観測システム、観測システムの処理方法、端末装置、端末の処理プログラム
【課題】各地の観測情報を少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現できるようにする。
【解決手段】端末プロファイル管理サーバ4に端末プロファイルデータベース41を設け、各端末は、端末プロファイルデータベース41にプロファイルを登録しておく。観測要求元端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4に問い合わせを行い、観測要求先端末を決定し、その観測要求先端末1bに観測処理要求データを送信する。観測要求先端末1bは、観測処理要求データを受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベース13とセンサ使用状況データベース14を参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末1bから観測要求元端末1aにセンサ20から得られた観測データを送信する。
【解決手段】端末プロファイル管理サーバ4に端末プロファイルデータベース41を設け、各端末は、端末プロファイルデータベース41にプロファイルを登録しておく。観測要求元端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4に問い合わせを行い、観測要求先端末を決定し、その観測要求先端末1bに観測処理要求データを送信する。観測要求先端末1bは、観測処理要求データを受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベース13とセンサ使用状況データベース14を参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末1bから観測要求元端末1aにセンサ20から得られた観測データを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象観測システム等、地理的に離れた地点での観測結果を用いる観測システム、観測システムの処理方法、このような観測システムに用いられる端末装置、端末の処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
気象観測システムでは、地理的に離れた各位置に設けられたセンサから得られた気温、湿度等のデータが収集される。このような気象観測システムとしては、例えば特許文献1に示されているようなものが提案されている。特許文献1のシステムは、各局地単位に割り当てられた気象予測装置(端末)が、当該局地の気温・湿度などのデータ、及び、広域の気象データを観測して、当該局地の気象予測を行うものである。
【0003】
しかしながら、特許文献1に示されているシステムでは、観測対象が気象予測に限定されており、端末やセンサで使用する、センシング信号処理や観測データ編集のプログラムが固定されている。
【0004】
また、特許文献2には、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現する方法が提案されている。特許文献2のシステムでは、センサはセンサヘッドから与えられるデータをセンシング信号処理してPLCに送信する。更に、PLCはそのデータを広域のネットワークに送信する。センサ−PLC間でセンシング信号処理アプリケーションプログラムのアップロード及びダウンロードが行われる。
【0005】
しかしながら、特許文献2に示されるものでは、単一のセンサを対象として、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現するものであり、複数のセンサ間のやり取りについては述べられていない。
【特許文献1】特開2005−221431号公報
【特許文献2】特開2000−269972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来の観測するシステムでは、観測対象が固定されており、端末で使用する観測データ編集用アプリケーションプログラムや、センサで使用するセンシング信号処理アプリケーションプログラムが固定されている。よって、センシングや観測の内容を容易に変更することができない。
【0007】
また、従来の観測システムでは、システムネットワーク構成がクライアントサーバ方式であり、各拠点でセンシング及び観測行うクライアント端末及びセンサと、全クライアント端末からのデータを一括して収集するサーバとで構成されている。このようなクライアントサーバ方式では、常にサーバ側からクライアント側に処理要求が行われており、クライアントが他のクライアントへ、センシング及び観測の処理を要求することは行われていない。また、クライアントサーバ方式では、あるサーバがダウンすると、その障害が全体に広がり、システム全体がダウンする危険性がある。
【0008】
本発明は、上述の課題を鑑み、地理的に離れて存在する各端末が自立的に観測を行い、端末間で観測情報を共有することにより、広域の観測を行うことができるようにすることにより、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現できるようにすると共に、要求される観測対象に応じて、観測方式を自在に変更できるようにした観測システム、観測システムの処理方法、端末装置、端末の処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、複数の端末と端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、各端末は、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録しておき、各端末のうち観測要求元端末は、端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、各端末のうち観測要求先端末は、観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、複数の端末は、ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストし、各端末のうち観測要求元端末は、ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、各端末のうち観測要求先端末は、観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、各端末は、ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、観測要求先端末は、観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、観測要求元端末は、観測処理要求を観測要求先端末に送信する際に、観測処理要求に優先度情報を付加し、観測要求先端末は、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、複数の端末と端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、各端末が端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録する工程と、各端末のうち観測要求元端末が端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、各端末のうち観測要求先端末が観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信する工程とからなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法である。
【0018】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、複数の端末がネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストする工程と、各端末のうち観測要求元端末がブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、各端末のうち観測要求先端末が観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信する工程とからなるようにしたことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、各端末は、ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする。
【0020】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、観測要求先端末は、観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする。
【0021】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求元端末は、観測処理要求を観測要求先端末に送信する際に、観測処理要求に優先度情報を付加し、観測要求先端末は、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする。
【0024】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録する端末プロファイル登録部と、端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定する観測対象決定部と、観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信する観測データ送信部とからなるようにしたことを特徴とする端末装置である。
【0026】
また本発明は、上述の端末装置において、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、その端末のプロファイルをブロードキャストする端末プロファイルブロードキャスト部と、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積する端末プロファイル処理部と、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定する観測対象決定部と、観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信する観測データ送信部とからなるようにしたことを特徴とする。
【0027】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムであって、端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録するステップと、端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信するステップとからなるプログラムである。
【0028】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、その端末のプロファイルをブロードキャストするステップと、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積するステップと、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信するステップとを行うことを特徴とする。
【0029】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、更に、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするステップを行うことを特徴とする。
