説明

複合熱交換器

【課題】 熱交換器の車両搭載性を向上させながら各熱交換器の必要スペースを確保し、かつ熱交換率の向上を図った複合熱交換器を提供する。
【解決手段】 第1熱交換器1、第2熱交換器2、第3熱交換器3および第4熱交換器4が複数配置される。第1熱交換器1は、第2熱交換器2、第3熱交換器3、第4熱交換器4から離間・分離された位置で圧縮機8に連結されて、ここから出力された第1媒体を第2熱交換器2からの第2媒体により液冷却する。第2熱交換器2は、第1熱交換器1から出力された第2媒体を空気冷却する。第3熱交換器3は、第1熱交換器1に接続されてここから出力された第2媒体を空気冷却する。第4熱交換器4は、これを流通する第3媒体を空気冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばエンジンや空調システム等にそれぞれ接続された複数の熱交換器を有する複合熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような従来の複合熱交換器としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来の複合熱交換器は、エンジン以外の発熱体用の冷却水を冷却する第1空冷熱交換器と、車両空調用の冷媒を冷却する第2空冷熱交換器と、エンジンの冷却水を冷却する第3空冷熱交換器と、を備える。第1空冷熱交換器および第3空冷熱交換器は、チューブと放熱フィンを交互に積層したコアと、チューブを介して連通する左右の冷却水タンクと、を有する。第3空冷熱交換器は、このコアの幅が第1空冷熱交換器のコアの幅より狭く設定されていて、第1空冷熱交換器の冷却水タンクの間に入れ込むことが可能である。
【0003】
また別の従来の複合熱交換器としては、特許文献2に記載のものが知られている。
この従来の複合熱交換器は、エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、エンジン以外の発熱体用の冷却水を冷却する第1空冷熱交換器と、車室空調用の冷媒を冷却する第2空冷熱交換器と、を備える。第1空冷熱交換器は、冷却水流入側タンクと、冷却水流出側タンクと、これらを連通するチューブと、チューブと交互に積層された放熱フィンと、車室空調用の冷媒を冷却する水冷熱交換器と、を有している。この水冷熱交換器は、流出側タンクの内部に配置されており、冷媒が水冷熱交換器の上方から流入し下方から流出した後、第2空冷熱交換器に流下するようにされることで、オイルが下部に滞留することが抑制され、熱交換効率向上、圧縮機の潤滑不足の解消、冷却システムの性能および信頼性の低下が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−121604号公報
【特許文献2】特開2010−127508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の複合熱交換器にあっては、いずれも、エンジンの冷却水を冷却する、サイズが一番大きいメインラジエータ(主放熱器)の車両前後方向にずらして他の熱交換器を並べるようにしている。
このため、配置スペースを確保しようとして車両前後方向に熱交換器を並べると、たとえばハイブリッド電気車両のように多くの熱交換器を搭載しなければならないような場合には、その車両前後方向の階層が増えて冷却風下流の熱交換器の熱交換率が悪くなる。
一方、車両前後方向の階層を少なくしようとすると、同じ車両幅方向面内に複数の熱交換器を詰め込み配置することとなって、熱交換のための必要な広さを確保することが難しくなる。
このように、熱交換器の数が増えるほど、サイズの増大で必要スペースの確保が難しくなり、また車両前後方向の階層が増えて、車両搭載の悪化、熱交換率の悪化をもたらすことになる。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、熱交換器の車両搭載性を向上させながら各熱交換器の必要スペースを確保し、かつ熱交換率の向上を図るようにした複合熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、請求項1に記載の本発明による複合熱交換器は、
第1熱交換器、第2熱交換器および第3熱交換器が複数配置されて、
第1熱交換器が、第2熱交換器および第3熱交換器から分離・離間された位置で圧縮機に連結されて、圧縮機から出力された第1媒体を第2熱交換器からの第2媒体により液冷却し、
第2熱交換器が、第1熱交換器から出力された第2媒体を空気冷却し、
