説明

複合材料から成る構成部品の修理箇所を硬化させるための容器およびシステム

【解決課題】
現場において複合材料から成る構成部品の修理箇所に加圧してこの修理箇所を硬化させるための圧力容器を提供する。
【解決手段】
この圧力容器は、構成部品の修理箇所を収容するためのチャンバーを備える本体と、チャンバーの内部に配置されたヒータの過熱エレメントがこの過熱エレメントに電力を供給するためにチャンバーの外にある電源に連結することができる孔部と、チャンバーを加圧することができるポンプと、を有する。このチャンバーを加圧することによって、この圧力容器は、14.7psiを超えてチャンバー内に配置された修理箇所に加圧し、よって現場において修理箇所をより強固にしてより好適な硬化を提供する。更に、この圧力容器は、現場において、オートクレーブより容易に一箇所から別の箇所へ運搬することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場において複合材料から成る構成部品の修理箇所に加圧してこの修理箇所を硬化させるための圧力容器に関わる。
【背景技術】
【0002】
多くの異なる装置もしくは構造体(飛行機翼の補助翼、飛行機翼の後縁上のフラップ、艇体等)またはそれらの両方は、複合材料で製造される構成部品を有する。その数多くの理由の一つとしては、そのような構成部品により、製造の際に船体またはフラップの翼前縁に見られるような複雑な曲線を容易に形成することができるためである。 別の理由としては、これらの構成部品は、現場で容易に修理することができ、修理が完了するまでの時間が少なくて済むことである。
【0003】
複合材料で構成部品を修理することは、金属、織物繊維および/もしくは非織物の繊維、ガラス繊維、ならびに/またはケブラー(登録商標)繊維といった2以上の材料の層を接着剤で積層する工程と、2以上の層を連結してこれらの層を構成部品の残りに連結するために接着剤を硬化させる工程とを伴う。修理箇所を強固にするために、この接着剤は、適切に硬化される必要があり、さもないとこの修理箇所もしくは構成部品またはこれらの両方は、早すぎて、すなわち完全に硬化されずに、不良になることがある。従来のほとんどの接着剤を適切に硬化させるためには、以下の3つの要素が必要である。接着剤を加熱する工程と、修理箇所を加圧(一般的に約200psi)する工程と、この修理箇所を真空状態にする工程である。接着剤を加熱する工程は、接着剤を凝固すると共に材料強度を増加させるためにこの接着剤の分子構造を変化させる。修理箇所への加圧は、インターラミネート結合(薄片を交互に重ねる結合)の強度を増加させると共に修理箇所全体に渡って接着剤を行渡らせるように層を圧縮する。修理箇所を真空状態にする工程は、一旦接着剤が硬化した場合にこの修理箇所に閉じ込められてしまうこととなる気体を抜き出し、硬化した接着剤における気孔部の数および大きさを減少させる。従来のほとんどの接着剤が様々に異なる圧力の下でも硬化することができるが、一般に、圧力が上昇するにつれてこの修理箇所の強度は増加する。
【0004】
あいにく、現場において修理箇所に与えられる圧力の量は一般的に14.7psi以下であるため、構成部品の修理箇所を適正に硬化させることは困難である。現場において修理箇所を硬化するために、一般的に加熱ブランケットが修理箇所に配置され、次にバッグが修理箇所を覆うように配置され、構成部品のために封止される。次に、このバッグと修理箇所との間の空気は、真空を生成するために除去され、熱を発生させるために加熱ブランケットにスイッチが入れられる。従って、一般的に修理箇所に与えられる圧力は、真空であるがゆえに生じる大気圧のみとなり、それは約14.7psiである。
【0005】
解決法としては、構成部品の構造的一体性を助長しない修理中に経験する応力および歪みに耐え得る部品を設計することである。しかし、このことはこの構成部品が本来必要とされるよりも強固に製造されなくてはならないことを意味する。従って、構成部品を製造するための材料のコストおよびこの構成部品の重量は、修理中に経験すると思われる応力および歪みを満たすために必要以上となってしまう。コストおよび特には重量の増加は、例えば、複合材料から主に形成される飛行機においては重要な問題となり得る。
【0006】
別の解決法としては、オートクレーブ(これは一般的に、構成部品を製造する時にこの構成部品を硬化させるために使われる)において修理箇所を硬化することである。しかし、現場においてオートクレーブを使用することは、その大きさのために非実用的であることが多い。従来のほとんどのオートクレーブは、硬化のための多くの機能を実行するように設計されているので、その構築に費用がかかり、よって高額となる。例えば、ほとんどのオートクレーブは、内部チャンバーを約200psiまで加圧するように設計されており、よって、特にこの圧力に耐え得るように設計されている。更に、ほとんどのオートクレーブは、この圧力を発生させるためのポンプもしくはコンプレッサーと、その環境を過熱するためのヒータと、その過熱した環境を循環させるためのファンと、その環境から気体(接着剤を硬化させる時にチャンバーに放出されてもよい)を除去するためのシステムとを有している。従って、ほとんどのオートクレーブは、広範囲にわたる構成部品の大きさに対応するために大きなものとなっている。
