説明

複合アンテナ

【課題】電波方式で使用される高い周波数帯で動作するのみならず、電磁誘導方式で使用される低い周波数帯でも動作する複合アンテナを得る。
【解決手段】電波方式で使用される第1の周波数帯において動作する第1のアンテナ11と、第1の周波数帯より低い電磁誘導方式で使用される第2の周波数帯において動作する第2のアンテナ12と、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とを一体的に保持する誘電体からなる保持部13とを備える。第1のアンテナ11を形成する導体層の厚さd1を、第2のアンテナ12を形成する導体層の厚さd2より薄くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる複数の周波数帯で動作する複合アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる複数の周波数帯で動作する複合アンテナとしては、誘電体基板上に1.5GHz帯用の円偏波ループアンテナを形成するとともに、ほぼ同一軸上に5.8GHz帯用の方形パッチアンテナを形成してなる複合アンテナ等がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−152445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで近年、無線を利用した自動認識技術として、RFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。RFIDシステムは、リーダ・ライタ等と呼ばれる質問器と、RFIDタグ等と呼ばれる応答器との間で無線通信を行う。その際の伝送方式としては、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用した電磁結合方式の他、周波数として135kHz帯以下若しくは13.56MHz帯を利用した電磁誘導方式と、860〜960MHzのUHF帯若しくは2.45GHz帯を利用した電波方式とが採用されている。
【0004】
特に、13.56MHz帯を利用した電磁誘導方式は、RFIDシステムの一態様である非接触ICカードシステムに用いられており、殆どの国で採用されている。一方、860〜960MHzのUHF帯を利用した電波方式は、欧州や米国では使用可能であるものの、日本では携帯電話等に割り当てられていてためにRFIDシステムでの使用が許可されていなかったが、最近、950〜956MHz帯をRFIDシステムで使用できるような行動が開始された。そこで、13.56MHz帯のみならず950〜956MHz帯でも動作する複合アンテナの開発が望まれていた。この種の複合アンテナを開発することにより、13.56MHz帯を使用したRFIDシステムだけでなく、950〜956MHz帯を使用したRFIDシステムにも兼用できるリーダ・ライタ用アンテナを得ることができる。
【0005】
しかしながら従来の複合アンテナは、例えば1.5GHz帯と5.8GHz帯というように、いずれも電波方式で使用される2つの周波数帯に対応したものであり、例えば950MHz帯と13.56MHz帯というように、電波方式と電磁誘導方式でそれぞれ使用される2つの周波数帯に対応したものはなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、電波方式で使用される高い周波数帯で動作するのみならず、電磁誘導方式で使用される低い周波数帯でも動作する複合アンテナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば電波方式で使用される第1の周波数帯において動作する第1のアンテナと、第1の周波数帯より低い例えば電磁誘導方式で使用される第2の周波数帯において動作する第2のアンテナと、第1のアンテナと第2のアンテナとを一体的に保持する誘電体からなる保持部とを備え、第1のアンテナを形成する導体層の厚さを、第2のアンテナを形成する導体層の厚さより薄く、例えば第1のアンテナを形成する導体層の厚さを第2の周波数帯の電流が流れる表皮深さより薄くし、前記第2のアンテナを形成する導体層の厚さを該表皮深さ以上としたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、電波方式で使用される高い周波数帯で動作するのみならず、電磁誘導方式で使用される低い周波数帯でも動作する複合アンテナを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
