解体作業機
【課題】屈曲自在な作業腕の先端部に解体用アタッチメントが装着されたフロント作業機を具備してなる解体作業機において、機体安定性を確保しながら効率よく解体作業を行なえるようにする。
【解決手段】フロント作業機4の作業姿勢と、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の移動範囲Sと、機体安定性を確保できる破砕機の許容作業範囲および警告領域と、解体対象物20との位置関係が示された画像を作成する画像作成部27を設けると共に、該画像作成部27により作成された画像をモニタ表示装置22に表示する構成にした。
【解決手段】フロント作業機4の作業姿勢と、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の移動範囲Sと、機体安定性を確保できる破砕機の許容作業範囲および警告領域と、解体対象物20との位置関係が示された画像を作成する画像作成部27を設けると共に、該画像作成部27により作成された画像をモニタ表示装置22に表示する構成にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物や構築物を解体するための解体作業機の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビル等の建物や構築物を解体するための作業機として、屈曲自在な作業腕の先端部に破砕機等の解体用アタッチメントを装着したフロント作業機を具備する解体作業機が知られている。この様な解体作業機においては、高所での解体作業を容易に行なえるように、例えば、ブームと多関節アームとからなる長尺の作業腕が用いられるのが一般的であるが、この様な長尺の作業腕を用いた場合には、フロント作業機が機体バランスに及ぼす影響が大きいため、解体用アタッチメントの位置によっては機体安定性が損なわれてしまう惧れが生じる。
そこで従来、ブームおよびアームにそれぞれ角度検出器を、また車体にコントローラを設け、角度検出器からの検出信号に基づきコントローラにおいて作業機全体の重心位置と、下部走行体の接地面における安定支点の支持力を演算し、該支持力値を表示器に表示すると共に、支持力が安全作業確保上の限界値以下になった場合に警報を発するように構成した技術が提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−247578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1のものは、支持力が安全作業確保上の限界値以下になった場合に警報が発せられりするものの、安全に作業を行うことができる作業範囲や、該作業範囲と解体対象物との位置関係が判るわけでないから、作業中に警報が発せられる頻度が高く、そして、警報が発せられた時点で作業を中断してフロント作業機の姿勢を変えたり解体作業機を移動させたりしなければならず、作業効率に劣るという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、屈曲自在な作業腕の先端部に解体用アタッチメントが装着されたフロント作業機を具備してなる解体作業機において、該解体作業機に、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段と、機体安定性を確保できる解体用アタッチメントの許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段と、解体対象物の位置を検出する解体対象物検出手段とを設けると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される解体用アタッチメントの許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物との位置関係を示す画像を作成する画像作成手段、および該画像作成手段により作成された画像を表示する表示装置を設けたことを特徴とする解体作業機である。
請求項2の発明は、画像作成手段および表示装置は、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を示す画像に、さらに、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲が示された画像を作成して表示することを特徴とする請求項1に記載の解体作業機である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明とすることにより、オペレータは、表示装置に表示された画像によって、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を一目で確認できることになり、而して、これらの位置関係を確認しながら解体作業機の位置決めやフロント作業機の姿勢変更を行うことができて、機体安定性を確実に確保できると共に解体作業を効率良く行うことができ、もって、作業効率の大幅な向上に貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、オペレータは、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲と許容作業範囲と解体対象物との位置関係も把握できることになり、而して、より一層の作業効率の向上に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は解体作業機であって、該解体作業機1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロント部に装着されるフロント作業機4を具備して構成されると共に、該フロント作業機4は、屈曲自在な作業腕5の先端部に破砕機(本発明の解体用アタッチメントに相当する)6を装着して構成されている。