複列転がり軸受
本発明は、第１のレース（２）、第２のレース（３）、及び第１のレース（２）と第２のレース（３）との間に設けられる多数の転動体（５）を持つ転がり軸受（１）に関する。ここで転動体（５）が複数の列（１１，１２，１３，１４）で設けられ、少なくとも２つの列（１１，１２，１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）が相違している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は非対称転がり軸受特に複列非対称転がり軸受に関する。
【０００２】
本発明は、例えばピックアップトラック、軽トラック又はＳＵＶ（スポーツ汎用車）のような自動車の駆動又は非駆動車輪用の車輪軸受装置に関連して説明される。本発明が他の転がり軸受においても使用可能であることも指摘される。
【背景技術】
【０００３】
従来技術から公知の転がり軸受は、外レース、内レース、及びこれらのレースの間に設けられる転動体を持っている。これらの転動体を２列又はそれ以上の列で設けることも、従来技術から公知である。こうして軸受に作用する荷重を複数の転動体列に分布させることが可能である。
【０００４】
軸線方向において転動体列の幾何学的中間は、以下軸受中間と称される。
【０００５】
しかし多くの使用において、それぞれの車輪軸受の軸受中間と車輪作用線は互いに一致しない。例えば車両の車輪懸架装置において、車輪又はタイヤの接地点が軸受中間に対して車両外側にあることが起こり得る。この場合軸受列へ不均一な力がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
従って本発明の基礎になっている課題は、例えば軸受中間と力作用線が一致しないことにより生じる不均一な力も吸収できる転がり軸受を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
これは、本発明によれば、請求項１に記載の転がり軸受によって達せられる。有利な実施形態及び展開が従属請求項の対象である。
【０００８】
本発明による転がり軸受は、第１のレース、第２のレース、及び第１のレースと第２のレースとの間に設けられる多数の転動体を持っている。本発明によれば、転動体が複数の列で設けられ、少なくとも２つの列のピッチ円直径が相違している。ピッチ円直径とは、転動体の中心とこの転動体にちょうど対向する転動体の中心との間の間隔を意味する。
【０００９】
転がり軸受の中間面に関して互いに対称な少なくとも２つの列のピッチ円直径が相違しているのが好ましい。この場合転がり軸受は、この中間面に関して非対称に形成されている。
【００１０】
一層大きいピッチ円直径を持つ列は一層大きい力を吸収でき、従ってピッチ円直径の異なる選択によって、力が中間面外で転がり軸受に作用するという事情を考慮することができる。一層大きいピッチ円を持つ列は、力を吸収するために一層大きい転がり接触面を提供し、それにより面圧が小さくなる。
【００１１】
好ましい実施形態では、転動体の少なくとも４つの列が設けられている。ここで列とは、転動体がほぼ環状に内レースと外レースとの間に設けられていることを意味する。
【００１２】
好ましい実施形態では、転がり軸受に関して外側にある少なくとも１つの列のピッチ円直径が、他の１つの列のピッチ円直径より大きい。これは、外側にある列が他の列と比較して一層大きいピッチ円直径を持っていることを意味する。それによりこの外側にある列も最大の力を吸収できる。最大のピッチ円直径を持つ列が、軸受中間に関して、偏心力も車輪軸受に作用する側に設けられているのがよい。
【００１３】
別の好ましい実施形態では、互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、互いに隣接する２つの別の列のピッチ円直径の和より大きい。これは例えば次のことを意味する。即ち軸受中間に関して所定の側にある２つの互いに隣接する列のピッチ円直径の和が、軸受中間の他の側に設けられる列のピッチ円直径の和より大きい。こうして和に関して全体として一層大きいピッチ円直径を持つ列が、一層大きい力を吸収でき、従って同様に転がり軸受への力の偏心導入に適している。それぞれ内側即ち軸受中間に近い方にあって同じピッチ円直径を持つ列及び異なる和が、それぞれ外側にある列の異なる大きさのピッチ円直径によってのみ生じる。
【００１４】
別の好ましい実施形態では、フランジ側で外側にある列のピッチ円直径が、１つの他の列のピッチ円直径より大きい。フランジ側で外側にある列とは、リム及びタイヤが取付けられる車輪支持体のフランジの最も近くに設けられている列を意味する。従ってフランジ側で外側にある列は、車両外側にある列である。この実施形態は、車輪接地点が軸受中間に対して車両外側にある時に選ばれる。この場合支持体側で外側にある列のピッチ円直径が、１つの他の列のピッチ円直径より大きく選ばれるのがよい。
【００１５】
フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和より大きいのがよい。しかし逆に支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径より大きくてもよい。
【００１６】
これらの実施形態は、上述したように、転がり軸受への車輪接地力の車輪作用線が軸受中間に対して車両外側へずれているか又は車両内側へずれているかに左右される。
【００１７】
別の有利な実施形態では、外レースが、所定のフランジ側外径及びこれとは異なる支持体側外径を持っている。これは、外レースの直径も転がり軸受の長さに沿って変化することを意味している。この実施形態により、異なる大きさのピッチ円直径でも、外レースの特定の壁厚を維持することができる。
【００１８】
