説明

製品搬送作業量予測装置、製品搬送作業量予測方法、及びコンピュータプログラム

【課題】搬送機器の作業量を従来よりも容易に且つ正確に予測することができるようにする。
【解決手段】注文属性に含まれる「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品)を1つの出荷グループとする。そして、搬送実績データに基づいて、単位注文(単位製品)当たりの、各出荷グループにおける各搬送機器の使用回数(出荷グループ別の搬送機器作業発生確率)を算出する。また、製品別出荷計画量に基づいて、出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量を算出する。そして、該当する期間の出荷計画量と、該当する搬送機器の搬送機器作業発生確率とを出荷グループ毎に乗算したものを合算し、各搬送機器における所定の期間毎の作業量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品搬送作業量予測装置、製品搬送作業量予測方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、倉庫に入庫する前の製品については倉庫への入庫作業及び倉庫からの出荷作業に使用され、倉庫に入庫済みの製品については倉庫からの出荷作業に使用される搬送機器の作業量を予測するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
倉庫内に保管した多種多様の大量の製品を出荷(出庫)する場合には、それらの製品を効率よく出荷期限日までに出荷するために出荷計画を立案することが重要である。そして、搬送機器を用いて出荷作業を行う出荷計画を立案する際には、当該搬送機器の作業量を適切に予測する必要がある。搬送機器の作業量が不正確であると、適切な出荷計画を作成することが難しくなるからである。
【0003】
そこで、従来から、搬送機器による倉庫への製品の入庫作業、搬送機器による倉庫内での作業、及び搬送機器による製品の出荷作業の夫々のモデルを、物流シミュレータを用いて構築し、物流シミュレーションにより搬送機器の作業量を予測することが一般的に行われている。
また、特許文献1では、倉庫内に置かれている製品の場所と、その場所から次工程までのピッキングに要する標準時間との関係を用いて、倉庫内におけるピッキング作業量を予測するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−157617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、倉庫内における搬送機器による出荷作業には多くの制約がある。例えば、搬送機器としてクレーンを用いた場合、クレーンの稼働範囲が、他のクレーンの存在により制約を受けたり、製品のサイズによって、当該製品を配置できる倉庫内の場所が限定されたりすることがある。また、ある出荷作業を実行できる搬送機器が複数ある場合には、それら複数の搬送機器の何れをその出荷作業に使うのかを決定する必要がある。また、複数の製品を積み重ねて倉庫内に配置する(山立てする)場合に、山の下にある製品を取り出すためには、山の上にある製品を別の場所に移す必要がある。
しかしながら、以上のような、搬送機器による出荷作業に関する制約を考慮した物流シミュレータを構築するためには多大な労力を要するという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術では、出荷に必要なピッキング作業量を予測するために、出荷する個々の製品を倉庫内のどの場所に置くのかを決定する必要がある。したがって、長期間(例えば月間日別)における搬送機器の作業量を予測する場合には、未だ倉庫に入庫していない製品の倉庫内の配置を決定しなければならないが、このような配置を全ての製品について決定することは難しい。よって、特許文献1に記載の技術では、長期間における搬送機器の作業量を予測することが困難であるという問題点があった。また、特許文献1では、ピッキング作業を行うことが可能な搬送機器が複数ある場合には、どの搬送機器にピッキング作業を割り当てるかを決定し、それに基づいて作業量を予測する必要があるが、特許文献1には、そのような予測についての具体的な記述がない。
【0007】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される搬送機器の作業量を従来よりも容易に且つ正確に予測することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の製品搬送作業量予測装置は、倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測する製品搬送作業量予測装置であって、複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得手段と、前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成手段と、前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得手段と、前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得手段と、前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出手段と、前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出手段と、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の製品搬送作業量予測方法は、倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測する製品搬送作業量予測方法であって、複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得ステップと、前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成ステップと、前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得ステップと、前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得ステップと、前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出ステップと、前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出ステップと、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得ステップと、前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成ステップと、前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得ステップと、前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得ステップと、前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出ステップと、前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出ステップと、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、出荷グループ別の所定の期間における出荷量とに基づいて、各搬送機器の所定の期間における作業量を算出するようにした。したがって、注文属性から、同じようにして搬送される製品単位で、搬送機器作業発生確率と出荷量とを求めることができる。よって、物流シミュレータを構築しなくても搬送機器の作業量を可及的に正確に予測することができる。また、倉庫における製品の実際の配置に関する情報が不要であるので、搬送機器の作業量の予測を長期間に亘って予測することができる。以上のように本発明によれば、庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される搬送機器の作業量を従来よりも容易に且つ正確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】搬送機器が配置されている倉庫の構成の一例を示す図である。
【図2】製品の入庫作業及び出荷作業の一例を概念的に説明する図である。
【図3】製品搬送作業量予測装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】製品搬送作業量予測装置の機能的な構成の一例を示す図である。
【図5】注文属性の一例を示す図である。
