説明

補正装置、補正方法、補正プログラム及び記録媒体

【課題】表示装置が設置される環境に応じて当該表示装置に表示される表示対象の見栄えを維持する装置及び方法等を提供する。
【解決手段】制御部15は、コンテンツデータを取得し、ガンマカーブF上に設定された複数のコントロールポイントの階調値を増減させて、ガンマカーブFの外形が略S字を示すように入力RGB値Vxを補正するパラメータに基づいて、入力RGB値Vxを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に表示される表示対象を示すデータを補正する装置及び方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多様な映像広告が展開可能な所謂デジタルサイネージ(Digital Signage)を用いた広告方法が普及している。
【0003】
デジタルサイネージは、例えば商品等の特性や効果等を消費者に興味を抱かせるべく制作された映像広告等を示すコンテンツ(表示対象)を、ディスプレイに表示することによって、消費者(看者)に情報を提供するものである。
【0004】
このコンテンツは、バックライト等の光源から照射される光が、偏光フィルタ、液晶等によって部分的に遮られ又は透過されることによって、所定の輝度でディスプレイに表示されるものである。従って、このコンテンツデータの表示は、ディスプレイを所定の輝度に維持すべく、バックライト等を起動させるために所定の電力の消費を伴うものである。
【0005】
近年、環境問題又はエネルギー供給事情等の観点から省エネルギー化が求められており、デジタルサイネージにおいても省エネルギー化対策の一環として、上記ディスプレイの輝度を低下(例えば、ディスプレイのバックライトの輝度を低下等)させて、消費電力を抑える試みがなされている。
【0006】
しかし、ディスプレイの輝度を低下させてしまうと、ディスプレイに表示されるコンテンツが薄暗くなってしまい、上記コンテンツの訴求効果(例えば、コンテンツに示された商品に対して消費者の購買意欲を惹起させる効果等)に影響を及ぼすことが問題となる。
【0007】
そこで、ディスプレイに一般的に備えられる所謂コントラスト調整(補正)機能を用いて、当該ディスプレイに表示されるコンテンツの明暗を、所定の範囲内で調整(例えば、当該ディスプレイに備えられる標準的な明度差の範囲内で調整)し、当該ディスプレイに表示されるコンテンツを明瞭に表示させることが行われている。
【0008】
また、特許文献1には、入射光量に応じた電気信号を発生する撮像センサを具備する撮像装置に関し、その光電変換特性として入射光量に対して上記電気信号が線形的に変換されて出力される線形特性領域と、入射光量に対して上記電気信号が対数的に変換されて出力される対数特性領域とを備えた撮像センサによって取得された画像信号に対する階調変換処理における階調変換方法についての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−109327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記ディスプレイに表示されるコンテンツの見栄え(消費者が見易いか否か)は、当該ディスプレイが設置される環境(周囲の照度)に応じて変化するものである。そして、上記ディスプレイは、設置者(例えば、店舗や施設の管理者等)の意向に応じて、屋外等の明るい場所や、施設の通路等の暗い場所等、様々な環境に設置される場合が多い。
【0011】
上記コントラスト調整機能や上記特許文献1に開示された技術は、ディスプレイが設置される環境を考慮せず、予め設定された所定の範囲内で、当該ディスプレイに表示されたコンテンツに対してコントラスト調整又は階調変換処理を行うものである。
【0012】
従って、例えば当該ディスプレイが予め想定されていない明るい場所に設置された場合に、上述したコントラスト調整や上記特許文献1に開示された技術を用いて、予め設定された所定の範囲内でディスプレイのコントラストを調整したとしても、当該ディスプレイに表示されるコンテンツを明瞭に表示できない等、当該コンテンツの見栄えを維持できない場合があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、表示装置が設置される環境に応じて当該表示装置に表示される表示対象の見栄えを維持する装置及び方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段と、前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶手段と、前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正手段と、前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、表示装置が設置される環境に応じて、当該表示装置に表示されるコンテンツデータの見栄えを維持することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の補正装置であって、前記パラメータは、一のコントロールポイントを中間点とし、前記中間点を基準として、当該中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも高い階調値を示すコントロールポイントをハイライト部とし、当該ハイライト部の階調値を、前記照度に応じて予め定められた割合で増加させ、当該中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも低い階調値を示すコントロールポイントをシャドー部とし、当該シャドー部の階調値を、前記照度に応じて予め定められた割合で減少させることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、表示装置が設置される環境に応じて、当該表示装置に表示されるコンテンツデータの見栄えを、より効果的に維持することができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の補正装置であって、前記パラメータは、前記出力されたコンテンツデータが表示される表示装置の輝度特性に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、表示装置の輝度(luminance。