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被覆対象物への貼付用成形体
説明

被覆対象物への貼付用成形体

【課題】対象物に使用する際の使用性を向上させ、容易で確実に目的位置に成形体あるいは機能物質を固定することができ、使用後の除去が必要ない手法を提供する。
【解決手段】水溶性高分子を主成分として含有する組成物からなり、機能性材料を含有もしくは機能性材料層を有する厚さ0.01〜3.0mmのフィルム、シートあるいは平板状、あるいは三次元形状の成形体であり、水及び/又は親水性溶媒を用いて、全体あるいは一部分を溶解または膨潤させることで、被覆対象物の形状に合わせて貼付させるための成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要な材料を目的とする場所に簡易的かつ効果的に設置でき、その目的が達成された後も回収する必要がない成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
必要な材料を目的とする場所に設置する必要がある用途の代表例として、ラインや文字等の表示材や、肥料等の農業用途、農薬、忌避剤等の薬剤用途がある。これらを効果的に使用するためには、目的の場所に確実に設置することが必要であり、散布器具、粒径の制御、基材への含浸など様々な方法が提案されてきた。
例えば、屋外でのイベント会場、競技場や工事現場等では、消石灰によるラインや表示が用いられている。
【0003】
消石灰を用いた手法では、粉体を専用のラインカーに入れ走行時にライン状に粉状の消石灰を散布するため、容易に地面や砂利面等の凹凸面に文字やラインを表示できる上にコストが安く、しばらくすると自然にラインが消えるため短期間使用の場合のメリットが大きい。
しかし、粉状で比重が軽いために舞いやすく、強風下ではラインが引けない、雨等で流れやすい等の問題があった。さらに嵩密度が低いことから、保管場所が嵩むため石灰庫やストッカー等が必須である。また、ラインカーで粉体を散布するという方式であることから、表示を失敗すると地面の場合にはラインを消す為には土で粉を希釈して周囲に広げなくてはならず、出来上がりが美しくない上に手間が掛かってしまう。さらに、風等で舞い上がった粉が目に入って視力障害が出るという事故が多発したことから、文部科学省より消石灰から炭酸カルシウムに変更するよう改善通知が出されている。
ところが、改善通知に従って炭酸カルシウムを用いた場合には、若干密度は上がるものの粉状であることに変りはなく、安全性以外の面での課題は解決されていない。また、大きなメリットであったコストも上昇してしまう。
【0004】
一方、釘や杭で固定するための非水溶性又は非水膨潤性の樹脂製シートをグランドテープ等も市販されている。シート状であるため、仕上がりが美しく長期間使用できるというメリットがある反面、アスファルト、コンクリート等といった杭を打つことが出来ない場所には使用することができず、地面などに固定した場合にも、釘間部分のテープでつまずいたり、抜けた釘で怪我をするという事故に繋がる危険があり、テープ自体に追従性がないことから砂利面等の凹凸が大きい面には使用することはできない。また、設置時には大量の釘打ち作業が必要となる為に多くの労力を必要とする上、不要になった場合にも全ての釘や杭を抜いてテープと共に回収する必要があるため、工事現場やイベント等の短期間使用の目的には不向きである。
これらの粉体散布やテープ状表示物の課題を解決する手法は、これまでのところ提案されていない。
【0005】
なお、特許文献1に記載されているように、水溶性高分子からなる接着性シートは知られているが、このような接着性シートは2つの物体を接着させるために使用されるのであり、被覆対象物への機能性材料の散布、固定、表示を目的として行うものではない。
さらに、特許文献2に記載されているようにポリビニルアルコール及び脂肪酸処理重質炭酸カルシウムを含有する易洗浄性芝用マーキング剤が知られており、該マーキング剤は天然芝や人工芝に対してラインを形成するために使用するものが記載されている。
また、特許文献3には、殺菌性化合物と吸水性ポリマーとからなるシート状殺菌成型物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−34883号公報
【特許文献2】特開2010−90337号公報
【特許文献3】特開平7−242504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来は非水溶性又は非水膨潤性の樹脂製シートをグランドテープ等に使用する際には、アスファルト等に対して使用できないという制限や釘間のテープにつまずいたり、抜けた釘による怪我発生、さらにグランドテープ以外の用途においても使用後に除去・回収する必要があるという取り扱いの煩雑さがあった、
