説明

製塩用噴霧装置及び製塩装置

【課題】小規模のスペースにおいて、高品質の自然塩を効率的に製造することが可能となる製塩用噴霧装置及び製塩装置を提供する。
【解決手段】海水を給水口から供給すると共に回転盤をモータで回転することにより、回転盤の遠心力によって該回転盤の底面にて均等な薄膜をなした海水が回転盤の内周面に沿って外方へ拡散すると共に各回転羽根に衝突して分散し、この分散した海水が回転盤の上端付近の多数のバリによって微粒子状に飛散し、さらにメッシュ材を通過することによって微細霧となって外方へ噴霧するようにした製塩用噴霧装置であり、該製塩用噴霧装置を使用した製塩装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水を微細な霧状に噴霧することにより自然塩を製造するようにした製塩用噴霧装置及びこの製塩用噴霧装置を使用した製塩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている食用塩としては、イオン交換樹脂膜法等により製造される精製塩と、塩田等を用いて海水を自然に濃縮及び蒸発させて結晶化することにより製造する自然塩等がある。
【0003】
ところで、精製塩は一般家庭で使用される精白塩であるが、その製造過程において、海水中に含まれる多くのミネラル成分が失われたものとなる。このような精製塩に対して自然塩は、ミネラル成分が豊富に含まれており、人体の健康維持に有効であると共に、塩味に苦みと甘味が加わり、料理に独特の旨味を与えるものである。
【0004】
このような自然塩の製造方法として、従来から流下式塩田法が知られている。この流下式塩田法は、水勾配を有する流下盤上を流れる海水に対して太陽熱による蒸発を促し、さらに下流側に配置したコンクリートブロックや竹枝等の枝条架に沿って流下する海水に対し、風等による蒸発作用を与えることにより海水濃縮を行うようにしたものである。
【0005】
ところが、上記の流下式塩田法は、広い塩田面積を必要とし、また製塩過程において竹枝等の枝条架に海水中のミネラル成分が付着し残存するため、製造効率が悪いという不都合があった。
【0006】
このため、上記した従来の自然塩の製造方法を改善すべく、例えば特許文献1には、海塩製造装置及び方法が記載されている。この装置及び方法は、海水を循環させつつ海水噴霧手段から噴霧すると共に、この噴霧後の海水を収集し、再び噴霧することにより海水を濃縮し、この濃縮された海水を太陽光により蒸発させることによって自然塩を得るようにしたものである。ところが、この方法によると、海水を霧状に噴霧する海水噴霧手段から噴霧後の海水を収集し、この収集後の海水を循環して再び海水噴霧手段から噴霧させるというように、海水を何度も循環させる必要がある。また、製造の最終過程において、太陽光により海水の水分を蒸発させる必要があるため、広大な敷地を必要とする等、必ずしも効率的な方法といえるものではなかった。
【0007】
また、特許文献2には、製塩室に放熱板を備えた加熱装置を設けると共に、この製塩室に噴霧ノズルを設け、この噴霧ノズルから塩室内に海水を噴射し、加熱装置によって海水を除去することにより、食塩粒子を形成するようにした食用塩の製造方法が記載されている。ところが、この製塩方法は、製塩室内を高温にするために大規模な加熱装置を必要とし、またそのような加熱装置を設置するための大型の製塩室を含む大規模なプラントを必要とするものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−92134号公報
【特許文献2】特開2002−128519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消するものであり、小規模のスペースにおいて、高品質の自然塩を効率的に製造することが可能となる製塩用噴霧装置及び製塩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するために、本発明における請求項1の製塩用噴霧装置は、円形の外周形状を有すると共に下方に深みを有する容器形状の回転盤がモータによって回転され、該回転盤の内部に周方向に所定間隔で放射状に形成された回転羽根と、これらの回転羽根の中央にて下方に開通された給水口と、複数の回転羽