説明

複合分散液、その製造方法、及びそれから製造された物品

本発明は、複合分散液、それを製造する方法、及びそれから製造された物品である。本発明に従う複合分散液は、(1)(a)第1の内相;及び(b)外相を含む、第1のシード分散液、ならびに(2)第2の内相を含む;この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。第1の内相は、アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む。外相は水を含む。第2の内相は、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む。本発明に従う複合分散液を製造するためのプロセスは、(1)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、ポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相を選択する段階;(2)水を含む外相を選択する段階;(3)第1の疎水性材料を外相と接触させる段階;(4)それにより第1のシード分散液を製造する段階;(5)第1のシード分散液を、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、ポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相と接触させる段階;(6)それにより複合分散液を形成する段階を含み、この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。本発明に従う物品は、本発明の複合分散液を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年6月3日出願の米国特許仮出願第61/058,344号、標題「PRESSURE SENSITIVE ADHESIVE COMPOSITIONS AND METHOD OF MAKING THE SAME」からの優先権を主張する非仮出願であり、その教示は、本明細書下文において完全に再現されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、複合分散液、その製造方法、及びそれから製造された物品に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー分散液及び1以上のこのようなポリマー分散液のブレンドの、相異なる最終用途適用での使用は、一般に公知である。しかし、既存のポリマー分散液及びそのブレンドには、ある種の欠陥がある。一般に、水性ブレンド系の調製は、各々のブレンド成分が個別に水溶液、エマルジョン又は分散液として調製され、その後に前記成分を一緒に混合して配合製品を生じることを必要とする。このような要件により、配合物への配合剤の組込みレベルが限定される。結果として、各々の成分とともに水が導入され、各々の個々の成分の固形分濃度が非常に低い場合に、固形分濃度の低い配合製品が生じ得る。さらに、個々の成分を調製するために高レベルの界面活性剤が必要とされるならば、この高レベルの界面活性剤が配合製品に組み込まれ得る。しかし、望ましいのは、配合製品中の高い固形分濃度及び低い界面活性剤含量を維持しながら配合製品を製造することである。
【0004】
ポリマー分散液ブレンドの開発における研究努力に関わらず、高い固形分濃度及び低粘度などの改良された加工性特性を有する複合分散液に対する必要性が依然としてある。さらに、高い固形分濃度及び低粘度などの改良された加工性特性を有する複合分散液を製造する方法に対する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複合分散液、その製造方法、及びそれから製造された物品である。本発明に従う複合分散液は、(1)(a)第1の内相;及び(b)外相を含む、第1のシード分散液、ならびに(2)第2の内相を含み;この際、この複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、この複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。第1の内相は、アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む。外相は、水を含む。第2の内相は、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む。本発明に従う複合分散液を製造するための方法は、(1)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、ポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相を選択する段階;(2)水を含む外相を選択する段階;(3)第1の疎水性材料を外相と接触させる段階;(4)それにより第1のシード分散液を製造する段階;(5)第1のシード分散液を、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、ポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相と接触させる段階;(6)それにより複合分散液を形成する段階を含み、この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。本発明に従う物品は、本発明の複合分散液を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本発明は、(1)(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相;及び(b)水を含む外相、を含む第1のシード分散液、ならびに(2)アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相、を含む複合分散液を提供し;この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。
【0007】
代替実施形態では、本発明は、(1)(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相;及び(b)水を含む外相、を含む第1のシード分散液、ならびに(2)アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相、を含む複合分散液を提供し;この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する;但し、第1の内相がアルキドである場合、第2の内相はポリウレタンプレポリマーではない。
【0008】
代替実施形態では、本発明は、(1)(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相;及び(b)水を含む外相、を含む第1のシード分散液、ならびに(2)アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相、を含む複合分散液を提供し;この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する;但し、第1の内相がポリウレタンである場合、第2の内相はアルキドではない。
【0009】
代替実施形態では、本発明は、(1)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、ポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相を選択する段階;(2)水を含む外相を選択する段階;(3)第1の疎水性材料を外相と接触させる段階;(4)それにより第1のシード分散液を製造する段階;(5)第1のシード分散液を、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、ポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相と接触させる段階;(6)それにより複合分散液を形成する段階を含む、複合分散液を製造するための方法をさらに提供し、この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。
【0010】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、(1)(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相;及び(b)水を含む外相、を含む第1のシード分散液、ならびに(2)アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相、を含む複合分散液を含む物品をさらに提供し;この際、前記複合分散液は、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液は、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液は、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する。
【0011】
代替実施形態では、本発明は、アルキドが、1又はそれ以上の乾性油の存在下、1又はそれ以上のポリヒドロキシルアルコールと1又はそれ以上のポリカルボン酸の反応生成物を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0012】
代替実施形態では、本発明は、ポリヒドロキシルアルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル−ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,2−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、p−キシレンジオール、ヒドロキシピバル酸ヒドロキシピバリル、1,10−デカンジオール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、グリセロール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピオン酸などからなる群より選択されるグリコールであることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0013】
代替実施形態では、本発明は、ポリカルボン酸が、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸(azeleic acid)、セバシン酸、テレフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデカン二酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、グルタル酸、それらの無水物、及びそれらのエステルからなる群より選択されることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0014】
代替実施形態では、本発明は、1又はそれ以上の乾性油が、ココナッツ油、魚油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油、及びトール油からなる群より選択されることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0015】
代替実施形態では、本発明は、シリコーンがポリシロキサンポリマーであることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0016】
代替実施形態では、本発明は、ポリシロキサンポリマーが、R基が、メチル、フェニル、ポリエーテル、及びアルキルからなる群より選択される有機部分である、1又はそれ以上の[−Si(R)−O−]反復単位を含む主鎖を有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0017】
代替実施形態では、本発明は、ポリシロキサンポリマーが、線状、分枝状、又は架橋されていることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0018】
代替実施形態では、本発明は、ポリオレフィンが、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、そのホモポリマー、その共重合体、それらの組合せ、及びそれらのブレンドからなる群より選択されることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【0019】
代替実施形態では、本発明は、組成物が、反応性塗料、可剥性塗料、剥離塗料、防汚塗料、布用塗料、紙用塗料、金属用塗料、木材用塗料、バリヤー塗料、速乾性塗料、コンクリート用塗料、プラスチック用塗料、接着剤、シーラント、粘度調整剤、結合剤、滑沢剤などであることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う組成物、その製造方法、及びそれから製造された物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明を説明する目的で、例示的な形態を図面に示す;しかし、本発明が、示されている正確な配置及び手段に限定されないことは当然理解される。
【0021】
【図1】本発明の複合分散液を製造するための方法を示す概略図である。
【図2】複合分散液中の全疎水相の粘度と重量%の関係を示すグラフである。本発明の複合分散液は、(0.118*(全疎水相の重量%))−3.08に等しいかそれ未満のLog(粘度)を有する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、複合分散液、それを製造する方法、及びそれから製造された物品である。本発明に従う複合分散液は、(1)(a)第1の内相;及び(b)外相を含む、第1のシード分散液、ならびに(2)第2の内相を含む。
【0023】
