説明

複数のオリゴヌクレオチド用のフィンガープリント分析

本発明は、オリゴヌクレオチド試料、特に、サイズ及びシーケンスを変える可能性のある様々なオリゴヌクレオチドを収容する試料の精度を評価するための方法を提供する。方法は、マルチ−オリゴヌクレオチド試料が同じ又はほぼ同じ分子重量を有する異なるオリゴヌクレオチドを収容するかどうかにかかわらず、この試料の精度を評価するのに用いることのできるフィンガープリントを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴヌクレオチドのポスト合成的解析及び検証に関し、特に、複数のオリゴヌクレオチドのポスト合成的解析及び検証に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、35U.S.C.§119(e)下で、2006年10月26日に出願された特許文献1に基づく優先権を主張するものである。上記出願の全体の教示が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
オリゴヌクレオチドは、多数の研究及び臨床用途において用いられる。オリゴヌクレオチドの完全性を保証することは、オリゴヌクレオチドを用いる用途において失敗又は誤った結果を防ぐために不可欠である。幾つかの方法は、結果として生じるオリゴヌクレオチドが、技術者がその用途で用いるように意図したものであることを保証するために開発されてきた。
【0004】
オリゴヌクレオチド合成の間、品質を保証する1つの方法は、トリチル監視を通して行われる。オリゴヌクレオチド合成においてモノマーの5'−ヒドロキシル基の限度を定めるために用いられるジメトキシトリチル(DMT)基は、酸で除去された後に、そのプロトン化した形態で蛍光を発する。蛍光発光の吸光度は、498nm又はおよそ498nmで測定可能である。吸光度レベルの減少は、結合が効率的でなかったという表示である可能性がある。
【0005】
オリゴヌクレオチド・ターゲットの同一性は、母集団の優勢な分子重量を測定することによってポスト合成的に査定可能である。ターゲット・シーケンスは、公知であるので、ベース自体の算出された分子重量は、所望の化合物が生成されたかどうかを見るために、測定された分子重量を比較する基準となる。この原理を利用する1つの方法は、マトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF)を通して行われる。MALDI−TOFは、電荷を問題になっているサンプルに分け与え試料皿からそれをはじくために、化学的マトリクスと併せてレーザ光を用いる。結果として生じるイオンは、飛行管を通って検出器へ移動し、時間の関数として粒子総数を測定する。飛行時間(TOF)は、分子の質量に正比例する。
【0006】
MALDI−TOFは、分子重量を査定するための堅牢で非常に高い処理能力の工程である。MALDI−TOFの1つの欠点は、その処置のイオン化効率(及びそれ故溶解)が、〜45ベースより上又は>13,000Daで急速に低下することである。クローニング及び/又は遺伝子合成のための70merアレイ及び長オリゴヌクレオチドの普及により、より長い生成物を査定するために別の方法が必要とされる。
【0007】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析は、オリゴヌクレオチドのようなターゲット分子を多重電荷状態にイオン化する。この電荷状態の読み出しは、親ピークにデコンボリュートされることのできる波形である。方法は、500乃至1,500の堅いm/zウィンドウを用い、それに高い質量精度を与える。電荷状態のみがイオンに対して変化するので、高分子重量を有するオリゴヌクレオチドは、この方法を用いて分析可能である。それ故、ESIは、より長いオリゴヌクレオチドに対するMALDI−TOFでの好ましい品質管理(QC)方法であることが多い(非特許文献1を参照されたい)。
【0008】
現在のところ、品質管理におけるESI及びMALDI−TOFの使用は、ESIの結果を所与の分子重量のオリゴヌクレオチド・シーケンスに起因する予想されるピークと比較することに限定される。いくつかの分析は、所与の分析のために48、96又はそれより大きいオリゴヌクレオチド・シーケンスを用いることができ、分子重量だけに基づく分析において、所与のシーケンスは、他のシーケンスから区別不能であることがある。分析の品質管理は、故に、分析の結果が、予想される結果と同じであることを保証するために、所与のプラットフォームを通して分析を実行することに依存する。
【0009】
単一ヌクレオチドの多型の有無を検出するために、マルチ−オリゴヌクレオチド試料を観察した他の方法は、当技術分野で公知である(Koster他による特許文献2を参照されたい)が、この分析は、オリゴヌクレオチド混合物及びその相対濃度における、いかなる成分オリゴヌクレオチドの有無も検出することはできない。
【0010】
