説明

視聴端末装置、サーバ装置および参加型番組共有システム

【課題】既存のハイライト再生は、その箇所が面白い、悲しいなどの情報特定ができないという課題がある。またインターネットの掲示板等に提供される番組へのコメントや関連情報を再生箇所と同期して参照することができない課題がある。
【解決手段】視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)E2とネットワーク40に接続されたサーバ装置E3を構成して、視聴端末装置E2からの視聴情報や番組に対するコメント情報をサーバ装置E3へ集めて解析することにより、番組に対するユーザの注目度の高い番組箇所を特定してどのような状況かを表す視聴統計情報を作成する。コメントから番組に対する意見や疑問点を把握して番組の補完情報を作成する。視聴端末装置E2は番組再生時にサーバ装置E3から上記の情報を受信することにより、注目度点へ移動したりコメントを表示することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送の受信・ネットワーク機能を持つ視聴端末装置(音声・映像出力装置や音声・映像記録再生装置)と、ネットワークを介して視聴端末装置に接続されるサーバ装置および参加型番組共有システムにかかわり、特には、番組に対する面白いとか悲しいなどの視聴者感情を取り入れた豊かで高度な視聴環境を実現するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビやケーブルテレビ(CATV)等の番組(コマーシャルを含む)の番組視聴履歴を放送番組の視聴時に収集するシステムや、ビデオ装置に録画した番組の視聴時に収集するシステムが開示されている。このシステムにおいては、放送中の番組を視聴したり録画した番組を視聴することによって、番組視聴率を得ることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、番組内の各シーンについてのコメント情報の作成・送信を支援するシステムが開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−305760号公報
【特許文献2】特開2003−339006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術におけるハイライト再生の機能では、どのシーンが面白いとか悲しいなどの視聴者感情を取り入れた豊かな視聴環境は実現できないという課題がある。
【0005】
データ放送の番組で予想外の展開があった場合に、ユーザがその予想外の展開に関してコメントを作成し送信することは困難である。現状のデータ放送は放送業者からの観点で作成されている。したがって、ユーザの疑問・興味・関心が放送業者のそれと異なっていても、再提供・更新されることはない。これらの情報はインターネットの掲示板等において提供されることがあるが、それにアクセスすることは番組開始直後からは無理であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明による参加型番組共有システム用の視聴端末装置は、
放送番組を受信する放送受信部と、
前記放送受信部による受信番組を表示する表示部と、
番組視聴にかかわる視聴情報やコメント情報を取り込む入力処理部と、
ネットワークに接続されるクライアント側のネットワーク部と、
前記ネットワーク部と前記表示部との間に介在された表示動作決定部とからなり、
前記ネットワーク部は、前記入力処理部からの視聴情報やコメント情報をネットワークへ送信するとともに、ネットワークを介して受信した視聴統計情報を前記表示動作決定部へ転送するように構成され、
前記表示動作決定部は、放送視聴時に視聴統計情報の送信要求を前記ネットワーク部へ発行するとともに、前記ネットワーク部から転送されてくる視聴統計情報を前記表示部へ転送するように構成されている。この視聴端末装置は、原則的には録画再生機能をもたないものであり、音声・映像出力装置と称してもよい。
【0007】
(2)上記(1)の構成の視聴端末装置において、さらに、
前記放送受信部による受信番組を記録する記録部と、
前記記録部に記録されている番組を再生する再生制御部とを備え、
前記ネットワーク部は、さらに前記入力処理部からの録画番組にかかわる操作情報をネットワークへ送信するように構成された視聴端末装置もある。この録画再生機能を有する視聴端末装置は、音声・映像記録再生装置と称してもよい。
【0008】
(3)本発明による参加型番組共有システム用のサーバ装置は、