はじめに、本発明の第1の実施の形態である複合アンテナ10について、図1〜図4を用いて説明する。図1は複合アンテナ10の外観斜視図であり、図2は同複合アンテナ10の分解斜視図であり、図3は図1におけるA−A矢視断面の拡大図である。
【0010】
この複合アンテナ10は、第1の周波数帯として電波方式で利用される例えば950MHz帯で動作する第1のアンテナ11と、第1の周波数帯より低い第2の周波数帯として電磁誘導方式で利用される例えば13.56MHz帯で動作する第2のアンテナ12とを備えている。そして、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とを、誘電体からなる保持基板13を挟んで積層することにより一体化している。
【0011】
第1のアンテナ11は、第1の誘電体基板111と、この第1の誘電体基板111の一方の面側に配置された放射導体(パッチ電極)112と、該第1の誘電体基板111の他方の面側に配置された接地導体(グランド)113とから構成している。第2のアンテナ12は、第2の誘電体基板121と、この第2の誘電体基板121の一方の面側に配置されたコイル状導体パターン122と、該第2の誘電体基板121の他方の面側に配置された棒状導体パターン123とから構成している。第1の誘電体基板111,第2の誘電体基板121及び保持基板13は、いずれも矩形状をなした同一サイズのものである。
【0012】
第1のアンテナ11において、接地導体113は、第1の誘電体基板111と面積を略同一とする矩形状の導体パターンであり、保持基板13上に設けている。放射導体112は、第1の誘電体基板111よりも面積が小さい略矩形状の導体パターンであり、第1の誘電体基板111上の略中央に設けている。放射導体112は、その一辺を凹状に切欠しており、この切欠部の底辺から誘電体基板111の一辺に向けて導体パターン114を延伸している。
【0013】
導体パターン114は、放射導体112への給電線として機能する。すなわち図示しないが、同軸ケーブルの一端側の芯線を導体パターン114に接続するとともに、該一端側の外線を接地導体113の一部に接続し、該同軸ケーブルの他端側を、電波方式を用いて無線通信を行う無線機に接続する。こうすることにより、第1のアンテナ11は、電波方式で使用される第1の周波数帯で送受信動作を行う。
【0014】
第1のアンテナ11の指向性の強さを図4(a)に示す。図示するように第1のアンテナ11は、放射導体112が設けられている側に強い指向性を有している。すなわち、放射導体112が設けられている側に電波を強く放射する特性を有している。ここに、第1のアンテナ11は、電波の電界に対して有効な動作をする平面パッチアンテナとして機能する。
【0015】
第2のアンテナ12において、コイル状導体パターン122は、一端が第2の誘電体基板121の一辺部に位置し、他端が第2の誘電体基板121の略中央部に位置するように渦巻状に設けた渦巻き部124と、一端が第2の誘電体基板121の上記渦巻き部124の一端が設けられている辺部に位置し、他端が上記渦巻き部124の他端近傍でかつ渦巻き部124と重ならない部位に位置するように設けた直線部125とからなる。棒状導体パターン123は、第2の誘電体基板121の裏面側において、この第2の誘電体基板121の厚さ方向に対して一端が上記渦巻き部124の他端と重なり、他端が上記直線部125の他端と重なる位置に設けている。そして、第2の誘電体基板121の渦巻き部124の他端と棒状導体パターン123の一端とが位置する部位に、その表面から裏面に貫通する第1のスルーホール126を穿設している。また、第2の誘電体基板121の直線部125の他端と棒状導体パターン123の他端とが位置する部位に、その表面から裏面に貫通する第2のスルーホール127を穿設している。
【0016】
第2の誘電体基板121の一辺部に位置する渦巻き部124の一端部と直線部125は、いずれもコイル状導体パターン122への給電部として機能する。すなわち図示しないが、同軸ケーブルの一端側の芯線を渦巻き部124の一端に接続するとともに、該一端側の外線を直線部125の一端に接続し、該同軸ケーブルの他端側を、電磁誘導方式を用いて無線通信を行う無線機に接続する。こうすることにより、同軸ケーブルから渦巻き部124の一端に入力された電流は、渦巻き部124を流れ、その他端から第1のスルーホール126を通って棒状導体パターン123の一端に入力する。棒状導体パターン123の一端に入力した電流は、棒状導体パターン123を流れ、その他端から第2のスルーホール127を通って直線部125の他端に入力する。直線部125の他端に入力した電流は、直線部125を通ってその一端から同軸ケーブルに出力される。また、同軸ケーブルから直線部125の一端に入力された電流は、上記と逆方向に流れ、渦巻き部124の一端から同軸ケーブルに出力される。これにより、第2のアンテナ12は、電磁誘導方式で使用される第2の周波数帯で送受信動作を行う。