提案する方法は、マルチ−オリゴヌクレオチド試料の理論的MALDI−TOF又はESIトレース(フィンガープリント)を生成し、次にその混合の実際のMALDI−TOF又はESIデータをQCチェックのようなフィンガープリントと比較することを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/863,063号
【特許文献2】米国特許第7,074,563号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Elliott、B.及びHail著M.High−Throughput Analysis of Olignucleotides Using Automated Electrospray Ionization Mass Spectrometry American Biotechnology Laboratory、2004年1月
【発明の概要】
【0013】
提案する方法は、理論的ESIトレース(フィンガープリント)を生成し、次にその合成の精度を検証するために、その混合の実際のESIトレース・データをフィンガープリントと比較することを含む。方法は、分析における1より多くのオリゴヌクレオチド・シーケンスが同じデータ点を共有する場合でさえ、ESIデータからの多数のデータ点が図表を用いて表わされることを可能にする。理論的トレースは、信号値1を個々の質量に割り当て、すなわち、別の範囲と重複しない分子重量範囲に値1が割り当てられることになる。1より多い質量が、それぞれの分子重量に出現する場合には、強度は、その数だけ増加する(例えば、分析における3つの異なるオリゴヌクレオチドが同じ分子重量を有する場合には、その範囲には強度値3が割り当てられることになる)。ピークの数は、ピーク高さの50%又はそれより高いピーク高さで交差するいかなるものも加算されると仮定することによって、さらに削減されることになる。ピークの幅は、試料オリゴヌクレオチドの長さに依存する。新しいピークの質量は、次の式を用いて算出される:
MWnew=(MW1*強度1+MW2*強度2+...MWn*強度n)/(強度1+強度2+...強度n
新しいピーク強度は、個々の強度の単なる加算である。
【0014】
本発明の方法は、いかなる特定の分析フォーマットにも限定されるものではなく、MALDI−TOFの結果をフィンガープリント採取するためにも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】Microsoft Excel(登録商標)を用いて、実施例1の表1におけるデータから作成された理論的トレースである。
【図2】実施例1における48試料の実際のESIトレースである。
【図3】Applied BiosystemsからのData ExplorerTMソフトウェアを用いて、実施例1の表1におけるデータから生成された理論的トレースである。
【図4】図3における理論的トレース及び図2からの実際のESIデータのオーバーレイである。
【図5】強度が、同じ分子重量を有するオリゴヌクレオチド試料の量に等しい場合の表1におけるデータのグラフである。
【図6】図5において枠で囲まれたデータの拡大版である。
【図7】図1の理論的トレースにおける1つのピークを形成するために、ピーク4がピーク2及び3と合体する理由を説明するために、ピーク(2+3)及び4の間の重複量を示す。
【図8】理論的トレースの2つのピークを分離することを要求するピーク(5+6)と(7+8)との間の間隙(50%より大きいピーク高さの重複は無い)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
提案する方法は、理論的ESIトレース(フィンガープリント)を生成し、次にその混合の実際のESIデータをQCチェックのようなフィンガープリントと比較することを含む。方法は、分析における1より多くのオリゴヌクレオチド・シーケンスが同じデータ点を共有する場合でさえ、ESIデータからの多数のデータ点が図示されることを可能にする。理論的トレースは、信号値1を個々の質量に割り当て、すなわち、別の範囲と重複しない分子重量範囲に値1が割り当てられることになる。1より多い質量が、それぞれの分子重量に出現する場合には、強度は、その数によって増加する(例えば、分析における3つの異なるオリゴヌクレオチドが同じ分子重量を有する場合には、その範囲には、強度値3が割り当てられることになる)。ピークの数は、ピーク高さの50%又はそれより高いピーク高さで交差するいかなるものも加算されると仮定することによって、さらに削減されることになる。ピークの幅は、試料オリゴヌクレオチドの長さに依存する。新しいピークの質量は、次の式1を用いて算出される:
MWnew=(MW1*強度1+MW2*強度2+...MWn*強度n)/(強度1+強度2+...強度n
新しいピーク強度は、個々の強度の単なる加算である。
【0017】
関心のあるオリゴヌクレオチドの各々を収容する試料が準備され(「マルチ−オリゴヌクレオチド試料」)、結果として得られる試料は、ESI器具を通される。試料におけるオリゴヌクレオチドを表すピークが存在し、多数のオリゴヌクレオチドが同じか又はほぼ同じ分子重量を有する地点においてより高いピークとなるであろう。一実施形態においては、基準フィンガープリントは、オリゴヌクレオチドの組が常に同じである基準分析キットを表すことができる。