ネットワークに接続されるサーバ側のネットワーク部と、
解析部と、
前記解析部による視聴統計情報を蓄積する蓄積部とからなり、
前記ネットワーク部は、ネットワークを介して送信されてくる視聴情報やコメント情報を受信し、前記解析部に転送するとともに、前記解析部から送られてくる視聴統計情報をネットワークへ送信するように構成され、
前記解析部は、前記ネットワーク部から転送されてくる視聴情報やコメント情報を解析して視聴統計情報を生成して前記蓄積部へ転送するとともに、ネットワークを介しての前記視聴端末装置からの視聴統計情報の送信要求に対して前記蓄積部から対応する視聴統計情報を読み出し前記ネットワーク部に出力するように構成されている。このサーバ装置は、上記(1)の録画再生機能を有しない視聴端末装置に対応するものである。
【0009】
(4)上記(3)の構成のサーバ装置において、前記解析部は、前記ネットワーク部から転送されてくる録画番組にかかわる操作情報も解析して視聴統計情報を生成して前記蓄積部へ転送するように構成されたサーバ装置もある。このサーバ装置は、上記(2)の録画再生機能を有する視聴端末装置に対応するものである。
【0010】
本発明による参加型番組共有システムは、上記構成の視聴端末装置とサーバ装置との組み合わせからなるものである。視聴端末装置とサーバ装置とはネットワークに接続されるようになっている。
【0011】
ここで、録画再生機能を有しない上記(1)の視聴端末装置と(3)のサーバ装置の組み合わせからなる参加型番組共有システムについて、その機能を説明する。
【0012】
視聴端末装置において、放送視聴時に放送受信部で選局によって受信された番組は表示部に表示され、ユーザによって視聴される。番組視聴にかかわる視聴情報やコメント情報が入力処理部から取り込まれ、ネットワーク部(クライアント側)に送られる。視聴情報には、選局したチャンネル番号や番組IDや視聴の時間帯などが含まれる。コメント情報には、どのシーンが面白いとか悲しいなどの視聴感情、ユーザの疑問・興味・関心などが含まれる。視聴情報やコメント情報は、個々のチャンネル番号について視聴率や視聴率履歴などの視聴統計情報や番組補完情報を生成するときの基礎となる情報である。番組視聴にかかわる視聴情報やコメント情報はネットワーク部(クライアント側)からネットワークに送り出される。この視聴情報やコメント情報はネットワークを介してサーバ装置に至り、サーバ側のネットワーク部に取り込まれ、解析部に送られる。解析部は、転送されてくる視聴情報やコメント情報を解析し、視聴統計情報を生成して前記蓄積部へ転送する。この視聴統計情報の生成に際しては、蓄積部から直前の視聴統計情報を読み出し、同一番組判定を行った上で視聴率や視聴率履歴やコメントなどを更新する。更新された視聴統計情報は蓄積部に蓄積される。サーバ装置には、ネットワークにつながっている多数の視聴端末装置からそれぞれの視聴情報やコメント情報が順次に送られてきて、その都度、解析部が生成した視聴統計情報が蓄積部に蓄積される。以上のように、サーバ装置は、視聴情報、コメント情報を集めて解析し、該当番組に対してのユーザの注目度の高い番組箇所を特定するとともに、その注目度の高い番組箇所がどのような状況になっているのか(ユーザの反応など)を示す視聴統計情報を作成する。
【0013】
ある視聴端末装置において、放送視聴時に表示動作決定部から視聴統計情報の送信要求を発行すると、その視聴統計情報の送信要求はネットワーク部(クライアント側)からネットワークを介してサーバ装置へ送られる。そして、サーバ装置において、ネットワーク部(サーバ側)から視聴統計情報の送信要求を受け取った解析部は、蓄積部から視聴統計情報を読み出し、ネットワーク部(サーバ側)へ送出する。読み出された視聴統計情報は、ネットワークを介して視聴端末装置のネットワーク部(クライアント側)から取り込まれ、表示動作決定部に転送され、さらに表示部に送られて、表示部に視聴統計情報が表示される。ユーザは表示された視聴統計情報を参照して、視聴する番組を決定する。この決定により放送受信部の選局が調整される。そして、この選局調整されたときの視聴情報やコメント情報が前述同様にしてネットワークを介してサーバ装置へ送られる。
【0014】
以上のように、どのシーンが面白いとか悲しいなどの視聴感情、ユーザの疑問・興味・関心などが含まれる視聴統計情報を視聴端末装置からサーバ装置に送ってサーバ装置で収集するとともに、視聴端末装置からの送信要求に応答して視聴統計情報をサーバ装置から視聴端末装置へ送り、視聴の参考にする。したがって、番組に対する視聴者感情を取り入れた、より豊かで高度な視聴環境を実現することが可能となる。