前記作業腕5は、本実施の形態では、基端部が上部旋回体3に上下方向揺動自在に支持されるブーム7と、該ブーム7の先端部に上下方向揺動自在に支持される第一アーム8と、該第一アーム8の先端部に上下方向揺動自在に支持される第二アーム9とを用いて構成されており、そして、該作業腕5の最も先端側に位置する第二アーム9の先端部に、破砕機6の基端部が揺動自在に支持されている。尚、図中、10、11、12、13は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9、破砕機6をそれぞれ揺動せしめるべく伸縮作動するブーム用シリンダ、第一アーム用シリンダ、第二アーム用シリンダ、アタッチメント用シリンダである。
【0007】
さらに、14はブーム7の上部旋回体3に対する揺動角度(ブーム角度α)を検出するブーム角度センサ、15は第一アーム8のブーム7に対する揺動角度(第一アーム角度β)を検出する第一アーム角度センサ、16は第二アーム9の第一アーム8に対する揺動角度(第二アーム角度γ)を検出する第二アーム角度センサ、17は下部走行体2に対する上部旋回体3の旋回角度(旋回角度φ)を検出する旋回角度センサであって、これら各角度センサ14〜17の検出信号は、後述する制御装置18に入力されるようになっている。
【0008】
また、19は回転式のレーザー距離センサであって、回転するレーザー発信器から発信されたレーザー信号が解体対象物20に当たり反射して戻ってくるまでの時間と、該レーザー信号を受信する受信器の回転角度とに基づいて解体対象物20の外側面までの距離を計測するものであるが、該レーザー距離センサ19の検出信号は、前記制御装置18に入力されるようになっている。また、前記レーザー距離センサ19は、本実施の形態ではブーム7の先端側部位に取付けられている。
【0009】
一方、前記制御装置18は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図2のブロック図に示すごとく、入力側に、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、レーザー距離センサ19が接続され、また、出力側に、ブザー等の警報器21、モニタ表示装置22が接続されている。
【0010】
ここで、前記モニタ表示装置22は、液晶ディスプレイ等から構成されるものであって、本発明の表示装置に相当するが、オペレータが視認しやすいように運転室1a内の適宜位置に配設されている。
【0011】
次いで、前記制御装置18に設けられるメモリや各種演算部等について、前記図2に基づいて説明する。まず、23はメモリであって、該メモリ23には、フロント作業機データ部24と許容作業範囲データ部25とが設けられており、そして、フロント作業機データ部24には、フロント作業機4を構成する各部材のデータ(例えば、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9、破砕機6の寸法等)、および前記レーザー距離センサ19の取付部位のデータが保存されている。
【0012】
また、前記許容作業範囲データ部25には、解体作業機1の機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲が、データとして保存されている。この場合、下部走行体2に対するフロント作業機4の向き、つまり上部旋回体3の旋回角度φによって機体安定性が異なるため、許容作業範囲データ部25には、上部旋回体3の旋回角度φに応じた許容作業範囲のデータが保存されている。また、本実施の形態では、許容作業範囲の外側境界線Lに近い部分に、外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域が設定されていて、該警告領域のデータも、前記許容作業範囲データ部25に保存されている。尚、前記フロント作業機データ部24および許容作業範囲データ部25のデータは、フロント作業機4を構成する各部材の寸法や重量、種類等に応じて適宜書換可能に構成されている。
【0013】
さらに、26は作業姿勢演算部であって、該作業姿勢演算部26は、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17により検出されるブーム角度α、第一アーム角度β、第二アーム角度γ、旋回角度φと、前記フロント作業機データ部24に保存されているフロント作業機4の各部材のデータとを入力し、これら入力信号に基づいて、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3を演算する。そして、該作業姿勢演算部26により演算されたブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3を、フロント作業機4の現在の作業姿勢を示すデータとして、後述する画像作成部27に出力する。さらに、破砕機6の基端部が支持される第二アーム9の先端部位置P3を、破砕機6の基端部の位置を示すデータとして、後述する作業範囲判断部28に出力する。尚、本実施の形態において、前記先端部位置P1、P2、P3は、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標と、旋回角度φとによって表わされるようになっている。また、本実施の形態において、本発明の作業姿勢検出手段は、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、およびフロント作業機データ部24、作業姿勢演算部26によって構成される。