【0018】
別の実施形態においては、本発明は、オリゴヌクレオチド混合物の自動検証を与えるようにプロセッサに組み込むことができる。式1におけるアルゴリズムは、オリゴヌクレオチド混合物を、算出されたピーク又はピークの組の中に含むと予想される個々のオリゴヌクレオチド成分の、所与の分子重量を処理するソフトウェアの構成要素とすることができる。別の実施形態においては、プロセッサは、測定された質量スペクトルが算出されたスペクトルと一致するかどうかを判断するために、測定された質量スペクトルが自動システムを提供するようにする機器により動作できる。
【0019】
用語「多重オリゴヌクレオチド」は、1つより多くのオリゴヌクレオチド試料のことを言い、その試料は、同じ分子重量を有することも有しないこともでき、またその試料は同じシーケンスを有することも有しないこともできる。例えば、実施例1は48オリゴヌクレオチド試料、すなわち48のオリゴヌクレオチドを有する多重オリゴヌクレオチド試料を収容する。
【0020】
用語「質量分析法」、「質量スペクトル」及び「質量査定」は、イオン化方法及び質量分析のための多数の技術を包含する。質量分析法形式の例は、MALDI−TOF(マトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型)、ESI−TOF(エレクトロスプレーイオン化飛行時間型)、ESI(一般に単一又は三連四重極を有するエレクトロスプレーイオン化)、ESI−QIT(エレクトロスプレーイオン化四重極イオントラップ型(直線状又は3−D))、MALDI−QIT(マトリクス支援レーザ脱離イオン化四重極イオントラップ型(直線状又は3−D))、MALDI−QTOF(マトリクス支援レーザ脱離イオン化四重極飛行時間型):及びESI−QTOF(エレクトロスプレーイオン化四重極飛行時間型)を含む。
【0021】
オリゴヌクレオチドをイオン化するのには、通常2つの方法がある(MALDI及びESI)。MALDIは、典型的にはTOF(飛行時間)質量分析器に連結するが、それらは四重極イオントラップ(QIT)質量分析器に連結してもよい。ESIシステムは、TOF質量分析器、並びに四重極(単一Q及び三連Q)又は四重極イオントラップ(直線状及び3−D)を有する質量分析器に連結することができる。QTOFのような混成システムもあり、最初に四重極によって次にTOFによって、MALDI又はESI源のいずれかからイオンを分析する。いかなるTOFに対しても、rTOF(反射飛行時間)を加えることができ、或いは、多数の上述した検出器にFT(フーリエ変換)を加えることができる。
【0022】
以下の例は本発明をさらに説明するが、もちろんいかなる方法においてもその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0023】
この例は、48−オリゴヌクレオチド試料を用いる理論的フィンガープリント採取方法の精度を明示する。各オリゴヌクレオチドの予想される分子重量は、算出され表1に記入された。表1に示すように、19のオリゴヌクレオチドが同じ分子重量を有する。ピークは、試料オリゴヌクレオチドの一般的な幅と一致するように20Da幅であるように算出され、重複するピークは結合された。

表1:オリゴヌクレオチドの組の実際の分子重量

【0024】
式1を用いて、オリゴヌクレオチドは、分子重量に基づいてグラフに描かれた。図1は、Microsoft(登録商標)Excel(登録商標)を用いた式1を用いる表1からのデータのチャートを示す。
理論的トレースを設計する第1ステップは、同じ分子重量を有する試料の数に等しい強度を割り当てることによって、同じ分子重量を有するオリゴヌクレオチド試料を最初に結合させることであった。次に、式1は、重複が全ピークの間で50%より少なくなるまで、全ピークの組に適用された。結果として図1のトレースになるように、ピークがさらにどのように結合されるかを説明するために、データの部分集合(図5において枠で囲まれた)が、次のステップを説明するために選択された。
【0025】
図6は、図5において枠で囲まれたデータの拡大版である。ピーク1及び11は、他のどのピークとも重複せず、それ故、独立するピークのままであった。50%より大きいピーク高で重複のあったピークは、式1を用いて結合された。例えば、全てが、50%より大きいピーク高で重複するので、ピーク2、3、及び4は結合される。特に、ピーク2及び3は、式1を用いて加えられ((12914.4*1+12924.4*1)/(1+1)=12921.9、強度=2)、(2+3)の合計から得られたピークがピーク4のピーク高さの50%より大きいところでピーク4に重複するので、結果として得られた合計はピーク4に加えられた((12921.9*2+12933.4*1)/(2+1)=12925.7、強度3)。ピーク4に対する(2+3)ピークの図示については図7を参照されたい。