シード分散液は、第1の内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して1000cP未満の範囲の粘度を有してもよい。別の方法では、シード分散液は、第1の内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して700cP未満の範囲の粘度を有してもよい。別の方法では、シード分散液は、第1の内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して500cP未満の範囲の粘度を有してもよい。別の方法では、シード分散液は、第1の内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して400cP未満の範囲の粘度を有してもよい。別の方法では、シード分散液は、第1の内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して100cP未満の範囲の粘度を有してもよい。シード分散液は、シード分散液の総重量に基づいて10〜65重量%の第1の内相を含んでもよい。別の方法では、シード分散液は、シード分散液の総重量に基づいて20〜50重量%の第1の内相を含んでもよい。別の方法では、シード分散液は、シード分散液の総重量に基づいて20〜45重量%の第1の内相を含んでもよい。別の方法では、シード分散液は、シード分散液の総重量に基づいて30〜50重量%の第1の内相を含んでもよい。別の方法では、シード分散液は、シード分散液の総重量に基づいて30〜45重量%の第1の内相を含んでもよい。シード分散液は、10未満の範囲の多分散性を有し得る。別の方法では、シード分散液は、5未満の範囲の多分散性を有し得る。別の方法では、シード分散液は、2未満の範囲の多分散性を有し得る。別の方法では、シード分散液は、1.5未満の範囲の多分散性を有し得る。
【0024】
第1の内相は、1又はそれ以上の疎水性材料、所望により1又はそれ以上の界面活性剤、所望により1又はそれ以上の鎖延長剤;及び所望により1又はそれ以上の溶媒を含む。第1の内相は、3μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第1の内相は、2μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第1の内相は、1μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第1の内相は、0.5μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも50重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも60重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも70重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも80重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも85重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも90重量%又はそれ以上を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、1又はそれ以上の疎水性材料を少なくとも95重量%又はそれ以上を含んでもよい。第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、20重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、15重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、10重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、5重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、50重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、40重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、30重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、20重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、10重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、5重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、第1の内相の総重量に基づいて、2重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第1の内相は、溶媒を全く含まなくてもよい。
【0025】
第2の内相は、1又はそれ以上の疎水性材料、所望により1又はそれ以上の界面活性剤、所望により1又はそれ以上の鎖延長剤;及び所望により1又はそれ以上の溶媒を含む。第2の内相は、50μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、40μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、30μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、20μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、10μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、5μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、2μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。別の方法では、第2の内相は、1μm未満の範囲のVMean(容積で測定した平均粒度)を有し得る。第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも50重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも70重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも80重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも85重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも90重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、少なくとも95重量%又はそれ以上の1又はそれ以上の疎水性材料を含んでもよい。第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、20重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、15重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、10重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、5重量%未満の1又はそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、50重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、40重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、30重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、20重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、10重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、5重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、第2の内相の総重量に基づいて、2重量%未満の1又はそれ以上の溶媒を含んでもよい。別の方法では、第2の内相は、溶媒を全く含まなくてもよい。
【0026】
第1の疎水性材料は、本明細書下文においてさらに詳しく記載されるように、アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択されてもよい。
【0027】
第2の疎水性材料は、本明細書下文においてさらに詳しく記載されるように、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択されてもよい。
【0028】
アルキド樹脂は、様々な乾性油及び半乾性油と様々な割合で化学的に合したポリヒドロキシルアルコールとポリカルボン酸のポリエステルである。ポリヒドロキシルアルコールとしては、限定されるものではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール及びマンニトールなどの成分を挙げることができる。
【0029】
適したグリコールとしては、限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル−ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,2−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、p−キシレンジオール、ヒドロキシピバル酸ヒドロキシピバリル、1,10−デカンジオール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピオン酸などが挙げられる。
【0030】
ポリカルボン酸としては、限定されるものではないが、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸(azeleic acid)、及びセバシン酸、テレフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデカン二酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、グルタル酸、ならびに、このような酸の無水物、及びそれらのエステル(存在する場合)のものを挙げることができる。
【0031】
乾性油としては、限定されるものではないが、ココナッツ油、魚油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油、及びトール油を挙げることができる。
【0032】
脂肪酸、脂肪酸エステル、又は天然に存在する部分的に鹸化した油と反応する一定量のポリオールに加えて、さらなる量のポリオール又はその他の分枝剤、例えばポリカルボン酸などを、アルキド樹脂の分子量及び分枝を増大させるために使用することができ、それらは、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、グリセリン、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピオン酸、及びトリメチロールプロパンからなる群より選択されてもよい。
【0033】
アルキドは、例えば、グリセロール、無水フタル酸及び乾性油の直接溶融により製造することができる。溶媒を添加して粘度を低下させてもよい。様々な割合のポリカルボン酸、多価アルコール、及び油を用いることにより、当分野で周知の通り、様々な特性のアルキド樹脂が得られる。
【0034】
シリコーンは、R基が任意の有機部分、例えばメチル、又はフェニル、又はポリエーテルであり得る、[−Si(R)−O−]反復単位からなる主鎖を含むポリシロキサンポリマーである。シリコーンは、シリコーン流体などのように線状であってもよいし、シリコーン樹脂などのように分枝状であってもよいし、シリコーンゴムなどのように架橋していてもよい。シリコーンは、一般に、Si−O−Si結合の周りの回転の容易さのために、Tが低いことを特徴とする。
【0035】
ポリオレフィンは、少なくとも1又はそれ以上のベースポリマーを含んでもよい。ベースポリマーは、例えば、エチレン系ポリマー、及びプロピレン系ポリマーからなる群より選択されるポリマーであってもよい。
【0036】
選択された実施形態では、ベースポリマーは、エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から形成される。特に、好ましい実施形態では、ベースポリマーは、1又はそれ以上の非極性ポリオレフィンを含む。
【0037】
その他の選択された実施形態では、オレフィンブロック共重合体、例えば、エチレンマルチブロック共重合体、例えば国際公開番号WO2005/090427号及び米国特許出願第11/376,835号に記載のものなどをベースポリマーとして使用してもよい。このようなオレフィンブロック共重合体は:
(a)1.7〜3.5のM/M、摂氏温度で表される少なくとも1つの融点T、及びグラム/立方センチメートルで表される密度dを有し、この際T及びdの数値が、次の関係:
>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
に相当するか;又は
(b)1.7〜3.5のM/Mを有し、J/gで表される融解熱ΔH、及び、最大DSCピークと最大CRYSTAFピークの温度差として定義され、摂氏温度で表されるデルタ量ΔTを特徴とし、この際ΔT及びΔHの数値が、次の関係:
0より大きく130J/gまでのΔHに対して、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81
130J/g以上のΔHに対して、ΔT≧48℃、
を有する(このCRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を用いて決定され、このポリマーの5%未満が特定可能なCRYSTAFピークを有する場合、このCRYSTAF温度は30℃である)か;又は
(c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定した、300%伸び及び1サイクルでの、%で表される弾性回復率Reを特徴とし、グラム/立方センチメートルで表される密度dを有し、この際Re及びdの数値が、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが実質的に架橋相を含まない場合に次の関係:
Re>1481−1629(d)
を満たすか;又は
(d)TREFを用いて分画した場合に40℃〜130℃の間で溶離する分子画分を有し、この画分が、同じ温度間で溶離する同程度のランダムエチレンインターポリマー画分のモルコモノマー含量よりも少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有することを特徴とし、この際、前記同程度のランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマー(1又は複数)を有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの10%以内のメルトインデックス、密度、及びモルコモノマー含量(全ポリマーに基づく)を有するか;又は
