複数の規定帯域またはコンポーネントキャリアのための無線通信デバイスにおける送信電力制御、そのコンピュータ読取り可能媒体および方法
無線通信デバイスは、上りリンク送信電力制御を行うために構成される。無線通信デバイスは、プロセッサと、メモリに格納された命令とを含む。無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う。無線通信デバイスは、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して無線通信システムに関する。より具体的には、本開示は、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイスにおける上りリンクの送信電力制御を実行するためのコンピュータ読取り可能媒体、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中の大勢の人間がコミュニケーションをとるようになったことから、無線通信システムは重要な手段となっている。無線通信システムは、それぞれが基地局によってサービスを受ける多数の無線通信デバイスのために通信を提供できる。
【0003】
無線通信デバイスは、無線通信システム上で音声および/またはデータの通信のために使用され得る電子デバイスである。また、無線通信デバイスは、移動局、ユーザ機器、アクセス端末、加入者局、移動端末、遠隔局、ユーザ端末、端末、加入者ユニット、移動デバイスなどとして称されてもよい。無線通信デバイスは、セルラー電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線モデムなどであってもよい。
【0004】
基地局は、無線通信デバイスと通信する固定局である(すなわち、固定位置に設置されている無線通信局である)。また、基地局は、アクセスポイント、NodeB、eNB(evolved Node B)、その他類似の専門用語として称されてもよい。“3GPP”とも称される第3世代移動体通信システム標準化プロジェクトは、第3および第4世代無線通信システムに関する国際的に適用可能な技術仕様書および技術報告書を定義することを目的とする共同協約(collaboration agreement)である。3GPPは、次世代移動体のネットワーク、システム、およびデバイスにの仕様を定義し得る。
【0005】
3GPP LTE(Long Term Evolution)は、将来の要求に対処するために、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)移動電話または移動デバイスを改善するためのプロジェクトに与えられた名称である。或る態様では、UMTSは、E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)およびE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)に関するサポートおよび仕様を提供するために変更された。LTE−A(LTE-Advanced)は、次世代のLTEである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスを開示している。該無線通信デバイスは、プロセッサと、該プロセッサと電子通信を行うメモリと、該メモリに格納された命令とを備えており、該命令は、複数の規定周波数帯域(regulated frequency bands)または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことが実行可能であり、さらに、上記命令は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることが実行可能である。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法を開示している。該方法は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを含み、上記無線通信デバイスにて、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、上記無線通信デバイスにて、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含む。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うためのコンピュータ読取り可能媒体を開示している。該コンピュータ読取り可能媒体は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことが実行可能な命令と、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることが実行可能な命令とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】基地局と無線電子通信を行う無線通信デバイスを含む無線通信システムを示す図である。
【図2】無線通信デバイスがアンテナポートモードと送信モードとの間で遷移する手法の第1の例を示す図である。
【図3】無線通信デバイスがアンテナポートモードと送信モードとの間で遷移する手法の第2の例を示す図である。
【図4】無線通信デバイスが、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへの自律的な遷移について、基地局に暗黙的に通知する手法の一例を示す図である。
【図5】無線通信デバイスが、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへの自律的な遷移について、基地局に暗黙的に通知する手法の別の例を示す図である。
【図6】無線通信デバイスが、無線リソース制御(RRC)シグナリングに基づいて、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移する方法を示す図である。
【図7】無線通信デバイスが、RRCシグナリングに基づいて、シングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移する方法を示す図である。
【図8】無線通信デバイスが、所定期間の後にシングルアンテナポートモードへ戻ろうとする方法を示す図である。
【図9】無線通信デバイスが、特定の環境下でのシングルアンテナポートへの自律的な遷移を停止する方法を示す図である。
【図10】無線通信デバイスがマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ自律的に遷移したことを基地局が検知した後に、該基地局がリソースを再割り当てする方法を示す図である。
【図11】無線通信デバイスがマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ自律的に遷移したことを基地局が検知した後に、該基地局が時間/周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示する方法を示す図である。
【図12】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移するように構成する方法を示す図である。
【図13】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移するように構成する別の方法を示す図である。
【図14】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成する方法を示す図である。
【図15】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成する別の方法を示す図である。
【図16】基地局が、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成し、引き続いて、上記無線通信デバイスがシングルアンテナモードへ自律的に復帰したことを検知する方法を示す図である。
【図17】上りリンク電力制御プロシージャを示す図である。
【図18】図17に示された上りリンク電力制御プロシージャの一態様についてさらに詳細に示す図である。
【図19】図17に示された上りリンク電力制御プロシージャの別の態様についてさらに詳細に示す図である。
【図20】物理チャネルのドロップを行うかを決定するステップが実行される前の送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図21】物理チャネルのドロップを行うかを決定するステップが実行された後の送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図22】2つの20dBmの電力増幅器(power amplifier)を構成した状況における送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図23A】4つの17dBmのPAを構成した状況における送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図23B】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの一例を示す図である。
【図23C】複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法の一構成を示すフロー図である。
【図23D】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの別の例を示す図である。
【図23E】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアのさらに別の例を示す図である。
【図23F】複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法の別の構成を示すフロー図である。
【図23G】複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法の構成を示すフロー図である。
【図23H】アンテナポートモードの遷移と送信モードの遷移とのために無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うシステムおよび方法が実施され得る無線通信デバイスの一構成を示すブロック図である。
【図23I】アンテナポートモードの遷移と送信モードの遷移とのために無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行う方法の構成を示すフロー図である。
【図24】周波数選択的送信ダイバーシチ(FSTD)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図25】空間−周波数ブロック符号(SFBC)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図26】巡回遅延ダイバーシチ(CDD)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図27A】アンテナポート重み付け処理の例を示す図である。
【図27B】アンテナポート重み付け処理の別の例を示す図である。
【図28】基地局が、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を、無線通信デバイスで使用されるように構成することができる一手法を示す図である。
【図29】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の一例を示す図である。
【図30】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の別の例を示す図である。
【図31】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の別の例を示す図である。
【図32】無線通信デバイスに利用され得る種々のコンポーネントを示す図である。
【図33】基地局に利用され得る種々のコンポーネントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスを開示する。該無線通信デバイスは、プロセッサと、メモリに格納された命令とを含む。上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う。少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力が決定される。送信電力は、各アンテナに割り当てられる。
【0011】
上記無線通信デバイスは、1つより多いUE電力クラスをサポートするために単一の電力増幅器を使用してもよい。あるいは、複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートしてもよい。
【0012】
上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対し単一の電力増幅器を使用してもよい。あるいは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用してもよい。
【0013】
別の構成において、上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのうち、2つ以上であるが全てではない規定周波数帯域またはコンポーネントキャリアに対し単一の電力増幅器を使用してもよい。
【0014】
上記無線通信デバイスは、複数の規定帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して上りリンク送信電力制御を別々に行ってもよい。
【0015】
複数のユーザ機器(UE)電力クラスは、上記無線通信デバイスによってサポートされてもよい。或る構成においては、別々のUE電力クラスが複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対してセットされる。
【0016】
上記無線通信デバイスは、上記基地局に対してレポートを送信することができる。上記レポートは、上記無線通信デバイスによってサポートされたUE電力クラスの数と、該サポートされたUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含む。
【0017】
上記無線通信デバイスは、少なくとも1つのUE構成セットを格納し適用してもよい。上記UE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含んでもよい。上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されてもよい。
【0018】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法が開示されている。上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことができる。上記上りリンク送信電力制御は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることによって行われる。
【0019】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための命令を含むコンピュータ読取り可能媒体が開示されている。上記命令は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うために実行される。上りリンク送信電力制御は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることによって行われる。
【0020】
上記コンピュータ読取り可能媒体は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定することと、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含んでいる、複数の規定帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うための実行可能な命令を含む。
【0021】
ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、3GPP LTEおよびLTE−Advanced規格(リリース8およびリリース10)に関連して説明される。しかしながら、本開示の範囲は、この点について限定されてはならない。ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、別のタイプの無線通信デバイスにおいて利用することができる。
【0022】
3GPP仕様書において、無線通信デバイスは概してユーザ機器(UE)を表し、基地局は概してNodeB、またはeNB(evolved Node B)を表す。しかしながら、本開示の範囲は、3GPP規格に限定されてはならない。それゆえ、上記用語“UE”および“無線通信デバイス”は、より一般的な用語“無線通信デバイス”を意味するように、本明細書において交換可能に使用されてもよい。さらに、上記用語“基地局”および“eNB”は、より一般的な用語“基地局”を意味するように、本明細書において交換可能に使用されてもよい。上記用語“通信機器”は、無線通信デバイスまたは基地局のいずれも示すように使用されてもよい。
【0023】
図1は、ここで開示された方法の少なくとも1つを利用することができる無線通信システム100を示している。上記システム100は、無線通信デバイス104と電気的に無線通信可能な基地局102を含む。上記基地局102と無線通信デバイス104との間の通信は、上記LTE−Advanced規格に合わせて行われる。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a、106bを含んでもよい。
【0024】
上記無線通信デバイス104と上記基地局102との間に存在する幾つかの上りリンク物理チャネルがあってもよい。上記物理チャネルは、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)108と、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)110と、サウンディング参照信号(SRS)112として送信されるチャネルとを含んでもよい。
【0025】
上記無線通信デバイス104は、少なくとも2つのアンテナポートモード114と、幾つかの物理チャネルの送信モード116とを持ってもよい。上記アンテナポートモード114は、シングルアンテナポートモード114aと、マルチアンテナポートモード114bとを含んでもよい。上記送信モード116は、シングルアンテナ送信モード116a、送信ダイバーシチモード116b、SU−MIMO(ランク1)モード116c、SU−MIMO(ランク2以上)モード116d、およびMU−MIMOモード116eを含む(SU−MIMOはシングルユーザ、マルチ入力マルチ出力を表し、MU−MIMOはマルチユーザ、マルチ入力マルチ出力を表す)。
【0026】
任意の時点において、上記無線通信デバイス104は、厳密に1つのアンテナポートモード114および厳密に1つの送信モード116の状態であってよい。アンテナポートモード114および送信モード116の組み合わせは、送信状態であるとみなすことができる。
【0027】
バッテリー寿命を節約するため、または空間リソースを適切に利用するために、上記無線通信デバイス104は上記アンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移可能でなければならない。ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、これらのモード114,116の間で遷移するための安定した作用の決定に関係がある。
【0028】
上記無線通信デバイス104と上記基地局102との間で信頼できる通信が行われるためには、上記無線通信デバイス104が現在操作しているアンテナポートモード114を、上記基地局102が把握していなければならない。上記無線通信デバイス104が該機器のアンテナポートモード114の変更(そして、それゆえの該機器の送信状態の変更)を上記基地局102からのシグナリングなしに行った場合(“自律的に”該機器のアンテナポートモード114を変更する、と表す)、上記基地局102は、該基地局の受信機とスケジューリング特性を、アンテナポートモード114の変更に適応するように調整しなければならない。さらに、上記無線通信デバイス104が、上記基地局102が該無線通信デバイスのアンテナポートモード114に関する情報を受信したかを判定可能にするためには、該無線通信デバイスのアンテナポートモード114の変更の判定において、上記基地局102による一貫性のある動作を定義することが有効である。ここで開示されている方法における少なくとも幾つかの様態は、上記無線通信デバイス104が該機器の送信状態を変更する時に、上記基地局102と上記無線通信デバイス104との間の明示的なシグナリングを最小限にする状態遷移メカニズムに関する。
【0029】
図2は、無線通信デバイス104がアンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移する手法の第1の例を示している。この例は、ケース1’218と称する。各送信モード116は、シングルアンテナポートモード114aおよび/またはマルチアンテナポートモード114bに属している。例えば、上記シングルアンテナ送信モード116aは、シングルアンテナポートモード114aのみに属している。上記送信ダイバーシチモード116b、上記SU−MIMOモード(ランク1)116c、および上記MU−MIMOモード116eは、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの両方に属してもよい。上記SU−MIMOモード(ランク2以上)116dは、上記マルチアンテナポートモード114bのみに属している。
【0030】
図3は、無線通信デバイス104がアンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移する手法の第2の例を示している。この例は、ケース2’320と称する。ケース2’320において、シングルアンテナ送信モード116aは、シングルアンテナポートモード114aのみに属している。送信ダイバーシチモード116bおよびSU−MIMOモード(ランク1)116cは、マルチアンテナポートモード114bのみに属している。SU−MIMOモード(ランク2以上)116dは、マルチアンテナポートモード114bのみに属している。MU−MIMOモード116eは、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの両方に属してもよい。
【0031】
無線通信デバイス104は、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移することができる。この遷移が起きた時、上記無線通信デバイス104は、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知することができる。
【0032】
図4は、無線通信デバイス104が、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知する手法の一例を示している。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a〜bを利用することができる。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bである時、マルチコード422a、422b、SRS112が送信される。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに(上記基地局102への一切の明示的なシグナリング無しに)遷移する時、上記無線通信デバイス104はSRS112を1つのコード422aのみで送信する。上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がSRS112を1つのコード422aのみによって送信したことを検知することで、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移したことを推定することができる。
【0033】
図5は、無線通信デバイス104が、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知する手法の別の例を示している。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a〜bを利用することができる。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bである時、上記PUCCH110が複数のリソースブロック(RB)524a、524bで送信される。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに(上記基地局102への一切の明示的なシグナリング無しに)遷移する時、上記無線通信デバイス104は、上記PUCCH110の送信に1つのRB524aのみを使用する。
【0034】
上記PUCCH110のためのRB524の優先順位は事前に定義されてもよい。例えば、図5において、より低い周波数(または外側の周波数)は、より高い優先順位を持つ。よって、より低いRB524a(または外側のRB524a)は、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移する時に使用される。この場合、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移する時に、RB524がドロップされることを、上記基地局102へ通知するためのシグナリングは必要とされない。
【0035】
次に、図6を参照する。図6の方法600は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ構成され得ることを示している。より具体的には、図6は無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信し得る(ステップ602)ことを示している。RRCシグナリングの受信(ステップ602)に応答して、上記無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル108(例えば、PUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、シングルアンテナポートモード114aへ遷移してよい(ステップ604)。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移した場合、上記無線通信デバイス104は図4(b)またが図5(b)に示されるようにPUCCH110またはSRS112を送信する。
【0036】
図6にて参照されるRRCシグナリングは、上記PUSCH108のための上記送信モード116を含んでもよい。上記無線通信デバイス104が図3におけるケース2’320(上記SU−MIMOモード(ランク1)116cおよび上記SU−MIMOモード(ランク2)116dが上記マルチアンテナポートモード114bに属し、上記シングルアンテナ送信モード116aが上記シングルアンテナポートモード114aに属している上記送信ダイバーシチモード116b)に応じて構成されるものと仮定して、一例が説明される。無線通信デバイス104が、送信ダイバーシチモード116b、SU−MIMOモード(ランク1)116cまたは上記SU−MIMOモード(ランク2)116dである間に、上記シングルアンテナ送信モード116aへの遷移を示すPUSCH送信モードのRRC信号を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関して、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aに遷移する。
【0037】
