説明

親水化防汚剤を有する洗浄剤組成物、及び当該洗浄剤組成物を用いる方法

有機リン防汚剤及び所望による非綿用の第2の防汚剤を含む、全ての布帛に防汚の利益を提供する洗濯用洗浄剤組成物。本発明は、綿製品を、水溶性及び/又は分散性の有機リン材料と接触させることを含む、綿布帛に防汚利益を付与するための方法にさらに関する。接触は、洗浄の際、あるいは上記組成物を汚染物に直接適用するか、又は洗浄の前に上記組成物に衣類を予浸することによる前処理によりなされうる。本発明は、漂白剤の存在下で、洗濯物の洗浄の負荷における、全ての布帛に防汚利益を付与することにさらに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は、2007年6月12日に出願された米国仮出願第60/943,479号の利益を主張し、参照により、その全体を本明細書に援用する。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、親水化(hydrophilizing)防汚剤を含む洗浄剤組成物、及び洗濯物を洗浄するための方法に関する。詳細には、本発明は、防汚剤及び汚染物堆積防止薬剤(anti−soil deposition agent)として、モノ−、ジ−、又はポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を含む洗浄剤組成物に関する。本発明はまた、防汚剤として、綿製品を、防汚剤としての水溶性及び/又は水分散性の有機リン材料と接触させることによる、綿布帛に防汚の利益を提供するための方法に関する。本発明は、さらに、洗濯物の洗浄の負荷において、全ての布帛に防汚の利益を提供することにさらに関する。
【背景技術】
【0003】
家庭及び産業の布帛処理工程、例えば、洗濯、熱風布地乾燥機内の布帛乾燥等において用いるための多種多様の防汚剤が、当技術分野において知られている。種々の防汚剤が市販され、そして洗浄剤組成物,並びに布帛柔軟剤/帯電防止製品及び組成物に一般的に用いられている。上記防汚ポリマーは、概して、オリゴマー又は高分子量のエステル「主鎖」を含む。
【0004】
本発明によると、用語「防汚」は、布帛と接触した汚物及び/又は油性材料を洗浄すべきか、又は処理すべき布帛の能力を指す。本発明は、汚物が布帛に付着することを完全には予防しないが、上記付着を妨げ、そして布帛の清浄能力を改良する。
【0005】
防汚ポリマーは、ポリエステル又は他の合成布帛に対して非常に有効であることが一般的であるが、そこでは、グリース、オイル又は同様の疎水性の汚染物が広がり、そして付着した膜を形成し、それにより水性の洗濯工程において容易に除去されない。多くの防汚ポリマーは、「混合された」布帛、すなわち、綿及び合成材料の混合物を含む布帛に対してあまり劇的ではない効果を有し、そして綿製品に対してほとんど又は全く効果を有しない。合成布帛に関する複数の防汚剤のアフィニティーに関する理由は、ポリエステル防汚ポリマーの主鎖が、概して、テレフタレート残基と、エチレンオキシ又はプロピレンオキシ高分子量単位との混合物を含むことである(合成布帛のポリエステル繊維を含む同一の材料)。防汚剤及び合成布帛のこの類似の構造が、これらの化合物の間の固有のアフィニティーを形成する。
【0006】
この領域における広範囲な調査により、強化された製品性能及び配合能力を有する材料を生じるポリエステル防汚剤の効果において大きな改良がもたらされている。ポリマー主鎖の改良並びに適切なエンドキャップ基の選択により、多種多様のポリエステル防汚ポリマーが製造されている。例えば、エンドキャップ改良、例えば、スルホアリール部分及び特に、低コストのイセチオネート誘導化エンドキャップ単位の使用により、防汚作用を犠牲にすることなく、これらのポリマーの溶解性及び添加剤成分の適合性の範囲が増加している。複数のポリエステル防汚ポリマーは、液体及び固体(すなわち、粒状)の洗浄剤の両方に配合されることができる。
【0007】
ポリエステル防汚剤の場合のように、綿の構造とよく似たオリゴマー又はポリマー材料を生成することにより、綿防汚ポリマーが製造されている。綿及びポリエステル布帛は、両方とも長分子鎖ポリマー材料を含んで成るが、それらは、化学的に顕著に異なる。綿は、1−4結合により連結した無水グルコース単位から成るセルロース繊維を含んで成る。これらのグリコシド結合は、多糖類としての綿セルロースを特徴とするが、一方で、ポリエステル防汚ポリマーは、テレフタレート及びエチレン/プロピレンオキシド残差の組み合わせであるのが一般的である。これらの組成の相違により、綿対ポリエステル布帛の布帛特性の相違が生じる。綿は、ポリエステルと比較して親水性である。ポリエステルは、疎水性であり、そして油性の又は油脂性の汚れを引きつけ、そして簡易に「ドライクリーニング」することができる。重要なことは、ポリエステル布帛のテレフタレート及びエチレンオキシ/プロピレンオキシ主鎖が、反応点、例えば、合成物と異なる様式において汚染物と作用する綿のヒドロキシル部分を含まないことである。複数の綿汚染物は、「固定」され、そして布帛を漂白することによってのみ分解することができる。
【0008】
現在まで、洗濯用洗浄剤において用いるために効果的な綿防汚剤の進歩は、確認しにくかった。綿布帛防汚剤に適用された場合に、防汚ポリマーの構造を、布帛の構造と調和させるパラダイム(ポリエステル防汚ポリマー分野で有効な方法)を適用する、他者による試みは、やはり、周辺的な結果を生じさせた。変性されたオリゴマー単位を有する綿多糖類、メチルセルロースの使用は、綿に対するものよりもポリエステルに対して有効であることが証明された。
【0009】
例えば、1973年4月26日に出版された英国特許第1,314,897号明細書は、湿潤した汚物の再堆積を防ぎ、そして洗濯された布帛の防汚性を改良するためのヒドロキシプロピルメチルセルロース材料を教示する。この材料は、ポリエステル及び混合された布帛に対していくぶん有効であるように見える一方で、当該公表は、これらの材料が、綿布帛に対して所望の結果を満足に生じさせないことを示している。
【0010】
綿布帛のための防汚剤を製造するための他の試みは、基材を多糖類ポリマー主鎖と反応させることによる、綿繊維それ自体の化学構造を恒久的に変性する形をとるのが通常である。例えば、Kearneyに発行された米国特許第3,897,026号明細書は、エチレン−無水マレイン酸コポリマーを、綿ポリマーのヒドロキシル部分と反応させることにより得られた、防汚特性及び耐汚染特性が改良されたセルロース繊維材料を開示する。この方法の認識されている欠点の一つは、この方法により、綿布帛の望ましい親水特性が、実質的に改変されたことである。
【0011】
非恒久的な防汚処理又は防汚仕上げがまた、試みられている。Dicksonに発行された米国特許第3,912,681号明細書は、ポリカルボキシレートポリマーを含む非恒久的防汚仕上げを、綿布帛に適用するための組成物を開示する。しかし、この材料は、3未満のpHで適用されるべきであり、当該方法は、消費者の使用のために好適ではなく、又は8.5超のpHを有するのが典型的である洗濯用洗浄剤と相性が良くない。
【0012】
Hintonらに発行された米国特許第3,948,838号明細書は、防汚用の高分子量(500,000〜1,500,000)ポリアクリルポリマーを記載している。これらの材料は、好ましくは、他の布帛処理、例えば、耐久性のあるプレステキスタイル反応物質、例えば、ホルムアルデヒドと共に用いられる。この方法はまた、典型的な洗浄装置において、消費者により用いられるために容易に適用することができない。
【0013】
Leighらに発行された米国特許第4,559,056号明細書は、綿又は合成布帛を、オルガノポリシロキサンエラストマー、オルガノシロキサンオキシアルキレンコポリマー架橋剤及びシロキサン硬化触媒で処理するための方法を開示している。オルガノシリコーンオリゴマーは、石けん泡抑制剤として当業者に周知である。
【0014】
Panらの米国特許第5,332,528号明細書は、1種又は2種以上のアニオン性の第1の界面活性剤を含む洗浄剤組成物、並びにポリヒドロキシ脂肪酸アミドから成る防汚剤強化剤と共に、防汚剤及びアニオン性界面活性剤反応性非イオン性親水性物質及び/若しくはアニオン性界面活性剤反応性疎水性部分又は両方から成る防汚組成物を開示する。
【0015】
テレフタレート及びポリオキシエチレン/プロピレンの混合物を含まない他の防汚剤は、米国特許第4,579,681号明細書及び同第4,614,519号明細書においてRupeらにより開示されるように、ビニルカプロラクタム樹脂である。これらの開示されたビニルカプロラクタム材料は、ポリエステル布帛、綿及びポリエステルのブレンド、並びに仕上げ材により疎水性を付与された綿布帛に限定されたそれらの効果を有する。
【0016】
Dahanayakeらの米国特許第6,242,404号明細書は、防汚ポリマーと、水中で非常に低い臨界ミセル濃度値を生じさせることができる長分子鎖非イオン性アルコキシル化界面活性剤及び/又は両性界面活性剤とを含む防汚ポリマー組成物を開示する。好ましくは、上記防汚組成物は、洗浄剤システム、例えば、第2のアニオン性、非イオン性又はカチオン性界面活性剤及びそれらの混合物を含む市販の洗濯用洗浄剤に導入される。洗浄剤洗浄水のcmc値を非常に低い水準まで下げることにより、界面活性剤が、防汚ポリマーの性能を顕著に強化する。
【0017】
上記先行技術に加えて、下記は、種々の防汚ポリマー又は変性されたポリアミンを開示する;米国特許第4,548,744号明細書,Connor,1985年10月22日発行;米国特許第4,597,898号明細書,Vander Meer,1986年7月1日発行;米国特許第4,877,896号明細書,Maldonadoら,1989年10月31日発行;米国特許第4,891,160号明細書,Vander Meer,1990年1月2日発行;米国特許第4,976,879号明細書,Maldonadoら,1990年12月11日発行;米国特許第5,415,807号明細書,Gosselink,1995年5月16日発行;米国特許第4,235,735号明細書,Marcoら,1980年11月25日発行;国際公開第95/32272号パンフレット,1995年11月30日発行;英国特許第1,537,288号明細書,1978年12月29日発行;英国特許第1,498,520号明細書,1978年1月18日発行;ドイツ国特許第28 29 022号明細書,1980年1月10日発行;特許第06313271号明細書,1994年4月27日発行;国際公開第1997/042288号パンフレット,1997年11月13日発行。
【0018】
種々のアプローチを用いて、表面エネルギー(親水性/疎水性)、ひいては、所与の材料の付着特性を変化させることができる。例えば、化学系処理、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン表面に関するプラズマ又はオゾンにより親水性が増す。又は、物理化学系処理、例えば、界面活性剤分子を疎水性表面に付着させることにより、それらの親水度を変えることができる。また、ポリマーの表面への付着を用いて、表面特性を変える。具体例の一つは、ポリエチレンオキシド(PEG)の吸着であろう。全てのケースにおいて、特定の化学物質群を、初期表面に取り付ける。これらの化学物質群は、表面エネルギーを変化させ、ひいては付着特性及び/又は他の表面特性、例えば、付着物又は滑りの傾向を変化させる。
【0019】
上記処理の主要な欠点の2つは、耐久性が乏しいこと及び/又はそれらが、不経済である/技術的に複雑であることである。前者の一例は、界面活性剤である。それらは、例えば、水ですすいだ際に、表面から容易に取り除かれる。後者の例は、プラズマ又はオゾン処理である。さらに、いくつかの適用において、満足する溶液は、今のところ見出されていない。一例は、綿に関する改良された防汚特性であろう。
【0020】
低表面エネルギーを有する材料、例えば、ポリオレフィンポリマーは、疎水性表面を有する。上記材料の疎水特性は、一部の用途では望ましくなく、そして低表面エネルギーの基材を親水化するための方法、例えば、界面活性剤及び/又は高エネルギー処理を用いた処理が知られている。これらの方法のそれぞれは、大きな制限を有する。界面活性剤処理は、処理された基材が水に暴露されると取り除かれる傾向があり、そして高エネルギー処理により処理された基材の表面に与えられた電荷は、特に熱可塑性ポリマー基材の場合に、散逸する傾向がある。上記界面活性剤処理された基材の親水特性と、高エネルギー処理された基材の親水特性とは、限定的な耐久性を示す傾向がある。さらに、水に暴露することにより処理された基材からすすがれた界面活性剤は、水の特性を変え、例えば、表面張力を下げる(望ましくないであろう)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
清浄すべき布帛に改良された防汚特性及び/又は付着防止特性、特に防汚堆積特性及び防汚付着特性を付与する洗濯用洗浄剤組成物を提供することが有利であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1、部分a、b、c及びdは、例1の布地試料の写真を示す。すなわち、上記試料は、汚染及び洗浄/すすぎ後の未処理/処理済み綿布きれであった。 部分(a)は、未処理であり、汚れたモータ油(対照)で汚染させ、 部分(b)は、PEG400/PPG425ホスフェートエステルで処理し、汚れたモータ油で汚染させ、そして 部分(c)は、未処理であり、調理済みの植物油(対照)で汚染させ、 部分(d)は、PEG400/PPG425ホスフェートエステルで処理し、調理済みの植物油(対照)で汚染させた;全ての汚染された試料は、SUN洗浄剤で洗浄された。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に従って有用な洗濯用洗浄剤組成物は、特別な配合物、例えば、前洗浄組成物、前浸漬組成物、及び手又は装置洗浄用組成物を含む。洗浄剤組成物は、希釈を必要とする濃縮物の状態、若しくは希釈溶液の状態、又はセルロース含有布帛に直接適用されうる状態であることができる。当然ながら、本発明の防汚剤の種々のテキスタイル用途のための特定の組成物の配合、例えば、洗濯用洗浄剤又は前浸漬は、本明細書に示されるように、それぞれの組成物が向けられる種々の用途のために異なる場合がある。しかし、本発明の防汚剤の添加により実施された改良は、種々のテキスタイル用途のそれぞれを介して、概して一致している。
【0024】
本発明の組成物及び方法は、漂白剤の存在下又は不存在下で洗濯される場合に、全ての綿又は綿−合成繊維ブレンド又は「セルロース含有」製品に対する防汚利益を提供する。本発明の組成物及び方法は、洗濯物の洗浄の負荷における、綿、セルロース、合成繊維及び綿−合成繊維混合布帛に防汚利益を提供する。本発明の工程又は方法は、本明細書に開示される洗濯用洗浄剤組成物が固体又は液体である場合に、等しく有効である。固体洗濯用洗浄剤は、下流、フレーク又は洗濯棒(laundry bar)の形状であることができる。液体洗浄剤は、広範囲の粘度を有することができ、そして超濃縮物、注入可能な「即時の」洗浄剤、又はライトデューティー布帛前処理剤を含むことができる。
【0025】
本発明は、強化された防汚特性を有する洗浄剤組成物、及び当該組成物を用いる方法を提供する。さらに具体的には、本発明の目的は、有機リン防汚剤及び少なくとも1種の界面活性剤を含むテキスタイル洗浄剤組成物、並びに上記テキスタイル洗浄剤組成物を用いる方法を提供することである。上記有機リン防汚剤は、概して、少なくとも1種のモノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えばPEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)である。
【0026】
本発明はまた、綿及び/又は非綿布帛と共に用いるための有機リン防汚剤を含む洗濯用洗浄剤組成物(所望により、追加の好適な非綿第2の防汚剤と組み合わせた)に関し、それにより、全ての布帛に防汚利益を提供する洗濯用洗浄剤組成物を提供し、そして本発明の化合物を綿布帛と接触させることによる、布帛に綿防汚を提供するための方法に関する。
【0027】
本発明は、下記を含む洗濯用洗浄剤組成物に関する;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択される洗浄性界面活性剤;
b)約0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有する防汚ポリマー;
c)約0.01〜約10重量%の、下記を含む親水化剤を含む、水溶性又は分散性の有機リン防汚剤;
(c)(I)下記から選択される有機リン材料;
(c)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
【化1】

(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(c)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(c)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(c)(I)(4) (c)(I)(1)、(c)(I)(2)及び(c)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
必要に応じて、上記組成物は、下記をさらに含むことができる;
(c)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(c)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
【化2】

(c)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(c)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物;並びに
(c)(II)(4) (c)(II)(1)、(c)(II)(2)及び(c)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物;並びに
(d)所望による、約0.05〜約30重量%の漂白剤:
(e)所望による、0.01〜約90%のキャリア及び添加剤成分。
【0028】
本明細書では、上記有機リン材料は、綿布帛及び非綿布帛用の防汚剤である水溶性又は分散性の有機リン離型剤と称される。しかし、この専門用語は、上記有機リン材料を、所望による追加の第2の防汚剤又は所望による追加の抗汚染物堆積剤(soil anti−deposition agent)から区別するために用いられる。
【0029】
本発明は、上記布帛を、a)少なくとも約0.001重量%の、本発明に従う有機リン材料「(c)(I)」を含む水溶性又は分散性の(好ましくは、漂白剤安定な)、有機リン防汚剤;並びにb)残余のキャリア及び添加剤成分を含む洗濯組成物と接触させることによる、綿布帛への防汚利益を提供する。
【0030】
本発明のさらなる目的は、漂白剤安定な防汚剤の水性溶液を、漂白剤の存在下でホワイトコットン布帛と接触させることによる、漂白剤の存在下でホワイトコットン布帛に防汚利益を提供する方法を提供することである。
【0031】
本発明のさらなる目的は、漂白剤の存在下で、洗濯物の洗浄の負荷を含む全ての布帛に防汚利益を提供するための方法を提供することである。
【0032】
本明細書における、全てのパーセンテージ、比及び割合は、他に規定がない限り、重量による。全ての温度は、他に規定がない限り、摂氏温度(℃)における。全ての援用される書類を、関連性のある部分において、参照により本明細書に援用する。
繊維を、ホスフェートエステルを用いて処理することにより、表面特性が変化する。
【0033】
本発明は、複数の優位性を有する。上記ホスフェートエステルは、表面処理向けに用いられる複数のポリマーと比較して、比較的安価であり、そして製造が簡易である。水性溶液からの処理が簡易であり且つ早い。上記ホスフェートエステルは、無毒であり、皮膚に対して非刺激性であり、そして生分解性を有するとみなされる。
【0034】
上記有機リン材料はまた、洗浄の直前に汚染された布地に適用される汚染除去のための組成物内で用いられうる。例えば、それは、洗濯前に、汚染を事前浸漬するために適用されうる。
【0035】
本発明の組成物は、下記を含む;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択される洗浄性界面活性剤;
b)約0〜約10重量%、又は約0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有する防汚ポリマー;
c)約0.01〜約10重量%の、本発明に従う、水溶性又は分散性の有機リン防汚剤;及び
d)残余のキャリア及び添加剤成分。
【0036】
好ましくは、上記洗濯用洗浄剤組成物は、下記を含む;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択される洗浄性界面活性剤;
b)約0〜約10%又は0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有するアニオン性の防汚ポリマー;
c)所望による、約0.05〜約30重量%の漂白剤;
d)約0.01〜約10重量%の、本発明に従う、水溶性又は分散性の、漂白剤安定な有機リン防汚剤;及び
e)残余のキャリア及び添加剤成分。
【0037】
さらに好ましい洗濯用洗浄剤組成物は、下記を含む;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、アニオン性の洗浄性界面活性剤;
b)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、非イオン性の洗浄性界面活性剤;
c)約0〜約10重量%、又は約0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有する防汚ポリマー;
d)所望による、約0.05〜約30重量%の漂白剤;
e)約0.01〜約10重量%の、本発明に従う、水溶性又は分散性の、漂白剤安定な有機リン防汚剤;及び
f)残余のキャリア及び添加剤成分。
【0038】
好ましい洗濯用洗浄剤組成物は、下記を含む;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、及びそれらの混合物から成る群から選択されるアニオン性の洗浄性界面活性剤;
b)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、非イオン性の洗浄性界面活性剤;
c)約0〜約10重量%、又は約0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有するアニオン性の防汚ポリマー;
d)所望による、約0.05〜約30重量%の漂白剤;
e)約0.01〜約10重量%の、本発明に従う、水溶性又は分散性の、漂白剤安定な有機リン防汚剤:及び
f)残余のキャリア及び添加剤成分。
【0039】
さらに好ましい洗濯用洗浄剤組成物は、下記を含む;
a)少なくとも約0.01重量%〜約95重量%の、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド非イオン性洗浄性界面活性剤;
b)約0〜約10重量%又は約0.01〜約10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有するアニオン性の防汚ポリマー;
c)所望による、約0.05〜約30重量%の漂白剤;
d)約0.01〜約10重量%の、本発明に従う、水溶性又は分散性の、漂白剤安定な有機リン防汚剤;
e)残余のキャリア及び添加剤成分:及び
f)水中の10%溶液として測定された場合に、約7.2〜約10.5のpHを有する組成物を提供するために十分なアルカリ性材料。
【0040】
本発明に従う、水溶性又は分散性の有機リン防汚剤は、下記を含む親水化剤を含む;
(c)(I)下記から選択される有機リン材料;
(c)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
【化3】

