説明

複合式火災警報器

【課題】 煙濃度やCO濃度が緩慢に上昇する燻焼火災では早期に火災を感知し、煙濃度やCO濃度が急激に上昇する非火災現象に対し作動しにくくする複合式火災警報器を提供する。
【解決手段】 本警報器1のマイコン2は、煙感知部3の煙濃度が2.5%/mに達すると、5%/mに達するまでの経過時間を計測し、この計測した経過時間に応じて反比例する蓄積時間を設定し、経過時間に応じて煙感知部3及びCO感知部4の感知時における動作レベルを設定し、動作レベルが予め設定された閾値以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のときは、この状態が蓄積時間経過するまで継続されたとき火災報と判断し、蓄積時間経過する前にその動作レベルが閾値より低くなったときは非火災報と判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙センサ及びCOセンサが内蔵された複合式火災警報器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の警報器として、感熱センサ、煙センサ、COセンサ等を備えたものがある。この従来の警報器は、感熱センサにより検知された熱量が閾値を超えたときに初期火災と判断し、その熱量が閾値以下であっても煙センサにより検知された煙の量が閾値を超えていた場合、前記と同様に初期火災と判断し、熱量及び煙量がそれぞれ閾値以下のときは非火災と判断する。初期火災と判断したときは、COセンサにより検知されたCO濃度が第1閾値を超えているかどうかを判定し、CO濃度が第1閾値を超えたときに本格火災と判断する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3325526号(第3頁、図1及び図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した従来の警報器は、煙とCOが同時に発生する木材や布団等の燻焼火災の場合では早期に火災と判断するが、煙とCOが同時に急激に増えるタバコ等の場合でも火災と判断してしまい、誤作動を起こすことがあった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、煙濃度やCO濃度が緩慢に上昇する燻焼火災では早期に火災感知するようにし、煙(湯気も含む)とCOを検知しても短時間で各濃度が低下した場合では作動しにくくする複合式火災警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る複合式火災警報器は、煙感知部及びCO感知部を有する複合式火災警報器において、煙感知部の出力或いはCO感知部の出力が第1レベルに達すると、第2レベルに達するまでの経過時間を計測する時間計測手段と、経過時間に応じて煙感知部及びCO感知部の感知時における動作レベルを設定する動作レベル設定手段と、動作レベルが予め設定された閾値以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のとき火災報と判断する火災・非火災判別手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明においては、煙感知部の出力或いはCO感知部の出力が第1レベルに達すると、第2レベルに達するまでの経過時間を計測し、この経過時間に応じて煙感知部及びCO感知部の感知時における動作レベルを設定し、そして、動作レベルが予め設定された閾値以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のとき火災報と判断するようにしたので、緩慢煙やCOが立ち上がる燻焼火災では早期に火災を検知することを可能にし、また、タバコ等の煙や湯気をCOと共に感知しても作動しにくくして非火災報における誤報を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は本発明の実施の形態に係る複合式火災警報器の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態の複合式火災警報器1は、時間計測部21、蓄積時間設定部22、感知レベル設定部23、データ選択部24、火災・非火災判別部25、第1変更部26、第2変更部27及び表示手段の表示管理部28の各機能を有するマイコン2と、煙感知部3と、CO感知部4と、LED5と、スピーカ6とを備えている。
【0007】
