補充可能な流体計量分配装置
複数の流体、好ましくは洗浄剤のそれぞれを選択的に計量分配する装置10が開示される。装置は、液溜め50と、少なくとも1つの容器本体105、110、112、114、116を含み得る容器アセンブリ100とを含む。液溜め50は希釈剤「D」、例えば水などを収容し、各容器本体105、110、112、114、116は濃縮物「C」、例えば濃縮された形の洗浄剤などを収容する。各容器本体105、110、112、114、116にはノズルを備える吐出口アセンブリ200があり、そのため、複数の容器本体105、110、112、114、116を備える容器アセンブリ100は、それに対応して複数のノズル260を含む。希釈剤「D」と濃縮物「C」は相互に分離した状態に保たれ、よって装置10内には最終使用生成物が貯えられない。即ち、最終使用生成物は、要求に応じて計量分配の間に、計量分配動作の一部として混合される。すなわち、希釈剤「D」がポンプで吐出口アセンブリ200に汲み出され、濃縮物「C」を吐出口アセンブリ200に吸い込み、それが装置10から排出される際に混ざり合って最終使用生成物になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、それぞれ、あらゆる目的についてその全文が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2007年3月27日に出願された米国特許仮出願第60/908312号、2007年6月28日に出願された米国特許仮出願第60/946848号、および2007年11月26日に出願された米国特許仮出願第60/990186号の利益および優先権を主張するものである。
本発明は、化学調剤装置に関し、詳細には、様々な液体ベースの化学成分のそれぞれを選択的に計量分配(dispense)する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な家庭、住宅、およびその他の住居、ならびに商用業務用ビル内では、多くの一般の家庭清掃、備品取替え、またはその他の保全作業を行う際に多くの化学洗浄剤が使用される。家庭内の所定の領域、例えば、一室においては、1回の清掃作業の間に複数の洗浄剤が使用され得る。
【0003】
したがって、化学洗浄剤のユーザは、異なる化学洗浄剤の複数の容器を携帯し、または持ち運ばなければならないこともある。複数の化学洗浄剤を運搬するのでなければ、ユーザはその代わりに、清掃される箇所と洗浄剤が保管されている場所との間を何回も往復して、前に使用した洗浄剤とこれから使用する洗浄剤を交換する必要がある。
【0004】
清掃作業は、化学洗浄剤が保管されている場所において、またはその近くで行われる場合もあるが、ユーザはそれでもなお多くの個々の製品を扱う必要がある。一例をあげると、個人の多くは浴室内に様々な清掃用品を常備または保管しており、浴室清掃には通常、多くの化学洗浄剤を使用する必要がある。このような清掃用品が浴室内に保管されていたとしても、ユーザはなお、様々な個々の製品を処理し、使用し、操作し、交換する必要がある。
【0005】
したがって、複数の洗浄剤を選択的に計量分配することができ、ユーザが単一の装置を用いて様々な洗浄剤を計量分配し、使用することを可能にする計量分配装置を開発することが求められている。この問題を解決しようとするこれまでの試みには、単一のバルブを介して複数の最終使用生成物を計量分配させる装置が含まれる。例えば、米国特許第3298611号明細書および米国特許第4595127号明細書には、単一の噴霧ノズルを介して複数の流体のうちの1つを選択的に計量分配させるエアゾール缶送出システムの様々な変形が開示されている。この技術の欠点は、複数の最終使用生成物が単一のノズルを介して計量分配され、ユーザが生成物を交換する際に相互汚染を生じる可能性があることである。また、単一の容器に複数の生成物を含めることにより、各最終使用生成物が含まれる計量分配容器の大きさおよび重さが増大し、または各生成物の量が減らされて、結果的に計量分配容器をより頻繁に補充または交換することにもなる。
【0006】
したがって、単一の希釈剤ディスペンサと共に使用するための、複数の交換可能な濃縮洗浄用化学物質を含む計量分配装置を提供することも求められている。他の試みには、単一の溶媒と共に使用するための単一の交換可能な濃縮化学物質を提供することに主眼を置いたものもある。例えば、濃縮された薬剤を含むカートリッジを提供することにより、ボトルを複数回補充させるものが知られている。濃縮された薬剤は、いくつかの手段のうちの1つによってボトルに送り込まれ、そこで溶媒、好ましくは水と組み合わされて使用可能な生成物が作られる。これらの参照文献では、濃縮された、またはボトルを補充する際に使用されない、カートリッジと溶液との複数の組み合わせが可能であるが、このシステムの主要な欠点は、濃縮物と溶液とが使用前にボトル内で完全に混合されることである。このためボトルは、いつでも単一の溶液の計量分配にしか使用させることができない。さらに、ボトルの内容物全部を計量分配し切り、または廃棄しなければ、ボトル内で異なる化学物質を使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3298611号明細書
【特許文献2】米国特許第4595127号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術には、複数の交換可能な濃縮洗浄用化学物質を単一の希釈剤ディスペンサと共に選択的に使用させるディスペンサはない。したがって、求められているのは、複数の洗浄剤を別々の排出ノズルから計量分配して、様々な化学物質を相互汚染する可能性を軽減し、複数の最終使用生成物を計量分配する際に複数の計量分配装置に依存する必要を低減する化学または最終生成物計量分配装置である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上を踏まえて、本明細書で具体化し、大きく説明する本発明によれば、計量分配装置および計量分配装置と共に使用するための容器アセンブリが、当分野の技術者に本発明を作成、使用させるのに十分なほど詳細に開示される。
【0010】
本発明の第1の実施形態によれば、複数の最終使用生成物、好ましくは複数の洗浄溶液を計量分配する装置が提示される。装置は、液溜めと、少なくとも1つの容器本体を含むことのできる容器アセンブリとを含む。液溜めは希釈剤、例えば水などを収容し、各容器本体は、濃縮物、例えば濃縮された形の洗浄剤などを収容する。各容器本体にはノズルを備える吐出口アセンブリがあり、そのため、複数の容器本体を備える容器アセンブリはそれに対応して複数のノズルを含む。希釈剤と濃縮物は相互に分離された状態に保たれ、そのため、装置には最終使用生成物が貯えられない。即ち、最終使用生成物は、計量分配の間に要求に応じて、計量分配動作の一部として混合される。すなわち、希釈剤がポンプで吐出口アセンブリに汲み出され、濃縮物を吐出口アセンブリに吸い込み、それが装置から排出される際に混ざり合って最終使用生成物になる。
【0011】
別の実施形態では、計量分配装置は、希釈剤をポンプで液溜めから汲み出すことにより、ポンプを作動させるたびごとに混合動作および計量分配動作が生じるように構成されている手動式ポンプを含む。
【0012】
別の実施形態では、希釈剤は水である。さらに、濃縮物は、要求に応じて、濃縮された形のガラス洗浄剤、浴室洗浄剤、家具艶出剤、万能家庭用洗浄剤、またはその他の化学物質とすることができる。
【0013】
実施形態によっては、本体部分、ハンドル、ヘッド部、および容器アセンブリは、構造を貫通して横切るものとして画定される空洞空間を有する概ね連続した構造を画定する。これは、例えば、装置を貫通して横切るものとして画定される空洞空間に蛇口を挿入し、蛇口を液溜め入口と位置合わせすることによって液溜めを水道水で満たすことを容易にする。
【0014】
別の実施形態では、計量分配装置は、持ち運びまたは操作の負担にならない量の液体を保持するような大きさおよび構成を有する。言い換えると、計量分配装置は、希釈剤および(1つまたは複数の)濃縮物で満たされたときの計量分配装置全体の重さが、長期間の使用に際してさえもユーザに許容されるような大きさとされる。例えば、計量分配装置の最終使用目的に応じて、(i)容器アセンブリは、要求に応じて、約12オンス(371.8g)未満の流体、約10オンス(309.8g)未満の流体、または他の量を保持することができ、(ii)液溜めは、必要に応じて、約32オンス(991.5g)未満の流体、約24オンス(743.6g)未満の流体、約12オンス(371.8g)未満の流体、約8オンス(247.9g)未満の流体、または他の量の液体を保持することができる。
【0015】
別の実施形態では、所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね縦方向の回転軸を中心として容器アセンブリを回転させることができる。任意選択で、所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね横方向の回転軸を中心として容器本体を回転させることもできる。さらに、回転可能なフレームが、容器アセンブリの1つまたは複数の容器本体を着脱可能な状態で保持することもできる。
【0016】
本発明の上記その他の態様は、以下の説明および添付の図面と併せて考察すれば、より十分に認識され、理解されるであろう。しかし、以下の説明は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、例として示すものであり、限定のためではないことに留意すべきである。本発明の範囲内で、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更および改変を加えることもでき、本発明はそのようなあらゆる改変を含むものである。
【0017】
本発明を構成する利点および特徴、ならびに本発明を用いて提供される典型的な機構の構造および動作の明確な概念は、添付の、本明細書の一部を構成する図面示す、例示的、よって非限定的実施形態を参照すればより容易に明らかになるであろう。図面において、類似の参照番号は複数の図において同じ要素を指示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の計量分配装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の計量分配装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図3a】図1の計量分配装置の一変形を示す斜視図である。
【図3b】図1の計量分配装置の別の変形を示す斜視図である。
【図4】本発明の計量分配装置の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の計量分配装置の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の計量分配装置の第5の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の計量分配装置の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の計量分配装置の第7の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の計量分配装置の第8の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図1の計量分配装置の別の変形を示す斜視図である。
【図11】図10の装置を示す分解斜視図である。
【図12】2つの容器本体が取り外された状態の、複数の容器本体を組み込んだ本発明の容器アセンブリを示す斜視図である。
【図13】単一の容器本体を組み込んだ本発明の別の容器アセンブリを示す斜視図である。
【図14】本発明の吐出口アセンブリおよび様々な協働構成部品を示す分解斜視図である。
【図15】図14のベンチュリアセンブリを示す正面図である。
【図16】図14のベンチュリアセンブリを示す上面図である。
【図17】線17−17で切り取った図16のベンチュリアセンブリを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に示す本発明の好ましい実施形態を説明するに際しては、明確にするために特定の用語を使用する。しかし、本発明をそのように選択した特定用語だけに限定することを意図するものではなく、各特定用語は、類似の目的を達成するために同様に動作するあらゆる技術的均等物を含むものであると理解すべきである。例えば、接続される(connected)という語、取り付けられる(attached)という語、またはこれらに類似した用語がしばしば使用される。しかし、これらの用語は、直接接続だけに限定されず、他の要素を介した接続も含むものであり、このような接続は当分野の技術者によって等価であると認められるものである。
【0020】
本発明、および本発明の様々な特徴および利点の細目を、以下の説明に詳しく示す非限定的実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0021】
I.システム概要
【0022】
基本形態において、広く図1〜図9を参照すると、本発明は、希釈剤「D」と、少なくとも1つの濃縮物質または濃縮物「C」とを相互に分離された状態で保持する流体計量分配装置、好ましくは、計量分配装置10などの手持式装置である。希釈剤「D」と濃縮物「C」とは、それらが能動的に計量分配され、装置から排出される際に瞬間的に混じり合って、最終使用生成物が計量分配装置10から排出されるまで分離された状態のままである。
【0023】
希釈剤「D」は液体希釈剤および/または他の適切な流体キャリア、好ましくは溶媒、より好ましくは水とすることができる。濃縮物「C」は、濃縮液体化学成分、もしくは気体、粉体、またはその他の相対的に濃縮された物質とすることができる。計量分配される最終使用生成物は、計量分配の間に希釈剤「D」と濃縮物「C」とを能動的に混合することにより生じ、様々な成分、薬剤、および/または溶液のうちのいずれか、好ましくは、多くの洗浄溶液または化学物質のうちの1つまたは複数とすることができる。
【0024】
このような最終使用生成物の例には、それだけに限らないが、万能洗浄剤、台所洗浄剤、浴室洗浄剤、防塵剤または除塵剤、床および家具洗浄剤および艶出剤、ガラス洗浄剤、抗菌性洗浄剤、芳香剤、脱臭剤、軟表面処理剤、布地防護剤、タイヤ洗浄剤、ダッシュボード洗浄剤、自動車用室内洗浄剤および/またはその他の業務用自動車洗浄剤もしくは艶出剤、あるいは殺虫剤さえもが含まれる。実施形態によっては、単一の装置10が、共通の流体キャリアまたは希釈剤「D」を使用する複数の最終使用生成物を計量分配する。したがって、希釈剤「D」と1つまたは複数の濃縮物「C」の個々の構成要素、組成、構成成分、およびそれぞれの濃度は、計量分配装置10から排出される際に能動的に混合される個々の所望の最終使用生成物に基づいて選択される。