あるいは、上記図6にて参照されるRRCシグナリングは、上記アンテナポートモード114を含んでもよい。無線通信デバイス104が、上記アンテナポートモード114が上記シングルアンテナポートモード114aになるべきであるとの指示を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関し、上記シングルアンテナポートモード114aに遷移してよい。
【0038】
次に、図7を参照する。図7の方法700は、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aからマルチアンテナポートモード114bへ構成されてもよいことを示している。より具体的には、図7は無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信する(ステップ702)ことを示している。RRCシグナリングの受信(ステップ702)に応答して、上記無線通信デバイス104は1つ以上の物理チャネル108(例えば、PUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、マルチアンテナポートモード114bへ遷移する(ステップ704)。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bへ遷移した場合、上記無線通信デバイス104は図4(a)またが図5(a)に示されるようにPUCCH110またはSRS112を送信してよい。
【0039】
図7におけるRRCシグナリングは、上記PUSCH108に関する上記送信モード116を含んでもよい。上記無線通信デバイス104が図3におけるケース2’320に応じて構成されるものと仮定して、一例が説明される。無線通信デバイス104が、上記シングルアンテナ送信モード116aから上記送信ダイバーシチモード116b、上記SU−MIMOモード(ランク1)116cまたは上記SU−MIMOモード(ランク2)116dへの遷移を示すPUSCH送信モードのRRC信号を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル(例えばPUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、上記シングルアンテナポートモード114aから上記マルチアンテナポートモード114bへ遷移する。
【0040】
あるいは、上記図7におけるRRCシグナリングは、上記アンテナポートモード114を含んでもよい。無線通信デバイス104が、上記アンテナポートモード114が上記マルチアンテナポートモード114bになるべきであるとの指示を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル(例えばPUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、上記マルチアンテナポートモード114bに遷移する。
【0041】
次に、図8を参照する。図8の方法800は、無線通信デバイス104が(図8にてTとして示される)所定期間の後に、シングルアンテナポートモード114aへ戻ろうとすることを示している。上記所定期間は、上記無線通信デバイス104と基地局102の両方に、それぞれのより上位の層のシグナリングを介して、または上記無線通信デバイス104のクラスパラメータとして、知られる。
【0042】
より具体的には、上記無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信した時(ステップ802)、タイマーがリセットされ(ステップ804)、カウントを開始する。上記無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関して、上記マルチアンテナポートモード114bに遷移する(ステップ806)。上記無線通信デバイス104が、上記タイマーが所定期間(T)を超過したことを判定した時(808)、次に、上記無線通信デバイス104は上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に戻る(ステップ810)。
【0043】
次に、図9を参照する。図9の方法900は、無線通信デバイス104が、特定の環境下でのシングルアンテナポート114aへの自律的な遷移を停止する手法を示している。上記基地局102の上記マルチアンテナポートモード114bへの遷移の命令と、上記無線通信デバイス104の上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移との間の巡回のパターンが、(Pとして図9に示される)特定時間の間に(システムパラメータとして定義される)特定回数生じた場合、上記無線通信デバイス104は、上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を停止する。上記無線通信デバイス104は(図9にてQとして示される)特定時間経過後に上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を再開する。
【0044】
より具体的には、上記無線通信デバイス104は、RRCシグナリングが受信されたかを判定する(ステップ902)。RRCシグナリングが受信された場合、上記無線通信デバイス104は1つ以上の物理チャネルに関し、上記マルチアンテナポートモード114bへ遷移してよい(ステップ904)。さらに、上記無線通信デバイス104はタイムスタンプ“T1”を生成する(ステップ906)。上記無線通信デバイス104は次に、(上記無線通信デバイス104が上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移した回数を表す)Nが、図9において“特定の回数”として示されている所定の限度を超過したかを判定する(ステップ908)。所定の限度を超過していない場合、上記無線通信デバイス104は上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に戻る(ステップ910)。タイムスタンプ“T2”が生成されてもよい(ステップ912)。さらに、上記無線通信デバイス104はT2−T1<P(上述されたように、Pは所定期間を表す)であるかを判定する(ステップ914)。T2−T1<Pでない場合、Nの値はリセットされ(ステップ916)、上記方法900はステップ902に戻り、上述されていることを継続してよい。
【0045】
ステップ908において、Nが所定の限度を超過していると判定された場合、上記方法は(上記シングルアンテナポートモード114aへ戻る(ステップ910)ことなく)ステップ902に戻り、上述されたように繰り返す。ステップ914において、T2−T1がPより少ないと判定された場合、上記方法は(Nをリセット(ステップ914)することなく)ステップ902に戻り、上述されたように繰り返す。ステップ902において、RRCシグナリングが受信されなかったと判定された場合、上記無線通信デバイス104はタイムスタンプ“T3”を生成する(ステップ918)。T3−T1>Q(上述されたように、Qは所定期間を表す)である場合、上記Nの値はリセットされる(ステップ920)。上記方法900は、ステップ908へ進み、上述されていることを継続してよい。
【0046】
上記基地局102は、上記無線通信デバイス104の、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を検知することができる。例えば、上記基地局102が複数(例えば、2つまたは4つ)の符号422を、マルチアンテナポートモード114bの上記無線通信デバイス104のために割り当てると仮定する。たとえ上記基地局102における情報が、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bであると示したとしても、(図4(b)に示されるように)上記SRS112が1つの符号422aのみで送信されたと上記基地局102が検知した場合、上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したとみなす。
【0047】
別の例として、上記基地局102が複数(例えば、2つ)のRB524を、マルチアンテナポートモード114bの上記無線通信デバイス104のために割り当てると仮定する。たとえ上記基地局102における情報が、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bであると示したとしても、(図5(b)に示されるように)上記無線通信デバイス104がPUCCH110のための1つのRB524aのみを使用していると上記基地局102が検知した場合、上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したとみなす。
【0048】
次に、図10を参照する。図10の方法1000は、第1の無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したことを上記基地局102が検知すると直ちに(ステップ1002)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aへ変更し(ステップ1004)、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1006)ことを示している。例えば、上記第1の無線通信デバイス104のための図4における符号#2’422bおよび/または図5におけるRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104への一切のシグナリングなしに、上記第2の無線通信デバイス104へ再割り当てされる。
【0049】
次に、図11を参照する。図11の方法1100は、第1の無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したことを上記基地局102が検知すると直ちに(ステップ1102)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aへ変更する(ステップ1104)ことを示している。上記基地局102は、(シングルアンテナポートモード114aによって暗示された)シングル入力シングル出力送信が上記無線通信デバイス104によって実行されたと仮定して、時間−周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示する(ステップ1106)。該スケジューリングは、上記基地局102が、該基地局のスケジューリングアルゴリズムによって決定された目標(例えば、料金(revenue)、通信容量、最適化、または他の当該基準)のために、上記無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングル114aからマルチ114bに変更することを決定しない限り、および決定するまでは行われる。
【0050】
上記基地局102は、RRCシグナリングを介して、上記無線通信デバイス104をマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ遷移するように構成してもよい。上記RRCシグナリングは、上記PUSCH送信モードを含んでもよい。例えば、図12に示される方法1200を参照すると、上記基地局102は、上記RRCシグナリング内のPUSCH送信モードパラメータを使用することによって、第1の無線通信デバイス104に、シングルアンテナ送信モード116aへ遷移するように通知してよい(ステップ1202)。次に、上記基地局102は、上記第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aに変更し(ステップ1204)、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を、第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1206)。
【0051】
あるいは、図13に示される方法1300を参照すると、明示的なアンテナポートモードパラメータは、RRCシグナリングを介して構成されてもよい。上記基地局102は、上記第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aに変更する(ステップ1302)。上記基地局102はさらに、RRCシグナリングを介したアンテナポートパラメータを使用することによって、上記第1の無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングルアンテナポートモード114aへ構成してもよい(ステップ1304)。一度上記基地局が上記第1の無線通信デバイス104のステータスを変更すると(ステップ1302)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1306)。
【0052】
上記基地局102は、RRCシグナリングを介して、上記無線通信デバイス104を、シングルアンテナポートモード114aからマルチアンテナポートモード114bへ遷移するように構成してもよい。例えば、図3に示されるケース2’320を仮定すると、上記基地局102は、RRCシグナリングのPUSCH送信モードパラメータを使用して、送信ダイバーシチモード116bまたはSU−MIMOモード(ランク1)116cに遷移するように、上記第無線通信デバイス104へ通知してもよい。
【0053】
図14に示される方法1400を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てしてもよい(ステップ1402)。例えば、図4の符号#2’422bおよび/または図5のRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104へ再割り当てされる(ステップ1402)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1404)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのPUSCH送信モードパラメータを使用して、送信ダイバーシチモード116bまたはSU−MIMOモード(ランク1)116cに遷移するように該無線通信デバイス104に指示する(ステップ1406)。
【0054】
あるいは、図2に示されたケース1’218(送信ダイバーシチモード116bおよびSU−MIMOモード(ランク1)116cがマルチアンテナポートモード114bとシングルアンテナポートモード114aとの両方に属している)を仮定すると、明示的なアンテナポートモードパラメータがRRCシグナリングを介して構成されてもよい。図15に示された方法1500を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1502)。例えば、図4の符号#2’422bおよび/または図5のRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104へ再割り当てされる(ステップ1502)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1504)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのアンテナポートモードパラメータを使用して、マルチアンテナポートモード114bへ遷移するように該第1の無線通信デバイス104に指示する(ステップ1506)。
【0055】
上記無線通信デバイス104が、上記基地局102から、マルチアンテナポートモード114bへの遷移の指示の後で、シングルアンテナポートモード114aに戻る場合、該基地局102は、シングル入力シングル出力送信が該無線通信デバイス104によって実行されるものであると仮定して、時間−周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示してもよい。このスケジューリングは、上記基地局がマルチアンテナポートモード114bを再確立するためにRRCコマンドを再送信する時に、上記基地局102が、上記無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングル114aからマルチ114bに変更することを決定するまで続く。
【0056】
図16に示される方法1600を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1602)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1604)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのアンテナポートモードパラメータを使用して、上記第1の無線通信デバイス104に、マルチアンテナポートモード114bへ遷移するように指示する(ステップ1606)。上記無線通信デバイス104のシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移が検知された時(ステップ1608)、上記方法1600はステップ1604へ戻り、上述したことを繰り返す。
【0057】
ここで開示されているシステムおよび方法の別の様態は、マルチアンテナ送信モードおよびマルチ物理チャネルをサポートするための上りリンク送信電力制御に関する。図17に示された方法1700を参照すると、上りリンク電力制御プロシージャは2つのステップを含む。第1のステップは、各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力を決定することである(ステップ1702)。第2のステップは、各アンテナ106に対する送信電力を割り当てる手法の決定である(ステップ1704)。上記無線通信デバイス104は、上記第1のステップ(ステップ1702)と、上記第2のステップ(ステップ1704)との両方を行ってもよい。上記基地局102は、上記第1のステップ(ステップ1702)のみを行ってもよい。上記第2のステップ(ステップ1704)、すなわち各アンテナ106に対する送信電力の割り当ては、上記無線通信デバイス104が上記シングルアンテナポートモード114aであるか、または上記マルチアンテナポートモード114bであるか次第で異なっていてもよく、該割り当ては電力増幅器(PA)構成に依存してもよい。
【0058】
図18は、ステップ1(ステップ1702)(すなわち各CCに対する合計送信電力の決定)の詳細を示している。図18に示されるように、ステップ1(ステップ1702)は2つのサブステップ(ステップ1802、ステップ1804)を含んでもよい。第1のサブステップは、各CCに対する合計送信電力を決定するものである(ステップ1802)。第2のサブステップは、どの物理チャネルをドロップするかを決定するものである(ステップ1804)。幾つかの場合において、上記第2のサブステップ(ステップ1804)はスキップされてもよい。
【0059】
上記第1のサブステップ(ステップ1802)の詳細は、上記物理チャネルに依存する。PUSCH108では、各CCの送信電力は、式(1)によって決定されてよい。
【0060】
【数1】
【0061】
式(1)はdBm単位で表される。式(1)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。PMAXは合計最大許容電力である。MPUSCH(i、k)は、UL CCkにおける連続的または不連続的なPRBの数である。P0_PUSCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUSCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_PUSCH(k))コンポーネントとの合計である。α(k)は、0≦α(k)≦1であるUL CCkのTPCのセル固有パラメータの小数部である。PL(k)は、下りリンクCCkに対する下りリンク経路損失推定値である。式ΔTF(i、k)=10・log10(2KS(k)・TBS(i、k)/NRE(i、k)−1)において、KS(k)=0または1.25であり、TBS(i、k)はTBのサイズであり、NRE(i、k)=MPUSCH(i、k)・NRBSC・NPUSCHsymb(i、k)である。式f(i、k)=f(i−1、k)+δPUSCH(i、k)は、サブフレームiの間のCL TPCコマンドδPUSCH(i、k)を累積する関数であり、f(0、k)を累積のリセット後の初期値とする。PUCCH110に関し、各CCの送信電力が、式(2)によって決定することができる。
【0062】
【数2】
【0063】
式(2)はdBm単位で表される。式(2)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。MPUCCH(i、k)は、UL CCkの中のPUCCHに割り当てられた直交リソースの数である。P0_PUCCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUCCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_UE_PUCCH(k))コンポーネントとの合計である。PL(k)はULkにおいて推定される経路損失である。式h(・)は、PUCCHフォーマットに依存する値である。式ΔF_PUCCH(F)はフォーマット1aと相関的なPUCCHフォーマット(F)に対応する。式g(i、k)は、CCk内のCL TPCコマンドを累積する関数である。
【0064】
上記PUCCHの直交リソースとは、特定の無線通信デバイスに割り当てられた直交符号および周波数リソースを意味してもよい。直交符号は、Zadoff−Chuシーケンスおよび直交カバー(例えば、Walsh符号)を含む。周波数リソースは、3GPP LTEリリース8における専門用語では、リソースブロックを意味する。したがって、2つの異なるZadoff−Chuシーケンスおよび等しいRBが無線通信デバイスに割り当てられた場合、2つの直交リソースが該無線通信デバイスに割り当てられたと言える。等しいZadoff−Chuシーケンスおよび2つの異なるRBが無線通信デバイスに割り当てられた場合、2つの直交リソースが該無線通信デバイスに割り当てられたと言える。
【0065】
PUCCH110に関する別の例では、各CCのための送信電力は、式(2−1)によって決定されてよい。
【0066】
【数3】
【0067】
式(2−1)はdBm単位で表される。式(2−1)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。P0_PUSCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUCCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_UE_PUCCH(k))コンポーネントとの合計である。PL(k)はULkにおいて推測される経路損失である。式h(・)は、PUCCHフォーマットに依存する値である。式ΔF_PUCCH(F)はフォーマット1aと相関的なPUCCHフォーマット(F)に対応する。式g(i、k)は、CCk内のCL TPCコマンドを累積する関数である。
【0068】
SRS112では、各CCの送信電力は、式(3)によって決定される。
【0069】
【数4】
【0070】
式(3)はdBm単位で表される。式(3)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。PSRS_OFFSET(k)は無線通信デバイス特有のパラメータである。MSRS(k)は上りリンクCCk内のPRBにおけるSRS送信帯域である。残りのパラメータは、UL CCkのPUSCH送信で定義されたものと同様である。
【0071】
図19を参照すると、第2のサブステップ(ステップ1804)の詳細(すなわちどのように物理チャネルをドロップするかを決定する方法)が示されている。予測送信電力と最大送信電力とが比較される(ステップ1902)。予測送信電力が最大送信電力よりも小さい場合、上記方法はステップ2(ステップ1704)に進んでよい。そうでない場合、あらかじめ定義された優先順位に基づいて上記物理チャネルがドロップされる(ステップ1904)。次に、上記方法は予測送信電力と最大送信電力との比較(ステップ1902)に戻る。
【0072】
予測送信電力と最大送信電力との比較(ステップ1902)のための“予測送信電力”の定義は、式(4)で表される。
【0073】
【数5】
【0074】
上記最大送信電力は、上記合計送信電力によって定義されてもよい。上記最大送信電力は、(政府規制によって制限されている)上記無線通信デバイス104の電力クラスによって定義されてもよい。例えば、上記最大送信電力は23dBm、21dBm、25dBmなどであってもよい。
【0075】
式(4)において、nPUSCH、nPUCCHおよびnSRSは以下を意味する。PUSCH108がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=1である。PUSCH108がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=0である。PUCCH110がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUCCH(i、nns、l、k)=1である。PUCCH110がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUCCH(i、nns、l、k)=0である。SRS112がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=1である。SRS112がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=0である。
【0076】
あらかじめ定義された上記物理チャネル優先順位の順序は、以下の通りである。概して、上記順序は上記物理チャネルのあらゆる交換が可能であり、基地局スケジューリングおよび制御によって決定されることも可能である。ある一例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>PUSCHの低い周波数>>PUCCHの高い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>SRSの低い周波数>>SRSの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>SRSの低い周波数>>SRSの高い周波数>>>PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、SRSの低い周波数<<PUCCHの低い周波数<<PUSCHの低い周波数<<SRSの高い周波数<<PUCCHの高い周波数<<PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。該順序に基づいて、幾つかの物理チャネルは、上記予測送信電力が上記最大送信電力よりも低くなるまでドロップされてもよい。図20および21に、一例が示されている。図20は、物理チャネルのドロップを行うかどうかを決定するステップ(ステップ1804)を実行する前の送信電力の割り当てを示している。図21は、該ステップ(ステップ1804)を実行した後の送信電力割り当てを示している。
【0077】
上述された上りリンク電力制御プロシージャが適用された場合、上記基地局102は、たとえ各無線通信デバイス104が異なる電力増幅器(PA)の構成を持っていたとしても、電力制御のために、上記無線通信デバイス104のPAの設定を無視することができる。言い換えれば、電力制御はPAの構成と無関係に行うことができる。したがって、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間の遷移で必要とされるシグナリングが少なくなる。その上、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間には共通する電力制御式があることから、両モードの間での急激な電力変化もない。
【0078】
無線通信デバイスは、ステップ1(ステップ1702)およびステップ2(ステップ1704)の両方を、該機器の上りリンク電力制御プロシージャに持っていてもよい。上記基地局102は、ステップ1(ステップ1702)のみを、該基地局の上りリンク電力制御プロシージャに持っていてもよい。上記基地局102は、上記無線通信デバイス104の上記PAの構成およびアンテナポートモード114を、該基地局の上りリンク電力制御プロシージャによって、無視することが可能である。
