触覚フィードバックシグナルを供給する手段を備えた皮膚処理デバイス
本発明は、処理窓12を介して皮膚16を処理するための処理窓12と、有限ステップ幅で処理窓12がずらされる有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で、皮膚に沿って処理窓12を移動させることについて皮膚処理デバイス10のユーザを補助するユーザ案内手段18とを有する皮膚処理デバイス10に関する。本発明によれば、ユーザ案内手段18が、処理窓12から分離して設けられ、各移動ステップでユーザに対して触覚フィードバックシグナルを送る。有利には、ユーザ案内手段は、少なくとも1つのステップローラ22を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って処理窓を移動させることについて処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスに関する。更に特に、本発明は、光脱毛器(photoepilator)に関する。
【背景技術】
【0002】
光脱毛は、人の皮膚上の毛を除去し、新しい毛の成長を一時的に阻止するための十分に確立された技術である。実際の脱毛の前に、脱毛されるべき皮膚の毛が剃られる。その後の光脱毛ステップにおいて、脱毛されるべき皮膚の部分が、典型的にはレーザ源からのフラッシュの形式で強力な光にさらされ、前記光は、処理窓を介して放射される。処理窓は、通常、矩形であり、数センチメートルの横断面をもつ。より大きなエリアの皮膚を処理するために、処理窓(及びそれを備えた全体の処理デバイス)は、各ステップが光フラッシュの放射を含む段階的な態様で皮膚に渡って移動され、その結果、異なるエリアの皮膚が各ステップにおいて処理される。レーザ光の波長は、皮膚中の毛袋(毛包)に大幅に吸収されるように選択される。吸収された放射線は、熱に変えられ、これにより、毛包が処理後の特定の期間、典型的には約4週間の間に新たな毛を生成しないように毛包を"不活性化"させる。その期間の後も、毛のないままにするために皮膚に対して処理が繰り返されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最新式の光脱毛器は、光源としてレーザを用いるが、光脱毛のための光は、単色でもコヒーレントでもないことを必要とする。放射線を生成するためにレーザを用いる理由は、小サイズのレーザ、その制限された周波数スペクトル、高いエネルギ効率、高強度及び低コストのような、どちらかといえば実用的なことにある。本発明は、処理のために用いられた電磁気放射線がレーザ以外の手段、例えば広帯域の強力なパルス化光源又はフラッシュランプにより生成される光学皮膚処理デバイスを含むことが強調される。更に、本発明は、概して、毛の除去又は毛の成長の低減のための光学皮膚処理デバイスを含むだけでなく、例えば皮膚の若返り、にきび処理、乾癬の処理等のような他の皮膚科学の目的のための光学皮膚処理デバイスも含むことが強調される。
【0004】
本発明は、必ずしも皮膚ではない表面が処理窓を介して段階的な態様で処理される表面処理の非光学的な形式にも適用する。表面処理の非光学的な形式の例は、RFエネルギ、超音波エネルギ、ローション、オイル若しくは塗料のような液体又はペーストを、処理窓を介して表面に付与すること、又は、例えば殺菌若しくは洗浄のための処理窓を介してのプラズマ処理を付与することを含む。
【0005】
光脱毛及び他の光学皮膚処理方法並びにデバイスの問題は、皮膚上に入射する光が皮膚上に如何なる可視マークもすぐには残さないことである。実際には、光への暴露の効果は、処理の後の数日又は数週における毛の成長の削減率又は他の皮膚科学的な結果で明らかになるだけである。それ故、いずれの部分も一回よりも多くさらすことを回避する一方で、脱毛又は他の方法で処理されるべき皮膚のそれぞれの部分をさらすために、処理の間、多くの注意が必要とされる。実際には、同一エリアの繰り返された処理は、吸収された追加の量のエネルギにより潜在的に害を及ぼし得る。皮膚に渡って処理窓をずらすことについてユーザを補助するために、最新式の光学皮膚処理デバイスは、デバイスの動作及び/又は既に処理された表面についてユーザに伝えるフィードバック手段を備える。これらのフィードバック手段の大部分は、光又は音響シグナルを送るように設計され、例えば、皮膚処理デバイスが処理窓の幅に対応する距離で移動されたときにLEDが照射される。また、他の形式の表面処理(例えば、プラズマ表面処理)において、本発明は、処理の効果が肉眼ではすぐに見えないときに特に役立つだろう。
【0006】
米国特許第6,171,302号明細書は、光源の活性化を表面上のハンドピースの位置と同期させ、光放射線に対する表面の実質的に均一な暴露を提供する装置及び方法を開示している。オペレータにより表面に沿って移動されたハンドピースは、表面上のハンドピース毎に横断した距離を感知するセンサを含む。センサは、表面上のハンドピース毎に横断された距離を計算する信号処理ユニットに信号を送信する。