(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(c)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(c)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(c)(I)(4) (b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
必要に応じて上記組成物は、下記をさらに含むことができる;
(c)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(c)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
【化4】

(c)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(c)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物:並びに
(c)(II)(4) (b)(II)(1)、(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
【0041】
本発明に従って、衣類を、有機リン材料、例えば、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を含む洗濯配合物で洗浄することにより、そのように処理された表面上に、汚染物質に関する、永続性の堆積防止特性及び/又は付着防止特性を付与することができ、さらにモノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)の存在により、上記配合物の清浄能力を改良することができる。
【0042】
モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を用いることにより、上記ホスフェートエステルがこれらの表面に吸着し、いくつかの表面の表面特性を変化させる。上記表面の処理は、ほとんどの場合、単に水性溶液からの吸着である。
【0043】
本明細書において、専門用語「疎水性表面」は、70°以上、さらに典型的には90°以上の水接触角、そして/又は約40ダイン/cm以下の界面自由エネルギーにより証明されるような、水をはじき、従って、水により湿潤されることに抵抗する傾向を示す表面を意味する。
【0044】
本明細書において、専門用語「親水性表面」は、70°未満、さらに典型的には60°未満の水接触角、そして/又は約40ダイン/cm超、さらに典型的には約50ダイン/cm以上の表面エネルギーにより証明されるような、水に対するアフィニティーを示し、それにより水により湿潤される表面を意味する。
【0045】
本明細書において、疎水性表面に関して、用語「親水化」は、低い水接触角により示されるように、表面をさらに親水性にし、ひいては疎水性を少なくすることを意味する。処理された疎水性表面の高い親水性の指標の一つは、未処理の表面における水接触角と比較した、処理された表面における低い水接触角である。
【0046】
本明細書において、基材に関して、専門用語「水接触角」は、一般的なイメージ分析方法、すなわち、25℃において、表面(概して、実質的に平面)上に水の液滴を配置し、上記液滴を撮影し、そして画像に示される接触角を測定することにより、測定されるような、表面上の水の液滴により示される接触角を意味する。
【0047】
表面エネルギーは、次のヤングの方程式
cos(θ)*γlv=γsv−γsl
(接触角θ、固相及び気相の間の界面エネルギーγsv、固相及び液相の間の界面エネルギーγsl、及び液相及び気相の間の界面エネルギーγlv、そしてγsvは、固体の表面エネルギーを表す)
を用いて見積もられる。
【0048】
本明細書において、ポリマー又はその一部に関する「分子量」は、ポリマー又は一部の重量平均分子量(「Mw」)を意味し、そこでは、ポリマーのMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された値であり、そしてポリマーの一部のMwは、当該一部を製造するために用いられたモノマー、ポリマー、開始剤及び/又は移動剤の量から公知の技法に従って計算された値である。
本明細書において、有機基又は化合物に関する表記法「(Cn〜Cm)」(n及びmは整数である)は、上記基又は化合物が、上記基又は化合物あたり、n〜m個の炭素原子を含むことを意味する。
【0049】
用語「永続性の堆積防止特性及び/又は付着防止特性」は、処理された表面が、汚染物質(例えば、雨水、配電網からの水、すすぐ製品が添加されている又は添加されていないすすぎ水、飛び散った脂肪、石けん等)との次の接触後を含む、長期にわたり、これらの特性を保持することを意味することが理解される。この持続性の特性を、約10回のすすぎサイクルを超えて観察することができ、さらに、非常に多くのすすぎが実施されるいくつかの特定のケース(例えば、便器)では、100回のすすぎサイクルを超えて観察することができる。
【0050】
「そのように処理された表面に堆積防止特性を付与する」の表現は、詳細には、主に水性媒体において汚染物質と接触させた、処理された表面が、上記汚染物質を「捕捉する」傾向を有せず、表面上の汚染物質の堆積を有意に減らすことを意味する。
【0051】
「そのように処理された表面に付着防止特性を付与する」の表現は、詳細には、処理された表面が、それらの上に堆積している汚染物質と非常にわずかにのみ相互作用する場合があり、汚染された、処理された表面から汚染物質を容易に取り除くことができる;すなわち、処理された表面と接触させた汚染物質の乾燥の際、上記汚染物質と、上記表面の間に発現した結合が、非常に弱く、従って、これらの結合を切断するために、清浄操作の際、より少ないエネルギーが要求される。
【0052】
モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)の存在が、「清浄能力を改良する」ことができると称される場合には、これは、同一の量の清浄配合物(特に、手により皿を洗浄するための配合物)に関して、モノ−、ジ−、又はポリオールホスフェートエステルを含む配合物が、それらを欠いている配合物よりも、複数の汚染された物体を顕著に清浄することができることを意味する。
【0053】
さらに、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を布帛上に堆積させると、この表面に帯電防止特性を付与することができるこの特性は、合成繊維の表面の場合に特に有利である。
【0054】
洗浄剤配合物中に、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)が存在することにより、洗浄された布帛の表面に親水性を付与することができるか、又はその親水性を改良することができる。
【0055】
[テキスタイル]
洗濯すべき、又は洗濯の直前に汚染物除去剤で前処理すべきテキスタイルは、疎水性表面を有する疎水性材料を含む種々の繊維から製造されることができ、そして織物又は不織布であることができる。
好適なテキスタイルは、例えば、「綿含有布帛」、「セルロース含有布帛」及び疎水性ポリマーを含む。
【0056】
「綿含有布帛」は、綿織物、綿編物、綿デニム、綿ヤーン等を含む純粋な綿又は綿ブレンドから製造された、縫い合わされた又は縫い合わされていない織物又は不織布を意味する。綿ブレンドが用いられる場合、上記布帛内の綿の量は、少なくとも約40重量%の綿;好ましくは、約60重量%超の綿;そして最も好ましくは、約75重量%超の綿であるべきである。ブレンドとして用いられる場合、上記布帛内で用いられる対となる材料は、合成繊維、例えば、ポリアミド繊維(例えば、ナイロン6及びナイロン66)、アクリル系繊維(例えば、ポリアクリロニトリル繊維)、及びポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール繊維(例えば、Vinylon)、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリウレア繊維及びアラミド繊維を含む1種又は2種以上の非綿繊維を含むことができる。
【0057】
「セルロース含有布帛」は、天然セルロース及び人工セルロース(例えば、ジュート、亜麻、ラミー、レーヨン等)を含むセルロース布帛を含む綿又は非綿、あるいはそれらを含むセルロースブレンドを含む綿又は非綿を意味する。当業界に周知である再生布帛、例えば、レーヨンは、人工セルロース含有布帛の項目の下に含まれる。他の人工セルロース含有布帛は、化学変性されたセルロース繊維(例えば、アセテートから誘導されたセルロース)及び溶媒紡糸されたセルロース繊維(例えば、リヨセル)を含む。当然ながら、上記材料から製造された衣服又はヤーンは、セルロース含有布帛の定義内に含まれる。同様に、「セルロース含有布帛」は、上記材料から製造された紡織繊維を含む。
【0058】
疎水性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリ(イソブテン)、ポリ(イソプレン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、及びエチレンプロピレン−ヘキサジエンコポリマー;エチレン−ビニルアセテートコポリマー;スチレンポリマー、例えば、ポリ(スチレン)、ポリ(2−メチルスチレン)、約20モル%未満のアクリロニトリルを有するスチレン−アクリロニトリルコポリマー、及びスチレン−2,2,3,3−テトラフルオロ−プロピルメタクリレートコポリマー;ハロゲン化炭化水素ポリマー、例えば、ポリ(クロロ−トリフルオロエチレン)、クロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、ポリ(トリフルオロエチレン)、ポリ(ビニルフロリド)及びポリ(ビニリデンフルオリド);ビニルポリマー、例えば、ポリ(酪酸ビニル)、ポリ(ビニルデカノエート)、ポリ(ビニルドデカノエート)、ポリ(ビニルヘキサデカノエート)、ポリ(ビニルヘキサノエート)、ポリ(プロピオン酸ビニル)、ポリ(ビニルオクタノエート)、ポリ(ヘプタフルオロイソプロポキシエチレン)、1−ヘプタフルオロイソプロポキシ−メチルエチレン−マレイン酸コポリマー、ポリ(ヘプタフルオロイソプロポキシプロピレン)、ポリ−(メタクリロニトリル)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(エトキシエチレン)、ポリ(メトキシ−エチレン)及びポリ(ビニルホルマール);アクリルポリマー、例えば、ポリ(n−ブチルアセテート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ[(1−クロロジフルオロメチル)テトラフルオロエチルアクリレート]、ポリ[ジ(クロロ−フルオロメチル)フルオロメチルアクリレート]、ポリ(1,1−ジヒドロヘプタフルオロブチルアクリレート)、ポリ(1,1−ジヒドロペンタフルオロイソプロピルアクリレート)、ポリ(1,1−ジヒドロペンタデカ−フルオロオクチルアクリレート)、ポリ(ヘプタフルオロイソプロピルアクリレート)、ポリ[5−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)−ペンチルアクリレート]、ポリ[11−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)ウンデシルアクリレート]、ポリ[2−(ヘプタフルオロプロポキシ)エチルアクリレート]及びポリ(ノナフルオロイソブチルアクリレート);メタクリルポリマー、例えば、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(t−ブチルメタクリレート)、ポリ(t−ブチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ドデシルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(n−ヘキシルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(1,1−ジヒドロペンタデカフルオロオクチルメタクリレート)、ポリ(ヘプタフルオロイソプロピルメタクリレート)、ポリ(ヘプタデカフルオロオクチルメタクリレート)、ポリ(1−ヒドロテトラフルオロエチルメタクリレート)、ポリ(1,1−ジヒドロテトラフルオロプロピルメタクリレート)、ポリ(1−ヒドロヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート)及びポリ(t−ノナフルオロブチルメタクリレート);ポリエーテル、例えば、ポリ(クロラール)、ポリ(オキシブテン)ジオール、ポリ(オキシイソブテン)ジオール、ポリ(オキシデカメチレン)、約1,500未満の分子量を有するポリ(オキシエチレン)−ジメチルエーテルポリマー、ポリ(オキシヘキサメチレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)−ジメチルエーテル、及びポリ(オキシテトラメチレン);ポリエーテルコポリマー、例えば、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマー、約20モル%超のオキシプロピレンを有するオキシエチレン−オキシプロピレンコポリマー、オキシテトラメチレン−オキシプロピレンコポリマー、及びポリ(オキシジメチルシリレン)ブロックにより隔てられたオキシエチレン−オキシプロピレンコポリマーブロックを有するブロックコポリマー;ポリアミド、例えば、ポリ[イミノ(1−オキソデカメチレン)]、ポリ[イミノ(1−オキソドデカメチレン)]又はナイロン12、ポリ[イミノ(1−オキソヘキサメチレン)]又はナイロン6、ポリ[イミノ(1−オキソテトラメチレン)]又はナイロン4、ポリ(イミノアゼラオイルイミノノナメチレン)、ポリ(イミノセバコイルイミノデカメチレン)、及びポリ(イミノスベロイルイミノオクタメチレン);ポリイミン、例えば、ポリ[(ベンゾイルイミノ)エチレン]、ポリ[(ブチリルイミノ)エチレン]、ポリ[(ドデカノイルイミノ)エチレン]、(ドデカノイルイミノ)エチレン−(アセチルイミノ(acetyleimino))トリメチレンコポリマー、ポリ[(ヘプタノイルイミノ)エチレン]、ポリ[(ヘキサノイルイミノ)エチレン]、ポリ{[(3−メチル)ブチリルイミノ]エチレン}、ポリ[(ペンタデカフルオロオクタデカノイルイミノ)エチレン]、及びポリ[(ペンタノイルイミノ)エチレン];ポリウレタン、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート及びブタンジオールポリ(オキシテトラメチレン)ジオール、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリエチレングリコール、及び4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート及びトリプロピレングリコールから調製されたもの;ポリシロキサン、例えば、ポリ(オキシジメチルシリレン)及びポリ(オキシメチルフェニルシリレン);及びセルロース、例えば、アミロース、アミロペクチン、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ヘミセルロース及びニトロセルロースを含む。
【0059】
実施形態の一つでは、上記基材は、1種又は2種以上の繊維を含む。本明細書において、用語「繊維」は、特有の長手寸法、概して、「長さ」と、特有の横方向の寸法、概して、「直径」又は「幅」とを有する概して細長い製品を意味し、特有の長手寸法の、特有の横方向の寸法に対する比は、約50以上、さらに典型的には、約100以上である。
【0060】
好適な繊維は、疎水性表面を有するものであり、そして典型的には、疎水性の合成ポリマー繊維、例えば、ポリアクリロニトリル繊維、ポリ(エチレンテレフタレート)繊維、及びポリ(オレフィン)繊維、例えば、ポリ(エチレン)繊維又はポリ(プロピレン)繊維である。
実施形態の一つでは、本発明の親水化布帛は、疎水性表面を有する繊維を含む織物である。
【0061】
実施形態の一つでは、本発明の親水化布帛は、疎水性表面を有する繊維を含む不織布である。
実施形態の一つでは、上記布帛は、疎水性表面を有する繊維を含むウェブ形態における不織布である。不織布材料は周知であり、例えば、Butler I.ら,Nonwovens Fabric Handbook,Assoc.of the Nonwoven Fabrics Industry(1999)を参照せよ。
【0062】
不織布繊維ウェブは、直接押出し方法、例えば、スパンボンド、メルトブロー、溶媒紡糸、又はエレクトロスピニングにより形成される(上記繊維及びウェブは、同時に形成される)か、又は予備生成された繊維方法、例えば、乾式レイ(dry laying)又は湿式レイ(wet laying)により形成される(繊維が、繊維形成の後の時点で、ウェブに構築される)か、あるいは上記方法の組み合わせ、例えば、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド、スパンボンド−エアレイド、及びメルトブロー−エアレイド方法により形成されるのが典型的である。
【0063】
概して、不織布繊維ウェブの少なくとも一部の繊維が、当該ウェブの他の繊維に対して、ゼロでない角度で配置される。2本又は3本以上の繊維が、隣接する又は部分的に重なる様式のどちらかにおいて接触する場所は、概して、「接合点」と称される。不織布繊維ウェブの繊維は、当該ウェブの1本又は2本以上の他の繊維に、接合点の少なくともいくつかを、例えば、熱結合する、圧力結合する、超音波結合する、又は溶媒結合することにより接続されるのが典型的である。
【0064】
実施形態の一つでは、2又は3以上の不織布繊維ウェブを積み重ねて、不織布繊維ウェブ積層材料を形成する。別の実施形態では、1種又は2種以上の不織布繊維ウェブを、1種又は2種以上の他の材料、例えば、無孔ポリマーフィルム又はシートと積み重ねて、複合積層材料を形成する。
【0065】
[ホスフェートエステル(有機リン材料)]
本明細書において、用語「アルキル」は、一価の飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、概して、一価の(C1〜C30)飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。実施形態の一つでは、アルキル基は、アルコキシ、アミノ、ハロ、カルボキシ又はホスホノにより、当該基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で置換されている(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、イソプロポキシエチル、アミノメチル、クロロメチル若しくはトリクロロメチル、カルボキシエチル、又はホスホノメチル)。
【0066】
本明細書において、用語「ヒドロキシアルキル」は、その炭素原子の一つが、ヒドロキシル基で置換されているアルキル基を意味する。
本明細書において、用語「アルコキシル」は、アルキル基で置換されているオキシ基、例えば、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、又はブトキシルを意味する(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、さらに置換されていてもよい)。
【0067】
本明細書において、用語「シクロアルキル」は、飽和環式炭化水素基、概して(C3〜C8)の飽和環式炭化水素基、例えば、シクロヘキシル又はシクロオクチル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。
本明細書において、用語「アルケニル」は、1又は2以上の炭素−炭素二重結合を含む、不飽和の直鎖、分岐鎖又は環式炭化水素基、例えば、エテニル、1−プロペニル又は2−プロペニル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。
【0068】
本明細書において、用語「アリール」は、3つの共役する二重結合により不飽和度を表すことができる、1又は2以上の6員環の炭素環を含む、一価の不飽和炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル又はビフェニルを意味する(当該環の1つ又は2つ以上の炭素上で、所望により置換されていてもよい)。実施形態の一つでは、アリール基は、当該基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル又はアミノにより置換されていてもよい(例えば、メチルフェニル、ジメチルフェニル、ヒドロキシフェニル、クロロフェニル、トリクロロメチルフェニル又はアミノフェニル)。
【0069】
本明細書において、用語「アリールオキシ」は、アリール基で置換されているオキシ基、例えば、フェニルオキシ、メチルフェニルオキシ、イソプロピルメチルフェニルオキシを意味する。
【0070】
本明細書において、基が、「所望により置換されている」又は「所望によりさらに置換されている」ことができる指標は、一般に、明確に又は上記参照の文脈により、さらに制限されていない限り、上記基が、1又は2以上の無機又は有機置換基、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロ原子又はヘテロシクリルで置換されてよい、あるいは金属イオンに配位結合することができる1又は2以上の官能基、例えば、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、イミノ、アミド、ホスホン酸、スルホン酸若しくはアルセネート、又はそれらの無機及び有機エステル、例えば、スルフェート若しくはホスフェート、又はそれらの塩で置換されていてもよいことを意味する。
【0071】
本明細書において、有機基に関する専門用語「(Cx〜Cy)」(x及びyは、それぞれ、整数である)は、当該基が、1つの基あたり、x個の炭素原子〜y個の炭素原子を含むことができることを示す。
【0072】
上述のように、本発明に従う、水溶性又は分散性の、有機リン防汚剤は、下記を含む親水化剤を含む;
(c)(I)下記から選択される有機リン材料;
(c)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
【化5】

(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(c)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(c)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:及び
(c)(I)(4) (b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
【0073】
本発明の洗濯及び漬け置き用組成物において用いるために好適な有機リン材料はまた、2006年9月5日に出願された米国仮出願第60/842,265号明細書、及び2006年6月12日に出願された同第60/812,819号明細書に記載されている(両出願を参照することにより、本明細書に援用する)。
実施形態の一つでは、R6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H、(C1〜C30)アルキル、(C1〜C30)アルケニル、又は(C7−C30)アルカリルである。
【0074】
実施形態の一つでは、各R1及び各R2はOであり、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される;
(II)(1)次の構造(II)に従う有機ホスフェートエステル:
【化6】