【0025】
そのような構成では、計量分配装置10は、必要または要求に応じて、ユーザに、希釈剤「D」または1つもしくは複数の濃縮物「C」のうちのどれかを速やかに交換または補充させるように設計されている。実装形態によっては、例えばユーザは、単一の手持式計量分配装置10から計量分配すべき複数の最終使用生成物の中から、複数の異なる濃縮物「C」を組み込んだ生成物を選択することもできる。これにより異なる生成物を都合よく使用することができ、例えば、それぞれに異なる洗浄用製品を使用する必要のある複数の表面を容易に清掃することができる。
【0026】
II.好ましい実施形態の詳細な説明
【0027】
次に、様々な重要な特徴を例示するものである以下の非限定的例により、本発明の具体的実施形態をさらに説明する。これらの例は、単に、本発明が実施され得るやり方を理解しやすくし、当分野の技術者が本発明をさらに実施しやすくするためのものにすぎない。したがって、本明細書で論じる例は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0028】
1.計量分配全般について
【0029】
図1〜図9をさらに参照すると、計量分配装置10は、最終使用生成物、好ましくは洗浄溶液を計量分配するための、好ましくは手動ポンプ式、電気ポンプ式、エアゾール、加圧式、および/またはその他の送出システムによって手動で作動される。計量分配動作の間に、希釈剤「D」と濃縮物「C」は、最終的な、組み合わさった使用可能な状態の溶液または最終使用生成物、好ましくは洗浄溶液または洗浄用化学成分として排出されるように、例えば、少なくとも一部が装置から排出される前に組み合わされ、混ぜ合わされる。
【0030】
これに関して、希釈剤「D」と濃縮物「C」を計量分配する動作と混合または組み合わせる動作とは、相互に無関係なものではない。即ち、希釈剤「D」と濃縮物「C」とを混合する個々の動作が、個々の計量分配動作に呼応して行われる。したがって、装置には多量の最終使用生成物が貯えられる必要がない。というのは、計量分配により希釈剤「D」と濃縮物「C」との適切な混合が行われ、結果として最終使用生成物が作り出されるからである。
【0031】
個々の計量分配の技術および方法は、少なくとも一部は、計量分配装置10の最終使用目的に基づいて選択されることに留意する。言い換えると、計量分配装置10は、希釈剤「D」、濃縮物「C」、または最終使用生成物の粘度、流動性、密度、および/またはその他の特性、ならびに最終使用環境またはその他の動作要件といった事柄を考慮して、例えば、手動ポンプ式、電気ポンプ式、エアゾール、加圧式、またはその他の送出システムなどによる計量分配に適合される。
【0032】
使用される個々の計量分配技術または方法にかかわらず、計量分配装置10は、希釈剤「D」をポンプで汲み出し、または他の方法で押し出すことにより、希釈剤「D」が、計量分配装置10を流れる際に、本明細書で別途詳細に説明するベルヌーイの原理による差圧などによって濃縮物「C」をその流路に吸い込むよう動作するように構成することができる。この構成では、希釈剤「D」と濃縮物「C」の両方を最終使用生成物として適切に混合し、計量分配するのに、希釈剤「D」にさえ作用を及ぼせばよい。
【0033】
1a.手動式ポンプ式計量分配
【0034】
次に図1〜図7を参照すると、計量分配装置10の実施形態の中には、主に手動式の引き金型噴霧ボトルと関連付けられる原理に基づいて機能するものもある。そのような実施形態では、計量分配装置10は、手動ポンプアセンブリ35内のピストンを作動させ、または別のやり方で手動ポンプアセンブリ35を操作する引き金30を含む。様々な公知の種類、様式、または構成の手動ポンプおよび/または、ピトン(piton)、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばねなどといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、手動ポンプアセンブリ35として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。
【0035】
1b.非手動ポンプ式計量分配
【0036】
次に図8〜図9を参照すると、計量分配装置10の実施形態の中には、手動式または引き金式のポンプを使用せず、別の力を使用して計量分配装置10から内容物を押し出すものもある。例えば、図8に示す計量分配装置10は、エアゾールシステム36によるエアゾール計量分配を利用する。様々な公知の種類、様式、または構成のエアゾールシステムおよび/または、加圧ガスや液化ガスなどの噴射剤、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばねなどといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、エアゾールシステム36として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。別の例として、図9に示す計量分配装置10は、加圧式システム37による加圧式計量分配を利用する。この場合もやはり、様々な公知の種類、様式、または構成の、蓄積された正圧に基づくシステムおよび/または、圧力容器、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばね、電子式(i)ポンプ、(ii)スイッチまたは引き金、(iii)電源、(iv)対応する導体およびその他の回路構成部品、および/またはその他のものといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、加圧式システム37として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。
【0037】
2.全般的な装置アーキテクチャ
【0038】
次に図1〜図9を参照すると、計量分配装置10およびこれの構成部品およびサブアセンブリは、好ましくは、全体として計量で耐久性のある材料で作られている。適切な材料の例としては、軽量高分子材料または様々な高分子化合物、例えば、それだけに限らないが、高密度ポリエチレンなどの多様なポリエチレンや、ポリプロピレンといった種々のポリオレフィンといったものである。また、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニル共重合体、種々のポリアミド、ポリカーボネートなどといった重合体を例に挙げることもできる。
【0039】
本発明の諸構造において用いられる任意の高分子材料には、例えば、高分子材料の加工を制御したり、完成加工品の特性を安定化し、かつ/または別様に制御したり、硬度、曲げ抵抗などを制御したりするために、任意の従来からの添加剤パッケージ、例えば、それだけに限らないが、スリップ剤、粘着防止剤、剥離剤、酸化防止剤、充てん剤、可塑剤などを含むこともできる。このような高分子化合物を形成する一般的な工業的方法で十分に計量分配装置10の高分子構成部品を形成することができる。このような工程の例としては、それだけに限らないが、様々な一般に知られているプラスチック加工、成形、および/または他の工程がある。
【0040】
計量分配装置10は、好ましくは、液溜め50を収容するハウジング20と、吐出口アセンブリ200を有する容器アセンブリ100とを有する。液溜め50、容器アセンブリ100、および吐出口アセンブリ200は、協働し合って、それぞれ、液溜め50と容器アセンブリ100とに貯えられた希釈剤「D」と濃縮物「C」とを、最終使用生成物として混合し、計量分配する。希釈剤「D」と濃縮物「C」とを別々に貯えられたものとして維持することにより、ユーザは濃縮物「C」とは独立に希釈剤「D」を補充または交換することができ、逆もまた同様であることに留意されたい。
【0041】
図1〜図7の手動式引き金型噴霧実施形態を特に参照すると、各ハウジング20は、その下部のところの本体部分22と、本体部分22から概ね上方に延在するハンドル24とを含む。ハンドル24は、ユーザが、最終使用生成物を計量分配するのに必要な時間に対応する期間にわたって計量分配装置10を保持し、操作すること、かつ/または計量分配装置10を清掃もしくは処置すべき異なる表面または部屋まで持ち運ぶことを可能にするのに適した使い心地のよい把持構造を提供するように構成されている。図1、図3a、図3b、図4、および図6に示すようないくつかの実装形態では、ハンドル24は、例えば、ユーザの親指と人差し指の交差するところの上などに位置し、特に、長時間にわたる使用に際してユーザの使い心地および保持安定性を高める突起部25を含むことができる。
【0042】
さらに図1〜図7を参照すると、ヘッド部26が、ハンドル24の上部から外側に向かって、本体部分22と概ね同じ方向に延在している。この構成では、ヘッド部26の少なくとも一部を、ハウジング20の本体部分22を覆うように延在させることができる。好ましくは、本体部分22、ハンドル24、およびヘッド部26のそれぞれの部分、または任意選択でこれらすべてを中空とし、それによってハウジング20が外殻様の外周壁を画定し、そこに計量分配装置10の様々な他の構成部品を収容するように構成された空所「V」(図11)を封じ込める。
【0043】
要求に応じて、実施形態によっては、ハウジング20の様々な構成部品は、摩擦嵌合、スナップロック、または別の方法によって、相互に対して着脱可能な状態で取り付けられる。例えば、(i)ハンドル24とヘッド部26の組み合わさったものを本体部分22から選択的に取り外すこともでき、(ii)ヘッド部26を、本体部分22とハンドル24が組み合わさったものから選択的に取り外すこともでき、(iii)本体部分22、ハンドル24、およびヘッド部26の各部分を、対応する各部分から選択的に取り外すこともできる。ハウジング20内の様々な構成部品の相互に着脱可能な個々の取り付け機構は、少なくとも一部は、計量分配装置10の個々の実装形態内において、希釈剤「D」がどのように貯えられ、収容され、充てんされ、または補充されるかによって決定される。
【0044】
次に図10〜図11の実施形態を見ると、ハウジング20上にのぞき窓27を設け、ユーザが液溜め50内のキャリア流体の量をいつでも一目で調べることができるように構成することができる。
【0045】
図11に最もよく示されるように、液溜め50はハウジング20の空所「V」内に収容されており、そこに一定量の希釈剤「D」を保持するように構成されており、好ましくは、軽量の剛性高分子材料で作られている。この構成では、液溜め50は、独立型の液密容器として機能し、よって様々な適切なボトル、缶、および/または他の容器のいずれかを液溜め50として実施することもできる。
【0046】
液溜め50の個々の材料および構成は、個々の最終使用環境、計量分配すべき個々の流体または希釈剤「D」、および使用される送出システムの種類に基づいて選択される。例えば、図11に示すような剛性高分子の液溜め50の代わりに、要求に応じて、液溜め50を柔軟高分子の袋状の容器構造(不図示)とすることもできる。液溜め50の柔軟高分子袋の実施形態は、後で廃棄される使い捨て用に適合させ、構成することができる。このような実装形態は、例えば、希釈剤「D」が様々な酸性物質、塩基性物質、苛性物質、または刺激性物質のいずれかであり、またはこれらを含む場合など、ユーザが触れたくない希釈剤「D」を使用する計量分配装置10の実装形態では特に望ましい。しかしながら、要求に応じて、液溜め50の柔軟高分子袋の実施形態は、補充可能とし、複数回使用するように適合させ、構成することもできる。
【0047】
図10〜図11を再度参照すると、液溜め50は、注入口52と着脱可能プラグ54を含むことができる。注入口52は、ハウジング20の外壁を貫通して、液溜め50内に開口するように延在している。例えば、注入口52は、本体部分22の上部壁を貫通して液溜め50に入るように延在させることもできるが、注入口52が液溜め50に流れ込むように連結されている限り、ハンドル24やヘッド部26(図4)の上といった別の場所に位置させることもできる。
【0048】
図10〜図11をさらに参照すると、注入口52が本体部分22の上部壁を貫通して液溜め50に入るときに、計量分配装置10は、好ましくは、例えば、通常の浴室用洗面器および対応する固定式蛇口などによって、一定量の水道水である希釈剤「D」を充てんまたは補充するように構成されている。言い換えると、液溜め50およびハウジング20の本体部分22の対応する部分の高さ寸法は、ユーザが通常の洗面器と蛇口の間で注入口52を滑らせ、液溜め50の注入口52と蛇口の流出口とを位置合わせするのに十分な小ささまたは短さとする。さらに、好ましくは、ユーザが注入口52と蛇口とを位置合わせする間に引き金30を作動させずに済み、またはそのような希釈剤「D」補充位置合わせステップの間に苦労せずに済むように、引き金30と注入口52、ならびに注入口52に隣接する他の部分との間には十分な隙間が設けられている。
【0049】
図11に最もよく示されているように、ハウジング20内には管状アセンブリ80が収容されており、液溜め50と容器アセンブリ100の間で希釈剤「D」を誘導するように構成されている。管状アセンブリ80はポンプ注入管82とポンプ吐出管84とを含む。ポンプ注入管82は、手動ポンプアセンブリ35と液溜め50の間にまたがってこれらを連結し、ポンプ吐出管84は、ポンプアセンブリ35と容器アセンブリ100の間にまたがってこれらを連結している。言い換えると、ポンプアセンブリ35は、(i)ポンプ注入管82を通して液溜め50から希釈剤「D」を吸い上げ、それをポンプ吐出管84を通して容器アセンブリ100に押し出す。実施形態によっては、図11に示すように、ポンプ吐出管84の一部は、少なくとも一部が容器アセンブリ100に入るように下方に、垂直方向に延在する細長い部材85である。そのような実施形態では、吐出穴86は、容器アセンブリ100とつながるその下端部の付近でポンプ吐出管84の側壁を貫通して、放射状、水平、または別様に延在する。吐出穴86(図14)は、計量分配装置10を使用する際に、吐出穴86を通して希釈剤「D」を誘導するために、容器アセンブリ100の一部に流動可能な状態で連結することができる。
【0050】
