説明

角度オフセット修正を用いる表面特性の決定

【課題】角度オフセット修正を用いて、表面特性を決定する方法および装置を提供すること。
【解決手段】解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくとも1つの第二の放射検出デバイス(15)とを備える、表面特性を決定する装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面特性を決定する方法および装置に関する。例えば、特に、色、オレンジピール、または解析されるべき表面の同様の特性に関するが、これらに限定されない。
【0002】
本発明は、自動車の表面に関連して記載される。しかしながら、本発明が、例えば、家具、床仕上げなどのコーティングのような他の表面にも、また使用され得ることが、指摘される。
【背景技術】
【0003】
物体の光学的印象、またはその物体の表面(特に、自動車の表面)の光学的印象は、その表面特性によって、非常に決定される。人間の目は、表面特性の客観的判断に対して、限られた範囲でのみしか適さないので、表面特性の質的および量的な決定をするための補助および装置に対する必要性が存在する。
【0004】
例えば、光沢(gloss)、オレンジピール、色、マクロ組織またはミクロ組織、画像の鮮明性(image sharpness)、ヘイズ、表面組織および/または表面トポグラフィなどのような表面特性が、決定される。
【0005】
従来技術は、放射デバイスが、解析されるべき表面の上に放射を放ち、その表面によって反射および/または散乱された放射が検出器によって受けられ、評価される装置を開示している。これらの装置は、満足いくように動作するので、問題となる表面の客観的な分類を可能にする。
【0006】
しかしながら、測定中に、表面に対する装置のチルトが、例えば、表面が湾曲している結果、一定ではなく、変動する問題が生じる。特に、運動の方向の表面に対するチルトの変化は、測定結果に、劇的なインパクトを有し得る。したがって、数分の1°の角度の変化ですらも、測定に深刻な誤った変化を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、表面に対する装置のチルトの変化から生じる影響を考慮する装置および方法を提供することである。他にも、傾きの変化から生じるこのような影響と、他方で、表面状態の変化によるこのような影響との区別を可能とする装置を提供するべきである。最後に、検出デバイスに到達する放射の変化の物理的原因に関して述べることが、可能になる。本発明に従うと、このことは、請求項1および請求項10に記載の装置によって、ならびに請求項13および請求項16に記載の方法によって提供される。有利な実施形態およびさらなる発展が、従属請求項の主題を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
表面特性を決定する本発明の装置は、解析されるべき表面上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイスを備える。その他にも、該少なくとも1つの放射デバイスによって放たれ、次いで、該表面によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイスも提供される。
【0009】
さらに、また、該少なくとも1つの放射デバイスによって放たれ、次いで、該表面によって散乱および/または反射された放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくとも1つのさらなる放射検出デバイスも提供される。
【0010】
本発明の一局面に従うと、上記第一の放射検出デバイスは、上記表面によって反射される上記放射の方向に対して、第一の所定の角度によってオフセットされ、上記第二の放射検出デバイスは、該表面によって反射される該放射の方向に対して、第二の所定の角度によってオフセットされる。該第一の所定の角度および該第二の所定の角度は、該表面によって反射される該放射の方向に対して、互いに本質的に等しく、相対する。
【0011】
放射は、例えば、赤外光、紫外光、赤外光、可視波長範囲の光、X線放射などのような任意のタイプの放射を意味することは、理解されるべきである。使用される放射は、好ましくは、可視範囲の光であり、特に好ましくは、標準白色光である。
【0012】
放射の特性の特徴は、特に、その放射の強度、そのスペクトル範囲または波長、その極性、あるいはこれらの特性の組み合わせを意味するが、これらに限定されないことは、理解されるべきである。特徴測定信号は、したがって、これらの特性の少なくとも一つの特徴である測定信号を意味すると、理解されるべきである。
【0013】
本発明に従うと、2つの放射検出デバイスは、したがって、反射された放射の方向から離れて、本質的に同じ距離で配置される。好ましくは、放射デバイスと放射検出デバイスとの双方は、同じ平面に配置される。これは、観察されるビーム経路が、本質的に一つの平面を進むようにするためである。この平面は、特に好ましくは、解析されるべき表面に垂直である。
【0014】
この装置が表面に対して正確に垂直な向きの場合、2つの放射検出デバイスは、本質的に同じ放射強度を受けることが期待されるべきである。なぜなら、反射角度で放射の期待される最大から、本質的に同じ距離離れて位置されるからである。強度分布は、それぞれの反射角度で最大に達し、次いで、側面(flank)に向かって、例えば、ローレンツ形式またはガウス形式で、減少する。表面に対する装置のチルトが、例えば、湾曲のために、ビーム経路の平面に対して生じると、反射光の角度も、また変化する。したがって、例えば、表面によって反射される反射光が、第一の放射検出デバイスに、より近く、第二の放射検出デバイスから、さらに離れることも可能である。この場合、第一の放射検出デバイスは、第二の放射検出デバイスよりも強い強度を検出する。表面に対する装置のチルト角度は、測定された強度の間の関係から推論され得、測定結果は、この推論に基づいて修正され得る。
【0015】
