル線部材１０および排出側スパイラル送り車１９を通過する過程において、前記被搬送物Ｈを、第２の搬送姿勢ＤＰ２（立位状態）で次作業ポジションＮＰに排出する。図５に、前記被搬送物Ｈが搬送される様子を太線で示す。
【００２０】
この発明の好ましい実施例によれば、前記被搬送物Ｈは、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段２を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションＮＰに排出するように構成することができる。
【００２１】
この発明において、立位状態で被搬送物排出位置Ｐ２にもたらされた被搬送物Ｈは、立位状態のままストッカー２０に確保され、搬送用駆動源２２によって駆動するコンベアベルト２１により、次作業ポジションＮＰに送り出される。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】図１は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置の基本的な構成例を示すものであって、搬入側スパイラル送り車とスパイラル線部材とによって、被搬送物の搬送姿勢が変換される様子を示す概略的な斜視図である。
【図２】図２は、この発明になる封書類の搬送姿勢変換装置の具体的な実施例について、その全体の外観を示す概略的な正面図である。
【図３】図３は、図２における矢印Ｘ１の方向から見た当該搬送姿勢変換装置の概略的な側面図である。
【図４】図４は、図２における矢印Ｙの方向から見た概略的な側面図である。
【図５】図５は、この発明になる封書類の搬送姿勢変換装置であって、その主要部の詳細を示す概略的な正面図である。
【図６】図６は、図５における矢印Ｘ２の方向から見た概略的な側面図である。
【図７】図７は、従来例を示すものであって、封書類加工機により加工された封書類の搬出の態様例を示す概略的な斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 被搬送物の搬送姿勢変換装置
Ｍ 封書類加工機
Ｐ１ 被搬送物受入位置
Ｐ２ 被搬送物排出位置
Ｈ 被搬送物
ＤＰ１ 第１の搬送姿勢
ＤＰ２ 第２の搬送姿勢
２ 搬送姿勢変換手段
ＮＰ 次作業ポジション
Ｕ 搬送姿勢変換ユニット
３ 搬入手段
４ 排出手段
５ 機枠
６ 回転駆動源
６ａ 駆動源の回転軸
７、８ 一対の搬入側スパイラル送り車
７ａ、８ａ 一対の搬入側スパイラル送り車の回転軸
９ 排出側スパイラル送り車
１０ スパイラル線部材
１１ 被搬送物押し出しカム
１２ 駆動機構
１３ 伝動ベルト
１４ 第１の回転軸
１５ ベベルギヤ機構
１６ 第２の回転軸
１７ 伝動ベルト
１８ 伝動連結手段
１９ 補助送り車
２０ ストッカー
２１ コンベアベルト
２２ 搬送用駆動源
【技術分野】
【０００１】
この発明は、被搬送物の搬送過程において、当該被搬送物の搬送姿勢を変換して排出するように構成した被搬送物の搬送姿勢変換装置に関するものであり、例えば、封書加工機によって、封筒ブランク内に所望量の封入物を名寄せなどの工程を経て封入して封閉加工した封書類を、次の作業ポジションなどに搬送する際、封閉加工した封書類の姿勢を変更するようにした搬送姿勢変換装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
周知のように、経済流通あるいは情報伝達の多様化にともない、種々の技術分野において、コンピュータ装置などにおける連続印字処理システムが、極一般的に普及してきている。また、特許文献１に記載されているように、封筒体を形成するための封筒体形成用連続紙から単位封筒体をバーストして、封筒体を形成する過程において、該封筒の内部に予め情報処理されている封入物を封入して封閉する構成の封書類加工機も多種類のものが開発され、提供されてきている。
【０００３】
この特許文献１並びに図７に示すように、従来の封書類加工機Ｍによれば、封筒体内に所望量の封入物を封入封閉した封書類Ｈは、一部重ね合わされた状態で横倒し状に排出され、コンベアテーブルＣＴ上に乗った状態でベルト搬送され、次作業ポジションに供給されるようになっている。
【０００４】
このように、一部が重なり合った状態で横倒し状に排出される封書類Ｈは、次作業ポジションにおいて、例えば、デリバリーオペレーターにより、コンベアベルト上に排出され送り出された封書類を、指示数量に応じて、都度かき集めて整列させ、しかる後、「数量カウント」「帯掛け」の処置を行い、最終的に出荷ケースに詰め合わせている。
【０００５】
この従来の方法では、封書類加工機Ｍの操作オペレーター以外に、デリバリー担当のオペレーターを少なくとも３名を要し、人件費高によるコスト増、並びに、人員の安定確保の負担が大きいものであった。さらに、コンベアベルト上での封筒整列においては、相応のスキル（経験）が必要となり、オペレーターの負担（数量区分け管理、整列、品質確認、封筒口空きなどの確認）が大きくなるという問題を有していた。