【図6】搬送実績データの一例を示す図である。
【図7】注文属性に含まれる注文(製品)を出荷グループに分類する方法の一例を概念的に説明する図である。
【図8】出荷グループ毎の各搬送機器の搬送実績データの一例を示す図である。
【図9】出荷グループ毎の搬送機器作業発生確率の一例を示す図である。
【図10】製品別出荷計画量の一例を示す図である。
【図11】各出荷グループにおける所定の期間毎の出荷計画量の一例を示す図である。
【図12】各搬送機器における所定の期間毎の作業量の一例を示す図である。
【図13】各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果の表示例を示す図である。
【図14】製品搬送作業量予測装置の動作処理の一例を説明するフローチャートである。
【図15】図14のステップS1403における出荷グループ判別処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
<倉庫の構成>
図1は、搬送機器が配置されている倉庫の構成の一例を示す図である。本実施形態では、図1に示すような倉庫に配置されている搬送機器が鋼板を搬送する場合の当該搬送機器の作業量を予測する場合を例に挙げて説明する。
図1において、製品倉庫は、2つの倉庫10a、10bからなるものとする。倉庫10aは、2つの棟(棟1、2)で構成されており、各棟は1〜4番地で表される4つの領域に区画されている。一方、倉庫10bは、1〜2番地で表される2つの領域に区画された1つの棟(棟3)で構成されている。
倉庫10a、10bには、線路20が敷かれており、この線路20上を貨車40a、40bが移動する。なお、貨車40a、40bは別の貨車であるが、走行可能範囲や搬送能力は同一である。また、倉庫10aには、一方の棟から他方の棟に製品を搬送する台車50が配置されている。
【0014】
工場で製造された製品は、倉庫10aの棟1の1番地に入庫する。入庫した製品は、倉庫10aのクレーン30aで搬送され、予め決められた場所(例えば倉庫10aの棟1の2番地)に配置される。その際には、図2(a)に示すように、複数の製品が重ねられた製品山71の一番上に製品70を配置するようにする。勿論、未だ製品が配置されていない場合には製品山71がないので、クレーン30により搬送された製品70は、配置領域の一番下に配置されることになる。また、製品山71がある程度の高さになった場合には、別の製品山を作るようにする。
クレーン30aで搬送された製品70を倉庫10aの棟1以外の場所に配置する場合には、貨車40a、40b及び台車50の少なくとも何れか一方を用いて製品70を搬送し、棟2であればクレーン30c、また、棟3であればクレーン30d、30eのいずれかを用いて製品70を所定の場所に配置する。
【0015】
出荷(出庫)の際には、原則として、図2(b)に示すように、製品山71の一番上にある製品70を、クレーン30を使って取り出す(ただし、製品山71の下の方にある製品を取り出すこともある)。輸送形態として海送が指定されている場合、取り出された製品70は、貨車40により出荷岸壁まで搬送される。その後、製品70は、船積みされて目的地に運ばれる。一方、輸送形態として陸送が指定されている場合、製品70は、倉庫10bの1番地でトラック60に積まれて中継地まで運ばれる。その後、製品70は、目的地に運ばれる。
以上のように本実施形態では、搬送機器は、クレーン30a〜30e、貨車40a、40b、及び台車50となる。また、本実施形態では、倉庫10aの棟1の1番地が製品70の入庫位置になる。また、倉庫10aの棟1、棟2の4番地と、倉庫10bの棟3が製品70の出庫位置になる。
【0016】
<製品搬送作業量予測装置のハードウェア構成>
図3は、製品搬送作業量予測装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、製品搬送作業量予測装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、PD(Pointing Device)104と、HD(Hard Disk)105と、表示装置106と、スピーカ107と、通信I/F(Interface)108と、システムバス109とを有している。
【0017】
CPU101は、製品搬送作業量予測装置100における動作を統括的に制御するものであり、システムバス109を介して、製品搬送作業量予測装置100の各構成部(102〜108)を制御する。
ROM102は、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(OS)、CPU101が後述するフローチャートによる処理を実行するために必要なプログラム等を記憶する。
【0018】
RAM103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU101は、処理の実行に際して、ROM102から必要なコンピュータプログラム等や、HD105から必要な情報等をRAM103にロードし、当該コンピュータプログラム等や当該情報等の処理を実行することで各種の動作を実現する。
PD104は、例えば、マウスやキーボード等からなり、操作者が必要に応じて、製品搬送作業量予測装置100に対して操作入力を行うための操作入力手段を構成する。
HD105は、各種の情報やデータ、ファイル等を記憶する記憶手段を構成する。
表示装置106は、CPU101の制御に基づいて、各種の情報や画像を表示する表示手段を構成する。
スピーカ107は、CPU101の制御に基づいて、各種の情報に係る音声を出力する音声出力手段を構成する。
【0019】
通信I/F108は、CPU101の制御に基づいて、外部装置とネットワークを介して各種の情報等の通信を行う。
システムバス109は、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、HD105、表示装置106、スピーカ107及び通信I/F108を相互に通信可能に接続するためのバスである。
【0020】
<製品搬送作業量予測装置の機能構成>
図4は、製品搬送作業量予測装置100の機能的な構成の一例を示す図である。
図4に示すように、製品搬送作業量予測装置100は、その機能として、注文属性取得部401、注文属性記憶部402、搬送実績データ取得部403、搬送実績データ記憶部404、出荷グループ定義ロジック取得部405、出荷グループ定義ロジック記憶部406、搬送機器作業量予測モデル作成部407、搬送機器作業量予測モデル記憶部408、出荷計画取得部409、出荷計画データ記憶部410、搬送機器作業量予測部411、搬送機器作業量表示部412、及び出荷計画修正部413を有している。
【0021】
<<注文属性>>
注文属性取得部401は、オペレータによるPD104の操作入力、又は外部装置とのネットワークを介した通信に基づいて、注文(製品70)の属性を取得して注文属性記憶部402に記憶する。尚、以下の説明では、注文(製品70)の属性を注文属性と称する。
図5は、注文属性500、501の一例を示す図である。具体的に図5(a)は、既に製造・出荷済みの注文の注文属性500の一例を示し、図5(b)は、作業量の予測対象である搬送機器が搬送する出荷予定の注文の注文属性501の一例を示す。なお、図5(a)、図5(b)では、説明の都合上、注文属性の内容が製品Noを除いて同じにしているが、通常は、これらは異なるものである。
また、図5では、12個の注文(製品70)についての注文属性500が取得された場合を例に挙げて示している。図5に示す例では、注文属性500、501は、製品No、サイズ、重量、輸送形態、向け先、輸出国、及び顧客立会の各情報を含む。
【0022】
ここで、製品Noは、注文(製品70)を識別するための番号であり、製品毎にユニークなものである。サイズは、製品70の大きさであり、ここでは、厚み、幅、及び長さにより製品70の大きさを示している。重量は、製品70の重量である。
輸送形態は、製品70がどのような形態で輸送されるかを示す情報であり、ここでは、海送及び陸送の何れかが輸送形態となる。
向け先は、製品70の出荷先を示す情報である。本実施形態において、製品70の向け先とは、倉庫10a、10bを出た後、製品70が最初に降ろされる場所をいう。輸送形態が海送である場合には、出荷岸壁のある港等が向け先となる。一方、輸送形態が陸送である場合には、トラック60の行き先である中継地等が向け先となる。ただし、向け先は、製品70の出荷先に関する情報であれば、必ずしもこのようなものに限定されない。例えば、製品70が積まれる船を識別する情報を向け先としてもよい。
【0023】
輸出国とは、製品70が最終的に運ばれる国を示す情報である。製品70が輸出されない場合には、図5に示すように輸出国の情報として「国内」が指定される。この「輸出国」の情報として、「国内」の情報の代わりに、「該当なし」であることを示す情報が与えられるようにしてもよい。
顧客立会とは、製品70を倉庫10a、10bから出荷する前に、製品70の確認作業に顧客が立ち会うか否かを示す情報である。
