説明

複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置

【課題】複数のカメラを用いて撮像した画像から視認性の向上した処理画像を生成、表示する複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置を得る。
【解決手段】移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置された複数のカメラ又は複数のカメラのうち1台のカメラを除いた他のカメラからの撮像画像を保存する画像一時記憶部4と、複数のカメラのフレームレートとそれぞれの設置位置及び、移動体の移動速度を基にして複数のカメラのそれぞれの撮像タイミングを制御するタイミング制御部3と、画像一時記憶部又は、画像一時記憶部と前記1台のカメラから撮像画像を読み込んで画像処理を行う画像処理部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体上に搭載された複数のカメラから入力される撮像画像を画像処理し、処理画像を作成し表示する複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体の複数箇所にカメラを設置し、複数のカメラから得られた撮像画像から、それぞれ有効な領域の切り出しや貼り合わせ等の画像合成を行って死角の少ない合成画像を生成する方法が提案されている。従来の複数カメラ画像合成表示装置においては、車両進行方向に対して異なる方向に設置した複数のカメラを用い、複数カメラの相互配置と車速をもとに、車両後方の合成画像を生成、表示している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−110572号公報(第6〜8頁、第1〜5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の複数カメラ画像合成表示装置では、単一カメラでは死角となる領域を別のカメラの撮像画像にて補い、それらを1つの合成画像とすることにより、死角の減少と共に違和感の少ない合成表示を可能とし視野を広げているが、動きのなめらかさ、あるいは、低ノイズ、高解像度、画像中の異物といった視認性について問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、複数のカメラを用いて撮像した画像から視認性の向上した処理画像を生成、表示する複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る複数カメラ画像処理装置は、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置された複数のカメラ又は複数のカメラのうち1台のカメラを除いた他のカメラからの撮像画像を保存する画像一時記憶部と、複数のカメラのフレームレートとそれぞれの設置位置及び、移動体の移動速度を基にして複数のカメラのそれぞれの撮像タイミングを制御するタイミング制御部と、画像一時記憶部又は、画像一時記憶部と前記1台のカメラから撮像画像を読み込んで画像処理を行う画像処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように設けられ、撮像タイミングが制御された複数のカメラによる撮像画像を用いて画像処理を行うため、視認性の良好な処理画像が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明を実施するための実施の形態1による複数カメラ画像処理装置1の構成を示すブロック図である。図において、複数カメラ画像処理装置1は、タイミング制御部3と、画像一時記憶部4と、画像処理部5と、入力端子7と、出力端子8とを備える。複数カメラ部2は、N個の画像6a〜6bを取り込むため、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置されたN個のカメラを有しており、複数カメラ画像処理装置1により撮像タイミングを制御され、複数カメラ画像処理装置1に撮像画像を出力する。なお、Nは2以上の整数である。
【0009】
入力端子7は、複数カメラ部2を構成するカメラのフレームレートや相互配置などの固定情報の他、移動体の移動速度等の移動体情報が入力される。タイミング制御部3は、入力端子7を介して入力される移動体情報から複数カメラ部2の個々のカメラの撮像タイミングを決定し、第1の撮像制御信号、・・・、第Nの撮像制御信号を複数カメラ部2に出力する。
【0010】
N個のカメラを有する複数カメラ部2は、N個の画像6a〜6bをタイミング制御部3から入力される各カメラの撮像タイミングで取り込み、各カメラの撮像画像を画像一時記憶部4に出力する。
【0011】
画像一時記憶部4は、複数カメラ部2から出力された撮像画像を一時的に記憶しておき、画像処理部5からの読み出し制御信号に応じて出力する。
【0012】
画像処理部5は、入力端子7からの移動体情報と、タイミング制御部3からの撮像タイミング情報から各カメラの撮像画像の読み出しタイミングを決定し、画像一時記憶部4に対して読み出し制御信号を出力し、画像一時記憶部4からの各カメラの撮像画像を読み込む。読み込まれた各カメラの撮像画像は補整処理がなされた後、画像処理により連続した1つの処理画像が生成され、出力端子8に出力される。
【0013】
このように構成された複数カメラ画像処理装置の動作について図1〜5を用いて説明をする。図2は、図1の複数カメラ部2の要部構成を示すブロック図である。複数カメラ部2は、第1のカメラ21a〜第Nのカメラ21b、N個の入力端子22a〜22b、N個の出力端子23a〜23bを備えている。第1のカメラ21a〜第Nのカメラ21bには、画像6a〜6bが絶えず入力されている。入力端子22a〜22bには、タイミング制御部3から出力された第1の撮像制御信号〜第Nの撮像制御信号が入力される。