【0030】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、更に、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するステップを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、地理的に離れて存在する各端末が取得した観測情報を、各端末間で、ピアツーピアで共有することにより、広域の観測情報が得られる。ピアツーピアでは、データ自体のやり取りは、サーバを介さず、各端末間で直接的に行われる。ピアツーピア方式のシステムでは、あるサーバがダウンしても、全体のシステムがダウンすることがない。よって、クライアントサーバ方式のシステムに比べて、システム全体での障害への耐性が高い。また、このようなシステムでは、各地での観測対象を、自端末又は他端末からの要求により、順次変更できる。また、観測処理のための端末間の連携が局所的である。よって、同時に独立した複数の連携が可能である。また、観測要求元端末からの要求により、観測要求先で使用するセンサや観測用プログラムを変更することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の観測システムを示すものである。図1において、1a、1b、…は端末、2はセンタサーバ、3はネットワークである。
【0033】
端末1a、1b、1c、…は、図2に示すように、各地に分散して配置されている。各端末1a、1b、1c、…には、温度センサや湿度センサ、震度センサ等のセンサ20が接続されている。分散配置された各端末1a、1b、1c、…のセンサ20で各地の観測情報が取得され、取得された観測情報は、ネットワーク3を介して、ピアツーピア方式で、各端末間で送受信される。このように、各地に分散配置されている端末1a、1b、1c、…で自立的に観測を行い、各端末1a、1b、1c、…の観測情報を共有することにより、広域の観測情報が得られる。
【0034】
端末1a、1b、1c、…は、図3に示すように、通信部11と、制御部12と、センサプロファイルデータベース13と、センサ使用状況データベース14と、観測対象情報データベース15とを有している。
【0035】
通信部11は、ネットワーク3を介してデータを送受信するためのものであり、各端末間で、ピアツーピア方式で通信を行うことができる。制御部12は、全体制御を行うものである。制御部12には、観測用プログラム16がインストールされている。
【0036】
制御部12には、インターフェース19を介して、センサ20が接続されている。センサ20は、観測情報を取得するための1又は複数のセンサである。センサ20は例えば気象観測用のセンサで、温度センサ、湿度センサ、震度センサ等が挙げられる。
【0037】
観測用プログラム16は、センシング信号処理アプリケーションプログラム17と、観測データ編集用アプリケーションプログラム18とが含まれる。センシング信号処理アプリケーションプログラム17は、センサ20からのセンシング情報を取得するためのアプリケーションプログラムである。観測データ編集用アプリケーションプログラム18は、センサ20からのセンシング信号を編集、加工して、地震予知、不快度計測、温度分布計測、湿度分布計測、火山予知、振動調査等を行うための観測情報を得るためのものである。
【0038】
センサプロファイルデータベース13は、その端末にどのような種別のセンサ20が接続されているかを示すものであり、各端末1a、1b、1c、…に接続されたセンサ20のセンサ種別に応じて作成される。センサプロファイルデータベース13には、図4に示すように、センサIDと、センサ種別と、精度とが記述される。なお、ここでは、センサプロファイルデータベース13に精度の項目が設けられているが、これは一例であり、精度の項目は必須ではない。また、センサプロファイルデータベース13に、センサの製造メーカ、センサを取り付けた日時等、他の項目を設けるようにしてもよい。
【0039】
センサ使用状況データベース14は、その端末に接続された各センサの現在の使用状況を示すものであり、各センサが使用される毎に、順次、書き換えられる。センサ使用状況データベース14には、図5に示すように、センサIDと、使用状況と、要求元端末の端末IDと、観測対象IDと、優先度とが記述される。
【0040】
観測対象情報データベース15は、要求された観測対象を実現するために必要なセンサ種別と、観測用プログラム種別との関連を示すものであり、予め作成されている。観測対象情報データベース15には、図6に示すように、観測対象IDと、センサ種別と、観測用プログラム種別(観測データ編集用アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)との対応が記述される。
【0041】
図1において、センタサーバ2は、端末プロファイル管理サーバ4と、観測用アプリケーション管理サーバ5とからなる。
【0042】
端末プロファイル管理サーバ4は、ネットワーク3上の各端末1a、1b、1c、…のプロファイル情報を提供するサーバで、端末プロファイルデータベース41を有している。端末プロファイルデータベース41には、図7に示すように、端末IDと、その端末の配置先と、稼働状況と、その端末のネットワーク上でのアドレス(IPアドレス)とが記述されている。端末プロファイルデータベース41には、例えば各端末1a、1b、1c、…がネットワーク3に接続されるときに登録される。
【0043】
観測用アプリケーション管理サーバ5は、観測に必要な観測用プログラム(観測データ編集用アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)を提供するものである。観測用アプリケーション管理サーバ5には、各観測対象や各センサに応じた多数の観測データ編集用アプリケーションプログラムやセンシング信号処理アプリケーションプログラムが蓄積された観測用アプリケーションデータベース42が設けられている。
【0044】
上述のように構成される本発明の第1の実施形態の観測システムの動作について、図8の機能ブロック図を参照して説明する。
【0045】
図8において、各端末1a、1b、1c、…は、予め、端末プロファイル登録部51により、その端末のプロファイルを登録する。端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル作成部52により、端末プロファイルデータベース41に各端末のプロファイルが蓄積される。これにより、図7に示したような端末プロファイルデータベース41が端末プロファイル管理サーバ4に生成される。
【0046】
観測要求元端末(ここでは、観測要求元端末を端末1aとする)の観測対象決定部53は、端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル検索部54に、観測要求先端末の問い合わせを行う。観測要求先端末の問い合わせは、例えば、端末の配置先をキーとする。端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル検索部54は、端末プロファイルデータベース41を参照して、要求に該当する情報の要求先端末を検索する。そして、観測対象決定部53に、該当する要求先端末の検索結果を送信する。
【0047】
端末1aの観測対象決定部53は、端末プロファイル管理サーバ4からの検索結果により、観測情報を要求する要求先端末を決定する。ここでは、観測要求先端末として、端末1bが決定されたとする。観測要求先端末が決定されると、端末1aの観測処理要求送信部55は、要求先端末1bに向けて、観測処理要求データを送信する。観測処理要求データは、図9に示すように、観測要求先端末IDと、観測要求元端末IDと、観測対象IDと、優先度からなる。
【0048】
観測処理要求受信部56は、観測処理要求データを受信すると、この観測処理要求データを観測方法決定部57に送る。観測方法決定部57は、観測対象情報データベース15を参照して、観測処理要求に必要なセンサ種別と、観測用プログラムを決定する。
【0049】
つまり、図6に示したように、観測対象情報データベース15には、観測対象IDと、センサ種別と、観測用プログラム種別(観測編集アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)との対応関係が記述されている。また、観測処理要求データには、図9に示したように、観測対象IDが含まれている。したがって、観測対象情報データベース15を参照して、観測処理要求に対応したセンサ種別と、観測用プログラムを決定することができる。例えば、要求している観測対象が地震予知なら、図6に示した観測対象情報データベース15を参照することで、必要なセンサ種別が震度センサで、必要な観測用プログラムが地震調査アプリケーションプログラムと、震度センシングアプリケーションプログラムであることがわかる。
【0050】
観測処理要求に必要なセンサ種別と、観測用プログラムが決定されたら、観測方法決定部57は、図4に示したセンサプロファイルデータベース13を参照して、その端末に接続されているセンサの種別を検索する。そして、観測処理可否決定部58は、観測方法決定部57からの検索結果と、センサ使用状況データベース14を参照して、観測の可否を判断する。
【0051】
なお、センサプロファイルデータベース13には、センサプロファイル登録部59により、例えば新たなセンサが接続される毎に、センサのプロファイルデータが登録される。また、センサ使用状況データベース14には、センサ使用状況登録部60により、センサの使用状況が切り替わる毎に、センサの使用状況の情報が登録される。
【0052】
観測処理可否決定部58は、要求された観測対象で使用すべきセンサが検索されなければ、観測不可とし、観測処理可否送信部64に、観測不可の観測処理可否データを送る。つまり、観測対象が地震予知なら、震度を計測する震度センサがセンサ20として接続されているかどうかを検索し、震度センサが検索されなければ、観測不可とする。
【0053】
要求された観測で使用すべきセンサが使用中でなければ、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、観測用プログラムがない場合には、観測用アプリケーションダウンロード部61により、要求された観測で使用すべき観測用プログラムをダウンロードするように要求する。観測用アプリケーションダウンロード部61は、これに基づいて、観測用アプリケーション管理サーバ5の観測用アプリケーション管理部62に、観測用プログラムをダウンロード要求を送る。観測用アプリケーション管理部62は、要求された観測用プログラムを観測用アプリケーションダウンロード部61に送り、観測用プログラムをダウンロードする。観測用アプリケーションダウンロード部61は、観測用アプリケーションをダウンロードすると、このダウンロードした観測用アプリケーションを、アプリケーションデータベース63に保存する。
【0054】
要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、センサ使用状況データベース14を参照して、使用中の観測対象と、観測処理要求データで送られてきた観測対象とを比較する。使用中の観測対象と、観測処理要求データで送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにする。
【0055】
つまり、端末1bに対して観測を要求している端末は、端末1aだけとは限らない。それ以外の端末が端末1bに観測を要求しており、又は端末1bが自端末での観測を行っており、要求したセンサが使用中であることが想定される。しかしながら、センサが使用中であったとしても、その観測対象が一致していれば、観測結果をそのまま使うことができる。
【0056】
例えば、使用中の観測対象が地震予知であり、端末1aが要求している観測対象も地震予知であるとすると、使用するセンサは震度センサで同じになり、観測データ編集用アプリケーションプログラムも地震調査アプリケーションプログラムで同じになり、センシング信号処理アプリケーションプログラムも震度センシングアプリケーションプログラムで同じになる。この場合、現在使用中のセンサからの観測結果をそのまま継続して、新たに観測要求している端末1aに送ることができる。
【0057】
使用中のセンサの観測対象と、要求された観測対象とが一致していない場合には、使用中の優先度と、要求している優先度とを比較して、観測の可否を決定している。
【0058】