【0079】
シングルアンテナポートモード114aにおいては、上記PAの構成によって、送信電力の割り当てが、アンテナ106aと106bとで異なる。例えば、2つまたは4つの23dBmのPA構成の場合では、シングルアンテナポートモード114aは物理的に1つのPAのみを使用してもよい。言い換えれば、図21に示されたものと等しい送信電力が1つのアンテナ106aに対して割り当てられる。残りのアンテナ106bに対しては、電力は割り当てられない。2つの20dBmのPA構成の場合、シングルアンテナポートモード114aは物理的に2つのPAを使用してもよく、各アンテナ106a、106bに割り当てられた送信電力は、図22に示されるようになる。4つの17dBmのPA構成の場合、シングルアンテナポートモード114aは物理的に2つのPAを使用してもよく、各アンテナ106に割り当てられた送信電力は、図23Aに示されるようになる。マルチアンテナポートモード114bにおいて、2つのアンテナ106a、106bがある場合、図22に示されるように、2分の1の送信電力が各アンテナ106に対して割り当てられる。図23Aに示されるように、4つのアンテナ106がある場合には、4分の1の送信電力が各アンテナ106に対して割り当てられる。図23Aに示された例では、Kは、両方の描かれた帯域に対して単一の電力増幅器(PA)が使用されていることを示す。すなわち、Kは両方の帯域に渡って、共通の値(すなわち、K=1)を持つ。
【0080】
図23Bは、複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの一例を示す図である。この図は、周波数のスケール2308に沿って、3つのコンポーネントキャリア2302、2304、2306と、2つの周波数の“塊(chunks)”すなわち規定周波数帯域2310、2312とを示している。コンポーネントキャリア1’2302、コンポーネントキャリア2’2304、およびコンポーネントキャリア3’2306はそれぞれ、k=1、k=2、およびk=3によって示される。コンポーネントキャリア1’2302およびコンポーネントキャリア2’2304は、規定帯域1’2310に配置されている。コンポーネントキャリア3’2306はより高い周波数2308の範囲内の規定帯域2’2312の配置されている。例えば、規定帯域1’2310は、800MHz帯の周波数帯域である一方、規定帯域2’2312は、2GHz帯の周波数帯域である。
【0081】
図23Bはさらに、幾つかの無線通信デバイスの構成例も示している。ことさらに、幾つかの異なる電力増幅器配列が示されている。これらの例において、Kは種々の電力増幅器を示す。例えば、電力増幅器A(K=1)2314は、規定帯域1’2310および規定帯域2’2312の両方に対して信号の増幅を提供する。それゆえ、電力増幅器A(K=1)2314は、コンポーネントキャリア1’2302、コンポーネントキャリア2’2304、およびコンポーネントキャリア3’2306に対して信号の増幅を提供する。言い換えれば、上記無線通信デバイス104は、送信された全ての周波数帯域に対して単一の電力増幅器が信号の増幅を提供するように構成されてもよい。
【0082】
別の構成では、電力増幅器B(K=1)2316が、規定帯域1’2310を増幅する(例えば、コンポーネントキャリア1’2302およびコンポーネントキャリア2’2304を増幅する)一方、電力増幅器C(K=2)2318が、規定帯域2’2312を増幅する(例えば、コンポーネントキャリア3’2306を増幅する)。このように、上記無線通信デバイス104は、1つ以上のコンポーネントキャリアを持つ各規定周波数帯域に、別々の電力増幅器が提供されるように構成されてもよい(例えば、上記無線通信デバイスは複数の電力増幅器を含んでもよい)。
【0083】
さらに別の構成では、電力増幅器は、異なる規定周波数帯域における別々のコンポーネントキャリアを増幅してもよい。例えば、電力増幅器E(K=2)2322は、コンポーネントキャリア2’2304(例えば、規定帯域1’2310内の)およびコンポーネントキャリア3’2306(例えば、規定帯域2’2312内の)に対して信号の増幅を提供してもよい。電力増幅器D(K=1)2320が、コンポーネントキャリア1’2302に提供されてもよい。
【0084】
別の構成では、別々の電力増幅器が各コンポーネントキャリアに提供されてもよい。ある構成例では、電力増幅器F(K=1)2324がコンポーネントキャリア1’2302に対して信号の増幅を提供する一方、電力増幅器G(K=2)2326はコンポーネントキャリア2’2304を増幅し、電力増幅器H(K=3)2328はコンポーネントキャリア3’2306を増幅する。このように、図23Bは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値で示される別々の電力増幅器を使用している場合、各電力増幅器は各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに対して信号の増幅を提供することを示している。
【0085】
図23Cは、複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法2330の一構成を示すフロー図である。この構成では、複数の規定帯域のために、図17に示される方法が行われる。例えば、無線通信デバイス104は、ステップ2330aにK=1として示される各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力をステップ2332aで決定する。上記無線通信デバイス104は次に、各アンテナ106に対して送信電力を割り当てる(ステップ2334a)。このプロシージャはK=2として繰り返してもよい(ステップ2330b)。すなわち、K=2として、上記無線通信デバイス104は各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力を決定し(ステップ2332b)、次に、各アンテナ106に対して送信電力を割り当てる(ステップ2334b)。より詳細には、各規定帯域またはコンポーネントキャリアのための図23Cのステップ1’2332a〜bは、図17のステップ1’1702において実行されたものと同じプロシージャであってよい。図23Cのステップ2’2334a〜bは、図17のステップ2’1704において実行されたものと同じプロシージャであってよい。
【0086】
図23Dは、複数の規定周波数帯域およびコンポーネントキャリアの別の例を示す図である。この例では、4つのコンポーネントキャリア2336、2338、2340、2342(k=1〜4)と、3つの規定帯域2346、2348、2350とが、周波数のスケール2334に沿って示されている。この場合、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338が、規定帯域1’2346に含まれる。規定帯域2’2348はコンポーネントキャリア3(k=3)2340のみを含み、規定帯域3’2350はコンポーネントキャリア4(k=4)2342のみを含む。例えば、規定帯域1’2346は800MHzの周波数の範囲内にあってもよく、規定帯域2’2348は1.7GHzの周波数の範囲内にあってもよく、規定帯域3’2350は2GHzの周波数の範囲内にあってもよい。
【0087】
ある構成では、電力増幅器A(K=1)2352は、全ての規定帯域2346、2348、2350に対して信号の増幅を提供する単一の電力増幅器であってもよく、それゆえ、全ての上記コンポーネントキャリア(k=1〜4)2336、2338、2340、2342に対して信号の増幅を提供する単一の電力増幅器であってもよい。別の構成では、複数の電力増幅器が、個別、または複数のコンポーネントキャリアおよび/または規定帯域への電力供給に使用されてもよい。例えば、電力増幅器B(K=1)2354は、規定帯域1’2346(すなわち、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のような)に信号の増幅を提供してもよい。規定帯域2’2348が電力増幅器C(K=2)2356を使用する一方、規定帯域3’2350は電力増幅器D(K=3)2358を使用する。
【0088】
別の構成では、別々の規定周波数帯域の複数のコンポーネントキャリアに対して、単一の電力増幅器が増幅を供給してもよい。例えば、電力増幅器F(K=2)2363は、規定帯域2’2348と規定帯域3’2350とで分離されているコンポーネントキャリア3(k=3)2340およびコンポーネントキャリア4(k=4)2342の信号の増幅に使用される。電力増幅器E(K=1)2360は、例えば、規定帯域1’2346(例えば、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のような)の増幅に使用される。
【0089】
さらに別の構成では、2つ以上だが全てでない複数の規定周波数帯域のために単一の電力増幅器が使用されてもよい。
【0090】
さらに別の構成では、2つ以上だが全てでない複数のコンポーネントキャリアのために単一の電力増幅器が使用されてもよい。
【0091】
さらに別の構成では、個別のコンポーネントキャリアのそれぞれのために別々の電力増幅器が使用されてもよい。この例では、コンポーネントキャリア1(k=1)2336は電力増幅器G(K=1)2364を使用し、コンポーネントキャリア2(k=2)2338は電力増幅器H(K=2)2366を使用し、コンポーネントキャリア3(k=3)2340は電力増幅器I(K=3)2368を使用し、コンポーネントキャリア4(k=4)2342は電力増幅器J(K=4)2370を使用する。図23Dには、幾つかの可能性のある構成のみが示されているが、幾つかの別の電力増幅器の構成が、規定帯域とコンポーネントキャリアとの間で使用されてもよい。このように、図23Dは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値によって示される別々の電力増幅器を使用する場合、各電力増幅器は各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに信号の増幅を提供することを示している。
【0092】
図23Eは、複数の規定周波数帯域およびコンポーネントキャリアのさらに別の例を示す図である。図23Eはさらに、規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに対してUE電力クラスがどのように適用されるかの幾つかの構成も示している。図23Eにおける上記コンポーネントキャリア2336、2338、2340、2342および規定帯域2346、2348、2350は、周波数のスケール2344上に示されている。各UE電力クラスは最大送信電力を規定してよい。(例えば、図17に示されるように)各上りリンク電力制御プロシージャは、上記UE電力クラスによって決定されてもよい。
【0093】
ある構成では、UE電力クラスA(K=1)2372は、全ての上記規定帯域2346、2348、2350、したがって、全ての上記コンポーネントキャリア(k=1〜4)2336、2338、2340、2342に適用される単一の指定UE電力クラスであってもよい。別の構成では、複数のUE電力クラスが、個別または複数のコンポーネントキャリアおよび/または規定帯域に対して指定および/または適用されてもよい。ある例では、UE電力クラスB(K=1)2374は規定帯域1’2346(すなわち、そしてしたがって、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338)に対して適用される。規定帯域2’2348がUE電力クラスC(K=2)2376を使用する一方、規定帯域3’2350がUE電力クラスD(K=3)2378を使用する。
【0094】
別の構成では、別々の規定周波数帯域上の複数のコンポーネントキャリアに対して単一のUE電力クラスが割り当てられてもよい。例えば、UE電力クラスF(K=2)2382は、規定帯域2’2348と規定帯域3’2350とで分離されているコンポーネントキャリア3(k=3)2340およびコンポーネントキャリア4(k=4)2342に適用されてもよい。UE電力クラスE(K=1)2380は、例えば、規定帯域1’2346(例えば、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のように)に割り当てられる。
【0095】
さらに別の構成では、個別のコンポーネントキャリアのそれぞれのために別々のUE電力クラスが適用されてもよい。この例では、コンポーネントキャリア1(k=1)2336はUE電力クラスG(K=1)2384を使用し、コンポーネントキャリア2(k=2)2338はUE電力クラスH(K=2)2386を使用し、コンポーネントキャリア3(k=3)2340はUE電力クラスI(K=3)2388を使用し、コンポーネントキャリア4(k=4)2342はUE電力クラスJ(K=4)2390を使用する。図23Eには、あり得る構成の幾つかだけが示されているが、幾つかの別のUE電力クラスの構成が、規定帯域とコンポーネントキャリアとの間で使用されてもよい。このように、図23Eは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値によって示される別々の電力増幅器を使用する場合、各UE電力クラスが各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに適用されることを示している。
【0096】
ここで述べられたものと類似した手法で、幾つかの別の構成が使用されてもよい。例えば、1つの電力増幅器(例えば、無線通信デバイス104の)が、1より多い(すなわち複数の)UE電力クラスをサポートしてもよい。逆に、複数の電力増幅器(例えば、無線通信デバイス104の)が、単一のUE電力クラスをサポートしてもよい。
【0097】
図23Fは、複数の規定周波数帯域、または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法2392aの別の構成を示すフロー図である。使用される各規定帯域に対して、無線通信デバイス104は、各コンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し(ステップ2394a)、それに応じて各アンテナに対して(上記無線通信デバイスの)送信電力を割り当てる(ステップ2396a)。より具体的には、各規定帯域のための、図23Fのステップ1’2394aは、図17のステップ1’1702で実行されたものと同じプロシージャであってよく、図23Fにおけるステップ2’2396aは、図17のステップ2’1704で実行されたものと同じプロシージャであってよい。
【0098】
別々の電力増幅器を示す個々のKの値は、各規定帯域(例えば、無線通信デバイスの)に対して使用されてもよく、個別のまたは別々の上りリンク電力制御プロシージャ2392aを示す個々のKの値は、各規定帯域に設定されてもよい。したがって、上記UE電力クラスは、(例えば図23Eに示されるように)各規定周波数帯域に別々にセットされてもよい。さらに、最大送信電力は、(例えば、図19のステップ1〜2(ステップ1804)に示されるように)各規定帯域に対して別々に設定されてもよいことに留意すべきである。その理由は、上記最大送信電力が、各規定周波数帯域に対して適用された各UE電力クラスによって定義されてもよいからである(例えば、別々のUE電力クラスは各規定帯域に対応する)。例えば、上記最大送信電力は上述されたとおりであってもよい(例えば、図20〜22に関連して述べられた17dBmまたは23dBm)。
【0099】
図23Gは、複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法2392bの構成を示すフロー図である。別々のUE電力増幅器を示す別々のKの値が各コンポーネントキャリアに対して使用された場合、上りリンク電力制御プロシージャは図23Gに示されたプロシージャであってもよい。無線通信デバイス104は、コンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し(ステップ2394b)、それに応じて各アンテナ106に送信電力を割り当てる(2396b)。より具体的には、各コンポーネントキャリアに関する図23Gのステップ1’2394bは、図17のステップ1’1702において実行されたものと同じプロシージャであってよく、図23Fのステップ2’2396bは、図17のステップ2’1704において実行されたものと同じプロシージャであってよい。それは、個別のまたは別々の上りリンク電力制御プロシージャ2392aが各コンポーネントキャリアに設定されてもよいことを示している。したがって、上記UE電力クラスは(図23Eに示されるように)各規定コンポーネントキャリアに対して別々にセットされてもよい。さらに、最大送信電力は、(図19のステップ1〜2(ステップ1804)に示されるように)各コンポーネントキャリア(例:各“k”)に対して別々に設定されてもよいことに留意すべきである。その理由は、上記最大送信電力が、各コンポーネントキャリアに対して適用された各UE電力クラスによって定義されてもよいからである。例えば、上記最大送信電力は、上述のように、規定周波数帯域(例えば、図20〜22に関連して述べられた17dBmまたは23dBm)ではなくコンポーネントキャリア(例えばk=Kの)に適用されてもよい。
【0100】
図23Fおよび図23Gに示されるように、各規定周波数帯域またはコンポーネントキャリアは、個別の電力クラス制御プロシージャを別々に持っていてもよい。拡張して、無線通信デバイス104で使用される各電力増幅器も、別々の電力制御プロシージャを持ってもよい。
【0101】
図23Hは、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うシステムおよび方法を含む無線通信デバイス104aの一構成を示すブロック図である。上記無線通信デバイス104aは、情報を送受信するために複数のアンテナ106а〜bを利用してもよい。
【0102】
上記無線通信デバイス104aは、複数のUE電力クラス2398をサポートするように実施されてもよい。上記UE電力クラスは、例えば、第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)などの仕様によって定義されてもよい。UE電力クラスは、該UE電力クラスの最大出力電力を定義する。上述の通り、各UE電力クラス2398を、個別のまたは複数の規定帯域および/またはコンポーネントキャリア(k)に対して適用することができる。これは、無線通信デバイス104aに複数のUE構成セット2301をサポートさせることを可能とする。各構成セット2317は、各コンポーネントキャリアおよび/または周波数帯域および/または電力増幅器によって分離された、該セット独自の上りリンク電力制御プロシージャを持ってもよい。
【0103】
図23Hは、幾つかのUE構成セット2310の例を示している。UE構成セット2317は概して、1つ以上の規定帯域2303、2305、2307および/または1つ以上のコンポーネントキャリア2309、2311、2313、2315に対して適用された1つ以上のUE電力クラス2398を含む。UE構成セット2317は、別のUE特性と組み合わせられた異なるUEクラス(UE電力クラスと混同しないように)、UEカテゴリ、またはUE能力の象徴として使用されてもよい。これらの各クラス、カテゴリ、または能力は、様々な無線通信デバイス能力(例えば、データレート、または様々な最大送信電力の観点)を定義してもよい。ある一例では、UE能力(例:能力情報)は、種々の情報のセットである。該UE能力は、例えば、UEのリリース情報、UEカテゴリ情報、UEクラス情報、および/または該UEによってサポートされている帯域リストなどを含んでもよい。UEカテゴリまたはUEクラスは、該UEによってサポートされているUE送信アンテナの数、および/または該UEによってサポートされている上記データレートを含んでもよい。ある一例では、UEカテゴリおよびUE能力は、能力がカテゴリなどを含むように階層的に体系づけられていてもよい。
【0104】
便宜上、図23Hでは、UE構成セット2301のテーブルにおいて、“UE構成セット”は“構成セット”に省略され、“コンポーネントキャリア”は“CC”に省略され、“UE電力クラス”は“PC”に省略され、“規定周波数帯域”または“周波数の塊”は“帯域”に省略されている。
【0105】
ある一つの構成例では、UE構成セットA2317a(すなわち“構成セットA”)は、上記無線通信デバイス104aによって利用される全ての規定帯域(例:帯域1’2303、帯域2’2305、帯域3’2307)およびコンポーネントキャリア(例:CC1’2309、CC2’2311、CC3’2313、CC4’2315)に対して、上記UE電力クラスA(K=1)2319aを適用する。別例のUE構成セットB2317bは、各帯域に対して別々のUE電力クラスを割り当てる(すなわち、帯域1’2303に対して電力クラスC(K=1)2319c、帯域2’2305に対して電力クラスB(K=2)2319b、帯域3’2307に対して電力クラスA(K=3)2319aを割り当てる)。
【0106】
別の構成例では、UE電力クラスは、別々の帯域の複数のコンポーネントキャリアに適用される。すなわち、UE構成セットC2317cは、コンポーネントキャリア1’2309に対して電力クラスA(K=1)2319aを適用し、コンポーネントキャリア4’2315に対して電力クラスC(K=3)2319cを適用する一方、電力クラスE(K=2)2319Eは、帯域1’2303に存在しているコンポーネントキャリア2’2311と帯域2’2305に存在しているコンポーネントキャリア3’2313との両方に適用される。
【0107】
別のUE構成セットは、各コンポーネントキャリアに対して別々のUE電力クラスを適用してもよい。すなわち、UE構成セットD2317dは、コンポーネントキャリア1’2309に対してUE電力クラスB(K=1)2319bを適用し、コンポーネントキャリア2’2311に対してUE電力クラスB(K=2)2319bを適用し、コンポーネントキャリア3’2313に対してUE電力クラスD(K=3)2319dを適用し、コンポーネントキャリア4’2315に対してUE電力クラスA(K=4)2319aを適用する。
【0108】
UE構成セットN2317nは、例えば、コンポーネントキャリア1’2309に対してUE電力クラスA(K=1)2319aを適用し、コンポーネントキャリア2’2311に対してUE電力クラスC(K=2)2319cを適用する。UE構成セットN2317nはさらに、帯域2’2305と帯域3’2307との両方に対して電力クラスA(K=3)2319aを適用する。図23Hには、ほんのわずかなUE構成セット2317の例が示されているのみであり、多くの別の構成セット2317を使用することができる。
【0109】
上記無線通信デバイス104aは、UE電力クラスレポート2321を含んでもよい。該UE電力クラスレポート2321は、サポートされているUE電力クラス2323の数と、サポートされているUE電力クラスID2325を含んでもよい。例えば、上記無線通信デバイスがUE電力クラスA〜Eをサポートすると仮定すると、サポートされているUE電力クラス2323の数は5になる。上記サポートされているUE電力クラスID2325は、上記無線通信デバイス104aでサポートされている特定のUE電力クラス2398のそれぞれを識別する(例:A、B、C、D、E)。上記UE電力クラスレポート2321は、例えば、基地局102(例:eNB)に送信されてもよい。
【0110】
図23Iは、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイス104の上りリンク送信電力制御を行う方法2300の構成を示すフロー図である。この方法2300は、種々のUEカテゴリやクラスを周波数帯域、コンポーネントキャリアまたは電力増幅器によって1つの物理的UEにまとめることができるという柔軟性をオペレータおよびUE製造業者に与える。オペレータおよびUE製造業者はそれゆえ、種々のUEクラスの組み合わせを柔軟に生成することができる。マルチモード無線通信デバイスはそれゆえ、UE能力およびオペレータサービスの様々な混在を満足させるように、製造、配置されることを可能とする。
【0111】
無線通信デバイス104は、UE電力クラスレポート2321を(例えば、基地局102へ)送ってもよい(ステップ2327)。該無線通信デバイス104は、UE構成セットを決定してもよい(ステップ2329)。例えば、無線通信デバイス104は、基地局102からの能力やコマンドに基づいてUE構成セット2301を生成することができる。あるいは、該無線通信デバイス104は、UE構成セット2317をUE構成セット2301のテーブルから選択することができる。
【0112】
上記無線通信デバイス104は次に、規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して上記UE構成セット2317を適用する(ステップ2331)。上記UE構成ステップ(例:UE構成の適用(ステップ2331))は、特定のオペレータのネットワークに接続されているUEのための適切なUE構成がUEの物理的構成によって決められることから、より少ない頻度で生じてもよい。上記無線通信デバイス104は、(例えば、上述の式(1)、(2)、または(3)に示されているように)各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定してもよい(ステップ2333)。PMAXの決定(ステップ2333)は、図17における合計送信電力の決定(ステップ1702)と類似してもよい。
【0113】
上記無線通信デバイス104は、上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用するかを決定してもよい(ステップ2337)。上記無線通信デバイス104が上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用しないと決定した場合(ステップ2337)(例えば、すでに上記UE構成セットが適用されていない規定帯域またはコンポーネントキャリアがもうこれ以上、存在しない場合)、上記方法2300は終了してもよい(ステップ2339)。しかしながら、上記無線通信デバイス104が上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用すると決定した場合(ステップ2337)、上記方法2300は各電力クラスに基づくPMAXの決定(ステップ2333)に戻ってもよい。
【0114】
例えば、UE構成セット(例:2つのUE電力クラス)が適用されるべき2つのコンポーネントキャリアがあると仮定した場合、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定した後(ステップ2333)、上記無線通信デバイス104は、上記構成セットの中の追加のUE電力クラスが適用される必要があると決定する(ステップ2337)。このように、上記無線通信デバイス104は、第2のUE電力クラスの(例えば、第2のコンポーネントキャリアの)PMAXを決定し(ステップ2333)、該方法は前述のとおりに進む。
【0115】
ある構成では、上記無線通信デバイス104は、初期接続か基地局102の要求の時に、一度だけ、上記UE電力クラスレポート2321を送信し(ステップ2327)、UE構成セット2317を決定してもよい(ステップ2329)。これをすることによって、上記UE構成(例えば、規定帯域またはコンポーネントキャリアがどのPAを使用するか)が決定され、上りリンク電力制御パラメータ(例:式(1)、(2)、および/または(3)におけるPMAX)が決定される。これらのパラメータは、より少ない頻度で決定されてもよい(例:初期接続中、または基地局102のアップデート要求時)。上記無線通信デバイス104は、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定してもよい。上記無線通信デバイス104は、上記構成セット2317が別の規定帯域またはコンポーネントキャリア(例:次のK)に対して1度だけ、もしくは数回(すなわち上りリンク送信ごとに1度ずつ)適用される必要があるかどうかを決定してもよい(ステップ2337)。これらのステップは、初期接続または基地局102の要求の時に実行されてもよい。一度上りリンクパラメータ(例:Kおよび/またはPMAX)がこれらのステップで決定されると、上りリンク電力制御プロシージャ(例:図23Cにおける2330a〜b、図23Fにおける2392a、または図23Gにおける2392b)は各上りリンク送信時に実行される。