液晶表示画面の単位面積あたりの光度。単位はcd/m。)等の表示装置の特性に応じて、当該表示装置に表示されるコンテンツデータの見栄えを、より効果的に維持することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、補正装置における補正方法であって、コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得工程と、前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶工程と、前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正工程と、前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、補正装置に含まれるコンピュータを、コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段、前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶手段、前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正手段、前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理プログラムがコンピュータに読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、補正装置は、取得したコンテンツデータの階調値に対して、当該コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される環境に応じて定められたパラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正するように構成したので、表示装置が設置される環境に応じて、当該表示装置に表示されるコンテンツデータの見栄えを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】補正装置4の概要構成例を示すブロック図である。
【図3】パラメータの生成画面の一例を示す図である。
【図4】ディスプレイの輝度特性が300cd/mの場合のパラメータの設定例を示す図である。
【図5】ディスプレイの輝度特性が150cd/mの場合のパラメータの設定例を示す図である。
【図6】パラメータデータベース(DB)141に登録される情報の構成例を示す図である。
【図7】情報提供システムSの動作の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報提供システムに対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0026】
[1.情報提供システムの構成及び機能概要]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報提供システムSの構成及び概要機能について説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0028】
図1に示すように、情報提供システムSは、コンテンツデータ出力装置1と、表示装置2(本願の表示装置の一例)と、パラメータ装置3と、補正装置4(本願の補正装置の一例)と、を含んで構成されている。
【0029】
なお、補正装置4と、コンテンツデータ出力装置1、表示装置2及びパラメータ装置3とは、無線(インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されたネットワーク、Bluetooth(登録商標)又は赤外線通信等)又は有線(例えば電線や光ファイバー等の通信経路による電気通信)等を用いて相互にデータ(情報)の送受信が可能となっている。
【0030】
なお、図1の例では、説明の便宜上、表示装置2及びパラメータ装置3は一つずつ示されている。しかし、表示装置2及びパラメータ装置3は、屋外等の明るい場所や、施設の通路等の暗い場所等、様々な環境に多数設置されるようにしてもよい。また、コンテンツデータ出力装置1及び補正装置4も多数存在するようにしてもよい。
【0031】
[1−1.コンテンツデータ出力装置1の構成及び機能概要]
コンテンツデータ出力装置1は、図示しないが、例えば、ディスプレイと、CPU、RAM、ROM等を有する処理部と、OS、各種データ及びコンテンツデータ出力装置1の動作を担うコンピュータプログラムの他、コンテンツデータ等を記憶するハードディスク等を有する記憶部と、例えばネットワークを介して外部から送信されるコンテンツデータ等を取得し、例えばUSB等のプロトコルに対応したインターフェースを介して外部から入力されるコンテンツデータを取得し、又は補正装置4との間でコンテンツデータ等の送信を行うための通信部と、を備えたコンピュータである。
【0032】
本実施形態では、コンテンツデータ出力装置1は、外部から受信等したコンテンツデータを、補正装置4へ送信する。
【0033】
ここで、コンテンツデータとは、例えば、例えば商品や役務等の特性や効果等を消費者に興味を抱かせるべく制作された映像広告や、施設の案内等を利用者に提供する情報等の各種情報を示す画像データが含まれた静止画像データ又は動画像データであり、後述する表示装置2のディスプレイに表示させるものである。