【0007】
単に表面処理デバイスのオペレータにだけ光又は音響フィードバックシグナルを供給することは、オペレータがこれらのシグナルを正確に解釈する必要があるという欠点をもつ。それ故、デバイスを操作するためは、通常、幾つかのトレーニングを必要とする。実際には、光脱毛は、治療専門家により実行されるのがほとんどである。更に、光フィードバックシグナルだけを供給することは、彼又は彼女が、彼(彼女)の背中の部分のような彼(彼女)が直接見ることができない彼(彼女)自身の体の部分上に皮膚処理デバイスを適用するときに、ユーザは、光シグナルを受けることが難しいことに気付くという欠点をもつ。更に、最新式のフィードバックシステムは、距離毎に処理デバイスが処理されるべき表面に沿って移動された前記距離を評価して、フィードバックシグナルをトリガするためのかなり複雑な電子装置を伴う。最新式のフィードバックシステムは、処理デバイス内に強固に統合される。しかしながら、ユーザ又は患者の異なる動作パラメータ又は個人的好みに柔軟に調節され得るユーザフィードバック手段をもつことが望まれるだろう。
【0008】
それ故、本発明の目的は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスであって、ユーザ案内手段が簡素で容易に変更可能であり、解釈するのが容易なフィードバックシグナルをユーザに供給する皮膚処理デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、独立請求項の特徴により達成される。更に、本発明の明細書及び好ましい実施形態が従属請求項に述べられる。
【0010】
本発明は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って前記処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスであって、前記ユーザ案内手段が、前記処理窓から分離して設けられ、各移動ステップでユーザに対して触覚フィードバックシグナルを送ることを特徴とする皮膚処理デバイスを提供する。ユーザは、患者自身、即ち皮膚が処理される人、又は、異なる人のいずれであってもよい。従って、フィードバックシグナルは、患者の皮膚、若しくは、皮膚処理デバイスを操作するユーザの手のいずれか、又は、双方に送られ得る。触覚フィードバックシグナルは、2つの連続する移動ステップの間の遷移をユーザが感じることを可能にし、及び/又は、処理窓が処理のための新たな正確な位置に達したときに彼に伝えることを可能にする。触覚フィードバックシグナルは、種々の実施形態の議論から明らかになるように、種々異なる手法で生成され得る。処理窓とは分離してユーザ案内手段を設けることで、例えば、皮膚処理デバイスのステップ幅が処理窓の寸法とは異なるように寸法されるときにユーザ案内手段の特定の実施形態を設計することについて、より高い柔軟性を可能にする。処理窓から分離して設けられたユーザ案内手段は、容易に機械的にアクセスすることができ、これは、例えばユーザ案内手段の特定のバージョンが代替のバージョンと置き換えられるときに望ましい。更に、ユーザ案内手段は、未だ処理されていない皮膚の部分と主として接触するように設けられ、これは、皮膚が処理により刺激される場合に有利であろう。処理窓の段階的動作について触覚フィードバックシグナルを供給することは、シグナルが、処理に関与した身体、即ち患者の皮膚又はユーザの手のいずれかに直接的に送られ得るという利点をもつ。ユーザの注意の大部分が彼の手及び/又は(ユーザが患者でもある場合には)処理される皮膚にフォーカスされるので、ユーザは、光又は音響シグナルと比較して触覚シグナルに対してより注意深くなりやすく、それ故、皮膚処理デバイスを使用するのに容易であることが分かるだろう。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、ステップ幅は、移動方向の処理窓の大きさの90%と100%との間、好ましくは約95%の大きさである。処理窓の大きさよりもやや小さくなるようにステップ幅を選択することにより、連続してさらされた皮膚部分間の小さなオーバーラップが達成され、これは、光の強度が処理窓の縁の近くで実質的に低くなる場合に、処理される皮膚の全体エリアのより均一な暴露を確実にし得る。この場合において、処理窓は、基本的に矩形であり、移動方向と平行に向けられることが好ましい。しかしながら、処理窓は、任意の他の形状であってもよい。特に、これは、楕円形、円形又は三角形であってもよい。正三角形の形状をもつ処理窓の場合において、皮膚処理デバイスは、三角形の3つの角から延在する処理窓と垂直な3つの軸のうちの1つの軸の周りを各移動ステップで60°毎に回転させることにより、段階的な態様で移動され得る。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、ユーザ案内手段は、少なくとも1つのステップローラを含む。