【0014】
さらに、前記作業姿勢演算部26は、作業腕5を屈曲させた場合、つまり、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9を揺動させた場合の第二ブーム9の先端部の移動範囲Sを演算する。そして、該移動範囲Sを、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の基端部の移動範囲Sとして、前記画像作成部27に出力する。尚、本実施の形態において、ブーム7の揺動は、第一アーム用シリンダ11を最も縮小した状態でのみ許容されるように設定されており、この設定に従って前記移動範囲Sも演算されるようになっている。また、前記移動範囲Sは、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。
【0015】
さらに、29は許容作業範囲設定部であって、該許容作業範囲設定部29は、前記旋回角度センサ17により検出される旋回角度φと、許容作業範囲データ部25に保存されている許容作業範囲のデータとを入力し、これら入力信号に基づいて、機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲と、該許容作業範囲の外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域とを設定する。この場合、前述したように、機体安定性は上部旋回体3の旋回角度φによって異なるため、該旋回角度φに応じた許容作業範囲および警告領域が設定されると共に、該許容作業範囲および警告領域は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。そして、許容作業範囲設定部29により設定された許容作業範囲および警告領域は、前記画像作成部27と作業範囲判断部28とに出力される。尚、本実施の形態において、本発明の許容作業範囲設定手段は、前記旋回角度センサ17、許容作業範囲データ部25、許容作業範囲設定部29により構成される。
【0016】
さらに、30は解体対象物位置演算部であって、該解体対象物位置演算部30は、前記フロント作業機データ部24に保存されているレーザー距離センサ19の取付部位のデータと、前記ブーム角度センサ14により検出されるブーム角度αと、レーザー距離センサ19により検出される解体対象物20の外側面までの距離とを入力し、これら入力信号に基づいて、解体作業機1に対する解体対象物20の外側面の位置を演算する。該解体対象物20の外側面の位置は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。そして、該解体対象物位置演算部30により演算された解体対象物20の外側面の位置は、前記画像作成部27に出力される。尚、本実施の形態において、本発明の解体対象物検出手段は、前記ブーム角度センサ14、レーザー距離センサ19、フロント作業機データ部24、解体対象物位置演算部30により構成される。
【0017】
一方、前記画像作成部(本発明の画像作成手段に相当する)27は、前記作業姿勢演算部26により演算されたブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3と、作業姿勢演算部26により演算された破砕機6の基端部の移動範囲Sと、許容作業範囲設定部29により設定された許容作業範囲および警告領域と、解体対象物位置演算部30により演算された解体対象物20の外側面の位置とを入力する。そして、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3に基づいて、フロント作業機4の現在の作業姿勢の画像を作成すると共に、該フロント作業機4の現在の作業姿勢と、破砕機6の移動範囲Sと、許容作業範囲および警告領域と、解体対象物20との位置関係が表示された画像を作成する。そして、該作成した画像をモニタ表示装置22に表示するべく、モニタ表示装置22に対して制御指令を出力する。これにより、モニタ表示装置22には、フロント作業機4の現在の作業姿勢と、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の移動範囲Sと、機体安定性を確保できる許容作業範囲および該許容作業範囲の外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域と、解体対象物20との位置関係が表示された画像がリヤルタイムで表示されるようになっている。尚、モニタ表示装置22に表示される画像の一例を図3に示すが、該図3における座標や符号は、実際の画像には表示されないようになっている。また、本実施の形態では、前記画像に加えて、第二アーム9の先端部の高さ、旋回半径、旋回角度等の数値もモニタ表示装置22に表示されるようになっている。
【0018】