一方、表面の状態(例えば、その層の厚さ)が変化する場合、反射光の強度は変化するが、その方向は変化しない。ここでは、したがって、この2つの放射検出デバイスによって検出される強度が、同じように変化する。観察者は、このことから、表面に対する装置のチルトがないことを推論し得る。
【0016】
本質的に等しいが、相対する角度とは、放射検出デバイスの2つの角度が、反射光の方向に対して、3°までの許容差も可能であるとして、本質的に同じであることを意味する。さらなる実施形態において、反射光の方向に対して異なる角度で、放射検出デバイスを配置して、強度比を評価するとき、これに従うように考慮に入れることも可能である。
【0017】
第一の測定信号と第二の測定信号との間の関係から、表面に対して装置の向きを考慮に入れるプロセッサデバイスが、提供されることが好ましい。例えば、装置が真っ直ぐな向きであることは、同一の強度であること、あるいは強度の差が0であることから推論され得る。この強度差0が起こるのは、特に、これら2つの放射検出デバイスが、反射光の方向に対し、等しい角度で相対して配置されるときである。これらの角度は、互いに正確に対応しない場合、これは、そのように、プロセッサデバイスによって考慮されるべきである。この場合、反射光の強度分布は、考慮に入れることが、特に好ましい。
【0018】
さらなる放射検出デバイスは、例えば、ビーム経路の上述の平面の外に提供することによって、上述の平面に垂直な装置のチルトに対して対応する測定が可能であり、したがって、表面に対する三次元空間の装置にある正確なチルトを記録することも全体として可能である。
【0019】
好ましくは、上記第一の測定信号と上記第二の測定信号は、それぞれ、これらの測定信号からの結果の値であるが、これらの信号の関係は、これらの値の差または比である。しかしながら、積のようなさらなる数学的変数も考慮され得る。
【0020】
好ましくは、所定の角度は、反射光の方向に対し、5°と35°との間の値、好ましくは、10°と30°との間の値、好ましくは、15°と25°との間の値、より好ましくは約15°の値を有する。一方、特定の角度は、反射光の一部を受けることができないほど、あまりにも遠く離れるべきではない。他方で、この角度は、反射光の強度の両側面(flank)が分離できないほど、あまりにも小さく選択されるべきではない。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、放射デバイスは、表面上に所定の放射角α1で放射し、この角度は、表面に垂直な方向に対し、5°と45°との間の値であり、好ましくは10°と35°との間の値であり、より好ましくは、10°と25°との間の値であり、そして、特に好ましくは約15°の領域にある。
【0022】
この角度を選択するとき、この角度があまりにも大きくならないように選択することを確実にすることに、特に注意を払うべきである。なぜなら、この角度が十分に大きい場合、平らでないために、反射された放射のオフセットが非常に大きくなるからである。さらに、色測定は、角度が十分に大きい場合、より困難になる。一方、この角度は、また、あまりにも小さくなりすぎるべきでもない。それは、放たれた放射と反射された放射との間の角度が、その間にある放射検出デバイスを配置することができるように、十分に大きくなることを確実にするためである。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、上記表面によって反射される上記放射を吸収する吸収デバイスが、提供される。この吸収デバイスは、したがって、好ましくは、放たれた放射に対して、反射角度で配置される。好ましくは、吸収デバイスは、反射角度の回りに、例えば、2°から10°の所定の角度範囲を、またカバーするような方法で、配置される。吸収デバイスは、この場合、放射吸収チューブなどとして、設計され得る。この吸収デバイスを提供することによって、散乱光による望ましくない効果が低減される。
【0024】
さらに好ましい実施形態において、上記少なくとも1つの放射デバイスによって放たれ、次いで、上記表面によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力するさらなる放射検出デバイスが、提供される。このさらなる放射検出デバイスは、例えば、表面の色変化の影響を決定するために、使用される。このさらなる放射検出デバイスは、反射された放射の方向に対して、大きな角度距離で配置されることが好ましい。こうして、反射された放射は、このさらなる放射デバイスの方向に達することが避けられる。
【0025】
さらなる放射検出デバイスは、表面に垂直な方向に対して、ある角度で配置されることが好ましい。この角度は、30°と60°との間の値を有し、好ましくは、約45°の値である。好ましくは、放射デバイスとさらなる放射検出デバイスとは、表面に垂直な方向に対して、同じ側に位置される。この場合において、一方に、さらなる検出デバイスが、他方に、第一および第二の検出デバイスが、垂直な方向に対して、異なる側に位置される。
【0026】
さらなる測定信号を第一の測定信号または第二の測定信号と比較し、この比較に対する特徴値を出力するプロセッサデバイスが、提供されることが好ましい。これによって、例えば、第一の検出デバイスの強度値とさらなる検出デバイスの強度値とのパーセントによる関係を合算すること、あるいは比較することも可能である。これらの配置によって、表面上の特定のカテゴリーのカラー不均一は、区別され得る。例えば、層の厚さの差によって生じるような表面の変化は、同じ方向の第一の放射検出デバイスの信号とさらなる放射検出デバイスの信号とを変化させ、他方で、カラーピグメントの特定の向きによって生じるような色の不均一は、異なる方向の信号を変化させるか、影響を与える。このことは、図面を参照して、より詳細に記載される。好ましくは、プロセッサデバイスは、さらなる測定信号を少なくとも第一の測定信号または第二の測定信号と比較し、この比較に対する特徴値を出力する。
【0027】
本発明は、さらに、解析されるべき表面上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイスと、該少なくとも1つの放射デバイスによって放たれ、次いで、該表面によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイスとを有する表面特性を決定する装置に向けられる。