別の有利な実施形態では、転動体が、玉、円筒ころ、円錐ころ等を含む転動体の群から選ばれている。その際軸受のすべての列に同じ種類の転動体例えば玉を設けることが可能である。しかし転がり軸受が異なる種類の転動体を備え、例えば１つの列が玉を備え、別の列が円筒ころを備えていることも可能である。こうして転がり軸受へ作用する力の状態を理想的に考慮することができる。
【００１９】
別の好ましい実施形態では、少なくとも２つの列の転動体の直径が相違している。例えば一層大きいピッチ円直径を持つ列に一層大きい直径を持つ転動体を設けることが可能である。しかし逆にすべての列が同じ直径を持つ転がり軸受を選ぶことも可能で、それにより一層大きい直径を持つ列に一層多数の転動体を設けることができるであろう。
【００２０】
一層大きい直径を持つ転動体は、フランジ側又は支持体側で外側に設けられる列に設けられている。
【００２１】
別の実施形態では、すべての列が同じ押圧角を持っている。これは、すべての列の力伝達が軸受の回転軸線に関してほぼ同じ角で行われるように、転動路が外レース及び内レースに設けられていることを意味する。
【００２２】
しかし少なくとも２つの列の押圧角を異なるように選ぶことも可能である。この押圧角の選択によっても、車輪軸受をそのつどの要求即ちそのつどの吸収すべき力又はその方向に合わせることができる。外側列の押圧角が内側列の押圧角より大きいのがよい。
【００２３】
すべての列が同じ曲げ縁角を持つこともできる。しかし少なくとも２つの列の曲げ縁角が異なっていることも可能である。
【００２４】
別の好ましい実施形態では、少なくとも１つのレースが２つの部分から構成されている。その場合レースの第１の部分が２つの転動体列用の転動路を持ち、第２の部分が残りの列用の転動路を持っている。
【００２５】
それぞれのレース半分を曲げ縁により互いに締付けることができる。
【００２６】
別の好ましい実施形態では、転がり軸受が車輪回転数を検出する装置を持っている。これは例えば磁石円板であり、回転の結果変化する信号をセンサへ与える。
【００２７】
本発明は更に上述した種類の転がり軸受を持つ車輪軸受にも向けられている。
【００２８】
それ以外の利点及び実施形態は添付図面から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２９】
図１は本発明の基礎になっている問題を説明するための概略図を示している。符号１は、すべての詳細を図示してない車輪軸受を示す。この車輪軸受は軸受中間Ｍを持っている。上の部分図１において、リム８上に設けられるタイヤ７は、この軸受中間Ｍに対して側方へ右に移されており、これが線Ｒにより示されている。それによりタイヤ７は、上の部分図１において、軸受中間Ｍに対して車輪支持体６の方へ移されている。従って車輪接地点も、軸受中間Ｍに対して車両内側にある。
【００３０】
これにより、車輪又はタイヤ７に作用する力は、中間で軸受を介して伝達されるのではなく、これに対して側方にずれて伝達される。こうして軸受は、車輪支持体６に近い方の側で、他方の側におけるより一層強く負荷される。下の部分図ＩＩにおいて、車輪接地点は軸受中間Ｍに対して車両外側にあり、これが力作用線Ｌにより示されている。この場合軸受中間Ｍに対して車両外側にある軸受の側が、一層強く負荷される。符号１０は制動円板を示している。
【００３１】
図２は本発明による転がり軸受の第１実施例を示している。この転がり軸受は外レース２及び内レース３を持っている。内レース３は、図２に示す実施例では、２部分から構成され、２つの内レース半分３ａ及び３ｂを持っている。
【００３２】
図２に示す転がり軸受は４つの列１１，１２，１３及び１４を持ち、これらの列にそれぞれ転動体５が設けられている。転動体５はそれぞれ環をなして設けられ、図の面に対して直角な面内にある。
【００３３】
個々の転動体５は、（詳細には示してない）保持器内にある。
【００３４】
符号１５は転動体１の密封用密封装置を示している。
【００３５】
図２に示すように、個々の列１１，１２，１３及び１４は異なるピッチ円直径を持っている。このピッチ円直径は、最初に述べたように、転動体の中心と対向する転動体の中心との間の間隔である。
【００３６】
図２に示す実施例では、列１１が最大のピッチ円直径Ｔｋ１を持ち、列１３が最小のピッチ円直径Ｔｋ３を持っている。いずれにせよ車両外側の列１１及び１２は、和において、車両内側又は支持体側の列１３及び１４より大きいピッチ円直径を持ち、従って図１に示す転がり軸受は、特に車輪接地点が軸受中間に関して車両外側又は車両内側にある状態に適している。
【００３７】
図３は本発明による軸受装置の第２実施例を示している。図１に示す実施例とは異なり、この実施例では、外レース２にフランジ１７が設けられている。このフランジは支持体又は車輪に結合することができる。個々の列１１，１２，１３，１４の転動体５はそれぞれ異なる直径を持ち、それぞれ外側にある列１１及び１４の転動体の直径は、それぞれ内側にある列１２及び１３の転動体の直径より大きく選ばれている。
【００３８】
しかしすべての列の個々の転動体５がほぼ同じ直径を持つことも可能である。
【００３９】
異なるピッチ円直径を持つそれぞれの列を設けることによって、上述したように、偏心した荷重の導入が阻止され、軸受の傾倒強度及び負荷能力が高められる。
【００４０】
図４は本発明による軸受の別の実施例を示す。図３とは異なり、フランジ１７は外レース２に設けられるのではなく、外レース２に対して回転可能なフランジ本体１８に設けられている。両方の内レース半分３ａ及び３ｂは、フランジ本体にある折り曲げられた縁２１及び段部２２によりまとめられるか、又は軸線方向に締付けられている。
【００４１】
従って内レース３又は内レース半分３ａ及び３ｂは、フランジ本体１８に相対回転しないように結合されている。各内レース半分３ａ及び３ｂは転動体用の転動路９を持っている。