【0116】
図23Iに示される幾つかのステップはさらに、基地局102で行われてもよいことに留意すべきである。例えば、基地局102はUE構成セットを決定し(ステップ2329)、決定されたUE構成を使用するために上記無線通信デバイス104に対してコマンドを送ることができる。さらに、基地局102は、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定することができる(ステップ2333)。他方では、UE(すなわち無線通信デバイス104)は構成セット2301のテーブルから構成セット2317を選択し、選択された構成セット2317を基地局102に対して報告してもよい。
【0117】
SU−MIMO(ランク1)モード116cでは、無線通信デバイス104は物理的に1つのアンテナ106のみを使用してもよい。それはアンテナターンオフベクトル(antenna turn-off vector)が使用されたと言ってよい。アンテナターンオフベクトルが使用される時、無線通信デバイス104はシングルアンテナポートモード114aであると仮定される。言い換えれば、図21に示されるものと等しい送信電力が、1つのアンテナ106aに対して割り当てられる。残りのアンテナ106bに対しては、電力は割り当てられない。
【0118】
本開示の、少なくとも幾つかの様態は、単一と複数の両方のアンテナ送信スキームを許容する送信ダイバーシチの実装に関する。上記PUSCH送信ダイバーシチスキームは、2つのステップを含んでもよい。その第1のステップは開ループ送信ダイバーシチスキームであり、第2のステップはアンテナポート重み付け処理である。上記開ループ送信ダイバーシチスキームは、空間−周波数ブロック符号化(SFBC)、空間−時間ブロック符合化(STBC)、周波数選択的送信ダイバーシチ(FSTD)、または巡回遅延ダイバーシチ(CDD)であってもよい。
【0119】
開ループ送信ダイバーシチ処理の後、アンテナポート重み付け処理があってもよい。シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)が使用されていると仮定すると、離散フーリエ変換(DFT)、逆高速フーリエ変換(IFFT)、およびCP挿入処理が、上記開ループ送信ダイバーシチ処理および上記アンテナポート重み付け処理の後にあってもよい。これは図24に示されるFSTD、および図26に示されるCDDの場合である。あるいは、IFFTおよびCP挿入処理が、上記開ループ送信ダイバーシチ処理および上記アンテナポートの重み付け処理の後にあってもよい。これは図25に示されるSFBCの場合である。
【0120】
図24は、FSTDで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該FSTD開ループ送信ダイバーシチ機構は、符号ブロック分割モジュール2432、チャネル符号化モジュール2434、変調器モジュール2436、およびアンテナ分割モジュール2438を含む。上記アンテナ分割モジュール2438は、2つの出力を持つ。上記アンテナ分割モジュール2438の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2426a、第1の離散フーリエ変換(DFT)モジュール2440a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2442a、第1の逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール2444a、および第1のサイクリックプレフィックス(CP)挿入モジュール2446aによって処理される。上記アンテナ分割モジュール2438の第2の出力は、第2のアンテナポート重み付けモジュール2426b、第2のDFTモジュール2440b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2442b、第2のIFFTモジュール2444b、および第2のCP挿入モジュール2446bによって処理される。
【0121】
図25は、SFBCで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該SFBC開ループ送信ダイバーシチスキームは、直角位相振幅変調(QAM)モジュール2548、M−DFTモジュール2550、ブロック逆多重化モジュール2552、および空間−時間符号化モジュール2554を含む。上記空間−時間符号化モジュール2554は、2つの出力を持つ。上記空間−時間符号化モジュール2554の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2526a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2542a、第1のN−IDFT(逆離散フーリエ変換)モジュール2556a、および第1のCP挿入モジュール2546aによって処理される。上記空間−時間符号化モジュール2554の第2の出力は、第2のアンテナポート重み付けモジュール2526b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2542b、第2のN−IDFTモジュール2556b、および第2のCP挿入モジュール2546bによって処理される。
【0122】
図26は、CDDで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該CDD開ループ送信ダイバーシチスキームは、符号ブロック分割モジュール2632、チャネル符号化モジュール2634、および変調器モジュール2636を含む。上記変調器モジュール2636は、2つの出力を持つ。上記変調器モジュール2636の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2626a、第1のDFTモジュール2640a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2642a、第1のIFFTモジュール2644a、および第1のCP挿入モジュール2646aによって処理される。上記変調器モジュール2636の第2の出力は、巡回遅延モジュール2658、第2のアンテナポート重み付けモジュール2626b、第2のDFTモジュール2640b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2642b、第2のIFFTモジュール2644b、および第2のCP挿入モジュール2646bによって処理される。
【0123】
図27Aに示されるように、アンテナポート重み付け処理2726aは入力信号にxを掛ける。あるいは、図27Bに示されるように、アンテナポート重み付け処理2726bは入力信号に(1−x2)1/2を掛ける。いずれの場合においても、xは、x={1、sqrt(1/2)、0}、x={1、sqrt(1/3)、sqrt(1/2)、sqrt(2/3)、0}、またはx={1、sqrt(1/6)、sqrt(1/3)、sqrt(1/2)、sqrt(2/3)、sqrt(5/6)、0}のいずれであってもよい。図27Aおよび27Bにおけるアンテナポート重み付け処理2726a、2726bのいずれも、図24〜26におけるアンテナポート重み付けモジュール2426a、2426b、2526a、2526b、2626a、2626bとして利用されてもよい。アンテナポート重み付けは、データおよび復調参照信号(DMRS)の両方に適用されてもよい。106a、106bの2つの上りリンク送信アンテナの場合、x=0または1である時、このことは、それが実質上単一のアンテナ106の送信であることを暗示している。
【0124】
無線通信デバイス104は、送信ダイバーシチモード116bである時、常に2つのアンテナ106a、106bを使用するように構成されてもよい。例えば、ケース2’320(図3)において、送信ダイバーシチモード116bはマルチアンテナポートモード114bのみに属している。しかしながら、大きなアンテナ利得の不均衡は送信ダイバーシチ性能を下げる。さらに、送信ダイバーシチモード116bは電池寿命を短くする。したがって、無線通信デバイス104が上記送信ダイバーシチモード116bである時に、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aへ遷移することは、上記無線通信デバイス104にとって有益である。
【0125】
ここで開示されたシステムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、送信ダイバーシチモード116bを使用している時の、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの切り替えに関係する。この切り替えを起こすことができる、少なくとも3つの異なるメカニズムが存在する。第1に、上記無線通信デバイス104は自律的に(すなわち、上記基地局102から上記無線通信デバイス104への一切の明示的または暗黙的なシグナリングなしで)xの値を選択することができる。第2に、上記基地局102は物理下りリンク制御チャネル(PDCHH)シグナリングを介してxを設定してよい。第3に、上記無線通信デバイス104は上記基地局102によって設定されたxの値を上書きしてもよい。送信ダイバーシチモード116bにおけるシングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間の遷移に対して柔軟性を与えることで、大きなアンテナ利得の不均衡下における性能を向上することができ、さらに電力を節約することもでき、したがって、電池性能を向上させることができる。
【0126】
上述された第1のメカニズムは、上記無線通信デバイス104が送信ダイバーシチモード116bの間に、自律的にxの値を選択できるということである。言い換えれば、上記基地局102から上記無線通信デバイス104への一切の明示的または暗黙的なシグナリングなしで、上記無線通信デバイス104はxの値を変更できるということである。データおよびDMRSの両方にアンテナポート重み付け処理2726を適用することで、上記基地局102の受信処理は、上記無線通信デバイス104で使用されているxの値が明白であるようにできる。したがって、上記無線通信デバイス104は自律的にxの値を選択することができる。さらに、アンテナ106a、106bの間に大きなアンテナ利得の不均衡がある場合、この提案されたスキームは、一方のアンテナ106bの利得が非常に小さい場合には、もう一方のアンテナ106aに全ての送信電力を使えることから、性能の向上を得ることができる。あるいは、上記無線通信デバイス104のバッテリレベルが低い時、一方のアンテナ106aのみを使用することで、すなわちxの値を1に設定することで、電池寿命を長くできる。しかしながら、アンテナ106の利得の不均衡および無線通信デバイス104のバッテリレベルの双方が、上記無線通信デバイス104においてのみ知られている。それゆえ、上記無線通信デバイス104に自律的なxの値の選択を認めることは、有益である。
【0127】
経路損失情報、または上記無線通信デバイス104のバッテリレベル(下りリンク参照信号受信を介して上記無線通信デバイス104側で計測)に基づいて、上記無線通信デバイス104は、自律的にxを選択してもよい。例えば、上記無線通信デバイス104が下りリンク参照信号を計測して大きなアンテナ利得の不均衡(または大きな経路損失差)に気づいた時、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102への一切のシグナリングなしに、xの値を1に設定してもよい。他の例としては、上記無線通信デバイス104がバッテリレベルを計測して該バッテリレベルが低いことに気づいた時、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102への一切のシグナリングなしに、xの値を1に設定してもよい。
【0128】
他方では、上記基地局102が上りリンクチャネルおよびアンテナ利得の不均衡を(例えば、チャネルの相互依存関係を利用したチャネル評価、または上記無線通信デバイス104からのフィードバックを介して)見積もれる場合、または上記無線通信デバイス104のバッテリステータスを見積もれる場合、上記基地局102は上記無線通信デバイス104において使用されるxの値を設定することが可能であり、したがって、上記ネットワークは上記無線通信デバイス104による予期しない動作を回避することができる。
【0129】
PDCCHは、上記アンテナポート重み付けビットを明示的に含んでもよい。例えば、x={1、sqrt(1/2)、0}である場合、上記無線通信デバイス104に対してxの値を示すために、少なくとも2ビットが必要とされてよい。PDCCHは、上記無線通信デバイス104に対してxの値を示すため2ビットを運んでよい。PDCCHに上記アンテナポート重み付けビットを暗黙的に含むことをもう一つの解決法としてもよい。例えば、上記無線通信デバイス104の識別情報は、図28に示されるように、xのインデックスを表す暗黙的なシグナリングでマスクされてよい。
【0130】
上記基地局102は、上記無線通信デバイス104から報告された経路損失情報(例えば、参照信号受信電力)に基づいてxの値を選択することができる。あるいは、上記基地局102は、SRS受信を通して該基地局102側で計測された経路損失情報に基づいてxの値を選択してもよい。いずれの場合においても、上記基地局102はPDCCHを介してxを設定してもよい。
【0131】
上記無線通信デバイス104は、上記基地局102によって設定されたxの値を上書きしてもよい。上記基地局102からPDCCH上で送信されたxの設定値を上記無線通信デバイス104が上書きする場合に、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102にxの選択値を信号で送る必要がある。この信号送信は、PUSCH108の送信によって達成されてもよい。例えば、図29に示されるように、上記無線通信デバイス104は同じサブフレームでPUSCH108およびPUCCH110a、110bを送信してもよく、PUCCH110aはPUSCH108の送信で使用されるxの値を運んでもよい。別の例では、PUSCH108は図30に示されるように、制御情報としてxの値3028を運んでもよい。上記xの値3028を運ぶ上記シンボルおよびサブキャリアは、あらかじめ定義されたxの値3028(例:“x=1”)を使用してもよく、残りの部分は“受信したxの値”が該部分に使用されたと仮定して復号されてもよい。別の例として、図31に示されるように、PUSCH108内のCRC3030が、上記“xの値”3028によってマスクされてもよい。この場合、上記基地局102が、上記受信したPUSCH108を、複数のxの値3028をパラメータとして試用することで、複数回、復号してもよい。
【0132】
上記基地局102が、PUSCH108の受信を介して見積もられた“xの値”によって、自律的に上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに遷移したことを検知した場合、該基地局102は、該無線通信デバイス104が自律的にマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ遷移したと考えてよい。
【0133】
図32は、無線通信デバイス3204に利用され得る種々のコンポーネントを示している。無線通信デバイス3204は、図1における無線通信デバイス104として利用してもよい。上記無線通信デバイス3204は、該無線通信デバイス3204の動作を制御するプロセッサ3296を含む。プロセッサ3296は、CPUとも呼ばれる。メモリ3288は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、もしくは情報を蓄えるあらゆるタイプの機器を含む。該メモリ3288は、命令3289aおよびデータ3290aを、プロセッサ3296に与える。メモリ3288の一部はさらに、不揮発性RAM(NVRAM、non-volatile random access memory)を含んでもよい。さらに命令3289bおよびデータ3290bが、プロセッサ3296内にも存在している。プロセッサ3296内にロードされた命令3289bはさらに、プロセッサ3296によって、実行用にメモリ3288からロードされた命令3289aを含む。命令3289bは、プロセッサ3296によって実行され、ここで開示された上記方法を実施する。
【0134】
無線通信デバイス3204はさらに、データの送信と受信を可能にする送信機3292および受信機3293を格納するハウジングを含む。送信機3292および受信機3293は、トランシーバ3297にまとめられてもよい。アンテナ3298は、上記ハウジングに取り付けられており、トランシーバ3297と電気的に連結されている。追加アンテナが使用されてもよい。
【0135】
上記無線通信デバイス3204の様々なコンポーネントが、バスシステム3291によって互いに連結されている。このバスシステム3291は、データバスに加えて、電源バス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含んでもよい。しかしながら、描写を明快にするために、上記の様々なバスは、図32では、バスシステム3291として示されている。上記無線通信デバイス3204はさらに、信号の処理に使用されるDSP(digital signal processor)3294を含む。上記無線通信デバイス3204はさらに、通信機器3302(例:図33に示された基地局3302)の機能へのユーザのアクセスを可能とする通信インタフェース3295を含む。図32に示される無線通信デバイス3204は、特定のコンポーネントの一覧というよりは、機能ブロック構成図である。
【0136】
図33は、基地局3302に利用され得る種々のコンポーネントを示している。基地局3302は、図1における基地局102として利用されてもよい。基地局3302は、無線通信デバイス3304に関して上述されたコンポーネントと類似しているコンポーネントを含んでおり、プロセッサ3396、プロセッサ3396に命令3389aおよびデータ3390aを与えるメモリ3388、プロセッサ3396内に存在している命令3389bおよびデータ3390b、(組み合わせることでトランシーバ3397になる)送信機3392および受信機3393を格納するハウジング、トランシーバ3397と電気的に連結されているアンテナ3398、バスシステム3391、信号の処理に使用するDSP3394、通信インタフェース3295、その他を含む。
【0137】
“コンピュータ読取り可能な媒体”という用語は、コンピュータ、またはプロセッサがアクセスできるあらゆる媒体を意味する。限定ではなく例として、コンピュータ読取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶機器、もしくは他のあらゆる媒体から構成される。その媒体は、所望のプログラムコードを、命令もしくはデータ構造の形式で、保持または記憶するために使用できるものであり、かつコンピュータ、またはプロセッサによってアクセスできるものである。ここで使用されるディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD、compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD、digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標) disk)、およびブルーレイディスク(登録商標)(Blu-ray(登録商標) disc)を含む。ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザを用いて光学的に再生する。
【0138】
ここで開示された方法は、説明された方法を実現するための一つ以上のステップもしくは動作より成る。上記方法のステップおよび/または動作は、請求項の範囲から外れなければ、互いに交換できる。すなわち、ステップまたは動作の特別な順序が、説明された方法の適切な実行のために必要でない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、請求項の範囲から外れなければ修正されてもよい。
【0139】
上記請求項は、上記された詳細な設定もしくは構成に限定されるものではない。様々な修正、変更、および変形が、ここで記述されたシステム、手法、および装置の配置、操作、および細部において、請求項の範囲から外れなければ行われてもよい。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して無線通信システムに関する。より具体的には、本開示は、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイスにおける上りリンクの送信電力制御を実行するためのコンピュータ読取り可能媒体、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中の大勢の人間がコミュニケーションをとるようになったことから、無線通信システムは重要な手段となっている。無線通信システムは、それぞれが基地局によってサービスを受ける多数の無線通信デバイスのために通信を提供できる。
【0003】
無線通信デバイスは、無線通信システム上で音声および/またはデータの通信のために使用され得る電子デバイスである。また、無線通信デバイスは、移動局、ユーザ機器、アクセス端末、加入者局、移動端末、遠隔局、ユーザ端末、端末、加入者ユニット、移動デバイスなどとして称されてもよい。無線通信デバイスは、セルラー電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線モデムなどであってもよい。
【0004】
基地局は、無線通信デバイスと通信する固定局である(すなわち、固定位置に設置されている無線通信局である)。また、基地局は、アクセスポイント、NodeB、eNB(evolved Node B)、その他類似の専門用語として称されてもよい。“3GPP”とも称される第3世代移動体通信システム標準化プロジェクトは、第3および第4世代無線通信システムに関する国際的に適用可能な技術仕様書および技術報告書を定義することを目的とする共同協約(collaboration agreement)である。3GPPは、次世代移動体のネットワーク、システム、およびデバイスにの仕様を定義し得る。
【0005】
3GPP LTE(Long Term Evolution)は、将来の要求に対処するために、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)移動電話または移動デバイスを改善するためのプロジェクトに与えられた名称である。或る態様では、UMTSは、E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)およびE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)に関するサポートおよび仕様を提供するために変更された。LTE−A(LTE-Advanced)は、次世代のLTEである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスを開示している。該無線通信デバイスは、プロセッサと、該プロセッサと電子通信を行うメモリと、該メモリに格納された命令とを備えており、該命令は、複数の規定周波数帯域(regulated frequency bands)または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことが実行可能であり、さらに、上記命令は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることが実行可能である。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法を開示している。該方法は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを含み、上記無線通信デバイスにて、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、上記無線通信デバイスにて、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含む。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態は、無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うためのコンピュータ読取り可能媒体を開示している。該コンピュータ読取り可能媒体は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことが実行可能な命令と、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることが実行可能な命令とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】基地局と無線電子通信を行う無線通信デバイスを含む無線通信システムを示す図である。
【図2】無線通信デバイスがアンテナポートモードと送信モードとの間で遷移する手法の第1の例を示す図である。
【図3】無線通信デバイスがアンテナポートモードと送信モードとの間で遷移する手法の第2の例を示す図である。
【図4】無線通信デバイスが、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへの自律的な遷移について、基地局に暗黙的に通知する手法の一例を示す図である。
【図5】無線通信デバイスが、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへの自律的な遷移について、基地局に暗黙的に通知する手法の別の例を示す図である。
【図6】無線通信デバイスが、無線リソース制御(RRC)シグナリングに基づいて、マルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移する方法を示す図である。
【図7】無線通信デバイスが、RRCシグナリングに基づいて、シングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移する方法を示す図である。
【図8】無線通信デバイスが、所定期間の後にシングルアンテナポートモードへ戻ろうとする方法を示す図である。
【図9】無線通信デバイスが、特定の環境下でのシングルアンテナポートへの自律的な遷移を停止する方法を示す図である。
【図10】無線通信デバイスがマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ自律的に遷移したことを基地局が検知した後に、該基地局がリソースを再割り当てする方法を示す図である。
【図11】無線通信デバイスがマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ自律的に遷移したことを基地局が検知した後に、該基地局が時間/周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示する方法を示す図である。
【図12】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移するように構成する方法を示す図である。
【図13】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにマルチアンテナポートモードからシングルアンテナポートモードへ遷移するように構成する別の方法を示す図である。
【図14】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成する方法を示す図である。
【図15】基地局が、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成する別の方法を示す図である。