【0007】
ほとんどのオートクレーブの大きさは、数多くの理由から、現場において使用するのは非実用的である。一つの理由としては、大きなオートクレーブは、現場において一箇所から別の箇所への移動が困難であるということである。別の理由としては、大きいオートクレーブは、構成部品もしくは構成部品の修理箇所またはそれらの両方を硬化させるためにオートクレーブ内で過熱されて循環されなくてはならない空気の量が大きいため、高価なものとなることである。従って、小さな構成部品の修理箇所の硬化に必要とされる電力の量は、大きな構成部品の修理箇所のそれとほぼ同量となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、現場において複合材料から成る構成部品の修理箇所に加圧してこの修理箇所を硬化させるための圧力容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様において、圧力容器は、構成部品の修理箇所を収容するためのチャンバーを備える本体と、このチャンバーの内部に配置された過熱エレメントを、この過熱エレメントに電力を供給する前記チャンバーの外にある電源に連結することを可能にする孔部(portal)と、チャンバーを加圧することができるポンプと、を備えている。このチャンバーを加圧することによって、この圧力容器は、14.7psiを超えてチャンバー内に置かれた修理箇所に加圧し、よって修理箇所をより強固にするためのより好適な硬化を提供する。この孔部によって、使用者が現場で一般的に入手することができる過熱ブランケットといった従来の過熱エレメントで修理箇所を硬化することが可能となる。オートクレーブに一般的に見られる他の構成部品およびサブシステム(このオートクレーブ内の環境を加熱するためのヒータや、この環境を循環させるファン等)を除去することによって、この容器の製造コストおよび大きさを減少することができる。従って、この容器を、一箇所から別の箇所へより容易に移動させることができる。
[8] 本発明の別の態様では、孔部は、容器のチャンバー内に配置された加熱エレメントをチャンバーの外にある電源に取り外し可能に連結することができるインターフェイスを有することができる。更に、このインターフェイスは、孔部から取り外すことができ、異なるインターフェイスに取り替えることができる。このインターフェイスによって、この容器が、現場において修理箇所を硬化させるための多くの異なるタイプのヒータと共に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の説明は、当業者が本発明を生産および使用することができるように示されている。これらの開示された実施例の様々な変更態様は、当業者にとって容易に明白であって、本明細書の包括的な原理は、添付の請求項に規定された本発明の精神および範囲から逸脱せず他の実施例および他の用途に適用され得る。従って、本発明は、示された実施例に限定することを意図せず、本明細書に開示された原理および特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0011】
図1は、本発明の一実施例による、複合材料から成る構成部品14の修理箇所12を現場で硬化させるためのシステムの透視図である。このシステム10は、現場で製造される部品(図示せず)を硬化させるために用いることもできる。このシステム10は、修理箇所12をこの修理箇所12の接着剤が硬化する「硬化温度」(一般的に華氏約250度〜約400度の間)まで加熱するためのヒータ16と、修理箇所12が硬化する際にこの修理箇所12上に圧力を加える圧力容器18とを備えている。この圧力容器18については、システム10が、14.7psiより大きい圧力(例えば60psi)で修理箇所12を硬化させることができ、真空バッグ(図示せず)のみを用いて修理箇所12上に圧力を加える場合に一般的に得られる強度に比較してこの修理箇所12の強度を高めることができる。
【0012】
このシステム10のヒータ16は、熱を発生するための加熱エレメント20(修理箇所12に連結することができる)と、この加熱エレメント20に電力を供給するための電源22とを有している。このシステム10の圧力容器18は、修理箇所12または構成部品14の全部を収容するチャンバー24と、このチャンバー24を所望の圧力に加圧するためにチャンバー24に連結されたポンプ26とを有している。この圧力容器18は、ヒータ16の電源22をチャンバー24の外に置かれることを可能にする孔部28を備えており、加熱エレメント20はチャンバー24内部の修理箇所12を加熱する。従って、この容器18は、現場で入手することができる異なる加熱容量を有する多くの異なるタイプのヒータ16を用いて使用することができる。更に、この容器18は、従来のオートクレーブよりも小さくてもよく、現場において一箇所から別の箇所へ容器18を容易に移動させることができる。