【００４２】
２つの内レース半分３ａ及び３ｂの形に内レース３を構成すると、組立てに有利である。なぜならば、こうしてそれぞれの列１２及び１３を容易に設けることができるからである。
【００４３】
図５は本発明により構成される転がり軸受の別の実施例を示す。図４に示す実施例とは異なり、ここでは２つの内レース半分３ａ及び３ｂが設けられず、内レース半分３ｂのみが設けられている。この場合列１１，１２の転動体用の転動路９は、（フランジ１７と一体に構成される）フランジ本体１８に直接設けられている。図４及び５に示す実施例では、列１２及び１３にある転動体の直径は同じ大きさであるが、列１１のピッチ円直径が列１４のピッチ円直径より僅か大きいことがわかる。ここではレース半分３ｂが、曲げ縁２１を介してフランジ本体１８に締付けられている。
【００４４】
図６は本発明による転がり軸受の別の実施例を示す。ここでも曲げ縁２１が設けられて、両方の内レース半分３ａ及び３ｂをフランジ本体１８の段部へ押付けている。しかし前の図に示す実施例とは異なり、２つのフランジ１７及び２４が設けられ、フランジ２４が外レース２に設けられている。フランジ１７に近い側における外レース２の直径は、（図示しない）車輪支持体に近い側従って図６では右側における外レース２の直径より大きい。
【００４５】
図７は本発明による転がり軸受の別の実施例を示す。この実施例は図５のそれに類似しているが、ここでも第２のフランジ２４は外レース２に設けられている。
【００４６】
図８は本発明による軸受の別の実施例を示す。図８に示す実施例と形状寸法を説明するため図９に示す図は一緒に説明される。図９において符号Ｂは軸受全幅を示し、符号Ｄは軸受高さ、即ち内レース３の半径方向内方へ向く表面とフランジ２４を考慮しないで外レース２の半径方向外方へ向く表面との間の間隔を示す。符号Ｆは外レースのフランジ側外径を示し、符号Ｅは転がり軸受の車両内側又は支持体側外径を示す。
【００４７】
符号Ａは転がり軸受の穴径を示す。符号Ｄｗはそれぞれの転動体の直径を示し、例えば符号Ｄｗ１は列１１にある転動体５の直径を示す。符号Ｔｋ１〜Ｔｋ４はそれぞれの列のピッチ円直径を示す。符号Ｄｂ１〜Ｄｂ４は個々の別の曲げ縁直径を示す。
【００４８】
符号Ｄｌ１〜Ｄｌ４（ただし直径Ｄｌ１のみを図示する）は、それぞれの転動路底直径を示し、半径方向内方にある転動路３１の区域から測られる。符号ｎは列１２と１３との間にある中間フランジの幅を示している。
【００４９】
符号ｍは内レース又は車両内側に近い方の側にある内レース半分３ｂの曲げ縁幅を示す。符号α１〜α４は内レース転動路３１〜３４の押圧角をそれぞれ示す。符号β１〜β４は内レース転動路３１〜３４の曲げ縁角を示す。
【００５０】
図８及び９に示す転がり軸受も、力が転がり軸受中間に関して外側従ってフランジ側から車輪軸受へ加えられる場合に対して用いられるので、この場合続いて説明される幾何学的条件が成立する。ピッチ円直径Ｔｋ１とＴｋ２との和が、ピッチ円直径Ｔｋ３とＴｋ４との和より大きいのがよい。更にフランジ側外径Ｆも支持体側外径Ｅより大きい。逆の実施例では、ピッチ円直径Ｔｋ３とＴｋ４との和がピッチ円直径Ｔｋ１とＴＫ２との和より大きく、外レースの支持体外径Ｅもフランジ側外径Ｆより大きいことになる。
【００５１】
図９に示す実施例では、軸受全幅Ｂは、内レースの曲げ縁ｍ及び中間フランジ幅ｎを加算したすべての転動体直径の和より大きい。更に図９に示す実施例では、軸受全幅は３５ｍｍより大きい。
【００５２】
それぞれ外側にある列は一層大きいピッチ円直径を持っている。これは、列１１のピッチ円直径が列１２のピッチ円直径より大きく、列１４のピッチ円直径が列１３のピッチ円直径より大きいことを意味する。
【００５３】
外レースの車両内側又は支持体側外径Ｅは、図９の実施例では、ピッチ円直径Ｔｋ４と列１４にある転動体の直径Ｄｗ４との和より大きい。支持体側外径Ｅは少なくとも６ｍｍだけ上記の和より大きいのが好ましい。
【００５４】
転動体直径Ｄｗ３を差引いたピッチ円直径Ｔｋ３が、穴径Ａより少なくとも３．５ｍｍだけ大きいのが好ましい。フランジ側外径Ｆは、転動体直径Ｄｗ１を差引いた列１１のピッチ円直径Ｔｋ１より大きい。車両側外径が上記の和より少なくとも６ｍｍだけ大きいのが好ましい。
【００５５】
更に図９に示す実施例において、列１１及び１４の転動路の曲げ縁角β１及びβ４は、列１２及び１３の内側転動路の曲げ縁角２１及びβ３より大きいか又はこれらに等しい。これらの角は軸受縦軸線に対して考察される。これは次のことを意味する。即ち外側列の押圧角、即ち外側列において力が外レースから内レースへ伝達される時の角が、内側列の押圧角より大きい。しかしすべての押圧角を同じに選ぶことも可能であろう。
【００５６】
本願の書類において開示されるすべての特徴は、それらが個々に又は組合わせで従来技術に対して新規である限り、本発明にとって重要なものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明の基礎となっている問題を明らかにするための概略図を示す。
【図２】本発明による転がり軸受の第１実施例を示す。
【図３】本発明による転がり軸受の第２実施例を示す。
【図４】本発明による転がり軸受の第３実施例を示す。
【図５】本発明による転がり軸受の第４実施例を示す。
【図６】本発明による転がり軸受の第５実施例を示す。
【図７】本発明による転がり軸受の第６実施例を示す。
【図８】本発明による転がり軸受の第７実施例を示す。
【図９】形状寸法を明らかにするため本発明による軸受の部分図を示す。
【符号の説明】
【００５８】
１ 車輪軸受
２ 外レース
３ 内レース
３ａ，３ｂ 内レース半分
５ 転動体
６ 車輪支持体
７ タイヤ
８ リム
９ 転動路
１０ 制動円板