つまり、例えば、地震予知も、火山予知も、振動調査も、全て、震度センサからのセンシング情報を用いて観測される(図6参照)。このように、異なる観測対象で同一のセンサが使用される場合を想定して、優先度が設定される。優先度は、観測対象に対応して設定される。例えば、地震予知や火山予知は、工事等による振動調査よりも被害が重大であるので、優先度が高く設定される。現在使用中のセンサの優先度は、図5に示したセンサ使用状況データベース14に記述される。また、観測処理要求データには、図9に示すように、優先度が付加される。このセンサ使用状況データベース14に記述されている現在のセンサの優先度と、観測処理要求データに付加された優先度とを比較し、これに応じて、観測の可否を決定する。すなわち、要求している優先度が使用中の優先度より高い場合には、観測を可能とし、要求している優先度が使用中の優先度より低い場合には、観測を不可とする。
【0059】
図8において、観測処理可否決定部58は、上述のようにして観測の可否を決定し、その観測の可否の情報を観測処理可否送信部64に送る。観測処理可否送信部64は、端末1aに向けて、観測処理可否データを送信する。この観測処理可否データは、図10に示すように、観測要求先端末IDと観測要求元端末IDと、観測可否結果と、その理由が付されている。端末1bの観測処理可否送信部64から送信された観測処理可否データは、端末1aの観測処理可否受信部65で受信される。
【0060】
また、センシング信号処理部66は、センサ20のセンシング信号を取得する。このセンシング信号は、センシング情報送信部67から送信され、センシング情報受信部68で受信され、観測データ編集部69に送られる。観測データ編集部69は、このセンシングデータを編集、加工して、観測データを生成する。この観測データは、観測データ送信部70に送られ、観測データ送信部70は、この観測データを端末1aに向けて送信する。端末1aの観測データ受信部71は、この観測処理可否データを受信する。
【0061】
次に、本発明の第1の実施形態の処理について、図11及び図12を参照して説明する。
【0062】
図11は、本発明の第1の実施形態の処理を示すシーケンス図である。図11に示すように、端末1a、1b、1c、…は、例えばネットワーク接続時に、各端末のプロファイルデータを端末プロファイル管理サーバ4に送る(ステップS1a、S1b、…)。端末プロファイル管理サーバ4は、各端末から送られてきたプロファイルデータを端末プロファイルデータベース41に登録する(ステップS2a、S2b、…)。
【0063】
例えば端末1aが観測要求元端末とすると、観測要求元端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4に端末のプロファイルの問い合わせする(ステップS3)。端末プロファイル管理サーバ4は、この問い合わせを受けると、端末プロファイルデータベース41を検索し、検索結果を端末1aに送信する(ステップS5)。
【0064】
端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4からの検索結果を受けて、要求先端末を決定する(ステップS6)。ここでは、端末1bが観測要求先端末として決定されたとすると、端末1aは端末1bに、観測処理要求データを送信する(ステップS7)。
【0065】
端末1bは、観測処理要求データを受信すると、観測対象情報データベース15を参照して、センサと観測用プログラムを決定する(ステップS8)。そして、センサプロファイルデータベース13とセンサ使用状況データベース14を参照して、観測の可否を判断する(ステップS9)。
【0066】
ここで、観測が不可であると判断されたら、端末1aに、観測不可を示す観測処理可否データを送信する(ステップS10)。
【0067】
観測が可能なら、観測用プログラムがあるかどうかを判断し(ステップS11)、観測用プログラムがない場合には、観測用アプリケーション管理サーバ5にダウンロード要求を行い(ステップS12)、観測用プログラムをダウンロードする(ステップS13)。そして、端末1aに、観測可を示す観測処理可否データを送信し(ステップS14)、観測データを送信する(ステップS15)。
【0068】
図12は、上述のステップS8〜ステップS15の観測可否判断の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
図12において、観測処理要求データを受信したかどうかが判断される(ステップS21)。観測処理要求データを受信したら、この観測対象IDに基づいて、観測対象情報データベース15を参照して(ステップS22)、要求されるセンサ種別と、要求される観測用プログラムが決定される(ステップS23)。そして、センサプロファイルデータベース13を参照して(ステップS24)、要求されるセンサ種別のセンサがあるかどうかが判断される(ステップS25)。要求されるセンサ種別のセンサがなければ、観測不可であると判断され、観測処理不可の観測処理可否データが送信される(ステップS26)。
【0070】
ステップS25で、要求されるセンサ種別のセンサがあると判断された場合には、センサ使用状況データベース14を参照して(ステップS27)、センサ使用状況が取得される。そして、センサが使用中かどうかが判断される(ステップS28)。
【0071】
ステップS28で、センサが使用中でなければ、要求される観測用プログラムがあるかどうかが判断される(ステップS29)。要求される観測用プログラムがある場合には、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0072】
ステップS29で、要求される観測用プログラムがないと判断された場合には、観測用アプリケーション管理サーバ5に、要求された観測用プログラムのダウンロード要求が送信され(ステップS33)、観測用プログラムがダウンロードされる(ステップS34)。そして、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0073】
ステップS28で、センサが使用中であると判断された場合、使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致するかどうかが判断される(ステップS35)。使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致している場合には、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0074】
ステップS35で、使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致していない場合には、センサ使用状況データベース14から得られる使用中のセンサの優先度と、観測処理要求データに含まれる要求している優先度とが比較され、要求している優先度が、使用中の優先度より大きいかどうかが判断される(ステップS36)。
【0075】
要求している優先度が使用中の優先度より大きい場合には、ステップS29に行き、観測処理要求に応じた観測を観測可能観測可能の場合の処理が行われる。要求している優先度が使用中の優先度より小さい場合には、観測不可であると判断され、観測処理不可の観測処理可否データが出力される(ステップS26)。
【0076】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態の観測システムでは、地理的に離れて存在する各端末1a、1b、1c、…が自立的に取得した観測情報を、各端末間1a、1b、1c、…間で、ピアツーピアで共有することにより、広域の観測情報が得られるようにしている。ピアツーピアでは、データ自体のやり取りは、サーバを介さず、各端末間で直接的に行われる。ピアツーピア方式のシステムでは、あるサーバがダウンしても、全体のシステムがダウンすることがない。よって、クライアントサーバ方式のシステムに比べて、システム全体での障害への耐性が高い。また、このようなシステムでは、各地での観測対象を、自端末又は他端末からの要求により、順次変更できる。また、観測処理のための端末間の連携が局所的である。よって、同時に独立した複数の連携が可能である。また、観測要求元端末からの要求により、観測要求先で使用するセンサや観測用プログラムを変更することが可能になる。
【0077】
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態を示すものである。前述の第1の実施形態では、端末プロファイル管理サーバ4がネットワーク3上に設けられ、各端末は各端末のプロファイルデータを端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイルデータベース41に登録しておき、観測情報を要求する端末を決定する際に、端末プロファイル管理サーバ4に問い合わせるようにしている。これに対して、この実施形態では、そのようなサーバを設けない構成としている。
【0078】
つまり、この第2の実施形態では、図13に示すように、端末101a、101b、…が各地に分散して配置される。各端末101a、101b、…には、温度センサや湿度センサ、震度センサ等のセンサ120が接続されている。分散配置された各端末101a、101b、…のセンサ120で各地の観測情報が取得され、取得された観測情報は、ネットワーク103を介して、ピアツーピア方式で、各端末間で送受信される。
【0079】
端末101a、101b、…は、図14に示すように、通信部111と、制御部112と、センサプロファイルデータベース113と、センサ使用状況データベース114と、観測対象情報データベース115とを有している。更に、端末101a、101b、…には、端末プロファイル処理部141と、端末ブロードキャスト部142とが設けられる。
【0080】
通信部111は、ネットワーク103を介してデータを送受信するためのものであり、各端末間で、ピアツーピア方式で通信を行うことができる。制御部112は、全体制御を行うものである。制御部112には、観測用プログラム16がインストールされている。
【0081】
制御部112には、インターフェース119を介して、センサ120が接続されている。観測用プログラム116は、センシング信号処理アプリケーションプログラム117と、観測データ編集用アプリケーションプログラム118とが含まれる。
【0082】
この第2の実施形態では、端末ブロードキャスト部142により、各端末のプロファイルをブロードキャストするためのデータを生成し、各端末101a、101b、…から、各自の端末のプロファイルデータをブロードキャストする。各端末101a、101b、…は、ブロードキャストにより送られてくるプロファイルデータを互いに受信し、端末プロファイル処理部141にプロファイルデータを蓄積する。そして、観測情報を要求する端末を決定する際に、各自の端末プロファイル処理部141により、観測情報を要求する要求先端末を決定するようにしている。
【0083】
他の構成については、前述の第1の実施形態と同様である。また、観測用プログラムについても、各端末101a、101b、…から、各自の端末で保有している観測用プログラムをブロードキャストし、観測用プログラムがない場合には、他の端末から観測用プログラムを互いにダウンロードすることができる。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、気象観測システム、火山活動観測システムの他、交通観測システム、環境システム等、各地の観測情報を取得する観測システムとして広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態の観測システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の観測システムの端末配置の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の観測システムにおける端末の構成を示すブロック図である。
【図4】センサプロファイルデータベースの説明図である。
【図5】センサ使用状況データベースの説明図である。
【図6】観測対象情報データベースの説明図である。
【図7】端末プロファイルデータベースの説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いる機能ブロック図である。
【図9】観測処理要求データのデータ構造の説明図である。