第3熱交換器が、第1熱交換器に接続されて第1熱交換器から出力された第1媒体を空気冷却し、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1に記載の複合熱交換器において、
第1媒体が冷媒であり、かつ
第2媒体が冷却水である、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1又は請求項2に記載の複合熱交換器において、
第1熱交換器が、凝縮器であり、
第3熱交換器が、過冷却器である、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
第3熱交換器の第1媒体の流れ上流側又は下流側には、前記第1媒体の貯留部を接続・配置した、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
第3熱交換器は、放熱器である、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
第2熱交換器および第3熱交換器のうちの少なくとも一方を、第3媒体を空気冷却する第4熱交換器の通風上流側に配置した、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項6に記載の複合熱交換器において、
第4熱交換器が、主放熱器であり、
第3媒体が、冷却水であるである、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明による複合熱交換器は、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
複合熱交換器が、電気車両またはハイブリッド車に搭載されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、同じ第1媒体を冷却する第1熱交換器を第3熱交換器から分離・離間し、前者を第2熱交換器の第2媒体で液冷するようにしたため、第1熱交換器を小型化、高熱交換率化することができ、そのスペース分、第2熱交換器および第3熱交換器の配置スペースが広がることになる。したがって、熱交換器の車両搭載性を向上させながら各熱交換器の必要スペースを確保し、かつ熱交換率の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第1媒体を冷媒、第2媒体を冷却水としたので、たとえば車室内等の空調システムや電気モータやインバータを有する強電系部品の冷却など、異なった種類の冷却を最適に行うことが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第1熱交換器を凝縮器、第3熱交換器を過冷却器としたので、車室内等の空調システムを用いるものに最適である。
【0018】
請求項4に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第1媒体の貯留部を第3熱交換器の上流側、下流側いずれの側にも設けることができ、その場合でも第1媒体の溜め量を最適に調整することができる。
【0019】
請求項5に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第3熱交換器を放熱器とすることで、第1冷媒の冷却を最適に行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第2熱交換器および第3熱交換器のうちの少なくとも一方を、第3媒体を空気冷却する第4熱交換器の通風上流側に配置したので、これらを前後方向にまとめながら同じ空気流で効率よく冷却することができる。
【0021】
請求項7に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、第4熱交換器を主放熱器、これを流れる第3媒体を冷却水としたので、熱を大量に発生するエンジン等を十分に冷却することができる。
【0022】
請求項8に記載の本発明の複合熱交換器にあっては、複合熱交換器を電気車両またはハイブリッド車に搭載したので、電気モータやエンジン等を室内空調システム等とともに効率よく冷却するのに最適である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の複合熱交換器を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。なお、この実施例では、電気車両に搭載される複合熱交換器を例にとって説明する。