【0028】
さらに、該少なくとも1つの放射デバイスによって放たれ、次いで、該表面によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくとも1つのさらなる放射検出デバイスが、提供される。本発明に従うと、該第一の放射検出デバイスは、該表面によって反射される該放射の方向に対して、第一の所定の角度によってオフセットされ、該さらなる放射検出デバイスは、該表面によって反射される該放射の方向に対して、さらなる所定の角度によってオフセットされて、該第一の測定信号とさらなる測定信号との間の関係から、表面条件に特徴的な値を決定するプロセッサデバイスが提供される。
【0029】
本発明に従うこの実施形態において、第一の放射検出デバイスおよびさらなる放射検出デバイスが配置されている2つの角度は、反射された放射の方向に対して、本質的に対称的であることは必ずしも必要でないが、好ましくは、この方向に非対称的である。本発明に従う装置は、異なる種類の表面の不均一性によって生じ、放射検出デバイスによって区別され得ないこれらの影響をまた区別し得る。より正確には、層の厚さを変化させることによって生じ、それゆえ、カラーピグメントの濃度変化と関連するこのような効果と、エフェクトピグメントの不均一な配置によって生じるこのような効果とは、互いに区別される。これは、図面を参照して、より詳細に説明される。
【0030】
さらなる好ましい実施形態において、上記放射が上記表面に衝突する前に、放射デバイスによって放たれる放射強度を測定する強度測定デバイスが提供される。例えば、白色LEDは、放射デバイスまたは放射源として使用され、その強度は、時間経過とともに、正確に一定ではない。例えば、強度の変化は、例えば、放射源の加熱によって生じ得る。放射検出デバイスによって、各場合に決定される強度は、表面特性を決定することとも関連するので、強度測定デバイスは、それぞれの所定の強度のキャリブレーションを実行するのに役立つ。これは、パルスモードにおいて、特に有益である。
【0031】
好ましくは、第一の放射デバイスは、熱放射源(例えば、特に、白熱電球を含むが、これに限定されない)、ハロゲンランプ、コヒーレントおよび非コヒーレントな半導体放射源(例えば、特に、LEDを含むが、これに限定されない)、ガス放電放射源、レーザ、これらの組み合わせなどを含む放射源のグループから選択される少なくとも1つの放射源を有する。使用される放射源は、特に好ましくは、白色光を放つLEDである。
【0032】
さらに好ましい実施形態において、層の厚さ測定デバイスが、提供される。したがって、それぞれの層の厚さは、例えば、誘導によって決定され得る。さらに好ましい実施形態において、装置は、所定の方向に沿って、好ましくは、本質的に直線運動方向に沿って、表面に対して、この装置を移動する移動デバイスを備える。この移動デバイスは、例えば、ホイールを備え得る。ここで、特に好ましくは、少なくとも1つのホイールが、距離測定デバイスに結合される。こうして、解析されるべき表面のプロファイルを記録することが可能になる。
【0033】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの放射検出デバイスは、そのデバイス上に衝突する放射を局所的に分解された受け取り(resolved reception)受けることを可能にする。この場合において、放射検出デバイスは、CCDチップなどを有し得る。このようにして、衝突する放射の強度を単に決定することが可能になるだけでなく、また表面の区別された画像を表示することも可能になる。
【0034】
本発明は、また、表面特性を決定する方法に関する。ここで、最初の方法ステップにおいて、放射が、解析されるべき表面上に放たれる。さらなる方法ステップにおいて、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部は、第一の放射検出デバイスによって検出され、この反射された放射に特徴的な第一の信号が出力される。さらに、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部は、第二の放射検出デバイスによって検出され、この反射された放射に特徴的な第二の信号が出力される。さらなる方法ステップにおいて、該第一の信号は、該第二の信号と比較され、この比較に基づいて、該放射デバイスの幾何学的位置が考慮される。より具体的に、該放射デバイスの平面での表面に対して、装置の傾きのチルトまたは角度は、該第一の信号を該第二の信号と比較することによって決定される。
【0035】
好ましくは、少なくとも一つの信号は、放射デバイスの表面に対する地理的位置を考慮して修正される。これは、例えば、放射検出デバイスによって決定される信号であり得、したがって、その修正は、任意のチルトを考慮して行われる。
【0036】
好ましくは、上記第一の放射検出デバイスは、上記表面によって反射される上記放射の方向に対して、第一の所定の角度によってオフセットされ、上記第二の放射検出デバイスは、該表面によって反射される該放射に対して、第二の所定の角度によってオフセットされる。ここで、該2つの角度は、本質的に等しく、該表面によって反射される該放射の方向に対して互いに相対する。
【0037】
好ましくは、上述のタイプの装置は、本発明に従う方法を実行するために使用される。
【0038】
本発明は、また、表面特性を決定する方法に関する。ここで、最初の方法ステップにおいて、放射が、解析されるべき表面上に放たれ、さらなる方法のステップにおいて、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部が、第一の放射検出デバイスによって検出され、この反射された放射に特徴的な第一の信号が出力される。さらに、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部は、さらなる放射検出デバイスによって検出され、この反射される放射に特徴的なさらなる信号が出力される。最後に、該第一の信号は、該さらなる信号と比較され、この比較の特徴的な値が出力される。