ピーク5及び6は、1つのピークを形成するために結合され、ピーク7及び8は別のピークを形成するために結合された。ピーク6及び7は50%のピーク高さより大きいところで重複し、ピーク(5+6)及び(7+8)のそれぞれの組は、6及び7が互いに対するより大きい重複があった。より大きい重複ピークが算出されると((5+6)及び(7+8))、(5+6)と(7+8)との間で50%より大きい重複はなくなり、それ故、結合されなかった。図8を参照されたい。
【0026】
別の理論的チャートが、Applied BiosystemからのDataExplorerTMソフトウェアで、表1からのデータにより式1を用いて作成された(図3)。すべての48のオリゴヌクレオチドを収容する試料は、実際のトレースを作成するために、Thermo Fisher ScientificからLCQTMESI器具の中に配置された。図2は、実際のESIトレース・データを収容する。図2及び図3は、予想されるピーク値と実際のピーク値との間の相互関係を明示するために、オーバーレイされた(図4)。結果は、実際のトレースにおける各ピークが理論的トレースにおける対応するピークを有し、実際のトレースが理論的フィンガープリントに存在した各ピークを収容することを明示する。
【0027】
ここに列挙された刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての引用文献は、各引用文献が、引用によって組み入れられ個々に及び特定的に表示され、その全体が本明細書に説明されるように、引用によって同じ程度に本明細書に組み入れられる。
【0028】
本発明を説明するに当たって(特に特許請求の範囲において)、用語「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示語の使用は、それ以外の意味が本明細書に表示されない限り又は内容に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「収容する(containing)」は、それ以外の意味が言及されない限り、制約が無い用語(すなわち、「含むがしかし限定はされない」という意味)として解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の列挙は、それ以外の値が本明細書に示されない限り、単にその範囲内に収まる各別個の値を個々に指す間に合わせの方法として働くように意図されており、各別個の値は、個々に本明細書の中に列挙されるかのように明細書に組み入れられる。本明細書に説明される全ての方法は、別の方法により本明細書に示されない限り、或いは内容と明らかに矛盾しない限りは、いかなるふさわしい順番においても実行可能である。本明細書に提供されるあらゆる例、又は例示的言語(例えば「のような」)の使用は、単に、本発明の理解をし易くすることが意図されており、別の方法により記載されない限り、本発明の範囲を制限しない。明細書におけるどの言語も、特許請求されてないいかなる要素も本発明の実施に欠かすことができないと示すように解釈されるべきではない。
【0029】
本発明を実行するために本発明者には公知の最善の様式を含む本発明の好ましい実施形態が、本明細書に説明される。それら好ましい実施形態の変形態様は、前述の説明を読むことにより、当業者には明白になるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形態様を適当なものとして採用すれることを期待し、本発明者らは、本発明が、特に本明細書で説明される以外で実践されることを意図する。従って、本発明は、準拠法によって許諾されるようなここに添付される特許請求の範囲に列挙される内容の全ての修正及び等価な物を含む。さらに、全ての可能な変形態様において上述された要素のいかなる組み合わせも、別のものが本明細書に示されない又は別のものが内容に明白に矛盾しない限り、本発明により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴヌクレオチド混合物における成分オリゴヌクレオチドの有無を検出する方法であって、
a)前記オリゴヌクレオチド混合物の質量スペクトルの測定値を取得し、
b)前記質量スペクトルの測定値を、算出された質量スペクトルと比較する
ステップを含み、MW1が前記オリゴヌクレオチド混合物における1つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドの第1の部分集合であり、MW2が前記オリゴヌクレオチド混合物における1つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドの第2の部分集合であり、MWnが前記オリゴヌクレオチド混合物における付加的な部分集合を表し、強度1が前記オリゴヌクレオチド混合物における1つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドの前記第1部分集合の強度であり、強度2が前記オリゴヌクレオチド混合物における1つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドの前記第2部分集合の強度であり、強度nが、前記オリゴヌクレオチド混合物における付加的な部分集合の強度を表す場合に、前記算出された質量スペクトルは、MWnew=(MW1*強度1+MW2*強度2+...MWn*強度n)/(強度1+強度2+...