また、前記作業範囲判断部28は、作業姿勢演算部26から入力される破砕機6の基端部の位置(第二アーム9の先端部位置P3)と、許容作業範囲設定部29から入力される許容作業範囲(機体安定性を確保できる状態で作業を行うことができる破砕機6の作業範囲)とに基づいて、破砕機6の基端部の許容作業範囲に対する位置を演算し、そして、破砕機6が許容作業範囲内であるか、或いは警告領域内に侵入しているか否かを判断する。そして、前記作業範囲判断部28により破砕機6が警告領域内に侵入したと判断された場合、或いは、破砕機6が許容作業範囲の外側境界線Lに達したと判断された場合には、警報器21に対して警報を発するように制御指令を出力する。この場合、警告領域内に侵入した場合と許容作業範囲の外側境界線Lに達した場合とでは、オペレータが確実に識別できるように、異なる警報(例えば、ブザーの音量、間隔等)が発せられるように設定されている。
【0019】
叙述の如く構成された本形態において、解体作業機1には、フロント作業機4の姿勢を検出する作業姿勢検出手段(ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、フロント作業機データ部24、作業姿勢演算部26)と、機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段(旋回角度センサ17、許容作業範囲データ部25、許容作業範囲設定部29)と、解体対象物20の位置を検出する解体対象物検出手段(ブーム角度センサ14、レーザー距離センサ19、フロント作業機データ部24、解体対象物位置演算部30)とが設けられていると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機4の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される破砕機6の許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物20との位置関係を示す画像を作成する画像作成部27が設けられており、さらに、該画像作成部27により作成された画像はモニタ表示装置22に表示されることになる。
【0020】
この結果、オペレータは、モニタ表示装置22に表示された画像によって、フロント作業機4の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を一目で確認できることになり、而して、これらの位置関係を確認しながら解体作業機1の位置決めやフロント作業機4の姿勢変更を行うことができて、機体安定性を確実に確保できると共に破砕機6の作業を効率良く行うことができ、もって、作業効率の大幅な向上に貢献できる。
【0021】
しかも、前記モニタ装置22に表示される画像には、フロント作業機4の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係だけでなく、作業腕5を屈曲させた場合、つまり、ブーム7、第一アーム8、第2アーム9を揺動させた場合の破砕機6の移動範囲Sも示される構成になっているから、オペレータは、ブーム7、第一アーム8、第2アーム9を実際に揺動させる前に、揺動させた場合の破砕機6の移動範囲Sと許容作業範囲と解体対象物との位置関係も把握できることになり、而して、より一層の作業効率の向上に貢献できる。
【0022】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、前記実施の形態において、作業腕はブームと第一、第二アームとから構成されているが、これに限定されることなく、例えば、ブームと一本のアームとから構成されるもの、或いは伸縮自在なブームやアームが用いられているもの等であっても良い。また、解体用アタッチメントとしては、例えば油圧ブレーカ等の他のアタッチメントが装着されるものであっても、勿論良い。さらに、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段は、フロント作業機を構成する各種部材に応じた検出手段を、適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(A)、(B)は解体作業機の側面図、平面図である。
【図2】制御装置の入出力、および制御を示すブロック図である。
【図3】モニタ表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
【0024】
1 解体作業機
4 フロント作業機
5 作業腕
6 破砕機
14 ブーム角度センサ
15 第一アーム角度センサ
16 第二アーム角度センサ
17 旋回角度センサ
19 レーザー距離センサ
22 モニタ表示装置
24 フロント作業機データ部
25 許容作業範囲データ部
26 作業姿勢演算部
27 画像作成部
29 許容作業範囲設定部
30 解体対象物位置演算部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物や構築物を解体するための解体作業機の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビル等の建物や構築物を解体するための作業機として、屈曲自在な作業腕の先端部に破砕機等の解体用アタッチメントを装着したフロント作業機を具備する解体作業機が知られている。この様な解体作業機においては、高所での解体作業を容易に行なえるように、例えば、ブームと多関節アームとからなる長尺の作業腕が用いられるのが一般的であるが、この様な長尺の作業腕を用いた場合には、フロント作業機が機体バランスに及ぼす影響が大きいため、解体用アタッチメントの位置によっては機体安定性が損なわれてしまう惧れが生じる。