【0039】
代替として、あるいは追加的に、特定のタイプの色変化、またはその原因は、第一の信号と第二の信号との比較、あるいは第一の信号と、さらなる放射検出デバイスから生成するさらなる信号との比較によって、識別される。色変化は、理想的な表面(すなわち、層の厚さの変化によるカラーピグメントの濃度揺らぎがなく、エフェクトピグメント(例えば、アルミニウムフレーク)の正しくない向きのない表面)とは異なる表面のこれらの状態によって生じる。特に、本発明の方法によって、カラーピグメント濃度における変化は、エフェクトピグメントの正しくない向きが原因となるこれらの効果から区別され得る。より具体的には、比較の特徴的な値に基づいて、層の厚さの変化によって生じた信号変化と、ピグメントの正しくない配列によって生じた信号変化との間を区別することが可能になる。
【0040】
好ましくは、上記第一の信号および上記さらなる信号は、各場合において、前記表面の2つの異なるエリアに出力され、少なくとも1つの表面特性は、該第一の信号と該さらなる信号との比較から決定される。該第一の信号と該さらなる信号とを比較することによって、1つの特定の方向で、あるいは相対する方向に、2つの信号が変化するかどうかをチェックすることが可能である。上述のように、これは、次いで、色変化の物理的原因を推論するために、使用され得る。
【0041】
さらなる利点および実施形態は、添付図面から明らかになる。
【0042】
本発明は、さらに、以下の手段を提供する。
【0043】
(項目1)
表面特性を決定する装置(1)であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくとも1つの第二の放射検出デバイス(15)と
を備え、
該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の方向に対して、第一の所定の角度β1によってオフセットされ、
該第二の放射検出デバイス(15)は、該表面によって反射される該放射に対して、さらなる所定の角度β2によってオフセットされ、
該角度β1およびβ2は、本質的に等しく、該表面によって反射される該放射の方向に対して互いに相対する、装置(1)。
【0044】
(項目2)
上記第一の測定信号と上記第二の測定信号との間の関係から、上記表面に対する上記装置の位置を考慮するプロセッサデバイスが備えられる、項目1に記載の装置。
【0045】
(項目3)
上記関係が、差または比であることを特徴とする、項目2に記載の装置。
【0046】
(項目4)
上記所定の角度β1およびβ2は、5°と35°との間の値、好ましくは、10°と30°との間の値、好ましくは、15°と25°との間の値、そして、特に好ましくは、約15°である、項目1に記載の装置。
【0047】
(項目5)
上記第一の放射デバイスは、所定の角度α1で、上記表面上に放射を放ち、この角度α1は、該表面(8)に垂直な方向に対し、5°と45°との間の値であり、好ましくは10°と35°との間の値であり、好ましくは、10°と25°との間の値であり、そして、特に好ましくは、約15°である、項目1に記載の装置。
【0048】
(項目6)
上記表面から放たれた上記放射を吸収する吸収デバイス(11)が備えられる、項目1に記載の装置。
【0049】
(項目7)
上記少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、上記表面(8)によって散乱および/または反射される上記放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくともさらなる測定信号を出力するさらなる放射検出デバイス(7)が備えられる、項目1に記載の装置。
【0050】
(項目8)
上記さらなる放射検出デバイスは、上記表面(8)に垂直な方向に対し、さらなる角度で配置され、この角度は、30°と60°との間の値を有し、好ましくは、約45°の値を有する、項目7に記載の装置。
【0051】
(項目9)
上記さらなる信号を、上記第一の測定信号と上記第二の測定信号とのうちの少なくとも1つと比較し、この比較に特徴的な値を出力するプロセッサデバイスが備えられる、項目7に記載の装置。
【0052】
(項目10)
表面特性を決定する装置(1)であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくともさらなる放射検出デバイス(7)と
を備え、
該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の方向に対して、第一の所定の角度β1によってオフセットされ、
該さらなる放射検出デバイス(7)は、該表面によって反射される該放射に対して、さらなる所定の角度γ1によってオフセットされ、
該第一の測定信号と該第二の測定信号との間の関係から、表面品質に特徴的な値を決定するプロセッサデバイスが備えられる、装置(1)。
【0053】
(項目11)
上記放射デバイス(3)によって放たれる上記放射が、上記表面(8)上に衝突する前に、該放射の強度を測定する強度測定デバイスが、提供される、項目1または項目10に記載の装置。
【0054】
(項目12)
少なくとも1つの放射検出デバイスは、該少なくとも1つの放射検出デバイス上に衝突する上記放射の局所的に分解された受け取りを可能にする、項目1または項目10に記載の装置。
【0055】
(項目13)
表面特性を決定する方法であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つステップと、
第一の放射検出デバイス(5)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第一の信号を出力するステップと、
第二の放射検出デバイス(15)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第二の信号を出力するステップと、
該第一の信号を該第二の信号と比較するステップと、
該第一の測定信号と該第二の測定信号との間の比較をベースとして、該表面に対して、該放射デバイスの幾何学的位置を考慮するステップと
