複数の患者医療装置からのデータの収集及び通信のためのシステム及び方法
複数の医療装置(12、40)からのデータを収集、通信、表示、及び/又は分析するためのシステム(10、200)及び方法を開示する。該システムは、局所データ収集モジュール(14、1460)及び多くの医療装置アダプタ(30)を有する。医療装置アダプタ(30)はそれぞれ各医療装置(12)と有線接続で連結されており、それぞれの医療装置(12)からデータを受信する。医療装置アダプタ(30)は、無線でデータを局所データ収集モジュール(14、1460)に送信する。局所データ収集モジュール(14、1460)は、医療装置アダプタ(30)から受信したデータを電子カルテ(EMR)システム(74)に伝送して、少なくともデータの一部を各医療装置(12)に関連付けられた患者の電子カルテに自動入力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の患者用医療装置からのデータを収集、伝達、表示及び/又は分析するシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、ほんの数例を挙げると、病院用ベッド等の患者用サポート装置、血圧モニター又は心電計等の生理学的モニター装置、及び静脈ポンプ又は人工呼吸器等の他の患者医療機器からのデータを取り扱うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、患者それぞれの治療に関しさまざまな正規の機器製造業者からの高機能の機器が使用される。例えば、ほとんどの入院患者には様々な機能が備わったベッドが割り当てられる。それらの機能には、患者の体重測定機能、支持面における患者の姿勢監視機能、さらに各サイドレールが上がっているか下がっているかなどのベッドフレームの各部分の位置を特定し、ベッドの頭部が上昇する角度を含む支持面を支持する様々な可動式のデッキ部の位置を特定する機能を含むことができるが、それらに限定されるものではない。病院用ベッド又は病院用ベッド上に設置されたマットレスシステム(表面と呼ばれることもある)のなかには連続ローテーションセラピー、脈拍及び/又はバイブレーションセラピー、及び/又は交互加圧セラピー等の治療機能を備えているものもある。また、ローエアロス、最大膨張、及びCPR用の急速収縮等のさらなる支持面機能をも含むことができる。従って、各病院用ベッド及び/又はそれに付随する各支持面は、多種多様のデータを発生する高度な制御及び監視システムを備えている。
【0003】
当然ながら、医療分野ではその他の高度な機器も使用することによって患者に治療を施し、あるいは患者の状態を監視している。そのような機器には、例えば人工呼吸器等の生命維持装置や、心電図(EKG)、脳波計(EEG)、心拍数モニター、血圧モニター、血液酸素飽和度モニター等の生体信号監視装置、及び静脈ポンプ、薬剤注入ポンプ、インスリンポンプ、受動運動装置等の他の患者治療装置を含むことができるが、それらに限定されるものではない。これらの機器のそれぞれも、通常、多種多様のデータを発生する高度な制御及び監視システムを有している。
【0004】
病院によっては、異なる製造業者からの類似の機器を備えていることがあり、各医療従事者はその日常活動で関わってくる可能性がある。医療従事者にとって医療現場における異なる製造業者のすべての機器の制御や監視機能をすべて習熟することは困難である。しかしながら、各医療従事者が利用できるようにする各機器に共通した一定の主要情報或いはデータが存在する。このような主要情報は電子カルテ(EMR)システムに記録されることが多い。医療従事者にとって、主要情報を物理的に手書きの表に記入し、その後同一人物或いはその他の医療従事者が手書きデータをEMRシステムに入力することは珍しくない。主要情報を手書きの表に記入するには、医療従事者は多くの異なる製造業者が販売する多くの装置の各ユーザ画面の操作法に習熟しなければならない。医療従事者が必要な情報を探し、データを表に記入してその後EMRシステムに入力するという一連の手動動作では、データの誤入力を誘発する可能性がある。
【0005】
広範にわたる医療機器から自動的に主要情報を取得してEMRシステムに入力すると共に、医療従事者に各種データをどの種類の機器からのものかに関らず統一的に提示することができれば、医療現場にとってはおそらく便利であろう。また、様々な患者医療装置からのデータに論理的な条件(例えばOR条件やAND条件)を適用して警報を発するようプログラムすることができるシステムがあれば、場合によって有益であると思われる。医療基準は、時として各患者の医療のために設定され、異なる医療機器からのデータは医療基準の態様を測定することができる。各種装置からのデータに基づき、医療基準の様々な態様を監視し、及び医療基準から外れた状況が検出された場合に警報を医療従事者に発する又は通知を行う共通のシステムを備える機能は、医療環境によってはさらに有用性が高いであろう。
【0006】
<関連する出願への相互参照>
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2007年10月26日に出願された米国仮特許出願第61/000,489号及び2008年10月20日に出願された米国仮特許出願第61/106,830号の利益を主張すると共に、上記両出願を参照により本願明細書に明示的に援用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、添付の請求項が請求する特徴のうち一つ以上の特徴、及び/又は単独或いは組み合わせで特許性のある主題を備えることができる以下の特徴のうち一つ以上の特徴を有するシステム又は方法を備えることができる。
【0008】
複数の各種患者医療装置からのデータを収集、通信、分析及び/又は表示するシステムを提供できる。このシステムは、第1コントローラ、第1コントローラと連結し各種患者医療装置から局所無線で信号を受信することができる受信機、及び第1コントローラと連結し医療施設のイーサネット無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機を備える局所データ収集モジュールを有することができる。局所データ収集モジュールは、第1コントローラと連結されて医療施設のイーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタをさらに有していてもよい。
【0009】
受信機は、例えば802.15.4プロトコル(ジグビープロトコルとしても知られる)等の第1無線通信プロトコル或いは超広帯域プロトコルによって動作可能であり、送受信機は802.11プロトコル等の第2無線通信プロトコルによって動作可能である。
【0010】
本システムは、本願明細書では医療装置アダプター(MDA)と呼ばれる複数のデータ通信モジュールをさらに有することもできる。各MDAは、第2コントローラ及び第2コントローラに連結される装置コネクタを有し、複数の患者医療装置のうち、それぞれの患者医療装置に連結してデータを受信することができる。各MDAにはそれぞれの第2コントローラに連結される送信機があり、第1無線通信プロトコルにより局所データ収集モジュールの受信機に局所無線信号を送信できる。複数のMDAのうち、各MDAのコントローラは、複数の患者医療装置からそれぞれの患者医療装置の固有装置データプロトコルに従って受信したデータを共通データプロトコルに従うデータに変換し、関連送信機に局所無線信号の一部として局所データ収集モジュールに変換されたデータを送信させるようプログラムすることができる。他の実施形態では、MDAはそれぞれの医療装置から受信したデータ形式のまま単にデータを送信することができる。データ変換は、その後、局所データ収集モジュール又はサーバーや病院イーサネットに連結されたその他のコンピュータ装置などのさらに遠隔した場所で実施することもできる。
【0011】
局所データ収集モジュールは、病院用ベッドと連結可能であり、又は病院用ベッドの回路の一部としてさらに包含されることも可能である。局所データ収集モジュールは、頭壁、アーム、支柱又は他の建築設備などのその他の装置に連結可能であり、又は、独立したコンピュータの一部となることも可能であり、或いは他の患者医療装置連結又は一体化することもできる。局所データ収集モジュールは、幾つかの実施形態において任意の増設コンピュータ装置だけでなく局所データ収集モジュールを搬送する移動用カートなどの車輪台付きのコンピュータ(COW)に連結できる。病院用ベッドからのデータは、局所通信モジュールの第1コントローラとの通信を行い、送受信機により医療施設のイーサネット無線アクセスポイントに送信することもできる。病院用ベッドからのデータには、病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、病院用ベッドを識別するデータ、病院用ベッドの型式番号に関するデータ、病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、病院用ベッドのサイドレール位置に関するデータ、病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータ、病院用ベッドのヘッド部上昇角度に関するデータ等が含まれるが、それらに限定はされるものではない。
【0012】
少なくとも各MDAのうちの一つは、他のMDAと無線通信可能なように構成でき、局所の無線メッシュネットワークを形成することができる。局所データ収集モジュールは、コントローラに連結される少なくとも一つの拡張ポートを具備することができ、さらに有線接続により少なくとも1台の装置を局所データ収集モジュールに連結させるよう設定することができる。拡張ポートは、例えば複数のRJ−45コネクタまたはポートにより構成することができる。局所データ収集モジュールのコントローラは、JAVAアプリケーションを実行することができる。
【0013】
各MDAは、それぞれに連結された或いはその回路の一部に組み込まれた位置検索装置を有することができる。位置検索装置は、無線受信機及び/又は無線送信機及び/又は超音波発信機及び/又は超音波受信機及び/又は赤外線受信機及び/又は赤外線送信機を備える。各MDAには、それぞれの第2コントローラと連結されるイーサネットコネクタを含み、医療施設のイーサネット又は局所データ収集モジュールとの有線接続用に構成できる。
【0014】
MDAの送信機により送信される局所無線信号には、送信先アドレスを含むパケットが含まれる。送信先アドレスは、例えば、局所データ収集モジュールのアドレスに対応させることが可能であり、又は別のMDAのアドレス、或いはEMRシステム関連のコンピュータ装置等の医療施設イーサネット上の他のコンピュータ装置のアドレスに対応させることができる。
【0015】
MDAが連結される患者医療装置の種別には、生体信号モニター(例えばEKG、EEG、呼吸数モニター、または血圧モニター等)、生理学的モニター(血液酸素飽和度モニター、または温度センサー)、人工呼吸器、静脈ポンプ、薬剤注入ポンプ等の装置が含まれるがそれらに限定されない。各MDAはそれぞれ別の種別の装置に連結可能である。
【0016】
本システムでは、局所データ収集モジュールとデータ通信を行うディスプレイも備えることができ、局所データ収集モジュールが一部又はすべてのデータ通信モジュールから受信するデータを表示できる。ディスプレイは、病院用ベッドと連結、或いはタブレットの一部に組み込んだり、又は遠隔コンピュータの一部、或いは局所コンピュータの一部、又は電子手帳(PDA)などの携帯無線装置の一部に組み込んだりすることができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイは局所データ収集モジュールの回路に一体化され、例えば病室の壁面又は頭壁に取り付ける共通の筐体に組み込まれる。幾つかの実施形態では、ディスプレイは受信データを表示せず、局所データ収集モジュールが通信している機器の種別を示す。そのような実施形態では、局所データ収集モジュールは、患者の記録に自動的にログインするため、病院イーサネットを経由してEMRコンピュータなどの別のコンピュータ装置にデータを単に送信できる。EMRコンピュータは、患者の記録にデータをログ記録する前にユーザにデータを承認するよう促すように構成できる。
【0017】
システムは、MDAから局所データ収集モジュールで受信するデータを分析することができる第3コントローラをさらに有することができる。データを分析するに当たり、第3コントローラは、少なくとも二つの別々のMDAからのデータに基づき、警報を発すべき条件が存在しているかどうかを特定できる。必要に応じて、局所データ収集モジュールのコントローラに、この機能を有する第3コントローラの代わり或いはそれに加えて、同様のデータ分析機能をプログラムすることができる。第3コントローラ又は局所データ収集モジュールのコントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術によって警報条件をプログラムできるよう構成可能である。このようなオブジェクト指向プログラミング技術を使用すると、例えば医療従事者は、各種の患者医療装置からのデータ閾値を選択することができ、それらを論理的につなげて(すなわち、不等号や等号の算術式をANDやOR論理条件などと組み合わせて)警報を発生することが可能になる。一般的な一実施例として、医療従事者は、第1患者医療装置で測定した第1測定条件(例えば心拍数)が第1閾値より高く、かつ第2患者医療装置で測定した第2測定条件(例えば体温)が第2閾値より高い場合に、指定の医療従事者に警報メッセージを送信するといったように警報条件をプログラムすることができる。
【0018】
第3コントローラ又は局所データ収集モジュールのコントローラは、エンドユーザが選択的に複数のデータ通信モジュールからのデータを選択し、ディスプレイに示される少なくとも一つのダッシュボードに表示できるよう構成することができる。エンドユーザは、例えば、表示上のフィールドをタッチスクリーンで選択することでダッシュボードを作成し、どのデータをそのダッシュボード或いは複数のダッシュボードに含めるかを示すことができるデータフィールドは、ディスプレイに表示される関連患者医療装置の仮想図上に表示させることができる。局所データ収集モジュールは病院用ベッドに連結可能であり、ディスプレイは、例えば病院用ベッドのデータを少なくとも一部のMDAから局所データ収集モジュールが受信したデータを示す情報と同時に表示するよう作動できる。
【0019】
各MDAの一部又は全部は、以前に受信したパケットと同一である、関連患者医療装置から受信された後続情報パケットが局所データ収集モジュールに伝送されないように、データのフィルタリングを実行できる。このような手順によって、すでに局所データ収集モジュールに送信された情報を再度送信することによる不要な帯域の使用を低減することができる。MDAのうちの一つと局所データ収集モジュールとの間で通信が失われた場合、MDAはそれぞれの患者医療装置からの受信データをバッファに保存し、通信が再開した後に局所データ収集モジュールに送信するよう構成できる。
【0020】
本開示によると、MDAは、装置の動作に関する装置データを有し、患者に関する患者データを有する患者医療装置と共に使用できる。患者データとは、例えば、患者の生理学的データ又は生体信号データなどが考えられる。患者医療装置には、装置データ及び患者データを取得するために通すポートを有することができる。MDAは、コントローラ及びコントローラに連結するコネクタを備え、患者医療装置のポートと連結して患者医療機器とデータ通信モジュールとの間を有線接続できる。患者医療装置の出力ポートとMDAの入力ポートを接続するため、適切なコネクタが取り付けられているケーブルを設けることができる。MDAは、コントローラに連結する送信機をさらに有し、装置データ及び患者データに関する情報を備える各無線信号を送信できる。
【0021】
MDAの位置を特定、つまり医療施設における患者医療装置の位置を特定するために使用される少なくとも一回の信号を送信又は受信する位置検出装置は、上記で示すようにデータ通信モジュールに連結或いは内蔵することができる。位置検出装置は、コントローラに連結される回路を有することできる。位置検出装置は、データ通信モジュールの筐体に連結される位置タグを備えることができる。位置検出装置には、超音波発信器、超音波受信機、或いは超音波送受信機を備えることができる。
【0022】
データ通信モジュールは、データ通信モジュールとの有線接続を可能にするモジュールポートをさらに有することができる。モジュールポートは、患者医療装置ポートとは異なる種別であってもよい。例えば、患者医療装置のポートはRS−232ポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを備えることが可能であり、モジュールポートはRJ−45ポートを備えることができる。データ通信モジュールの送信機は、802.15.4プロトコル又は超広帯域プロトコルで無線信号を送信できる。データ通信モジュールのコントローラは、患者医療装置から受信される後続装置データ又は患者データパケットがそれ以前に受信された受信パケットと同一の場合、送受信機によって送信されないようにデータフィルタリングを実行するよう構成できる。
【0023】
データ通信モジュールの送信機は、コントローラと連結する送受信機の一部に含めることができる。データ通信モジュールは、コントローラと連結する受信機をさらに有し、無線信号を受信することができる。データ通信モジュールの位置検出装置は、超音波受信機を備えることができる。コントローラは、本願明細書内で検討されたビーコンモジュールから無線位置信号を受信する受信機に対応してタイマーを開始させ、ビーコンモジュールから超音波信号を受信する超音波受信機に対応してタイマーを停止させるようプログラムすることができる。従って、MDAのコントローラは、無線信号の受信と超音波信号の受信との間の時間差を特定することができる。幾つかの実施形態では、MDAはこの時間差によってビーコンからの距離を計算するよう構成できる。MDAのコントローラは、時間差及び/又は距離を例えば局所データ収集モジュール等の他の装置に送信するようプログラムすることができる。MDAにより時間差が送信された場合、他の装置はMDAとビーコンモジュールの距離を計算できる。無線位置信号及び/又は超音波位置信号は、データ通信モジュールの位置を特定するために使われる少なくとも一つの信号を含むことができる。時間差データ又は距離データに基づき、例えば局所データ収集モジュール等の他の装置は、さまざまなMDAから受信したデータを特定の病院用ベッド又は患者に自動的に関連付けるようプログラム可能である。幾つかの実施形態では、上記関連付けをディスプレイで確認するように医療従事者を促すことができる。
【0024】
本開示により、病院用ベッドにベッドリスナーモジュール(BLM)を設け、病院用ベッドに連結させることができる。BLMは、例えば病室の壁面又は頭壁に取り付け可能なビーコンモジュールから無線信号及び超音波信号を受信する回路を有することができる。BLMは、ベッド上に置かれた局所データ通信モジュールと有線で接続するか、又はベッド上に位置する他の回路と連結できる。局所データ収集モジュールが病室の壁面又は頭壁或いはCOWに取り付けられている場合などといった、局所データ収集モジュール又は関連付けコンピュータがベッドに取り付けられていない場合、BLMは無線信号と超音波信号の受信時間差を局所データ収集モジュール又は関連付けコンピュータに送信できるよう送信機を備えることができる。この場合、BLMはMDAに備わる回路と非常に類似した、又は同一の回路を備えることができる。ベッドのデータがナースコールシステム又はその他の病院イーサネットのコンピュータ装置に含まれる有線接続又は無線回路によって送信される場合でも、BLM回路はMDA回路と類似するが、802.15.4プロトコルによる送信回路を省くことができる。
【0025】
さらに本開示では、同一の病室にある複数の装置をその病室に居る第1患者或いは第2患者に関連付ける方法が提供される。該方法は、関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データを提供することができる。関連付けコンピュータは、飛行時間又は到着時刻データに基づき、第1患者に関連する第1参照地点及び第2患者に関連する第2参照地点からの各種装置への距離を特定することができる。第1及び第2参照地点は、それぞれ、第1及び第2ビーコンモジュールの位置に対応できる。該方法は、関連付けコンピュータにおいて、あらゆる装置を第1患者の第1参照地点からの第1所定距離内に関連付けること、及びあらゆる装置を第2患者の第2参照地点からの第2所定距離内に関連付けることをさらに備える。第1及び第2所定距離は、実質的に同等距離又は異なった距離であってもよい。
【0026】
同一病室内に二つの同様の装置がある場合、本方法は、第1参照地点に最も近い類似装置を第1患者に関連付け、第2参照地点に最も近い類似装置を第2患者に関連付けることができる。どの患者医療装置がどの患者に関連付けられるか曖昧な場合、本方法は遠隔コンピュータから医療施設のイーサネット経由でデータを取得し、遠隔コンピュータから取得したデータに基づいて曖昧性を解決することが含まれる。遠隔コンピュータは、例えば電子カルテ(EMR)システム及び/又は入退転院(ADT)システムの一部であってもよい。本方法には、どの患者医療装置をその病室の2人又はそれ以上の患者のうち、どの患者に関連付けるべきかに関するすべての曖昧な点をユーザにディスプレイ上で解決させることを備えることができる。
【0027】
データの飛行時間又は到着時刻は、MDAが連結された患者医療装置による無線信号の受信と超音波信号の受信との間の時間差によって特定できる。本開示では、一つ或いはそれ以上の参照地点に対する様々なMDAの位置、すなわちそれに関連する患者医療装置の位置は、同一病室の様々な位置から発信される複数の超広帯域信号を使い、三角測量手法を適用して求められる。参照地点は、患者の位置、病院用ベッドの位置、局所データ収集モジュールの位置、又はマスタービーコン位置に対応する。したがって、本開示のビーコンモジュールは、超音波や赤外線信号などの他のいかなる信号も送信せずに、超広帯域信号を送信するよう構成できる。
【0028】
また、本開示によれば、同一病室内の複数の装置をその病室における第1又は第2患者に関連付ける方法は、その複数の各装置から無線位置データを関連付けコンピュータに送信することを備える。関連付けコンピュータはそれに対応して、関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、少なくとも複数の装置のうちの一部を第1患者に関連付け、他の装置を第2患者に関連付けることを決定できる。複数の装置のうち少なくとも一つの装置が第1患者又は第2患者に関連付けられるべきかどうかに関する曖昧な点は、ユーザにディスプレイ上でその曖昧な点を解決するための情報を提供するよう促し、当該曖昧な点を解決するために要求した情報をユーザから受信することで解決できる。ディスプレイは、関連付けコンピュータの一部を備えている。ディスプレイは病院用ベッドに連結され、関連付けコンピュータは病院用ベッドから離れた場所にあってもよい。また別の例では、ディスプレイは病室の壁面、又は壁面に連結する頭壁に取り付けられる場合もある。各装置は、MDAが連結された患者医療装置を備えることができる。各装置は、BLMを有する病院用ベッドを備えることができる。
【0029】
複数の各装置からの無線位置データの送信には、複数の各装置に連結される位置タグからの無線位置データの送信を備えることができる。さらに、複数の各装置からの無線位置データの送信には、複数の各装置に連結されるMDAからの無線位置データの送信を備えることができる。複数の各装置からの無線位置データの関連付けコンピュータへの送信には、無線位置データを医療施設のイーサネットを経由して複数の各装置のそれぞれから関連付けコンピュータに送信することを備えることができる。
【0030】
本開示によれば、車輪台付きのコンピュータ(COW)は、局所データ収集モジュールとして動作可能であり、病室から病室へ移動して、各病室の患者医療装置に連結されるMDAからデータを収集できる。そのような実施例では、COWのディスプレイは、特定の病室内のCOWと無線通信しているどの装置を、データが自動的にログ記録される特定の患者に関連付けるかを医療従事者に選択するよう促すことができる。COWが特定の患者に関連付けられた患者医療装置の各MDAからデータを受信した後、COWはデータを無線でEMRコンピュータに病院のイーサネット経由で送信できる。追加的又は代替的に、COWは、特定の患者に関して取得したデータを単に保存し、後でEMRコンピュータに送信することもできる。COWを使用することによって、医療従事者は病室から病室へと移動し、それらの病室に居るさまざまな患者のカルテに自動的にログインするためのデータを取得できる。データ取得はCOWにより自動的に行われ、それにより医療従事者が行う手動によるデータ取得作業が低減されるか不要となる。場合によっては、COWに付随するキーボードを使ってある程度のデータ入力作業が必要になることがある。しかし、COWによってMDA経由で患者医療装置から自動的に取得できる電子データが多ければ多いほど、人的過誤の可能性が少なくなる。
【0031】
局所データ収集モジュール、MDA、ビーコンモジュール、BLM、COW及びそれら装置を有するシステムの作成方法及び使用方法も検討され、本開示の範囲内にあることを意図している。
【0032】
単独又は上記に記載された特徴及び請求項に記載の特徴を含む他の特徴との組み合わせから成るさらなる特徴は、特許性のある主題を備えることが可能であり、現在理解される本発明を実施するための最良の形態を実証する例示的な各実施形態の以下の詳細な説明を考察することにより、当業者にとって明らかになるであろう。
【0033】
詳細な説明は、特に添付の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】病院用ベッドに連結され、多くの患者医療装置に取り付けられる各医療装置アダプタ(MDA)からの無線信号を受信する局所データ収集モジュールを示すブロック図であり、病院用ベッド及びその他の患者医療装置から局所データ収集モジュールにより受信された少なくとも一部のデータを表示するディスプレイを備える病院用ベッドと、病院イーサネットに有線接続(両方向の点線矢印で示されている)及び/又は病院イーサネットの無線アクセスポイント(WAP)への無線接続により連結可能である局所データ収集モジュールと、入退転院(ADT)システム、インターネット、電子カルテ(EMR)システム、位置検出及び追跡システム、ワークフローシステム、ナースコールシステム及び通信システムを含んでいる又はそれらに連結されている病院イーサネットとを示している。
【図2】コントローラ、コントローラに連結される無線通信回路、コントローラに連結される有線接続用ポート、コントローラに連結される装置接続用ポート、及びコントローラに連結される位置検出装置(点線で示す)を備えるMDAを示すブロック図である。
【図3】病室における2台の病院用ベッド及び複数の患者医療装置を示すブロック図であり、該患者医療装置の一部は該病院用ベッドのうちの1台に割り当てられた患者の治療に使用され、他の患者医療装置はもう1台の病院用ベッドに割り当てられた患者の治療に使用されている図である。
【図4】病院用ベッド、血圧モニター、人工呼吸器のレンダリング(rendering)が表示されるホーム画面のスクリーンショットである。
【図5】ホーム画面上でベッド・レンダリングを選択したことにより表示されるベッド画面のスクリーンショットであり、ベッド画面は、ベッドに支持される患者のベッドの体重計システムによって測定された体重だけでなく、ベッド各部の角度、高さ、長さ位置に関する各種情報を提供している図である。
【図6】ホーム画面で血圧モニター図を選択したことにより表示される血圧モニター画面のスクリーンショットであり、血圧モニター画面は、実際の物理的装置に表示されるのと同じ位置にあるレンダリング上に血圧情報を示し、画面の右下部分にその情報の拡大図、画面の右上部分に血圧グラフを示している。
【図7】ホーム画面で人工呼吸器レンダリングを選択したことにより表示される人工呼吸器画面のスクリーンショットであり、該人工呼吸器画面は、画面右側に人工呼吸器のレンダリングを示し、人工呼吸器レンダリングの左に人工呼吸器の主要情報を表示している拡大ウィンドウを示す。
【図8】病院用ベッドの各押しハンドルの間のフレームに取り付けられた拡張ポートを示す病院用ベッドのヘッドエンドの部分等角図であり、該拡張ポートは、無線によるデータ送信の必要なくデータを局所データ収集モジュールに転送するために患者治療装置を有線で連結可能である一連のポートを備えている図である。
【図9】図1と類似の本開示によるシステムの代替実施例の概略図であり、病室の頭壁に取り付けられた局所データ収集モジュール(図9では「ウォールハブ」として参照される)を備え、順次ベッド上の患者サポートに連結される各関連医療装置に連結されるMDAからデータを受信するシステムを示し、さらにシステムはMDAと通信して病室におけるMDAの位置情報を特定するビーコンモジュールを有し、局所データ収集モジュールはEMRシステムに連結され、さらに順次ADTシステムが連結されるハブスーパーバイザーに連結される図である。
【図10】図9のウォールハブに組み込まれ、或いは連結されるディスプレイのスクリーンショットであり、ウォールハブ及びディスプレイが位置する病室番号を左上に表示し、患者が病室に割り当てられていないことを示す「空室」の表示を画面右上に表示し、「装置」の表題下の空白の欄は、図9のシステムがウォールハブと患者治療装置の間で無線通信を確立していない状態であることを示す。
【図11】図10と類似のスクリーンショットであり、画面右上には関連する患者名を示し、「装置」表題の下にはウォールハブと通信を行っている2つの装置名が表示されている。
【図12】図11と類似のスクリーンショットであり、「装置」表題の下の装置名の横に色別で状態を示すボックスがあり、緑はウォールハブが現在関連装置からデータ受信中であることを示し、黄色は何らかの通信異常が発生していることを示す。
【図13】図10〜図12と類似のスクリーンショットであり、ウォールハブが病室内のいずれかの機器と通信することができないことを知らせるために、画面上に「ハブとの接続が切断されました」メッセージと共に現れるポップアップ画面を示す。
【図14】図13と類似のスクリーンショットであり、ウォールハブが関連の遠隔サーバーと通信することができないこと知らせるために、画面上に「病室のデータサーバーとの接続が切断されました」メッセージと共に現れるポップアップ画面を示す。
【図15】図11と類似のスクリーンショットであり、ユーザが画面の下部に表示される「すべての装置を切り離す」アイコンを選択した後に画面上に表示されるポップアップウィンドウを示し、該ポップアップウィンドウは医療従事者が病室においてウォールハブをすべての装置から切り離すべきかを確認するために選択可能である「OK」ボタンと、病室におけるウォールハブとすべての患者医療装置との切り離しを行うべきでない場合の「NO」ボタンとを備えることを示している。
【図16】取り付けブラケットに連結されたMDAのうちの一つの斜視図である。
【図17】取り付けブラケットから外されたMDAを示す分解図である。
【図18】MDAの正面図である。
【図19】図18と類似のMDAの正面図であり、ユーザ入力とRS−232データポートとを見せるよう下に開けられた下部カバーを示している。
【図20】MDAの背面図であり、装置に電力を供給する各バッテリー交換のために取り外し可能なバッテリードアを示している。
【図21】下部カバーが開けられたMDAの側面図である。
【図22】取り付けブラケットに連結された各ビーコンモジュールのうちの一つの斜視図である。
【図23】取り付けブラケットから外されたビーコンモジュールを示す分解図である。
【図24】ユーザ入力及びデータポートを示しているビーコンモジュールの底面図である。
【図25】ディスプレイモジュールの斜視図であり、ディスプレイモジュールの側面にアンテナが取り付けられているディスプレイモジュールを示している。
【図26】取り付けブラケットに連結されたBLMのうちの一つの斜視図である。
【図27】取り付けブラケットから外されたBLMを示す分解図である。
【図28】ユーザ入力とデータポートを備えるBLMの底面を示す斜視図である。
【図29】局所データ収集モジュールが車輪台付きコンピュータ(COW)の一部として組み込まれ、病室から病室へと移動しながらそれぞれの病室の各患者に割り当てられた患者治療装置に連結されたMDAからデータを収集するシステムの代替実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
複数の患者医療装置12からのデータを収集、通信、分析及び/又は表示するシステム10を図1に示す。システム10には、バージニア州リッチモンドのトリディアム社(Tridium, Inc.)から入手可能なJava Application Control Engine(JACE)等の局所データ収集モジュール14を備えている。システム10のプロトタイプでは、モジュール14としてトリディアムのNIAGARA(登録商標)ソフトウェアに含まれるJACE−201を使用した。しかしながら、他の実施形態では、モジュール14は無線通信機能を有する他の種類の各コンピュータ装置を備えることができる。例えば、JACE7と称されることもあるJACE−700をモジュール14として使用するシステム10の一実施形態を本開示によって検討する。モジュール14には、コントローラ16(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラと関連回路等)及び第1コントローラに連結され局所的無線信号を受信することができる受信機18が含まれる。モジュール14は、コントローラ16に連結される送受信機20をさらに備えており、医療施設のイーサネット24の無線アクセスポイント22に、例えば802.11プロトコル(802.11g等)を含むWiFiプロトコル等により無線通信することができる。局所データ収集モジュール14には、コントローラ16と連結される802.3ポート又はRJ−45コネクタなどのイーサネットコネクタ26も備わっており、図1の点線28で示されるように、医療施設のイーサネット24との有線接続用に設定されている。したがって、モジュール14とイーサネット24との両方向データ通信は、無線、有線接続或いはデータリンクで行うことができる。
【0036】
モジュール14の受信機18は、802.15.4プロトコル(ジグビープロトコルとしても知られる)などの近距離無線通信プロトコル又は超広帯域プロトコル(例えば、現存する又は現在開発中或いは将来開発されるすべての超広帯域通信プロトコル)によって動作可能である。他の実施形態では、受信機18はモジュール14から装置12にデータを送信することもできる送受信機の一部に含まれる。モジュール14が一つ又はそれ以上の別々の受信機及び送信機を備え、各装置12及びその他の装置と通信を行うことも、本開示の範囲に含まれる。
【0037】
図1に示すように、システム10は複数のデータ通信モジュール30をさらに有する。各データ通信モジュール30は、本願明細書内で医療装置アダプタ(MDA)と呼ばれることがあり、これらの用語は同一の意味で使われる。各MDA30にはコントローラ32(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び関連回路)及びコントローラ32に連結され、各患者医療装置12のコネクタ36(図1参照)と連結可能な装置コネクタ34(図2参照)が含まれる。一部の患者医療装置12のコネクタ36は、RS−232ポートであり、その他の患者医療装置ではユニバーサルシリアルバス(USB)ポートである。
【0038】
幾つかの実施形態においては、モジュール30のコネクタ34は関連装置のコネクタ36に連結するために適宜構成されている。したがって、ある特定の装置12のコネクタ36がどんな種別であろうとも、モジュール30を装置12のコネクタ36に連結するために、モジュール30のコネクタ34を適切に設定することは本開示の範囲内である。本願明細書に示される幾つかの実施形態には、適宜構成されたカップラーを各端部に備える各ケーブルを各モジュール30の各コネクタ又は各ポート34及び各装置12の各コネクタ又は各ポート36に接続するために使用する。このような各ケーブルは、各装置12の出力ポートが特殊、或いはあまり使われない種類の場合、特注設計できることが理解されるであろう。
【0039】
MDA30はそれぞれ、図2に示すように、コントローラ32に連結され、関連する無線通信プロトコルに従って局所無線信号を局所データ収拾モジュール14の受信機18に送信できる通信回路及び/又は送信機38を有しており、システムの幾つかの実施形態においては、該無線通信プロトコルは802.15.4プロトコルであるが、他の実施形態ではその他の超広帯域プロトコル又は他のプロトコルでもよい。モジュール30の送信機38によって送信される無線信号には、関連装置12からコネクタ34経由でモジュール30によって受信されるデータが含まれる。
