説明

角底袋製袋機における筋付け装置

【課題】筋付け装置における折返筋付けローラの容量を軽くしてこれの移動、交換を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】紙筒の一面側を角底部で折り返すための折返筋L,L′を折り畳み前の袋用紙に入れる折返筋付けローラ部100,100′を有する角底袋製袋機の筋付け装置5において、上記折返筋付けローラ部を、上記袋用紙の筒状に成形後の一面側に谷折り状となる折り筋を入れるローラ対100bと、筒状の成形後の他面側のマチ部に山折り状となる折り筋を入れるローラ対100aとし、各ローラ対を軸方向に離隔して軸に取り付けた複数のフランジ102a〜102f,102a′〜102f′,Fにて構成し、各ローラ対の一方に筋付け刃103,106を、他方にこの筋付け刃を受ける刃受け104,105を、それぞれローラを構成するフランジの外周部に軸方向に掛け渡し固定した構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばショッピングバッグ等、底が角状になっている角底袋を連続的に形成する角底袋製袋機で、特に角底を折り畳み成形するための折り筋を袋用紙に形成する筋付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1枚ずつ袋用紙を供給する給紙装置と、この袋用紙に角底袋として折り畳み形成するための折り筋を付ける筋付け装置と、折り筋を付けた袋用紙をこれの両側にM字状のマチを有する筒状に折り畳む紙筒形成装置とからなり、上記筒状の紙筒の底部を上記折り筋に沿って角底形成装置にて角底状に形成するようにした角底袋製袋機が特許文献1にて、また上記のようにしてあらかじめ形成された紙筒の底部を折り筋に沿って角底状に形成する角底袋製袋機が特許文献2にて知られている。
【0003】
上記角底袋製袋機にて製袋しようとする角底袋の一例としては図1に示すようなショッピングバッグとして用いる角底袋Wがある。この角底袋Wには、これの両側にマチ部mを、下端部に角底部nを、上端部に口折れ部oを有している。
【0004】
そしてこのような角底袋Wを製袋するときに、これの折り目となる位置に上記筋付け装置にて袋用紙に折り筋を付ける。図2(a)はこの折り筋を付けた袋用紙aを示す。なお各折り筋を点線で示した。
【0005】
図2(a)において、L,L′は角底袋Wの幅方向両側のマチ奥筋であり、L,L′,L,L′は上記各マチ奥筋L,L′の両側に位置する各内側、外側のマチ筋、L,L′は形成後の紙筒Tの一方面(裏側面)にのみ付けられる折返筋、Lは袋用紙aの全幅にわたって付けられる折込筋、Lは口折れ部となる位置に全幅にわたって付けられる口折り筋である。
【0006】
上記マチ奥筋L,L′、内側、外側のマチ筋L,L′,L,L′は袋用紙aの縦方向全長に設けられる。また、折返筋L,L′は上記したように形成後の紙筒Tの一方面(裏側面)にのみ付けられることにより、縁辺側の短い方の折返筋Lは袋用紙aの幅方向縁側に位置するマチ部のマチ奥筋Lから袋用紙aの縁端までであり、裏面側の長い方の折返筋L′は袋用紙aの幅方向中央側に位置するマチ部のマチ奥筋L′から袋用紙aの他方側縁端までの長さとなっている。
【0007】
なお、図2の(b)〜(e)は各折り筋に沿って折り畳んで上記角底袋Wを成形する際の工程を示すものである。
【0008】
従来の角底袋製袋機において、上記図2に示した各折り筋を付けるための筋付け装置は図3、図4に示すようになっていて、この筋付け装置Aは、給紙装置から搬送されてきた袋用紙aをローラコンベヤeにて下流側へ搬送するようになっている。そしてこの筋付け装置Aはこれの上流側から、マチ筋付けローラ部f、折込筋付けローラ部g、折返筋付けローラ部h及び口折り筋付けローラ部iとを有している。
【0009】
上記各ローラ部において、マチ筋付けローラ部fは幅方向両側のマチ奥筋付けローラ対f,f′,f,f′、幅方向両側の内側マチ筋付けローラ対f,f′、外側マチ筋付ローラ対f,f′からなっている。また、折込筋付けローラ部gは折込筋付けローラ対g、折返筋付けローラ部hは手前側の折返筋付けローラ対hと向こう側の折返筋付けローラ対hとをそれぞれ有している。そして口折り筋付けローラ部iは、口折り筋付けローラ対iからなっている。