【0013】
図1を更に参照すると、一実施例において、ヒータ16は、加熱エレメント20によって発生する熱の量および持続時間を変化させるために制御装置30(例えば、Heatcon Composite Systemsによって製造されるHCS9200B Single Zone)と、修理箇所12の領域の温度を検出するために温度センサ32とを有していてもよい。この制御装置30は、その構成部品をチャンバー24の熱および加圧された環境から保護するためにチャンバー24の外に置かれていてもよく、コード34を介して加熱エレメント20および電源22に、更にワイヤ36を介し温度センサ32に連結されていてもよい。この加熱エレメント20は、いかなる所望の加熱エレメント(例えば複合材料を硬化させるための従来の加熱ブランケット)でもあってもよい。温度センサ32がチャンバー24の外にある制御装置30に連結されることを可能にするために、容器18は、付加的な孔部38を備えていてもよい。システム10が修理箇所12を硬化させる時に、制御装置30は、センサ32の温度を監視し、よって過熱エレメント20に与えられる電力を変更することができる。
【0014】
図1を更に参照すると、一実施例において、圧力容器18は、チャンバー24の外にあるポンプ26と、このポンプ26をチャンバー24に作動的に連結するためのライン40とを有することができる。このポンプ26は、いかなる所望のポンプでもあってもよい(例えば、チャンバー24に加圧するために空気またはいかなる種類の気体もしくは液体またはそれらの両方をこのチャンバー24に移動させることが可能である従来のポンプ)。ポンプ26の構成部品を熱および加圧された環境から保護するためにこのポンプをチャンバーの外に配置することが望ましい。このポンプ26は、異なる容量を有する多くの異なるポンプでこの容器を使用することができるように、チャンバー24に取り外し可能に連結することができる。
【0015】
システム10の他の実施例が考えられる。例えば、制御装置30は、チャンバー24において生成される圧力を変更するためにポンプ26に連結することができると共に、チャンバー24内部の圧力を監視するためにこのチャンバー24内に配置される圧力センサに連結することができる。加えて、このシステム10は、真空バッグに連結される真空源を有しており、この真空バッグは、気体を抜き出すために修理箇所12もしくは構成部品14またはそれらの両方に置くことができる(さもなければこのガスは一旦接着剤が凝固するとその中に閉じ込められてしまう)。このことは、硬化した接着剤の気孔部の数および大きさを減少させるために好ましくなり得る。これら真空源およびバッグは更に、修理箇所12の硬化の間、容器18のチャンバー24内部を低圧力にすることができるようにこの修理箇所に圧力を加える。更に、制御装置30は、バックと修理箇所もしくは部品14またはそれらの両方との間に生成された真空度を監視し、変更するために、真空バックおよび真空源に連結されていてもよい。加えて、ヒータ16は、3つ以上もしくは1つの温度センサ32を有していてもよく、容器18は、2以上の孔部38ならびに3つ以上もしくは1つの温度センサを有していてもよい。また、システム10は、過剰な窒素分子または他の分子をチャンバー24(硬化の間、開放してもよい)から除去(purge)するためのパージ・サブシステム(purge sub-system)を有していてもよい。更に、制御装置30は、チャンバーの環境を監視して、パージ・サブシステムの動作を変更するために、このパージ・サブシステムに連結することができる。
【0016】
図2は、本発明の一実施例によると、図1のシステム10に含まれる圧力容器18(明確にするためにポンプ26は省かれている)の透視図である。容器18はほとんどのオートクレーブが有する構成部品およびサブシステムの大部分を含まないので、容器18はこれらほとんどのオートクレーブよりかなり安価に構成することができる。従って、現場で容易に場所を変更するのに望ましい大きさおよび形であってもよいと共に、部品に対して修理箇所を14.7psiを超える圧力で硬化することを要求する電力の量を減少させるために望ましい大きさおよび形であってもよい。
【0017】