強度n)である式1から導出されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記質量スペクトルは質量分析法トレースであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記質量スペクトルはエレクトロスプレーイオン化質量分析トレースであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記質量スペクトルはマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記質量スペクトルはエレクトロスプレーイオン化四重極イオントラップ型であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記質量スペクトルはマトリクス支援レーザ脱離イオン化四重極イオントラップ型であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記質量スペクトルはマトリクス支援レーザ脱離イオン化四重極飛行時間型であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記質量スペクトルはエレクトロスプレーイオン化四重極飛行時間型であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記算出された質量スペクトルはプロセッサによって与えられ、前記のプロセッサは、算出された質量スペクトルを提供するために、前記オリゴヌクレオチド混合物の一組の所与の分子重量を受容することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
オリゴヌクレオチドの基準セットを使用する分析のためのキットであって、前記のキットはオリゴヌクレオチドの前記基準セットと、請求項1におけるように算出された質量スペクトルを含むことを特徴とするキット。
【請求項11】
エレクトロスプレーイオン化質量分析トレースにおいてピーク強度及びピーク質量を分析するための方法であって、
a)試料の各オリゴヌクレオチド構成材料に初期強度値1を割り当て、
b)一組のオリゴヌクレオチド構成材料から、等しい分子重量を有するオリゴヌクレオチド構成材料の第1のサブセットを判断し、
c)Inewが結合されたピーク強度であり、I1及びI2が第1のサブセットの前記オリゴヌクレオチド構成材料であり、InがI1及びI2と等しい分子重量を有する前記第1のサブセットに存在することもしないこともできる付加的なオリゴヌクレオチド構成材料を表す、式Inew=I1+I2+...Inを用いて、前記結合されたピーク強度を形成するために、前記第1のサブセットの構成材料を結合し、
d)ピーク分子重量を、前記第1のサブセットの各構成材料の前記分子重量に等しい前記結合されたピークに割り当て、
e)前記一組のオリゴヌクレオチド構成材料から、オリゴヌクレオチド構成材料の第2のサブセットを判断し、
オリゴヌクレオチド構成材料の前記の第2サブセットは、前記第2サブセットの各構成材料がエレクトロスプレーイオン化質量分析トレースにおけるピークとして描かれる場合に、前記第2サブセットの構成材料の前記ピークが50%より大きいピーク高さで重複する前記第2サブセットの他の構成材料の範囲内の分子重量を有し、
f)I2newが結合されたピーク強度であり、I21及びI22が第2サブセットの前記オリゴヌクレオチド構成材料の強度であり、I2nが前記第2サブセットに存在することもしないこともできる付加的なオリゴヌクレオチド構成材料を表す、数式I2new=I21+I22+...I2nを用いて、前記第2の結合されたピーク強度を形成するために、前記第2サブセットの構成材料を結合し、
g)MWnewが第2の結合されたピーク質量を表し、MW1及びMW2が第2サブセットの構成材料の前記分子重量であり、MWnが前記第2サブセットに存在することができる付加的な構成材料を表す、数式MWnew=(MW1*I21+MW2*I22+...MWn*I2n)/(I21+I22+...I2n)を用いて、第2の結合したピーク質量に対する前記第2サブセットの前記構成材料を結合する、
ステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−508024(P2010−508024A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534809(P2009−534809)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/082197
【国際公開番号】WO2008/070314
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(507382991)インテグレイテッド ディーエヌエイ テクノロジーズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】