【0017】
第2のアンテナ12の磁界分布を図4(b)で示す。図中、破線は磁束を示しており、磁束が集中している部分が磁束密度の高いところである。図示するように、第2のアンテナ12を構成するコイル状導体パターン122の中心から上下方向に磁束密度の高い箇所がある。この磁束密度が高い箇所で通信を行うと、良好な通信特性を得ることができる。ここに、第2のアンテナ12は、電波の磁界に対して有効な動作をするコイル状アンテナとして機能する。
【0018】
さて、本実施の形態においては、第1のアンテナ11を形成する導体層、つまりは放射導体112と接地導体113の厚さd1を、第2のアンテナ12を形成する導体層、つまりはコイル状導体パターン122の厚さd2よりも薄くしている。
【0019】
導体を流れる電流は、周波数が高くなるにつれて導体表面からの深さが浅い部分しか流れなくなる。この現象は表皮効果と呼ばれており、電流の流れる表皮深さδは、次の(1)式で表される。なお、(1)式においてωは2πfであり、fは周波数,μは透磁率,σは導電率である。
【数1】

【0020】
例えば導体が銅からなる場合、導電率σは58×10(S/m)である。透磁率μは4π×10−7であるので、周波数が電磁誘導方式で利用される13.56MHzであるときには、表皮深さδは18μmになる。また、周波数が電波方式で利用される950MHzであるときには、表皮深さδは2μmになる。
【0021】
そこで、950MHz帯で動作するアンテナの銅箔パターンの厚さを2μmとすれば、銅箔パターンでの電力損失を少なくすることができる。一方、13.56MHz帯で動作するアンテナの銅箔パターンの厚さを18μm以上とすれば、銅箔パターンでの電力損失を少なくすることができる。また、厚さが18μm以上の銅箔があると、13.56MHz帯の電磁波はほとんど通過しなくなる。逆を言えば、銅箔の厚さが18μm以下の場合には、13.56MHz帯の電磁波は通過し、その通過量は、銅箔の厚さが薄くなればなるほど増大する。
【0022】
そこで本実施の形態では、電波方式で利用される第1の周波数帯を950MHzとし、この950MHz帯で動作する第1のアンテナ11の導体厚さd1を2μmから18μmとする。また、電磁誘導方式で利用される第2の周波数帯を13.56MHzとし、この13.56MHz帯で動作する第2のアンテナ12の導体厚さd2を18μm以上とする。
【0023】
このような構成の複合アンテナでは、放射導体112が設けられている側の外側に第2のアンテナ12が設けられているので、第1のアンテナ11から放射される電波のうち、放射導体112が設けられている側に強く放射される電波は、第2のアンテナ12の影響を受けない。一方、第1のアンテナ11を形成する導体層の厚さが18μm以下であるので、第2のアンテナ12から放射される電磁波が第1のアンテナ11の導体層で減衰する量は少ない。
【0024】
したがって、本実施の形態によれば、電波方式で利用される第1の周波数帯では第1のアンテナ11を使用し、電磁誘導方式で利用される第2の周波数帯では第2のアンテナ12を使用して安定に無線通信を行うことができ、例えば950MHz帯と13.56MHz帯というように、電波方式と電磁誘導方式でそれぞれ使用される2つの周波数帯に対応し得る小型の複合アンテナ10を提供することができる。
【0025】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態である複合アンテナ20について、図5〜図7を用いて説明する。図5は複合アンテナ20を上方から見た平面図であり、図6は図5におけるB−B矢視断面図であり、図7は同複合アンテナ20を下側から見た平面図である。
【0026】
この複合アンテナ20も、第1の周波数帯として電波方式で利用される例えば950MHz帯で動作する第1のアンテナ21と、第1の周波数帯より低い第2の周波数帯として電磁誘導方式で利用される例えば13.56MHz帯で動作する第2のアンテナ22とを備えている。そして、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とを、第1のアンテナ21の放射利得が小さい外周に第2のアンテナ22を設けることにより一体化している。
【0027】