また、ポリビニルアルコールを含有するがシート状ではないマーキング剤は、使用時には液状であるために、散布するためのスプレー等の器具を要し、かつ液体としての取り扱いをする際には容器内に入れることや、希釈する等の手間を要することになる。加えて吸水性ポリマーを使用した場合、吸水性ポリマーは水溶性ではないので、グランド等に使用した後にその吸水性ポリマーを回収する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、上記のような取り扱い上の課題を解決することであり、その結果、対象物に使用する際の使用性を向上させ、容易で確実に目的位置に成形体あるいは機能物質を固定することができ、使用後の除去が必要ない手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の手段で解決することができることを見出し、本発明をなすに至った。
1.水溶性高分子を主成分として含有する組成物からなり、機能性材料を含有もしくは機能性材料層を有する厚さ0.01〜3.0mmのフィルム、シート、あるいは三次元形状平板状の成形体であり、水及び/又は親水性溶媒を用いて、全体あるいは一部分を溶解または膨潤させることで、被覆対象物の形状に合わせて貼付させるための成形体。
2.機能性材料が該組成物中に混合されるか、機能性材料が該成形体に含浸、印刷、塗布、あるいは蒸着して作製されたことを特徴とする1に記載の成形体。
3.機能性材料が着色剤である1又は2に記載の成形体。
4.機能性材料が水溶性高分子の架橋剤である1〜3のいずれかに記載の成形体。
5.部分的に水溶性感圧粘着剤層が形成された1〜4に記載の成形体。
6.長尺のテープである1〜5のいずれかに記載の成形体。
7.該組成物が非水溶性の生分解性高分子を含有してなる1〜6に記載の成形体。
8.1〜7のいずれかに記載の成形体を被覆対象物に貼付した後、成形体に含有される水溶性高分子を全て溶解させることで、該被覆対象物上に機能性材料及び非水溶性成分のみを付着させることを特徴とした機能性材料の設置方法。
9.1〜7に記載の成形体に対する架橋剤の水溶液を散布し、該水溶性高分子を溶解または膨潤させながら架橋し、機能性材料を長期固定できることを特徴とした成形体の固定方法。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、水溶性高分子を主成分とする組成物からなる成形体は親水性溶媒により少なくともその一部が溶解もしくは膨潤し、被着体の形状に合わせて立体的に貼付できる。水溶性高分子が膨潤もしくは溶解した際に被着体の形状に延伸しながら付きまわり、被着体が立体であってもその表面形状に沿って立体的に被覆するためである。
該組成物に機能性材料が含有される場合には、成形体内に均一に機能性材料を分散、担持することができ、また、成形体表面に機能性材料を含浸、印刷、塗布、あるいは蒸着した場合には、被着体の表面に該成形体によって機能性材料を固定化できる。固定化された機能性材料は被着体表面でその機能を発揮することができる他、その機能性材料が不要となった際には、該成形体の主成分は水溶性高分子であることから、過剰の水により水溶性高分子ごと洗い流して除去できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の成形体は、一度親水性溶媒を塗布することで粘着性を発揮し、建物の床、壁、天井やグランドや畑、農業資材、アスファルト舗装、コンクリート、土、砂利などの地面の他、鉢、ガラス製品、プラスチック製品などあらゆる平面や立体の被処理表面に被覆できる。また、この成形体に種々の機能剤を含有することで、希望する部位へ機能剤を簡便に固定できるものである。
成形体は、フィルムやシート状の平板状だけではなく、トレー形状、チューブ状等の三次元形状とすることができる。具体的には、被着体表面の形状と密着できて目的とする機能が発揮できる形状であれば良く、特に限定されるものではない。また、表示や機能剤の固定化をするには長尺のテープ状が好ましく、テープ状の場合について以下に詳細を説明する。
【0011】
本発明の成形体は、水溶性高分子を主成分とする組成物からなる成形体であって、湿潤に足る程度の親水性溶媒を与えることで、成形体の一部又は全体を膨潤ないし溶解させ、被覆対象物が立体表面であっても成形体が追従して被覆する。