このマイコン2は、例えば煙感知部3の出力(煙濃度)が第1レベル(例えば2.5%/m)に達すると、第2レベル(例えば5%/m)に達するまでの経過時間tを計測する。その後、動作レベル及び蓄積時間Tが設定されているかどうかをフラグSを通じて判定する。フラグSが「0」のときは、予め経過時間tに応じて設定されたデータ値としての係数n値を、計測した経過時間tから選択し、その経過時間tに応じて変化する蓄積時間T(第1蓄積時間)、具体的には、予め設定された例えば45秒(第1時間)から経過時間tを減算して得られる蓄積時間T(第1蓄積時間)を設定する。
【0008】
そして、CO感知部4の出力が例えば10ppm (第3レベル)より低いときは、経過時間tから選択した係数n値を例えば1/10(所定のデータ値)に再設定すると共に、先に算出した蓄積時間Tに代えて例えば40秒(第2蓄積時間)の蓄積時間Tを再設定する。さらに、CO感知部4の出力が10ppm (第3レベル)よりも小さい例えば4ppm (第4レベル)より低く、経過時間tが予め設定された例えば10秒(第2時間)以下のときは、再設定した蓄積時間T(40秒)に代えて例えば60秒(第3蓄積時間)の蓄積時間Tを設定する。
【0009】
その後は、経過時間tに応じて煙感知部3及びCO感知部4の感知時における動作レベルを設定する。具体的には、先に選択或いは再設定した係数n値(又は1/10)でCO感知部4の出力を加工し、かつその値と煙感知部3の出力とから煙感知部3及びCO感知部4の感知時における動作レベルを設定する。つまり、下記に示す演算式に基づいて煙感知部3及びCO感知部4の感知時における動作レベルを設定する。
X+Y*n
この式のXは煙感知部3の感知レベル、YはCO感知部4の感知レベルに基づくCO濃度、nは前述したように経過時間tに応じて設定された係数である。
【0010】
そして、設定した動作レベルが予め設定された閾値の例えば「62」以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のときは、この状態が蓄積時間経過するまで継続されたとき火災報と判断し、蓄積時間T経過する前にその動作レベルが閾値より低くなったときは非火災報と判断する。火災報と判断した際には、LED5を例えば点灯し、かつスピーカ6を通じて火災発生を音声で知らせる。
【0011】
次に、本実施の形態の複合式火災警報器の動作を図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
マイコン2は、煙感知部3とCO感知部4のそれぞれの感知レベルを読み込んで(S1)、まず、煙感知部3の感知レベルに基づく煙濃度が予め設定された2.5%/m以上かどうかを判定する(S2)。煙濃度が2.5%/m未満のときは、経過時間t、フラグS、動作時間Td及び蓄積時間Tをそれぞれ「0」にセットし(S5)、再び、煙感知部3の感知レベル及びCO感知部4の感知レベルの読み込みに入る(S1)。一方、煙感知部3の感知に基づく煙濃度が2.5%/mに達したときは、経過時間tの計測を開始し(S3)、その煙濃度が5%/mまで高くなったかどうかを判定する(S4)。煙感知部3の煙濃度が5%/m未満のときは、動作時間Tdを「0」にセットし(S6)、S1に戻る。動作時間Tdは、後述する動作レベルが閾値以上のときの継続時間である。
【0012】
このS1→S2→S3→S4→S6の動作は、煙感知部3の煙濃度が2.5%/m以上で、かつ5%/m以上になるまで繰り返し行い、経過時間tをカウントアップしながら計測を継続する。この動作を繰り返し行っているうちに、煙感知部3の煙濃度が低下し2.5%/m未満になったときは非火災報と判断して、計測中の経過時間tを「0」にクリアすると共に、フラグS、動作時間Td及び蓄積時間Tをそれぞれ「0」にセットする(S5)。また、煙感知部3の煙濃度が5%/m以上になるとフラグSが「1」になっているかどうかを判定する(S7)。フラグSが「1」になっているときは、前述したように動作レベル及び蓄積時間Tが設定されていると判断してS9に進むが、フラグSが「0」のときは、動作レベル及び蓄積時間Tが設定されていないと判断して、図3のフローチャートに示す係数n・蓄積時間設定処理に入る。
【0013】