一実施例において、容器18は、長細い部品(例えば飛行機の後縁フラップ)を収容できる大きさに形成されたチャンバー24を有する円筒形の本体42を有していてもよい。例えば、本体42は、実質的に20インチの直径と、実質的に60インチの長さを有するチャンバーを有することができる。加えて、この本体42は、チャンバー24内において所望の圧力および熱に耐え得るいかなる所望の材料からも形成することができる。例えば、本体42は、耐久性のある従来の金属または現場において異なる場所へ移動ができるようにその重量を最小限にするために従来のプラスチックから形成してもよい。
【0018】
容器18の他の実施例が考えられる。例えば、本体42は、球形に形成されており、小さな構成部品もしくはこの小さな構成部品の修理箇所またはそれらの両方を効果的に硬化することができると共に、現場においての移動を容易にする。容器18がほとんどのオートクレーブよりも高価ではないので、使用者は、小さな構成部品の修理箇所を硬化させる時に使用する、球形状の小さな容器18と、大きな構成部品の修理箇所を硬化させる時に使用する、円筒状の大きな容器とを有することができる。 従って、小さな部品の修理箇所は、大きな部品の修理箇所より安価に硬化することができる。
【0019】
図2を更に参照すると、容器18は、孔部28を有しており、過熱エレメント20(図1)がチャンバー24内で修理箇所12を加熱する間、ヒータ16(図1)の電源22(図1)がチャンバー24の外に置かれることを可能にする。孔部28は、本体42上のどこにでも配置することができる。一実施例において、孔部28は、本体42の端の近くに位置することができ、過熱エレメント20を電源22に連結する(取り外し可能か否かに係わらず)ためのインターフェイス44を有していてもよい。このインターフェイス44は、このインターフェイス44を本体42のレシーバ48に載置するためのマウント46と、電源22を過熱エレメント20に連結するカプラー50(図3と共に更に詳細に記載されている)を有していてもよい。このマウント46は、所望であれば使用者がインターフェイス44を取り外し、異なるインターフェイスに交換することができるようにレシーバ48から取り外すことができる。これは、異なる加熱エレメントが異なる電源に連結するために所望となり得る。
【0020】
他の実施例が考えられる。例えば、インターフェイス44は、カプラーを有することができ、チャンバー24内に配置される付加的な装置をチャンバー24の外に配置される他の装置に連結する(例えば温度センサ32(図1)を制御装置30(図1)に)ことができる。
【0021】
図2を更に参照すると、容器18は、付加的な孔部38も有しており、チャンバー24内に配置された装置とチャンバー24の外に配置された別の装置との間の連絡を可能にする。一実施例において、容器18は、第1の孔部28ならびに第2および第3の孔部38を有しており、チャンバー24内に配置された温度センサ32をチャンバー24の外に配置された制御装置22に連結することを可能にする。これら第2および第3の孔部38は、所望されるように本体42上のどこにでも配置することができる。更にこれら第2および第3の孔部は、第2および第3のインターフェイス43を有しており、それぞれセンサ32を制御装置30に連結する(図4と共に更に詳細に記載されている)ことができる。
【0022】
図2を更に参照すると、容器18は、入口(entry)52を有しており、チャンバー24内に構成部品14の修理箇所12をその硬化のために挿入することを可能にする。 一実施例において、入口52は、この入口52を閉じるために蝶番式接着により本体42に連結されたドア54を有しており、よって修理箇所が硬化する間チャンバー24内の所望の圧力を維持する。
【0023】
図3は、本発明の一実施例による、図2の圧力容器18に含まれる孔部28の横断面図である。所望のような過熱エレメントと電源との多くの異なる組み合わせでこの容器18を使用することができるように、孔部28のインターフェイス44は、取り外すことができ、異なるカプラーを有する別のインターフェイスに交換可能である。
【0024】
一実施例において、インターフェイス44は、マウント46を有しており、所望の固定技術を使用して本体42(図2)のレシーバ48に着脱可能に取り付けることができる。例えば、ナット56は、マウント46をレシーバ48に連結するために、ボルト58にネジ的に連結することができる。インターフェイス44は、加熱エレメント20(図1)を単相標準電圧電源(電気的接地を有する)に連結するために、3つ又のプラグ60を備えるカプラー50を有することができる。異なる加熱エレメント20もしくは異なる電源22またはそれらの両方が望まれる場合、使用者は、本体42からインターフェイス44を取り外し、異なるカプラー50を備える異なるインターフェイス44を取り付ける。例えば、唯一利用できる電源は、高圧三相電力かもしれない。この電源から電力を使用できるようにするために、異なるカプラーを必要とする異なる過熱エレメントが必要とされてもよい。
【0025】
他の実施が考えられる。例えば、カプラー50は、インターフェイス44から着脱可能であって、異なるカプラー50に交換可能である。