【図16】基地局が、無線通信デバイスにシングルアンテナポートモードからマルチアンテナポートモードへ遷移するように構成し、引き続いて、上記無線通信デバイスがシングルアンテナモードへ自律的に復帰したことを検知する方法を示す図である。
【図17】上りリンク電力制御プロシージャを示す図である。
【図18】図17に示された上りリンク電力制御プロシージャの一態様についてさらに詳細に示す図である。
【図19】図17に示された上りリンク電力制御プロシージャの別の態様についてさらに詳細に示す図である。
【図20】物理チャネルのドロップを行うかを決定するステップが実行される前の送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図21】物理チャネルのドロップを行うかを決定するステップが実行された後の送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図22】2つの20dBmの電力増幅器(power amplifier)を構成した状況における送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図23A】4つの17dBmのPAを構成した状況における送信電力の割り当ての例を示す図である。
【図23B】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの一例を示す図である。
【図23C】複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法の一構成を示すフロー図である。
【図23D】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの別の例を示す図である。
【図23E】複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアのさらに別の例を示す図である。
【図23F】複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法の別の構成を示すフロー図である。
【図23G】複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法の構成を示すフロー図である。
【図23H】アンテナポートモードの遷移と送信モードの遷移とのために無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うシステムおよび方法が実施され得る無線通信デバイスの一構成を示すブロック図である。
【図23I】アンテナポートモードの遷移と送信モードの遷移とのために無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行う方法の構成を示すフロー図である。
【図24】周波数選択的送信ダイバーシチ(FSTD)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図25】空間−周波数ブロック符号(SFBC)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図26】巡回遅延ダイバーシチ(CDD)として実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示す図である。
【図27A】アンテナポート重み付け処理の例を示す図である。
【図27B】アンテナポート重み付け処理の別の例を示す図である。
【図28】基地局が、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を、無線通信デバイスで使用されるように構成することができる一手法を示す図である。
【図29】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の一例を示す図である。
【図30】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の別の例を示す図である。
【図31】無線通信デバイスが、アンテナポート重み付け処理パラメータ(x)を上書きしたことを基地局へ通知し得る手法の別の例を示す図である。
【図32】無線通信デバイスに利用され得る種々のコンポーネントを示す図である。
【図33】基地局に利用され得る種々のコンポーネントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスを開示する。該無線通信デバイスは、プロセッサと、メモリに格納された命令とを含む。上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う。少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力が決定される。送信電力は、各アンテナに割り当てられる。
【0011】
上記無線通信デバイスは、1つより多いUE電力クラスをサポートするために単一の電力増幅器を使用してもよい。あるいは、複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートしてもよい。
【0012】
上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対し単一の電力増幅器を使用してもよい。あるいは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用してもよい。
【0013】
別の構成において、上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのうち、2つ以上であるが全てではない規定周波数帯域またはコンポーネントキャリアに対し単一の電力増幅器を使用してもよい。
【0014】
上記無線通信デバイスは、複数の規定帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して上りリンク送信電力制御を別々に行ってもよい。
【0015】
複数のユーザ機器(UE)電力クラスは、上記無線通信デバイスによってサポートされてもよい。或る構成においては、別々のUE電力クラスが複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対してセットされる。
【0016】
上記無線通信デバイスは、上記基地局に対してレポートを送信することができる。上記レポートは、上記無線通信デバイスによってサポートされたUE電力クラスの数と、該サポートされたUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含む。
【0017】
上記無線通信デバイスは、少なくとも1つのUE構成セットを格納し適用してもよい。上記UE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含んでもよい。上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されてもよい。
【0018】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法が開示されている。上記無線通信デバイスは、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことができる。上記上りリンク送信電力制御は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることによって行われる。
【0019】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための命令を含むコンピュータ読取り可能媒体が開示されている。上記命令は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うために実行される。上りリンク送信電力制御は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることによって行われる。
【0020】
上記コンピュータ読取り可能媒体は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定することと、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含んでいる、複数の規定帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うための実行可能な命令を含む。
【0021】
ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、3GPP LTEおよびLTE−Advanced規格(リリース8およびリリース10)に関連して説明される。しかしながら、本開示の範囲は、この点について限定されてはならない。ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、別のタイプの無線通信デバイスにおいて利用することができる。
【0022】
3GPP仕様書において、無線通信デバイスは概してユーザ機器(UE)を表し、基地局は概してNodeB、またはeNB(evolved Node B)を表す。しかしながら、本開示の範囲は、3GPP規格に限定されてはならない。それゆえ、上記用語“UE”および“無線通信デバイス”は、より一般的な用語“無線通信デバイス”を意味するように、本明細書において交換可能に使用されてもよい。さらに、上記用語“基地局”および“eNB”は、より一般的な用語“基地局”を意味するように、本明細書において交換可能に使用されてもよい。上記用語“通信機器”は、無線通信デバイスまたは基地局のいずれも示すように使用されてもよい。
【0023】
図1は、ここで開示された方法の少なくとも1つを利用することができる無線通信システム100を示している。上記システム100は、無線通信デバイス104と電気的に無線通信可能な基地局102を含む。上記基地局102と無線通信デバイス104との間の通信は、上記LTE−Advanced規格に合わせて行われる。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a、106bを含んでもよい。
【0024】
上記無線通信デバイス104と上記基地局102との間に存在する幾つかの上りリンク物理チャネルがあってもよい。上記物理チャネルは、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)108と、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)110と、サウンディング参照信号(SRS)112として送信されるチャネルとを含んでもよい。
【0025】
上記無線通信デバイス104は、少なくとも2つのアンテナポートモード114と、幾つかの物理チャネルの送信モード116とを持ってもよい。上記アンテナポートモード114は、シングルアンテナポートモード114aと、マルチアンテナポートモード114bとを含んでもよい。上記送信モード116は、シングルアンテナ送信モード116a、送信ダイバーシチモード116b、SU−MIMO(ランク1)モード116c、SU−MIMO(ランク2以上)モード116d、およびMU−MIMOモード116eを含む(SU−MIMOはシングルユーザ、マルチ入力マルチ出力を表し、MU−MIMOはマルチユーザ、マルチ入力マルチ出力を表す)。
【0026】
任意の時点において、上記無線通信デバイス104は、厳密に1つのアンテナポートモード114および厳密に1つの送信モード116の状態であってよい。アンテナポートモード114および送信モード116の組み合わせは、送信状態であるとみなすことができる。
【0027】
バッテリー寿命を節約するため、または空間リソースを適切に利用するために、上記無線通信デバイス104は上記アンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移可能でなければならない。ここで開示された上記システムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、これらのモード114,116の間で遷移するための安定した作用の決定に関係がある。
【0028】
上記無線通信デバイス104と上記基地局102との間で信頼できる通信が行われるためには、上記無線通信デバイス104が現在操作しているアンテナポートモード114を、上記基地局102が把握していなければならない。上記無線通信デバイス104が該機器のアンテナポートモード114の変更(そして、それゆえの該機器の送信状態の変更)を上記基地局102からのシグナリングなしに行った場合(“自律的に”該機器のアンテナポートモード114を変更する、と表す)、上記基地局102は、該基地局の受信機とスケジューリング特性を、アンテナポートモード114の変更に適応するように調整しなければならない。さらに、上記無線通信デバイス104が、上記基地局102が該無線通信デバイスのアンテナポートモード114に関する情報を受信したかを判定可能にするためには、該無線通信デバイスのアンテナポートモード114の変更の判定において、上記基地局102による一貫性のある動作を定義することが有効である。ここで開示されている方法における少なくとも幾つかの様態は、上記無線通信デバイス104が該機器の送信状態を変更する時に、上記基地局102と上記無線通信デバイス104との間の明示的なシグナリングを最小限にする状態遷移メカニズムに関する。
【0029】
図2は、無線通信デバイス104がアンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移する手法の第1の例を示している。この例は、ケース1’218と称する。各送信モード116は、シングルアンテナポートモード114aおよび/またはマルチアンテナポートモード114bに属している。例えば、上記シングルアンテナ送信モード116aは、シングルアンテナポートモード114aのみに属している。上記送信ダイバーシチモード116b、上記SU−MIMOモード(ランク1)116c、および上記MU−MIMOモード116eは、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの両方に属してもよい。上記SU−MIMOモード(ランク2以上)116dは、上記マルチアンテナポートモード114bのみに属している。
【0030】
図3は、無線通信デバイス104がアンテナポートモード114と送信モード116との間で遷移する手法の第2の例を示している。この例は、ケース2’320と称する。ケース2’320において、シングルアンテナ送信モード116aは、シングルアンテナポートモード114aのみに属している。送信ダイバーシチモード116bおよびSU−MIMOモード(ランク1)116cは、マルチアンテナポートモード114bのみに属している。SU−MIMOモード(ランク2以上)116dは、マルチアンテナポートモード114bのみに属している。MU−MIMOモード116eは、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの両方に属してもよい。
【0031】
無線通信デバイス104は、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移することができる。この遷移が起きた時、上記無線通信デバイス104は、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知することができる。
【0032】
図4は、無線通信デバイス104が、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知する手法の一例を示している。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a〜bを利用することができる。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bである時、マルチコード422a、422b、SRS112が送信される。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに(上記基地局102への一切の明示的なシグナリング無しに)遷移する時、上記無線通信デバイス104はSRS112を1つのコード422aのみで送信する。上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がSRS112を1つのコード422aのみによって送信したことを検知することで、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移したことを推定することができる。
【0033】
図5は、無線通信デバイス104が、マルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移について、基地局102に暗黙的に通知する手法の別の例を示している。上記無線通信デバイス104は、複数のアンテナ106a〜bを利用することができる。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bである時、上記PUCCH110が複数のリソースブロック(RB)524a、524bで送信される。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに(上記基地局102への一切の明示的なシグナリング無しに)遷移する時、上記無線通信デバイス104は、上記PUCCH110の送信に1つのRB524aのみを使用する。
【0034】
上記PUCCH110のためのRB524の優先順位は事前に定義されてもよい。例えば、図5において、より低い周波数(または外側の周波数)は、より高い優先順位を持つ。よって、より低いRB524a(または外側のRB524a)は、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移する時に使用される。この場合、上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移する時に、RB524がドロップされることを、上記基地局102へ通知するためのシグナリングは必要とされない。
【0035】
次に、図6を参照する。図6の方法600は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ構成され得ることを示している。より具体的には、図6は無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信し得る(ステップ602)ことを示している。RRCシグナリングの受信(ステップ602)に応答して、上記無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル108(例えば、PUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、シングルアンテナポートモード114aへ遷移してよい(ステップ604)。上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aへ遷移した場合、上記無線通信デバイス104は図4(b)またが図5(b)に示されるようにPUCCH110またはSRS112を送信する。
【0036】
図6にて参照されるRRCシグナリングは、上記PUSCH108のための上記送信モード116を含んでもよい。上記無線通信デバイス104が図3におけるケース2’320(上記SU−MIMOモード(ランク1)116cおよび上記SU−MIMOモード(ランク2)116dが上記マルチアンテナポートモード114bに属し、上記シングルアンテナ送信モード116aが上記シングルアンテナポートモード114aに属している上記送信ダイバーシチモード116b)に応じて構成されるものと仮定して、一例が説明される。無線通信デバイス104が、送信ダイバーシチモード116b、SU−MIMOモード(ランク1)116cまたは上記SU−MIMOモード(ランク2)116dである間に、上記シングルアンテナ送信モード116aへの遷移を示すPUSCH送信モードのRRC信号を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関して、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aに遷移する。
【0037】
あるいは、上記図6にて参照されるRRCシグナリングは、上記アンテナポートモード114を含んでもよい。無線通信デバイス104が、上記アンテナポートモード114が上記シングルアンテナポートモード114aになるべきであるとの指示を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関し、上記シングルアンテナポートモード114aに遷移してよい。
【0038】
次に、図7を参照する。図7の方法700は、RRCシグナリングを介して、無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aからマルチアンテナポートモード114bへ構成されてもよいことを示している。より具体的には、図7は無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信する(ステップ702)ことを示している。RRCシグナリングの受信(ステップ702)に応答して、上記無線通信デバイス104は1つ以上の物理チャネル108(例えば、PUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、マルチアンテナポートモード114bへ遷移する(ステップ704)。上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bへ遷移した場合、上記無線通信デバイス104は図4(a)またが図5(a)に示されるようにPUCCH110またはSRS112を送信してよい。
【0039】
図7におけるRRCシグナリングは、上記PUSCH108に関する上記送信モード116を含んでもよい。上記無線通信デバイス104が図3におけるケース2’320に応じて構成されるものと仮定して、一例が説明される。無線通信デバイス104が、上記シングルアンテナ送信モード116aから上記送信ダイバーシチモード116b、上記SU−MIMOモード(ランク1)116cまたは上記SU−MIMOモード(ランク2)116dへの遷移を示すPUSCH送信モードのRRC信号を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル(例えばPUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、上記シングルアンテナポートモード114aから上記マルチアンテナポートモード114bへ遷移する。
【0040】
あるいは、上記図7におけるRRCシグナリングは、上記アンテナポートモード114を含んでもよい。無線通信デバイス104が、上記アンテナポートモード114が上記マルチアンテナポートモード114bになるべきであるとの指示を受信した時、該無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネル(例えばPUSCH108、PUCCH110、SRS112)に関し、上記マルチアンテナポートモード114bに遷移する。
【0041】
次に、図8を参照する。図8の方法800は、無線通信デバイス104が(図8にてTとして示される)所定期間の後に、シングルアンテナポートモード114aへ戻ろうとすることを示している。上記所定期間は、上記無線通信デバイス104と基地局102の両方に、それぞれのより上位の層のシグナリングを介して、または上記無線通信デバイス104のクラスパラメータとして、知られる。
【0042】
より具体的には、上記無線通信デバイス104がRRCシグナリングを受信した時(ステップ802)、タイマーがリセットされ(ステップ804)、カウントを開始する。上記無線通信デバイス104は、1つ以上の物理チャネルに関して、上記マルチアンテナポートモード114bに遷移する(ステップ806)。上記無線通信デバイス104が、上記タイマーが所定期間(T)を超過したことを判定した時(808)、次に、上記無線通信デバイス104は上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に戻る(ステップ810)。
【0043】
次に、図9を参照する。図9の方法900は、無線通信デバイス104が、特定の環境下でのシングルアンテナポート114aへの自律的な遷移を停止する手法を示している。上記基地局102の上記マルチアンテナポートモード114bへの遷移の命令と、上記無線通信デバイス104の上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移との間の巡回のパターンが、(Pとして図9に示される)特定時間の間に(システムパラメータとして定義される)特定回数生じた場合、上記無線通信デバイス104は、上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を停止する。上記無線通信デバイス104は(図9にてQとして示される)特定時間経過後に上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を再開する。
【0044】
より具体的には、上記無線通信デバイス104は、RRCシグナリングが受信されたかを判定する(ステップ902)。RRCシグナリングが受信された場合、上記無線通信デバイス104は1つ以上の物理チャネルに関し、上記マルチアンテナポートモード114bへ遷移してよい(ステップ904)。さらに、上記無線通信デバイス104はタイムスタンプ“T1”を生成する(ステップ906)。上記無線通信デバイス104は次に、(上記無線通信デバイス104が上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移した回数を表す)Nが、図9において“特定の回数”として示されている所定の限度を超過したかを判定する(ステップ908)。所定の限度を超過していない場合、上記無線通信デバイス104は上記シングルアンテナポートモード114aへ自律的に戻る(ステップ910)。タイムスタンプ“T2”が生成されてもよい(ステップ912)。さらに、上記無線通信デバイス104はT2−T1<P(上述されたように、Pは所定期間を表す)であるかを判定する(ステップ914)。T2−T1<Pでない場合、Nの値はリセットされ(ステップ916)、上記方法900はステップ902に戻り、上述されていることを継続してよい。
【0045】
ステップ908において、Nが所定の限度を超過していると判定された場合、上記方法は(上記シングルアンテナポートモード114aへ戻る(ステップ910)ことなく)ステップ902に戻り、上述されたように繰り返す。ステップ914において、T2−T1がPより少ないと判定された場合、上記方法は(Nをリセット(ステップ914)することなく)ステップ902に戻り、上述されたように繰り返す。ステップ902において、RRCシグナリングが受信されなかったと判定された場合、上記無線通信デバイス104はタイムスタンプ“T3”を生成する(ステップ918)。T3−T1>Q(上述されたように、Qは所定期間を表す)である場合、上記Nの値はリセットされる(ステップ920)。上記方法900は、ステップ908へ進み、上述されていることを継続してよい。
【0046】
上記基地局102は、上記無線通信デバイス104の、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移を検知することができる。例えば、上記基地局102が複数(例えば、2つまたは4つ)の符号422を、マルチアンテナポートモード114bの上記無線通信デバイス104のために割り当てると仮定する。たとえ上記基地局102における情報が、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bであると示したとしても、(図4(b)に示されるように)上記SRS112が1つの符号422aのみで送信されたと上記基地局102が検知した場合、上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したとみなす。