１１，１２，１３，１４ 列
１５ 密封装置
１７，２４ フランジ
１８ フランジ本体
２１ 折り曲げられる縁
２２ 段部
３１ 転動路の半径方向内方にある区域
Ａ 穴径
Ｂ 軸受全幅
Ｄ 軸受高さ
Ｅ 車両内側又は支持体側外径
Ｆ フランジ側外径
Ｍ 軸受中心
ＭＥ 中間面
ｎ 中間フランジ幅
ｍ 内レースの曲げ縁幅
Ｒ，Ｌ 力作用線
Ｄｂ１〜Ｄｂ４ 個々の列の曲げ縁直径
Ｄｌ１〜Ｄｌ４ 転動路底直径
Ｄｗ１〜Ｄｗ４ 転動体の直径
Ｔｋ１〜Ｔｋ４ ピッチ円直径
α１，α２，α３，α４ 押圧角
β１，β２，β３，β４ 曲げ縁角
【技術分野】
【０００１】
本発明は非対称転がり軸受特に複列非対称転がり軸受に関する。
【０００２】
本発明は、例えばピックアップトラック、軽トラック又はＳＵＶ（スポーツ汎用車）のような自動車の駆動又は非駆動車輪用の車輪軸受装置に関連して説明される。本発明が他の転がり軸受においても使用可能であることも指摘される。
【背景技術】
【０００３】
従来技術から公知の転がり軸受は、外レース、内レース、及びこれらのレースの間に設けられる転動体を持っている。これらの転動体を２列又はそれ以上の列で設けることも、従来技術から公知である。こうして軸受に作用する荷重を複数の転動体列に分布させることが可能である。
【０００４】
軸線方向において転動体列の幾何学的中間は、以下軸受中間と称される。
【０００５】
しかし多くの使用において、それぞれの車輪軸受の軸受中間と車輪作用線は互いに一致しない。例えば車両の車輪懸架装置において、車輪又はタイヤの接地点が軸受中間に対して車両外側にあることが起こり得る。この場合軸受列へ不均一な力がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
従って本発明の基礎になっている課題は、例えば軸受中間と力作用線が一致しないことにより生じる不均一な力も吸収できる転がり軸受を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
これは、本発明によれば、請求項１に記載の転がり軸受によって達せられる。有利な実施形態及び展開が従属請求項の対象である。
【０００８】
本発明による転がり軸受は、第１のレース、第２のレース、及び第１のレースと第２のレースとの間に設けられる多数の転動体を持っている。本発明によれば、転動体が複数の列で設けられ、少なくとも２つの列のピッチ円直径が相違している。ピッチ円直径とは、転動体の中心とこの転動体にちょうど対向する転動体の中心との間の間隔を意味する。
【０００９】
転がり軸受の中間面に関して互いに対称な少なくとも２つの列のピッチ円直径が相違しているのが好ましい。この場合転がり軸受は、この中間面に関して非対称に形成されている。
【００１０】
一層大きいピッチ円直径を持つ列は一層大きい力を吸収でき、従ってピッチ円直径の異なる選択によって、力が中間面外で転がり軸受に作用するという事情を考慮することができる。一層大きいピッチ円を持つ列は、力を吸収するために一層大きい転がり接触面を提供し、それにより面圧が小さくなる。
【００１１】
好ましい実施形態では、転動体の少なくとも４つの列が設けられている。ここで列とは、転動体がほぼ環状に内レースと外レースとの間に設けられていることを意味する。
【００１２】
好ましい実施形態では、転がり軸受に関して外側にある少なくとも１つの列のピッチ円直径が、他の１つの列のピッチ円直径より大きい。これは、外側にある列が他の列と比較して一層大きいピッチ円直径を持っていることを意味する。それによりこの外側にある列も最大の力を吸収できる。最大のピッチ円直径を持つ列が、軸受中間に関して、偏心力も車輪軸受に作用する側に設けられているのがよい。
【００１３】
別の好ましい実施形態では、互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、互いに隣接する２つの別の列のピッチ円直径の和より大きい。これは例えば次のことを意味する。即ち軸受中間に関して所定の側にある２つの互いに隣接する列のピッチ円直径の和が、軸受中間の他の側に設けられる列のピッチ円直径の和より大きい。こうして和に関して全体として一層大きいピッチ円直径を持つ列が、一層大きい力を吸収でき、従って同様に転がり軸受への力の偏心導入に適している。それぞれ内側即ち軸受中間に近い方にあって同じピッチ円直径を持つ列及び異なる和が、それぞれ外側にある列の異なる大きさのピッチ円直径によってのみ生じる。
【００１４】
別の好ましい実施形態では、フランジ側で外側にある列のピッチ円直径が、１つの他の列のピッチ円直径より大きい。フランジ側で外側にある列とは、リム及びタイヤが取付けられる車輪支持体のフランジの最も近くに設けられている列を意味する。従ってフランジ側で外側にある列は、車両外側にある列である。この実施形態は、車輪接地点が軸受中間に対して車両外側にある時に選ばれる。この場合支持体側で外側にある列のピッチ円直径が、１つの他の列のピッチ円直径より大きく選ばれるのがよい。
【００１５】
フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和より大きいのがよい。しかし逆に支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径の和が、フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列のピッチ円直径より大きくてもよい。
【００１６】
これらの実施形態は、上述したように、転がり軸受への車輪接地力の車輪作用線が軸受中間に対して車両外側へずれているか又は車両内側へずれているかに左右される。
【００１７】