【0014】
図1に示すタイミング制御部3は、入力端子7から入力される移動体情報から第1のカメラ21a〜第Nのカメラ21bのそれぞれの撮像タイミングを決定し、第1の撮像制御信号〜第Nの撮像制御信号を複数カメラ部2に出力する。これらの情報は、撮像タイミング情報として、画像処理部5にも出力される。ここで、移動体情報とは、複数カメラ部2を構成する個々のカメラ(第1のカメラ21a〜第Nのカメラ21b)の相互配置位置や角度等の固定情報、カメラ設定(光や電荷の蓄積時間やフレームレート)の他、移動体の移動速度、移動方向、移動距離などである。
【0015】
複数カメラ部2では、入力端子22a〜22bを介してタイミング制御部3から入力された第1の撮像制御信号〜第Nの撮像制御信号により、N個の画像6a〜6bを第1のカメラ21a〜第Nのカメラ21bで撮像し取り込み、撮像画像を出力端子23a〜23bを介し画像一時記憶部4に出力する。
【0016】
図3は、画像一時記憶部4の要部構成を示すブロック図である。画像一時記憶部4は、第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41b、N個の入力端子42a〜42b、N個の入力端子43a〜43b、N個の出力端子44a〜44bを備えている。入力端子42a〜42bには、複数カメラ部2から出力された各カメラ21a〜21bの撮像画像が入力される。入力端子43a〜43bには、画像処理部5から出力された第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号が入力される。
【0017】
第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41bは、入力端子42a〜42bを介して複数カメラ部2から入力された各カメラ21a〜21bの撮像画像が入力され、一時記憶される。入力端子43a〜43bを介して画像処理部5から入力される第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号により、一時記憶された各カメラ21a〜21bの撮像画像は読み出され、出力端子44a〜44bを介し画像処理部5に出力する。
【0018】
図4は、図1の画像処理部5の形態の一つとして、フレームレート変換部52aを備えた画像処理部5aの要部構成を示すブロック図である。画像処理部5aは、それぞれのカメラ21a〜21bに対応した第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51b、フレームレート変換部52a、N個の入力端子53a〜53b、N個の出力端子54a〜54b、出力端子55、入力端子56、57を備えている。
【0019】
画像処理部5aには、入力端子7から入力される移動体情報が入力端子57を介して入力され、タイミング制御部3から出力される撮像タイミング情報が入力端子56を介して入力される。入力端子56を介して入力された撮像タイミング情報と、入力端子57を介して入力された移動体情報は、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bとフレームレート変換部52aに入力される。
【0020】
フレームレート変換部52aでは、入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報と、入力端子57を介して入力端子7から入力された移動体情報から、画像一時記憶部4に一時記憶された各カメラ21a〜21bの撮像画像の読み出しタイミングを決定し、第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号を、出力端子54a〜54bを介して画像一時記憶部4に出力する。
【0021】
出力端子54a〜54bを介して出力された各カメラ21a〜21bの撮像画像の第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号は、画像一時記憶部4の入力端子43a〜43bを介して第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41bに入力される。第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41bは、各カメラ21a〜21bの撮像画像を読み出し、出力端子44a〜44bを介して、画像処理部5aに出力する。
【0022】
入力端子53a〜53bを介して画像処理部5aに入力された各カメラ21a〜21bの撮像画像は、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bに入力される。第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bは、入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報と入力端子57を介して入力端子7から入力された移動体情報により、画像一時記憶部4から入力された各カメラ21a〜21bの撮像画像の補整処理を行う。補整処理としては、回転、拡大縮小、変形、及び切り出し処理等があるが、具体例については、後述する。第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bにより補整処理された各カメラ21a〜21bの撮像画像はフレームレート変換部52aに出力され、フレームレート変換処理がなされる。
【0023】