【図10】観測処理可否データのデータ構造の説明図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いるシーケンス図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態の観測システムの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の観測システムの端末配置の説明図である。
【符号の説明】
【0087】
1a、1b、1c、…:端末
2:センタサーバ
3:ネットワーク
4:端末プロファイル管理サーバ
5:観測用アプリケーション管理サーバ
13:センサプロファイルデータベース
14:センサ使用状況データベース
15:観測対象情報データベース
16:観測用プログラム
41:端末プロファイルデータベース
42:観測用アプリケーションデータベース
51:端末プロファイル登録部
52:端末プロファイル作成部
53:観測対象決定部
54:端末プロファイル検索部
55:観測処理要求送信部
56:観測処理要求受信部
57:観測方法決定部
58:観測処理可否決定部
59:センサプロファイル登録部
60:センサ使用状況登録部
61:観測用アプリケーションダウンロード部
62:観測用アプリケーション管理部
63:アプリケーションデータベース
64:観測処理可否送信部
65:観測処理可否受信部
66:センシング信号処理部
67:センシング情報送信部
68:センシング情報受信部
69:観測データ編集部
70:観測データ送信部
71:観測データ受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象観測システム等、地理的に離れた地点での観測結果を用いる観測システム、観測システムの処理方法、このような観測システムに用いられる端末装置、端末の処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
気象観測システムでは、地理的に離れた各位置に設けられたセンサから得られた気温、湿度等のデータが収集される。このような気象観測システムとしては、例えば特許文献1に示されているようなものが提案されている。特許文献1のシステムは、各局地単位に割り当てられた気象予測装置(端末)が、当該局地の気温・湿度などのデータ、及び、広域の気象データを観測して、当該局地の気象予測を行うものである。
【0003】
しかしながら、特許文献1に示されているシステムでは、観測対象が気象予測に限定されており、端末やセンサで使用する、センシング信号処理や観測データ編集のプログラムが固定されている。
【0004】
また、特許文献2には、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現する方法が提案されている。特許文献2のシステムでは、センサはセンサヘッドから与えられるデータをセンシング信号処理してPLCに送信する。更に、PLCはそのデータを広域のネットワークに送信する。センサ−PLC間でセンシング信号処理アプリケーションプログラムのアップロード及びダウンロードが行われる。
【0005】
しかしながら、特許文献2に示されるものでは、単一のセンサを対象として、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現するものであり、複数のセンサ間のやり取りについては述べられていない。
【特許文献1】特開2005−221431号公報
【特許文献2】特開2000−269972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来の観測するシステムでは、観測対象が固定されており、端末で使用する観測データ編集用アプリケーションプログラムや、センサで使用するセンシング信号処理アプリケーションプログラムが固定されている。よって、センシングや観測の内容を容易に変更することができない。
【0007】
また、従来の観測システムでは、システムネットワーク構成がクライアントサーバ方式であり、各拠点でセンシング及び観測行うクライアント端末及びセンサと、全クライアント端末からのデータを一括して収集するサーバとで構成されている。このようなクライアントサーバ方式では、常にサーバ側からクライアント側に処理要求が行われており、クライアントが他のクライアントへ、センシング及び観測の処理を要求することは行われていない。また、クライアントサーバ方式では、あるサーバがダウンすると、その障害が全体に広がり、システム全体がダウンする危険性がある。
【0008】
本発明は、上述の課題を鑑み、地理的に離れて存在する各端末が自立的に観測を行い、端末間で観測情報を共有することにより、広域の観測を行うことができるようにすることにより、少ないハードウェア資源で多様な処理機能を実現できるようにすると共に、要求される観測対象に応じて、観測方式を自在に変更できるようにした観測システム、観測システムの処理方法、端末装置、端末の処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、複数の端末と端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、各端末は、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録しておき、各端末のうち観測要求元端末は、端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、各端末のうち観測要求先端末は、観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、複数の端末は、ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストし、各端末のうち観測要求元端末は、ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、各端末のうち観測要求先端末は、観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、各端末は、ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、観測要求先端末は、観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、観測要求元端末は、観測処理要求を観測要求先端末に送信する際に、観測処理要求に優先度情報を付加し、観測要求先端末は、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、複数の端末と端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、各端末が端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録する工程と、各端末のうち観測要求元端末が端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、各端末のうち観測要求先端末が観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信する工程とからなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法である。
【0018】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、複数の端末がネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストする工程と、各端末のうち観測要求元端末がブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、各端末のうち観測要求先端末が観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にネットワークを介してセンサから得られた観測データを送信する工程とからなるようにしたことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、各端末は、ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする。
【0020】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、観測要求先端末は、観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする。
【0021】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求元端末は、観測処理要求を観測要求先端末に送信する際に、観測処理要求に優先度情報を付加し、観測要求先端末は、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする。
【0024】
また本発明は、上述の観測システムの処理方法において、観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録する端末プロファイル登録部と、端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定する観測対象決定部と、観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信する観測データ送信部とからなるようにしたことを特徴とする端末装置である。
【0026】
また本発明は、上述の端末装置において、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、その端末のプロファイルをブロードキャストする端末プロファイルブロードキャスト部と、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積する端末プロファイル処理部と、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定する観測対象決定部と、観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信する観測データ送信部とからなるようにしたことを特徴とする。
【0027】
また本発明は、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムであって、端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録するステップと、端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信するステップとからなるプログラムである。
【0028】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、その端末のプロファイルをブロードキャストするステップと、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積するステップと、ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、観測が可能なら、観測要求先端末から観測要求元端末にセンサから得られた観測データを送信するステップとを行うことを特徴とする。
【0029】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、更に、観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするステップを行うことを特徴とする。
【0030】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、更に、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するステップを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、地理的に離れて存在する各端末が取得した観測情報を、各端末間で、ピアツーピアで共有することにより、広域の観測情報が得られる。ピアツーピアでは、データ自体のやり取りは、サーバを介さず、各端末間で直接的に行われる。ピアツーピア方式のシステムでは、あるサーバがダウンしても、全体のシステムがダウンすることがない。よって、クライアントサーバ方式のシステムに比べて、システム全体での障害への耐性が高い。また、このようなシステムでは、各地での観測対象を、自端末又は他端末からの要求により、順次変更できる。また、観測処理のための端末間の連携が局所的である。よって、同時に独立した複数の連携が可能である。また、観測要求元端末からの要求により、観測要求先で使用するセンサや観測用プログラムを変更することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の観測システムを示すものである。図1において、1a、1b、…は端末、2はセンタサーバ、3はネットワークである。
