説明

製品に対する税が支払われているか否かを電子的に判定するための装置

容器の内容物に対する税又は関税が支払われているか否かを電子的に判定するための装置である。税が支払われているか否かを表す情報を含む無線周波数識別タグ(RFIDタグ)(310)が容器(100)上に配置される。RFIDタグは基板と、基板上に実装され且つ同じく基板上に実装される所定の長さのアンテナに接続される無線周波数送受信回路と、好ましくは、基板に固定される突起物(318)、又は基板内に設けられるスロットとを備える。キャップ(300)が容器(100)に取り付けられるときにこの容器に接続されたラチェットホイール(240)に噛み合うように、RFIDタグが容器のキャップ(300)内に配置され、キャップが容器から取り外されるときに、基板が破損し、それによりRFIDタグが永久に無効になるように、ラチェットホイール(240)が突起物又はスロットと係合することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には、製品に対する税が支払われているか否かを電子的に判定する装置に関する。さらに、その装置は、ボトルのように、キャップ又は他の密閉手段で密閉された容器内の内容物の真正さを立証することができ、最初に開封された時点でその装置自身が自動的に無効になる。
【0002】
本出願は、「APPARATUS FOR ELECTRONICALLY VERIFYING THE AUTHENTICITY OF CONTENTS WITHIN A CONTAINER」と題する2003年12月12日付けで出願された米国特許出願第10/734,813号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0003】
多くのタイプの高額の消費者用製品は、偽造品製造者によって不正に製造され、それらが或る時点で合法の供給ルートに入り込む。アルコール飲料業界は特に、偽造品製造者によって悩まされている。これらの製品に対するパッケージングの合法の供給業者は、これまで、偽造者が複製できないパッケージングを、妥当なコストで製造することができなかった。結果として、商品の内容物を直に検査することなく偽造品を合法の商品から実際に区別することはできず、区別するには、そのような商品のパッケージングを実際に開封する必要がある。大部分の商品の場合、特に飲料及び他の食品の場合は、パッケージングを開封することにより、商品が再販できなくなるので、商品価値がなくなってしまう。
【0004】
アルコール飲料の販売に関連する別の問題は、ボトルが販売される度に税又は関税が支払われていることを保証することである。要求される税が支払われていないために、毎年、何百万ドルもの国の税収が失われているものと推定されている。現在、英国において検討中である1つの解決策は、そのパッケージに対する税が支払われたことを表示するために、ボトルのパッケージの表面上に、短冊形の印紙を貼付することである。
【0005】
商品を識別するための主な方法として、まもなく無線周波数識別(「RFID」)デバイス(一般的に「RFIDタグ」と呼ばれる)が、バーコードに取って代わるものと予想される。RFIDタグは、それが取り付けられる商品についての情報を含むように、又は特有の識別コードを含むように予め符号化される。外部のリーダによってRFIDタグが呼び掛けられると、RFIDタグは、その予め符号化されたデータを含む無線信号を送信するであろう。したがって、たとえば、精算時にその製品を特定するためのコードを、RFIDタグ内に符号化することができ、(バーコードの代わりに)この情報を読み取ることで、商品のタイプを判定し、その価格を計算することができる(その価格は、RFID内に符号化される、あるいは、メインデータベースに格納され、製品コードに基づいて入手される)。しかしながら、従来のRFIDタグは、製品が購入された後も長く動作し続けるために、最近、プライバシー問題に関する多くの懸念が生じている。これは、製品が寿命になるまで、第三者がRFIDタグ内の情報を読み取り続けることができ、たとえば、これらの第三者が、本人の知らぬ間に、人の買い物の傾向についての情報を作成できるようになることを意味する。
【0006】