【0040】
幾つかの実地形態においては、装置12から受信されたデータは装置12から受信されたデータのデータ形式又はプロトコルに従って送信される。しかし、本開示は、モジュール30のコントローラ32は、関連装置12からその特定の装置固有の装置データプロトコルによって受信したデータを共通プロトコル又は形式に変換し、その後送信機38に変換されたデータを局所データ収集モジュール18に送信するようプログラムできることを検討する。他の実施形態では、装置12からのデータのプロトコル又は形式変換は、モジュール14のコントローラ16で実行される。一部の装置12についてモジュール30でデータ変換を行い、他の装置12についてはモジュール14で変換するような各システムも検討する。また、病院イーサネット24に接続され、モジュール14、30が設置される病室から遠隔に位置する他のコンピュータ装置で一つの形式から他の形式にデータ変換を行う各システムを、さらに本開示で検討する。
【0041】
局所データ収集モジュール14は、例示的な実施例において病院用ベッド40に取り付けられる。その他の実施例では、モジュール14はそこに不随する別個の分離されたモジュールではなく、病院用ベッド40の回路又は電気システムの一部として組み込まれる。病院用ベッド40からのデータは、局所通信モジュール30のコントローラ16との通信を行い、同様に、送受信機20により医療施設のイーサネット24の無線アクセスポイント22に送信することもできる。局所データ収集モジュール14のコントローラ16は、JAVAアプリケーションを実行することができる。幾つかの検討された実施形態においては、病院用ベッド40は、例えばHill-Rom社のTotalCare(登録商標)ベッドである。
【0042】
モジュール30を病室の壁、病室の壁に連結される頭壁(図3の頭壁101及び102を参照)、アーム、支柱、又はその他の建築設備(不図示)などの他の装置に連結すること、又は独立したコンピュータの一部とすること、或いは他の患者医療装置に連結又は一体化することは、本開示の範囲内である。例えば図9に示す例示的な実施形態では、局所データ収集モジュール及びディスプレイは一体化されており、病室の頭壁に連結するよう概略的に示されている。図9では、モジュール1460は「ウォールハブ」と称されている。モジュール14が病院用ベッド40と結合される場合、それは「ベッドハブ」と称することができ、ベッドデータはベッドハブに有線接続で伝送される。モジュール14がベッド40に取り付けられていない、又はベッド40の回路の一部として含まれない場合、各MDA30が装置12からのデータをモジュール14に送信するのとほぼ同様の方法でベッド40はそのベッドデータを無線でモジュール14に送信する。
【0043】
病院用ベッドからのデータには、病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、病院用ベッドの識別に関するデータ、病院用ベッドの型式番号に関するデータ、病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、病院用ベッドのサイドレール位置に関するデータ、病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータ、及び病院用ベッドのヘッド部が持ち上げられている角度を含むベッドの寝台面部分の角度位置に関するデータが含まれるがそれらに限定されるものではない。米国公開特許公報第2007/0210917号(A1)は、ベッドデータのさらなる実施例を提供しており、当該公報が教示するすべての内容について参照により本願明細書に援用する。
【0044】
場合によって、各MDA30は各装置12の各コネクタ36経由で接続される各装置12から、又はその他の各電源コネクタ(不図示)から電源を供給される。また別の場合は、各MDA30は各MDAに内蔵する電池から電源を供給される。802.15.4プロトコルは、短距離、低速(すなわち低データ速度)及び低電力で装置間通信を行う低コストの無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を構築するための、基本的なより低いネットワーク層を提供するのに適している。したがって、各MDA30及び各局所データ収集モジュール14間で802.15.4通信プロトコルを使用することによって、他の電源から特定のMDAに電源が供給されない場合に電池寿命を伸ばす。
【0045】
図1の点線42で示すように、データ通信モジュール30の少なくとも1台はデータ通信モジュール30の別の一台と無線通信するように構成可能であり、これによって局所無線メッシュネットワークを構築する。したがって、使用する短距離無線通信によってモジュール30の一つがモジュール14と正しく通信することができる範囲内にある場合、さらに別のモジュール14が第1モジュール30の範囲内にあるがモジュール14の範囲内でない場合、モジュール14の範囲内にあるモジュール30はその関連データをモジュールと通信すること及び他のモジュールに関連するデータを通信することができる。さらに、複数のモジュール30は無線メッシュネットワークを構築することができ、さらにモジュール14に直接通信することができない範囲外の各モジュール30は、そのすべてのモジュール14に関連するデータを範囲内にある一つ以上のモジュール14を経由してモジュール14に転送することができる。
【0046】
図1に示すように、局所データ収集モジュール14は、コントローラ16と連結する少なくとも一つの拡張ポート44を備え、少なくとも一つの追加装置を有線接続46経由で局所データ収集モジュールに連結するよう設定できる。複数の拡張ポート44をシステム10に含めてもよいと考えられる。各拡張ポート44には、例えば複数のRJ−45コネクタ又はポートを備えることができる。RS−232ポート、RS−485ポート、USBポート等の他の種類のコネクタ又はポートは、拡張ポート装置に組み込まれるものとして考えられる。図8に示す例示的な実施例においては、各RJ−45ポート112の集合体111は拡張ポート44として使用され、各装置12との有線接続を可能にする。図8の実施例では、ケーブル114はその末端にRJ−45コネクタ116を有し、拡張ポート44のRJ−45コネクタ112の一つに挿入されている。
【0047】
図8の拡張ポート44は、ベッド12のヘッドエンド120にあるフレーム118の一対のベッド12の押しハンドル122間に物理的に取り付けられている。さらに図8で示唆されるように、拡張ポート44の下側に電源ケーブル126のプラグ124を受容するための一つ以上の電源コンセントが設けられいる。電源ケーブル126及び/又はケーブル114は、ベッド40の患者に医療を提供する患者医療装置12の一つから伸びている。ベッド40のヘッドエンド120は通常病室の壁面又は頭壁近くに位置し、患者が使用中のベッドでは患者をサポートする多くの患者医療装置が通常ヘッドエンド近くに位置するので、拡張ポート44をベッド40のヘッドエンド近くに置くことは、ケーブル114などのような多くのケーブルを拡張ポート112にまとめることで医療従事者がベッドサイドから患者に近寄る際に邪魔にならないよう、又ベッドのサイドレールなどのベッド部品の動作に対する干渉を最小限にできる。他の実施形態では、拡張ポート44は病室の壁面又は頭壁に連結され、各装置12又は各装置12に連結される各MDAからの各ケーブルは拡張ポート44の各コネクタ112に挿入される。
【0048】
MDA30は、図2に概略的に示すように、それぞれが連結又は内蔵する位置検出装置50を備えている。位置検出装置50は、無線、赤外線又は超音波受信機等のような受信機52、及び/又は無線、赤外線又は超音波受信機等のような送信機54を備えることができる。幾つかの実施形態では、位置検出装置50の回路は、図2の点線55で示すようにコントローラ32と連結させることができ、その場合送信機54は省略し、送信機38を他の目的の使用に加えて位置検出機能に使用できる。データ通信モジュール30のそれぞれには、コントローラと接続され、医療施設のイーサネット24に、或いは他のモジュール30に関連付けられたポートなどの他のポート又は拡張ポート44に有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタ56を有することができる。ポート56は、例えばRJ−45コネクタ等の802.3ポートであってもよい。位置検出装置50は、関連するジュール30の位置、従ってそのモジュールに連結された装置12が医療施設のどこにあるかを検出するために使用される。この位置データの使用によって、特定の装置12を特定の患者又はベッド40等の他の装置に自動的に関連付けることができる。
【0049】
各データ通信モジュール30の各送信機38により送信される局所無線信号は、送信先アドレスを含むパケットを備えることができる。送信先アドレスは、例えば局所データ収集モジュール14のアドレスに対応させることができ、又は無線メッシュネットワークの一部を構成する別のデータ通信モジュール30のアドレスに対応させることができ、或いはイーサネット24に連結又は含まれる別の装置に対応させることもできる。
【0050】
データ通信モジュール30が連結される患者医療装置12の種別には、生体信号モニター(EKG、EEG、呼吸数モニター、及び/又は血圧モニター等)、生理学的モニター(血液酸素飽和度モニター、及び/又は温度センサー)、人工呼吸器、静脈ポンプ、及び/又は薬剤注入ポンプなどの装置が含まれるがそれに限定されない。本開示は、外部装置にデータを提供する出力ポートを備えるありとあらゆる種類の患者医療装置に各モジュール30を連結できると考える。場合によって、各患者医療装置12から出力されるデータを完全に解読する(例えばデータの書式設定)ためには、そのような各装置の製造業者の協力を得る必要がある。なぜならば各製造業者が独自の固有及び/又は専有のデータ形式プロトコルを開発できたかもしれないからである。しかし、システム10がモジュール14によるデータ収集を、様々な製造業者よる多種多様の機器を対象にできることは理解されるであろう。例えば、プロトタイプシステムでは、モジュール14がPuritan Bennett 840人工呼吸器及び血圧監視とパルス酸素濃度を計測する生理学的モニターであるDinamap Pro 300からのデータ送信を受信した。
【0051】
例示的なシステム10は、局所データ収集モジュール14とデータ通信を行うディスプレイ60をさらに有することができ、ディスプレイ60は局所データ収集モジュール14が一部の又はすべてのデータ通信モジュール30から受信したデータを示す情報を表示できる。図1に示すように、ディスプレイ60は病院用ベッド14と連結、或いはタブレット(図示されていないがプロトタイプシステムには含まれる)の一部に含めること、又は遠隔コンピュータ(不図示)の一部、或いは局所コンピュータ(不図示)の一部、又は電子手帳(PDA)等の携帯無線装置の一部に含めることができる。
【0052】
さらにシステム10はコンピュータ装置等の第3コントローラを備えることができ、それによって局所データ収集モジュール14がデータ通信モジュール30から受信したデータを分析できる。データを分析するに当たり、第3コントローラは少なくとも二つの別々のデータ通信モジュールからのデータに基づいて警報を発すべき条件が存在しているかどうかを特定できる。第3コントローラは、イーサネット24に連結されたコンピュータの一部であってもよい。必要に応じて、局所データ収集モジュール14のコントローラ16に、分析機能を持つ第3コントローラの代わり或いはそれに加えて、同様のデータ分析機能をプログラムすることができる。第3コントローラ又は局所データ収集モジュール14のコントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術によって警報条件をプログラムできるように構成可能である。TridiumのJACE装置のオブジェクト指向プログラミングに関連すると見られている米国特許第7,225,426号及び第6,832,120号を参照のこと。各警報条件は、医療基準に従って確立することができる。
【0053】
本開示によれば、第3のコントローラ又は局所データ収集モジュール14のコントローラ16は、エンドユーザが選択的に複数のデータ通信モジュール30からのデータを選択し、ディスプレイ60に示される少なくとも一つのダッシュボード上に表示できるように構成可能である。エンドユーザは、例えば、ディスプレイ60上のフィールドをタッチスクリーンなどで選択することによってダッシュボードを作成し、これによりどのデータがダッシュボードに含まれるかを表示できる。データフィールドは、ディスプレイ60に表示される関連する患者医療装置12の仮想図上に設けることができる。各MDAによって取得され、局所データ収集モジュール14に送信されたデータは、ディスプレイ60にグラフ又は表形式で表示させることができる。
【0054】
システム10の一実施形態では、ヒルーロム社のTotalCare(登録商標)ベッド、Puritan Bennett 840人工呼吸器、Dinamap Pro 300モニターのそれぞれの仮想図130、132、134が、図4に示すようにディスプレイ60のホーム画面129に同時に表示された。このシステム10の実施例では、モニターと人工呼吸器の仮想図132、134がこれら装置のユーザインターフェイス(すなわち入力及び出力部分)の外観や雰囲気を再現しており、実際の装置に表示される数字の少なくとも一部が表示され、モジュール14によって各MDA30からのデータが受信されるたびに刻々と更新される。さらにこの実施例では、病院用ベッドの仮想図130は、様々なベッド位置(例えば、サイドレールの上下、ヘッド部分の昇降、上部フレームの昇降等)を再現するベッド全体の外観図である。例えば、ディスプレイ60に、局所データ収集モジュールが少なくとも一部のデータ通信モジュールから受信したデータ情報を、病院用ベッドデータと同時に表示するように実施しうることは理解されるであろう。そのようなデータはディスプレイ60の仮想図とは別の部分に表示することができる。
【0055】
本開示では、ディスプレイ60はタッチスクリーンディスプレイであると考える。医療従事者は、仮想図130、132、134のどれかをタッチして関連した患者医療装置についての追加情報を見ることができる。例えば、医療従事者が図4に示される画面129の病院用ベッド仮想図130をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して、図5に示すようにベッドの各部の位置に関する情報を持つ表136を含むベッド画面135を表示する。例示的な実施例では、表136にはベッドの高さ(すなわち病院用ベッドの上側フレームの下側フレーム又は床面に対する高さ)、トレンデレンブルグ角度(すなわちベッド上側フレームの水平又はベースフレームに対する傾斜角度)、病院用ベッド寝台面の曲折可能な頭、膝、足部分の角度位置、及び足部分を延伸した長さが含まれる。また、例示的な実施例では、ボックス138は画面135上に設けられ、病院用ベッドの体重計システムが測定した患者の体重を表示する。画面135には第1及び第2ボックス140、142が設けられ、ヘッドレールとフットレール(例えば各サイドレールなど)の位置を示している。例示的な実施例では、ヘッドレールは上がっており、フットレールは下がっている。
【0056】
医療従事者が図4の画面129でモニター図134をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して例えば図6に示すモニター画面144をディスプレイ60に表示する。画面144には、実際のモニターに表示されるデータに対応する値を表示する多くのデータボックス148を含む拡大図146が表示される。実際のモニター上のLED状態表示を示す各図150が、拡大図146の該当位置で画面144上に表示される。例示的な実施例では、図146の154部分に単に再現するだけでは小さすぎる関連データを拡大して表152として医療従事者に提供している。画面144には、1分間のタイムチャートまたはグラフ156も表示される。医療従事者が実際のモニターを操作して1分間タイムチャートを表示させると、それに対応するチャートが画面144のグラフ156に作成される。色分けされたキー158が画面144のグラフ156の下に設けられることによって、グラフ156が描画されたときに医療従事者がどの生理学的パラメータがどの線に対応しているかを理解できるようにしている。図6の画面144は、医療従事者が実際の関連装置12で見慣れているのと基本的に同一の形式や配置でデータを表示している一例である。
【0057】
医療従事者が図4の画面129で人工呼吸器図132をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して例えば図7に示す人工呼吸器画面160をディスプレイ60に表示する。例示的な実施例では、画面129の図132は、画面160でも同じ大きさでそのまま表示される。しかし、画面160では表162が設けられる。表162の上部領域164には主要データが表示される。領域164の主要データは、実際の人工呼吸器がユーザに提示するのと同じデータだが、別の形式及び/又は配置で表示される。したがって、ユーザがコントローラ16をプログラミングして装置12からのデータを実際の装置に表示されるよりも好みの方法で表示することは、本開示の範囲内である。また、別の製造業者の同様の装置から受信される主要情報を同じ外観や雰囲気でディスプレイ60に表示することもできる。したがって、モジュール14のコントローラ16を適切にプログラムすると、データが類似の種類の様々な装置(例えば、別々の製造業者による様々な人工呼吸器)からモジュール14に提供されていても、医療従事者はより一貫性のある方法でデータを受け取ることができる。
【0058】
表162は、この場合人工呼吸器である関連装置12で発生する警報条件の一覧を表示する下部領域166をさらに有している。各LED状態表示図168が、表162の領域166に一覧表示されている警報条件の横にそれぞれ設けられる。表162の警報一覧は、場合によって実際の装置12の類似の表を再現するものであり、その他の場合には医療従事者にとってより分かりやすい警報一覧を設けるよう独自にプログラムを組むことができる。そのような独自のプログラミングを使用することによって、類似の種類の様々な装置からデータを取得する場合、医療従事者にとってより一貫性のある形式で警報一覧を提供できる。各LED状態表示図168は、警報が発生していない場合は緑、警報の予告は黄色、警報発生時には赤で表示することができる。実際の装置では、システム10のディスプレイ60に示すような方法で警報条件を示さないこともあることに留意すべきである。したがって、各ユーザは、同じ情報が実際の装置12に提示されるよりも医療従事者にとって好ましい形式及び/又は方法で警報条件データを提示するようにシステム10をプログラムできる。
【0059】
再度図2を参照すると、図示の各MDA30にはデータフィルター66が備わっており、関連患者医療装置12から継続して受信するパケットが以前受信したパケットと同一の場合、そのパケットを局所データ収集モジュール14に転送しないようデータにフィルターをかけることができる。この方法により、すでに局所データ収集モジュール14に送信された情報を再送することによって不要な帯域の使用が低減される。データフィルター66は、ソフトウェア及び/又はハードウェアで実現できる。例えば、送信機38で送信されたパケットをモジュール30のメモリにコピーしておき、コントローラ38がそれ以降のパケットをメモリに保存したパケットと比較するソフトウェアルーチンを実行することができる。幾つかの実施形態においては、データフィルター66は省略され、フィルター66がないMDA30は関連装置12から受信したデータを単に送信する。各MDA30のうちの一つと局所データ収集モジュール14間で通信が失われた場合、MDA30はそれぞれの患者医療装置からの受信データをバッファメモリに保存し、通信が再開した後に局所データ収集モジュール14に送信することができる。
【0060】
上述のように、各MDA30には位置検出装置50が備わっており、位置検出装置50はMDA30の位置、すなわち医療施設における関連する患者医療装置12の位置を特定するのに使用される少なくとも一つの信号を送信又は受信する。位置検出装置50は、MDA30に連結されるか或いは組み込むことができる。したがって、位置検出装置50はモジュール30の筐体に取り付けられる位置タグでもよい。位置検出装置50は、上述したようにコントローラ32と連結する回路を備えることができる。
【0061】
MDA30の送信機38は、本願明細書で検討される幾つかの実施形態においてコントローラ30に連結された送信機の一部として含まれる。したがって、MDA30は、コントローラ32と連結する受信機をさらに備え、無線信号を受信することができる。幾つかの実施形態では、前述したように、MDAの位置検出装置50に超音波受信機52が備わっている。コントローラ32は、回路38の受信機の無線位置信号受信と超音波受信機52の超音波信号受信の時間差を特定するようプログラムされる。この時間差は、例えば、無線信号の受信時に開始され、超音波信号の受信時に停止されるタイマーを使うか、無線信号受信時刻及び超音波信号の受信時刻をメモリに記録し、時刻の差を計算することで特定できる。無線位置信号の受信と超音波信号の受信との間で発振器のクロックパルスを数えるなどの時間差を特定する他の方法も本開示の範囲内である。時間差は、場合によって飛行時間(TOF)と呼ばれ、無線位置信号及び超音波信号の受信時刻は場合によって到着時刻(TOA)と呼ばれることがある。
【0062】
使用する技術に関らず、コントローラ32が無線位置信号と超音波信号の受信時間差を一度特定すると、コントローラ32はモジュール14又はイーサネット24に連結する位置検出及び追跡システムに関連する装置などの他の装置に、無線信号の一部として時間差を送信する。代替的或いは追加的に、コントローラ32は、時間差に基づき距離を計算するよう設定することができる。計算される距離は、MDA30が無線位置信号と超音波信号の発信源を収容するビーコンモジュールからどれだけ離れているかを特定するものである。ビーコンモジュールについてはさらに詳しく以下に説明する。MDA30が時間差を送信する一部の実施形態では、モジュール14又はその他のコンピュータ装置等の受信装置が時間差に基づいて距離を計算する。
【0063】
図3に概略的に示されるように、同一の病室にはしばしば2台の患者ベッド40(図3では40A及び40Bと指定されている)が設置される。したがって、ベッド40A上の第1患者に関連付けられる各装置12の各モジュール30からの無線送信はベッド40Bのモジュール14で受信され、ベッド40B上の第2患者に関連付けられる各装置12の各モジュール30からの無線送信はベッド40Aのモジュール14で受信される可能性がある。それに応じて、医療従事者が各患者に関連する装置12に多くのコンピュータデータ入力をしないで済むよう、本開示では様々な装置から患者(或いは装置からベッド)への関連付け方法を検討する。
【0064】
本開示によると、病室100における複数の装置12を室内の第1患者(ベッド40A上の患者)或いは室内の第2患者(ベッド40B上の患者)に関連付ける方法が提供される。前述のように、MDA30の位置検出装置50とコントローラ32の組み合わせにより、無線位置信号及び超音波位置信号の受信時の時間差を特定できる。各無線信号はほぼ光の速度で伝播するため、それらの信号は発信とほぼ同時にMDA30で受信されるが、各超音波信号はミリ秒当たり約1フィートという音の速度で伝播する。図示の実施例では、本願明細書でビーコンモジュール110と称されている無線/超音波の組み合わせ送信機110は、それぞれの頭壁101及び102に取り付けられており、無線位置信号及び超音波位置信号が送信される。各装置110は、病室10の壁面又は室内の別の構造物など、別の場所に取り付けることもできる。
【0065】
無線信号と超音波の位置信号の時間差が特定可能であるため、各MDA30と無線及び超音波信号の発信地点(本願明細書において「参照地点」と呼ぶが、信号発信地とは異なる地点が指定され数学的に特定されて、本願明細書における「参照地点」とみなすこともある)間の距離を関連付けコンピュータによって特定することができる。関連付けコンピュータは、モジュール14、又は位置検出及び追跡システム70、或いは必要に応じてその他のコンピュータであってもよい。したがって、関連付けコンピュータは複数の装置12のそれぞれの装置12について、ビーコンモジュール110と装置12に取り付けられたMDA30間の距離に基づき、第1患者に関連付けられた第1参照地点からの距離及び第2患者に関連付けられた第2参照地点からの距離を特定するよう動作させることができる。
【0066】
関連付けコンピュータは、例えば、第1参照地点から第1の所定距離(例えば5又は6フィート前後等)内にあるすべての装置を第1患者に関連付け、第2参照地点から第2の所定距離内にあるすべての装置を第2患者に関連付けるようプログラムすることができる。第1及び第2の所定距離は、実質的に同等距離又は異なった距離であってもよい。図3の例示的な実施例において、病室の長さ(L)が24フィートであって、そのうち12フィートはベッド40Aが占める空間に関連付けられ、残りの12フィートはベッド40Bが占める空間に関連付けられる場合、第1と第2参照地点(例えば、それぞれの頭壁101及び102に取り付けられた各ビーコンモジュール110で定義された場所)がそれぞれの空間の真ん中に位置していると仮定すると、関連付けコンピュータはビーコンモジュール110から12フィート以内のすべての装置はその特定の場所、ベッド、及び/又は患者に関連付けられるようにプログラムできる。非対称やその他の変形した病室では、自動的な関連付けに使われる距離の閾値を互いに異ならせることができる。
【0067】
局所データ収集モジュール14がベッド40に連結される複数の実施形態では、ベッドリスナーモジュール(BLM)31がベッド40に連結され、MDAに関して上記に説明されたのと同様の方法で、ビーコンモジュール110からの無線位置信号及び超音波信号を受信し、無線と超音波位置信号の受信時間差を特定し、及び/又はビーコンモジュール110とBLM31間の距離を特定することができる。係る実施形態では、BLM31は、有線でモジュール14に接続することができる。BLM31の回路は、MDA30の回路と同様であるが、ベッド40からのデータはすでにモジュール40に有線でベッド回路から送信されているため、MDA30にあるハードウェア及びソフトウェアの一部はBLM31では省かれている。モジュール40が室内の壁面や頭壁などに設置され、ベッドから離れている実施形態では、MDA30はベッド40に取り付けられ、ベッドのデータは関連付けられたMDA30によって、その他の装置12と同様に取り扱われる。本開示が検討する幾つかの実施形態では、さらにBLM31は無線エネルギーをスキャンしてモジュール又はベッドハブ14が通信に使用する最適なチャネルを決定するよう構成される。
【0068】
各装置12を患者(或いはベッド或いは場所)に自動的に関連付けようと試みるアルゴリズムを実行した後でも、装置12を特定の患者に(直接、又は装置12をベッド40又は医療施設内の場所に関連付けることによって)関連付けるために何らかの方法で解決しなければならない曖昧な点がある可能性がある。例えば、病室内の2台の類似の装置12が両方とも上記の距離閾値よりも遠くに位置していたり、両方とも閾値内であったりする場合、当該曖昧な点は、距離の値に関らず、類似の装置12について、第1参照地点に最も近い装置12を第1患者に関連付け、第2参照地点に最も近い第2の類似装置12を第2患者に関連付けることで解決することができる。例えば、図3において、「装置2」及び「装置4」は頭壁101の送信機110から6フィート以上離れており、「装置6」及び「装置8」は頭壁102の送信機110から6フィート以上離れている。
【0069】
どの患者医療装置12がどの患者に関連付けられるかに関しての曖昧性については、関連付けコンピュータによって遠隔コンピュータからイーサネット24経由でデータを取得し、その遠隔コンピュータから取得したデータに基づき曖昧性を解決することも考えられる。遠隔コンピュータは、例えば電子カルテ(EMR)システム72及び/又は入退転院(ADT)システム74の一部であってもよい。遠隔コンピュータは、ワークフローシステム76又はナースコールシステム78、又はその他医療施設におけるどのコンピュータシステムの一部であってもよい。例えば、EMR及び/又はADTシステムが、病室内の第1患者が膝置換手術を受け、第2患者が心臓発作を起こしたことを示す場合、関連付けコンピュータはこのデータを使い、受動運動機器を第1患者に、EKGを第2患者に関連付けることができる。
【0070】
複数の装置12のうち少なくとも1台の装置12を第1患者又は第2患者に関連付けるべきかに曖昧な点がある場合、ディスプレイ60又は関連付けコンピュータの画面(モジュール14が関連付けコンピュータとして使用されていない場合)にそれを解決する情報をユーザに求める表示を行うことができる。ユーザは、例えば適切な場所に必要な情報を入力するか、タッチスクリーンをタッチするか、或いはその他のデータ入力方法によって当該曖昧な点を解決する。
【0071】
MDA30を備える関連装置12を特定のベッド40又は病室の場所へ関連付ける処理の間、MDA30備える装置12は、ビーコンモジュール110の関連フィールド(関連クラウドと呼ばれることもある)に移動する。装置12とMDA30が関連付けられると、それらは関連フィールドに残る必要はなくなるが、MDA30がメッシュネットワークを構築するすることができない場合、モジュール14の通信範囲に残る必要があり、この場合、各MDA30のうち1台だけがハブ14の通信距離内に残る必要がある。関連付けが行われた後、モジュール又はベッドハブ14はMDA30と通信し、MDA30に連結された特定の種類の医療装置12を認識し、適切なデバイスドライバソフトウェア及びプロトコルを読み込む。
【0072】
本開示では、ディスプレイ60は医療従事者が装着する眼鏡又はゴーグルに一体化されたヘッドアップ表示システム内に組み込むことができることを検討する。また、モジュール14で受信されるデータ及びそのデータに基づいて決定されるすべての警報条件又は通知条件を、通信システム80経由で担当医療従事者が携帯する携帯無線通信装置に送信できることも検討する。そのような携帯通信装置には、例えば、ごく一部ではあるものの、PDA、Vocera(登録商標)バッジ、ASCOM(登録商標)ハンドセット、Spectralink(登録商標)ハンドセットなどが含まれる。Vocera(登録商標)バッジ、ASCOM(登録商標)ハンドセット又はSpectralink(登録商標)ハンドセットに関連する通信システム80の更なる詳細及びこれらに対する警報及び通知の送信については、米国特許第7,319,386号を参照し、その内容を本願明細書に参照により援用する。
【0073】
図9では、システム10に類似のシステム200を概略的に示している。システム200とシステム10は類似しているため、対応する類似部分に類似の参照番号が使用されている。局所データ収集モジュール14及びベッド40に取り付けられるディスプレイ60を備えるシステム10と異なり、システム200には病室の頭壁に設置される局所データ収集モジュール及びディスプレイの組み合わせを備えており、ブロック1460に概略的に示されている。局所データ収集モジュール及びディスプレイの組み合わせは、本願明細書では、「ウォールハブ1460」として参照する。一実施形態では、ウォールハブ1460はバージニア州リッチモンドのTridium社から入手可能なJACE2700である。図9では、ベッド40上の患者202及び、患者202と多くの医療装置12を接続する多数の線204が概略的に示されている。したがって、各線204は医療施設において患者治療に関して使用される多くの監視用リード線及び治療用供給管を例示している。
【0074】
ウォールハブ1460は装置12と連結されるMDAから無線データ信号を受信し、MDA30のドライバ及び患者のバックアップデータを保存する。ウォールハブ1460のメモリに保存されたドライバは、MDA30が連結される各医療装置12用に書かれたカスタムソフトウェアモジュールで、各装置12の有効データを定義する規則を含む。したがって、ドライバは、ウォールハブ1460と医療装置12及び/又はウォールハブ1460とEMRシステム72及びADTシステム74等のその他のシステム間で通信を可能にするために実行しなければならないすべてのプロトコル変換に使われる。
【0075】
一実施形態において、ウォールハブ1460が特定の装置12と通信を確立することに関連して、ウォールハブ1460はこの特定の装置12から型式番号又は装置種別番号又はその他の識別情報データを受信することで、装置12種別を特定することができる。ウォールハブ1460は、その特定の装置種別に対するデバイスドライバソフトウェアがメモリに保存されているかを判断する。ウォールハブ1460がその特定の装置12のデバイスドライバソフトウェアを保持していない場合、ウォールハブ1460は、本開示によれば、医療施設に存在してウォールハブ1460との通信を指定された各種装置12用のデバイスドライバソフトウェアライブラリを備えるハブサーバー206にデバイスドライバソフトウェアを要求する。ハブサーバー206は、その後要求されたデバイスドライバソフトウェアを保存及び使用のためにウォールハブ1460に送信することでその要求に応える。デバイスドライバソフトウェアを使用する場合、ウォールハブ1460はドライバ情報を使って医療データが通信されていることとデータが有効であることを判断し、ウォールハブ1460のディスプレイに装置情報を表示する。ウォールハブ1460がハブサーバー206と通信してデバイスドライバソフトウェアを取得する方法に関する前記説明は、幾つかの実施形態において、モジュール14に通信用に連結されるディスプレイ60上にデータを表示させることも含めてモジュール14に適用可能である。
【0076】
多くの医療装置12からMDA30経由でウォールハブ1460により収集されるデータは、EMRシステム72に伝送され、患者の電子カルテに自動的に入力される。様々な医療装置12と各装置12によって監視又は各装置12から治療を受けている患者との関連付けに関連して、ウォールハブ1460はADTシステム74から情報を受信する。図9の例示的な実施例では、ADTシステム74からの情報は、システム管理及び生物医学的設定のためのディスプレイ付きサーバーを含むハブスーパーバイザー206を経由して伝達される。ADTシステム74からウォールハブ1460が受信する情報には、例えば、ウォールハブ1460が設置されている特定の病室に割り当てられた患者名を含む。
【0077】
前述の例示的な実施例において装置12から取得された広範な各種局所的データをディスプレイ60に表示し、警報条件が一つ以上の装置12に示される場合に警報機能を設けるようにプログラム及び構成されているシステム10とは異なり、システム200の主な目的はウォールハブ1460との通信によって装置12からデータを取得し、そのデータをEMRシステム72に送信して、少なくとも取得したデータの一部をその患者の電子カルテに自動的に保存することにある。したがって、システム200では医療従事者が手動で装置12からのデータを書き込み又は電子チャートに入力する必要を低減あるいは全く不要にするので、医療従事者の全体的な効率を向上させる。
【0078】
図10〜15は、システム200の動作に伴いウォールハブ1460のディスプレイに表示されるスクリーンショットの実施例を示している。図10を参照すると、病室番号フィールド208が左上部分に設けられており、ウォールハブが存在する病室の番号が表示される。図10の実施例では、「32号室」がフィールド208に表示されている。図10のスクリーンショットには、画面の右上部分に名前フィールド210もあり、患者名が表示される領域となっている。図10の実施例では、「空室」がフィールド210に表示されており、病室に患者が割り当てられていないことを示している。図10のスクリーンショットには、「装置」の表題214の下にフィールド212もあるが、空白となっており、図9のシステムでウォールハブ1460と患者医療装置12間で無線通信が行われていないことを示している。
【0079】