図10〜図11を再度参照すると、実施形態によっては、例えば、使用時に容器アセンブリ100を保持し、位置合わせするなどのために、ハウジング20上に上下の留めフランジ90、92が設けられている。上下の留めフランジ90、92は、容器アセンブリ100を保持するハウジング20の両端の前縁部から斜め前方に延在している。要求に応じて、上下の留めフランジ90、92は、ハウジング20の外周とほぼ同じ半径として、ハウジング20外壁の平板状の延長部分のように見せることもできる。任意の選択により、上下フランジ90、92を、他の形状および/または半径としてもよい。
【0051】
いずれにしても、フランジ90、92の内側を向いた表面は、好ましくは、容器アセンブリ100の外側を向いた表面と直接つながる。この構成では、留めフランジ90、92は、後方のハウジング20の残りの部分へ向けて容器アセンブリ100を機械的に押しやる。これは、ハウジング20内での容器アセンブリ100の望ましくない回転、位置合わせ不良、またはその他の動きの可能性を軽減するのに役立つ。
【0052】
3.濃縮物容器アセンブリ一般について
【0053】
次に図10〜図13を参照すると、各容器アセンブリ100は、そこに、希釈剤「D」と混合すべき少なくとも1つの濃縮物「C」を保持するように構成されている。各容器アセンブリ100は、濃縮物「C」を保持または貯えるための少なくとも1つの容器本体105、110、112、114、116(図10〜図11)を含む。これに応じて、計量分配装置10によって計量分配することのできる最終使用生成物の数は、異なる容器本体105、110、112、114、116(図10〜図11)の数、よって個々の容器アセンブリ100に組み込まれている濃縮物「C」の数に対応する。
【0054】
容器本体105、110、112、114、116の大きさおよび形状は、装置10の個々の実施形態によって異なり得る。容器本体のいくつかの実施形態は、図11〜図13に示すように、それだけに限らないが、平板状、くさび状、矩形、または概ね円柱状の容器を含む。本発明の別の実施形態では、図13に示すのと同様に、複数の区画、チャンバ、仕切り、ポケット、または単一の空間を個々の濃縮物「C」を収容する複数の別個の液密部分に分ける他の任意の手段だけを有する単一の容器本体105が設けられる。
【0055】
図12を特に参照すると、容器アセンブリ100は、液密であるのみならず、各容器本体105、110、112、114、116内部の空洞を周囲に通気させ、各容器本体が傾いたり、逆さまにされたりしたときに漏れが生じにくくし、しかも引き金30の作動またはその他の計量分配技術に速やかに応答するように構成されている。したがって、浸漬管またはその他の管状部分、および任意選択で協働する逆止め弁を含む浸漬管アセンブリ118が、容器本体105、110、112、114、116に収容されている。浸漬管アセンブリ118は、本明細書で別途詳細に説明するように、容器本体105、110、112、114、116から濃縮物「C」を送り出し、しかも、呼び水なしで速やかに濃縮物「C」を送出するために浸漬管を濃縮物「C」で満たされたままの状態にするように構成されている。
【0056】
次に図12〜図13を参照すると、容器アセンブリ100は、好ましくは、容器本体105、110、112、114、116の通気口としても逆止め弁としても使用される通気機構119を含む。任意選択で、一体式の、または単一の多機能通気機構119の代わりに、別々の異なる通気口と逆止め弁も組み込まれる。通気機構119は、濃縮物「C」が計量分配される間に容器本体105、110、112、114、116の内部に空気が入るように構成されている。これは、計量分配された濃縮物「C」が占めていた体積を置き換えることによって容器本体105、110、112、114、116内の所望の圧力を維持し、容器本体105、110、112、114、116内で不必要な減圧が生じるのを防ぐ。好ましくは、通気機構119は、ゴアテックス(登録商標)通気材料、焼結型またはその他の適切な材料で作られており、任意選択で、通気口、ピンホールおよび/または空気を通すが、濃縮物「C」が容器本体105、110、112、114、116から漏れるのを防ぐその他の機構とされる。
【0057】
図12〜図13をさらに参照すると、容器アセンブリ100は、計量分配装置10の残りの部分との間での取り外し、連結、および交換を可能にする、一般にモジュール式の容器とすることができる。このような構成では、容器アセンブリ100の様々な実施形態は相互に交換可能であり、よってユーザは、すぐに利用できる最終使用生成物の数を決定して、いつでも計量分配装置10を利用することができる。言い換えると、要求に応じて、ユーザは、(i)複数の容器本体110、112、114、116に複数の濃縮物「C」を収容する容器アセンブリ100(図12)、または(ii)複数または単一の最終生成物機能のための、単一の容器本体105に単一の濃縮物「C」を収容する容器アセンブリ100(図13)をそれぞれ実施することができる。
【0058】
容器アセンブリ100または容器アセンブリ100の各部分は、好ましくは、使い捨て可能な製品である。しかし、要求に応じて、これらは補充用に適合させ、構成することもできる。したがって、容器アセンブリ100は、容器に補充させるためのキャップまたはその他の着脱可能な、もしくは補充のための取り扱いが可能な構造を有するものとすることができる。
【0059】
3a.複数の容器本体
【0060】
次に図10〜図12を参照すると、容器アセンブリ100の中には複数の容器本体110、112、114、および116を有するものがある。容器アセンブリ100の複数の容器本体110、112、114、116は、縦方向の回転軸を中心として回転するように構成された回転式スライド機構である回転フレーム120に保持することができる。回転フレーム120は、概ね円形の外周形状を有する概ね平面の底壁122を有する。複数の仕切り壁124が底壁122から上方に延在し、相互に交差してその間の空間を画定している。隣接する仕切り壁124の間の空間は、各容器本体110、112、114、116が組み合わさって容器アセンブリ100の全体として円柱状の構成を画定するように各容器本体110、112、114、116を収容し、好ましくは着脱可能な状態で収容するように構成されている。
【0061】
各容器本体110、112、114、116は、例えば、摩擦嵌合、スナップロック、および/またはその他の一時的保持技術または対応する接続装置などによって回転フレーム120内に着脱可能な状態で収容することができる。図12に最もよく示されているように、スナップロック機構を構成するのに適した1つのやり方は、1つまたは複数の突起部125を仕切り壁124の1つまたは複数から延在させることによるものである。1つまたは複数の受け126を、例えば、各容器本体110、112、114、116または各容器本体に連結された構成部品の背面、側面、またはその他の対応する表面に延在させることができる。
【0062】
この構成では、容器本体110、112、114、116は、これらを隣接する仕切り壁124間の空間に配置することによって設置され、突起部125が受け126と位置合わせされ、容器本体110、112、114、116はそうした空間内にぴったり組み込まれるように所定位置に押し込まれる。このようにして容器本体110、112、114、116を所定位置に押し込むことにより、例えば、突起部125が受け126を貫通して容器本体110、112、114、116内の対応する構造上を摺動する際に、突起部125が押されて弾性的に外側に開く。突起部125は、このような構造上でどこにも接触しなくなり、または十分奥まで摺動されると、内向きに戻ろうとする。これにより、回転フレーム120と容器本体110、112、114、116の間にスナップロック留め機構が画定される。それだけに限らないが、例えば、回転フレーム120に対する容器本体110、112、114、116の着脱可能な連結を可能にする様々な屈曲タブおよび開口、戻り止め、外付けラッチ、および/またはその他所望の機構を含む、他のスナップロックおよび/または他の一時的保持構造も企図されており、十分に本発明の範囲内に含まれるものである。
【0063】
図12をさらに参照すると、回転フレーム120の上端部の、仕切り壁124の交差するところに、分配環150を設けることができる。隣接する仕切り壁124間の空間には、分配環150から放射状に中空突起部155が延在し、分配環150と各中空突起部155を貫通する穴が開いており、そこに流体を流すことができる。分配環150は、その中に、ポンプ吐出管84の下方に延在する細長い部材85の少なくとも一部を受け入れるように構成されている。すなわち、分配環150は、吐出穴86が、分配環150を貫通して延在する穴の1つおよび中空の突起部155のそれぞれと選択的に位置合わせされるようにポンプ吐出管84と協働するような大きさおよび構成とされる。
【0064】
図10〜図12を再度参照すると、このような構成では、回転フレーム120などにより、容器アセンブリ100全体が全体として枢動または回転するようにその反対端をハウジング20に連結することができる。容器アセンブリ100は、好ましくは、回転範囲全体にわたって別々の位置を画定しながら枢動または回転する。別々の位置は、例えば、戻り止めや、ユーザが所望の濃縮物「C」、よって、所望の最終使用生成物を選択するためにそのような使用位置を割り出すことを可能にするその他の機械的構造などによって画定することができる。任意選択で、ハウジング20の各部分の上、例えば、上および/または下の留めフランジ90、92の上などに、所望の、または選択の容器本体110、112、114、116の視覚による位置合わせを容易にするための様々な印刷などの印を設けることもできる。
【0065】
図10〜図12をさらに参照すると、容器アセンブリ100の回転機能は、ユーザが、容器本体110、112、114、116のいずれか1つを液溜め50と1つずつ、または選択的に位置合わせすることを可能にする。例えば、選択される容器本体110、112、114、116およびそれぞれの濃縮物「C」は、液溜め50の希釈剤「D」が瞬間的な計量分配動作の間に濃縮物「C」と混ざり、それによって所望の最終使用生成物が計量分配装置10から送り出されるように動作するように連結されている。すなわち、ユーザは、所望の容器本体110、112、114、または116が真っ直ぐ前を向くように容器アセンブリ100を回転させ、本明細書で別途詳細に説明するように、所望の容器本体を、例えば、ポンプ吐出管84などと位置合わせする。
【0066】
図11などに示す容器アセンブリ100の実施形態は4つの別々の容器本体110、112、114、116を収容することができるが、容器本体の特定の数は、所望の濃縮物「C」の数に対応するように選択することができる。言い換えると、複数の容器本体を組み込んだ容器アセンブリ100は、要求に応じて、例えば、2、3、4、またはそれ以上の数の容器本体110、112、114、および116を含むことができる。
【0067】
さらに、複数の容器本体110、112、114、および116を有する容器アセンブリ100は、図3a、図3b、図4、図5、および図10〜図12に示すように、縦軸を中心として回転させる必要はなく、計量分配装置10の目的の最終使用設計に応じて別の構成とすることができる。計量分配装置10の特定の構成にかかわらず、複数の容器本体110、112、114、116を利用する容器アセンブリ100は、いつでも、単一の容器本体110、112、114、116が液溜め50などに流動可能な状態で連結され、希釈剤「D」と選択された濃縮物「C」とが計量分配動作の間に混ざり合い、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にするように構成されている。
【0068】
例えば、図6には、所望の容器本体110、112、114、116、および対応する濃縮物「C」および最終使用生成物を選択するために回転する容器アセンブリ100の別の実施形態が示されている。しかし、図6に示す容器アセンブリ100は、図3a、図3b、図4、図5、および図10〜図12の容器アセンブリ100のような縦方向の回転軸ではなく、横方向の回転軸を中心として回転する。
【0069】
図7には、各容器本体110、112、114、116はやはり着脱可能な状態で連結されているが、ハウジング20に対しては固定されたままの容器アセンブリ100の別の代替実施形態が示されている。このような実施形態では、可動式の容器本体110、112、114、116をポンプ吐出管84と位置合わせするのではなく、ポンプ吐出管自体を動かすことができ、ダイヤル機構119などによって、または別のやり方で、所望の(固定式または定置式の)容器本体110、112、114、116と選択的に位置合わせすることができる。
【0070】
図8〜図9の代替実施形態には、容器本体110、112、114、116を計量分配装置10の残りの部分と位置合わせするのに適する別の方法が示されている。これらの実施形態では、ヘッド部60および/またはハウジング20が、対応する導管、通路、またはその他の流れを誘導する構造と揃うように回転され、計量分配動作の間に希釈剤「D」と選択された濃縮物「C」とが混ざり合い、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にする。
【0071】
3b.単一の容器本体
【0072】
次に図1〜図2および図13を参照すると、容器アセンブリ100の中には単一の容器本体105を有するものもある。このような実施形態では、複数の容器本体の1つを選択的に位置合わせする必要がなく、そのため、任意の位置合わせ補助構造または印を使用して、ユーザがその容器本体105をハウジング20から取り外そうとするまで、単一の容器本体105をポンプ吐出管84などと適正に位置合わせしたままの状態に保持することができる。
【0073】
次に図1および図13を参照すると、要求に応じて、単一の容器本体105を有する容器アセンブリ100を、(図10〜図11に示す)複数の容器本体110、112、114、116を有する容器アセンブリ100と交換可能とすることもできる。したがって、要求に応じて、単一の容器本体105を有する容器アセンブリ100は、複数容器本体のバージョンと実質的に同じ形状、寸法を持ち、同じ空間を占めるものとすることができる。これは、単一の容器本体105が、複数の容器本体110、112、114、または116のいずれよりも相対的に多くの濃縮物「C」を保持させることができる。したがって、ユーザが単一の最終使用生成物の相対的に大量に使用する予定であるとき、例えば、多数の窓の両面を清掃するときなどには、ユーザは、濃縮物「C」として濃縮されたガラス洗浄剤を収容する単一の容器本体105を備える容器アセンブリ100を実施することができる。
【0074】
