装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラム
【課題】各品種を処理する各工程の各使用可能装置に動的に優先順位を割付けする。
【解決手段】各品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、品種を含むデマンド情報から各品種の総数量を演算する品種数量演算手段52Aと、この演算手段で求めた各品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段52Bと、この平演算手段で求めた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める手段52Cと、この手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段52Dとを設けた構成である。
【解決手段】各品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、品種を含むデマンド情報から各品種の総数量を演算する品種数量演算手段52Aと、この演算手段で求めた各品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段52Bと、この平演算手段で求めた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める手段52Cと、この手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段52Dとを設けた構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各装置の有効利用ないし稼働率を高める観点から、部品、半製品を含む製品の生産、作業その他必要な処理を行う各工程で使用する使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
需要に見合う製品を生産、作業その他必要な処理を行うに際し、需要オブジェクト(製品需要量、安全在庫等)に対して、供給オブジェクト(生産ロット、手持ち在庫等)を引き当て、実際に必要な製品需給計画を立てるバランシング処理した後、製品の生産、作業その他必要な処理に関連する各種の属性例えば品種、工程、ロット数などに基づき、装置の生産稼働率の向上ないし各装置の稼働率の均等化を実現する観点から、複数の装置の中から使用可能装置に選択的に割付けすることが行われている。
【0003】
従来、以上のように品種、工程、ロット数などに基づき、複数の装置の中から例えば工程ごとに使用可能装置に選択的に優先順位を割付けていく場合、幾つかの装置優先順位の割付け方法が考えられている。
【0004】
(1) 1つの装置優先順位の割付け方法は、品種α、β,γごと及び各工程ごとに使用する使用可能装置の優先順位の割付けであって、計画作成者は、品種α、β,γごとに使用可能装置が異なることから、品種α、β,γと工程ごとに使用する使用可能装置とを考慮しながら使用可能装置の優先順位を決定していく。
【0005】
具体的には、図12に示すように、品種αに関する処理の場合には装置B1〜B5が何れも使用可能装置であり、品種βに関する処理の場合には装置B1だけが使用可能装置であり、品種γに関する処理の場合には装置B1・B2が使用可能装置であるとすれば、最初に最も少ない使用可能装置をもつ品種βに着目し、当該品種βには装置B1を最も高い優先順位「1」を割付けし、次に品種γでは2台の装置B1・B2が使用可能装置であるが、装置B1が既に品種βで優先順位「1」を割付けられていることから、装置B2に優先順位「1」、装置B1に優先順位「2」を割付けする。最後に、品種αでは何れの装置B1〜B5も使用可能であるので、装置B1,B2を除いて装置B3〜B5に優先順位「1」を割付け、装置2に優先順位「2」を割付け、装置B1には品種βで必ず必要とする装置であるので、最も低い優先順位「3」を割付けする。
【0006】
従って、以上のように品種α、β,γ相互の関係を考慮しながら装置B1〜B5に優先順位を割付けするので、重複することなく使用可能装置B1〜B5の有効利用を図ることができ、遅延することなく各品種α、β,γの必要な処理を実行することが可能となる。
【0007】
ところで、逆に品種αに関し、何れの装置B1〜B5においても使用可能であると判断し、装置B2に優先順位「1」を割付けすれば、品種γでは装置B2を使用できないので、装置B1を使用せざるを得なくなる。その結果、品種βの生産に使用する装置B1に空きが無くなり、品種βの生産が遅延するケースがでてくる。
【0008】
(2) 他のもう1つの装置優先順位の割付け方法は、図13に示すように、品種α、β,γの処理に関し、複数の工程1〜3に分けて複数の使用可能装置B1〜B5、C1を割付ける例であるが、この場合には各品種α、β,γと各工程1〜3ごとの使用可能装置B1〜B5、C1との関係を考慮しながら、各装置B1〜B5、C1に優先順位を割付けていくものである。
【0009】
(3) さらに、装置優先順位の割付けに類する処理順序制御方法としては、予め各装置の処理能力等から適正仕掛かり数を算出し、常に適正な仕掛かり数となるように各装置にロットを積み上げていくが、複数のロットを同時に処理する場合には1つの製造装置に適正な仕掛かり数以上のロットが留まっているとき、他の製造装置に処理を振り分けることにより、ロット物流全体を一定の速度で移動させる方法である。また、各製造装置にロットの仕掛かりレベルに応じて色を表示する信号機を設け、製造装置の前工程は後工程の信号機の表示色を確認しながらロットを処理する方法である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−228912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、以上のような複数の装置優先順位の割付け方法のうち、前記(1)の装置優先順位の割付け方法では、各品種α、β,γに関して1つの工程で処理するための優先順位の割付けであって、同一装置は1つの工程では1台しか使用できないことを前提に割り振りを考えれば、人手による優先順位の割付け作業であっても、複数の品種α、β,γ相互の関係を考慮しながら装置B1〜B5に優先順位を割付けることが可能である。
【0011】
しかしながら、実際上、ある品種に関する処理を行う場合、1つの工程だけで生産、作業その他の処理を完了させることは稀であり、その多くは図13に示すように複数の工程1〜3に跨って処理し、かつ複数の装置B1〜B5、C1を使用し、装置の稼働率を上げながら処理するのが一般的である。
【0012】
従って、このように複数の品種α、β,γについて複数の工程にまたがって処理する場合、品種α、β,γごと及び各工程1,2,3ごとに使用可能装置を把握しながら、各装置B1〜B5、C1に優先順位を付けていくことから、品種相互及び工程間の使用可能装置を考慮しつつ人為的に使用可能装置に優先順位の割付けをすることは非常に難しくなってくる。つまり、図13に示すように品種α、β,γを考慮し、かつ複数の工程1〜3に跨り、装置B1〜B5、C1に優先順位を割付けていく場合には計画担当者による手動設定の範囲を越えるものであり、品種、工程及び使用可能装置の数が多くなってくると、需給状況の変動を織り込むことが難しくなる。よって、各装置に対する優先順位の動的な調整ができない。
【0013】
さらに、前記(3)による先行文献1の技術は、ロットの処理に関し、各装置に対する適正仕掛かり数を求め、常に適正な仕掛かり数となるように各装置にロットを補充していく方法であり、また1つの製造装置に適正な仕掛かり数以上のロットが留まっている場合、処理待ち時間が長くなるので、処理の進捗状況を考慮しながら他の製造装置に処理を振り分けるシステムであり、本願発明の意図する複数の品者や複数の工程の使用可能装置を判断しながら各品種、各工程で使用可能装置に優先順位を割付けていくものとは異なる。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、各品種を処理する各工程で使用する各使用可能装置の優先順位を動的、かつ自動的に調整する装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1) 上記課題を解決するために、複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、対象品種を含むデマンド情報から各対象品種の総数量を演算する品種数量演算手段と、この品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを設けた構成である。
【0016】
この発明は以上のような構成とすることにより、各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷から個別装置の全工程で要する総負荷を求め、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けするので、負荷状態の変化に動的に対応しつつ優先順位を割付けすることができる。
【0017】
また、複数の対象品種の各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けするに際し、予めデマンド情報から各品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を作成し設定すれば、この設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求め、また求めた各対象品種の総数量から前記設定された紐付けされたリンク構成を用いて、各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けするので、対象品種、工程数及び使用可能装置の何れが多くても各使用可能装置に自動的に優先順位を割付けすることが可能である。
【0018】
(2) 本発明に係る装置優先順位調整方法は、各対象品種の各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けすることにより、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷に応じて優先順位を動的に調整することが可能となる。