別の有利な実施形態では、外レースが、所定のフランジ側外径及びこれとは異なる支持体側外径を持っている。これは、外レースの直径も転がり軸受の長さに沿って変化することを意味している。この実施形態により、異なる大きさのピッチ円直径でも、外レースの特定の壁厚を維持することができる。
【００１８】
別の有利な実施形態では、転動体が、玉、円筒ころ、円錐ころ等を含む転動体の群から選ばれている。その際軸受のすべての列に同じ種類の転動体例えば玉を設けることが可能である。しかし転がり軸受が異なる種類の転動体を備え、例えば１つの列が玉を備え、別の列が円筒ころを備えていることも可能である。こうして転がり軸受へ作用する力の状態を理想的に考慮することができる。
【００１９】
別の好ましい実施形態では、少なくとも２つの列の転動体の直径が相違している。例えば一層大きいピッチ円直径を持つ列に一層大きい直径を持つ転動体を設けることが可能である。しかし逆にすべての列が同じ直径を持つ転がり軸受を選ぶことも可能で、それにより一層大きい直径を持つ列に一層多数の転動体を設けることができるであろう。
【００２０】
一層大きい直径を持つ転動体は、フランジ側又は支持体側で外側に設けられる列に設けられている。
【００２１】
別の実施形態では、すべての列が同じ押圧角を持っている。これは、すべての列の力伝達が軸受の回転軸線に関してほぼ同じ角で行われるように、転動路が外レース及び内レースに設けられていることを意味する。
【００２２】
しかし少なくとも２つの列の押圧角を異なるように選ぶことも可能である。この押圧角の選択によっても、車輪軸受をそのつどの要求即ちそのつどの吸収すべき力又はその方向に合わせることができる。外側列の押圧角が内側列の押圧角より大きいのがよい。
【００２３】
すべての列が同じ曲げ縁角を持つこともできる。しかし少なくとも２つの列の曲げ縁角が異なっていることも可能である。
【００２４】
別の好ましい実施形態では、少なくとも１つのレースが２つの部分から構成されている。その場合レースの第１の部分が２つの転動体列用の転動路を持ち、第２の部分が残りの列用の転動路を持っている。
【００２５】
それぞれのレース半分を曲げ縁により互いに締付けることができる。
【００２６】
別の好ましい実施形態では、転がり軸受が車輪回転数を検出する装置を持っている。これは例えば磁石円板であり、回転の結果変化する信号をセンサへ与える。
【００２７】
本発明は更に上述した種類の転がり軸受を持つ車輪軸受にも向けられている。
【００２８】
それ以外の利点及び実施形態は添付図面から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２９】
図１は本発明の基礎になっている問題を説明するための概略図を示している。符号１は、すべての詳細を図示してない車輪軸受を示す。この車輪軸受は軸受中間Ｍを持っている。上の部分図１において、リム８上に設けられるタイヤ７は、この軸受中間Ｍに対して側方へ右に移されており、これが線Ｒにより示されている。それによりタイヤ７は、上の部分図１において、軸受中間Ｍに対して車輪支持体６の方へ移されている。従って車輪接地点も、軸受中間Ｍに対して車両内側にある。
【００３０】
これにより、車輪又はタイヤ７に作用する力は、中間で軸受を介して伝達されるのではなく、これに対して側方にずれて伝達される。こうして軸受は、車輪支持体６に近い方の側で、他方の側におけるより一層強く負荷される。下の部分図ＩＩにおいて、車輪接地点は軸受中間Ｍに対して車両外側にあり、これが力作用線Ｌにより示されている。この場合軸受中間Ｍに対して車両外側にある軸受の側が、一層強く負荷される。符号１０は制動円板を示している。
【００３１】
図２は本発明による転がり軸受の第１実施例を示している。この転がり軸受は外レース２及び内レース３を持っている。内レース３は、図２に示す実施例では、２部分から構成され、２つの内レース半分３ａ及び３ｂを持っている。
【００３２】
図２に示す転がり軸受は４つの列１１，１２，１３及び１４を持ち、これらの列にそれぞれ転動体５が設けられている。転動体５はそれぞれ環をなして設けられ、図の面に対して直角な面内にある。
【００３３】
個々の転動体５は、（詳細には示してない）保持器内にある。
【００３４】
符号１５は転動体１の密封用密封装置を示している。
【００３５】
図２に示すように、個々の列１１，１２，１３及び１４は異なるピッチ円直径を持っている。このピッチ円直径は、最初に述べたように、転動体の中心と対向する転動体の中心との間の間隔である。
【００３６】
図２に示す実施例では、列１１が最大のピッチ円直径Ｔｋ１を持ち、列１３が最小のピッチ円直径Ｔｋ３を持っている。いずれにせよ車両外側の列１１及び１２は、和において、車両内側又は支持体側の列１３及び１４より大きいピッチ円直径を持ち、従って図１に示す転がり軸受は、特に車輪接地点が軸受中間に関して車両外側又は車両内側にある状態に適している。
【００３７】
図３は本発明による軸受装置の第２実施例を示している。図１に示す実施例とは異なり、この実施例では、外レース２にフランジ１７が設けられている。このフランジは支持体又は車輪に結合することができる。個々の列１１，１２，１３，１４の転動体５はそれぞれ異なる直径を持ち、それぞれ外側にある列１１及び１４の転動体の直径は、それぞれ内側にある列１２及び１３の転動体の直径より大きく選ばれている。
【００３８】
しかしすべての列の個々の転動体５がほぼ同じ直径を持つことも可能である。
【００３９】
異なるピッチ円直径を持つそれぞれの列を設けることによって、上述したように、偏心した荷重の導入が阻止され、軸受の傾倒強度及び負荷能力が高められる。
【００４０】
図４は本発明による軸受の別の実施例を示す。図３とは異なり、フランジ１７は外レース２に設けられるのではなく、外レース２に対して回転可能なフランジ本体１８に設けられている。両方の内レース半分３ａ及び３ｂは、フランジ本体にある折り曲げられた縁２１及び段部２２によりまとめられるか、又は軸線方向に締付けられている。