ステップローラは、ステップローラの各回転ステップが皮膚に沿っての処理窓の変位になり、これによりステップ幅を規定するような段階的な態様で患者の皮膚上で回転され得る回転要素を含むように理解される。ステップローラは、例えば、多角形の輪郭をもつホイールにより実現され、多角形の各辺がステップ幅と同じ長さをもつ。有利には、回転要素は、皮膚と平行であり、移動方向と垂直である回転軸の周りを回転可能である。処理窓の段階的な動作の間に皮膚と接触する回転部材の輪郭は、角が付けられる必要はない。これは、特に、例えば回転要素が内部ポテンシャルエネルギにおいて最小値であると仮定する多くのエネルギ的に好ましい角度を提供することにより、触覚シグナルが特定の回転角で生成される円形であってもよい。斯様なポテンシャルエネルギの最小値は、例えば、複数の切り込みをもつ回転要素の心棒を設けることにより実現され、各切り込みは、回転角が好ましい角度の1つと一致するときに切り込みのうち1つと係合し、回転要素が好ましい角度の範囲外で回転されるときに外れる板バネを一緒にもつ、特定の回転角に対応する。多角形の輪郭は、2つの連続する移動ステップの間に皮膚上に回転要素の安定した位置を供給しやすい一方で、円形の形状をもつ回転要素は、転がりやすい。
【0013】
本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも1つのステップローラは、異なるステップローラに置き換え可能である。これは、例えば処理窓が基本的に矩形であり、それ故に2つの好ましい移動方向(即ち、矩形の対称軸)を規定するときに非常に便利である。この場合において、2つの好ましい移動方向のための2つのステップローラを最適化することが有利である。より正確には、各ステップローラの回転軸は、それぞれの移動方向に垂直であるべきであり、そのステップ幅は、それぞれの移動方向の矩形の投射に適合されるべきである。少なくとも1つのステップローラ及び異なるステップローラは、双方が皮膚処理デバイスから取り外し可能であり、及び、皮膚処理デバイスに再取り付け可能であり、その結果、これらを交換することは、一方を除去して他方を取り付けることを含む。代わりに、双方のステップローラは、皮膚処理デバイスにおいて恒久的に統合されてもよい。本発明の特定の実施形態において、双方のステップローラは、基本的に立方形状をもつ回転要素に統合され、立方体は、3つの主軸のうち2つの主軸の周りを回転可能である。
【0014】
本発明の他の態様によれば、ユーザ案内手段は、好ましくはバネにより、皮膚に向かって弾性的に偏らされる。これにより、ユーザ案内手段は皮膚と機械的に強く接触し、ユーザが皮膚の近くで皮膚処理デバイスを十分に保持することを提供する。これは、触覚シグナルがユーザに正確に伝達されることを確実にする。ユーザ案内手段が患者の皮膚に接触する一方で残りの皮膚処理デバイスが皮膚に接触しない実施形態において、(彼又は彼女の手、及び、ユーザが患者でもある場合には彼又は彼女の皮膚のいずれかを介して)ユーザにより感じられた弾性力は、ユーザが処理窓と皮膚との間の距離を容易に評価するか又は"感じる"ように補助する。
【0015】
更に、ユーザ案内手段が皮膚処理デバイスから少なくとも部分的に取り外し可能であることが有利である。例えば、ユーザ案内手段は、ユーザ案内手段が患者の体の曲率に従うことを確実にするために、移動可能な棒体により皮膚処理デバイスに固定され得る。移動可能な棒体は、(例えば、脇の下のような体の限られたエリアに皮膚処理デバイスを適用するときに)ユーザ案内手段が必要とされないか又は不都合である状況の間、収納位置(stop-away position)にユーザ案内手段を入れることを可能にする。ユーザ案内手段は、例えば洗浄のために皮膚処理デバイスを完全に外して脇へ置くという意味において、完全に取り外し可能であるように設計されてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、ユーザ案内手段は、各移動ステップ後に処理窓を介して光の放射をトリガするように設けられる。斯様なメカニズムは、述べられた段階的な態様で皮膚処理デバイスを皮膚に沿ってずらすことにより、患者の皮膚の大きなエリアを処理する非常に便利な手法を可能する。触覚フィードバックシグナルを介してユーザにより感じられた各変位の後、皮膚処理デバイスは、好ましくは短いフラッシュの形式で処理窓を介して必要な量の光を自動的に放射する。それ故、ユーザは、放射をトリガするための如何なる他の手段も作動させる必要がないだろう。好ましくは皮膚と相俟ってユーザ案内手段により生成された数種類の機械的抵抗を克服することにより感じられた、デバイスを再配置することは、次の処理ステップを実行するのに十分である。
【0017】