容器アセンブリ100の個々の実装形態、例えば、容器アセンブリ100が単一の容器本体105を含むか、それとも複数の容器本体110、112、114、および116を含むかにかかわらず、各容器本体105、110、112、114、および116は、独立に貯えられ、保持されている希釈剤「D」と濃縮物「C」が計量分配動作または工程の間に混ざり合って、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にするように構成されている
【0075】
4.吐出口アセンブリ
【0076】
次に図11〜図17を参照すると、吐出口アセンブリ200は、液溜め50と個々の容器本体105、110、112、114、116の間にあり、これらの間をつないでいる。各吐出口アセンブリ200は、ベンチュリアセンブリ220を収容するキャップ210と、任意選択で、ドリップ受け300とを含む。
【0077】
キャップ210は容器本体105、110、112、114、116の上に位置し、一般には、その内部にベンチュリアセンブリ220を固定して、任意選択で着脱可能な状態で収容するように構成された中空構造である(図11および図14)。キャップ210は、計量分配装置の他の構成部品、例えばポンプ吐出管84などと協働し、結びついて、それらとの間の接続部が十分に密封された状態にし、液溜め50から吐出口アセンブリ200に流体を流すように構成されている。要求に応じて、様々なOリング、封止剤、および/またはその他の金具を、キャップ210内またはキャップ210に隣接して設けて、ポンプ吐出管84、すなわちその吐出穴86とベンチュリアセンブリ220(図14)の間の密封結合または接続を強化することができる。
【0078】
次に図14〜図17を参照すると、各ベンチュリアセンブリ220は、希釈剤注入口230、濃縮物注入口240、ベンチュリ部250、ノズル260、および位置合わせタブ270を含む。おそらく図17に最もよく示されているように、ベンチュリアセンブリ220は、濃縮物注入口240が下からのベンチュリアセンブリ220と垂直に交差する概ねT字型の構成を画定することができる。ベンチュリアセンブリ220のT字型構成を完全なものにするために、希釈剤注入口230とノズル260とは、ベンチュリ部250の両端から概ね軸方向に離れて延在する。
【0079】
次に図14を参照すると、希釈剤注入口230は、ポンプ吐出管84の吐出穴86に対して、選択的に、動作可能な状態に封止される。例えば、希釈剤注入口230は、分配環150から延びる中空突起部155を同心状に収容することができる。このような構成では、ポンプ吐出管84の吐出穴86がある中空突起部155と位置合わせされると、ポンプ吐出管とベンチュリアセンブリ220の間に液密流体接続が確立される。これにより、希釈剤「D」は、計量分配動作または工程の間に、ポンプ吐出管84の吐出穴86から、分配環および中空突起部155の穴を経て、ベンチュリアセンブリ220を通って流れるようになる。
【0080】
図14〜図17を再度参照すると、濃縮物注入口240は、ベンチュリアセンブリ220の残りの部分から下方に延在しており、濃縮物「C」が容器本体105、110、112、114、116からベンチュリアセンブリ220に移動し、そこで希釈剤「D」と混ざり合うのを円滑化する。実施形態によっては、ホース、浸漬管、管片、またはその他の導管型装置が、濃縮物注入口240から容器本体105、110、112、114、116まで延在し、濃縮物「C」中で開口している。要求に応じて、濃縮物注入口240は、ホース、浸漬管、または管片が濃縮物注入口240から意図せずに外れる可能性を低減するためのホースバーブまたは肩部を含むことができる。これにより、使用時に、濃縮物「C」が濃縮物注入口240を通って上方に吸い上げられてベンチュリ部250に入るように促すことができる。
【0081】
ベンチュリ部250は、公知のベルヌーイの原理による典型的なベンチュリ装置として動作し、ベンチュリ部250と容器本体105、110、112、114、116の間に差圧を生じさせて、濃縮物「C」がベンチュリ部250内に押し出され、または吸い出される。言い換えると、ベンチュリ部250は、直径の短い中央区間255に向かって円錐状に先細りになる相対的に大きな内径を有する第1と第2の端部を有する。
【0082】
この構成では、おそらく図17から最もよく理解されるように、希釈剤注入口230からノズル260に向かってベンチュリ部250を横切る間に、希釈剤「D」は、流速が増すが、直径の短い中央区間255のところでは圧力が減少する。これにより、濃縮物注入口240の真上の、直径の短い中央区間255のところに低圧ゾーンが生じ、直径の短い中央区間255と個々の容器本体105、110、112、114、116の間に差圧が生じる。この差圧により一定量の濃縮物「C」が濃縮物注入口240を通って上方に流れ、放射状に直径の短い中央区間255に流入し、そこで、直径の短い中央区間255を軸方向に流れる希釈剤「D」と混ざる。これに関して、濃縮物「C」と希釈剤「D」とは、これら2つの流体が計量分配装置10から押し出される間に混ざり合う。ベンチュリ型の混合処置を説明しているが、濃縮物「C」と希釈剤「D」とが計量分配装置10内で分離された、別個のものとして維持される場合に、代替の実施形態では、明らかに、当分野の技術者に周知のどんな方式の混合、飛沫同伴、またはその他の組み合わせ法を利用して同じ結果を達成することもできることに留意されたい。
【0083】
図17をさらに参照すると、取入れ側、例えば、希釈剤注入口230に隣接するベンチュリ部250の部分(図17に示すベンチュリ部250の右側)は、排出側、例えば、ノズル260に隣接するベンチュリ部250の部分(図17に示すベンチュリ部250の左側)より相対的に大きくすることができる。例えば、ベンチュリ部250の取入れ側は、ベンチュリ部250の排出側の少なくとも約2倍の長さ、少なくとも約2倍の直径とすることができる。
【0084】
しかし、ベンチュリアセンブリ220の様々な構成部品の他の相対寸法も、要求に応じて容易に実施され、十分に本発明の範囲内に含まれるものである。ベンチュリアセンブリ220の様々な構成部品の個々の寸法は、少なくとも一部は、例えば、所望の噴霧パターン、濃縮物「C」の流動性に影響を及ぼし得る粘度、密度、および/またはその他の特性、希釈剤「D」の流動性に影響を及ぼし得る粘度、密度、および/またはその他の特性、あるいはその他の要因に基づくものである。
【0085】
濃縮物「C」と希釈剤「D」は、これらが混ざり合い、または組み合わされる際に、ベンチュリ部250からノズル260に流入し、混合最終使用生成物としてノズル260を通る。ノズル260は、特定の噴霧パターンおよび個々の容器本体105、110、112、114、116の特性を決定する。よって、ノズル260の特定の形状、寸法、および/またはその他の特性は、特定の計量分配される最終使用生成物に所望の最終使用噴霧特性に基づいて選択される。
【0086】
ドリップ受け300は、図10〜図11に最もよく示されており、例えば、キャップ210の前壁を貫通して延在する開口などを含むことができる。ドリップ受け300は、ノズル260からの残留ドリップを収集し、または運ぶように適合され、構成される。好ましくは、キャップ210内のドリップ受け300の背後には吸収材料が収容されており、それによって残留ドリップがドリップ受け300に吸い取られ、ユーザが処理しなくてもキャップ210の前面から除去される。残留ドリップは、ドリップ受け300の特定の構成に応じて、吸収材料に蓄積させることもでき、個々の容器本体105、110、112、114、116に戻すこともできる。
【0087】
III.システムの使用
【0088】
以上を考慮すると、計量分配装置10を使用する際にユーザは、所望の最終使用生成物を決定し、次いで、その最終使用生成物の濃縮物「C」を含む対応する容器本体105、110、112、114、116を選択する。例えば、ユーザは、計量分配装置10に単一の容器本体105を設置することもでき、所望の容器本体110、112、114、116が正面を向くように容器アセンブリ100を回転させて、個々の吐出口アセンブリ200をポンプ吐出管84と位置合わせすることもできる。
【0089】
ユーザは、希釈剤「D」を液溜め50から手動ポンプアセンブリ35に吸い出す引き金30を作動させる。希釈剤「D」は、手動ポンプアセンブリ35から押し出され、ポンプ吐出管84を介して吐出口アセンブリ200に送られる。次いで希釈剤は、吐出口アセンブリ200を流れ、ベンチュリ部250を通過する際に速度が増し、圧力が降下する。ベンチュリ部250内の希釈剤「D」の圧力降下に反応して、濃縮物「C」が容器本体110、112、114、116から吸い出され、浸漬管アセンブリ118およびその各逆止め弁を通って、ベンチュリ部250に入る。ベンチュリ部250では、希釈剤「D」と濃縮物「C」が混ざり合って最終使用生成物が生じる。最終使用生成物はノズル260を通って計量分配装置10から排出される。
【0090】
以上では、発明者らの企図する本発明を実行する最良の形態を開示しているが、本発明の実施はこれだけに限定されるものではない。基礎をなす発明概念の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の特徴の様々な追加、変更、および再構成が行われ得ることは明白であろう。
【0091】
さらに、個々の構成部品は、開示の形状として形成される必要も、開示の構成として組み立てられる必要もなく、事実上いかなる形状として提供することもでき、事実上いかなる構成として組み立てることもできる。さらに、各開示の実施形態のすべての開示の特徴は、そのような特徴が相互に排他的である場合を除き、他のあらゆる開示の実施形態の開示の特徴と組み合わせることも、これを置き換えることもできる。
【0092】
添付の特許請求の範囲は、このようなすべての追加、変更、および再構成を包含するものである。本発明の適切な実施形態は添付の特許請求の範囲によって区別されるものである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、それぞれ、あらゆる目的についてその全文が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2007年3月27日に出願された米国特許仮出願第60/908312号、2007年6月28日に出願された米国特許仮出願第60/946848号、および2007年11月26日に出願された米国特許仮出願第60/990186号の利益および優先権を主張するものである。
本発明は、化学調剤装置に関し、詳細には、様々な液体ベースの化学成分のそれぞれを選択的に計量分配(dispense)する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な家庭、住宅、およびその他の住居、ならびに商用業務用ビル内では、多くの一般の家庭清掃、備品取替え、またはその他の保全作業を行う際に多くの化学洗浄剤が使用される。家庭内の所定の領域、例えば、一室においては、1回の清掃作業の間に複数の洗浄剤が使用され得る。
【0003】
したがって、化学洗浄剤のユーザは、異なる化学洗浄剤の複数の容器を携帯し、または持ち運ばなければならないこともある。複数の化学洗浄剤を運搬するのでなければ、ユーザはその代わりに、清掃される箇所と洗浄剤が保管されている場所との間を何回も往復して、前に使用した洗浄剤とこれから使用する洗浄剤を交換する必要がある。
【0004】
清掃作業は、化学洗浄剤が保管されている場所において、またはその近くで行われる場合もあるが、ユーザはそれでもなお多くの個々の製品を扱う必要がある。一例をあげると、個人の多くは浴室内に様々な清掃用品を常備または保管しており、浴室清掃には通常、多くの化学洗浄剤を使用する必要がある。このような清掃用品が浴室内に保管されていたとしても、ユーザはなお、様々な個々の製品を処理し、使用し、操作し、交換する必要がある。
【0005】
したがって、複数の洗浄剤を選択的に計量分配することができ、ユーザが単一の装置を用いて様々な洗浄剤を計量分配し、使用することを可能にする計量分配装置を開発することが求められている。この問題を解決しようとするこれまでの試みには、単一のバルブを介して複数の最終使用生成物を計量分配させる装置が含まれる。例えば、米国特許第3298611号明細書および米国特許第4595127号明細書には、単一の噴霧ノズルを介して複数の流体のうちの1つを選択的に計量分配させるエアゾール缶送出システムの様々な変形が開示されている。この技術の欠点は、複数の最終使用生成物が単一のノズルを介して計量分配され、ユーザが生成物を交換する際に相互汚染を生じる可能性があることである。また、単一の容器に複数の生成物を含めることにより、各最終使用生成物が含まれる計量分配容器の大きさおよび重さが増大し、または各生成物の量が減らされて、結果的に計量分配容器をより頻繁に補充または交換することにもなる。
【0006】
したがって、単一の希釈剤ディスペンサと共に使用するための、複数の交換可能な濃縮洗浄用化学物質を含む計量分配装置を提供することも求められている。他の試みには、単一の溶媒と共に使用するための単一の交換可能な濃縮化学物質を提供することに主眼を置いたものもある。例えば、濃縮された薬剤を含むカートリッジを提供することにより、ボトルを複数回補充させるものが知られている。濃縮された薬剤は、いくつかの手段のうちの1つによってボトルに送り込まれ、そこで溶媒、好ましくは水と組み合わされて使用可能な生成物が作られる。これらの参照文献では、濃縮された、またはボトルを補充する際に使用されない、カートリッジと溶液との複数の組み合わせが可能であるが、このシステムの主要な欠点は、濃縮物と溶液とが使用前にボトル内で完全に混合されることである。このためボトルは、いつでも単一の溶液の計量分配にしか使用させることができない。さらに、ボトルの内容物全部を計量分配し切り、または廃棄しなければ、ボトル内で異なる化学物質を使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3298611号明細書
【特許文献2】米国特許第4595127号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術には、複数の交換可能な濃縮洗浄用化学物質を単一の希釈剤ディスペンサと共に選択的に使用させるディスペンサはない。したがって、求められているのは、複数の洗浄剤を別々の排出ノズルから計量分配して、様々な化学物質を相互汚染する可能性を軽減し、複数の最終使用生成物を計量分配する際に複数の計量分配装置に依存する必要を低減する化学または最終生成物計量分配装置である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上を踏まえて、本明細書で具体化し、大きく説明する本発明によれば、計量分配装置および計量分配装置と共に使用するための容器アセンブリが、当分野の技術者に本発明を作成、使用させるのに十分なほど詳細に開示される。