【0019】
なお、予めデマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を設定しておけば、この紐付けされたリンク構成を用いて、デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すようにすれば、デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、最終的に各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷に応じて優先順位を自動的に割付けすることが可能である。
【0020】
(3) なお、以上のようなシステムの一連の処理手順となるプログラムを、予め記憶媒体に読取り可能に記憶し、CPUで読み取って実行するようにすれば、プログラムによっても実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、各工程で使用する各使用可能装置の優先順位を動的、かつ自動的に調整できる装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明に係る装置優先順位調整方法の一実施の形態を説明する図である。
【0023】
需要に見合う各品種の製品を生産する場合、前述するように需要オブジェクト(製品需要量、安全在庫等)に対して、供給オブジェクト(生産ロット、手持ち在庫等)を引き当て、実際に必要な製品需給計画を作成するバランシング処理を実施した後、部材、中間製品等を含む製品の生産、作業その他必要な処理に係る各種の属性例えば品種、工程、ロット数などに基づき、複数の装置の中から動的な要素を考慮しながら使用可能装置の優先順位を調整していく。
【0024】
(1) この装置優先順位の動的調整に先立ち、前処理段階として、例えば図3(a)に示すように随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとに総ロット数(総数量を含む)を導き出すために、オブジェクト情報であるデマンド情報から各品種情報に紐付けし、また図4に示すようにオブジェクト情報である品種情報から装置情報(各装置の負荷や性能等)を取り出すために紐付けしたオブジェクト紐付け設定処理を行う。
【0025】
すなわち、デマンド情報から各品種情報への紐付け設定は、品種を含んだデマンド情報と品種IDとがリンクされ、図3(b)に示すごとく各品種の要求数量としてのデマンド情報であるデマンドA〜Hの入力に対し、品種IDを介して品種ごとの例えば総ロット数を求めるように紐付けされ、各品種ごとの総ロット数を取り出し、装置優先順位調整システムの主記憶装置に格納する。従って、図3(a)のように紐付けしたリンク構成を利用することにより、随時入力されるデマンドA〜Hの入力に対し、品種α:総ロット数量100、品種β:総ロット数量20、品種γ:総ロット数量20を取り出すことができる。
【0026】
一方、品種情報から装置情報を読み出すために紐付け設定は、各品種情報で必要な工程フロー情報(オブジェクト)を見つけ出すために各品種情報と工程フロー情報IDとをリンク付けし、各品種情報ごとに工程フロー情報IDを介して工程フロー情報に紐付けする。同様に、この工程フロー情報で必要な工程情報(オブジェクト)を見つけ出すために各工程フロー情報と工程情報IDとをリンク付けし、各工程フロー情報ごとに工程情報IDを介して工程情報に紐付けする。さらに、この工程情報で必要な装置群情報(オブジェクト)を見つけ出すために各工程情報と装置群情報IDとをリンク付けし、各工程情報ごとに装置群情報IDを介して装置群情報に紐付けする。さらに、この装置群情報で必要な装置情報(オブジェクト)を見つけ出すために各装置群情報と装置情報IDとをリンク付けし、各装置群情報ごとに装置情報IDを介して各装置情報,つまり装置の優先順位を動的に調整するための例えば装置の負荷情報(性能情報を含む)を取り出す構成とする。従って、ここでは、予め各品種情報から装置情報を取り出すために紐付けされたオブジェクト情報のリンク構成を作成し、装置優先順位調整システムの主記憶装置に格納する。
【0027】
(2) 次に、以上のようなオブジェクト紐付け設定処理を実施した後、装置優先順位の動的調整を行う。具体的には、図1に示すように、各品種ごとに各工程の平均負荷を求める平均負荷演算処理を実施する。この平均負荷演算処理は、各品種情報から工程ごとに前述する装置情報である負荷(品種ごとの合計チケット(各工程のロットに割り当てる能力)数又は処理時間数)を算出し、この算出結果を各工程の装置数と日数(計画期間)とで割り算し、各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求める。但し、計画期間1日を1.0、半日を0.5と考える。図1の例では、理解を容易にするために、計画期間を1日とすれば、工程ごとの負荷を当該工程の使用可能装置数で割り算することにより、各使用可能装置の平均負荷を求めることができる。
【0028】
因みに、図1では、1ロット1チケットの能力を消費するものとし、品種(品種情報)αについて100ロット、品種βについて20ロット、品種γについて20ロットを処理する場合、品種αに関する工程1では使用可能装置がB1〜B5の5台であり、100ロットの処理能力に対する各使用可能装置B1〜B5の平均負荷は「20」であり、工程2では使用可能装置がB1,B2であるので、平均負荷は「50」となる。
【0029】
同様に、品種βに関する工程1では使用可能装置がB1の1台であり、20ロットの処理能力を1台で処理することから、装置B1の平均負荷は「20」、工程2でも使用可能装置がB1の1台であって、装置B1の平均負荷は「20」となる。
【0030】
さらに、品種γに関する工程1,工程2では使用可能装置がB1,B2の2台であり、20ロットの処理能力を2台で処理するので、工程1,工程2とも使用可能装置B1,B2の平均負荷は「10」となる。
【0031】
(3) 引き続き、装置優先順位の動的調整としては、以上のようにして求めた各工程の各装置の平均負荷から全工程にまたがる個別装置の平均負荷を求める個別装置の負荷状態を判断する。
【0032】
装置B1=(品種α工程1負荷分)20+(品種α工程2負荷分)50
(品種β工程1負荷分)20+(品種β工程2負荷分)20
(品種γ工程1負荷分)10+(品種β工程2負荷分)10=130
装置B2=(品種α工程1負荷分)20+(品種α工程2負荷分)50
(品種γ工程1負荷分)10+(品種β工程2負荷分)10= 90
装置B3=(品種α工程1負荷分)20
装置B4=(品種α工程1負荷分)20
装置B5=(品種α工程1負荷分)20
従って、各個別装置B1〜B5の平均負荷のうち、最も負荷の小さい装置は装置B3,B4,B5であり、次に負荷の小さい装置は装置B2、最も負荷の大きい装置B1であることが分かる。
【0033】
(4) そこで、装置優先順位の動的調整としては、前述する個別装置の平均負荷から優先順位を決定する。
【0034】
この優先順位の決定は、品種α、β,γの処理に際し、各工程ごとに各装置の負荷の大小関係を比較し、最も小さい負荷の装置を優先順位「1」とし、逆に最も大きい負荷の装置を最も優先順位を低く設定する。因みに、品種αの工程1では、装置B3〜B5(20)<装置2(90)<装置3(130)の関係にあるので、装置B3〜B5(20)→優先順位「1」、装置2(90)→優先順位「2」、装置3(130)→優先順位「3」となる。品種βの工程1では、装置B1だけであるので、負荷状態に係らず優先順位は「1」となる。品種γの工程1では、装置2(90)<装置3(130)の関係にあるので、装置2(90)→優先順位「1」、装置3(130)→優先順位「2」となる。
【0035】
品種α、β,γの工程2でも同様に大小関係を判断し、小さい負荷の装置の優先順位を大きく設定する。
【0036】
以上のような一連の処理は、計画作成者による各品種の要求数量に基づき、コンピュータが紐付け設定処理によって主記憶装置に格納される各種のオブジェクトの紐付けされたリンク構成に基づいて各装置の負荷情報を取り出し、前述する(2)平均負荷を演算し、(3)個別装置の総負荷を判断し、(4)最終的に優先順位を決定する。
【0037】
従って、以上のような実施の形態によれば、複数の装置の中から装置の能力等を負荷状態を考慮しながら、各品種の各工程ごとに使用可能装置に自動的に優先順位を割付けするので、数多くの品種の製品を処理する場合であっても各装置の負荷状態などを演算して迅速に優先順位を決定することができ、また時間経過に伴う需要状況の変動を取り入れながら優先順位を決定することができる。
【0038】
図5は以上のような装置優先順位調整方法を適用してなる本発明に係る装置優先順位調整システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0039】
この装置優先順位調整システムは、入力パラメータとなる図3(a)のデマンド情報、品種情報等に関するオブジェクト情報、図4の品種情報、工程フロー情報、工程情報、装置群情報、装置情報、…等々に関するオブジェクト情報、図3(b)の各品種の要求数量であるデマンド情報、起動を含む制御指示情報その他必要とする各種の情報を入力するキーボード、マウスなどのポインティングデバイス等の情報入力手段1と、この情報入力手段1で入力されるオブジェクト情報等を一時格納し、また処理途中のデータや処理結果の情報を一時的に記憶する外部記憶装置であるデータバッフア記憶部2と、少なくとも前記情報入力手段1からデータバッフア記憶部2に記憶されるオブジェクト情報を読み出して表示し、デマンド情報から各品種の総ロット数量を取り出し、また各品種情報から装置情報を取り出すためのオブジェクト紐付け情報を確認しつつ、紐付けされたリンク構成を作成する操作画面表示手段3と、装置優先順位を調整するためのプログラムが格納されている記録媒体4と、この記録媒体4に格納される装置優先順位調整用プログラムに基づいて各品種で必要な各工程で使用する複数の使用可能装置の優先順位の動的調整を行うCPUで構成される優先順位調整処理部5と、主記憶装置6と、前述する操作画面表示手段3を含み、さらにプリンタなどを含む出力手段7が設けられている。
【0040】