(e)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、及び100℃での貯蔵弾性率、G’(100℃)を有し、この際、G’(25℃)のG’(100℃)に対する比は、1:1〜9:1の範囲内である、エチレン/α−オレフィンインターポリマーであってもよい。
【0038】
このエチレン/α−オレフィンインターポリマーはまた、:
(a)TREFを用いて分画した場合に40℃〜130℃の間で溶離する分子画分を有し、この画分が、少なくとも0.5から約1までのブロックインデックス及び約1.3より大きい分子量分布M/Mを有することを特徴とするか;又は
(b)0より大きく約1.0までの平均ブロックインデックス及び約1.3より大きい分子量分布M/Mを有してもよい。
【0039】
代替実施形態では、ポリオレフィン類、例えばポリプロピレン、ポリエチレン及びその共重合体など、及びそれらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体をベースポリマーとして用いてもよい。一部の実施形態では、例示的なオレフィン系重合体としては、限定されるものではないが、Elstonに対して付与された米国特許第3,645,992号に記載される均一ポリマー;Andersonに対して付与された米国特許第4,076,698号に記載される高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分枝した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分枝した超低密度直鎖状ポリエチレン(ULDPE);均一に分枝した直鎖状エチレン/α−オレフィン共重合体;均一に分枝した実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンポリマー(例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,272,236号及び同第5,278,272号に開示される方法により調製することができる);ならびに、高圧フリーラジカル重合エチレンポリマー及び共重合体、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)などが挙げられる。
【0040】
その各々が参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,566,446号、同第6,538,070号、同第6,448,341号、同第6,316,549号、同第6,111,023号、同第5,869,575号、同第5,844,045号、又は同第5,677,383号に記載されるポリマー組成物も、ベースポリマーとして使用してもよい。当然、ポリマーのブレンドも同様に使用することができる。一部の実施形態では、ベースポリマーのブレンドには、2種類の異なるチーグラー・ナッタポリマーが含まれる。その他の実施形態では、ベースポリマーのブレンドには、チーグラー・ナッタ及びメタロセンポリマーのブレンドが含まれ得る。さらにその他の実施形態では、ベースポリマーブレンドは、2種類の異なるメタロセンポリマーのブレンドであってもよい。その他の実施形態では、シングルサイト触媒から製造したポリマーが使用されてもよい。さらに別の実施形態では、ブロック又はマルチブロック共重合体が使用されてもよい。このようなポリマーとしては、WO2005/090427号(2004年3月7日出願の米国特許第60/553,906号の優先権を有する)に記載され、特許請求されるポリマーが含まれる。
【0041】
一部の特定の実施形態では、ベースポリマーは、プロピレン系共重合体もしくはインターポリマーである。一部の実施形態では、プロピレン/エチレン共重合体もしくはインターポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有することを特徴とする。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」及び同様の用語は、その配列の13C NMRにより測定されるアイソタクチックトライアッド(mm)が約0.85より大きい、好ましくは約0.90より大きい、より好ましくは約0.92より大きい、最も好ましくは約0.93より大きいことを意味する。アイソタクチックトライアッドは当分野で周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号及びWO00/01745号に記載されており、それらは13C NMRスペクトルにより決定される共重合体分子鎖中のトライアッド単位に関してアイソタクチック配列に言及している。
【0042】
その他の特定の実施形態では、ベースポリマーは、エチレンビニルアセテート(EVA)系ポリマーであってもよい。その他の実施形態では、ベースポリマーは、エチレン−メチルアクリレート(EMA)系ポリマーであってもよい。その他の特定の実施形態では、エチレン−αオレフィン共重合体は、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン、又はエチレン−オクテン共重合体もしくはインターポリマーであってもよい。その他の特定の実施形態では、プロピレン−αオレフィン共重合体は、プロピレン−エチレン又はプロピレン−エチレン−ブテン共重合体もしくはインターポリマーであってもよい。
【0043】
ある種の実施形態では、ベースポリマーは、0.863〜0.911g/ccの間の密度、0.1〜1200g/10分、又は代替形態では0.1〜1000g/10分、別の代替形態では0.1〜100g/10分のメルトインデックス(重さ2.16kgで190℃)を有するエチレン−オクテン共重合体もしくはインターポリマーであり得る。その他の実施形態では、エチレン−オクテン共重合体は、0.863〜0.902g/cmの間の密度及び0.8〜35g/10分のメルトインデックス(2.16kg負荷下、190℃で測定)を有し得る。
【0044】
ある種の実施形態では、ベースポリマーは、5〜20重量%の間のエチレン含量及び0.5〜300g/10分のメルトフローレート(2.16kg負荷下、230℃で測定)を有するプロピレン−エチレン共重合体もしくはインターポリマーであり得る。その他の実施形態では、プロピレン−エチレン共重合体もしくはインターポリマーは、9〜12重量%の間のエチレン含量及び1〜100g/10分のメルトフローレート(2.16kg負荷下、230℃で測定)を有し得る。
【0045】
ある種のその他の実施形態では、ベースポリマーは、0.911〜0.925g/cmの間の密度及び0.1〜100g/10分のメルトインデックス(2.16kg負荷下、190℃で測定)を有する低密度ポリエチレンであり得る。
【0046】
その他の実施形態では、ベースポリマーは、50%未満の結晶化度を有し得る。例えば、ベースポリマーの結晶化度は、5〜35%であってもよい;又は代替形態では、結晶化度は7〜20%の範囲であってもよい。
【0047】
ある種のその他の実施形態では、ベースポリマーは、110℃未満の融点を有し得る。例えば、融点は、25〜100℃であってもよい;又は代替形態では、融点は、40〜85℃の間であってもよい。
【0048】
ある種の実施形態では、ベースポリマーは、20,000g/モルより大きい重量平均分子量を有し得る。例えば、重量平均分子量は、20,000〜150,000g/モルであってもよい;又は代替形態では、50,000〜100,000g/モルであってもよい。
【0049】
1又はそれ以上のベースポリマー、例えば、熱可塑性樹脂は、水性分散液の中に1重量%〜96重量%の量で含まれてもよい。例として、1又はそれ以上のベースポリマー、例えば、熱可塑性樹脂は、水性分散液中に10重量%〜70重量%、例えば20%〜50重量%の量で存在してもよい。
【0050】
ポリウレタン成分は、所望により鎖延長剤によって連鎖延長されている、ポリウレタンプレポリマーを含む。ポリウレタンプレポリマーは、実質的に有機溶媒を含まず、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を有する。そのようなウレタンプレポリマーは、本明細書において、さらにポリウレタンプレポリマー中の有機溶媒の含量が、第1のポリウレタンプレポリマーの総重量に基づいて10重量%又はそれ未満であるポリウレタンプレポリマーをさす。有機溶媒を除去する段階をなくすため、有機溶媒の含量は、例えば、第1のポリウレタンプレポリマーの総重量に基づいて5重量%又はそれ未満であってもよい;又は代替形態では、有機溶媒の含量は、第1のポリウレタンプレポリマーの総重量に基づいて1重量%又はそれ未満であってもよい;あるいは別の代替形態では、有機溶媒の含量は、ポリウレタンプレポリマーの総重量に基づいて0.1重量%又はそれ未満であってもよい。
【0051】
本発明で使用されるポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、例えば、1,000〜200,000の範囲内であってもよい。1,000〜200,000の全ての個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、かつ、本明細書において開示される;例えば、ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、2,000〜約20,000の範囲であってもよい。ポリウレタンプレポリマーには、少量のモノマーイソシアネートがさらに含まれてもよい。
【0052】
本発明で使用されるポリウレタンプレポリマーは、任意の従来公知の方法、例えば、溶液法、ホットメルト法、又はプレポリマー混合法により製造されてもよい。さらに、ポリウレタンプレポリマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物を反応させるためのプロセスを介して製造されてもよく、その例としては、1)ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を有機溶媒を使用せずに反応させるためのプロセス、及び2)ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を有機溶媒中で反応させ、その後に溶媒を除去するプロセスが挙げられる。
【0053】
例えば、ポリイソシアネート化合物は、活性水素含有化合物と、20℃〜120℃の範囲の温度で;又は代替形態では、30℃〜100℃の温度で、イソシアネート基の活性水素基に対する当量比が、例えば、1.1:1〜3:1で;又は代替形態では1.2:1〜2:1で、反応させてもよい。別の方法では、プレポリマーを過剰量のポリオールで調製し、それによりヒドロキシル末端ポリマーの製造を促進させてもよい。
【0054】
例えば、過剰なイソシアネート基を所望によりアミノシランと反応させ、それにより末端基をイソシアネート基以外の反応性基、例えばアルコキシシリル基などに変換してもよい。
【0055】
ポリウレタンプレポリマーは、重合可能なアクリル、スチレン、又はビニルモノマーを希釈剤としてさらに含んでもよく、それは次に開始剤を介するフリーラジカル重合により重合することができる。
【0056】
ポリイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3及び1,4−ビス(イソシアネートメチル)イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、それらの異性体、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。
【0057】
本発明で使用されるポリウレタンプレポリマーを製造するために使用される活性水素含有化合物としては、限定されるものではないが、例えば、比較的高分子量の化合物(以降、第1の高分子量化合物と称する)及び比較的低分子量の化合物(以降、第1の低分子量化合物と称する)が挙げられる。
【0058】
第1の高分子量化合物の数平均分子量は、例えば、300〜20,000の範囲内;又は代替形態では、500〜5,000の範囲内であってもよい。第1の低分子量化合物の数平均分子量は、例えば、300未満であってもよい。これらの活性水素含有化合物は、単独で使用してもよいし、又はそれらの2又はそれ以上の種類を組み合わせて用いてもよい。
【0059】
これらの活性水素含有化合物の中で、第1の高分子量化合物の例としては、限定されるものではないが、カプロラクトン系ポリエステルポリオール、種油系ポリエステルポリオール、いずれかのポリエステル/ポリエーテルハイブリッドポリオール、PTMEG系ポリエーテルポリオールを含む、脂肪族及び芳香族ポリエステルポリオール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン酸化物及びそれらの混合物に基づくポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール;ポリエステルアミドポリオール;ポリチオエーテルポリオール;ポリオレフィンポリオール、例えば飽和もしくは不飽和ポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。
【0060】
天然油系ポリオールは、再生可能な原料資源、例えば天然及び/又は遺伝子組換え(GMO)植物野菜の種油及び/又は動物起源脂肪などに基づくか、あるいは由来するポリオールである。このような油及び/又は脂肪は、一般にトリグリセリド、つまり、グリセロールと結合した脂肪酸からなる。好ましいものは、トリグリセリド中に少なくとも約70%の不飽和脂肪酸を有する植物油である。好ましくは、この天然物は、少なくとも約85重量%の不飽和脂肪酸を含む。好ましい植物油の例としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、オリーブ油、ピーナッツ油、菜種油、コーン油、胡麻油、綿実油、カノーラ油、ベニバナ油、亜麻仁油、パーム油、グレープシード油、黒キャラウェー油、パンプキンカーネル油、ルリヂサ種子油、木質系微生物(wood germ)油、アプリコットカーネル油、ピスタチオ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、アボカド油、シーバックソーン油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、月見草油、野生バラ油、アザミ油、胡桃油、ヒマワリ油、ジャトロファ種子油、又はそれらの組合せに由来するものが挙げられる。さらに、生物、例えば藻類などから得た油を用いてもよい。動物性の産物の例としては、ラード、牛脂、魚油及びそれらの混合物が挙げられる。植物系油脂及び動物系油脂の組合せを用いてもよい。
【0061】
いくつかの化学を用いて天然油系ポリオールを調製することができる。このような再生可能な資源の修飾としては、例えば、エポキシ化、水酸化、オゾン分解、エステル化、ヒドロホルミル化、又はアルコキシ化が挙げられる。このような修飾は、一般に当分野で公知であり、例えば、米国特許第4,534,907号、同第4,640,801号、同第6,107,433号、同第6,121,398号、同第6,897,283号、同第6,891,053号、同第6,962,636号、同第6,979,477号、ならびにPCT公報第WO2004/020497号、同第WO2004/096744号、及び同第WO2004/096882号に記載されている。