根の上面を覆うと共に回転盤の上部の内周に沿って周状の隙間を開設した回転蓋と、回転盤の上端付近に沿って形成した内向きにバリを有する多数の貫通孔と、給水口以外の回転盤の上部を覆うメッシュ材とを有し、海水を給水口から供給すると共に回転盤をモータで回転することにより、回転盤の遠心力によって該回転盤の底面にて均等な薄膜をなした海水が回転盤の内周面に沿って外方へ拡散すると共に各回転羽根に衝突して分散し、この分散した海水が回転盤の上端付近の多数のバリによって微粒子状に飛散し、さらにメッシュ材を通過することによって微細霧となって外方へ噴霧するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2の製塩用噴霧装置は、回転盤に形成した各貫通孔のバリは、回転盤を金属薄板より形成し、該回転盤の上端付近に沿って外面から先端が尖鋭状の部材を内向きに打ち込むことによって、回転盤の内面に微細な破砕片を突出してなるバリとして形成したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項3の製塩装置は、請求項1又は2に記載の製塩用噴霧装置を使用する製塩装置において、多数の排気口と除湿機が設けられた乾燥室内に製塩用噴霧装置が設置され、乾燥室内に製塩用噴霧装置から飛散される海水の微細霧を加熱して送風するヒータを備えたブロアと、該ブロアによって乾燥室内に飛散した海水の微細霧を制御するように垂下状に設けた多数枚のネットを有する邪魔材と、ブロアによる送風の下流であって邪魔材のさらに下流に設けた塩粒子捕集資材とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製塩用噴霧装置によれば、海水を給水口から給水すると共に、回転盤を回転することにより、遠心力によって該回転盤の底面にて薄膜となった海水を回転盤の容器形状をなす内周面に沿って外方へ拡散させることができる。また、このように回転盤の内周面に沿って外方へ拡散した海水は各回転羽根に衝突することよって分散し、回転盤の上端付近の多数のバリによって微小な粒子に飛散され、さらにメッシュ材を通過することによって微細霧となって外方へ噴霧することが可能となる。
【0014】
このように、本発明においては、回転する容器形状の回転盤と、複数の回転羽根と、多数のバリと、メッシュ材によって、海水を効率的に微細霧として噴霧させることができ、また回転する回転盤の遠心力によって、この微細霧を遠方に飛散させることが可能となる。
【0015】
また、各貫通孔のバリは、回転盤を金属薄板より形成し、その外面から釘のような部材を内向きに打ち込むことによって、回転盤の内面に微細な破砕片を突出してなるバリとして形成することが可能である。このようなバリの形成は、回転盤のほかに材料を別途必要とするものではなく、簡単な構成及び簡単な加工によって、後述する海水を微粒子状に分散するのに有用となる。
【0016】
さらに、本発明の製塩用噴霧装置を設置した製塩装置によれば、小規模のスペースにおいて、製塩用噴霧装置から噴出する海水の微細霧をヒータで加熱してブロアで送風した際に水分を気化して残った塩粒子が邪魔材の垂下状に設けたネットに付着すると共に、該ネットから剥離して落下した下側の床面上に堆積する。また、邪魔材のネットに衝突して直進が妨げられた海水の微細霧や塩粒子は、邪魔材のネットを避けて下降へ流れ、床面上に堆積した塩の山に当たって堆積する。
【0017】
さらに、邪魔材のネットと塩の山との間を通過した微細霧が塩粒子捕集資材の方向に送られる。従って、塩粒子捕集資材により、邪魔材のネットの網目を通過した微細な微細霧や邪魔材のネットと塩の山との間を通過した微細霧を塩粒子にして堆積することにより高品質の自然塩を効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明による実施例1の製塩用噴霧装置の断面図であり、(b)は貫通孔とバリを示す部分拡大図である。
【図2】本発明による実施例1の製塩用噴霧装置の分解側面図である。ただし、メッシュ材は図示していない。
【図3】(a)は本発明による実施例1の製塩用噴霧装置の回転蓋に注入口を固定した状態の平面図であり、(b)は回転盤の平面図である。
【図4】本発明による実施例1の製塩用噴霧装置の回転羽根を点線で示す斜視図である。