そこで従来、ブームおよびアームにそれぞれ角度検出器を、また車体にコントローラを設け、角度検出器からの検出信号に基づきコントローラにおいて作業機全体の重心位置と、下部走行体の接地面における安定支点の支持力を演算し、該支持力値を表示器に表示すると共に、支持力が安全作業確保上の限界値以下になった場合に警報を発するように構成した技術が提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−247578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1のものは、支持力が安全作業確保上の限界値以下になった場合に警報が発せられりするものの、安全に作業を行うことができる作業範囲や、該作業範囲と解体対象物との位置関係が判るわけでないから、作業中に警報が発せられる頻度が高く、そして、警報が発せられた時点で作業を中断してフロント作業機の姿勢を変えたり解体作業機を移動させたりしなければならず、作業効率に劣るという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、屈曲自在な作業腕の先端部に解体用アタッチメントが装着されたフロント作業機を具備してなる解体作業機において、該解体作業機に、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段と、機体安定性を確保できる解体用アタッチメントの許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段と、解体対象物の位置を検出する解体対象物検出手段とを設けると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される解体用アタッチメントの許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物との位置関係を示す画像を作成する画像作成手段、および該画像作成手段により作成された画像を表示する表示装置を設けたことを特徴とする解体作業機である。
請求項2の発明は、画像作成手段および表示装置は、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を示す画像に、さらに、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲が示された画像を作成して表示することを特徴とする請求項1に記載の解体作業機である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明とすることにより、オペレータは、表示装置に表示された画像によって、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を一目で確認できることになり、而して、これらの位置関係を確認しながら解体作業機の位置決めやフロント作業機の姿勢変更を行うことができて、機体安定性を確実に確保できると共に解体作業を効率良く行うことができ、もって、作業効率の大幅な向上に貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、オペレータは、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲と許容作業範囲と解体対象物との位置関係も把握できることになり、而して、より一層の作業効率の向上に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は解体作業機であって、該解体作業機1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロント部に装着されるフロント作業機4を具備して構成されると共に、該フロント作業機4は、屈曲自在な作業腕5の先端部に破砕機(本発明の解体用アタッチメントに相当する)6を装着して構成されている。前記作業腕5は、本実施の形態では、基端部が上部旋回体3に上下方向揺動自在に支持されるブーム7と、該ブーム7の先端部に上下方向揺動自在に支持される第一アーム8と、該第一アーム8の先端部に上下方向揺動自在に支持される第二アーム9とを用いて構成されており、そして、該作業腕5の最も先端側に位置する第二アーム9の先端部に、破砕機6の基端部が揺動自在に支持されている。尚、図中、10、11、12、13は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9、破砕機6をそれぞれ揺動せしめるべく伸縮作動するブーム用シリンダ、第一アーム用シリンダ、第二アーム用シリンダ、アタッチメント用シリンダである。
【0007】
さらに、14はブーム7の上部旋回体3に対する揺動角度(ブーム角度α)を検出するブーム角度センサ、15は第一アーム8のブーム7に対する揺動角度(第一アーム角度β)を検出する第一アーム角度センサ、16は第二アーム9の第一アーム8に対する揺動角度(第二アーム角度γ)を検出する第二アーム角度センサ、17は下部走行体2に対する上部旋回体3の旋回角度(旋回角度φ)を検出する旋回角度センサであって、これら各角度センサ14〜17の検出信号は、後述する制御装置18に入力されるようになっている。
【0008】
また、19は回転式のレーザー距離センサであって、回転するレーザー発信器から発信されたレーザー信号が解体対象物20に当たり反射して戻ってくるまでの時間と、該レーザー信号を受信する受信器の回転角度とに基づいて解体対象物20の外側面までの距離を計測するものであるが、該レーザー距離センサ19の検出信号は、前記制御装置18に入力されるようになっている。また、前記レーザー距離センサ19は、本実施の形態ではブーム7の先端側部位に取付けられている。