【0062】
天然油の修飾により、このようなポリオールを製造した後、修飾生成物をさらにアルコキシ化してもよい。エチレンオキシド(EO)又はEOとその他の酸化物とのの混合物を使用することにより、親水性部分をポリオールに導入する。一実施形態では、修飾生成物は十分なEOによってアルコキシ化されて、10重量%〜60重量%のEOを含む天然油系ポリオール;好ましくは20重量%〜40重量%のEOを含む天然油系ポリオールを製造する。
【0063】
もう一つの実施形態では、天然油系ポリオールは、動物もしくは植物油脂をエステル交換に供し、構成物質の脂肪酸を回収する多段階プロセスにより得られる。この段階の後に、構成物質の脂肪酸の炭素−炭素二重結合をヒドロホルミル化してヒドロキシメチル基を形成し、その後に、ヒドロキシメチル化された脂肪酸と適当な開始剤化合物の反応によりポリエステル又はポリエーテル/ポリエステルを形成する。そのような多段階プロセスは一般に当分野で公知であり、例えば、PCT公報第WO2004/096882号及び同第2004/096883号に記載されている。この多段階プロセスの結果、疎水性部分及び親水性部分の両方を有するポリオールが製造され、その結果、水系ポリオールと従来の石油系ポリオールの両方との混和性が増強される。
【0064】
天然油系ポリオールの製造のための多段階プロセスにおいて使用するための開始剤は、従来の石油系ポリオールの製造に使用されるいずれの開始剤であってもよい。好ましくは、開始剤は、ネオペンチルグリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;ペンタエリトリトール;ソルビトール;スクロース;グリセロール;ジエタノールアミン;アルカンジオール、例えば1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール;1,4−シクロヘキサンジオールなど;2,5−ヘキサンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール;ビス−3−アミノプロピルメチルアミン;エチレンジアミン;ジエチレントリアミン;9(1)−ヒドロキシメチルオクタデカノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,3−シクロヘキサンジメタノール;1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの混合物(UNOXOL(商標)−ジオール);8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デセン;ジメロールアルコール(Henkel Corporation社から入手可能な36炭素ジオール);水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール;1,2,6−ヘキサントリオール及びそれらの組合せからなる群より選択される。より好ましくは、開始剤は、グリセロール;エチレングリコール;1,2−プロピレングリコール;トリメチロールプロパン;エチレンジアミン;ペンタエリトリトール;ジエチレントリアミン;ソルビトール;スクロース;又は、その中に存在するアルコール又はアミン基の少なくとも1つがエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物と反応した前述のいずれか;及びそれらの組合せからなる群より選択される。より好ましくは、開始剤は、グリセロール、トリメチロプロパン、ペンタエリトリトール、スクロース、ソルビトール、及び/又はそれらの混合物である。
【0065】
一実施形態では、開始剤は、エチレンオキシド又はエチレンオキシドと少なくとも1種類のその他のアルキレン酸化物の混合物とアルコキシ化されて、分子量が200〜6000の間、好ましくは500〜3000のアルコキシ化された開始剤が得られる。
【0066】
少なくとも1種類のポリオール、例えば、天然油系ポリオールの官能価は、約1.5を上回り、一般に約6まで高くない。一実施形態では、少なくとも1種類のポリオール、例えば、天然油系ポリオールの官能価は、1.5〜3の範囲内である。一実施形態では、少なくとも1種類のポリオール、例えば、天然油系ポリオールの官能価は、1.5〜2.5の範囲内である。一実施形態では、少なくとも1種類のポリオール、例えば、天然油系ポリオールの官能価は、約2である。一実施形態では、官能価は約4より低い。少なくとも1種類のポリオール、例えば、天然油系ポリオールのヒドロキシル価は、約300mg KOH/gより低く、好ましくは50〜300の間、より好ましくは60〜200の間である。一実施形態では、ヒドロキシル価は約100より低い。
【0067】
天然油系ポリオール中の再生可能な原料のレベルは、10〜100%の間、通常10〜90%の間で変動し得る。
【0068】
天然油系ポリオールは、ポリオールブレンドの最大約90重量%を構成することができる。しかし、一実施形態では、天然油系ポリオールは、ポリオールブレンドの総重量の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%を構成することができる。天然油系ポリオールは、合したポリオールの総重量の40%又はそれ以上、50重量%又はそれ以上、60重量%又はそれ以上、75重量%又はそれ以上、85重量%又はそれ以上、90重量%又はそれ以上、あるいは95重量%又はそれ以上を構成することができる。
【0069】
2種類又はそれ以上の天然油系ポリオールの組合せを使用してもよい。
【0070】
25℃で測定される天然油系ポリオールの粘度は、一般に約6,000mPa.s未満である。好ましくは、粘度は、約5,000mPa.s未満である。
【0071】
ポリエステルポリオールとして、例えば、グリコールと酸の重縮合反応により得たポリエステルポリオールを用いてもよい。
【0072】
ポリエステルポリオールを得るために使用することのできるグリコールの例としては、限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの混合物(UNOXOL(商標)−ジオール)、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ヒドロキノン、及びそのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
【0073】
ポリエステルポリオールを得るために使用することのできる酸の例としては、限定されるものではないが、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、及びこれらのジカルボン酸の無水物もしくはエステル形成誘導体;ならびにp−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成誘導体が挙げられる。
【0074】
また、環状エステル化合物、例えばG−カプロラクトン、及びそのコポリエステルの開環重合反応により得られるポリエステルも使用してもよい。
【0075】
ポリエステルポリオールはまた、上述のジオール及びトリオールとヒドロキシ基含有脂肪酸メチルエステルのエステル交換によっても製造されてもよい。
【0076】
ポリエーテルポリオールの例としては、限定されるものではないが、少なくとも2個の活性水素原子を有する1又はそれ以上の種類の化合物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、スクロース、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタル酸、及び1,2,3−プロパントリチオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、及びテトラヒドロフランの中の1又はそれ以上の種類との重付加反応により得られる化合物が挙げられる。
【0077】
ポリカーボネートポリオールの例としては、限定されるものではないが、グリコール、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びジエチレングリコールと、ジフェニルカルボネート及びホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられる。
【0078】
活性水素含有化合物の中で、第1の低分子量化合物は、1分子当たり少なくとも2個の活性水素を有し、かつ、300未満の数平均分子量を有する化合物であり、その例としては、限定されるものではないが、ポリエステルポリオールの原材料として用いられるグリコール成分;ポリヒドロキシ化合物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、及びペンタエリトリトールなど;ならびにアミン化合物、例えば、エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヒドラジン(hydazine)、ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミンが挙げられる。
【0079】
ポリウレタンプレポリマーには、親水基がさらに含められてもよい。用語「親水基」は、本明細書において、アニオン性基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、又はリン酸基)、又はカチオン性基(例えば、第三級アミノ基、又は第四級アミノ基)、又は非イオン性親水基(例えば、エチレンオキシドの反復単位から構成される基、又はエチレンオキシドの反復単位と別のアルキレンオキシドの反復単位から構成される基)をさす。
【0080】
親水基の中で、エチレンオキシドの反復単位を有する非イオン性親水基は、例えば、最終的に得られるポリウレタンエマルジョンが、その他の種類のエマルジョンと優れた相溶性を有するので好ましい。カルボキシル基及び/又はスルホン酸基の導入は、粒径を細かくするのに有効である。
【0081】
イオン基とは、中和による水中自己分散性に寄与する親水性イオン基としての機能を果たす能力のある官能基をさし、凝集に対する処理の間のコロイド安定性;輸送、貯蔵及びその他の添加剤との配合の間の安定性をもたらす。これらの親水基はまた、用途特有の特性、例えば付着性などを導入することもでき得る。
【0082】
イオン基がアニオン性基である場合、中和に用いる中和剤としては、例えば、不揮発性塩基、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなど;ならびに揮発性塩基、例えば第三級アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン)などが挙げられ、アンモニアを使用してもよい。
【0083】
イオン基がカチオン性基である場合、有用な中和剤としては、例えば、無機酸、例えば塩酸、硫酸、及び硝酸など;ならびに有機酸、例えばギ酸及び酢酸などが挙げられる。
【0084】
中和は、イオン基を有する化合物の重合の前、最中、又は後に行ってもよい。あるいは、中和は、ポリウレタン重合反応の最中又は後に行ってもよい。
【0085】
ポリウレタンプレポリマー中に親水基を導入するため、1分子当たり少なくとも1個の活性水素原子を有し、かつ上記親水基も有する化合物を、活性水素含有化合物として用いてもよい。1分子当たり少なくとも1個の活性水素原子を有し、かつ上記親水基も有する化合物の例としては:
(1)スルホン酸基含有化合物、例えば2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、及び2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸、ならびにそれらの誘導体、又はそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオールなど;
(2)カルボン酸含有化合物、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、及び3,4−ジアミノ安息香酸、ならびにそれらの誘導体、又はそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオール;第三級アミノ基含有化合物、例えばメチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、及びアルキルジイソプロパノールアミン、ならびにそれらの誘導体、又はそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオールもしくはポリエーテルポリオールなど;
(3)上記第三級アミノ基含有化合物の反応生成物、又はそれらの誘導体、あるいは、それらを四級化剤、例えばメチルクロライド、メチルブロミド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ベンジルクロライド、ベンジルブロミド、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、エピクロロヒドリン、及びブロモブタンなどと共重合することにより得られるポリエステルポリオールもしくはポリエーテルポリオール;
(4)非イオン基含有化合物、例えばポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール(少なくとも30重量%のエチレンオキシド反復単位と少なくとも1個の活性水素をポリマー中に有し、また、300〜20,000の分子量を有する)、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール、及びそれらのモノアルキルエーテル、あるいはそれらを共重合することにより得られるポリエステル−ポリエーテルポリオールなど;ならびに
(5)それらの組合せ
が挙げられる。
【0086】
エポキシ樹脂とは、1分子当たり1又はそれ以上の隣接エポキシ基、つまり、1分子当たり少なくとも1つの1,2−エポキシ基を有する組成物をさす。一般に、このような化合物は、少なくとも1つの1,2−エポキシ基を有する、飽和もしくは不飽和脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式化合物である。このような化合物は、所望であれば、1又はそれ以上の非妨害性置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、エーテルラジカル、低級アルキルなどで置換することができる。
【0087】
例示的なエポキシ樹脂は、参照により本明細書に組み込まれる、McGraw−Hill,New Yorkにより1967年に出版された、H.E.Lee及びK.Nevilleによる「Handbook of Epoxy Resins」及び米国特許第4,066,628号に記載されている。
【0088】
本発明の実践に使用することのできる特に有用な化合物は、次式:
【化1】