該水溶性高分子は、上記の機能を満たすものであればよく、ヒプロメロースやメチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルアセテート共重合体や、プルラン、アガロース、ゼラチンなどを用いることができる。このような水溶性高分子から1種または2種以上を選択して使用することにより、使用後における成形体の回収作業が不要となる。
【0012】
水溶性高分子を溶解または膨潤させることができる親水性の溶媒には、水や、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系、グリセリン、ジグリセリン、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリセリンなどの多価アルコール、又はこれらの2種以上を含有する混合物が挙げられる。中でも、溶剤の安全性や環境への負荷が低いことから水やエタノールを使用することが好ましい。これら溶媒を適量吸収した水溶性高分子は、その一部が溶解または膨潤することで成形体の表面が粘稠性を発揮することができる。
【0013】
該組成物には、上記の水溶性高分子に非水溶性成分を混合させても良く、中でも本発明の目的に沿った生分解性高分子を混合させることができる。その生分解性高分子として、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどのポリエステル系生分解性高分子や、ポリカプロラクタムなどのラクタム系生分解性高分子、澱粉、キチン、キトサンなどの非水溶性多糖類が選択される。非水溶性の生分解性高分子と混合することにより膜保持性を向上することができ、さらに経時で膜が崩壊するため使用後に回収する必要がない。
また、水溶性高分子には、その性質を調整するための可塑剤やアンチブロッキング剤、賦形剤、帯電防止剤、界面活性剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0014】
成形体をテープ状とした場合、その厚みは0.01〜3.0mmであり、好ましくは0.02〜1.0mm、さらに好ましくは0.05〜0.2mmである。この0.01mmよりも薄い場合は成形体として取り扱える強度が不足し、一方で3.0mmよりも厚い場合、湿潤させて被覆対象物に追従するのが困難となるため好ましくない。
また成形体が三次元形状を有する場合であっても、その成形体の肉厚が上記のテープ状の場合の厚さと同じである。
【0015】
本発明の成形体の製造方法は、例えば成形体がテープ状である場合には、水溶性高分子の水溶液をエンドレスベルトやドライヤー上に流延し加熱乾燥してテープを得るほか、テープ状に限らず成形体の製造手段は熱可塑性樹脂の場合には溶融押出しであっても良い。この様にして得られたテープをスリット、断裁などによりテープ状に加工することで得られる。
また、本発明の目的を満たす範囲で水溶性高分子テープの成形時に水溶性もしくは非水溶性の生分解樹脂を共溶融押出し、押出ラミネートまたは熱ラミネーションして多層化してもなんら問題はない。水溶性高分子の特性に合わせて適宜製造方法を選ぶことができる。
また成形体が三次元形状である場合には、金型等により成形時に求める三次元形状を呈するようにしても良く、また一度シート状物を得てからこれを成形して求める三次元形状としても良い。
【0016】
成形体の被覆対象物と密着する側の面には、ポリビニルピロリドンやアクリル酸とブチルアクリレート又はアクリル酸−2−メトキシエチルの共重合体などのカルボキシル基含有ビニル単量体、ポリアミド樹脂、ポリエチレンオキサイド、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒプロメロース、アラビアゴム、カゼイン、カゼインナトリウム、ゼラチンなどの水溶性感圧粘着剤層を設けることができる。
これにより、使用後の除去にあたっては水散布後に基材同様に溶解するので、水溶性感圧粘着剤層を有しない成形体と同様にして使用することができることに加え、成形体を被処理物表面に設置する前の仮止めが可能となり、水散布前の位置決めが容易になることによって作業性が向上する。
【0017】
本発明は成形体を機能性材料と組み合わせることで、所望する場所に簡便に機能性材料を設置できる。これら機能性材料は、水溶性高分子自体の性質を変更するものではなく、表示や生物学的に影響を与える機能であり、表示に関するものとしては、アルミニウムレーキや酸化チタン、炭酸カルシウム、黒炭などの着色を目的とした無機系顔料や有機顔料、染料からなる着色剤が挙げられる。この場合、望む色や隠蔽性といった機能を成形体に付与することができ、それにより成形体を設置した箇所を明示することもできる。
【0018】