まず、フラグSを「1」にセットし(S81)、先に計測した経過時間tから係数n値を選択する(S82)。このS82で示すように、経過時間tが5秒以下の場合、係数n値を1/10とし、経過時間tが5秒を超え、かつ10秒以下の場合、係数n値を1/7とし、経過時間tが長くなるにつれ係数n値が大きくなるようにしている。経過時間tが短い場合、火災の可能性が低いので、殆ど煙感知部3の感知レベル(X)が動作レベルとなるように、CO感知部4の感知によるCO濃度を係数n値で小さくしている。これは、濃度が急激に立ち上がるが、短い時間で空気中に消滅するタバコの煙や調理時の湯気の現象を考慮したものである。また、経過時間tが長い場合は、火災の可能性が高いので、煙感知部3の感知レベル(X)とCO感知部4の感知レベルによるCO濃度(Y)の加算値が動作レベルになるようにしている。これは、特に煙の濃度が低いが、時間の経過に伴って増加する布団等の燻焼火災の現象を考慮したものである。
【0014】
係数n値の選択後は、予め設定された45秒から経過時間tを減算して蓄積時間Tを算出する(S83)。なお、経過時間tが40秒以上のときは、火災発生の可能性が高いため、蓄積時間Tを5秒とする。その後は、S1で読み込んだCO感知部4の感知レベルに基づくCO濃度が10ppm より低いかどうかを判定する(S84)。CO濃度が10ppm より高いときは、火災発生の可能性ありと判断し、この処理を終了してS9(図2)に進む。また、CO濃度が10ppm より低いときは、調理時(肉、野菜、魚焼き、パン焼き等)に発生したCOと推定して、先に選択した係数n値を予め設定された1/10に再設定し、蓄積時間Tを40秒に再設定する(S85)。係数n値と蓄積時間Tの再設定後は、CO感知部4のCO濃度が4ppm より低いかどうか、計測した経過時間tが10秒以下かどうかを判定する(S86)。CO濃度が4ppm より低く、経過時間tが10秒以下のときは、湯沸かしや炊飯時に発生した湯気とこの湯気に含まれているCOによるものと判断して、蓄積時間Tを40秒から60秒に更新し(S87)、この処理を終了してS9(図2)に進む。
【0015】
前記の処理が終了すると、S1で読み込んだ煙の感知レベル(X)、COの感知レベルに基づくCO濃度(Y)、及び経過時間tに応じて選択した係数n値を予め設定された演算式(X+Y*n)に代入して動作レベルを算出する(S9)。この演算式によって算出される動作レベルは、CO濃度が0ppm の場合、煙感知部3の感知レベルが動作レベルとなる。動作レベルの算出後は、予め設定された閾値(例えば62)以上かどうかを判定する(S10)。ここで、動作レベルが「62」以上であると、閾値以上と判断して、動作レベルが閾値以上のときの煙感知部3及びCO感知部4の動作時間Tdのカウントアップによる計測を開始する(S11)。そして、その動作時間TdがS8の処理で設定した蓄積時間T以上かどうかを判定する(S12)。動作時間Tdが蓄積時間Tを経過していないときは、S1に戻って前述した一連の動作を繰り返す。この場合、S7においては、フラグSが「1」になっているので、設定した係数n値と蓄積時間Tは保持されて、S1に戻った際に読み込んだ煙感知レベル及びCO濃度を演算式X+Y*nに代入して動作レベルの算出を繰り返す。
【0016】
S1〜S4→S7→S9〜S12を繰り返し行っているときに、算出した動作レベルが閾値「62」未満になると、前述したように調理時の湯気、或いはタバコの煙などによる非火災現象と判断して、計測した動作時間Tdを「0」にクリアし(S15)、S1に戻る。また、S11において計測した動作時間Tdが蓄積時間T以上になると(S12)、火災報と判断して、LED5を点灯して火災表示し(S13)、スピーカ6を通じて火災発生を音声で知らせ(S14)、S1に戻る。
【0017】
次に、本実施の形態の複合式火災警報器による実験結果について図4を用いて説明する。なお、本警報器を天井に設置した場合である。
実験1として換気なしの布団燻焼の場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.6%/mになったときの実験開始からの時間が1760秒で、さらに5%/m以上の5.2%/mになったときの時間が1829秒であった。この場合、経過時間tが40秒を超える69秒(1829−1760)であるため、係数n値が1に設定され、蓄積時間Tは経過時間tが40秒を超える69秒であるため5秒が設定される。この時は、動作レベルが閾値以上で、その状態の動作時間Tdが蓄積時間Tの5秒以上となり、実験開始から1880秒で、LED5が点灯し、スピーカから火災発生の旨が音声で発せられた。
【0018】
実験2として換気ありの布団燻焼の場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.6%/mになったときの実験開始からの時間が1812秒で、さらに5%/m以上になったときの時間が1914秒であった。この場合、経過時間tが40秒を超える102秒(1914−1812)であるため、係数n値が1に設定され、蓄積時間Tは経過時間tが40秒を超える69秒であるため5秒が設定される。この時は、動作レベルが閾値以上で、その状態の動作時間Tdが蓄積時間Tの5秒以上となり、実験開始から1940秒で、前記と同様に、LED5が点灯し、スピーカから火災発生の旨が音声で発せられた。