前記情報入力手段1から入力される工程フロー情報は例えば各品種がどのように流れるか、また各工程がどのような結合されているかなどの定義情報であり、工程情報は工程フロー情報に結合される各工程の処理内容に関する定義情報であり、装置群情報は各工程ごとにいかなる使用可能装置で構成されているかの定義情報であり、装置情報は各装置自身の処理内容に関する定義情報であって、例えば負荷情報、性能情報などが挙げられる。
【0041】
前記優先順位調整処理部5は、図3に示すように随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとの総ロット数量を導き出すために、デマンド情報から各品種情報を取り出し、また図4に示すように品種情報から装置情報(各装置の負荷や性能等)を取り出すために、紐付けされた図3(a)及び図4に示すリンク構成データを作成し、主記憶装置6に設定するオブジェクト紐付け設定手段51と、情報入力手段1から入力される図3(b)のデマンドA〜Hに基づき、主記憶装置6に設定される図3(a)及び図4に示す紐付けされたリンク構成データを用いて、最終的に多数の装置のうち、各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に対し、各装置の負荷、能力等に基づいて優先順位を自動的に割付けするローディング処理手段52と、このローディング処理手段52にて各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に優先順位を付けるに際し、指定された制約条件(能力、部材制約など)のもとに投入数量または払出し数量をバケット単位の時間軸で予測し、少なくとも納期日に間に払出し数量の製品が完了するように投入日を設定するスケジュールを作成するスケジューリング処理手段53とが設けられている。
【0042】
前記オブジェクト紐付け設定手段51としては、情報入力手段1からデータバッフア記憶部2に記憶されるオブジェクト情報を操作画面表示手段3に表示し、デマンド情報から各品種の総数量(総ロット数量)を取り出すように、デマンド情報から品種IDをリンクとし、各品種の総数量(総ロット数量)を取り出すように紐付けし、確認の後、主記憶装置6に設定する。また、同様に操作画面表示手段3を利用し、各品種情報から装置情報を取り出すための各オブジェクト情報である図4に示す各品種情報から工程フロー情報、この各工程フロー情報から工程情報、この各工程情報から装置群情報、この各装置群情報から装置情報を取り出すように紐付けしつつリンク構成を作成し、確認の後、同様に主記憶装置6に設定する。
【0043】
なお、図4に示す品種情報から装置情報まで紐付けされたリンク構成は、図6に示すように1つの品種情報に対してその下位にn個の工程フロー情報が連なっているので、各品種ごとに必要な各工程フロー情報ごとの工程フロー情報IDとリンクされ、枝分れされている。従って、ある1つの品種情報で必要な工程フロー情報IDに紐付けされた1つの工程フロー情報に対しても下位にn個の工程情報が連なっていることから、各工程フロー情報ごとに必要な各工程情報ごとの工程情報IDとリンクされ、枝分れされている。
【0044】
以下、工程情報、装置群情報についても同様であり、ここでは最終情報として装置情報である各装置の負荷情報・性能情報を取り出すことにあるが、装置情報以外の情報を取り出す場合には、さらに装置情報のIDを介して下位に他の情報を連ねる構成となる。
【0045】
前記ローディング処理手段52としては、例えば図3(a)に示す紐付けされたリンク構成を用いて、図3(b)のごとき随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとに総ロット数(総数量を含む)を取り出す品種数量演算手段52Aと、各品種情報から工程ごとに前述する装置情報である負荷(品種ごとの合計チケット(各工程のロットに割り当てる能力)数又は処理時間数)を算出し、この算出結果を各工程の装置数と日数(計画期間)とで割り算し、図1に示すように各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求める平均負荷演算手段52B、この平均負荷演算手段52Bによって求めた各工程の各装置の平均負荷から全工程にまたがる個別装置の平均負荷を求める個別装置負荷状態判断手段52C、この個別装置負荷状態判断手段52Cで求められた各工程ごとの各装置の負荷の大小関係を比較し、最も小さい負荷の装置を優先順位「1」とし、逆に最も大きい負荷の装置を最も優先順位を低く設定する優先順位決定手段52Dとが設けられている。
【0046】
次に、以上のような装置優先順位調整システムの動作及び本発明に係るプログラムによる一連の処理例について図7を参照して説明する。なお、装置優先順位の動的調整に先立ち、予め情報入力手段1から所要のオブジェクト情報を入力し、操作画面表示手段3に展開し、図3(a)及び図4に示すようにオブジェクト情報と次オブジェクト情報IDとをリンク付けし、オブジェクト情報とオブジェクト情報とを紐付けし、主記憶装置6に設定されている(オブジェクト紐付け設定手段)。
【0047】
以上のような状態において、装置優先順位調整システムは、情報入力手段1から動作開始信号を受けると、優先順位調整処理部5は、記録媒体4に格納されている装置優先順位調整用プログラムを読み出してデータバッフア記憶部2に格納し、プログラムに基づいて所要の処理を実行する。
【0048】
すなわち、優先順位調整処理部5は、情報入力手段1から図3(b)に示すようなデマンドA〜Hのデマンド情報が入力されると、主記憶装置6に記憶される図3(a)に示すデマンド情報の紐付けされたリンク構成を用いて、各デマンドA〜Hの品種IDからデマンドA〜Dが同一の品種情報,つまり品種αに紐付けされているので、この品種αのロット数を合計し、品種α=総ロット数100を求める。同様に品種β=総ロット数20、品種γ=総ロット数20を算出する(S1:品種数量演算手段52A、品種数量演算機能)。
【0049】
そこで、以上のようにして算出された図1に示す品種α100ロット、品種β20ロット、品種γ20ロットに基づき、既に主記憶装置6に記憶されている図4及び図6に示す品種情報から装置情報を取り出す紐付けされたリンク構成を用いて、品種ごと及び工程ごとに使用可能な装置の平均負荷を算出する(S2:平均負荷演算手段52B、平均負荷演算機能)。この使用可能装置の平均負荷算出処理は、先ず、品種αにリンクされる工程フロー情報IDに紐付けされるどのような工程で流すかを定義する工程フロー情報を取り出す。しかる後、この工程フロー情報にリンクされる工程情報IDに紐付けされる各工程の処理内容に規定する工程情報(工程1:図6参照)を取り出す。さらに、この工程情報にリンクされる装置群情報ID+工程で必要とする品種α100ロットに対応する負荷(例えば処理時間情報)を算出し、かつ前記装置群情報IDに紐付けされる当該工程で使用する装置群情報を取得し、負荷を装置群情報(当該工程の使用可能装置数)で割り算し、各装置の平均負荷を算出し、品種α100ロット、工程情報(工程1)、装置群情報(装置B1〜B5)、各装置の平均負荷20及び当該装置群情報にリンクされる装置情報ID等に関する情報をデータバッフア記憶部2に記憶する。
【0050】
引き続き、品種α100ロットについて、紐付けされたリンク構成を用いて、次の工程フロー情報IDから工程情報(工程2:図6参照)を取り出し、同様に装置群情報(装置B1,B2)、各装置の平均負荷50及び当該装置群情報にリンクされる装置情報IDを取り出し、品種α100ロット、工程情報(工程2)、装置群情報(装置B1,B2)、各装置の平均負荷50及び当該装置群情報にリンクされる装置情報IDを取得し、同様にデータバッフア記憶部2に記憶する。
【0051】
さらに、品種β20ロット、品種γ20についても、紐付けされたリンク構成を用いて、必要な情報を取り出し、データバッフア記憶部2に記憶する。
【0052】
次に、優先順位調整処理部5は、以上のようにして品種ごと及び各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求めた後、個別装置の総負荷を算出する(S3:個別装置負荷状態判断手段52C、装置負荷状態判断機能)。ここでの具体的な処理は、バッフア記憶部2に記憶される装置情報IDから装置情報(装置B1)を取り出し、データバッフア記憶部2に記憶される装置情報(装置B1)に関係する工程1,工程2の各平均負荷を順次加算して総負荷を算出する。その結果、図8に示すように工程1で使用される各装置情報である装置B1情報には総負荷130、装置B2情報には総負荷90、装置B3情報には総負荷20、装置B4情報には総負荷20、装置B5情報には総負荷20が得られる。また、工程2で使用される各装置情報である装置B1情報には総負荷130、装置B2情報には総負荷90が得られる。
【0053】
さらに、優先順位調整処理部5は、各使用可能装置B1〜B5の総負荷を求めたならば、各工程ごと及び該当する工程の使用可能装置を組とし、各装置の全工程の総負荷情報を昇順にソートし、使用可能装置の総負荷の小さい順番に高い優先順位から低い優先順位となる例えば整数連続番号1,2,…を割付け、かつ総負荷が同一となる各装置の組は同一の優先順位の番号を付ける(S4:優先順位決定手段52D、優先順位決定機能)。
【0054】
なお、このローディング処理手段52にて各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に優先順位を付けた後、各品種の生産、作業その他の処理を行うための工程を含む品種投入及び製品完成に関するスケジュールを計画するが、このスケジュールの計画はスケジューリング処理手段53によって行われる。
【0055】
このスケジューリング処理手段53は、指定された制約条件(能力、部材制約など)のもとに投入数量または払出し数量をバケット単位の時間軸で予測するものであって、例えば図9に示すように理論工期、標準工期、許容工期に基づき、以下の2つの方法の何れか一方又はその組み合わせにより、スケジューリングを実行する。ここで、理論工期は理論的に処理に必要であると分かっている最小時間であって、理論工期=処理開始までの最短必要時間+リソース占有時間+後処理時間で表す。標準工期は標準的な処理時間であって、標準工期=前記理論工期×標準工期係数によって表される。許容工期は前倒し可能な最大許容時間であって、許容工期=前記理論工期×許容工期係数によって表される。
【0056】