注文属性取得部401は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、及びPD104(又は通信I/F108)を用いることにより実現される。また、注文属性記憶部402は、例えば、HD105を用いることにより実現される。
本実施形態では、例えば、以上のような注文属性取得部401の処理により、注文属性取得手段が実現される。
【0024】
<<搬送実績データ>>
搬送実績データ取得部403は、搬送機器(クレーン30a〜30e、貨車40a、40b、及び台車50)の動作を管理する搬送機器管理装置420から、搬送実績データを、ネットワークを介して取得し、搬送実績データ記憶部404に記憶する。本実施形態では、搬送実績データは、製品70が倉庫10に入庫してから出荷されるまでの間に、各搬送機器が何回使用されたのかを示すデータである。また、搬送実績データ取得部403は、注文属性取得部401で取得された注文属性500(既に製造・出荷済みの注文の注文属性)の全ての製品70についての搬送実績データを取得する。
【0025】
図6は、搬送実績データ600の一例を示す図である。尚、図6の表に示す搬送機器の名称は、夫々、図1に付した符号の後に記した名称に対応する。
図6では、例えば、製品No.1の製品70が倉庫10に入庫してから出荷されるまでの間に、クレーン30a(クレーン1)が2回、貨車40a(貨車1)が1回使用されていることを示している。尚、前述したように、製品70は、倉庫10aの棟1の1番地から入庫されるので、クレーン30a(クレーン1)は必ず使用されることになる。
搬送実績データ取得部403は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、及び通信I/F108を用いることにより実現される。また、搬送実績データ記憶部404は、例えば、HD105を用いることにより実現される。
尚、ここでは、搬送実績データ600を搬送機器管理装置420から取得する場合を例に挙げて説明しているが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、搬送機器管理装置420の機能を製品搬送作業量予測装置100が有していてもよい。また、搬送実績データ600をオペレータによるPD104の操作入力に基づいて取得するようにしてもよい。
本実施形態では、例えば、以上のような搬送実績データ取得部403の処理により、搬送実績取得手段が実現される。
【0026】
<<出荷グループ定義ロジック>>
出荷グループ定義ロジック取得部405は、オペレータによるPD104の操作入力、又は外部装置とのネットワークを介した通信に基づいて、出荷グループ定義ロジックを取得して出荷グループ定義ロジック記憶部406に記憶する。
本実施形態では、出荷グループ定義ロジックは次のようなものであるとする。まず、注文属性500の各注文(製品70)のうち、「輸送形態」及び「向け先」が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるようにグループ化する。次に、全ての注文(製品70)について、「輸送形態」が同じであり、且つ「輸出国」の内容が同一の海外の国である出荷グループを抽出する。そして、抽出した出荷グループのうち、「輸送形態」と「輸出国」とが同じである出荷グループを1つに纏めて再グループ化する。また、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループについては、「顧客立会」の内容が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるように出荷グループを分けて再グループ化する。尚、出荷グループ定義ロジックの具体例については、図7を参照しながら後述する。
出荷グループ定義ロジック取得部405は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、及びPD104(又は通信I/F108)を用いることにより実現される。また、出荷グループ定義ロジック記憶部406は、例えば、HD105を用いることにより実現される。
【0027】
<<搬送機器作業量予測モデル>>
(出荷グループの判別)
搬送機器作業量予測モデル作成部407は、出荷グループ定義ロジック記憶部406に記憶されている出荷グループ定義ロジックに従って、注文属性記憶部402に記憶されている注文属性500の各注文(製品70)を出荷グループに分類する。
図7は、注文属性500の各注文(製品70)を出荷グループに分類する方法の一例を概念的に説明する図である。
まず、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、注文属性500を参照して、倉庫10a、10bにおける製品の出庫位置に影響を与える注文属性である「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)を1つに纏める。例えば、図5に示したように、製品No.1の注文(製品70)と製品No.2の注文(製品70)の「輸送形態」は共に「海送」であり、「向け先」は共に「港A」である。輸送形態と向け先が同じ注文は、出荷に関わる搬送機器の使用状況が似ている傾向がある。例えば、製品No.1の製品も製品No.2の製品もクレーン30a(クレーン1)を2回、及び貨車40aと貨車40bのいずれか一方を1回だけ使って出荷している。このような観点から、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、これらの注文(製品70)を1つに纏める。このようにして、図7の第2列に示すような出荷グループが得られる。
【0028】
次に、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、以上のようにして得られた出荷グループについて、「輸送形態」が同じであり、且つ「輸出国」の内容が同一の海外の国である複数の出荷グループを抽出し1つに纏める。例えば、製品No.3の注文(製品70)の「輸送形態」は「海送」、「輸出国」は「国B」である。また、製品No.4の注文(製品70)の「輸送形態」は「海送」、「輸出国」は「国B」である。したがって、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、これらを1つの出荷グループとする。
【0029】
同一の海外の国に輸出される製品は、向け先が異なっていても、一緒に倉庫10から出荷されることが多く、倉庫10内での配置場所が近い可能性が高いので、同じ搬送機器によって同じように搬送される可能性が高い。したがって、同一の海外の国に輸出される製品については、1つの出荷グループにしても、後述する搬送機器の作業量の予測精度に大きな影響を与えない。そこで、前述したように本実施形態では、「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)毎にグループ分けを行った後、「輸送形態」と「輸出国」が同一である複数の出荷グループを1つの出荷グループに纏めるようにしている。ここで、「輸送形態」も考慮しているのは、出庫位置が大きく異なる注文(製品70)が同じ出荷グループに属してしまうことを可及的に防止するためである。
【0030】
また、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループを抽出する。そして、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、「顧客立会」の内容が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるように抽出した出荷グループを2つに分ける。例えば、製品No.10の注文(製品70)と、製品No.11の注文(製品70)の「顧客立会」の内容は「あり」であるのに対し、製品No.12の注文(製品70)の「顧客立会」の内容は「なし」である。したがって、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、製品No.10〜12の注文(製品70)を含む1つの出荷グループを、製品No.10、11の注文(製品70)の出荷グループと、製品No.12の注文(製品70)の出荷グループとに分ける。
【0031】
倉庫10から出荷される製品70の確認等に顧客が立会う場合には、当該製品70は倉庫10内の特別な場所に一旦運ばれた後に、出庫位置に運ばれる(すなわち、当該特別な場所で立会いが行われる)。したがって、顧客が立ち会う注文(製品70)と立ち会わない注文(製品70)とを異なる出荷グループに分けないと、後述する搬送機器の作業量の予測精度に大きな影響を与える虞がある。そこで、本実施形態では、前述したように、「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)毎にグループ分けを行った後、それらの出荷グループを「顧客立会」の内容に応じて更に2つの出荷グループに分けるようにしている。