第1のアンテナ21は、誘電体基板211と、この誘電体基板211の一方の面側に配置された放射導体(パッチ電極)212と、該誘電体基板211の他方の面側に配置された接地導体(グランド)213とから構成している。第2のアンテナ22は、口状の開口部を有する誘電体からなる保持フレーム221と、この保持フレーム221の外側に巻回された例えば銅線等からなる導体コイル222とから構成している。
【0028】
第1のアンテナ21において、接地導体213は、誘電体基板211と面積を略同一とする略矩形状の導体パターンであり、該誘電体基板211の下面に設けている。放射導体212は、誘電体基板211よりも面積が小さい矩形状の導体パターンであり、誘電体基板211上の略中央に設けている。また、誘電体基板211の放射導体214のB−B矢視線上で右端から略1/3の位置に、その厚さ方向に貫通するスルーホール214を穿設している。スルーホール214の位置は、アンテナ21を接続する無線機のインピーダンスによって決まる。そして、このスルーホール214に接地導体213側からコネクタ215を挿入している。これにより、コネクタの内部導体が放射導体212に接続され、外部導体が接地導体213に接続されている。そこで、電波方式を用いて無線通信を行う無線機をコネクタ215に接続することにより、第1のアンテナ21は、電波方式で使用される第1の周波数帯で送受信動作を行う。このときの第1のアンテナ21の指向性の強さは、図4(a)で示した指向性と同様に、放射導体212が設けられている側に強い指向性を有している。すなわち、誘電体基板211の放射導体212が設けられている側の放射利得が高くなっており、接地導体213の面と平行な外周方向の放射利得は小さくなっている。ここに、第1のアンテナ21は、電波の電界に対して有効な動作をする平面パッチアンテナとして機能する。
【0029】
第2のアンテナ12において、保持フレーム221は、その口状の開口部を、第1のアンテナにおける誘電体基板211の接地導体213の面と平行な外周に嵌合させている。そして、この保持フレーム221の外周に導体コイル222を巻回している。導体コイル222の一端は、2端子コネクタ223の一方の端子224に接続しており、導体コイル222の他端は、該2端子コネクタ223の他方の端子225に接続している。2端子コネクタ223は、誘電体基板211における裏面側の接地導体213が切欠された部位に設けている。そこで、電磁誘導方式を用いて無線通信を行う無線機を2端子コネクタ223に接続することにより、2端子コネクタ223の一方の端子224から入力された電流は、導体コイル222を流れて2端子コネクタ223の他方の端子225に入力し、他方の端子225から入力された電流は、導体コイル222を逆方向に流れて一方の端子224に入力する。これにより、第2のアンテナ22は、電磁誘導方式で使用される第2の周波数帯で送受信動作を行う。この第2のアンテナ12の磁界分布も図4(b)で示した磁界分布と同様に、導体コイル222の中心から上下方向に磁束密度の高い箇所がある。この磁束密度が高い箇所で通信を行うと、良好な通信特性を得ることができる。ここに、第2のアンテナ22は、電波の磁界に対して有効な動作をするコイル状アンテナとして機能する。
【0030】
このように構成された第2の実施の形態の複合アンテナ20においても、第1の実施の形態と同様に、第1のアンテナ21を形成する導体層、つまりは放射導体212と接地導体213の厚さd3を、第2のアンテナ22を形成する導体層、つまりは導体コイル222の厚さd4よりも薄くしている。具体的には、放射導体212と接地導体213の厚さd3を、第1のアンテナ21が動作する第1の周波数帯の電流が流れる表皮深さδよりも厚く、かつ第2のアンテナ22が動作する第2の周波数帯の電流が流れる表皮深さδよりも薄くしている。また、導体コイル222の厚さd4を、第2のアンテナ22が動作する第2の周波数帯の電流が流れる表皮深さδ以上厚くしている。
【0031】
このような構成の複合アンテナでは、第1実施の形態と同様に、放射導体212が設けられている側の外側に第2のアンテナ22が設けられているので、第1のアンテナ21から放射される電波のうち、放射導体212が設けられている側に強く放射される電磁波は、第2のアンテナ22の影響を受けない。一方、第1のアンテナ21を形成する導体層の厚さが18μm以下であるので、第2のアンテナ22から放射される電磁波が第1のアンテナ21の導体層で減衰する量は少ない。かくして、電波方式で利用される第1の周波数帯では第1のアンテナ21を使用し、電磁誘導方式で利用される第2の周波数帯では第2のアンテナ22を使用して安定に無線通信を行うことができる小型の複合アンテナ20を提供することができる。