【0033】
端末1a、1b、1c、…は、図2に示すように、各地に分散して配置されている。各端末1a、1b、1c、…には、温度センサや湿度センサ、震度センサ等のセンサ20が接続されている。分散配置された各端末1a、1b、1c、…のセンサ20で各地の観測情報が取得され、取得された観測情報は、ネットワーク3を介して、ピアツーピア方式で、各端末間で送受信される。このように、各地に分散配置されている端末1a、1b、1c、…で自立的に観測を行い、各端末1a、1b、1c、…の観測情報を共有することにより、広域の観測情報が得られる。
【0034】
端末1a、1b、1c、…は、図3に示すように、通信部11と、制御部12と、センサプロファイルデータベース13と、センサ使用状況データベース14と、観測対象情報データベース15とを有している。
【0035】
通信部11は、ネットワーク3を介してデータを送受信するためのものであり、各端末間で、ピアツーピア方式で通信を行うことができる。制御部12は、全体制御を行うものである。制御部12には、観測用プログラム16がインストールされている。
【0036】
制御部12には、インターフェース19を介して、センサ20が接続されている。センサ20は、観測情報を取得するための1又は複数のセンサである。センサ20は例えば気象観測用のセンサで、温度センサ、湿度センサ、震度センサ等が挙げられる。
【0037】
観測用プログラム16は、センシング信号処理アプリケーションプログラム17と、観測データ編集用アプリケーションプログラム18とが含まれる。センシング信号処理アプリケーションプログラム17は、センサ20からのセンシング情報を取得するためのアプリケーションプログラムである。観測データ編集用アプリケーションプログラム18は、センサ20からのセンシング信号を編集、加工して、地震予知、不快度計測、温度分布計測、湿度分布計測、火山予知、振動調査等を行うための観測情報を得るためのものである。
【0038】
センサプロファイルデータベース13は、その端末にどのような種別のセンサ20が接続されているかを示すものであり、各端末1a、1b、1c、…に接続されたセンサ20のセンサ種別に応じて作成される。センサプロファイルデータベース13には、図4に示すように、センサIDと、センサ種別と、精度とが記述される。なお、ここでは、センサプロファイルデータベース13に精度の項目が設けられているが、これは一例であり、精度の項目は必須ではない。また、センサプロファイルデータベース13に、センサの製造メーカ、センサを取り付けた日時等、他の項目を設けるようにしてもよい。
【0039】
センサ使用状況データベース14は、その端末に接続された各センサの現在の使用状況を示すものであり、各センサが使用される毎に、順次、書き換えられる。センサ使用状況データベース14には、図5に示すように、センサIDと、使用状況と、要求元端末の端末IDと、観測対象IDと、優先度とが記述される。
【0040】
観測対象情報データベース15は、要求された観測対象を実現するために必要なセンサ種別と、観測用プログラム種別との関連を示すものであり、予め作成されている。観測対象情報データベース15には、図6に示すように、観測対象IDと、センサ種別と、観測用プログラム種別(観測データ編集用アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)との対応が記述される。
【0041】
図1において、センタサーバ2は、端末プロファイル管理サーバ4と、観測用アプリケーション管理サーバ5とからなる。
【0042】
端末プロファイル管理サーバ4は、ネットワーク3上の各端末1a、1b、1c、…のプロファイル情報を提供するサーバで、端末プロファイルデータベース41を有している。端末プロファイルデータベース41には、図7に示すように、端末IDと、その端末の配置先と、稼働状況と、その端末のネットワーク上でのアドレス(IPアドレス)とが記述されている。端末プロファイルデータベース41には、例えば各端末1a、1b、1c、…がネットワーク3に接続されるときに登録される。
【0043】
観測用アプリケーション管理サーバ5は、観測に必要な観測用プログラム(観測データ編集用アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)を提供するものである。観測用アプリケーション管理サーバ5には、各観測対象や各センサに応じた多数の観測データ編集用アプリケーションプログラムやセンシング信号処理アプリケーションプログラムが蓄積された観測用アプリケーションデータベース42が設けられている。
【0044】
上述のように構成される本発明の第1の実施形態の観測システムの動作について、図8の機能ブロック図を参照して説明する。
【0045】
図8において、各端末1a、1b、1c、…は、予め、端末プロファイル登録部51により、その端末のプロファイルを登録する。端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル作成部52により、端末プロファイルデータベース41に各端末のプロファイルが蓄積される。これにより、図7に示したような端末プロファイルデータベース41が端末プロファイル管理サーバ4に生成される。
【0046】
観測要求元端末(ここでは、観測要求元端末を端末1aとする)の観測対象決定部53は、端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル検索部54に、観測要求先端末の問い合わせを行う。観測要求先端末の問い合わせは、例えば、端末の配置先をキーとする。端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイル検索部54は、端末プロファイルデータベース41を参照して、要求に該当する情報の要求先端末を検索する。そして、観測対象決定部53に、該当する要求先端末の検索結果を送信する。
【0047】
端末1aの観測対象決定部53は、端末プロファイル管理サーバ4からの検索結果により、観測情報を要求する要求先端末を決定する。ここでは、観測要求先端末として、端末1bが決定されたとする。観測要求先端末が決定されると、端末1aの観測処理要求送信部55は、要求先端末1bに向けて、観測処理要求データを送信する。観測処理要求データは、図9に示すように、観測要求先端末IDと、観測要求元端末IDと、観測対象IDと、優先度からなる。
【0048】
観測処理要求受信部56は、観測処理要求データを受信すると、この観測処理要求データを観測方法決定部57に送る。観測方法決定部57は、観測対象情報データベース15を参照して、観測処理要求に必要なセンサ種別と、観測用プログラムを決定する。
【0049】
つまり、図6に示したように、観測対象情報データベース15には、観測対象IDと、センサ種別と、観測用プログラム種別(観測編集アプリケーションプログラム及びセンシング信号処理アプリケーションプログラム)との対応関係が記述されている。また、観測処理要求データには、図9に示したように、観測対象IDが含まれている。したがって、観測対象情報データベース15を参照して、観測処理要求に対応したセンサ種別と、観測用プログラムを決定することができる。例えば、要求している観測対象が地震予知なら、図6に示した観測対象情報データベース15を参照することで、必要なセンサ種別が震度センサで、必要な観測用プログラムが地震調査アプリケーションプログラムと、震度センシングアプリケーションプログラムであることがわかる。
【0050】
観測処理要求に必要なセンサ種別と、観測用プログラムが決定されたら、観測方法決定部57は、図4に示したセンサプロファイルデータベース13を参照して、その端末に接続されているセンサの種別を検索する。そして、観測処理可否決定部58は、観測方法決定部57からの検索結果と、センサ使用状況データベース14を参照して、観測の可否を判断する。
【0051】
なお、センサプロファイルデータベース13には、センサプロファイル登録部59により、例えば新たなセンサが接続される毎に、センサのプロファイルデータが登録される。また、センサ使用状況データベース14には、センサ使用状況登録部60により、センサの使用状況が切り替わる毎に、センサの使用状況の情報が登録される。
【0052】
観測処理可否決定部58は、要求された観測対象で使用すべきセンサが検索されなければ、観測不可とし、観測処理可否送信部64に、観測不可の観測処理可否データを送る。つまり、観測対象が地震予知なら、震度を計測する震度センサがセンサ20として接続されているかどうかを検索し、震度センサが検索されなければ、観測不可とする。
【0053】
要求された観測で使用すべきセンサが使用中でなければ、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、観測用プログラムがない場合には、観測用アプリケーションダウンロード部61により、要求された観測で使用すべき観測用プログラムをダウンロードするように要求する。観測用アプリケーションダウンロード部61は、これに基づいて、観測用アプリケーション管理サーバ5の観測用アプリケーション管理部62に、観測用プログラムをダウンロード要求を送る。観測用アプリケーション管理部62は、要求された観測用プログラムを観測用アプリケーションダウンロード部61に送り、観測用プログラムをダウンロードする。観測用アプリケーションダウンロード部61は、観測用アプリケーションをダウンロードすると、このダウンロードした観測用アプリケーションを、アプリケーションデータベース63に保存する。
【0054】
要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、センサ使用状況データベース14を参照して、使用中の観測対象と、観測処理要求データで送られてきた観測対象とを比較する。使用中の観測対象と、観測処理要求データで送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにする。
【0055】
つまり、端末1bに対して観測を要求している端末は、端末1aだけとは限らない。それ以外の端末が端末1bに観測を要求しており、又は端末1bが自端末での観測を行っており、要求したセンサが使用中であることが想定される。しかしながら、センサが使用中であったとしても、その観測対象が一致していれば、観測結果をそのまま使うことができる。
【0056】
例えば、使用中の観測対象が地震予知であり、端末1aが要求している観測対象も地震予知であるとすると、使用するセンサは震度センサで同じになり、観測データ編集用アプリケーションプログラムも地震調査アプリケーションプログラムで同じになり、センシング信号処理アプリケーションプログラムも震度センシングアプリケーションプログラムで同じになる。この場合、現在使用中のセンサからの観測結果をそのまま継続して、新たに観測要求している端末1aに送ることができる。
【0057】
使用中のセンサの観測対象と、要求された観測対象とが一致していない場合には、使用中の優先度と、要求している優先度とを比較して、観測の可否を決定している。
【0058】
つまり、例えば、地震予知も、火山予知も、振動調査も、全て、震度センサからのセンシング情報を用いて観測される(図6参照)。このように、異なる観測対象で同一のセンサが使用される場合を想定して、優先度が設定される。優先度は、観測対象に対応して設定される。例えば、地震予知や火山予知は、工事等による振動調査よりも被害が重大であるので、優先度が高く設定される。現在使用中のセンサの優先度は、図5に示したセンサ使用状況データベース14に記述される。また、観測処理要求データには、図9に示すように、優先度が付加される。このセンサ使用状況データベース14に記述されている現在のセンサの優先度と、観測処理要求データに付加された優先度とを比較し、これに応じて、観測の可否を決定する。すなわち、要求している優先度が使用中の優先度より高い場合には、観測を可能とし、要求している優先度が使用中の優先度より低い場合には、観測を不可とする。