【0010】
そしてこのようになっている筋付け装置Aにて筋付けされた袋用紙aは紙筒形成装置にて、まず図2(b)に示すように、各内側のマチ筋L,L′とマチ奥筋L,L′とをZ状に折り畳み、ついで図2(c)に示すように、各外側のマチ筋L,L′に沿って手前側の貼り代と向こう側の二つ折り部を内側に折り畳むと共に、二つ折り部の先端の予め糊bを塗布してある縁部を上記手前側の貼り代に接着することにより紙筒Tが折り畳み形成されるようになっている。
【0011】
その後この紙筒Tを角底成形装置にて図2(d)に示すように、上側の袋体(裏面)の折返筋L,L′に沿って上方へ折り返すことにより上下のフラップF,Fを成形し、ついで上下のフラップF,Fの内側に糊bを塗布してから図2(e)に示すように折込筋L,L′に沿って両フラップF,Fを折り込んで貼り合わせる。
【0012】
以上のような工程により図1に示した角底袋Wが形成される。このとき、折返筋L,L′が紙筒Tの一方面(裏面)にのみ付き、他方面には付かないことにより、図1に示すように角底袋Wにはこの折返筋L,L′は一方面側(裏面側)のみに残り、他方面側には筋が残らない。
【0013】
上記図2(a)にて示される袋用紙aの各筋は紙筒となる際の折り方向に応じて山折り筋と谷折り筋となるが、この図において、マチ奥筋L,L′と折返筋L,L′は山折りであり、左右の内側、外側のマチ筋L,L′,L,L′、折込筋L、口折り筋Lは谷折りである。そしてこれらの筋付けに用いられる図4にて示した各ローラ対において、各ローラの刃部を点線で示したものは下側のローラに凸刃がある山折り用であり、実線で示したものは上側のローラに凸刃がある谷折り用である。なお、折返筋L,L′は折り畳む前の袋用紙状態では上記したように山折り状に設けるが、長い方の折返筋L′を設けた方の部分が図2(c)に示すように折り返されることにより、この長い方の折返筋L′は谷折り状になって、図2(d)に示す工程における上側のフラッパFは上側へ折り曲げやすくなっている。
【0014】
折返筋付けローラ部hの両ローラ対h,hは軸方向に位置合わせ可能で、筋の幅方向の間隔が変更できるようになっている。そして他の各ローラ対も軸方向に位置合わせができるように軸方向に移動可能に固定されている。なお各ローラ対において、凸刃は鋼材で形成されるが、受け刃はゴム材にて形成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−144993号公報
【特許文献2】特開2006−224515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記従来の角底袋製袋機においての筋付け装置Aの折返筋付けローラ部hのそれぞれのローラ対h,hには、中実のローラが用いられていると共に、この各ローラの周長は袋用紙aの縦方向長さ分であるため、この各ローラの径が大きくなってこれの重量が大きくなっており、このためこの各ローラ対を位置合わせするために移動する際に大きな力を必要とし、またこれを袋用紙aの幅が変更になったときに行われる交換作業が大変であった。
【0017】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、折返筋付けローラ部の各ローラ対の重量を軽くして、これの袋用紙の幅方向の移動を容易にでき、袋用紙のサイズ変更の際の折返筋付けローラ部の位置合わせを容易に行うことができるようにした角底袋製袋機における筋付け装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明に係る角底袋製袋機における筋付け装置は、紙筒の一面側を角底部で折り返すための折返筋を折り畳み前の袋用紙に入れる折返筋付けローラ部を有する角底袋製袋機の筋付け装置において、上記折返筋付けローラ部を、上記袋用紙の筒状に成形後の一面側に谷折り状となる折り筋を入れるローラ対と、筒状に成形後の他面側のマチ部に山折り状となる折り筋を入れるローラ対とし、各ローラ対を軸方向に離隔して軸に取り付けた複数のフランジにて構成し、各ローラ対の一方に筋付け刃を、他方にこの筋付け刃を受ける刃受けを、それぞれローラを構成するフランジの外周部に軸方向に掛け渡し固定した構成になっている。