* スケジューリング方法1:投入日からのForward展開(図10参照)。
【0057】
このスケジューリング方法は製品納期から標準工期に基づいてさかのぼって仮の投入日を決定し、この投入日からForward展開する例である。同図において、(a)は納期から標準工期分さかのぼった日を投入日とする。(b)は理論工期にてForward展開し、リソース占有時間の山積み・山崩しを行う。リソース占有時間の山積み・山崩しとは、投入から各工程順または納期から逆工程順に所定の能力負荷となるように積み上げていき、ある工程の能力負荷が所定の能力負荷を超えた場合、最後となる工程に所定の能力負荷を超えない範囲で後倒しまたは前倒しする。(c)は展開結果が納期より早く完了した場合、完成予定日を納期日とする。よって、(c)は余裕バッフアとなる。
なお、前記(a)においてさかのぼった投入日が計画開始日より過去になる場合、この計画開始日を投入日とする。
【0058】
* スケジューリング方法2:製品納期からBackward展開(図11参照)。
【0059】
このスケジューリング方法は、製品納期からBackward展開する例である。同図において、(a)は納期日より理論工期にてBackward展開し、リソース占有時間の山積み・山崩しを行う。(b)は展開結果が許容工期内で完了した場合、投入日はこの展開完了日、完成予定日は納期日とする。但し、Backward展開が標準工期内で完了した場合は、投入日は標準工期でさかのぼった日とする。
なお、(b)において許容工期が計画開始日より過去になる場合、さかのぼることのできるリミットを計画開始日とする。
【0060】
* 前述する各スケジューリング方法において、各ロット毎及び各行程毎に割付装置を選択する際、各装置の負荷状況及び算出した装置優先順位を参照して割付装置の選択を行う。
【0061】
* その他の補足処理としては、前述する各スケジューリング方法において、標準工期、許容工期でさかのぼるときは、休日で設定される非稼動期間をスキップ処理してさかのぼること。また、Forward展開、Backward展開する際、休日の設定やリソース能力の一時的変更の設定による非稼動期間をスキップ処理する。
【0062】
従って、以上のような実施の形態によれば、予めオブジェクト紐付け設定手段51にてデマンド情報から品種情報である各品種の総ロット数又は数量を取り出し、また品種情報から装置情報を取り出すための紐付きのリンク構成を作成し、記憶装置6に設定し、各品種の要求数量を受けると、品種数量演算手段52Aでは、記憶装置6に記憶される紐付けされたリンク構成を用いて、自動的に各品種ごとの総ロット数又は総数量を算出することができる。
【0063】
また、品種数量演算手段52Aにおいて、各品種ごとの総ロット数を含む総数量を算出すると、平均負荷演算手段52Bでは、品種情報の総数量から装置情報を取り出すための紐付けされたリンク構成を用い、品種ごとに各品種に紐付けされる各工程フロー情報、工程情報及び各工程ごとの使用可能装置の装置群情報を取り出し、品種ごと及び工程ごとの装置平均負荷を算出した後、個別装置負荷状態判断手段52Cにて個別装置ごとに全工程の総負荷を算出するので、各装置の負荷状態を容易に判断できる。
【0064】
さらに、各装置の総負荷の大小関係がわかれば、各工程ごとに総負荷の小さい順に高い優先順位を与えるようにするので、品種ごと及び工程ごとに使用可能装置に自動的に優先順位を割付けすることができる。
【0065】
なお、上記実施の形態では、図3(a)及び図4に示す紐付けされたリンク構成を用いて、デマンド情報から品種情報、品種情報から装置情報を取り出すようにしたが、例えば予め各品種の総数を求めた後、各品種の総数から総負荷を求めて主記憶装置6に格納し、また品種ごと及び各工程ごとの使用可能装置を設定し、ローディング処理手段52を実行する構成であってもよい。
【0066】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0067】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】品種ごと及び工程ごとの使用可能装置の平均負荷を算出するための本発明に係る装置優先順位調整方法を説明する図。
【図2】図1で求めた使用可能装置の平均負荷から各装置の総負荷を求めて優先順位を決定する本発明に係る装置優先順位調整方法を説明する図。
【図3】オブジェクト情報である品種を伴うデマンド情報から品種ごとの総ロット数又は総数量を算出するための説明図。
【図4】オブジェクト情報である品種から装置情報である各装置の負荷情報・性能上を取得するための説明図。
【図5】本発明に係る装置優先順位調整システムの一実施の形態を示す構成図。
【図6】図4に示す紐付けされたリンク構成から品種ごと及び工程ごとにそれぞれ異なる装置情報を取得するための系統図。
【図7】本発明に係る装置優先順位調整システムの動作及びプログラムによる一連の処理手順を説明する図。
【図8】図4に示す紐付けされたリンク構成から品種ごと及び工程ごとにそれぞれ異なる装置情報を取得し、各工程で使用する使用可能装置に優先順位を付与した図。
【図9】スケジューリング処理を決定するための基本となる工期を説明する図。
【図10】スケジューリング処理の1つの方法を説明する図。
【図11】スケジューリング処理の他の方法を説明する図。
【図12】従来における品種ごとに1つの工程で使用可能装置に優先順位を割付けるための説明図。
【図13】従来における品種ごと及び複数の工程ごとに各工程で使用可能装置に優先順位を割付けるための説明図。
【符号の説明】
【0069】
1…情報入力手段、2…データバッフア記憶部、3…操作画面表示手段、4…記録媒体、5…優先順位調整処理部、6…主記憶装置、51…オブジェクト紐付け設定手段、52…ローディング処理手段、52A…品種数量演算手段、52B…平均負荷演算手段、52C…個別装置負荷状態判断手段、52D…優先順位決定手段、53…スケジューリング処理手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、各装置の有効利用ないし稼働率を高める観点から、部品、半製品を含む製品の生産、作業その他必要な処理を行う各工程で使用する使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
需要に見合う製品を生産、作業その他必要な処理を行うに際し、需要オブジェクト(製品需要量、安全在庫等)に対して、供給オブジェクト(生産ロット、手持ち在庫等)を引き当て、実際に必要な製品需給計画を立てるバランシング処理した後、製品の生産、作業その他必要な処理に関連する各種の属性例えば品種、工程、ロット数などに基づき、装置の生産稼働率の向上ないし各装置の稼働率の均等化を実現する観点から、複数の装置の中から使用可能装置に選択的に割付けすることが行われている。
【0003】
従来、以上のように品種、工程、ロット数などに基づき、複数の装置の中から例えば工程ごとに使用可能装置に選択的に優先順位を割付けていく場合、幾つかの装置優先順位の割付け方法が考えられている。
【0004】
(1) 1つの装置優先順位の割付け方法は、品種α、β,γごと及び各工程ごとに使用する使用可能装置の優先順位の割付けであって、計画作成者は、品種α、β,γごとに使用可能装置が異なることから、品種α、β,γと工程ごとに使用する使用可能装置とを考慮しながら使用可能装置の優先順位を決定していく。
【0005】
具体的には、図12に示すように、品種αに関する処理の場合には装置B1〜B5が何れも使用可能装置であり、品種βに関する処理の場合には装置B1だけが使用可能装置であり、品種γに関する処理の場合には装置B1・B2が使用可能装置であるとすれば、最初に最も少ない使用可能装置をもつ品種βに着目し、当該品種βには装置B1を最も高い優先順位「1」を割付けし、次に品種γでは2台の装置B1・B2が使用可能装置であるが、装置B1が既に品種βで優先順位「1」を割付けられていることから、装置B2に優先順位「1」、装置B1に優先順位「2」を割付けする。最後に、品種αでは何れの装置B1〜B5も使用可能であるので、装置B1,B2を除いて装置B3〜B5に優先順位「1」を割付け、装置2に優先順位「2」を割付け、装置B1には品種βで必ず必要とする装置であるので、最も低い優先順位「3」を割付けする。
【0006】
従って、以上のように品種α、β,γ相互の関係を考慮しながら装置B1〜B5に優先順位を割付けするので、重複することなく使用可能装置B1〜B5の有効利用を図ることができ、遅延することなく各品種α、β,γの必要な処理を実行することが可能となる。
【0007】
ところで、逆に品種αに関し、何れの装置B1〜B5においても使用可能であると判断し、装置B2に優先順位「1」を割付けすれば、品種γでは装置B2を使用できないので、装置B1を使用せざるを得なくなる。その結果、品種βの生産に使用する装置B1に空きが無くなり、品種βの生産が遅延するケースがでてくる。
【0008】
(2) 他のもう1つの装置優先順位の割付け方法は、図13に示すように、品種α、β,γの処理に関し、複数の工程1〜3に分けて複数の使用可能装置B1〜B5、C1を割付ける例であるが、この場合には各品種α、β,γと各工程1〜3ごとの使用可能装置B1〜B5、C1との関係を考慮しながら、各装置B1〜B5、C1に優先順位を割付けていくものである。
【0009】
(3) さらに、装置優先順位の割付けに類する処理順序制御方法としては、予め各装置の処理能力等から適正仕掛かり数を算出し、常に適正な仕掛かり数となるように各装置にロットを積み上げていくが、複数のロットを同時に処理する場合には1つの製造装置に適正な仕掛かり数以上のロットが留まっているとき、他の製造装置に処理を振り分けることにより、ロット物流全体を一定の速度で移動させる方法である。また、各製造装置にロットの仕掛かりレベルに応じて色を表示する信号機を設け、製造装置の前工程は後工程の信号機の表示色を確認しながらロットを処理する方法である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−228912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、以上のような複数の装置優先順位の割付け方法のうち、前記(1)の装置優先順位の割付け方法では、各品種α、β,γに関して1つの工程で処理するための優先順位の割付けであって、同一装置は1つの工程では1台しか使用できないことを前提に割り振りを考えれば、人手による優先順位の割付け作業であっても、複数の品種α、β,γ相互の関係を考慮しながら装置B1〜B5に優先順位を割付けることが可能である。