(式中、nは、0又はそれ以上の平均値を有する)
を有するエポキシ樹脂である。
【0089】
本発明において有用なエポキシ樹脂としては、例えば、多価フェノール及び多価アルコールのグリシジルポリエーテルを挙げることができる。本発明の説明として、本発明において使用することのできる公知のエポキシ樹脂の例としては、例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、クレゾール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン−置換フェノール樹脂テトラメチルビフェノール、テトラメチル−テトラブロモビフェノール、テトラメチルトリブロモビフェノール、テトラクロロビスフェノールA及びそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0090】
特に本発明において有用なジエポキシドの例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテル(一般にビスフェノールAと称される)及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテル(一般にテトラブロモビスフェノールAと称される)が挙げられる。任意の2又はそれ以上のポリエポキシドの混合物も、本発明の実践に使用することができる。
【0091】
本発明の実践に使用することのできるその他のジエポキシドとしては、二価フェノールのジグリシジルエーテル、例えば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,246,751号;同第5,115,075号;同第5,089,588号;同第4,480,082号及び同第4,438,254号に記載されるものなど、又はジカルボン酸のジグリシジルエステル、例えば米国特許第5,171,820号に記載されるものなどが挙げられる。その他の適したジエポキシドとしては、例えば、αω−ジグリシジルオキシイソプロピリデン−ビスフェノール系エポキシ樹脂(The Dow Chemical Company,Midland,Michiganの製品であるD.E.R.(登録商標)300及び600シリーズのエポキシ樹脂として商業的に公知)が挙げられる。
【0092】
また、本発明の実践に使用することのできるエポキシ樹脂には、二価フェノールのジグリシジルエーテルと二価フェノールの反応によるか、又は二価フェノールとエピクロロヒドリンの反応のいずれかにより調製されるエポキシ樹脂(「タフィ−(taffy)樹脂」としても公知)が含まれる。
【0093】
例示的なエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA;4,4’−スルホニルジフェノール;4,4−オキシジフェノール;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;レゾルシノール;ヒドロキノン;9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン;4,4’−ジヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジヒドロキシ−α−メチルスチルベンのジグリシジルエーテル、及びジカルボン酸のジグリシジルエステルが挙げられる。
【0094】
本発明の実践に使用することのできるその他の有用なエポキシド化合物は、脂環式エポキシドである。脂環式エポキシドは、2つの隣接原子に結合したエポキシ酸素を炭素環中に有する飽和炭素環で構成され、例えば、次の一般式により説明される:
【化2】


