説明

複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置

【課題】
従来、例えば、農地や汚染地盤等の汚染土壌の改良を行なう場合、一定量宛をミキサー等に投入し均質になるまで混合、攪拌する作業を多数回繰り返して行なっていたため、1回毎に多くの時間を要する上に、各回の混合、攪拌が一定しない課題があり、混合、攪拌後に、再び該ミキサー等から他の移送手段へ移し変えねばならぬため、作業が分断されて能率が悪い課題があった。
【解決手段】
コイルスプリング状のコンベヤを回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたコンベヤ装置の上方位置に、汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を各別に設定量宛連続的に投入・供給する、複数の投入・供給口を開口すると共に、先端部付近に、搬送してきた混合搬送物を外部へ排出する排出口を備えた、複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置によって課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として極めて効率的な汚染土壌の改良手段を提供し、汚染土壌改良の課題を本発明に独自なコンベヤ装置を中心とした本発明装置によって解決することを目的とし、
該本発明装置によって汚染土壌、及び、各種土壌改良材(例えば、粉・粒状の各種の薬品・薬剤、石灰、吸水保水剤、通水剤、水捌け剤等)、各種改良土壌(例えば、パーライト、鹿沼土、堆肥等)、各種肥料等の2種類以上複数種の搬送物を、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に搬送・供給できるようにしたものであり、即ち、設定量に制御された搬送流の中に、目的とする各種の搬送物を設定量宛投入・供給して、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物とすることが可能となり、均質で安定した混合物を連続して製造・供給できるようにして、課題を解決したものである。
【0002】
更に、本発明は上記農地や汚染地盤等の土壌改良用の装置としての他、化学薬品、薬剤、農産物、飼料、工業・建築材料、その他各種の粉・粒状体を、均質な粉・粒状の状態で設定量宛連続的に攪拌・混合、搬送・供給することを必要とする場合、そして、それらの定量配合、定量充填、定量包装などを行なうため装置として極めて広く汎用できるものであり、
【0003】
例えば、コンクリート製造(セメント、砂、砂利等)、各種配合肥料の製造、各種配合飼料の製造等のように、2種類以上複数種の搬送物を塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に搬送・供給する最適な装置として利用できるものである。
【背景技術】
【0004】
従来、例えば、農地や汚染地盤等の汚染土壌の改良を行なう場合、設定量(容積、重量等)の汚染土壌、各種土壌改良材、各種改良土壌等を設定割合宛ミキサー等に投入して、1回当たり一定量宛を全体が均質になるまで混合、攪拌して行なっており、その作業を多数回繰り返して行なう方式が一般的であるが、1回毎に多くの時間を要する上に、各回の混合、攪拌が一定にならない課題があり、
【0005】
その上、農地や汚染地盤等を掘削しバケットコンベヤ、ダンプ等で搬送してきた汚染土壌をトロンメル等の土壌分別装置で設定寸法以下の粉・粒状に篩い分けた後、該汚染土壌、及び各種土壌改良材、各種改良土壌等を1回量宛ミキサー等に投入し、混合、攪拌後に、再び該ミキサー等から他の搬送手段へ移し変えねばならず、そのため、作業が分断されて極めて能率が悪い課題があった。
【特許文献1】特願2004−027132号出願書類
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の、1回毎に多くの時間を要する上に、各回の混合、攪拌が一定にならない課題があり、その上、作業が分断されて極めて能率が悪い課題を、
【0007】
本発明に係る、中空部を有するコイルスプリング状のコンベヤをハウジング内に1本以上複数本並列し、その全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたコンベヤ装置の、コンベヤを回転駆動し、各投入・供給口からコンベヤ上に汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を、各別にそれぞれ投入・供給し、該コンベヤによる搬送過程で、各搬送物を攪拌・混合して均質な混合物とし、該混合搬送物をコンベヤ装置の排出口から排出して次の工程へ移送するように備えたことを特徴とする、複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置によって解決せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明は、中空部を有するコイルスプリング状のコンベヤをハウジング内に1本以上複数本並列し、その全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたコンベヤ装置を備え、
【0009】
該コンベヤ装置の上方位置に、汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を各別に設定量宛連続的に投入・供給する、複数の投入・供給口を開口すると共に、先端部付近に、搬送してきた混合搬送物を外部へ排出する排出口を備えたものであり、
【0010】