移動体としては、自動車や列車のような車両や、航空機等があげられるが、ここでは自動車を例にとって具体的に説明する。図5には、移動速度Vで移動している車両の側面に、進行方向に沿って同じ高さで同じ特性のカメラ(カメラaがカメラbに対して進行方向前方側)を2個、間隔Dで設置し、車両進行方向に対して、カメラの撮影方向が重なるように配置している。本例では、進行方向に対して垂直方向(横方向)を撮影するものとして図示しているが、進行方向に対してある一定の角度の方向を撮影する場合にも同様である。また、これらのカメラは向きを変更する機構を備えていてもよい。特に、進行方向に対し最前に位置するカメラaが撮像した後に車両が曲がると車両の向きに伴って後続のカメラbの向きも変わる。この場合、後続のカメラbは、カメラaと同じ向きを撮像するために、車両が曲がったことによる方向の補正のため、向きを変更し、カメラaと撮影方向が重なるように制御されていてもよい。カメラはCCD(Charge Coupled Device)カメラでも、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラでも、また、赤外線カメラ、近赤外線カメラ、遠赤外線カメラでも構わない。
【0024】
ここでは、CMOSカメラを例に説明する。光(電荷)の蓄積時間をTとする。連続動作をさせた場合、フレームレートは1/Tとなる。現在、フレームレートが15Hzや、30HzのCMOSカメラが存在する。撮影時刻をt、カメラaの撮影位置(移動距離)をposA、カメラbの撮影位置(移動距離)をposBとする。フレームレートと移動速度を基に、1フレーム分の移動体の移動経路(蓄積時間Tあたりの移動距離L=V×T)をカメラの台数で分割した移動体の移動経路上のそれぞれの位置(0、L/2、L、3×L/2、・・・)において、カメラa、カメラbを交互に用いて、同じ方向を撮影する。つまり、t=t0a、posA=0の時カメラaで、t=t0b、posB=L/2の時カメラbで、t=t1a、posA=Lの時カメラaで、t=t1b、posB=3×L/2の時カメラbで撮影を行う。カメラa,bの撮像範囲は、車両の移動中、連続した範囲の一部をほぼ等間隔で切り取るようになる。
【0025】
カメラaはフレームレートの関係上0、L、2L・・・の位置で撮像を行うが、L/2の位置においてカメラaが撮るべき撮像範囲と重複するようにカメラbはL/2の位置に来たときに撮像する。つまり、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように撮影する。これにより、カメラaの画像をカメラbによって補間することができるようになり、フレームレートをあげることが可能となる。
【0026】
具体的には、カメラaによる撮影からカメラbによる撮影までの時間差を、t0b−t0a=T/2+D/V、カメラbによる撮影からカメラaによる撮影までの時間差を、t1a−t0b=T/2−D/Vとなるように制御する。なお、移動速度がVに変化した場合は、蓄積時間Tあたりの移動距離はL=V×Tに変化するが、この場合も車両の移動経路をカメラの台数分の等間隔の位置(0、L/2、L、3×L/2、・・・)に分割して、上記と同様に撮影すればよい。
【0027】
カメラa、カメラbは、複数カメラ部2の第1のカメラ21a、第Nのカメラ21bに相当する。撮影時刻t0a、t0b、t1a、t1bは、タイミング制御部3が入力端子7から入力された移動体情報(複数カメラの相互配置:間隔D、移動体の移動速度V)とカメラ設定(蓄積時間T又は、フレームレート:1/T)をもとに決定する。また、これらの時間に複数カメラ部2に第1の撮像制御信号と第Nの撮像制御信号が出力され、カメラaとカメラbが画像6a、6bを取り込む。
【0028】
カメラaとカメラbで撮像された撮像画像は、第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bに一時記憶される。画像処理部5aでは、タイミング制御部3から出力された撮像タイミング情報(カメラaの撮像タイミングとカメラbの撮像タイミング)と、入力端子7から入力される移動体情報(複数カメラの相互配置:間隔D、移動体の移動速度V)から各カメラの撮像画像の読み出しタイミングtd0、td1、td2、td3を決定し、そのタイミングにあわせて第1の読み出し制御信号と第Nの読み出し制御信号を第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bに出力する。
【0029】
第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bは、画像処理部5aから出力された第1の読み出し制御信号と第Nの読み出し制御信号により、各メモリに一時記憶されている各カメラの撮像画像を画像処理部5aに出力する。画像処理部5aに入力された各カメラの撮像画像は、第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bに入力される。
【0030】
第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bでは、タイミング制御部3から入力される撮像タイミング情報と、入力端子7から入力される移動体情報をもとに、各カメラa、bの撮像画像を補整する。具体的には、カメラa、bの相互配置の細かな違いや、移動体の移動方向や移動速度など移動体の移動にともなう画像のズレや歪みを補整する。相互配置の細かな違いによるものとしては、例えば、図6に示すような移動体の形状や取り付け制約からくる、カメラa、bの移動体側面での奥行き方向の取り付け位置の差異ΔXによる撮影倍率の差異、高さ方向の取り付け位置の差異ΔHによる撮像範囲の差異や、取り付け角度の差異Δθによる図形変形の差異がある。同様な影響を及ぼすものとして、移動体が直線的な移動だけなく、ある方向に曲がったり、加速、減速など移動速度を変化したりすることによる撮影位置、撮影タイミングのずれによるものがある。