【実施例1】
【0025】
まず、実施例1の複合熱交換器の全体構成を説明する。
この実施例1の複合熱交換器は、凝縮器(本発明の第1熱交換器に相当)1と、サブラジエータ(本発明の第2熱交換器に相当)2と、サブクールコンデンサ(本発明の第3熱交換器、放熱器に相当)3と、メインラジエータ(本発明の第4熱交換器、主放熱器に相当)4と、リキッドタンク(本発明の貯留部に相当)5と、膨張器6と、蒸発器7と、圧縮機8と、を備えている。この複合熱交換器は、エンジン(内燃機関)と電気モータ9とにより走行可能なハイブリッド電気車両に搭載され、図示しないエンジンをメインラジエータ4で、電気モータ9等をサブラジエータ2で、また車室空調システムの冷却を凝縮器1やサブクールコンデンサ3等で行う。
【0026】
凝縮器1は、圧縮機8と一体的に連結されて、圧縮機8の冷媒(本発明の第1媒体に相当)の出口と、電気モータ9やインバータ10等を介してサブラジエータ2の冷却水(本発明の第2媒体に相当)の出口側と、リキッドタンク5の入口側と、にそれぞれ接続されている。この凝縮器1では、冷媒と冷却水が独立、かつ隣接して流通されることで熱交換が可能とされていることで、圧縮機8の出口から吐き出された冷媒は冷却水により液相まで液冷され、リキッドタンク5の入口まで送られる。なお、凝縮器1では、図示を省略したチューブと放熱フィンにて、冷却水を空冷する。
【0027】
圧縮機8は、実施例では吐出容量可変形の圧縮機であり、図示を省略した制御器から容量制御用電磁弁に出力される容量制御信号に対応して吐出容量が変化(数%〜100%)される。この圧縮機8は、図示を省略した電磁クラッチ又はディレクトプーリ(電磁クラッチなし)を介して図示しない電動モータによってベルト駆動される。
【0028】
サブラジエータ2は、図示を省略したチューブと放熱フィンを交互に積層したコアを有し、冷媒を冷却して凝縮器1から出力された冷却水をさらに空冷する、この出口側は、車両を走行させるための電気モータ9やインバータ10といった発熱する強電系部品の冷却部に接続されて、これらを冷却する。
【0029】
サブクールコンデンサ3は、図示を省略したチューブと放熱フィンを交互に積層したコアを有し、その入り口側がリキッドタンク5の出口側に、またその出口側が膨張器6にそれぞれ接続されている。サブクールコンデンサ3では、リキッドタンク5から送られてきた媒体を空気流により空冷して過冷却(サブクール)液として、膨張器6へ送り出す。
【0030】
リキッドタンク5は、凝縮器1とサブクールコンデンサ3との間に配置されてこれら間を接続する。リキッドタンク5は、凝縮器1にて液化された高圧中温の液化冷媒に含まれる水分やゴミをフィルタ部で取り除くとともに、余分な冷媒を一時的に溜めておき、急冷時等に冷媒が十分に供給できるようにする。
【0031】
膨張器6は、サブクールコンデンサ3から送り出されてきた過冷却液を低圧にするとともに絞り、冷媒を低温かつ低圧の霧状の冷媒として気化しやすいようにする。この冷媒は蒸発器7へと送られる。
【0032】
蒸発器7は、車室内に配設された図示を省略したエアコンユニットの送風ダクト内に配置されていて、膨張器6を通過して減圧膨張した低温低圧の冷媒を、送風機の空気流を受けて蒸発させ、送風ダクト内を車室へ向けて流れる空気流を冷却する。蒸発器7から出た冷媒は、圧縮機8の入口へ送り出される。
【0033】
メインラジエータ4は、図示を省略したチューブと放熱フィンを交互に積層したコアを有し、エンジンを冷却するためのもので、サブラジエータ3とは別の冷却水(本発明の第3媒体に相当)をエンジンの冷却部との間で還流させ空冷する。また、メインラジエータ4には、図示を省略した電気ファンが設けられており、駐車時等におけるエンジンの冷却のための空気流を発生させる。サイズとしては、図1に示すように、他の熱交換器(凝縮器1、サブラジエータ2、サブクールコンデンサ3)よりかなり大きい。
【0034】
なお、電気モータ9は、これ単独で車両を駆動走行させ、あるいはエンジンとともに車両を駆動走行させるものであり、その稼働にあっては発熱量が大きい。また、インバータ10は、アクセル操作、車速などの計測データに基づき、電気モータ9へ供給する電力を制御するもので、これも発熱量が大きい。なお、これらの構造は周知なので、ここでは説明を省略する。
【0035】
以上のように、実施例1では、メインラジエータ、エンジンの冷却部およびそれら間の配管は、エンジンを冷却するエンジン冷却回路を構成する。また、サブクールコンデンサ3、膨張器6、蒸発器7、圧縮機8、凝縮器1、リキッドタンク5およびそれら間の配管は、車室空調用冷却回路12を構成する。さらに、サブラジエータ2、凝縮器1の一部およびそれら間の配管は、電気モータ9やインバータ10等の強電系部品を冷却する強電系用冷却回路11を構成する。