【0026】
図4は、本発明の一実施例による、図2の圧力容器に含まれる付加的な孔部38の横断面図である。容器18が構成部品の修理箇所を硬化するために所望の付加的な装置もしくはサブシステムまたはそれらの両方を用いて使用するために、付加的な孔部38は、本体42から着脱可能かつ別の異なるカプラー62に交換可能なカプラー62を有している。一実施例において、カプラー62は、温度センサ32(図1)を制御装置22(図1)に連結する(取り外し可能か否かに関わらない)ための2又のプラグ64と、カプラー62を本体42に着脱可能に固定するための雌ねじ68に対応する大きさに形成された雄ねじ66とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の一実施例による、複合材料から成る構成部品の修理箇所を現場で硬化させるためのシステムの透視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による、図1のシステムに含まれる圧力容器の透視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による、図2の圧力容器に含まれる孔部の横断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例による、図2の圧力容器に含まれる付加的な孔部の横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成材料から成る構成部品の修理箇所を現場で硬化させるための圧力容器であって、この容器は、
前記複合材料から成る部品の修理箇所を収容することができるチャンバーを備える本体と、
このチャンバーの内部に配置されたヒータの過熱エレメントがこの過熱エレメントに電力を供給するために前記チャンバーの外にある電源に連結することを可能にする孔部と、
前記チャンバーを加圧することができるポンプと、
を備える圧力容器。
【請求項2】
前記ポンプは、60psi、60psi未満および60psiを超える圧力のうちの少なくとも1つを発生させることができることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記チャンバーは、前記修理箇所を有する前記複合材料から成る部品を収容することができることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記チャンバーは、円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記チャンバーは、円筒状に形成されており、実質的に20インチの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記チャンバーは、円筒状に形成されており、実質的に20インチの直径および実質的に60インチの長さを有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記孔部は、前記過熱エレメントを前記電源に取り外し可能に連結することができるインターフェイスを有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記インターフェイスは、前記孔部から取り外し可能であって、異なるインターフェイスと交換可能であることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記インターフェイスは、加熱エレメントをチャンバーの外に配置された前記ヒータの制御装置に取り外し可能に連結することができることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項10】
前記容器は、前記加熱エレメントを電源に連結することを可能にする第1の孔部と、
前記チャンバー内に配置された前記ヒータの温度センサを、前記チャンバーの外に配置された前記ヒータの制御装置に連結することを可能にし、前記過熱エレメントによって発生される熱量を変更することができる第2の孔部と、
前記チャンバー内に配置された前記ヒータの別の温度センサを前記制御装置に連結することを可能にする第3の孔部と、
を有する請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記複合材料から成る部品の修理箇所をチャンバー内に挿入し、前記複合材料から成る部品の修理箇所を前記チャンバーから取り出すことを可能にする入口をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記入口は、前記本体に蝶番式接着で連結されていると共に前記修理箇所が硬化する間チャンバー内の前記圧力を維持するために前記入口を閉めることができるドアを有することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