【0010】
本発明の第1の実施形態によれば、複数の最終使用生成物、好ましくは複数の洗浄溶液を計量分配する装置が提示される。装置は、液溜めと、少なくとも1つの容器本体を含むことのできる容器アセンブリとを含む。液溜めは希釈剤、例えば水などを収容し、各容器本体は、濃縮物、例えば濃縮された形の洗浄剤などを収容する。各容器本体にはノズルを備える吐出口アセンブリがあり、そのため、複数の容器本体を備える容器アセンブリはそれに対応して複数のノズルを含む。希釈剤と濃縮物は相互に分離された状態に保たれ、そのため、装置には最終使用生成物が貯えられない。即ち、最終使用生成物は、計量分配の間に要求に応じて、計量分配動作の一部として混合される。すなわち、希釈剤がポンプで吐出口アセンブリに汲み出され、濃縮物を吐出口アセンブリに吸い込み、それが装置から排出される際に混ざり合って最終使用生成物になる。
【0011】
別の実施形態では、計量分配装置は、希釈剤をポンプで液溜めから汲み出すことにより、ポンプを作動させるたびごとに混合動作および計量分配動作が生じるように構成されている手動式ポンプを含む。
【0012】
別の実施形態では、希釈剤は水である。さらに、濃縮物は、要求に応じて、濃縮された形のガラス洗浄剤、浴室洗浄剤、家具艶出剤、万能家庭用洗浄剤、またはその他の化学物質とすることができる。
【0013】
実施形態によっては、本体部分、ハンドル、ヘッド部、および容器アセンブリは、構造を貫通して横切るものとして画定される空洞空間を有する概ね連続した構造を画定する。これは、例えば、装置を貫通して横切るものとして画定される空洞空間に蛇口を挿入し、蛇口を液溜め入口と位置合わせすることによって液溜めを水道水で満たすことを容易にする。
【0014】
別の実施形態では、計量分配装置は、持ち運びまたは操作の負担にならない量の液体を保持するような大きさおよび構成を有する。言い換えると、計量分配装置は、希釈剤および(1つまたは複数の)濃縮物で満たされたときの計量分配装置全体の重さが、長期間の使用に際してさえもユーザに許容されるような大きさとされる。例えば、計量分配装置の最終使用目的に応じて、(i)容器アセンブリは、要求に応じて、約12オンス(371.8g)未満の流体、約10オンス(309.8g)未満の流体、または他の量を保持することができ、(ii)液溜めは、必要に応じて、約32オンス(991.5g)未満の流体、約24オンス(743.6g)未満の流体、約12オンス(371.8g)未満の流体、約8オンス(247.9g)未満の流体、または他の量の液体を保持することができる。
【0015】
別の実施形態では、所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね縦方向の回転軸を中心として容器アセンブリを回転させることができる。任意選択で、所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね横方向の回転軸を中心として容器本体を回転させることもできる。さらに、回転可能なフレームが、容器アセンブリの1つまたは複数の容器本体を着脱可能な状態で保持することもできる。
【0016】
本発明の上記その他の態様は、以下の説明および添付の図面と併せて考察すれば、より十分に認識され、理解されるであろう。しかし、以下の説明は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、例として示すものであり、限定のためではないことに留意すべきである。本発明の範囲内で、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更および改変を加えることもでき、本発明はそのようなあらゆる改変を含むものである。
【0017】
本発明を構成する利点および特徴、ならびに本発明を用いて提供される典型的な機構の構造および動作の明確な概念は、添付の、本明細書の一部を構成する図面示す、例示的、よって非限定的実施形態を参照すればより容易に明らかになるであろう。図面において、類似の参照番号は複数の図において同じ要素を指示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の計量分配装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の計量分配装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図3a】図1の計量分配装置の一変形を示す斜視図である。
【図3b】図1の計量分配装置の別の変形を示す斜視図である。
【図4】本発明の計量分配装置の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の計量分配装置の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の計量分配装置の第5の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の計量分配装置の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の計量分配装置の第7の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の計量分配装置の第8の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図1の計量分配装置の別の変形を示す斜視図である。
【図11】図10の装置を示す分解斜視図である。
【図12】2つの容器本体が取り外された状態の、複数の容器本体を組み込んだ本発明の容器アセンブリを示す斜視図である。
【図13】単一の容器本体を組み込んだ本発明の別の容器アセンブリを示す斜視図である。
【図14】本発明の吐出口アセンブリおよび様々な協働構成部品を示す分解斜視図である。
【図15】図14のベンチュリアセンブリを示す正面図である。
【図16】図14のベンチュリアセンブリを示す上面図である。
【図17】線17−17で切り取った図16のベンチュリアセンブリを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に示す本発明の好ましい実施形態を説明するに際しては、明確にするために特定の用語を使用する。しかし、本発明をそのように選択した特定用語だけに限定することを意図するものではなく、各特定用語は、類似の目的を達成するために同様に動作するあらゆる技術的均等物を含むものであると理解すべきである。例えば、接続される(connected)という語、取り付けられる(attached)という語、またはこれらに類似した用語がしばしば使用される。しかし、これらの用語は、直接接続だけに限定されず、他の要素を介した接続も含むものであり、このような接続は当分野の技術者によって等価であると認められるものである。
【0020】
本発明、および本発明の様々な特徴および利点の細目を、以下の説明に詳しく示す非限定的実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0021】
I.システム概要
【0022】
基本形態において、広く図1〜図9を参照すると、本発明は、希釈剤「D」と、少なくとも1つの濃縮物質または濃縮物「C」とを相互に分離された状態で保持する流体計量分配装置、好ましくは、計量分配装置10などの手持式装置である。希釈剤「D」と濃縮物「C」とは、それらが能動的に計量分配され、装置から排出される際に瞬間的に混じり合って、最終使用生成物が計量分配装置10から排出されるまで分離された状態のままである。
【0023】
希釈剤「D」は液体希釈剤および/または他の適切な流体キャリア、好ましくは溶媒、より好ましくは水とすることができる。濃縮物「C」は、濃縮液体化学成分、もしくは気体、粉体、またはその他の相対的に濃縮された物質とすることができる。計量分配される最終使用生成物は、計量分配の間に希釈剤「D」と濃縮物「C」とを能動的に混合することにより生じ、様々な成分、薬剤、および/または溶液のうちのいずれか、好ましくは、多くの洗浄溶液または化学物質のうちの1つまたは複数とすることができる。
【0024】
このような最終使用生成物の例には、それだけに限らないが、万能洗浄剤、台所洗浄剤、浴室洗浄剤、防塵剤または除塵剤、床および家具洗浄剤および艶出剤、ガラス洗浄剤、抗菌性洗浄剤、芳香剤、脱臭剤、軟表面処理剤、布地防護剤、タイヤ洗浄剤、ダッシュボード洗浄剤、自動車用室内洗浄剤および/またはその他の業務用自動車洗浄剤もしくは艶出剤、あるいは殺虫剤さえもが含まれる。実施形態によっては、単一の装置10が、共通の流体キャリアまたは希釈剤「D」を使用する複数の最終使用生成物を計量分配する。したがって、希釈剤「D」と1つまたは複数の濃縮物「C」の個々の構成要素、組成、構成成分、およびそれぞれの濃度は、計量分配装置10から排出される際に能動的に混合される個々の所望の最終使用生成物に基づいて選択される。
【0025】
そのような構成では、計量分配装置10は、必要または要求に応じて、ユーザに、希釈剤「D」または1つもしくは複数の濃縮物「C」のうちのどれかを速やかに交換または補充させるように設計されている。実装形態によっては、例えばユーザは、単一の手持式計量分配装置10から計量分配すべき複数の最終使用生成物の中から、複数の異なる濃縮物「C」を組み込んだ生成物を選択することもできる。これにより異なる生成物を都合よく使用することができ、例えば、それぞれに異なる洗浄用製品を使用する必要のある複数の表面を容易に清掃することができる。
【0026】
II.好ましい実施形態の詳細な説明
【0027】
次に、様々な重要な特徴を例示するものである以下の非限定的例により、本発明の具体的実施形態をさらに説明する。これらの例は、単に、本発明が実施され得るやり方を理解しやすくし、当分野の技術者が本発明をさらに実施しやすくするためのものにすぎない。したがって、本明細書で論じる例は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0028】
1.計量分配全般について
【0029】
図1〜図9をさらに参照すると、計量分配装置10は、最終使用生成物、好ましくは洗浄溶液を計量分配するための、好ましくは手動ポンプ式、電気ポンプ式、エアゾール、加圧式、および/またはその他の送出システムによって手動で作動される。計量分配動作の間に、希釈剤「D」と濃縮物「C」は、最終的な、組み合わさった使用可能な状態の溶液または最終使用生成物、好ましくは洗浄溶液または洗浄用化学成分として排出されるように、例えば、少なくとも一部が装置から排出される前に組み合わされ、混ぜ合わされる。
【0030】
これに関して、希釈剤「D」と濃縮物「C」を計量分配する動作と混合または組み合わせる動作とは、相互に無関係なものではない。即ち、希釈剤「D」と濃縮物「C」とを混合する個々の動作が、個々の計量分配動作に呼応して行われる。したがって、装置には多量の最終使用生成物が貯えられる必要がない。というのは、計量分配により希釈剤「D」と濃縮物「C」との適切な混合が行われ、結果として最終使用生成物が作り出されるからである。
【0031】
個々の計量分配の技術および方法は、少なくとも一部は、計量分配装置10の最終使用目的に基づいて選択されることに留意する。言い換えると、計量分配装置10は、希釈剤「D」、濃縮物「C」、または最終使用生成物の粘度、流動性、密度、および/またはその他の特性、ならびに最終使用環境またはその他の動作要件といった事柄を考慮して、例えば、手動ポンプ式、電気ポンプ式、エアゾール、加圧式、またはその他の送出システムなどによる計量分配に適合される。
【0032】
使用される個々の計量分配技術または方法にかかわらず、計量分配装置10は、希釈剤「D」をポンプで汲み出し、または他の方法で押し出すことにより、希釈剤「D」が、計量分配装置10を流れる際に、本明細書で別途詳細に説明するベルヌーイの原理による差圧などによって濃縮物「C」をその流路に吸い込むよう動作するように構成することができる。この構成では、希釈剤「D」と濃縮物「C」の両方を最終使用生成物として適切に混合し、計量分配するのに、希釈剤「D」にさえ作用を及ぼせばよい。
【0033】
1a.手動式ポンプ式計量分配
【0034】
次に図1〜図7を参照すると、計量分配装置10の実施形態の中には、主に手動式の引き金型噴霧ボトルと関連付けられる原理に基づいて機能するものもある。そのような実施形態では、計量分配装置10は、手動ポンプアセンブリ35内のピストンを作動させ、または別のやり方で手動ポンプアセンブリ35を操作する引き金30を含む。様々な公知の種類、様式、または構成の手動ポンプおよび/または、ピトン(piton)、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばねなどといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、手動ポンプアセンブリ35として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。
【0035】
1b.非手動ポンプ式計量分配
【0036】
次に図8〜図9を参照すると、計量分配装置10の実施形態の中には、手動式または引き金式のポンプを使用せず、別の力を使用して計量分配装置10から内容物を押し出すものもある。例えば、図8に示す計量分配装置10は、エアゾールシステム36によるエアゾール計量分配を利用する。様々な公知の種類、様式、または構成のエアゾールシステムおよび/または、加圧ガスや液化ガスなどの噴射剤、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばねなどといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、エアゾールシステム36として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。別の例として、図9に示す計量分配装置10は、加圧式システム37による加圧式計量分配を利用する。この場合もやはり、様々な公知の種類、様式、または構成の、蓄積された正圧に基づくシステムおよび/または、圧力容器、浸漬管、逆止め弁、弁座、圧縮ばねまたは戻しばね、電子式(i)ポンプ、(ii)スイッチまたは引き金、(iii)電源、(iv)対応する導体およびその他の回路構成部品、および/またはその他のものといったそれらの個々の構成部品のいずれかが、加圧式システム37として使用するのに適し、これらはすべて当分野の技術者には周知のものである。