【0032】
(出荷グループ毎の各搬送機器の搬送実績データの算出)
搬送機器作業量予測モデル作成部407は、搬送実績データ記憶部404に記憶されている搬送実績データ600と、以上のようにして得られた出荷グループの情報とに基づいて、出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ(出荷グループ別の各搬送機器の使用回数の合計値)を算出してRAM103等の一時的に記憶する。
図8は、出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ800の一例を示す図である。
図7において、製品No.1の注文(製品70)と製品No.2の注文(製品70)とが同一の出荷グループ(出荷グループA)であるので、出荷グループAの製品枚数は「2」(=1+1)となる。よって、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、図8の「出荷グループA」の「製品枚数」の欄に「2」を書き込む。
また、図6において、製品No.1の注文(製品70)と製品No.2の注文(製品70)のクレーン30a(クレーン1)の使用回数の合計値は「4」(=2+2)である。よって、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、図8の「出荷グループA」の「クレーン1」の欄に「4」を書き込む。
図8のその他の欄の値も、以上の計算と同様の計算を行うことによって得られる。
【0033】
(出荷グループ毎の搬送機器作業発生確率の算出)
搬送機器作業量予測モデル作成部407は、以上のようにして得られた、出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ800に基づいて、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率を算出する。本実施形態では、搬送機器作業発生確率は、各出荷グループにおける各搬送機器の使用回数を、当該出荷グループに属する注文(製品70)の数(図8の製品枚数)で除算した値である。すなわち、搬送機器作業発生確率は、単位注文(単位製品)当たりの、各出荷グループにおける各搬送機器の使用回数である。
図9は、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900の一例を示す図である。
図8において、出荷グループAにおけるクレーン30a(クレーン1)の使用回数は「4」である。また、出荷グループAに属する注文(製品70)の数(製品枚数)は「2」である。したがって、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、出荷グループAにおけるクレーン30a(クレーン1)の使用回数「4」を、出荷グループAに属する注文(製品70)の数(製品枚数)を「2」で除算して、出荷グループAにおけるクレーン30aの作業発生確率として「2」を得る。
図9のその他の欄の値も、以上の計算と同様の計算を行うことによって得られる。
なお、この作業発生確率は、オペレータによるPD104の操作入力に基づいて取得するようにしてもよい。
【0034】
そして、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、以上のようにして算出された出荷グループ毎の搬送機器作業発生確率900を搬送機器作業量予測モデルとして、搬送機器作業量予測モデル記憶部408に記憶する。
搬送機器作業量予測モデル作成部407は、例えば、CPU101、ROM102、及びRAM103を用いることにより実現される。また、搬送機器作業量予測モデル記憶部408は、例えば、HD105を用いることにより実現される。
本実施形態では、例えば、以上のような搬送機器作業量予測モデル作成部407の処理により、搬送機器作業発生確率取得手段の一例が実現される。
【0035】
<<出荷計画>>
出荷計画取得部409は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、及びPD104(又は通信I/F108)を用いることにより実現され、注文(製品70)別の各所定の期間における出荷量を表す製品別出荷計画量を取得して出荷計画データ記憶部410に記憶する。ここで、出荷計画取得部409は、注文属性取得部401で取得された注文属性500の全ての製品70についての出荷計画量を取得する。
図10は、製品別出荷計画量1000の一例を示す図である。図10では、各製品70の製品別出荷計画量1000を、出荷する鋼板の重量[ton]で表わしている。
尚、製品別出荷計画量1000は、公知の方法によって導出することができ、その導出方法は特に限定されるものではないので、ここではその詳細な説明を省略する。また、出荷計画取得部409は、製品別出荷計画量を取得する処理を行わずに、例えば、オペレータによって作成された製品別出荷計画量を、オペレータによる操作入力に基づいて(そのまま)取得することもできる。
出荷計画データ記憶部410は、例えば、HD105を用いることにより実現される。
本実施形態では、例えば、以上のような出荷計画取得部409の処理により、製品別出荷計画取得手段の一例が実現される。
【0036】
<<搬送機器の作業量の予測>>
搬送機器作業量予測部411は、注文属性記憶部402に記憶されている注文属性501(作業量の予測対象である搬送機器が搬送する出荷予定の注文に係る注文属性、図5(b)を参照)を読み出すと共に、出荷グループ定義ロジック記憶部406に記憶されている出荷グループ定義ロジックを読み出す。そして、搬送機器作業量予測部411は、出荷グループ定義ロジックに従って、注文属性501の各注文(製品70)を出荷グループに分類する。出荷グループへの分類方法は前述した通りである。この結果、製品No.イ、ロの注文、製品No.ハ、ニの注文、製品No.ホ、への注文、製品No.トの注文、製品No.チ、リの注文、製品No.ヌ、ルの注文、製品No.ヲの注文は、それぞれ出荷グループA、B、C、D、E,F、Gに分類される。
また、搬送機器作業量予測部411は、出荷計画データ記憶部410に記憶されている製品別出荷計画量1000(図10を参照)を読み出す。
そして、搬送機器作業量予測部411は、これらの情報を用いて、出荷グループ別の各所定の期間における製品70の出荷計画量(出荷量)を算出する。
図11は、出荷グループ別の各所定の期間における製品70の出荷計画量1100の一例を示す図である。図11では、出荷グループ別の各所定の期間における製品70の出荷計画量1100を、出荷する鋼板の重量[ton]で表わしている。
【0037】
前述したように、出荷グループAに属する注文(製品70)は、製品No.イの注文(製品70)と製品No.ロの注文(製品70)である。また、図10に示したように、製品No.イの注文(製品70)と製品No.ロの注文(製品70)の期間Nにおける出荷計画量は、夫々120[ton]、0[ton]である。したがって、搬送機器作業量予測部411は、製品No.イの注文(製品70)と製品No.ロの注文(製品70)の期間Nにおける出荷計画量を加算して、出荷グループAにおける期間Nの出荷計画量として、120[ton](=120+0)を得る。
図11のその他の欄の値も、以上の計算と同様の計算を行うことによって得られる。
本実施形態では、例えば、以上のような、搬送機器作業量予測部411の処理により出荷グループ別出荷計画算出手段の一例が実現される。
【0038】
次に、搬送機器作業量予測部411は、搬送機器作業量予測モデル記憶部408に記憶されている「出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900(図9を参照)」を読み出す。そして、搬送機器作業量予測部411は、読み出した「出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900」と、前述したようにして得られた「出荷グループ別の各所定の期間における製品70の出荷計画量1100(図11を参照)」とを用いて、各搬送機器における所定の期間毎の作業量を計算する。
図12は、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200の一例を示す図である。図12では、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200を、搬送機器が搬送する鋼板の重量[ton]で表している。
【0039】