【0019】
上記筋付け装置において、各ローラ対を構成する各フランジを軸方向に移動可能にすると共に、回転方向に位置調整可能にした。
【0020】
また、上記各ローラ対の筋付け刃にマチ部斜め筋用の筋付け刃を設けた。
そして、袋用紙の筒状に成形後の一面側に谷折り状の折り筋を入れるローラ対と、筒状に形成後の他面側のマチ部に山折り状の折り筋を入れるローラ対を、袋用紙の走行方向に位置をずらせて設けると共に、各ローラ対を軸方向に移動可能にした。
【0021】
さらに、各ローラ対の下側に位置するローラの各フランジの間に、ローラ対間を走行する袋用紙を受ける円板状のスペーサを軸に固定して設けた構成にした。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1によれば、角底袋製袋機の筋付け装置において、折返筋付けローラ部の各ローラ対を、軸方向に離隔して軸に取り付けた複数のフランジにて構成したことにより、この折返筋付けローラ部の各ローラ対の重量が軽くなって、袋用紙の幅方向の移動を容易にでき、サイズ変換時の際の折返筋付けローラ部の位置合わせを容易に行うことができる。
【0023】
また請求項2によれば、上記各フランジを軸方向に移動することにより、折返筋付けローラ部の軸方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0024】
また請求項3によれば、折返筋にマチ部の折り筋を入れることができることにより、角底成形時の角底部の成形を容易にすることができる。そして請求項4によれば、このマチ部の折り筋形成用のローラ対を、各マチ部の折り筋ごとに軸方向に移動することができることにより、角底袋の両側2個所に形成されるマチ部用の折返筋の位置を個々に調整することができる。
【0025】
さらに請求項5によれば、複数のフランジにて構成したローラ対の下側のローラのフランジ間に円板状のスペーサを軸に固定して設けたことにより、折返筋付けローラのローラ対間を走行する袋用紙の垂れ下がり変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】角底袋製袋機にて製袋する角底袋を示す斜視図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は筋付けされた袋用紙を用いた角底袋の製袋工程図である。
【図3】従来の筋付け装置を概略的に示す正面図である。
【図4】従来の筋付け装置を概略的に示す平面図である。
【図5】本発明に係る角底袋製袋機を備えた角底袋製袋機の概略的説明図である。
【図6】筋付け装置を概略的に示す正面図である。
【図7】筋付け装置を概略的に示す平面図である。
【図8】本発明に係る折返筋付けローラ部を概略的に示す正面図である。
【図9】フランジと軸との結合部を示す断面図である。
【図10】図9のX矢視一部破断面図である。
【図11】折返筋付けローラ部の筋付け装置を示す拡大一部破断面図である。
【図12】スペーサを示す正面図である。
【図13】折返筋付けローラ部をカセット状にして筋付け装置部に組み込んだ状態を示す正面図である。
【図14】マチ部に斜め折り筋を入れて折付けされた袋用紙を示す斜視図である。
【図15】マチ部に斜め折り筋を入れるようにした折返筋付けローラ部を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る角底袋製袋機における筋付け装置について以下に説明する。
【0028】
図5は角底形成装置1の上流側に、上流側から順に袋用紙aを給紙する給紙装置4と、この給紙された袋用紙aに折り筋を付ける筋付け装置5と、この筋付けされた袋用紙aをこの折り筋に沿って筒状に折り畳む紙筒形成装置6を備えた角底袋製袋機2を概略的に示すものである。
【0029】
角底形成装置1は、紙筒形成装置6にて形成された紙筒Tが底折りドラム78に沿って移動する間に底開き加工を行う底開き装置77、底開きされたフラップ面に糊を塗布する糊塗布装置79、フラップを折り返して底閉じを行う底閉じ装置80、底閉じされた紙筒をプレスしながら排出するデリバリ装置81からなっている。