本発明の更に他の実施形態によれば、ユーザ案内手段は、各移動ステップの間又は後に、光又は音響シグナルをトリガするように設けられる。本発明の精神において、光又は音響シグナルは、触覚フィードバックシグナルに補完され、移動ステップが完了されたこと、及び、皮膚処理デバイスが処理窓を介して光を再び放射できることをユーザに伝えるのに役立つ。処理窓を介しての放射が前述されたように各移動ステップ後に自動的にトリガされる場合において、光又は音響シグナルが放射の間に有利に与えられ、これにより、光が実際に放射されることをユーザに伝える。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、皮膚処理デバイスは、各移動ステップの間又は後に皮膚に光学マークを付与するための、ユーザ案内手段に結合されたマーキング手段を含む。実際には、多くの一般的な皮膚処理手順において、処理の効果は、多くの時間、場合によっては数週間の期間の後にのみ明らかになる。それ故、多くの移動ステップを必要とし、処理を中断することを生じさせ得る、皮膚のより大きな部分を処理するときには、処理された皮膚の部分を記憶することが重要である。これは、これらを光学的にマーキングすることにより、例えば、矩形の処理窓の場合においては、光にさらされた皮膚上の矩形エリアの四隅を表示することにより、最も容易に行われる。光学マークが皮膚の吸収特性を変更し得るので、マークは、好ましくは、皮膚のそれぞれのエリアが処理された後すぐに、即ち、処理窓を介しての光の放射の後であるが処理窓を再配置する前に、付与される。皮膚に対するローション、ペースト又はオイルの付与のような、皮膚処理の非光学的な形式に関して、例えば、皮膚に付与されたローションが可視マークを設定することを可能にしない場合には、可視マークが各処理ステップの前に付与されるようにマーキング手段を設計することが有利である。それ故、可視マークは、材料(例えばペースト)が皮膚上に付与されるとき、及び、材料が皮膚から除去/洗浄されるときに皮膚上に残るように、皮膚上に置かれ得る。この場合においては、マーキング手段は、光学マークを付与するための少なくとも1つの鉛筆(pencil)を含む。
【0019】
本発明によれば、皮膚処理デバイスは、各移動ステップの後に、少なくとも処理窓を通る処理が再開し得るまでユーザが新たな移動ステップを実行することを阻止するブロッキングメカニズムを含む。ブロッキングメカニズムは、特定の最小時間のギャップが処理窓を介しての2つの連続する処理ステップの間に必要であり得るという問題に対処する。特に、光脱毛に用いられた従来のパルス化されたレーザは、光フラッシュを放射した後で次のフラッシュを放射可能となる前の数秒の間"休憩"させることを必要とする。ブロッキングメカニズムは、例えば光源のトリガメカニズムに結合される電気的又は機械的なタイマにより技術的に実現され得る。タイマは、特定の時間の経過後にのみブロッキングメカニズムを解除するだろう。代わりに、ブロッキングメカニズムは、処理が再開するという検出に基づいて、例えば処理がパルス化レーザを用いて実行される場合においては、レーザが次のパルスを放射できることを検出することにより、解除されてもよい。そのとき、タイマは必要とされないだろう。ユーザ案内手段は、ステップローラを有し、ブロッキングメカニズムは、処理が再開され得るまでステップローラの回転を阻止又は困難な状態にするように設計され得る。
【0020】
本発明のこれら及び他の態様は、後述された実施形態を参照して更に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】別個のステップローラをもつ皮膚処理デバイスの概略的な側面図である。
【図2】鋭角をもつ4つの矩形ホイールを有するステップローラをもつ他の皮膚処理デバイスの概略的な側面図である。
【図3】図2に示されたデバイスの概略的な正面図である。
【図4】2つの異なるステップローラを取り込む皮膚処理デバイスの概略的な3次元図である。
【図5】マーカーをもつ皮膚処理デバイスの動作の概略的な3次元図である。
【図6】図5に示された皮膚処理デバイスの第1部分の概略的な断面図である。
【図7】図5に示された皮膚処理デバイスの第2の部分の概略的な断面図である。
【図8】マーカーがステップローラに機械的に結合された皮膚処理デバイスの第1の部分の概略的な側面図である。
【図9】図8に示された皮膚処理デバイスの概略的な上面図である。
【図10】マーキング流体を含む縁部をもつ八角形のホイールの3次元図である。
【図11】マーキング流体を含む縁部をもつ六角形のホイールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面において、異なる図面に現れる相似又は類似の特徴は、同一の参照数字を用いて指定され、必ずしも何度も説明されない。
【0023】