【0037】
2.全般的な装置アーキテクチャ
【0038】
次に図1〜図9を参照すると、計量分配装置10およびこれの構成部品およびサブアセンブリは、好ましくは、全体として計量で耐久性のある材料で作られている。適切な材料の例としては、軽量高分子材料または様々な高分子化合物、例えば、それだけに限らないが、高密度ポリエチレンなどの多様なポリエチレンや、ポリプロピレンといった種々のポリオレフィンといったものである。また、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニル共重合体、種々のポリアミド、ポリカーボネートなどといった重合体を例に挙げることもできる。
【0039】
本発明の諸構造において用いられる任意の高分子材料には、例えば、高分子材料の加工を制御したり、完成加工品の特性を安定化し、かつ/または別様に制御したり、硬度、曲げ抵抗などを制御したりするために、任意の従来からの添加剤パッケージ、例えば、それだけに限らないが、スリップ剤、粘着防止剤、剥離剤、酸化防止剤、充てん剤、可塑剤などを含むこともできる。このような高分子化合物を形成する一般的な工業的方法で十分に計量分配装置10の高分子構成部品を形成することができる。このような工程の例としては、それだけに限らないが、様々な一般に知られているプラスチック加工、成形、および/または他の工程がある。
【0040】
計量分配装置10は、好ましくは、液溜め50を収容するハウジング20と、吐出口アセンブリ200を有する容器アセンブリ100とを有する。液溜め50、容器アセンブリ100、および吐出口アセンブリ200は、協働し合って、それぞれ、液溜め50と容器アセンブリ100とに貯えられた希釈剤「D」と濃縮物「C」とを、最終使用生成物として混合し、計量分配する。希釈剤「D」と濃縮物「C」とを別々に貯えられたものとして維持することにより、ユーザは濃縮物「C」とは独立に希釈剤「D」を補充または交換することができ、逆もまた同様であることに留意されたい。
【0041】
図1〜図7の手動式引き金型噴霧実施形態を特に参照すると、各ハウジング20は、その下部のところの本体部分22と、本体部分22から概ね上方に延在するハンドル24とを含む。ハンドル24は、ユーザが、最終使用生成物を計量分配するのに必要な時間に対応する期間にわたって計量分配装置10を保持し、操作すること、かつ/または計量分配装置10を清掃もしくは処置すべき異なる表面または部屋まで持ち運ぶことを可能にするのに適した使い心地のよい把持構造を提供するように構成されている。図1、図3a、図3b、図4、および図6に示すようないくつかの実装形態では、ハンドル24は、例えば、ユーザの親指と人差し指の交差するところの上などに位置し、特に、長時間にわたる使用に際してユーザの使い心地および保持安定性を高める突起部25を含むことができる。
【0042】
さらに図1〜図7を参照すると、ヘッド部26が、ハンドル24の上部から外側に向かって、本体部分22と概ね同じ方向に延在している。この構成では、ヘッド部26の少なくとも一部を、ハウジング20の本体部分22を覆うように延在させることができる。好ましくは、本体部分22、ハンドル24、およびヘッド部26のそれぞれの部分、または任意選択でこれらすべてを中空とし、それによってハウジング20が外殻様の外周壁を画定し、そこに計量分配装置10の様々な他の構成部品を収容するように構成された空所「V」(図11)を封じ込める。
【0043】
要求に応じて、実施形態によっては、ハウジング20の様々な構成部品は、摩擦嵌合、スナップロック、または別の方法によって、相互に対して着脱可能な状態で取り付けられる。例えば、(i)ハンドル24とヘッド部26の組み合わさったものを本体部分22から選択的に取り外すこともでき、(ii)ヘッド部26を、本体部分22とハンドル24が組み合わさったものから選択的に取り外すこともでき、(iii)本体部分22、ハンドル24、およびヘッド部26の各部分を、対応する各部分から選択的に取り外すこともできる。ハウジング20内の様々な構成部品の相互に着脱可能な個々の取り付け機構は、少なくとも一部は、計量分配装置10の個々の実装形態内において、希釈剤「D」がどのように貯えられ、収容され、充てんされ、または補充されるかによって決定される。
【0044】
次に図10〜図11の実施形態を見ると、ハウジング20上にのぞき窓27を設け、ユーザが液溜め50内のキャリア流体の量をいつでも一目で調べることができるように構成することができる。
【0045】
図11に最もよく示されるように、液溜め50はハウジング20の空所「V」内に収容されており、そこに一定量の希釈剤「D」を保持するように構成されており、好ましくは、軽量の剛性高分子材料で作られている。この構成では、液溜め50は、独立型の液密容器として機能し、よって様々な適切なボトル、缶、および/または他の容器のいずれかを液溜め50として実施することもできる。
【0046】
液溜め50の個々の材料および構成は、個々の最終使用環境、計量分配すべき個々の流体または希釈剤「D」、および使用される送出システムの種類に基づいて選択される。例えば、図11に示すような剛性高分子の液溜め50の代わりに、要求に応じて、液溜め50を柔軟高分子の袋状の容器構造(不図示)とすることもできる。液溜め50の柔軟高分子袋の実施形態は、後で廃棄される使い捨て用に適合させ、構成することができる。このような実装形態は、例えば、希釈剤「D」が様々な酸性物質、塩基性物質、苛性物質、または刺激性物質のいずれかであり、またはこれらを含む場合など、ユーザが触れたくない希釈剤「D」を使用する計量分配装置10の実装形態では特に望ましい。しかしながら、要求に応じて、液溜め50の柔軟高分子袋の実施形態は、補充可能とし、複数回使用するように適合させ、構成することもできる。
【0047】
図10〜図11を再度参照すると、液溜め50は、注入口52と着脱可能プラグ54を含むことができる。注入口52は、ハウジング20の外壁を貫通して、液溜め50内に開口するように延在している。例えば、注入口52は、本体部分22の上部壁を貫通して液溜め50に入るように延在させることもできるが、注入口52が液溜め50に流れ込むように連結されている限り、ハンドル24やヘッド部26(図4)の上といった別の場所に位置させることもできる。
【0048】
図10〜図11をさらに参照すると、注入口52が本体部分22の上部壁を貫通して液溜め50に入るときに、計量分配装置10は、好ましくは、例えば、通常の浴室用洗面器および対応する固定式蛇口などによって、一定量の水道水である希釈剤「D」を充てんまたは補充するように構成されている。言い換えると、液溜め50およびハウジング20の本体部分22の対応する部分の高さ寸法は、ユーザが通常の洗面器と蛇口の間で注入口52を滑らせ、液溜め50の注入口52と蛇口の流出口とを位置合わせするのに十分な小ささまたは短さとする。さらに、好ましくは、ユーザが注入口52と蛇口とを位置合わせする間に引き金30を作動させずに済み、またはそのような希釈剤「D」補充位置合わせステップの間に苦労せずに済むように、引き金30と注入口52、ならびに注入口52に隣接する他の部分との間には十分な隙間が設けられている。
【0049】
図11に最もよく示されているように、ハウジング20内には管状アセンブリ80が収容されており、液溜め50と容器アセンブリ100の間で希釈剤「D」を誘導するように構成されている。管状アセンブリ80はポンプ注入管82とポンプ吐出管84とを含む。ポンプ注入管82は、手動ポンプアセンブリ35と液溜め50の間にまたがってこれらを連結し、ポンプ吐出管84は、ポンプアセンブリ35と容器アセンブリ100の間にまたがってこれらを連結している。言い換えると、ポンプアセンブリ35は、(i)ポンプ注入管82を通して液溜め50から希釈剤「D」を吸い上げ、それをポンプ吐出管84を通して容器アセンブリ100に押し出す。実施形態によっては、図11に示すように、ポンプ吐出管84の一部は、少なくとも一部が容器アセンブリ100に入るように下方に、垂直方向に延在する細長い部材85である。そのような実施形態では、吐出穴86は、容器アセンブリ100とつながるその下端部の付近でポンプ吐出管84の側壁を貫通して、放射状、水平、または別様に延在する。吐出穴86(図14)は、計量分配装置10を使用する際に、吐出穴86を通して希釈剤「D」を誘導するために、容器アセンブリ100の一部に流動可能な状態で連結することができる。
【0050】
図10〜図11を再度参照すると、実施形態によっては、例えば、使用時に容器アセンブリ100を保持し、位置合わせするなどのために、ハウジング20上に上下の留めフランジ90、92が設けられている。上下の留めフランジ90、92は、容器アセンブリ100を保持するハウジング20の両端の前縁部から斜め前方に延在している。要求に応じて、上下の留めフランジ90、92は、ハウジング20の外周とほぼ同じ半径として、ハウジング20外壁の平板状の延長部分のように見せることもできる。任意の選択により、上下フランジ90、92を、他の形状および/または半径としてもよい。
【0051】
いずれにしても、フランジ90、92の内側を向いた表面は、好ましくは、容器アセンブリ100の外側を向いた表面と直接つながる。この構成では、留めフランジ90、92は、後方のハウジング20の残りの部分へ向けて容器アセンブリ100を機械的に押しやる。これは、ハウジング20内での容器アセンブリ100の望ましくない回転、位置合わせ不良、またはその他の動きの可能性を軽減するのに役立つ。
【0052】
3.濃縮物容器アセンブリ一般について
【0053】
次に図10〜図13を参照すると、各容器アセンブリ100は、そこに、希釈剤「D」と混合すべき少なくとも1つの濃縮物「C」を保持するように構成されている。各容器アセンブリ100は、濃縮物「C」を保持または貯えるための少なくとも1つの容器本体105、110、112、114、116(図10〜図11)を含む。これに応じて、計量分配装置10によって計量分配することのできる最終使用生成物の数は、異なる容器本体105、110、112、114、116(図10〜図11)の数、よって個々の容器アセンブリ100に組み込まれている濃縮物「C」の数に対応する。
【0054】
容器本体105、110、112、114、116の大きさおよび形状は、装置10の個々の実施形態によって異なり得る。容器本体のいくつかの実施形態は、図11〜図13に示すように、それだけに限らないが、平板状、くさび状、矩形、または概ね円柱状の容器を含む。本発明の別の実施形態では、図13に示すのと同様に、複数の区画、チャンバ、仕切り、ポケット、または単一の空間を個々の濃縮物「C」を収容する複数の別個の液密部分に分ける他の任意の手段だけを有する単一の容器本体105が設けられる。
【0055】
図12を特に参照すると、容器アセンブリ100は、液密であるのみならず、各容器本体105、110、112、114、116内部の空洞を周囲に通気させ、各容器本体が傾いたり、逆さまにされたりしたときに漏れが生じにくくし、しかも引き金30の作動またはその他の計量分配技術に速やかに応答するように構成されている。したがって、浸漬管またはその他の管状部分、および任意選択で協働する逆止め弁を含む浸漬管アセンブリ118が、容器本体105、110、112、114、116に収容されている。浸漬管アセンブリ118は、本明細書で別途詳細に説明するように、容器本体105、110、112、114、116から濃縮物「C」を送り出し、しかも、呼び水なしで速やかに濃縮物「C」を送出するために浸漬管を濃縮物「C」で満たされたままの状態にするように構成されている。
【0056】
次に図12〜図13を参照すると、容器アセンブリ100は、好ましくは、容器本体105、110、112、114、116の通気口としても逆止め弁としても使用される通気機構119を含む。任意選択で、一体式の、または単一の多機能通気機構119の代わりに、別々の異なる通気口と逆止め弁も組み込まれる。通気機構119は、濃縮物「C」が計量分配される間に容器本体105、110、112、114、116の内部に空気が入るように構成されている。これは、計量分配された濃縮物「C」が占めていた体積を置き換えることによって容器本体105、110、112、114、116内の所望の圧力を維持し、容器本体105、110、112、114、116内で不必要な減圧が生じるのを防ぐ。好ましくは、通気機構119は、ゴアテックス(登録商標)通気材料、焼結型またはその他の適切な材料で作られており、任意選択で、通気口、ピンホールおよび/または空気を通すが、濃縮物「C」が容器本体105、110、112、114、116から漏れるのを防ぐその他の機構とされる。
【0057】
図12〜図13をさらに参照すると、容器アセンブリ100は、計量分配装置10の残りの部分との間での取り外し、連結、および交換を可能にする、一般にモジュール式の容器とすることができる。このような構成では、容器アセンブリ100の様々な実施形態は相互に交換可能であり、よってユーザは、すぐに利用できる最終使用生成物の数を決定して、いつでも計量分配装置10を利用することができる。言い換えると、要求に応じて、ユーザは、(i)複数の容器本体110、112、114、116に複数の濃縮物「C」を収容する容器アセンブリ100(図12)、または(ii)複数または単一の最終生成物機能のための、単一の容器本体105に単一の濃縮物「C」を収容する容器アセンブリ100(図13)をそれぞれ実施することができる。
【0058】
容器アセンブリ100または容器アセンブリ100の各部分は、好ましくは、使い捨て可能な製品である。しかし、要求に応じて、これらは補充用に適合させ、構成することもできる。したがって、容器アセンブリ100は、容器に補充させるためのキャップまたはその他の着脱可能な、もしくは補充のための取り扱いが可能な構造を有するものとすることができる。
【0059】
3a.複数の容器本体
【0060】
次に図10〜図12を参照すると、容器アセンブリ100の中には複数の容器本体110、112、114、および116を有するものがある。容器アセンブリ100の複数の容器本体110、112、114、116は、縦方向の回転軸を中心として回転するように構成された回転式スライド機構である回転フレーム120に保持することができる。回転フレーム120は、概ね円形の外周形状を有する概ね平面の底壁122を有する。複数の仕切り壁124が底壁122から上方に延在し、相互に交差してその間の空間を画定している。隣接する仕切り壁124の間の空間は、各容器本体110、112、114、116が組み合わさって容器アセンブリ100の全体として円柱状の構成を画定するように各容器本体110、112、114、116を収容し、好ましくは着脱可能な状態で収容するように構成されている。
【0061】