【０００６】
【特許文献１】特開２００１−１８０１５７号公報（要約、図１および図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、この発明は、上記する従来の技術にみられる問題点を解消しようとするものであり、封書類加工機Ｍによって加工された被搬送物Ｈを、次作業ポジションにおいて取り扱い易いように、立位状態に姿勢変換して排出するようにした被搬送物の搬送姿勢変換装置を提供するものであり、それによって、デリバリーオペレーターの人員削減、デリバリースキルレスの実現を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、シート状の被搬送物を受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置を構成するものである。
【０００９】
さらに、この発明において、請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の封書類の搬送姿勢変換装置であって、前記搬送姿勢変換手段が、搬送姿勢変換ユニットからなり、前記搬送姿勢変換ユニットが、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物を受け入れる搬入手段を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物を排出する排出手段を備えた機枠と、前記搬入手段は、前記被搬送物を受入れ、一つの回転駆動源によって同期回転し、協働して前記被搬送物を案内する一対の搬入側スパイラル送り車を含み、前記排出手段は、排出側スパイラル送り車を含むものからなり、前記搬入側スパイラル送り車の一方と、前記排出側スパイラル送り車との間を、スパイラル線部材により連結してなり、前記搬入側スパイラル送り車、スパイラル線部材および排出側スパイラル送り車を通過する過程において前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とするものである。
【００１０】
さらに、この発明において、請求項３に記載の発明は、請求項１あるいは請求項２に記載の封書類の搬送姿勢変換装置であって、前記被搬送物が、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションに排出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置は、封書類加工機における加工した封書類の排出側に、封書類加工機から横倒し状態で排出される封書類を立位状態に搬送姿勢を変換して排出する搬送姿勢変換手段を設け、この搬送姿勢変換手段によって、封書類を立位状態で次作業ポジションに排出するように構成したことにより、封筒加工機によって加工された封書体を、次作業ポジションにおいて取り扱い易いように排出することができ、それによって、デリバリーオペレーターの人員削減、デリバリースキルレスの実現を達成することができるという点において、極めて有効に作用するものといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置について、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図１は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置の具体的な実施例について、その全体の外観を示す概略的な正面図、図２は、図１における矢印Ｘ１の方向から見た当該搬送姿勢変換装置の概略的な側面図、図３は、図１における矢印Ｙの方向から見た概略的な側面図、図４は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置であって、その主要部の詳細を示す概略的な正面図、図５は、図４における矢印Ｘ２の方向から見た概略的な側面図、図６は、搬入スパイラル治具と搬送用スプリングとによって封書類の搬送姿勢が変換される様子を示す概略的な斜視図である。
【００１３】
まず、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置１について、図１〜図６に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置１は、基本的には、図１に示すように、例えば、封書類加工機Ｍにより加工された被搬送物Ｈを受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、当該被搬送物Ｈの搬送姿勢を、第１の搬送姿勢ＤＰ１（図１に示す実施例において横倒し状態）から第２の搬送姿勢ＤＰ２（図１に示す実施例において立位状態）に姿勢変換する搬送姿勢変換手段２を含むものからなっており、該搬送姿勢変換手段２によって、前記被搬送物Ｈを、第２の搬送姿勢ＤＰ２のままの状態で次作業ポジションＮＰに排出するように構成したものである。
【００１４】