【0031】
補整処理としては、例えば、アフィン変換等を使う。x、y、z軸回りの回転は、それぞれ以下の(1)〜(3)式で表される。
【0032】
【数1】

【0033】
【数2】

【0034】
【数3】

【0035】
拡大縮小は以下の(4)式で表され、原点を中心に、x、y、z軸方向にそれぞれ、Sx、Sy、Szだけ伸縮する。
【0036】
【数4】

【0037】
平行移動は以下の(5)式で表され、x、y、z軸方向にそれぞれ、Tx、Ty、Tzだけ平行移動する。
【0038】
【数5】

【0039】
第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bで補整処理された各カメラの撮像画像は、フレームレート変換部52aに受け渡される。フレームレート変換部52aでは、入力端子57を介して入力された移動体情報と入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報とから、第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bで補整処理された各カメラa、bの撮像画像を順番に選択して、出力端子8から出力する。
【0040】
具体的には、画像処理等を含めた遅れ時間をtdlya、tdlybとすると、例えば、時刻td0(=t0a+tdlya)には、カメラa(第1のカメラ)による撮像画像を、時刻td1(=t0b+tdlyb)には、カメラb(第Nのカメラ)による撮像画像を、時刻td2(=t1a+tdlya)には、カメラa(第1のカメラ)による撮像画像を、時刻td3(=t1b+tdlyb)には、カメラb(第Nのカメラ)による撮像画像を選択して出力する。このとき、tdlya=tdlyb+D/Vとし、時刻td0、td1、td2、td3が等間隔となるように制御する。
【0041】
なお、複数カメラの個数は2個に限るものではなく、N個(Nは2以上の整数)の場合にも、同様の考え方を適用することによって、単一カメラを使用したときに比べて、フレームレートをN倍にし、なめらかな動きの処理画像とすることが可能である。
【0042】
さらに、フレームレート変換部52aでは、時刻t=td0と時刻t=td1の間の、例えば、時刻t=(td0+td1)/2に、時刻t=td0に出力するカメラa(第1のカメラ)の撮像画像と、時刻t=td1に出力するカメラb(第Nのカメラ)の撮像画像からフレームを補間して作成することにより、フレームレートが更に高く、動きが更になめらか画像を得ることも可能である。なお、フレームの補間に使用する画像(フレーム)は補間位置前後のフレームに限るものではなく、さらにその前後のフレームもあわせて使用してもよい。なお、フレームレート変換の方法は上述したものに限るものではない。
【0043】
なお、第Nのカメラ21bの撮像タイミングと画像読み出し時間に合わせて、画像一時記憶部からの第1〜第(N−1)のカメラの画像の読み出し制御をすれば、第Nのカメラ用の第Nのメモリ41bを削減することが可能である。この場合は、第1〜第(N−1)のカメラの撮像画像は、画像一時記憶部4の第1のメモリ〜第(N−1)のメモリから、第Nのカメラの撮像画像は、第Nのカメラから直接読み出すことになる。
【0044】
また、複数カメラ画像処理装置1と、この複数カメラ画像処理装置1により撮像タイミングを制御され、複数カメラ画像処理装置1に撮像画像を出力し、移動体上に設置された複数のカメラ21a〜21bと、複数カメラ画像処理装置1からの処理画像を記録するドライブレコーダ等の記録部と、複数カメラ画像処理装置と記録部からの画像を表示する表示部とを備えて、複数カメラ画像表示装置を構成しても良い。この場合は、ドライブ途中の風景や建物、標識等を再生することができる。
【0045】
このように構成された複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置によれば、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように異なる位置に設置された複数のカメラを用い、1フレーム分の移動経路をカメラの台数分で分割する位置とタイミングを使うと、1つのカメラによる撮影と撮影の間を別のカメラの撮影によって適切に補間することができる。そのため、フレームレートが高く、動きのなめらかな処理画像を得ることができ、視認性が向上する。また、撮像画像の間のフレームを補間して生成すると、更にフレームレートの高い処理画像を生成できるので、更に動きが滑らかな画像を得ることができる。
【0046】
また、各カメラの撮像画像に対して、移動体の移動方向や移動速度、複数カメラの相互配置などの移動体情報に基づき、回転、拡大縮小、変形、切り出し処理等を行って、画像のズレや歪みを補整するため、複数カメラの切り替え、あるいは、複数カメラからの補間処理により生成した連続した1つの処理画像として違和感のない良好なものを得ることができる。
【0047】
また、カメラの向きを変更する機構を備えれば、カメラの設置角度の微調整が可能であるとともに、任意の方向の画像を取得できるため、利便性が増す。また、車両が曲がったことによるカメラの方向の補正もできるため、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように撮影でき、視認性が向上する。また、画像一時記憶部の一部のメモリを省略すれば、コストを下げた複数カメラ画像処理装置を得ることができる。また、ドライブレコーダ等に処理画像を記録すれば、視認性に優れた画像を適宜再生することができるため、通り過ぎた建物や標識等を再生して確認でき、ドライブ時の利便性が向上する。
【0048】
実施の形態2.