各容器本体110、112、114、116は、例えば、摩擦嵌合、スナップロック、および/またはその他の一時的保持技術または対応する接続装置などによって回転フレーム120内に着脱可能な状態で収容することができる。図12に最もよく示されているように、スナップロック機構を構成するのに適した1つのやり方は、1つまたは複数の突起部125を仕切り壁124の1つまたは複数から延在させることによるものである。1つまたは複数の受け126を、例えば、各容器本体110、112、114、116または各容器本体に連結された構成部品の背面、側面、またはその他の対応する表面に延在させることができる。
【0062】
この構成では、容器本体110、112、114、116は、これらを隣接する仕切り壁124間の空間に配置することによって設置され、突起部125が受け126と位置合わせされ、容器本体110、112、114、116はそうした空間内にぴったり組み込まれるように所定位置に押し込まれる。このようにして容器本体110、112、114、116を所定位置に押し込むことにより、例えば、突起部125が受け126を貫通して容器本体110、112、114、116内の対応する構造上を摺動する際に、突起部125が押されて弾性的に外側に開く。突起部125は、このような構造上でどこにも接触しなくなり、または十分奥まで摺動されると、内向きに戻ろうとする。これにより、回転フレーム120と容器本体110、112、114、116の間にスナップロック留め機構が画定される。それだけに限らないが、例えば、回転フレーム120に対する容器本体110、112、114、116の着脱可能な連結を可能にする様々な屈曲タブおよび開口、戻り止め、外付けラッチ、および/またはその他所望の機構を含む、他のスナップロックおよび/または他の一時的保持構造も企図されており、十分に本発明の範囲内に含まれるものである。
【0063】
図12をさらに参照すると、回転フレーム120の上端部の、仕切り壁124の交差するところに、分配環150を設けることができる。隣接する仕切り壁124間の空間には、分配環150から放射状に中空突起部155が延在し、分配環150と各中空突起部155を貫通する穴が開いており、そこに流体を流すことができる。分配環150は、その中に、ポンプ吐出管84の下方に延在する細長い部材85の少なくとも一部を受け入れるように構成されている。すなわち、分配環150は、吐出穴86が、分配環150を貫通して延在する穴の1つおよび中空の突起部155のそれぞれと選択的に位置合わせされるようにポンプ吐出管84と協働するような大きさおよび構成とされる。
【0064】
図10〜図12を再度参照すると、このような構成では、回転フレーム120などにより、容器アセンブリ100全体が全体として枢動または回転するようにその反対端をハウジング20に連結することができる。容器アセンブリ100は、好ましくは、回転範囲全体にわたって別々の位置を画定しながら枢動または回転する。別々の位置は、例えば、戻り止めや、ユーザが所望の濃縮物「C」、よって、所望の最終使用生成物を選択するためにそのような使用位置を割り出すことを可能にするその他の機械的構造などによって画定することができる。任意選択で、ハウジング20の各部分の上、例えば、上および/または下の留めフランジ90、92の上などに、所望の、または選択の容器本体110、112、114、116の視覚による位置合わせを容易にするための様々な印刷などの印を設けることもできる。
【0065】
図10〜図12をさらに参照すると、容器アセンブリ100の回転機能は、ユーザが、容器本体110、112、114、116のいずれか1つを液溜め50と1つずつ、または選択的に位置合わせすることを可能にする。例えば、選択される容器本体110、112、114、116およびそれぞれの濃縮物「C」は、液溜め50の希釈剤「D」が瞬間的な計量分配動作の間に濃縮物「C」と混ざり、それによって所望の最終使用生成物が計量分配装置10から送り出されるように動作するように連結されている。すなわち、ユーザは、所望の容器本体110、112、114、または116が真っ直ぐ前を向くように容器アセンブリ100を回転させ、本明細書で別途詳細に説明するように、所望の容器本体を、例えば、ポンプ吐出管84などと位置合わせする。
【0066】
図11などに示す容器アセンブリ100の実施形態は4つの別々の容器本体110、112、114、116を収容することができるが、容器本体の特定の数は、所望の濃縮物「C」の数に対応するように選択することができる。言い換えると、複数の容器本体を組み込んだ容器アセンブリ100は、要求に応じて、例えば、2、3、4、またはそれ以上の数の容器本体110、112、114、および116を含むことができる。
【0067】
さらに、複数の容器本体110、112、114、および116を有する容器アセンブリ100は、図3a、図3b、図4、図5、および図10〜図12に示すように、縦軸を中心として回転させる必要はなく、計量分配装置10の目的の最終使用設計に応じて別の構成とすることができる。計量分配装置10の特定の構成にかかわらず、複数の容器本体110、112、114、116を利用する容器アセンブリ100は、いつでも、単一の容器本体110、112、114、116が液溜め50などに流動可能な状態で連結され、希釈剤「D」と選択された濃縮物「C」とが計量分配動作の間に混ざり合い、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にするように構成されている。
【0068】
例えば、図6には、所望の容器本体110、112、114、116、および対応する濃縮物「C」および最終使用生成物を選択するために回転する容器アセンブリ100の別の実施形態が示されている。しかし、図6に示す容器アセンブリ100は、図3a、図3b、図4、図5、および図10〜図12の容器アセンブリ100のような縦方向の回転軸ではなく、横方向の回転軸を中心として回転する。
【0069】
図7には、各容器本体110、112、114、116はやはり着脱可能な状態で連結されているが、ハウジング20に対しては固定されたままの容器アセンブリ100の別の代替実施形態が示されている。このような実施形態では、可動式の容器本体110、112、114、116をポンプ吐出管84と位置合わせするのではなく、ポンプ吐出管自体を動かすことができ、ダイヤル機構119などによって、または別のやり方で、所望の(固定式または定置式の)容器本体110、112、114、116と選択的に位置合わせすることができる。
【0070】
図8〜図9の代替実施形態には、容器本体110、112、114、116を計量分配装置10の残りの部分と位置合わせするのに適する別の方法が示されている。これらの実施形態では、ヘッド部60および/またはハウジング20が、対応する導管、通路、またはその他の流れを誘導する構造と揃うように回転され、計量分配動作の間に希釈剤「D」と選択された濃縮物「C」とが混ざり合い、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にする。
【0071】
3b.単一の容器本体
【0072】
次に図1〜図2および図13を参照すると、容器アセンブリ100の中には単一の容器本体105を有するものもある。このような実施形態では、複数の容器本体の1つを選択的に位置合わせする必要がなく、そのため、任意の位置合わせ補助構造または印を使用して、ユーザがその容器本体105をハウジング20から取り外そうとするまで、単一の容器本体105をポンプ吐出管84などと適正に位置合わせしたままの状態に保持することができる。
【0073】
次に図1および図13を参照すると、要求に応じて、単一の容器本体105を有する容器アセンブリ100を、(図10〜図11に示す)複数の容器本体110、112、114、116を有する容器アセンブリ100と交換可能とすることもできる。したがって、要求に応じて、単一の容器本体105を有する容器アセンブリ100は、複数容器本体のバージョンと実質的に同じ形状、寸法を持ち、同じ空間を占めるものとすることができる。これは、単一の容器本体105が、複数の容器本体110、112、114、または116のいずれよりも相対的に多くの濃縮物「C」を保持させることができる。したがって、ユーザが単一の最終使用生成物の相対的に大量に使用する予定であるとき、例えば、多数の窓の両面を清掃するときなどには、ユーザは、濃縮物「C」として濃縮されたガラス洗浄剤を収容する単一の容器本体105を備える容器アセンブリ100を実施することができる。
【0074】
容器アセンブリ100の個々の実装形態、例えば、容器アセンブリ100が単一の容器本体105を含むか、それとも複数の容器本体110、112、114、および116を含むかにかかわらず、各容器本体105、110、112、114、および116は、独立に貯えられ、保持されている希釈剤「D」と濃縮物「C」が計量分配動作または工程の間に混ざり合って、目的の最終使用生成物として計量分配装置10から排出されることを可能にするように構成されている
【0075】
4.吐出口アセンブリ
【0076】
次に図11〜図17を参照すると、吐出口アセンブリ200は、液溜め50と個々の容器本体105、110、112、114、116の間にあり、これらの間をつないでいる。各吐出口アセンブリ200は、ベンチュリアセンブリ220を収容するキャップ210と、任意選択で、ドリップ受け300とを含む。
【0077】
キャップ210は容器本体105、110、112、114、116の上に位置し、一般には、その内部にベンチュリアセンブリ220を固定して、任意選択で着脱可能な状態で収容するように構成された中空構造である(図11および図14)。キャップ210は、計量分配装置の他の構成部品、例えばポンプ吐出管84などと協働し、結びついて、それらとの間の接続部が十分に密封された状態にし、液溜め50から吐出口アセンブリ200に流体を流すように構成されている。要求に応じて、様々なOリング、封止剤、および/またはその他の金具を、キャップ210内またはキャップ210に隣接して設けて、ポンプ吐出管84、すなわちその吐出穴86とベンチュリアセンブリ220(図14)の間の密封結合または接続を強化することができる。
【0078】
次に図14〜図17を参照すると、各ベンチュリアセンブリ220は、希釈剤注入口230、濃縮物注入口240、ベンチュリ部250、ノズル260、および位置合わせタブ270を含む。おそらく図17に最もよく示されているように、ベンチュリアセンブリ220は、濃縮物注入口240が下からのベンチュリアセンブリ220と垂直に交差する概ねT字型の構成を画定することができる。ベンチュリアセンブリ220のT字型構成を完全なものにするために、希釈剤注入口230とノズル260とは、ベンチュリ部250の両端から概ね軸方向に離れて延在する。
【0079】
次に図14を参照すると、希釈剤注入口230は、ポンプ吐出管84の吐出穴86に対して、選択的に、動作可能な状態に封止される。例えば、希釈剤注入口230は、分配環150から延びる中空突起部155を同心状に収容することができる。このような構成では、ポンプ吐出管84の吐出穴86がある中空突起部155と位置合わせされると、ポンプ吐出管とベンチュリアセンブリ220の間に液密流体接続が確立される。これにより、希釈剤「D」は、計量分配動作または工程の間に、ポンプ吐出管84の吐出穴86から、分配環および中空突起部155の穴を経て、ベンチュリアセンブリ220を通って流れるようになる。
【0080】
図14〜図17を再度参照すると、濃縮物注入口240は、ベンチュリアセンブリ220の残りの部分から下方に延在しており、濃縮物「C」が容器本体105、110、112、114、116からベンチュリアセンブリ220に移動し、そこで希釈剤「D」と混ざり合うのを円滑化する。実施形態によっては、ホース、浸漬管、管片、またはその他の導管型装置が、濃縮物注入口240から容器本体105、110、112、114、116まで延在し、濃縮物「C」中で開口している。要求に応じて、濃縮物注入口240は、ホース、浸漬管、または管片が濃縮物注入口240から意図せずに外れる可能性を低減するためのホースバーブまたは肩部を含むことができる。これにより、使用時に、濃縮物「C」が濃縮物注入口240を通って上方に吸い上げられてベンチュリ部250に入るように促すことができる。
【0081】
ベンチュリ部250は、公知のベルヌーイの原理による典型的なベンチュリ装置として動作し、ベンチュリ部250と容器本体105、110、112、114、116の間に差圧を生じさせて、濃縮物「C」がベンチュリ部250内に押し出され、または吸い出される。言い換えると、ベンチュリ部250は、直径の短い中央区間255に向かって円錐状に先細りになる相対的に大きな内径を有する第1と第2の端部を有する。
【0082】
この構成では、おそらく図17から最もよく理解されるように、希釈剤注入口230からノズル260に向かってベンチュリ部250を横切る間に、希釈剤「D」は、流速が増すが、直径の短い中央区間255のところでは圧力が減少する。これにより、濃縮物注入口240の真上の、直径の短い中央区間255のところに低圧ゾーンが生じ、直径の短い中央区間255と個々の容器本体105、110、112、114、116の間に差圧が生じる。この差圧により一定量の濃縮物「C」が濃縮物注入口240を通って上方に流れ、放射状に直径の短い中央区間255に流入し、そこで、直径の短い中央区間255を軸方向に流れる希釈剤「D」と混ざる。これに関して、濃縮物「C」と希釈剤「D」とは、これら2つの流体が計量分配装置10から押し出される間に混ざり合う。ベンチュリ型の混合処置を説明しているが、濃縮物「C」と希釈剤「D」とが計量分配装置10内で分離された、別個のものとして維持される場合に、代替の実施形態では、明らかに、当分野の技術者に周知のどんな方式の混合、飛沫同伴、またはその他の組み合わせ法を利用して同じ結果を達成することもできることに留意されたい。
【0083】
図17をさらに参照すると、取入れ側、例えば、希釈剤注入口230に隣接するベンチュリ部250の部分(図17に示すベンチュリ部250の右側)は、排出側、例えば、ノズル260に隣接するベンチュリ部250の部分(図17に示すベンチュリ部250の左側)より相対的に大きくすることができる。例えば、ベンチュリ部250の取入れ側は、ベンチュリ部250の排出側の少なくとも約2倍の長さ、少なくとも約2倍の直径とすることができる。
【0084】
しかし、ベンチュリアセンブリ220の様々な構成部品の他の相対寸法も、要求に応じて容易に実施され、十分に本発明の範囲内に含まれるものである。ベンチュリアセンブリ220の様々な構成部品の個々の寸法は、少なくとも一部は、例えば、所望の噴霧パターン、濃縮物「C」の流動性に影響を及ぼし得る粘度、密度、および/またはその他の特性、希釈剤「D」の流動性に影響を及ぼし得る粘度、密度、および/またはその他の特性、あるいはその他の要因に基づくものである。