【0047】
別の例として、上記基地局102が複数(例えば、2つ)のRB524を、マルチアンテナポートモード114bの上記無線通信デバイス104のために割り当てると仮定する。たとえ上記基地局102における情報が、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bであると示したとしても、(図5(b)に示されるように)上記無線通信デバイス104がPUCCH110のための1つのRB524aのみを使用していると上記基地局102が検知した場合、上記基地局102は、上記無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したとみなす。
【0048】
次に、図10を参照する。図10の方法1000は、第1の無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したことを上記基地局102が検知すると直ちに(ステップ1002)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aへ変更し(ステップ1004)、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1006)ことを示している。例えば、上記第1の無線通信デバイス104のための図4における符号#2’422bおよび/または図5におけるRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104への一切のシグナリングなしに、上記第2の無線通信デバイス104へ再割り当てされる。
【0049】
次に、図11を参照する。図11の方法1100は、第1の無線通信デバイス104がマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ自律的に遷移したことを上記基地局102が検知すると直ちに(ステップ1102)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aへ変更する(ステップ1104)ことを示している。上記基地局102は、(シングルアンテナポートモード114aによって暗示された)シングル入力シングル出力送信が上記無線通信デバイス104によって実行されたと仮定して、時間−周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示する(ステップ1106)。該スケジューリングは、上記基地局102が、該基地局のスケジューリングアルゴリズムによって決定された目標(例えば、料金(revenue)、通信容量、最適化、または他の当該基準)のために、上記無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングル114aからマルチ114bに変更することを決定しない限り、および決定するまでは行われる。
【0050】
上記基地局102は、RRCシグナリングを介して、上記無線通信デバイス104をマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ遷移するように構成してもよい。上記RRCシグナリングは、上記PUSCH送信モードを含んでもよい。例えば、図12に示される方法1200を参照すると、上記基地局102は、上記RRCシグナリング内のPUSCH送信モードパラメータを使用することによって、第1の無線通信デバイス104に、シングルアンテナ送信モード116aへ遷移するように通知してよい(ステップ1202)。次に、上記基地局102は、上記第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aに変更し(ステップ1204)、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を、第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1206)。
【0051】
あるいは、図13に示される方法1300を参照すると、明示的なアンテナポートモードパラメータは、RRCシグナリングを介して構成されてもよい。上記基地局102は、上記第1の無線通信デバイス104のステータスをシングルアンテナポートモード114aに変更する(ステップ1302)。上記基地局102はさらに、RRCシグナリングを介したアンテナポートパラメータを使用することによって、上記第1の無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングルアンテナポートモード114aへ構成してもよい(ステップ1304)。一度上記基地局が上記第1の無線通信デバイス104のステータスを変更すると(ステップ1302)、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104においてもはや使用されていないリソースの一部を第2の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1306)。
【0052】
上記基地局102は、RRCシグナリングを介して、上記無線通信デバイス104を、シングルアンテナポートモード114aからマルチアンテナポートモード114bへ遷移するように構成してもよい。例えば、図3に示されるケース2’320を仮定すると、上記基地局102は、RRCシグナリングのPUSCH送信モードパラメータを使用して、送信ダイバーシチモード116bまたはSU−MIMOモード(ランク1)116cに遷移するように、上記第無線通信デバイス104へ通知してもよい。
【0053】
図14に示される方法1400を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てしてもよい(ステップ1402)。例えば、図4の符号#2’422bおよび/または図5のRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104へ再割り当てされる(ステップ1402)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1404)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのPUSCH送信モードパラメータを使用して、送信ダイバーシチモード116bまたはSU−MIMOモード(ランク1)116cに遷移するように該無線通信デバイス104に指示する(ステップ1406)。
【0054】
あるいは、図2に示されたケース1’218(送信ダイバーシチモード116bおよびSU−MIMOモード(ランク1)116cがマルチアンテナポートモード114bとシングルアンテナポートモード114aとの両方に属している)を仮定すると、明示的なアンテナポートモードパラメータがRRCシグナリングを介して構成されてもよい。図15に示された方法1500を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1502)。例えば、図4の符号#2’422bおよび/または図5のRB#2’524bは、上記第1の無線通信デバイス104へ再割り当てされる(ステップ1502)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1504)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのアンテナポートモードパラメータを使用して、マルチアンテナポートモード114bへ遷移するように該第1の無線通信デバイス104に指示する(ステップ1506)。
【0055】
上記無線通信デバイス104が、上記基地局102から、マルチアンテナポートモード114bへの遷移の指示の後で、シングルアンテナポートモード114aに戻る場合、該基地局102は、シングル入力シングル出力送信が該無線通信デバイス104によって実行されるものであると仮定して、時間−周波数リソースをスケジューリングし、変調符号化方式のレベルを指示してもよい。このスケジューリングは、上記基地局がマルチアンテナポートモード114bを再確立するためにRRCコマンドを再送信する時に、上記基地局102が、上記無線通信デバイス104のアンテナポートモード114をシングル114aからマルチ114bに変更することを決定するまで続く。
【0056】
図16に示される方法1600を参照すると、上記基地局102は、第2の無線通信デバイス104のリソースを第1の無線通信デバイス104へ再割り当てする(ステップ1602)。次に、上記基地局102は、該第1の無線通信デバイス104のステータスをマルチアンテナポートモード114bへ変更し(ステップ1604)、そして上記基地局102は、RRCシグナリングのアンテナポートモードパラメータを使用して、上記第1の無線通信デバイス104に、マルチアンテナポートモード114bへ遷移するように指示する(ステップ1606)。上記無線通信デバイス104のシングルアンテナポートモード114aへの自律的な遷移が検知された時(ステップ1608)、上記方法1600はステップ1604へ戻り、上述したことを繰り返す。
【0057】
ここで開示されているシステムおよび方法の別の様態は、マルチアンテナ送信モードおよびマルチ物理チャネルをサポートするための上りリンク送信電力制御に関する。図17に示された方法1700を参照すると、上りリンク電力制御プロシージャは2つのステップを含む。第1のステップは、各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力を決定することである(ステップ1702)。第2のステップは、各アンテナ106に対する送信電力を割り当てる手法の決定である(ステップ1704)。上記無線通信デバイス104は、上記第1のステップ(ステップ1702)と、上記第2のステップ(ステップ1704)との両方を行ってもよい。上記基地局102は、上記第1のステップ(ステップ1702)のみを行ってもよい。上記第2のステップ(ステップ1704)、すなわち各アンテナ106に対する送信電力の割り当ては、上記無線通信デバイス104が上記シングルアンテナポートモード114aであるか、または上記マルチアンテナポートモード114bであるか次第で異なっていてもよく、該割り当ては電力増幅器(PA)構成に依存してもよい。
【0058】
図18は、ステップ1(ステップ1702)(すなわち各CCに対する合計送信電力の決定)の詳細を示している。図18に示されるように、ステップ1(ステップ1702)は2つのサブステップ(ステップ1802、ステップ1804)を含んでもよい。第1のサブステップは、各CCに対する合計送信電力を決定するものである(ステップ1802)。第2のサブステップは、どの物理チャネルをドロップするかを決定するものである(ステップ1804)。幾つかの場合において、上記第2のサブステップ(ステップ1804)はスキップされてもよい。
【0059】
上記第1のサブステップ(ステップ1802)の詳細は、上記物理チャネルに依存する。PUSCH108では、各CCの送信電力は、式(1)によって決定されてよい。
【0060】
【数1】
【0061】
式(1)はdBm単位で表される。式(1)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。PMAXは合計最大許容電力である。MPUSCH(i、k)は、UL CCkにおける連続的または不連続的なPRBの数である。P0_PUSCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUSCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_PUSCH(k))コンポーネントとの合計である。α(k)は、0≦α(k)≦1であるUL CCkのTPCのセル固有パラメータの小数部である。PL(k)は、下りリンクCCkに対する下りリンク経路損失推定値である。式ΔTF(i、k)=10・log10(2KS(k)・TBS(i、k)/NRE(i、k)−1)において、KS(k)=0または1.25であり、TBS(i、k)はTBのサイズであり、NRE(i、k)=MPUSCH(i、k)・NRBSC・NPUSCHsymb(i、k)である。式f(i、k)=f(i−1、k)+δPUSCH(i、k)は、サブフレームiの間のCL TPCコマンドδPUSCH(i、k)を累積する関数であり、f(0、k)を累積のリセット後の初期値とする。PUCCH110に関し、各CCの送信電力が、式(2)によって決定することができる。
【0062】
【数2】
【0063】
式(2)はdBm単位で表される。式(2)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。MPUCCH(i、k)は、UL CCkの中のPUCCHに割り当てられた直交リソースの数である。P0_PUCCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUCCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_UE_PUCCH(k))コンポーネントとの合計である。PL(k)はULkにおいて推定される経路損失である。式h(・)は、PUCCHフォーマットに依存する値である。式ΔF_PUCCH(F)はフォーマット1aと相関的なPUCCHフォーマット(F)に対応する。式g(i、k)は、CCk内のCL TPCコマンドを累積する関数である。
【0064】
上記PUCCHの直交リソースとは、特定の無線通信デバイスに割り当てられた直交符号および周波数リソースを意味してもよい。直交符号は、Zadoff−Chuシーケンスおよび直交カバー(例えば、Walsh符号)を含む。周波数リソースは、3GPP LTEリリース8における専門用語では、リソースブロックを意味する。したがって、2つの異なるZadoff−Chuシーケンスおよび等しいRBが無線通信デバイスに割り当てられた場合、2つの直交リソースが該無線通信デバイスに割り当てられたと言える。等しいZadoff−Chuシーケンスおよび2つの異なるRBが無線通信デバイスに割り当てられた場合、2つの直交リソースが該無線通信デバイスに割り当てられたと言える。
【0065】
PUCCH110に関する別の例では、各CCのための送信電力は、式(2−1)によって決定されてよい。
【0066】
【数3】
【0067】
式(2−1)はdBm単位で表される。式(2−1)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。P0_PUSCH(k)は、セル固有の(P0_NOMINAL_PUCCH(k))と、無線通信デバイス固有の(P0_UE_PUCCH(k))コンポーネントとの合計である。PL(k)はULkにおいて推測される経路損失である。式h(・)は、PUCCHフォーマットに依存する値である。式ΔF_PUCCH(F)はフォーマット1aと相関的なPUCCHフォーマット(F)に対応する。式g(i、k)は、CCk内のCL TPCコマンドを累積する関数である。
【0068】
SRS112では、各CCの送信電力は、式(3)によって決定される。
【0069】
【数4】
【0070】
式(3)はdBm単位で表される。式(3)において、kは上りリンクCC番号であり、iはサブフレーム数である。PSRS_OFFSET(k)は無線通信デバイス特有のパラメータである。MSRS(k)は上りリンクCCk内のPRBにおけるSRS送信帯域である。残りのパラメータは、UL CCkのPUSCH送信で定義されたものと同様である。
【0071】
図19を参照すると、第2のサブステップ(ステップ1804)の詳細(すなわちどのように物理チャネルをドロップするかを決定する方法)が示されている。予測送信電力と最大送信電力とが比較される(ステップ1902)。予測送信電力が最大送信電力よりも小さい場合、上記方法はステップ2(ステップ1704)に進んでよい。そうでない場合、あらかじめ定義された優先順位に基づいて上記物理チャネルがドロップされる(ステップ1904)。次に、上記方法は予測送信電力と最大送信電力との比較(ステップ1902)に戻る。
【0072】
予測送信電力と最大送信電力との比較(ステップ1902)のための“予測送信電力”の定義は、式(4)で表される。
【0073】
【数5】
【0074】
上記最大送信電力は、上記合計送信電力によって定義されてもよい。上記最大送信電力は、(政府規制によって制限されている)上記無線通信デバイス104の電力クラスによって定義されてもよい。例えば、上記最大送信電力は23dBm、21dBm、25dBmなどであってもよい。
【0075】
式(4)において、nPUSCH、nPUCCHおよびnSRSは以下を意味する。PUSCH108がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=1である。PUSCH108がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=0である。PUCCH110がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUCCH(i、nns、l、k)=1である。PUCCH110がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUCCH(i、nns、l、k)=0である。SRS112がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられている場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=1である。SRS112がi番目のサブフレームであり、nns番目のスロットであり、l番目のシンボルであり、k番目のコンポーネントキャリアである特定のシンボルに割り当てられていない場合は、nPUSCH(i、nns、l、k)=0である。
【0076】
あらかじめ定義された上記物理チャネル優先順位の順序は、以下の通りである。概して、上記順序は上記物理チャネルのあらゆる交換が可能であり、基地局スケジューリングおよび制御によって決定されることも可能である。ある一例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>PUSCHの低い周波数>>PUCCHの高い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>SRSの低い周波数>>SRSの高い周波数である。別の例では、PUCCHの低い周波数>>>PUCCHの高い周波数>SRSの低い周波数>>SRSの高い周波数>>>PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。別の例では、SRSの低い周波数<<PUCCHの低い周波数<<PUSCHの低い周波数<<SRSの高い周波数<<PUCCHの高い周波数<<PUSCHの低い周波数>>PUSCHの高い周波数である。該順序に基づいて、幾つかの物理チャネルは、上記予測送信電力が上記最大送信電力よりも低くなるまでドロップされてもよい。図20および21に、一例が示されている。図20は、物理チャネルのドロップを行うかどうかを決定するステップ(ステップ1804)を実行する前の送信電力の割り当てを示している。図21は、該ステップ(ステップ1804)を実行した後の送信電力割り当てを示している。
【0077】
上述された上りリンク電力制御プロシージャが適用された場合、上記基地局102は、たとえ各無線通信デバイス104が異なる電力増幅器(PA)の構成を持っていたとしても、電力制御のために、上記無線通信デバイス104のPAの設定を無視することができる。言い換えれば、電力制御はPAの構成と無関係に行うことができる。したがって、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間の遷移で必要とされるシグナリングが少なくなる。その上、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間には共通する電力制御式があることから、両モードの間での急激な電力変化もない。
【0078】
無線通信デバイスは、ステップ1(ステップ1702)およびステップ2(ステップ1704)の両方を、該機器の上りリンク電力制御プロシージャに持っていてもよい。上記基地局102は、ステップ1(ステップ1702)のみを、該基地局の上りリンク電力制御プロシージャに持っていてもよい。上記基地局102は、上記無線通信デバイス104の上記PAの構成およびアンテナポートモード114を、該基地局の上りリンク電力制御プロシージャによって、無視することが可能である。
【0079】
シングルアンテナポートモード114aにおいては、上記PAの構成によって、送信電力の割り当てが、アンテナ106aと106bとで異なる。例えば、2つまたは4つの23dBmのPA構成の場合では、シングルアンテナポートモード114aは物理的に1つのPAのみを使用してもよい。言い換えれば、図21に示されたものと等しい送信電力が1つのアンテナ106aに対して割り当てられる。残りのアンテナ106bに対しては、電力は割り当てられない。2つの20dBmのPA構成の場合、シングルアンテナポートモード114aは物理的に2つのPAを使用してもよく、各アンテナ106a、106bに割り当てられた送信電力は、図22に示されるようになる。4つの17dBmのPA構成の場合、シングルアンテナポートモード114aは物理的に2つのPAを使用してもよく、各アンテナ106に割り当てられた送信電力は、図23Aに示されるようになる。マルチアンテナポートモード114bにおいて、2つのアンテナ106a、106bがある場合、図22に示されるように、2分の1の送信電力が各アンテナ106に対して割り当てられる。図23Aに示されるように、4つのアンテナ106がある場合には、4分の1の送信電力が各アンテナ106に対して割り当てられる。図23Aに示された例では、Kは、両方の描かれた帯域に対して単一の電力増幅器(PA)が使用されていることを示す。すなわち、Kは両方の帯域に渡って、共通の値(すなわち、K=1)を持つ。
【0080】
図23Bは、複数の規定周波数帯域および複数のコンポーネントキャリアの一例を示す図である。この図は、周波数のスケール2308に沿って、3つのコンポーネントキャリア2302、2304、2306と、2つの周波数の“塊(chunks)”すなわち規定周波数帯域2310、2312とを示している。コンポーネントキャリア1’2302、コンポーネントキャリア2’2304、およびコンポーネントキャリア3’2306はそれぞれ、k=1、k=2、およびk=3によって示される。コンポーネントキャリア1’2302およびコンポーネントキャリア2’2304は、規定帯域1’2310に配置されている。コンポーネントキャリア3’2306はより高い周波数2308の範囲内の規定帯域2’2312の配置されている。例えば、規定帯域1’2310は、800MHz帯の周波数帯域である一方、規定帯域2’2312は、2GHz帯の周波数帯域である。
【0081】
図23Bはさらに、幾つかの無線通信デバイスの構成例も示している。ことさらに、幾つかの異なる電力増幅器配列が示されている。これらの例において、Kは種々の電力増幅器を示す。例えば、電力増幅器A(K=1)2314は、規定帯域1’2310および規定帯域2’2312の両方に対して信号の増幅を提供する。それゆえ、電力増幅器A(K=1)2314は、コンポーネントキャリア1’2302、コンポーネントキャリア2’2304、およびコンポーネントキャリア3’2306に対して信号の増幅を提供する。言い換えれば、上記無線通信デバイス104は、送信された全ての周波数帯域に対して単一の電力増幅器が信号の増幅を提供するように構成されてもよい。
【0082】
別の構成では、電力増幅器B(K=1)2316が、規定帯域1’2310を増幅する(例えば、コンポーネントキャリア1’2302およびコンポーネントキャリア2’2304を増幅する)一方、電力増幅器C(K=2)2318が、規定帯域2’2312を増幅する(例えば、コンポーネントキャリア3’2306を増幅する)。このように、上記無線通信デバイス104は、1つ以上のコンポーネントキャリアを持つ各規定周波数帯域に、別々の電力増幅器が提供されるように構成されてもよい(例えば、上記無線通信デバイスは複数の電力増幅器を含んでもよい)。
【0083】
さらに別の構成では、電力増幅器は、異なる規定周波数帯域における別々のコンポーネントキャリアを増幅してもよい。例えば、電力増幅器E(K=2)2322は、コンポーネントキャリア2’2304(例えば、規定帯域1’2310内の)およびコンポーネントキャリア3’2306(例えば、規定帯域2’2312内の)に対して信号の増幅を提供してもよい。電力増幅器D(K=1)2320が、コンポーネントキャリア1’2302に提供されてもよい。
【0084】
別の構成では、別々の電力増幅器が各コンポーネントキャリアに提供されてもよい。ある構成例では、電力増幅器F(K=1)2324がコンポーネントキャリア1’2302に対して信号の増幅を提供する一方、電力増幅器G(K=2)2326はコンポーネントキャリア2’2304を増幅し、電力増幅器H(K=3)2328はコンポーネントキャリア3’2306を増幅する。このように、図23Bは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値で示される別々の電力増幅器を使用している場合、各電力増幅器は各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに対して信号の増幅を提供することを示している。
【0085】
図23Cは、複数の規定周波数帯域に対して上りリンク送信電力制御を行う方法2330の一構成を示すフロー図である。この構成では、複数の規定帯域のために、図17に示される方法が行われる。例えば、無線通信デバイス104は、ステップ2330aにK=1として示される各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力をステップ2332aで決定する。上記無線通信デバイス104は次に、各アンテナ106に対して送信電力を割り当てる(ステップ2334a)。このプロシージャはK=2として繰り返してもよい(ステップ2330b)。すなわち、K=2として、上記無線通信デバイス104は各コンポーネントキャリア(CC)に対する合計送信電力を決定し(ステップ2332b)、次に、各アンテナ106に対して送信電力を割り当てる(ステップ2334b)。より詳細には、各規定帯域またはコンポーネントキャリアのための図23Cのステップ1’2332a〜bは、図17のステップ1’1702において実行されたものと同じプロシージャであってよい。図23Cのステップ2’2334a〜bは、図17のステップ2’1704において実行されたものと同じプロシージャであってよい。
【0086】
図23Dは、複数の規定周波数帯域およびコンポーネントキャリアの別の例を示す図である。この例では、4つのコンポーネントキャリア2336、2338、2340、2342(k=1〜4)と、3つの規定帯域2346、2348、2350とが、周波数のスケール2334に沿って示されている。この場合、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338が、規定帯域1’2346に含まれる。規定帯域2’2348はコンポーネントキャリア3(k=3)2340のみを含み、規定帯域3’2350はコンポーネントキャリア4(k=4)2342のみを含む。例えば、規定帯域1’2346は800MHzの周波数の範囲内にあってもよく、規定帯域2’2348は1.7GHzの周波数の範囲内にあってもよく、規定帯域3’2350は2GHzの周波数の範囲内にあってもよい。
【0087】
ある構成では、電力増幅器A(K=1)2352は、全ての規定帯域2346、2348、2350に対して信号の増幅を提供する単一の電力増幅器であってもよく、それゆえ、全ての上記コンポーネントキャリア(k=1〜4)2336、2338、2340、2342に対して信号の増幅を提供する単一の電力増幅器であってもよい。別の構成では、複数の電力増幅器が、個別、または複数のコンポーネントキャリアおよび/または規定帯域への電力供給に使用されてもよい。例えば、電力増幅器B(K=1)2354は、規定帯域1’2346(すなわち、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のような)に信号の増幅を提供してもよい。規定帯域2’2348が電力増幅器C(K=2)2356を使用する一方、規定帯域3’2350は電力増幅器D(K=3)2358を使用する。