【0011】
しかしながら、実際上、ある品種に関する処理を行う場合、1つの工程だけで生産、作業その他の処理を完了させることは稀であり、その多くは図13に示すように複数の工程1〜3に跨って処理し、かつ複数の装置B1〜B5、C1を使用し、装置の稼働率を上げながら処理するのが一般的である。
【0012】
従って、このように複数の品種α、β,γについて複数の工程にまたがって処理する場合、品種α、β,γごと及び各工程1,2,3ごとに使用可能装置を把握しながら、各装置B1〜B5、C1に優先順位を付けていくことから、品種相互及び工程間の使用可能装置を考慮しつつ人為的に使用可能装置に優先順位の割付けをすることは非常に難しくなってくる。つまり、図13に示すように品種α、β,γを考慮し、かつ複数の工程1〜3に跨り、装置B1〜B5、C1に優先順位を割付けていく場合には計画担当者による手動設定の範囲を越えるものであり、品種、工程及び使用可能装置の数が多くなってくると、需給状況の変動を織り込むことが難しくなる。よって、各装置に対する優先順位の動的な調整ができない。
【0013】
さらに、前記(3)による先行文献1の技術は、ロットの処理に関し、各装置に対する適正仕掛かり数を求め、常に適正な仕掛かり数となるように各装置にロットを補充していく方法であり、また1つの製造装置に適正な仕掛かり数以上のロットが留まっている場合、処理待ち時間が長くなるので、処理の進捗状況を考慮しながら他の製造装置に処理を振り分けるシステムであり、本願発明の意図する複数の品者や複数の工程の使用可能装置を判断しながら各品種、各工程で使用可能装置に優先順位を割付けていくものとは異なる。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、各品種を処理する各工程で使用する各使用可能装置の優先順位を動的、かつ自動的に調整する装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1) 上記課題を解決するために、複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、対象品種を含むデマンド情報から各対象品種の総数量を演算する品種数量演算手段と、この品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを設けた構成である。
【0016】
この発明は以上のような構成とすることにより、各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷から個別装置の全工程で要する総負荷を求め、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けするので、負荷状態の変化に動的に対応しつつ優先順位を割付けすることができる。
【0017】
また、複数の対象品種の各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けするに際し、予めデマンド情報から各品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を作成し設定すれば、この設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求め、また求めた各対象品種の総数量から前記設定された紐付けされたリンク構成を用いて、各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けするので、対象品種、工程数及び使用可能装置の何れが多くても各使用可能装置に自動的に優先順位を割付けすることが可能である。
【0018】
(2) 本発明に係る装置優先順位調整方法は、各対象品種の各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに総負荷の小さい順に各使用可能装置に高い優先順位を割付けすることにより、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷に応じて優先順位を動的に調整することが可能となる。
【0019】
なお、予めデマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を設定しておけば、この紐付けされたリンク構成を用いて、デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すようにすれば、デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、最終的に各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷に応じて優先順位を自動的に割付けすることが可能である。
【0020】
(3) なお、以上のようなシステムの一連の処理手順となるプログラムを、予め記憶媒体に読取り可能に記憶し、CPUで読み取って実行するようにすれば、プログラムによっても実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、各工程で使用する各使用可能装置の優先順位を動的、かつ自動的に調整できる装置優先順位調整システム、装置優先順位調整方法及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明に係る装置優先順位調整方法の一実施の形態を説明する図である。
【0023】
需要に見合う各品種の製品を生産する場合、前述するように需要オブジェクト(製品需要量、安全在庫等)に対して、供給オブジェクト(生産ロット、手持ち在庫等)を引き当て、実際に必要な製品需給計画を作成するバランシング処理を実施した後、部材、中間製品等を含む製品の生産、作業その他必要な処理に係る各種の属性例えば品種、工程、ロット数などに基づき、複数の装置の中から動的な要素を考慮しながら使用可能装置の優先順位を調整していく。
【0024】
(1) この装置優先順位の動的調整に先立ち、前処理段階として、例えば図3(a)に示すように随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとに総ロット数(総数量を含む)を導き出すために、オブジェクト情報であるデマンド情報から各品種情報に紐付けし、また図4に示すようにオブジェクト情報である品種情報から装置情報(各装置の負荷や性能等)を取り出すために紐付けしたオブジェクト紐付け設定処理を行う。
【0025】
すなわち、デマンド情報から各品種情報への紐付け設定は、品種を含んだデマンド情報と品種IDとがリンクされ、図3(b)に示すごとく各品種の要求数量としてのデマンド情報であるデマンドA〜Hの入力に対し、品種IDを介して品種ごとの例えば総ロット数を求めるように紐付けされ、各品種ごとの総ロット数を取り出し、装置優先順位調整システムの主記憶装置に格納する。従って、図3(a)のように紐付けしたリンク構成を利用することにより、随時入力されるデマンドA〜Hの入力に対し、品種α:総ロット数量100、品種β:総ロット数量20、品種γ:総ロット数量20を取り出すことができる。
【0026】
一方、品種情報から装置情報を読み出すために紐付け設定は、各品種情報で必要な工程フロー情報(オブジェクト)を見つけ出すために各品種情報と工程フロー情報IDとをリンク付けし、各品種情報ごとに工程フロー情報IDを介して工程フロー情報に紐付けする。同様に、この工程フロー情報で必要な工程情報(オブジェクト)を見つけ出すために各工程フロー情報と工程情報IDとをリンク付けし、各工程フロー情報ごとに工程情報IDを介して工程情報に紐付けする。さらに、この工程情報で必要な装置群情報(オブジェクト)を見つけ出すために各工程情報と装置群情報IDとをリンク付けし、各工程情報ごとに装置群情報IDを介して装置群情報に紐付けする。さらに、この装置群情報で必要な装置情報(オブジェクト)を見つけ出すために各装置群情報と装置情報IDとをリンク付けし、各装置群情報ごとに装置情報IDを介して各装置情報,つまり装置の優先順位を動的に調整するための例えば装置の負荷情報(性能情報を含む)を取り出す構成とする。従って、ここでは、予め各品種情報から装置情報を取り出すために紐付けされたオブジェクト情報のリンク構成を作成し、装置優先順位調整システムの主記憶装置に格納する。
【0027】
(2) 次に、以上のようなオブジェクト紐付け設定処理を実施した後、装置優先順位の動的調整を行う。具体的には、図1に示すように、各品種ごとに各工程の平均負荷を求める平均負荷演算処理を実施する。この平均負荷演算処理は、各品種情報から工程ごとに前述する装置情報である負荷(品種ごとの合計チケット(各工程のロットに割り当てる能力)数又は処理時間数)を算出し、この算出結果を各工程の装置数と日数(計画期間)とで割り算し、各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求める。但し、計画期間1日を1.0、半日を0.5と考える。図1の例では、理解を容易にするために、計画期間を1日とすれば、工程ごとの負荷を当該工程の使用可能装置数で割り算することにより、各使用可能装置の平均負荷を求めることができる。
【0028】
因みに、図1では、1ロット1チケットの能力を消費するものとし、品種(品種情報)αについて100ロット、品種βについて20ロット、品種γについて20ロットを処理する場合、品種αに関する工程1では使用可能装置がB1〜B5の5台であり、100ロットの処理能力に対する各使用可能装置B1〜B5の平均負荷は「20」であり、工程2では使用可能装置がB1,B2であるので、平均負荷は「50」となる。
【0029】
同様に、品種βに関する工程1では使用可能装置がB1の1台であり、20ロットの処理能力を1台で処理することから、装置B1の平均負荷は「20」、工程2でも使用可能装置がB1の1台であって、装置B1の平均負荷は「20」となる。
【0030】
さらに、品種γに関する工程1,工程2では使用可能装置がB1,B2の2台であり、20ロットの処理能力を2台で処理するので、工程1,工程2とも使用可能装置B1,B2の平均負荷は「10」となる。