【0034】
以下、コンテンツデータといった場合には、画像データが含まれた静止画像データ又は動画像データを含むものとする。
【0035】
[1−2.表示装置2の構成及び機能概要]
表示装置2は、図示しないが、例えば、バックライト等の光源から照射される光が、偏光フィルタ、液晶等によって部分的に遮られ又は透過され、任意に設定可能な輝度でコンテンツを表示するディスプレイと、CPU、RAM、ROM等を有する表示処理部と、各種データ及び表示装置2の動作を担うコンピュータプログラムが記憶されたハードディスク等を有する記憶部と、補正装置4との間でコンテンツデータ等の送受信を行うための通信部と、を備えた装置である。
【0036】
本実施形態では、表示装置2は、例えば、駅、ショッピングモール等の商業施設や病院等の公共施設等の屋内外のあらゆる場所に設置される。
【0037】
そして、表示装置2は、コンテンツ出力装置1から送信されたコンテンツデータを、後述する補正装置4を介して取得し、表示処理部によりディスプレイに表示する。
【0038】
この表示の際、表示装置2は、例えば、バックライトの光量等を調節することによって、所定の輝度特性(所定の輝度)でコンテンツをディスプレイに表示することができる。すなわち、この輝度特性は、ディスプレイが調節可能な輝度値を示すものである。
【0039】
このようにして、表示装置2は、所謂デジタルサイネージ(Digital Signage。電子看板)として機能するようになっている。
【0040】
[1−3.パラメータ装置3の構成及び機能概要]
パラメータ装置3は、図示しないが、例えば、操作部と、ディスプレイと、CPU、RAM、ROM等を有する処理部と、OS、各種データ及びパラメータ装置3の動作を担うコンピュータプログラムの他、パラメータを設定するためのパラメータ設定プログラムを記憶するハードディスク等を有する記憶部と、補正装置4との間で後述するパラメータ等の送信を行うための通信部と、を備えたコンピュータである。
【0041】
本実施形態では、パラメータ装置3は、パラメータ設定プログラムを起動することによって、ユーザの操作等に基づいてパラメータを設定し、補正装置4へ送信する。
【0042】
なお、パラメータの設定の詳細については後述する。
【0043】
[1−4.補正装置4の構成及び機能概要]
次に、図2を参照して、補正装置4の構成及び機能概要について説明する。
【0044】
図2は、補正装置4の概要構成例を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、補正装置4は、通信部11と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等を備える操作部12と、ディスプレイ等を備える表示部13と、記憶部14と、制御部15と、を備えている。そして、制御部15と通信部11、操作部12、表示部13及び記憶部14とは、入出力インターフェースを備えるバス16を介して接続されている。
【0046】
通信部11は、無線又は有線によって、コンテンツデータ出力装置1、表示装置2、及びパラメータ装置3との通信状態を制御し、上記パラメータ及びコンテンツデータの送受信を行う。
【0047】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、OS、各種データ及び補正装置4の動作を担うコンピュータプログラムの他、本発明の補正プログラムを記憶する。なお、本発明の補正プログラムは、例えば他のサーバ装置等からネットワークを介して無線により取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されたパラメータ設定プログラムが、USB等のプロトコルに対応したインターフェースを介して読み込まれるようにしても良い。
【0048】
また、記憶部14には、パラメータデータベース(DB)141が構築されている。
【0049】
ここで、まず、パラメータについて詳細に説明する。
【0050】
詳しくは後述するが、本願の補正装置4は、パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正して出力する。
【0051】
このような、データの階調値を補正する方法として、一般的にガンマ補正が知られている。
【0052】
ガンマ補正は公知の方法であるため詳しい説明は省略するが、入力されたデータの階調値を、表示装置のガンマ値に応じた最適のカーブに補正することによりディスプレイのコントラストを調節することをいう。
【0053】
具体的には、取得したコンテンツデータの階調値を入力RGB値Vx(例えば、0〜255の階調値を0〜1.0で正規化した値で示す)、出力されるべきコンテンツデータの階調値を出力RGB値Vy(例えば、0〜255の階調値を0〜1.0で正規化した値で示す)とした場合、入力RGB値Vxと出力RGB値Vyとの関係は、ガンマ値γを用いて、式(1)で示されることが知られている。なお、上記正規化は、式の計算容易性の観点からなされるものである。
【0054】
【数1】

このガンマ値γは、ディスプレイの種類(機種)に応じて異なる値であるが、一般的なディスプレイでは、約2.2程度の値とされている。なお、式(1)で表わされる入力RGB値Vxと出力RGB値Vyとの関係を示す線は、一般的にガンマカーブと称され、所謂ディスプレイの特性を表わすものである。
【0055】
なお、上述する線は、例えば解析幾何学において、本質的に一変数の連続関数の組を用いて記述されることから曲線、のみならず直線の概念をも含むものとする。例えば、式(1)において、ガンマ値γ=1の場合は直線を示し、ガンマ値γが1より大きく3より小さい場合には円、円弧、楕円等の曲線を示し、ガンマ値γ=3の場合は、スプライン曲線等を示す。