結果として、RFIDタグを複製することが困難であることに起因して、偽造商品は有効なRFIDタグを備えないことになるので、RFIDタグを用いて、合法の商品と偽造商品とを区別することができるが、その製品が寿命になるまでRFIDタグが動作し続ける場合には、商品にそのようなRFIDタグを用いることによって、プライバシーの問題が引き起こされる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、パッケージに対して適用可能な任意の税又は関税が支払われていることを立証するようにプログラミングすることができる、アルコール飲料パッケージ用のRFIDタグを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、偽造者が容易に複製することができない上に、最初に容器を開封したときに永久に無効になる、容器の内容物の真正さを立証するための改善された装置及び方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、電子的にも永久に無効にすることができる、容器の内容物の真正さを立証するための改善された装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、密封された容器の内容物に対する税又は関税の支払いを検証する際に用いるための装置である。当該装置は、送信コマンドを受信すると信号を送信するように構成されると共に基板上に実装される無線周波数送受信回路を有する無線周波数識別タグを備える。無線周波数識別タグは容器に取り付けられ、その容器に対する税が支払われていることを表す情報を含む。
【0011】
本発明の現時点で好ましい一実施形態によれば、この装置は、基板と、送信コマンドを受信すると信号を送信するように構成され且つ基板上に実装される無線周波数送受信回路と、所定の長さを有すると共に基板上に実装されて無線周波数送受信回路に接続されるアンテナと、基板に固定される第1の相互接続手段とを有する無線周波数識別タグを備え、この無線周波数識別タグは、容器の内容物に対する税が支払われていることを表す情報を含むものである。当該装置は、円筒形部分と円筒形部分の閉鎖端及び円筒形部分の開放端とを有する、容器のためのキャップをさらに備え、第1の相互接続手段が内側中心に向かって面するように、閉鎖端に隣接する円筒形部分の内面に無線周波数識別タグが取り付けられる。最後に、当該装置は、容器に取り付けられると共にキャップが容器に取り付けられているときに第1の相互接続手段に係合し且つ容器からキャップが取り外されるときに基板に力を加えて基板を破損させることにより無線周波数識別タグを永久に無効にする第2の相互接続手段を備える。
【0012】
例示的な実施形態の詳細とともに、本発明のこれらの、そして他の目的及び利点は、添付の図面に関連して取り上げられる本明細書の以下の部分を参照することにより、さらに十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は容器の内容物に対する税又は関税の支払いを立証するための装置に関し、それは、容器に取り付けられたRFIDタグを備えることに基づく。そのRFIDタグは、そのようなRFIDタグが取り付けられる製品、たとえば蒸留酒のボトルに対する関税が支払われているか否かを示す情報を含む電子コードを有する。またRFIDタグは、内容物の識別情報も、また、供給ルート業務に関連する他の情報も含むようにプログラミングすることもできる。RFIDタグと通信するために読み取り機が用いられ、この読み取り機は携帯用のハンドヘルド装置でもよいし、又はコンピュータ、キャッシュレジスタ、セキュリティ出口(security exit)等に組み込まれてもよい。様々な国の多数の偽造業者(counterfeiting operations)が、本物のパッケージングに極めて類似しているボトル、ボトルキャップ、プラスチック製のボトル挿入物及びラベルを製造することができるが、これらの偽造業者は、小型で高い集積度の無線チップを開発するだけの金銭的な余裕はない。RFIDシステムは、任意の種々の無線周波数において動作することができる。しかしながら、波長を短くすることによって、アンテナが短くなり、それゆえ低周波数のRFIDタグよりも小型のタグになるので、現時点ではマイクロ波周波数2.45ギガヘルツが好ましい。さらに、このマイクロ波周波数は、RFIDへの適用を世界の大部分の国々において認可されているという利点も有する。さらに、2.45GHzにおいて動作するRFIDデバイスは、いくつかの企業によって世界中で製造され、販売されている。最後に、RFIDタグに格納される情報に対してスペクトル拡散通信プロトコル及び特殊なコード方式を用いることにより、偽造品製造者が、税又は関税の支払いを避けるために偽造品又は闇市場のRFIDタグを作成することを効果的に阻止することができる。RFIDタグは容器キャップ(又は他の密閉手段)内に取り付けられ、供給ルートの合法の組織者によって用いられるRFID読み取り機によって読み取られることが好ましい。そのキャップが最初に容器から取り外されたときにRFIDタグが無効になるように、キャップが容器に取り付けられるときにキャップと容器との間が相互接続される。
【0014】
