説明

装飾構造

【課題】簡単な装飾材の施工により装飾効果が得られるとともに、雨水による汚れを防止することができる装飾構造を提供する。
【解決手段】住宅建物2の窓20の周りの外壁表面21に沿って、上桟材11、左右両側桟材13、下桟材12からなる長尺の装飾材1を設けて、窓20周りの外壁表面21に、これら装飾材1を突出させてなる装飾構造であって、上桟材11の上縁面11bからの雨水が左右両側桟材13の上端面13aの端縁と外壁表面21との間に形成された間隙10から左右両側桟材13の中空部内へ流れ込むようになされるとともに、下桟材12の上縁面12bからの雨水が左右両側桟材13の切欠部13bから中空部内へ流れ込むようになされ、これらの流れ込んだ雨水が外壁表面21に沿うこと無くスリット13cから流出されるようになされたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅建物の窓のように外壁表面から水平方向に突設されて設けられる部材の装飾構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅建物の窓の外側の外壁表面に、長板状の木材、合成木材、アルミニウム製装飾材、窯業製品などを設けて縁取りし、窓周囲を装飾することが行われている。
【0003】
図8に示すように、このような装飾材aは、窓bの外側の外壁表面cに、直接または金具などを介して取り付け、外壁表面cよりも外側に突出するように設けられていた。
【特許文献1】特開2003−138740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の装飾構造の場合、装飾材aが外壁表面cよりも外側に突出するように設けられているので、窓bの上側に設けられる装飾材aの天面dには、埃や塵などが溜まりやすくなる。このような埃や塵などは、雨が降った際に装飾材aの表面や外壁表面cを伝って流れ落ち、装飾材aの表面や外壁表面cを汚して外観上見苦しくなるといった不都合を生じることとなる。
【0005】
また、このような装飾材aの無い通常の窓構造においても、図9に示すように、突出された窓eの上桟の天面や、セットバックされた窓fの下桟の天面に埃や塵などが溜まりやすくなるので、雨などが降った後には、窓e、fの縦桟に沿った外壁表面cの下側には、汚れが形成されやすくなる。
【0006】
さらに、図10に示すように、外壁表面cから突出された庇gなどの場合も、天面に埃や塵などが溜まりやすくなる。この庇gの場合は、大半の雨水は、庇gの周囲から流れ落ちることとなるが、一部の雨水は外壁表面cを伝って流れ落ちることとなり、庇gの両側の外壁表面cには、汚れが形成されやすくなる。
【0007】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであって、簡単な装飾材の施工により装飾効果が得られるとともに、雨水による汚れを防止することができる装飾構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の装飾構造は、住宅建物の外壁表面から水平方向に突出された突出部材の周りの外壁表面に沿って、上桟材、左右両側桟材からなる長尺の装飾材を設けて、この突出部材周りの外壁表面に、これら装飾材を設けてなる装飾構造であって、上桟材は、突出部材の横幅に略合致する長さに形成され、それぞれの上縁面には、上縁面から表面へと雨水が流れるのを防止する水切りが設けられ、左右両側桟材は、上端面には、上端面からの雨水が表面および外縁面に流れるのを防止する水切りが設けられるとともに、内部が中空となされ、下端面の表面側の位置には中空部に連通するスリットが設けられてなり、上桟材は、上縁面の端縁と外壁表面との間にシール材を介して突出部材の上に固定されるとともに、左右両側桟材は、内縁面と上桟材の左右両端部との間、内縁面、外縁面および下端面のそれぞれの端縁と外壁表面との間に、それぞれシール材を介して突出部材の左右にそれぞれ固定され、上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の上端面の端縁と外壁表面との間に形成された間隙から左右両側桟材の中空部内へ流れ込むようになされるとともに、これらの流れ込んだ雨水が外壁表面に沿うこと無くスリットから流出されるようになされたものである。