前記搬送姿勢変換手段２は、搬送姿勢変換ユニットＵによって構成されているものであり、該搬送姿勢変換ユニットＵは、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物Ｈを受け入れる搬入手段３を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物Ｈを排出する排出手段４を備えた機枠５を含むものによって構成されている。
【００１５】
前記搬入手段３は、前記被搬送物Ｈを受入れ、一つの回転駆動源６によって同期回転し、協働して前記被搬送物Ｈを案内する一対の搬入側スパイラル送り車７、８を含むものからなっている。前記排出手段４は、排出側スパイラル送り車９を含むものからなっている。前記搬入側スパイラル送り車７、８のうちの一方の搬入側スパイラル送り車７と、排出側スパイラル送り車９とは、スパイラル線部材１０によって接続されている。
詳しくは、前記スパイラル線部材１０の一端１０ａは、搬入側スパイラル送り車８に連結されており、前記スパイラル線部材１０の他端側１０ｂは、排出側スパイラル送り車９の螺旋溝９ａに係合している。
【００１６】
前記搬入側スパイラル送り車７、８は、それぞれ螺旋溝７ａ、８ａを備え、回転軸７ｂ、８ｂを有するものからなっている。前記搬入側スパイラル送り車７、８のうちの他方の搬入側スパイラル送り車８は、その螺旋溝８ａの終端側に、被搬送物Ｈを搬入側スパイラル送り車７側に押し出す被搬送物押し出しカム１１が設けてある。
【００１７】
前記スパイラル送り車７、８、９の駆動機構１２は、一例において、機枠５に搭載した一つの回転駆動源６と、前記回転駆動源６の回転軸６ａに伝動ベルト１３を介して伝動連結され、一端に排出側スパイラル送り車９を備えた第１の回転軸１４と、ベベルギヤ１５を介して伝動連結されている第２の回転軸１６と、前記第２の回転軸１６の出力端側１６ａに伝動ベルト１７を介して前記搬入側スパイラル送り車７、８の回転軸７ｂ、８ｂに伝動連結される伝動連結手段１８とを含むものからなり、一つの回転駆動源６によって、前記搬入側スパイラル送り車７、８および排出側スパイラル送り車９を同期回転させることができるようになっている。
【００１８】
さらに、前記第１の回転軸１４の出力端側１４ａには、被搬送物Ｈを送り出す補助送り車１９が取り付けられている。
【００１９】
このような構成により、被搬送物Ｈは、図１において矢印Ａ１の方向から横倒し状態で受入位置Ｐ１に搬送され、前記搬入側スパイラル送り車７、８で受け入れ、スパイラル線部材１０および排出側スパイラル送り車１９を通過する過程において、前記被搬送物Ｈを、第２の搬送姿勢ＤＰ２（立位状態）で次作業ポジションＮＰに排出する。図５に、前記被搬送物Ｈが搬送される様子を太線で示す。
【００２０】
この発明の好ましい実施例によれば、前記被搬送物Ｈは、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段２を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションＮＰに排出するように構成することができる。
【００２１】
この発明において、立位状態で被搬送物排出位置Ｐ２にもたらされた被搬送物Ｈは、立位状態のままストッカー２０に確保され、搬送用駆動源２２によって駆動するコンベアベルト２１により、次作業ポジションＮＰに送り出される。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】図１は、この発明になる被搬送物の搬送姿勢変換装置の基本的な構成例を示すものであって、搬入側スパイラル送り車とスパイラル線部材とによって、被搬送物の搬送姿勢が変換される様子を示す概略的な斜視図である。
【図２】図２は、この発明になる封書類の搬送姿勢変換装置の具体的な実施例について、その全体の外観を示す概略的な正面図である。
【図３】図３は、図２における矢印Ｘ１の方向から見た当該搬送姿勢変換装置の概略的な側面図である。
【図４】図４は、図２における矢印Ｙの方向から見た概略的な側面図である。
【図５】図５は、この発明になる封書類の搬送姿勢変換装置であって、その主要部の詳細を示す概略的な正面図である。
【図６】図６は、図５における矢印Ｘ２の方向から見た概略的な側面図である。
【図７】図７は、従来例を示すものであって、封書類加工機により加工された封書類の搬出の態様例を示す概略的な斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 被搬送物の搬送姿勢変換装置
Ｍ 封書類加工機
Ｐ１ 被搬送物受入位置
Ｐ２ 被搬送物排出位置
Ｈ 被搬送物
ＤＰ１ 第１の搬送姿勢
ＤＰ２ 第２の搬送姿勢
２ 搬送姿勢変換手段
ＮＰ 次作業ポジション
Ｕ 搬送姿勢変換ユニット
３ 搬入手段
４ 排出手段
５ 機枠
６ 回転駆動源
６ａ 駆動源の回転軸
７、８ 一対の搬入側スパイラル送り車
７ａ、８ａ 一対の搬入側スパイラル送り車の回転軸
９ 排出側スパイラル送り車