(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(II)(2)構造(II)に従う有機リン化合物の塩;
(II)(3)構造(II)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(II)(4) (II)(1)、(II)(2)及び(II)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
【0075】
実施形態の一つでは、各R1は存在せず、各R2はOであり、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される;
(III)(1)次の構造(III)に従う有機ホスホネートエステル:
【化7】

(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(III)(2)構造(III)に従う有機リン化合物の塩;
(III)(3)構造(III)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の縮合反応生成物:並びに
(III)(4) (III)(1)、(III)(2)及び(III)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
【0076】
実施形態の一つでは、各R1はOであり、各R2は存在せず、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される;
(IV)(1)次の構造(IV)に従う有機ホスホネートエステル:
【化8】

(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(IV)(2)構造(IV)に従う有機リン化合物の塩;
(IV)(3)構造(IV)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(IV)(4) (IV)(1)、(IV)(2)及び(IV)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
【0077】
実施形態の一つでは、各R3は、次の構造(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)に従う2価基である:
【化9】

(式中、
各R12及び各R13は、独立して、H、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、アリールオキシであるか、又は隣接する炭素原子と結合している2つのR12基が縮合して、それらが結合している炭素原子と共に、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、
20は、H、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシであり、
22は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであるが、R20及びR22は、それぞれ、ヒドロキシルではなく、
23及びR21は、それぞれ独立して、メチレン又はポリ(メチレン)であり、
p,p’,p’’,q及びxは、それぞれ独立して、2〜5の整数であり、
各r,s,r’,r’’及びyは、独立して、0〜25の数であるが、r及びsの少なくとも一方は0ではない、
uは、2〜10の整数であり、
v及びwは、それぞれ、1〜25の数であり、そして
t,t’及びt’’は、それぞれ、1〜25の数であるが、
数(r+s)×tの積が約100以下であり、数(v+r’)×t’の積が約100以下であり、そして数(w+r’’)×t’’の積が約100以下である)。
【0078】
実施形態の一つでは、各R4及び各R5は、独立して、存在しないか、又は構造(V)、(VI)若しくは(VII)に従う2価基(式中、R12,R13,R20,R21,R22,R23,p,p’,p’’,q,r,r’,r’’,s,t,t’’,t,u,v,w,x及びyは、上述の通りである)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(V)、(VI)又は(VII)に従う2価基(式中、R12、R13、R20、R21、R22、R23,p,p’,p’’,q,r,r’,r’’,s,t,t’’,t,u,v,w,x,及びyは、上述の通りであり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
【0079】
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(V)に従う2価基(式中、pは2、3又は4であり、rは整数1〜25であり、sは0であり、tは1〜2の整数であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(VI)に従う2価基(式中、R12基が縮合して、それらが結合している炭素原子を含む、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、各R13はHであり、p’は2又は3であり、uは2であり、vは1〜3の整数であり、r’は整数1〜25であり、t’は1〜25の整数であり、数(v+r’)×t’’の積は、約100以下であり、さらに典型的には約50以下であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
【0080】
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(VII)に従う2価基(式中、R20は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、R22は、H、アルキル、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであるが、R20及びR22は、それぞれ、ヒドロキシルではなく、R21及びR23は、それぞれ独立して、メチレン、ジ(メチレン)又はトリ(メチレン)であり、wは1又は2であり、p’’は2又は3であり、r’’は1〜25の整数であり、t’’は1〜25の整数であり、数(w+r’’)×t’’の積は、約100以下であり、さらに典型的には約50以下であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
【0081】
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、さらに典型的には、R6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(V)、(VI)又は(VII)に従う2価基であり、そして
mは、1〜5の整数である。
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(V)に従う2価基であり、
各pは、独立して、2、3又は4であり、さらに典型的には2又は3であり、
各rは、独立して、1〜約100の数、さらに典型的には、2〜約50の数であり、
各sは、0であり、
各tは、1であり、そして
mは、1〜5の整数である。
【0082】
実施形態の一つでは、上記有機リン材料は、下記から選択される;
(X)(1)次の構造(IX)に従う有機リン化合物:
【化10】

(式中、
pは2、3又は4であり、さらに典型的には2又は3であり、
rは4〜約50の数である);
(IX)(2)構造(IX)に従う有機リン化合物の塩:並びに
(IX)(3) (IX)(1)及び(IX)(2)の、2種又は3種以上の、化合物及び/又は塩を含む混合物)。
【0083】
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(VI)に従う2価基であり、
12基が縮合して、それらが結合している炭素原子を含む、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、
各R13は、Hであり、
p’は、2又は3であり、
uは、2であり、
vは、1であり、
r’は、1〜25の数であり、
t’は、1〜25の数であり、
数(v+r’)×t’の積は、約100以下であり、そして
mは、1〜5の整数である。
【0084】
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(VII)に従う2価基であり、
20は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、
22は、H、アルキル、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、
23及びR21は、それぞれ独立して、メチレン、ジ(メチレン)又はトリ(メチレン)であり、
wは、1又は2であり、
p’’は、2又は3であり、
r’’は、1〜25の数であり、
t’’は、1〜25の数であり、
数(w+r’’)×t’’の積が約100以下であり、そして
mは、1〜5の整数である。
【0085】
実施形態の一つでは、上記有機リン化合物は、構造(III)に従い、各R3は、構造(V)に従う2価基であり、そしてs=0及びt=1であり、R4及びR5は、それぞれ、存在せず、そしてR6、R7及びR8は、それぞれ、Hである。
実施形態の一つでは、上記有機リン化合物は、構造(IV)に従い、R3及びR5は、それぞれ、構造(V)に従い、そしてs=0及びt=1であり、そしてR6及びR8は、それぞれ、Hである。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含む。
【0086】
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、直鎖の分子の形の構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物、例えば、構造(II)に従う分子を、構造(IV)に従う分子と縮合することにより形成された、次の構造(X):
【化11】

(式中、R4,R7,p,rは、それぞれ、上述の通りである)
に従う直鎖の縮合反応生成物を含む。
【0087】
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、架橋された網目の形の、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含む。
例示的な架橋された縮合反応生成物網目の一部は、次の構造(XI):
【化12】

(式中、
1、R2、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りであり、そして
各R3’は、独立して、構造(I)に従う化合物のR3基の残差であり、R3基は、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)部分の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル−、ヒドロキシアルキル−、ヒドロキシアルキレンオキシ−又はヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)−により置換されたアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)部分であり、そして−R3’−R4−及び−R3’−R5−は、それぞれ、R3基と、構造(I)に従う化合物の別の分子の−R3’−R5−又はR8−R5−基との縮合により形成された結合を表す)
により具体的に説明される。
【0088】
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含み、そして当該縮合反応生成物は、共有結合的に架橋された有機リン網目を形成する。典型的には、上記共有結合的に架橋された有機リン網目の水中の溶解性は、構造(I)に従う有機リン化合物より低く、さらに典型的には、上記共有結合的に架橋された有機リン網目は、水に実質的に不溶である。
【0089】
本明細書において、用語「塩」は、無機塩基又は有機塩基と、無機酸又は有機酸とを含む、塩基及び酸から調製された塩を指す。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う有機リン化合物に由来するアニオン(例えば、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキル置換基の脱プロトン化)と、塩基に由来する1又は2以上の正に帯電した対イオンとを含む塩の状態にある。
【0090】
好適な正に帯電した対イオンは、無機カチオン及び有機カチオン、例えば、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、銅カチオン、亜鉛カチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、並びに第1級、第2級及び第3級アミンに由来するカチオン、及び置換されたアミンを含む。
実施形態の一つでは、上記カチオンは、一価のカチオン、例えば、Na+又はK+である。
【0091】
実施形態の一つでは、上記カチオンは、多価のカチオン、例えば、Ca+2,Mg+2,Zn+2,Mn+2,Cu+2,Al+3,Fe+2,Fe+3,Ti+4,Zr+4であり、上記ケースでは、上記有機リン化合物は、上記有機リン化合物及び上記多価カチオンから形成された「塩錯体」の状態であることができる。1分子あたり、2又は3以上のアニオン性位置、例えば、脱プロトン化ヒドロキシル置換基を有する有機リン化合物の場合、上記有機リン化合物−多価のカチオン錯体は、イオン的に架橋された網目構造を展開することができる。概して、イオン的に架橋された有機リン網目の水への溶解性は、構造(I)に従う有機リン化合物の溶解性より低く、さらに典型的には、上記イオン的に架橋された有機リン網目は、実質的に水に不溶である。
【0092】
好適な有機リン化合物は、例えば、米国特許第5,550,274号明細書、同第5,554,781号明細書及び同第6,136,221号明細書に開示される、1分子あたり、それぞれ、2つ又は3つ以上のヒドロキシル基を有する1種又は2種以上の化合物を、リン酸、ポリリン酸及び/又は無水リン酸と反応させることによる、公知の合成方法により製造されうる。
【0093】
実施形態の一つでは、カチオンが、水不溶性基材上に固定され、水不溶性カチオン性粒子を形成し、そして親水化層が、カチオン性粒子をさらに含む。好適な基材には、無機酸化物粒子、例えば、単一元素の酸化物、例えば、酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステン、二酸化ケイ素及び酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化スズ、及び上記酸化物の混合物、並びに上記元素の混合物の酸化物、例えば、セリウム−酸化ジルコニウムが含まれる。上記粒子は、動的光散乱又は光学顕微鏡法により測定されるような、約1ナノメートル(「nm」)〜約50マイクロメートル(「μm」)、さらに典型的には約5〜約1000nm、さらに典型的には約10〜約800nm、そしてさらに典型的には約20〜約500nmの平均粒径(「D50」)を示すことができる。実施形態の一つでは、アルミニウムカチオンが、シリカ粒子上に固定される。
【0094】
[ビニルアルコール材料]
必要に応じて、上記洗濯用洗浄剤組成物、又は洗濯の直前に事前浸漬することにより汚染物を前処理するための組成物は、下記をさらに含むことができる:
(c)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(c)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
【化13】

(c)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(c)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物:並びに
(c)(II)(4) (b)(II)(1)、(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
【0095】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、約10,000以上、さらに典型的には約10,000〜約100,000、さらに典型的には約10,000〜約30,000の重量平均分子量を示す。改良された耐久性を提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約100,000以上、さらに典型的には約100,000〜約200,000の重量平均分子量を示す。加工性及び耐久性の間の均衡を提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約50,000以上、さらに典型的には約50,000〜約150,000、さらに典型的には約80,000〜約120,000の重量平均分子量を示す。
本出願では、平均分子量は、他に規定がない限り、重量平均分子量である。
【0096】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、ビニルエステルモノマー、例えば、ビニルアセテートを重合して、炭化水素主鎖及びエステル置換基を有する、ビニルアセテートに由来するモノマー単位を含むポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)ホモポリマー又はコポリマーを生成し、次いで、上記ポリマーのエステル置換基の少なくとも一部を加水分解して、構造(I−a)に従うヒドロキシ置換されたモノマー単位を形成することにより製造される。改良された水への溶解性と、改良された加工性とを提供する実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、約88%以上、さらに典型的には約88%〜約95%の加水分解度を示す。本明細書において、炭化水素主鎖及びエステル置換基を当初に有するポリマーを加水分解することにより製造されるビニルアルコールポリマーに関して、用語「加水分解度」は、ヒドロキシ−置換モノマー単位を生成するために加水分解された、ビニルエステル−置換モノマー単位のパーセンテージとして表現した相対量を意味する。水への改良された溶解性と、改良された耐久性とを提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約99%以上の加水分解度を示す。水への溶解性及び耐久性の間の折衷案を提供するさらに別の実施形態では、上記ポリマーは、約92〜約99%の加水分解度を示す。
【0097】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、線状ポリマー構造を有する。別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、分岐ポリマー構造を有する。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位から単に成るビニルアルコールホモポリマーである。
【0098】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従う構造を有するモノマー単位を含み、そして構造(I−a)以外の構造を有するコモノマー単位をさらに含むビニルアルコールコポリマーである。実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、(I−a)に従うヒドロキシ−置換モノマー単位と、エステル置換されたモノマー単位とを含むコポリマーであり、そしてビニルエステルホモポリマーの不完全な加水分解により製造される。
【0099】
実施形態の一つでは、ビニルアルコールコポリマーは、約50モル%(「mol%」)以上、さらに典型的には約80mol%以上の、構造(I−a)に従うモノマー単位と、約50mol%未満、さらに典型的には約20mol%未満の、構造(I−a)以外の構造を有するコモノマー単位とを含む。
【0100】
上述のように、構造(I−a)に従うモノマー単位を有するビニルアルコールポリマーは、ビニルエステルモノマーの重合と、当該ポリマーのビニルエステル−置換モノマー単位の次の加水分解とに由来するのが典型的である。好適なビニルアルコールコポリマーは、上記ビニルエステルモノマーを、上記ビニルエステルモノマーと共重合性であるエチレン系不飽和モノマー、例えば、他のビニルモノマー、アリルモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー、アクリルアミドモノマーと共重合し、次いで、エステル−置換モノマー単位の少なくとも一部を加水分解して、構造(I−a)に従うヒドロキシ−置換モノマー単位を形成することに由来するのが典型的である。
【0101】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含み、そして構造(I−a)に従うモノマー以外の親水性モノマー単位をさらに含む。本明細書において、用語「親水性モノマー単位」は、上記モノマー単位のホモポリマーが、25℃において、1重量%のホモポリマー濃度で、水に可溶であり、そして下記に由来するモノマー単位等を含むものである:例えば、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル−アクリルアミド、アルコキシル化(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)−モノメタクリレート及びポリ(エチレングリコール)−モノメチルエーテルメタクリレート、ヒドロキシ(C1〜C4)アクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシル(C1〜C4)アルキルビニルエーテル、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−及び4−ビニルピリジン、計3〜5個の炭素原子を有するエチレン系の不飽和カルボン酸、アミノ(C1〜C4)アルキル、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル、及びジ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド。
【0102】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含み、そして疎水性のモノマー単位をさらに含む。本明細書において、用語「疎水性モノマー単位」は、上記モノマー単位のホモポリマーが、25℃において、1重量%のホモポリマー濃度で水に不溶であり、そして下記に由来するモノマー単位等を含むものである:(C1〜C18)アルキル及び(C5〜C18)シクロアルキル(メタ)アクリレート、(C5〜C18)アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニル(C1〜C18)アルカノエート、(C2〜C18)アルケン、(C2〜C18)ハロアルケン、スチレン、(C1〜C6)アルキルスチレン、(C4〜C12)アルキルビニルエーテル、フッ素化(C2〜C10)アルキル(メタ)アクリレート、(C3〜C12)パーフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルオキシアルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、(C1〜C12)アルキルマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びメサコン酸エステル、ビニルアセテート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサ−フルオロイソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリレート、及び3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン。
【0103】
本明細書において、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート、又はアクリレート及びメタクリレートを意味し、そして用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はアクリルアミド及びメタクリルアミドを意味する。
実施形態の一つでは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、ランダムコポリマーである。別の実施形態では、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むコポリマーは、ブロックコポリマーである。
【0104】
好適なビニルアルコールポリマーを製造するための方法は、当業界に公知である。実施形態の一つでは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、公知のラジカル重合方法により、少なくとも1種のビニルエステルモノマー、例えば、ビニルアセテートを含む1種又は2種以上のエチレン系不飽和モノマーを重合し、続いて、上記ポリマーのビニルエステルモノマー単位の少なくとも一部を加水分解して、所望の加水分解度を有するポリマーを製造することにより製造される。別の実施形態では、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、公知の制御されたラジカル重合技法、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT,reversible addition fragmentation transfer)、ザンテートの交換を経由した高分子設計(MADIX,macromolecule design via interchange of xanthates)、又は原子移動可逆重合(ATRP,atom transfer reversible polymerization)により製造されたコポリマーである。
【0105】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、典型的には、脂肪族アルコール反応媒体内で、公知の溶液重合技法により製造される。
別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、水性反応媒体内で、1種又は2種以上の界面活性剤の存在下で、エマルション重合技法により製造される。
【0106】
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコール材料は、ビニルアルコールポリマーの分子を架橋することにより製造されるミクロゲルを含む。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコール材料は、ビニルアルコールポリマーの塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩を含む。
【0107】
実施形態の一つでは、親水化層は、1種又は2種以上のポリ(ビニルアルコール)ポリマーを含む。ポリ(ビニルアルコール)ポリマーは、ポリ(ビニルアセテート)の加水分解により商業的に製造されている。実施形態の一つでは、上記ポリ(ビニルアルコール)は、約10,000以上(約200以上の重合度におおむね相当する)、さらに典型的には約20,000〜約200,000(約400〜約4000の重合度におおむね相当する)の分子量を有し、用語「重合度」は、上記ポリ(ビニルアルコール)ポリマー内のビニルアルコール単位の数を意味する。実施形態の一つでは、上記ポリ(ビニルアルコール)は、約50%以上、さらに典型的には約88%以上の加水分解度を有する。
【0108】
実施形態の一つでは、上記親水化層は、有機リン材料(b)(I)と、所望によるビニルアルコール材料(b)(II)とを含む。
例えば、これらの成分の可能性のある重量比は、上記親水化層100pbwに基づいて、次の通りである;
0pbw超〜100pbw未満、若しくは約0.1pbw〜約99.9pbw、又は約1pbw〜約99pbwの有機リン材料(b)(I):及び
所望による、0pbw超〜100pbw未満、若しくは約0.1pbw〜約99.9pbw、又は約1pbw〜約99pbwのビニルアルコール材料(b)(II)。
【0109】
[洗濯用洗浄剤の組成物及び使用方法]
本発明の有機リン材料(綿又は他の布帛のための防汚剤として用いられる)に加えて、本発明の洗濯用洗浄剤(手による洗浄用、又は洗浄装置内の洗浄用)は、添加剤成分をさらに含む。種々の上記添加洗濯用洗浄剤成分は、国際公開第98/39401号パンフレットに開示されている(全体を参照し、本明細書に援用する)。
【0110】
一般に、上記洗濯用洗浄剤組成物は、固形顆粒、液体又はゲルであり、そして大量(重量)の洗浄剤と、少量の本発明の防汚ポリマーとを含む。また、一般に、本発明の布帛を洗浄するための方法は、大量(重量)の水と、第1の少量(重量)の洗浄剤及び第2の少量(重量)の上記防汚ポリマーとを含む洗浄媒体内で布帛製品を洗浄することを含む。少量の添加剤成分がまた、存在する場合がある。
【0111】
[I.アミノアルキル/アルコキシシラン−シリコーン化合物]
本発明の組成物及び方法の添加剤成分の1つは、アミノシリコーン化合物、典型的には、次の式:
【化14】