図1は、本発明の皮膚処理デバイスの第1の実施形態の側面図である。皮膚処理デバイス10は、ハンドピース30に取り付けられた中空光保護部36を介して皮膚16上に放射された光14のビームを生成するためのレーザ(図示省略)を含むハンドピース30を含む。光14は、保護部の先端部での中空光保護部36の内側輪郭により規定された処理窓12を介して中空光保護部を出る。ハンドピース30に取り付けられたものは、ホイール32を有するユーザ案内手段18、スプリング28、及び、ホイール32をハンドピース30に接合するレバー34である。レバー34の先端部分38は、ホイール32用の軸を形成し、その結果、ホイール32が軸38の周りを回転可能となる。レバー34の基部40は、ハンドピース30に接続されて軸を構成し、レバー34がハンドピース30に対して当該軸の周りを回転可能である。レバー34は、軸40の周りにレバー34を回転させることで、軸40の周りにトルクを生じさせるように、スプリング28の第1の端部でハンドピース30に、第2の端部でレバー34に取り付けられた当該スプリング28により、ハンドピース30に対してバネで留められる。これにより、ユーザ案内手段18のホイール32は、皮膚16に向かって弾性的に偏らされ、ホイール32と皮膚16との間の堅くて安定した接触を保証する。ホイール32は、角丸をもつ多角形の輪郭22をもち、これにより、ステップローラを提供する。輪郭22は、4つの等辺をもち、各辺は、約0.95cmの大きさであり、これに対し、移動方向の処理窓12の投射の大きさは、約1.00cmの大きさである。皮膚16が処理窓12を介してフラッシュにさらされた後、ユーザは、図1に示されたデバイスの安定位置から同様の新たな安定位置(図示省略)へ移動方向にハンドピース30を移動させ、これにより、皮膚16上のホイール32を、90°の角度で軸38の周りを回転させる。ホイール32の輪郭22が円形よりもむしろ多角形である場合には、デバイス10のユーザは、一の安定位置から次の安定位置へデバイス10を移動させるために触知可能な力を克服することを必要とする。デバイス10が新たな安定位置に達する場合には、触知可能な力は消える。この力の消滅は、皮膚の次のセクションを光14にさらすために必要とされるステップ幅で彼又は彼女がデバイスを移動させたことをユーザに伝える触覚シグナルを構成する。ユーザは、如何なる不安定な中間位置よりも新たな位置において保持するためのより安定したデバイス10を理解するので、彼又は彼女は、少しの間デバイス10を移動させるのを直感的に停止させ、これにより、皮膚16への光14のフラッシュの放射を可能にする。ホイール32は、好ましくは、皮膚に適合した材料から作られる。有利には、これは、成型プラスチックから作られる。レバー34は、例えば金属、例えばステンレス鋼から作られ得る。
【0024】
図2を参照すると、本発明の皮膚処理デバイスの他の実施形態の側面図が示されており、デバイスは、反対の移動方向の2つの同等物をもつ。皮膚処理デバイス10は、ハンドピース30と、図1を参照して述べられたデバイスと同様の、処理窓12を介して皮膚16上に光を当てるための中空光保護部とを含む。シャフト34を介してハンドピース30に取り付けられたものは、軸38の周りを回転可能なホイール32である。シャフト34は、ハンドピース30と軸38との間の小さな変位を可能にするための弾性体であるようにデザインされている。デバイス10の動作中において、ホイール32は、輪郭22に沿って皮膚と接触し、これにより、ステップローラを提供する。輪郭22は、基本的に、輪郭22の各角が丸くなく鋭いものであるスパイク状の外観を与える、凹形の辺をもつ矩形の輪郭である。輪郭22の4つのスパイク状の角は、デバイス10が2つの移動方向のうち一方に移動されるときに、皮膚処理デバイス10が皮膚16上を滑ることを阻止し、その結果、ホイール32は、デバイス10が皮膚16上の一の安定位置から次の安定位置に移動されるときに90°回転するだろう。ホイール32、シャフト34及び軸38は、第1の案内手段18を形成する。第2のホイール32´と、第2のシャフト34´と第2の軸38´とを有する第2の案内手段18´は、ハンドピース30の反対側に第1の案内手段18に対して対称的に設けられる。皮膚処理デバイス10は、それ故、2つの同等の両移動方向と直交する対称面をもつ。
【0025】
図3は、図2を参照して述べられた皮膚処理デバイス10の正面図を提供する。デバイスは、(点線で示された)第2の対称面をもつ。従って、第3のホイール32´´がシャフト38に取り付けられる。第3のホイール32´´及びホイール32は、双方が同一の軸38の周りを回転可能である。
【0026】
図4は、本発明の他の実施形態による皮膚処理デバイス10の部分を示している。皮膚処理デバイス10は、中空光保護部36により囲まれた矩形の処理窓12をもつ。光保護部36の外側シェルに取り付けられるものは、軸38の周りを回転可能な回転立方体32を保持する第1の軸38である。軸38は、矩形の処理窓12の長辺と垂直であり、皮膚16と平行である。軸38の周りの回転に対する立方体32の輪郭は、処理窓12の長辺よりも僅かに短いステップ幅をもつ第1のステップローラ22を規定する。立方体32は、第1の軸と垂直な第2の軸(図示省略)の周りを更に回転可能である。第2の軸は、矩形の処理窓12の短辺と垂直であり、皮膚16と平行である。第2の軸の周りの回転に対する立方体32の輪郭は、それ故、処理窓12の短辺よりも僅かに短いステップ幅をもつ第2のステップローラ24を規定する。皮膚処理デバイス10が矩形の処理窓12の長辺と平行に動かされる場合には、第1のステップローラ22は、図1を参照して述べられた触覚フィードバックシグナルと原理上同様な、ユーザに触覚フィードバックシグナルを供給する。特に、ユーザは、デバイス10が皮膚16上の安定位置と見なしたときを感じる。類似して、皮膚処理デバイス10が矩形の処理窓12の短辺と平行に動かされた場合には、第2のステップローラ24がユーザに触覚フィードバックシグナルを供給する。