【0036】
上記のようにそれぞれ構成した部品は、以下のように配置される。
すなわち、サブラジエータ2とサブクールコンデンサ3は、メインラジエータ4の車両前側に上下方向に並列配置される。また、エアコンの冷媒を冷却する凝縮器1は、圧縮機8に連結されて、サブラジエータ2、サブクールコンデンサ3、およびメインラジエータ4から離間・分離された位置(車両前後方向の後方側)に配置される。すなわち、従来一体的に設けられていた凝縮器とサブクールコンデンサとが本実施例では離間分離されるとともに、これにより凝縮器は従来の空冷から液冷へと変更される。
【0037】
次に、この実施例1の複合熱交換器の作用を説明する。
エンジン冷却回路では、メインラジエータ4を流れる空気流により冷却水が冷却され、この冷却された冷却水がエンジンの冷却部へ送られてエンジン内を流れることによりエンジンを冷却する。エンジンで温められた冷却水はメインラジエータ4へ戻され、再度冷却されてエンジンへ送り出される。
【0038】
強電系用冷却回路11では、冷却水(エンジンの冷却水とは別の冷却水)が凝縮器1およびサブラジエータ2を通過する空気流によりそれぞれ冷却され、この冷却された冷却水が電気モータ9やインバータ10等の強電系部品の冷却部を流れることにより、これらを最適な温度範囲内になるように冷却する。また、強電系部品を冷却した冷却水は、さらに凝縮器1へ流れ込み、ここで空気流により冷却されながら、隣接して流れる車室空調用冷却回路12の冷媒を冷却する。
【0039】
一方、車室空調用冷却回路12では、圧縮機8で圧縮されて高温・高圧のガス状となった冷媒は圧縮機8から吐き出されて凝縮器1に入り、ここで強電系用冷却回路11の冷却水により冷却されて液化される。この液化された冷媒はリキッドタンク5にて気液分離され、余分な一部が溜められ残りの媒体がサブクールコンデンサ3に送られる。サブクールコンデンサ3では、リキッドタンク5から送られてきた液冷媒(気体冷媒を一部含む)をさらに空気流で過冷却してほぼ完全な液冷媒とする。この液媒体は膨張器6へ送られてここで膨張・絞りが行われることで低温・低圧の霧状の冷媒として気化しやすいようにされる。この霧状の冷媒は、蒸発器7に送られてここで気化してパイプの周囲を通って車室内に流れ込む空気流から熱を奪い、車室空調用の冷風を作り出す。この蒸発器7で熱交換して温まった冷媒は、圧縮機1へ送られ、ここで圧縮され高温・高圧の気体となって、凝縮器1で容易に液化できるようにされる。以下、上記サイクルが繰り返される。
【0040】
次に、この実施例1の複合熱交換器の効果を説明する。
この実施例1の複合熱交換器にあっては、従来一体とされ、そのためいずれも空冷であった凝縮器1とサブクールコンデンサ3とを分離・離間して、凝縮器1をサブクールコンデンサ3、サブラジエータ2およびメインラジエータ4から離れた位置にある圧縮機1に連結するとともに、凝縮器1ではここを流れる車室空調用冷却回路12の冷媒を、サブラジエータ2を流れる強電系用冷却回路11の冷却水で液冷するようにした。したがって、サブクールコンデンサ3およびサブラジエータ2は、凝縮器1が不要になった分、さらに設置スペースが確保でき、空気冷却のための十分な面積を確保できる。
【0041】
また、これらの後方にメインラジエータ4を配置しても、全体としてはコンパクトに収まり、かつ車両前後方向2階層のみであるため空気流がスムーズに流れ、十分な冷却能力を確保できる。また、メインラジエータ4は、凝縮器1が不要になった分、前方に配置したサブクールコンデンサ3およびサブラジエータ2の面積が従来の凝縮器付きコンデンサおよびサブラジエータの場合より小さくなるので、メインラジエータ4に直接当たる空気流を増え、熱交換効率が向上する。
一方、離間した凝縮部1は従来の空冷から液冷へと変更することで、熱交換効率を向上させることができ、そのサイズを小さくすることができる。
【0042】
また、従来すべての部品がメインラジエータ4の近くにまとめられていたため、これら間の配管作業が大変だったのが、本実施例では上記のようにメインラジエータ周りがコンパクトな配置となって車両搭載性が向上するのみならず、凝集部1が分離された位置に配置されていることから各部品間の配管作業が容易となる。
【0043】
また、サブクールコンデンサ3およびサブラジエータ2を、空冷の第1放熱器の通風上流側である車両前側に配置することで、他の熱交換器で温まる前の空気流で冷媒を冷却することが可能となって、冷却効率が向上する。