実施の形態1は、複数のカメラを用いてフレーム間の画像を補間することにより動きを滑らかにして視認性を向上させるが、ここでは、ノイズを減少させたり、解像度を向上させたりすることにより視認性の向上を行う複数カメラ画像処理装置について述べる。本発明の実施の形態2に係る複数カメラ画像処理装置1の要部構成も実施の形態1で示した図1を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態2に係る複数カメラ画像処理装置1は、画像処理部5の構成が、実施の形態1の構成と若干異なる。
【0049】
複数カメラ画像処理装置1は、タイミング制御部3と、画像一時記憶部4と、画像処理部5と、入力端子7と、出力端子8を備えている。複数カメラ部2は、N個の同様な画像6a〜6bを取り込むため、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置されたN個のカメラを有しており、複数カメラ画像処理装置1により撮像タイミングを制御され、複数カメラ画像処理装置1に撮像画像を出力する。図7、8は、図1の画像処理部5の形態の一つとして、それぞれノイズ低減部52bと解像度変換部52cを備えた画像処理部5b、5cの要部構成を示すブロック図である。画像処理部5b、5cは、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51b、ノイズ低減部52b又は解像度変換部52c、N個の入力端子53a〜53b、N個の出力端子54a〜54b、出力端子55、入力端子56、57を備えている。
【0050】
このように構成された複数カメラ画像処理装置の動作について図1〜3、7〜9を用いて説明をする。図1、2の複数カメラ部2と、図1、3の画像一時記憶部4の動作は実施の形態1と同じである。
【0051】
図7、8に示す画像処理部5b、5cには、入力端子7から入力される移動体情報が入力端子57を介して入力され、タイミング制御部3から出力される撮像タイミング情報が入力端子56を介して入力される。入力端子56を介して入力された撮像タイミング情報と、入力端子57を介して入力された移動体情報は、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bと、ノイズ低減部52b又は解像度変換部52cに入力される。
【0052】
ノイズ低減部52b又は解像度変換部52cでは、入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報と、入力端子57を介して入力端子7から入力された移動体情報から、画像一時記憶部4に一時記憶された各カメラ21a〜21bの撮像画像の読み出しタイミングを決定し、第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号を、出力端子54a〜54bを介して画像一時記憶部4に出力する。
【0053】
出力端子54a〜54bを介して出力された各カメラ21a〜21bの撮像画像の第1の読み出し制御信号〜第Nの読み出し制御信号は、画像一時記憶部4の入力端子43a〜43bを介して第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41bに入力される。第1のメモリ41a〜第Nのメモリ41bは、各カメラ21a〜21bの撮像画像を読み出し、出力端子44a〜44bを介して、画像処理部5b、5cに出力する。
【0054】
入力端子53a〜53bを介して画像処理部5b、5cに入力された各カメラ21a〜21bの撮像画像は、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bに入力される。第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bは、入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報と入力端子57を介して入力端子7から入力された移動体情報により、画像一時記憶部4から入力された各カメラの撮像画像の補整処理を行う。第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51bにより補整処理された各カメラ21a〜21bの撮像画像は、ノイズ低減部52bに出力されノイズ低減処理、又は、解像度変換部52cに出力され解像度変換処理がなされる。
【0055】
図9を用いて、移動速度Vで移動している車両の側面に、進行方向に沿って同じ高さで同じ特性のカメラ(カメラaがカメラbに対して進行方向前方側)を2個、間隔Dで配置し、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように撮影する場合について説明する。本例では、進行方向に対して垂直方向(横方向)を撮影するものとして図示しているが、進行方向に対してある一定の角度の方向を撮影する場合にも同様である。また、これらのカメラは向きを変更する機構を備えていてもよい。特に、進行方向に対し最前に位置するカメラaが撮像した後に車両が曲がると車両の向きに伴って後続のカメラbの向きも変わる。この場合、後続のカメラbは、カメラaと同じ向きで同じ画像を撮像するために、車両が曲がったことによる方向の補正のため、向きを変更し、カメラaと撮像範囲が重複するように制御されていてもよい。
【0056】