【0031】
(3) 引き続き、装置優先順位の動的調整としては、以上のようにして求めた各工程の各装置の平均負荷から全工程にまたがる個別装置の平均負荷を求める個別装置の負荷状態を判断する。
【0032】
装置B1=(品種α工程1負荷分)20+(品種α工程2負荷分)50
(品種β工程1負荷分)20+(品種β工程2負荷分)20
(品種γ工程1負荷分)10+(品種β工程2負荷分)10=130
装置B2=(品種α工程1負荷分)20+(品種α工程2負荷分)50
(品種γ工程1負荷分)10+(品種β工程2負荷分)10= 90
装置B3=(品種α工程1負荷分)20
装置B4=(品種α工程1負荷分)20
装置B5=(品種α工程1負荷分)20
従って、各個別装置B1〜B5の平均負荷のうち、最も負荷の小さい装置は装置B3,B4,B5であり、次に負荷の小さい装置は装置B2、最も負荷の大きい装置B1であることが分かる。
【0033】
(4) そこで、装置優先順位の動的調整としては、前述する個別装置の平均負荷から優先順位を決定する。
【0034】
この優先順位の決定は、品種α、β,γの処理に際し、各工程ごとに各装置の負荷の大小関係を比較し、最も小さい負荷の装置を優先順位「1」とし、逆に最も大きい負荷の装置を最も優先順位を低く設定する。因みに、品種αの工程1では、装置B3〜B5(20)<装置2(90)<装置3(130)の関係にあるので、装置B3〜B5(20)→優先順位「1」、装置2(90)→優先順位「2」、装置3(130)→優先順位「3」となる。品種βの工程1では、装置B1だけであるので、負荷状態に係らず優先順位は「1」となる。品種γの工程1では、装置2(90)<装置3(130)の関係にあるので、装置2(90)→優先順位「1」、装置3(130)→優先順位「2」となる。
【0035】
品種α、β,γの工程2でも同様に大小関係を判断し、小さい負荷の装置の優先順位を大きく設定する。
【0036】
以上のような一連の処理は、計画作成者による各品種の要求数量に基づき、コンピュータが紐付け設定処理によって主記憶装置に格納される各種のオブジェクトの紐付けされたリンク構成に基づいて各装置の負荷情報を取り出し、前述する(2)平均負荷を演算し、(3)個別装置の総負荷を判断し、(4)最終的に優先順位を決定する。
【0037】
従って、以上のような実施の形態によれば、複数の装置の中から装置の能力等を負荷状態を考慮しながら、各品種の各工程ごとに使用可能装置に自動的に優先順位を割付けするので、数多くの品種の製品を処理する場合であっても各装置の負荷状態などを演算して迅速に優先順位を決定することができ、また時間経過に伴う需要状況の変動を取り入れながら優先順位を決定することができる。
【0038】
図5は以上のような装置優先順位調整方法を適用してなる本発明に係る装置優先順位調整システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0039】
この装置優先順位調整システムは、入力パラメータとなる図3(a)のデマンド情報、品種情報等に関するオブジェクト情報、図4の品種情報、工程フロー情報、工程情報、装置群情報、装置情報、…等々に関するオブジェクト情報、図3(b)の各品種の要求数量であるデマンド情報、起動を含む制御指示情報その他必要とする各種の情報を入力するキーボード、マウスなどのポインティングデバイス等の情報入力手段1と、この情報入力手段1で入力されるオブジェクト情報等を一時格納し、また処理途中のデータや処理結果の情報を一時的に記憶する外部記憶装置であるデータバッフア記憶部2と、少なくとも前記情報入力手段1からデータバッフア記憶部2に記憶されるオブジェクト情報を読み出して表示し、デマンド情報から各品種の総ロット数量を取り出し、また各品種情報から装置情報を取り出すためのオブジェクト紐付け情報を確認しつつ、紐付けされたリンク構成を作成する操作画面表示手段3と、装置優先順位を調整するためのプログラムが格納されている記録媒体4と、この記録媒体4に格納される装置優先順位調整用プログラムに基づいて各品種で必要な各工程で使用する複数の使用可能装置の優先順位の動的調整を行うCPUで構成される優先順位調整処理部5と、主記憶装置6と、前述する操作画面表示手段3を含み、さらにプリンタなどを含む出力手段7が設けられている。
【0040】
前記情報入力手段1から入力される工程フロー情報は例えば各品種がどのように流れるか、また各工程がどのような結合されているかなどの定義情報であり、工程情報は工程フロー情報に結合される各工程の処理内容に関する定義情報であり、装置群情報は各工程ごとにいかなる使用可能装置で構成されているかの定義情報であり、装置情報は各装置自身の処理内容に関する定義情報であって、例えば負荷情報、性能情報などが挙げられる。
【0041】
前記優先順位調整処理部5は、図3に示すように随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとの総ロット数量を導き出すために、デマンド情報から各品種情報を取り出し、また図4に示すように品種情報から装置情報(各装置の負荷や性能等)を取り出すために、紐付けされた図3(a)及び図4に示すリンク構成データを作成し、主記憶装置6に設定するオブジェクト紐付け設定手段51と、情報入力手段1から入力される図3(b)のデマンドA〜Hに基づき、主記憶装置6に設定される図3(a)及び図4に示す紐付けされたリンク構成データを用いて、最終的に多数の装置のうち、各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に対し、各装置の負荷、能力等に基づいて優先順位を自動的に割付けするローディング処理手段52と、このローディング処理手段52にて各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に優先順位を付けるに際し、指定された制約条件(能力、部材制約など)のもとに投入数量または払出し数量をバケット単位の時間軸で予測し、少なくとも納期日に間に払出し数量の製品が完了するように投入日を設定するスケジュールを作成するスケジューリング処理手段53とが設けられている。
【0042】
前記オブジェクト紐付け設定手段51としては、情報入力手段1からデータバッフア記憶部2に記憶されるオブジェクト情報を操作画面表示手段3に表示し、デマンド情報から各品種の総数量(総ロット数量)を取り出すように、デマンド情報から品種IDをリンクとし、各品種の総数量(総ロット数量)を取り出すように紐付けし、確認の後、主記憶装置6に設定する。また、同様に操作画面表示手段3を利用し、各品種情報から装置情報を取り出すための各オブジェクト情報である図4に示す各品種情報から工程フロー情報、この各工程フロー情報から工程情報、この各工程情報から装置群情報、この各装置群情報から装置情報を取り出すように紐付けしつつリンク構成を作成し、確認の後、同様に主記憶装置6に設定する。
【0043】
なお、図4に示す品種情報から装置情報まで紐付けされたリンク構成は、図6に示すように1つの品種情報に対してその下位にn個の工程フロー情報が連なっているので、各品種ごとに必要な各工程フロー情報ごとの工程フロー情報IDとリンクされ、枝分れされている。従って、ある1つの品種情報で必要な工程フロー情報IDに紐付けされた1つの工程フロー情報に対しても下位にn個の工程情報が連なっていることから、各工程フロー情報ごとに必要な各工程情報ごとの工程情報IDとリンクされ、枝分れされている。
【0044】
以下、工程情報、装置群情報についても同様であり、ここでは最終情報として装置情報である各装置の負荷情報・性能情報を取り出すことにあるが、装置情報以外の情報を取り出す場合には、さらに装置情報のIDを介して下位に他の情報を連ねる構成となる。
【0045】
前記ローディング処理手段52としては、例えば図3(a)に示す紐付けされたリンク構成を用いて、図3(b)のごとき随時入力される各品種の要求数量に基づいて各品種ごとに総ロット数(総数量を含む)を取り出す品種数量演算手段52Aと、各品種情報から工程ごとに前述する装置情報である負荷(品種ごとの合計チケット(各工程のロットに割り当てる能力)数又は処理時間数)を算出し、この算出結果を各工程の装置数と日数(計画期間)とで割り算し、図1に示すように各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求める平均負荷演算手段52B、この平均負荷演算手段52Bによって求めた各工程の各装置の平均負荷から全工程にまたがる個別装置の平均負荷を求める個別装置負荷状態判断手段52C、この個別装置負荷状態判断手段52Cで求められた各工程ごとの各装置の負荷の大小関係を比較し、最も小さい負荷の装置を優先順位「1」とし、逆に最も大きい負荷の装置を最も優先順位を低く設定する優先順位決定手段52Dとが設けられている。
【0046】
次に、以上のような装置優先順位調整システムの動作及び本発明に係るプログラムによる一連の処理例について図7を参照して説明する。なお、装置優先順位の動的調整に先立ち、予め情報入力手段1から所要のオブジェクト情報を入力し、操作画面表示手段3に展開し、図3(a)及び図4に示すようにオブジェクト情報と次オブジェクト情報IDとをリンク付けし、オブジェクト情報とオブジェクト情報とを紐付けし、主記憶装置6に設定されている(オブジェクト紐付け設定手段)。
【0047】
以上のような状態において、装置優先順位調整システムは、情報入力手段1から動作開始信号を受けると、優先順位調整処理部5は、記録媒体4に格納されている装置優先順位調整用プログラムを読み出してデータバッフア記憶部2に格納し、プログラムに基づいて所要の処理を実行する。
【0048】
すなわち、優先順位調整処理部5は、情報入力手段1から図3(b)に示すようなデマンドA〜Hのデマンド情報が入力されると、主記憶装置6に記憶される図3(a)に示すデマンド情報の紐付けされたリンク構成を用いて、各デマンドA〜Hの品種IDからデマンドA〜Dが同一の品種情報,つまり品種αに紐付けされているので、この品種αのロット数を合計し、品種α=総ロット数100を求める。同様に品種β=総ロット数20、品種γ=総ロット数20を算出する(S1:品種数量演算手段52A、品種数量演算機能)。
【0049】