【0044】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0045】
たとえば、実施例1では、サブクールコンデンサ3およびサブラジエータ2を、空冷の第4放熱器の通風上流側である車両前側に配置したが、サブクールコンデンサ3およびサブラジエータ2の少なくともいずれか一方を空冷の第4熱交換器の通風上流側である車両前側に配置しても、冷媒の冷却効率を高めることができる。
【0046】
また、リキッドタンク5は、サブラジエータ2と膨張器6の間に配置してもよい。
なお、圧縮機8は実施例1のものに限られず、他のタイプを用いてもよい。
【0047】
実施例では、本発明をハイブリッド電気車両に限られず、電気自動車や、ガソリンエンジン車など他の車種にも適用することができる。
電気自動車の場合、メインラジエータ4は不要となる。したがって、その他の熱交換器だけを用いることになるが、この場合、その分複合熱交換器全体を小さくできるので、電気自動車のようにその全体の形状や部品の配置に大きな自由度を確保したい場合には最適である。
このように本発明にあっては、第4熱交換器(実施例1ではメインラジエータ)は必ずしも必要ではない。
また、強電系用冷却回路11は、他の部品を冷却水で冷却するものであって空冷の熱交換器で冷却水を冷却するものであればよい。
【符号の説明】
【0048】
1 凝縮器(第1熱交換器)
2 サブラジエータ(第2熱交換器)
3 サブクールコンデンサ(第3熱交換器:放熱器)
4 メインラジエータ(第4熱交換器)
5 リキッドタンク(貯留部)
6 膨張器
7 蒸発器
8 圧縮機
9 電気モータ
10 インバータ
11 強電系用冷却回路
12 車室空調用冷却回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱交換器、第2熱交換器および第3熱交換器が複数配置されて、
前記第1熱交換器は、前記第2熱交換器および前記第3熱交換器から分離・離間された位置で圧縮機に連結されて、該圧縮機から出力された第1媒体を前記第2熱交換器からの第2媒体により液冷却し、
前記第2熱交換器は、前記第1熱交換器から出力された前記第2媒体を空気冷却し、
前記第3熱交換器は、前記第1熱交換器に接続されて該第1熱交換器から出力された前記第1媒体を空気冷却する、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の複合熱交換器において、
前記第1媒体は冷媒であり、かつ
前記第2媒体は冷却水である、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の複合熱交換器において、
前記第1熱交換器は、凝縮器であり、
前記第3熱交換器は、過冷却器である、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
前記第3熱交換器の前記第1媒体の流れ上流側又は下流側には、前記第1媒体の貯留部を接続・配置した、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
前記第3熱交換器は、放熱器である、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
前記第2熱交換器および前記第3熱交換器のうちの少なくとも一方は、第3媒体を空気冷却する第4熱交換器の通風上流側に配置した、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項7】
請求項6に記載の複合熱交換器において、
前記第4熱交換器は、主放熱器であり、
前記第3媒体は、冷却水である、
ことを特徴とする複合熱交換器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合熱交換器において、
該複合熱交換器は、ハイブリッド電気車両に搭載されている、
ことを特徴とする複合熱交換器。


【図1】
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【公開番号】特開2012−247120(P2012−247120A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118713(P2011−118713)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】