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明の装飾構造は、住宅建物の開口部の周りの外壁表面に沿って、上桟材、左右両側桟材、下桟材からなる長尺の装飾材を設けて、開口部周りの外壁表面に、これら装飾材を突出させてなる装飾構造であって、上桟材および下桟材は、開口部の開口幅に略合致する長さに形成され、それぞれの上縁面には、上縁面から表面へと雨水が流れるのを防止する水切りが設けられ、左右両側桟材は、開口部の側桟に上記上桟材および下桟材の幅を加えた長さに形成され、上端面には、上端面からの雨水が表面および外縁面に流れるのを防止する水切りが設けられるとともに、内部が中空となされ、内縁面の下桟材の位置には中空部に連通する切欠部が設けられ、下端面の表面側の位置には中空部に連通するスリットが設けられてなり、上桟材および下桟材は、上縁面の端縁と外壁表面との間にシール材を介して開口部の上下にそれぞれ固定されるとともに、左右両側桟材は、内縁面と上桟材および下桟材の左右両端部との間、内縁面、外縁面および下端面のそれぞれの端縁と外壁表面との間に、それぞれシール材を介して開口部の左右にそれぞれ固定され、上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の上端面の端縁と外壁表面との間に形成された間隙から左右両側桟材の中空部内へ流れ込むようになされるとともに、下桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の切欠部から中空部内へ流れ込むようになされ、これらの流れ込んだ雨水が外壁表面に沿うこと無くスリットから流出されるようになされたものである。
【0010】
さらに、上記装飾構造において、左右両側桟材は、上端面に開口部が設けられてなり、上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の開口部へ流れ込むようになされたものである。また、開口部の上下左右に固定金具が設けられ、上桟材、下桟材および左右両側桟材は、これら固定金具を介して固定するようになされたものである。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、本発明によると、外壁表面に設けた装飾材によって、外壁表面に突出された部材や開口部からの塵埃を含んだ雨水によって外壁表面が汚れるのを防止することができる。また、この外壁表面に設けられる装飾材自身も、上桟材または下桟材の上縁面に塵埃が溜まりやすくなるが、これら上桟材または下桟材の上縁面からの塵埃を含んだ雨水は、左右両側桟材の上端面の端縁と外壁表面との間隙、または左右両側桟材の切欠部から、これら左右両側桟材の中空部内を流れて外壁表面に沿うこと無くスリットから流出する。したがって、外壁表面は、塵埃を含んだ雨水によって汚れることが防止でき、装飾材自体も汚れない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図3は装飾構造の全体構成の概略を示し、図4ないし図6はこの装飾構造に用いられる装飾材1を示している。
【0014】
この装飾構造は、上桟材11と下桟材12と左右両側桟材13、13とからなる装飾材1を、住宅建物2の窓20の周りの外壁表面21に沿って設けてなり、この装飾材1のうち、上桟材11からの雨水が左右両側桟材13、13の上端面13aと外壁表面21との間隙10から左右両側桟材13、13内に流れ込み、下桟材12からの雨水が、切欠部13bから左右両側桟材13、13内に流れ込んで、左右両側桟材13、13に設けたスリット13cから外壁表面21に沿うこと無く流出されるようになされている。
【0015】
装飾材1は、断面略リップ溝型の長尺のアルミニウム材によって形成されており、窓20の開口幅に相当する長さに形成された上桟材11および下桟材12と、窓20の開口高さに上記上桟材11および下桟材12の幅を加えた長さに形成された左右両側桟材13とによって構成されている。
【0016】
上桟材11は、図4に示すように、表面11aの上縁部側が、上縁面11bよりもさらに上方に突出して長手方向全体に沿って水切り部11cを形成するようになされている。これにより、上縁面11bに降った雨水は、表面11aに流れることなく上桟材11の左右両端部側へと流れるようになされている。この上桟材11は、上縁面11bのリップ部11dの長手方向全体に沿って水密材3が設けられる。また、上桟材11の両端面11eには、表面11aおよび上縁面11bに沿って前記水密材3と連続するように、略L字状に水密材3が設けられる。この水密材3としては、部材間に押圧された状態で介在することによって、これら部材間の間隙を埋めて水密性を発揮するようになされた弾性体からなるものを使用することができる。
【0017】
下桟材12は、図5に示すように、表面12aの上縁部側が、上縁面12bよりもさらに上方に突出して長手方向全体に沿って水切り部12cを形成するようになされている。これにより、上縁面12bに降った雨水は、表面12aに流れることなく下桟材12の左右両端部側へと流れるようになされている。この下桟材12は、上縁面12bのリップ部12dが、両端面12eよりもさらに両端方向に突出するようになされている。そして、このリップ部12dの長手方向全体に沿って水密材3が設けられる。また、下桟材12の両端面12eには、表面12aおよび上縁面12bに沿って略L字状に水密材3が設けられる。