複合材料から成る構成部品の修理箇所を現場で硬化させるためのシステムであって、このシステムは、前記複合材料から成る部品を硬化温度まで加熱することができる過熱エレメントを有するヒータと、圧力容器と、を有しており
この圧力容器は、前記複合材料から成る部品の修理箇所を収容することができるチャンバーを画成する本体と、
チャンバーの内部に配置された前記ヒータの前記過熱エレメントを、この過熱エレメントに電力を供給するためにチャンバーの外にある電源に連結することを可能にする孔部と、前記チャンバーを加圧することができるポンプと、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記ヒータは、チャンバーの外に配置されていると共に前記加熱エレメントによって発生される熱量を変更することができる制御装置を有しており、
前記孔部は、前記加熱エレメントが前記制御装置に連結することを可能にすることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ヒータは、前記チャンバー内に配置された少なくとも2つの温度センサと、このセンサの温度を監視してこの温度に従って前記過熱エレメントによって発生された前記熱量を変更することができる前記チャンバーの外に配置された制御装置とを有しており、
前記孔部は、前記加熱エレメントを前記制御装置に連結することを可能にすることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ヒータは、前記チャンバー内に配置された少なくとも2つの温度センサと、このセンサの温度を監視してこの温度に従って前記過熱エレメントによって発生された前記熱量を変更することができる前記チャンバーの外に配置された制御装置とを有しており、
前記容器は、前記過熱エレメントを前記熱源に連結することを可能にする第1の孔部と、温度センサを前記制御装置に連結することを可能にする第2の孔部と、別の温度センサを前記制御装置に連結することを可能にする第3の孔部とを有することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記ポンプは、前記チャンバーの外に配置されていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
複合材料から成る構成部品の修理箇所を現場で硬化させるための方法であって、この方法は、
圧力容器のチャンバーに前記複合材料から成る部品の修理箇所を挿入する工程と、
前記チャンバー内にヒータの加熱エレメントを配置する工程と、
前記複合材料から成る部品の修理箇所を硬化するために前記チャンバーに加圧する工程と、
前記修理箇所を硬化するために前記加熱エレメントで前記修理箇所を硬化温度まで加熱する工程と、
を備える方法。
【請求項19】
前記複合材料からなる部品の修理箇所を前記圧力容器の前記チャンバーに挿入する工程は、前記複合材料から成る部品を前記圧力容器の前記チャンバーに挿入する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記チャンバーを加圧する工程は、このチャンバーに空気を注入する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記チャンバー内に前記過熱エレメントを配置する工程は、この過熱エレメントを前記複合材料から成る部品の前記修理箇所に連結する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記複合材料から成る部品の前記修理箇所を過熱する工程は、電気(明細書では「加熱」となっている)ブランケットに電力を供給する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記チャンバーの外に前記ヒータの制御装置を配置する工程と、
前記加熱エレメントを前記圧力容器の孔部を通してこの制御装置に連結する工程と、
を更に備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記チャンバー内の圧力を減少させる工程を更に備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−500627(P2007−500627A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522118(P2006−522118)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/024860
【国際公開番号】WO2005/011965
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506030778)
【Fターム(参考)】