を包含する、方法。
【0056】
(項目14)
項目1に記載の装置が、項目13に記載の方法を実行するために使用される、方法。
【0057】
(項目15)
表面特性を決定する方法であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つステップと、
第一の放射検出デバイス(5)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第一の信号を出力するステップと、
さらなる放射検出デバイス(7)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的なさらなる信号を出力するステップと、
該第一の信号を該さらなる信号と比較し、この比較に特徴的な値を出力するステップと
を包含する、方法。
【0058】
(摘要)
本発明は、解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する、少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する、少なくともさらなる放射検出デバイス(7)とを備えている、表面特性を決定する装置(1)に関する。本発明によると、該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の方向に対して、第一の所定の角度β1によってオフセットされ、該さらなる放射検出デバイス(7)は、該表面によって反射される該放射の方向に対して、さらなる所定の角度β1によってオフセットされ、該角度β1およびβ2は、本質的に等しく、該表面によって反射される該放射の方向に対して互いに相対する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明が基づく第一の問題を示す図である。
【図2】図2a〜図2cは、本発明が基づく第二の問題を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明に従う装置の光学ブロックを示す。
【図4】図4は、本発明に従う装置を示す。
【図5a】図5aは、測定結果を示す第一の図を示す。
【図5b】図5bは、測定結果を示す第二の図を示す。
【図5c】図5cは、測定結果を示す第三の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、表面上に放たれ、その表面によって反射された放射の強度分布を示す。ここで、印0°を有する破線は、反射角度を示す。簡略化のために、個々の角度と、その線は、直線上にプロットされる。
【0061】
装置が、その表面に対してチルトされていない場合、強度曲線31が、期待されるべきである。この場合、−15°と15°とに配置された2つの放射検出デバイス5および15は、各場合において、同じ強度Iを受ける。しかしながら、装置が、表面に対してチルトされると、強度分布または信号は、例えば、点線33によって示されるように、シフトされる。この場合、+15°に配置された放射検出デバイスは、より高い強度Iを受け、−15°に配置された放射検出デバイスは、対応するより弱い強度Iを受ける。チルトすることは、強度値IとIとの間の比から考慮され得る。特に好ましくは、2つの放射検出デバイスは、強度Iが、角度に対して、ほぼ線形強度プロファイルが期待される領域である強度分布の領域に位置されるように配置される。チルトする場合において、強度値IとIとの間の差と、強度値IとIとの間の差とは、これによって、ほぼ同じである。
【0062】
図2a〜図2cは、本発明が基づくさらなる問題に関する。ここで、参照番号8は、表面または対応するコーティングを示す。このコーティング内で、一部のタイプのコーティングにおいて、いわゆるピグメントまたはフレーク36a、36bが、多数存在する。適切なコーティングの場合、フレークは、例えば、フレーク36aのように、本質的に水平に向けられる。しかしながら、欠陥の場合、例えば、フレーク36bの場合に示されるように、フレークの位置が斜めとなることが生じ得る。
【0063】
一方、しかしながら、個々のコーティングの厚さの揺らぎが、生じ得、これらの厚さの揺らぎもまた、表面の光学的印象と、測定結果とに影響を与え得る。例えば、コーティングがあまりにも薄く、d2の厚さを有する領域において、ベースコートが、透けて見えるので、誤った全体の印象を与える。従来技術で公知の測定方法を用いて、記録された画像、あるいは実行された測定から、揺らぎが、濃度揺らぎによるものか、あるいはフレークの向きが正しくないことによるものかを判断することは可能ではなかった。
【0064】
3つの異なる測定状況が、図2a〜図2cに示される。これらの図において、参照番号3は、放射デバイスを示し、参照番号15および7は、放射検出デバイスを示す。放射デバイスは、メジアン垂線(median perpendicular)Mに対して、−15°の放射角α1で表面上に放射を放つ。この放射は、メジアン垂線に対して15°の反射角で反射される(矢印P3)。放射検出デバイス15は、この反射された放射の特定の一部を受け、その一方、さらなる反射検出デバイス7は、散乱された放射のみを受ける。
【0065】
図2aは、正しく向けられたフレーク36aの位置で実行される開始状況を示し、ここで、ここでの層の厚さは、値d1を有する。図2bは、フレークが正しく向けられているが、層の厚さが減少した値d2を有する状況を示す。上述のように、強度の変化は、減少した層の厚さまたはカラーピグメント濃度を考慮するこの領域で起こり得る。
【0066】
しかしながら、強度におけるこの変化は、反射された放射の方向に対して、−15°で配置された放射検出デバイス15上と、反射された放射の方向に対して、−45°で配置された放射検出デバイス7上とで、同じ効果を有する。雲(cloud)とも称され得る層の厚さの変化は、したがって、同じ方法または同じ方向のそれぞれの信号に対して作用する。
【0067】