【0085】
濃縮物「C」と希釈剤「D」は、これらが混ざり合い、または組み合わされる際に、ベンチュリ部250からノズル260に流入し、混合最終使用生成物としてノズル260を通る。ノズル260は、特定の噴霧パターンおよび個々の容器本体105、110、112、114、116の特性を決定する。よって、ノズル260の特定の形状、寸法、および/またはその他の特性は、特定の計量分配される最終使用生成物に所望の最終使用噴霧特性に基づいて選択される。
【0086】
ドリップ受け300は、図10〜図11に最もよく示されており、例えば、キャップ210の前壁を貫通して延在する開口などを含むことができる。ドリップ受け300は、ノズル260からの残留ドリップを収集し、または運ぶように適合され、構成される。好ましくは、キャップ210内のドリップ受け300の背後には吸収材料が収容されており、それによって残留ドリップがドリップ受け300に吸い取られ、ユーザが処理しなくてもキャップ210の前面から除去される。残留ドリップは、ドリップ受け300の特定の構成に応じて、吸収材料に蓄積させることもでき、個々の容器本体105、110、112、114、116に戻すこともできる。
【0087】
III.システムの使用
【0088】
以上を考慮すると、計量分配装置10を使用する際にユーザは、所望の最終使用生成物を決定し、次いで、その最終使用生成物の濃縮物「C」を含む対応する容器本体105、110、112、114、116を選択する。例えば、ユーザは、計量分配装置10に単一の容器本体105を設置することもでき、所望の容器本体110、112、114、116が正面を向くように容器アセンブリ100を回転させて、個々の吐出口アセンブリ200をポンプ吐出管84と位置合わせすることもできる。
【0089】
ユーザは、希釈剤「D」を液溜め50から手動ポンプアセンブリ35に吸い出す引き金30を作動させる。希釈剤「D」は、手動ポンプアセンブリ35から押し出され、ポンプ吐出管84を介して吐出口アセンブリ200に送られる。次いで希釈剤は、吐出口アセンブリ200を流れ、ベンチュリ部250を通過する際に速度が増し、圧力が降下する。ベンチュリ部250内の希釈剤「D」の圧力降下に反応して、濃縮物「C」が容器本体110、112、114、116から吸い出され、浸漬管アセンブリ118およびその各逆止め弁を通って、ベンチュリ部250に入る。ベンチュリ部250では、希釈剤「D」と濃縮物「C」が混ざり合って最終使用生成物が生じる。最終使用生成物はノズル260を通って計量分配装置10から排出される。
【0090】
以上では、発明者らの企図する本発明を実行する最良の形態を開示しているが、本発明の実施はこれだけに限定されるものではない。基礎をなす発明概念の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の特徴の様々な追加、変更、および再構成が行われ得ることは明白であろう。
【0091】
さらに、個々の構成部品は、開示の形状として形成される必要も、開示の構成として組み立てられる必要もなく、事実上いかなる形状として提供することもでき、事実上いかなる構成として組み立てることもできる。さらに、各開示の実施形態のすべての開示の特徴は、そのような特徴が相互に排他的である場合を除き、他のあらゆる開示の実施形態の開示の特徴と組み合わせることも、これを置き換えることもできる。
【0092】
添付の特許請求の範囲は、このようなすべての追加、変更、および再構成を包含するものである。本発明の適切な実施形態は添付の特許請求の範囲によって区別されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングを少なくとも一部画定すると共に一定量の希釈剤を保持する液溜めと、
前記ハウジングに取り付けられ、一定量の濃縮物を保持する容器本体と、
前記希釈剤と前記濃縮物とを混合する吐出口アセンブリとを備え、
前記希釈剤と前記濃縮物とが相互に分離して維持され、装置から排出される際の計量分配動作の間に混ざり合うことを特徴とする、流体を計量分配する手持式装置。
【請求項2】
前記希釈剤を前記液溜めからポンプで汲み出すように構成された手動式ポンプをさらに備え、前記ポンプを作動させるたびごとに混合動作および計量分配動作が生じることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記希釈剤が水であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記濃縮物が、濃縮された形のガラス洗浄剤、浴室洗浄剤、除塵剤、芳香剤、脱臭剤、軟表面処理剤、およびしみ抜き剤のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記容器本体が前記ハウジングに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
複数の容器本体が前記ハウジングに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記容器本体がそれぞれ、計量分配動作の間に前記希釈剤と前記濃縮物とを混ぜ合わせるベンチュリアセンブリを含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
本体部分と、
前記本体部分から上方に延在するハンドルと、
前記ハンドルから延在し、前記本体部分の上に間隔をおいて配置されているヘッド部と、
前記本体部分と前記ヘッド部の間に前記本体部分と前記ヘッド部とに連結されて延在する容器アセンブリとを備え、
前記本体部分、前記ハンドル、前記ヘッド部、および前記容器アセンブリが、これらを貫通して横切るものとして画定される空洞空間を有する概ね連続した構造を画定することを特徴とする、流体を計量分配する手持式装置。
【請求項9】
前記本体部分が、内部に希釈剤を保持し、前記本体部分の中まで延在する注入口を含むことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記希釈剤が、装置を貫通して横切るものとして画定される前記空洞空間に蛇口を挿入し、前記蛇口と前記注入口との位置合わせを容易にすることによって本体部分に付加されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記希釈剤が、前記本体部分を装置の残りの部分から分離し、蛇口と前記注入口との位置合わせを容易にすることによって前記本体部分に付加されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記本体部分が約32オンス(991.5g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記本体部分が約12オンス(371.8g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記本体部分が約8オンス(247.9g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記容器アセンブリが約12オンス(371.8g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
本体と、
前記本体内に画定され、一定量の希釈剤を保持する液溜めと、
複数の容器本体が着脱可能な状態で収容されている容器アセンブリと、
ベンチュリ部が前記複数の容器本体のそれぞれに動作可能な状態で結合されている吐出口アセンブリとを備え、
複数の最終使用生成物を計量分配することができ、可能なエンドユーザ生成物の数が前記容器アセンブリ内の容器本体の数に対応することを特徴とする、複数の最終使用生成物を計量分配する手持式装置。
【請求項17】
所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね縦方向の回転軸を中心として前記容器本体を回転させることができることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね横方向の回転軸を中心として前記容器本体を回転させることができることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記容器アセンブリが最終使用生成物を排出する複数のノズルを有し、ノズルの数が前記容器アセンブリ内の容器本体の数に対応することを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記容器本体が回転式フレームに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングを少なくとも一部画定すると共に一定量の希釈剤を保持する液溜めと、
前記ハウジングに取り付けられ、一定量の濃縮物を保持する容器本体と、
前記希釈剤と前記濃縮物とを混合する吐出口アセンブリとを備え、
前記希釈剤と前記濃縮物とが相互に分離して維持され、装置から排出される際の計量分配動作の間に混ざり合うことを特徴とする、流体を計量分配する手持式装置。
【請求項2】
前記希釈剤を前記液溜めからポンプで汲み出すように構成された手動式ポンプをさらに備え、前記ポンプを作動させるたびごとに混合動作および計量分配動作が生じることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記希釈剤が水であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記濃縮物が、濃縮された形のガラス洗浄剤、浴室洗浄剤、除塵剤、芳香剤、脱臭剤、軟表面処理剤、およびしみ抜き剤のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記容器本体が前記ハウジングに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
複数の容器本体が前記ハウジングに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記容器本体がそれぞれ、計量分配動作の間に前記希釈剤と前記濃縮物とを混ぜ合わせるベンチュリアセンブリを含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
本体部分と、
前記本体部分から上方に延在するハンドルと、
前記ハンドルから延在し、前記本体部分の上に間隔をおいて配置されているヘッド部と、
前記本体部分と前記ヘッド部の間に前記本体部分と前記ヘッド部とに連結されて延在する容器アセンブリとを備え、
前記本体部分、前記ハンドル、前記ヘッド部、および前記容器アセンブリが、これらを貫通して横切るものとして画定される空洞空間を有する概ね連続した構造を画定することを特徴とする、流体を計量分配する手持式装置。
【請求項9】
前記本体部分が、内部に希釈剤を保持し、前記本体部分の中まで延在する注入口を含むことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記希釈剤が、装置を貫通して横切るものとして画定される前記空洞空間に蛇口を挿入し、前記蛇口と前記注入口との位置合わせを容易にすることによって本体部分に付加されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記希釈剤が、前記本体部分を装置の残りの部分から分離し、蛇口と前記注入口との位置合わせを容易にすることによって前記本体部分に付加されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記本体部分が約32オンス(991.5g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記本体部分が約12オンス(371.8g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記本体部分が約8オンス(247.9g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記容器アセンブリが約12オンス(371.8g)未満の液体を保持することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
本体と、
前記本体内に画定され、一定量の希釈剤を保持する液溜めと、
複数の容器本体が着脱可能な状態で収容されている容器アセンブリと、
ベンチュリ部が前記複数の容器本体のそれぞれに動作可能な状態で結合されている吐出口アセンブリとを備え、
複数の最終使用生成物を計量分配することができ、可能なエンドユーザ生成物の数が前記容器アセンブリ内の容器本体の数に対応することを特徴とする、複数の最終使用生成物を計量分配する手持式装置。
【請求項17】
所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね縦方向の回転軸を中心として前記容器本体を回転させることができることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
所望の計量分配用の最終使用生成物を選択するために、概ね横方向の回転軸を中心として前記容器本体を回転させることができることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記容器アセンブリが最終使用生成物を排出する複数のノズルを有し、ノズルの数が前記容器アセンブリ内の容器本体の数に対応することを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記容器本体が回転式フレームに着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−522676(P2010−522676A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500963(P2010−500963)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/003926
【国際公開番号】WO2008/118446
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/003926
【国際公開番号】WO2008/118446
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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