【0018】
左側桟材13は、図6に示すように、上端面13aのうち、表面13d、外縁面13eおよび外縁面13eのリップ部13fに面した縁部が、上端面13aよりもさらに上方に突出して水切り部13gを形成するようになされている。この左側桟材13は、上端面13aが上桟材11の上縁面11bと面一となり、水切り部13gが上桟材11の水切り部11cと面一となるように施工される。
【0019】
また、左側桟材13は、施工状態で下桟材12の上縁面12bのリップ部12dに対応する内縁面13hの位置に切欠部13bが形成されている。
【0020】
さらに、左側桟材13は、下端面13iのうち、表面13dに沿って開口するスリット13cが形成されている。この左側桟材13は、外縁面13eのリップ部13fの長手方向全体と、下端面13iの端縁の長手方向全体と、切欠部13bよりも下側の内縁面13hのリップ部13jの長手方向全体とに沿って水密材3が設けられる。これにより、この左側桟材13は、上端面13aと外壁表面21との間隙10、および切欠部13bから、この左側桟材13内に雨水が流れ込んで、スリット13cから外部に流出するようになされている。
【0021】
なお、右側桟材13は、この左側桟材13と対称に形成されているため、同符号を付して説明を省略する。
【0022】
これら、上桟材11、下桟材12、左右両側桟材13からなる装飾材1は、それぞれの表面11a、12a、13dの裏側に、長手方向に沿って断面L字状に突設された係止部14が形成されている。装飾材1は、この係止部14を、外壁表面21に設けた固定金具4に係止させた状態で、この固定金具4にビス5で固定することによって、外壁表面21に取り付けられる。
【0023】
なお、本実施の形態において、装飾材1は、断面略リップ溝型の長尺のアルミニウム材によって形成されているが、窯業製品、樹脂製品、木製品、その他の複合材料などで構成されたものであってもよい。また、装飾材1は、その表面に木目調の模様や、櫛引調の溝などによる模様が形成されたり、その他、各種の色に着色されたりして装飾されたものであってもよい。
【0024】
固定金具4は、図2および図3に示すように、基板部40の両側に立ち上がり片41、42を有する断面略コ字状に形成されており、一方の立ち上がり片41には、上記係止部14に係止する係止片41aが形成されている。また、他方の立ち上がり片42は、係止片41aに装飾材1の係止部14を係止させた状態で、装飾材1の各側縁面の内側に当接することができるように位置決めされている。また、この位置決め状態で、他方の立ち上がり片42は、基板部40寄りの位置に階段状に屈曲された凹設部42aが形成されており、装飾材1の各側縁面のリップ部に干渉しないようになされている。そして、装飾材1は、係止部14を、固定金具4の係止片41aに係止させた状態で、装飾材1の各側縁面の外側から、この側縁面が当接された固定金具4の立ち上がり片42にビス5で固定される。
【0025】
次に、この開口部装飾構造の施工方法について述べる。
【0026】
まず、上記したようにあらかじめ所定の位置に水密材3を設けた上桟材11、下桟材12、左右両側桟材13、13からなる装飾材1を用意しておく。
【0027】
そして、現場では、住宅建物2の窓20の上桟20aの左右、下桟20bの左右、左右側桟20c、20cの上下のそれぞれに面した外壁表面21に固定金具4をビス5で固定する。
【0028】
ついで、窓20の上下の固定金具4に、それぞれ上桟材11および下桟材12をビス5で固定した後、窓20の左右の固定金具4に、左右両側桟材13、13をビス5で固定して施工が完了する。
【0029】
このように、外壁表面21にビス5で固定しておいた固定金具4に、装飾材1をビス5で固定するだけで簡単に施工することができる。また、固定金具4を用いて固定することで、装飾材1を構成する上桟材11、下桟材12、左右両側桟材13、13のそれぞれは、固定金具4の係止片41aに係止部14を係止させることによって、または固定金具4の立ち上がり片42に側縁面をビス5を固定することによって、いずれも水密材3が圧縮される方向に力が作用することとなり、水密材3による優れた水密性を発揮することができることとなる。
【0030】
この開口部装飾構造によると、雨が降った場合、雨水は、窓20の上側に固定した上桟材11では、水切り部11cによって上桟材11の上縁面11bから表面11aへと流れることが防止され、上縁面11bに沿って上桟材11の左右両端部側へと流れ、左右両側桟材13、13の上端面13aと外壁表面21との間隙10から、これら左右両側桟材13、13の内側に流れ込むこととなる。したがって、上桟材11の上縁面11aは、埃や塵が溜まりやすく、この埃や塵が混じって汚れた雨水が発生するが、この汚れた雨水が上桟材11の表面11aや外壁表面21へと流れないので、外観が汚れて見苦しくなるのを防止することができる。