図9に示したように、出荷グループAにおけるクレーン30a(クレーン1)の作業発生確率は「2」であり、出荷グループBにおけるクレーン30a(クレーン1)の作業発生確率は「1」である。また、その他の出荷グループC〜Gにおけるクレーン30a(クレーン1)の作業発生確率も「1」である。また、図11に示したように、期間Nにおける出荷グループA、B、C、D、E、F、Gの出荷計画量は、夫々、「120」、「240」、「160」、「0」、「250」、「300」、「400」である。したがって、搬送機器作業量予測部411は、期間Nにおける各出荷グループの出荷計画量に、当該出荷グループにおけるクレーン30a(クレーン1)の作業発生確率を乗算したものを合算して、クレーン30a(クレーン1)の期間Nの作業量として、「1590」(=[(120×2)+(240×1)+(160×1)+(0×1)+(250×1)+(300×1)+(400×1)])を得る。
図12のその他の欄の値も、以上の計算と同様の計算を行うことによって得られる。
搬送機器作業量予測部411は、例えば、CPU101、ROM102、及びRAM103を用いることにより実現される。
本実施形態では、例えば、以上のような搬送機器作業量予測部411の処理により搬送機器作業量算出手段の一例が実現される。
【0040】
<<搬送機器の作業量の予測結果の表示>>
搬送機器作業量表示部412は、搬送機器作業量予測部411で算出された「各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200」を、各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果として表示する。
図13は、各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果の表示例を示す図である。
図13に示すように本実施形態では、搬送機器作業量表示部412は、作業量予測結果表示領域1301に、搬送機器作業量予測部411で算出された「各搬送機器における所定の期間毎の作業量」を表形式で表示する。
また、搬送機器作業量表示部412は、作業量予測結果表示領域1301の下に、OKボタン1302とNGボタン1303とを表示する。
【0041】
オペレータによるPD104の操作により、OKボタン1302が押下された場合には、作業量予測結果表示領域1301に表示された「各搬送機器における所定の期間毎の作業量(の予測結果)」で了承されたものとする。
一方、オペレータによるPD104の操作により、NGボタン1303が押下された場合には、作業量予測結果表示領域1301に表示された「各搬送機器における所定の期間毎の作業量(の予測結果)」で了承されなかったものとする。この場合、出荷計画修正部413は、オペレータによるPD104の操作入力に基づいて、製品別出荷計画量1000を、出荷計画データ記憶部410に記憶されているものと異なるもの、例えば作業量予測結果が搬送機器の能力と比較して大きなものの場合は当該搬送機器を用いる出荷グループに属する注文の出荷日を別の日に変更するなどして、出荷計画データ記憶部410の内容を書き換える。
【0042】
搬送機器作業量予測部411は、このようにして書き換えられた製品別出荷計画量1000を用いて、前述したのと同様の計算を行い、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200を求める。搬送機器作業量表示部412は、搬送機器作業量予測部411により算出された「各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200」を作業量予測結果表示領域1301に表示する。以上のような処理をオペレータがOKボタン1302を押下するまで繰り返し行う。
本実施形態では、例えば、以上のような搬送機器作業量表示部412の処理により表示手段の一例が実現される。
【0043】
<製品搬送作業量予測装置100の動作処理>
次に、図14のフローチャートを参照しながら、製品搬送作業量予測装置100の動作処理の一例を説明する。尚、ここでは、注文属性500、搬送実績データ600、出荷グループ定義ロジック、製品別出荷計画量1000が、夫々、注文属性記憶部402、搬送実績データ記憶部404、出荷グループ定義ロジック記憶部406、出荷計画データ記憶部410に既に記憶されているものとして説明を行う。
【0044】
まず、ステップS1401において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、注文属性記憶部402に記憶されている注文属性500(既に製造・出荷済みの注文に係る注文属性)を読み出す(図5(a)を参照)。
次に、ステップS1402において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、出荷グループ定義ロジック記憶部406に記憶されている出荷グループ定義ロジックを読み出す(図7を参照)。
次に、ステップS1403において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、ステップS1402で読み出した出荷グループ定義ロジックに従って、ステップS1401で読み出した注文属性500の各注文(製品70)を出荷グループに分類する出荷グループ判別処理を行う。この出荷グループ判別処理の詳細については後述する。
【0045】
次に、ステップS1404において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、搬送実績データ記憶部404に記憶されている搬送実績データ600を読み出す(図6を参照)。
次に、ステップS1405において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、ステップS1404で読み出した搬送実績データ600と、ステップS1403で得られ出荷グループの情報とに基づいて、出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ800を算出する(図8を参照)。
【0046】
次に、ステップS1406において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、ステップS1405で得られた「出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ800」に基づいて、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900を算出する(図9を参照)。前述したように、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900は、各出荷グループにおける各搬送機器の使用回数を、当該出荷グループに属する注文(製品70)の数(図8の製品枚数)で除算した値である。
【0047】
次に、ステップS1407において、搬送機器作業量予測部411は、注文属性記憶部402に記憶されている注文属性501(作業量の予測対象である搬送機器が搬送する出荷予定の注文に係る注文属性)を読み出す(図5(b)を参照)。
次に、ステップS1408において、搬送機器作業量予測部411は、出荷グループ定義ロジック記憶部406に記憶されている出荷グループ定義ロジックを読み出す。
次に、ステップS1409において、搬送機器作業量予測部411は、ステップS1402で読み出した出荷グループ定義ロジックに従って、ステップS1408で読み出した注文属性501の各注文(製品70)を出荷グループに分類する出荷グループ判別処理を行う。この出荷グループ判別処理の詳細については後述する。
次に、ステップS1410において、出荷計画データ記憶部410に記憶されている製品別出荷計画量1000(図10を参照)を読み出す。
次に、ステップS1411において、搬送機器作業量予測部411は、ステップS1409で行われた出荷グループ判別処理の結果と、ステップS1407で読み出した「製品別出荷計画量1000(図10を参照)」とを用いて、出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量1100を算出する(図11を参照)。前述したように、搬送機器作業量予測部411は、まず、ステップS1409で行われた出荷グループ判別処理の結果から、対象出荷グループに属する注文(製品70)を判別し、製品別出荷計画量1000から、判別した注文(製品70)における期間毎の出荷計画量を読み出す。そして、搬送機器作業量予測部411は、読み出した同一期間の出荷計画量を合算する。このような処理を全ての出荷グループについて行い、出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量1100を得る。
【0048】