【0056】
即ち、ガンマ値γとしては、有理数(整数、分数、又は小数等を含む)又は無理数等種々の数値が適用される。
【0057】
そして、式(1)で示されるディスプレイの特性を、できるだけ直線に近づける補正をガンマ補正といい、式(2)で示されることが知られている。
【0058】
【数2】

即ち、ガンマ補正では、式(1)で示される関数に対して、逆関数を乗じた式(2)で算出される出力RGB値Vyを出力値としている。
【0059】
さらに、ガンマ補正の他の例として、式(1)で示される曲線を、入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyの特性を表すトーンカーブとし、このトーンカーブを調整して出力RGB値Vyの値とする所謂トーンカーブを用いた階調補正が知られている。
【0060】
このトーンカーブを用いた階調補正では、式(1)で示される曲線を、予め記憶されたガンマ補正用LUT(Look Up Table)を参照して調整し、所定のトーンカーブが生成されるようになっている。
【0061】
このようなガンマ補正は、予め定められた式(式(2))や値(ガンマ補正用LUT)に基づいて行われるものであり、ディスプレイが設置される環境を考慮したものではない。
【0062】
そして、ディスプレイに表示されるコンテンツの見栄え(消費者が見易いか否か)は、当該ディスプレイが設置される環境(周囲の照度)やディスプレイの輝度に応じて変化するものである。また、デジタルサイネージとして用いられるディスプレイは、設置者(例えば、店舗や施設の管理者等)の意向に応じて、屋外等の明るい場所や、施設の通路等の暗い場所等、様々な環境に設置される場合が多い。
【0063】
従って、ディスプレイが予め想定されていない明るい場所に設置された場合や、低い輝度でディスプレイにコンテンツを表示した場合には、上述したガンマ補正を用いて、予め設定された所定の範囲内でディスプレイのコントラストを調整したとしても、当該ディスプレイに表示されるコンテンツを明瞭に表示できない等、当該コンテンツの見栄えを維持できない場合があった。
【0064】
そこで、本発明者らは、取得したコンテンツデータの階調値に対して、当該コンテンツデータが示すコンテンツを表示させるディスプレイが設置される場所における照度(環境)やディスプレイの輝度特性に応じて定められたパラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する装置等を発明した。
【0065】
ここで、図3を参照して、パラメータの生成方法について詳細に説明する。
【0066】
図3は、パラメータの生成画面の一例を示す図である。
【0067】
上述したパラメータ装置3のCPUが、補正プログラムを読み出し実行することにより、例えば、パラメータ装置3のディスプレイに、図3に示すパラメータ生成画面Tが表示される。
【0068】
パラメータ生成画面Tでは、コンテンツを表示させるディスプレイのガンマ値に応じたガンマカーブF(上述した式(1)により算出される入力RGB値Vxと出力RGB値Vyとの関係を示す線)が表示される。
【0069】
なお、説明の便宜上、図3に示すガンマカーブFの横軸は入力RGB値(即ち、0〜255の階調値で示した値)を、縦軸は出力RGB値(即ち、0〜255の階調値で示した値)を示す。
【0070】
すなわち、上述したように入力RGB値Vxは、入力RGB値(0〜255の階調値)を0〜1.0の値で正規化したものであり、出力RGB値Vyは、出力RGB値(0〜255の階調値)を0〜1.0の値で正規化したものであり、式(1)に代入して計算する際の計算容易性の観点から正規化がなされるものである。
【0071】
従って、入力RGB値Vxと入力RGB値、及び出力RGB値Vyと出力RGB値は、数値は異なるが実質的には同じ値を示すものである。以下、特に区別する場合を除き、入力RGB値Vxと入力RGB値、及び出力RGB値Vyと出力RGB値は、数値は異なるが実質的には同じ値を示すものとする。
【0072】
なお、入力RGB値Vxは本願の取得したコンテンツデータの階調値の一例であり、出力RGB値Vyは本願の出力されるべきコンテンツデータの階調値の一例であり、ガンマカーブFは本願の取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線の一例である。
【0073】
上述した通り、このガンマカーブFは、例えば式(1)に基づいて算出されるため、形状的には曲線、直線や線分等を含むものであり、解析幾何学には曲線を含む。よって、本願における取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線には、形状的には曲線、直線や線分を含む。
【0074】
そして、ガンマカーブF上には、略ひし形で示す、ガンマカーブFを調節するためのコントロールポイントP1〜P16(本願のコントロールポイントの一例)が設定されている。
【0075】
具体的には、コントロールポイントP1〜P16は、入力RGB値の階調数(図3に示す例では、0〜1.0で正規化した値)を、隣り合う入力RGB値の値が、所定の階調値の間隔(図3に示す例では、入力RGB値=16の間隔)となるように分割され、この分割された各入力RGB値に対応するガンマカーブF上に設定される。
【0076】
そして、パラメータ装置3を操作するユーザは、コントロールポイントP1〜P16の階調値を増減させることによって、出力RGB値Vyの値を設定することができる。
【0077】
すなわち、コントロールポイントP1〜P16を調節することによって、ガンマカーブFを、所望の形状を示すガンマカーブに補正するパラメータを生成することができる。なお、コントロールポイントの調節方法の一例として、調節対象のコントロールポイントを、マウス等の操作により選択し、縦軸と並行方向(図3の矢印方向)へ移動させる方法が適用できる。