CMOSカメラを例に説明する。光(電荷)の蓄積時間をTとする。連続動作をさせた場合、フレームレートは1/Tとなる。撮影時刻をt、カメラaの撮影位置(移動距離)をposA、カメラbの撮影位置(移動距離)をposBとする。フレームレートと移動速度を基にした移動体の移動経路(蓄積時間Tあたりの移動距離L=V×T)上で、複数のカメラのそれぞれが同じ位置(0、L、・・・)の時、カメラa、カメラbを交互に用いて、撮像範囲が重複するように同じ方向を撮影し、同様の撮像画像を得る。つまり、t=t0a、posA=0の時カメラaで、t=t0b、posB=0の時カメラbで、t=t1a、posA=Lの時カメラaで、t=t1b、posB=Lの時カメラbで撮影を行う。このとき、カメラaによる撮影からカメラbによる撮影までの時間差を、t0b−t0a=D/V、カメラbによる撮影からカメラaによる撮影までの時間差を、t1a−t0b=T−D/Vとなるように制御する。なお、移動速度がVに変化した場合は、蓄積時間Tあたりの移動距離はL=V×Tに変化するが、この場合も車両の移動経路上の複数のカメラのそれぞれが同じ位置(0、L、・・・)で上記と同様に撮影すればよい。
【0057】
カメラa、カメラbは、複数カメラ部2の第1のカメラ21a、第Nのカメラ21bに相当する。撮影時刻t0a、t0b、t1a、t1bは、タイミング制御部3が入力端子7から入力された移動体情報(複数カメラの相互配置:間隔D、移動体の移動速度V)とカメラ設定(蓄積時間T又は、フレームレート:1/T)をもとに決定する。また、これらの時間に複数カメラ部2に第1の撮像制御信号と第Nの撮像制御信号が出力され、カメラaとカメラbが画像6a、6bを取り込む。
【0058】
カメラaとカメラbで撮像された撮像画像は、第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bに一時記憶される。画像処理部5bでは、タイミング制御部3から出力された撮像タイミング情報(カメラaの撮像タイミングとカメラbの撮像タイミング)と、入力端子7から入力される移動体情報(複数カメラの相互配置:間隔D、移動体の移動速度V)から各カメラの撮像画像の読み出しタイミングtd0、td1を決定し、そのタイミングにあわせて第1の読み出し制御信号と第Nの読み出し制御信号を第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bに出力する。
【0059】
第1のメモリ41aと第Nのメモリ41bは、画像処理部5b、5cから出力された第1の読み出し制御信号と第Nの読み出し制御信号により、各メモリに一時記憶されている各カメラの撮像画像を画像処理部5b、5cに出力する。画像処理部5b、5cに入力された各カメラの撮像画像は、第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bに入力される。
【0060】
第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bでは、タイミング制御部3から入力される撮像タイミング情報と、入力端子7から入力される移動体情報をもとに、各カメラの撮像画像を実施の形態1と同様に補整する。
【0061】
第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bで補整処理された各カメラの撮像画像は、ノイズ低減部52b又は解像度変換部52cに受け渡される。ノイズ低減部52b又は解像度変換部52cは、入力端子57を介して入力された移動体情報と入力端子56を介してタイミング制御部3から入力された撮像タイミング情報とから、第1の画像補整部51aと第Nの画像補整部51bで補整処理された各カメラの撮像画像に対して重ね合わせ処理を行ない、ノイズが低減された処理結果(処理画像)又は、解像度が向上した処理結果(処理画像)を出力端子8から出力する。
【0062】
具体的には、カメラaとカメラbからの画像処理等を含めた遅れ時間をそれぞれtdlya、tdlybとすると、例えば、時刻td0(=t0a+tdlya=t0b+tdlyb)には、カメラa(第1のカメラ)による撮像画像とカメラb(第Nのカメラ)による撮像画像の処理画像を、時刻td1(=t1a+tdlya=t1b+tdlyb)には、カメラa(第1のカメラ)による撮像画像とカメラb(第Nのカメラ)による撮像画像の処理画像を取得して、重ね合わせ処理を行うことによりノイズ低減や解像度向上を行う。なお、ノイズ低減方法については、例えば、吹抜敬彦著「TV画像の多次元信号処理」日刊工業新聞社、1988年、などに技術の概要が記載されている。また、重ね合わせ処理を行うことにより、解像度が向上できることは超解像技術として知られており、例えば、高木幹雄・下田陽久監修「新編画像解析ハンドブック」東京大学出版会、2004年、などに技術の概要が記載されている。
【0063】
なお、重ね合わせ処理に際して、重ね合わせる複数の撮像画像の位置合わせのため、撮像画像の向きや大きさ、範囲をあわせる必要があるが、これを第1の画像補整部51a、第Nの画像補整部51bでまとめて行なえるように、入力端子53a、53bと第1の画像補整部51a、第Nの画像補整部51bの間に、相互の撮像画像を比較する手段を設け、その比較結果により、第1の画像補整部51a、第Nの画像補整部51bの補整処理を制御するように構成してもよい。
【0064】
また、解像度変換部52cの処理前後で、画像サイズが変化しない場合に適用できるだけでなく、画像サイズが増加する、つまり、拡大処理されるような場合にも、逆に、画像サイズが減少する、つまり、縮小処理されるような場合にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0065】
また、複数カメラの個数は2個に限るものではなく、N個(Nは2以上の整数)の場合も、同様に撮像画像の重ね合わせ処理をすれば、よりノイズが低減できたり、解像度の高い処理画像が得られたりする。