(式中、Rは、所望により1又はそれ以上のヘテロ原子(例えば、それに限定されるものではないが、Cl、Br、及びSなど)、あるいは、炭素と安定した結合を形成する原子又は原子群(例えば、それに限定されるものではないが、Si、P及びB)を含む炭化水素基であり、nは、1より大きいか又は等しい)。
【0095】
脂環式エポキシドは、モノエポキシド、ジエポキシド、ポリエポキシド、又はそれらの混合物であってもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,686,359号に記載される脂環式エポキシドはいずれも本発明において使用することができる。説明として、本発明において使用することのできる脂環式エポキシドとしては、例えば、(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル)−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド及びそれらの混合物が挙げられる。
【0096】
エマルジョンポリマーは、スチレン/アクリル、アクリル、ビニルアクリル、酢酸ビニル/エチレン、スチレン/ブタジエンからなる群より選択されてもよい。
【0097】
適した(メタ)アクリレートの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート及びイソオクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレートならびに2−ヒドロキシエチルアクリレート及びアクリルアミドが挙げられる。好ましい(メタ)アクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、メチルメタクリレート及びブチルメタクリレートである。その他の適したモノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸エステルモノマーを含む低級アルキルアクリレート及びメタクリレート:メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、フェニルメタクリレートが挙げられる。
【0098】
(メタ)アクリレートに分類されることもある、適した非エステルモノマーは、ニトリルである。好ましいニトリルモノマーは、アクリロニトリルである。
【0099】
本発明のこれらの共重合体において有用なその他のモノマーとしては、ビニル芳香族モノマー、脂肪族共役ジエンモノマー、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、酢酸ビニルモノマー、ハロゲン化ビニリデンモノマー及びハロゲン化ビニルモノマーが挙げられる。一部のその他の望ましい本発明での使用に適した共重合体では、重合混合物中のモノマーには、1〜40重量%の1又はそれ以上の(メタ)アクリレートモノマーが含まれる。
【0100】
本明細書において、「ビニル芳香族モノマー」とは、少なくとも1つの芳香環、及びビニル不飽和を有する少なくとも1つの脂肪族含有部分を含有する任意の有機化合物をさす。説明となるビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、p−メチルスチレン、メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o,p−ジエチルスチレン、p−クロロスチレン、イソプロピルスチレン、t−ブチルスチレン、o−メチル−p−イソプロピルスチレン、o,p−ジクロロスチレン、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいビニル芳香族モノマーは、スチレン及びビニルトルエンであり;その商業的な入手可能性及び低価格であるという理由から、スチレンがより好ましいビニル芳香族モノマーである。
【0101】
用語「共役ジエンモノマー」は、本明細書において、化合物、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、及び4−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン(1,3−ペンタジエン)、及び1,3−ブタジエンのその他の炭化水素類似体を含むことを意味する。好ましいアルカジエンモノマーは、1,3−ブタジエンである。脂肪族共役ジエンとして含められるその他のモノマーは、ハロゲン化化合物、例えば、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどである。
【0102】
ビニル基のモノマー、例えば、「ハロゲン化ビニリデン」及び「ハロゲン化ビニル」は、本発明の共重合体に含めるのに適し、それには、例えば、塩化ビニリデン及び塩化ビニルが挙げられ、非常に好ましい。ビニリデンブロミド及び臭化ビニルを用いることもできる。ビニル基に含まれる別のビニルモノマーは、酢酸ビニルである。
【0103】
適したα,β−エチレン性不飽和脂肪族カルボン酸モノマーは、モノエチレン性不飽和モノカルボン酸、少なくとも1つのカルボキシル基にエチレン性不飽和α−βを有するジカルボン酸及びトリカルボン酸、ならびに、より多い数のカルボキシル基を有する同類のモノマーである。カルボキシル基が、酸又は塩形態で存在してもよいこと(Mがカチオンである−COOM、例えばアンモニウム、水素又は金属(例えば、ナトリウム又はカリウムなど))かつ、周知の簡単な手順により容易に相互転換できることは、当然理解される。
【0104】
α,β−エチレン性不飽和脂肪族カルボン酸の具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、アコニット酸、様々なα−置換アクリル酸、例えばα−エタクリル酸、α−プロピルアクリル酸及びα−ブチルアクリル酸である。非常に好ましい酸モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。
【0105】
代替実施形態では、共重合体中のα,β−エチレン性不飽和脂肪族カルボン酸モノマーの含量は、望ましくは0〜4重量%の範囲内、より好ましくは0.2〜3重量%、さらにより好ましくは0.3〜2重量%の範囲内である。
【0106】
利用される共重合体が(メタ)アクリレート共重合体に分類されないその他の実施形態は、本発明の範囲内である。利用することのできるその他の共重合体の種類としては、例えば、ビニル芳香族モノマーと(メタ)アクリレートモノマーの組合せ、例えば、スチレンアクリレートなど、及び、ビニル芳香族モノマーと共役ジエンモノマーの組合せ、例えば、スチレンブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの共重合体は、カルボキシル化されていなくても、カルボキシル化されていてもよい。
【0107】
共重合体は、望ましくは、例えば、モノマー配合剤、水、及び界面活性剤(用いる場合)を反応容器に充填し、その反応容器を不活性ガス、例えば、窒素などでパージして、本質的に全ての酸素を反応容器から除去し、かつ、反応容器を反応温度、通常80°〜100℃に加熱することにより作成される。反応容器が所望の反応温度に達すると、次に、開始剤を反応容器に添加し、反応を2〜4時間継続する。反応が完了した後、反応容器を冷却する。この合成により、共重合体を水中に含む水性共重合体組成物が得られる。ある場合では、組成物は乳濁した液体の外見を有し、一方別の場合ではそれは透明な溶液のように見える。
【0108】
アニオン性、非イオン性、及び両性の表面活性化合物、つまり、界面活性剤を共重合体合成プロセスに用いてもよい。しかし、場合によっては、界面活性剤は必要でない。例示的なアニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤は、それぞれ、Rhone−Poulencより入手可能なSIPONATE A246Lブランドの界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノール界面活性剤、及びN,N−ビス−カルボキシエチルラウラミンである。別の有用な界面活性剤は、ドデシル化スルホン化フェニルエーテルのナトリウム塩である、DOWFAX 2EPであり、The Dow Chemical Company,Midland,Mich.48640,U.S.A.より入手可能である。
【0109】
ポリエステルは、芳香族、脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−もしくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸又は1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタン(所望によりモノカルボン酸、例えばピバル酸を含む)の、脂肪族もしくは脂環式グリコール、1又はそれ以上のグリコール、特に脂肪族グリコール、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールとの重縮合反応生成物を包含する。これらの物質はまた、遊離酸官能基を含んでもよく、それは塩基によって、好ましくはアンモニア又はアミンによって中和することができ、またアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物によっても中和することができる。酸性基の中和は、強い極性の塩基を形成し、次に、ポリエステルを水に分散させてもよい。
【0110】
1又はそれ以上の界面活性剤は、第2の内相に含められるか、又はシード分散液に添加されてもよい。界面活性剤は、アニオン性、イオン性、カチオン性、又は双性イオン性であるか、あるいは、非イオン性とカチオン性、アニオン性又は双性イオン性の混合物であってもよい。好ましいものは、非イオン性及び陰イオン性界面活性剤である。陽イオン性界面活性剤、例えばアンモニウム塩を使用することもできる。
【0111】
陰イオン性界面活性剤の例は、スルホン酸塩、リン酸塩及びカルボン酸塩の金属もしくはアンモニア塩である。適した界面活性剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなど、脂肪酸硫酸塩のアルカリ金属塩、例えばラウリル硫酸ナトリウムなど、アルキルベンゼンスルホン及びアルキルナフタレンスルホンのアルカリ金属塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど;ジアルキル−スルホスクシネートのアルカリ金属塩;硫酸化アルキルフェノールエトキシレートのアルカリ金属塩、例えばオクチルフェノキシポリエトキシエタ−イル(octylphenoxypolyethoxyeth-yl)硫酸ナトリウムなど;ポリエトキシアルコールスルフェートのアルカリ金属塩及びポリエトキシアルキルフェノールスルフェートのアルカリ金属塩、金属スルホスクシネート、例えば、ジオクチルナトリウムスルホスクシネートなど、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールドデシルエーテル二ナトリウム塩を含むスルホコハク酸−4−エステル、アルキル二スルホン化ジフェニルオキシド二ナトリウム塩、例えば、モノ−及びジアルキル二スルホン化ジフェニルオキシド、二ナトリウム塩など、ジヘキシルナトリウムスルホスクシネート、ポリオキシ−1,2−エタンジイル−α−トリデシル−ω−ヒドロキシホスフェート、ならびにアルキルエーテルスルフェートナトリウム塩が挙げられる。
【0112】
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール脂肪酸モノ−及びジエステル(例えば、PEG−8ラウレート、PEG−10オレエート、PEG−8ジオレエート、及びPEG−12ジステアレートなど);ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG−40グリセリルラウレート及びPEG−20グリセリルステアレートなど);アルコール−油エステル交換生成物(例えば、PEG−35ヒマシ油、PEG−25トリオレエート、及びPEG−60トウモロコシグリセリドなど);ポリグリセリド化脂肪酸(例えば、ポリグリセリル−2−オレエート及びポリグリセリル−10トリオレエートなど);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールモノラウレートなど);モノ−及びジグリセリド(例えば、グリセリルモノオレエート及びグリセリルラウレートなど);ステロール及びステロール誘導体(例えば、コレステロールなど);ソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウレート及びPEG−20ソルビタンモノラウレートなど);ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、PEG−3オレイルエーテル及びPEG−20ステアリルエーテルなど);糖エステル(例えば、スクロースモノパルミテート及びスクロースモノラウレートなど);ポリエチレングリコールアルキルフェノール(例えば、PEG−10−100ノニルフェノール、及びPEG−15−100オクチルフェノールエーテルなど);ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(例えば、Poloxamer108及びPoloxamer182など);低級アルコール脂肪酸エステル(例えば、エチルオレエート(ethyl oleatea)及びイソプロピルミリステートなど);フェノールのエチレンオキシド付加物、例えば、ノニルフェノールなど、ならびに任意のそれらの組合せが挙げられる。
【0113】
さらに、乳化性の非イオン性基、カチオン性基、又はアニオン性基を含めることにより疎水相が自己乳化している場合、外部界面活性剤は必要であってもなくてもよい。
【0114】
非イオン性界面活性剤のさらなる例としては、ポリエチレングリコール脂肪酸モノ−及びジエステル(例えば、PEG−8ラウレート、PEG−10オレエート、PEG−8ジオレエート、及びPEG−12ジステアレートなど);ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG−40グリセリルラウレート及びPEG−20グリセリルステアレートなど);アルコール−油エステル交換生成物(例えば、PEG−35ヒマシ油、PEG−25トリオレエート、及びPEG−60トウモロコシグリセリドなど);ポリグリセリド化脂肪酸(例えば、ポリグリセリル−2−オレエート及びポリグリセリル−10トリオレエートなど);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールモノラウレートなど);モノ−及びジグリセリド(例えば、グリセリルモノオレエート及びグリセリルラウレートなど);ステロール及びステロール誘導体(例えば、コレステロールなど);ソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウレート及びPEG−20ソルビタンモノラウレートなど);ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、PEG−3オレイルエーテル及びPEG−20ステアリルエーテルなど);糖エステル(例えば、スクロースモノパルミテート及びスクロースモノラウレートなど);ポリエチレングリコールアルキルフェノール(例えば、PEG−10−100ノニルフェノール、及びPEG−15−100オクチルフェノールエーテルなど);ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(例えば、Poloxamer108及びPoloxamer182など);低級アルコール脂肪酸エステル(例えば、エチルオレエート(ethyl oleatea)及びイソプロピルミリステートなど);ならびに任意のそれらの組合せが挙げられる。
