説明

複素環アミン誘導体

【解決手段】一般式(IV'):
Q'-NH2 (IV')
(式中、Q’は、Q26、Q28〜Q30等の特定の複素環を示し、
【化1】


YはH、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル等を示し、mは1〜4を示し、且つYmのうち、少なくとも1つはパーフルオロアルキル等を示す。)で表される複素環アミン誘導体。
【効果】医薬、農薬等の生理活性を示す各種化合物を製造するための中間体化合物として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフタラミド誘導体、その製造中間体及び該化合物を有効成分として含有する農園芸用殺虫剤並びにその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開昭59−163353号公報、特開昭61−180753号公報及びジャーナル・オブ・ケミカルソサイアティー(J.C.S.Perkin I、1338−1350、(1978))等に本発明のフタラミド誘導体の一部の化合物が開示されているが、農園芸用殺虫剤として有用である記載及び示唆は全くされていない。又、該フタラミド誘導体を製造するための中間体化合物である一般式(IV') で表される複素環アミン誘導体は文献未記載の新規化合物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−163353号公報
【特許文献2】特開昭61−180753号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ケミカルソサイアティー(J.C.S.Perkin I、1338−1350、(1978))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は新規な農園芸用薬剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の一般式(I) で表されるフタラミド誘導体は文献未記載の新規化合物であり、先行技術に開示の化合物も含めた農園芸用殺虫剤として新規な用途を見いだし、更に一般式(IV') で表される複素環アミン誘導体は文献未記載の新規化合物であり、該化合物は医薬、農薬等の生理活性を示す各種誘導体を製造する上で有用な中間体であることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0006】
本発明は一般式(I):
【化13】

{式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異なっても良く、水素原子、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基又は−A1 −(G)r(式中、A1 は C1-C8アルキレン基、 C3-C6アルケニレン基又は C3-C6アルキニレン基を示し、Gは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ハロ C1-C6アルキル基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルコキシホスホリル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルコキシチオホスホリル基、ジフェニルホスフィノ基、ジフェニルホスホノ基、フェニル
基、
【0007】
同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基とはピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基又はピラゾリル基を示す。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ
C1-C6アルキルスルフィニル基、
【0008】
C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は−Z3 −R4 (式中、Z3 は−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−N(R5)−(式中、R5 は水素原子、 C1-C6アルキルカルボニル基、ハロ C1-C6アルキルカルボニル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、フェニルカルボニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、C1 -C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニルカルボニル基、フェニル C1-C4アルコキシカルボニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、C1 -C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニル C1-C4アルコキシカルボニル基、
【0009】
C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基を示す。)、−C(=O)−又は−C(=NOR6 )−(式中、R6 は水素原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C3-C6アルケニル基、ハロ C3-C6アルケニル基、 C3-C6アルキニル基、 C3-C6シクロアルキル基、フェニル C1-C4アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニル C1-C4アルキル基を示す。)を示し、R4 は水素原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C3-C6アルケニル基、ハロ C3-C6アルケニル基、 C3-C6アルキニル基、ハロ
C3-C6アルキニル基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルキルチオ C1-C6アルキル基、ホルミル基、 C1-C6アルキルカルボニル基、
【0010】
ハロ C1-C6アルキルカルボニル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、モノ C1-C6アルキルアミノカルボニル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルキルアミノカルボニル基、モノ C1-C6アルキルアミノチオカルボニル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルキルアミノチオカルボニル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルコキシホスホリル基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルコキシチオホスホリル基、フェニル基、同一又は異なっ
ても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェニル C1-C4アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、
C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、
【0011】
C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニル C1-C4アルキル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)を示す。)を示す。rは1〜4の整数を示す。)を示す。
又、R1 及びR2 は互いに結合して1〜3個の同一又は異なっても良く、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子により中断されても良い4〜7員環を形成することもできる。
【0012】
Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は−A2 −R7 (式中、A2 は−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−N(R8 )−(式中、R8 は水素原子、
【0013】
C1-C6アルキルカルボニル基、ハロ C1-C6アルキルカルボニル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、フェニルカルボニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニルカルボニル基、フェニル C1-C4アルコキシカルボニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニル C1-C4アルコキシカルボニル基を示す。)、−C(=O)−、−C(=NOR6)−(式中、R6 は前記に同じ。)、 C1-C6アルキレン基、ハロ C1-C6アルキレン基、 C2-C6アルケニレン基、ハロ C2-C6アルケニレン基、 C2-C6アルキニレン基又はハロ C3-C6アルキニレン基を示し、
【0014】
(1) A2が−O−、−S−、−SO−、−SO2 −又は−N(R8 )−(式中、R8 は前
記に同じ。)を示す場合、R7 は水素原子、ハロ C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルケニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ
C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は
【0015】
−A3 −R9 (式中、A3 は C1-C6アルキレン基、ハロ C1-C6アルキレン基、 C3-C6アルケニレン基、ハロ C3-C6アルケニレン基、 C3-C6アルキニレン基又はハロ C3-C6アルキニレン基を示し、R9 は水素原子、ハロゲン原子、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ
C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基又は−A4 −R10(式中、A4は−O−、−S−、−SO−、−SO2 −又は−C(=O)−を示し、R10は C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C3-C6アルケニル基、ハロ C3-C6アルケニル基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、
【0016】
C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)を示す。)を示し、
【0017】
(2) A2が−C(=O)−又は−C(=NOR6)−(式中、R6 は前記に同じ。)を示す場合、R7 は水素原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C2-C6アルケニル基、ハロ C2-C6アルケニル基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、モノ C1-C6アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ C1-C6アルキルアミノ基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェニルアミノ基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、
【0018】
ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基か
ら選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニルアミノ基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)を示し、
【0019】
(3) A2が C1-C6アルキレン基、ハロ C1-C6アルキレン基、 C2-C6アルケニレン基、ハロ
C2-C6アルケニレン基、 C2-C6アルキニレン基又はハロ C3-C6アルキニレン基を示す場合、R7 は水素原子、ハロゲン原子、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、同一又は異なっても良いトリ C1-C6アルキルシリル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、
【0020】
ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は−A5 −R11(式中、A5 は−O−、−S−、−SO−又は−SO2 −を示し、R11は C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、
【0021】
ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は−A6 −R12(式中、A6 は C1-C6アルキレン基、ハロ C1-C6アルキレン基、 C2-C6アルケニレン基、ハロ C2-C6アルケニレン基、 C2-C6アルキニレン基又はハロ C3-C6アルキニレン基を示し、R12は水素原子、ハロゲン原子、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基、ハロ C1-C6アルキルスルホニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、
【0022】
ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェノキシ基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から
選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基、フェニルチオ基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、
【0023】
C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニルチオ基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)を示す。)を示す。)を示す。)を示す。
【0024】
nは0〜4の整数を示す。又、Xはフェニル環上の隣り合った炭素原子と一緒になって縮合環(縮合環とはナフタレン、テトラヒドロナフタレン、インデン、インダン、キノリン、キナゾリン、クロマン、イソクロマン、インドール、インドリン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール又はインダゾールを示す。)を形成することができ、該縮合環は、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基、ハロ C1-C6アルキルスルホニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、
【0025】
ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)から選択される1以上の置換基を有することもできる。
【0026】
QはQ1〜Q60から選択される置換されても良いN, S, Oを含む複素環又は置換されても良い縮合複素環を示す。
【化14】