病室に患者が割り当てられると、図11に示すように、患者名がフィールド210にHIPAAに適合した形式で表示される。さらに、医療装置12がウォールハブ1460との通信を確立すると、医療装置の名前が装置表題214の下のフィールド212に記載される。図11の例示的な実施例では、Philips IntelliVue MP60及びGE Dinamap 300V2がウォールハブ1460と通信している。フィールド212の各装置名の横には状態ボックス216が表示される。状態ボックス216は、特定のイベントが発生していることを示す特定の色が塗られている。例えば、図12において、GE Dinamap 300V2の横にある状態ボックス216は斜線が施され、あるイベントが発生中であることを示している。
【0080】
本開示では、状態ボックス216における緑色はウォールハブが関連装置からデータ受信中であることを意味し、状態ボックスの黄色は何らかの通信障害が発生中であることを示していると考える。幾つかの実施形態において、状態ボックス216は赤となり、何らかの警報が発生しているか、または関連する医療装置12が警報を検出したことを示している。しかし、例示的な実施例では、システム200は何も警報を示さないよう設定されており、警報を発生する医療システムに適用される食品医薬品局(FDA)の一定の要件の対象となることを回避している。したがって、システム200は、患者データと医療装置データとを患者モニター機器から取得し、そのデータをデータが保存される患者の電子カルテに送信する無警報システムとなるようプログラムされる。
【0081】
図13に示すように、病室の装置12とウォールハブ1460間の通信が完全に途絶えた場合、ポップアップ画面218がハブ1460のディスプレイに表示され、「ハブとの接続が切断されました」メッセージが示される。ユーザはポップアップ画面218のOKボタン220或いはクローズボックス220をタッチ或いは選択することによりポップアップ画面を閉じることができる。ウォールハブ1460が関連遠隔サーバー206と通信できなくなる場合、図13に示すように、「病室のデータサーバーとの接続が切断されました」メッセージを示すポップアップ画面224がハブ1460のディスプレイに表示される。幾つかの実施形態では、サーバー206への接続が切断されると、ハブ1460は装置12からの入力データをサーバー206との通信が再開するまで保存して、それから保存されたデータを送信する。画面218の場合と同様、画面224にはOKボタン220とクローズボックス222が表示され、ユーザは画面224を閉じることができる。
【0082】
図10〜15に示すように、ウォールハブ1460の表示には「全装置の関連付けを解除」ボタン又はアイコン226が備わっている。ボタン226をタッチするか選択して、装置12からウォールハブ1460によるデータ収集を停止する。例えば、患者が退院した場合や、もう装置12を必要としなくなった場合に、ボタン226を押すことができる。ボタン226を選択した結果、「患者とすべての装置の関連付けを解除しますか」のメッセージを示すポップアップ画面228がハブ1460のディスプレイに表示される。ユーザは、「OK」ボタン230を選択して全装置がハブ1460の関連付けから解除されることを確認する。これによって、ハブ1460は装置12からのデータを受信できなくなり、及び/又は患者の電子カルテにデータを送信することができなくなる。ユーザはNOボタン232、又はクローズボックス222を選択して関連付け解除を中断することができる。画面228で、ボタン232又はボックス222が選択されると、ハブ1460はデータ収集及び通信機能を実行し続ける。
【0083】
次に図16及び図17に示すように、MDA30の例示的な実施形態は取り付けブラケット230に取り付けることができ、同様に、各装置12に連結可能となる。図16〜21に示すように、MDA30には前面234、一対の側面236、上面238、底面240及び背面242を備える筐体232が含まれる。ブラケット230は、図17で明確に示されるように、一対の側面244及びこれら側面244を連結する背面246で構成される。ブラケット230の背面246にはその中央部分にヒルーロム頭壁レールマウント又はヒルーロム点滴スタンド用ポールマウントと互換性がある形状の四つの穴247が開いている。ブラケット244は、数例を挙げると、クランプ、マジックテープ(例えばVELCRO(登録商標)ファースナー)、接着剤等の適切な結合手段で医療装置12に取り付ける。
【0084】
本開示では、MDA30は標準のACコンセントに差し込む電源アダプタに取り付けできる。すなわち、MDA30は電源アダプタに取り付けられ、そこから電源を供給される。MDAからはケーブルを使って関連装置12の該当するデータポートに接続する。そのようなMDA用電源アダプタには関連医療装置12を差し込む余分のコンセントを含めることができ、その場合は、係る電源アダプタを壁のコンセントに差し込んで、アダプタに装置12及びMDA30を差し込む。幾つかの実施形態では、電源アダプタは点滴スタンドのポール等のポールに取り付けるように構成されており、別の実施形態では電源アダプタはベッド40の別の部分又は壁面或いは頭壁に取り付けられるようになっている。電源アダプタには標準ACコンセントに差し込める電源コードが備わっている。
【0085】
ブラケット230の側面244のそれぞれにはブラケット230の上端と下端のほぼ中間に穴248が開いている。筐体232の側面236には両側とも開口部250が備わっている。MDA30をブラケット230の側面244の間に収めると、開口部250は穴248に揃う。図16に示すように、MDA30をブラケット230に固定するため一対のノブ252が設けられる。ノブ252の一部を穴248及び開口部250に差し込む。ノブ252を緩めると、MDA30は、各穴248及び各開口部250通る軸を中心にブラケット230に対して回動できる。従って、筐体232の背面242とブラケット230の背面246の間には空間が設けられており、MDA30がブラケット230に対して回動できるようになっている。MDA30を所望の方向に向けると、各ノブ252が締められ、MDA30をブラケット230に対して固定する。幾つかの実施形態では、開口部250はノブ252のネジ部分を受容するようネジ山が刻まれている。その他の実施形態では、開口部250に近接する筐体232の内側部分にネジ穴を備えたナットが設けられ、ノブ252のネジ部分を受容する。
【0086】
前面234には中央部分にスリット256が入った僅かに球面状の円盤254が備わっている。MDA30の超音波受信機(図3に要素52として概略的に示された)が円盤254の背後に備えられている。円盤254の下には、一対の発光ダイオード(LED)258が備わり、そのうちの一つは状態表示として、もう一つは低バッテリー表示として使用される。例えば、LED258の一つはデータの取得中及び/又は送信中に緑で点灯することができる。もう一つのLED258は低バッテリー時に黄色で点灯することができる。適切な文字又は記号がそれぞれの機能を示すために各LED258に近接して表示される。
【0087】
MDA30には、LED258の下に一対のボタン260も備えられる。ボタン260の一つは、関連医療装置からの患者データ値を確定するために医療従事者が押す「確認」ボタンとしての役割を果たす。MDA30によって送信される自動的な無線データに比べ、確認された読み出しは、医療従事者がその場で医療装置12が正しく動作していること及び患者に装置12が正しく装着されていることを確認できるため、より信頼性が高いとみなされるべきである。幾つかの実施形態では、「確認」ボタンを押すことはデータ取得ボタンとして機能し、医療従事者は自身の判断で適切なときにMDA30からベッドハブ14又はウォールハブ1460にデータを送信することができる。もう一つのボタン260は、「切断」ボタンとして機能し、患者に関連付けられた一連の医療装置12から各医療装置12を除去する場合に押される。適切な文字又は記号が、それぞれの機能を示すようボタン260上又はそれに近接して表示される。ボタン260は、幾つかの実施形態においては薄膜スイッチである。
【0088】
MDA30は、下に旋回又は押し下げられるアクセスパネル又はドア262を有する。パネル262は、図16〜18に示す閉じられた位置と図19及び21に示す開いた位置の間で移動可能である。パネル262が開いた位置にある場合、図19に示すように、RS−232ポート264及び一連のユーザ入力266が見える状態になる。ポート264は、適切なコネクタケーブルによって関連医療装置12に接続される。幾つかの実施形態では、ポート264は図示されるRS−232ポートの代わりにユニバーサルシリアルバス(USB)ポートとなる。ポート264は、MDA30の回路に対しプログラム及び設定のためのアクセスを提供する。したがって、別のコンピュータ装置をポート264に接続してMDA30のソフトウェアの設定やプログラムが可能である。ユーザ入力266には電源ボタン、リセットボタン及びプログラムと設定ボタンが含まれる。幾つかの実施形態では、パネル262が閉じられた状態でMDA30が装置12に電気的に接続可能となるように、図21に点線で示される追加ポート268が設けられる。
【0089】
MDA30は、15.5VDCのコンセント給電又は充電可能バッテリーによる給電の設定が可能である。筐体232の両側面236の片側に15.5VDC電源コードを接続するポート269が備えられる。充電可能バッテリーは、短時間(最長12時間)の電力を供給するので、停電時のMDA30動作、或いは装置12が可搬型であり、患者が医療施設内で一つ或いはそれ以上の装置12を装着したまま一つの場所から他の場所へと移動する場合の使用に適している。バッテリー蓋270はMDA30の背面に備えられ、バッテリー交換時には取り外すことができる。幾つかの実施形態では、MDA30には小容量の工場で交換できるバックアップ用バッテリーが備えられ、大容量バッテリーが取り外された場合にMDA30を動作させる。ユーザ入力266のオン/オフボタンによって、長時間MDA30を使わない場合にMDA30の電源を切断することができる。
【0090】
次に図22〜24を参照すると、ビーコンモジュール110の例示的な実施形態が取り付けブラケット270に取り付けられ、ブラケットは医療施設の病室における壁面又は頭壁に取り付けられる。図22〜24に示すように、ビーコンモジュール110には前面274、一対の側面276、上面278、底面280及び背面282を備える筐体272が含まれる。図23で明示されるように、ブラケット270は上面284、底面286、及び284と286を連結する背面288で構成される。ブラケット270には、面284、286、288と連結される一対の比較的小さな側面290も備わっている。
【0091】
ブラケット270の背面288の反対側は、両側にそれぞれ上面284にほぼ垂直の形状となる第1壁部292と、その壁部292から角度をつけて底面286に伸びる第2壁部294とを有する。ブラケット270の両側にある壁部292、294にはそれぞれ取り付け穴296が備えられている。ネジなどの適切な固定部品を使い、穴296を通してブラケット270を壁面、頭壁、又は医療施設の病室内の適切な構造体に取り付ける。壁部294は、ビーコンモジュールを比較的高い場所、例えば床から6フィート以上に取り付ける場合、ブラケット270を約45度下方に傾け、壁部294を垂直の壁面又は他の面に当てて取り付けることができるように設けられる。当然ながら、ブラケット270はブラケット270を取り付ける先の壁に対して、壁部292を垂直面に当てて取り付けることで、傾けずに取り付けることもできる。従って、ブラケット270を取り付ける向きによって、ネジは壁部292の穴296又は壁部294の穴296のいずれかを通して使う。
【0092】
図22及び23に示すように、ビーコンモジュール110の前面274には、中央部分にスリット300が入った僅かに球面状の円盤298が備わっている。モジュール110の超音波送信機が、筐体272の内部、円盤298の背後に備えられている。図示の例では、モジュール110は802.15.4プロトコル(すなわちジグビープロトコル)による無線信号及び超音波信号を送信するよう構成されている。モジュール110には、前面274の上側の隅に発光ダイオード(LED)302も備えられている。LED302は状態表示器としての役割を果たす。例えば、LED302の一つはビーコンモジュール110によって無線及び超音波信号が送信中に緑で点灯することができる。もう一つのLED302は、モジュール110の回路内で障害が検出された場合に、黄色で点灯することができる。適切な文字又は記号がそれぞれの機能を示すようにLED302に近接して表示される。
【0093】
図24に示すように、モジュール110の筐体272の底面280には、RS−232ポート304、一連のユーザ入力306、及び一対の電源接続ポート308が備わっている。ポート304によって、モジュール110回路のプログラム及び設定を行うための外部コンピュータ装置との接続が設けられる。ユーザ入力306には、デフォルト構成の復旧ボタン、リセットボタン、及びプログラムモードボタンが含まれる。モジュール110は、15.5ボルトの直流壁面コンセント電源よって電力を供給されるように構成され、幾つかの実施形態では、ポート308は標準の電源同軸ジャックを備える。他の実施例では、ポート308はその他の形式のコネクタにより15.5ボルトの直流電源に接続される。病室で第2モジュール110を使用する場合には、二つのポート308が設けられ、その場合の電源は1台のビーコンモジュール110から次のビーコンモジュールへと適切な電源コードを使用して、デイジーチェーン接続される。つまり、一つのポート308は電源入力ポートで、もう一つのポート308は電源出力ポートである。モジュール110は、壁面又は頭壁に取り付けられたディスプレイ60、ウォールハブ1460、又は標準電源コンセントから電源入力ポート308で電源を入力することができる。
【0094】
ポート304、308及びユーザ入力306は、モジュール110がブラケット270に取り付けられると外側から隠される。ただし、ポート308は他の底面280に対してモジュール110の内部に向けて相対的に凹んでおり、ポート308の一つ又は両方に電源コネクタを接続するための十分な空間が確保されている。ブラケット270には背面288に大きな開口部310があり、電源コードを通すことができるようになっている。背面288には、一対のコード巻取りタブ312が成形され、必要に応じて電源コードの1本又は両方の余剰部分を巻き付けることができる。各ビーコンモジュール110は、ハブサーバー206のデータベース等のデータベースでそれが設置されている病室にリンクされている。二つ以上のベッドが設置されている病室では、ビーコンモジュール110はデータベースで病室の一部分にだけリンクされることがある(特定の病室のベッドAが設置される部分、又はベッドBが設置される部分等)。
【0095】
ウォールハブ1460の一つの実施例を図25に示す。ハブ1460は、前面316、一対の側面318、底面320及び上面322を含む筐体314を有している。ハブ1460の背面(不図示)には、ハブ1460を壁、頭壁、又は他の適切な取り付け面に取り付けるための3穴パターンが設けられている。局所データ収集モジュール14とディスプレイ60がウォールハブ1460に一体化される実施例では、モジュール14の回路は筐体314内に包含されている。局所データ収集モジュール14が病院用ベッド40に取り付けられている場合など、モジュール14とディスプレイ60が分離している実施例では、モジュール14の回路は筐体314から省かれる。前面316には大きな長方形の開口部324が設けられており、ここからタッチスクリーン326の表示とアクセスができる。図25に示すように、WiFiアンテナ328が側面318の片側に取り付けられている。モジュール14が病院用ベッド40に取り付けられている実施例では、アンテナ328によって、802.11無線信号をモジュール14から受信する。モジュール14の回路が筐体314に組み込まれてウォールハブ1460を形成する場合、アンテナ328は、802.11プロトコルに従ってイーサネット24のその他の無線アクセスポイント22と双方向無線通信を行うためにも使用される。
【0096】
例示的な実施例においては、底面320にある二つの10/100イーサネットポート330がハブ1460と医療施設のイーサネット24との接続のために使用可能である。ハブ1460には交流120ボルトの入力ポート332と直流15ボルトの出力ポート334が備わっている。幾つかの実施形態では、出力ポート334は標準直流電源同軸ジャックであるが、他の実施例では、ポート334は他の直流電源コネクタ構成でもよい。したがって、ハブ1460には標準コンセントからの交流120ボルトを直流15.5ボルトに変換して2台のビーコンモジュール110に電力を供給する回路が含まれている。また、例示的な実施例では、タッチスクリーン326は10インチのカラー液晶ディスプレイ(LCD)抵抗膜方式タッチスクリーンであり、解像度800×600ピクセルのSVGA(スーパー・ビデオ・グラフィックス・アレイ)を備えている。図示の実施例のものと異なる各種及び各サイズのタッチスクリーンも同様に本開示の範囲内である。
【0097】
幾つかの実施形態では、ハブ1460はコントローラと内蔵充電式ニッケル水素(NiMH)バッテリーパックを備えている。バッテリーパックによって、ハブ1460は数秒間にわたる電源の瞬断に対し連続動作が可能である。より長時間の停電の場合は、NiMHバッテリーパックによってハブ1460はバックアップデータをメモリに保存し、その後電源を落とす。
【0098】
次に図26〜図28を参照すると、BLM31の例示的な実施形態が取り付けブラケット340に連結され、ブラケットは病院用ベッド40に連結される。図26〜図28に示すように、BLM31には前面344、一対の側面346、上面348、底面350及び背面252を備える筐体342が含まれる。図12に明示されるように、ブラケット340には、一対の側面354及び側面354を連結する背面356が備わっている。ブラケット230の背面356には、取り付けのための二つの穴357が備わり、ブラケット340とBLM31をボルトやネジ等の適切な固定部品によって病院用ベッド40に取り付けることができる。幾つかの実施形態では、ブラケット31の背面356の裏側にベッド40に取り付けるための、剥離紙を剥がして貼るステッカーが用意されている。ブラケット340を病院用ベッド40に取り付けるには、必要に応じてクランプ、マジックテープ(VELCRO(登録商標)ファースナー)、又は紐等、他の固定手段を使用するできる。ブラケット340の側面354のそれぞれには、ブラケット340の上端と下端のほぼ中間に穴358が開いている。筐体232の側面356には両側ともMDA開口部(図示されてはいないが、MDA30の各側面236にある開口部250と類似)が備わっている。側面346の開口部は、BLM31をブラケット340の両側面354の間に収めると、穴358と揃う。
【0099】
図26に示すように、BLM31をブラケット340に固定するために一対のノブ362が設けられる。ノブ362の一部を両側面346の穴358に差し込む。ノブ362を緩めると、BLM31は、各穴358を通る軸を中心にブラケット340に対して回動できる。そのため、筐体342の背面352とブラケット340の背面356の間には空間が設けられており、BLM31がブラケット340に対して回動できるようになっている。BLM31はその超音波受信機をよりビーコンモジュール110の方向に向かせるように回動できる。BLM31の向きを望ましい方向に向けることができたら、ノブ362を締め、BLM31をブラケット340に対して固定する。幾つかの実施形態では、側面346の開口部にはネジ山が刻まれており、ノブ362のネジ部分を受容できるようになっている。その他の実施形態では、開口部に近接する筐体342の内側部分にネジ穴を備えたナットが設けられ、ノブ362のネジ部分を受容できる。
【0100】
前面344には中央部分にスロット366が入った僅かに球面状の円盤364が備わっている。BLM31の超音波受信機は、円盤364の裏側に位置している。幾つかの実施形態では、緑の状態表示LED(不図示)が設けられ、BLM31の正しい機能を表示する。
【0101】
図28に示すように、凹領域368は、筐体342の底面350に設けられた大きな開口部370を通して利用できる。領域368内で利用可能なのは、RS−232ポート374、一連のユーザ入力376、及び電源ポート378である。ポート374は、BLM31の回路に対しプログラム及び設定のためのアクセスを提供する。したがって、別のコンピュータ装置をポート374に接続してBLM31のソフトウェアの設定やプログラムが可能である。ユーザ入力376には、設定復旧ボタン、プログラムボタン及びリセットボタンが含まれる。幾つかの実施形態では、開口部370には回動可能アクセスパネルが設けられ、領域368にアクセスできないようにしている。
【0102】
ポート374は、適切な接続コードを使って局所データ収集モジュール14とさらに接続可能であり、これによってBLM31がビーコンモジュール110から受信する無線及び超音波信号の時間差をBLM31からモジュール14に伝えることができる。幾つかの実施形態では、BLM31には無線送受信機を備えることができ、時間差を無線でベッド上のモジュール14及び/又は壁面或いは頭壁或いはその他の支持構造体上のモジュール1460に送信できる。このような無線伝送機能を持つBLM31は、例えばベッド状態データをモジュール1460に送信するためにMDA30を使用しないシステムにおいてビーコン110からベッドの距離を知る場合に、使用することができる。
【0103】
BLM31は、直流15.5ボルトの電源で電力を供給されるように構成される。同様に、電源ポート378は凹領域368に設けられ、電源コード380の先端に備えられた直流15.5ボルトの電源コネクタ382と接続される。幾つかの実施形態では、直流15.5ボルトの電源はベッド40上の局所データ収集モジュール14から電源コード380に給電される。筐体342の底面350にはコードの通し溝384が設けられており、電源コード380の一部を通すことができる。また、保持タブ386によって電源コード380は溝384に保持される。一実施形態では、ポート378はTyco5−103673−1コネクタを備え、電源コネクタ382はTyco5−103957−1コネクタを備える。幾つかの実施形態では、ベッドハブ14が、直流15.5ボルトの電源を適切な電源ケーブル経由でBLM31に供給する。ウォールハブ1460を使用する実施形態のように、ベッドハブ14がベッドから省かれる実施形態では、直流15.5ボルトの電源は、ベッドの電気系統によって供給される。BLM31が電源をベッドハブ14から受ける場合、ベッドハブ14のバックアップバッテリーは、バックアップバッテリーの電力が必要な場合のBLM31用のバックアップバッテリーとしても使用される。
【0104】
次に図29を参照すると、車輪台付きコンピュータ(COW)1014は、局所データ収集モジュールとして動作可能であり、部屋から部屋へ移動して、各病室の患者医療装置12に連結されるMDA30からデータを収集することができる。そのような実施形態では、特定の病室において、自動的にデータ記録を取得できるよう、COW1014と無線で通信しているどの装置12がどの患者に関連付けられるべきか、医療従事者が選択できるようにCOW1014のディスプレイ1060に表示して促すことができる。幾つかの実施形態では、特定の患者に関連付けられている患者医療装置12のMDA30からのデータをCOW1014が受信した後、COW1014はデータを無線でEMRコンピュータ72に病院のイーサネット24経由で送信できる。その他の実施形態では、COW1014は特定の患者に関して取得したデータを単に保存し、後でEMRコンピュータ72に送信することもできる。
【0105】
COW1014を使用することによって、医療従事者は病室から病室へと移動し、それらの病室に居るさまざまな患者のカルテに自動ログインするためのデータを取得できる。例示的な実施例では、図29の点線経路矢印で示すように、医療従事者はCOW1014をすでに101、103及び104号室に運んでおり、図29の実線矢印で示すようにこれから102号室に入ろうとしている。幾つかの実施形態では、データ取得はCOW1014により自動的に行われ、それにより医療従事者が行うべき手動によるデータ取得及び/又はデータ入力作業が低減されるか或いは不要となる。
【0106】
幾つかの実施形態では、COW1014に付随するキーボード1020を利用してある程度のデータ入力作業が必要になることがある。例えば、医療従事者に対して、COW1014のディスプレイ1060に記載される装置12のどれが病室の特定患者に関連付けられるべきかの確認、COW1014によってデータの自動ログインを行うべき装置12の選択(すべての装置12からのデータをログ記録しない場合)、COW1014によって自動ログインを行うべき装置12からのデータ種別の選択(特定の装置12からのデータのサブセットのみをログ記録する場合)を求めることができる。しかし、COW1014によって、MDA30経由で患者医療装置12からデータを自動取得するよりも取得できる電子データが多ければ多いほど、人的過誤の可能性が少なくなる。
【0107】
COW1014を使用するシステムでは、モジュール14及び/又は1460を全ての病室に設置しないで済むため全体のシステムコストは削減される。しかしながら、その代わりに医療従事者が時間をかけて、装置12からMDA30経由で必要なデータを取得するために、COW1014を病室から病室に移動させなければならない。さらに、COW1014からのデータ転送は802.15.4プロトコルに従って行われるため、幾つかの実施形態では、COW1014とMDA間の短距離無線通信を可能にするようCOW1014を病室内の十分な距離にまで持ち込まなければならない。各患者のMDA30がメッシュネットワークを構築する実施形態では、COW1014は各患者の一つのMDA30との通信範囲に持ち込むだけで良く、他のMDA30のデータはメッシュネットワーク経由でCOW1014が通信を行っているMDA30からCOW1014に転送される。代替的に、又は追加的に、COW1014及び装置12を十分近くにまとめておき、それによってCOW1014はすべての装置12からのデータを特定の患者に関連付けられたMDA30から取得できる。
【0108】
本開示では、COW1014は特定の患者の電子カルテを、患者の病室に入室しその患者のMDA30と通信を確立すること、又はCOW1014(例えば取り付けられた追跡タグにより)と位置検出及び追跡システム70との通信に基づき、自動的に表示することを検討している。代替的に、医療従事者は手動で患者の電子カルテをCOW1014に表示することができる。患者の電子カルテをCOW1014上で開くと、装置12からMDA30経由で取得したデータの一部又は全部が患者の電子カルテの該当欄に表示され、医療従事者はその患者の電子カルテの他の欄にデータを入力することができる。すなわち、本開示では、患者の電子カルテに自動的に入力されないデータがあることを検討している。そのようなデータは、例えば関連付けられたMDA30を有していない一つ以上の装置12からのデータ、或いは体温や血圧のようにどの装置12もその特定患者に対する監視をしておらず、看護師が直接患者の測定を行って入手するデータ等である。
【0109】
局所データ収集モジュール14、MDA30、ビーコンモジュール110、及びBLM31の各電気回路設計のうちの一実施形態の回路図が、2008年10月20日に出願された米国仮特許出願第61/106,830号に示されており、参照する当該仮出願の図30A〜30Dに示される上記の各回路図を含む仮出願が教示するすべての内容を参照により本願明細書に明示的に援用する。米国仮特許出願第61/106,830号は、本米国特許出願が公開され次第、米国特許庁のウェブサイトの公開PAIRデータベースに電子的に公開(つまり公示)されるであろう。一実施形態では、モジュール14はTridium社の製品番号HT−BAH−BDH000であり、MDA30はTridium社の製品番号HR−BAH−MDA000であり、ビーコンモジュール110はTridium社の製品番号HR−BAH−PBM000であり、BLM31はTridium社の製品番号HR−BAH−BLM000であり、ディスプレイ60はTridium社の製品番号HR−BAH−HDM000である。
【0110】
本願明細書の記載に基づき、システム10、200が、患者監視医療装置を含む装置12からの主要患者データを無線で取得及び統合し、EMR72にそのデータを送信する中央集中型の技術ソリューションを設けることが理解できる。これは、MDA30とモジュール14又はウォールハブ1460を共に使用する例示的な実施形態において達成される。MDAは無線及び超音波受信機を備えており、ビーコンモジュール110からのそれぞれ無線及び超音波信号を受信し、MDA30及び装置12を特定のベッド40又はベッド40に関連付けられた患者に関連付けられる。ベッド40には、同じ関連付けの目的でMDAと類似の無線及び超音波受信機を備えたBLM31を備えることができる。
【0111】
異なる実施形態においては、モジュール14及びハブ1460は省かれ、MDA30は、MDA30に含まれる、或いはMDAのRS232ポート34などのMDA30の各ポートの一つに別途装着されるWiFiカードを使って、直接無線アクセスポイント(WAP)22経由でイーサネット24と直接通信するように構成されている。ビーコンモジュール110及びBLM31は、その関連付け機能を実施するために、この異なる実施形態においても使用される。さらに別の異なる実施形態では、無線及び超音波信号の代わりに、又はそれに加えて、超広帯域(UWB)三角測量手法が使われる。UWB三角測量を使用するそのようなシステムでは、MDA30及びBLM31にはUWB受信機又は送受信機が備えられ、ビーコンモジュール110にはUWB送信機又は送受信機が備えられる。UWB信号を三角測量するには、各MDA30及び/又はBLM31は通常少なくとも関連付けコンピュータにとって二つの既知の(すなわちメモリに保存された)場所に設置されたUWBビーコンモジュールからUWB信号を受信する必要がある。UWB信号の飛行時間が三角測量の計算に使われる。
【0112】
本開示では、MDA30及びBLM31は無線、超音波及びUWB受信機又は送受信機を備え、無線及び超音波信号は装置12とベッド40が特定の患者の病室に設置された場合に、装置とベッド(又は患者)の関連付けに使われ、UWB信号は、装置12及び/又はベッド40が例えば医療施設内のある場所から他の場所に移動する等、患者の病室外にある場合に、その移動を追跡するのに使われることが考えられる。本願明細書の対象となるシステムのベッド40、患者、及び装置12を関連付けるためのさらなる変形例には、ベッド上の無線自動識別(RFID)読み取り装置で患者が装着するRFIDリストバンドを読み取る(つまり無線信号を受信する)ことが含まれる。ベッド上のRFID読み取り器は、医療従事者が装着するRFIDタグ又はバッジからの信号も受信することができ、場合によってそのデータはベッドハブ14又はウォールハブ1460に提供される。装置12及び/又はベッド40からの測定値が、ベッドハブ14又はウォールハブ1460によって、EMR又はその他の遠隔システムに送信されるときに患者の病室に居た1人又はそれ以上の医療従事者の識別情報も、遠隔システムのレコードに保存できる。
【0113】
本開示によると、装置12の使用時間又は稼働時間は、MDA30、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460により送信される情報に基づき、遠隔コンピュータで追跡することができる。幾つかの検討された実施形態では、遠隔コンピュータはそのような情報をその遠隔コンピュータに保存されている又は他のコンピュータに関連付けられた別のデータベースにアクセスして得られる保守又は修理スケジュールと比較するようプログラムできる。修理又は保守作業は、使用時間データを保守又は修理スケジュールと比較して、そのような保守又は修理作業が特定の装置12、MDA30、ベッドハブ14、ウォールハブ1460などにおいて必要であると示された場合、ワークフローシステム76により予定することができる。必要な修理作業の一実施例には、予め決められた一定時間使用された後の装置12の較正が含まれる。
【0114】
また、本開示では、前述のようにMDA30、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460によって送信された情報に基づき遠隔コンピュータによって追跡される装置12の使用時間又は供用時間に関するデータは、より正確な患者請求書の作成にも使用できることが考えられる。例えば、患者(又はその保険会社)に対して、患者への治療又は診療に実際に装置が使われた時間を反映しない日数又はその他の時間に基づく請求の代わりに、実際に患者に治療や診療を提供した装置の使用時間又は分に基づいて請求することができる。本願明細書で検討されたシステム10、200はこの使用時間追跡機能を自動的に行うのに適しており、医療従事者が手動で同じことを行うことはほぼ不可能に近い。
【0115】
また、本開示によれば、MDA、ベッドハブ14、及び/又はウォールハブ1460によって取得された情報は、装置の製造業者又は食品医薬品局(FDA)等の規制当局が切り出せる製品リコールを容易にするために有益であると思われる。そのようなリコールは、ときには装置12が特定のファームウェアバージョン数又は特定の製造番号、又はその他の固有な識別の特徴を有する場合に限られることがあり、必ずしも医療施設で使用されている特定製造業者の類似の型の装置12全てに適用されない。大規模な病院では、ときには一般的な型式では同一の数千もの機器が存在することがあるが、ファームウェアバージョン数、製造番号、製造ロット番号等は異なっている。従って、本開示によれば、システム10、200は、システム70、72、74、76、78、80のいずれかの遠隔コンピュータを使ってリコール対象の特定の個別装置12の医療施設における正確な位置を示すレポートを生成するよう動作できる。そのようなリコールのレポートを生成できるシステムの幾つかの実施形態においては、そのようなレポート作成に必要な特定の装置識別データは、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460及び/又はハブサーバー206に保存できる。
【0116】
一部の実施例では、ハブ14、1460は、PowerPC 440Epx 667 MHzプロセッサ、LCEタッチスクリーンサポート用の統合PCIグラフィックコントローラ、オンボード1GB NANDフラッシュストレージ(アップグレード不可)、1GBまでのフィールドアップグレードが可能なベース512 MB DDR−2 333Mhz RAM(業務グレード、幾つかの実施形態ではTridium社製)、2つのギガビットイーサネットポート、2つのUSB-2.0ポート、標準RS−232ポート、絶縁RS−485/電源ポート(標準電源非供給絶縁RS−485ポートとして、又は拡張モジュールとの使用可能)、MiniPCIオプションスロット(WiFi 802.11g対応)、及びLonWorks(登録商標)、RS−485又はRS−232、GPRS/Edge携帯無線、IPv6/Zigbee Pro 802.15.4無線など用の2つのJACE(登録商標)通信オプションスロットの特徴又は機能を有している。さらに、幾つかの実施形態では、ハブ14、1460は、Tridium社の市販品でQNX−OS及びTridium社製のNiagara Frameworkソフトウェアが搭載されている。ハブ14がベッド40の回路に取り付けられるか又は含まれている場合、ハブ14はベッドから交流120ボルトの線間電圧を供給され、ベッドは標準コンセントから電源を供給される。ハブ14には、交流120ボルトの線間電圧を使用する一つ又はそれ以上の直流電圧に変換する回路を備えている。
【0117】
一実施形態では、ハブ14、1460は、ミズーリ州カンザスシティーのCerner Corporation製Cerner Connectivity Module(CMM)ソフトウェアを搭載している。同社は、病院へのEMRシステムサプライヤーである。したがって、本開示では、EMRシステム72はCerner社が医療施設に提供しているものとし、ハブ14、1460はCerner社のEMRシステムに互換性を持つように構成されると考える。Cerner社のCMMソフトウェアには、装置データを取得し通信するためのプロトコルを含む100以上のデバイスドライバが搭載されている。
【0118】