図2cは、放たれた光が、フレーク36b上に衝突する状況を示す。フレーク36bは、その向きにおいて回転している。しかしながら、図示されたフレーク36bは、また、多数のフレークも表わす。この場合、回転が意味するのは、反射された信号は、もはや15°で衝突しないということである。これは、破線で示される矢印P3によって示される。この場合、したがって、放射検出デバイス15は、反射光をより高い割合で受ける。対照的に、放射検出デバイス7に衝突する散乱光の強度は、顕著に変化しないか、あるいは他の何らかの方法で変化する。この場合、したがって、第二の放射検出デバイス15に衝突する放射の強度と、さらなる検出デバイス7に衝突する放射との強度は、このように、異なって変化するか、あるいは相対する方向に変化する。強度変化の理由は、したがって、受けた強度と比較することによって決定され得る。正しくない向きのフレークが多数あると、一般的に反射光の強度は減少し、散乱光の強度は増加する。
【0068】
換言すれば、このようないわゆる雲(すなわち、正しくない向きのフレークを含むエリア)は、色変化の特性を変化させるが、それでも、これらの雲は、各場合において、円周方向の放射検出デバイスの配置に依存して、個々に測定された信号上に異なる影響を有する。この場合においても、また、2つの放射検出デバイス7および15によって、各場合に、受信された信号のパーセンテージ偏差(percentage deviation)は、総和されるか、または比較される。ここで、この総和または比較は、長さ距離の異なる範囲にわたって行われ得る。このように、色変化の物理的原因は、確認され得、色変化のタイプは、互いに区別され得る。
【0069】
図1を参照すると、ここでの厚さの変化は、同じ方向で、−15°および+15°でのセンサ信号も変化させ、例えば、合計の信号は増加することが、理解され得る。ここでも、また、+15°の信号と−15°の信号との間のパーセンテージ偏差は、総和される。しかしながら、既に述べたように、表面のチルトは、放射検出デバイスの信号に相対する変化を生じさせる。しかしながら、この場合、(反射光の方向に対して、−15°と+15°で受けられた)2つの信号の総和は、表面に対する装置のチルトとは本質的に独立である。なぜなら、上述のように、放射検出デバイスの配置は、各場合、測定が信号31および33の側面(flank)の本質的に線形な領域で実行されるように、選択される。
【0070】
図3は、本発明に従って、表面特性を解析する装置の光学ブロック10を示す。ここで、参照番号3は、解析されるべき表面8の上に放射を放つ放射検出デバイスを示す。動作中、装置は、矢印Pに沿った方向で、表面を光学的にスキャンするために、表面に対して、矢印Pに沿って移動する。
【0071】
原理的に、複数の放射デバイスを互いに平行に(例えば、図の平面に垂直な方向に沿って)配置することが、また可能である。さらに、円筒状レンズのような光学素子が、提供され得、この結果、放射が、図の平面に垂直な線に沿って表面上に放たれるようになる。こうして、単に線形エレメントだけでなく、むしろ、二次元エレメントを同時に光学的に測定することが可能である。
【0072】
参照番号13は、光源を示し、この光源は、例えば、白色LEDであり得る。LEDによって放たれた放射は、絞り14およびレンズ12を通過し、表面8へと向かう。ここで、放射デバイスは、メジアン垂線Mに対して、15°の放射角α1で配置される。反射光は、こうして、また、表面8によって、15°の角度でも反射される。参照番号11は、反射された放射を本質的に吸収する吸収デバイスを示す。これは、例えば、チューブなどであり得る。吸収デバイスは、装置の中に外部光が入るのを妨げるために、好ましくは閉じられている。
【0073】
参照番号5は、+15°の角度β1で配置される第一の放射検出デバイスを示す。本実施形態において、第一の放射検出デバイス5は、したがって、メジアン垂線Mに対して、30°の角度で配置される。第二の放射検出デバイス15は、反射された放射の方向に対して、−15°の角度β2で配置され、この場合、表面8上に垂直に位置される。これら2つの放射検出デバイス5、15は、光電池を有し、好ましくは、CCDチップを有し、これらのデバイスは、また、放射を局所的に分解された(resolved)解析が可能である。さらに、2つの放射検出デバイスは、レンズ17と、またその絞りとを有する(詳細に図示せず)。
【0074】
参照番号16は、放射デバイス3の隣に提供される強度測定デバイスを示す。この強度測定デバイスによって、放射の一部は、放射デバイスから外部に結合され(coupled out of)、上述のように、測定結果をキャリブレーションして、安定化するために使用される。強度測定デバイス16は、同様に、絞り、フィルタ、光ダイオードなどの光学素子(図示せず)を有し得る。
【0075】
参照番号7は、さらなる放射検出デバイスを示す。このさらなる放射検出デバイス7は、反射された放射の方向に対して、γ1=−45°の角度で配置され、したがって、表面によって散乱された光を受ける。この放射検出デバイスは、また、好ましくは、その検出デバイス上に局所的に分解された受け取りが可能でもある。上述のように、強度の揺らぎの物理的原因は、放射検出デバイス5または15のうちの一方によって受信された測定信号を、放射検出デバイス7によって受信された信号と比較することによって、推論され得る。
【0076】
しかしながら、図示される放射検出デバイスの他にも、さらなる放射検出デバイスが、例えば、メジアン垂線に対して、例えば、70°または80°のような大きな角度で提供され得る。さらに、また、さらなる放射デバイスを提供することも、異なるスペクトル成分の光を分離するフィルタ素子を提供することも、可能である。
【0077】
図4は、図3に示される光学ユニット10を有する本発明に従う装置1を示す。さらに、装置は、上述の光学ユニットが設置される筺体20を有する。参照番号21は、下部筺体部領域の開口部を示し、放射は、放射デバイス3から、この下部筺体領域を通過し、表面8上へと向かう。参照番号25は、表面に対して装置を移動させる装置のホイールを示す。好ましくは、このホイールまたは他の異なるホイールは、表面に対して、装置1が移動した距離を決定するための距離測定デバイスに結合される。参照番号23は、スクリーンのような表示デバイスを示す。参照番号6は、個々の測定信号を互いに比較するプロセッサデバイスを示す。
【0078】