図1Aは、本発明の現時点で好ましい一実施形態の組立分解斜視図であり、図1Bはその斜視図であり、図1Cはその断面図である。ボトル100は、その口110にボトルキャップを固定するためのねじ山120を備える。本発明のこの現時点で好ましい実施形態によれば、ボトル100には、筒状で、好ましくはプラスチック製のボトル挿入物200が取り付けられ、そのボトル挿入物200はボトル100の口110にしっかりと嵌め込まれる。ボトル挿入物200はラチェットホイール240を備える。その後、ボトル100には、同じくプラスチック製であることが好ましいキャップ300が取り付けられ、キャップ300はねじ山120にねじ留めされる。キャップ300は、その閉鎖端近くに取り付けられるRFIDタグ310を含み、キャップ300がボトル100にしっかりとねじ留めされるときに、RFIDタグ310は長手方向においてラチェットホイール240と位置合わせされるようになり、RFIDタグ310に取り付けられた円筒形の爪318が、ラチェットホイール240の複数のラチェット歯のうちの1つと噛み合う(図1Bに具体的に示す)。
【0015】
本発明において用いられるRFIDタグ310の一実施形態を図2A、図2B及び図2Cに示す。図2Aに示すように、RFIDタグ310の主要電子部品は、無線周波数集積回路(RFIC)312及びアンテナ316を含む。アンテナ316は2つの部分から成る銅パターンであることが好ましいが、他の材料及び他のパターンを用いることもできることは当業者には理解されるであろう。アンテナ316の各部分は薄いセミフレキシブル基板315に接合され、セミフレキシブル基板315は、無線信号を吸収しないタイプのガラス繊維から成ることが好ましい。RFIC312は通常、集積回路製造技術の熟練者によく知られている「フリップチップ」工程を用いて、アンテナに直に取り付けられる。図2Aには示さないが、図2B及び図2Cに示すように、RFIC312はエポキシコーティング314によって保護され、且つ支持される。さらに、図2B及び図2Cに示すように、RFIDタグ310の上側表面には、プラスチックコーティング313が張り付けられてアンテナ316が保護されることが好ましい。基板上に実装されると共に本発明において用いられるほど十分に小さいRFICチップは現在、数社の製造供給元、たとえばIntermec Technologies Corporation、Alien Technology Corporation、SCS Corporation及びHitachi Ltdによって市販される。使用のために選択されるRFIDタグは、たとえば、RFIDタグを清算時に無効にすることができるように、外部発信機からのコマンドを受信することによって永久に無効にされる能力を備えることが好ましい。上述したように、最も小型のRFIDタグは2.45GHzの無線周波数において動作し、その周波数は、RFIDへの適用を世界中の大部分の国々において許可されている。
【0016】
図2Aに示すように、本発明の一態様によれば、RFIC312の近くに、横方向に引き裂かれるミシン目319が設けられており、RFIDタグ310の両端が十分な引張力で反対方向に引っ張られると、RFIDタグ310がミシン目319において横方向に引き裂かれ、それによりRFIC312からアンテナ316のかなりの部分が分離されるように構成されている。この分離によって、RFIDタグ310は永久に動作できなくなる。RFIDタグ310内のミシン目319は、図2Aに示されるように、中心から外して配置することができる。別の方法として、RFIDチップであるRFIC312がRFIDタグ310の基板315内の穴(図示せず)内に実装される構成では、ミシン目319が存在しない場合に、RFIC312のために設けられる穴がRFIDタグ310の機械的に最も弱い場所になるので、ミシン目319は不要である。したがって、この構成では、RFIDタグ310は、RFIC312の場所において自然に破損するであろう。アンテナ316の2つの部分のうちの少なくとも一方には何も接続されなくなり、RFIDタグ310がより完全に無効になるので、RFIC312においてこのように破損することが現時点では好ましい。さらに、この構成を用いる場合、ボトルを開封することによってRFIDタグ310が損傷を受けるとき、RFID312に損傷を与えることができ、それがRFIDタグ310を永久に無効にすることにも寄与する。
【0017】
現時点で好ましい一実施形態では、RFIDタグ310は、その端部の近くに接合される円筒形の爪318の形をした突起物をさらに備える。円筒形の爪318は、アンテナ316が実装される側とは反対側においてRFIDタグ310に接合されることが好ましい。円筒形の爪318は、中空管状の可撓性材料から形成されることが好ましい。後にさらに詳細に説明されるように、円筒形の爪318は、ボトル100がボトリング設備において封止された後に最初にボトルキャップ300が回されて開封されるときに、RFIDタグ310を機械的に無効する仕組みの一部である。代替の一実施形態では、RFIDタグ310は、爪318の代わりに、基板315内にスロットを備える。この代替の実施形態におけるスロットの形成については、後にさらに詳細に説明される。
【0018】