【0027】
【化15】

【0028】
(式中、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニ
ル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ
C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、
【0029】
ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は−A2 −R7 (式中、A2 及びR7 は前記に同じ。)を示し、mは0〜6の整数を示し、Q22及びQ23中のR13は水素原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C3-C6アルケニル基、ハロ C3-C6アルケニル基、 C3-C6アルキニル基、ハロ C3-C6アルキニル基、 C3-C6シクロアルキル基、ハロ C3-C6シクロアルキル基、 C1-C6アルコキシ C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルコキシ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルキルチオ C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキルチオ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルキルスルフィニル C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル C1-C6アルキル基、 C1-C6アルキルスルホニル C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキルスルホニル C1-C6アルキル基、 C1-C6アルキルスルホニル基、ハロ C1-C6アルキルスルホニル基、
【0030】
C1-C6アルキルカルボニル基、ハロ C1-C6アルキルカルボニル基、 C1-C6アルコキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェニル C1-C4アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、
【0031】
C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を環上に有する置換フェニル C1-C4アルキル基、フェニルカルボニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニルカルボニル基を示す。
【0032】
又、Yは環上の隣り合った炭素原子と一緒になって縮合環(縮合環は前記に同じ。)を形成することができ、該縮合環は、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基、ハロ C1-C6アルキルスルホニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、複素環基(複素環基は前記に同じ。)又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、
【0033】
C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アル
キルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換複素環基(複素環基は前記に同じ。)から選択される1以上の置換基を有することもできる。
WはO、S、N−R13(式中、R13は前記に同じ。)を示す。)を示し、Z1 及びZ2は酸素原子又は硫黄原子を示す。
但し、X、R1 及びR3 が同時に水素原子を示し、Z1 及びZ2 が同時に酸素原子を示し、かつQがQ27を示し、Yが2位−塩素原子である場合、R2が1,2,2−トリメチルプロピル基を除く。}
で表されるフタラミド誘導体及び農園芸用殺虫剤並びにその使用方法に関するものである。
本発明は、上記フタラミド誘導体等を製造するための中間体化合物である一般式(IV'):
【0034】

Q'-NH2 (IV')

(式中、Q’が
(1)Q26、Q28〜Q31及びQ33〜Q39
【0035】
【化16】

【0036】
【化17】

を表す場合、Yは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、且つYmのうち、少なくとも1つはパーフルオロ C2-C6アルキル基を示し、
【0037】
(2)Q’がQ27及びQ32
【化18】

を示す場合、Yは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、且つYmのうち、少なくとも1つはパーフルオロ C2-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシハロ C1-C6アルコキシ基又はハロ C1-C6アルキルチオ基を示す。)
で表される複素環アミン誘導体に関するものである。
【発明の効果】
【0038】
本発明の複素環アミン誘導体は文献未記載の新規化合物で、医薬、農薬等の生理活性を示す各種誘導体を製造するための有用な中間体である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明のフタラミド誘導体の一般式(I) の定義において「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示し、「 C1-C6アルキル」とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、「ハロ C1-C6アルキル」とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子により置換された直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、「 C1-C8アルキレン」はメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、ジメチルメチレン、テトラメチレン、イソブチレン、ジメチルエチレン、オクタメチレン等の直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜8個のアルキレン基を示す。
【0040】
「R1 及びR2 はお互いに結合して1から3個の同一又は異なっても良い酸素原子、硫黄原子又は窒素原子により中断されても良い4〜7員環」としては、例えばアゼチジン環、ピロリジン環、ピロリン環、ピペリジン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリジン環、チアゾリジン環、イソキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、テトラヒドロピリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ジオキサジン環、ジチアジン環等を例示することができる。
【0041】
本発明の一般式(I) で表されるフタラミド誘導体は、その構造式中に不斉炭素原子又は不斉中心を含む場合があり、2種の光学異性体が存在する場合もあり、本発明は各々の光学異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。又、場合によりこれらの化合物の塩、水和物等も含むものである。
本発明化合物の製造に関しては、例えば次のスキーム1及び2に示す方法等で製造することができるが、本発明は、特開平11−240857号公報によって示されている方法等でも製造できる。
【0042】
製造方法1
【化19】