他の機能性材料としては、例えば香料、農薬や忌避剤も採用できる。その場合には土壌表面等に適量を粉の飛散無く散布することができ、虫や犬、猫、猪、カラスが嫌うと言われる唐辛子成分を用いれば、地面や壁、柵、鉢が荒らされる被害を軽減できる。その他、抗菌や防カビの機能を有する銅や銀イオンを機能性材料としてもよい。但し、機能性材料はここに挙げたものに限定されるものではない。
【0019】
機能性物質の性状は選ばないが、特定場所に留まらせる場合には粉体が好ましく、液状の機能性材料を基材となる粒子に混合、吸着、あるいは含浸させてもよい。成形体の製造時に機能性材料を混練する他、スプレーなどによる成形体表面への塗布や、刷毛塗りや蒸着することによって機能性材料層を形成できる。
機能性材料を含むインクを用いてもよく、インクジェットプリンターやグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷により機能性材料をテープ状の成形体に印刷してもよい。
また、さらに機能性材料を含む溶液の中へ成形体を含浸して機能性材料を吸着させる手段を採用できる。
【0020】
これら機能性材料を、長期に渡って形状を保持する、あるいは機能剤を徐放する必要がある場合には、水溶性高分子に機能剤の一つとして架橋剤を添加、あるいは架橋剤入りの水溶液または親水性溶媒を散布することで被着体に付き回った状態で架橋させることができ、その結果、水溶性を低下させることができ、架橋剤としては、各種水溶性高分子に適した架橋剤を問題なく使用することができる。
このような架橋剤には、水溶性高分子がポリビニルアルコールを含む場合、ほう酸や硼砂などのホウ素化合物やチタン系金属、遷移金属や、イソシアネート類がある。
【0021】
本発明の成形体は、一度親水性溶媒を塗布することで粘着性を発揮し、建物の床、壁、天井やグランドや畑、農業資材、アスファルト舗装、コンクリート、土、砂利などの地面の他、鉢、ガラス製品、プラスチック製品などあらゆる平面や立体の被処理表面に被覆できる。また、この成形体に種々の機能剤を含有することで、被処理表面の希望する部位へ機能剤を簡便に固定できるものである。
成形体は、フィルムやシート状の他に、トレー形状、チューブ状など目的とする機能が発揮できる形状であれば良く、特に限定されるものではない。また、表示や機能剤の固定化をするには長尺のテープ状が好ましく、テープ状の場合について以下に詳細を説明する。
【0022】
被処理表面への被覆方法としては、本発明の成形体の性質である水溶性を活かして、予め水や水性溶媒により湿潤させた被処理表面とし、この表面に本発明の成形体を被せるようにして重ね、該水や水性溶媒が本発明の成形体の一部または全部を溶解することにより、該成形体を被処理物表面に密着し固定させる。
別の被覆方法としては、予め被処理物表面に本発明の成形体を密着させた後で、成形体の被処理物表面とは反対側の面に水や水性溶媒を噴霧等して、該反対側の面を溶解または湿潤させる。あるいは予め少量の水によって本発明の成形体の少なくとも一部を湿潤させた後に該成形体を対象とする被処理表面に密着させることにより固定する。なおこれらの方法にて使用する水や水性溶媒には架橋剤を混合しておき、成形体の少なくとも一部を架橋した状態にて対象物に密着させ固定させても良い。
【実施例】
【0023】
水溶性高分子100重量部に対して可塑剤20重量部と顔料として酸化チタン10重量部を配合した水溶性高分子から成る厚み0.075mm、幅50mmのラインテープを得た。このラインテープを、23℃−50%RHの環境下にて、所定の壁面に設置後、必要十分な水分を噴霧して貼付けることにより、長さ30cmのラインを引いた。
【0024】
(1)ラインの設置作業性及び安定性
砂利路(水平面)、石膏ボード壁面(垂直面)、陶器製植木鉢の表面にラインを設置し、その際の貼り直しの状態を目視および感触で評価した。また、風速5m/分の送風をした環境下で、砂利路上に設置したラインの幅および形状の変化を目視にて観察した。表1におけるライン用の素材の内容は以下の通りである。
A:ポリビニルアルコール VP18(日本酢ビ・ポバール社製)
B:ポリビニルピロリドン共重合体 ルビスコールVA64(BASF社製)
C:ポリビニルアルコール JP05(日本酢ビ・ポバール社製)/ポリ乳酸 4043D(Nature Works社製) 70/30のブレンド品
D:炭酸カルシウム ダストレスラインパウダー(日本理化学工業社製)
E:ガムテープ ハイクラフトテープ(ニチバン社製)
F:ペンキ塗料 水性シリコン外かべ用(関西ペイント社製)
作業性:○作業性が良好であった
×作業性が良好ではなかった
安定性:○安定性は良好であった
×安定性は良好ではなかった
【0025】
(2)ラインの除去性