(式中、
1及びR8は、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル(典型的には、C1〜C4)及びアルコキシ(典型的には、C1〜C4)から成る群から選択され、
2、R3、R9及びR10は、独立して、アルキル(典型的には、C1〜C4)及びアルコキシ(典型的には、C1〜C4)から成る群から選択されるが、R2、R3、R9及びR10の1つは、第1級アミノ−置換されたアルキル基、及び第2級アミノ−置換されたアルキル基(典型的には、上記化合物が、第1級及び第2級アミン官能基の両方を有するような、N−(アミノ−アルキル)−置換されたアミノアルキル基)から成る群から選択されることができ、
4、R5及びR6は、独立して、アルキル(典型的には、C1〜C4)及びアリール(典型的には、フェニル)から成る群から選択され、
7は、第1級アミノ−置換化アルキル基、及び第2級アミノ−置換化アルキル基(典型的には、上記化合物が、第1級及び第2級アミン官能基の両方を有するような、N−(アミノアルキル)−置換化アミノアルキル基)から成る群から選択され、
m及びnは、mがnより大きく(典型的には、m:nの比が、約2:1〜約500:1、さらに典型的には約40:1〜約300:1、そしてさらに典型的には約85:1〜約185:1である)、そしてn及びmの合計が、25°で、約10〜約100,000cpの粘度を有するアミノシリコーン化合物を生じさせる数(典型的には、n及びmの合計は、約5〜約600、さらに典型的には約50〜約400、そして最も典型的には約135〜約275である)
のアミノシリコーン化合物である。
【0112】
シリコーン化合物の調製及び特性は、Silicones:Chemistry and Technology,pp.21−31 and 75−90(CRC Press,Vulkan−Verlag,Essen,Germany,1991)及びHarmanらの「Silicones」,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,pp.(John Wiley&Sons,Inc.1989)に一般的に論じられている(当該公表を参照し、本明細書に援用する)。好ましいアミノシリコーン化合物は、例えば、特願昭56−47547号明細書(特開昭57−161170号明細書)(Shinetsu Chem.Ind.KK)に開示されている。特に好ましいアミノシリコーン化合物は、式Iの3種であり、(1)R1及びR8がメトキシであり、R2、R3、R4、R5、R6、R9及びR10がメチルであり、R7がN−アミノエチル−3−アミノプロピルであり、mが約135であり、そしてnが約1.5であり、(2)R1及びR8がメトキシであり、R2、R3、R4、R5、R6、R9及びR10がメチルであり、R7がN−アミノエチル−3−アミノプロピルであり、mが約270であり、そしてnが約1.5であり、そして(3)R1及びR8がエトキシであり、R2、R3、R4、R5、R6、R9及びR10がメチルであり、R7が3−アミノプロピルであり、mが約135であり、そしてnが約1.5である。他のアミノシリコーン化合物は、R1、R2及びR8がエトキシであり、R3が3−アミノプロピルであり、R4、R5、R6、R9及びR10がメチルであり、mが約8であり、そしてnが0であるものを含む。当然ながら、純粋なアミノシリコーン化合物において、数m及びnは整数であるが、化合物の混合物において、m及びnは、存在する上記化合物の平均値を表す、分数又は複合数として表現される。さらに、上記式は、ブロックコポリマー構造を暗示することを意味せず、従って、上記アミノシリコーン化合物は、ランダム又はブロック構造を有することができる。典型的には、R4、R5及びR6基の少なくとも約50重量%、さらに典型的には少なくとも約90重量%、そしてさらに典型的には約100重量%は、メチル基であろう。
【0113】
上記アミノシリコーン化合物は、典型的には、室温において、液体又は粘調なオイル状であろう。
上記アミノシリコーンを、可溶性粉末洗浄剤組成物の文脈において以下に記載されるアミノシリコーンで置換することができる。
【0114】
[II.不溶性キャリア]
上記アミノシリコーンを、単体で、又は水性エマルションとして、本発明の一定の組成物及び方法に用いることができるが、上記アミノシリコーンを、水−不溶性固体キャリア、例えば、粘土、天然若しくは合成シリケート、シリカ、樹脂、ワックス、でん粉、粉砕した天然鉱物、例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイト、ベントナイト若しくは珪藻土、又は粉砕した合成無機物、例えば、シリカ、アルミナ若しくはシリケート、特に、アルミニウム又はケイ酸マグネシウムと関連して用いることが好ましい。有用な無機薬剤は、天然又は合成の無機物起源のものが含まれる。キャリアの具体例には、珪藻土、例えば、Celite(商標)(Johns Manville Corp.,Denver,Col.)及びスメクタイト粘土、例えば、サポナイト及びモンモリロナイトコロイド粘土、例えば、Veegum(商標)及びVan Gel(商標)(Vanderbilt Minerals,Murray,KY)、又はMagnabrite(商標)(American Colloid CoSkokie,IL)が含まれる。合成シリケートキャリアは、水和したケイ酸カルシウム、Micro−Cel(商標)及び水和したケイ酸マグネシウム、Celkate(商標)(Seegot,Inc.,Parsippany,NJ)を含む。イノケイ酸塩キャリア、例えば、天然由来のメタケイ酸カルシウム、例えば、ウォラストナイト(NYAD(商標)ウォラストナイトシリーズ(Processed Minerals Inc.,Willsboro,NY)として入手できる)をまた言及することができる。合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム粘土、ヘクトライト粘土及びヒュームドシリカをまた、キャリアとして言及することができる。上記キャリアは、平均0.1μm未満の非常に微細に分割された材料であることができる。上記キャリアの例は、ヒュームドシリカ及び沈降シリカであり、これらは、一般的に、40m2/g超の比表面積(BET)を有する。
【0115】
本発明の組成物及び方法の特に有用な要素である粘度は、洗浄剤組成物中の個々の成分の作用から期待されるであろうよりも良好に洗濯物を洗浄するための、シリコーン化合物と協力するものである。上記粘土は、膨潤特性(水中)を有し、そしてスメクタイト構造に属するモンモリロナイト含有粘土を含む。本発明において用いるために典型的なスメクタイト粘土は、ベントナイトであり、そして典型的には、最良のベントナイトは、水中で実質的な膨潤性能を有するもの、例えば、ナトリウムベントナイト、カリウムベントナイト、又はナトリウム若しくはカリウムイオンの存在下で膨潤性であるもの、例えば、カルシウムベントナイトである。上記膨潤性ベントナイトは、本質的にナトリウムベントナイトである、ウェスタン(western)又はワイオミング(Wyoming)ベントナイトとしても公知である。他のベントナイト、例えば、カルシウムベントナイトは、通常、非膨潤性である。
【0116】
好ましいベントナイトは、通常は膨潤性である、ナトリウム及びカリウムを含むもの、通常は非膨潤性であるが、膨潤性であるカルシウム及びマグネシウムを含むものである。これらの中で、カルシウム(存在するナトリウムの供給源と共に)及びナトリウムベントナイトを利用することが好ましい。用いられるベントナイトは、アメリカ内で製造されるもの、例えば、ワイオミングベントナイトに制限されないが、炭酸ナトリウムで処理することにより、ナトリウムベントナイトに転換することができるカルシウムベントナイトとして、イタリア及びスペインを含むヨーロッパから購入することができ、又はカルシウムベントナイトとして用いることができる。概して、上記粘土は、高いモンモリロナイト含有率と、低いクリストバライト及び/又は石英の含有率とを有する。また、本明細書に記載されるベントナイトを、記載されるベントナイトのものと同様の特性の他のモンモリロナイト含有スメクタイト粘土に、全体又は部分的に置換することができるが、上記粘土は、高いモンモリロナイト含有率と、低いクリストバライト及び石英の含有率とを有するナトリウムベントナイトが典型的であろう。
【0117】
上記膨潤性ベントナイト及び同様に扱うことができる粘土は、例えば、0.01〜20μmのマイクロメートル範囲における最大粒径、及び100又は150μm未満、例えば、40〜150μm又は45〜105μmの実際の粒径を有する。上記サイズ範囲はまた、本明細書において後述するゼオライトビルダーに適用される。上記ベントナイト及び他の好適な膨潤性粘土は、大きすぎる粒径、最大で、直径2mm又は3mmまで凝集する場合がある。
【0118】
アミノシリコーン化合物の、キャリアに対する比率は、約0.001〜約2、さらに典型的には約0.02〜約0.5、そして最も典型的には約0.1〜約0.3の範囲にわたるであろう。
【0119】
[III.洗浄剤]
本発明の洗濯用洗浄剤の方法及び組成物は、全て、洗浄剤と、所望による他の機能性成分とを用いる。用いることができる上記洗浄剤及び他の機能性成分の例は、1996年10月4日に出願された、米国特許出願第08/726,437号明細書に開示されている(当該公表を参照することにより、本明細書に援用する)。上記洗浄剤を、多種多様の表面活性剤から洗濯することができる。
【0120】
[A.非イオン性界面活性剤]
非イオン性界面活性剤、例えば、5〜17のHLBを有するものは、洗浄剤分野で周知である。上記界面活性剤の例は、1973年2月20日に発行された、Boothの米国特許第3,717,630号明細書と、1967年7月25日に発行されたKesslerらの米国特許第3,332,880号明細書とに列挙されている(それぞれを参照することにより、本明細書に援用する)。
本発明において用いることができる好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、次の通りである。
(1)アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合体
これらの化合物は、直鎖又は分岐鎖形態のどちらかにおける、約6〜12個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルフェノールの、エチレンオキシドとの縮合生成物を含み、上記エチレンオキシドは、アルキルフェノール1モルに対して、エチレンオキシド5〜25モルに等しい量で存在する。上記化合物中のアルキル置換基は、例えば、重合されたプロピレン、ジイソブチレン等に由来しうる。この種の化合物の例には、ノニルフェノール1モルあたりエチレンオキシド約9.5モルを用いて縮合させたノニルフェノール;フェノール1モルあたりエチレンオキシド約12モルを用いて縮合させたドデシルフェノール;フェノール1モルあたりエチレンオキシド約15モルを用いて縮合させたジノニルフェノール;及びフェノール1モルあたりエチレンオキシド約15モルを用いて濃縮させたジイソオクチルフェノールが含まれる。この種の市販の非イオン性界面活性剤には、Igepal CO−630(Rhodia,Inc.から市販される)、並びにTriton X−45,X−114,X−100及びX−102(全て、Union Carbideから市販される)が含まれる。
(2)脂肪族アルコールの、約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物
上記脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖、第1級又は第2級、のいずれかであり、そして一般的に、約8〜約22個の炭素原子を含むことができる。上記エトキシ化アルコールの例には、アルコール1モルあたりエチレンオキシド約10モルを用いて縮合させた、ミリスチルアルコールの縮合生成物;エチレンオキシド約9モルの、ココナッツアルコール(10〜14個の炭素原子の長さで変化するアルキル鎖を有する脂肪アルコールの混合物)との縮合生成物が含まれる。この種における市販の非イオン性界面活性剤の例には、Tergitol 15−S−9(Union Carbide Corporationから市販される)、Neodol 45−9,Neodol 23−6.5,Neodol 45−7及びNeodol 45−4(Shell Chemical Companyから市販される)が含まれる。
(3)プロピレンオキシドを、プロピレングリコールと縮合させることにより生成させた疎水性ベースと、エチレンオキシドとの縮合生成物
これらの化合物の疎水性部分は、概して、約1500〜1800の分子量を有し、そして水への不溶性を示す。ポリオキシエチレン部分をこの疎水性部分に付加することにより、全体として、当該分子への水溶性が増す傾向があり、そして上記生成物の液体特性は、ポリオキシエチレン含有率が縮合生成物の総重量の最大約50%となるポイントまで保持する(最大約40モルのエチレンオキシドを用いた縮合に相当する)。この種の化合物の例には、一定の市販されるPluronic界面活性剤(Wyandotte Chemical Corporationから市販される)が含まれる。
(4)プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応から生じた生成物と、エチレンオキシドとの縮合生成物
この生成物の疎水性部分は、エチレンジアミン及び過剰量のプロピレンオキシドの反応生成物から成り、上記部分は、約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性部分は、縮合生成物が約40重量%〜約80重量%のポリオキシエチレンを含み、そして約5,000〜約11,000の分子量を有する範囲まで、エチレンオキシドを用いて縮合されている。この種の非イオン性界面活性剤の例には、一定の市販のTetronic化合物(Wyandotte Chemical Corporationから市販される)が含まれる。
(5)半極性の非イオン性洗浄性界面活性剤は、約10〜18個の炭素原子のアルキル部分1つと、1〜約3個の炭素原子を含むアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分とを含む水溶性アミンオキシド;約10〜18個の炭素原子のアルキル部分1つと、約1〜3個の炭素原子を含むアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分とを含む水溶性ホスフィンオキシド;並びに約10〜18個の炭素原子のアルキル部分1つと、約1〜3個の炭素原子を含むアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分とを含む水溶性スルホキシドを含む。
【0121】
好ましい半極性の非イオン性洗浄性界面活性剤は、次の式:
【化15】