(式中、R1 、R2 、Z1 、Z2 、X、Q及びnは前記に同じ。)
一般式(V) で表される無水フタル酸誘導体と一般式(IV)で表される複素環アミン誘導体とを不活性溶媒の存在下に反応させることにより、一般式(III) で表されるフタル酸イミド誘導体とし、該フタル酸イミド誘導体(III) を単離し又は単離せずして一般式(II)で表されアミン類と反応させることにより、一般式(I-1) で表されるフタラミド誘導体を製造することができる。
【0043】
(1).一般式(V) →一般式(III)
本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、酢酸等の酸類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の不活性溶媒を例示することができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0044】
本反応は等モル反応であるので、各反応剤を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応剤を過剰に使用することもできる。本反応は必要に応じて脱水条件下で反応を行うこともできる。
反応温度は室温乃至使用する不活性溶媒の還流温度下で行うことができ、反応時間は反応規模、反応温度等により一定しないが、数分乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。又、反応系から目的物を単離せずに次の反応工程に供することも可能である。
【0045】
一般式(V) で表される無水フタル酸誘導体はJ.Org.Chem.,52,129(1987)、J.Am.Chem.Soc.,51,1865(1929)、同,63,1542(1941)等に記載の方法により製造することができ、一般式(IV)で表される複素環アミン誘導体はJ.Org.Chem.,18,138(1953)、J.Org.Chem.,28,1877(1963)、Chem.Ber.,89,2742(1956)、Proc.Indian Acad.Sci.,37A,758,(1953)、J.Heterocycl.Chem.,17,143,(1980)、特開昭62−96479号公報、特開平10−340345号公報及び特開平11−302233号公報等に記載の方法により製造することができる。
【0046】
(2).一般式(III) →一般式(I-1)
本反応で使用できる不活性溶媒は(1)で使用できる不活性溶媒を例示することができる。本反応は等モル反応であるので、各反応剤を等モル使用すれば良いが、一般式(II)で表されるアミン類を過剰に使用することもできる。反応温度は室温乃至使用する不活性溶媒の還流温度下で行うことができ、反応時間は反応規模、反応温度等により一定しないが
、数分乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。
【0047】
製造方法2
【化20】

(式中、R1 、R2 、R3 、X、Q及びnは前記に同じ)
【0048】
一般式(V) で表される無水フタル酸誘導体と一般式(II)で表されるアミン類とを不活性
溶媒の存在下に反応させることにより、一般式(III-2) で表されるフタル酸アミド類とし、該フタル酸アミド類(III-2) を単離し又は単離せずして、R1 が水素原子を示すフタル酸アミド類(III-2) の場合、縮合剤の存在下に縮合反応を行い、一般式(VI-1)で表される化合物とし、該化合物(VI-1)を単離し又は単離せずして、不活性溶媒の存在下に一般式(IV)で表される複素環アミン誘導体と反応させるか、フタル酸アミド類(III-2) のR1 が水素原子以外の置換基を示すフタル酸アミド類(III-2) の場合、一般式(IV)で表される複素環アミン類と縮合剤の存在下に縮合反応させることにより一般式(I-2) で表されるフタラミド誘導体を製造することができる。
【0049】
又は一般式(V) で表される無水フタル酸誘導体と一般式(IV)で表される複素環アミン誘導体とを不活性溶媒の存在下に反応させることにより、一般式(III-1) で表されるフタル酸アミド類とし、該フタル酸アミド類(III-1) を単離し又は単離せずして、R3 が水素原子を示すフタル酸アミド類(III-1) の場合、縮合剤の存在下に縮合反応を行い、一般式(VI)で表される化合物とし、該化合物(VI)を単離し又は単離せずして、不活性溶媒の存在下に一般式(II)で表されるアミン類と反応させるか、R3 が水素原子以外の置換基を示すフタル酸アミド類(III-1) の場合、一般式(II)で表されるアミン類と縮合剤の存在下に縮合反応させることにより一般式(I-2) で表されるフタラミド誘導体を製造することができる。
【0050】
(1).一般式(V) →一般式(III-2) 又は一般式(VI-1)→一般式(I-2)
本反応は製造方法1−(2)と同様にすることにより目的物を製造することができる。(2).一般式(III-1) →一般式(VI)又は一般式(III-2) →一般式(VI-1)
本反応はJ.Med.Chem.,10,982(1967)に記載の方法に従って目的物を製造することができる。
(3).一般式(VI)→一般式(I-2) 又は一般式(V) →一般式(III-2)
本反応は製造方法1−(2)と同様にすることにより目的物を製造することができる。
【0051】
(4).一般式(III-1) 又は一般式(III-2) →一般式(I-2)
一般式(III-1) 又は一般式(III-2) で表されるフタル酸アミド誘導体と、一般式(II)又は一般式(IV)で表されるアミン類を縮合剤及び不活性溶媒の存在下に反応させて製造することができる。本反応は、必要に応じて塩基の存在下に反応することもできる。
本反応で使用する不活性溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン等を例示することができる。本反応で使用する縮合剤としては、通常のアミド製造に使用されるものであれば良く、例えば向山試薬(2−クロロ−N−メチルピリジニウム アイオダイド)、DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、CDI(カルボニルジイミダゾール)、DEPC(シアノリン酸ジエチル)等を例示することができ、その使用量は、一般式(III-1) 又は一般式(III-2) で表されるフタル酸アミド誘導体に対して等モル乃至過剰モルの範囲から適宜選択して使用すれば良い。
【0052】
本反応で使用できる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、炭酸カリウム等の無機塩基類を例示することができ、その使用量は、一般式(III-1) 又は一般式(III-2) で表されるフタル酸アミド誘導体に対して等モル乃至過剰モルの範囲から適宜選択して使用すれば良い。
反応温度は0℃乃至使用する不活性溶媒の沸点域で行うことができ、反応時間は反応規模、反応温度等により一定しないが、数分乃至48時間の範囲である。 反応終了後、目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。
【0053】
以下に一般式(IV') で表される複素環アミン誘導体の代表的な化合物を第1表に、一般
式(I) で表されるフタラミド誘導体の代表的な化合物を第2表〜第12表に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の表において、Meとはメチルを、Etとはエチルを、Prとはプロピルを、Buとはブチルを、Acとはアセチルを、Phとはフェニルを、c−は脂環式炭化水素を示し、mpは融点を、nDは屈折率を示す。
【0054】
一般式(IV'):