【0059】
図8において、観測処理可否決定部58は、上述のようにして観測の可否を決定し、その観測の可否の情報を観測処理可否送信部64に送る。観測処理可否送信部64は、端末1aに向けて、観測処理可否データを送信する。この観測処理可否データは、図10に示すように、観測要求先端末IDと観測要求元端末IDと、観測可否結果と、その理由が付されている。端末1bの観測処理可否送信部64から送信された観測処理可否データは、端末1aの観測処理可否受信部65で受信される。
【0060】
また、センシング信号処理部66は、センサ20のセンシング信号を取得する。このセンシング信号は、センシング情報送信部67から送信され、センシング情報受信部68で受信され、観測データ編集部69に送られる。観測データ編集部69は、このセンシングデータを編集、加工して、観測データを生成する。この観測データは、観測データ送信部70に送られ、観測データ送信部70は、この観測データを端末1aに向けて送信する。端末1aの観測データ受信部71は、この観測処理可否データを受信する。
【0061】
次に、本発明の第1の実施形態の処理について、図11及び図12を参照して説明する。
【0062】
図11は、本発明の第1の実施形態の処理を示すシーケンス図である。図11に示すように、端末1a、1b、1c、…は、例えばネットワーク接続時に、各端末のプロファイルデータを端末プロファイル管理サーバ4に送る(ステップS1a、S1b、…)。端末プロファイル管理サーバ4は、各端末から送られてきたプロファイルデータを端末プロファイルデータベース41に登録する(ステップS2a、S2b、…)。
【0063】
例えば端末1aが観測要求元端末とすると、観測要求元端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4に端末のプロファイルの問い合わせする(ステップS3)。端末プロファイル管理サーバ4は、この問い合わせを受けると、端末プロファイルデータベース41を検索し、検索結果を端末1aに送信する(ステップS5)。
【0064】
端末1aは、端末プロファイル管理サーバ4からの検索結果を受けて、要求先端末を決定する(ステップS6)。ここでは、端末1bが観測要求先端末として決定されたとすると、端末1aは端末1bに、観測処理要求データを送信する(ステップS7)。
【0065】
端末1bは、観測処理要求データを受信すると、観測対象情報データベース15を参照して、センサと観測用プログラムを決定する(ステップS8)。そして、センサプロファイルデータベース13とセンサ使用状況データベース14を参照して、観測の可否を判断する(ステップS9)。
【0066】
ここで、観測が不可であると判断されたら、端末1aに、観測不可を示す観測処理可否データを送信する(ステップS10)。
【0067】
観測が可能なら、観測用プログラムがあるかどうかを判断し(ステップS11)、観測用プログラムがない場合には、観測用アプリケーション管理サーバ5にダウンロード要求を行い(ステップS12)、観測用プログラムをダウンロードする(ステップS13)。そして、端末1aに、観測可を示す観測処理可否データを送信し(ステップS14)、観測データを送信する(ステップS15)。
【0068】
図12は、上述のステップS8〜ステップS15の観測可否判断の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
図12において、観測処理要求データを受信したかどうかが判断される(ステップS21)。観測処理要求データを受信したら、この観測対象IDに基づいて、観測対象情報データベース15を参照して(ステップS22)、要求されるセンサ種別と、要求される観測用プログラムが決定される(ステップS23)。そして、センサプロファイルデータベース13を参照して(ステップS24)、要求されるセンサ種別のセンサがあるかどうかが判断される(ステップS25)。要求されるセンサ種別のセンサがなければ、観測不可であると判断され、観測処理不可の観測処理可否データが送信される(ステップS26)。
【0070】
ステップS25で、要求されるセンサ種別のセンサがあると判断された場合には、センサ使用状況データベース14を参照して(ステップS27)、センサ使用状況が取得される。そして、センサが使用中かどうかが判断される(ステップS28)。
【0071】
ステップS28で、センサが使用中でなければ、要求される観測用プログラムがあるかどうかが判断される(ステップS29)。要求される観測用プログラムがある場合には、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0072】
ステップS29で、要求される観測用プログラムがないと判断された場合には、観測用アプリケーション管理サーバ5に、要求された観測用プログラムのダウンロード要求が送信され(ステップS33)、観測用プログラムがダウンロードされる(ステップS34)。そして、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0073】
ステップS28で、センサが使用中であると判断された場合、使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致するかどうかが判断される(ステップS35)。使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致している場合には、観測可であると判断され、観測処理可の観測処理可否データが送信される(ステップS30)。そして、センサのセンシング情報から得られた観測データが送信される(ステップS31)。そして、新たなセンサの使用情報に応じて、センサ使用状況データベース14が更新される(ステップS32)。
【0074】
ステップS35で、使用中のセンサの観測対象IDと、要求された観測対象IDとが一致していない場合には、センサ使用状況データベース14から得られる使用中のセンサの優先度と、観測処理要求データに含まれる要求している優先度とが比較され、要求している優先度が、使用中の優先度より大きいかどうかが判断される(ステップS36)。
【0075】
要求している優先度が使用中の優先度より大きい場合には、ステップS29に行き、観測処理要求に応じた観測を観測可能観測可能の場合の処理が行われる。要求している優先度が使用中の優先度より小さい場合には、観測不可であると判断され、観測処理不可の観測処理可否データが出力される(ステップS26)。
【0076】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態の観測システムでは、地理的に離れて存在する各端末1a、1b、1c、…が自立的に取得した観測情報を、各端末間1a、1b、1c、…間で、ピアツーピアで共有することにより、広域の観測情報が得られるようにしている。ピアツーピアでは、データ自体のやり取りは、サーバを介さず、各端末間で直接的に行われる。ピアツーピア方式のシステムでは、あるサーバがダウンしても、全体のシステムがダウンすることがない。よって、クライアントサーバ方式のシステムに比べて、システム全体での障害への耐性が高い。また、このようなシステムでは、各地での観測対象を、自端末又は他端末からの要求により、順次変更できる。また、観測処理のための端末間の連携が局所的である。よって、同時に独立した複数の連携が可能である。また、観測要求元端末からの要求により、観測要求先で使用するセンサや観測用プログラムを変更することが可能になる。
【0077】
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態を示すものである。前述の第1の実施形態では、端末プロファイル管理サーバ4がネットワーク3上に設けられ、各端末は各端末のプロファイルデータを端末プロファイル管理サーバ4の端末プロファイルデータベース41に登録しておき、観測情報を要求する端末を決定する際に、端末プロファイル管理サーバ4に問い合わせるようにしている。これに対して、この実施形態では、そのようなサーバを設けない構成としている。
【0078】
つまり、この第2の実施形態では、図13に示すように、端末101a、101b、…が各地に分散して配置される。各端末101a、101b、…には、温度センサや湿度センサ、震度センサ等のセンサ120が接続されている。分散配置された各端末101a、101b、…のセンサ120で各地の観測情報が取得され、取得された観測情報は、ネットワーク103を介して、ピアツーピア方式で、各端末間で送受信される。
【0079】
端末101a、101b、…は、図14に示すように、通信部111と、制御部112と、センサプロファイルデータベース113と、センサ使用状況データベース114と、観測対象情報データベース115とを有している。更に、端末101a、101b、…には、端末プロファイル処理部141と、端末ブロードキャスト部142とが設けられる。
【0080】
通信部111は、ネットワーク103を介してデータを送受信するためのものであり、各端末間で、ピアツーピア方式で通信を行うことができる。制御部112は、全体制御を行うものである。制御部112には、観測用プログラム16がインストールされている。
【0081】
制御部112には、インターフェース119を介して、センサ120が接続されている。観測用プログラム116は、センシング信号処理アプリケーションプログラム117と、観測データ編集用アプリケーションプログラム118とが含まれる。
【0082】
この第2の実施形態では、端末ブロードキャスト部142により、各端末のプロファイルをブロードキャストするためのデータを生成し、各端末101a、101b、…から、各自の端末のプロファイルデータをブロードキャストする。各端末101a、101b、…は、ブロードキャストにより送られてくるプロファイルデータを互いに受信し、端末プロファイル処理部141にプロファイルデータを蓄積する。そして、観測情報を要求する端末を決定する際に、各自の端末プロファイル処理部141により、観測情報を要求する要求先端末を決定するようにしている。
【0083】
他の構成については、前述の第1の実施形態と同様である。また、観測用プログラムについても、各端末101a、101b、…から、各自の端末で保有している観測用プログラムをブロードキャストし、観測用プログラムがない場合には、他の端末から観測用プログラムを互いにダウンロードすることができる。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、気象観測システム、火山活動観測システムの他、交通観測システム、環境システム等、各地の観測情報を取得する観測システムとして広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態の観測システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の観測システムの端末配置の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の観測システムにおける端末の構成を示すブロック図である。
【図4】センサプロファイルデータベースの説明図である。
【図5】センサ使用状況データベースの説明図である。
【図6】観測対象情報データベースの説明図である。
【図7】端末プロファイルデータベースの説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いる機能ブロック図である。
【図9】観測処理要求データのデータ構造の説明図である。
【図10】観測処理可否データのデータ構造の説明図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いるシーケンス図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の観測システムの動作説明に用いるフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態の観測システムの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の観測システムの端末配置の説明図である。