コンベヤ装置のコンベヤを回転駆動し、各投入・供給口からコンベヤ上に汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を、各別にそれぞれ投入・供給し、該コンベヤによる搬送過程で、各搬送物を攪拌・混合して均質な混合物とし、該混合搬送物をコンベヤ装置の排出口から排出して次の工程へ移送するように備えたことを特徴とする、複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置によって、課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は主として極めて効率的な汚染土壌の改良手段を提供し、汚染土壌改良の課題を本発明に独自なコンベヤ装置を中心とした本発明装置によって解決することを目的としており、該本発明装置によって汚染土壌、及び、各種土壌改良材(例えば、粉・粒状の各種の薬品・薬剤、石灰、吸水保水剤、通水剤、水捌け剤等)、各種改良土壌(例えば、パーライト、鹿沼土、堆肥等)、各種肥料等の2種類以上複数種の搬送物を、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に搬送・供給でき、即ち、設定量に制御された搬送流の中に、目的とする各種の搬送物を設定量宛投入・供給して、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物とすることが可能となり、均質で安定した混合物を連続して製造・供給できる、優れた効果がある。
【0012】
また、本発明は上記農地や汚染地盤等の土壌改良用の装置としての他、化学薬品、薬剤、農産物、飼料、工業・建築材料、その他各種の粉・粒状体を、均質な粉・粒状の状態で設定量宛連続的に攪拌・混合、搬送・供給することを必要とする場合、そして、それらの定量配合、定量充填、定量包装などを行なうため装置として極めて広く汎用できる特徴がある。
【0013】
例えば、コンクリート製造(セメント、砂、砂利等)、各種配合肥料の製造、各種配合飼料の製造等のように、2種類以上複数種の搬送物を塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に搬送・供給する最適な装置として利用できる。
【0014】
また、本発明のコンベヤ装置は、投入・供給口から供給された搬送物のうち、粉状、粒状若しくは小さな塊状のものはコンベヤのコイル間を通り抜けて中空部2内若しくはハウジングの底面に到達し、団塊状のものはコイル上に引っ掛った後、コンベヤの回転で粉状、粒状若しくは小さな塊状になり同じくコイル間を通り抜けて中空部内若しくはハウジングの底面に到達して、ホッパーから供給された粉体を全て効率的にコンベヤに取り込んで搬送処理でき、
【0015】
そして、回転するコイルと中空部による内部粉体の攪拌と、回転駆動力と粉体の摩擦抵抗等で発生するコイルの振動、伸縮作用が相乗して粉体を効果的に解きほぐしながら、圧縮することなしに搬送、排出することができ、よって、従来のように、特に粉体が圧縮により固形化、団塊化、団子化、空洞形成することを防止して、各種の粉体の均質な粉の状態での間欠的または連続的な正確な供給とそれにより可能となる精密な計量、配合等を可能とする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
コンベヤ装置を、軸方向に中空部を有するコイルスプリング状に形成したスクリュー搬送式のコンベヤをハウジング内に1本以上複数本並列して備えると共に、適宜の原動力でその全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設け、
【0017】
上記コンベヤ装置の上方位置に、コンベヤへ各種の搬送物を各別に設定量宛連続的に落下供給する各投入・供給口等を備えると共に、先端部付近の下面に、搬送してきた搬送物を外部へ排出する排出口を備えたものである、複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置。
【実施例】
【0018】
以下、図面により、本発明を土壌改良装置として実施した場合の実施例につき説明する。
図1は本発明実施例装置の構成概略を示す正面図、図2は図1のコンベヤ装置の縦断正面図、図3は図2の一部切断平面図である。
【0019】
コンベヤ装置Aは、軸方向に中空部2を有するコイルスプリング状に形成したスクリュー搬送式のコンベヤ1をハウジング3内に1本以上複数本並列して備えると共に、適宜の原動力(回転軸4)でその全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたものであり、
【0020】
コンベヤ装置Aの基部付近の上方位置に備えた投入・供給口5の上方に、トロンメル10等の土壌分別装置を備え、該土壌分別装置10により、地盤を掘削しバケットコンベヤ11、ダンプ等で搬送してきた汚染土壌(搬送物)を設定寸法以下の粉・粒状に篩い分けて投入・供給口5へ設定量宛連続的に投入するように備えたものであり、
【0021】
コンベヤ装置Aの基部乃至先端部付近の上方位置に備えた投入・供給口9の上方に、スクリューコンベヤ12(例えば、コンベヤ装置Aと同構成のスクリューコンベヤ)等の計量供給装置を備え、該計量供給装置12により、粉・粒状の各種土壌改良材(搬送物)(粉・粒状の各種の薬品・薬剤、石灰、吸水保水剤、通水剤、水捌け剤、パーライト、鹿沼土、堆肥、等)を投入・供給口9へ設定量宛連続的に供給するように備えたものであり、
【0022】
各投入・供給口5、9等から各別に投入・供給された各種土壌改良材(搬送物)の内、粉・粒状若しくは小さな塊状のものは、コンベヤ1のコイル7間を通り抜けて中空部2内若しくはハウジング3の底面に到達し、団塊状のものはコイル7上に引っ掛った後、コンベヤ1の回転・振動・伸縮動等で砕かれて粉・粒状若しくは小さな塊状になり、同じくコイル7間を通り抜けて中空部2内若しくはハウジング3の底面に到達し、それら中空部2内の各種の搬送物をコンベヤ1で搬送する過程で攪拌・混合すると共に、コンベヤ1の回転力と粉・粒体の摩擦抵抗力等によってコンベヤ1のコイル7に発生する振動・伸縮動等によって解きほぐし・攪拌・混合して更に粉・粒状化を促進し、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に排出口6から外部へ排出し、それをコンベヤ13、ダンプ等で、例えば、貯留槽14等の目的場所へ移送するように備えた、複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置である。