Q'-NH2 (IV')

【化21】

【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】



【0059】
【表5】

【0060】
一般式(I) :
【化22】

【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

【0065】
【化23】

【0066】
【表10】

【0067】
【表11】

【0068】
【表12】

【0069】
【表13】

【0070】
【表14】

【0071】
【表15】

【0072】
【表16】

【0073】
【化24】

【0074】
【表17】

【0075】
【表18】

【0076】
【表19】

【0077】
【表20】

【0078】
【表21】

【0079】
【表22】

【0080】
【表23】

【0081】
【表24】

【0082】
【化25】

【0083】
【表25】

【0084】
【表26】

【0085】
【化26】

【0086】
【表27】

【0087】
【表28】

【0088】
【化27】

【0089】
【表29】

【0090】
【表30】

【0091】
【表31】

【0092】
【表32】

【0093】
【表33】

【0094】
【表34】

【0095】
【表35】

【0096】
【表36】

【0097】
【表37】

【0098】
【表38】

【0099】
【表39】

【0100】
【表40】

【0101】
【表41】

【0102】
【表42】

【0103】
【表43】

【0104】
【表44】

【0105】
【表45】

【0106】
【表46】

【0107】
【表47】

【0108】
【表48】

【0109】
【表49】

【0110】
【表50】

【0111】
【表51】

【0112】
第7表中、物性がアモルファス又はペーストの化合物の 1H−NMRデータを下記に示す。
【表52】

【0113】
【表53】

【0114】
【化28】

【0115】
【表54】

【0116】
【表55】

【0117】
【表56】

【0118】
【化29】

【0119】
【表57】

【0120】
【表58】





【0121】
【表59】

【0122】
【化30】

【0123】
【表60】

【0124】
【表61】

【0125】
【化31】

【0126】
【表62】

【0127】
【表63】

【0128】
【表64】

【0129】
【化32】

【0130】
【表65】

【実施例】
【0131】
以下に本発明の代表的な実施例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1.
(1−1). N−(4−メチル−3−トリフルオロメチルイソキサゾール−5−イル)−3−ヨードフタル酸イミドの製造。
無水3−ヨードフタル酸0. 6gと5−アミノ−4−メチル−3−トリフルオロメチルイソキサゾール0. 44gを酢酸20mlに溶解し、9時間加熱還流下に反応を行った。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和NaHCO3 水及び飽和食塩水で洗浄後、芒硝で乾燥する。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル=3/1の混合溶媒を溶離剤としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物0. 71gを得た。
物性:m. p. 105℃ 収率: 69%
【0132】
(1−2). N1 −(4−メチル−3−トリフルオロメチルイソキサゾール−5−イル)−N2 −イソプロピル−3−ヨードフタル酸ジアミド(化合物No. Q6−8)の製造。
N−(4−メチル−3−トリフルオロメチルイソキサゾール−5−イル)−3−ヨードフタル酸イミド1. 06gをジオキサン50mlに溶解し、該溶液にイソプロピルアミン0. 4gを加えて室温下3時間撹拌する。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル=2/1の混合溶媒を溶離剤としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物0. 32gを得た。
物性:m. p. 103℃ 収率: 26%
【0133】
製造例2.
(2−1). N1 −[2−(1、1−ジメチルエチル)−1,3,4−チアジアゾール−4−イル]−N2 ,N2 −ジエチル−3−ヨードフタル酸ジアミド(化合物No. Q19−34)の製造。
N、N−ジエチル−3−ヨードフタル酸−2−アミド0. 5gと5−アミノ−2−(1、1−ジメチルエチル)−1,3,4−チアジアゾール0. 27gをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、ジエチルホスホリルシアナイド0. 28g及びトリエチルアミン0. 18gを加え、7時間加熱還流下に反応を行った。反応終了後、反応液に酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和NaHCO3 水及び飽和食塩水で洗浄後、芒硝で乾燥する。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル=3/1の混合溶媒を溶離剤としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物0. 11gを得た。
物性:m. p. 59℃ 収率: 16%
【0134】
製造例3.
(3−1). N1 −(4−メチル−2−ヘプタフルオロイソプロピルピリジン−5−イル)−N2 −(1−メチル−2−メチルチオエチル)−3−ヨードフタル酸ジアミド(化合物No. Q27−144)の製造。
N−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−3−ヨードフタル酸イソイミド0. 37g及び5−アミノ−4−メチル−2−ヘプタフルオロイソプロピルピリジン0. 28gをアセトニトリル4mlに溶解し、トリフルオロ酢酸(触媒量)を加え、室温下30分撹拌する。生成した結晶を濾別することにより目的物0. 28gを得た。
物性:m. p. 225℃ 収率: 44%
【0135】
製造例4. 2−アミノ−3−メチル−6−ペンタフルオロエチルピリジン(化合物No. IV’−1)の製造。
2−アミノ−5−ヨード−3−メチルピリジン2.34g(0.01モル)、銅粉2.5g、ヨードペンタフルオロエタン3.7g(0.015モル)をジメチルスルホキシド20mlに加え、110℃に保ちながら6時間激しく攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合液を氷水500ml中に注ぎ、十分攪拌した後、不溶物を濾過により除き、酢酸エチル300mlで目的物を抽出した。抽出液を水洗及び無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧下に濃縮後、得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(3/7)の混合溶媒を溶離剤としたカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物1.1g(収率20%)を得た。
1H-NMR[δ(CDCl3)] : 2.17(s.3H), 4.82(br.2H), 7.42(d.1H), 8.16(s.1H).
【0136】
製造例5. 3−アミノ−2−メトキシ−6−(ヘプタフルオロプロパン−2−イル)ピリジン(化合物No. IV’−15)の製造。
3−アミノ−2−メトキシピリジン3.2g(0.026モル)、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド0.6g、炭酸ナトリウム2.0g、2−ヨードヘプタフルオロプロパン10.0g(0.031モル)をメチルt−ブチルエーテル20mlに加え、30℃で攪拌しながら、ハイドロサルファイトナトリウム2.8gを水10mlに溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、室温下に20時間反応を続けた後、有機相を分離し、水洗及び無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(3/7)の混合溶媒を溶離剤としたカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物2.0g(収率26%)を得た。