次に、ステップS1412において、搬送機器作業量予測部411は、ステップS1406で算出された「出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900」と、ステップS1411で取得された「出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量1100」とを用いて、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200を算出する。前述したように、搬送機器作業量予測部411は、出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量1100から、各出荷グループの対象期間の出荷計画量を読み出すと共に、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900から、対象搬送機器の各出荷グループにおける搬送機器作業発生確率を読み出す。そして、搬送機器作業量予測部411は、同一の出荷グループのものについて、対象期間の出荷計画量と、対象搬送機器の搬送機器作業発生確率とを乗算し、乗算した夫々の値を加算して、対象搬送機器の対象期間の作業量を得る。そして、このような処理を全ての搬送機器、期間について行い、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200を得る。
【0049】
次に、ステップS1413において、搬送機器作業量表示部412は、各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果を表示する(図13を参照)。
次に、ステップS1414において、搬送機器作業量表示部412は、オペレータにより、OKボタン1302及びNGボタン1303の何れが押下されたかを判定する。この判定の結果、オペレータにより、OKボタン1302が押下された場合には、各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果がオペレータによって了承されたと判定し、図14のフローチャートによる処理を終了する。
一方、オペレータにより、NGボタン1303が押下された場合には、各搬送機器における所定の期間毎の作業量の予測結果がオペレータによって了承されなかったと判定し、ステップS1415に進む。ステップS1415に進むと、出荷計画修正部413は、製品別出荷計画量1000を変更する。そして、ステップS1407に進み、変更された製品別出荷計画量1000を用いてステップS1407以降の処理が実行される。
【0050】
次に、図15のフローチャートを参照しながら、図14のステップS1403における出荷グループ判別処理の一例を説明する。尚、図14のステップS1409における出荷グループ判別処理も搬送機器作業量予測部411が図15のフローチャートを実行することにより実現される。
まず、ステップS1501において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、注文属性500を参照して、「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとして纏める。
次に、ステップS1502において、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、ステップS1501で得られた全ての出荷グループについて、「輸送形態」が同じであり、且つ「輸出国」の内容が、同一の海外の国である複数の出荷グループがあるか否かを判定する。
【0051】
この判定の結果、「輸送形態」及び「輸出国」が同じである複数の出荷グループがない場合には、ステップS1503を省略して後述するステップS1504に進む。
一方、「輸送形態」及び「輸出国」が同じである複数のグループがある場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503に進むと、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、それら「輸送形態」及び「輸出国」が同じである複数の出荷グループを1つの出荷グループとして纏める。そして、ステップS1504に進む。
【0052】
ステップS1504に進むと、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループがあるか否かを判定する。この判定の結果、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループがない場合には、ステップS1505を省略して後述するステップS1506に進む。
一方、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループがある場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505に進むと、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、「顧客立会」の内容が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるように、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループを2つに分ける。そして、ステップS1506に進む。
【0053】
ステップS1506に進むと、搬送機器作業量予測モデル作成部407は、これまでの処理の結果から、各注文(製品70)が属する出荷グループを決定する。そして、図14のフローチャートに戻る。
【0054】
以上のように本実施形態では、注文属性500に含まれる「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとする。そして、搬送実績データ600に基づいて、単位注文(単位製品)当たりの、各出荷グループにおける各搬送機器の使用回数(出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900)を算出する。また、製品別出荷計画量1000に基づいて、出荷グループ別の各所定の期間における出荷計画量1100を算出する。そして、該当する期間の出荷計画量と、該当する搬送機器の搬送機器作業発生確率とを出荷グループ毎に乗算したものを合算し、各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200を算出する。
【0055】
したがって、注文属性のうち、製品70が出荷される位置(出庫位置、図1に示す例では、倉庫10aの棟2の4番地・倉庫10bの棟3の2番地と、倉庫10bの1番地)に影響を与える2つの注文属性が同じ製品70を1つの出荷グループとして纏めることができる。すなわち、倉庫10内における搬送機器の使われ方が(少なくとも出荷の際には)似ている可能性がある製品70を、搬送機器の作業量の予測精度が低下せず且つ演算処理量が多くならない適度な数の出荷グループに分類することができる。したがって、複雑な物流シミュレータを構築することなく、搬送機器の作業量を簡便に予測することができる。また、倉庫10内の製品70の実際の配置に関する情報がなくても搬送機器の作業量を予測することができるので、搬送機器の作業量の長期間に亘る予測(例えば月別日毎の予測)を行うことができる。また、出荷定義グループロジックは、注文属性によって構築されるので、過去の操業実績に依存しない。よって、出荷定義グループロジックを継続して利用することができ、出荷定義グループロジックを頻繁に変更する必要がなくなる。以上のように本実施形態では、多種多量の製品を製造する製造業の製品出荷計画を立案する際に、倉庫10の搬送機器の作業量を定量的に予測することを容易に且つ確実に行うことが可能になり、倉庫の搬送機器の作業がネックとならないような出荷計画を立案することができる。
【0056】
また、本実施形態では、注文属性500に含まれる「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとした後、それらの出荷グループに属する各注文(製品70)の注文属性500に含まれる「輸出国」、「顧客立会」の内容に応じて、複数の出荷グループを1つに纏めたり、1つの出荷グループを2つに分けたりする。すなわち、全ての注文(製品70)について、「輸送形態」が同じであり、且つ「輸出国」の内容が、同一の海外の国である出荷グループを抽出し、それらのうち、「輸送形態」と「輸出国」とが同じである複数の出荷グループを1つに纏める。また、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループについては、「顧客立会」の内容が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるように出荷グループを2つに分ける。
【0057】
したがって、製品70の倉庫10における配置が大きく異なる可能性がある製品70を別々の出荷グループに分けることができる。また、製品70が倉庫10に入庫してから出荷される前の間における配置が近く、且つ出庫位置が同じである(近い)可能性がある製品70を、より確実に1つの出荷グループに纏めることができる。
【0058】
<<変形例>>