上記に示唆したように、ハブサーバー206はハブ14、1460とADT及び/又はEMRシステム72、74等のその他のシステムとの通信媒介体の機能を果たす。より具体的には、幾つかの実施形態では、サーバー206はすべてのMDA30及びハブ14、1460の使用状況と位置データを取り扱い、ADT及び/又はEMRシステム72、74と通信を行い、患者を病室に関連付けセキュリティ等の管理的作業を取り扱う。サーバー206はハブ14、1460からのすべてのデータを収集し、そのデータをインターフェイスゲートウェイに送信する。ハブ14、1460の日常動作のためのソフトウェアは、別のBioMed Configuration Stationに搭載されるBioMed Configuration Station Softwareを除いてサーバー206に含まれる(つまり、サーバー206の又はサーバー206に関連するデータベースに保存される)。ハブサーバー206は、ハブ14、1460の専用ではなくイーサネット24に接続されている他の装置に対する業務も行うことができることを理解する必要がある。さらに、本開示では、幾つかの実施形態において、ハブサーバー206にニュージーランド、オークランドのOrion Health社製Rhapsodyソフトウェアを搭載し、ある種類のメッセージから別の種類のメッセージへとプロトコル変換を行うこと、及び検討される実施形態においてハブサーバー206とADTシステム74の通信を可能にすることが考えられる。
【0119】
本開示では、幾つかの実施形態において、MDA30の設定及び試験を行うに当たり、BioMed StationがBioMed技術者又は医療スタッフに対して、MDA30を特定の医療装置12に割り当て、ビーコンモジュール110を特定の病室に割り当て、ディスプレイ60を特定の病室に割り当て、及びBLM31を特定のベッドに割り当てる前工程を提供することを検討する。Microsoft Windows(登録商標)プラットフォームで動作し、40ギガバイトハードドライブを備える標準的パーソナルコンピュータ(PC)であれば、どれでもBioMed Stationとして使用することができる。これには、BioMed技術者またはその他の医療スタッフが移動環境(医療施設を歩き回り施設の様々な場所で設定及び/又は割り当て作業を行う等)でMDA30、BLM31、ディスプレイ60(ウォールハブ1460のディスプレイを含む)、及びビーコンモジュール110の設定及び/又は割り当てを行うことを可能にするラップトップを含む。BioMed Stationの設定と割り当て機能に関して、これは例えば、シリアル番号、インターネットプロトコル(IP)アドレス、病室番号及び/又はベッド番号等のコンポーネント識別データを使って行うことができる。
【0120】
インターフェイスゲートウェイは、Cerner MDBus(登録商標)ゲートウェイ又はその他の製造業者のゲートウェイを備えることができる。インターフェイスゲートウェイは有効データを収集して、そのデータを患者のカルテに反映する。Cerner社製でないEMRシステム72の一部では、サーバー206はインターフェイスゲートウェイを使わずに、直接データをEMRシステム72に転送することができる。幾つかの実施形態では、Microsoft Windows(登録商標)プラットフォームを搭載し、40ギガバイトのハードドライブを備えた標準パーソナルコンピュータ(PC)がハブサーバー206として使用される。
【0121】
前述のように、ベッドハブ14及びウォールハブ1460は、該ハブに保存あるいはハブサーバー206に関連するデータベースに保存されたデバイスドライバライブラリから取得可能なデバイスドライバソフトウェアを有する。デバイスドライバソフトウェアによって、各種医療装置プロトコルによる情報がハブ14、1460に受け入れられるようになる。幾つかの実施形態では、Broadcom BCM94306無線LAN Mini−PCアダプタカードがMDA30とベッドハブ14又はウォールハブ1460間のWiFi又はイーサネット無線通信に使われる。本願明細書で説明するシステム10、200では、ベッドハブ14及び1460は、対応する患者に関連付けられる少なくとも10台の医療装置についてMDA30からの無線データを受信することができる。
【0122】
幾つかの実施形態では、システム10、200は、Sigma Spectrum注入装置、Datascope Passportモニター装置、Datascope Passport 2 モニター装置、GE Eagle 4000モニター装置、GE Dash 4000、5000、6000モニター装置、Philips MP50モニター装置、Edward Life Science Vigilance Iモニター装置、Edward Life Science Vigileoモニター装置、Nellcor N600パルス酸素濃度計、Respironics Esprit人工呼吸器、Sensormedics 3100A 人工呼吸器、Maquet servo i 人工呼吸器、Puritan Bennett 840 人工呼吸器、Puritan Bennett 7200 人工呼吸器、Welch Allyn VSM 5300 生体信号モニター装置、及びHill-Rom TotalCare病院用ベッドなどといった装置12と互換性がある(通信ができる設定となっている)。前掲のリストは、本開示におけるシステム10、200の装置12を構成する特定の装置の包括的リストを意図したものではない。本リストは、システム10、200に含めることができ、MDA30とハブ14、1460が通信できる装置の種類と製造業者が広範にわたっていることを示すために提供されている。
【0123】
幾つかの実施形態では、ベッド40はベッドデータをEchelonネットワーク(LON等)経由でベッドハブ14と通信し、他の実施例ではベッド40はベッドデータをコントローラエリアネットワーク(CAN)経由でベッドハブ14と通信する。したがって、ベッド40とハブ14間でCAN通信を行う実施形態では、ハブ14にCANカードが備えられる。さらに別の実施形態では、ハブ14はベッド40に設置されるがベッドデータを全く受信せず、その結果ベッド40は単にハブ14を設置するための構造を提供するに過ぎない。
【0124】
上記に特定の複数の例示的な実施形態を詳細に説明したが、以下の請求範囲で説明及び定義するように、本開示の思想及び範囲内において応用例及び変形例が存在する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の患者用医療装置からのデータを収集、伝達、表示及び/又は分析するシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、ほんの数例を挙げると、病院用ベッド等の患者用サポート装置、血圧モニター又は心電計等の生理学的モニター装置、及び静脈ポンプ又は人工呼吸器等の他の患者医療機器からのデータを取り扱うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、患者それぞれの治療に関しさまざまな正規の機器製造業者からの高機能の機器が使用される。例えば、ほとんどの入院患者には様々な機能が備わったベッドが割り当てられる。それらの機能には、患者の体重測定機能、支持面における患者の姿勢監視機能、さらに各サイドレールが上がっているか下がっているかなどのベッドフレームの各部分の位置を特定し、ベッドの頭部が上昇する角度を含む支持面を支持する様々な可動式のデッキ部の位置を特定する機能を含むことができるが、それらに限定されるものではない。病院用ベッド又は病院用ベッド上に設置されたマットレスシステム(表面と呼ばれることもある)のなかには連続ローテーションセラピー、脈拍及び/又はバイブレーションセラピー、及び/又は交互加圧セラピー等の治療機能を備えているものもある。また、ローエアロス、最大膨張、及びCPR用の急速収縮等のさらなる支持面機能をも含むことができる。従って、各病院用ベッド及び/又はそれに付随する各支持面は、多種多様のデータを発生する高度な制御及び監視システムを備えている。
【0003】
当然ながら、医療分野ではその他の高度な機器も使用することによって患者に治療を施し、あるいは患者の状態を監視している。そのような機器には、例えば人工呼吸器等の生命維持装置や、心電図(EKG)、脳波計(EEG)、心拍数モニター、血圧モニター、血液酸素飽和度モニター等の生体信号監視装置、及び静脈ポンプ、薬剤注入ポンプ、インスリンポンプ、受動運動装置等の他の患者治療装置を含むことができるが、それらに限定されるものではない。これらの機器のそれぞれも、通常、多種多様のデータを発生する高度な制御及び監視システムを有している。
【0004】
病院によっては、異なる製造業者からの類似の機器を備えていることがあり、各医療従事者はその日常活動で関わってくる可能性がある。医療従事者にとって医療現場における異なる製造業者のすべての機器の制御や監視機能をすべて習熟することは困難である。しかしながら、各医療従事者が利用できるようにする各機器に共通した一定の主要情報或いはデータが存在する。このような主要情報は電子カルテ(EMR)システムに記録されることが多い。医療従事者にとって、主要情報を物理的に手書きの表に記入し、その後同一人物或いはその他の医療従事者が手書きデータをEMRシステムに入力することは珍しくない。主要情報を手書きの表に記入するには、医療従事者は多くの異なる製造業者が販売する多くの装置の各ユーザ画面の操作法に習熟しなければならない。医療従事者が必要な情報を探し、データを表に記入してその後EMRシステムに入力するという一連の手動動作では、データの誤入力を誘発する可能性がある。
【0005】
広範にわたる医療機器から自動的に主要情報を取得してEMRシステムに入力すると共に、医療従事者に各種データをどの種類の機器からのものかに関らず統一的に提示することができれば、医療現場にとってはおそらく便利であろう。また、様々な患者医療装置からのデータに論理的な条件(例えばOR条件やAND条件)を適用して警報を発するようプログラムすることができるシステムがあれば、場合によって有益であると思われる。医療基準は、時として各患者の医療のために設定され、異なる医療機器からのデータは医療基準の態様を測定することができる。各種装置からのデータに基づき、医療基準の様々な態様を監視し、及び医療基準から外れた状況が検出された場合に警報を医療従事者に発する又は通知を行う共通のシステムを備える機能は、医療環境によってはさらに有用性が高いであろう。
【0006】
<関連する出願への相互参照>
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2007年10月26日に出願された米国仮特許出願第61/000,489号及び2008年10月20日に出願された米国仮特許出願第61/106,830号の利益を主張すると共に、上記両出願を参照により本願明細書に明示的に援用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、添付の請求項が請求する特徴のうち一つ以上の特徴、及び/又は単独或いは組み合わせで特許性のある主題を備えることができる以下の特徴のうち一つ以上の特徴を有するシステム又は方法を備えることができる。
【0008】
複数の各種患者医療装置からのデータを収集、通信、分析及び/又は表示するシステムを提供できる。このシステムは、第1コントローラ、第1コントローラと連結し各種患者医療装置から局所無線で信号を受信することができる受信機、及び第1コントローラと連結し医療施設のイーサネット無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機を備える局所データ収集モジュールを有することができる。局所データ収集モジュールは、第1コントローラと連結されて医療施設のイーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタをさらに有していてもよい。
【0009】
受信機は、例えば802.15.4プロトコル(ジグビープロトコルとしても知られる)等の第1無線通信プロトコル或いは超広帯域プロトコルによって動作可能であり、送受信機は802.11プロトコル等の第2無線通信プロトコルによって動作可能である。
【0010】
本システムは、本願明細書では医療装置アダプター(MDA)と呼ばれる複数のデータ通信モジュールをさらに有することもできる。各MDAは、第2コントローラ及び第2コントローラに連結される装置コネクタを有し、複数の患者医療装置のうち、それぞれの患者医療装置に連結してデータを受信することができる。各MDAにはそれぞれの第2コントローラに連結される送信機があり、第1無線通信プロトコルにより局所データ収集モジュールの受信機に局所無線信号を送信できる。複数のMDAのうち、各MDAのコントローラは、複数の患者医療装置からそれぞれの患者医療装置の固有装置データプロトコルに従って受信したデータを共通データプロトコルに従うデータに変換し、関連送信機に局所無線信号の一部として局所データ収集モジュールに変換されたデータを送信させるようプログラムすることができる。他の実施形態では、MDAはそれぞれの医療装置から受信したデータ形式のまま単にデータを送信することができる。データ変換は、その後、局所データ収集モジュール又はサーバーや病院イーサネットに連結されたその他のコンピュータ装置などのさらに遠隔した場所で実施することもできる。
【0011】
局所データ収集モジュールは、病院用ベッドと連結可能であり、又は病院用ベッドの回路の一部としてさらに包含されることも可能である。局所データ収集モジュールは、頭壁、アーム、支柱又は他の建築設備などのその他の装置に連結可能であり、又は、独立したコンピュータの一部となることも可能であり、或いは他の患者医療装置連結又は一体化することもできる。局所データ収集モジュールは、幾つかの実施形態において任意の増設コンピュータ装置だけでなく局所データ収集モジュールを搬送する移動用カートなどの車輪台付きのコンピュータ(COW)に連結できる。病院用ベッドからのデータは、局所通信モジュールの第1コントローラとの通信を行い、送受信機により医療施設のイーサネット無線アクセスポイントに送信することもできる。病院用ベッドからのデータには、病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、病院用ベッドを識別するデータ、病院用ベッドの型式番号に関するデータ、病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、病院用ベッドのサイドレール位置に関するデータ、病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータ、病院用ベッドのヘッド部上昇角度に関するデータ等が含まれるが、それらに限定はされるものではない。
【0012】
少なくとも各MDAのうちの一つは、他のMDAと無線通信可能なように構成でき、局所の無線メッシュネットワークを形成することができる。局所データ収集モジュールは、コントローラに連結される少なくとも一つの拡張ポートを具備することができ、さらに有線接続により少なくとも1台の装置を局所データ収集モジュールに連結させるよう設定することができる。拡張ポートは、例えば複数のRJ−45コネクタまたはポートにより構成することができる。局所データ収集モジュールのコントローラは、JAVAアプリケーションを実行することができる。
【0013】
各MDAは、それぞれに連結された或いはその回路の一部に組み込まれた位置検索装置を有することができる。位置検索装置は、無線受信機及び/又は無線送信機及び/又は超音波発信機及び/又は超音波受信機及び/又は赤外線受信機及び/又は赤外線送信機を備える。各MDAには、それぞれの第2コントローラと連結されるイーサネットコネクタを含み、医療施設のイーサネット又は局所データ収集モジュールとの有線接続用に構成できる。
【0014】
MDAの送信機により送信される局所無線信号には、送信先アドレスを含むパケットが含まれる。送信先アドレスは、例えば、局所データ収集モジュールのアドレスに対応させることが可能であり、又は別のMDAのアドレス、或いはEMRシステム関連のコンピュータ装置等の医療施設イーサネット上の他のコンピュータ装置のアドレスに対応させることができる。
【0015】
MDAが連結される患者医療装置の種別には、生体信号モニター(例えばEKG、EEG、呼吸数モニター、または血圧モニター等)、生理学的モニター(血液酸素飽和度モニター、または温度センサー)、人工呼吸器、静脈ポンプ、薬剤注入ポンプ等の装置が含まれるがそれらに限定されない。各MDAはそれぞれ別の種別の装置に連結可能である。
【0016】
本システムでは、局所データ収集モジュールとデータ通信を行うディスプレイも備えることができ、局所データ収集モジュールが一部又はすべてのデータ通信モジュールから受信するデータを表示できる。ディスプレイは、病院用ベッドと連結、或いはタブレットの一部に組み込んだり、又は遠隔コンピュータの一部、或いは局所コンピュータの一部、又は電子手帳(PDA)などの携帯無線装置の一部に組み込んだりすることができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイは局所データ収集モジュールの回路に一体化され、例えば病室の壁面又は頭壁に取り付ける共通の筐体に組み込まれる。幾つかの実施形態では、ディスプレイは受信データを表示せず、局所データ収集モジュールが通信している機器の種別を示す。そのような実施形態では、局所データ収集モジュールは、患者の記録に自動的にログインするため、病院イーサネットを経由してEMRコンピュータなどの別のコンピュータ装置にデータを単に送信できる。EMRコンピュータは、患者の記録にデータをログ記録する前にユーザにデータを承認するよう促すように構成できる。
【0017】
システムは、MDAから局所データ収集モジュールで受信するデータを分析することができる第3コントローラをさらに有することができる。データを分析するに当たり、第3コントローラは、少なくとも二つの別々のMDAからのデータに基づき、警報を発すべき条件が存在しているかどうかを特定できる。必要に応じて、局所データ収集モジュールのコントローラに、この機能を有する第3コントローラの代わり或いはそれに加えて、同様のデータ分析機能をプログラムすることができる。第3コントローラ又は局所データ収集モジュールのコントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術によって警報条件をプログラムできるよう構成可能である。このようなオブジェクト指向プログラミング技術を使用すると、例えば医療従事者は、各種の患者医療装置からのデータ閾値を選択することができ、それらを論理的につなげて(すなわち、不等号や等号の算術式をANDやOR論理条件などと組み合わせて)警報を発生することが可能になる。一般的な一実施例として、医療従事者は、第1患者医療装置で測定した第1測定条件(例えば心拍数)が第1閾値より高く、かつ第2患者医療装置で測定した第2測定条件(例えば体温)が第2閾値より高い場合に、指定の医療従事者に警報メッセージを送信するといったように警報条件をプログラムすることができる。
【0018】
第3コントローラ又は局所データ収集モジュールのコントローラは、エンドユーザが選択的に複数のデータ通信モジュールからのデータを選択し、ディスプレイに示される少なくとも一つのダッシュボードに表示できるよう構成することができる。エンドユーザは、例えば、表示上のフィールドをタッチスクリーンで選択することでダッシュボードを作成し、どのデータをそのダッシュボード或いは複数のダッシュボードに含めるかを示すことができるデータフィールドは、ディスプレイに表示される関連患者医療装置の仮想図上に表示させることができる。局所データ収集モジュールは病院用ベッドに連結可能であり、ディスプレイは、例えば病院用ベッドのデータを少なくとも一部のMDAから局所データ収集モジュールが受信したデータを示す情報と同時に表示するよう作動できる。
【0019】
各MDAの一部又は全部は、以前に受信したパケットと同一である、関連患者医療装置から受信された後続情報パケットが局所データ収集モジュールに伝送されないように、データのフィルタリングを実行できる。このような手順によって、すでに局所データ収集モジュールに送信された情報を再度送信することによる不要な帯域の使用を低減することができる。MDAのうちの一つと局所データ収集モジュールとの間で通信が失われた場合、MDAはそれぞれの患者医療装置からの受信データをバッファに保存し、通信が再開した後に局所データ収集モジュールに送信するよう構成できる。
【0020】
本開示によると、MDAは、装置の動作に関する装置データを有し、患者に関する患者データを有する患者医療装置と共に使用できる。患者データとは、例えば、患者の生理学的データ又は生体信号データなどが考えられる。患者医療装置には、装置データ及び患者データを取得するために通すポートを有することができる。MDAは、コントローラ及びコントローラに連結するコネクタを備え、患者医療装置のポートと連結して患者医療機器とデータ通信モジュールとの間を有線接続できる。患者医療装置の出力ポートとMDAの入力ポートを接続するため、適切なコネクタが取り付けられているケーブルを設けることができる。MDAは、コントローラに連結する送信機をさらに有し、装置データ及び患者データに関する情報を備える各無線信号を送信できる。
【0021】
MDAの位置を特定、つまり医療施設における患者医療装置の位置を特定するために使用される少なくとも一回の信号を送信又は受信する位置検出装置は、上記で示すようにデータ通信モジュールに連結或いは内蔵することができる。位置検出装置は、コントローラに連結される回路を有することできる。位置検出装置は、データ通信モジュールの筐体に連結される位置タグを備えることができる。位置検出装置には、超音波発信器、超音波受信機、或いは超音波送受信機を備えることができる。
【0022】
データ通信モジュールは、データ通信モジュールとの有線接続を可能にするモジュールポートをさらに有することができる。モジュールポートは、患者医療装置ポートとは異なる種別であってもよい。例えば、患者医療装置のポートはRS−232ポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを備えることが可能であり、モジュールポートはRJ−45ポートを備えることができる。データ通信モジュールの送信機は、802.15.4プロトコル又は超広帯域プロトコルで無線信号を送信できる。データ通信モジュールのコントローラは、患者医療装置から受信される後続装置データ又は患者データパケットがそれ以前に受信された受信パケットと同一の場合、送受信機によって送信されないようにデータフィルタリングを実行するよう構成できる。
【0023】
データ通信モジュールの送信機は、コントローラと連結する送受信機の一部に含めることができる。データ通信モジュールは、コントローラと連結する受信機をさらに有し、無線信号を受信することができる。データ通信モジュールの位置検出装置は、超音波受信機を備えることができる。コントローラは、本願明細書内で検討されたビーコンモジュールから無線位置信号を受信する受信機に対応してタイマーを開始させ、ビーコンモジュールから超音波信号を受信する超音波受信機に対応してタイマーを停止させるようプログラムすることができる。従って、MDAのコントローラは、無線信号の受信と超音波信号の受信との間の時間差を特定することができる。幾つかの実施形態では、MDAはこの時間差によってビーコンからの距離を計算するよう構成できる。MDAのコントローラは、時間差及び/又は距離を例えば局所データ収集モジュール等の他の装置に送信するようプログラムすることができる。MDAにより時間差が送信された場合、他の装置はMDAとビーコンモジュールの距離を計算できる。無線位置信号及び/又は超音波位置信号は、データ通信モジュールの位置を特定するために使われる少なくとも一つの信号を含むことができる。時間差データ又は距離データに基づき、例えば局所データ収集モジュール等の他の装置は、さまざまなMDAから受信したデータを特定の病院用ベッド又は患者に自動的に関連付けるようプログラム可能である。幾つかの実施形態では、上記関連付けをディスプレイで確認するように医療従事者を促すことができる。
【0024】
本開示により、病院用ベッドにベッドリスナーモジュール(BLM)を設け、病院用ベッドに連結させることができる。BLMは、例えば病室の壁面又は頭壁に取り付け可能なビーコンモジュールから無線信号及び超音波信号を受信する回路を有することができる。BLMは、ベッド上に置かれた局所データ通信モジュールと有線で接続するか、又はベッド上に位置する他の回路と連結できる。局所データ収集モジュールが病室の壁面又は頭壁或いはCOWに取り付けられている場合などといった、局所データ収集モジュール又は関連付けコンピュータがベッドに取り付けられていない場合、BLMは無線信号と超音波信号の受信時間差を局所データ収集モジュール又は関連付けコンピュータに送信できるよう送信機を備えることができる。この場合、BLMはMDAに備わる回路と非常に類似した、又は同一の回路を備えることができる。ベッドのデータがナースコールシステム又はその他の病院イーサネットのコンピュータ装置に含まれる有線接続又は無線回路によって送信される場合でも、BLM回路はMDA回路と類似するが、802.15.4プロトコルによる送信回路を省くことができる。
【0025】
さらに本開示では、同一の病室にある複数の装置をその病室に居る第1患者或いは第2患者に関連付ける方法が提供される。該方法は、関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データを提供することができる。関連付けコンピュータは、飛行時間又は到着時刻データに基づき、第1患者に関連する第1参照地点及び第2患者に関連する第2参照地点からの各種装置への距離を特定することができる。第1及び第2参照地点は、それぞれ、第1及び第2ビーコンモジュールの位置に対応できる。該方法は、関連付けコンピュータにおいて、あらゆる装置を第1患者の第1参照地点からの第1所定距離内に関連付けること、及びあらゆる装置を第2患者の第2参照地点からの第2所定距離内に関連付けることをさらに備える。第1及び第2所定距離は、実質的に同等距離又は異なった距離であってもよい。
【0026】
同一病室内に二つの同様の装置がある場合、本方法は、第1参照地点に最も近い類似装置を第1患者に関連付け、第2参照地点に最も近い類似装置を第2患者に関連付けることができる。どの患者医療装置がどの患者に関連付けられるか曖昧な場合、本方法は遠隔コンピュータから医療施設のイーサネット経由でデータを取得し、遠隔コンピュータから取得したデータに基づいて曖昧性を解決することが含まれる。遠隔コンピュータは、例えば電子カルテ(EMR)システム及び/又は入退転院(ADT)システムの一部であってもよい。本方法には、どの患者医療装置をその病室の2人又はそれ以上の患者のうち、どの患者に関連付けるべきかに関するすべての曖昧な点をユーザにディスプレイ上で解決させることを備えることができる。
【0027】
データの飛行時間又は到着時刻は、MDAが連結された患者医療装置による無線信号の受信と超音波信号の受信との間の時間差によって特定できる。本開示では、一つ或いはそれ以上の参照地点に対する様々なMDAの位置、すなわちそれに関連する患者医療装置の位置は、同一病室の様々な位置から発信される複数の超広帯域信号を使い、三角測量手法を適用して求められる。参照地点は、患者の位置、病院用ベッドの位置、局所データ収集モジュールの位置、又はマスタービーコン位置に対応する。したがって、本開示のビーコンモジュールは、超音波や赤外線信号などの他のいかなる信号も送信せずに、超広帯域信号を送信するよう構成できる。
【0028】
また、本開示によれば、同一病室内の複数の装置をその病室における第1又は第2患者に関連付ける方法は、その複数の各装置から無線位置データを関連付けコンピュータに送信することを備える。関連付けコンピュータはそれに対応して、関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、少なくとも複数の装置のうちの一部を第1患者に関連付け、他の装置を第2患者に関連付けることを決定できる。複数の装置のうち少なくとも一つの装置が第1患者又は第2患者に関連付けられるべきかどうかに関する曖昧な点は、ユーザにディスプレイ上でその曖昧な点を解決するための情報を提供するよう促し、当該曖昧な点を解決するために要求した情報をユーザから受信することで解決できる。ディスプレイは、関連付けコンピュータの一部を備えている。ディスプレイは病院用ベッドに連結され、関連付けコンピュータは病院用ベッドから離れた場所にあってもよい。また別の例では、ディスプレイは病室の壁面、又は壁面に連結する頭壁に取り付けられる場合もある。各装置は、MDAが連結された患者医療装置を備えることができる。各装置は、BLMを有する病院用ベッドを備えることができる。
【0029】
複数の各装置からの無線位置データの送信には、複数の各装置に連結される位置タグからの無線位置データの送信を備えることができる。さらに、複数の各装置からの無線位置データの送信には、複数の各装置に連結されるMDAからの無線位置データの送信を備えることができる。複数の各装置からの無線位置データの関連付けコンピュータへの送信には、無線位置データを医療施設のイーサネットを経由して複数の各装置のそれぞれから関連付けコンピュータに送信することを備えることができる。
【0030】
本開示によれば、車輪台付きのコンピュータ(COW)は、局所データ収集モジュールとして動作可能であり、病室から病室へ移動して、各病室の患者医療装置に連結されるMDAからデータを収集できる。そのような実施例では、COWのディスプレイは、特定の病室内のCOWと無線通信しているどの装置を、データが自動的にログ記録される特定の患者に関連付けるかを医療従事者に選択するよう促すことができる。COWが特定の患者に関連付けられた患者医療装置の各MDAからデータを受信した後、COWはデータを無線でEMRコンピュータに病院のイーサネット経由で送信できる。追加的又は代替的に、COWは、特定の患者に関して取得したデータを単に保存し、後でEMRコンピュータに送信することもできる。COWを使用することによって、医療従事者は病室から病室へと移動し、それらの病室に居るさまざまな患者のカルテに自動的にログインするためのデータを取得できる。データ取得はCOWにより自動的に行われ、それにより医療従事者が行う手動によるデータ取得作業が低減されるか不要となる。場合によっては、COWに付随するキーボードを使ってある程度のデータ入力作業が必要になることがある。しかし、COWによってMDA経由で患者医療装置から自動的に取得できる電子データが多ければ多いほど、人的過誤の可能性が少なくなる。
【0031】
局所データ収集モジュール、MDA、ビーコンモジュール、BLM、COW及びそれら装置を有するシステムの作成方法及び使用方法も検討され、本開示の範囲内にあることを意図している。
【0032】
単独又は上記に記載された特徴及び請求項に記載の特徴を含む他の特徴との組み合わせから成るさらなる特徴は、特許性のある主題を備えることが可能であり、現在理解される本発明を実施するための最良の形態を実証する例示的な各実施形態の以下の詳細な説明を考察することにより、当業者にとって明らかになるであろう。
【0033】
詳細な説明は、特に添付の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】病院用ベッドに連結され、多くの患者医療装置に取り付けられる各医療装置アダプタ(MDA)からの無線信号を受信する局所データ収集モジュールを示すブロック図であり、病院用ベッド及びその他の患者医療装置から局所データ収集モジュールにより受信された少なくとも一部のデータを表示するディスプレイを備える病院用ベッドと、病院イーサネットに有線接続(両方向の点線矢印で示されている)及び/又は病院イーサネットの無線アクセスポイント(WAP)への無線接続により連結可能である局所データ収集モジュールと、入退転院(ADT)システム、インターネット、電子カルテ(EMR)システム、位置検出及び追跡システム、ワークフローシステム、ナースコールシステム及び通信システムを含んでいる又はそれらに連結されている病院イーサネットとを示している。
【図2】コントローラ、コントローラに連結される無線通信回路、コントローラに連結される有線接続用ポート、コントローラに連結される装置接続用ポート、及びコントローラに連結される位置検出装置(点線で示す)を備えるMDAを示すブロック図である。
【図3】病室における2台の病院用ベッド及び複数の患者医療装置を示すブロック図であり、該患者医療装置の一部は該病院用ベッドのうちの1台に割り当てられた患者の治療に使用され、他の患者医療装置はもう1台の病院用ベッドに割り当てられた患者の治療に使用されている図である。
【図4】病院用ベッド、血圧モニター、人工呼吸器のレンダリング(rendering)が表示されるホーム画面のスクリーンショットである。
【図5】ホーム画面上でベッド・レンダリングを選択したことにより表示されるベッド画面のスクリーンショットであり、ベッド画面は、ベッドに支持される患者のベッドの体重計システムによって測定された体重だけでなく、ベッド各部の角度、高さ、長さ位置に関する各種情報を提供している図である。
【図6】ホーム画面で血圧モニター図を選択したことにより表示される血圧モニター画面のスクリーンショットであり、血圧モニター画面は、実際の物理的装置に表示されるのと同じ位置にあるレンダリング上に血圧情報を示し、画面の右下部分にその情報の拡大図、画面の右上部分に血圧グラフを示している。
【図7】ホーム画面で人工呼吸器レンダリングを選択したことにより表示される人工呼吸器画面のスクリーンショットであり、該人工呼吸器画面は、画面右側に人工呼吸器のレンダリングを示し、人工呼吸器レンダリングの左に人工呼吸器の主要情報を表示している拡大ウィンドウを示す。
【図8】病院用ベッドの各押しハンドルの間のフレームに取り付けられた拡張ポートを示す病院用ベッドのヘッドエンドの部分等角図であり、該拡張ポートは、無線によるデータ送信の必要なくデータを局所データ収集モジュールに転送するために患者治療装置を有線で連結可能である一連のポートを備えている図である。
【図9】図1と類似の本開示によるシステムの代替実施例の概略図であり、病室の頭壁に取り付けられた局所データ収集モジュール(図9では「ウォールハブ」として参照される)を備え、順次ベッド上の患者サポートに連結される各関連医療装置に連結されるMDAからデータを受信するシステムを示し、さらにシステムはMDAと通信して病室におけるMDAの位置情報を特定するビーコンモジュールを有し、局所データ収集モジュールはEMRシステムに連結され、さらに順次ADTシステムが連結されるハブスーパーバイザーに連結される図である。
【図10】図9のウォールハブに組み込まれ、或いは連結されるディスプレイのスクリーンショットであり、ウォールハブ及びディスプレイが位置する病室番号を左上に表示し、患者が病室に割り当てられていないことを示す「空室」の表示を画面右上に表示し、「装置」の表題下の空白の欄は、図9のシステムがウォールハブと患者治療装置の間で無線通信を確立していない状態であることを示す。
【図11】図10と類似のスクリーンショットであり、画面右上には関連する患者名を示し、「装置」表題の下にはウォールハブと通信を行っている2つの装置名が表示されている。
【図12】図11と類似のスクリーンショットであり、「装置」表題の下の装置名の横に色別で状態を示すボックスがあり、緑はウォールハブが現在関連装置からデータ受信中であることを示し、黄色は何らかの通信異常が発生していることを示す。
【図13】図10〜図12と類似のスクリーンショットであり、ウォールハブが病室内のいずれかの機器と通信することができないことを知らせるために、画面上に「ハブとの接続が切断されました」メッセージと共に現れるポップアップ画面を示す。
【図14】図13と類似のスクリーンショットであり、ウォールハブが関連の遠隔サーバーと通信することができないこと知らせるために、画面上に「病室のデータサーバーとの接続が切断されました」メッセージと共に現れるポップアップ画面を示す。
【図15】図11と類似のスクリーンショットであり、ユーザが画面の下部に表示される「すべての装置を切り離す」アイコンを選択した後に画面上に表示されるポップアップウィンドウを示し、該ポップアップウィンドウは医療従事者が病室においてウォールハブをすべての装置から切り離すべきかを確認するために選択可能である「OK」ボタンと、病室におけるウォールハブとすべての患者医療装置との切り離しを行うべきでない場合の「NO」ボタンとを備えることを示している。
【図16】取り付けブラケットに連結されたMDAのうちの一つの斜視図である。
【図17】取り付けブラケットから外されたMDAを示す分解図である。
【図18】MDAの正面図である。
【図19】図18と類似のMDAの正面図であり、ユーザ入力とRS−232データポートとを見せるよう下に開けられた下部カバーを示している。
【図20】MDAの背面図であり、装置に電力を供給する各バッテリー交換のために取り外し可能なバッテリードアを示している。
【図21】下部カバーが開けられたMDAの側面図である。
【図22】取り付けブラケットに連結された各ビーコンモジュールのうちの一つの斜視図である。
【図23】取り付けブラケットから外されたビーコンモジュールを示す分解図である。
【図24】ユーザ入力及びデータポートを示しているビーコンモジュールの底面図である。