【0030】
筋付け装置5は図6、図7に示すようになっていて、給紙装置4から搬送されてきた袋用紙aをローラコンベヤ23にて下流側へ搬送するようになっている。そしてこの筋付け装置5はこれの上流側から、マチ筋付けローラ部24、折込筋付けローラ部25、折返筋付けローラ部100及び口折り筋付けローラ部28とを有している。また、これの最下流部にプレス装置29と糊塗布装置30が設けてある。
【0031】
上記各ローラ部において、折返筋付けローラ部100を除く他のローラ部は図2に示した袋用紙aの各筋を付けるための図3、図4にして示した筋付けローラ部の構成と略同一になっている。そしてマチ筋付けローラ部24は幅方向両側のマチ奥筋付けローラ対24a,24a′、幅方向両側の内側マチ筋付けローラ対24b,24b′、外側マチ筋付ローラ対24c,24c′からなっている。また、折込筋付けローラ部25は折込筋付けローラ対25a、口折り筋付けローラ部28は、口折り筋付けローラ対28aからなっている。
【0032】
この筋付け装置5の各ローラ対において、各ローラの刃部を点線で示したものは下側のローラに凸刃がある山折り用であり、実線で示したものは上側のローラに凸刃がある谷折り用である。折返筋付けローラ部100の両ローラ対100a,100bは軸方向に位置合わせ可能で、筋の幅方向の間隔が変更できるようになっている。そして他の各ローラ対も軸方向に位置合わせができるように軸方向に移動可能に固定されている。なお各ローラ対において、凸刃は鋼材で形成されるが受け刃はゴム材にて形成した。
【0033】
折返筋付けローラ部100は、手前側に位置するマチ部折返筋付けローラ対100aと向こう側に位置する裏面折返筋付けローラ対100bとからなっている。この各ローラ対100a,100bは図7、図8に示すようになっていて、上下に離隔して対向周面が袋用紙の走行方向に向けて同期して逆回転可能に配置された2本の軸101a,101bのそれぞれに軸方向に離隔して取り付けられ、上下でわずかに離隔して互いに逆回転する複数のフランジ(円板)と、この複数のフランジの外周部に軸方向にまたがって固着された筋付け刃と刃受けとからなっており、これらの構成を図8〜図12に示した実施の形態にて説明する。
【0034】
図8において、マチ部折返筋付けローラ対100aは、上側の軸101aに軸方向に離隔して固定された2個の上側フランジ102a,102bと、下側の軸101bに軸方向に離隔して固定された2個の下側フランジ102a′,102b′と、上側フランジ102a,102bの外周部に掛け渡し固定された筋付け刃103と、下側フランジ102a′,102b′の外周部に掛け渡し固定された刃受け104とからなっている。
【0035】
裏面折返筋付けローラ対100bは、上側の軸101aに軸方向に離隔して固定された4個の上側フランジ102c,102d,102e,102fと、下側の軸101bに軸方向に離隔して固定された4個のフランジ102c′,102d′,102e′,102f′と、上側のフランジ102c〜102fの外周部に掛け渡し固定された刃受け105と、下側のフランジ102c′〜102f′の外周部に掛け渡し固定された筋付け刃106とからなっている。
【0036】
上側の軸101a側に設けられる筋付け刃103と裏面折返筋付けローラ対100bの刃受け105のそれぞれは一直線状に配置されており、また下側の軸101b側に設けられる刃受け104と筋付け刃106のそれぞれは一直線状になっていて、両軸101a,101bの回転に従って各筋付け刃と刃受けとが上下方向に対向して回転することにより、走行する袋用紙aのマチ部に谷状のマチ部折返筋Lが、また紙筒となった時の裏面に山状の裏面側の折返筋L′が一直線状に形成されるようになっている。
【0037】
上記各フランジの軸101a,101bに対する取付構成は同一になっていて、その構成を図9、図10にて説明する。フランジFは、軸101a,101bに対して軸方向に移動可能に嵌合されていて、この各フランジFは、この各フランジFと同様に軸方向に移動可能に、かつキー部材108aにて回転方向に係合し、さらにねじ107にて任意の位置に固定可能にしたカラー108にボルト109にて固定されている。このボルト109が貫通するようにカラー108に設けたボルト貫通穴109aは円弧状になっていて、フランジFは、カラー108のボルト貫通穴109aに沿って軸心に対して円周方向に位置調整可能になっている。