【0027】
図5を参照すると、人の足に対する、本発明による皮膚処理デバイス10の動作が概略的に示されており、デバイス10は、各移動ステップの間又は後に皮膚16に光学マークを付与するための、ユーザ案内手段18に結合されたマーキング手段20を含む。本デバイスは、人間工学的に形成されたハンドピース30と、2つの鉛筆26が取り付けられた案内手段18とを含み、2つ鉛筆26のそれぞれは、ユーザ案内手段18からの触覚シグナルにより示されたようにデバイスが一の好ましい位置から次の好ましい位置まで皮膚に渡ってずらされる度に、皮膚16上に可視点42を残す。それ故、皮膚16に渡ってデバイス10を移動させることで、皮膚16上に跡を残し、前記跡は、2つの鉛筆ラインからなり、各ラインは、等間隔の点42からなる。
【0028】
図6及び図7は、図5を参照して前述された案内手段18及び鉛筆26の概略的なクローズアップ断面図を提供する。案内手段18は、ハンドピース30の処理窓12の幅よりも僅かに短いステップ幅を規定する五角形の輪郭22をもつ。その上側部分に沿って、ホイール32は、フード44により部分的に囲まれる。図6は、2つの移動ステップ間の皮膚上の皮膚処理デバイスの中間位置を示している。中間の状況において、ホイール32は、五角形の輪郭22の1つの先端23だけにより皮膚16と接触する。この状況において、先端23は、皮膚に向かう方向において(ホイール32の背後に隠れている)鉛筆26の先端を越えて突出し、これにより、鉛筆26が皮膚と接触することを阻止する。図7は、皮膚処理デバイス10の安定位置を示しており、ホイール32の2つの先端23a及び23bが皮膚16に接触する。この状況において、ホイール32は、もはや鉛筆26を越えて突出せず、それ故、鉛筆の先端27は、光学マーク42が皮膚16上に残されるように、皮膚16に接触する。
【0029】
図8を見ると、触覚フィードバックシグナルを送るための案内手段をもつ皮膚処理デバイス10の概略的な側面図が示されており、案内手段は、皮膚16上に可視点42を付与するための鉛筆26に結合される。案内手段は、軸38によりハンドピース30に取り付けられた基本的に円形のホイール32を含む。基本的に円形のホイール32の輪郭22は、90°の角度間隔を空けて4つの切り込みをもつ。ホイールの全周は、移動方向の処理窓12(図9参照)の投射の大きさの4倍よりも僅かに短い。また、ハンドピース30に取り付けられるものは、先端27をもつ鉛筆26である。移動方向に対して、鉛筆26は、ホイール32の後部に位置している。ハンドピース30に対するホイール32の回転角度が、切り込みにより規定された4つの好ましい角度のうち1つの一致するときに、鉛筆26は、ホイール32の4つの切り込みのうちの1つの切り込み50に係合する先端部48をもつ板バネ46によりホイール32に結合される。板バネ46の先端部48がホイール32の切り込み50のうち1つに係合するときに、鉛筆の先端27が皮膚に接触し、これにより、皮膚16上に可視マークを付ける。皮膚処理デバイス10が移動方向に皮膚に渡って移動されるときには、板バネ46は、切り込み50から外れる。切り込みから外れた板バネ46は、鉛筆46を皮膚16から持ち上げ、その結果、皮膚処理デバイス10が皮膚に沿って移動される一方で、マークが皮膚16上に残らない。切り込み50と係合する板バネ46は、ユーザに対するデバイス10の抵抗の突然の増大としてデバイスのユーザにより感じられ、これにより、処理が継続され得る皮膚上の新たな位置にデバイス10が達したという触覚シグナルを彼又は彼女に供給する。
【0030】
図9は、図8に示された皮膚処理デバイス10の概略的な平面図を提供する。窓12はハンドピース30の下に隠されるが、明確さの目的のために、処理窓12が図中に示される。図8に示された側と反対の側では、デバイス10は、図8を参照して述べられた態様で、第2の板バネ46´を介して第2の鉛筆26´に結合された第2のホイール32´をもつ。デバイス10は、皮膚16上に予め付与されたマーク42に沿ってデバイスを再配置するルーラ52をオプション的に備える。処理窓12を通る光フラッシュは、皮膚16に向かってハンドピース30を押すことによりトリガされる(光フラッシュをトリガするための押下メカニズムは省略される)。
【0031】