【００４１】
従って内レース３又は内レース半分３ａ及び３ｂは、フランジ本体１８に相対回転しないように結合されている。各内レース半分３ａ及び３ｂは転動体用の転動路９を持っている。
【００４２】
２つの内レース半分３ａ及び３ｂの形に内レース３を構成すると、組立てに有利である。なぜならば、こうしてそれぞれの列１２及び１３を容易に設けることができるからである。
【００４３】
図５は本発明により構成される転がり軸受の別の実施例を示す。図４に示す実施例とは異なり、ここでは２つの内レース半分３ａ及び３ｂが設けられず、内レース半分３ｂのみが設けられている。この場合列１１，１２の転動体用の転動路９は、（フランジ１７と一体に構成される）フランジ本体１８に直接設けられている。図４及び５に示す実施例では、列１２及び１３にある転動体の直径は同じ大きさであるが、列１１のピッチ円直径が列１４のピッチ円直径より僅か大きいことがわかる。ここではレース半分３ｂが、曲げ縁２１を介してフランジ本体１８に締付けられている。
【００４４】
図６は本発明による転がり軸受の別の実施例を示す。ここでも曲げ縁２１が設けられて、両方の内レース半分３ａ及び３ｂをフランジ本体１８の段部へ押付けている。しかし前の図に示す実施例とは異なり、２つのフランジ１７及び２４が設けられ、フランジ２４が外レース２に設けられている。フランジ１７に近い側における外レース２の直径は、（図示しない）車輪支持体に近い側従って図６では右側における外レース２の直径より大きい。
【００４５】
図７は本発明による転がり軸受の別の実施例を示す。この実施例は図５のそれに類似しているが、ここでも第２のフランジ２４は外レース２に設けられている。
【００４６】
図８は本発明による軸受の別の実施例を示す。図８に示す実施例と形状寸法を説明するため図９に示す図は一緒に説明される。図９において符号Ｂは軸受全幅を示し、符号Ｄは軸受高さ、即ち内レース３の半径方向内方へ向く表面とフランジ２４を考慮しないで外レース２の半径方向外方へ向く表面との間の間隔を示す。符号Ｆは外レースのフランジ側外径を示し、符号Ｅは転がり軸受の車両内側又は支持体側外径を示す。
【００４７】
符号Ａは転がり軸受の穴径を示す。符号Ｄｗはそれぞれの転動体の直径を示し、例えば符号Ｄｗ１は列１１にある転動体５の直径を示す。符号Ｔｋ１〜Ｔｋ４はそれぞれの列のピッチ円直径を示す。符号Ｄｂ１〜Ｄｂ４は個々の別の曲げ縁直径を示す。
【００４８】
符号Ｄｌ１〜Ｄｌ４（ただし直径Ｄｌ１のみを図示する）は、それぞれの転動路底直径を示し、半径方向内方にある転動路３１の区域から測られる。符号ｎは列１２と１３との間にある中間フランジの幅を示している。
【００４９】
符号ｍは内レース又は車両内側に近い方の側にある内レース半分３ｂの曲げ縁幅を示す。符号α１〜α４は内レース転動路３１〜３４の押圧角をそれぞれ示す。符号β１〜β４は内レース転動路３１〜３４の曲げ縁角を示す。
【００５０】
図８及び９に示す転がり軸受も、力が転がり軸受中間に関して外側従ってフランジ側から車輪軸受へ加えられる場合に対して用いられるので、この場合続いて説明される幾何学的条件が成立する。ピッチ円直径Ｔｋ１とＴｋ２との和が、ピッチ円直径Ｔｋ３とＴｋ４との和より大きいのがよい。更にフランジ側外径Ｆも支持体側外径Ｅより大きい。逆の実施例では、ピッチ円直径Ｔｋ３とＴｋ４との和がピッチ円直径Ｔｋ１とＴＫ２との和より大きく、外レースの支持体外径Ｅもフランジ側外径Ｆより大きいことになる。
【００５１】
図９に示す実施例では、軸受全幅Ｂは、内レースの曲げ縁ｍ及び中間フランジ幅ｎを加算したすべての転動体直径の和より大きい。更に図９に示す実施例では、軸受全幅は３５ｍｍより大きい。
【００５２】
それぞれ外側にある列は一層大きいピッチ円直径を持っている。これは、列１１のピッチ円直径が列１２のピッチ円直径より大きく、列１４のピッチ円直径が列１３のピッチ円直径より大きいことを意味する。
【００５３】
外レースの車両内側又は支持体側外径Ｅは、図９の実施例では、ピッチ円直径Ｔｋ４と列１４にある転動体の直径Ｄｗ４との和より大きい。支持体側外径Ｅは少なくとも６ｍｍだけ上記の和より大きいのが好ましい。
【００５４】
転動体直径Ｄｗ３を差引いたピッチ円直径Ｔｋ３が、穴径Ａより少なくとも３．５ｍｍだけ大きいのが好ましい。フランジ側外径Ｆは、転動体直径Ｄｗ１を差引いた列１１のピッチ円直径Ｔｋ１より大きい。車両側外径が上記の和より少なくとも６ｍｍだけ大きいのが好ましい。
【００５５】
更に図９に示す実施例において、列１１及び１４の転動路の曲げ縁角β１及びβ４は、列１２及び１３の内側転動路の曲げ縁角２１及びβ３より大きいか又はこれらに等しい。これらの角は軸受縦軸線に対して考察される。これは次のことを意味する。即ち外側列の押圧角、即ち外側列において力が外レースから内レースへ伝達される時の角が、内側列の押圧角より大きい。しかしすべての押圧角を同じに選ぶことも可能であろう。
【００５６】
本願の書類において開示されるすべての特徴は、それらが個々に又は組合わせで従来技術に対して新規である限り、本発明にとって重要なものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明の基礎となっている問題を明らかにするための概略図を示す。
【図２】本発明による転がり軸受の第１実施例を示す。
【図３】本発明による転がり軸受の第２実施例を示す。
【図４】本発明による転がり軸受の第３実施例を示す。
【図５】本発明による転がり軸受の第４実施例を示す。
【図６】本発明による転がり軸受の第５実施例を示す。
【図７】本発明による転がり軸受の第６実施例を示す。
【図８】本発明による転がり軸受の第７実施例を示す。
【図９】形状寸法を明らかにするため本発明による軸受の部分図を示す。