距離測定デバイスと個々の放射検出デバイスとの間で協働することによって、所定のデータのプロファイルが、表面にわたって記録され得、距離/時間プロファイルが決定され得る。
【0079】
図5a、図5b、および図5cは、本発明に従う装置によって記録されたスペクトルを示す。ここで、参照番号41は、基準表面から記録されたスペクトルを示し、参照番号42は、解析されるべきさらなる表面から記録されたスペクトルを示す。所定の強度の標準偏差σは、各場合において、Y座標にプロットされる。各表面に対して、座標にプロットされているミリメートルでの異なる空間領域(以下、本明細書では、また空間的波長とも称する)で、4つの測定値の合計が記録される。
【0080】
より具体的には、これは、平均化が、第一の領域にある6ミリメートルと13ミリメートルとの間の距離にわたって実行され、平均化が、第二の領域にある11ミリメートルと23ミリメートルとの間の距離にわたって実行され、平均化が、第三の領域にある19ミリメートルと42ミリメートルとの間の距離にわたって実行され、平均化が、第四の領域にある33ミリメートルと70ミリメートルとの間の距離にわたって実行されることを意味する。これらの異なる距離は、観察者から個々の表面(例えば、自動車の塗装面)までの距離を示す。19ミリメートルから42ミリメートルまでの距離を有する第三の領域は、こうして、2メートルと3メートルとの間のビューイング(vieing)距離に対応する。
【0081】
図5aは、45°で配置された放射検出デバイスによって記録された光強度の変化を示す。ここで、表面は、そのベースコーティングにおける厚さに変化を有するものが選択された。図5cは、15°で受けられた(すなわち、例えば、放射検出デバイス5によって)放射に対して対応する図を示す。図5aと図5cとを比較して理解され得るように、層の厚さの変化のために、双方の放射検出デバイスの信号は、ここでは、同様に変化し、双方とも、19ミリメートルから42ミリメートルの領域に最大を有する。
【0082】
図5bは、15°と45°とにある2つの放射検出デバイスによって記録された強度の比較を示す。ここでも、他の2つのグラフと同様に、2つの放射検出デバイスは、反射光が平均化または総和された方向に対して、+15°と−15°とに配置された。2つの強度の差または比は、比較的小さい標準偏差を有することが、図5bから理解され得る。これによって、上述のように、表面はフレークの均一な向きを有するが、特定の厚さの揺らぎを受けていると推論することが可能である。
【0083】
フレークの不均一な向きによってもたらされる影響の場合、標準偏差は、これによって、高い値となる。
【0084】
好ましくは、したがって、第一の放射検出デバイスおよび第二の放射検出デバイスの双方と、またさらなる放射検出デバイスを備える装置が提供される。このようにして、測定偏差の異なる原因が、表面に対して装置をチルトしていることによるのか、フレークの向きが変化していることによるのか、あるいは層の厚さの変化によるのかが、特にシンプルな方法で決定され得る。
【0085】
本出願書類に開示される全ての特徴は、従来技術に対して個々に、あるいは従来技術と組み合わせて新規である限り、本発明に必須なものとして、請求される。
【符号の説明】
【0086】
1 装置
3 放射デバイス
5 第一の放射検出デバイス
6 プロセッサデバイス
7 さらなる放射検出デバイス
8 表面
10 光学ブロック
11 吸収デバイス
12、17 レンズ
13 光源
14 絞り
15 第二の放射検出デバイス
16 強度測定デバイス
20 筐体
21 下部筐体領域の開口部
23 表示デバイス
25 装置のホイール
31、33 信号
36a、36b フレーク(ピグメント)
41、42 スペクトル
、I、I 強度
P、P3 矢印
、d 層の厚さ
α 放射角
β1、β2、γ1 放射検出器デバイスの角度
M メジアン垂線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車および/または家具の表面特性を決定する装置(1)であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくとも1つの第二の放射検出デバイス(15)と
を備え、
該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、第一の所定の角度β1だけオフセットされ、
該第二の放射検出デバイス(15)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、さらなる所定の角度β2だけオフセットされ、
該角度β1およびβ2は、本質的に等しく、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して互いに相対し、
該装置を該表面上で移動させる移動デバイスと、該表面に対して該装置が移動した距離を決定する距離測定デバイスとが備えられる、装置(1)。
【請求項2】
前記第一の測定信号と前記第二の測定信号との間の関係から、前記表面に対する前記装置の角度を決定するプロセッサデバイスが備えられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記関係が、差または比であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記所定の角度β1およびβ2は、5°と35°との間の値、10°と30°との間の値、15°と25°との間の値、または、約15°である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の放射デバイスは、所定の角度α1で、前記表面上に放射を放ち、この角度α1は、該表面(8)に垂直な方向に対し、5°と45°との間の値、10°と35°との間の値、10°と25°との間の値、または、約15°である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記表面から放たれた前記放射を吸収する吸収デバイス(11)が備えられる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、前記表面(8)によって散乱および/または反射される前記放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくともさらなる測定信号を出力するさらなる放射検出デバイス(7)が備えられる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記さらなる放射検出デバイスは、前記表面(8)に垂直な方向に対し、さらなる角度で配置され、この角度は、30°と60°との間の値、または、約45°の値を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