図10を参照すると、マーキング流体を受けるようにデザインされたエッジ54をもつ八角形の輪郭22をもつホイール32が示される。本発明によれば、ホイール32は、処理窓(図示省略)をもつ皮膚処理デバイスのためのステップローラを備える。異なる実施形態の前の説明から、どのようにホイール32が皮膚処理デバイス上に設けられるかについては明らかである。好ましくは、ホイール32の各辺56は、移動方向の処理窓の投射の大きさよりも僅かに短い。ホイール32が、好ましくはハンドピース30(この図では示されない)と協働して、皮膚16に渡って転がるときには、処理された皮膚の部分を示す可視マーク42が皮膚上に残される。好ましくは、エッジ54は、マーキング流体を含めるための吸収剤を含む。マーキング流体でエッジ54を満たすための代替手段は、ホイール32に小型化された鉛筆を統合することである。
【0032】
図11は、六角形の輪郭22をもつ、図10に示されたホイールと同様のホイール32の概略的な側面図である。
【0033】
前記で述べられていない同等物、組み合わせ及び変更も、本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って処理窓を移動させることについて処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスに関する。更に特に、本発明は、光脱毛器(photoepilator)に関する。
【背景技術】
【0002】
光脱毛は、人の皮膚上の毛を除去し、新しい毛の成長を一時的に阻止するための十分に確立された技術である。実際の脱毛の前に、脱毛されるべき皮膚の毛が剃られる。その後の光脱毛ステップにおいて、脱毛されるべき皮膚の部分が、典型的にはレーザ源からのフラッシュの形式で強力な光にさらされ、前記光は、処理窓を介して放射される。処理窓は、通常、矩形であり、数センチメートルの横断面をもつ。より大きなエリアの皮膚を処理するために、処理窓(及びそれを備えた全体の処理デバイス)は、各ステップが光フラッシュの放射を含む段階的な態様で皮膚に渡って移動され、その結果、異なるエリアの皮膚が各ステップにおいて処理される。レーザ光の波長は、皮膚中の毛袋(毛包)に大幅に吸収されるように選択される。吸収された放射線は、熱に変えられ、これにより、毛包が処理後の特定の期間、典型的には約4週間の間に新たな毛を生成しないように毛包を"不活性化"させる。その期間の後も、毛のないままにするために皮膚に対して処理が繰り返されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最新式の光脱毛器は、光源としてレーザを用いるが、光脱毛のための光は、単色でもコヒーレントでもないことを必要とする。放射線を生成するためにレーザを用いる理由は、小サイズのレーザ、その制限された周波数スペクトル、高いエネルギ効率、高強度及び低コストのような、どちらかといえば実用的なことにある。本発明は、処理のために用いられた電磁気放射線がレーザ以外の手段、例えば広帯域の強力なパルス化光源又はフラッシュランプにより生成される光学皮膚処理デバイスを含むことが強調される。更に、本発明は、概して、毛の除去又は毛の成長の低減のための光学皮膚処理デバイスを含むだけでなく、例えば皮膚の若返り、にきび処理、乾癬の処理等のような他の皮膚科学の目的のための光学皮膚処理デバイスも含むことが強調される。
【0004】
本発明は、必ずしも皮膚ではない表面が処理窓を介して段階的な態様で処理される表面処理の非光学的な形式にも適用する。表面処理の非光学的な形式の例は、RFエネルギ、超音波エネルギ、ローション、オイル若しくは塗料のような液体又はペーストを、処理窓を介して表面に付与すること、又は、例えば殺菌若しくは洗浄のための処理窓を介してのプラズマ処理を付与することを含む。
【0005】
光脱毛及び他の光学皮膚処理方法並びにデバイスの問題は、皮膚上に入射する光が皮膚上に如何なる可視マークもすぐには残さないことである。実際には、光への暴露の効果は、処理の後の数日又は数週における毛の成長の削減率又は他の皮膚科学的な結果で明らかになるだけである。それ故、いずれの部分も一回よりも多くさらすことを回避する一方で、脱毛又は他の方法で処理されるべき皮膚のそれぞれの部分をさらすために、処理の間、多くの注意が必要とされる。実際には、同一エリアの繰り返された処理は、吸収された追加の量のエネルギにより潜在的に害を及ぼし得る。皮膚に渡って処理窓をずらすことについてユーザを補助するために、最新式の光学皮膚処理デバイスは、デバイスの動作及び/又は既に処理された表面についてユーザに伝えるフィードバック手段を備える。これらのフィードバック手段の大部分は、光又は音響シグナルを送るように設計され、例えば、皮膚処理デバイスが処理窓の幅に対応する距離で移動されたときにLEDが照射される。また、他の形式の表面処理(例えば、プラズマ表面処理)において、本発明は、処理の効果が肉眼ではすぐに見えないときに特に役立つだろう。
【0006】
米国特許第6,171,302号明細書は、光源の活性化を表面上のハンドピースの位置と同期させ、光放射線に対する表面の実質的に均一な暴露を提供する装置及び方法を開示している。オペレータにより表面に沿って移動されたハンドピースは、表面上のハンドピース毎に横断した距離を感知するセンサを含む。センサは、表面上のハンドピース毎に横断された距離を計算する信号処理ユニットに信号を送信する。