【0038】
マチ部折返筋付けローラ対100aと裏面折返筋付けローラ対100bのそれぞれの筋付け刃103,106の相互、及びそれぞれの刃受け104,105の相互の取り付け構成は同一になっていて、その構成を図11にて説明する。
【0039】
筋付け刃103,106は、フランジFの外周部に設けた角溝110内に嵌合する2つ割りの分割固定材111a,111bと、この分割固定材111a,111bに挟持される刃112と、一方の分割固定材111bに設けられて、角溝110の底面に一端を当接させて、その突出高さを調整することにより、刃112の突出高さを調節するようにした調節ねじ113と、フランジFに設けられて上記分割固定材111a,111bを刃112の挟持方向に押圧すると共に、分割固定材111a,111bをフランジFに固定する押しねじ114とからなっている。
【0040】
刃受け104,106は、フランジFの外周部に設けた角溝115内に嵌合する台部材116と、この台部材116の表面側に設けた溝に嵌合したゴム材等弾性を有する刃受け台117とからなっていて、上記筋付け刃103,106の刃112の先端が、この刃受け台117にくい込み接触するようになっている。118は台部材116を固定する押しねじである。
【0041】
上記各フランジFに設けた筋付け刃103,106が嵌合する角溝110と刃受け104,105が嵌合する角溝115は同一になっていて、筋付け刃103,106と刃受け104,106の相互を付け替えることができるようになっていて、複数のフランジを共通に使うことができるようになっている。
【0042】
折返筋付けローラ部100の各フランジの間に、このフランジと同径にしたスペーサ119が取り付けカラー120にて取り付けてあり、このスペーサ119にて折返筋付けローラ部100を通過する袋用紙aをフランジ間で下側から支持するようになっている。このスペーサ119と取り付けカラー120は、図12に示すように軸101bが通る切り欠き121が半径方向に設けてあり、この切り欠き121を通して軸101bに嵌合した状態で取り付けカラー120をボルト122にて軸101bに固定するようになっている。
【0043】
上下の軸101a,101bの中間部は、この各軸のたわみ防止用の支持ローラ123,124が転接されている。
【0044】
上記した折返筋付けローラ部100は、図6、図7に示したように筋付け装置5に組み込む構成にしてもよいが、図13に示すように、カセット状にした折返筋付けローラ部100′とし、これを既設の角底製袋機の筋付け装置に増設することもできる。
【0045】
図2で示した袋用紙aにあっては、折込筋Lと平行の折返筋L,L′のみを入れる側を示したが、図14に示すように、折返筋L,L′のマチ部側端部にマチ部斜め筋L7a,L7b,L7a′,L7b′を入れることにより角底の形成を容易にすることができる。
【0046】
図15は、上記マチ部斜め筋を入れることができるようにした構成の一例を示すものである。
【0047】
図中125はマチ部折返筋付けローラ対であり、126は裏面折返筋付けローラ対であり、この両ローラ対125,126は袋用紙aの走行方向に所定の位相をずらせて配置されている。
【0048】
マチ部折返筋付けローラ対125では、上側の軸127aに取り付けた2個のフランジ128a,128bに角形ホルダ129が取り付けてあり、この角形ホルダ129の表面に、平行筋付け刃130aとマチ部斜め筋付け刃130b,130cを有するフレキシブルダイ130を接着テープにて貼り付け固定してある。一方、下側の軸127bに取り付けた2個のフランジ128a′,128b′には、上記フレキシブルダイ130を受ける受け台131が取り付けられている。
【0049】
裏面折返筋付けローラ対126では、下側の軸132aに取り付けた4個のフランジ133a,133b,133c,133dにわたって角形ホルダ134が取り付けてあり、この角形ホルダ134の表面に、平行筋付け刃145aとマチ部斜め筋付け刃145b,145cを有するフレキシブルダイ145を接着テープにて貼り付け固定してある。一方、上側の軸132bに取り付けた4個のフランジ133a′,133b′,133c′,133d′にわたって上記フレキシブルダイ145を受ける受け台146が取り付けられている。