ここで図3及び図4を参照すると、ボトル挿入物200は、ボトル100(図1)に押し込まれるときに、その表面211においてボトル100にしっかりと嵌まるだけの十分な大きさの外径を有する中央柱状部210を備える。この中央柱状部210は、キャップ300が最初に取り外されるときに、ボトル挿入物200がボトル100の中で回転するのを防止できるほど十分にしっかりと嵌まることが不可欠である。オプションとして、中央柱状部210の壁部に1つ又は複数の縦方向の細長い切込み250を形成して、ボトル挿入物200がボトル100に押し込まれるときの応力を或る程度緩和することができる。また、中央柱状物210の壁部を支持する2つ以上の径方向のリブ部材(図示せず)を設けることができ、それにより、中央柱状部210は、ボトル挿入物200がボトル100に入るのに応じて局部的に収縮し、ボトル挿入物200がボトル100の口110の最も小さい径の部分を通過した後に拡がるように構成することができる。アルコール飲料用の大部分のボトルは内側で先細りしており、開口部が最も細い内径になるので、図4Aに示すように、中央柱状部210のエリア270に浅い狭窄部を設けて、ボトル100の先細りした開口部に適合するようにし、それにより、ボトル挿入物200とボトル100との間の摩擦を大きくすることが好ましい。ボトル挿入物200がボトル100の口110内にしっかりと嵌まることを確実にするために、種々の他の技法を用いることが可能であるということは当業者には理解されるであろう。
【0019】
ボトル挿入物200は、中央柱状部210の上端に圧入又は接合される、2つの円板220及び230とラチェットホイール240とを備えることが好ましい。円板220及び230は、ラチェットホイール240の両側に取り付けられる。平坦な円板220はラチェットホイール240の下部に取り付けられ、ラチェットホイール240をボトル100の口110から分離するとともに、ボトル挿入物200がボトル100に圧入されるときに、ラチェットホイール240への損傷を防ぐ機械的な緩衝作用を与えるためのスペーサ機構としての役割を果たす。上側の平坦な円板230は注ぎ口になる面を構成し、ボトル100から内容物を注ぐ際に種々の改善をもたらすような外形にされることが好ましいが、これらの外形は図3及び図4には示されない。
【0020】
ボトル挿入物200は、4つの部品から形成されているように示されるが、ボトル挿入物200は単一の成形部品として製造することが可能であること、又は、中央柱状部210に下側の平円板220及びラチェットホイール240を組み合わせて構成された単一の成形部品に組立工程において上側の平坦な円板230を取り付けて製造することが可能であることは、当業者には容易に理解されるであろう。別の方法として、平坦な円板220及び230のうちの一方又は両方を省略することもできることは当業者には容易に理解されるであろう。さらに、ボトル100のねじ山120と口110との間に直にラチェットホイール又は他の突起物を形成することも可能である。
【0021】
ラチェットホイール240は一般的なラチェットホイールのように動作し、爪318と組み合わさってラチェット機構を実現する。RFIDタグ310に取り付けられた爪318がラチェットホイール240上にあるラチェット歯を内側に押し込むので、ラチェットホイール240は、従来通りに右回りのねじ山120を有するボトル100上にキャップ300をひねって取り付けることができるようにする。しかしながら、ボトル100からキャップ300を取り外そうとすると、キャップ300に対して反時計回りのトルクがかかり、爪318がラチェットホイール240上の複数のラチェット歯のうちの1つに押し付けられるであろう。キャップ300におけるトルクが増すと、RFIDタグ310の一端がキャップ300に永久に固定された状態で、爪318がRFIDタグ310の他端を事実上引っ張ることになり、最終的には、RFIDタグ310がミシン目319において(又は、ミシン目が設けられない場合には、基板315の最も弱い部分において)破損する。ラチェットホイール240のラチェット歯又は他の突起物は、キャップ300がボトル100に取り付けられているときには基板315と相互作用せず、キャップ300がボトル100から取り外されるときには基板315と相互作用するものであれば、それらの形状及び数は重要ではないことが当業者には容易に理解されるであろう。RFIDタグ310が爪318ではなくスロットを備える代替の実施形態では、ラチェットホイール240のラチェット歯又は他の突起物は、ボトル110の口110においてその外周を越えて外側に延在し、ラチェット歯又は他の突起物がキャップ300と接触できるようにする。この代替の実施形態では、RFIDタグ310上に窪みが形成され、ラチェットホイール240上のラチェット歯又は他の突起物は、キャップ300がボトル100に取り付けられているときにはその窪みを通り過ぎるが、キャップ300がボトル100から取り外されるときにはその窪みに引っ掛かるように構成されている。いずれの実施形態でも、結果は同じであり、キャップ300が最初に取り外されるときに、RFIDタグ310に沿って横方向に力が生成され、結果として、基板315が破損し、RFIDタグ310全体が無効になる。