【0032】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば複合アンテナ10,20の形状は、矩形状に限定されるものではなく、円形状や、三角形,五角形,六角形等の多角形状としてもよい。
【0033】
また、第1のアンテナ11,21を構成する導体の厚さd1,d3は、第2のアンテナ12,22の影響を抑えることができる厚さであればよく、第2のアンテナ12,22を構成する導体の厚さd2,d4は、第2の周波数帯を使用できる厚さであればよい。また、導体の材質は銅に限定されるものではない。
【0034】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態における複合アンテナの外観斜視図。
【図2】同第1の実施の形態における複合アンテナの分解斜視図。
【図3】図1におけるA−A矢視断面の拡大図。
【図4】第1のアンテナの指向性と第2のアンテナの磁界分布を示す模式図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における複合アンテナを上方から見た平面図。
【図6】図5におけるB−B矢視断面図。
【図7】同第2の実施の形態における複合アンテナを下方から見た平面図。
【符号の説明】
【0036】
10,20…複合アンテナ、11,21…第1のアンテナ、12,22…第2のアンテナ、13…保持基板、111…第1の誘電体基板、112,212…放射導体、113,213…接地導体、121…第2の誘電体基板、122…コイル状導体パターン、123…棒状導体パターン、211…誘電体基板、221…保持フレーム、222…導体コイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯において動作する第1のアンテナと、
前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯において動作する第2のアンテナと、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを一体的に保持する誘電体からなる保持部とを具備し、
前記第1のアンテナを形成する導体層の厚さを、前記第2のアンテナを形成する導体層の厚さより薄くしたことを特徴とする複合アンテナ。
【請求項2】
前記第1のアンテナを形成する導体層の厚さを、前記第2の周波数帯の電流が流れる表皮深さより薄くしたことを特徴とする請求項1記載の複合アンテナ。
【請求項3】
前記第2のアンテナを形成する導体層の厚さを、前記第2の周波数帯の電流が流れる表皮深さ以上としたことを特徴とする請求項1記載の複合アンテナ。
【請求項4】
前記第1のアンテナをパッチアンテナとし、前記第2のアンテナをコイル状アンテナとしたことを特徴とする請求項1記載の複合アンテナ。
【請求項5】
前記第1のアンテナを第1の誘電体基板の片面に放射導体を設けるとともに前記第1の誘電体基板の他面に接地導体を設けてなるパッチアンテナとし、
前記第1のアンテナを形成する導体層を前記放射導体の層と前記接地導体の層とし、
前記第2のアンテナを第2の誘電体基板の片面にコイル状導体パターンを設けてなるコイル状アンテナとし、
前記第2のアンテナを形成する導体層を前記コイル状導体パターンの層とし、
前記誘電体からなる保持部を一方の面で前記パッチアンテナの接地導体を保持し他方の面で前記コイル状アンテナの前記コイル状導体パターンを保持する誘電体からなる保持部としたことを特徴とする請求項1記載の複合アンテナ。
【請求項6】
前記第1のアンテナを誘電体基板の片面に放射導体を設けるとともに前記誘電体基板の他面に接地導体を設けてなるパッチアンテナとし、
前記第1のアンテナを形成する導体層を前記放射導体の層と前記接地導体の層とし、
前記誘電体からなる保持部を前記パッチアンテナの放射利得が小さい外周に設けられた誘電体からなる保持部とし、
前記第2のアンテナを前記保持部の外周に導体を巻回してなるコイル状アンテナとし、
前記第2のアンテナを形成する導体層を前記コイル状アンテナの導体層としたことを特徴とする請求項1記載の複合アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−60382(P2007−60382A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244301(P2005−244301)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】