【0050】
この構成では、両ローラ対125,126を同期駆動することにより、例えば袋用紙aの走行方向上流側のマチ部折返筋付けローラ対125にて、図14におけるマチ側の折り返し筋Lとマチ部斜め筋L7a,L7bが付けられ、ついで下流側に位置する裏面折返筋付けローラ対126にて上部マチ側の折返筋Lと同一線状になって、表面側の折返筋L′とマチ部斜め筋L7a′,L7b′が付けられる。
【0051】
このとき、各マチ部斜め筋L7a,L7b,L7a′,L7b′の頂点位置が袋用紙aの走行方向、及び走行方向と直交する方向に正確に合わないと、各底の成形をスムーズに行うことができない。そのため各ローラ対125,126の軸方向一側部にサイドレー装置146a,146bが設けられており、これの各ハンドル147a,147bを回転して、各ローラ対125,126を軸方向に位置をずらせて軸方向に位置調整できるようになっている。また、袋用紙aの走行方向(天地方向)の位置調整は、両ローラ対125,126の回転位相を調整することにより行われるようになっている。
【0052】
図15で示した実施の形態では、マチ部折返筋付けローラ対125と裏面折返筋付けローラ対126とを袋用紙aの走行方向に位置をずらせた例を示したが、両ローラ対125,126は図8に示した実施の形態にように、上下の軸を共用して袋用紙aの走行方向に同一位置としてもよい。
【0053】
この場合、上記マチ部斜め筋L7a,L7b,L7a′,L7b′の頂点の位置合わせができるように、例えば表面折返筋付けローラ対を軸ごとサイドレー装置にて軸方向に移動可能にしておき、マチ部折返筋付けローラ対を手動にて軸方向に移動するようにしておく。また、軸方向に短い方のマチ部折返筋付けローラ対の角形ホルダ129、受け台131は1つのフランジにて支持するようにしてもよい。
【0054】
しかして、この筋付け装置5では、袋用紙aにマチ筋付けローラ部24の各ローラ対にてそれぞれ両側のマチ奥筋L、L′と内側及び外側のマチ筋L,L′,L,L′が付けられ、折込筋付けローラ部25にて折込筋Lが、口折り筋付けローラ部28にて口折り筋Lが図21に示したように付けられる。このときにおいて、各ローラ対において、鋼材にて構成した凸刃に対して受け刃がゴム材であることにより折れやすい筋を付けることができた。
【0055】
そして図7から図12にて示した実施の形態による折返筋付けローラ部100では、マチ部側の折返筋Lが谷状に、裏面側の折返筋L′が山状に付けられ、また図15にて示した実施の形態による折返筋付けローラ部100では図14にて示すように、上記両折返筋L,L′の他に、マチ部斜め筋L7a,L7b,L7a′,L7b′が谷状と山状にそれぞれ付けられる。
【0056】
上記のようにして給紙装置4から給紙された袋用紙aには、筋付け装置5にて図2(a)に示されるように各折り筋が付けられる。
【0057】
この各折り筋が付けられた袋用紙aは、例えば上記特許文献1で示した角底袋製袋機における紙筒形成装置6にて図2(b)に示すように、各内側のマチ筋L,L′とマチ奥筋L,L′とをZ状に折り畳み、ついで図2(c)に示すように、各外側のマチ筋L,L′に沿って手前側の貼り代と向こう側の二つ折り部を内側に折り畳むと共に、二つ折り部の先端の予め糊塗布装置30にて糊bを塗布してある縁部を上記手前側の貼り代に接着することにより紙筒Tが折り畳み形成されるようになっている。
【0058】
上記のように折り畳み形成された紙筒Tは、図5に示した角底形成装置1にてこれの角底が形成される。この角底形成装置1は、例えば一例として特許文献2に記載されたものが用いられる。
【0059】