【符号の説明】
【００５８】
１ 車輪軸受
２ 外レース
３ 内レース
３ａ，３ｂ 内レース半分
５ 転動体
６ 車輪支持体
７ タイヤ
８ リム
９ 転動路
１０ 制動円板
１１，１２，１３，１４ 列
１５ 密封装置
１７，２４ フランジ
１８ フランジ本体
２１ 折り曲げられる縁
２２ 段部
３１ 転動路の半径方向内方にある区域
Ａ 穴径
Ｂ 軸受全幅
Ｄ 軸受高さ
Ｅ 車両内側又は支持体側外径
Ｆ フランジ側外径
Ｍ 軸受中心
ＭＥ 中間面
ｎ 中間フランジ幅
ｍ 内レースの曲げ縁幅
Ｒ，Ｌ 力作用線
Ｄｂ１〜Ｄｂ４ 個々の列の曲げ縁直径
Ｄｌ１〜Ｄｌ４ 転動路底直径
Ｄｗ１〜Ｄｗ４ 転動体の直径
Ｔｋ１〜Ｔｋ４ ピッチ円直径
α１，α２，α３，α４ 押圧角
β１，β２，β３，β４ 曲げ縁角
【特許請求の範囲】
【請求項１】
第１のレース（２）、第２のレース（３）、及び第１のレース（２）と第２のレース（３）との間に設けられる多数の転動体（５）を持つ転がり軸受（１）において、転動体が複数の列（１１，１２，１３，１４）で設けられ、少なくとも２つの列（１１，１２，１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）が相違していることを特徴とする、転がり軸受。
【請求項２】
少なくとも４つの列（１１，１２，１３，１４）が設けられていることを特徴とする、請求項１に記載の転がり軸受。
【請求項３】
転がり軸受に関して外側にある少なくとも１つの列のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）が、他の１つの列のピッチ円直径より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項４】
互いに隣接する２つの列のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）の和が、互いに隣接する２つの別の列のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項５】
フランジ側で外側にある列（１１）のピッチ円直径（Ｔｋ１）が、１つの他の列（１２，１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項６】
支持体側で外側にある列（１４）のピッチ円直径（Ｔｋ４）が、１つの他の列（１１，１２，１３）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項７】
フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列（１１，１２）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）の和が、支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列（１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項８】
支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列（１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和が、フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列（１１，１２）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項９】
少なくとも外レース（２）が、所定のフランジ側外径（Ｆ）及びこれとは異なる支持体側外径（Ｅ）を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１０】
転動体（５）が、玉、円筒ころ、円錐ころ等を含む転動体の群から選ばれていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１１】
少なくとも２つの列の転動体（５）の直径（Ｄｗ１，Ｄｗ２，Ｄｗ３，Ｄｗ４）が相違していることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１２】
すべての列（１１，１２，１３，１４）が同じ押圧角（α１，α２，α３，α４）及び／又は同じ曲げ縁角（β１，β２、β３，β４）を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１３】
少なくとも２つの列（１１，１２，１３，１４）の押圧角（α１，α２，α３，α４）及び／又は同じ曲げ縁角（β１，β２、β３，β４）が相違していることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１４】
少なくとも１つのレース（３）が２つの部分から構成されていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１５】
転がり軸受が車輪回転数を検出する装置を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１６】
先行する請求項の１つに記載の転がり軸受を持つ車輪軸受。
【請求項１】
第１のレース（２）、第２のレース（３）、及び第１のレース（２）と第２のレース（３）との間に設けられる多数の転動体（５）を持つ転がり軸受（１）において、転動体が複数の列（１１，１２，１３，１４）で設けられ、少なくとも２つの列（１１，１２，１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）が相違していることを特徴とする、転がり軸受。
【請求項２】