1H-NMR[δ(CDCl3)] : 3.96(s.3H), 4.03(br.2H), 6.91(d.1H), 7.10(dd.1H).
【0137】
製造例6. 3−アミノ−6−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)ピリジン(化合物No. IV’−27)の製造。
水素化ナトリウム2.6gを1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール11.3gのテトラハイドロフラン50ml溶液に少量ずつ5℃以下で加え、同温度で30分間攪拌した後、2−クロロ−5−ニトロピリジン4.7gを加え、室温下に12時間攪拌した。反応液を氷水200ml中に注ぎ、酢酸エチル300mlで抽出した。抽出液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1/10)の混合溶媒を溶離剤としたカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)−5−ニトロベンゼン6.2g(収率:64%)を得た。
【0138】
得られた2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)−5−ニトロベンゼン4.4g及び電解鉄4.2gを酢酸20mlに加え、60〜65℃で30分間攪拌した。反応液を冷却後、6N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、不溶物を濾過後、t−ブチルメチルエーテル300mlで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(2/3)の混合溶媒を溶離剤としたカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3−アミノ−6−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)ピリジン3.6g(収率:92%)を得た。
【0139】
本発明の一般式(I) で表されるフタラミド誘導体を有効成分として含有する農園芸用殺虫剤は水稲、果樹、野菜、その他の作物及び花卉等を加害する各種農林、園芸、貯穀害虫や衛生害虫或いは線虫等の害虫防除に適しており、例えばリンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata )、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、リンゴコシンクイ(Grapholita inopinata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella )、クワハマキ(Olethreutes mori)チャノホソガ(Caloptilia thevivora)、リンゴホソガ(Caloptilia zachrysa )、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ナシホソガ(Spulerrina astaurota)、モンシロチョウ(Piers rapae crucivora )、オオタバコガ類(Heliothis sp. )、コドリンガ(Laspey
resia pomonella)、コナガ(Plutella xylostella )、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、
【0140】
モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノ
メイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、チャマダラメイガ(Ephestia elutella )、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、イチモンジセセリ(Parnara guttata )、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura )、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua )等の鱗翅目害虫、フタテンヨコバイ(Macrosteles fascifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera )、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ブドウコナジラミ(Aleurolobus taonabae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum )、ニセダイコンナブラムシ(Lipaphis erysimi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus )、ミカンワタカイガラムシ(Pulvinaria aurantii )、ミカンマルカイガラムシ(Pseudaonidia duplex )、
【0141】
ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等の半翅目害虫、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、マメコガネ(Popillia
japonica )、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne )、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus )、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintiotopunctata)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ワタミゾウムシ(Anthonomus gradis gradis)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus )、ウリハムシ(Aulacophora femoralis )、イネドロオイムシ(Oulema oryzae )、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata )、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda )、コロラドポテトビートル(Leptinotarsa decemlineata )、メキシカンビーンビートル(Epilachna varivestis)、コーンルートワーム類(Diabrotica sp.)等の甲虫目害虫、ウリミバエ(Dacus(Zeugodacus) cucurbitae)、ミカンコミバエ(Dacus(Bactrocera) dorsalis)、
【0142】
イネハモグリバエ(Agromyza oryzae )、タマネギバエ(Delia antiqua )、タネバエ(Delia platura )、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia sp. )、イエバエ(Musca domestica )、アカイエカ(Culex pipiens pipiens )等の双翅目害虫、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus sp.)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis )、ネコブセンチュウ(Meloidogyne sp. )、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans )、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)等のハリセンチュウ目害虫等に対して強い殺虫効果を有するものである。
【0143】
本発明の一般式(I) で表されるフタラミド誘導体を有効成分とする農園芸用殺虫剤は、水田作物、畑作物、果樹、野菜、その他の作物及び花卉等に被害を与える前記害虫に対して顕著な防除効果を有するものであるので、害虫の発生が予測される時期に合わせて、害虫の発生前又は発生が確認された時点で水田、畑、果樹、野菜、その他の作物、花卉等の水田水、茎葉又は土壌に処理することにより本発明の農園芸用殺虫剤の所期の効果が奏せられるものである。
【0144】