【0009】
一方、前記制御装置18は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図2のブロック図に示すごとく、入力側に、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、レーザー距離センサ19が接続され、また、出力側に、ブザー等の警報器21、モニタ表示装置22が接続されている。
【0010】
ここで、前記モニタ表示装置22は、液晶ディスプレイ等から構成されるものであって、本発明の表示装置に相当するが、オペレータが視認しやすいように運転室1a内の適宜位置に配設されている。
【0011】
次いで、前記制御装置18に設けられるメモリや各種演算部等について、前記図2に基づいて説明する。まず、23はメモリであって、該メモリ23には、フロント作業機データ部24と許容作業範囲データ部25とが設けられており、そして、フロント作業機データ部24には、フロント作業機4を構成する各部材のデータ(例えば、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9、破砕機6の寸法等)、および前記レーザー距離センサ19の取付部位のデータが保存されている。
【0012】
また、前記許容作業範囲データ部25には、解体作業機1の機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲が、データとして保存されている。この場合、下部走行体2に対するフロント作業機4の向き、つまり上部旋回体3の旋回角度φによって機体安定性が異なるため、許容作業範囲データ部25には、上部旋回体3の旋回角度φに応じた許容作業範囲のデータが保存されている。また、本実施の形態では、許容作業範囲の外側境界線Lに近い部分に、外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域が設定されていて、該警告領域のデータも、前記許容作業範囲データ部25に保存されている。尚、前記フロント作業機データ部24および許容作業範囲データ部25のデータは、フロント作業機4を構成する各部材の寸法や重量、種類等に応じて適宜書換可能に構成されている。
【0013】
さらに、26は作業姿勢演算部であって、該作業姿勢演算部26は、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17により検出されるブーム角度α、第一アーム角度β、第二アーム角度γ、旋回角度φと、前記フロント作業機データ部24に保存されているフロント作業機4の各部材のデータとを入力し、これら入力信号に基づいて、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3を演算する。そして、該作業姿勢演算部26により演算されたブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3を、フロント作業機4の現在の作業姿勢を示すデータとして、後述する画像作成部27に出力する。さらに、破砕機6の基端部が支持される第二アーム9の先端部位置P3を、破砕機6の基端部の位置を示すデータとして、後述する作業範囲判断部28に出力する。尚、本実施の形態において、前記先端部位置P1、P2、P3は、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標と、旋回角度φとによって表わされるようになっている。また、本実施の形態において、本発明の作業姿勢検出手段は、前記ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、およびフロント作業機データ部24、作業姿勢演算部26によって構成される。
【0014】
さらに、前記作業姿勢演算部26は、作業腕5を屈曲させた場合、つまり、ブーム7、第一アーム8、第二アーム9を揺動させた場合の第二ブーム9の先端部の移動範囲Sを演算する。そして、該移動範囲Sを、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の基端部の移動範囲Sとして、前記画像作成部27に出力する。尚、本実施の形態において、ブーム7の揺動は、第一アーム用シリンダ11を最も縮小した状態でのみ許容されるように設定されており、この設定に従って前記移動範囲Sも演算されるようになっている。また、前記移動範囲Sは、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。
【0015】
さらに、29は許容作業範囲設定部であって、該許容作業範囲設定部29は、前記旋回角度センサ17により検出される旋回角度φと、許容作業範囲データ部25に保存されている許容作業範囲のデータとを入力し、これら入力信号に基づいて、機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲と、該許容作業範囲の外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域とを設定する。この場合、前述したように、機体安定性は上部旋回体3の旋回角度φによって異なるため、該旋回角度φに応じた許容作業範囲および警告領域が設定されると共に、該許容作業範囲および警告領域は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。そして、許容作業範囲設定部29により設定された許容作業範囲および警告領域は、前記画像作成部27と作業範囲判断部28とに出力される。尚、本実施の形態において、本発明の許容作業範囲設定手段は、前記旋回角度センサ17、許容作業範囲データ部25、許容作業範囲設定部29により構成される。