【0115】
適したイオン性界面活性剤のさらなる例としては、脂肪酸塩(例えば、ナトリウムラウレート及びナトリウムラウリルスカルコシネート(scarcosinate)など);胆汁酸塩(例えば、コール酸ナトリウム及びタウロコール酸ナトリウムなど);リン酸エステル(例えば、ジエタノールアンモニウムポリオキシエチレン−10オレイルエーテルホスフェートなど);カルボキシレート(例えば、エーテルカルボキシレートならびにモノ及びジグリセリドのクエン酸エステルなど);アシルラクチレート(例えば、脂肪酸のラクチル酸エステル、及びプロピレングリコールアジナート(aginate)など);スルフェート及びスルホネート(例えば、エトキシル化アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホン、及びアシルタウレートなど);アルキル、アリール、及びアルキル−アリールスルホネート及びホスフェート;ならびに任意のそれらの組合せが挙げられる。
【0116】
ある種の実施形態では、界面活性剤、つまり、安定化剤は、コモノマー又はグラフト化モノマーのいずれかとして極性基を有する極性ポリマーであってもよい。例示的な実施形態では、安定化剤は、コモノマー又はグラフト化モノマーのいずれかとして極性基を有する、1又はそれ以上の極性ポリオレフィンを含む。例示的なポリマー安定化剤としては、限定されるものではないが、エチレン−アクリル酸(EAA)及びエチレン−メタクリル酸共重合体、例えば、The Dow Chemical Companyより市販されている、PRIMACOR(商標)という商標名で入手可能なもの、E.I.DuPont de Nemoursより市販されている、NUCREL(商標)、及び、ExxonMobil Chemical Companyより市販されている、ESCOR(商標)が挙げられ、米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号、及び同第5,938,437号に記載されている(その各々は参照によりその全文が本明細書に組み込まれる)。その他の例示的なポリマー安定化剤としては、限定されるものではないが、エチレンエチルアクリレート(EEA)共重合体、エチレンメチルメタクリレート(EMMA)、及びエチレンブチルアクリレート(EBA)が挙げられる。その他のエチレン−カルボン酸共重合体を使用してもよい。当業者は、多数のその他の有用なポリマーを使用してもよいことを認識するであろう。
【0117】
使用してもよいその他の安定化剤としては、限定されるものではないが、12〜60個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸又は脂肪酸塩が挙げられる。その他の実施形態では、長鎖脂肪酸又は脂肪酸塩は、12〜40個の炭素原子を有してもよい。
【0118】
ポリマーの極性基が本来酸性又は塩基性である場合、ポリマー安定化剤を、中和剤で部分的に又は完全に中和して対応する塩を形成してもよい。ある種の実施形態では、安定化剤、例えば、長鎖脂肪酸又はEAAなどの中和は、モルベースで25〜200%であってもよい;又は代替形態では、それはモルベースで50〜110%であってもよい。例えば、EAAに関して、中和剤は、塩基、例えば、例として水酸化アンモニウム又は水酸化カリウムなどであってもよい。その他の中和剤には、例として水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムが含まれてもよい。別の代替形態では、中和剤は、例えば、任意のアミン、例えば、モノエタノールアミン、又は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)などであってもよい。当業者であれば、適当な中和剤の選択が、処方する具体的な組成物に依存すること、かつ、そのような選択が当業者の知識の範囲内であることを認識するであろう。
【0119】
製造において、シード分散液を含む連続水相を含む第1の流れを第1の導管に流し、第2の導管を流れる第2の疎水相の第2の流れと連続的に合流させる。第1の流れと第2の流れは、安定化量の界面活性剤の存在下で分散機に合流する。界面活性剤は、第1又は第2の流れのいずれかに添加してもよいし、別個の第3の流れとしてもよいが、第2の疎水相を含有する流れに添加されることが好ましい。所望により水を含む第3の流れは、分散機で最初の2つの流れ及び界面活性剤と合流させる。流れの流速を調節して、所望の量の第1の疎水相と第2の疎水相及び固形分を有する複合分散液を実現する。分散機は、多数の連続ミキサー、例えば、IKA高剪断ミキサー、遠心ポンプ、又はOakesローターステーターミキサーなどのいずれか1つであってもよい。分散機のrpm設定を用いて、複合分散液中の第2の疎水相の粒径の制御に役立ててもよい。一実施形態では、押出機を用いてポリオレフィン分散液シードの製造を促進してもよい。
【0120】
代替製造において、(1)(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相;及び(b)水を含む外相を含む第1のシード分散液、(2)所望により界面活性剤、及び(3)所望により水、を含む第1の流れを、ミキサー、例えばOAKSミキサー又はIKAミキサー、あるいは、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2006年12月19日出願の米国特許出願第60/875,657号に開示されるミキサーに流入させ、一方、(1)アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相を含む第2の流れをこのミキサーに流入させる。第1の流れ及び第2の流れを、所望により鎖延長剤、希釈水、及び/又はそれらの組合せの存在下で一緒に合流させる。第2の流れは、高剪断速度の混合によって第1の流れの中で乳化し、それにより本発明の複合分散液が形成される。
実施例
【0121】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
シード分散液1−11
【0122】
シード分散液1は、51.72重量%のポリウレタン油相、1.08重量%のRhodacal LDS−22(ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート)、47.19重量%の水を含むポリウレタンシードである。
【0123】
ポリウレタン油相は、86重量%のAcclaim(商標)8200(ポリオール)、2重量%のCarbowax(商標)E1000(ポリエチレンオキシド)、1.5重量%のTegomer(商標)3403(ポリエーテル1,3ジオール)、0.25重量%のIrganox(商標)245(フェノール性抗酸化剤)、0.8重量%のジプロピレングリコール、9.45重量%のイソホロンジイソシアネートから構成された。配合剤を一緒に混合し、80℃のオーブン内で6時間反応させた後、それをポリウレタン油相として使用するために室温(25℃)まで冷却した。シード分散液1のVmeanは0.49μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.82μm、多分散性(Dv/Dn)は1.38、固形分は52.81%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約5400cPであった。
【0124】
シード分散液2は、The Dow Chemical CompanyよりUCAR626の商標名で得られるエマルジョンポリマーシードである。内相は、アクリル系ポリマーである。シード分散液2のVmeanは、0.13μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.21μm、多分散性(Dv/Dn)は1.51、固形分は50%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約60cPである。
【0125】
シード分散液3は、30.07重量%のVersify(商標)4301(プロピレン−エチレン共重合体)、1.92重量%のUnicid(商標)350(C24−C29脂肪酸)、68.01重量%の水を含むポリオレフィンシード分散液である。シード分散液3のVmeanは、0.594μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.984μm、多分散性(Dv/Dn)は1.45、固形分は31.99%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約110cPである。
【0126】
シード分散液4は、The Dow Chemical Companyより得られるエポキシシードであり、内相はビスフェノールAとM700〜1100のエポキシ樹脂の反応生成物である。シード分散液4のVmeanは、0.441μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.606μm、多分散性(Dv/Dn)は1.18、固形分は46.38%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約4400cPである。
【0127】
シード分散液5は、11.3重量%のFine Tone T−RM−70(低分子量ビスフェノール(biosphenol)−A系ポリエステル)、1.56重量%のRhodapex CO−436(アンモニウムノニルフェノールエーテルスルフェート)、5.54重量%のトルエン、及び81.6重量%の水を含むポリエステルシードである。シード分散液5のVmeanは、0.380μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.501μm、多分散性(Dv/Dn)は1.11、固形分は18.4%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約10cPである。
【0128】
シード分散液6は、44.19重量%のDeltech(商標)300−70M(長油大豆系アルキド)、2−ジメチルアミノエタノールで中和した3.83重量%のオレイン酸、51.98重量%の水を含むアルキドシードである。シード分散液6のVmeanは、0.355μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.464μm、多分散性(Dv/Dn)は1.13、固形分は48.02%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約950cPである。
【0129】
シード分散液7は、51.99重量%のDC5562(ビス−ヒドロキシエトキシプロピルジメチコン)、2.00重量%のBrij(商標)56(セテス−10)、1.00重量%のBrij(商標)30(ラウレス−4)、45.01重量%の水を含むシリコーンシードである。シード分散液7のVmeanは、0.381μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.597μm、多分散性(Dv/Dn)は3.6、固形分は54.97%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約350cPである。
【0130】
シード分散液8は、46.8重量%のDC 200 350cS(ポリジメチルシロキサン)、1.5重量%のBrij(商標)35、1.5重量%のBrij(商標)30(ラウレス−4)、50.2重量%の水を含むシリコーンシードである。シード分散液8のVmeanは、1.564μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約2.964μm、多分散性(Dv/Dn)は12.8、固形分は49.8%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約300cPである。
【0131】
シード分散液9は、66.99重量%のDeltech(商標)300−70M(長油大豆系アルキド)、2.08重量%のTergitol(商標);15−s−30、30.93重量%の水を含むアルキドシードである。シード分散液9のVmeanは、3.98μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約14.41μm、多分散性(Dv/Dn)は57、固形分は69.07%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約125cPである。
【0132】
シード分散液10は、The Dow Chemical CompanyからUCAR(商標)169の商標名で得られるエマルジョンポリマーシードである。内相は、高アクリル酸の(high acrylate)、ビニルアクリル共重合体である。シード分散液10のVmeanは、0.373μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.458μm、多分散性(Dv/Dn)は1.09、固形分は55%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約90cPである。
【0133】
シード分散液11は、49.14重量%のAffinity(商標)GA1900(プロピレン−エチレン共重合体)、1.70重量%のDowfax(商標)2A1(アルキルジフェニルオキシドジスルホネート)、1.05重量%のPoloxamer(商標)F108(エチレンオキシドプロピレンオキシドブロック共重合体)、及び48.11重量%の水を含むポリオレフィンシードである。シード分散液11のVmeanは、0.634μm、90番目のパーセンタイル粒径の直径は約0.920μm、多分散性(Dv/Dn)は1.36、固形分は51.89%、RV4スピンドルによって20rpmで測定した粘度は約125cPである。
【0134】
本発明の複合分散液1〜5
本発明の複合分散液(ICD)1〜5は、600rpmで回転する直径4”のOakes社製ローターステーターミキサーによって調製した。DC200 350cS(ジメチコン)ベースの(base)疎水相をギアポンプで注入し、シード分散液をモデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。50重量%のBrij(商標)30(ラウレス−4)、50重量%のBrij(商標)35(ラウレス−23)を含む界面活性剤流を、熱追跡(heat traced)(60℃)モデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。一部のサンプルに関して複合分散液をより低い固形分%に希釈するために必要とされ得る水を、シンプレックスピストンポンプによって注入した。運転条件を表Iに報告し、配合物の成分を表IIに報告し、本発明の複合分散液(ICD)1〜5の評価特性を表IIIに報告する。
【表1】