【0015】
次に、録画再生機能を有する上記(2)の視聴端末装置と(4)のサーバ装置の組み合わせからなる参加型番組共有システムについて、その機能を説明する。
【0016】
視聴端末装置での記録番組の再生において、サーバ装置から視聴統計情報を受信することで、注目度の高い番組箇所へ移動したり、コメントを表示することが可能である。視聴端末装置での再生において、録画番組にかかわる操作情報や視聴番組にかかわるコメントを再度サーバ装置へ送信することにより、サーバ装置では注目度の高い番組箇所のより精度の高い情報や番組補完情報を更新して提供することが可能になる。以上のように、ユーザ負担を増大させることなく、番組の注目度が測定可能となる。また特定シーンの疑問・意見を発信することにより、ハイライト箇所のより詳細な判定が可能になる。予想外の展開に対する意見交換が容易になるとともに、再生中にその意見がリアルタイムに表示され、番組共有の臨場感がもてるようになる。また、上記の意見が随時更新可能になり、繰り返し再生しても楽しめる。
【0017】
ここで、上記構成の視聴端末装置、サーバ装置あるいは参加型番組共有システムにおいて、個々の技術用語について説明する。
【0018】
前記視聴情報は、日時、チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDを含んでいるという態様がある。
【0019】
また、前記視聴情報は、視聴中の番組情報に関して日時、変更前チャンネル番号、変更後チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDを含んでいるという態様がある。
【0020】
また、前記操作情報は、特殊再生が行われたときの特殊再生内容、番組中での特殊再生区間を含んでいるという態様がある。
【0021】
また、前記操作情報は、番組消去が行われたときの未再生区間情報を含んでいるという態様がある。
【0022】
また、前記操作情報は、部分削除が行われたときの削除区間情報を含んでいるという態様がある。
【0023】
また、前記操作情報は、番組削除を禁止する番組プロテクトが行われたときの情報を含んでいるという態様がある。
【0024】
また、前記操作情報は、プレイリスト点が登録されたときの番組の該当箇所を含んでいるという態様がある。
【0025】
また、前記操作情報は、ダビングする操作を含んでいるという態様がある。
【0026】
また、前記操作情報は、番組予約録画であるという態様がある。
【0027】
また、前記コメント情報は、視聴番組情報、ユーザから発信されるコメントと該当時間情報とから構成されているという態様がある。
【0028】
また、前記コメント情報は、録画番組情報、ユーザから発信されるコメントと該当時間情報とから構成されているという態様がある。
【0029】
また、前記視聴統計情報は、チャンネル毎の視聴率、視聴率変化、予約録画率を含んでいるという態様がある。
【0030】
また、前記視聴統計情報に基づいて特定箇所へ再生スキップするという態様がある。
【0031】
また、前記視聴統計情報に基づいて該当区間を再生したときにコメント表示するという態様がある。
【0032】
また、前記視聴統計情報は、前記コメント情報を基にして作成されるコメントに対する回答や番組理解補助のための番組補完情報を含んでいるという態様がある。番組補完情報を視聴端末装置側で表示して参考にすれば、番組に対する意見や疑問点の把握が容易となり、視聴環境をさらに豊かなものにすることが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、どのシーンが面白いとか悲しいなどの視聴感情、ユーザの疑問・興味・関心などが含まれる視聴統計情報を視聴端末装置からサーバ装置に送ってサーバ装置で収集するとともに、視聴端末装置からの送信要求に応答して視聴統計情報をサーバ装置から視聴端末装置へ送り、視聴の参考にするので、番組に対する視聴者感情を取り入れた、より豊かで高度な視聴環境を実現することができる。また、ユーザ負担を増大させることなく、注目度の高い番組箇所の捕捉が可能となる。また、予想外の展開に対する意見交換が容易になるとともに、再生中にその意見をリアルタイムに表示でき、番組共有の臨場感がもてるようになる。また、上記の意見が随時更新可能になり、繰り返し再生しても楽しめる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明にかかわる参加型番組共有システムの実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。本発明が適用される実施の形態の説明に入る前に、発明の基礎になる構成について説明する。