【0016】
さらに、30は解体対象物位置演算部であって、該解体対象物位置演算部30は、前記フロント作業機データ部24に保存されているレーザー距離センサ19の取付部位のデータと、前記ブーム角度センサ14により検出されるブーム角度αと、レーザー距離センサ19により検出される解体対象物20の外側面までの距離とを入力し、これら入力信号に基づいて、解体作業機1に対する解体対象物20の外側面の位置を演算する。該解体対象物20の外側面の位置は、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の先端部位置P1、P2、P3と同じ座標、つまり、ブーム7の基端部の揺動支点を原点Oとして上部旋回体3の前後方向をX軸、上下方向をY軸とする座標で表されるようになっている。そして、該解体対象物位置演算部30により演算された解体対象物20の外側面の位置は、前記画像作成部27に出力される。尚、本実施の形態において、本発明の解体対象物検出手段は、前記ブーム角度センサ14、レーザー距離センサ19、フロント作業機データ部24、解体対象物位置演算部30により構成される。
【0017】
一方、前記画像作成部(本発明の画像作成手段に相当する)27は、前記作業姿勢演算部26により演算されたブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3と、作業姿勢演算部26により演算された破砕機6の基端部の移動範囲Sと、許容作業範囲設定部29により設定された許容作業範囲および警告領域と、解体対象物位置演算部30により演算された解体対象物20の外側面の位置とを入力する。そして、前記ブーム7、第一アーム8、第二アーム9の各先端部位置P1、P2、P3に基づいて、フロント作業機4の現在の作業姿勢の画像を作成すると共に、該フロント作業機4の現在の作業姿勢と、破砕機6の移動範囲Sと、許容作業範囲および警告領域と、解体対象物20との位置関係が表示された画像を作成する。そして、該作成した画像をモニタ表示装置22に表示するべく、モニタ表示装置22に対して制御指令を出力する。これにより、モニタ表示装置22には、フロント作業機4の現在の作業姿勢と、作業腕5を屈曲させた場合の破砕機6の移動範囲Sと、機体安定性を確保できる許容作業範囲および該許容作業範囲の外側境界線Lに近いことをオペレータに警告するための警告領域と、解体対象物20との位置関係が表示された画像がリヤルタイムで表示されるようになっている。尚、モニタ表示装置22に表示される画像の一例を図3に示すが、該図3における座標や符号は、実際の画像には表示されないようになっている。また、本実施の形態では、前記画像に加えて、第二アーム9の先端部の高さ、旋回半径、旋回角度等の数値もモニタ表示装置22に表示されるようになっている。
【0018】
また、前記作業範囲判断部28は、作業姿勢演算部26から入力される破砕機6の基端部の位置(第二アーム9の先端部位置P3)と、許容作業範囲設定部29から入力される許容作業範囲(機体安定性を確保できる状態で作業を行うことができる破砕機6の作業範囲)とに基づいて、破砕機6の基端部の許容作業範囲に対する位置を演算し、そして、破砕機6が許容作業範囲内であるか、或いは警告領域内に侵入しているか否かを判断する。そして、前記作業範囲判断部28により破砕機6が警告領域内に侵入したと判断された場合、或いは、破砕機6が許容作業範囲の外側境界線Lに達したと判断された場合には、警報器21に対して警報を発するように制御指令を出力する。この場合、警告領域内に侵入した場合と許容作業範囲の外側境界線Lに達した場合とでは、オペレータが確実に識別できるように、異なる警報(例えば、ブザーの音量、間隔等)が発せられるように設定されている。
【0019】
叙述の如く構成された本形態において、解体作業機1には、フロント作業機4の姿勢を検出する作業姿勢検出手段(ブーム角度センサ14、第一アーム角度センサ15、第二アーム角度センサ16、旋回角度センサ17、フロント作業機データ部24、作業姿勢演算部26)と、機体安定性を確保できる状態で破砕機6の作業を行うことができる許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段(旋回角度センサ17、許容作業範囲データ部25、許容作業範囲設定部29)と、解体対象物20の位置を検出する解体対象物検出手段(ブーム角度センサ14、レーザー距離センサ19、フロント作業機データ部24、解体対象物位置演算部30)とが設けられていると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機4の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される破砕機6の許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物20との位置関係を示す画像を作成する画像作成部27が設けられており、さらに、該画像作成部27により作成された画像はモニタ表示装置22に表示されることになる。
【0020】