【図25】ディスプレイモジュールの斜視図であり、ディスプレイモジュールの側面にアンテナが取り付けられているディスプレイモジュールを示している。
【図26】取り付けブラケットに連結されたBLMのうちの一つの斜視図である。
【図27】取り付けブラケットから外されたBLMを示す分解図である。
【図28】ユーザ入力とデータポートを備えるBLMの底面を示す斜視図である。
【図29】局所データ収集モジュールが車輪台付きコンピュータ(COW)の一部として組み込まれ、病室から病室へと移動しながらそれぞれの病室の各患者に割り当てられた患者治療装置に連結されたMDAからデータを収集するシステムの代替実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
複数の患者医療装置12からのデータを収集、通信、分析及び/又は表示するシステム10を図1に示す。システム10には、バージニア州リッチモンドのトリディアム社(Tridium, Inc.)から入手可能なJava Application Control Engine(JACE)等の局所データ収集モジュール14を備えている。システム10のプロトタイプでは、モジュール14としてトリディアムのNIAGARA(登録商標)ソフトウェアに含まれるJACE−201を使用した。しかしながら、他の実施形態では、モジュール14は無線通信機能を有する他の種類の各コンピュータ装置を備えることができる。例えば、JACE7と称されることもあるJACE−700をモジュール14として使用するシステム10の一実施形態を本開示によって検討する。モジュール14には、コントローラ16(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラと関連回路等)及び第1コントローラに連結され局所的無線信号を受信することができる受信機18が含まれる。モジュール14は、コントローラ16に連結される送受信機20をさらに備えており、医療施設のイーサネット24の無線アクセスポイント22に、例えば802.11プロトコル(802.11g等)を含むWiFiプロトコル等により無線通信することができる。局所データ収集モジュール14には、コントローラ16と連結される802.3ポート又はRJ−45コネクタなどのイーサネットコネクタ26も備わっており、図1の点線28で示されるように、医療施設のイーサネット24との有線接続用に設定されている。したがって、モジュール14とイーサネット24との両方向データ通信は、無線、有線接続或いはデータリンクで行うことができる。
【0036】
モジュール14の受信機18は、802.15.4プロトコル(ジグビープロトコルとしても知られる)などの近距離無線通信プロトコル又は超広帯域プロトコル(例えば、現存する又は現在開発中或いは将来開発されるすべての超広帯域通信プロトコル)によって動作可能である。他の実施形態では、受信機18はモジュール14から装置12にデータを送信することもできる送受信機の一部に含まれる。モジュール14が一つ又はそれ以上の別々の受信機及び送信機を備え、各装置12及びその他の装置と通信を行うことも、本開示の範囲に含まれる。
【0037】
図1に示すように、システム10は複数のデータ通信モジュール30をさらに有する。各データ通信モジュール30は、本願明細書内で医療装置アダプタ(MDA)と呼ばれることがあり、これらの用語は同一の意味で使われる。各MDA30にはコントローラ32(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び関連回路)及びコントローラ32に連結され、各患者医療装置12のコネクタ36(図1参照)と連結可能な装置コネクタ34(図2参照)が含まれる。一部の患者医療装置12のコネクタ36は、RS−232ポートであり、その他の患者医療装置ではユニバーサルシリアルバス(USB)ポートである。
【0038】
幾つかの実施形態においては、モジュール30のコネクタ34は関連装置のコネクタ36に連結するために適宜構成されている。したがって、ある特定の装置12のコネクタ36がどんな種別であろうとも、モジュール30を装置12のコネクタ36に連結するために、モジュール30のコネクタ34を適切に設定することは本開示の範囲内である。本願明細書に示される幾つかの実施形態には、適宜構成されたカップラーを各端部に備える各ケーブルを各モジュール30の各コネクタ又は各ポート34及び各装置12の各コネクタ又は各ポート36に接続するために使用する。このような各ケーブルは、各装置12の出力ポートが特殊、或いはあまり使われない種類の場合、特注設計できることが理解されるであろう。
【0039】
MDA30はそれぞれ、図2に示すように、コントローラ32に連結され、関連する無線通信プロトコルに従って局所無線信号を局所データ収拾モジュール14の受信機18に送信できる通信回路及び/又は送信機38を有しており、システムの幾つかの実施形態においては、該無線通信プロトコルは802.15.4プロトコルであるが、他の実施形態ではその他の超広帯域プロトコル又は他のプロトコルでもよい。モジュール30の送信機38によって送信される無線信号には、関連装置12からコネクタ34経由でモジュール30によって受信されるデータが含まれる。
【0040】
幾つかの実地形態においては、装置12から受信されたデータは装置12から受信されたデータのデータ形式又はプロトコルに従って送信される。しかし、本開示は、モジュール30のコントローラ32は、関連装置12からその特定の装置固有の装置データプロトコルによって受信したデータを共通プロトコル又は形式に変換し、その後送信機38に変換されたデータを局所データ収集モジュール18に送信するようプログラムできることを検討する。他の実施形態では、装置12からのデータのプロトコル又は形式変換は、モジュール14のコントローラ16で実行される。一部の装置12についてモジュール30でデータ変換を行い、他の装置12についてはモジュール14で変換するような各システムも検討する。また、病院イーサネット24に接続され、モジュール14、30が設置される病室から遠隔に位置する他のコンピュータ装置で一つの形式から他の形式にデータ変換を行う各システムを、さらに本開示で検討する。
【0041】
局所データ収集モジュール14は、例示的な実施例において病院用ベッド40に取り付けられる。その他の実施例では、モジュール14はそこに不随する別個の分離されたモジュールではなく、病院用ベッド40の回路又は電気システムの一部として組み込まれる。病院用ベッド40からのデータは、局所通信モジュール30のコントローラ16との通信を行い、同様に、送受信機20により医療施設のイーサネット24の無線アクセスポイント22に送信することもできる。局所データ収集モジュール14のコントローラ16は、JAVAアプリケーションを実行することができる。幾つかの検討された実施形態においては、病院用ベッド40は、例えばHill-Rom社のTotalCare(登録商標)ベッドである。
【0042】
モジュール30を病室の壁、病室の壁に連結される頭壁(図3の頭壁101及び102を参照)、アーム、支柱、又はその他の建築設備(不図示)などの他の装置に連結すること、又は独立したコンピュータの一部とすること、或いは他の患者医療装置に連結又は一体化することは、本開示の範囲内である。例えば図9に示す例示的な実施形態では、局所データ収集モジュール及びディスプレイは一体化されており、病室の頭壁に連結するよう概略的に示されている。図9では、モジュール1460は「ウォールハブ」と称されている。モジュール14が病院用ベッド40と結合される場合、それは「ベッドハブ」と称することができ、ベッドデータはベッドハブに有線接続で伝送される。モジュール14がベッド40に取り付けられていない、又はベッド40の回路の一部として含まれない場合、各MDA30が装置12からのデータをモジュール14に送信するのとほぼ同様の方法でベッド40はそのベッドデータを無線でモジュール14に送信する。
【0043】
病院用ベッドからのデータには、病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、病院用ベッドの識別に関するデータ、病院用ベッドの型式番号に関するデータ、病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、病院用ベッドのサイドレール位置に関するデータ、病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータ、及び病院用ベッドのヘッド部が持ち上げられている角度を含むベッドの寝台面部分の角度位置に関するデータが含まれるがそれらに限定されるものではない。米国公開特許公報第2007/0210917号(A1)は、ベッドデータのさらなる実施例を提供しており、当該公報が教示するすべての内容について参照により本願明細書に援用する。
【0044】
場合によって、各MDA30は各装置12の各コネクタ36経由で接続される各装置12から、又はその他の各電源コネクタ(不図示)から電源を供給される。また別の場合は、各MDA30は各MDAに内蔵する電池から電源を供給される。802.15.4プロトコルは、短距離、低速(すなわち低データ速度)及び低電力で装置間通信を行う低コストの無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を構築するための、基本的なより低いネットワーク層を提供するのに適している。したがって、各MDA30及び各局所データ収集モジュール14間で802.15.4通信プロトコルを使用することによって、他の電源から特定のMDAに電源が供給されない場合に電池寿命を伸ばす。
【0045】
図1の点線42で示すように、データ通信モジュール30の少なくとも1台はデータ通信モジュール30の別の一台と無線通信するように構成可能であり、これによって局所無線メッシュネットワークを構築する。したがって、使用する短距離無線通信によってモジュール30の一つがモジュール14と正しく通信することができる範囲内にある場合、さらに別のモジュール14が第1モジュール30の範囲内にあるがモジュール14の範囲内でない場合、モジュール14の範囲内にあるモジュール30はその関連データをモジュールと通信すること及び他のモジュールに関連するデータを通信することができる。さらに、複数のモジュール30は無線メッシュネットワークを構築することができ、さらにモジュール14に直接通信することができない範囲外の各モジュール30は、そのすべてのモジュール14に関連するデータを範囲内にある一つ以上のモジュール14を経由してモジュール14に転送することができる。
【0046】
図1に示すように、局所データ収集モジュール14は、コントローラ16と連結する少なくとも一つの拡張ポート44を備え、少なくとも一つの追加装置を有線接続46経由で局所データ収集モジュールに連結するよう設定できる。複数の拡張ポート44をシステム10に含めてもよいと考えられる。各拡張ポート44には、例えば複数のRJ−45コネクタ又はポートを備えることができる。RS−232ポート、RS−485ポート、USBポート等の他の種類のコネクタ又はポートは、拡張ポート装置に組み込まれるものとして考えられる。図8に示す例示的な実施例においては、各RJ−45ポート112の集合体111は拡張ポート44として使用され、各装置12との有線接続を可能にする。図8の実施例では、ケーブル114はその末端にRJ−45コネクタ116を有し、拡張ポート44のRJ−45コネクタ112の一つに挿入されている。
【0047】
図8の拡張ポート44は、ベッド12のヘッドエンド120にあるフレーム118の一対のベッド12の押しハンドル122間に物理的に取り付けられている。さらに図8で示唆されるように、拡張ポート44の下側に電源ケーブル126のプラグ124を受容するための一つ以上の電源コンセントが設けられいる。電源ケーブル126及び/又はケーブル114は、ベッド40の患者に医療を提供する患者医療装置12の一つから伸びている。ベッド40のヘッドエンド120は通常病室の壁面又は頭壁近くに位置し、患者が使用中のベッドでは患者をサポートする多くの患者医療装置が通常ヘッドエンド近くに位置するので、拡張ポート44をベッド40のヘッドエンド近くに置くことは、ケーブル114などのような多くのケーブルを拡張ポート112にまとめることで医療従事者がベッドサイドから患者に近寄る際に邪魔にならないよう、又ベッドのサイドレールなどのベッド部品の動作に対する干渉を最小限にできる。他の実施形態では、拡張ポート44は病室の壁面又は頭壁に連結され、各装置12又は各装置12に連結される各MDAからの各ケーブルは拡張ポート44の各コネクタ112に挿入される。
【0048】
MDA30は、図2に概略的に示すように、それぞれが連結又は内蔵する位置検出装置50を備えている。位置検出装置50は、無線、赤外線又は超音波受信機等のような受信機52、及び/又は無線、赤外線又は超音波受信機等のような送信機54を備えることができる。幾つかの実施形態では、位置検出装置50の回路は、図2の点線55で示すようにコントローラ32と連結させることができ、その場合送信機54は省略し、送信機38を他の目的の使用に加えて位置検出機能に使用できる。データ通信モジュール30のそれぞれには、コントローラと接続され、医療施設のイーサネット24に、或いは他のモジュール30に関連付けられたポートなどの他のポート又は拡張ポート44に有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタ56を有することができる。ポート56は、例えばRJ−45コネクタ等の802.3ポートであってもよい。位置検出装置50は、関連するジュール30の位置、従ってそのモジュールに連結された装置12が医療施設のどこにあるかを検出するために使用される。この位置データの使用によって、特定の装置12を特定の患者又はベッド40等の他の装置に自動的に関連付けることができる。
【0049】
各データ通信モジュール30の各送信機38により送信される局所無線信号は、送信先アドレスを含むパケットを備えることができる。送信先アドレスは、例えば局所データ収集モジュール14のアドレスに対応させることができ、又は無線メッシュネットワークの一部を構成する別のデータ通信モジュール30のアドレスに対応させることができ、或いはイーサネット24に連結又は含まれる別の装置に対応させることもできる。
【0050】
データ通信モジュール30が連結される患者医療装置12の種別には、生体信号モニター(EKG、EEG、呼吸数モニター、及び/又は血圧モニター等)、生理学的モニター(血液酸素飽和度モニター、及び/又は温度センサー)、人工呼吸器、静脈ポンプ、及び/又は薬剤注入ポンプなどの装置が含まれるがそれに限定されない。本開示は、外部装置にデータを提供する出力ポートを備えるありとあらゆる種類の患者医療装置に各モジュール30を連結できると考える。場合によって、各患者医療装置12から出力されるデータを完全に解読する(例えばデータの書式設定)ためには、そのような各装置の製造業者の協力を得る必要がある。なぜならば各製造業者が独自の固有及び/又は専有のデータ形式プロトコルを開発できたかもしれないからである。しかし、システム10がモジュール14によるデータ収集を、様々な製造業者よる多種多様の機器を対象にできることは理解されるであろう。例えば、プロトタイプシステムでは、モジュール14がPuritan Bennett 840人工呼吸器及び血圧監視とパルス酸素濃度を計測する生理学的モニターであるDinamap Pro 300からのデータ送信を受信した。
【0051】
例示的なシステム10は、局所データ収集モジュール14とデータ通信を行うディスプレイ60をさらに有することができ、ディスプレイ60は局所データ収集モジュール14が一部の又はすべてのデータ通信モジュール30から受信したデータを示す情報を表示できる。図1に示すように、ディスプレイ60は病院用ベッド14と連結、或いはタブレット(図示されていないがプロトタイプシステムには含まれる)の一部に含めること、又は遠隔コンピュータ(不図示)の一部、或いは局所コンピュータ(不図示)の一部、又は電子手帳(PDA)等の携帯無線装置の一部に含めることができる。
【0052】
さらにシステム10はコンピュータ装置等の第3コントローラを備えることができ、それによって局所データ収集モジュール14がデータ通信モジュール30から受信したデータを分析できる。データを分析するに当たり、第3コントローラは少なくとも二つの別々のデータ通信モジュールからのデータに基づいて警報を発すべき条件が存在しているかどうかを特定できる。第3コントローラは、イーサネット24に連結されたコンピュータの一部であってもよい。必要に応じて、局所データ収集モジュール14のコントローラ16に、分析機能を持つ第3コントローラの代わり或いはそれに加えて、同様のデータ分析機能をプログラムすることができる。第3コントローラ又は局所データ収集モジュール14のコントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術によって警報条件をプログラムできるように構成可能である。TridiumのJACE装置のオブジェクト指向プログラミングに関連すると見られている米国特許第7,225,426号及び第6,832,120号を参照のこと。各警報条件は、医療基準に従って確立することができる。
【0053】
本開示によれば、第3のコントローラ又は局所データ収集モジュール14のコントローラ16は、エンドユーザが選択的に複数のデータ通信モジュール30からのデータを選択し、ディスプレイ60に示される少なくとも一つのダッシュボード上に表示できるように構成可能である。エンドユーザは、例えば、ディスプレイ60上のフィールドをタッチスクリーンなどで選択することによってダッシュボードを作成し、これによりどのデータがダッシュボードに含まれるかを表示できる。データフィールドは、ディスプレイ60に表示される関連する患者医療装置12の仮想図上に設けることができる。各MDAによって取得され、局所データ収集モジュール14に送信されたデータは、ディスプレイ60にグラフ又は表形式で表示させることができる。
【0054】
システム10の一実施形態では、ヒルーロム社のTotalCare(登録商標)ベッド、Puritan Bennett 840人工呼吸器、Dinamap Pro 300モニターのそれぞれの仮想図130、132、134が、図4に示すようにディスプレイ60のホーム画面129に同時に表示された。このシステム10の実施例では、モニターと人工呼吸器の仮想図132、134がこれら装置のユーザインターフェイス(すなわち入力及び出力部分)の外観や雰囲気を再現しており、実際の装置に表示される数字の少なくとも一部が表示され、モジュール14によって各MDA30からのデータが受信されるたびに刻々と更新される。さらにこの実施例では、病院用ベッドの仮想図130は、様々なベッド位置(例えば、サイドレールの上下、ヘッド部分の昇降、上部フレームの昇降等)を再現するベッド全体の外観図である。例えば、ディスプレイ60に、局所データ収集モジュールが少なくとも一部のデータ通信モジュールから受信したデータ情報を、病院用ベッドデータと同時に表示するように実施しうることは理解されるであろう。そのようなデータはディスプレイ60の仮想図とは別の部分に表示することができる。
【0055】
本開示では、ディスプレイ60はタッチスクリーンディスプレイであると考える。医療従事者は、仮想図130、132、134のどれかをタッチして関連した患者医療装置についての追加情報を見ることができる。例えば、医療従事者が図4に示される画面129の病院用ベッド仮想図130をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して、図5に示すようにベッドの各部の位置に関する情報を持つ表136を含むベッド画面135を表示する。例示的な実施例では、表136にはベッドの高さ(すなわち病院用ベッドの上側フレームの下側フレーム又は床面に対する高さ)、トレンデレンブルグ角度(すなわちベッド上側フレームの水平又はベースフレームに対する傾斜角度)、病院用ベッド寝台面の曲折可能な頭、膝、足部分の角度位置、及び足部分を延伸した長さが含まれる。また、例示的な実施例では、ボックス138は画面135上に設けられ、病院用ベッドの体重計システムが測定した患者の体重を表示する。画面135には第1及び第2ボックス140、142が設けられ、ヘッドレールとフットレール(例えば各サイドレールなど)の位置を示している。例示的な実施例では、ヘッドレールは上がっており、フットレールは下がっている。
【0056】
医療従事者が図4の画面129でモニター図134をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して例えば図6に示すモニター画面144をディスプレイ60に表示する。画面144には、実際のモニターに表示されるデータに対応する値を表示する多くのデータボックス148を含む拡大図146が表示される。実際のモニター上のLED状態表示を示す各図150が、拡大図146の該当位置で画面144上に表示される。例示的な実施例では、図146の154部分に単に再現するだけでは小さすぎる関連データを拡大して表152として医療従事者に提供している。画面144には、1分間のタイムチャートまたはグラフ156も表示される。医療従事者が実際のモニターを操作して1分間タイムチャートを表示させると、それに対応するチャートが画面144のグラフ156に作成される。色分けされたキー158が画面144のグラフ156の下に設けられることによって、グラフ156が描画されたときに医療従事者がどの生理学的パラメータがどの線に対応しているかを理解できるようにしている。図6の画面144は、医療従事者が実際の関連装置12で見慣れているのと基本的に同一の形式や配置でデータを表示している一例である。
【0057】
医療従事者が図4の画面129で人工呼吸器図132をタッチすると、コントローラ16はそれに対応して例えば図7に示す人工呼吸器画面160をディスプレイ60に表示する。例示的な実施例では、画面129の図132は、画面160でも同じ大きさでそのまま表示される。しかし、画面160では表162が設けられる。表162の上部領域164には主要データが表示される。領域164の主要データは、実際の人工呼吸器がユーザに提示するのと同じデータだが、別の形式及び/又は配置で表示される。したがって、ユーザがコントローラ16をプログラミングして装置12からのデータを実際の装置に表示されるよりも好みの方法で表示することは、本開示の範囲内である。また、別の製造業者の同様の装置から受信される主要情報を同じ外観や雰囲気でディスプレイ60に表示することもできる。したがって、モジュール14のコントローラ16を適切にプログラムすると、データが類似の種類の様々な装置(例えば、別々の製造業者による様々な人工呼吸器)からモジュール14に提供されていても、医療従事者はより一貫性のある方法でデータを受け取ることができる。
【0058】
表162は、この場合人工呼吸器である関連装置12で発生する警報条件の一覧を表示する下部領域166をさらに有している。各LED状態表示図168が、表162の領域166に一覧表示されている警報条件の横にそれぞれ設けられる。表162の警報一覧は、場合によって実際の装置12の類似の表を再現するものであり、その他の場合には医療従事者にとってより分かりやすい警報一覧を設けるよう独自にプログラムを組むことができる。そのような独自のプログラミングを使用することによって、類似の種類の様々な装置からデータを取得する場合、医療従事者にとってより一貫性のある形式で警報一覧を提供できる。各LED状態表示図168は、警報が発生していない場合は緑、警報の予告は黄色、警報発生時には赤で表示することができる。実際の装置では、システム10のディスプレイ60に示すような方法で警報条件を示さないこともあることに留意すべきである。したがって、各ユーザは、同じ情報が実際の装置12に提示されるよりも医療従事者にとって好ましい形式及び/又は方法で警報条件データを提示するようにシステム10をプログラムできる。
【0059】
再度図2を参照すると、図示の各MDA30にはデータフィルター66が備わっており、関連患者医療装置12から継続して受信するパケットが以前受信したパケットと同一の場合、そのパケットを局所データ収集モジュール14に転送しないようデータにフィルターをかけることができる。この方法により、すでに局所データ収集モジュール14に送信された情報を再送することによって不要な帯域の使用が低減される。データフィルター66は、ソフトウェア及び/又はハードウェアで実現できる。例えば、送信機38で送信されたパケットをモジュール30のメモリにコピーしておき、コントローラ38がそれ以降のパケットをメモリに保存したパケットと比較するソフトウェアルーチンを実行することができる。幾つかの実施形態においては、データフィルター66は省略され、フィルター66がないMDA30は関連装置12から受信したデータを単に送信する。各MDA30のうちの一つと局所データ収集モジュール14間で通信が失われた場合、MDA30はそれぞれの患者医療装置からの受信データをバッファメモリに保存し、通信が再開した後に局所データ収集モジュール14に送信することができる。
【0060】
上述のように、各MDA30には位置検出装置50が備わっており、位置検出装置50はMDA30の位置、すなわち医療施設における関連する患者医療装置12の位置を特定するのに使用される少なくとも一つの信号を送信又は受信する。位置検出装置50は、MDA30に連結されるか或いは組み込むことができる。したがって、位置検出装置50はモジュール30の筐体に取り付けられる位置タグでもよい。位置検出装置50は、上述したようにコントローラ32と連結する回路を備えることができる。
【0061】
MDA30の送信機38は、本願明細書で検討される幾つかの実施形態においてコントローラ30に連結された送信機の一部として含まれる。したがって、MDA30は、コントローラ32と連結する受信機をさらに備え、無線信号を受信することができる。幾つかの実施形態では、前述したように、MDAの位置検出装置50に超音波受信機52が備わっている。コントローラ32は、回路38の受信機の無線位置信号受信と超音波受信機52の超音波信号受信の時間差を特定するようプログラムされる。この時間差は、例えば、無線信号の受信時に開始され、超音波信号の受信時に停止されるタイマーを使うか、無線信号受信時刻及び超音波信号の受信時刻をメモリに記録し、時刻の差を計算することで特定できる。無線位置信号の受信と超音波信号の受信との間で発振器のクロックパルスを数えるなどの時間差を特定する他の方法も本開示の範囲内である。時間差は、場合によって飛行時間(TOF)と呼ばれ、無線位置信号及び超音波信号の受信時刻は場合によって到着時刻(TOA)と呼ばれることがある。
【0062】
使用する技術に関らず、コントローラ32が無線位置信号と超音波信号の受信時間差を一度特定すると、コントローラ32はモジュール14又はイーサネット24に連結する位置検出及び追跡システムに関連する装置などの他の装置に、無線信号の一部として時間差を送信する。代替的或いは追加的に、コントローラ32は、時間差に基づき距離を計算するよう設定することができる。計算される距離は、MDA30が無線位置信号と超音波信号の発信源を収容するビーコンモジュールからどれだけ離れているかを特定するものである。ビーコンモジュールについてはさらに詳しく以下に説明する。MDA30が時間差を送信する一部の実施形態では、モジュール14又はその他のコンピュータ装置等の受信装置が時間差に基づいて距離を計算する。
【0063】
図3に概略的に示されるように、同一の病室にはしばしば2台の患者ベッド40(図3では40A及び40Bと指定されている)が設置される。したがって、ベッド40A上の第1患者に関連付けられる各装置12の各モジュール30からの無線送信はベッド40Bのモジュール14で受信され、ベッド40B上の第2患者に関連付けられる各装置12の各モジュール30からの無線送信はベッド40Aのモジュール14で受信される可能性がある。それに応じて、医療従事者が各患者に関連する装置12に多くのコンピュータデータ入力をしないで済むよう、本開示では様々な装置から患者(或いは装置からベッド)への関連付け方法を検討する。
【0064】
本開示によると、病室100における複数の装置12を室内の第1患者(ベッド40A上の患者)或いは室内の第2患者(ベッド40B上の患者)に関連付ける方法が提供される。前述のように、MDA30の位置検出装置50とコントローラ32の組み合わせにより、無線位置信号及び超音波位置信号の受信時の時間差を特定できる。各無線信号はほぼ光の速度で伝播するため、それらの信号は発信とほぼ同時にMDA30で受信されるが、各超音波信号はミリ秒当たり約1フィートという音の速度で伝播する。図示の実施例では、本願明細書でビーコンモジュール110と称されている無線/超音波の組み合わせ送信機110は、それぞれの頭壁101及び102に取り付けられており、無線位置信号及び超音波位置信号が送信される。各装置110は、病室10の壁面又は室内の別の構造物など、別の場所に取り付けることもできる。
【0065】
無線信号と超音波の位置信号の時間差が特定可能であるため、各MDA30と無線及び超音波信号の発信地点(本願明細書において「参照地点」と呼ぶが、信号発信地とは異なる地点が指定され数学的に特定されて、本願明細書における「参照地点」とみなすこともある)間の距離を関連付けコンピュータによって特定することができる。関連付けコンピュータは、モジュール14、又は位置検出及び追跡システム70、或いは必要に応じてその他のコンピュータであってもよい。したがって、関連付けコンピュータは複数の装置12のそれぞれの装置12について、ビーコンモジュール110と装置12に取り付けられたMDA30間の距離に基づき、第1患者に関連付けられた第1参照地点からの距離及び第2患者に関連付けられた第2参照地点からの距離を特定するよう動作させることができる。
【0066】
関連付けコンピュータは、例えば、第1参照地点から第1の所定距離(例えば5又は6フィート前後等)内にあるすべての装置を第1患者に関連付け、第2参照地点から第2の所定距離内にあるすべての装置を第2患者に関連付けるようプログラムすることができる。第1及び第2の所定距離は、実質的に同等距離又は異なった距離であってもよい。図3の例示的な実施例において、病室の長さ(L)が24フィートであって、そのうち12フィートはベッド40Aが占める空間に関連付けられ、残りの12フィートはベッド40Bが占める空間に関連付けられる場合、第1と第2参照地点(例えば、それぞれの頭壁101及び102に取り付けられた各ビーコンモジュール110で定義された場所)がそれぞれの空間の真ん中に位置していると仮定すると、関連付けコンピュータはビーコンモジュール110から12フィート以内のすべての装置はその特定の場所、ベッド、及び/又は患者に関連付けられるようにプログラムできる。非対称やその他の変形した病室では、自動的な関連付けに使われる距離の閾値を互いに異ならせることができる。
【0067】
局所データ収集モジュール14がベッド40に連結される複数の実施形態では、ベッドリスナーモジュール(BLM)31がベッド40に連結され、MDAに関して上記に説明されたのと同様の方法で、ビーコンモジュール110からの無線位置信号及び超音波信号を受信し、無線と超音波位置信号の受信時間差を特定し、及び/又はビーコンモジュール110とBLM31間の距離を特定することができる。係る実施形態では、BLM31は、有線でモジュール14に接続することができる。BLM31の回路は、MDA30の回路と同様であるが、ベッド40からのデータはすでにモジュール40に有線でベッド回路から送信されているため、MDA30にあるハードウェア及びソフトウェアの一部はBLM31では省かれている。モジュール40が室内の壁面や頭壁などに設置され、ベッドから離れている実施形態では、MDA30はベッド40に取り付けられ、ベッドのデータは関連付けられたMDA30によって、その他の装置12と同様に取り扱われる。本開示が検討する幾つかの実施形態では、さらにBLM31は無線エネルギーをスキャンしてモジュール又はベッドハブ14が通信に使用する最適なチャネルを決定するよう構成される。
【0068】
各装置12を患者(或いはベッド或いは場所)に自動的に関連付けようと試みるアルゴリズムを実行した後でも、装置12を特定の患者に(直接、又は装置12をベッド40又は医療施設内の場所に関連付けることによって)関連付けるために何らかの方法で解決しなければならない曖昧な点がある可能性がある。例えば、病室内の2台の類似の装置12が両方とも上記の距離閾値よりも遠くに位置していたり、両方とも閾値内であったりする場合、当該曖昧な点は、距離の値に関らず、類似の装置12について、第1参照地点に最も近い装置12を第1患者に関連付け、第2参照地点に最も近い第2の類似装置12を第2患者に関連付けることで解決することができる。例えば、図3において、「装置2」及び「装置4」は頭壁101の送信機110から6フィート以上離れており、「装置6」及び「装置8」は頭壁102の送信機110から6フィート以上離れている。
【0069】
どの患者医療装置12がどの患者に関連付けられるかに関しての曖昧性については、関連付けコンピュータによって遠隔コンピュータからイーサネット24経由でデータを取得し、その遠隔コンピュータから取得したデータに基づき曖昧性を解決することも考えられる。遠隔コンピュータは、例えば電子カルテ(EMR)システム72及び/又は入退転院(ADT)システム74の一部であってもよい。遠隔コンピュータは、ワークフローシステム76又はナースコールシステム78、又はその他医療施設におけるどのコンピュータシステムの一部であってもよい。例えば、EMR及び/又はADTシステムが、病室内の第1患者が膝置換手術を受け、第2患者が心臓発作を起こしたことを示す場合、関連付けコンピュータはこのデータを使い、受動運動機器を第1患者に、EKGを第2患者に関連付けることができる。
【0070】
複数の装置12のうち少なくとも1台の装置12を第1患者又は第2患者に関連付けるべきかに曖昧な点がある場合、ディスプレイ60又は関連付けコンピュータの画面(モジュール14が関連付けコンピュータとして使用されていない場合)にそれを解決する情報をユーザに求める表示を行うことができる。ユーザは、例えば適切な場所に必要な情報を入力するか、タッチスクリーンをタッチするか、或いはその他のデータ入力方法によって当該曖昧な点を解決する。
【0071】
MDA30を備える関連装置12を特定のベッド40又は病室の場所へ関連付ける処理の間、MDA30備える装置12は、ビーコンモジュール110の関連フィールド(関連クラウドと呼ばれることもある)に移動する。装置12とMDA30が関連付けられると、それらは関連フィールドに残る必要はなくなるが、MDA30がメッシュネットワークを構築するすることができない場合、モジュール14の通信範囲に残る必要があり、この場合、各MDA30のうち1台だけがハブ14の通信距離内に残る必要がある。関連付けが行われた後、モジュール又はベッドハブ14はMDA30と通信し、MDA30に連結された特定の種類の医療装置12を認識し、適切なデバイスドライバソフトウェア及びプロトコルを読み込む。
【0072】
本開示では、ディスプレイ60は医療従事者が装着する眼鏡又はゴーグルに一体化されたヘッドアップ表示システム内に組み込むことができることを検討する。また、モジュール14で受信されるデータ及びそのデータに基づいて決定されるすべての警報条件又は通知条件を、通信システム80経由で担当医療従事者が携帯する携帯無線通信装置に送信できることも検討する。そのような携帯通信装置には、例えば、ごく一部ではあるものの、PDA、Vocera(登録商標)バッジ、ASCOM(登録商標)ハンドセット、Spectralink(登録商標)ハンドセットなどが含まれる。Vocera(登録商標)バッジ、ASCOM(登録商標)ハンドセット又はSpectralink(登録商標)ハンドセットに関連する通信システム80の更なる詳細及びこれらに対する警報及び通知の送信については、米国特許第7,319,386号を参照し、その内容を本願明細書に参照により援用する。
【0073】
図9では、システム10に類似のシステム200を概略的に示している。システム200とシステム10は類似しているため、対応する類似部分に類似の参照番号が使用されている。局所データ収集モジュール14及びベッド40に取り付けられるディスプレイ60を備えるシステム10と異なり、システム200には病室の頭壁に設置される局所データ収集モジュール及びディスプレイの組み合わせを備えており、ブロック1460に概略的に示されている。局所データ収集モジュール及びディスプレイの組み合わせは、本願明細書では、「ウォールハブ1460」として参照する。一実施形態では、ウォールハブ1460はバージニア州リッチモンドのTridium社から入手可能なJACE2700である。図9では、ベッド40上の患者202及び、患者202と多くの医療装置12を接続する多数の線204が概略的に示されている。したがって、各線204は医療施設において患者治療に関して使用される多くの監視用リード線及び治療用供給管を例示している。