(式中、
1は、約8〜約22個の炭素原子を含む、アルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアルキルフェニル基、又はそれらの混合物であり、
2は、2〜3個の炭素原子を含む、アルキレン若しくはヒドロキシアルキレン基、又はそれらの混合物であり、
xは、0〜約3であり、そして
各R3は、1〜約3個の炭素原子を含むアルキル若しくはヒドロキシアルキル基、又は1〜約3個のエチレンオキシド基を含むポリエチレンオキシド基であり、そしてR3基は、例えば、酸素又は窒素原子を介して、お互いに結合して、観光増を形成することができる)を有するアミンオキシド洗浄性界面活性剤である。
【0122】
好ましいアミンオキシド洗浄性界面活性剤は、C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド、C8〜C18アルキルジヒドロキシエチルアミンオキシド、及びC812アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドである。
非イオン性洗浄性界面活性剤(1)〜(4)は、一般的なエトキシ化非イオン性洗浄性界面活性剤であり、そしてそれらの混合物を用いることができる。
【0123】
液体、粉末及びゲル用途の組成物において用いるための好ましいアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤は、次の式:
R(OC24nOH
(式中、
Rは、約8〜約22、好ましくは約10〜約20個の炭素原子の第1級又は第2級のアルキル鎖であり、そして
nは、約2〜約12、特に約2〜約9の平均値である)
を有する。
上記非イオン性界面活性剤は、約5〜約17、好ましくは約6〜約15のHLB(親水性−脂溶性バランス)を有する。HLBは、Nonionic Surfactants,M.J.Schick,Marcel Dekker,Inc.,1966,pages 606−613に詳細に規定されている(参照により、本明細書に援用する)。好ましい非イオン性界面活性剤において、nは3〜7である。第1級の直鎖のアルコールエトキシレート(例えば、約20%の2−メチル分岐鎖異性体を含む有機アルコールから製造されたアルコールエトキシレート,Shell Chemical Companyから、Neodol(商標)の下で市販される)が、性能の観点から好ましい。
【0124】
液体、粉末及びゲル用途において用いるために特に好ましい非イオン性界面活性剤には、下記が含まれる;C10アルコールの、3モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;獣脂アルコールの、9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ココナッツアルコールの、5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ココナッツアルコールの、6モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;C12アルコールの、5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;C12〜13アルコールの、6.5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、及び実質的に全ての低級エトキシレート及び非エトキシ化分画を除去するように揮散させた同一の縮合生成物;C12〜13アルコールの2.3モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、及び実質的に全ての低級エトキシレート及び非エトキシ化分画を除去するように揮散させた同一の縮合生成物;C12〜13アルコールの、9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;C14〜15アルコールの、2.25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;C14〜15アルコールの、4モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;C14〜15アルコールの、7モルのエチレンオキシドとの縮合生成物;及びC14〜15アルコールの、9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。
【0125】
棒石けん用途において、非イオン性界面活性剤は、約25℃超、好ましくは約30℃超の融点を有し、室温で固体であることが好ましい。より低温で融解する非イオン性界面活性剤から製造された本発明の棒組成物は、一般的に軟らかすぎて、本発明の棒の堅さ要件に適合しない。
【0126】
また、非イオン性界面活性剤の濃度が高くなると、すなわち、上記界面活性剤が約20重量%を超えると、上記棒は、一般的に、油性になる場合がある。
【0127】
棒用途に、本明細書において有用な非イオン性界面活性剤の例には、脂肪酸グリセリン及びポリグリセリンエステル、ソルビタンサッカロース脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、グリセリン及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール及びソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ヒマシ油又は硬化させたヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルピロリドン、グルカミド(glucamide)、アルキルポリグルコシド、並びにモノ−及びジアルカノールアミドが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0128】
典型的な脂肪酸グリセリン及びポリグリセリンエステル、並びに典型的なソルビタンサッカロース脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、及びポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーが、Hartmanらの米国特許第5,510,042号明細書に開示されている(参照により、本明細書に援用する)。
上記ヒマシ油誘導体は、典型的には、エトキシ化ヒマシ油である。他のエトキシ化天然脂肪、オイル又はワックスがまた好適であることに留意する。
【0129】
ポリオキシエチレン脂肪酸アミドは、脂肪酸アミドを、1又は2モルのエチレンオキシドとエトキシ化することにより、あるいはモノ−又はジエタノールアミンを、脂肪酸と縮合することにより製造される。
ポリオキシエチレンアルキルアミンは、次の式:
RNH−(CH2CH2O)n−H
(式中、RはC6〜C22アルキルであり、そしてnは1〜約100である)
のものを含む。
【0130】
モノアルカノールアミドは、次の式:
式:RCONHR1OH
(式中、RはC6〜C22アルキルであり、そしてR1はC1〜C6アルキレンである)
のものを含む。
ジアルカノールアミドは、典型的には、下記の混合物である;
ジエタノールアミド:RCON(CH2CH2OH)2
アミドエステル:RCON(CH2CH2OH)−CH2CH2OOCR;
アミンエステル:RCOOCH2CH2NHCH2CH2OH;及び
アミン石けん:RCOOH2N(CH2CH2OH)2
(式中、Rは、6〜22個の炭素原子のアルキルである)。
非限定的な好ましい洗浄用棒生成物の例は、下記の通りである。
【0131】
[直鎖の第1級アルコールアルコキシレート]
本明細書に列挙されるHLBを有する、n−ヘキサデカノール及びn−ヘキサデカノール、並びにn−オクタデカノールのデカ−、ウンデカ−、ドデカ−、テトラデカ−及びペンタデカ−エトキシレートが、本発明の文脈における有用な非イオン性界面活性剤である。上記組成物の一般的な非イオン性界面活性剤として有用な、本明細書における例示的なエトキシ化第1級アルコールは、n−C18EO(10);n−C14EO(13);及びn−C10EO(11)である。「獣脂」鎖長範囲における、混合された天然又は合成アルコールのエトキシレートがまた、本明細書において有用である。上記材料の具体例には、獣脂−アルコール−EO(11)、獣脂−アルコール−EO(18)、及び獣脂−アルコール−EO(25)が含まれる。
【0132】
[直鎖の第2級アルコールアルコキシレート]
本明細書に列挙されるHLBを有する、3−ヘキサデカノール、2−オクタデカノール、4−エイコサノール及び5−エイコサノールの、デカ−、ウンデカ−、ドデカ−、テトラデカ−、ペンタデカ−、オクタデカ−及びノナデカ−エトキシレートが、一般的に、本発明の文脈における有用な非イオン性界面活性剤である。本明細書において有用な、例示的なエトキシ化第2級アルコールは、2−C16EO(11);2−C20EO(11);及び2−C16EO(14)である。
【0133】
[アルキルフェノールアルコキシレート]
アルコールアルコキシレートの場合のように、本明細書に列挙されるHLBを有する、アルキル化フェノール(特に、1価のアルキルフェノール)のヘキサ−〜オクタデカ−エトキシレートが、本発明の組成物における一般的な非イオン性界面活性剤として有用である。p−トリデシルフェノール、m−ペンタデシルフェノール等のヘキサ−〜オクタデカ−エトキシレートが、本明細書において有用である。本明細書において、混合物中で有用な、例示的なエトキシ化アルキルフェノールは、p−トリデシルフェノールEO(11)及びp−ペンタデシルフェノールEO(18)である。特に好ましいのは、Rhodia,IncからのIgepal(商標)DM−880として知られるNonyl Nonoxynol−49である。
【0134】
本明細書において、そして当業界で一般的に認められるように、非イオン性界面活性剤の式におけるフェニレン基は、2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基と均等である。本発明の目的において、フェニレン基を含む非イオン性界面活性剤は、各フェニレン基において、アルキル基内の炭素原子+約3.3個の炭素原子の合計として計算される。
【0135】
[オレフィンアルコキシレート]
アルケニルアルコール(第1級及び第2級の両方)、及び本明細書に開示されるものに相当するアルケニルフェノールを、本明細書に列挙される範囲内のHLBにエトキシ化することができ、そして本発明の組成物の一般的な非イオン性界面活性剤として用いることができる。
【0136】
[分岐鎖のアルコキシレート]
入手可能な分岐鎖の第1級及び第2級アルコールをエトキシ化し、そして本明細書における組成物内の一般的な非イオン性界面活性剤として用いることができる。
上記エトキシ化非イオン性界面活性剤は、単独又は組み合わせて、本発明の組成物において有用であり、そして用語「非イオン性界面活性剤」は、混合された非イオン性表面活性剤を包含する。
【0137】
[アルキル多糖類]
本発明のさらに好適な非イオン性界面活性剤は、アルキル多糖類、好ましくは、次の式:
RO(Cn2nO)t(Z)x
(式中、
Zは、グルコース(glycose)に由来し;
Rは、C10〜C18、好ましくはC12〜C14の、アルキル基、アルキルフェニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、及びそれらの混合物から成る群から選択される疎水性基であり;
nは、2又は3であり;好ましくは2であり;
tは0〜10であり;好ましくは0であり;そして
xは、1.5〜8であり;好ましくは1.5〜4であり;さらに好ましくは1.6〜2.7である)
のアルキルポリグリコシドを含む。
【0138】
これらの界面活性剤は、米国特許第4,565,647号明細書(Llenado,1986年1月21日に発行);同第4,536,318号明細書(Cookら,1985年8月20日に発行);同第4,536,317号明細書(Llenadoら,1985年8月20日に発行);同第4,599,188号明細書(Llenado,1986年7月8日に発行);及び同第4,536,319号明細書(Payne,1985年8月20日に発行)に開示されている(それらの全てを参照することにより、本明細書に援用する)。
【0139】
本発明の組成物はまた、上記非イオン性界面活性剤の混合物を含むことができる。
洗浄用棒及び液体生成物向けの非イオン性界面活性剤の完全な考察は、米国特許第5,510,042号明細書(Hartmanら)、及び同第4,483,779号明細書(Llenadoら)に開示されている(参照により、本明細書に援用する)。
【0140】
[B.アニオン性界面活性剤]
アニオン性界面活性剤は、塩を含む、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート又はホスフェートの極性の可溶化基に結合した公知の疎水性物質を含む。塩は、上記界面活性剤のナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩であることができる。有用なアニオン性界面活性剤は、それらの分子構造内に、約8〜約22個の炭素原子を含むアルキル基と、スルホン酸若しくは硫酸エステル基、又はそれらの混合物とを有する有機系の硫酸との反応生成物であることができる(アシル基のアルキル部分は、用語「アルキル」に含まれる)。本発明で用いることができる合成洗浄性界面活性剤のこの基の例は、アルキルスルフェート、特に、獣脂又はココナッツ油のグリセリドから製造された、高級アルコール(C8〜C18の炭素原子)を硫酸化することにより得られたもの;及びアルキルベンゼンスルホネートである。
【0141】
本明細書において、他の有用なアニオン性界面活性剤には、α−スルホン化脂肪酸のエステル(好ましくは、エステル基内に約6〜20個の炭素原子を含む);2−アシルオキシアルカン−1−スルホン酸(好ましくは、アシル基内の約2〜9個の炭素原子と、アルカン部分内の約9〜約23個の炭素原子とを含む);アルキルエーテルスルフェート(好ましくは、アルキル基内の約10〜20個の炭素原子と、約1〜30モルのエチレンオキシドとを含む);オレフィンスルホネート(好ましくは、約12〜24個の炭素原子を含む);及びβ−アルキルオキシアルカンスルホネート(好ましくは、アルキル基内の約1〜3個の炭素原子と、アルカン部分内の約8〜20個の炭素原子)が含まれる。
【0142】
高級脂肪酸に基づくアニオン性界面活性剤、すなわち、「石けん」が、本明細書における、有用なアニオン性界面活性剤である。約8〜約24個の炭素原子、そして好ましくは約10〜約20個の炭素原子を含む高級脂肪酸、及びココナッツ、並びに獣脂石けんをまた、腐食防止剤として、本明細書において用いることができる。
【0143】
本明細書において、好ましい水溶性のアニオン性の有機系界面活性剤は、下記を含む;アルキル基内に約10〜約18個の炭素原子を含む、直鎖アルキルベンゼンスルホネート;アルキル基内に約10〜約18個の炭素原子を含む、分岐鎖アルキルベンゼンスルホネート;獣脂範囲のアルキルスルフェート;ココナッツ範囲のアルキルグリセリルスルホネート;アルキルエーテル(エトキシ化)スルフェート、ここで、当該アルキル部分は、約12〜18個の炭素原子を含み、そして平均エトキシ化度は、1〜12、特に3〜9の間で変化する;獣脂アルコールの、約3〜12モル(特に6〜9モル)のエチレンオキシドとの硫酸化縮合生成物;及び約14〜16個の炭素原子を含むオレフィンスルホネート。
【0144】
本明細書において用いるために、特有の好ましいアニオン性界面活性剤は、下記を含む;直鎖C10〜C14のアルキルベンゼンスルホネート(LAS);分岐鎖C10〜C14のアルキルベンゼンスルホネート(ABS);獣脂アルキルスルフェート、ココナッツアルキルグリセリルエーテルスルホネート;混合されたC10〜C18の獣脂アルコールの、約1〜約14モルのエチレンオキシドとの硫酸化縮合生成物;10〜18個の炭素原子を含む高級脂肪酸の混合物。
【0145】
上述のアニオン性界面活性剤は、分離して、又は混合物として用いることができることが認められる。さらに、上記界面活性剤の商用グレードは、加工の副生成物である非妨害成分を含むことができる。例えば、市販のアルカリルスルホネート(好ましくは、C10〜C14)は、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルトルエンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート及びアルキルポリ−ベンゼノイドスルホネートを含むことができる。上記材料及びそれらの混合物は、本明細書において用いるために完全に企図される。
【0146】
本明細書において用いられるアニオン性界面活性剤の他の例は、脂肪酸石けん、エーテルカルボン酸及びそれらの塩、アルカンスルホネート塩、α−オレフィンスルホネート塩、高級脂肪酸エステルのスルホネート塩、高級アルコールスルフェートエステル又はエーテルエステル塩、アルキル、好ましくは高級アルコールホスフェートエステル及びエーテルエステル塩、並びに高級脂肪酸及びアミノ酸の縮合物を含む。
【0147】
上記脂肪酸石けんは、次の式:
R−C(O)OM
(式中、Rは、C6〜C22アルキルであり、そしてMは、好ましくはナトリウムである)
を有するものを含む。
エーテルカルボン酸の塩及びそれらの塩は、次の式:
R−(OR1n−OCH2C(O)OM
(式中、Rは、C6〜C22アルキルであり、R1は、C2〜C10、好ましくはC2アルキルであり、そしてMは、好ましくはナトリウムである)
を有するものを含む。
【0148】
アルカンスルホネート塩及びα−オレフィンスルホネート塩は、次の式:
R−SO3
(式中、Rは、C6〜C22アルキル又はα−オレフィン(それぞれ)であり、そしてMは、好ましくはナトリウムである)を有する。
高級脂肪酸エステルのスルホネート塩は、次の式:
RC(O)O−R1−SO3
(式中、Rは、C12〜C22アルキルであり、R1は、C1〜C18アルキルであり、そしてMは、好ましくはナトリウムである)
を有するものを含む。
【0149】
高級アルコールスルフェートエステル塩は、次の式:
RC(O)O−R1−OSO3
(式中、Rは、C12〜C22アルキルであり、R1は、C1〜C18ヒドロキシアルキルであり、Mは、好ましくはナトリウムである)
を有するものを含む。
高級アルコールスルフェートエーテルエステル塩は、次の式:
RC(O)(OCH2CH2x−R1−OSO3
(式中、Rは、C12〜C22アルキルであり、R1は、C1〜C18ヒドロキシアルキルであり、Mは、好ましくはナトリウムであり、そしてxは、整数5〜25である)
を有するものを含む。
【0150】
高級アルコールホスフェートエステル及びエーテルエステル塩は、次の式:
R−(OR1n−OPO(OH)(OM);
(R−(OR1n−O)2PO(OM);及び
(R−(OR1n−O)3−PO
(式中、Rは、12〜22個の炭素原子のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、R1は、C24であり、nは、整数5〜25であり、そしてMは、好ましくはナトリウムである)
の化合物を含む。
【0151】
本明細書における他のアニオン性界面活性剤は、ココナッツ油脂肪酸モノグリセリドスルホン酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム;1分子あたり約1〜約10単位のエチレンオキシドを含むアルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェートのナトリウム又はカリウム塩(当該アルキル基は、約8〜約12個の炭素原子を含む);及び1分子あたり約1〜約10単位のエチレンオキシドを含むアルキルエチレンオキシドエーテルスルフェートのナトリウム又はカリウム塩(当該アルキル基は、約10〜約20個の炭素原子を含む)である。
【0152】
[C.カチオン性界面活性剤]
本発明の好ましいカチオン性界面活性剤は、高級脂肪酸の、ヒドロキシアルキルアルキレンジアミン及びジアルキレントリアミン、並びにそれらの混合物から成る群から選択されるポリアミンとの反応生成物である。
【0153】
好ましい成分は、下記からなる群から選択される窒素含有化合物から成る群から選択される:
(i)分子比約2:1における、高級脂肪酸の、ヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの反応生成物の混合物、上記反応生成物は、次の式の化合物を有する組成物を含む:
【化16】

(式中、R1は、環式脂肪族のC15〜C21の炭化水素基であり、そしてR2及びR3は、二価のC1〜C3のアルキレン基である);PPGから、MAZAMIDE 6として市販される;
(ii)分子比約2:1における、高級脂肪酸の、ジアルキレントリアミンとの反応生成物、上記反応生成物は、次の式の化合物を有する組成物を含む:
【化17】

(式中、R1、R2及びR3は、上述の通りである)
;及びそれらの混合物。
【0154】
別の好ましい成分は、下記から成る群から選択される、1つの長分子鎖のC15〜C22の非環式脂肪族炭化水素基を含むカチオン性窒素含有塩である;
(i)次の式を有する非環式の第4級アンモニウム塩:
【化18】

(式中、R4は、C15〜C22の非環式脂肪族炭化水素基であり、R5及びR6は、C1〜C4の飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、そしてA[−]は、本明細書の以下に記載されるようなアニオンである)、これらの界面活性剤の例は、Sherex Chemical Companyにより、ADGEN(商標)の下で市販されている;
(ii)次の式を有する、置換されたイミダゾリニウム塩:
【化19】

(式中、R1は、C15〜C21の非環式脂肪族炭化水素基であり、R7は、水素又はC1〜C4の飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、そしてA[−]は、アニオンである);
(iii)次の式の置換されたイミダゾリニウム塩:
【化20】

(式中、R2は、二価のC1〜C3アルキレン基であり、そしてR1、R5及びA[−]は、上述の通りである);その例は、Mona Industries,Inc.から、Monaquat ISIES(商標)の下で市販される;
(iv)次の式を有するアルキルピリジニウム塩:
【化21】

(式中、R4は、C16〜C22の非環式脂肪族炭化水素基であり、そしてA[−]は、アニオンである);及び
(v)次の式を有するアルカンアミドアルキレンピリジニウム塩:
【化22】

(式中、R1は、C15〜C21の非環式脂肪族炭化水素基であり、R2は、二価のC1〜C3のアルキレン基であり、そしてA[−]は、イオン基である):
及びそれらの混合物。
【0155】
別の種類の、2つ又は3つ以上の長分子鎖のC15〜C22の非環式脂肪族炭化水素基又は1つの上記基及びアリールアルキル基を有する好ましいカチオン性窒素含有塩は、下記から成る群から選択される;
(i)次の式を有する、非環式の第4級アンモニウム塩:
【化23】

(式中、各R4は、C15〜C22の非環式脂肪族炭化水素基であり、R5は、C1〜C4飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、R8は、R4及びR5基から成る群から選択され、そしてA[−]は、上記において規定されるようなアニオンである);その例は、Sherex Companyから、Adgen(商標)の下で市販される;
(ii)次の式を有する、ジアミド第4級アンモニウム塩:
【化24】

(式中、各R1は、C15〜C21の非環式脂肪族炭化水素基であり、R2は、1〜3個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、R5及びR9は、C1〜C4の飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、そしてA[−]は、アニオンである);その例は、Sherex Chemical Companyにより、VARISOFT(商標)の下で市販される;
(iii)次の式を有する、ジアミノアルコキシル化第4級アンモニウム塩:
【化25】

(式中、nは、1〜約5に等しく、そしてR1、R2、R5及びA[−]は、上述の通りである);
(iv)次の式を有する、第4級アンモニウム化合物:
【化26】

(式中、各R4は、C15〜C22の非環式脂肪族炭化水素基であり、各R5は、C1〜C4飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、そしてA[−]は、アニオンである);上記界面活性剤の例は、Onyx Chemical CompanyからAmmonyx(商標)490(商標)の下で入手できる;
(v)次の式を有する、置換されたイミダゾリニウム塩:
【化27】

(式中、各R1は、C15〜C21の非環式脂肪族炭化水素基であり、R2は、1〜3個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、そしてR5及びA[−]は、上述の通りである);例は、Sherex Chemical CompanyからVarisoft 475及びVarisoft 445(商標)の下で市販される;及び
(vi)次の式を有する、置換されたイミダゾリニウム塩:
【化28】

(式中、R1、R2及びA[−]は、上述の通りである);並びにそれらの混合物。
【0156】
さらに好ましいカチオン性の一般的な界面活性剤は、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ベンゼトニウムクロリド、及びアシルアミノ酸カチオン性界面活性剤から成る群から選択される。
【0157】
[アニオンA]
本明細書のカチオン性窒素含有塩において、アニオンA[−]は、電気的中性を付与する。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性を付与するために用いられる上記アニオンは、ハライド、例えば、クロリド、ブロミド又はヨージドである。しかし、他のアニオン、例えば、メチルスルフェート、エチルスルフェート、アセテート、ホルメート、スルフェート、カーボネート等を用いることができる。クロリド及びメチルスルフェートが、本明細書において、アニオンAとして好ましい。
【0158】
カチオン性界面活性剤は、布地洗浄のすすぎサイクルの際に添加される、組成物中の布帛柔軟剤として用いられるのが一般的である。種々の型の布帛コンディショニング剤が、Trinhらの米国特許第5,236,615号明細書及びTrinhらの同第5,405,542号明細書(両特許を、それら全体において参照することにより、本明細書に援用する)により開示されるように、すすぎサイクルに用いられ、布帛コンディショニング組成物に添加されている。最も有利な型の薬剤は、第4級アンモニウム化合物を有する。複数の上記第4級アンモニウム化合物は、例えば、Hartmanらの米国特許第5,510,042号明細書(参照により、その全体を本明細書に援用する)に開示されている。これらの化合物は、好ましくは、窒素原子に結合した2つの長分子鎖アルキル基を有する非環式の第4級アンモニウム塩の形をとることができる。さらに、イミダゾリニウム塩が、Prachtらの米国特許第4,127,489号明細書(参照により、その全体を本明細書に援用する)により開示されるように、布帛の処理において、それら自体により、又は他の薬剤と組み合わせて用いられている。Johnsonの米国特許第2,874,074号明細書は、布帛を調製するために、イミダゾリニウム塩を用いることを開示している;そしてRudyの米国特許第3,681,241号明細書及びSherrillらの米国特許第3,033,704号明細書は、イミダゾリニウム塩及び他の布帛コンディショニング剤の混合物を含む布帛コンディショニング組成物を開示する。これらの特許を参照することにより、それら全体を本明細書に援用する。
【0159】
[D.両性界面活性剤]
両性界面活性剤は、酸性又はアルカリ性媒体において、分子の親水性部分に、正電荷若しくは負電荷、又は両方を有する。
【0160】
本明細書において用いることができる上記両性界面活性剤の例は、アミノ酸、ベタイン、スルタイン、ホスホベタイン(phosphobetaine)、イミダゾリニウム誘導体、大豆リン脂質及び卵黄レシチンを含む。好適な両性界面活性剤の例には、アルキルアンホカルボキシグリシネート(alkyl amphocarboxyl glycinate)及びアルキルアンホカルボキシプロピオネート、アルキルアンホジプロピオネート、アルキルアンホジアセテート、アルキルアンホグリシネート及びアルキルアンホプロピオネートのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は置換されたアンモニウム塩が含まれ、ここで、「アルキル」は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表す。他の好適な両性界面活性剤には、アルキルイミノプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート及びアルキルアンホプロピルスルホネート(12〜18個の炭素原子を有する)、アルキルベタイン及びアミドプロピルベタイン及びアルキルスルタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン(「アルキル」は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表す)が含まれ、特に好ましい。
【0161】
特に有用な両性界面活性剤は、モノ及びジカルボキシレートの両方、例えば、次の式:
【化29】

(式中、Rは6〜20個の炭素原子のアルキル基であり、xは1又は2であり、そしてMは水素又はナトリウムである)
を有するものを含む。
上記構造物の混合物が特に好ましい。
【0162】
上記両性界面活性剤に関する他の式は、下記:
【化30】

(式中、Rは6〜20個の炭素原子のアルキル基であり、そしてMは水素又はナトリウムである)
を含む。
【0163】
上記両性界面活性剤において、特に好ましいのは、アルキルアンホカルボキシグリシネート及びアルキルアンホカルボキシプロピオネート、アルキルアンホジプロピオネート、アルキルアンホジアセテート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアンホプロピルスルホネート及びアルキルアンホプロピオネート(ここで、「アルキル」は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表す)のアルカリ塩である。さらに好ましいのは、上記アルキル基が、ココナッツ油に由来するか、又はラウリル基、例えば、ココアンホジプロピオネートである化合物である。上記ココアンホジプロピオネート界面活性剤は、Rhodia,Incから、MIRANOL C2M−SF CONC.及びMIRANOL FBS(商標)の下で市販されている。
【0164】
他の商業的に有用な両性界面活性剤は、Rhodia,Incから市販され、そして下記を含む。
【表1】