【0035】
(発明の基礎になる構成)
図9は本発明の基礎になる参加型番組共有システムの構成を示すブロック図である。図9において、E1は視聴端末装置(音声・映像出力装置)、E3はサーバ装置、40は視聴端末装置E1とサーバ装置E3を接続するネットワークである。ネットワーク40には、視聴端末装置E1が複数接続されているものとする。
【0036】
視聴端末装置E1は、放送受信部11、表示部12、入力処理部13、ネットワーク部(クライアント側)14および表示動作決定部15を備えている。サーバ装置E3は、ネットワーク部(サーバ側)31、解析部32および蓄積部33を備えている。
【0037】
まず、視聴端末装置E1の構成について説明する。
【0038】
放送番組を受信する放送受信部11は表示部12に接続されている。表示部12は、放送受信部11が受信した放送番組を表示し、また、サーバ装置E3からネットワーク40経由で取得した視聴統計情報を表示するものとして構成されている(図10、図11参照)。
【0039】
入力処理部13は、番組視聴にかかわる視聴情報(図10参照)を取り込み、ネットワーク部14へ転送するものとして構成されている。視聴情報は、現在時刻、変更前チャンネル番号、変更後チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDなどで構成される。
【0040】
ネットワーク40に接続されるネットワーク部14は、入力処理部13からの視聴情報をネットワーク40へ送信するとともに、サーバ装置E3からネットワーク40を介して受信した視聴統計情報を表示動作決定部15へ転送するものとして構成されている。
【0041】
表示動作決定部15は、ネットワーク部14と表示部12との間に介在され、放送視聴時に視聴統計情報の送信要求をネットワーク部14(サーバ装置E3)へ発行するとともに、ネットワーク部14を介してサーバ装置E3から転送されてくる視聴統計情報を表示部12へ転送するように構成されている。表示動作決定部15は、定期的あるいはユーザ操作による指示によってサーバ装置E3に視聴統計情報の送信要求を発行するように構成されている。
【0042】
次に、サーバ装置E3の構成について説明する。
【0043】
サーバ装置E3におけるネットワーク部31は、ネットワーク40を介して送信されてくる視聴情報を受信し、解析部32に転送するとともに、解析部32から送られてくる視聴統計情報をネットワーク40へ送信するように構成されている。
【0044】
解析部32は、ネットワーク部31から転送されてくる視聴情報を解析して視聴統計情報を生成し、蓄積部33へ転送するとともに、ネットワーク40を介しての視聴端末装置E1からの視聴統計情報の送信要求に対して、蓄積部33から対応する視聴統計情報を読み出し、ネットワーク部31に出力するように構成されている。
【0045】
蓄積部33は、解析部32によって生成された視聴統計情報を蓄積し、要求に応じて取り出すことが可能である。
【0046】
図10は視聴端末装置E1とサーバ装置E3との間でネットワーク40を介してやり取りされる視聴情報と視聴統計情報の一例を示す。視聴情報は、現在時刻、変更前チャンネル番号、変更後チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDから構成される。なお、電源ONと電源OFFは、それぞれ、変更前チャンネル番号をNullにすることで表し、変更後チャンネル番号をNullにすることで表すことが可能である。
【0047】
視聴統計情報は、ネットワーク40に接続された複数の視聴端末装置E1から送信されてくるすべての視聴情報を基に計算されたチャンネル毎の現在の視聴率、過去の視聴率の履歴からなる。
【0048】
放送中のチャンネル毎に視聴数カウンタを用意し、視聴情報の変更前チャンネル番号にあるチャンネルの視聴数カウンタを1減らし、変更後チャンネル番号にあるチャンネルの視聴数を1増やすようにすれば、チャンネル毎の視聴数が計算できる。さらに未視聴数カウンタを用意し、変更前チャンネル番号がNullの場合は未視聴数カウンタを1減らし、変更後チャンネル番号がNullの場合は未視聴数カウンタを1増やすようにすれば、各チャンネルの視聴数をすべてのチャンネルの視聴数と未視聴数の和で割ることにより、チャンネル毎の視聴率を計算できる。なお、未視聴数カウンタを使用しなければ、視聴率は視聴占有率になる。