【0074】
ウォールハブ1460は装置12と連結されるMDAから無線データ信号を受信し、MDA30のドライバ及び患者のバックアップデータを保存する。ウォールハブ1460のメモリに保存されたドライバは、MDA30が連結される各医療装置12用に書かれたカスタムソフトウェアモジュールで、各装置12の有効データを定義する規則を含む。したがって、ドライバは、ウォールハブ1460と医療装置12及び/又はウォールハブ1460とEMRシステム72及びADTシステム74等のその他のシステム間で通信を可能にするために実行しなければならないすべてのプロトコル変換に使われる。
【0075】
一実施形態において、ウォールハブ1460が特定の装置12と通信を確立することに関連して、ウォールハブ1460はこの特定の装置12から型式番号又は装置種別番号又はその他の識別情報データを受信することで、装置12種別を特定することができる。ウォールハブ1460は、その特定の装置種別に対するデバイスドライバソフトウェアがメモリに保存されているかを判断する。ウォールハブ1460がその特定の装置12のデバイスドライバソフトウェアを保持していない場合、ウォールハブ1460は、本開示によれば、医療施設に存在してウォールハブ1460との通信を指定された各種装置12用のデバイスドライバソフトウェアライブラリを備えるハブサーバー206にデバイスドライバソフトウェアを要求する。ハブサーバー206は、その後要求されたデバイスドライバソフトウェアを保存及び使用のためにウォールハブ1460に送信することでその要求に応える。デバイスドライバソフトウェアを使用する場合、ウォールハブ1460はドライバ情報を使って医療データが通信されていることとデータが有効であることを判断し、ウォールハブ1460のディスプレイに装置情報を表示する。ウォールハブ1460がハブサーバー206と通信してデバイスドライバソフトウェアを取得する方法に関する前記説明は、幾つかの実施形態において、モジュール14に通信用に連結されるディスプレイ60上にデータを表示させることも含めてモジュール14に適用可能である。
【0076】
多くの医療装置12からMDA30経由でウォールハブ1460により収集されるデータは、EMRシステム72に伝送され、患者の電子カルテに自動的に入力される。様々な医療装置12と各装置12によって監視又は各装置12から治療を受けている患者との関連付けに関連して、ウォールハブ1460はADTシステム74から情報を受信する。図9の例示的な実施例では、ADTシステム74からの情報は、システム管理及び生物医学的設定のためのディスプレイ付きサーバーを含むハブスーパーバイザー206を経由して伝達される。ADTシステム74からウォールハブ1460が受信する情報には、例えば、ウォールハブ1460が設置されている特定の病室に割り当てられた患者名を含む。
【0077】
前述の例示的な実施例において装置12から取得された広範な各種局所的データをディスプレイ60に表示し、警報条件が一つ以上の装置12に示される場合に警報機能を設けるようにプログラム及び構成されているシステム10とは異なり、システム200の主な目的はウォールハブ1460との通信によって装置12からデータを取得し、そのデータをEMRシステム72に送信して、少なくとも取得したデータの一部をその患者の電子カルテに自動的に保存することにある。したがって、システム200では医療従事者が手動で装置12からのデータを書き込み又は電子チャートに入力する必要を低減あるいは全く不要にするので、医療従事者の全体的な効率を向上させる。
【0078】
図10〜15は、システム200の動作に伴いウォールハブ1460のディスプレイに表示されるスクリーンショットの実施例を示している。図10を参照すると、病室番号フィールド208が左上部分に設けられており、ウォールハブが存在する病室の番号が表示される。図10の実施例では、「32号室」がフィールド208に表示されている。図10のスクリーンショットには、画面の右上部分に名前フィールド210もあり、患者名が表示される領域となっている。図10の実施例では、「空室」がフィールド210に表示されており、病室に患者が割り当てられていないことを示している。図10のスクリーンショットには、「装置」の表題214の下にフィールド212もあるが、空白となっており、図9のシステムでウォールハブ1460と患者医療装置12間で無線通信が行われていないことを示している。
【0079】
病室に患者が割り当てられると、図11に示すように、患者名がフィールド210にHIPAAに適合した形式で表示される。さらに、医療装置12がウォールハブ1460との通信を確立すると、医療装置の名前が装置表題214の下のフィールド212に記載される。図11の例示的な実施例では、Philips IntelliVue MP60及びGE Dinamap 300V2がウォールハブ1460と通信している。フィールド212の各装置名の横には状態ボックス216が表示される。状態ボックス216は、特定のイベントが発生していることを示す特定の色が塗られている。例えば、図12において、GE Dinamap 300V2の横にある状態ボックス216は斜線が施され、あるイベントが発生中であることを示している。
【0080】
本開示では、状態ボックス216における緑色はウォールハブが関連装置からデータ受信中であることを意味し、状態ボックスの黄色は何らかの通信障害が発生中であることを示していると考える。幾つかの実施形態において、状態ボックス216は赤となり、何らかの警報が発生しているか、または関連する医療装置12が警報を検出したことを示している。しかし、例示的な実施例では、システム200は何も警報を示さないよう設定されており、警報を発生する医療システムに適用される食品医薬品局(FDA)の一定の要件の対象となることを回避している。したがって、システム200は、患者データと医療装置データとを患者モニター機器から取得し、そのデータをデータが保存される患者の電子カルテに送信する無警報システムとなるようプログラムされる。
【0081】
図13に示すように、病室の装置12とウォールハブ1460間の通信が完全に途絶えた場合、ポップアップ画面218がハブ1460のディスプレイに表示され、「ハブとの接続が切断されました」メッセージが示される。ユーザはポップアップ画面218のOKボタン220或いはクローズボックス220をタッチ或いは選択することによりポップアップ画面を閉じることができる。ウォールハブ1460が関連遠隔サーバー206と通信できなくなる場合、図13に示すように、「病室のデータサーバーとの接続が切断されました」メッセージを示すポップアップ画面224がハブ1460のディスプレイに表示される。幾つかの実施形態では、サーバー206への接続が切断されると、ハブ1460は装置12からの入力データをサーバー206との通信が再開するまで保存して、それから保存されたデータを送信する。画面218の場合と同様、画面224にはOKボタン220とクローズボックス222が表示され、ユーザは画面224を閉じることができる。
【0082】
図10〜15に示すように、ウォールハブ1460の表示には「全装置の関連付けを解除」ボタン又はアイコン226が備わっている。ボタン226をタッチするか選択して、装置12からウォールハブ1460によるデータ収集を停止する。例えば、患者が退院した場合や、もう装置12を必要としなくなった場合に、ボタン226を押すことができる。ボタン226を選択した結果、「患者とすべての装置の関連付けを解除しますか」のメッセージを示すポップアップ画面228がハブ1460のディスプレイに表示される。ユーザは、「OK」ボタン230を選択して全装置がハブ1460の関連付けから解除されることを確認する。これによって、ハブ1460は装置12からのデータを受信できなくなり、及び/又は患者の電子カルテにデータを送信することができなくなる。ユーザはNOボタン232、又はクローズボックス222を選択して関連付け解除を中断することができる。画面228で、ボタン232又はボックス222が選択されると、ハブ1460はデータ収集及び通信機能を実行し続ける。
【0083】
次に図16及び図17に示すように、MDA30の例示的な実施形態は取り付けブラケット230に取り付けることができ、同様に、各装置12に連結可能となる。図16〜21に示すように、MDA30には前面234、一対の側面236、上面238、底面240及び背面242を備える筐体232が含まれる。ブラケット230は、図17で明確に示されるように、一対の側面244及びこれら側面244を連結する背面246で構成される。ブラケット230の背面246にはその中央部分にヒルーロム頭壁レールマウント又はヒルーロム点滴スタンド用ポールマウントと互換性がある形状の四つの穴247が開いている。ブラケット244は、数例を挙げると、クランプ、マジックテープ(例えばVELCRO(登録商標)ファースナー)、接着剤等の適切な結合手段で医療装置12に取り付ける。
【0084】
本開示では、MDA30は標準のACコンセントに差し込む電源アダプタに取り付けできる。すなわち、MDA30は電源アダプタに取り付けられ、そこから電源を供給される。MDAからはケーブルを使って関連装置12の該当するデータポートに接続する。そのようなMDA用電源アダプタには関連医療装置12を差し込む余分のコンセントを含めることができ、その場合は、係る電源アダプタを壁のコンセントに差し込んで、アダプタに装置12及びMDA30を差し込む。幾つかの実施形態では、電源アダプタは点滴スタンドのポール等のポールに取り付けるように構成されており、別の実施形態では電源アダプタはベッド40の別の部分又は壁面或いは頭壁に取り付けられるようになっている。電源アダプタには標準ACコンセントに差し込める電源コードが備わっている。
【0085】
ブラケット230の側面244のそれぞれにはブラケット230の上端と下端のほぼ中間に穴248が開いている。筐体232の側面236には両側とも開口部250が備わっている。MDA30をブラケット230の側面244の間に収めると、開口部250は穴248に揃う。図16に示すように、MDA30をブラケット230に固定するため一対のノブ252が設けられる。ノブ252の一部を穴248及び開口部250に差し込む。ノブ252を緩めると、MDA30は、各穴248及び各開口部250通る軸を中心にブラケット230に対して回動できる。従って、筐体232の背面242とブラケット230の背面246の間には空間が設けられており、MDA30がブラケット230に対して回動できるようになっている。MDA30を所望の方向に向けると、各ノブ252が締められ、MDA30をブラケット230に対して固定する。幾つかの実施形態では、開口部250はノブ252のネジ部分を受容するようネジ山が刻まれている。その他の実施形態では、開口部250に近接する筐体232の内側部分にネジ穴を備えたナットが設けられ、ノブ252のネジ部分を受容する。
【0086】
前面234には中央部分にスリット256が入った僅かに球面状の円盤254が備わっている。MDA30の超音波受信機(図3に要素52として概略的に示された)が円盤254の背後に備えられている。円盤254の下には、一対の発光ダイオード(LED)258が備わり、そのうちの一つは状態表示として、もう一つは低バッテリー表示として使用される。例えば、LED258の一つはデータの取得中及び/又は送信中に緑で点灯することができる。もう一つのLED258は低バッテリー時に黄色で点灯することができる。適切な文字又は記号がそれぞれの機能を示すために各LED258に近接して表示される。
【0087】
MDA30には、LED258の下に一対のボタン260も備えられる。ボタン260の一つは、関連医療装置からの患者データ値を確定するために医療従事者が押す「確認」ボタンとしての役割を果たす。MDA30によって送信される自動的な無線データに比べ、確認された読み出しは、医療従事者がその場で医療装置12が正しく動作していること及び患者に装置12が正しく装着されていることを確認できるため、より信頼性が高いとみなされるべきである。幾つかの実施形態では、「確認」ボタンを押すことはデータ取得ボタンとして機能し、医療従事者は自身の判断で適切なときにMDA30からベッドハブ14又はウォールハブ1460にデータを送信することができる。もう一つのボタン260は、「切断」ボタンとして機能し、患者に関連付けられた一連の医療装置12から各医療装置12を除去する場合に押される。適切な文字又は記号が、それぞれの機能を示すようボタン260上又はそれに近接して表示される。ボタン260は、幾つかの実施形態においては薄膜スイッチである。
【0088】
MDA30は、下に旋回又は押し下げられるアクセスパネル又はドア262を有する。パネル262は、図16〜18に示す閉じられた位置と図19及び21に示す開いた位置の間で移動可能である。パネル262が開いた位置にある場合、図19に示すように、RS−232ポート264及び一連のユーザ入力266が見える状態になる。ポート264は、適切なコネクタケーブルによって関連医療装置12に接続される。幾つかの実施形態では、ポート264は図示されるRS−232ポートの代わりにユニバーサルシリアルバス(USB)ポートとなる。ポート264は、MDA30の回路に対しプログラム及び設定のためのアクセスを提供する。したがって、別のコンピュータ装置をポート264に接続してMDA30のソフトウェアの設定やプログラムが可能である。ユーザ入力266には電源ボタン、リセットボタン及びプログラムと設定ボタンが含まれる。幾つかの実施形態では、パネル262が閉じられた状態でMDA30が装置12に電気的に接続可能となるように、図21に点線で示される追加ポート268が設けられる。
【0089】
MDA30は、15.5VDCのコンセント給電又は充電可能バッテリーによる給電の設定が可能である。筐体232の両側面236の片側に15.5VDC電源コードを接続するポート269が備えられる。充電可能バッテリーは、短時間(最長12時間)の電力を供給するので、停電時のMDA30動作、或いは装置12が可搬型であり、患者が医療施設内で一つ或いはそれ以上の装置12を装着したまま一つの場所から他の場所へと移動する場合の使用に適している。バッテリー蓋270はMDA30の背面に備えられ、バッテリー交換時には取り外すことができる。幾つかの実施形態では、MDA30には小容量の工場で交換できるバックアップ用バッテリーが備えられ、大容量バッテリーが取り外された場合にMDA30を動作させる。ユーザ入力266のオン/オフボタンによって、長時間MDA30を使わない場合にMDA30の電源を切断することができる。
【0090】
次に図22〜24を参照すると、ビーコンモジュール110の例示的な実施形態が取り付けブラケット270に取り付けられ、ブラケットは医療施設の病室における壁面又は頭壁に取り付けられる。図22〜24に示すように、ビーコンモジュール110には前面274、一対の側面276、上面278、底面280及び背面282を備える筐体272が含まれる。図23で明示されるように、ブラケット270は上面284、底面286、及び284と286を連結する背面288で構成される。ブラケット270には、面284、286、288と連結される一対の比較的小さな側面290も備わっている。
【0091】
ブラケット270の背面288の反対側は、両側にそれぞれ上面284にほぼ垂直の形状となる第1壁部292と、その壁部292から角度をつけて底面286に伸びる第2壁部294とを有する。ブラケット270の両側にある壁部292、294にはそれぞれ取り付け穴296が備えられている。ネジなどの適切な固定部品を使い、穴296を通してブラケット270を壁面、頭壁、又は医療施設の病室内の適切な構造体に取り付ける。壁部294は、ビーコンモジュールを比較的高い場所、例えば床から6フィート以上に取り付ける場合、ブラケット270を約45度下方に傾け、壁部294を垂直の壁面又は他の面に当てて取り付けることができるように設けられる。当然ながら、ブラケット270はブラケット270を取り付ける先の壁に対して、壁部292を垂直面に当てて取り付けることで、傾けずに取り付けることもできる。従って、ブラケット270を取り付ける向きによって、ネジは壁部292の穴296又は壁部294の穴296のいずれかを通して使う。
【0092】
図22及び23に示すように、ビーコンモジュール110の前面274には、中央部分にスリット300が入った僅かに球面状の円盤298が備わっている。モジュール110の超音波送信機が、筐体272の内部、円盤298の背後に備えられている。図示の例では、モジュール110は802.15.4プロトコル(すなわちジグビープロトコル)による無線信号及び超音波信号を送信するよう構成されている。モジュール110には、前面274の上側の隅に発光ダイオード(LED)302も備えられている。LED302は状態表示器としての役割を果たす。例えば、LED302の一つはビーコンモジュール110によって無線及び超音波信号が送信中に緑で点灯することができる。もう一つのLED302は、モジュール110の回路内で障害が検出された場合に、黄色で点灯することができる。適切な文字又は記号がそれぞれの機能を示すようにLED302に近接して表示される。
【0093】
図24に示すように、モジュール110の筐体272の底面280には、RS−232ポート304、一連のユーザ入力306、及び一対の電源接続ポート308が備わっている。ポート304によって、モジュール110回路のプログラム及び設定を行うための外部コンピュータ装置との接続が設けられる。ユーザ入力306には、デフォルト構成の復旧ボタン、リセットボタン、及びプログラムモードボタンが含まれる。モジュール110は、15.5ボルトの直流壁面コンセント電源よって電力を供給されるように構成され、幾つかの実施形態では、ポート308は標準の電源同軸ジャックを備える。他の実施例では、ポート308はその他の形式のコネクタにより15.5ボルトの直流電源に接続される。病室で第2モジュール110を使用する場合には、二つのポート308が設けられ、その場合の電源は1台のビーコンモジュール110から次のビーコンモジュールへと適切な電源コードを使用して、デイジーチェーン接続される。つまり、一つのポート308は電源入力ポートで、もう一つのポート308は電源出力ポートである。モジュール110は、壁面又は頭壁に取り付けられたディスプレイ60、ウォールハブ1460、又は標準電源コンセントから電源入力ポート308で電源を入力することができる。
【0094】
ポート304、308及びユーザ入力306は、モジュール110がブラケット270に取り付けられると外側から隠される。ただし、ポート308は他の底面280に対してモジュール110の内部に向けて相対的に凹んでおり、ポート308の一つ又は両方に電源コネクタを接続するための十分な空間が確保されている。ブラケット270には背面288に大きな開口部310があり、電源コードを通すことができるようになっている。背面288には、一対のコード巻取りタブ312が成形され、必要に応じて電源コードの1本又は両方の余剰部分を巻き付けることができる。各ビーコンモジュール110は、ハブサーバー206のデータベース等のデータベースでそれが設置されている病室にリンクされている。二つ以上のベッドが設置されている病室では、ビーコンモジュール110はデータベースで病室の一部分にだけリンクされることがある(特定の病室のベッドAが設置される部分、又はベッドBが設置される部分等)。
【0095】
ウォールハブ1460の一つの実施例を図25に示す。ハブ1460は、前面316、一対の側面318、底面320及び上面322を含む筐体314を有している。ハブ1460の背面(不図示)には、ハブ1460を壁、頭壁、又は他の適切な取り付け面に取り付けるための3穴パターンが設けられている。局所データ収集モジュール14とディスプレイ60がウォールハブ1460に一体化される実施例では、モジュール14の回路は筐体314内に包含されている。局所データ収集モジュール14が病院用ベッド40に取り付けられている場合など、モジュール14とディスプレイ60が分離している実施例では、モジュール14の回路は筐体314から省かれる。前面316には大きな長方形の開口部324が設けられており、ここからタッチスクリーン326の表示とアクセスができる。図25に示すように、WiFiアンテナ328が側面318の片側に取り付けられている。モジュール14が病院用ベッド40に取り付けられている実施例では、アンテナ328によって、802.11無線信号をモジュール14から受信する。モジュール14の回路が筐体314に組み込まれてウォールハブ1460を形成する場合、アンテナ328は、802.11プロトコルに従ってイーサネット24のその他の無線アクセスポイント22と双方向無線通信を行うためにも使用される。
【0096】
例示的な実施例においては、底面320にある二つの10/100イーサネットポート330がハブ1460と医療施設のイーサネット24との接続のために使用可能である。ハブ1460には交流120ボルトの入力ポート332と直流15ボルトの出力ポート334が備わっている。幾つかの実施形態では、出力ポート334は標準直流電源同軸ジャックであるが、他の実施例では、ポート334は他の直流電源コネクタ構成でもよい。したがって、ハブ1460には標準コンセントからの交流120ボルトを直流15.5ボルトに変換して2台のビーコンモジュール110に電力を供給する回路が含まれている。また、例示的な実施例では、タッチスクリーン326は10インチのカラー液晶ディスプレイ(LCD)抵抗膜方式タッチスクリーンであり、解像度800×600ピクセルのSVGA(スーパー・ビデオ・グラフィックス・アレイ)を備えている。図示の実施例のものと異なる各種及び各サイズのタッチスクリーンも同様に本開示の範囲内である。
【0097】
幾つかの実施形態では、ハブ1460はコントローラと内蔵充電式ニッケル水素(NiMH)バッテリーパックを備えている。バッテリーパックによって、ハブ1460は数秒間にわたる電源の瞬断に対し連続動作が可能である。より長時間の停電の場合は、NiMHバッテリーパックによってハブ1460はバックアップデータをメモリに保存し、その後電源を落とす。
【0098】
次に図26〜図28を参照すると、BLM31の例示的な実施形態が取り付けブラケット340に連結され、ブラケットは病院用ベッド40に連結される。図26〜図28に示すように、BLM31には前面344、一対の側面346、上面348、底面350及び背面252を備える筐体342が含まれる。図12に明示されるように、ブラケット340には、一対の側面354及び側面354を連結する背面356が備わっている。ブラケット230の背面356には、取り付けのための二つの穴357が備わり、ブラケット340とBLM31をボルトやネジ等の適切な固定部品によって病院用ベッド40に取り付けることができる。幾つかの実施形態では、ブラケット31の背面356の裏側にベッド40に取り付けるための、剥離紙を剥がして貼るステッカーが用意されている。ブラケット340を病院用ベッド40に取り付けるには、必要に応じてクランプ、マジックテープ(VELCRO(登録商標)ファースナー)、又は紐等、他の固定手段を使用するできる。ブラケット340の側面354のそれぞれには、ブラケット340の上端と下端のほぼ中間に穴358が開いている。筐体232の側面356には両側ともMDA開口部(図示されてはいないが、MDA30の各側面236にある開口部250と類似)が備わっている。側面346の開口部は、BLM31をブラケット340の両側面354の間に収めると、穴358と揃う。
【0099】
図26に示すように、BLM31をブラケット340に固定するために一対のノブ362が設けられる。ノブ362の一部を両側面346の穴358に差し込む。ノブ362を緩めると、BLM31は、各穴358を通る軸を中心にブラケット340に対して回動できる。そのため、筐体342の背面352とブラケット340の背面356の間には空間が設けられており、BLM31がブラケット340に対して回動できるようになっている。BLM31はその超音波受信機をよりビーコンモジュール110の方向に向かせるように回動できる。BLM31の向きを望ましい方向に向けることができたら、ノブ362を締め、BLM31をブラケット340に対して固定する。幾つかの実施形態では、側面346の開口部にはネジ山が刻まれており、ノブ362のネジ部分を受容できるようになっている。その他の実施形態では、開口部に近接する筐体342の内側部分にネジ穴を備えたナットが設けられ、ノブ362のネジ部分を受容できる。
【0100】
前面344には中央部分にスロット366が入った僅かに球面状の円盤364が備わっている。BLM31の超音波受信機は、円盤364の裏側に位置している。幾つかの実施形態では、緑の状態表示LED(不図示)が設けられ、BLM31の正しい機能を表示する。
【0101】
図28に示すように、凹領域368は、筐体342の底面350に設けられた大きな開口部370を通して利用できる。領域368内で利用可能なのは、RS−232ポート374、一連のユーザ入力376、及び電源ポート378である。ポート374は、BLM31の回路に対しプログラム及び設定のためのアクセスを提供する。したがって、別のコンピュータ装置をポート374に接続してBLM31のソフトウェアの設定やプログラムが可能である。ユーザ入力376には、設定復旧ボタン、プログラムボタン及びリセットボタンが含まれる。幾つかの実施形態では、開口部370には回動可能アクセスパネルが設けられ、領域368にアクセスできないようにしている。
【0102】
ポート374は、適切な接続コードを使って局所データ収集モジュール14とさらに接続可能であり、これによってBLM31がビーコンモジュール110から受信する無線及び超音波信号の時間差をBLM31からモジュール14に伝えることができる。幾つかの実施形態では、BLM31には無線送受信機を備えることができ、時間差を無線でベッド上のモジュール14及び/又は壁面或いは頭壁或いはその他の支持構造体上のモジュール1460に送信できる。このような無線伝送機能を持つBLM31は、例えばベッド状態データをモジュール1460に送信するためにMDA30を使用しないシステムにおいてビーコン110からベッドの距離を知る場合に、使用することができる。
【0103】
BLM31は、直流15.5ボルトの電源で電力を供給されるように構成される。同様に、電源ポート378は凹領域368に設けられ、電源コード380の先端に備えられた直流15.5ボルトの電源コネクタ382と接続される。幾つかの実施形態では、直流15.5ボルトの電源はベッド40上の局所データ収集モジュール14から電源コード380に給電される。筐体342の底面350にはコードの通し溝384が設けられており、電源コード380の一部を通すことができる。また、保持タブ386によって電源コード380は溝384に保持される。一実施形態では、ポート378はTyco5−103673−1コネクタを備え、電源コネクタ382はTyco5−103957−1コネクタを備える。幾つかの実施形態では、ベッドハブ14が、直流15.5ボルトの電源を適切な電源ケーブル経由でBLM31に供給する。ウォールハブ1460を使用する実施形態のように、ベッドハブ14がベッドから省かれる実施形態では、直流15.5ボルトの電源は、ベッドの電気系統によって供給される。BLM31が電源をベッドハブ14から受ける場合、ベッドハブ14のバックアップバッテリーは、バックアップバッテリーの電力が必要な場合のBLM31用のバックアップバッテリーとしても使用される。
【0104】
次に図29を参照すると、車輪台付きコンピュータ(COW)1014は、局所データ収集モジュールとして動作可能であり、部屋から部屋へ移動して、各病室の患者医療装置12に連結されるMDA30からデータを収集することができる。そのような実施形態では、特定の病室において、自動的にデータ記録を取得できるよう、COW1014と無線で通信しているどの装置12がどの患者に関連付けられるべきか、医療従事者が選択できるようにCOW1014のディスプレイ1060に表示して促すことができる。幾つかの実施形態では、特定の患者に関連付けられている患者医療装置12のMDA30からのデータをCOW1014が受信した後、COW1014はデータを無線でEMRコンピュータ72に病院のイーサネット24経由で送信できる。その他の実施形態では、COW1014は特定の患者に関して取得したデータを単に保存し、後でEMRコンピュータ72に送信することもできる。
【0105】
COW1014を使用することによって、医療従事者は病室から病室へと移動し、それらの病室に居るさまざまな患者のカルテに自動ログインするためのデータを取得できる。例示的な実施例では、図29の点線経路矢印で示すように、医療従事者はCOW1014をすでに101、103及び104号室に運んでおり、図29の実線矢印で示すようにこれから102号室に入ろうとしている。幾つかの実施形態では、データ取得はCOW1014により自動的に行われ、それにより医療従事者が行うべき手動によるデータ取得及び/又はデータ入力作業が低減されるか或いは不要となる。
【0106】
幾つかの実施形態では、COW1014に付随するキーボード1020を利用してある程度のデータ入力作業が必要になることがある。例えば、医療従事者に対して、COW1014のディスプレイ1060に記載される装置12のどれが病室の特定患者に関連付けられるべきかの確認、COW1014によってデータの自動ログインを行うべき装置12の選択(すべての装置12からのデータをログ記録しない場合)、COW1014によって自動ログインを行うべき装置12からのデータ種別の選択(特定の装置12からのデータのサブセットのみをログ記録する場合)を求めることができる。しかし、COW1014によって、MDA30経由で患者医療装置12からデータを自動取得するよりも取得できる電子データが多ければ多いほど、人的過誤の可能性が少なくなる。
【0107】
COW1014を使用するシステムでは、モジュール14及び/又は1460を全ての病室に設置しないで済むため全体のシステムコストは削減される。しかしながら、その代わりに医療従事者が時間をかけて、装置12からMDA30経由で必要なデータを取得するために、COW1014を病室から病室に移動させなければならない。さらに、COW1014からのデータ転送は802.15.4プロトコルに従って行われるため、幾つかの実施形態では、COW1014とMDA間の短距離無線通信を可能にするようCOW1014を病室内の十分な距離にまで持ち込まなければならない。各患者のMDA30がメッシュネットワークを構築する実施形態では、COW1014は各患者の一つのMDA30との通信範囲に持ち込むだけで良く、他のMDA30のデータはメッシュネットワーク経由でCOW1014が通信を行っているMDA30からCOW1014に転送される。代替的に、又は追加的に、COW1014及び装置12を十分近くにまとめておき、それによってCOW1014はすべての装置12からのデータを特定の患者に関連付けられたMDA30から取得できる。
【0108】
本開示では、COW1014は特定の患者の電子カルテを、患者の病室に入室しその患者のMDA30と通信を確立すること、又はCOW1014(例えば取り付けられた追跡タグにより)と位置検出及び追跡システム70との通信に基づき、自動的に表示することを検討している。代替的に、医療従事者は手動で患者の電子カルテをCOW1014に表示することができる。患者の電子カルテをCOW1014上で開くと、装置12からMDA30経由で取得したデータの一部又は全部が患者の電子カルテの該当欄に表示され、医療従事者はその患者の電子カルテの他の欄にデータを入力することができる。すなわち、本開示では、患者の電子カルテに自動的に入力されないデータがあることを検討している。そのようなデータは、例えば関連付けられたMDA30を有していない一つ以上の装置12からのデータ、或いは体温や血圧のようにどの装置12もその特定患者に対する監視をしておらず、看護師が直接患者の測定を行って入手するデータ等である。
【0109】
局所データ収集モジュール14、MDA30、ビーコンモジュール110、及びBLM31の各電気回路設計のうちの一実施形態の回路図が、2008年10月20日に出願された米国仮特許出願第61/106,830号に示されており、参照する当該仮出願の図30A〜30Dに示される上記の各回路図を含む仮出願が教示するすべての内容を参照により本願明細書に明示的に援用する。米国仮特許出願第61/106,830号は、本米国特許出願が公開され次第、米国特許庁のウェブサイトの公開PAIRデータベースに電子的に公開(つまり公示)されるであろう。一実施形態では、モジュール14はTridium社の製品番号HT−BAH−BDH000であり、MDA30はTridium社の製品番号HR−BAH−MDA000であり、ビーコンモジュール110はTridium社の製品番号HR−BAH−PBM000であり、BLM31はTridium社の製品番号HR−BAH−BLM000であり、ディスプレイ60はTridium社の製品番号HR−BAH−HDM000である。
【0110】
本願明細書の記載に基づき、システム10、200が、患者監視医療装置を含む装置12からの主要患者データを無線で取得及び統合し、EMR72にそのデータを送信する中央集中型の技術ソリューションを設けることが理解できる。これは、MDA30とモジュール14又はウォールハブ1460を共に使用する例示的な実施形態において達成される。MDAは無線及び超音波受信機を備えており、ビーコンモジュール110からのそれぞれ無線及び超音波信号を受信し、MDA30及び装置12を特定のベッド40又はベッド40に関連付けられた患者に関連付けられる。ベッド40には、同じ関連付けの目的でMDAと類似の無線及び超音波受信機を備えたBLM31を備えることができる。
【0111】
異なる実施形態においては、モジュール14及びハブ1460は省かれ、MDA30は、MDA30に含まれる、或いはMDAのRS232ポート34などのMDA30の各ポートの一つに別途装着されるWiFiカードを使って、直接無線アクセスポイント(WAP)22経由でイーサネット24と直接通信するように構成されている。ビーコンモジュール110及びBLM31は、その関連付け機能を実施するために、この異なる実施形態においても使用される。さらに別の異なる実施形態では、無線及び超音波信号の代わりに、又はそれに加えて、超広帯域(UWB)三角測量手法が使われる。UWB三角測量を使用するそのようなシステムでは、MDA30及びBLM31にはUWB受信機又は送受信機が備えられ、ビーコンモジュール110にはUWB送信機又は送受信機が備えられる。UWB信号を三角測量するには、各MDA30及び/又はBLM31は通常少なくとも関連付けコンピュータにとって二つの既知の(すなわちメモリに保存された)場所に設置されたUWBビーコンモジュールからUWB信号を受信する必要がある。UWB信号の飛行時間が三角測量の計算に使われる。
【0112】
本開示では、MDA30及びBLM31は無線、超音波及びUWB受信機又は送受信機を備え、無線及び超音波信号は装置12とベッド40が特定の患者の病室に設置された場合に、装置とベッド(又は患者)の関連付けに使われ、UWB信号は、装置12及び/又はベッド40が例えば医療施設内のある場所から他の場所に移動する等、患者の病室外にある場合に、その移動を追跡するのに使われることが考えられる。本願明細書の対象となるシステムのベッド40、患者、及び装置12を関連付けるためのさらなる変形例には、ベッド上の無線自動識別(RFID)読み取り装置で患者が装着するRFIDリストバンドを読み取る(つまり無線信号を受信する)ことが含まれる。ベッド上のRFID読み取り器は、医療従事者が装着するRFIDタグ又はバッジからの信号も受信することができ、場合によってそのデータはベッドハブ14又はウォールハブ1460に提供される。装置12及び/又はベッド40からの測定値が、ベッドハブ14又はウォールハブ1460によって、EMR又はその他の遠隔システムに送信されるときに患者の病室に居た1人又はそれ以上の医療従事者の識別情報も、遠隔システムのレコードに保存できる。
【0113】
本開示によると、装置12の使用時間又は稼働時間は、MDA30、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460により送信される情報に基づき、遠隔コンピュータで追跡することができる。幾つかの検討された実施形態では、遠隔コンピュータはそのような情報をその遠隔コンピュータに保存されている又は他のコンピュータに関連付けられた別のデータベースにアクセスして得られる保守又は修理スケジュールと比較するようプログラムできる。修理又は保守作業は、使用時間データを保守又は修理スケジュールと比較して、そのような保守又は修理作業が特定の装置12、MDA30、ベッドハブ14、ウォールハブ1460などにおいて必要であると示された場合、ワークフローシステム76により予定することができる。必要な修理作業の一実施例には、予め決められた一定時間使用された後の装置12の較正が含まれる。
【0114】