【0031】
また、窓20の下側に固定した下桟材12では、雨水は、水切り部12cによって下桟材12の上縁面12bから表面12aへと流れることが防止され、上縁面12bに沿って下桟材12の左右両端部側へと流れ、左右両側桟材13、13の切欠部13bから、これら左右両側桟材13、13の内側に流れ込むこととなる。したがって、下桟材12の上縁面12aは、埃や塵が溜まりやすく、この埃や塵が混じって汚れた雨水が発生するが、この汚れた雨水が下桟材12の表面12aや外壁表面21へと流れないので、外観が汚れて見苦しくなるのを防止することができる。
【0032】
そして、上記した左右両側桟材13、13の上端面13aと外壁表面21との間隙10や、左右両側桟材13、13の切欠部13bから、これら左右両側桟材13、13の内側へと流れ込んだ雨水は、左右両側桟材13、13の下端面13iにおいて、表面13dに沿って開口するスリット13cから外部に流出される。したがって、この流出される雨水は、外壁表面21に伝って流れることなく、外壁表面21から離れたスリット13cから流出されることとなるので、雨水によって外壁表面21が汚れて見苦しくなるのを防止することができる。
【0033】
なお、本実施の形態において、上桟材11の両側端部に流れた雨水は、左右両側桟材13、13の上端面13aと外壁表面21との間隙10から、これら左右両側桟材13、13の内側に流れ込むようになされているが、左右両側桟材13、13の上端面13aにそれぞれ開口部(図示省略)を形成しておき、これら開口部から左右両側桟材13、13の内側に直接雨水を流れ込ませるようにしたものであってもよい。
【0034】
また、本実施の形態において、上桟材11、下桟材12、左右両側桟材13、13からなる装飾材1は、外壁表面21に固定した固定金具4を介して固定するようになされているが、外壁表面21に直接的にビス5で固定するものであってもよい。
【0035】
さらに、本実施の形態において、窓2は、固定窓となされているが、この窓2としては、引き違い窓であっても良いし、押し開き窓であっても良いし、掃き出し窓であってもよい。また、窓2の大きさとしては、窓2の周囲に装飾材1を設けることができるだけのスペースが残されていれば、特に限定されるものではない。さらに、窓2の形状としても、窓2の枠が外壁表面21よりも突出されており、上桟20aや下桟20bに埃や塵が溜まりやすくなったもの、または窓2が外壁表面21よりもセットバックして設けられ、下桟20bおよびセットバック部水平面に塵が溜まりやすいものであれば、特に限定されるものではない。
【0036】
また、このような窓2の他にも、建物2の外壁表面21より水平方向に出があり、埃や塵が溜まりやすい部材、例えば図7に示す庇22などのように外壁表面21から突設された部材にも適用することができるし、出入口23などの開口部に適応することもできる。このような庇22や出入口23などに適用する場合、窓20の場合のように下桟20bに埃や塵が溜まることも無いので、装飾材1としては、下桟材12を除いた上桟材11と両側桟材13、13とで構成されたものであってもよい。また、庇22の場合、両側桟材13、13は、上桟材11から流れて来る雨水を、外壁表面21に伝って流すことなく、外壁表面21から離れたスリット13cから流出させるだけなので、その長さとしては、適宜のものを使用することができる。したがって、両側桟材13、13は、図7(a)に示すように、庇22の高さぶんだけであってもよいし、図7(b)に示すように、庇22の下の出入口23の高さ全体にわたって設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
住宅建物の外壁表面から水平方向に突設された突出部材、または開口部周りの汚れ防止や装飾に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る装飾構造の全体構成の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る装飾構造の施工工程を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る装飾構造の施工工程を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る装飾構造に用いられる装飾材のうち、上桟材を示す部分破断斜視図である。
【図5】本発明に係る装飾構造に用いられる装飾材のうち、下桟材を示す部分破断斜視図である。