【0019】
実験3としてタバコの煙の場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.6%/mになったときの実験開始からの時間が423秒で、さらに5%/m以上になったときの時間が429秒であった。この場合、経過時間tが6秒(429−423)となり、その6秒から係数n値が1/7に、蓄積時間Tが39秒(45−6)と算出されるが、CO濃度が10ppm より低い0ppm であるため係数n値が0.1(1/10)に、蓄積時間Tが40秒に再設定される。この時は、動作レベルが閾値未満であったため、不作動(非火災報)となった。
【0020】
実験4として肉+野菜炒めの調理の場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.8%/mになったときの実験開始からの時間が600秒で、さらに5%/m以上の5.2%/mになったときの時間が672秒であった。この場合、経過時間tが40秒を超える72秒(672−600)であるため、係数n値が1に、蓄積時間Tが5秒に設定されるが、CO濃度が4ppm 以上で10ppm より低い7ppm であるため係数n値が0.1(1/10)に、蓄積時間Tが40秒に再設定される。この時は、動作レベルが閾値未満であったため、不作動(非火災報)となった。
【0021】
実験5として肉を焼いて煙を発生させた場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.6%/mになったときの実験開始からの時間が246秒で、さらに5%/m以上になったときの時間が263秒であった。この場合、経過時間tが17秒(263−246)となり、その17秒から係数n値が1/5に、蓄積時間Tが28秒(45−17)と算出されるが、CO濃度が4ppm より低い3ppm であるため係数n値が0.1(1/10)に、蓄積時間Tが60秒に再設定される。この時は、動作レベルが閾値以上で、その状態の動作時間Tdが蓄積時間Tの60秒以上となり、実験開始から446秒で、LED5が点灯し、スピーカから火災発生の旨が音声で発せられた。
【0022】
実験6として魚を焼いた場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.7%/mになったときの実験開始からの時間が507秒で、さらに5%/m以上になったときの時間が567秒であった。この場合、経過時間tが60秒(567−507)であるため、係数n値が1に、蓄積時間Tは経過時間tが40秒を超える60秒であるため5秒が設定されるが、CO濃度が4ppm より低い2ppm であるため係数n値が0.1(1/10)に、蓄積時間Tが60秒に再設定される。この時は、動作レベルが閾値未満であったため、不作動(非火災報)となった。
【0023】
実験7として複数の喫煙者による煙の場合は、煙濃度が2.5%/m以上の2.7%/mになったときの実験開始からの時間が272秒で、さらに5%/m以上の5.9%/mになったときの時間が278秒であった。この場合、経過時間tが6秒(278−272)となり、その6秒から係数n値が1/7に、蓄積時間Tが39秒(45−6)と算出される。この時は、動作レベルが閾値以上で、その状態の動作時間Tdが蓄積時間Tの39秒以上となり、実験開始から400秒で、LED5が点灯し、スピーカから火災発生の旨が音声で発せられた。
【0024】
以上のように本実施の形態によれば、煙感知部3の煙濃度が2.5%/mに達すると、5%/mに達するまでの経過時間tを計測し、フラグSが「0」のときは、経過時間tに応じて設定された係数n値を、計測した経過時間tから選択し、その経過時間tに応じて変化する蓄積時間T(45−t)を設定し、そして、CO感知部4の濃度が10ppm より低いときは、経過時間tから選択した係数n値を例えば1/10に再設定すると共に、先に設定した蓄積時間Tに代えて40秒の蓄積時間Tを再設定し、さらに、CO感知部4の濃度が4ppm より低く、経過時間tが10秒以下のときは、再設定した蓄積時間Tの40秒に代えて60秒を設定し、その後は、先に選択或いは再設定した係数n値でCO感知部4の濃度を加工し、かつその値と煙感知部3の感知レベルとから煙感知部3及びCO感知部4の感知時における動作レベルを設定し、そして、設定した動作レベルが閾値「62」以上かどうかを判定し、動作レベルが閾値以上のときは、この状態が蓄積時間T経過するまで継続されたとき火災報と判断し、蓄積時間T経過する前にその動作レベルが閾値より低くなったときは非火災報と判断するようにしたので、緩慢煙やCOが立ち上がる燻焼火災では早期に火災を検知することが可能になり、また、タバコ等の煙や湯気をCOと共に感知しても短時間で各濃度が低下した場合では作動しにくくなり、非火災報における誤報を少なくできる。