【0165】
他の有用な両性界面活性剤は、下記である:
【表2】

【0166】
[E.ジェミニ(Gemini)界面活性剤]
ジェミニ界面活性剤は、特別な種類の界面活性剤を形成する。
これらの界面活性剤は、次の一般式:
A−G−A1
(式中、各界面活性剤部分(A,A1)は、親水性基及び疎水性基を有する)
を有し、そしてそれらは、スペーサー(G)により連結された2種の界面活性剤部分(A,A1)を含むのでそれらの名称を得た。
2種の界面活性剤部分(A,A1)は対であることが一般的であるが、それらは異なってもよい。
【0167】
上記ジェミニ界面活性剤は有利である。というのは、それらは、低い臨界ミセル濃度(cmc)を有するので、ジェミニ界面活性剤及び一般的な界面活性剤の両方を含む溶液のcmcを下げるからである。cmcを下げることにより、可溶化が良好になり、そしてより低い界面活性剤使用濃度において高い洗浄力が生じ、そして本明細書において、続く実証された結果と共に、本発明により特許請求の範囲に記載される防汚ポリマーの堆積が予想外に強化される。非ジェミニ系の、一般的な界面活性剤のみと混合した場合よりも、汚染除去薬剤が、顕著に良好に、洗濯すべき布帛に付着する。
【0168】
また、上記ジェミニ界面活性剤は、低いpC20値と、低いクラフトポイントとを生じさせる。上記pC20値は、溶媒の表面張力を20ダイン/cm下げる、溶液相内の界面活性剤濃度の尺度である。それは、溶液の表面のところで吸着する、界面活性剤の傾向の尺度である。上記クラフトポイントは、界面活性剤の溶解性が、cmcに等しい温度である。低いクラフトポイントは、水への良好な溶解性を暗示し、そして配合物の製造において顕著な寛容性をもたらす。
【0169】
複数のジェミニ界面活性剤が、文献に報告されている。例えば、Okaharaら,J.Japan Oil Chem.Soc.746(Yukagaku)(1989);Zhuら,67 JAOCS 7,459(July 1990);Zhuら,68 JAOCS 7,539(1991);Mengerら,J.Am.Chemical Soc.113,1451(1991);Masuyamaら,41 J.Japan Chem.Soc.4,301(1992);Zhuら,69 JAOCS 1,30(Jan.1992);Zhuら,69 JAOCS 7,626 July 1992);Mengerら,115 J.Am.Chem.Soc.2,10083(1993);Rosen,Chemtech 30(March 1993);及びGaoら,71 JAOCS 7,771(July 1994)(この文献の全てを参照することにより、本明細書に援用する)を参照せよ。
【0170】
また、ジェミニ界面活性剤は、米国特許第2,374,354号明細書、Kaplan;同第2,524,218号明細書、Bersworth;同第2,530,147号明細書,Bersworth(2つの疎水性テール及び3つの親水性ヘッド);同第3,244,724号明細書、Guttmann;同第5,160,450号明細書、Okaharaら(全てを参照することにより、本明細書に援用する)に開示されている。
【0171】
上記ジェミニ界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性又は両性であることができる。各界面活性剤部分(A,A1)の親水性及び疎水性基は、1つの親水性基及び1つの疎水性基を有する一般的な界面活性剤に用いられることが知られている、任意のものであることができる。
【0172】
例えば、典型的な非イオン性のジェミニ界面活性剤、例えば、ビス−ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、2つのポリオキシエチレンアルキルエーテル部分を含むであろう。
各部分は、親水性基、例えば、ポリエチレンオキシドと、疎水性基、例えば、アルキル鎖とを含むであろう。
【0173】
本発明において特に有用なジェミニ界面活性剤は、次の式:
【化31】

(式中、Rcは、アリール、好ましくはフェニルを表し、R1、R3、R4、Y、Z、a及びbは、上述の通りである)
のアニオン性又は非イオン性のジェミニ界面活性剤を含む。
【0174】
さらに具体的には、これらの化合物は、下記:
【化32】

(式中、R1、R4、R5、Z、a及びbは、上述の通りである)
を含む。
【0175】
これらの界面活性剤の第1級ヒドロキシル基を、一般的な技法により、簡易にリン酸化、硫酸化又はカルボキシル化することができる。
式IIに含まれる化合物を、種々の合成ルートにより調製することができる。例えば、式IVの化合物は、モノアルキルフェノールを、酸触媒(例えば、酢酸)の存在下で、パラホルムアルデヒドと縮合することにより調製されうる。式Vの化合物は、アルキルフェノールの、ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)とのルイス酸触媒化反応により合成されうる。
【0176】
式IIの化合物は、1996年12月20日に出願された米国特許第5710121号明細書にさらに詳しくに記載されている(全体の公表を参照することにより、本明細書に援用する)。
【0177】
本発明に開示されるような、より低い濃度において取り扱うことができる改良されたエマルションを提供するために用いられうる種類のジェミニ界面活性剤は、両性界面活性剤と、次の式:
【化33】

(式中、R,t及びZは、上述の通りである)
の化合物を含むカチオン性の4級界面活性剤との群を含む。
1は、上述の通りであるが、[−(EO)a(PO)bO−]H部分を含む。R2は、上述の通りであるが、Dが、次の部分を含む:−N(R6)−C(O)−R5−CH2O−及び−N(R6)−C(O)−R5−N(R6)−R4−。tが0の場合、上記化合物は両性であり、そしてtが1の場合、上記化合物は、カチオン性4級化合物である。R3は、結合、C1〜C10アルキル及び−R8−D1−R8−から成る群から選択され、D1,R5,R6,a,b及びR8は、上述の通りである(R8が−OR5O−でないことを除く)。
【0178】
好ましくは、式VIIの化合物は、下記:
【化34】

(式中、R,R2,R5及びZは、上述の通りであり、そしてnは、数約2〜約10に等しい)
を含む。
【0179】
詳細には、式VIIの化合物は、下記:
【化35】

(式中、R,R2,R5,Z及びnは、上述の通りであり、そしてmは、独立して、約2〜約10の数に等しい)
を含む。
【0180】
式VIIの代表的な化合物は、下記:
【化36】

【化37】

を含む。
【0181】
式VII〜XIIの化合物は、種々の合成ルートにより調製することができるが、それらが、少なくとも4つのアミノ基(そのうちの2つは、末端第1級アミン、例えば、トリエチレンテトラミンである)有するポリアミン反応物質を利用する方法により、特に有効に製造することができることが見出された。これらの方法は、1994年8月19日に出願された、同時係属出願である米国特許出願シリアルナンバー第08/292,993号明細書「Amphoteric Surfactants Having Multiple Hydrophobic and Hydrophilic Groups」にさらに詳しく説明されている(全体の公表を参照することにより、本明細書に援用する)。
【0182】
本発明の低い濃度のエマルションを提供することが見出されたジェミニ界面活性剤の別の基は、次の式の環式のカチオン性の4級界面活性剤である:
【化38】

(式中、R及びR3は、式VIIにおいて上述したとおりであり;R9は、独立して、C1〜C10アルキル又はアルキルアリールであり;そしてXは、対イオン、例えば、ハロゲン(Cl、Br及びI)、アルキルスルフェート、例えば、メチル又はエチルスルフェート、アルキルホスフェート、例えば、メチルホスフェートにより具体的に説明されるアニオン等を意味する)。
【0183】
好ましくは、本発明において用いられる上記化合物は、式XIII(R3は、C2〜C4のアルキル、最も好ましくはエチルであり、R9は、1〜約4個の炭素原子の低級アルキル、最も好ましくはメチルであり;そしてXは、ハロゲン又はメチルスルフェートである)のものを含む。
【0184】
式XIIIの化合物は、1994年8月19日に出願された、同時係属出願である米国特許出願シリアルナンバー08/292,993「Amphoteric Surfactants Having Multiple Hydrophobic and Hydrophilic Groups」に開示され、そして特許請求の範囲に記載される方法により調製されたビスイミダゾリンを4級化することにより、それらを特に有効に製造することができることが見出されたことをによる種々の合成経路により調製することができ、そこでは、少なくとも4つのアミノ基(そのうちの2つは、末端第1級アミンである)有するポリアミン反応物質を、アシル化剤、例えば、カルボン酸、エステル、及びそれらの天然由来のトリグリセリドエステル、又はそれらの酸塩化物と、ポリアミン1個あたり少なくとも約1.8個の脂肪酸基[R1C(O)−]を提供するために十分な量において反応させ、ビスイミダゾリンを提供する。
【0185】
また、次の式:
【化39】