本発明の農園芸用殺虫剤は農薬製剤上の常法に従い、使用上都合の良い形状に製剤して使用するのが一般的である。
即ち、一般式(I) で表されるフタラミド誘導体はこれらを適当な不活性担体に又は必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させ、適宜の剤形、例えば懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤等に製剤して使用すれば良い。
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体の何れであっても良く、固体の担体になりうる材料としては、例えばダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉
、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えばタルク、ピロフィライド等)、シリカ類(例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン〔含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。〕)、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機鉱物性粉末、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
【0145】
液体の担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることとなるものから選択され、例えば代表例として次に挙げる担体を例示できるが、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用され、例えば水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩素化ベンゼン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジイソプピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができる。
【0146】
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤をあげることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は二種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。
有効成分化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤が使用され、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を例示することができる。
又、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することもでき、例えばカゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することもできる。
【0147】
固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。 懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等の補助剤を使用することもできる。
消泡剤としては、例えばシリコーン油等の補助剤を使用することもできる。
有効成分化合物の配合割合は必要に応じて加減することができ、例えば粉剤或いは粒剤とする場合は0.01〜50重量%、又乳剤或いは水和剤とする場合も同様0.01〜50重量%が適当である。
【0148】
本発明の農園芸用殺虫剤は各種害虫を防除するためにそのまま又は水等で適宜希釈し、若しくは懸濁させた形で病害防除にに有効な量を当該害虫の発生が予測される作物若しくは発生が好ましくない場所に適用して使用すれば良い。
本発明の農園芸用殺虫剤の使用量は種々の因子、例えば目的、対象害虫、作物の生育状況、害虫の発生傾向、天候、環境条件、剤型、施用方法、施用場所、施用時期等により変動するが、有効成分化合物として10アール当たり0.1g〜10kgの範囲から目的に応じて適宜選択すれば良い。
本発明の農園芸用殺虫剤は、更に防除対象病害虫、防除適期の拡大のため、或いは薬量の低減、相乗効果を図る目的で他の農園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、生物農薬等と混合して使用することも可能であり、又、使用場面に応じて除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合して使用することも可能である。
【0149】
かかる目的で使用する他の農園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤としては、例えばエチオン、トリクロルホン、メタミドホス、アセフェート、ジクロルボス、メビンホス、モノクロトホス、マラチオン、ジメトエート、ホルモチオン、メカルバム、バミドチオン、チオメトン、ジスルホトン、オキシデプロホス、ナレッド、メチルパラチオン、フェニトロチオン、シアノホス、プロパホス、フェンチオン、プロチオホス、プロフェノホス、イソフェンホス、テメホス、フェントエート、ジメチルビンホス、クロルフェビンホス、テトラクロルビンホス、ホキシム、イソキサチオン、ピラクロホス、メチダチオン、クロロピリホス、クロルピリホス・メチル、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、ピリミホスメチル、ホサロン、ホスメット、ジオキサベンゾホス、キナルホス、テルブホス、エトプロホス、カズサホス、メスルフェンホス、DPS(NK−0795)、ホスホカルブ、フェナミホス、イソアミドホス、ホスチアゼート、イサゾホス、エナプロホス、フェンチオン、ホスチエタン、ジクロフェンチオン、チオナジン、スルプロホス、フェンスルフォチオン、ジアミダホス、ピレトリン、アレスリン、
【0150】
プラレトリン、レスメトリン、ペルメトリン、テフルトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、シハロトリン、ラムダ・シハロトリン、デルタメトリン、アクリナトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェン、フルシトリネート、フルバリネート、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、アルジカルブ、アラニカルブ、カルタップ、メトルカルブ、キシリカルブ、プロポキスル、フェノキシカルブ、フェノブカルブ、エチオフェンカルブ、フェノチオカルブ、ビフェナゼート、BPMC、カルバリル、ピリミカーブ、カルボフラン、カルボスルファン、フラチオカルブ、ベンフラカルブ、アルドキシカルブ、ジアフェンチウロン、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、ヘキサフルムロン、ノバルロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、クロルフルアズロン、酸化フェンブタスズ、水酸化トリシクロヘキシルスズ、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、メトプレン、ハイドロプレン、ビナパクリル、アミトラズ、
【0151】
ジコホル、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、ベンスルタップ、ベンゾメート、テブフェノジド、メトキシフェノジド、クロマフェノジド、プロパルギット、アセキノシル、エンドスルファン、ジオフェノラン、クロルフェナピル、フェンピロキシメート、トルフェンピラド、フィプロニル、テブフェンピラド、トリアザメート、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス、硫酸ニコチン、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ニジノテフラン、フルアジナム、ピリプロキシフェン、ヒドラメチルノン、ピリミジフェン、ピリダベン、シロマジン、TPIC(トリプロピルイソシアヌレート)、ピメトロジン、クロフェンテジン、ブプロフェジン、チオシクラム、フェナザキン、キノメチオネート、インドキサカルブ、ポリナクチン複合体、ミルベメクチン、アバメクチン、エマメクチン・ベンゾエート、スピノサッド、BT(バチルスチューリンゲンシス)、アザディラクチン、ロテノン、ヒドロキシプロピルデンプン、塩酸レバミゾール、メタム・ナトリウム、酒石酸モランテル、ダゾメット、トリクラミド、バストリア、モナクロスポリウム・フィマ