【0078】
そして、本実施形態では、このようなパラメータ生成画面Tを用いて、ユーザは、所定の環境に設置されたディスプレイに表示されるコンテンツを見ながら、当該コンテンツの見栄えがよくなると認識できるまで、以下の手順に従ってパラメータを生成する。
【0079】
具体的には、まず、例えば、パラメータ設定プログラムの制御に基づいて、入力RGB値Vxの階調値が示す値に応じて、シャドー部(本願の中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも低い階調値の一例)、中間部(本願の所定の中間点の一例)、及びハイライト部(本願の中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも高い階調値を示すコントロールポイントの一例)に区分けされる。
【0080】
この区分けの方法は、任意に選択することができ、図3に示す例では、入力RGB値Vxの階調数を三等分して、低い階調値から順に、シャドー部(即ち、低階調側)、中間部、及びハイライト部(即ち、高階調側)としている。また、ユーザの操作に基づいて、入力RGB値Vxの階調数が区分けされるようにしてもよい。
【0081】
そして、ガンマカーブFを、中間部のコントロールポイントP8を基準に、略S字を示すように、ハイライト部に対応するコントロールポイントの階調値を増加させ、シャドー部に対応するコントロールポイントの階調値を減少させる。
【0082】
図3に示す例では、中間部のコントロールポイントP8を基準に、シャドー部に対応するコントロールポイントP1〜P7を矢印方向へスライドさせ、コントロールポイントの階調値を減少させている(即ち、モニタ特性に応じた入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyよりも、低い値の出力RGB値Vyが出力されるように補正される)。
【0083】
また、ハイライト部に対応するコントロールポイントP9〜P16を矢印方向へスライドさせ、コントロールポイントの階調値を増加させている(即ち、モニタ特性(ガンマ値γ)に応じた入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyよりも、高い値の出力RGB値Vyが出力されるように補正される)。そして、ガンマカーブFの外形が略S字を示すようにコントロールポイントの階調値を調整している。図3に示す曲線Gは、この調整後の曲線を示している。
【0084】
このコントロールポイントの階調値を増減させる割合は、ディスプレイが設置される場所の照度に応じて予め定められている。具体的には、駅の改札口等の比較的照度が低い場所(即ち、暗い場所)にディスプレイが設置された場合には、コントロールポイントの階調値を増減させる割合を小さくしている。また、屋外等の比較的照度が高い場所(即ち、明るい場所)にディスプレイが設置された場合には、コントロールポイントの階調値を増減させる割合を大きくしている。
【0085】
このようにコントロールポイントの階調値を増減させる割合を設定することで、ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えをさらに効果的に維持できる。
【0086】
このようにして、ディスプレイが設置される環境に応じた入力RGB値Vxを補正するパラメータが生成される。
【0087】
即ち、このパラメータは、コントロールポイントの階調値を増減させることによって、ガンマカーブFに基づいたS字曲線から得られる入力RGB値Vxを出力RGB値Vyに補正する係数を示すこととなる。
【0088】
なお、例えば、駅の改札口等の比較的照度が低い場所にディスプレイが設置された場合のパラメータや、屋外等の比較的照度が高い場所にディスプレイが設置された場合のパラメータを生成することによって、ディスプレイが設置される環境に応じた入力RGB値Vxを補正するパラメータが生成される。
【0089】
なお、本発明者らによって、ハイライト部に対応するコントロールポイントP9〜P16の階調値の増加量の絶対値を、シャドー部に対応するコントロールポイントP1〜P7の階調値の減少量の絶対値よりも大きくすることによって、ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えをより効果的に維持できることが実証されている。
【0090】
また、本発明者らによって、シャドー部に対応するコントロールポイントP1〜7の階調値を減少させる割合を、入力RGB値Vxの70%〜90%となるように設定し(即ち、出力RGB値Vyの値を入力RGB値Vxの70%〜90%となるように設定)、中間部に対応するコントロールポイントP8の階調値を増減させる割合を、入力RGB値Vxの90%〜110%となるように設定し(即ち、出力RGB値Vyの値を入力RGB値Vxの90%〜110%となるように設定)、ハイライト部に対応するコントロールポイントP9〜P16の階調値を増加させる割合を、入力RGB値Vxの100%〜115%となるように設定(即ち、出力RGB値Vyの値を入力RGB値Vxの100%〜115%となるように設定)することで、ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えをさらに効果的に維持できることが実証されている。
【0091】
通常のディスプレイでは、ディスプレイに表示される表示対象(コンテンツ)がユーザに明瞭に把握されるためには、例えば、照度が1000(lx)を示す環境では、400(cd/m)程度の輝度特性によってディスプレイに表示対象を表示させることが必要であった。しかし、上述したパラメータを用いて取得されたコンテンツの入力RGB値Vxを出力RGB値Vyに補正(変換)した場合には、照度が1000(lx)を示す環境で、300(cd/m)程度の輝度によってディスプレイに表示対象を表示させれば、当該表示対象を明瞭に把握することができることが確認された。すなわち、このパラメータを用いることによって、ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えをさらに効果的に維持できることが実証されている。