この結果、オペレータは、モニタ表示装置22に表示された画像によって、フロント作業機4の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を一目で確認できることになり、而して、これらの位置関係を確認しながら解体作業機1の位置決めやフロント作業機4の姿勢変更を行うことができて、機体安定性を確実に確保できると共に破砕機6の作業を効率良く行うことができ、もって、作業効率の大幅な向上に貢献できる。
【0021】
しかも、前記モニタ装置22に表示される画像には、フロント作業機4の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係だけでなく、作業腕5を屈曲させた場合、つまり、ブーム7、第一アーム8、第2アーム9を揺動させた場合の破砕機6の移動範囲Sも示される構成になっているから、オペレータは、ブーム7、第一アーム8、第2アーム9を実際に揺動させる前に、揺動させた場合の破砕機6の移動範囲Sと許容作業範囲と解体対象物との位置関係も把握できることになり、而して、より一層の作業効率の向上に貢献できる。
【0022】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、前記実施の形態において、作業腕はブームと第一、第二アームとから構成されているが、これに限定されることなく、例えば、ブームと一本のアームとから構成されるもの、或いは伸縮自在なブームやアームが用いられているもの等であっても良い。また、解体用アタッチメントとしては、例えば油圧ブレーカ等の他のアタッチメントが装着されるものであっても、勿論良い。さらに、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段は、フロント作業機を構成する各種部材に応じた検出手段を、適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(A)、(B)は解体作業機の側面図、平面図である。
【図2】制御装置の入出力、および制御を示すブロック図である。
【図3】モニタ表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
【0024】
1 解体作業機
4 フロント作業機
5 作業腕
6 破砕機
14 ブーム角度センサ
15 第一アーム角度センサ
16 第二アーム角度センサ
17 旋回角度センサ
19 レーザー距離センサ
22 モニタ表示装置
24 フロント作業機データ部
25 許容作業範囲データ部
26 作業姿勢演算部
27 画像作成部
29 許容作業範囲設定部
30 解体対象物位置演算部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲自在な作業腕の先端部に解体用アタッチメントが装着されたフロント作業機を具備してなる解体作業機において、該解体作業機に、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段と、機体安定性を確保できる解体用アタッチメントの許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段と、解体対象物の位置を検出する解体対象物検出手段とを設けると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される解体用アタッチメントの許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物との位置関係を示す画像を作成する画像作成手段、および該画像作成手段により作成された画像を表示する表示装置を設けたことを特徴とする解体作業機。
【請求項2】
画像作成手段および表示装置は、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を示す画像に、さらに、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲が示された画像を作成して表示することを特徴とする請求項1に記載の解体作業機。
【請求項1】
屈曲自在な作業腕の先端部に解体用アタッチメントが装着されたフロント作業機を具備してなる解体作業機において、該解体作業機に、フロント作業機の作業姿勢を検出する作業姿勢検出手段と、機体安定性を確保できる解体用アタッチメントの許容作業範囲を設定する許容作業範囲設定手段と、解体対象物の位置を検出する解体対象物検出手段とを設けると共に、前記作業姿勢検出手段により検出されるフロント作業機の作業姿勢と、許容作業範囲設定手段により設定される解体用アタッチメントの許容作業範囲と、解体対象物検出手段により検出される解体対象物との位置関係を示す画像を作成する画像作成手段、および該画像作成手段により作成された画像を表示する表示装置を設けたことを特徴とする解体作業機。
【請求項2】
画像作成手段および表示装置は、フロント作業機の作業姿勢と許容作業範囲と解体対象物との位置関係を示す画像に、さらに、作業腕を屈曲させた場合の解体用アタッチメントの移動範囲が示された画像を作成して表示することを特徴とする請求項1に記載の解体作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−138657(P2010−138657A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317999(P2008−317999)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】
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