【0088】
別の構成では、別々の規定周波数帯域の複数のコンポーネントキャリアに対して、単一の電力増幅器が増幅を供給してもよい。例えば、電力増幅器F(K=2)2363は、規定帯域2’2348と規定帯域3’2350とで分離されているコンポーネントキャリア3(k=3)2340およびコンポーネントキャリア4(k=4)2342の信号の増幅に使用される。電力増幅器E(K=1)2360は、例えば、規定帯域1’2346(例えば、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のような)の増幅に使用される。
【0089】
さらに別の構成では、2つ以上だが全てでない複数の規定周波数帯域のために単一の電力増幅器が使用されてもよい。
【0090】
さらに別の構成では、2つ以上だが全てでない複数のコンポーネントキャリアのために単一の電力増幅器が使用されてもよい。
【0091】
さらに別の構成では、個別のコンポーネントキャリアのそれぞれのために別々の電力増幅器が使用されてもよい。この例では、コンポーネントキャリア1(k=1)2336は電力増幅器G(K=1)2364を使用し、コンポーネントキャリア2(k=2)2338は電力増幅器H(K=2)2366を使用し、コンポーネントキャリア3(k=3)2340は電力増幅器I(K=3)2368を使用し、コンポーネントキャリア4(k=4)2342は電力増幅器J(K=4)2370を使用する。図23Dには、幾つかの可能性のある構成のみが示されているが、幾つかの別の電力増幅器の構成が、規定帯域とコンポーネントキャリアとの間で使用されてもよい。このように、図23Dは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値によって示される別々の電力増幅器を使用する場合、各電力増幅器は各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに信号の増幅を提供することを示している。
【0092】
図23Eは、複数の規定周波数帯域およびコンポーネントキャリアのさらに別の例を示す図である。図23Eはさらに、規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに対してUE電力クラスがどのように適用されるかの幾つかの構成も示している。図23Eにおける上記コンポーネントキャリア2336、2338、2340、2342および規定帯域2346、2348、2350は、周波数のスケール2344上に示されている。各UE電力クラスは最大送信電力を規定してよい。(例えば、図17に示されるように)各上りリンク電力制御プロシージャは、上記UE電力クラスによって決定されてもよい。
【0093】
ある構成では、UE電力クラスA(K=1)2372は、全ての上記規定帯域2346、2348、2350、したがって、全ての上記コンポーネントキャリア(k=1〜4)2336、2338、2340、2342に適用される単一の指定UE電力クラスであってもよい。別の構成では、複数のUE電力クラスが、個別または複数のコンポーネントキャリアおよび/または規定帯域に対して指定および/または適用されてもよい。ある例では、UE電力クラスB(K=1)2374は規定帯域1’2346(すなわち、そしてしたがって、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338)に対して適用される。規定帯域2’2348がUE電力クラスC(K=2)2376を使用する一方、規定帯域3’2350がUE電力クラスD(K=3)2378を使用する。
【0094】
別の構成では、別々の規定周波数帯域上の複数のコンポーネントキャリアに対して単一のUE電力クラスが割り当てられてもよい。例えば、UE電力クラスF(K=2)2382は、規定帯域2’2348と規定帯域3’2350とで分離されているコンポーネントキャリア3(k=3)2340およびコンポーネントキャリア4(k=4)2342に適用されてもよい。UE電力クラスE(K=1)2380は、例えば、規定帯域1’2346(例えば、コンポーネントキャリア1(k=1)2336およびコンポーネントキャリア2(k=2)2338のように)に割り当てられる。
【0095】
さらに別の構成では、個別のコンポーネントキャリアのそれぞれのために別々のUE電力クラスが適用されてもよい。この例では、コンポーネントキャリア1(k=1)2336はUE電力クラスG(K=1)2384を使用し、コンポーネントキャリア2(k=2)2338はUE電力クラスH(K=2)2386を使用し、コンポーネントキャリア3(k=3)2340はUE電力クラスI(K=3)2388を使用し、コンポーネントキャリア4(k=4)2342はUE電力クラスJ(K=4)2390を使用する。図23Eには、あり得る構成の幾つかだけが示されているが、幾つかの別のUE電力クラスの構成が、規定帯域とコンポーネントキャリアとの間で使用されてもよい。このように、図23Eは、各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアが別々のK値によって示される別々の電力増幅器を使用する場合、各UE電力クラスが各規定帯域および/またはコンポーネントキャリアに適用されることを示している。
【0096】
ここで述べられたものと類似した手法で、幾つかの別の構成が使用されてもよい。例えば、1つの電力増幅器(例えば、無線通信デバイス104の)が、1より多い(すなわち複数の)UE電力クラスをサポートしてもよい。逆に、複数の電力増幅器(例えば、無線通信デバイス104の)が、単一のUE電力クラスをサポートしてもよい。
【0097】
図23Fは、複数の規定周波数帯域、または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法2392aの別の構成を示すフロー図である。使用される各規定帯域に対して、無線通信デバイス104は、各コンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し(ステップ2394a)、それに応じて各アンテナに対して(上記無線通信デバイスの)送信電力を割り当てる(ステップ2396a)。より具体的には、各規定帯域のための、図23Fのステップ1’2394aは、図17のステップ1’1702で実行されたものと同じプロシージャであってよく、図23Fにおけるステップ2’2396aは、図17のステップ2’1704で実行されたものと同じプロシージャであってよい。
【0098】
別々の電力増幅器を示す個々のKの値は、各規定帯域(例えば、無線通信デバイスの)に対して使用されてもよく、個別のまたは別々の上りリンク電力制御プロシージャ2392aを示す個々のKの値は、各規定帯域に設定されてもよい。したがって、上記UE電力クラスは、(例えば図23Eに示されるように)各規定周波数帯域に別々にセットされてもよい。さらに、最大送信電力は、(例えば、図19のステップ1〜2(ステップ1804)に示されるように)各規定帯域に対して別々に設定されてもよいことに留意すべきである。その理由は、上記最大送信電力が、各規定周波数帯域に対して適用された各UE電力クラスによって定義されてもよいからである(例えば、別々のUE電力クラスは各規定帯域に対応する)。例えば、上記最大送信電力は上述されたとおりであってもよい(例えば、図20〜22に関連して述べられた17dBmまたは23dBm)。
【0099】
図23Gは、複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行う方法2392bの構成を示すフロー図である。別々のUE電力増幅器を示す別々のKの値が各コンポーネントキャリアに対して使用された場合、上りリンク電力制御プロシージャは図23Gに示されたプロシージャであってもよい。無線通信デバイス104は、コンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し(ステップ2394b)、それに応じて各アンテナ106に送信電力を割り当てる(2396b)。より具体的には、各コンポーネントキャリアに関する図23Gのステップ1’2394bは、図17のステップ1’1702において実行されたものと同じプロシージャであってよく、図23Fのステップ2’2396bは、図17のステップ2’1704において実行されたものと同じプロシージャであってよい。それは、個別のまたは別々の上りリンク電力制御プロシージャ2392aが各コンポーネントキャリアに設定されてもよいことを示している。したがって、上記UE電力クラスは(図23Eに示されるように)各規定コンポーネントキャリアに対して別々にセットされてもよい。さらに、最大送信電力は、(図19のステップ1〜2(ステップ1804)に示されるように)各コンポーネントキャリア(例:各“k”)に対して別々に設定されてもよいことに留意すべきである。その理由は、上記最大送信電力が、各コンポーネントキャリアに対して適用された各UE電力クラスによって定義されてもよいからである。例えば、上記最大送信電力は、上述のように、規定周波数帯域(例えば、図20〜22に関連して述べられた17dBmまたは23dBm)ではなくコンポーネントキャリア(例えばk=Kの)に適用されてもよい。
【0100】
図23Fおよび図23Gに示されるように、各規定周波数帯域またはコンポーネントキャリアは、個別の電力クラス制御プロシージャを別々に持っていてもよい。拡張して、無線通信デバイス104で使用される各電力増幅器も、別々の電力制御プロシージャを持ってもよい。
【0101】
図23Hは、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイスの上りリンク送信電力制御を行うシステムおよび方法を含む無線通信デバイス104aの一構成を示すブロック図である。上記無線通信デバイス104aは、情報を送受信するために複数のアンテナ106а〜bを利用してもよい。
【0102】
上記無線通信デバイス104aは、複数のUE電力クラス2398をサポートするように実施されてもよい。上記UE電力クラスは、例えば、第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)などの仕様によって定義されてもよい。UE電力クラスは、該UE電力クラスの最大出力電力を定義する。上述の通り、各UE電力クラス2398を、個別のまたは複数の規定帯域および/またはコンポーネントキャリア(k)に対して適用することができる。これは、無線通信デバイス104aに複数のUE構成セット2301をサポートさせることを可能とする。各構成セット2317は、各コンポーネントキャリアおよび/または周波数帯域および/または電力増幅器によって分離された、該セット独自の上りリンク電力制御プロシージャを持ってもよい。
【0103】
図23Hは、幾つかのUE構成セット2310の例を示している。UE構成セット2317は概して、1つ以上の規定帯域2303、2305、2307および/または1つ以上のコンポーネントキャリア2309、2311、2313、2315に対して適用された1つ以上のUE電力クラス2398を含む。UE構成セット2317は、別のUE特性と組み合わせられた異なるUEクラス(UE電力クラスと混同しないように)、UEカテゴリ、またはUE能力の象徴として使用されてもよい。これらの各クラス、カテゴリ、または能力は、様々な無線通信デバイス能力(例えば、データレート、または様々な最大送信電力の観点)を定義してもよい。ある一例では、UE能力(例:能力情報)は、種々の情報のセットである。該UE能力は、例えば、UEのリリース情報、UEカテゴリ情報、UEクラス情報、および/または該UEによってサポートされている帯域リストなどを含んでもよい。UEカテゴリまたはUEクラスは、該UEによってサポートされているUE送信アンテナの数、および/または該UEによってサポートされている上記データレートを含んでもよい。ある一例では、UEカテゴリおよびUE能力は、能力がカテゴリなどを含むように階層的に体系づけられていてもよい。
【0104】
便宜上、図23Hでは、UE構成セット2301のテーブルにおいて、“UE構成セット”は“構成セット”に省略され、“コンポーネントキャリア”は“CC”に省略され、“UE電力クラス”は“PC”に省略され、“規定周波数帯域”または“周波数の塊”は“帯域”に省略されている。
【0105】
ある一つの構成例では、UE構成セットA2317a(すなわち“構成セットA”)は、上記無線通信デバイス104aによって利用される全ての規定帯域(例:帯域1’2303、帯域2’2305、帯域3’2307)およびコンポーネントキャリア(例:CC1’2309、CC2’2311、CC3’2313、CC4’2315)に対して、上記UE電力クラスA(K=1)2319aを適用する。別例のUE構成セットB2317bは、各帯域に対して別々のUE電力クラスを割り当てる(すなわち、帯域1’2303に対して電力クラスC(K=1)2319c、帯域2’2305に対して電力クラスB(K=2)2319b、帯域3’2307に対して電力クラスA(K=3)2319aを割り当てる)。
【0106】
別の構成例では、UE電力クラスは、別々の帯域の複数のコンポーネントキャリアに適用される。すなわち、UE構成セットC2317cは、コンポーネントキャリア1’2309に対して電力クラスA(K=1)2319aを適用し、コンポーネントキャリア4’2315に対して電力クラスC(K=3)2319cを適用する一方、電力クラスE(K=2)2319Eは、帯域1’2303に存在しているコンポーネントキャリア2’2311と帯域2’2305に存在しているコンポーネントキャリア3’2313との両方に適用される。
【0107】
別のUE構成セットは、各コンポーネントキャリアに対して別々のUE電力クラスを適用してもよい。すなわち、UE構成セットD2317dは、コンポーネントキャリア1’2309に対してUE電力クラスB(K=1)2319bを適用し、コンポーネントキャリア2’2311に対してUE電力クラスB(K=2)2319bを適用し、コンポーネントキャリア3’2313に対してUE電力クラスD(K=3)2319dを適用し、コンポーネントキャリア4’2315に対してUE電力クラスA(K=4)2319aを適用する。
【0108】
UE構成セットN2317nは、例えば、コンポーネントキャリア1’2309に対してUE電力クラスA(K=1)2319aを適用し、コンポーネントキャリア2’2311に対してUE電力クラスC(K=2)2319cを適用する。UE構成セットN2317nはさらに、帯域2’2305と帯域3’2307との両方に対して電力クラスA(K=3)2319aを適用する。図23Hには、ほんのわずかなUE構成セット2317の例が示されているのみであり、多くの別の構成セット2317を使用することができる。
【0109】
上記無線通信デバイス104aは、UE電力クラスレポート2321を含んでもよい。該UE電力クラスレポート2321は、サポートされているUE電力クラス2323の数と、サポートされているUE電力クラスID2325を含んでもよい。例えば、上記無線通信デバイスがUE電力クラスA〜Eをサポートすると仮定すると、サポートされているUE電力クラス2323の数は5になる。上記サポートされているUE電力クラスID2325は、上記無線通信デバイス104aでサポートされている特定のUE電力クラス2398のそれぞれを識別する(例:A、B、C、D、E)。上記UE電力クラスレポート2321は、例えば、基地局102(例:eNB)に送信されてもよい。
【0110】
図23Iは、アンテナポートモードと送信モードの遷移のために、無線通信デバイス104の上りリンク送信電力制御を行う方法2300の構成を示すフロー図である。この方法2300は、種々のUEカテゴリやクラスを周波数帯域、コンポーネントキャリアまたは電力増幅器によって1つの物理的UEにまとめることができるという柔軟性をオペレータおよびUE製造業者に与える。オペレータおよびUE製造業者はそれゆえ、種々のUEクラスの組み合わせを柔軟に生成することができる。マルチモード無線通信デバイスはそれゆえ、UE能力およびオペレータサービスの様々な混在を満足させるように、製造、配置されることを可能とする。
【0111】
無線通信デバイス104は、UE電力クラスレポート2321を(例えば、基地局102へ)送ってもよい(ステップ2327)。該無線通信デバイス104は、UE構成セットを決定してもよい(ステップ2329)。例えば、無線通信デバイス104は、基地局102からの能力やコマンドに基づいてUE構成セット2301を生成することができる。あるいは、該無線通信デバイス104は、UE構成セット2317をUE構成セット2301のテーブルから選択することができる。
【0112】
上記無線通信デバイス104は次に、規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して上記UE構成セット2317を適用する(ステップ2331)。上記UE構成ステップ(例:UE構成の適用(ステップ2331))は、特定のオペレータのネットワークに接続されているUEのための適切なUE構成がUEの物理的構成によって決められることから、より少ない頻度で生じてもよい。上記無線通信デバイス104は、(例えば、上述の式(1)、(2)、または(3)に示されているように)各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定してもよい(ステップ2333)。PMAXの決定(ステップ2333)は、図17における合計送信電力の決定(ステップ1702)と類似してもよい。
【0113】
上記無線通信デバイス104は、上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用するかを決定してもよい(ステップ2337)。上記無線通信デバイス104が上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用しないと決定した場合(ステップ2337)(例えば、すでに上記UE構成セットが適用されていない規定帯域またはコンポーネントキャリアがもうこれ以上、存在しない場合)、上記方法2300は終了してもよい(ステップ2339)。しかしながら、上記無線通信デバイス104が上記UE構成セット2317を追加の規定帯域またはコンポーネントキャリアに対して適用すると決定した場合(ステップ2337)、上記方法2300は各電力クラスに基づくPMAXの決定(ステップ2333)に戻ってもよい。
【0114】
例えば、UE構成セット(例:2つのUE電力クラス)が適用されるべき2つのコンポーネントキャリアがあると仮定した場合、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定した後(ステップ2333)、上記無線通信デバイス104は、上記構成セットの中の追加のUE電力クラスが適用される必要があると決定する(ステップ2337)。このように、上記無線通信デバイス104は、第2のUE電力クラスの(例えば、第2のコンポーネントキャリアの)PMAXを決定し(ステップ2333)、該方法は前述のとおりに進む。
【0115】
ある構成では、上記無線通信デバイス104は、初期接続か基地局102の要求の時に、一度だけ、上記UE電力クラスレポート2321を送信し(ステップ2327)、UE構成セット2317を決定してもよい(ステップ2329)。これをすることによって、上記UE構成(例えば、規定帯域またはコンポーネントキャリアがどのPAを使用するか)が決定され、上りリンク電力制御パラメータ(例:式(1)、(2)、および/または(3)におけるPMAX)が決定される。これらのパラメータは、より少ない頻度で決定されてもよい(例:初期接続中、または基地局102のアップデート要求時)。上記無線通信デバイス104は、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定してもよい。上記無線通信デバイス104は、上記構成セット2317が別の規定帯域またはコンポーネントキャリア(例:次のK)に対して1度だけ、もしくは数回(すなわち上りリンク送信ごとに1度ずつ)適用される必要があるかどうかを決定してもよい(ステップ2337)。これらのステップは、初期接続または基地局102の要求の時に実行されてもよい。一度上りリンクパラメータ(例:Kおよび/またはPMAX)がこれらのステップで決定されると、上りリンク電力制御プロシージャ(例:図23Cにおける2330a〜b、図23Fにおける2392a、または図23Gにおける2392b)は各上りリンク送信時に実行される。
【0116】
図23Iに示される幾つかのステップはさらに、基地局102で行われてもよいことに留意すべきである。例えば、基地局102はUE構成セットを決定し(ステップ2329)、決定されたUE構成を使用するために上記無線通信デバイス104に対してコマンドを送ることができる。さらに、基地局102は、各UE電力クラスに基づいてPMAXを決定することができる(ステップ2333)。他方では、UE(すなわち無線通信デバイス104)は構成セット2301のテーブルから構成セット2317を選択し、選択された構成セット2317を基地局102に対して報告してもよい。
【0117】
SU−MIMO(ランク1)モード116cでは、無線通信デバイス104は物理的に1つのアンテナ106のみを使用してもよい。それはアンテナターンオフベクトル(antenna turn-off vector)が使用されたと言ってよい。アンテナターンオフベクトルが使用される時、無線通信デバイス104はシングルアンテナポートモード114aであると仮定される。言い換えれば、図21に示されるものと等しい送信電力が、1つのアンテナ106aに対して割り当てられる。残りのアンテナ106bに対しては、電力は割り当てられない。
【0118】
本開示の、少なくとも幾つかの様態は、単一と複数の両方のアンテナ送信スキームを許容する送信ダイバーシチの実装に関する。上記PUSCH送信ダイバーシチスキームは、2つのステップを含んでもよい。その第1のステップは開ループ送信ダイバーシチスキームであり、第2のステップはアンテナポート重み付け処理である。上記開ループ送信ダイバーシチスキームは、空間−周波数ブロック符号化(SFBC)、空間−時間ブロック符合化(STBC)、周波数選択的送信ダイバーシチ(FSTD)、または巡回遅延ダイバーシチ(CDD)であってもよい。
【0119】
開ループ送信ダイバーシチ処理の後、アンテナポート重み付け処理があってもよい。シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)が使用されていると仮定すると、離散フーリエ変換(DFT)、逆高速フーリエ変換(IFFT)、およびCP挿入処理が、上記開ループ送信ダイバーシチ処理および上記アンテナポート重み付け処理の後にあってもよい。これは図24に示されるFSTD、および図26に示されるCDDの場合である。あるいは、IFFTおよびCP挿入処理が、上記開ループ送信ダイバーシチ処理および上記アンテナポートの重み付け処理の後にあってもよい。これは図25に示されるSFBCの場合である。
【0120】
図24は、FSTDで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該FSTD開ループ送信ダイバーシチ機構は、符号ブロック分割モジュール2432、チャネル符号化モジュール2434、変調器モジュール2436、およびアンテナ分割モジュール2438を含む。上記アンテナ分割モジュール2438は、2つの出力を持つ。上記アンテナ分割モジュール2438の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2426a、第1の離散フーリエ変換(DFT)モジュール2440a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2442a、第1の逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール2444a、および第1のサイクリックプレフィックス(CP)挿入モジュール2446aによって処理される。上記アンテナ分割モジュール2438の第2の出力は、第2のアンテナポート重み付けモジュール2426b、第2のDFTモジュール2440b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2442b、第2のIFFTモジュール2444b、および第2のCP挿入モジュール2446bによって処理される。
【0121】
図25は、SFBCで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該SFBC開ループ送信ダイバーシチスキームは、直角位相振幅変調(QAM)モジュール2548、M−DFTモジュール2550、ブロック逆多重化モジュール2552、および空間−時間符号化モジュール2554を含む。上記空間−時間符号化モジュール2554は、2つの出力を持つ。上記空間−時間符号化モジュール2554の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2526a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2542a、第1のN−IDFT(逆離散フーリエ変換)モジュール2556a、および第1のCP挿入モジュール2546aによって処理される。上記空間−時間符号化モジュール2554の第2の出力は、第2のアンテナポート重み付けモジュール2526b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2542b、第2のN−IDFTモジュール2556b、および第2のCP挿入モジュール2546bによって処理される。
【0122】
図26は、CDDで実施される開ループ送信ダイバーシチスキームを示している。該CDD開ループ送信ダイバーシチスキームは、符号ブロック分割モジュール2632、チャネル符号化モジュール2634、および変調器モジュール2636を含む。上記変調器モジュール2636は、2つの出力を持つ。上記変調器モジュール2636の第1の出力は、第1のアンテナポート重み付けモジュール2626a、第1のDFTモジュール2640a、第1のサブキャリアマッピングモジュール2642a、第1のIFFTモジュール2644a、および第1のCP挿入モジュール2646aによって処理される。上記変調器モジュール2636の第2の出力は、巡回遅延モジュール2658、第2のアンテナポート重み付けモジュール2626b、第2のDFTモジュール2640b、第2のサブキャリアマッピングモジュール2642b、第2のIFFTモジュール2644b、および第2のCP挿入モジュール2646bによって処理される。
【0123】
図27Aに示されるように、アンテナポート重み付け処理2726aは入力信号にxを掛ける。あるいは、図27Bに示されるように、アンテナポート重み付け処理2726bは入力信号に(1−x2)1/2を掛ける。いずれの場合においても、xは、x={1、sqrt(1/2)、0}、x={1、sqrt(1/3)、sqrt(1/2)、sqrt(2/3)、0}、またはx={1、sqrt(1/6)、sqrt(1/3)、sqrt(1/2)、sqrt(2/3)、sqrt(5/6)、0}のいずれであってもよい。図27Aおよび27Bにおけるアンテナポート重み付け処理2726a、2726bのいずれも、図24〜26におけるアンテナポート重み付けモジュール2426a、2426b、2526a、2526b、2626a、2626bとして利用されてもよい。アンテナポート重み付けは、データおよび復調参照信号(DMRS)の両方に適用されてもよい。106a、106bの2つの上りリンク送信アンテナの場合、x=0または1である時、このことは、それが実質上単一のアンテナ106の送信であることを暗示している。
【0124】
無線通信デバイス104は、送信ダイバーシチモード116bである時、常に2つのアンテナ106a、106bを使用するように構成されてもよい。例えば、ケース2’320(図3)において、送信ダイバーシチモード116bはマルチアンテナポートモード114bのみに属している。しかしながら、大きなアンテナ利得の不均衡は送信ダイバーシチ性能を下げる。さらに、送信ダイバーシチモード116bは電池寿命を短くする。したがって、無線通信デバイス104が上記送信ダイバーシチモード116bである時に、上記マルチアンテナポートモード114bから上記シングルアンテナポートモード114aへ遷移することは、上記無線通信デバイス104にとって有益である。