【符号の説明】
【0087】
1a、1b、1c、…:端末
2:センタサーバ
3:ネットワーク
4:端末プロファイル管理サーバ
5:観測用アプリケーション管理サーバ
13:センサプロファイルデータベース
14:センサ使用状況データベース
15:観測対象情報データベース
16:観測用プログラム
41:端末プロファイルデータベース
42:観測用アプリケーションデータベース
51:端末プロファイル登録部
52:端末プロファイル作成部
53:観測対象決定部
54:端末プロファイル検索部
55:観測処理要求送信部
56:観測処理要求受信部
57:観測方法決定部
58:観測処理可否決定部
59:センサプロファイル登録部
60:センサ使用状況登録部
61:観測用アプリケーションダウンロード部
62:観測用アプリケーション管理部
63:アプリケーションデータベース
64:観測処理可否送信部
65:観測処理可否受信部
66:センシング信号処理部
67:センシング情報送信部
68:センシング情報受信部
69:観測データ編集部
70:観測データ送信部
71:観測データ受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、
各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、
前記複数の端末と前記端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記各端末は、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録しておき、
前記各端末のうち観測要求元端末は、前記端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、
前記各端末のうち観測要求先端末は、前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する
ようにしたことを特徴とする観測システム。
【請求項2】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、
前記複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記複数の端末は、前記ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストし、
前記各端末のうち観測要求元端末は、前記ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、
前記各端末のうち観測要求先端末は、前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する
ようにしたことを特徴とする観測システム。
【請求項3】
前記各端末は、前記ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項4】
前記複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、
前記観測要求先端末は、前記観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、前記観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項5】
前記ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを前記観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項6】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項7】
前記観測要求元端末は、前記観測処理要求を前記観測要求先端末に送信する際に、前記観測処理要求に優先度情報を付加し、
前記観測要求先端末は、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項8】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項9】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する前記端末プロファイル管理サーバと、前記複数の端末と前記端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記各端末が前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録する工程と、
前記各端末のうち観測要求元端末が前記端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、
前記各端末のうち観測要求先端末が前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する工程と
からなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法。
【請求項10】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、前記複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記複数の端末が前記ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストする工程と、
前記各端末のうち観測要求元端末が前記ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、
前記各端末のうち観測要求先端末が前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する工程と
からなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法。
【請求項11】
前記各端末は、前記ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項12】
前記複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、
前記観測要求先端末は、前記観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、前記観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項13】
前記ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを前記観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項14】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項15】
前記観測要求元端末は、前記観測処理要求を前記観測要求先端末に送信する際に、前記観測処理要求に優先度情報を付加し、
前記観測要求先端末は、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項16】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項17】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、
その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、
その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、
端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録する端末プロファイル登録部と、
前記端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定する観測対象決定部と、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信する観測データ送信部と
からなるようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項18】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、
その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、
その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、
その端末のプロファイルをブロードキャストする端末プロファイルブロードキャスト部と、
ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積する端末プロファイル処理部と、
前記ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定する観測対象決定部と、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信する観測データ送信部と
からなるようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項19】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、
端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録するステップと、
前記端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定するステップと、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、
センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信するステップと
からなるようにしたことを特徴とする端末の処理プログラム。
【請求項20】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、
その端末のプロファイルをブロードキャストするステップと、
ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積するステップと、
前記ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定するステップと、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信するステップと
からなるようにしたことを特徴とする端末の処理プログラム。
【請求項21】
更に、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするステップを含むようにしたことを特徴とする請求項19又は20に記載の端末の処理プログラム。
【請求項22】
更に、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するステップを含むようにしたことを特徴とする請求項19又は20に記載の端末の処理プログラム。
【請求項1】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、
各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する端末プロファイル管理サーバと、
前記複数の端末と前記端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記各端末は、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録しておき、
前記各端末のうち観測要求元端末は、前記端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、
前記各端末のうち観測要求先端末は、前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する