(式中、R13は、糖部分、例えば、単糖、二糖類若しくは多糖類、例えば、グルコース;又はポリヒドロキシ化合物、例えば、グリセロールであり;pは、独立して、0〜4であり;R3は、式VIIにおいて規定されるとおりであり;そしてR14は、C1〜C22アルキル又は−C(O)R4(R4は上述の通りである)である)
のものが、本発明において有用な上記ジェミニ界面活性剤に含まれる。
【0186】
上記化合物のいくつか、例えば、上述のものは、米国特許第5,534,197号明細書にさらに詳しく説明されている(当該記述を参照し、本明細書に援用する)。
【0187】
本発明において用いられる化合物では、大部分は、異なる飽和及び不飽和炭素鎖長の混合物を概して含むであろう、天然供給源に由来することができる。上記天然供給源は、ココナッツ油又は類似の天然油供給源、例えば、パーム核油、パーム油、大豆油(osya oil)、菜種油、ヒマシ油、又は動物性脂肪供給源、例えば、ニシン油及び牛肉獣脂により具体的に説明することができる。一般的に、脂肪酸又はトリグリセリドオイルの状態の、天然供給源からの脂肪酸は、約5〜約22個の炭素原子を含むアルキル基の混合物であることができる。天然脂肪酸の実例は、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18、不飽和基が1つ)、リノール酸(C18、不飽和基が2つ)、リノレン酸(C18、不飽和基が3つ)、リシノール酸(C18、不飽和基が1つ)、アラキン酸(C20)、ガドレイン酸(gadolic)(C20、不飽和基が1つ)、ベヘン酸(C22)及びエルカ酸(C22)である。これらの脂肪酸は、それ自体、濃縮されたカットとして、又は天然供給源の酸の分画として用いることができる。番号を付した炭素鎖長を有する上記脂肪酸が実例として与えられるが、残りの番号を付した脂肪酸をまた用いることができる。さらに、単一のカルボン酸、例えば、ラウリン酸、又は特定の用途向けに好適である他のカットを用いることができる。
【0188】
望ましい場合には、本発明において用いられる界面活性剤は、上記生成物を、公知の方法に従って、好ましくは、アルカリ触媒の存在下で、アルキレンオキシドと反応させることによりオキシアルキル化することができる。次いで、アルコキシル化誘導体の遊離のヒドロキシル基を、通常の方法、例えば、スルファミン酸又は三酸化硫黄−ピリジン錯体を用いた硫酸化、又はアシル化剤(例えば、カルボン酸、エステル、及びそれらの天然由来のトリグリセリドエステル)を用いたアシル化を用いて、硫酸化、リン酸化又はアシル化することができる。
【0189】
アルキル化条件及び一般的に用いられるアルキル化剤に関して、Amphoteric Surfactants Vol.12,Ed.B.R.Bluestein and C.L.Hilton,Surfactant Science Series 1982,pg.17及びその中で引用される参考文献(当該公表を参照し、本明細書に援用する)を参照せよ。
【0190】
硫酸化及びリン酸化(phosphation)に関して、Surfactant Science Series,Vol.7,Part 1,S.Shore&D.Berger,page 135(当該公表を参照することにより、本明細書に援用する)を参照せよ。リン酸化の概観に関して、Surfactant Science Series,Vol.7,Part II,E.Jungermann&H.Silbertman,page 495(当該公表を参照することにより、本明細書に援用する)を参照せよ。
【0191】
本発明の界面活性剤組成物は、本明細書に規定される低濃度において、水性溶液中できわめて有用である。本発明の界面活性剤は、過度の実験を行うことなく、当業者により容易に決定されうる、特定の用途に関して必要な量で用いられうる。
【0192】
[IV.補助洗浄性成分]
[A.洗浄性ビルダー]
本発明の組成物は、中性又はアルカリ性塩を含む、一般的な無機系及び有機系水溶性ビルダー塩、並びに種々の水不溶性の、そしていわゆる「シード化」ビルダーから選択される洗浄性ビルダーを含むことができる。
【0193】
ビルダーは、種々の水溶物、アルカリ金属、アンモニウム又は置換されたリン酸アンモニウム、ポリホスフェート、ホスホネート、ポリホスホネート、カーボネート、シリケート、ボラート、ポリヒドロキシスルホネート、ポリアセテート、カルボキシレート、及びポリカルボキシレートから選択されることが好ましい。最も好ましいのは、アルカリ金属、特にナトリウム、上述の塩である。
【0194】
無機ホスフェートビルダーの具体例は、トリポリリン酸、ピロリン酸、約6〜21の重合度を有する高分子量メタリン酸(metaphate)、及びオルトリン酸の、ナトリウム及びカリウム塩である。ポリホスホネートビルダーの例は、エチレン−1,1−ジホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩、エタン1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩、並びにエタン,1,1,2−トリホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩である。
【0195】
無リンの無機系ビルダーの例は、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキカーボネート、四ホウ酸塩十水和物、及びSiO2のアルカリ金属酸化物に対するモル比が約0.5〜約4.0、好ましくは約1.0〜約2.4であるシリケートである。
【0196】
本明細書において有用な水溶性の無リン有機系ビルダーは、種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換されたアンモニウムポリアセテート、カルボキシレート、ポリカルボキシレート及びポリヒドロキシスルホネートを含む。ポリアセテート及びポリカルボキシレートビルダーの例は、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸及びクエン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム及び置換されたアンモニウム塩である。
【0197】
本明細書において、高度に好ましいポリカルボキシレートビルダーは、1967年3月7日に発行された、Diehlの米国特許第3,308,067号明細書(参照により、本明細書に援用する)に説明されている。上記材料は、脂肪族カルボン酸、例えば、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸及びメチレンマロン酸のホモ−及びコポリマーの水溶性塩を含む。
他のビルダーには、Diehlの米国特許第3,723,322号明細書のカルボキシル化炭水化物(参照により、本明細書に援用する)が含まれる。
【0198】
本明細書において、他の有用なビルダーは、カルボキシメチルオキシマロン酸ナトリウム及びカリウム、カルボキシメチルオキシスクシネート、cis−シクロヘキサンヘキサカルボキシレート、cis−シクロペンタンテトラカルボキシレートフロログルシノールトリスルホネート、水溶性ポリアクリレート(例えば、約2,000〜約200,000の分子量を有する)、並びに無水マレイン酸のビニルメチルエーテル又はエチレンとのコポリマーである。
【0199】
本明細書において用いるための他の好適なポリカルボキシレートは、1979年3月13日に発行された、Crutchfieldらの米国特許第4,144,226号明細書;及び1979年3月27日に発行された、Crutchfieldらの米国特許第4,246,495号明細書(両文献を参照することにより、本明細書に援用する)に記載されるポリアセタールカルボキシレートである。
【0200】
「不溶性」ビルダーは、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムの3:1(重量)混合物と、セスキ炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムの2.7:1(重量)混合物との両方を含む。非晶性及び結晶性アルミノシリケート、例えば、水和化ナトリウムゼオライトAが、洗濯用洗浄剤用途において一般的に用いられている。それらは、これらの分子の含水率にもよるが、0.1μm〜約10μmの粒径(直径)を有する。これらは、イオン交換材料と称される。結晶のアルミノシリケートは、それらのカルシウムイオン交換容量を特徴とする。非晶質のアルミノシリケートは、通常、それらのマグネシウム交換容量を特徴とする。それらは、天然に由来する又は合成に由来することができる。
【0201】
好適な洗浄性ビルダーの詳細な列挙は、米国特許第3,936,537号明細書に見出すことができる(参照により、本明細書に援用する)。
【0202】
[B.その他の洗浄性成分]
洗浄剤組成物成分はまた、ヒドロトロープ、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼ)、酵素安定剤、pH調整剤(モノエタノールアミン、炭酸ナトリウム等)ハロゲン漂白剤(例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びカリウム)、パーオキシ酸漂白剤(例えば、ジパーオキシドデカン−1,12−二酸)、無機系過化合物(percompound)漂白剤(例えば、過ホウ酸ナトリウム)、所望による安定化剤としての酸化防止剤、還元剤、過化合物漂白剤用の活性剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム)、汚染物懸濁化剤(例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、汚染物再配置防止剤、腐食防止剤、香料及び染料、緩衝剤、ホワイトニング剤、溶媒(例えば、グリコール及び脂肪族アルコール)及び蛍光増白剤を含む。任意の他の一般的に用いられる補助添加剤、例えば、無機塩及び一般の塩、保湿剤、可溶化剤、UV吸収剤、柔軟剤、キレート剤、静電気抑制剤及び粘度調整剤を、本発明の洗浄剤組成物に添加することができる。
【0203】
棒組成物において、加工助剤、例えば、塩及び/又は低分子量アルコール、例えば、一価、二価(グリコール等)、三価(グリセロール等)及び多水酸基(ポリオール)アルコールを、所望により用いる。棒組成物はまた、「フィラー」と称される、不溶性の微粒子材料成分、例えば、炭酸カルシウム、シリカ等を含むことができる。
【0204】
[V.組成物濃度]
本発明の洗濯用洗浄剤組成物及び方法において用いられるアミノシリコーン化合物の量は、洗浄媒体1Lあたり、約0.001〜約0.2g(さらに典型的には約0.005〜約0.1g/L、そしてさらに典型的には約0.01〜約0.04g/L)のアミノシリコーン化合物の、洗浄媒体中のアミノシリコーン化合物の濃度を生じさせるために十分な量であろう。
【0205】
本発明の組成物において、上記アミノシリコーン化合物は、約0.005〜約30重量%、さらに典型的には約1〜約10重量%の量で存在するのが典型的であろう。
上記組成物は、水性又は非水性の、そして構造化された又は構造化されていなくともよい、洗浄剤として用いるために好都合な任意の形態、例えば、棒、粉末、フレーク、ペースト又は液体であることができる。上記洗浄剤組成物は、所望の物理的形態に好都合であり、そして適切である任意の方法、例えば、共凝集、スプレードライ、又は液体中への分散において調製することができる。
【0206】
本発明の一般的な界面活性剤の総重量%(全ての重量%は、アミノシリコーン化合物、所望によるキャリア、一又は複数の一般的な界面活性剤、一又は複数のジェミニ界面活性剤、一又は複数の防汚剤、及び(所望による)一又は複数の洗浄性ビルダーから成る本発明の組成物の活性重量の合計に基づく)は、約10〜約99.9重量%、典型的には約15〜75重量%である。
【0207】
上記ジェミニ界面活性剤は、用いられる場合、上記組成物の約0.005〜約50、典型的には約0.02〜15.0の活性重量%の濃度で存在するのが典型的である。
上記有機リン防汚剤と、任意の第2のポリマー防汚剤(用いられる場合)との合計は、約0.05〜約40、典型的には約0.2〜15の活性重量%の濃度で存在するのが典型的である。
所望による洗浄性ビルダーは、約0〜約70重量%、典型的には約5〜約50重量%の濃度で存在するのが好適である。
【0208】
[VI.産業上の利用可能性]
本発明の組成物及び方法は、種々の布帛、例えば、羊毛、綿、絹、ポリエステル、ナイロン、他の合成品、複数の合成品のブレンド並びに/又は合成/天然繊維ブレンドを清浄化するために用いられうる。上記組成物及び方法は、着色された布帛、すわなち、視覚的に認知可能な色相を有するものに特に有用である。上記組成物及び方法はまた、芳香剤をまた含む洗浄媒体に関連して、特に有用である。上記芳香剤は、任意の方式において、上記アミノシリコーンオイルと事前混合するか又は事前反応させる必要はなく、上記芳香剤を、活性な成分として、ヒドロキシ官能性化合物と事前混合するか又は事前反応させてはいけない。
【0209】
本発明の文脈において用いることができる芳香物質は、天然及び合成芳香剤、香料、香気及びエッセンス、並びに芳香を発する任意の他の物質及び液体及び/又は粉末状組成物の混合物を含む。上記天然芳香剤として、動物起源のもの、例えば、麝香、シベット、カストリウム、アンバーグリス等、及び野菜起源のもの、例えば、レモン油、ローズ油、シトロネラ油、ビャクダン油、ペパーミント油、桂皮油等がある。合成芳香剤として、α−ピネン、リモネン、ゲラニオール、リナロール、ラバンデュロール(lavandulol)、ネロリドール等の混合された芳香剤がある。
【0210】
[VII.無機ホスフェートを含まない可溶性粉末の洗浄剤組成物]
本発明を良好に実施するために、上記組成物は、下記を含む;
5〜60重量%、好ましくは8〜40重量%の少なくとも1種の表面活性剤(S);
5〜80重量%、好ましくは8〜40重量%の、少なくとも1種の、可溶性の無機系又は有機系ビルダー(B):
0.01〜8重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%の少なくとも1種のアミノシリコーン(AS)。
【0211】
表面活性剤の中で、洗濯物を洗浄するための洗浄剤の分野において一般的に用いられているアニオン性又は非イオン性表面活性剤に言及することができる。
【0212】
[アニオン性表面活性剤]
典型的なアニオン性表面活性剤は、下記を含む。
次の式:
R−CH(SO3M)−COOR’
(式中、Rは、C8〜20、好ましくはC10〜C16のアルキル基を表し、R’はC1〜C6、好ましくはC1〜C3のアルキル基を表し、そしてMはアルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)カチオン、置換された若しくは未置換のアンモニウム(メチル−、ジメチル−、トリメチル−又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)カチオン、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)に由来するカチオンを表す)
のアルキルエステルスルホネート.
【0213】
次の式:
ROSO3
(式中、Rは、C5〜C24、好ましくはC10〜C18のアルキル又はヒドロキシアルキル基を表し、Mは、水素原子又は上記と同一の定義を有するカチオンを表わし、そしてそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(PO)誘導体は、0.5〜30、好ましくは0.5〜10のEO及び/又はPO単位の平均値を有する)
のアルキルスルフェート.
【0214】
次の式:
RCONHR’OSO3
(式中、Rは、C2〜C22、好ましくはC6〜C20のアルキル基を表し、R’は、C2〜C3のアルキル基を表し、Mは、水素原子又は上記と同一の定義を有するカチオンを表わし、そしてそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(PO)誘導体は、0.5〜60のEO及び/又はPO単位の平均値を有する)
のアルキルアミドスルフェート.
【0215】
8〜C24、好ましくはC14〜C20の飽和又は不飽和脂肪酸の塩、C9〜C20のアルキルベンゼンスルホネート、1級又は2級のC8〜C22のアルキルスルホネート、アルキルグリセロールスルホネート、スルホン化ポリカルボン酸(英国特許出願公開第1,082,179号明細書に開示される)、パラフィンスルホネート、N−アシル−N−アルキルタウレート、アルキルホスフェート、イセチオネート、アルキルスクシナメート、アルキルスルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル又はジエステル、N−アシルサルコシネート(sarcosinate)、アルキルグリコシドスルフェート又はポリエトキシカルボキシレート.
上記カチオンは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)、置換された若しくは未置換のアンモニウム残差(メチル−、ジメチル−、トリメチル−又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)に由来する残差である。
【0216】
ソホロ脂質(Sophorolipid)、例えば、酸又はラクトン形態におけるもの、17−ヒドロキシオクタデセン酸の誘導体等.
【0217】
[非イオン性表面活性剤]
典型的な非イオン性表面活性剤は、下記を含む。
5〜25のオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)(ポリオキシエチレン化(polyoxyethylenated)、ポリオキシプロピレン化(polyoxypropylenated)又はポリオキシブチレン化(polyoxybutylenated))アルキルフェノール、そのアルキル置換基は、C6〜C12である;例えば、Rohm&Haas Co.から市販されるTRITON X−45,X−114,X−100又はX−102、あるいはRhodiaからのIGEPAL NP2〜NP17に言及することができる。
【0218】
1〜25のオキシアルキレン(オキシエチレン又はオキシプロピレン)単位を含む、ポリオキシアルキレン化C8〜C22の脂肪族アルコール;例えば、Union Carbide Corp.から市販されるTTERGITOL 15−S−9又はTERGITOL 24−L−6 NMW,Shell Chemical Co.から市販されるNEODOL 45−9,NEODOL 23−65,NEODOL 45−7又はNEODOL 45−4,The Procter & Gamble Co.から市販されるKYRO EOB,ICIからのSYNPERONIC A3〜A9、又はRhodiaからのRHODASURF IT,DB及びBに言及することができる。
【0219】
2000〜10,000程度の重量平均分子量を有する、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの、プロピレングリコール又はエチレングリコールとの縮合から生ずる生成物、例えば、BASFから市販されるPLURONICS.
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの、エチレンジアミンとの縮合から生ずる生成物、例えば、BASFから市販されるTETRONICS.
【0220】
5〜25のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン単位を含む、エトキシ化及び/又はプロポキシ化C8〜C18の脂肪酸.
5〜30のオキシエチレン単位を含むC8〜C20の脂肪酸アミド.
5〜30のオキシエチレン単位を含むエトキシ化アミン.
1〜50、好ましくは1〜25、特に2〜20のオキシアルキレン単位(好ましくは、オキシエチレン単位)を含むアルコキシル化アミドアミン.
【0221】
アミンオキシド、例えば、(C10〜C18のアルキル)ジメチルアミンオキシド又は(C8〜C22のアルコキシ)エチルジヒドロキシエチルアミンオキシド.
1〜30のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン単位を含む、アルコキシル化テルペン炭化水素、例えば、エトキシ化及び/又はプロポキシ化α−又はβ−ピネン.
【0222】
4〜C20、好ましくはC8〜C18のアルキル基と、アルキルポリグリコシド(APG)1モルあたり0.5〜3程度(好ましくは、1.1〜1.8程度)の平均グルコース単位数とを示す、グルコースを、第1級脂肪アルコールと縮合(例えば、酸触媒作用)することにより得ることができるアルキルポリグリコシド(米国特許第3,598,865号明細書,同第4,565,647号明細書,欧州特許出願公開第132,043号明細書,同第132,046号明細書等);以下に示すものに、特に言及することができる:
8〜C14のアルキル基、そして平均して、1モルあたり、1.4個のグルコース単位
12〜C14のアルキル基、そして平均して、1モルあたり、1.4個のグルコース単位
8〜C14のアルキル基、そして平均して、1モルあたり、1.5個のグルコース単位
8〜C10のアルキル基、そして平均して、1モルあたり、1.6個のグルコース単位
それぞれ、Henkelから、名称GLUCOPON 600 EC(商標)、GLUCOPON 600 CSUP(商標)、GLUCOPON 650 EC(商標)及びGLUCOPON 225 CSUP(商標)の下で市販されている。
【0223】
下記の可溶性無機系ビルダー(B)に言及することができる:
次の式の非晶質又は結晶のケイ酸アルカリ金属:
xSiO2・M2O・yH2
(1≦x≦3.5及び0≦y/(x+1+y)≦0.5)
(式中、Mは、アルカリ金属、そして特にナトリウムである)
ラメラケイ酸アルカリ金属、例えば、米国特許第4,664,839号明細書に記載されるものを含む;
アルカリ性カーボネート(重炭酸塩、セスキカーボネート);
欧州特許出願公開第488,868号明細書に記載される、Q2又はQ3フォームにおいてケイ素原子に富む、水和したケイ酸アルカリ金属及び炭酸アルカリ金属(ナトリウム又はカリウム)の共顆粒;及び
テトラボレート又はボラート前駆体。
下記の可溶性の有機系ビルダー(B)に言及することができる;
水溶性ポリホスホネート(エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート、メチレンジホスホネートの塩等);
カルボキシルポリマー又はコポリマーの水溶性塩、例えば、エチレン系不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、マレイン酸若しくは無水物、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸又はメチレンマロン酸の重合又は共重合により得られる、2000〜100,000程度の分子量を有するポリカルボン酸の水溶性塩、そして特に、2000〜10,000程度の分子量を有するポリアクリレート(米国特許第3,308,067号明細書)、あるいは5,000〜75,000程度の分子量を有するアクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー(欧州特許出願公開第066,915号明細書);
ポリカルボキシレートエーテル(オキシジコハク酸及びその塩、タルトレートモノコハク酸(tartrate monosuccinic acid)及びその塩、タルトレートジコハク酸(tartrate disuccinic acid)及びその塩);
ヒドロキシポリカルボキシレートエーテル;
クエン酸及びその塩、メリト酸、コハク酸及びそれらの塩;
ポリ酢酸の塩(エチレンジアミンテトラアセテート、ニトリロトリアセテート、N−(2−ヒドロキシエチル)ニトリロジアセテート);
(C5〜C20のアルキル)コハク酸及びそれらの塩(2−ドデセニルスクシネート、ラウリルスクシネート等);
ポリアセタールカルボン酸エステル;
ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸及びそれらの塩;
アスパラギン酸及び/又はグルタミン酸の重縮合に由来するポリイミド;
グルタミン酸又は他のアミノ酸のポリカルボキシメチル化誘導体(例えば、N,N−ビス(カルボキシメチル)グルタミン酸及びその塩、特に、ナトリウム塩);及び
アミノホスホネート、例えば、ニトリロトリス(メチレンホスホネート)。
【0224】
本発明を良好に実施するために、上記アミノシリコーン(AS)は、次の一般式のシロキサン単位を含むアミノポリオルガノシロキサン(APS)から選択することができる;
1abSiO(4-a-b)/2(I)
(式中、a+b=3、a=0,1,2又は3及びb=0,1,2又は3である);
1cdSiO(4-c-d)/2(II)
(式中、c+d=2、c=0又は1及びd=1又は2である);
12SiO2/2(III):及び所望により
1efSiO(4-e-f)/2(IV)
(式中、e+f=0又は1、e=0又は1及びf=0又は1である)。
上記式において、
同一又は異なるR1記号は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、1〜10個の炭素原子を含む脂肪族基、又はフェニル基(所望により、フルオロ又はシアノ基により置換されている)を表し;
同一又は異なるA記号は、SiC結合を経由してケイ素に結合した、第1級、第2級、第3級又は4級化アミノ基であり;
同一又は異なるB記号は、下記を表す;
OH官能基;
OR官能基(式中、Rは、1〜12個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含むアルキル基を表す);
OCOR’官能基(式中、R’は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を含むアルキル基を表す):又は
A記号。
上記アミノポリオルガノシロキサン(APS)は、式(I)、(II)、(III)及び所望による(IV)の単位を含むことが好ましく、そこでは
式(I)の単位において、a=1,2又は3及びb=0又は1であり、そして
式(II)の単位において、c=1及びd=1である。
【0225】
A記号は、好ましくは、次の式:
−R2−N(R3)(R4
(式中、
2記号は、2〜6個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、当該基は、所望により、1つ又は2つ以上の窒素又は酸素原子により置換されているか又は中断されている、
同一又は異なるR3及びR4記号は、以下を表す;
H;
1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含むアルキル又はヒドロキシアルキル基;
アミノアルキル基、好ましくは第1級アミノアルキル基、当該アルキル基は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、当該基は、少なくとも1つの窒素及び/又は酸素原子により所望により置換されているそして/又は中断されており、上記アミノ基は、所望により、例えば、ハロゲン化水素酸、又はアルキル若しくはアリールハライドにより4級化されている)
のアミノ基である。
【0226】
A記号の例として、次の式のものに言及することができる:
−(CH23NH2
−(CH23NH3+-
−(CH23N(CH32
−(CH23+(CH32(C1837)X-
−(CH23NHCH2CH2NH2
−(CH23N(CH2CH2OH)2;及び
−(CH23N(CH2CH2NH22
これらの中で、好ましい式は、下記である:
−(CH23NH2−(CH23NHCH2CH2NH2及び−(CH23N(CH2CH2NH22
【0227】
1記号は、好ましくは、メチル、エチル、ビニル、フェニル、トリフルオロプロピル又はシアノプロピル基を表す。R1記号は、特に、メチル基(少なくとも主に)を表す。
B記号は、好ましくはOR基(Rは、1〜6個の炭素原子、特に4個の炭素原子、又はA記号を含む)を表す。B記号は、非常に好ましくは、メチル又はブトキシ基である。
【0228】
上記アミノシリコーンは、少なくとも実質的に直鎖であることが好ましい。上記アミノシリコーンは、非常に好ましくは直鎖である、すなわち、式(IV)の単位を含まない。上記アミノシリコーンは、2000〜50,000程度、好ましくは3000〜30,000程度の数平均分子量を示すことができる。
【0229】
本発明を良好に実施するために、上記アミノシリコーン(AS)又はアミノポリオルガノシロキサン(APS)は、それらの鎖において、ケイ素原子計100個あたり、0.1〜50、好ましくは0.3〜10、特に0.5〜5のアミノ官能化ケイ素原子を示すことができる。
不溶性の無機系ビルダーは、上記規定の不溶性無機材料の20%未満の濃度を上回らないように、制限された量でさらに存在することができる。
【0230】
これらの補助剤の間で、アルカリ金属(ナトリウム又はカリウム)又はアンモニウムの結晶性又は非晶性アルミノシリケート、例えば、ゼオライトA,P,X等に言及することができる。
上記洗浄剤組成物は、粉末洗浄剤組成物用の一般的な添加剤をさらに含むことができる。
【0231】
[追加の第2の防汚剤]
防汚剤として提供された有機ホスフェート材料に加えて、第2の防汚剤を、0.01〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%程度、そして特に0.2〜3重量%程度の量で提供することができる。
典型的な上記薬剤は、下記を含む;
セルロース誘導体、例えば、セルロースヒドロキシエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシブチルメチルセルロース;
ポリアルキレン幹上にグラフトされたポリ(ビニルエステル)、例えば、ポリオキシエチレン幹上にグラフトされたポリ(ビニルアセテート)(欧州特許出願公開第219,048号明細書);
ポリ(ビニルアルコール);
エチレンテレフタレート及び/又はプロピレンテレフタレート、並びにポリオキシエチレンテレフタレート単位に基づくポリエステルコポリマー、エチレンテレフタレート及び/又はプロピレンテレフタレート(単位数)/ポリオキシエチレンテレフタレート(単位数)のモル比が1/10〜10/1、好ましくは1/1〜9/1程度であり、上記ポリオキシエチレンテレフタレートは、300〜5000程度、好ましくは600〜5000程度の分子量を有するポリオキシエチレン単位を示す(米国特許第3,959,230号明細書,同第3,893,929号明細書,同第4,116,896号明細書,同第4,702,857号明細書及び同第4,770,666号明細書);
1〜4個のスルホネート基を示す、エトキシ化アリルアルコール、ジメチルテレフタレート及び1,2−プロパンジオールに由来するオリゴマーのスルホン化により得られるスルホン化ポリエステルオリゴマー(米国特許第4,968,451号明細書);
所望によりスルホン化又はカルボキシル化され、そしてエチル又はメチル単位により停止され(米国特許第4,711,730号明細書)た、プロピレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレート単位に基づくポリエステルコポリマー、あるいはアルキルポリエトキシ基(米国特許第4,702,857号明細書)、又はアニオン性のスルホポリエトキシ(米国特許第4,721,580号明細書)若しくはスルホアロイル(米国特許第4,877,896号明細書)基により停止された、所望によるスルホン化ポリエステルオリゴマー;
テレフタル酸、イソフタル酸のジエステル、スルホイソフタル酸のジエステル、及びジオール(特にエチレングリコール)から得られた、20,000未満の分子量を有するスルホン化ポリエステル(国際公開第95/32997号パンフレット);
アジピン酸及び/又はテレフタル酸及び/又はスルホイソフタル酸並びにジオールから得られた数平均分子量300〜4000を有するポリエステルを、分子量600〜4000を有するポリ(エチレングリコール)及びジイソシアネートから得られた末端イソシアネート基を含むプレポリマーと反応させることにより得られたポリエステルポリウレタン(フランス国特許出願公開第2,334,698明細書)。
【0232】
他の第2の防汚剤は、国際公開第97/42288号パンフレット(参照により、本明細書に援用する)に、「非綿防汚剤」として開示されている。例えば、上記第2の防汚剤の基は、事前形成された、実質的に直鎖のエステルオリゴマーの生成物を含むスルホン化オリゴマー上記第2の防汚剤の基は、事前形成された、実質的に直鎖のエステルオリゴマーの生成物を含むスルホン化オリゴマーのエステル組成物を含み、上記直鎖のエステルオリゴマーは、1モルあたり、
a)2モルの末端単位、ここで、上記末端単位の1モル〜2モルは、アリルアルコール及びメディアリル(medially])アルコールから成る群から選択されるオレフィン系不飽和成分に由来し、そして上記末端単位の残余は、上記直鎖エステルオリゴマーの他の単位である;
b)1モル〜4モルの非イオン性親水性単位、上記親水性単位は、アルキレンオキシドに由来し、上記アルキレンオキシドは、50%〜100%のエチレンオキシドを含む;
c)1.1モル〜20モルの、アリールジカルボニル成分に由来する繰返し単位、ここで、上記アリールジカルボニル成分は、50%〜100%のジメチルテレフタレートを含んで成り、それにより上記ジメチルテレフタレートに由来する繰返し単位が、テレフタロイルである;及び
d)0.1モル〜19モルの、C2〜C4グリコールから成る群から選択されるジオール成分に由来する繰返し単位;ここで、上記スルホン化オリゴマーのエステル組成物のスルホン化の程度は、上記末端単位が、e)1モル〜4モルの、式:−SOxM(式中、xは2又は3である)の末端単位置換基により、化学的に変性される程度であり、上記末端単位置換基は、HSO3M(式中、Mは、一般的な水溶性カチオンである)から成る群から選択されるビスルファイト成分に由来する。
【0233】
別の種類の非綿防汚剤は、下記を含む;
A)少なくとも10重量%の、500〜8,000の範囲にわたる分子量を有する、実質的に直鎖のスルホン化ポリ−エトキシ/プロポキシ末端−キャップ化エステル;上記エステルは、モルベースに対して、下記から本質的に成る;
i)1〜2モルの、次の式のスルホン化ポリエトキシ/プロポキシ末端−キャップ単位:
(MSO3)(CH2m(CH2CH2O)(RO)n
(式中、Mは、塩形成カチオン、例えば、テトラ(tertra)アルキルアンモニウムのナトリウムであり、mは、0又は1であり、Rは、エチレン、プロピレン、及びそれらの混合物であり;そしてnは、0〜2である);
及びそれらの混合物;
ii)0.5〜66モルの、下記から成る群から選択される単位;
a)オキシエチレンオキシ単位;
b)オキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2,−プロピレンオキシ単位の混合物、ここで、上記オキシエチレンオキシ単位は、オキシエチレンオキシ:オキシ−1,2−プロピレンオキシのモル比が0.5:1〜10:1において存在する;及び
c) a)又はb)の、重合度2〜4を有するポリ(オキシエチレン)オキシ単位との混合物;
ただし、上記ポリ(オキシエチレン)オキシ単位が、重合度2を有する場合、ポリ(オキシエチレン)オキシ単位:基ii)単位の合計のモル比は、0:1〜0.33:1の範囲にわたり;そして上記ポリ(オキシエチレン)オキシ単位が、重合度3を有する場合、ポリ(オキシエチレン)オキシ単位:基ii)単位の合計のモル比が、0:1〜0.22:1の範囲にわたる;そして上記ポリ(オキシエチレン)オキシ単位が、4に等しい重合度を有する場合には、ポリ(オキシエチレン)オキシ単位:基ii)単位の合計のモル比は、0:1〜0.14:1の範囲にわたる;
iii)1.5〜40モルのテレフタロイル単位;及び
iv)0〜26モルの、次の式:
−(O)C(C63)(SO3M)C(O)−
(式中、Mは塩形成カチオンである)
の5−スルホフタロイル単位;並びに
B)0.5重量%〜20重量%の、1種又は2種以上の、晶出減少化安定化剤のエステル。
【0234】
典型的な非綿防汚剤は、0.2%超のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0235】
[第2の再付着防止剤]
防汚剤として提供され且つ再堆積防止薬剤として助力することができる有機ホスフェート材料に加えて、第2の再付着防止剤を、粉末洗浄剤組成物の場合に約0.01〜10重量%、そして液体洗浄剤組成物の場合に約0.01〜5重量%の量において提供することができる。
典型的な上記第2の再付着防止剤は、下記を含む;
エトキシ化モノアミン若しくはポリアミン、又はエトキシ化アミンポリマー(米国特許第4,597,898号明細書、欧州特許出願公開第011,984号明細書);
カルボキシメチルセルロース;
イソフタル酸、ジメチルスルホスクシネート及びジエチレングリコールの縮合により得られるスルホン化ポリエステルオリゴマー(フランス国特許出願公開第2,236,926明細書);及び
ポリビニルピロリドン。
【0236】
[漂白剤]
漂白剤は、上記粉末洗浄剤組成物の約0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で提供されうる。
典型的な上記薬剤は、下記を含む:
過ホウ酸塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物又は四水和物;
過酸化化合物、例えば、炭酸ナトリウムパーオキソヒドレート(peroxohydrate)、ピロホスフェートパーオキソヒドレート、過酸化尿素、過酸化ナトリウム又は過硫酸ナトリウム;
パーカルボン酸及びそれらの塩(「過炭酸塩」として知られている)、例えば、モノパーオキシフタル酸マグネシウム六水和物、メタ−クロロ過安息香酸マグネシウム、4−ノニルアミノ−4−オキソパーオキシ酪酸、6−ノニルアミノ−6−オキソパーオキシカプロン酸、ジパーオキシドデカン二酸、パーオキシコハク酸ノニルアミド又はデシルジパーオキシコハク酸;
上記薬剤は、洗浄液体中で、in situで、パーオキシカルボン酸を発生させる漂白活性剤と組み合わせることが好ましい;これらの活性剤の中で、テトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルメチレンジアミン、テトラアセチルグリコールウリル、p−アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタアセチルグルコース、オクタアセチルラクトース等に言及することができる。
【0237】
[蛍光剤]
蛍光剤は、約0.05〜1.2重量%の量で提供されうる。典型的な上記薬剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、フマル酸、桂皮酸、アゾール、メチンシアニン、チオフェン等の誘導体を含む。
【0238】
[泡抑制剤]
泡抑制剤は、最大5重量%の範囲にわたることができる量で提供されうる。
典型的な上記薬剤は、下記を含む;
10〜C24の脂肪族モノカルボン酸、又はそれらのアルカリ金属、アンモニウム若しくはアルカノールアミン塩、あるいは脂肪酸トリグリセリド;
飽和又は不飽和の、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式炭化水素、例えば、パラフィン又はワックス;
N−アルキルアミノトリアジン;
モノステアリルホスフェート又はモノステアリルアルコールホスフェート:並びに
所望により、シリカ粒子と混合された、ポリオルガノシロキサンオイル又は樹脂。
【0239】
[柔軟剤]
柔軟剤は、約0.5〜10重量%の量で提供されうる。典型的な上記薬剤は、粘土(スメクタイト、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト又はサポナイト)である。
【0240】
[酵素]
酵素は、洗浄剤組成物1gあたり、最大5mg、好ましくは0.05〜3mg程度の範囲にわたることができる活性酵素の量で提供されうる。典型的な酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ又はペルオキシダーゼ(米国特許第3,553,139号明細書、同第4,101,457号明細書、同第4,507,219号明細書及び同第4,261,868号明細書)である。
【0241】
[他の添加剤]
典型的な他の添加剤は、下記であることができる;
アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロパンジオール、エチレングリコール又はグリセロール);
緩衝剤又はフィラー、例えば、硫酸ナトリウム又は炭酸若しくは重炭酸アルカリ土類金属;及び
顔料;
ここで、所望による不溶性の無機添加剤の量は、上記規定の不溶性無機材料の20%未満の濃度を上回らないように、十分に制限されなれければならない。
【実施例】
【0242】
本検討は、ポリエステル、綿及びポリプロピレンから防汚するために、PEG、PPG及びグリセリンホスフェートエステルの試験を示す。洗濯工程又は前処理の際のどちらかの処理が、上記材料を上記基材に適用するように用いられた。2種の汚染:汚れたモータ油及び調理済みの植物油が用いられた。洗濯用洗浄剤として、2種の純粋な界面活性剤系:市販のSUN洗浄剤(US)及びRhodia(フランス)からの一般的な配合物が用いられた。未処理の、REPEL−O−TEX SRP6−処理された、そして洗浄剤−処理された基材が、基準として用いられた。
【0243】
[用いられた材料及び装置]
Tergetometer.
防汚添加剤.
PEG400 Phosphate Ester,SUPER PHOS方法.
PEG400/PPG425(1:2)Phosphate Ester,P2O5方法、PPG及びPEGの共リン酸化.
PEG400/Glycerine Phosphate Ester,P2O5方法、グリセリン及びPEGの共リン酸化
REPEL−O−TEX SRP6
【0244】
[布帛試料(基材)]
綿:Style 400,LOT 519
ポリエステル:Spun Dacron,Type 54,Style 777,LOT 9778
綿/ポリエステルブレンド:Polypropylene Nonwoven
【0245】
[汚物(汚染物)]
汚れたモータ油L−DMO
大豆油中の0.08% BW Solvent Violet Dye−13.
【0246】
[界面活性剤系]
市販の洗浄剤:SUN
洗濯配合(LF):SRP−6(CRA、フランス)を有する市販の洗浄剤
【0247】
[装置]
Tergetometer:アメリカンスタイルの洗浄装置の小型化された複製品は、脈動する6つのステンレス鋼容器から構成され、可変速度のスピナーが、適合されている。上記容器を、温度制御された水槽内に置いた。
分光光度計:Gardner TCS、比色計により布きれ上の汚染物の量を測定するため.
【0248】
[処理し、汚染し、そして洗浄するために用いられる手順]
2つの一般的な種類の処理が用いられる:1)上記基材の前処理及び2)上記洗浄剤に防汚添加剤を添加することによる洗濯物−処理。
【0249】
[例1−前処理]
[試験手順]
正方形内に、各ホスフェートエステル(PEG400/PPG425ホスフェートエステル及びPEG400/グリセリンホスフェートエステル)の、NaOH、pH6〜7を有する水中の33重量%溶液を4滴;
5分の「乾燥時間」;
布きれ(単一の編物綿)の処理された範囲上に添加された、4滴の汚物(処理された範囲が、まだ膨潤していることに留意する!);
Tergetometer内の、1Lの水中における、5gのポリマーを含まない洗浄剤;
Tergetometer容器に添加された布きれ;
20分間、104°Fの洗浄サイクル、1Lの新鮮な水道水内で、5分間、90°Fですすぎ(3回)
【0250】
[結果]
図1は、綿上の、PEG400/PPG425ホスフェートエステル(汚物は、湿潤した基材上に添加された)の33重量%溶液で前処理した場合の結果を示す。
図1は、汚染及び洗浄/すすぎの後の、未処理/処理済綿布きれの写真を示す。
【0251】
特に、部分(a)は、未処理の汚れたモータ油で汚染された対照試料の綿布切れを示す。
部分(b)は、PEG400/PPG425ホスフェートエステルを用いて処理された、汚れたモータ油で汚染された綿布きれを示す。上記ホスフェートエステルのPPG425部分は、疎水的に改質されたPEG400化学的性質を有する。この実験において、PPG鎖:PEG鎖の比率は、2:1であった。
部分(c)は、未処理の、調理済みの植物油で汚染された対照試料の綿布切れを示す。
部分(d)は、PEG400/PPG425ホスフェートエステルを用いて処理された、調理済みの植物油で汚染された綿布きれを示す。全ての汚染された試料は、SUNの市販の洗浄剤を用いて洗浄された。
【0252】
図1、部分(c)は、洗浄/すすぎ後の、未処理の汚染された綿布きれを示す(ここで、上記汚物を、乾燥した布きれ上に添加した)。図1、部分(b)及び(d)は、汚染及び洗浄/すすぎ後の、処理済みの綿布きれを示す。上記画像は、処理済みの試料が、未処理の試料に匹敵する防汚性を示すことを示している。しかし、上記綿布きれは、汚染の際に膨潤していた、ひいては、上記綿繊維上への疎水性汚物の付着が予防されたので、この実験から結論を得ることは難しい。
【0253】
[例2−前処理]
[試験手順]
1.処理:処理溶液に添加された、綿若しくはポリエステル、又はPPNW試料を、数分間撹拌し、次いで取出し、そして過剰量の溶液を取り除き、そして60℃で60分間、オーブン内で乾燥させた。
2.事前洗浄:試料を、104°Fにおいて、1Lの水道水に添加し、次いで、5gのSUN洗浄剤を添加した。20分洗浄した(いくつかの試験が、事前洗浄ステップなしで行われた:差は、観察されなかった)。
【0254】
3.Gardner TSCを用いた、処理済みの試料の比色測定.
4.汚染:使用の前に、30分間、油汚染物を撹拌した。処理後、4滴の汚染油を、布切れの処理された範囲に添加し、60℃で1時間、オーブン内で乾燥させた。
5.洗浄:試料を、104°Fにおいて、1Lの水道水に添加し、次いで5gの洗浄剤を添加した。20分洗浄した。
6.すすぎ(3回):104°Fにおいて、1Lの新鮮な水道水内で5分間.
7.乾燥:60℃のオーブン内で60分間.
8.Gardner TSCを用いた、試料の比色測定
【0255】
[処理溶液]
2%のPEG400PE,pH=6.26
2%のREPEL−O−TEX SRP−6(ポリエステル用防汚ポリマー),pH=6.44
2%のSUN洗浄剤,pH=6.7
未処理の対照
【0256】
表1及び2、並びに表4の一部は、これらの試験の結果を示す。
【表3】