【0025】
なお、前記の実施の形態では、煙感知部3の煙濃度が2.5%/mから5%/mに達するまでの経過時間tを計測するようにしたが、これに代えて、CO感知部4のCO濃度を読み込んで所定のCO濃度間の経過時間tを計測するようにしてもよい。また、動作レベルが閾値を超えた場合に、LED点滅や音声による注意報を発するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合式火災警報器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の複合式火災警報器の動作を示すフローチャートである。
【図3】係数n・蓄積時間設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態の複合式火災警報器による実験結果を示すデータ図である。
【符号の説明】
【0027】
1 複合式火災警報器、2 マイコン、21 時間計測部、22 蓄積時間設定部、
23 動作レベル設定部、24 データ選択部、25 火災・非火災判別部、26 第1変更部、27 第2変更部、28 表示管理部、3 煙感知部、4 CO感知部、5 LED、6 スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙感知部及びCO感知部を有する複合式火災警報器において、
煙感知部の出力或いはCO感知部の出力が第1レベルに達すると、第2レベルに達するまでの経過時間を計測する時間計測手段と、
前記経過時間に応じて前記煙感知部及びCO感知部の感知時における動作レベルを設定する動作レベル設定手段と、
前記動作レベルが予め設定された閾値以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のとき火災報と判断する火災・非火災判別手段と
を備えたことを特徴とする複合式火災警報器。
【請求項2】
前記時間計測手段により計測された経過時間に応じて変化する第1蓄積時間を設定する蓄積時間設定手段を備え、
前記火災・非火災判別手段は、前記動作レベルが予め設定された閾値以上かどうかを判定し、その動作レベルが閾値以上のときは、この状態が前記第1蓄積時間経過するまで継続されたとき火災報と判断し、前記第1蓄積時間経過する前にその動作レベルが閾値より低くなったときは非火災報と判断することを特徴とする請求項1記載の複合式火災警報器。
【請求項3】
予め経過時間に応じてデータ値が設定され、前記時間計測手段により計測された経過時間からデータ値を選択するデータ選択手段を備え、
前記動作レベル設定手段は、前記データ選択手段により選択されたデータ値で前記CO感知部の出力を加工し、かつその値と前記煙感知部の出力とから前記煙感知部及びCO感知部の感知時における動作レベルを設定することを特徴とする請求項1又は2記載の複合式火災警報器。
【請求項4】
前記CO感知器の出力が第3レベルより低いとき設定変更を指示する第1変更手段を備え、
前記動作レベル設定手段は、前記設定変更の指示を受けたとき、前記CO感知部の出力を所定のデータ値で加工し、
前記蓄積時間設定手段は、前記設定変更の指示を受けたとき、前記第1蓄積時間に代えて第2蓄積時間を設定することを特徴とする請求項2又は3記載の複合式火災警報器。
【請求項5】
前記CO感知器の出力が前記第3レベルよりも低い第4レベル以下で、前記経過時間が予め設定された第2時間より短いときに蓄積時間の設定変更を指示する第2変更手段を備え、
前記蓄積時間設定手段は、前記設定変更の指示を受けたとき、前記第2蓄積時間より長い第3蓄積時間を設定することを特徴とする請求項4記載の複合式火災警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−146738(P2006−146738A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338339(P2004−338339)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】