【0092】
また、本発明者らは、取得したコンテンツデータの階調値に対して、コンテンツを表示させるディスプレイの輝度特性に応じて定められたパラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する装置等も発明した。
【0093】
ここで、図4及び図5を参照して、ディスプレイの輝度特性に応じてパラメータを設定する設定例について説明する。
【0094】
図4はディスプレイの輝度特性が300cd/mの場合のパラメータの設定例を示す図であり、図5はディスプレイの輝度特性が150cd/mの場合のパラメータの設定例を示す図である。
【0095】
なお、図3と同一の部材名又は部材記号が付されたものは、図3に示す例と少なくとも同一の機能及び効果を有するものとしてその説明を省略する。
【0096】
図4及び図5に示すパラメータは、ユーザが、所定の環境に設置されたディスプレイに表示されるコンテンツを見ながら、当該コンテンツの見栄えがよくなると認識できるまで、上述した手順に従って生成されたものである。
【0097】
ここで、図4及び図5に示されるガンマカーブFの調整後の曲線Gを比較すると、ハイライト部に対応するコントロールポイントP9〜P16の階調値を増加させる割合は、図4に示されるディスプレイの輝度特性が300cd/mの場合のパラメータの設定例よりも、図5に示されるディスプレイの輝度特性が150cd/mの場合のパラメータの設定例の方が大きいことがわかる。
【0098】
このことから、ディスプレイの輝度特性が低いほど、ハイライト部に対応するコントロールポイントP9〜P16の増加量を増加させることにより、ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えをさらに効果的に維持できることがわかる。
【0099】
このようにして生成されたパラメータは、補正装置4によって取得され、パラメータデータベース(DB)141に記憶される。
【0100】
ここで、図6を参照して、パラメータデータベース(DB)141に登録される情報の構成例を説明する。
【0101】
図6は、パラメータデータベース(DB)141に登録される情報の構成例を示す図である。
【0102】
図6に示すパラメータデータベース(DB)141には、パラメータ名、パラメータ生成時のディスプレイが設置された場所の照度(lx)、パラメータが生成された時のディスプレイの輝度(cd/m)、ディスプレイのガンマ値γ、ディスプレイが設置された場所に関する情報、パラメータが設定された日時、コントロールポイントにおける入力RGB値Vx及び出力RGB値Vyの情報等のコントロールポイントに関する情報、各コントロールポイントにおける入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyの割合、各コントロールポイントの入力RGB値Vx、及び各コントロールポイントの出力RGB値Vyが、パラメータ名と対応付けられて、パラメータ毎に登録されている。各コントロールポイントにおける入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyの割合とは、パラメータによる入力RGB値Vxの補正量を、各コントロールポイントにおける入力RGB値Vxを基準とした割合で表わしたものである。
【0103】
ここで、上述したようにパラメータは、上記S字曲線から得られる入力RGB値を出力RGB値に補正する係数であるため、各コントロールポイントにおける入力RGB値Vxに対する出力RGB値Vyの割合が、実質的にパラメータを示すものである。
【0104】
制御部15は、図示しないCPU、ROM、RAM等により構成され、CPUが、ROMや記憶部14に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、本願のコンテンツデータ取得手段、パラメータ記憶手段、補正手段、及び出力手段として機能する。
【0105】
また、この二つを複合的に用いてもよい。
【0106】
なお、上述した例では、ディスプレイが設置される環境に応じてパラメータを設定する設定例と、ディスプレイの輝度特性に応じてパラメータを設定する設定例を個別に説明したが、これらを同時に行うようにしてもよい。
【0107】
即ち、所定のディスプレイにおいて、異なる環境及び、異なる輝度特性におけるパラメータを設定することもできる。
【0108】
[2.情報提供システムSの動作]
次に、図7を用いて、情報提供システムSの動作について説明する。
【0109】
図7は、情報提供システムSの動作の動作を示すフローチャートである。
【0110】
制御部15は、コンテンツデータ出力装置1から送信されたコンテンツデータを取得すると(ステップS11)、パラメータデータベース(DB)141を検索して、パラメータを読み込む(ステップS12)。
【0111】
読み込まれるべきパラメータの検索方法は任意に設定することができる。例えば、ディスプレイが設置された環境の照度と、各パラメータと対応付けられて登録された照度とを比較して、所定の閾値にある照度と対応付けて登録されたパラメータを検索するようにしてもよい。
【0112】
また、ディスプレイの輝度と、各パラメータと対応付けられて登録された輝度とを比較して、所定の閾値にある輝度と対応付けて登録されたパラメータを検索するようにしてもよい。
【0113】