そこで、以上のようにして算出された図1に示す品種α100ロット、品種β20ロット、品種γ20ロットに基づき、既に主記憶装置6に記憶されている図4及び図6に示す品種情報から装置情報を取り出す紐付けされたリンク構成を用いて、品種ごと及び工程ごとに使用可能な装置の平均負荷を算出する(S2:平均負荷演算手段52B、平均負荷演算機能)。この使用可能装置の平均負荷算出処理は、先ず、品種αにリンクされる工程フロー情報IDに紐付けされるどのような工程で流すかを定義する工程フロー情報を取り出す。しかる後、この工程フロー情報にリンクされる工程情報IDに紐付けされる各工程の処理内容に規定する工程情報(工程1:図6参照)を取り出す。さらに、この工程情報にリンクされる装置群情報ID+工程で必要とする品種α100ロットに対応する負荷(例えば処理時間情報)を算出し、かつ前記装置群情報IDに紐付けされる当該工程で使用する装置群情報を取得し、負荷を装置群情報(当該工程の使用可能装置数)で割り算し、各装置の平均負荷を算出し、品種α100ロット、工程情報(工程1)、装置群情報(装置B1〜B5)、各装置の平均負荷20及び当該装置群情報にリンクされる装置情報ID等に関する情報をデータバッフア記憶部2に記憶する。
【0050】
引き続き、品種α100ロットについて、紐付けされたリンク構成を用いて、次の工程フロー情報IDから工程情報(工程2:図6参照)を取り出し、同様に装置群情報(装置B1,B2)、各装置の平均負荷50及び当該装置群情報にリンクされる装置情報IDを取り出し、品種α100ロット、工程情報(工程2)、装置群情報(装置B1,B2)、各装置の平均負荷50及び当該装置群情報にリンクされる装置情報IDを取得し、同様にデータバッフア記憶部2に記憶する。
【0051】
さらに、品種β20ロット、品種γ20についても、紐付けされたリンク構成を用いて、必要な情報を取り出し、データバッフア記憶部2に記憶する。
【0052】
次に、優先順位調整処理部5は、以上のようにして品種ごと及び各工程ごとの各使用可能装置の平均負荷を求めた後、個別装置の総負荷を算出する(S3:個別装置負荷状態判断手段52C、装置負荷状態判断機能)。ここでの具体的な処理は、バッフア記憶部2に記憶される装置情報IDから装置情報(装置B1)を取り出し、データバッフア記憶部2に記憶される装置情報(装置B1)に関係する工程1,工程2の各平均負荷を順次加算して総負荷を算出する。その結果、図8に示すように工程1で使用される各装置情報である装置B1情報には総負荷130、装置B2情報には総負荷90、装置B3情報には総負荷20、装置B4情報には総負荷20、装置B5情報には総負荷20が得られる。また、工程2で使用される各装置情報である装置B1情報には総負荷130、装置B2情報には総負荷90が得られる。
【0053】
さらに、優先順位調整処理部5は、各使用可能装置B1〜B5の総負荷を求めたならば、各工程ごと及び該当する工程の使用可能装置を組とし、各装置の全工程の総負荷情報を昇順にソートし、使用可能装置の総負荷の小さい順番に高い優先順位から低い優先順位となる例えば整数連続番号1,2,…を割付け、かつ総負荷が同一となる各装置の組は同一の優先順位の番号を付ける(S4:優先順位決定手段52D、優先順位決定機能)。
【0054】
なお、このローディング処理手段52にて各品種ごと及び各工程ごとに使用可能装置に優先順位を付けた後、各品種の生産、作業その他の処理を行うための工程を含む品種投入及び製品完成に関するスケジュールを計画するが、このスケジュールの計画はスケジューリング処理手段53によって行われる。
【0055】
このスケジューリング処理手段53は、指定された制約条件(能力、部材制約など)のもとに投入数量または払出し数量をバケット単位の時間軸で予測するものであって、例えば図9に示すように理論工期、標準工期、許容工期に基づき、以下の2つの方法の何れか一方又はその組み合わせにより、スケジューリングを実行する。ここで、理論工期は理論的に処理に必要であると分かっている最小時間であって、理論工期=処理開始までの最短必要時間+リソース占有時間+後処理時間で表す。標準工期は標準的な処理時間であって、標準工期=前記理論工期×標準工期係数によって表される。許容工期は前倒し可能な最大許容時間であって、許容工期=前記理論工期×許容工期係数によって表される。
【0056】
* スケジューリング方法1:投入日からのForward展開(図10参照)。
【0057】
このスケジューリング方法は製品納期から標準工期に基づいてさかのぼって仮の投入日を決定し、この投入日からForward展開する例である。同図において、(a)は納期から標準工期分さかのぼった日を投入日とする。(b)は理論工期にてForward展開し、リソース占有時間の山積み・山崩しを行う。リソース占有時間の山積み・山崩しとは、投入から各工程順または納期から逆工程順に所定の能力負荷となるように積み上げていき、ある工程の能力負荷が所定の能力負荷を超えた場合、最後となる工程に所定の能力負荷を超えない範囲で後倒しまたは前倒しする。(c)は展開結果が納期より早く完了した場合、完成予定日を納期日とする。よって、(c)は余裕バッフアとなる。
なお、前記(a)においてさかのぼった投入日が計画開始日より過去になる場合、この計画開始日を投入日とする。
【0058】
* スケジューリング方法2:製品納期からBackward展開(図11参照)。
【0059】
このスケジューリング方法は、製品納期からBackward展開する例である。同図において、(a)は納期日より理論工期にてBackward展開し、リソース占有時間の山積み・山崩しを行う。(b)は展開結果が許容工期内で完了した場合、投入日はこの展開完了日、完成予定日は納期日とする。但し、Backward展開が標準工期内で完了した場合は、投入日は標準工期でさかのぼった日とする。
なお、(b)において許容工期が計画開始日より過去になる場合、さかのぼることのできるリミットを計画開始日とする。
【0060】
* 前述する各スケジューリング方法において、各ロット毎及び各行程毎に割付装置を選択する際、各装置の負荷状況及び算出した装置優先順位を参照して割付装置の選択を行う。
【0061】
* その他の補足処理としては、前述する各スケジューリング方法において、標準工期、許容工期でさかのぼるときは、休日で設定される非稼動期間をスキップ処理してさかのぼること。また、Forward展開、Backward展開する際、休日の設定やリソース能力の一時的変更の設定による非稼動期間をスキップ処理する。
【0062】
従って、以上のような実施の形態によれば、予めオブジェクト紐付け設定手段51にてデマンド情報から品種情報である各品種の総ロット数又は数量を取り出し、また品種情報から装置情報を取り出すための紐付きのリンク構成を作成し、記憶装置6に設定し、各品種の要求数量を受けると、品種数量演算手段52Aでは、記憶装置6に記憶される紐付けされたリンク構成を用いて、自動的に各品種ごとの総ロット数又は総数量を算出することができる。
【0063】
また、品種数量演算手段52Aにおいて、各品種ごとの総ロット数を含む総数量を算出すると、平均負荷演算手段52Bでは、品種情報の総数量から装置情報を取り出すための紐付けされたリンク構成を用い、品種ごとに各品種に紐付けされる各工程フロー情報、工程情報及び各工程ごとの使用可能装置の装置群情報を取り出し、品種ごと及び工程ごとの装置平均負荷を算出した後、個別装置負荷状態判断手段52Cにて個別装置ごとに全工程の総負荷を算出するので、各装置の負荷状態を容易に判断できる。
【0064】
さらに、各装置の総負荷の大小関係がわかれば、各工程ごとに総負荷の小さい順に高い優先順位を与えるようにするので、品種ごと及び工程ごとに使用可能装置に自動的に優先順位を割付けすることができる。
【0065】
なお、上記実施の形態では、図3(a)及び図4に示す紐付けされたリンク構成を用いて、デマンド情報から品種情報、品種情報から装置情報を取り出すようにしたが、例えば予め各品種の総数を求めた後、各品種の総数から総負荷を求めて主記憶装置6に格納し、また品種ごと及び各工程ごとの使用可能装置を設定し、ローディング処理手段52を実行する構成であってもよい。
【0066】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0067】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】品種ごと及び工程ごとの使用可能装置の平均負荷を算出するための本発明に係る装置優先順位調整方法を説明する図。
【図2】図1で求めた使用可能装置の平均負荷から各装置の総負荷を求めて優先順位を決定する本発明に係る装置優先順位調整方法を説明する図。
【図3】オブジェクト情報である品種を伴うデマンド情報から品種ごとの総ロット数又は総数量を算出するための説明図。
【図4】オブジェクト情報である品種から装置情報である各装置の負荷情報・性能上を取得するための説明図。
【図5】本発明に係る装置優先順位調整システムの一実施の形態を示す構成図。
【図6】図4に示す紐付けされたリンク構成から品種ごと及び工程ごとにそれぞれ異なる装置情報を取得するための系統図。
【図7】本発明に係る装置優先順位調整システムの動作及びプログラムによる一連の処理手順を説明する図。
【図8】図4に示す紐付けされたリンク構成から品種ごと及び工程ごとにそれぞれ異なる装置情報を取得し、各工程で使用する使用可能装置に優先順位を付与した図。
【図9】スケジューリング処理を決定するための基本となる工期を説明する図。
【図10】スケジューリング処理の1つの方法を説明する図。
【図11】スケジューリング処理の他の方法を説明する図。
【図12】従来における品種ごとに1つの工程で使用可能装置に優先順位を割付けるための説明図。
【図13】従来における品種ごと及び複数の工程ごとに各工程で使用可能装置に優先順位を割付けるための説明図。
【符号の説明】
【0069】
1…情報入力手段、2…データバッフア記憶部、3…操作画面表示手段、4…記録媒体、5…優先順位調整処理部、6…主記憶装置、51…オブジェクト紐付け設定手段、52…ローディング処理手段、52A…品種数量演算手段、52B…平均負荷演算手段、52C…個別装置負荷状態判断手段、52D…優先順位決定手段、53…スケジューリング処理手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、
対象品種を含むデマンド情報から各対象品種の総数量を演算する品種数量演算手段と、
この品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、