また、本開示では、前述のようにMDA30、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460によって送信された情報に基づき遠隔コンピュータによって追跡される装置12の使用時間又は供用時間に関するデータは、より正確な患者請求書の作成にも使用できることが考えられる。例えば、患者(又はその保険会社)に対して、患者への治療又は診療に実際に装置が使われた時間を反映しない日数又はその他の時間に基づく請求の代わりに、実際に患者に治療や診療を提供した装置の使用時間又は分に基づいて請求することができる。本願明細書で検討されたシステム10、200はこの使用時間追跡機能を自動的に行うのに適しており、医療従事者が手動で同じことを行うことはほぼ不可能に近い。
【0115】
また、本開示によれば、MDA、ベッドハブ14、及び/又はウォールハブ1460によって取得された情報は、装置の製造業者又は食品医薬品局(FDA)等の規制当局が切り出せる製品リコールを容易にするために有益であると思われる。そのようなリコールは、ときには装置12が特定のファームウェアバージョン数又は特定の製造番号、又はその他の固有な識別の特徴を有する場合に限られることがあり、必ずしも医療施設で使用されている特定製造業者の類似の型の装置12全てに適用されない。大規模な病院では、ときには一般的な型式では同一の数千もの機器が存在することがあるが、ファームウェアバージョン数、製造番号、製造ロット番号等は異なっている。従って、本開示によれば、システム10、200は、システム70、72、74、76、78、80のいずれかの遠隔コンピュータを使ってリコール対象の特定の個別装置12の医療施設における正確な位置を示すレポートを生成するよう動作できる。そのようなリコールのレポートを生成できるシステムの幾つかの実施形態においては、そのようなレポート作成に必要な特定の装置識別データは、ベッドハブ14及び/又はウォールハブ1460及び/又はハブサーバー206に保存できる。
【0116】
一部の実施例では、ハブ14、1460は、PowerPC 440Epx 667 MHzプロセッサ、LCEタッチスクリーンサポート用の統合PCIグラフィックコントローラ、オンボード1GB NANDフラッシュストレージ(アップグレード不可)、1GBまでのフィールドアップグレードが可能なベース512 MB DDR−2 333Mhz RAM(業務グレード、幾つかの実施形態ではTridium社製)、2つのギガビットイーサネットポート、2つのUSB-2.0ポート、標準RS−232ポート、絶縁RS−485/電源ポート(標準電源非供給絶縁RS−485ポートとして、又は拡張モジュールとの使用可能)、MiniPCIオプションスロット(WiFi 802.11g対応)、及びLonWorks(登録商標)、RS−485又はRS−232、GPRS/Edge携帯無線、IPv6/Zigbee Pro 802.15.4無線など用の2つのJACE(登録商標)通信オプションスロットの特徴又は機能を有している。さらに、幾つかの実施形態では、ハブ14、1460は、Tridium社の市販品でQNX−OS及びTridium社製のNiagara Frameworkソフトウェアが搭載されている。ハブ14がベッド40の回路に取り付けられるか又は含まれている場合、ハブ14はベッドから交流120ボルトの線間電圧を供給され、ベッドは標準コンセントから電源を供給される。ハブ14には、交流120ボルトの線間電圧を使用する一つ又はそれ以上の直流電圧に変換する回路を備えている。
【0117】
一実施形態では、ハブ14、1460は、ミズーリ州カンザスシティーのCerner Corporation製Cerner Connectivity Module(CMM)ソフトウェアを搭載している。同社は、病院へのEMRシステムサプライヤーである。したがって、本開示では、EMRシステム72はCerner社が医療施設に提供しているものとし、ハブ14、1460はCerner社のEMRシステムに互換性を持つように構成されると考える。Cerner社のCMMソフトウェアには、装置データを取得し通信するためのプロトコルを含む100以上のデバイスドライバが搭載されている。
【0118】
上記に示唆したように、ハブサーバー206はハブ14、1460とADT及び/又はEMRシステム72、74等のその他のシステムとの通信媒介体の機能を果たす。より具体的には、幾つかの実施形態では、サーバー206はすべてのMDA30及びハブ14、1460の使用状況と位置データを取り扱い、ADT及び/又はEMRシステム72、74と通信を行い、患者を病室に関連付けセキュリティ等の管理的作業を取り扱う。サーバー206はハブ14、1460からのすべてのデータを収集し、そのデータをインターフェイスゲートウェイに送信する。ハブ14、1460の日常動作のためのソフトウェアは、別のBioMed Configuration Stationに搭載されるBioMed Configuration Station Softwareを除いてサーバー206に含まれる(つまり、サーバー206の又はサーバー206に関連するデータベースに保存される)。ハブサーバー206は、ハブ14、1460の専用ではなくイーサネット24に接続されている他の装置に対する業務も行うことができることを理解する必要がある。さらに、本開示では、幾つかの実施形態において、ハブサーバー206にニュージーランド、オークランドのOrion Health社製Rhapsodyソフトウェアを搭載し、ある種類のメッセージから別の種類のメッセージへとプロトコル変換を行うこと、及び検討される実施形態においてハブサーバー206とADTシステム74の通信を可能にすることが考えられる。
【0119】
本開示では、幾つかの実施形態において、MDA30の設定及び試験を行うに当たり、BioMed StationがBioMed技術者又は医療スタッフに対して、MDA30を特定の医療装置12に割り当て、ビーコンモジュール110を特定の病室に割り当て、ディスプレイ60を特定の病室に割り当て、及びBLM31を特定のベッドに割り当てる前工程を提供することを検討する。Microsoft Windows(登録商標)プラットフォームで動作し、40ギガバイトハードドライブを備える標準的パーソナルコンピュータ(PC)であれば、どれでもBioMed Stationとして使用することができる。これには、BioMed技術者またはその他の医療スタッフが移動環境(医療施設を歩き回り施設の様々な場所で設定及び/又は割り当て作業を行う等)でMDA30、BLM31、ディスプレイ60(ウォールハブ1460のディスプレイを含む)、及びビーコンモジュール110の設定及び/又は割り当てを行うことを可能にするラップトップを含む。BioMed Stationの設定と割り当て機能に関して、これは例えば、シリアル番号、インターネットプロトコル(IP)アドレス、病室番号及び/又はベッド番号等のコンポーネント識別データを使って行うことができる。
【0120】
インターフェイスゲートウェイは、Cerner MDBus(登録商標)ゲートウェイ又はその他の製造業者のゲートウェイを備えることができる。インターフェイスゲートウェイは有効データを収集して、そのデータを患者のカルテに反映する。Cerner社製でないEMRシステム72の一部では、サーバー206はインターフェイスゲートウェイを使わずに、直接データをEMRシステム72に転送することができる。幾つかの実施形態では、Microsoft Windows(登録商標)プラットフォームを搭載し、40ギガバイトのハードドライブを備えた標準パーソナルコンピュータ(PC)がハブサーバー206として使用される。
【0121】
前述のように、ベッドハブ14及びウォールハブ1460は、該ハブに保存あるいはハブサーバー206に関連するデータベースに保存されたデバイスドライバライブラリから取得可能なデバイスドライバソフトウェアを有する。デバイスドライバソフトウェアによって、各種医療装置プロトコルによる情報がハブ14、1460に受け入れられるようになる。幾つかの実施形態では、Broadcom BCM94306無線LAN Mini−PCアダプタカードがMDA30とベッドハブ14又はウォールハブ1460間のWiFi又はイーサネット無線通信に使われる。本願明細書で説明するシステム10、200では、ベッドハブ14及び1460は、対応する患者に関連付けられる少なくとも10台の医療装置についてMDA30からの無線データを受信することができる。
【0122】
幾つかの実施形態では、システム10、200は、Sigma Spectrum注入装置、Datascope Passportモニター装置、Datascope Passport 2 モニター装置、GE Eagle 4000モニター装置、GE Dash 4000、5000、6000モニター装置、Philips MP50モニター装置、Edward Life Science Vigilance Iモニター装置、Edward Life Science Vigileoモニター装置、Nellcor N600パルス酸素濃度計、Respironics Esprit人工呼吸器、Sensormedics 3100A 人工呼吸器、Maquet servo i 人工呼吸器、Puritan Bennett 840 人工呼吸器、Puritan Bennett 7200 人工呼吸器、Welch Allyn VSM 5300 生体信号モニター装置、及びHill-Rom TotalCare病院用ベッドなどといった装置12と互換性がある(通信ができる設定となっている)。前掲のリストは、本開示におけるシステム10、200の装置12を構成する特定の装置の包括的リストを意図したものではない。本リストは、システム10、200に含めることができ、MDA30とハブ14、1460が通信できる装置の種類と製造業者が広範にわたっていることを示すために提供されている。
【0123】
幾つかの実施形態では、ベッド40はベッドデータをEchelonネットワーク(LON等)経由でベッドハブ14と通信し、他の実施例ではベッド40はベッドデータをコントローラエリアネットワーク(CAN)経由でベッドハブ14と通信する。したがって、ベッド40とハブ14間でCAN通信を行う実施形態では、ハブ14にCANカードが備えられる。さらに別の実施形態では、ハブ14はベッド40に設置されるがベッドデータを全く受信せず、その結果ベッド40は単にハブ14を設置するための構造を提供するに過ぎない。
【0124】
上記に特定の複数の例示的な実施形態を詳細に説明したが、以下の請求範囲で説明及び定義するように、本開示の思想及び範囲内において応用例及び変形例が存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
さまざまな種類の複数の医療装置から電子カルテ(EMR)システムにデータを収集及び通信するシステムであって、前記医療装置のそれぞれは出力ポートを有し、前記システムは、
第1コントローラと、前記第1コントローラと連結して各局所短距離無線信号を受信することができる受信機と、前記第1コントローラと連結して医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機とを備える局所データ収集モジュールと、
各医療装置アダプタが、第2コントローラと、前記第2コントローラに連結して、それぞれの医療装置の出力ポートからデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれの医療装置に連結可能な入力ポートとを有し、各データ通信モジュールは、それぞれの前記第2コントローラに連結してそれぞれの医療装置から前記各短距離局所無線信号として受信した前記データを前記局所データ収集の前記受信機に送信することができる送信機を有する、複数の医療装置アダプタと
を備え、
前記局所データ収集モジュールは、前記各医療装置アダプタのそれぞれから無線で受信した前記データの少なくとも一部を、前記複数の医療装置に関連付けられた患者のカルテに自動入力するために、前記無線アクセスポイントを経由して前記EMRシステムに通信する、システム。
【請求項2】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラと連結して前記医療施設の前記イーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記局所データ収集モジュールは、病院用ベッドに取り付けられるか、又は病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
病院用ベッドからのベッドデータが、前記局所通信モジュールの前記第1コントローラに伝送され、前記送受信機により前記医療施設の前記イーサネットの前記無線アクセスポイントに送信される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の医療装置アダプタは、第1無線通信プロトコルによって無線で前記局所データ通信モジュールと通信を行い、前記局所データ収集モジュールは、第2無線通信プロトコルによって前記無線アクセスポイントと通信を行い、前記第1無線通信プロトコルは、前記第2無線通信プロトコルと異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1無線通信プロトコルは802.15.4プロトコルであり、前記第2無線通信プロトコルは802.11プロトコルである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記各医療装置アダプタのうち少なくとも一台が、前記各医療装置アダプタのうち別の一台とさらに無線で通信するよう構成されることによって、局所無線メッシュネットワークを作成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラに連結して少なくとも一台の追加医療装置が有線接続により前記局所データ収集モジュールに連結されるように構成される少なくとも一つの拡張ポートを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記局所データ収集モジュールは、病室の壁面又は病室の壁面に連結する頭壁に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
無線(RF)位置信号及び超音波位置信号を送信するよう構成されたビーコンモジュールをさらに備え、前記複数の医療装置アダプタは、前記無線位置信号を受信する無線受信機と前記超音波位置信号を受信する超音波受信機とをそれぞれ有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記各医療装置アダプタのそれぞれの前記第2コントローラは、前記無線位置信号の受信と前記超音波位置信号の受信との間の時間差を計算するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれの前記第2コントローラは、前記ビーコンモジュールと前記医療装置アダプタとの間の距離を計算するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれは、前記ビーコンモジュールからの距離を前記局所データ収集モジュールに送信し、前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールからの所定の距離内にある前記複数の医療装置アダプタだけに関連付けるよう設定されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記局所データ収集モジュールは、各病室の各患者に関連する前記医療装置に連結された前記医療装置アダプタによって送信される前記データを無線で読み取るために、前記医療施設の病室から病室に運ばれる車輪台付きコンピュータ(COW)に連結又はその一部として組み込まれ、前記データの少なくとも一部を前記各患者のそれぞれの前記電子カルテに自動入力する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
病室に存在する複数の医療装置と同室内の患者との関連付け及び関連を解除する方法であって、前記方法は、
前記複数の医療装置のそれぞれに連結された医療装置アダプタから送信される無線位置データを、関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、前記複数の医療装置のうちの第1サブセットが前記患者に関連付けられ、前記複数の医療装置のうちの前記第2サブセットが前記患者に関連付けられないように判断できる関連付けコンピュータで受信することと、
前記第1サブセットの装置の一覧をディスプレイ上に表示し、前記第2サブセットの装置を前記一覧から除外することと、
起動した前記医療装置アダプタの一つからユーザ入力に対応して送信された解除信号を前記関連付けコンピュータで受信することと
を備える方法。
【請求項14】
前記ディスプレイは前記関連付けコンピュータの一部を成す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記関連付けコンピュータは病院用ベッドに連結され、前記ディスプレイは前記病院用ベッドから間隔をあけて設置されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
触れると前記患者から第1サブセットのすべての医療装置の関連付け解除を開始するアイコンを前記ディスプレイ上に表示することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1サブセットのすべての医療装置の関連付けを前記患者から解除させることを確認するようユーザにディスプレイ上で促すことをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記医療装置アダプタにより前記第1サブセットの医療装置から受信した装置データをデータ収集コンピュータに送信することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記データ収集コンピュータと前記関連付けコンピュータは同一のコンピュータである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記装置データの少なくとも一部を前記第1サブセットの医療装置から前記患者のカルテに自動入力するために、前記装置データを前記データ収集コンピュータから電子カルテ(EMR)システムに送信することをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
さまざまな種類の複数の医療装置からデータを収集及び通信するシステムであって、前記システムは、
第1コントローラと、前記第1コントローラと連結して各局所無線信号を受信することができる受信機と、前記第1コントローラと連結して医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機と、前記第1コントローラと連結して前記医療施設の前記イーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタとを備え、前記受信機は第1無線通信プロトコルに従って動作可能であり、前記送受信機は前記第1無線通信プロトコルとは異なる第2無線通信プロトコルに従って動作可能である局所データ収集モジュールと、
各医療装置アダプタが、第2コントローラと、前記第2コントローラに連結して、医療装置からデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれの医療装置に連結可能な装置コネクタを有し、各医療装置アダプタは、それぞれの前記第2コントローラに連結して前記第1無線通信プロトコルに従い、各局所無線信号を前記局所データ収集モジュールの受信機に送信できる送信機を有する複数の医療装置アダプタと
を備えるシステム。
【請求項22】
前記局所データ収集モジュールは病院用ベッドに取り付けられるか、又は前記病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記病院用ベッドからのデータが、前記局所通信モジュールの前記第1コントローラに伝送され、前記送受信機により前記医療施設の前記イーサネットの前記無線アクセスポイントに送信される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記病院用ベッドからのデータは、前記病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、前記病院用ベッドを識別するデータ、前記病院用ベッドの型式番号に関するデータ、前記病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、前記病院用ベッドのサイドレールの位置に関するデータ、前記病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、前記病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、前記病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、前記病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、及び前記病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータのうち一つ以上に関するデータを備えている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1無線通信プロトコルは802.15.4プロトコル又は超広帯域プロトコルであり、前記第2無線通信プロトコルは802.11プロトコルである、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記各医療装置アダプタのうち少なくとも一台が、前記各医療装置アダプタの別の一台とさらに無線で通信するよう構成されることによって、局所無線メッシュネットワークを作成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラに連結して少なくとも一台の追加医療装置が有線接続により前記局所データ収集モジュールに連結されるように構成される少なくとも一つの拡張ポートを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記局所データ収集モジュールの前記コントローラはJAVAアプリケーションを実行する、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記局所データ収集モジュールは病室の壁面又は病室の壁面に連結される頭壁に連結される、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記医療装置アダプタは、前記アダプタに連結または又は前記アダプタの一部として内蔵される位置検出装置をそれぞれ有する、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
前記位置検索装置のそれぞれは、無線受信機及び/又は無線送信機及び/又は超音波発信機及び/又は超音波受信機及び/又は赤外線受信機及び/又は赤外線送信機を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記各医療装置アダプタのそれぞれが、それぞれの前記第2コントローラに連結されて前記医療施設の前記イーサネット又は前記局所データ収集モジュール用のポートと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項33】
前記医療装置アダプタの前記送信機により送信される前記各局所無線信号は送信先アドレスを含む各パケットを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
前記送信先アドレスは前記局所データ収集モジュールのアドレスに対応する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記送信先アドレスは前記各医療装置アダプタの別の一台のアドレスに対応する、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数のデータ通信モジュールの第1医療装置アダプタが、生体信号モニター、生理学的モニター、人工呼吸器、静脈ポンプ、又は薬剤注入ポンプの各種医療装置の一つに連結されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項37】
第2医療装置アダプタは、前記第1医療装置アダプタが連結されている医療装置の種類とは異なる種類の医療装置に連結される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
第3医療装置アダプタは、前記第1及び前記第2医療装置アダプタが連結されている医療装置の種類とは異なる種類の医療装置に連結される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記局所データ収集モジュールとデータ通信可能に連結され、前記各局所データ収集モジュールによって前記各医療装置アダプタの少なくとも一部から受信したデータを示す情報を表示できるディスプレイをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項40】
前記ディスプレイは、病院用ベッドに取り付けられるか、又はタブレットの一部として組み込まれるか、或いは遠隔コンピュータの一部として組み込まれるか、又は局所コンピュータの一部として組み込まれるか、或いは携帯無線装置の一部として組み込まれる、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
少なくとも二つの別々の医療装置アダプタから伝送されるデータに基づき警報条件の存在を特定するために、前記各医療装置アダプタから前記局所データ収集モジュールによって受信したデータを分析できる第3コントローラをさらに備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
前記第3コントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術に基づいて前記警報条件をプログラムできるように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第3コントローラは、前記ディスプレイに表示される少なくとも一つのダッシュボードに表示するためのデータを、エンドユーザが複数の前記各医療装置アダプタから選択的に選べるように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項44】
前記局所データ収集モジュールは病院用ベッドに連結され、前記ディスプレイは、前記各医療装置アダプタの少なくとも一部から前記各局所データ収集モジュールが受信した前記データを示す前記情報を表示すると同時に、病院用ベッドのデータを表示できる、請求項39に記載のシステム。
【請求項45】
前記各医療装置アダプタのそれぞれは、以前に受信した各パケットと同一である、前記関連患者医療装置から受信された情報の各後続パケットが前記局所データ収集モジュールに送信されないように、データフィルタリングを実行できる、請求項21に記載のシステム。
【請求項46】
通信が前記各医療装置アダプタのうちの一つと前記局所データ収集モジュールとの間で途切れた場合、前記医療装置アダプタは、後で通信が再開した際に局所データ収集モジュールに送信するよう前記それぞれの医療装置から受信したデータをバッファに保存する、請求項21に記載のシステム。
【請求項47】
医療装置の動作に関する装置データ及び患者に関連する患者データを有する医療装置と共に使用される医療装置アダプタであって、前記医療装置は前記装置データ及び患者データを取得可能にするポートをさらに有し、前記医療装置アダプタは、
コントローラと、
前記コントローラと連結し、前記医療装置と前記医療装置アダプタとの間で無線接続を確立するために前記医療装置の前記ポートと連結可能であるコネクタと、
前記コントローラと連結し、前記装置データ及び前記患者データに関する情報を備える各無線信号を送信できる送信機と、
前記医療装置アダプタの位置を特定するために使用される少なくとも一つの無線信号を送受信する位置検出装置と
を備える、医療装置アダプタ。
【請求項48】
前記位置検出装置は前記コントローラに連結される回路を備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項49】
前記位置検出装置は前記医療装置アダプタの筐体に連結される位置タグを備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項50】
前記位置検出装置は超音波発信器、超音波受信機、又は超音波送受信機を備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項51】
前記医療装置アダプタとの有線接続を可能にするモジュールポートをさらに備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項52】
前記モジュールポートは前記医療装置のポートと異なる種類のポートである、請求項51に記載の医療装置アダプタ。
【請求項53】
前記医療装置の前記ポートは、RS−232ポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートであり、前記モジュールポートはRJ−45ポートである、請求項52に記載の医療装置アダプタ。
【請求項54】
前記各無線信号は、802.15.4プロトコルに従って又は超広帯域プロトコルに従って送信される、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項55】
前記コントローラは、以前に受信したパケットと同一である、前記医療装置から受信した後続の装置データ又は患者データの各パケットが前記送受信機によって送信されないように、データフィルタリングを実行するよう構成される、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項56】
前記送信機は前記コントローラに連結される送受信機の一部として組み込まれる、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項57】
前記コントローラに連結され、各無線信号を受信できる受信機をさらに備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項58】
前記位置検出装置は超音波受信機を備え、前記コントローラは、前記受信機が無線位置信号を受信する第1時刻と前記超音波受信機が超音波信号を受信する第2時刻との時間差を特定するようプログラムされる、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項59】
前記コントローラは、前記時間差を前記各無線信号の一つとして送信するようプログラムされる、請求項58に記載の医療装置アダプタ。
【請求項60】
前記コントローラは、前記時間差に基づいて、前記各無線信号及び前記各超音波位置信号源からの前記医療装置アダプタの距離を特定するよう構成される、請求項58に記載の医療装置アダプタ。
【請求項61】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データに基づき、前記第1患者に関連付けられた第1参照位置及び前記第2患者に関連付けられた第2参照位置から前記複数の装置の各装置までの距離を特定できる関連付けコンピュータに飛行時間又は到着時刻データを提供することと、
前記関連付けコンピュータにおいて、前記第1参照地点から第1所定距離内にあるすべての装置を前記第1患者と関連付けることと、
前記関連付けコンピュータにおいて、前記第2参照地点から第2所定距離内にあるすべての装置を前記第2患者と関連付けることと
を備える方法。
【請求項62】
前記第1及び前記第2所定距離は実質的に同等である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1所定距離は、前記第2所定距離と異なる、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データに基づき、前記第1患者に関連付けられた第1参照位置及び前記第2患者に関連付けられた第2参照位置から前記複数の装置の各装置までの距離を特定できる関連付けコンピュータに飛行時間又は到着時刻データを提供することと、
同一病室内の二つの類似の装置において、前記第1参照地点に最も近い前記類似装置を前記第1患者と関連付け、前記第2参照地点に最も近い第2の前記類似装置を前記第2患者と関連付けることと、
医療施設のイーサネットを経由して遠隔コンピュータからデータの取得することと、
前記複数の装置の少なくとも一つが前記第1患者或いは前記第2患者に関連付けられるかに関する曖昧性を前記遠隔コンピュータから取得した前記データに基づいて解決することと
を備える方法。
【請求項65】
前記遠隔コンピュータは電子カルテ(EMR)システムの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記遠隔コンピュータは入退転院(ADT)システムの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、前記複数の装置のうち少なくとも一部を前記第1患者に関連付け、他の複数の装置を前記第2患者に関連付けることを決定できる関連付けコンピュータに前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することと、
前記複数の装置のうち少なくとも一つの装置を前記第1患者又は前記第2患者に関連付けるかに関する曖昧性を、ユーザにディスプレイ上で前記曖昧性を解決する情報を提供するよう促すこと及び前記曖昧性を解決するための要求した情報を前記ユーザから受信することによって解決することと
を備える方法。
【請求項68】
前記ディスプレイは前記関連付けコンピュータの一部をなす、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ディスプレイは病院用ベッドに連結され、前記関連付けコンピュータは前記病院用ベッドから離れて設置されている、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記ディスプレイは病室の壁面又は頭壁に取り付けられ、前記関連付けコンピュータは病室の壁面又は頭壁から離れて設置される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれに連結される各位置タグから無線位置データを送信することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれに取り付けられる各医療装置アダプタから無線位置データを送信することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
データ収集コンピュータに前記複数の装置から前記医療装置アダプタによって受信される装置データを無線で送信することをさらに備える、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記複数の装置のそれぞれから関連付けコンピュータに無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれから関連付けコンピュータに医療施設のイーサネットを経由して無線位置データを送信することを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項75】
医療施設の複数の病室にいる各患者の電子カルテに入力するデータを収集するシステムであって、前記システムは、
各患者の状況を監視できる各医療装置の各出力ポートに連結するよう構成され、前記各医療装置の各出力ポートから受信した患者データを短距離無線通信プロトコルに従って無線で送信するよう構成された複数の医療装置アダプタと、
局所データ収集モジュールを搭載し、医療施設内で病室から病室に移動し、各病室の各患者と関連付けられた前記各医療装置アダプタとの無線通信を確立し、前記患者データを前記各医療装置アダプタから受信し、前記各医療装置アダプタから受信した前記患者データの少なくとも一部を前記関連付けられた患者の電子カルテに入力するために電子カルテ(EMR)システムに送信する車輪台付きコンピュータ(COW)と
を備えるシステム。
【請求項76】