そして、制御部15は、検索されたパラメータに基づいて、取得したコンテンツデータの階調値を補正(即ち、パラメータに基づいて、入力RGB値Vxを補正して出力RGB値Vyを求める)し(ステップS13)、出力RGB値Vyを出力信号として、表示装置2へ送信する(ステップS14)。そして、表示装置2の表示処理部は、出力RGB値Vyに基づいて所定の表示処理をし、ディスプレイにコンテンツを表示する(ステップS15)。
【0114】
以上説明したように、本実施形態においては、制御部15は、コンテンツデータを取得し、ガンマカーブF上に複数のコントロールポイントが設定され、前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、ガンマカーブFの外形が略S字を示すように入力RGB値Vxを補正する前記パラメータを取得して、前記パラメータに基づいて、入力RGB値Vxを補正し、前記補正されたコンテンツデータをディスプレイへ出力するように構成したため、ディスプレイが設置される環境に応じて、当該ディスプレイに表示されるコンテンツデータの見栄えを維持することができる。
【0115】
なお、パラメータ装置3は、一つの装置から構成されてもよいし、複数のサーバ群から構成されてもよい。
【0116】
また、表示装置2、パラメータ装置3、及び補正装置4を一つの装置として構成するようにしてもよい。
【0117】
また、パラメータ装置3又は補正装置4(制御部15)に、周囲の照度に応じて、パラメータを自動的に生成させるように構成してもよい。
【0118】
このパラメータを自動的に生成させる構成として、パラメータ装置3又は補正装置4は、例えば、表示装置2の周囲に設置された照度を計測可能なセンサから照度(測定値)を取得し、取得した照度に基づいて、パラメータを生成するように構成されている。
【0119】
具体的には、パラメータ装置3がパラメータを生成するように構成された場合には、パラメータ装置3は、センサからの測定値(照度)を取得し、パラメータを生成し、このパラメータを補正装置4へ送信するように構成されている。
【0120】
また、補正装置4がパラメータを生成するように構成された場合には、補正装置4は、センサからの測定値(照度)を取得し、パラメータを生成するように構成されている。
【0121】
さらに、パラメータが自動的に生成される場合には、パラメータ装置3又は補正装置4が取得した照度に応じて、各コントロールポイントの階調値を増減させる割合が予め定められており、この割合に応じて入力RGB値Vxが補正されるようになっている。
【0122】
また、パラメータ装置3又は補正装置4(制御部15)に、ディスプレイの輝度特性に応じて、パラメータを自動的に生成させるように構成してもよい。
【0123】
このパラメータを自動的に生成させる構成として、パラメータ装置3又は補正装置4は、例えば、表示装置2の輝度特性に関する情報を取得又は予め記憶された輝度特性に関する情報を参照し、取得した輝度特性に関する情報に基づいて、パラメータを生成するように構成されている。
【0124】
具体的には、パラメータ装置3がパラメータを生成するように構成された場合には、パラメータ装置3は、上記取得又は予め記憶された輝度特性に基づいてパラメータを生成し、このパラメータを補正装置4へ送信するように構成されている。
【0125】
また、補正装置4がパラメータを生成するように構成された場合には、補正装置4は、上記取得又は予め記憶された輝度特性に基づいてパラメータを生成するように構成されている。
【0126】
さらに、パラメータが自動的に生成される場合には、パラメータ装置3又は補正装置4が取得したディスプレイの輝度特性に応じて、各コントロールポイントの階調値を増減させる割合が予め定められており、この割合に応じて入力RGB値Vxが補正されるようになっている。
【0127】
また、パラメータ装置3又は補正装置4に、周囲の照度に応じて、パラメータを自動的に選択させるように構成してもよい。
【0128】
このパラメータを自動的に選択させる構成として、パラメータ装置3又は補正装置4は、例えば、表示装置2の周囲に設置された照度を計測可能なセンサから照度を取得し、取得した照度に基づいて、パラメータを選択するように構成されている。
【0129】
具体的には、パラメータ装置3がパラメータを選択するように構成された場合には、パラメータ装置3は、上記取得した照度に基づいて、パラメータ装置3の記憶部等に登録された各パラメータを選択する。
【0130】
この選択の方法としては、パラメータ装置3は、例えば、上記取得した照度と、各パラメータと対応付けて登録された各照度とを比較する。そして、パラメータ装置3は、上記取得した照度と、最も近似する各パラメータと対応付けて登録された各照度を検索し、検索された照度と対応付けて記憶されたパラメータを選択し、このパラメータを補正装置4へ送信するように構成されている。
【0131】
また、補正装置4がパラメータを選択するように構成された場合には、補正装置4は、上記取得した照度に基づいて、パラメータDB141に登録された各パラメータを検索する。この検索の方法としては、上述したパラメータ装置3がパラメータを選択するように構成された場合と同様である。
【0132】
また、パラメータ装置3又は補正装置4に、ディスプレイの輝度特性に応じて、パラメータを自動的に選択させるように構成してもよい。
【0133】
このパラメータを自動的に選択させる構成として、パラメータ装置3又は補正装置4は、例えば、表示装置2の輝度特性に関する情報を取得又は予め記憶された輝度特性に関する情報を参照し、取得した輝度特性に関する情報に基づいて、パラメータを選択するように構成されている。
【0134】
具体的には、パラメータ装置3がパラメータを選択するように構成された場合には、パラメータ装置3は、上記取得又は予め記憶された輝度特性に基づいて、パラメータ装置3の記憶部等に登録された各パラメータを選択し、このパラメータを補正装置4へ送信するように構成されている。
【0135】