【0049】
図11は、視聴端末装置E1において、受信した視聴統計情報を表示した画面の例である。複数チャンネル分の子画面と、それぞれのチャンネルでの視聴率がメインの表示領域の周囲に表示されている。
【0050】
この発明の基礎になる構成の参加型番組共有システムにおいては、コメント情報が取り扱われておらず、どのシーンが面白いとか悲しいなどの視聴者感情を取り入れた豊かな視聴環境は実現できないものとなっている。
【0051】
以下に本発明の実施の形態にかかわる参加型番組共有システム(視聴端末装置、サーバ装置)について説明する。
【0052】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における参加型番組共有システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、図9のシステム構成に別形態の視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)E2を加えたものとなっている。また、視聴端末装置(音声・映像出力装置)E1は、入力処理部13がコメント情報を取り込んでネットワーク部14に送り出す機能を有するものとして構成されている。
【0053】
視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)E2は、放送受信部21、表示部22、入力処理部23、ネットワーク部24、表示動作決定部25、記録部26および再生制御部27から構成されている。
【0054】
入力処理部23は、番組視聴にかかわる視聴情報、操作情報およびコメント情報(図2参照)を取り込み、ネットワーク部24へ転送するものとして構成されている。操作情報としては、特殊再生が行われたときの特殊再生内容、番組中での特殊再生区間、番組消去が行われたときの未再生区間情報、部分削除が行われたときの削除区間情報、番組削除を禁止する番組プロテクトが行われたときの情報、プレイリスト点が登録されたときの番組の該当箇所、ダビング操作、番組予約録画、番組再生、編集などから構成されている。
【0055】
ネットワーク40に接続されるネットワーク部24は、入力処理部23からの視聴情報、操作情報、コメント情報をネットワーク40へ送信するとともに、サーバ装置E3からネットワーク40を介して受信した視聴統計情報を表示動作決定部25へ転送するものとして構成されている。
【0056】
表示動作決定部25は、ネットワーク部24と再生制御部27との間に介在され、放送視聴時または録画番組の再生時に視聴統計情報の送信要求をネットワーク部24(サーバ装置E3)へ発行するとともに、ネットワーク部24を介してサーバ装置E3から転送されてくる視聴統計情報を表示部22へ転送するように構成されている。表示動作決定部25は、定期的あるいはユーザ操作による指示によってサーバ装置E3に視聴統計情報の送信要求を発行するように構成されている。
【0057】
記録部26は、放送受信部21から受信した番組情報を蓄積し、タイムシフトにより再生が可能に構成されている。
【0058】
再生制御部27は、記録部26に蓄積した番組情報を再生し、ネットワーク40経由でサーバ装置E3から受信した情報を制御して表示動作決定部25へ転送するように構成されている。
【0059】
サーバ装置E3は、ネットワーク部31を持ち、視聴端末装置E1、視聴端末装置E2から送信されたデータを解析部32にて解析して、視聴統計情報を蓄積部33へ格納することが可能であり、視聴端末装置E1、視聴端末装置E2から要求された場合に視聴統計情報を送信することが可能である。
【0060】
図2は視聴情報、録画番組にかかわる操作情報、コメント情報の構成図である。
【0061】
視聴情報は、視聴開始時刻、視聴停止時刻、チャンネル番号、放送地域、番組IDからなり、視聴端末装置E1において番組視聴時に、ユーザ操作を基に入力処理部13により抽出される。
【0062】
録画番組にかかわる操作情報は、再生区間、特殊再生内容、特殊再生区間、部分削除区間、番組プロテクト、プレイリスト点登録、ダビング情報、番組IDからなり、視聴端末装置E2において番組再生、編集、ダビングなどの録画番組操作時に、ユーザ操作を基に入力処理部23により抽出される。
【0063】
コメント情報は、ユーザにより作成されるもので、番組に対するコメント(意見)、該当時刻から構成される。
【0064】
これら視聴情報、録画番組にかかわる操作情報、コメント情報は、視聴端末装置E1,E2からサーバ装置E3へ送信される。