【0022】
図5は、RFIDタグ310がキャップ300内にいかに取り付けられるかを示す。キャップ300は、その内部の雌ねじ320の端部と内側上端部330との間に凹部340を備えることが好ましい。凹部340は、RFIDタグ310よりもわずかだけ広い。キャップ300の製造中に、RFIDタグ310は、凹部340に取り付けられると共に、爪318が取り付けられる端部と反対側にあるRFIDタグ310の端部350においてキャップ300に永久に固定される。RFIDタグ310は、キャップ300がボトル100にねじって取り付けられるときに、ボトル挿入物200のラチェット歯が爪318を通り過ぎると共にRFIDタグ310をキャップ300の壁部に対してわずかに押し付けるような向きに取り付けられる。キャップ300がボトル上にしっかり締め付けられると、ラチェットホイール240のラチェット歯は、RFIDタグ310の爪318と縦方向に整列するであろう。その後、ボトル100を開封するために最初にキャップ300が回されて外されるときに、ボトル挿入物200のラチェット歯が、先に説明されたように、爪318に引っ掛かり、キャップ300に及ぼされるトルクが、RFIDタグ310の長さに沿って長手方向の力を加えることになり、必然的にRFIDタグ310がその長手方向の軸に沿って伸長し、RFIDタグ310は、存在するならミシン目319において、あるいは、RFIDタグ310の他の壊れやすい場所、たとえばRFIC312が実装されている場所において、2つの部分に裂断される。RFIDタグ310が2つの部分に裂断することによって、アンテナ316の特性が大きく変化してRFID310はもはや通信することができなくなるので、RFIDタグ310は永久に無効になるであろう。
【0023】
図6に示すように、キャップ300がボトル100から取り外されるときに、RFIDタグ310がキャップ300から離れて落ちる(さらに、ボトル挿入物200の喉部が締め付けられていない場合には、おそらくボトル100の内容物の中に落下する)ことを防ぐために、好ましくはプラスチックから形成される薄いスライディングバンド360をキャップ300内に任意に挿入してRFIDタグ310を覆うことができる。このプラスチックバンドは図1及び図5には示されない。スライディングバンド360は、爪318(又は、代替の実施形態ではスロット)がラチェットホイール240に係合することを許容する穴362を備える。キャップ300が取り外されて、RFIDタグ310が例えばミシン目319において分離するとき、バンド360の穴362から突き出す爪318によってバンド360が引っ張られるのに応じて、バンド360はキャップ300の溝340内を自由に移動する。このようにして、最初にボトル100が開封されるときに、RFIDタグ310は、バンド360の裏側であり且つキャップ300の内部に留まる。
【0024】
本発明を、好ましい実施形態に関して図示及び説明してきたが、本発明の精神及び範囲の中で、種々の変更及び修正を行うことができる。たとえば、RFIDタグを異なる場所に配置することができること、及び数多くの他の形態のRFID構造を用いることができることは当業者には理解されるであろう。さらに、キャップが最初に取り外されるときにRFIDタグが無効になるように、種々のタイプの構造を用いて、キャップと容器との間に相互接続を設けることができる。したがって、添付の特許請求の範囲において述べられる本発明の範囲内に留まりながら、数多くの変更及び修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】本発明に係る装置の組立分解斜視図である。
【図1B】本発明に係る装置の斜視図である。
【図1C】本発明に係る装置の断面図である。
【図2A】本発明のRFIDタグの正面図である。
【図2B】本発明のRFIDタグの平面図である。
【図2C】本発明のRFIDタグの側面図である。
【図3A】本発明のボトル挿入アセンブリの側面図である。
【図3B】本発明のボトル挿入アセンブリの平面図である。
【図4A】本発明のボトル挿入アセンブリの中央柱状部の側面図である。
【図4B】本発明のボトル挿入アセンブリの中央柱状部の平面図である。
【図4C】本発明のボトル挿入アセンブリの平坦な円板部の側面図である。
【図4D】本発明のボトル挿入アセンブリの平坦な円板部の平面図である。
【図4E】本発明のボトル挿入アセンブリのラチェットホイール部の側面図である。
【図4F】本発明のボトル挿入アセンブリのラチェットホイール部の平面図である。
【図5A】本発明のボトルキャップの底面図である。
【図5B】本発明のボトルキャップの側面図である。
【図6】本発明のボトルキャップの組立分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、送信コマンドを受信すると信号を送信するように構成され且つ該基板上に実装される無線周波数送受信回路とを備える無線周波数識別タグと、