１０ スパイラル線部材
１１ 被搬送物押し出しカム
１２ 駆動機構
１３ 伝動ベルト
１４ 第１の回転軸
１５ ベベルギヤ機構
１６ 第２の回転軸
１７ 伝動ベルト
１８ 伝動連結手段
１９ 補助送り車
２０ ストッカー
２１ コンベアベルト
２２ 搬送用駆動源
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シート状の被搬送物を受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【請求項２】
前記搬送姿勢変換手段が、搬送姿勢変換ユニットからなり、前記搬送姿勢変換ユニットが、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物を受け入れる搬入手段を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物を排出する排出手段を備えた機枠を含み、
前記搬入手段は、前記被搬送物を受入れ、一つの回転駆動源によって同期回転し、協働して前記被搬送物を案内する一対の搬入側スパイラル送り車を有し、
前記排出手段は、排出側スパイラル送り車を含むものからなり、
前記搬入側スパイラル送り車の一方と、前記排出側スパイラル送り車との間を、スパイラル線部材により連結してなり、
前記搬入側スパイラル送り車、スパイラル線部材および排出側スパイラル送り車を通過する過程において前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする請求項１に記載の被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【請求項３】
前記被搬送物が、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする請求項１あるいは請求項２に記載の被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【請求項１】
シート状の被搬送物を受入位置Ｐ１から排出位置Ｐ２に向けて搬送する過程において、前記受入位置Ｐ１と前記排出位置Ｐ２との間に、前記受入位置Ｐ１における第１の搬送姿勢ＤＰ１から前記排出位置Ｐ２における第２の搬送姿勢ＤＰ２に変換して排出する搬送姿勢変換手段を設けてなり、前記搬送姿勢変換手段によって、前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【請求項２】
前記搬送姿勢変換手段が、搬送姿勢変換ユニットからなり、前記搬送姿勢変換ユニットが、前記被搬送物受入位置Ｐ１側に、前記被搬送物を受け入れる搬入手段を備え、前記被搬送物排出位置Ｐ２側に、前記被搬送物を排出する排出手段を備えた機枠を含み、
前記搬入手段は、前記被搬送物を受入れ、一つの回転駆動源によって同期回転し、協働して前記被搬送物を案内する一対の搬入側スパイラル送り車を有し、
前記排出手段は、排出側スパイラル送り車を含むものからなり、
前記搬入側スパイラル送り車の一方と、前記排出側スパイラル送り車との間を、スパイラル線部材により連結してなり、
前記搬入側スパイラル送り車、スパイラル線部材および排出側スパイラル送り車を通過する過程において前記被搬送物を前記第２の搬送姿勢ＤＰ２で次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする請求項１に記載の被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【請求項３】
前記被搬送物が、封書類加工機Ｍにより、予め情報処理された所望量の封入物を封筒体内に封入封閉して連続的に加工される封書類であり、前記搬送姿勢変換手段を前記封書類加工機Ｍの封書類排出側ラインに設けてなり、前記封書類加工機Ｍによって加工され、横倒し状態で排出される封書類を立位状態に姿勢変換して次作業ポジションに排出するようにしたことを特徴とする請求項１あるいは請求項２に記載の被搬送物の搬送姿勢変換装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１０−４７３５８（Ｐ２０１０−４７３５８Ａ）
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２１２５８６（Ｐ２００８−２１２５８６）
【出願日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【出願人】（５９２２１２１２４）株式会社佐藤製作所 (1)
【出願人】（３９００３９２４０）株式会社イセトー (7)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【出願人】（５９２２１２１２４）株式会社佐藤製作所 (1)
【出願人】（３９００３９２４０）株式会社イセトー (7)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]