【表2】

【表3】

【0135】
本発明の複合分散液6〜10
本発明の複合分散液(ICD)6〜10は、1300rpmで回転する直径2”のOakes社製ローターステーターミキサーによって調製した。Deltech(商標)440−50M(完全大豆アルキド、TTR−266Dに対応、タイプIV)ベースの疎水相を、加熱タンクから約80℃の加熱ラインを通じてギアポンプによって注入し、シード分散液を、モデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。オレイン酸を、モデル260 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。2−ジメチルアミノエタノール(DMEA)の25重量%溶液を、モデル500 D Isco社製ピストンシリンジによって注入して、アルキド油相のための界面活性剤を形成し、一部のサンプルに関して混成物をより低い固形分%に希釈するために必要とされ得る脱イオン水をモデル500 D Isco社製シリンジポンプで注入した。運転条件を表IVに報告し、配合物の成分を表Vに報告し、本発明の複合分散液(ICD)6〜10の評価特性を表VIに報告する。
【表4】

【表5】

【表6】

【0136】
本発明の複合分散液11〜13
本発明の複合分散液(ICD)11〜13は、750rpmで回転する直径4”のOakes社製ローターステーターミキサーによって調製した。Finetone(商標)T−RM−70ポリエステルベースの疎水相を、Nordson社製Versablue25ホットメルターによって90℃にてポンプ注入した。シード分散液を、モデル500 D Isco社製シリンジポンプによってポンプ注入し、Dowfax(商標)2A1(アルキルジフェニルオキシドジスルホネート)の水中45%溶液を含む界面活性剤流を、モデル260 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。2−ジメチルアミノエタノール(DMEA)の25重量%溶液及び、一部のサンプルに関して混成物をより低い固形分%に希釈するために必要とされ得る脱イオン水を、HPLCポンプによって注入した。運転条件を表VIIに報告し、配合物の成分を表VIIIに報告し、本発明の複合分散液(ICD)11〜13の評価特性を表IXに報告する。
【表7】

【表8】

【表9】

【0137】
本発明の複合分散液14〜25
本発明の複合分散液(ICD)14〜25は、800rpmで回転する直径4”のOakes社製ローターステーターミキサーによって調製した。99.5% D.E.R.331液状エポキシ樹脂及び0.5% Poloxamer F108(エチレンオキシドプロピレンオキシドブロック共重合体)からなる疎水相を、ギアポンプによって注入し、シード分散液を、モデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。エアロゾル(商標)OT−75(ナトリウムジオクチルスルホスクシネートの水及びエタノール中75%溶液)を、モデル260 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。一部のサンプルに関して混成物をより低い固形分%に希釈するために必要とされる脱イオン水を、HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)ポンプでポンプ注入した。運転条件を表Xに報告し、配合物の成分を表XIに報告し、本発明の複合分散液(ICD)14〜25の評価特性を表XIIに報告する。
【表10】

【表11】

【表12】

【0138】
本発明の複合分散液26〜27
本発明の複合分散液(ICD)26〜27は、1300rpmで回転する直径2”のOakes社製ローターステーターミキサーによって調製した。ベースの疎水相は、97重量%のDeltech(商標)300−70M(長油大豆系アルキド)、3重量%のTergitol(商標)15−s−30(第2級アルコールエトキシレート)を含み、それを加熱タンクから50℃の加熱ラインを通じてギアポンプによって注入した。シード分散液を、モデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入し、一部のサンプルに関して複合分散液をより低い固形分%に希釈するために必要とされ得る脱イオン水を、モデル500 D Isco社製シリンジポンプによって注入した。運転条件を表XIIIに報告し、配合物の成分を表XIVに報告し、本発明の複合分散液(ICD)26〜27の評価特性を表XVに報告する。
【表13】

【表14】

【表15】

【0139】
試験法
試験法には、以下が含まれる。
【0140】
粘度は次の手順に従って測定した。分散液の粘度は、RVスピンドル、主に20rpmでのRV4スピンドルを備えたブルックフィールドDVII+粘度計によって測定した。粘度の高いサンプルほど、より小さいスピンドル(例えばRV7)又はより低いrpm設定点を用いた。
【0141】
粒度分布は、Coulter Corp社より入手可能なCoulter LS230レーザー光散乱粒度測定装置によって測定した。二峰性分布のサイズ比は、直径の小さい粒子集団(P1)の最高値の粒径で除算した、直径の大きい粒子集団(P2)の最高値の粒径として定義される。
【0142】
本発明は、その精神及び本質的な特性から逸脱することなくその他の形態に具体化することができる、したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書よりも添付される特許請求の範囲が参照されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、及びポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相と;
(b)水を含む外相と
を含む、第1のシード分散液と;
第2の疎水性材料を含み、前記第2の疎水性材料が、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、及びポリエステルからなる群より選択される、第2の内相とを含む、複合分散液であって;
前記複合分散液が、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ前記複合分散液が、全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液が、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する、複合分散液。
【請求項2】
アルキド、シリコーン、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ、エマルジョンポリマー、ポリエステルからなる群より選択される第1の疎水性材料を含む第1の内相を選択する段階と;
水を含む外相を選択する段階と;
前記第1の疎水性材料を前記外相と接触させる段階と;
それにより第1のシード分散液を製造する段階と;
前記第1のシード分散液を、アルキド、シリコーン、ポリウレタンプレポリマー、エポキシ、ポリエステルからなる群より選択される第2の疎水性材料を含む第2の内相と接触させる段階と;
それにより前記複合分散液を形成する段階と;
を含む、複合分散液を製造するための方法であって、
前記複合分散液が、第1の内相及び第2の内相を総合重量で60%より多くを含み、かつ、前記複合分散液が全内相が60重量%超でRV4スピンドルにより20rpmで測定して10,000cP未満の粘度を有し、かつ、前記複合分散液が、二峰性の粒度分布及び2〜200の範囲の粒径比(P2/P1)を有する、複合分散液を製造するためのプロセス。
【請求項3】
前記アルキドが、乾性油の存在下、1以上のポリヒドロキシルアルコール及び1以上のポリカルボン酸の反応生成物を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項4】
前記ポリヒドロキシルアルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル−ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,2−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、p−キシレンジオール、ヒドロキシピバル酸ヒドロキシピバリル、1,10−デカンジオール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、グリセロール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピオン酸などからなる群より選択されるグリコールである、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項5】
前記ポリカルボン酸が、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸(azeleic acid)、セバシン酸、テレフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデカン二酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、グルタル酸、それらの無水物、及びそれらのエステルからなる群より選択される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項6】
前記乾性油が、ココナッツ油、魚油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油、及びトール油からなる群より選択される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項7】
前記シリコーンが、ポリシロキサンポリマーである、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項8】
前記ポリシロキサンポリマーが、R基がメチル、フェニル、ポリエーテル、及びアルキルからなる群より選択される有機部分である、1以上の[−Si(R)−O−]反復単位を含む主鎖を有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項9】
前記ポリシロキサンポリマーが、線状、分枝状、又は架橋されている、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、そのホモポリマー、その共重合体、それらの組合せ、及びそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。
【請求項11】
前記組成物が、反応性塗料、可剥性塗料、剥離塗料、防汚塗料、布用塗料、紙用塗料、金属用塗料、木材用塗料、バリヤー塗料、速乾性塗料、コンクリート用塗料、プラスチック用塗料、接着剤、シーラント、粘度調整剤、結合剤、滑沢剤などである、請求項1又は2のいずれか一項に記載の複合分散液。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−522105(P2011−522105A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512530(P2011−512530)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/045279
【国際公開番号】WO2009/148902
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】