【図5】本発明による実施例1の製塩用噴霧装置であってメッシュ材を設けていない状態の斜視図である。
【図6】本発明による実施例1の製塩用噴霧装置であってメッシュ材を設けた状態の斜視図である。
【図7】本発明による実施例2の製塩装置を示す全体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例の製塩用噴霧装置1は、図1(a)に示すように、容器形状の回転盤2と、該回転盤2を回転駆動するモータ3と、回転盤2の内部に所定間隔で放射状に形成された複数の回転羽根4と、複数の回転羽根4の中央にて下方に開通された給水口5と、複数の回転羽根4の上面を覆うと共に回転盤2の上部の内周に沿って周状の隙間6を開設した回転蓋7と、回転盤2の上端付近に沿って形成した内向きにバリ8を有する多数の貫通孔9(図1(b)参照)と、給水口5以外の回転盤2の上部を覆うメッシュ材10とを備えた構成を有する。
【0021】
上記の構成について詳細に述べると、図1〜図6に示すように、回転盤2は円形の外周形状を有すると共に下方に深みを有する容器形状に形成されている。この回転盤2の下部中央には垂直下方に結合された回転軸3aを介してモータ3が連結されている。また、回転盤2と回転軸3aとの結合状態は、回転盤2の下部に固定された補強部材11によって補強されている。このような構成により、回転盤2の内部の底面上に落下した海水は、モータ3によって水平状に回転する回転盤2の遠心力により、回転盤2の傾斜した内周面に沿って薄膜となりながら外方へ拡散される。
【0022】
さらに、回転盤2の上端付近に沿って内向きにバリ8を有する多数の貫通孔9が形成されている。各貫通孔9のバリ8は、回転盤2を金属薄板より形成し、その外面から釘のような部材を内向きに打ち込むことによって、回転盤2の内面に微細な破砕片を突出してなるバリ8を形成したものである。このバリ8は、上記のように、回転盤2に微細な貫通孔9を形成する際に形成することが可能であり、回転盤2のほかに材料を別途必要とするものではなく、簡単な構成及び簡単な加工によって形成することができる。また、バリ8の形状は後述するように海水を微細粒子に分散するのに有益となる。
【0023】
各回転羽根4は直状板又は湾曲板によって形成され、図1(a)又は図4に示すように、夫々の回転羽根4の底辺は回転盤2の底面形状に沿った形状とされている。このような各回転羽根4は、回転盤2の内部を複数の均等な放射形状の空間に仕切り、さらには回転する回転盤2の面上に形成された海水の薄膜を各回転羽根4に衝突させることによって分散させるものである。また、このように各回転羽根4に衝突することによって分散された海水は、上記のように回転盤2の上端付近に形成された多数のバリ8に衝突することによって微粒子状に飛散する。
【0024】
また、図1(a)又は図4に示すように、複数の回転羽根4の中央には、その上部に設けられた給水口5に連通する給水通路5aが開通されている。給水口5は上記の複数の回転羽根4の中央に固定された管部材からなる。また、給水口5は回転羽根4の上方へ突出し、給水口5の下部は各回転羽根4の中央の給水通路5aに連通され、給水口5から供給された海水を給水通路5aを経て、回転盤2の中央の底面で受けることができる。
【0025】
回転蓋7は、複数の回転羽根4の上面を覆うと共に、各回転羽根4の上辺を固定するようにしたものであり、さらに回転盤2の上部の内周に沿って周状の隙間6を開設することができる外径とされている。従って、回転蓋7の外周と回転盤2の上端内周との間には周状の隙間6が形成され、上記のように回転する回転盤2の多数のバリ8によって海水が微粒子状に分散した後、周状の隙間6を通過させてその上方のメッシュ材10に衝突させることとなる。
【0026】
メッシュ材10は、給水口5以外の回転盤2の上部を覆うようにして回転盤2の周状の上端に固定されている。このメッシュ材10は、1インチあたりの網目の数をメッシュ単位とした場合の粒度としてメッシュ90〜150のものを使用するとよい。このような網目のメッシュ材10に、上記のように回転する回転盤2の多数のバリ8で微粒子状に飛散した海水が当たることによってより微細な霧状となり、また遠心力で外方へ飛散することとなる。
【0027】