【0065】
図3は視聴統計情報の構成図である。視聴統計情報は、番組ID、放送地域、番組開始・終了時刻、チャンネル別選局数、番組注目度、シーン情報、番組補完情報からなる。視聴統計情報は、視聴端末装置E1,E2からサーバ装置E3へ送信された視聴情報、録画番組にかかわる操作情報、コメント情報を基に、サーバ装置E3の解析部32が解析を行った結果得られるものである。
【0066】
視聴統計情報の番組ID、放送地域、番組開始・終了時刻、チャンネル別選局数、番組注目度は、視聴時に視聴端末装置E1から送信された視聴情報、コメント情報を基に解析部32にて抽出される。視聴統計情報を視聴端末装置E1へ送信すると、視聴端末装置E1の表示部12に情報チャンネル別選局数、番組注目度を視聴番組に合わせて表示することができる。
【0067】
シーン情報については、視聴時に視聴端末装置E1から送信されてくる視聴情報、コメント情報を基に、解析部32にて抽出、判定される。録画番組の再生時に視聴端末装置E2から送信されてくる操作情報とコメント情報を基に、解析部32にて上記の視聴時に作成されたシーン情報を更新することが可能である。
【0068】
録画番組補完情報は、視聴端末装置E1から送信されてくるコメント情報を基に、コメントの回答や番組の理解を深めるような情報である。録画番組の再生時に、視聴端末装置E2から送信されてくるコメント情報を基に、上記視聴時に作成された録画番組補完情報を更新することが可能である。この機能により、スポーツなどで無名の選手が活躍した場合に、ユーザからの「その選手の情報を知りたい」などコメントがあれば、録画番組補完情報を作成する。
【0069】
図4は視聴端末装置E2における録画番組の構成図を示す。番組管理情報は、録画の番組データに対して、特殊再生を行うための管理情報や、CM区間、番組の盛り上がり点(ハイライト点)の箇所を示す管理情報からなる。視聴端末装置E2において単体で、視聴番組を記録した場合に作成されるという態様がある。視聴統計情報Aは、視聴端末装置E2において該当番組を再生する際にサーバ装置E3から受信した情報である。この視聴統計情報を受信することにより、特定シーン、コメント、番組補完情報と、その番組における箇所を特定でき、再生に役立てることができる。
【0070】
なお、図1のシステム構成において、視聴端末装置(音声・映像出力装置)E1を削除して、視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)E2とサーバ装置E3のみで構成することも可能である。
【0071】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の参加型番組共有システムは、同一番組について、視聴統計情報を2つ提供するものである。本実施の形態において、システム構成、ユーザ操作等は、実施の形態1の場合の図1〜図3と同等である。図5は実施の形態2における視聴端末装置E2での録画番組の構成図を示す。
【0072】
視聴統計情報A1,A2は図4の視聴統計情報Aと同等である。視聴情報A1,A2は、それぞれ視聴の観点が異なる視点で解析部32にて作成する。
【0073】
ここで視聴情報A1を第1の観点、視聴統計情報A2を第2の観点の主観として作成されたと仮定する。管理情報Bは図4のものと同等である。番組データCは図4のものと同等である。C1は第1の観点の主観での見所箇所、C2は第2の観点の主観での見所箇所である。番組再生時において、視聴端末装置E2は視聴統計情報A1,A2の2つを受信し、ユーザが好みに応じていずれかを選択することにより、番組本編は改編することなくマルチストリーリのような視聴方法が可能になる。スポーツ番組等では同一番組に対してユーザが1つのチームの観点で視聴することが多い。こういった場合に、2つの視聴統計情報をサーバ装置E3にて提供する。これにより、視聴環境がよりダイナミックでより豊かなものになる。感情移入が増大し、番組を楽しむ度合いが著しく向上する。
【0074】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における参加型番組共有システムの構成を示すブロック図であり、これは図9において入力処理部13にコメント情報の機能を追加したものに相当する。入力処理部13は、ユーザからの選局、電源ON/OFFなどの操作に加えて、番組に対するコメント情報をネットワーク部14へ送信することが可能である。解析部32は、ネットワーク部31から受信した複数の視聴端末装置E1からの視聴情報に加えてコメント情報を基にして、視聴統計情報を生成することが可能である。