本実施形態では、まず「輸送形態」と「向け先」が同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、製品70が出庫される位置(出庫位置)に影響を与える1つ以上の注文属性を含む複数の注文属性が同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとしていれば、必ずしもこのようにする必要はなく、また、注文属性500の内容も前述したものに限定されるものではない。例えば、注文属性500に「出荷期限日(倉庫10から製品70を出荷しなければならない日)」が含まれている場合には、「向け先」と「出荷期限日」とが同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとしてもよい。また、「輸送形態」と「向け先」と「出荷期限日」とが同一である注文(製品70)を1つの出荷グループとしてもよい。ただし、得られる出荷グループの数が多くなりすぎないように、2つの注文属性が同一である製品70を1つの出荷グループとするのが好ましい。また、製品70の出庫位置に影響を与える注文属性としては、「輸送形態」及び「向け先」の他に、製品70の最終目的地等が挙げられる。尚、製品70の出庫位置に影響を与える注文属性とは、その内容によって製品70の出庫位置が変わり得る注文属性をいう。
【0059】
また、本実施形態では、全ての注文(製品70)について、「輸送形態」が同じであり、且つ「輸出国」の内容が、同一の海外の国である出荷グループを抽出し、それらのうち、「輸送形態」と「輸出国」が同じである複数の出荷グループを1つに纏めるようにした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置に影響を与える情報に基づいて、複数の出荷グループを1つに纏めるようにしていれば必ずしもこのようにする必要はない。例えば、「輸出国」の代わりに「サイズ」を採用し、「サイズ」が所定の大きさ以上である複数の出荷グループを1つに纏めるようにしてもよい。「サイズ」が大きい製品70は、倉庫10内で配置される場所が近い可能性があるからである。また、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置に影響を与える情報は、注文属性でなくてもよい。尚、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置に影響を与える情報とは、その内容によって、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置が変わり得る情報をいう。
【0060】
また、本実施形態では、「顧客立会」の内容が相互に異なる注文(製品70)を含む出荷グループについては、「顧客立会」の内容が同一である注文(製品70)が1つの出荷グループになるように出荷グループを2つに分けるようにした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置に影響を与える情報に基づいて、出荷グループを複数に分けるようにしていれば必ずしもこのようにする必要はない。例えば、「顧客立会」の代わりに「サイズ」を採用し、「サイズ」が所定の大きさ以上である注文(製品70)と「サイズ」が前記所定の大きさ未満である注文(製品70)とを含む出荷グループを、「サイズ」に応じて複数に分けるようにしてもよい。「サイズ」が大きい製品70は、倉庫10内の特定の場所にしか配置できないことがあるからである。また、前述したように、倉庫10に入庫してから出荷される前の間における製品70の配置に影響を与える情報は、注文属性でなくてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、ステップS1502、S1503の後にステップS1504、S1505の処理を行う場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、ステップS1504、S1505の処理の後にステップS1502、S1503の処理を行うようにしてもよい。また、ステップS1502〜S1505の処理を行えば前述した効果が得られるので好ましいが、ステップS1502、S1503、及びステップS1504、S1505の何れかのみを行ってもよい。さらに、ステップS1502〜S1505の処理を行わないようにしてもよい。
【0062】
また、前述したようにして出荷グループを得た後(図15のステップS1505の処理が終了した後)、倉庫10内の在庫量が閾値以上である場合に、当該在庫量に応じて出荷グループを更に細分化してもよい。倉庫10内の在庫量が多い場合には、製品70を配置できる場所が限定されるので、出荷グループを細分化した方が、搬送機器の作業量の予測精度が上がるからである。
また、倉庫10及び搬送機器や製品70は、図1、図2に示したようなものに限定されるものではない。
また、出荷グループ別の各搬送機器の搬送実績データ800に基づいて、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900を算出するようにしたが、出荷グループ別の搬送機器作業発生確率は、オペレータが入力するようにしてもよい。
【0063】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、搬送機器の作業量を搬送機器毎に個別に予測する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、区別して取り扱う必要のない複数の搬送機器を1つの搬送機器グループとし、当該搬送機器グループの作業量を予測する場合について説明する。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、搬送機器の取り扱いが異なるだけであり、その他については同じである。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図15に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0064】
図1に示した倉庫10において、貨車40a、40bが同じ能力であるとする。このような場合には、貨車40a、40bの何れで製品70を搬送するかということよりも、貨車40a、40bの少なくともどちらかで製品70を搬送することができるかを検証すればよい。したがって、貨車40a、40b(貨車1、2)を1つの搬送機器と見なして搬送機器グループとし、この搬送機器グループの作業量を予測する。この場合、図9に示した「出荷グループ別の搬送機器作業発生確率900」の「貨車1」の欄と「貨車2」の欄が「貨車グループ」となり、「貨車グループ」の出荷グループA〜Gに対する値は、夫々、「1」、「1」、「2」、「1」、「2」、「2」、「2」となる。また、図12に示した「各搬送機器における所定の期間毎の作業量1200」の「貨車1」の欄と「貨車2」の欄が「貨車グループ」となり、「貨車グループ」の期間N〜N+5の値は、夫々、図12の「貨車1」の欄の値と「貨車2」の欄の値とを加算した値となる(例えば、期間Nについては「2580」(=1440+1140))となる)。
【0065】
以上のように本実施形態では、区別して取り扱う必要のない複数の搬送機器を1つの搬送機器グループとし、当該搬送機器グループの作業量を予測するようにした。したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、第1の実施形態で説明したものよりも搬送機器作業量予測モデルの規模を小さくすることができ、演算負荷を軽減することができるという効果が得られる。
【0066】
なお、前述した各実施形態で説明した搬送機器作業量の予測値は、入庫と出荷の双方の作業に伴う搬送機器作業量の合計値となっている。したがって、既に入庫済みの製品がある場合には、該製品の入庫の際に発生した搬送機器の作業量を搬送機器作業量の予測値から差し引いた値を、今後正味必要な搬送機器作業量の予測値として算出すればよい。
【0067】
また、前述した各実施形態では、出荷グループ毎の搬送機器作業発生確率を、倉庫への入庫及び倉庫からの出荷の区別をすることなく算出した例について説明したが、搬送実績データを入庫作業と出荷作業に分類し、入庫作業に係る搬送機器作業発生確率と出荷作業に係る搬送機器作業発生確率とを個別に算出する構成としてもよい。この場合、既に入庫済みの製品がある場合には、入庫済みの製品については、出荷作業の発生確率のみを用いて搬送機器の作業量を予測し、未入庫の製品については、入庫と出荷の双方の作業の発生確率を用いて搬送機器の作業量を予測し、その合計値を該製品の搬送機器の作業量とすればよい。
【0068】
尚、以上説明した本発明の各実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 倉庫
20 線路
30 クレーン
40 貨車
50 台車
60 トラック
70 製品
71 製品山
100 製品搬送作業量予測装置
401 注文属性取得部