この選択の方法としては、パラメータ装置3は、例えば、上記取得又は予め記憶された輝度特性と、各パラメータと対応付けて登録された各輝度特性とを比較する。そして、パラメータ装置3は、上記取得又は予め記憶された輝度特性と、最も近似する各パラメータと対応付けて登録された各輝度特性を検索し、検索された輝度特性と対応付けて記憶されたパラメータを選択し、このパラメータを補正装置4へ送信するように構成されている。
【0136】
また、補正装置4がパラメータを生成するように構成された場合には、補正装置4は、上記取得した照度に基づいて、パラメータDB141に登録された各パラメータを検索する。この検索の方法としては、上述したパラメータ装置3がパラメータを選択するように構成された場合と同様である。
【0137】
なお、上記実施形態においては、本願を情報提供システムSに対して適用した場合の例を示したが、その他にも例えば、表示部を備えるパーソナルコンピュータ等に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 コンテンツデータ出力装置
2 表示装置
3 パラメータ装置
4 補正装置
11 通信部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
S 情報提供システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段と、
前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、
前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、
前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、
前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶手段と、
前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正手段と、
前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の補正装置であって、
前記パラメータは、
一のコントロールポイントを中間点とし、
前記中間点を基準として、当該中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも高い階調値を示すコントロールポイントをハイライト部とし、当該ハイライト部の階調値を、前記照度に応じて予め定められた割合で増加させ、
当該中間点の取得したコンテンツデータの階調値よりも低い階調値を示すコントロールポイントをシャドー部とし、当該シャドー部の階調値を、前記照度に応じて予め定められた割合で減少させることを特徴とする補正装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の補正装置であって、
前記パラメータは、前記出力されたコンテンツデータが表示される表示装置の輝度特性に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させることを特徴とする補正装置。
【請求項4】
補正装置における補正方法であって、
コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得工程と、
前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、
前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、
前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、
前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶工程と、
前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正工程と、
前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段と、
を有することを特徴とする補正方法。
【請求項5】
補正装置に含まれるコンピュータを、
コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段、
前記コンテンツデータが示すコンテンツを表示させる表示装置が設置される場所の照度に応じて定められたパラメータであって、
前記取得したコンテンツデータの階調値と出力されるべきコンテンツデータの階調値との関係を示す線上に複数のコントロールポイントが設定され、
前記照度に応じて予め定められた割合で、前記コントロールポイントの階調値を増減させて、
前記線の外形が略S字を示すように前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する前記パラメータを取得して記憶するパラメータ記憶手段、
前記パラメータに基づいて、前記取得したコンテンツデータの階調値を補正する補正手段、
前記階調値が補正されたコンテンツデータを、前記表示装置へ出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする補正プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の補正プログラムがコンピュータに読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−253446(P2012−253446A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122620(P2011−122620)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】