【0023】
なお、上記において、コンベヤ1は、例えば、図示のように、各コンベヤ1の基部を適宜の回転軸4に連結して回転駆動するように備えると共に、先端を固定軸8に、遊転、振動、伸縮自在なフリー状態に遊嵌支持して備えたものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、主として、極めて効率的な農地や汚染地盤等の汚染土壌の改良手段を提供するものであるが、その他、化学薬品、薬剤、農産物、飼料、工業・建築材料、その他各種の粉・粒状体を、均質な粉・粒状の状態で設定量宛連続的に攪拌・混合、搬送・供給することを必要とする場合、そして、それらの定量配合、定量充填、定量包装などを行なうため手段として極めて広く汎用できるものであり、当然、それらの場合も本発明の技術的構成範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明実施例装置の構成概略を示す正面図である。
【図2】図1のコンベヤ装置の縦断正面図である。
【図3】図2の一部切断平面図である。
【符号の説明】
【0026】
A 本発明実施例装置
1 コンベヤ
2 中空部
3 ハウジング
4 回転軸
5 投入・供給口
6 排出口
7 コイル
8 固定軸
9 投入・供給口
10 トロンメル等の土壌分別装置
11 バケットコンベヤ
12 スクリューコンベヤ等の計量供給装置
13 コンベヤ
14 貯留槽


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有するコイルスプリング状のコンベヤをハウジング内に1本以上複数本並列し、その全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたコンベヤ装置を備え、
該コンベヤ装置の上方位置に、汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を各別に設定量宛連続的に投入・供給する、複数の投入・供給口を開口すると共に、先端部付近に、搬送してきた混合搬送物を外部へ排出する排出口を備えたものであり、
コンベヤ装置のコンベヤを回転駆動し、各投入・供給口からコンベヤ上に汚染土壌、土壌改良剤等の各種の搬送物を、各別にそれぞれ投入・供給し、該コンベヤによる搬送過程で、各搬送物を攪拌・混合して均質な混合物とし、該混合搬送物をコンベヤ装置の排出口から排出して次の工程へ移送するように備えたことを特徴とする、
複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置。
【請求項2】
コンベヤ装置は、軸方向に中空部を有するコイルスプリング状に形成したスクリュー搬送式のコンベヤをハウジング内に1本以上複数本並列して備えると共に、適宜の原動力でその全部若しくは個々の回転速度調節自在に回転駆動して設定量の搬送物を連続搬送するように設けたものであり、
上記コンベヤの上方位置に、コンベヤへ各種の搬送物を各別に設定量宛連続的に落下供給する各投入・供給口等を備えると共に、先端部付近の下面に、搬送してきた搬送物を外部へ排出する排出口を備えたものであって、
各投入・供給口等から各別に投入・供給された各種の搬送物の内、粉・粒状若しくは小さな塊状のものはコンベヤのコイル間を通り抜けて中空部内若しくはハウジングの底面に到達し、団塊状のものはコイル上に引っ掛った後、コンベヤの回転・振動・伸縮動等で砕かれて粉・粒状若しくは小さな塊状になり、同じくコイル間を通り抜けて中空部内若しくはハウジングの底面に到達し、それら中空部内の各種の搬送物をコンベヤで搬送する過程で攪拌・混合すると共に、コンベヤの回転力と粉・粒体の摩擦抵抗力等によってコンベヤのコイルに発生する振動・伸縮動等によって解きほぐし・攪拌・混合して更に粉・粒状化を促進し、塊りや内部空洞が無い均等に攪拌・混合された均質な粉・粒状の搬送物として設定量宛連続的に排出口から外部へ排出するように備えたものである、
請求項1の複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置。
【請求項3】
コンベヤ装置の基部付近の上方位置に備えた投入・供給口の上方に、トロンメル等の土壌分別装置を備え、該土壌分別装置により、地盤を掘削しバケットコンベヤ、ダンプ等で搬送してきた汚染土壌(搬送物)を設定寸法以下の粉・粒状に篩い分けて投入・供給口へ設定量宛連続的に投入するように備えたものである、
請求項1の複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置。
【請求項4】
コンベヤ装置の基部乃至先端部付近の上方位置に備えた投入・供給口の上方に、スクリューコンベヤ等の計量供給装置を備え、該計量供給装置により、粉・粒状の各種土壌改良材(搬送物)(粉・粒状の各種の薬品・薬剤、石灰、吸水保水剤、通水剤、水捌け剤、パーライト、鹿沼土、堆肥、等)を投入・供給口へ設定量宛連続的に供給するように備えたものである、
請求項1の複数種の搬送物を均質に攪拌・混合して設定量宛連続的に搬送・供給する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−346655(P2006−346655A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179431(P2005−179431)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000183565)
【Fターム(参考)】