アスファルト路面上に貼付けた各ラインを、ホースから十分な水量をライン上にかけながらタワシで洗浄する。その残渣の程度を目視にて観察した。
除去性:○残渣を残さずに除去できた。
×除去の後においても表面に残渣が残っていた。
【0026】
【表1】

【0027】
1)温水洗浄することで生分解性樹脂のポリ乳酸も除去できた。
2)風によりラインの幅が広がり、50mmの幅を著しく越えてしまった。
3)砂利が粘着剤に貼り付き、ラインを固定することができなかった。
4)水洗浄で除去できなかった(トルエン等の有機溶剤の使用が必要)。
【0028】
上記の表1に示すように、本発明に沿って行われた実施例A〜Cによると、砂利路、石膏ボード、陶器ともに作業性が良好であった。安定性、除去性も良好で、総合判定結果も良好であった。
ところが、比較例Dによる炭酸カルシウムのみを用いた試験の結果によると、炭酸カルシウムを使用した場合には砂利路への作業性は良好であったが、石膏ボード及び陶器に対する作業性は良好ではなく、加えて、風が吹くことによって表面の炭酸カルシウムが飛ぶので安定性が良好ではなく、除去後にも残渣が残っており除去性も良くなかった。
【0029】
また、ガムテープを用いた比較例Eによる結果によれば、ガムテープを石膏ボードや陶器に貼ることができても、砂利が粘着剤に貼り付いてラインを固定できず、砂利路に安定して貼ることができない。そのため安定性も良くない結果となり、残渣も残るので除去性も良い結果ではなく、総合判定も同様に良くない結果となった。この除去性に関しては、ガムテープだけではなく、吸水性ポリマー等の水除去性ではない素材に共通していえる。
ペンキを用いた作業性は、液体を使用することによる取り扱い性を考慮するといずれも良好ではなかった。安定性は良好であったが、水で除去できないので除去性は劣っており、総合判定も良くない結果となった。
このような結果によると、本発明によると砂利路から陶器に例示されるように極めて広範囲な対象に成形体を貼り付けることが可能となるとともに、安定性や除去性にも優れるので、安定して貼り付けることが可能となり、しかも除去する際には残渣なく除去することができ、仮に残渣が残ったとしても水洗することにより十分に残渣を除去できるという、従来の技術に対して十分に優れた効果を奏することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性高分子を主成分として含有する組成物からなり、機能性材料を含有もしくは機能性材料層を有する厚さ0.01〜3.0mmのフィルム、シートあるいは平板状、あるいは三次元形状の成形体であり、水及び/又は親水性溶媒を用いて、全体あるいは一部分を溶解または膨潤させることで、被覆対象物の形状に合わせて貼付させるための成形体。
【請求項2】
機能性材料が該組成物中に混合されるか、機能性材料が該成形体に含浸、印刷、塗布、あるいは蒸着して作製されたことを特徴とする請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
機能性材料が着色剤である請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項4】
機能性材料が水溶性高分子の架橋剤である請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
【請求項5】
部分的に水溶性感圧粘着剤層が形成された請求項1〜4に記載の成形体。
【請求項6】
長尺のテープである請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
【請求項7】
該組成物が非水溶性の生分解性高分子を含有してなる請求項1〜6に記載の成形体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の成形体を被覆対象物に貼付した後、成形体に含有される水溶性高分子を全て溶解させることで、該被覆対象物上に機能性材料及び非水溶性成分のみを付着させることを特徴とした機能性材料の設置方法。
【請求項9】
請求項1〜7に記載の成形体に対する架橋剤の水溶液を散布し、該水溶性高分子を溶解または膨潤させながら架橋し、機能性材料を長期固定できることを特徴とした成形体の固定方法。



【公開番号】特開2013−100398(P2013−100398A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244364(P2011−244364)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000100849)アイセロ化学株式会社 (20)
【Fターム(参考)】