容器と
を備え、前記無線周波数識別タグは、前記容器に取り付けられると共に前記容器に対する税が支払われていることを表す情報を含むことを特徴とする、密閉容器に対する税が支払われているか否かを検知する際に用いるための装置。
【請求項2】
前記情報は予め設定された固有のコードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
閉鎖端及び開放端を有し且つ内面に前記無線周波数識別タグが取り付けられた、前記容器のためのキャップと、
前記容器から前記キャップが取り外されることにより前記基板が破損して前記無線周波数識別タグが永久に無効になるように前記基板と前記容器とを相互接続する係合部材と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記無線周波数識別タグは、所定の長さを有すると共に前記基板上に実装され且つ前記無線周波数送受信回路と前記基板上に設けられる第1の相互接続手段とに接続されるアンテナをさらに有し、
円筒形部分と該円筒形部分の閉鎖端及び該円筒形部分の開放端とを有し、前記第1の相互接続手段が内側中心に面するように、前記閉鎖端に近接する前記円筒形部分の内面に前記無線周波数識別タグが取り付けられた、前記容器のためのキャップと、
前記容器に接続されると共に前記キャップが前記容器に取り付けられているときに前記第1の相互接続手段と係合し且つ前記容器から前記キャップが取り外されるときに前記基板に力を加えて該基板を破損させることにより前記無線周波数識別タグを永久に無効にする第2の相互接続手段と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記無線周波数識別タグは、所定の長さを有すると共に前記基板上に実装され且つ前記無線周波数送受信回路と前記基板に固定される突起物とに接続されるアンテナをさらに有し、
円筒形部分と該円筒形部分の閉鎖端及び該円筒形部分の開放端とを有し、前記突起物が内側中心に向かって延在するように、前記閉鎖端に近接する前記円筒形部分の内面に前記無線周波数識別タグが取り付けられた、前記容器のためのキャップと、
前記容器に接続されると共に前記キャップが前記容器に取り付けられているときに前記突起物と係合し且つ前記容器から前記キャップが取り外されるときに前記基板に力を加えて該基板を破損させることにより前記無線周波数識別タグを永久に無効にするラチェット手段と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記無線周波数識別タグは、所定の長さを有すると共に前記基板上に実装され且つ前記無線周波数送受信回路と前記基板内に設けられるスロットに接続されるアンテナをさらに有し、
円筒形部分と該円筒形部分の閉鎖端及び該円筒形部分の開放端とを有し、前記スロットが内側中心に面するように、前記閉鎖端に近接する前記円筒形部分の内面に前記無線周波数識別タグが取り付けられた、前記容器のためのキャップと、
前記容器に接続されると共に前記キャップが前記容器に取り付けられているときに前記スロットと係合し且つ前記容器から前記キャップが取り外されるときに前記基板に力を加えて該基板を破損させることにより前記無線周波数識別タグを永久に無効にするラチェット手段と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
基板と、送信コマンドを受信すると信号を送信するように構成され且つ該基板上に実装される無線周波数送受信回路とを備え、
前記容器に対する税が支払われていることを表す情報を含むことを特徴とする、密閉容器に対する税が支払われているか否かを検知する際に用いるための無線周波数識別タグ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−533562(P2007−533562A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543596(P2006−543596)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001360
【国際公開番号】WO2005/059815
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(506200658)
【氏名又は名称原語表記】CLAESSENS, Francis, M.
【住所又は居所原語表記】Barkham Square Park, Barkham, Berkshire RG40 4PN, United Kingdom
【出願人】(506200669)
【氏名又は名称原語表記】KIPP, Timo, W.
【住所又は居所原語表記】29 Ovington Square, London SW3 1LG, United Kingdom
【Fターム(参考)】