少なくとも４つの列（１１，１２，１３，１４）が設けられていることを特徴とする、請求項１に記載の転がり軸受。
【請求項３】
転がり軸受に関して外側にある少なくとも１つの列のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）が、他の１つの列のピッチ円直径より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項４】
互いに隣接する２つの列のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）の和が、互いに隣接する２つの別の列のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項５】
フランジ側で外側にある列（１１）のピッチ円直径（Ｔｋ１）が、１つの他の列（１２，１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ２，Ｔｋ３，Ｔｋ４）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項６】
支持体側で外側にある列（１４）のピッチ円直径（Ｔｋ４）が、１つの他の列（１１，１２，１３）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２，Ｔｋ３）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項７】
フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列（１１，１２）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）の和が、支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列（１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項８】
支持体側に設けられて互いに隣接する２つの列（１３，１４）のピッチ円直径（Ｔｋ３，Ｔｋ４）の和が、フランジ側に設けられて互いに隣接する２つの列（１１，１２）のピッチ円直径（Ｔｋ１，Ｔｋ２）より大きいことを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項９】
少なくとも外レース（２）が、所定のフランジ側外径（Ｆ）及びこれとは異なる支持体側外径（Ｅ）を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１０】
転動体（５）が、玉、円筒ころ、円錐ころ等を含む転動体の群から選ばれていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１１】
少なくとも２つの列の転動体（５）の直径（Ｄｗ１，Ｄｗ２，Ｄｗ３，Ｄｗ４）が相違していることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１２】
すべての列（１１，１２，１３，１４）が同じ押圧角（α１，α２，α３，α４）及び／又は同じ曲げ縁角（β１，β２、β３，β４）を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１３】
少なくとも２つの列（１１，１２，１３，１４）の押圧角（α１，α２，α３，α４）及び／又は同じ曲げ縁角（β１，β２、β３，β４）が相違していることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１４】
少なくとも１つのレース（３）が２つの部分から構成されていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１５】
転がり軸受が車輪回転数を検出する装置を持っていることを特徴とする、先行する請求項の１つに記載の転がり軸受。
【請求項１６】
先行する請求項の１つに記載の転がり軸受を持つ車輪軸受。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公表番号】特表２００９−５２５４４８（Ｐ２００９−５２５４４８Ａ）
【公表日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５５５６０６（Ｐ２００８−５５５６０６）
【出願日】平成１９年１月１８日（２００７．１．１８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＥ２００７／００００８０
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０８７７７７
【国際公開日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【出願人】（５０６４２０８４３）シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１月１８日（２００７．１．１８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＥ２００７／００００８０
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０８７７７７
【国際公開日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【出願人】（５０６４２０８４３）シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Ｆターム（参考）】
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