100,100′…折返筋付けローラ部、100a,125…マチ部折返筋付けローラ対、100b,126…裏面折返筋付けローラ対、101a,101b…軸、102a,102b,102c,102d,102e,102f,102a′,102b′,102c′,102d′,102e′,102f′,F…フランジ、103,106…筋付け刃、104,105…刃受け、107…ねじ、108…カラー、108a…キー、109…ボルト、109a…ボルト貫通穴、110,115…角溝、111a,111b…分割固定材、112…刃、113…調節ねじ、114…押しねじ、116…台部材、117…刃受け台、118…押しねじ、119…スペーサ、120…カラー、121…切り欠き、122…ボルト、123,124…支持ローラ、127a,127b,132a,132b…軸、128a,128b,128a′,128b′…フランジ、129,134…角形ホルダ、130,145…フレキシブルダイ、130a,145a…平行筋付け刃、130b,130c,145b,145c…マチ部斜め筋付け刃、131…受け台、133a,133b,133c,133d,133a′,133b′,133c′,133d′…フランジ,146a,146b…サイドレー装置,147a,147b…ハンドル、
a…袋用紙
1…角底形成装置
2…角底袋製袋機
4…給紙装置
5…筋付け装置
6…紙筒形成装置
23…ローラコンベヤ
24…マチ筋付けローラ部
24a,24a′…左右のマチ奥筋付けローラ対
24b,24b′…左右の内側マチ筋付けローラ対
24c,24c′…左右の外側マチ筋付けローラ対
25…折込筋付けローラ部
25a…折込筋付けローラ部
26…マチ部斜め筋付けローラ部
26a,26b,26c,26d,26e…マチ部斜め筋付けローラ対
26f,26g…軸
28…口折り筋付けローラ部
29…プレス装置
30…糊塗布装置
77…底開き装置
78…底折りドラム
79…糊付け装置
80…底閉じ装置
81…デリバリ装置
,L′…両側のマチ奥筋
,L′…両側の内側のマチ筋
,L′…両側の外側のマチ筋
,L′…折返筋
…折込筋
…口折り筋
7a,L7b,L7a′,L7b′…マチ部斜め筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙筒の一面側を角底部で折り返すための折返筋を折り畳み前の袋用紙に入れる折返筋付けローラ部を有する角底袋製袋機の筋付け装置において、
上記折返筋付けローラ部を、
上記袋用紙の筒状に成形後の一面側に谷折り状となる折り筋を入れるローラ対と、筒状に成形後の他面側のマチ部に山折り状となる折り筋を入れるローラ対とし、
各ローラ対を軸方向に離隔して軸に取り付けた複数のフランジにて構成し、
各ローラ対の一方に筋付け刃を、他方にこの筋付け刃を受ける刃受けを、それぞれローラを構成するフランジの外周部に軸方向に掛け渡し固定した
ことを特徴とする角底袋製袋機における筋付け装置。
【請求項2】
各ローラ対を構成する各フランジを軸方向に移動可能にすると共に、回転方向に位置調整可能にしたことを特徴とする請求項1記載の角底袋製袋機の筋付け装置。
【請求項3】
筋付け刃にマチ部斜め筋用の筋付け刃を設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項記載の角底袋製袋機の筋付け装置。
【請求項4】
袋用紙の筒状に成形後の一面側に谷折り状の折り筋とマチ部斜め筋を入れるローラ対と、筒状に形成後の他面側のマチ部に山折り状の折り筋とマチ部斜め筋を入れるローラ対を、
袋用紙の走行方向に位置をずらせて設けると共に、各ローラ対を軸方向に移動可能にしたことを特徴とする請求項3記載の角底袋製袋機の筋付け装置。
【請求項5】
各ローラ対の下側に位置するローラの各フランジの間に、ローラ対間を走行する袋用紙を受ける円板状のスペーサを軸に固定して設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の角底袋製袋機の筋付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−152782(P2011−152782A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−228834(P2010−228834)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【出願人】(506339453)有限会社クリエイトパック・ケイ (1)
【Fターム(参考)】