自動車および/または家具の表面特性を決定する装置(1)であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つ少なくとも第一の放射デバイス(3)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第一の測定信号を出力する少なくとも第一の放射検出デバイス(5)と、
該少なくとも1つの放射デバイス(3)によって放たれ、次いで、該表面(8)によって散乱および/または反射される放射の少なくとも一部を受け、該反射および/または散乱された放射の特徴である少なくとも第二の測定信号を出力する少なくともさらなる放射検出デバイス(7)と
を備え、
該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、第一の所定の角度β1だけオフセットされ、
該さらなる放射検出デバイス(7)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、さらなる所定の角度γ1だけオフセットされ、
該第一の測定信号と該第二の測定信号との間の関係から、表面品質に特徴的な値を決定するプロセッサデバイスが備えられ、
該装置を該表面上で移動させる移動デバイスと、該表面に対して該装置が移動した距離を決定する距離測定デバイスとが備えられる、装置(1)。
【請求項10】
前記放射デバイス(3)によって放たれる前記放射が前記表面(8)上に衝突する前に、該放射の強度を測定する強度測定デバイスが、提供される、請求項1または請求項に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの放射検出デバイスは、該少なくとも1つの放射検出デバイス上に衝突する前記放射の局所的な強度を検出する、請求項1または請求項に記載の装置。
【請求項12】
自動車および/または家具の表面特性を決定する方法であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つステップと、
第一の放射検出デバイス(5)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第一の信号を出力するステップと、
移動デバイスを用いて、該装置を該表面上で移動させるステップと、
距離測定デバイスを用いて該表面に対して該装置が移動した距離を決定するステップと、
第二の放射検出デバイス(15)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第二の信号を出力するステップと、
該第一の信号を該第二の信号と比較するステップと、
第一の測定信号と第二の測定信号との間の比較をベースとして、該表面に対して、該放射デバイスの幾何学的位置を考慮するステップと
を包含し、該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、第一の所定の角度β1だけオフセットされ、該第二の放射検出デバイス(15)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、さらなる所定の角度β2だけオフセットされ、該角度β1およびβ2は、本質的に等しく、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して互いに相対する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、請求項1に記載の装置が、該方法を実行するために使用される、方法。
【請求項14】
自動車および/または家具の表面特性を決定する方法であって、
解析されるべき表面(8)上に放射を放つステップと、
第一の放射検出デバイス(5)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的な第一の信号を出力するステップと、
移動デバイスを用いて、該装置を該表面上で移動させるステップと、
距離測定デバイスを用いて該表面に対して該装置が移動した距離を決定するステップと、
さらなる放射検出デバイス(7)によって、該表面上に放たれ、該表面によって反射される該放射の少なくとも一部を検出し、この反射される放射に特徴的なさらなる信号を出力するステップと、
該第一の信号を該さらなる信号と比較し、この比較に特徴的な値を出力するステップと
を包含し、該第一の放射検出デバイス(5)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、第一の所定の角度β1だけオフセットされ、該さらなる放射検出デバイス(7)は、該表面によって反射される該放射の正反射方向に対して、さらなる所定の角度γ1だけオフセットされる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【公開番号】特開2010−8423(P2010−8423A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212532(P2009−212532)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2007−180232(P2007−180232)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(507231987)ベーユプスィロンカー−ガードネル ゲーエムベーハー (15)
【Fターム(参考)】