【0066】
また、第Nのカメラ21bの撮像タイミングと画像読み出し時間に合わせて、画像一時記憶部からの第1〜第(N−1)のカメラの画像の読み出し制御をすれば、第Nのカメラ用の第Nのメモリ41bを削減することが可能である。この場合は、第1〜第(N−1)のカメラの撮像画像は、画像一時記憶部4の第1のメモリ〜第(N−1)のメモリから、第Nのカメラの撮像画像は、直接第Nのカメラから読み出すことになる。
【0067】
このように構成された複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置によれば、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように異なる位置に設置された複数のカメラを用い、これらが移動経路上の同じ位置から同じ方向を撮影するようにタイミングを制御すると、複数のカメラが同じ領域(方向、範囲)を撮影することができる。そのため、それら複数の撮像画像の重ね合わせ処理をすることにより、ノイズの少ない処理画像や、解像度の高い処理画像を得ることができ、視認性が向上する。
【0068】
また、各カメラの撮像画像に対して、移動体の移動方向や移動速度、複数カメラの相互配置などの移動体情報に基づき、画像のズレや歪みを補整した後に、複数カメラの撮像画像による重ね合わせ処理をするので、連続した1つの処理画像として違和感のない良好なものを得ることができる。
【0069】
実施の形態3.
実施の形態2は、複数のカメラを用いてノイズを低減させたり、解像度を向上させたりすることにより視認性を向上させるが、ここでは、カメラと背景の間にある移動物(異物)のために背後に隠れて見えなくなる背景の画像を補正して定常画像を作成することにより、背景の視認性の向上を行う複数カメラ画像処理装置について述べる。本発明の実施の形態3に係る複数カメラ画像処理装置1の要部構成も実施の形態1で示した図1を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態3に係る複数カメラ画像処理装置1は、画像処理部5の構成が、実施の形態1、2の構成と若干異なる。
【0070】
複数カメラ画像処理装置1は、タイミング制御部3と、画像一時記憶部4と、画像処理部5と、入力端子7と、出力端子8を備えている。複数カメラ部2は、N個の同様な画像6a〜6bを取り込むため、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置されたN個のカメラを有しており、複数カメラ画像処理装置1により撮像タイミングを制御され、複数カメラ画像処理装置1に撮像画像を出力する。図10は、図1の画像処理部5の形態の一つとして、定常画像作成部52dを備えた画像処理部5dの要部構成を示すブロック図である。画像処理部5dは、第1の画像補整部51a〜第Nの画像補整部51b、定常画像作成部52d、N個の入力端子53a〜53b、N個の出力端子54a〜54b、出力端子55、入力端子56、57を備えている。
【0071】
このように構成された複数カメラ画像処理装置の動作について説明をする。画像処理部5dの動作は、実施の形態2の画像処理部5b、5cとほぼ同じであるが、最後の重ね合わせ処理をする定常画像作成部52dの働きだけが異なる。定常画像作成部52dの動作例を図11を用いて説明する。
【0072】
まず、車両の側面にカメラa〜cを設置する。その後、車両の移動に伴い、カメラが移動経路上の同じ位置に来たときに、カメラa、b、cを用い順番に同じ方向を撮像する。その結果、同じ背景の画像が3枚得られる。このとき、カメラと背景の間に移動する異物(混入物)が撮像されることがある。カメラが1台のときは、異物の背後に隠れた例えば建物等の看板や道路標識、大売出し等ののぼりは確認することはできない。ここで、3枚の中のある同じエリアを比較したとき、1枚だけが他の2枚と異なるときは、そこを異物と判断し、異物が写っていない他の撮像画像から補間することにより、異物を消した定常画像を作成することができる。
【0073】
また、別の方法としては、複数の画像を比較したとき、同じ異物が違う位置に写ることにより変化のあるところは、これを移動物と判断し、移動物(異物)が移っていない画像から補間することにより、異物を消した定常画像を作成することができる。
【0074】
このように構成された複数カメラ画像処理装置及び複数カメラ画像表示装置によれば、移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように異なる位置に設置された複数のカメラを用い、これらが移動経路上の同じ位置から同じ方向を撮影するようにタイミングを制御すると、複数のカメラが同じ領域(方向、範囲)を撮影することができる。そのため、それら複数の撮像画像の重ね合わせ処理をすることにより、移動物(異物)を消した定常画像を得ることができ、視認性が向上する。
【0075】
また、処理画像をドライブレコーダ等の記録部に記録し、それを後で表示部で再生することにより、移動物(異物)の背後の建物等の看板や道路標識や大売出し等ののぼりを確認することができ、また、カーナビゲーション装置には記録されていない大売出し等の限定情報も得ることができるので、ドライブの利便性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明の実施の形態1〜3を示す複数カメラ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1〜3を示す複数カメラ部の構成を示すブロック図である
【図3】この発明の実施の形態1〜3を示す画像一時記憶部の構成を示すブロック図である