【0257】
【表4】

【0258】
[例3(耐久性試験)]
[試験手順]
処理後/汚染前の5回の事前洗浄:
1.処理:処理溶液に添加された、綿若しくはポリエステル、又はPPNW試料を、数分間撹拌し、次いで取出し、そして過剰量の溶液を取り除き、そして60℃で60分間、オーブン内で乾燥させた。
2.事前洗浄:試料を、104°Fにおいて、1Lの水道水に添加し、次いで、5gのSUN洗浄剤を添加した。20分洗浄した(いくつかの試験が、事前洗浄ステップなしで行われた:差は、観察されなかった)。
3.すすぎ(3回):104°Fにおいて、1Lの新鮮な水道水内で5分間.
【0259】
4.乾燥:60℃のオーブン内で60分間.
5.ステップ2〜4を、4回繰り返した。
6.Gardner TSCを用いた、試料の比色測定.Gardner TSCは、任意の表面のカラーを測定する、業界標準機器である。
7.汚染:使用の前に、30分間、油汚染物を撹拌した。処理後、4滴の汚染油を、布切れの処理された範囲に添加し、60℃で1時間、オーブン内で乾燥させた。
8.洗浄:試料を、104°Fにおいて、1Lの水道水に添加し、次いで5gの洗浄剤を添加した。20分洗浄した。
9.すすぎ(3回):104°Fにおいて、1Lの新鮮な水道水内で5分間.
10.乾燥:60℃のオーブン内で60分間.
11.Gardner TSCを用いた、試料の比色測定.
【0260】
[処理溶液]
上記を参照のこと。
【0261】
【表5】

【0262】
【表6】

【0263】
[例4−洗濯物処理]
[試験手順]
使用濃度は、SUN洗浄剤(そのまま)の中の0.4%PEGホスフェート(酸性型)であり、この溶液5gを洗濯液1L毎に用いた。
布切れを、Tergetometer容器に添加した。
104°Fで20分間の洗浄サイクル、1Lの新鮮な水道水の中で、90°Fで5分間のすすぎ(3回).
全ての実験を、単一の織物綿上で実施した。
PPG425/PEG 400ホスフェートエステル及びグリセリン/PEG 400ホスフェートエステルの両方で実験を行った。
【0264】
乾燥(波形の箔上で、空気中、一晩)した布きれに、汚染物を適用した;
a)汚れていない布きれ上の、汚れたモータ油(DMO)
b)前処理された布きれ上のDMO
c)汚れていない布きれ上の、調理済みの植物性油脂(CVO)
d)前処理された布きれ上のCVO
洗浄方法:処理方法と同一(SUN洗浄剤中の0.4%ホスフェートエステル、5gのSUN−溶液、104°Fで20分間の洗浄サイクル、90°Fで5分間のすすぎ(3回))。
【0265】
[結果]
綿、綿/ポリエステルブレンド、及びポリエステルの布きれを、SUN洗浄剤中のPEG400/PPG425ホスフェートエステル及びPEG400/グリセリンホスフェートエステルで処理した(一般的な洗濯手順に基づく、上記参照)。ポリエステル/綿ブレンド及びポリエステルの布切れは、再汚染に対してわずかな抵抗性を示した。他の統計的に重要な結論を得るような十分な布きれ/複製物を用いなかった。綿布きれに関して、効果は観察されなかった。
【0266】
[例5−洗濯−処理]
1.事前洗浄:汚染の前に、未処理の布切れを、104°Fで、1Lの水道水に添加し、次いで5gの、ポリマーが添加された洗浄剤を添加した。20分間洗浄した。
2.すすぎ(3回):104°Fにおいて、1Lの新鮮な水道水内で5分間
3.乾燥:60℃のオーブン内で60分間.
4.Gardner TSCを用いた、試料の比色測定(付属物を参照のこと)。
5.汚染:使用の前に、30分間、油汚染物を撹拌した。4滴の汚染油を、布きれ上に添加し、60℃で1時間、オーブン内で乾燥させた。
【0267】
6.洗浄:試料を、104°Fにおいて、1Lの水道水に添加し、次いで、5gの、ポリマーが添加された洗浄剤を添加した。20分間洗浄した。
7.すすぎ(3回):104°Fで、1Lの新鮮な水道水内で、各サイクルにおいて5分間.
8.乾燥:60°のオーブン内で60分間.
9.Gardner TSCを用いた、試料の比色測定(付属物を参照のこと)。
ポリマーが添加された洗浄剤:1重量%及び5重量%のPEG400PE又はSRP−6を、SUN市販洗浄剤又はLF市販洗浄剤に添加した。
【0268】
[結果]
表5〜表8は、純粋なSUN又はLF洗浄剤、及び対照(未処理、事前洗浄されていない布きれ)と比較した、SUN又はLF洗浄剤中の1%及び5%添加剤に関する結果を示す。綿からの汚染物の除去性は、ポリエステルと比較して、一般的に良好であり、そして綿に関して、種々の試料の間で、大きな相違は観察されなかった。ポリエステルにおいて、SRP6のみが、改良された汚染除去を示した。特に、植物性油脂において、汚染物の除去が有意に改良された(約90%対約20%の除去)。PEG400PE試料は、純粋な洗浄剤及び対照試料と比較して、大きな改良を示さなかった。一般に、SUN洗浄剤を用いた実験は、LFと比較して良好な汚染除去性を示したが、2種の異なる防汚添加剤に関する傾向は、両方において同一であった。
【0269】
除去(%)の測定の制限された制度を考慮に入れて、我々は、EG400PE、純粋な洗浄剤、及び対照試料の間に大きな相違が観察されなかったと結論を下すことができる。SRP6は、PEG400PEと比較して、ポリエステル上で良好に遂行した。
【0270】
【表7】

【0271】
【表8】

【0272】
【表9】

【0273】
【表10】

【0274】
上切れに関する追加の情報を、表9〜表12に示す。
【0275】
【表11】

【0276】
【表12】

【0277】
【表13】

【0278】
【表14】

【0279】
[除去(%)の計算]
上記例において、除去(%)を、次の通りに計算した。
ホワイト=事前洗浄されたのみの試料
洗浄前=事前洗浄され、そして汚染された試料
洗浄後=事前洗浄され、汚染され、次いで洗浄された試料
ΔL=L洗浄後−L洗浄前
Δa=a洗浄後−a洗浄前
Δb=b洗浄後−b洗浄前
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb21/2=実験的洗浄力
【0280】
ΔL’=Lホワイト−L洗浄前
Δa’=aホワイト−a洗浄前
Δb’=bホワイト−b洗浄前
ΔE’=(ΔL’2+Δa’2+Δb’21/2=理論的洗浄力
除去(%)=(実験的洗浄力/理論的洗浄力)×100%
【0281】
上記明確に論じたもの以外の実施形態が、本発明の精神及び範囲内にあることは明白であろう。従って、本発明は、上記記述により制限されず、添付の特許請求の範囲により規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む、布帛製品を清浄するための洗浄剤組成物;
(a)少なくとも1種の洗浄性界面活性剤;並びに
(b)アミノシリコーン、ジェミニ界面活性剤、洗浄性ビルダー、漂白剤、過化合物漂白剤用の活性剤、第2の防汚剤、汚物懸濁化剤、第2の汚物再付着防止剤、泡抑制剤及び布帛柔軟剤から成る群の少なくとも1つの要素;
(c)(I)下記から選択される水溶性又は分散性の有機リン材料;
(c)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
【化1】

(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、独立して、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、前記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、前記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(c)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(c)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物;及び
(c)(I)(4) (c)(I)(1)、(c)(I)(2)及び(c)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物:
ただし、前記洗浄剤組成物の10%水性溶液は、約4〜約12のpHを有する。
【請求項2】
(a)少なくとも0.01〜95重量%の前記洗浄性界面活性剤、前記洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性及び両性界面活性剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択される;
(b)0〜30重量%の前記漂白剤、及び0〜10重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有する前記第2の防汚剤;並びに
(c)0.01〜10重量%の前記水溶性又は分散性の有機リン材料:
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(a)少なくとも0.01〜95重量%の前記洗浄性界面活性剤、前記洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性及び両性界面活性剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択される;
(b)1〜5重量%の、非綿布帛に対して有効な防汚性を有する前記第2の防汚剤、及び0〜30重量%の前記漂白剤;
(c)0.01〜10重量%の前記水溶性又は分散性の有機リン材料:
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ビルダー、蛍光増白剤、漂白剤効果促進剤、漂白剤活性剤、転染剤、分散剤、酵素、染料、香料、着色剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、及びそれらの混合物から成る群の要素をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
(b)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(b)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
【化2】

(b)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(b)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物;並びに
(b)(II)(4) (b)(II)(1)、(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物:
をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記有機リン材料が、前記組成物の0.01〜10重量%を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
一又は複数の前記表面活性剤が、前記組成物の0.005〜60重量%を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
一又は複数の前記表面活性剤が、前記組成物の0.5〜40重量%を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記第2の防汚剤が、事前形成された、実質的に直鎖のエステルオリゴマーのスルホン化生成物を含む、スルホン化オリゴマーエステル組成物を含み、前記直鎖のエステルオリゴマーは、1モルあたり、下記;
a)2モルの末端単位、ここで、前記末端単位の1モル〜2モルが、アリルアルコール及びメディアリルアルコールから成る群から選択されるオレフィン系不飽和成分に由来し、そして前記末端単位の残余は、前記直鎖エステルオリゴマーの他の単位である;
b)1モル〜4モルの非イオン性親水性単位、前記親水性単位は、アルキレンオキシドに由来し、前記アルキレンオキシドは、50%〜100%のエチレンオキシドを含む;
c)1.1モル〜20モルの、アリールジカルボニル成分に由来する繰返し単位、ここで、前記アリールジカルボニル成分は、50%〜100%のジメチルテレフタレートを含んで成り、それにより前記ジメチルテレフタレートに由来する繰返し単位が、テレフタロイルである;及び
d)0.1モル〜19モルの、C2〜C4グリコールから成る群から選択されるジオール成分に由来する繰返し単位、ここで、前記スルホン化オリゴマーエステル組成物のスルホン化の程度は、前記末端単位が、e)1モル〜4モルの、式:−SOxM(式中、xは2又は3である)の末端単位置換基により化学的に変性される程度であり、前記末端単位置換基は、HSO3M(式中、Mは、一般的な水溶性カチオンである)から成る群から選択されるビスルファイト成分に由来する:
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
有効量の請求項1に記載の洗浄剤組成物を、清浄することが必要な布帛製品に適用するステップ:
を含む、洗浄媒体中の布帛製品を清浄するための方法。
【請求項11】
清浄することが必要な綿布帛を、有効量の請求項1に記載の洗浄剤組成物と接触させるステップ:
を含む、綿布帛からの汚物の剥離を提供するための方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2010−530025(P2010−530025A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512350(P2010−512350)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/066716
【国際公開番号】WO2008/154633
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】