【図6】本発明に係る装飾構造に用いられる装飾材のうち、左側桟材を示す部分破断斜視図である。
【図7】(a)ないし(c)は本発明に係る装飾構造の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】従来の装飾構造を示す斜視図である。
【図9】(a)および(b)は、従来の窓構造を示す斜視図である。
【図10】従来の庇構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 装飾材
10 間隙
11 上桟材
11a 表面
11b 上縁面
11c 水切り部
12 下桟材
12a 表面
12b 上縁面
12c 水切り部
13 側桟材
13a 上端面
13b 切欠部
13c スリット
13e 外縁面
13h 内縁面
13i 下端面
2 住宅建物
20 窓(開口部)
21 外壁表面
22 庇(突出部材)
23 出入口(開口部)
3 水密材(シール材)
4 固定金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅建物の外壁表面から水平方向に突出された突出部材の周りの外壁表面に沿って、上桟材、左右両側桟材からなる長尺の装飾材を設けて、この突出部材周りの外壁表面に、これら装飾材を設けてなる装飾構造であって、
上桟材は、突出部材の横幅に略合致する長さに形成され、それぞれの上縁面には、上縁面から表面へと雨水が流れるのを防止する水切りが設けられ、
左右両側桟材は、上端面には、上端面からの雨水が表面および外縁面に流れるのを防止する水切りが設けられるとともに、内部が中空となされ、下端面の表面側の位置には中空部に連通するスリットが設けられてなり、
上桟材は、上縁面の端縁と外壁表面との間にシール材を介して突出部材の上に固定されるとともに、
左右両側桟材は、内縁面と上桟材の左右両端部との間、内縁面、外縁面および下端面のそれぞれの端縁と外壁表面との間に、それぞれシール材を介して突出部材の左右にそれぞれ固定され、
上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の上端面の端縁と外壁表面との間に形成された間隙から左右両側桟材の中空部内へ流れ込むようになされるとともに、
これらの流れ込んだ雨水が外壁表面に沿うこと無くスリットから流出されるようになされたことを特徴とする装飾構造。
【請求項2】
住宅建物の開口部の周りの外壁表面に沿って、上桟材、左右両側桟材、下桟材からなる長尺の装飾材を設けて、開口部周りの外壁表面に、これら装飾材を突出させてなる装飾構造であって、
上桟材および下桟材は、開口部の開口幅に略合致する長さに形成され、それぞれの上縁面には、上縁面から表面へと雨水が流れるのを防止する水切りが設けられ、
左右両側桟材は、開口部の側桟に上記上桟材および下桟材の幅を加えた長さに形成され、上端面には、上端面からの雨水が表面および外縁面に流れるのを防止する水切りが設けられるとともに、内部が中空となされ、内縁面の下桟材の位置には中空部に連通する切欠部が設けられ、下端面の表面側の位置には中空部に連通するスリットが設けられてなり、 上桟材および下桟材は、上縁面の端縁と外壁表面との間にシール材を介して開口部の上下にそれぞれ固定されるとともに、
左右両側桟材は、内縁面と上桟材および下桟材の左右両端部との間、内縁面、外縁面および下端面のそれぞれの端縁と外壁表面との間に、それぞれシール材を介して開口部の左右にそれぞれ固定され、
上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の上端面の端縁と外壁表面との間に形成された間隙から左右両側桟材の中空部内へ流れ込むようになされるとともに、
下桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の切欠部から中空部内へ流れ込むようになされ、
これらの流れ込んだ雨水が外壁表面に沿うこと無くスリットから流出されるようになされたことを特徴とする装飾構造。
【請求項3】
左右両側桟材は、上端面に開口部が設けられてなり、
上桟材の上縁面からの雨水が左右両側桟材の開口部へ流れ込むようになされた請求項1または2記載の装飾構造。
【請求項4】
開口部の上下左右に固定金具が設けられ、上桟材、下桟材および左右両側桟材は、これら固定金具を介して固定するようになされた請求項1または2記載の装飾構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−241672(P2006−241672A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54182(P2005−54182)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】