402 注文属性記憶部
403 搬送実績データ取得部
404 搬送実績データ記憶部
405 出荷グループ定義ロジック取得部
406 出荷グループ定義ロジック記憶部
407 搬送機器作業量予測モデル作成部
408 搬送機器作業量予測モデル記憶部
409 出荷計画取得部
410 出荷計画データ記憶部
411 搬送機器作業量予測部
412 搬送機器作業量表示部
413 出荷計画修正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測する製品搬送作業量予測装置であって、
複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得手段と、
前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成手段と、
前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得手段と、
前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得手段と、
前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出手段と、
前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出手段と、
前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示手段と、を有することを特徴とする製品搬送作業量予測装置。
【請求項2】
前記出荷グループ生成手段は、前記生成した複数の出荷グループに属する各製品について、前記製品の出庫位置に影響を与える所定の注文属性の少なくとも1つが同じであり、且つ、前記倉庫における前記製品の倉庫内の配置に影響を与える注文属性として同じ情報が設定されている場合には、当該複数の出荷グループを1つに纏めることを特徴とする請求項1に記載の製品搬送作業量予測装置。
【請求項3】
前記出荷グループ生成手段は、前記生成した出荷グループに属する製品について、前記倉庫における前記製品の倉庫内の配置に影響を与える注文属性として異なる情報が設定されている場合には、当該出荷グループを、当該情報に応じて複数に分けることを特徴とする請求項1又は2に記載の製品搬送作業量予測装置。
【請求項4】
前記倉庫から既に出荷された製品を出荷した際の前記搬送機器の搬送実績を取得する搬送実績取得手段を更に有し、
前記搬送機器作業発生確率取得手段は、前記倉庫から既に出荷された製品を出荷した際の前記搬送機器の搬送実績に基づいて、前記搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の製品搬送作業量予測装置。
【請求項5】
前記搬送機器作業発生確率取得手段は、前記製品を出荷するために使用される各搬送機器のうち、所定の複数の搬送機器については、当該複数の搬送機器全体の単位製品当たりの使用回数を前記搬送機器作業発生確率として算出し、
前記搬送機器作業量算出手段は、前記所定の複数の搬送機器については、当該複数の搬送機器全体の作業量を算出することを特徴とする請求項4に記載の製品搬送作業量予測装置。
【請求項6】
前記複数の注文属性として、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える2つの注文属性である輸送形態と向け先とを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の製品搬送作業量予測装置。
【請求項7】
倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測する製品搬送作業量予測方法であって、
複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得ステップと、
前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成ステップと、
前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得ステップと、
前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得ステップと、
前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出ステップと、
前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出ステップと、
前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする製品搬送作業量予測方法。
【請求項8】
前記出荷グループ生成ステップは、前記生成した複数の出荷グループに属する各製品について、前記製品の出庫位置に影響を与える所定の注文属性の少なくとも1つが同じであり、且つ、前記倉庫における前記製品の倉庫内の配置に影響を与える注文属性として同じ情報が設定されている場合には、当該複数の出荷グループを1つに纏めることを特徴とする請求項7に記載の製品搬送作業量予測方法。
【請求項9】
前記出荷グループ生成ステップは、前記生成した出荷グループに属する製品について、前記倉庫における前記製品の倉庫内の配置に影響を与える注文属性として異なる情報が設定されている場合には、当該出荷グループを、当該情報に応じて複数に分けることを特徴とする請求項7又は8に記載の製品搬送作業量予測方法。
【請求項10】
前記倉庫から既に出荷された製品を出荷した際の前記搬送機器の搬送実績を取得する搬送実績取得ステップを更に有し、
前記搬送機器作業発生確率取得ステップは、前記倉庫から既に出荷された製品を出荷した際の前記搬送機器の搬送実績に基づいて、前記搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に算出することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の製品搬送作業量予測方法。
【請求項11】
前記搬送機器作業発生確率取得ステップは、前記製品を出荷するために使用された各搬送機器のうち、所定の複数の搬送機器については、当該複数の搬送機器全体の単位製品当たりの使用回数を前記搬送機器作業発生確率として算出し、
前記搬送機器作業量算出ステップは、前記所定の複数の搬送機器については、当該複数の搬送機器全体の作業量を算出することを特徴とする請求項10に記載の製品搬送作業量予測方法。
【請求項12】
前記複数の注文属性として、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える2つの注文属性である輸送形態と向け先とを含むことを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の製品搬送作業量予測方法。
【請求項13】
倉庫に入庫する前の製品については当該倉庫への入庫及び当該倉庫からの出荷のために使用され、倉庫に入庫済みの製品については当該倉庫からの出荷のために使用される複数の搬送機器の作業量を予測することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
複数の前記製品の注文に関する情報である注文属性を取得する注文属性取得ステップと、
前記注文属性のうち、前記倉庫における前記製品の出庫位置に影響を与える注文属性を含む所定の複数の注文属性が同一である製品毎にグループ分けを行って出荷グループを生成する出荷グループ生成ステップと、
前記製品を出荷するために使用される各搬送機器の単位製品当たりの使用回数である搬送機器作業発生確率を前記出荷グループ別に取得する搬送機器作業発生確率取得ステップと、
前記複数の製品別の所定の期間における出荷量である製品別出荷計画を取得する製品別出荷計画取得ステップと、
前記製品別出荷計画に基づいて、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量を算出する出荷グループ別出荷計画算出ステップと、
前記出荷グループ別の各搬送機器における搬送機器作業発生確率と、前記出荷グループ別の前記所定の期間における出荷量とに基づいて、前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量を算出する搬送機器作業量算出ステップと、
前記各搬送機器の前記所定の期間における作業量の情報を表示装置に表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−241549(P2010−241549A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91458(P2009−91458)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】