【0075】
図7は実施の形態3における視聴統計情報の構成図である。これは、図10の視聴統計情報に加えて視聴端末装置E1から送信されたコメント情報を追加したものに相当する。
【0076】
図8は視聴端末装置E1において、受信した視聴統計情報を表示した画面の例である。各チャンネル毎の視聴率の変化とともに、コメント情報が表示されている。
【0077】
録画再生機能はないが、それでも従来技術に比べて視聴環境を充分に豊かなものにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の技術は、操作情報を含む視聴履歴だけなくユーザコメントを収集しているので、多くのユーザが視聴した注目度の高い番組箇所のみならず、興味をもったり感動したりするなどの感想を含めて視聴したい領域を把握することが可能になり、さらに再生中にコメント情報がリアルタイムに表示され番組の臨場感をもてるとともに、情報が随時更新可能であり、同一番組を繰り返し再生したときでも楽しめる等々の効果があり、参加型番組共有システムとして大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態1における参加型番組共有システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における視聴情報、録画番組にかかわる操作情報、コメント情報の構成図
【図3】本発明の実施の形態1における視聴統計情報の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における第2の視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)での録画番組の構成図
【図5】本発明の実施の形態2における第2の視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)での録画番組の構成図
【図6】本発明の実施の形態3における参加型番組共有システムの構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における視聴統計情報の構成図
【図8】本発明の実施の形態3における視聴統計情報を表示した画面の例
【図9】本発明の基礎になる構成の参加型番組共有システムを示すブロック図
【図10】本発明の基礎になる構成における視聴情報と視聴統計情報の構成図
【図11】本発明の基礎になる構成における視聴統計情報を表示した画面の例
【符号の説明】
【0080】
E1 視聴端末装置(音声・映像出力装置)
E2 視聴端末装置(音声・映像記録再生装置)
E3 サーバ装置
11 放送受信部
12 表示部
13 入力処理部
14 ネットワーク部
15 表示動作決定部
21 放送受信部
22 表示部
23 入力処理部
24 ネットワーク部
25 表示動作決定部
26 記録部
27 再生制御部
31 ネットワーク部
32 解析部
33 蓄積部
40 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組を受信する放送受信部と、
前記放送受信部による受信番組を表示する表示部と、
番組視聴にかかわる視聴情報やコメント情報を取り込む入力処理部と、
ネットワークに接続されるクライアント側のネットワーク部と、
前記ネットワーク部と前記表示部との間に介在された表示動作決定部とからなり、
前記ネットワーク部は、前記入力処理部からの視聴情報やコメント情報をネットワークへ送信するとともに、ネットワークを介して受信した視聴統計情報を前記表示動作決定部へ転送するように構成され、
前記表示動作決定部は、放送視聴時に視聴統計情報の送信要求を前記ネットワーク部へ発行するとともに、前記ネットワーク部から転送されてくる視聴統計情報を前記表示部へ転送するように構成されている視聴端末装置。
【請求項2】
さらに、
前記放送受信部による受信番組を記録する記録部と、
前記記録部に記録されている番組を再生する再生制御部とを備え、
前記ネットワーク部は、さらに前記入力処理部からの録画番組にかかわる操作情報をネットワークへ送信するように構成されている請求項1に記載の視聴端末装置。
【請求項3】
ネットワークに接続されるサーバ側のネットワーク部と、
解析部と、
前記解析部による視聴統計情報を蓄積する蓄積部とからなり、
前記ネットワーク部は、ネットワークを介して送信されてくる視聴情報やコメント情報を受信し、前記解析部に転送するとともに、前記解析部から送られてくる視聴統計情報をネットワークへ送信するように構成され、