なお、上記の構成を組み立てる場合、図2に示すように、給水口5と回転蓋7と回転羽根4とを一体に結合して、これを回転盤2の内部に収納し固定するという組み立て方法によって構成することができる。
【0028】
上記の構成により、図1(a)において、海水を給水口5から供給すると共に回転盤2をモータ3で回転することにより、回転盤2の遠心力によって該回転盤2の底面にて薄膜をなした海水が回転盤2の内周面に沿って外方へ拡散すると共に各回転羽根4に衝突して分散する。そして、この海水が回転盤2の上端付近の多数のバリ8によって微小な粒子に飛散し、さらにメッシュ材10を通過することによって微細霧となって外方へ飛散する。また、回転盤2の回転によって発生した遠心力により、微細霧は遠方まで飛散することが可能となる。
【実施例2】
【0029】
本実施例2は、実施例1の製塩用噴霧装置1を使用した製塩装置12に関するものである。その構成は、図7に示すように、多数の排気口13と除湿機14が設けられた乾燥室15内に製塩用噴霧装置1が設置され、乾燥室15内に製塩用噴霧装置1から飛散される海水の微細霧Sを加熱して送風するヒータ16を備えたブロア17と、該ブロア17によって乾燥室15内に飛散した海水の微細霧Sを制御するように垂下状に設けた多数枚のネット18を有する邪魔材19と、ブロア17による送風の下流であって邪魔材19のさらに下流に設けた塩粒子捕集資材20とを備えたものであって、比較的小規模のスペースによる製塩室を構成することができる。
【0030】
上記の構成について詳細に説明すると、乾燥室15は、多数の排気口13と除湿機14とが設けられた空間を構成している。各排気口13は後述する製塩用噴霧装置1から飛散される海水の微細霧Sを加熱して送風した際に発生する水分の気化成分を乾燥室15の外部へ排出するものである。また、乾燥室15には排気口13の他に上記の除湿機14が設けられ、これらの装置によって乾燥室15内を乾燥状態に保つことができる。さらに、乾燥室15には乾いた空気を室内へ送る除湿付きブロア17が設けられ、この除湿付きブロア17による乾燥空気が配管21を通して乾燥室15内や後述する塩粒子捕集資材20に設けられた排出口23から送給される。
【0031】
上記の乾燥室15内には、製塩用噴霧装置1とこの製塩用噴霧装置1から飛散される海水の微細霧Sを加熱して送風するヒータ16を備えたブロア17が設置されている。具体的には、図7に示すように、ブロア17、ヒータ16、製塩用噴霧装置1の順に配置され、ブロア17から噴出された空気がヒータ16で加熱され、この加熱された噴出空気が、製塩用噴霧装置1から飛散される海水の微細霧Sを加熱して乾燥室15内に送風することとなる。
【0032】
このように、製塩用噴霧装置1から発生した海水の微細霧Sのうち水分の気化が容易となるように、乾燥室15内で海水を微細な霧化すると共に加熱して、乾燥室15内に送風して拡散する手段を有している。従って、気化した水分は比重が軽いために上昇し、これを乾燥室15の天井等の高所に設けられた排気口13から排出して、自然塩の結晶と分離することが可能となる。
【0033】
邪魔材19は、ブロア17によって乾燥室15内に飛散した海水の微細霧Sを制御するように設けられたものである。この邪魔材19の構成は、例えば、農業ハウス栽培等に用いる防虫ネットを使用することができ、その網目の大きさは0.6mm又は1mm程度のものを使用するとよい。このように、網目の比較的荒いものを使用し、製塩用噴霧装置1により作られる海水の微細霧Sのうち粒子の荒いものをネット18の網目に引っ掛けるようにした場合、このネット18の網目を通過した海水の微細霧Sは後述する塩粒子捕集資材20にて捕集することができる。
【0034】
また、邪魔材19は、上記のネット18をブロア17の送風方向に対して、縦、横、斜め方向に組み合わせて張り付けることにより構成する。さらに、これらのネット18の下部は通気が可能なように、支柱22によってネット18をやや高所に設け、ネット18の下方の床面に対して間隔を開けるようにするとよい。
【0035】