【0125】
ここで開示されたシステムおよび方法の少なくとも幾つかの様態は、送信ダイバーシチモード116bを使用している時の、シングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの切り替えに関係する。この切り替えを起こすことができる、少なくとも3つの異なるメカニズムが存在する。第1に、上記無線通信デバイス104は自律的に(すなわち、上記基地局102から上記無線通信デバイス104への一切の明示的または暗黙的なシグナリングなしで)xの値を選択することができる。第2に、上記基地局102は物理下りリンク制御チャネル(PDCHH)シグナリングを介してxを設定してよい。第3に、上記無線通信デバイス104は上記基地局102によって設定されたxの値を上書きしてもよい。送信ダイバーシチモード116bにおけるシングルアンテナポートモード114aとマルチアンテナポートモード114bとの間の遷移に対して柔軟性を与えることで、大きなアンテナ利得の不均衡下における性能を向上することができ、さらに電力を節約することもでき、したがって、電池性能を向上させることができる。
【0126】
上述された第1のメカニズムは、上記無線通信デバイス104が送信ダイバーシチモード116bの間に、自律的にxの値を選択できるということである。言い換えれば、上記基地局102から上記無線通信デバイス104への一切の明示的または暗黙的なシグナリングなしで、上記無線通信デバイス104はxの値を変更できるということである。データおよびDMRSの両方にアンテナポート重み付け処理2726を適用することで、上記基地局102の受信処理は、上記無線通信デバイス104で使用されているxの値が明白であるようにできる。したがって、上記無線通信デバイス104は自律的にxの値を選択することができる。さらに、アンテナ106a、106bの間に大きなアンテナ利得の不均衡がある場合、この提案されたスキームは、一方のアンテナ106bの利得が非常に小さい場合には、もう一方のアンテナ106aに全ての送信電力を使えることから、性能の向上を得ることができる。あるいは、上記無線通信デバイス104のバッテリレベルが低い時、一方のアンテナ106aのみを使用することで、すなわちxの値を1に設定することで、電池寿命を長くできる。しかしながら、アンテナ106の利得の不均衡および無線通信デバイス104のバッテリレベルの双方が、上記無線通信デバイス104においてのみ知られている。それゆえ、上記無線通信デバイス104に自律的なxの値の選択を認めることは、有益である。
【0127】
経路損失情報、または上記無線通信デバイス104のバッテリレベル(下りリンク参照信号受信を介して上記無線通信デバイス104側で計測)に基づいて、上記無線通信デバイス104は、自律的にxを選択してもよい。例えば、上記無線通信デバイス104が下りリンク参照信号を計測して大きなアンテナ利得の不均衡(または大きな経路損失差)に気づいた時、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102への一切のシグナリングなしに、xの値を1に設定してもよい。他の例としては、上記無線通信デバイス104がバッテリレベルを計測して該バッテリレベルが低いことに気づいた時、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102への一切のシグナリングなしに、xの値を1に設定してもよい。
【0128】
他方では、上記基地局102が上りリンクチャネルおよびアンテナ利得の不均衡を(例えば、チャネルの相互依存関係を利用したチャネル評価、または上記無線通信デバイス104からのフィードバックを介して)見積もれる場合、または上記無線通信デバイス104のバッテリステータスを見積もれる場合、上記基地局102は上記無線通信デバイス104において使用されるxの値を設定することが可能であり、したがって、上記ネットワークは上記無線通信デバイス104による予期しない動作を回避することができる。
【0129】
PDCCHは、上記アンテナポート重み付けビットを明示的に含んでもよい。例えば、x={1、sqrt(1/2)、0}である場合、上記無線通信デバイス104に対してxの値を示すために、少なくとも2ビットが必要とされてよい。PDCCHは、上記無線通信デバイス104に対してxの値を示すため2ビットを運んでよい。PDCCHに上記アンテナポート重み付けビットを暗黙的に含むことをもう一つの解決法としてもよい。例えば、上記無線通信デバイス104の識別情報は、図28に示されるように、xのインデックスを表す暗黙的なシグナリングでマスクされてよい。
【0130】
上記基地局102は、上記無線通信デバイス104から報告された経路損失情報(例えば、参照信号受信電力)に基づいてxの値を選択することができる。あるいは、上記基地局102は、SRS受信を通して該基地局102側で計測された経路損失情報に基づいてxの値を選択してもよい。いずれの場合においても、上記基地局102はPDCCHを介してxを設定してもよい。
【0131】
上記無線通信デバイス104は、上記基地局102によって設定されたxの値を上書きしてもよい。上記基地局102からPDCCH上で送信されたxの設定値を上記無線通信デバイス104が上書きする場合に、上記無線通信デバイス104は、上記基地局102にxの選択値を信号で送る必要がある。この信号送信は、PUSCH108の送信によって達成されてもよい。例えば、図29に示されるように、上記無線通信デバイス104は同じサブフレームでPUSCH108およびPUCCH110a、110bを送信してもよく、PUCCH110aはPUSCH108の送信で使用されるxの値を運んでもよい。別の例では、PUSCH108は図30に示されるように、制御情報としてxの値3028を運んでもよい。上記xの値3028を運ぶ上記シンボルおよびサブキャリアは、あらかじめ定義されたxの値3028(例:“x=1”)を使用してもよく、残りの部分は“受信したxの値”が該部分に使用されたと仮定して復号されてもよい。別の例として、図31に示されるように、PUSCH108内のCRC3030が、上記“xの値”3028によってマスクされてもよい。この場合、上記基地局102が、上記受信したPUSCH108を、複数のxの値3028をパラメータとして試用することで、複数回、復号してもよい。
【0132】
上記基地局102が、PUSCH108の受信を介して見積もられた“xの値”によって、自律的に上記無線通信デバイス104がシングルアンテナポートモード114aに遷移したことを検知した場合、該基地局102は、該無線通信デバイス104が自律的にマルチアンテナポートモード114bからシングルアンテナポートモード114aへ遷移したと考えてよい。
【0133】
図32は、無線通信デバイス3204に利用され得る種々のコンポーネントを示している。無線通信デバイス3204は、図1における無線通信デバイス104として利用してもよい。上記無線通信デバイス3204は、該無線通信デバイス3204の動作を制御するプロセッサ3296を含む。プロセッサ3296は、CPUとも呼ばれる。メモリ3288は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、もしくは情報を蓄えるあらゆるタイプの機器を含む。該メモリ3288は、命令3289aおよびデータ3290aを、プロセッサ3296に与える。メモリ3288の一部はさらに、不揮発性RAM(NVRAM、non-volatile random access memory)を含んでもよい。さらに命令3289bおよびデータ3290bが、プロセッサ3296内にも存在している。プロセッサ3296内にロードされた命令3289bはさらに、プロセッサ3296によって、実行用にメモリ3288からロードされた命令3289aを含む。命令3289bは、プロセッサ3296によって実行され、ここで開示された上記方法を実施する。
【0134】
無線通信デバイス3204はさらに、データの送信と受信を可能にする送信機3292および受信機3293を格納するハウジングを含む。送信機3292および受信機3293は、トランシーバ3297にまとめられてもよい。アンテナ3298は、上記ハウジングに取り付けられており、トランシーバ3297と電気的に連結されている。追加アンテナが使用されてもよい。
【0135】
上記無線通信デバイス3204の様々なコンポーネントが、バスシステム3291によって互いに連結されている。このバスシステム3291は、データバスに加えて、電源バス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含んでもよい。しかしながら、描写を明快にするために、上記の様々なバスは、図32では、バスシステム3291として示されている。上記無線通信デバイス3204はさらに、信号の処理に使用されるDSP(digital signal processor)3294を含む。上記無線通信デバイス3204はさらに、通信機器3302(例:図33に示された基地局3302)の機能へのユーザのアクセスを可能とする通信インタフェース3295を含む。図32に示される無線通信デバイス3204は、特定のコンポーネントの一覧というよりは、機能ブロック構成図である。
【0136】
図33は、基地局3302に利用され得る種々のコンポーネントを示している。基地局3302は、図1における基地局102として利用されてもよい。基地局3302は、無線通信デバイス3304に関して上述されたコンポーネントと類似しているコンポーネントを含んでおり、プロセッサ3396、プロセッサ3396に命令3389aおよびデータ3390aを与えるメモリ3388、プロセッサ3396内に存在している命令3389bおよびデータ3390b、(組み合わせることでトランシーバ3397になる)送信機3392および受信機3393を格納するハウジング、トランシーバ3397と電気的に連結されているアンテナ3398、バスシステム3391、信号の処理に使用するDSP3394、通信インタフェース3295、その他を含む。
【0137】
“コンピュータ読取り可能な媒体”という用語は、コンピュータ、またはプロセッサがアクセスできるあらゆる媒体を意味する。限定ではなく例として、コンピュータ読取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶機器、もしくは他のあらゆる媒体から構成される。その媒体は、所望のプログラムコードを、命令もしくはデータ構造の形式で、保持または記憶するために使用できるものであり、かつコンピュータ、またはプロセッサによってアクセスできるものである。ここで使用されるディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD、compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD、digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標) disk)、およびブルーレイディスク(登録商標)(Blu-ray(登録商標) disc)を含む。ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザを用いて光学的に再生する。
【0138】
ここで開示された方法は、説明された方法を実現するための一つ以上のステップもしくは動作より成る。上記方法のステップおよび/または動作は、請求項の範囲から外れなければ、互いに交換できる。すなわち、ステップまたは動作の特別な順序が、説明された方法の適切な実行のために必要でない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、請求項の範囲から外れなければ修正されてもよい。
【0139】
上記請求項は、上記された詳細な設定もしくは構成に限定されるものではない。様々な修正、変更、および変形が、ここで記述されたシステム、手法、および装置の配置、操作、および細部において、請求項の範囲から外れなければ行われてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスであって、
プロセッサと、
該プロセッサと電子通信を行うメモリと、
該メモリに格納された命令とを備えており、
上記命令は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを実行可能であり、
さらに、上記命令は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを実行可能であることを特徴とする無線通信デバイス。
【請求項2】
単一の電力増幅器が1つより多いUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項3】
複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項4】
単一の電力増幅器が複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項5】
単一の電力増幅器が複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項6】
複数の規定周波数帯域のそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項7】
複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項8】
単一の電力増幅器が、2つ以上であるが全てではない複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項9】
単一の電力増幅器が、2つ以上であるが全てではない複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項10】
上りリンク送信電力制御が複数の規定帯域のそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項11】
上りリンク送信電力制御が複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項12】
上記無線通信デバイスが複数のユーザ機器(UE)電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数の規定周波数帯域のそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
上記命令は、さらに、上記無線通信デバイスから基地局にレポートを送信することを実行可能であり、
上記レポートは、
上記無線通信デバイスによってサポートされたユーザ機器(UE)電力クラスの数と、
上記無線通信デバイスによってサポートされたUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
上記命令は、さらに、
少なくとも1つのユーザ機器(UE)構成セットを格納し、かつ、
少なくとも1つの構成セットを適用することを実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
上記少なくとも1つのUE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含み、上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されることを特徴とする、請求項16に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法であって、
複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを含み、
上記上りリンク送信電力制御は、
上記無線通信デバイスで、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定すること、および、上記無線通信デバイスで、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
単一の電力増幅器が1つより多いUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
単一の電力増幅器が複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
単一の電力増幅器が複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
複数の規定周波数帯域のそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
単一の電力増幅器が2つ以上であるが全てではない複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
単一の電力増幅器が2つ以上であるが全てではない複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
上りリンク送信電力制御が複数の規定帯域のそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
上りリンク送信電力制御が複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
上記無線通信デバイスが複数のユーザ機器(UE)電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数の規定周波数帯域のそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
上記無線通信デバイスから基地局にレポートを送信することをさらに含み、
上記レポートは、
上記無線通信デバイスによってサポートされるユーザ機器(UE)電力クラスの数と、
上記無線通信デバイスによってサポートされるUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
上記無線通信デバイスに少なくとも1つのユーザ機器(UE)構成セットを格納し、かつ、
上記無線通信デバイスに対して少なくとも1つの構成セットを適用することをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
上記少なくとも1つのUE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含み、上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うためのコンピュータ読取り可能媒体であって、
複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うための実行可能な命令と、
少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てるための実行可能な命令とを備えることを特徴とするコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項1】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うために構成された無線通信デバイスであって、
プロセッサと、
該プロセッサと電子通信を行うメモリと、
該メモリに格納された命令とを備えており、
上記命令は、複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを実行可能であり、
さらに、上記命令は、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを実行可能であることを特徴とする無線通信デバイス。
【請求項2】
単一の電力増幅器が1つより多いUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項3】
複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項4】
単一の電力増幅器が複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項5】
単一の電力増幅器が複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項6】
複数の規定周波数帯域のそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項7】
複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項8】
単一の電力増幅器が、2つ以上であるが全てではない複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項9】
単一の電力増幅器が、2つ以上であるが全てではない複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項10】
上りリンク送信電力制御が複数の規定帯域のそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項11】
上りリンク送信電力制御が複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項12】
上記無線通信デバイスが複数のユーザ機器(UE)電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数の規定周波数帯域のそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
上記命令は、さらに、上記無線通信デバイスから基地局にレポートを送信することを実行可能であり、
上記レポートは、
上記無線通信デバイスによってサポートされたユーザ機器(UE)電力クラスの数と、
上記無線通信デバイスによってサポートされたUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
上記命令は、さらに、
少なくとも1つのユーザ機器(UE)構成セットを格納し、かつ、
少なくとも1つの構成セットを適用することを実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
上記少なくとも1つのUE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含み、上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されることを特徴とする、請求項16に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うための方法であって、
複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うことを含み、
上記上りリンク送信電力制御は、
上記無線通信デバイスで、少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定すること、および、上記無線通信デバイスで、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てることを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
単一の電力増幅器が1つより多いUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数の電力増幅器が単一のUE電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
単一の電力増幅器が複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
単一の電力増幅器が複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
複数の規定周波数帯域のそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
複数のコンポーネントキャリアのそれぞれが別々の電力増幅器を使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
単一の電力増幅器が2つ以上であるが全てではない複数の規定周波数帯域に対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
単一の電力増幅器が2つ以上であるが全てではない複数のコンポーネントキャリアに対して使用されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
上りリンク送信電力制御が複数の規定帯域のそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
上りリンク送信電力制御が複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して別々に行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
上記無線通信デバイスが複数のユーザ機器(UE)電力クラスをサポートすることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数の規定周波数帯域のそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
別々のユーザ機器(UE)電力クラスが複数のコンポーネントキャリアのそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
上記無線通信デバイスから基地局にレポートを送信することをさらに含み、
上記レポートは、
上記無線通信デバイスによってサポートされるユーザ機器(UE)電力クラスの数と、
上記無線通信デバイスによってサポートされるUE電力クラスのそれぞれの識別情報とを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
上記無線通信デバイスに少なくとも1つのユーザ機器(UE)構成セットを格納し、かつ、
上記無線通信デバイスに対して少なくとも1つの構成セットを適用することをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
上記少なくとも1つのUE構成セットは、UE電力クラスの少なくとも1つのセットを含み、上記電力クラスは、UEカテゴリ、UE能力、および/または、UEクラスに編成されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
無線通信デバイスで上りリンク送信電力制御を行うためのコンピュータ読取り可能媒体であって、
複数の規定周波数帯域または複数のコンポーネントキャリアに対して上りリンク送信電力制御を行うための実行可能な命令と、
少なくとも1つのコンポーネントキャリアに対する合計送信電力を決定し、かつ、少なくとも1つのアンテナに送信電力を割り当てるための実行可能な命令とを備えることを特徴とするコンピュータ読取り可能媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図23E】
【図23F】
【図23G】
【図23H】
【図23I】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図23E】
【図23F】
【図23G】
【図23H】
【図23I】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2013−517658(P2013−517658A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548680(P2012−548680)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/JP2011/050903
【国際公開番号】WO2011/087142
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/JP2011/050903
【国際公開番号】WO2011/087142
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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