前記解析部は、前記ネットワーク部から転送されてくる視聴情報やコメント情報を解析して視聴統計情報を生成して前記蓄積部へ転送するとともに、ネットワークを介しての前記視聴端末装置からの視聴統計情報の送信要求に対して前記蓄積部から対応する視聴統計情報を読み出し前記ネットワーク部に出力するように構成されているサーバ装置。
【請求項4】
前記解析部は、前記ネットワーク部から転送されてくる録画番組にかかわる操作情報も解析して視聴統計情報を生成して前記蓄積部へ転送するように構成されている請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記視聴情報は、日時、チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDを含んでいる請求項1から請求項4までのいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記視聴情報は、視聴中の番組情報に関して日時、変更前チャンネル番号、変更後チャンネル番号、放送地域、電子番組表から得られる番組IDを含んでいる請求項1から請求項4までのいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記操作情報は、特殊再生が行われたときの特殊再生内容、番組中での特殊再生区間を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記操作情報は、番組消去が行われたときの未再生区間情報を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記操作情報は、部分削除が行われたときの削除区間情報を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記操作情報は、番組削除を禁止する番組プロテクトが行われたときの情報を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記操作情報は、プレイリスト点が登録されたときの番組の該当箇所を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項12】
前記操作情報は、ダビングする操作を含んでいる請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項13】
前記操作情報は、番組予約録画である請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項14】
前記コメント情報は、視聴番組情報、ユーザから発信されるコメントと該当時間情報とから構成されている請求項1または請求項3に記載の装置。
【請求項15】
前記コメント情報は、録画番組情報、ユーザから発信されるコメントと該当時間情報とから構成されている請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記視聴統計情報は、チャンネル毎の視聴率、視聴率変化、予約録画率を含んでいる請求項1から請求項15までのいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記視聴統計情報に基づいて特定箇所へ再生スキップする請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項18】
前記視聴統計情報に基づいて該当区間を再生したときにコメント表示する請求項2または請求項4に記載の装置。
【請求項19】
前記視聴統計情報は、前記コメント情報を基にして作成されるコメントに対する回答や番組理解補助のための番組補完情報を含んでいる請求項1から請求項18までのいずれかに記載の装置。
【請求項20】
請求項1または請求項2に記載の視聴端末装置と請求項3または請求項4に記載のサーバ装置との組み合わせからなる参加型番組共有システム。
【請求項21】
さらに請求項5から請求項19までのいずれかに記載の事項が適用される請求項20に記載の参加型番組共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−206447(P2010−206447A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48948(P2009−48948)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】