前記COWはディスプレイを備え、前記局所データ収集モジュールは、各病室内の前記局所データ収集モジュールと無線通信中のどの装置を病室内の各患者の少なくとも一人と関連付けられるべきかを医療従事者に選択するよう促す設定がなされている、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記局所データ収集モジュールは、特定の患者に関連付けられた前記各医療装置に連結される前記各医療装置アダプタから前記患者データを受信した後、前記患者データのうち少なくとも一部が前記医療施設のイーサネットを経由して前記EMRシステムに無線で送信されるように構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記局所データ収集モジュールは、取得した各患者に関する患者データを後で前記EMRシステムに送信するために保存する、請求項75に記載のシステム。
【請求項79】
前記COWはディスプレイを備え、前記各患者の電子カルテは前記ディスプレイに表示され、前記局所データ収集モジュールは、前記病室内の前記各医療装置アダプタの少なくとも一部からCOWによって無線で受信した患者データに基づいて表示された前記電子カルテの少なくとも一部のフィールドを追加するよう構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項80】
異なる種類の複数の医療装置から電子カルテ(EMR)システムにデータを収集及び通信するシステムであって、前記医療装置のそれぞれは出力ポートを有し、前記システムは、
患者に関連付けられ、医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信するよう構成された局所データ収集モジュールと、
前記それぞれの医療装置の出力ポートからデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれに連結可能であり、前記それぞれの医療装置から受信した前記データを短距離局所無線通信プロトコルに従って前記局所データ収集モジュールに送信することができる複数の医療装置アダプタと、
各無線ビーコン信号を前記複数の医療装置アダプタに送信するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれは、前記ビーコン信号に基づき前記ビーコンモジュールからの距離を特定できるよう構成され、前記各医療装置アダプタは、前記局所データ収集モジュールに前記ビーコンモジュールからの距離を送信する、ビーコンモジュールと
を備え、
前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールから閾値距離内にある前記各医療装置アダプタの各距離に基づいて、前記医療装置アダプタのどれを前記患者と関連付けるかを決定するよう構成され、
前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールの前記閾値距離内に位置する前記各医療装置アダプタのそれぞれから受信した前記データの少なくとも一部を、前記局所データ収集モジュールに関連付けられた前記患者のカルテに自動入力するために、前記無線アクセスポイントを経由して前記EMRシステムに無線で伝送する、システム。
【請求項81】
体重測定システムを有する病院用ベッドをさらに備え、前記局所データ収集モジュールは前記病院用ベッドから前記患者の患者体重データを含むベッドデータを受信し、前記局所データ収集モジュールは前記患者体重データを前記EMRシステムに送信して前記患者のカルテに自動入力する、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記局所データ収集モジュールは前記病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記局所データ収集モジュールはベッドに取り付けられている、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記ベッドに連結され、前記ビーコンモジュールから前記各無線ビーコン信号を受信するよう構成されたベッドリスナーモジュールをさらに備え、前記ベッドリスナーモジュールは前記ビーコンモジュールからの距離を特定し、無線でその距離を前記局所データ収集モジュールに送信するよう構成されている、請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
前記各無線ビーコン信号は無線信号と超音波信号を備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項86】
前記各無線ビーコン信号の無線信号は、前記各医療装置アダプタと前記局所データ収集モジュールとの間でデータを通信するのに使用されるのと同じ短距離局所無線通信プロトコルに従って送信される、請求項85に記載のシステム。
【請求項1】
さまざまな種類の複数の医療装置から電子カルテ(EMR)システムにデータを収集及び通信するシステムであって、前記医療装置のそれぞれは出力ポートを有し、前記システムは、
第1コントローラと、前記第1コントローラと連結して各局所短距離無線信号を受信することができる受信機と、前記第1コントローラと連結して医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機とを備える局所データ収集モジュールと、
各医療装置アダプタが、第2コントローラと、前記第2コントローラに連結して、それぞれの医療装置の出力ポートからデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれの医療装置に連結可能な入力ポートとを有し、各データ通信モジュールは、それぞれの前記第2コントローラに連結してそれぞれの医療装置から前記各短距離局所無線信号として受信した前記データを前記局所データ収集の前記受信機に送信することができる送信機を有する、複数の医療装置アダプタと
を備え、
前記局所データ収集モジュールは、前記各医療装置アダプタのそれぞれから無線で受信した前記データの少なくとも一部を、前記複数の医療装置に関連付けられた患者のカルテに自動入力するために、前記無線アクセスポイントを経由して前記EMRシステムに通信する、システム。
【請求項2】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラと連結して前記医療施設の前記イーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記局所データ収集モジュールは、病院用ベッドに取り付けられるか、又は病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
病院用ベッドからのベッドデータが、前記局所通信モジュールの前記第1コントローラに伝送され、前記送受信機により前記医療施設の前記イーサネットの前記無線アクセスポイントに送信される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の医療装置アダプタは、第1無線通信プロトコルによって無線で前記局所データ通信モジュールと通信を行い、前記局所データ収集モジュールは、第2無線通信プロトコルによって前記無線アクセスポイントと通信を行い、前記第1無線通信プロトコルは、前記第2無線通信プロトコルと異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1無線通信プロトコルは802.15.4プロトコルであり、前記第2無線通信プロトコルは802.11プロトコルである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記各医療装置アダプタのうち少なくとも一台が、前記各医療装置アダプタのうち別の一台とさらに無線で通信するよう構成されることによって、局所無線メッシュネットワークを作成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラに連結して少なくとも一台の追加医療装置が有線接続により前記局所データ収集モジュールに連結されるように構成される少なくとも一つの拡張ポートを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記局所データ収集モジュールは、病室の壁面又は病室の壁面に連結する頭壁に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
無線(RF)位置信号及び超音波位置信号を送信するよう構成されたビーコンモジュールをさらに備え、前記複数の医療装置アダプタは、前記無線位置信号を受信する無線受信機と前記超音波位置信号を受信する超音波受信機とをそれぞれ有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記各医療装置アダプタのそれぞれの前記第2コントローラは、前記無線位置信号の受信と前記超音波位置信号の受信との間の時間差を計算するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれの前記第2コントローラは、前記ビーコンモジュールと前記医療装置アダプタとの間の距離を計算するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれは、前記ビーコンモジュールからの距離を前記局所データ収集モジュールに送信し、前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールからの所定の距離内にある前記複数の医療装置アダプタだけに関連付けるよう設定されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記局所データ収集モジュールは、各病室の各患者に関連する前記医療装置に連結された前記医療装置アダプタによって送信される前記データを無線で読み取るために、前記医療施設の病室から病室に運ばれる車輪台付きコンピュータ(COW)に連結又はその一部として組み込まれ、前記データの少なくとも一部を前記各患者のそれぞれの前記電子カルテに自動入力する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
病室に存在する複数の医療装置と同室内の患者との関連付け及び関連を解除する方法であって、前記方法は、
前記複数の医療装置のそれぞれに連結された医療装置アダプタから送信される無線位置データを、関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、前記複数の医療装置のうちの第1サブセットが前記患者に関連付けられ、前記複数の医療装置のうちの前記第2サブセットが前記患者に関連付けられないように判断できる関連付けコンピュータで受信することと、
前記第1サブセットの装置の一覧をディスプレイ上に表示し、前記第2サブセットの装置を前記一覧から除外することと、
起動した前記医療装置アダプタの一つからユーザ入力に対応して送信された解除信号を前記関連付けコンピュータで受信することと
を備える方法。
【請求項14】
前記ディスプレイは前記関連付けコンピュータの一部を成す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記関連付けコンピュータは病院用ベッドに連結され、前記ディスプレイは前記病院用ベッドから間隔をあけて設置されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
触れると前記患者から第1サブセットのすべての医療装置の関連付け解除を開始するアイコンを前記ディスプレイ上に表示することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1サブセットのすべての医療装置の関連付けを前記患者から解除させることを確認するようユーザにディスプレイ上で促すことをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記医療装置アダプタにより前記第1サブセットの医療装置から受信した装置データをデータ収集コンピュータに送信することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記データ収集コンピュータと前記関連付けコンピュータは同一のコンピュータである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記装置データの少なくとも一部を前記第1サブセットの医療装置から前記患者のカルテに自動入力するために、前記装置データを前記データ収集コンピュータから電子カルテ(EMR)システムに送信することをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
さまざまな種類の複数の医療装置からデータを収集及び通信するシステムであって、前記システムは、
第1コントローラと、前記第1コントローラと連結して各局所無線信号を受信することができる受信機と、前記第1コントローラと連結して医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信することができる送受信機と、前記第1コントローラと連結して前記医療施設の前記イーサネットと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタとを備え、前記受信機は第1無線通信プロトコルに従って動作可能であり、前記送受信機は前記第1無線通信プロトコルとは異なる第2無線通信プロトコルに従って動作可能である局所データ収集モジュールと、
各医療装置アダプタが、第2コントローラと、前記第2コントローラに連結して、医療装置からデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれの医療装置に連結可能な装置コネクタを有し、各医療装置アダプタは、それぞれの前記第2コントローラに連結して前記第1無線通信プロトコルに従い、各局所無線信号を前記局所データ収集モジュールの受信機に送信できる送信機を有する複数の医療装置アダプタと
を備えるシステム。
【請求項22】
前記局所データ収集モジュールは病院用ベッドに取り付けられるか、又は前記病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記病院用ベッドからのデータが、前記局所通信モジュールの前記第1コントローラに伝送され、前記送受信機により前記医療施設の前記イーサネットの前記無線アクセスポイントに送信される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記病院用ベッドからのデータは、前記病院用ベッドの機能又は特徴に関するデータ、前記病院用ベッドを識別するデータ、前記病院用ベッドの型式番号に関するデータ、前記病院用ベッドのソフトウェア改訂バージョンに関するデータ、前記病院用ベッドのサイドレールの位置に関するデータ、前記病院用ベッドの車輪制動システムの状態に関するデータ、前記病院用ベッドの治療面の状態に関するデータ、前記病院用ベッドの体重測定システムに関するデータ、前記病院用ベッドの患者位置監視システムに関するデータ、及び前記病院用ベッドのベッド離床監視システムに関するデータのうち一つ以上に関するデータを備えている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1無線通信プロトコルは802.15.4プロトコル又は超広帯域プロトコルであり、前記第2無線通信プロトコルは802.11プロトコルである、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記各医療装置アダプタのうち少なくとも一台が、前記各医療装置アダプタの別の一台とさらに無線で通信するよう構成されることによって、局所無線メッシュネットワークを作成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記局所データ収集モジュールは、前記第1コントローラに連結して少なくとも一台の追加医療装置が有線接続により前記局所データ収集モジュールに連結されるように構成される少なくとも一つの拡張ポートを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記局所データ収集モジュールの前記コントローラはJAVAアプリケーションを実行する、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記局所データ収集モジュールは病室の壁面又は病室の壁面に連結される頭壁に連結される、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記医療装置アダプタは、前記アダプタに連結または又は前記アダプタの一部として内蔵される位置検出装置をそれぞれ有する、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
前記位置検索装置のそれぞれは、無線受信機及び/又は無線送信機及び/又は超音波発信機及び/又は超音波受信機及び/又は赤外線受信機及び/又は赤外線送信機を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記各医療装置アダプタのそれぞれが、それぞれの前記第2コントローラに連結されて前記医療施設の前記イーサネット又は前記局所データ収集モジュール用のポートと有線接続するよう構成されたイーサネットコネクタを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項33】
前記医療装置アダプタの前記送信機により送信される前記各局所無線信号は送信先アドレスを含む各パケットを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
前記送信先アドレスは前記局所データ収集モジュールのアドレスに対応する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記送信先アドレスは前記各医療装置アダプタの別の一台のアドレスに対応する、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数のデータ通信モジュールの第1医療装置アダプタが、生体信号モニター、生理学的モニター、人工呼吸器、静脈ポンプ、又は薬剤注入ポンプの各種医療装置の一つに連結されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項37】
第2医療装置アダプタは、前記第1医療装置アダプタが連結されている医療装置の種類とは異なる種類の医療装置に連結される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
第3医療装置アダプタは、前記第1及び前記第2医療装置アダプタが連結されている医療装置の種類とは異なる種類の医療装置に連結される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記局所データ収集モジュールとデータ通信可能に連結され、前記各局所データ収集モジュールによって前記各医療装置アダプタの少なくとも一部から受信したデータを示す情報を表示できるディスプレイをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項40】
前記ディスプレイは、病院用ベッドに取り付けられるか、又はタブレットの一部として組み込まれるか、或いは遠隔コンピュータの一部として組み込まれるか、又は局所コンピュータの一部として組み込まれるか、或いは携帯無線装置の一部として組み込まれる、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
少なくとも二つの別々の医療装置アダプタから伝送されるデータに基づき警報条件の存在を特定するために、前記各医療装置アダプタから前記局所データ収集モジュールによって受信したデータを分析できる第3コントローラをさらに備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
前記第3コントローラは、エンドユーザがオブジェクト指向プログラミング技術に基づいて前記警報条件をプログラムできるように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第3コントローラは、前記ディスプレイに表示される少なくとも一つのダッシュボードに表示するためのデータを、エンドユーザが複数の前記各医療装置アダプタから選択的に選べるように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項44】
前記局所データ収集モジュールは病院用ベッドに連結され、前記ディスプレイは、前記各医療装置アダプタの少なくとも一部から前記各局所データ収集モジュールが受信した前記データを示す前記情報を表示すると同時に、病院用ベッドのデータを表示できる、請求項39に記載のシステム。
【請求項45】
前記各医療装置アダプタのそれぞれは、以前に受信した各パケットと同一である、前記関連患者医療装置から受信された情報の各後続パケットが前記局所データ収集モジュールに送信されないように、データフィルタリングを実行できる、請求項21に記載のシステム。
【請求項46】
通信が前記各医療装置アダプタのうちの一つと前記局所データ収集モジュールとの間で途切れた場合、前記医療装置アダプタは、後で通信が再開した際に局所データ収集モジュールに送信するよう前記それぞれの医療装置から受信したデータをバッファに保存する、請求項21に記載のシステム。
【請求項47】
医療装置の動作に関する装置データ及び患者に関連する患者データを有する医療装置と共に使用される医療装置アダプタであって、前記医療装置は前記装置データ及び患者データを取得可能にするポートをさらに有し、前記医療装置アダプタは、
コントローラと、
前記コントローラと連結し、前記医療装置と前記医療装置アダプタとの間で無線接続を確立するために前記医療装置の前記ポートと連結可能であるコネクタと、
前記コントローラと連結し、前記装置データ及び前記患者データに関する情報を備える各無線信号を送信できる送信機と、
前記医療装置アダプタの位置を特定するために使用される少なくとも一つの無線信号を送受信する位置検出装置と
を備える、医療装置アダプタ。
【請求項48】
前記位置検出装置は前記コントローラに連結される回路を備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項49】
前記位置検出装置は前記医療装置アダプタの筐体に連結される位置タグを備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項50】
前記位置検出装置は超音波発信器、超音波受信機、又は超音波送受信機を備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項51】
前記医療装置アダプタとの有線接続を可能にするモジュールポートをさらに備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項52】
前記モジュールポートは前記医療装置のポートと異なる種類のポートである、請求項51に記載の医療装置アダプタ。
【請求項53】
前記医療装置の前記ポートは、RS−232ポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートであり、前記モジュールポートはRJ−45ポートである、請求項52に記載の医療装置アダプタ。
【請求項54】
前記各無線信号は、802.15.4プロトコルに従って又は超広帯域プロトコルに従って送信される、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項55】
前記コントローラは、以前に受信したパケットと同一である、前記医療装置から受信した後続の装置データ又は患者データの各パケットが前記送受信機によって送信されないように、データフィルタリングを実行するよう構成される、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項56】
前記送信機は前記コントローラに連結される送受信機の一部として組み込まれる、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項57】
前記コントローラに連結され、各無線信号を受信できる受信機をさらに備える、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項58】
前記位置検出装置は超音波受信機を備え、前記コントローラは、前記受信機が無線位置信号を受信する第1時刻と前記超音波受信機が超音波信号を受信する第2時刻との時間差を特定するようプログラムされる、請求項47に記載の医療装置アダプタ。
【請求項59】
前記コントローラは、前記時間差を前記各無線信号の一つとして送信するようプログラムされる、請求項58に記載の医療装置アダプタ。
【請求項60】
前記コントローラは、前記時間差に基づいて、前記各無線信号及び前記各超音波位置信号源からの前記医療装置アダプタの距離を特定するよう構成される、請求項58に記載の医療装置アダプタ。
【請求項61】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データに基づき、前記第1患者に関連付けられた第1参照位置及び前記第2患者に関連付けられた第2参照位置から前記複数の装置の各装置までの距離を特定できる関連付けコンピュータに飛行時間又は到着時刻データを提供することと、
前記関連付けコンピュータにおいて、前記第1参照地点から第1所定距離内にあるすべての装置を前記第1患者と関連付けることと、
前記関連付けコンピュータにおいて、前記第2参照地点から第2所定距離内にあるすべての装置を前記第2患者と関連付けることと
を備える方法。
【請求項62】
前記第1及び前記第2所定距離は実質的に同等である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1所定距離は、前記第2所定距離と異なる、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータまでの飛行時間又は到着時刻データに基づき、前記第1患者に関連付けられた第1参照位置及び前記第2患者に関連付けられた第2参照位置から前記複数の装置の各装置までの距離を特定できる関連付けコンピュータに飛行時間又は到着時刻データを提供することと、
同一病室内の二つの類似の装置において、前記第1参照地点に最も近い前記類似装置を前記第1患者と関連付け、前記第2参照地点に最も近い第2の前記類似装置を前記第2患者と関連付けることと、
医療施設のイーサネットを経由して遠隔コンピュータからデータの取得することと、
前記複数の装置の少なくとも一つが前記第1患者或いは前記第2患者に関連付けられるかに関する曖昧性を前記遠隔コンピュータから取得した前記データに基づいて解決することと
を備える方法。
【請求項65】
前記遠隔コンピュータは電子カルテ(EMR)システムの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記遠隔コンピュータは入退転院(ADT)システムの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
病室における複数の装置を同室に居る第1患者又は同室に居る第2患者に関連付ける方法であって、前記方法は、
関連付けコンピュータによって実行される関連付け規則プログラムに基づき、前記複数の装置のうち少なくとも一部を前記第1患者に関連付け、他の複数の装置を前記第2患者に関連付けることを決定できる関連付けコンピュータに前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することと、
前記複数の装置のうち少なくとも一つの装置を前記第1患者又は前記第2患者に関連付けるかに関する曖昧性を、ユーザにディスプレイ上で前記曖昧性を解決する情報を提供するよう促すこと及び前記曖昧性を解決するための要求した情報を前記ユーザから受信することによって解決することと
を備える方法。
【請求項68】
前記ディスプレイは前記関連付けコンピュータの一部をなす、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ディスプレイは病院用ベッドに連結され、前記関連付けコンピュータは前記病院用ベッドから離れて設置されている、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記ディスプレイは病室の壁面又は頭壁に取り付けられ、前記関連付けコンピュータは病室の壁面又は頭壁から離れて設置される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれに連結される各位置タグから無線位置データを送信することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記複数の装置のそれぞれから無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれに取り付けられる各医療装置アダプタから無線位置データを送信することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
データ収集コンピュータに前記複数の装置から前記医療装置アダプタによって受信される装置データを無線で送信することをさらに備える、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記複数の装置のそれぞれから関連付けコンピュータに無線位置データを送信することは、前記複数の装置のそれぞれから関連付けコンピュータに医療施設のイーサネットを経由して無線位置データを送信することを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項75】
医療施設の複数の病室にいる各患者の電子カルテに入力するデータを収集するシステムであって、前記システムは、
各患者の状況を監視できる各医療装置の各出力ポートに連結するよう構成され、前記各医療装置の各出力ポートから受信した患者データを短距離無線通信プロトコルに従って無線で送信するよう構成された複数の医療装置アダプタと、
局所データ収集モジュールを搭載し、医療施設内で病室から病室に移動し、各病室の各患者と関連付けられた前記各医療装置アダプタとの無線通信を確立し、前記患者データを前記各医療装置アダプタから受信し、前記各医療装置アダプタから受信した前記患者データの少なくとも一部を前記関連付けられた患者の電子カルテに入力するために電子カルテ(EMR)システムに送信する車輪台付きコンピュータ(COW)と
を備えるシステム。
【請求項76】
前記COWはディスプレイを備え、前記局所データ収集モジュールは、各病室内の前記局所データ収集モジュールと無線通信中のどの装置を病室内の各患者の少なくとも一人と関連付けられるべきかを医療従事者に選択するよう促す設定がなされている、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記局所データ収集モジュールは、特定の患者に関連付けられた前記各医療装置に連結される前記各医療装置アダプタから前記患者データを受信した後、前記患者データのうち少なくとも一部が前記医療施設のイーサネットを経由して前記EMRシステムに無線で送信されるように構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記局所データ収集モジュールは、取得した各患者に関する患者データを後で前記EMRシステムに送信するために保存する、請求項75に記載のシステム。
【請求項79】
前記COWはディスプレイを備え、前記各患者の電子カルテは前記ディスプレイに表示され、前記局所データ収集モジュールは、前記病室内の前記各医療装置アダプタの少なくとも一部からCOWによって無線で受信した患者データに基づいて表示された前記電子カルテの少なくとも一部のフィールドを追加するよう構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項80】
異なる種類の複数の医療装置から電子カルテ(EMR)システムにデータを収集及び通信するシステムであって、前記医療装置のそれぞれは出力ポートを有し、前記システムは、
患者に関連付けられ、医療施設のイーサネットの無線アクセスポイントと無線で通信するよう構成された局所データ収集モジュールと、
前記それぞれの医療装置の出力ポートからデータを受信するよう前記複数の医療装置のそれぞれに連結可能であり、前記それぞれの医療装置から受信した前記データを短距離局所無線通信プロトコルに従って前記局所データ収集モジュールに送信することができる複数の医療装置アダプタと、
各無線ビーコン信号を前記複数の医療装置アダプタに送信するよう構成され、前記各医療装置アダプタのそれぞれは、前記ビーコン信号に基づき前記ビーコンモジュールからの距離を特定できるよう構成され、前記各医療装置アダプタは、前記局所データ収集モジュールに前記ビーコンモジュールからの距離を送信する、ビーコンモジュールと
を備え、
前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールから閾値距離内にある前記各医療装置アダプタの各距離に基づいて、前記医療装置アダプタのどれを前記患者と関連付けるかを決定するよう構成され、
前記局所データ収集モジュールは、前記ビーコンモジュールの前記閾値距離内に位置する前記各医療装置アダプタのそれぞれから受信した前記データの少なくとも一部を、前記局所データ収集モジュールに関連付けられた前記患者のカルテに自動入力するために、前記無線アクセスポイントを経由して前記EMRシステムに無線で伝送する、システム。
【請求項81】
体重測定システムを有する病院用ベッドをさらに備え、前記局所データ収集モジュールは前記病院用ベッドから前記患者の患者体重データを含むベッドデータを受信し、前記局所データ収集モジュールは前記患者体重データを前記EMRシステムに送信して前記患者のカルテに自動入力する、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記局所データ収集モジュールは前記病院用ベッドの回路の一部として組み込まれる、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記局所データ収集モジュールはベッドに取り付けられている、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記ベッドに連結され、前記ビーコンモジュールから前記各無線ビーコン信号を受信するよう構成されたベッドリスナーモジュールをさらに備え、前記ベッドリスナーモジュールは前記ビーコンモジュールからの距離を特定し、無線でその距離を前記局所データ収集モジュールに送信するよう構成されている、請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
前記各無線ビーコン信号は無線信号と超音波信号を備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項86】
前記各無線ビーコン信号の無線信号は、前記各医療装置アダプタと前記局所データ収集モジュールとの間でデータを通信するのに使用されるのと同じ短距離局所無線通信プロトコルに従って送信される、請求項85に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図18】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2011−504379(P2011−504379A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531265(P2010−531265)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/081049
【国際公開番号】WO2009/055635
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.JAVA
3.マジックテープ
4.ZIGBEE
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/081049
【国際公開番号】WO2009/055635
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.JAVA
3.マジックテープ
4.ZIGBEE
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】
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