トパガム、アルベンダゾール、オキシベンダゾール、オクスフェンザゾール、フェンベンダゾール等のクロロニコチニル系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、マクロライド系化合物、有機リン系化合物等農園芸用殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤を例示することができる。
【0152】
同様の目的で使用する農園芸用殺菌剤としては、例えば硫黄、石灰硫黄合剤、塩基性硫酸銅、イプロベンホス、エディフェンホス、トルクロホス・メチル、チラム、ポリカーバメイト、ジネブ、マンゼブ、マンコゼブ、プロピネブ、チオファネート、チオファネートメチル、ベノミル、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、フラメトピル、チフルザミド、メタラキシル、オキサジキシル、カルプロパミド、ジクロフルアニド、フルスルファミド、クロロタロニル、クレソキシム・メチル、フェノキサニル(NNF−9425)、ヒメキサゾール、エクロメゾール、フルオルイミド、プロシミドン、ビンクロゾリン、イプロジオン、トリアジメホン、トリフルミゾール、ビテルタノール、トリフルミゾール、イプコナゾール、フルコナゾール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ミクロブタニル、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、イミベンコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエート、シプロコナゾール、イソプロチオラン、フェナリモル、ピリメタニル、メパニピリム、ピリフェノックス、フルアジナム、トリホリン、ジクロメジン、アゾキシストロビン、チアジアジン、キャプタン、プロベナゾール、アシベンゾフラル−S−メチル(CGA−245704)、フサライド、トリシクラゾール、ピロキロン、キノメチオネート、オキソリニック酸、ジチアノン、カスガマイシン、バリダマイシン、ポリオキシン、ブラストサイジン、ストレプトマイシン等の農園芸用殺菌剤を例示することができ、
【0153】
同様に除草剤としては、例えばグリホサート、スルホセート、グルホシネート、ビアラホス、ブタミホス、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ベンチオカーブ、ピリブチカルブ、アシュラム、リニュロン、ダイムロン、ベンスルフロン−メチル、シクロスルファムロン、シノスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、テニルクロール、アラクロール、プレチラクロール、クロメプロップ、エトベンザニド、メフェナセット、ペンディメタリン、ビフェノックス、アシフルオフェン、ラクトフェン、シハロホップ−ブチル、アイオキシニル、ブロモブチド、アロキシジム、セトキシジム、ナプロパミド、インダノファン、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラフルフェン・エチル、イマザピル、スルフェントラゾン、カフェンストロ−ル、ベントキサゾン、オキサゾアゾン、パラコート、ジクワット、ピリミノバック、シマジン、アトラジン、ジメタメトリン、トリアジフラム、ベンフレセート、フルチアセット・メチル、キザロホップ・エチル、ベンタゾン、過酸化カルシウム等の除草剤を有する化合物を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、上記化合物名は特記事項を除いて一般名を示す。
【0154】
又、生物農薬として、例えば核多角体ウイルス(Nuclear polyhedrosis virus、NPV )、顆粒病ウイルス(Granulosis virus、GV)、細胞質多角体病ウイルス(Cytoplasmic polyhedrosis virus、CPV )、昆虫ポックスウイルス(Entomopox virus 、EPV )等のウイルス製剤、モノクロスポリウム・フィマトパガム(Monacrosporium phymatophagum)、スタイナーネマ・カーポカプサエ(Steinernema carpocapsae )、スタイナーネマ・クシダエ(Steinernema kushidai)、パスツーリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans )等の殺虫又は殺線虫剤として利用される微生物農薬、トリコデルマ・リグノラン(Trichoderma lignorum)、アグロバクテリウウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobactor )、非病原性エルビニア・カロトボーラ(Erwinia carotovora)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )等の殺菌剤として使用される微生物農薬、ザントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)等の除草剤として利用される生物農薬などと混合して使用することにより、同様の効果が期待できる。
【0155】
更に、生物農薬として例えばオンシツツヤコバチ(Encarsia formosa)、コレマンアブラバチ(Aphidius colemani )、ショクガタマバエ(Aphidoletes aphidimyza)、イサエアヒメコバチ(Diglyphus isaea )、ハモグリコマユバチ(Dacnusa sibirica)、チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis )、ククメリスカブリダニ(Amblyseius cucumeris)、ナミヒメハナカメムシ(Orius sauteri )等の天敵生物、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)等の微生物農薬、(Z)−10−テトラデセニル=アセタート、(E,Z)−4,10−テトラデカジニエル=アセタート・(Z)−8−ドデセニル=アセタート・(Z)−11−テトラデセニル=アセタート・(Z)−13−イコセン−10−オン、(Z)−8−ドデセニル=アセタート・(Z)−11−テトラデセニル=アセタート・(Z)−13−イコセン−10−オン・14−メチル−1−オクタデセン等のフェロモン剤と併用することも可能である。
【0156】
以下に本発明の代表的な製剤例及び試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、製剤例中、部とあるのは重量部を示す。
製剤例1.
第2表乃至第12表記載の化合物 50部
キシレン 40部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10部
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
製剤例2.
第2表乃至第12表記載の化合物 3部
クレー粉末 82部
珪藻土粉末 15部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
【0157】
製剤例3.
第2表乃至第12表記載の化合物 5部
ベントナイトとクレーの混合粉末 90部
リグニンスルホン酸カルシウム 5部
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。製剤例4.
第2表乃至第12表記載の化合物 20部
カオリンと合成高分散珪酸 75部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 5部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0158】
試験例1.コナガ(Plutella xylostella) に対する殺虫試験。
ハクサイ実生にコナガの成虫を放飼して産卵させ、放飼2日後に産下卵の付いたハクサイ実生を第2表乃至第12表記載の化合物を有効成分とする薬剤を1000ppmに希釈した薬液に30秒間浸漬し、風乾後に25℃の恒温室に静置した。薬液浸漬6日後に孵化虫数を調査し、下記の式により死虫率を算出し、下記基準に従って判定を行った。1区10頭3連制
【0159】
〔式1〕