ようにしたことを特徴とする観測システム。
【請求項2】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、
前記複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記複数の端末は、前記ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストし、
前記各端末のうち観測要求元端末は、前記ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信し、
前記各端末のうち観測要求先端末は、前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する
ようにしたことを特徴とする観測システム。
【請求項3】
前記各端末は、前記ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項4】
前記複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、
前記観測要求先端末は、前記観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、前記観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項5】
前記ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを前記観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項6】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項7】
前記観測要求元端末は、前記観測処理要求を前記観測要求先端末に送信する際に、前記観測処理要求に優先度情報を付加し、
前記観測要求先端末は、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項8】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の観測システム。
【請求項9】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、各端末のプロファイルを示す端末プロファイルデータベースを有する前記端末プロファイル管理サーバと、前記複数の端末と前記端末プロファイル管理サーバとを接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記各端末が前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースに各端末のプロファイルを登録する工程と、
前記各端末のうち観測要求元端末が前記端末プロファイル管理サーバに問い合わせを行い、前記端末プロファイル管理サーバの端末プロファイルデータベースを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、
前記各端末のうち観測要求先端末が前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する工程と
からなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法。
【請求項10】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される複数の端末と、前記複数の端末の間を接続するネットワークとからなり、各地の観測情報を取得する観測システムの処理方法において、
前記各端末は、その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースを有し、
前記複数の端末が前記ネットワークに接続された他の端末にプロファイルデータをブロードキャストする工程と、
前記各端末のうち観測要求元端末が前記ブロードキャストにより送られてきた各端末のプロファイルを参照して、観測要求先端末を決定し、前記決定した観測要求先端末に観測処理要求を送信する工程と、
前記各端末のうち観測要求先端末が前記観測要求元端末からの観測処理要求を受信したら、使用するセンサと観測用プログラムを決定し、前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断し、観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記ネットワークを介して前記センサから得られた観測データを送信する工程と
からなるようにしたことを特徴とする観測システムの処理方法。
【請求項11】
前記各端末は、前記ネットワークを介して、ピアツーピアでデータのやり取りを行うようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項12】
前記複数の端末は、更に、観測に使用すべきセンサと、観測用プログラムとの対応関係を示す観測対象情報データベースを有し、
前記観測要求先端末は、前記観測要求元端末から送られてきた観測処理要求を受信したら、前記観測対象情報データベースを参照して、使用すべきセンサと、観測用プログラムを決めるようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項13】
前記ネットワークには、更に、観測用プログラムを提供する観測用アプリケーション管理サーバが設けられ、
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを前記観測用アプリケーション管理サーバからダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項14】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべき観測用プログラムがあるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべき観測用プログラムがない場合には、要求された観測で使用すべき観測用プログラムを他の端末からダウンロードするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項15】
前記観測要求元端末は、前記観測処理要求を前記観測要求先端末に送信する際に、前記観測処理要求に優先度情報を付加し、
前記観測要求先端末は、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項16】
前記観測要求先端末は、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の観測システムの処理方法。
【請求項17】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、
その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、
その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、
端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録する端末プロファイル登録部と、
前記端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定する観測対象決定部と、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信する観測データ送信部と
からなるようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項18】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末装置において、
その端末に接続されたセンサのプロファイルを示すセンサプロファイルデータベースと、
その端末に接続されたセンサの使用状況を示すセンサ使用状況データベースと、
その端末のプロファイルをブロードキャストする端末プロファイルブロードキャスト部と、
ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積する端末プロファイル処理部と、
前記ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定する観測対象決定部と、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信する観測処理要求受信部と、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定する観測方法決定部と、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断する観測処理可否決定部と、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信する観測データ送信部と
からなるようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項19】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、
端末プロファイル管理サーバに端末プロファイルを登録するステップと、
前記端末プロファイル管理サーバからの検索結果に基づいて、観測対象を決定するステップと、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、
センサプロファイルデータベースとセンサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信するステップと
からなるようにしたことを特徴とする端末の処理プログラム。
【請求項20】
各地の観測情報を取得するセンサが接続される端末の処理プログラムにおいて、
その端末のプロファイルをブロードキャストするステップと、
ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを受信して蓄積するステップと、
前記ブロードキャストにより送られてきた端末のプロファイルを基に、観測対象を決定するステップと、
観測要求元端末からの観測処理要求を受信するステップと、
前記観測要求元端末からの観測処理要求から使用するセンサと観測用プログラムを決定するステップと、
前記センサプロファイルデータベースと前記センサ使用状況データベースを参照して観測の可否を判断するステップと、
観測が可能なら、前記観測要求先端末から前記観測要求元端末に前記センサから得られた観測データを送信するステップと
からなるようにしたことを特徴とする端末の処理プログラム。
【請求項21】
更に、前記観測処理要求を受信したら、使用中の優先度と、観測処理要求で送られてきた優先度とを比較し、観測処理要求で送られてきた優先度が使用中の優先度より大きい場合には、前記観測処理要求に応じた観測を観測可能とするステップを含むようにしたことを特徴とする請求項19又は20に記載の端末の処理プログラム。
【請求項22】
更に、要求された観測で使用すべきセンサが使用中であるかどうかを判断し、前記要求された観測で使用すべきセンサが使用中なら、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とを比較し、使用中の観測対象と、観測処理要求で送られてきた観測対象とが一致している場合には、そのセンサの出力を継続するステップを含むようにしたことを特徴とする請求項19又は20に記載の端末の処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−232582(P2007−232582A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54878(P2006−54878)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
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