このような構成により、製塩用噴霧装置1から飛散される海水の微細霧Sをヒータ16で加熱してブロア17で送風した際に発生する水分が気化し、残った塩分が邪魔材19の垂下状に設けたネット18に付着する一方、該ネット18から剥離して落下した下側の床面上に堆積する。また、各ネット18の下方と床面との間に間隔を設けてあるため、邪魔材19のネット18に衝突して直進が妨げられた海水の微細霧Sや塩粒子は、邪魔材19のネット18を避けて下方へ流れ、床面上に堆積した塩粒子の山に当たって堆積する。さらに、邪魔材19のネット18と床面上の塩粒子との間を通過した微細霧Sは塩粒子捕集資材20の方向に送られる。
【0036】
塩粒子捕集資材20は、ブロア17による送風の下流であって邪魔材19のさらに下流に設けられ、例えば稲ワラ等を傾斜状に敷きつめることによって構成される。なお、この塩粒子捕集資材20の下部又は所定間隔をとって設けられた配管21には排出口23が設けられ、各排出口23から上記の除湿付きブロア17より送られる乾燥した空気が噴射され、塩粒子捕集資材20を乾燥状態にする。
【0037】
この塩粒子捕集資材20により、上記のように邪魔材19のネット18の網目を通過した微細な微細霧Sや塩粒子、または邪魔材19のネット18と床面上の塩粒子との間を通過した塩粒子を堆積することによって捕集することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の製塩用噴霧装置及び製塩装置は、小規模のスペースにおいて、高品質の自然塩を効率的に製造することができる製塩用噴霧装置及び製塩装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 製塩用噴霧装置
2 回転盤
3 モータ
3a 回転軸
4 回転羽根
5 給水口
5a 給水通路
6 周状の隙間
7 回転蓋
8 バリ
9 貫通孔
10 メッシュ材
11 補強部材
12 製塩装置
13 排気口
14 除湿機
15 乾燥室
16 ヒータ
17 ブロア
18 ネット
19 邪魔材
20 塩粒子捕集資材
21 配管
22 支柱
23 排出口
S 微細霧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の外周形状を有すると共に下方に深みを有する容器形状の回転盤がモータによって回転され、該回転盤の内部に周方向に所定間隔で放射状に形成された回転羽根と、これらの回転羽根の中央にて下方に開通された給水口と、複数の回転羽根の上面を覆うと共に回転盤の上部の内周に沿って周状の隙間を開設した回転蓋と、回転盤の上端付近に沿って形成した内向きにバリを有する多数の貫通孔と、給水口以外の回転盤の上部を覆うメッシュ材とを有し、
海水を給水口から供給すると共に回転盤をモータで回転することにより、回転盤の遠心力によって該回転盤の底面にて均等な薄膜をなした海水が回転盤の内周面に沿って外方へ拡散すると共に各回転羽根に衝突して分散し、この分散した海水が回転盤の上端付近の多数のバリによって微粒子状に飛散し、さらにメッシュ材を通過することによって微細霧となって外方へ噴霧するようにしたことを特徴とする製塩用噴霧装置。
【請求項2】
回転盤に形成した各貫通孔のバリは、回転盤を金属薄板より形成し、該回転盤の上端付近に沿って外面から先端が尖鋭状の部材を内向きに打ち込むことによって、回転盤の内面に微細な破砕片を突出してなるバリとして形成したことを特徴とする請求項1記載の製塩用噴霧装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製塩用噴霧装置を使用する製塩装置において、多数の排気口と除湿機が設けられた乾燥室内に製塩用噴霧装置が設置され、乾燥室内に製塩用噴霧装置から飛散される海水の微細霧を加熱して送風するヒータを備えたブロアと、該ブロアによって乾燥室内に飛散した海水の微細霧を制御するように垂下状に設けた多数枚のネットを有する邪魔材と、ブロアによる送風の下流であって邪魔材のさらに下流に設けた塩粒子捕集資材とを備えてなることを特徴とする製塩装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−102198(P2011−102198A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256637(P2009−256637)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(304019713)
【Fターム(参考)】