無処理区孵化虫数−処理区孵化虫数
補正死虫率(%)=──────────────────×100
無処理区孵化虫数

判定基準 A・・・死虫率100%
B・・・死虫率99%〜90%
C・・・死虫率89%〜80%
D・・・死虫率79%〜50%
【0160】
試験の結果、B以上の活性を示した化合物はQ1−12、Q1−41、Q1−42、Q4−6、Q4−8、Q4−12、Q4−45、Q6−6、Q6−8、Q8−1〜Q8−3、Q8−5、Q8−11、Q8−13〜Q8−15、Q8−53、Q9−15、Q10−7、Q15−1、Q26−1、Q26−11、Q26−29〜Q26−33、Q26−43、Q27−29〜Q27−32、Q27−81、Q27−98、Q27−124〜Q27−145、Q27−150、Q27−151、Q27−153、Q27−155、Q27−164、Q27−230〜Q27−236、Q27−238〜Q27−265、Q27−267、Q27−268、Q27−270、Q27−273〜Q27−280、Q27−282〜Q27−284、Q27−289、Q27−297、Q27−298、Q27−305〜Q27−309、Q27−316〜Q27−318、
【0161】
Q27−323〜Q27−327、Q27−332、Q27−334〜Q27−339、Q27−347、Q27−352〜Q27−354、Q27−355、Q27−359、Q27−360、Q27−378、Q27−384、Q27−387、Q27−388、Q27−391、Q27−393、Q27−396、Q27−397、Q27−402〜Q27−405、Q27−407、Q27−413、Q27−414、Q27−439、Q27−449〜Q27−457、Q27−459〜Q27−469、Q32−11、Q32−19、Q33−1、Q33−10、Q34−30、Q34−46及びQ42−1であった。
【0162】
試験例2.ハスモンヨトウ(Spodoptera litura) に対する殺虫試験。
第2表乃至第12表記載の化合物を有効成分とする薬剤を500ppmに希釈した薬液にキャベツ葉片(品種:四季穫)を約30秒間浸漬し、風乾後に直径9cmのプラスチックシャーレに入れ、ハスモンヨトウ2令幼虫を接種した後、蓋をして25℃の恒温室に静置した。接種8日後に生死虫数を調査し、下記の式により死虫率を算出し、判定基準は試験例1に従って行った。1区10頭3連制
〔式2〕

無処理区生存虫数−処理区生存虫数
補正死虫率(%)=──────────────────×100
無処理区生存虫数

【0163】
試験の結果、B以上の活性を示した化合物は、Q26−1、Q26−11、Q26−29〜Q26−33、Q26−43、Q27−29〜Q27−32、Q27−81、Q27−98、Q27−124〜Q27−145、Q27−150〜Q27−153、Q27−155、Q27−164、Q27−230〜Q27−236、Q27−238〜Q27−265、Q27−267、Q27−268、Q27−270、Q27−273〜Q27−280、Q27−282〜Q27−284、Q27−289、Q27−297、Q27−298、Q27−305〜Q27−309、Q27−316〜Q27−318、Q27−323〜Q27−327、Q27−332、Q27−334〜Q27−339、Q27−347、Q27−352〜Q27−354、Q27−355、Q27−359、Q27−
360、Q27−378、Q27−384、Q27−387、Q27−388、Q27−397、Q27−402〜Q27−405、Q27−407、Q27−413、Q27−414、Q27−439、Q27−459、Q27−466、Q32−19及びQ34−46であった。
【0164】
試験例3.コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)に対する殺虫試験。
第2表乃至第12表記載の化合物を有効成分とする薬剤を500ppmに希釈した薬液に稲葉身部(6〜8葉期)を約30秒間浸漬し、風乾後に湿潤濾紙を敷いた直径9cmのプラスチックシャーレに入れ、コブノメイガ3令幼虫を接種した後、25℃、湿度70%の恒温室に静置した。接種4日後に生死虫数を調査し、試験例2の判定基準に従って行った。1区10頭3連制
試験の結果、B以上の活性を示した化合物は、Q26−1、Q26−29〜Q26−33、Q27−29〜Q27−32、Q27−81、Q27−98、Q27−124〜Q27−145及びQ27−164であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(IV'):

Q'-NH2 (IV')

(式中、Q’が
(1)Q26、Q28〜Q31及びQ33〜Q39
【化6】

を示す場合、Yは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、且つYmのうち、少なくとも1つはパーフルオロ C2-C6アルキル基を示し、
(2)Q’がQ27及びQ32
【化7】

を示す場合、Yは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、 C1-C6アルキル基、ハロ C1-C6アルキル基、 C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシ基、 C1-C6アルキルチオ基、ハロ C1-C6アルキルチオ基、 C1-C6アルキルスルフィニル基、ハロ C1-C6アルキルスルフィニル基、 C1-C6アルキルスルホニル基又はハロ C1-C6アルキルスルホニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、且つYmのうち、少なくとも1つはパーフルオロ C2-
C6アルキル基、ハロ C1-C6アルコキシ基、ハロ C1-C6アルコキシハロ C1-C6アルコキシ基又はハロ C1-C6アルキルチオ基を示す。)
で表される複素環アミン誘導体。

【公開番号】特開2011−74077(P2011−74077A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253167(P2010−253167)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【分割の表示】特願2000−204178(P2000−204178)の分割
【原出願日】平成12年7月5日(2000.7.5)
【出願人】(000232623)日本農薬株式会社 (97)
【Fターム(参考)】