【図4】この発明の実施の形態1を示す画像処理部の構成を示すブロック図である
【図5】この発明の実施の形態1を示す複数カメラ画像処理装置の動作説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1〜3の複数カメラの相互配置のずれを説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態2を示す画像処理部の構成を示すブロック図である
【図8】この発明の実施の形態2を示す別の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2を示す複数カメラ画像処理装置の動作説明図である。
【図10】この発明の実施の形態3を示す画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態3の定常画像作成部の処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 複数カメラ画像処理装置
2 複数カメラ部
3 タイミング制御部
4 画像一時記憶部
5、5a、5b、5c、5d 画像処理部
6a、6b 画像
21a 第1のカメラ
21b 第Nのカメラ
22a、22b 入力端子
23a、23b 出力端子
41a 第1のメモリ
41b 第Nのメモリ
42a、42b 入力端子
43a、43a 入力端子
44a、44b 出力端子
51a 第1の画像補整部
51b 第Nの画像補整部
52a フレームレート変換部
52b ノイズ低減部
52c 解像度変換部
52d 定常画像作成部
53a、53b 入力端子
54a、54b 出力端子
55 出力端子
56 入力端子
57 入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動によって異なるカメラの撮像範囲が重複するように移動体の進行方向に沿って異なる位置に設置された複数のカメラ又は前記複数のカメラのうち1台のカメラを除いた他のカメラからの撮像画像を保存する画像一時記憶部と、
前記複数のカメラのフレームレートとそれぞれの設置位置及び、前記移動体の移動速度を基にして前記複数のカメラのそれぞれの撮像タイミングを制御するタイミング制御部と、
前記画像一時記憶部又は、前記画像一時記憶部と前記1台のカメラから前記撮像画像を読み込んで画像処理を行う画像処理部とを備えた複数カメラ画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記複数のカメラのそれぞれに対応し、撮像画像に対して、回転、拡大縮小、変形、及び切り出し処理のうち少なくとも1つを行う画像補整部を更に備える請求項1記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項3】
前記進行方向に沿って最前のカメラの撮像範囲と重複するように後続のカメラの撮像範囲を変更する機構を更に備える請求項1記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項4】
前記タイミング制御部は、前記フレームレートと前記移動速度を基に、1フレーム分の前記移動体の移動経路を前記複数のカメラの台数分に分割する位置から撮像するように前記複数のカメラのそれぞれの撮像タイミングを制御する請求項1記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記撮像画像を基にフレームレートの高い処理画像を生成するフレームレート変換部を更に備える請求項4記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項6】
前記フレームレート変換部は、前記複数のカメラのそれぞれのカメラからの撮像画像の間のフレームを補間して生成することにより、さらにフレームレートの高い処理画像を生成する請求項5記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項7】
前記タイミング制御部は、前記フレームレートと前記移動速度を基に、前記移動体の移動経路上で前記複数のカメラのそれぞれが同じ位置から撮像するように前記複数のカメラのそれぞれの撮像タイミングを制御する請求項1記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理部は、前記同じ位置から撮像した複数のカメラからの撮像画像に対し、重ね合わせ処理を行う請求項7記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理部は、前記撮像画像のノイズ低減、解像度向上、及び異物の削除のうち少なくとも1つを行う請求項8記載の複数カメラ画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の複数カメラ画像処理装置と、
前記複数カメラ画像処理装置により撮像タイミングを制御され、前記複数カメラ画像処理装置に撮像画像を出力する前記移動体に設置された複数のカメラと、
前記複数カメラ画像処理装置からの処理画像を記録する記録部と、
前記複数カメラ画像処理装置と前記記録部からの画像を表示する表示部とを備えた複数カメラ画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−21619(P2010−21619A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177804(P2008−177804)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】