この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、
この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを備えたことを特徴とする装置優先順位調整システム。
【請求項2】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、
デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を作成し設定するオブジェクト紐付け設定手段と、
このオブジェクト紐付け設定手段で設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求める品種数量演算手段と、
前記オブジェクト紐付け設定手段で設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、前記品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、
この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、
この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを備えたことを特徴とする装置優先順位調整システム。
【請求項3】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能な装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整方法において、
各対象品種の各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けすることを特徴とする装置優先順位調整方法。
【請求項4】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を実施するに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整方法において、
デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を設定するステップと、
このステップで設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、対象品種ごとに前記各工程の使用可能装置群を取り出し、各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けすることを特徴とする装置優先順位調整方法。
【請求項5】
各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷及び各工程ごとの使用可能装置に基づいて各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けするコンピュータに、
前記各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算機能と、この平均負荷演算機能によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断機能と、この機能によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定機能とを実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
デマンド情報から各品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成が記憶され、各対象品種の各工程ごとに使用する使用可能装置に優先順位を割付けするコンピュータに、
前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求める品種数量演算機能と、前記紐付けされたリンク構成を用いて、前記品種数量演算機能で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算機能と、この機能によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断機能と、この判断機能によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定機能とを実現させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、
対象品種を含むデマンド情報から各対象品種の総数量を演算する品種数量演算手段と、
この品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、
この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、
この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを備えたことを特徴とする装置優先順位調整システム。
【請求項2】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整システムにおいて、
デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を作成し設定するオブジェクト紐付け設定手段と、
このオブジェクト紐付け設定手段で設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求める品種数量演算手段と、
前記オブジェクト紐付け設定手段で設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、前記品種数量演算手段で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算手段と、
この平均負荷演算手段によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断手段と、
この判断手段によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定手段とを備えたことを特徴とする装置優先順位調整システム。
【請求項3】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能な装置を用いて所望の処理を行うに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整方法において、
各対象品種の各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けすることを特徴とする装置優先順位調整方法。
【請求項4】
複数の対象品種を各工程ごとに使用可能装置を用いて所望の処理を実施するに際し、各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けする装置優先順位調整方法において、
デマンド情報から各対象品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成を設定するステップと、
このステップで設定された前記紐付けされたリンク構成を用いて、対象品種ごとに前記各工程の使用可能装置群を取り出し、各使用可能装置の平均負荷を演算し、この演算によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求めた後、これら各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けすることを特徴とする装置優先順位調整方法。
【請求項5】
各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷及び各工程ごとの使用可能装置に基づいて各工程ごとの使用可能装置に優先順位を割付けするコンピュータに、
前記各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算機能と、この平均負荷演算機能によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断機能と、この機能によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定機能とを実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
デマンド情報から各品種の総数量を取り出し、また各対象品種から少なくとも当該品種で必要な工程フロー、この工程フローで必要な工程、この工程で必要な使用可能装置群及びこの使用可能装置群で必要な装置情報で必要な負荷を取り出すように紐付けされたリンク構成が記憶され、各対象品種の各工程ごとに使用する使用可能装置に優先順位を割付けするコンピュータに、
前記紐付けされたリンク構成を用いて、各対象品種を含む前記デマンド情報から各品種の総数量を求める品種数量演算機能と、前記紐付けされたリンク構成を用いて、前記品種数量演算機能で求められた各対象品種の総数量から得られる各工程に要する総負荷と各工程で使用する使用可能装置数とから各使用可能装置の平均負荷を演算する平均負荷演算機能と、この機能によって求められた各工程の各使用可能装置の平均負荷に基づいて各使用可能装置の全工程で要する総負荷を求める個別装置負荷状態判断機能と、この判断機能によって得られる各使用可能装置の総負荷の大小関係に基づき、各対象品種ごと及び各工程ごとに各使用可能装置の総負荷の小さい順に高い優先順位を割付けする優先順位決定機能とを実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−39852(P2006−39852A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217498(P2004−217498)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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