【0007】
単に表面処理デバイスのオペレータにだけ光又は音響フィードバックシグナルを供給することは、オペレータがこれらのシグナルを正確に解釈する必要があるという欠点をもつ。それ故、デバイスを操作するためは、通常、幾つかのトレーニングを必要とする。実際には、光脱毛は、治療専門家により実行されるのがほとんどである。更に、光フィードバックシグナルだけを供給することは、彼又は彼女が、彼(彼女)の背中の部分のような彼(彼女)が直接見ることができない彼(彼女)自身の体の部分上に皮膚処理デバイスを適用するときに、ユーザは、光シグナルを受けることが難しいことに気付くという欠点をもつ。更に、最新式のフィードバックシステムは、距離毎に処理デバイスが処理されるべき表面に沿って移動された前記距離を評価して、フィードバックシグナルをトリガするためのかなり複雑な電子装置を伴う。最新式のフィードバックシステムは、処理デバイス内に強固に統合される。しかしながら、ユーザ又は患者の異なる動作パラメータ又は個人的好みに柔軟に調節され得るユーザフィードバック手段をもつことが望まれるだろう。
【0008】
それ故、本発明の目的は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスであって、ユーザ案内手段が簡素で容易に変更可能であり、解釈するのが容易なフィードバックシグナルをユーザに供給する皮膚処理デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、独立請求項の特徴により達成される。更に、本発明の明細書及び好ましい実施形態が従属請求項に述べられる。
【0010】
本発明は、処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、有限ステップ幅で処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で皮膚に沿って前記処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とをもつ皮膚処理デバイスであって、前記ユーザ案内手段が、前記処理窓から分離して設けられ、各移動ステップでユーザに対して触覚フィードバックシグナルを送ることを特徴とする皮膚処理デバイスを提供する。ユーザは、患者自身、即ち皮膚が処理される人、又は、異なる人のいずれであってもよい。従って、フィードバックシグナルは、患者の皮膚、若しくは、皮膚処理デバイスを操作するユーザの手のいずれか、又は、双方に送られ得る。触覚フィードバックシグナルは、2つの連続する移動ステップの間の遷移をユーザが感じることを可能にし、及び/又は、処理窓が処理のための新たな正確な位置に達したときに彼に伝えることを可能にする。触覚フィードバックシグナルは、種々の実施形態の議論から明らかになるように、種々異なる手法で生成され得る。処理窓とは分離してユーザ案内手段を設けることで、例えば、皮膚処理デバイスのステップ幅が処理窓の寸法とは異なるように寸法されるときにユーザ案内手段の特定の実施形態を設計することについて、より高い柔軟性を可能にする。処理窓から分離して設けられたユーザ案内手段は、容易に機械的にアクセスすることができ、これは、例えばユーザ案内手段の特定のバージョンが代替のバージョンと置き換えられるときに望ましい。更に、ユーザ案内手段は、未だ処理されていない皮膚の部分と主として接触するように設けられ、これは、皮膚が処理により刺激される場合に有利であろう。処理窓の段階的動作について触覚フィードバックシグナルを供給することは、シグナルが、処理に関与した身体、即ち患者の皮膚又はユーザの手のいずれかに直接的に送られ得るという利点をもつ。ユーザの注意の大部分が彼の手及び/又は(ユーザが患者でもある場合には)処理される皮膚にフォーカスされるので、ユーザは、光又は音響シグナルと比較して触覚シグナルに対してより注意深くなりやすく、それ故、皮膚処理デバイスを使用するのに容易であることが分かるだろう。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、ステップ幅は、移動方向の処理窓の大きさの90%と100%との間、好ましくは約95%の大きさである。処理窓の大きさよりもやや小さくなるようにステップ幅を選択することにより、連続してさらされた皮膚部分間の小さなオーバーラップが達成され、これは、光の強度が処理窓の縁の近くで実質的に低くなる場合に、処理される皮膚の全体エリアのより均一な暴露を確実にし得る。この場合において、処理窓は、基本的に矩形であり、移動方向と平行に向けられることが好ましい。しかしながら、処理窓は、任意の他の形状であってもよい。特に、これは、楕円形、円形又は三角形であってもよい。正三角形の形状をもつ処理窓の場合において、皮膚処理デバイスは、三角形の3つの角から延在する処理窓と垂直な3つの軸のうちの1つの軸の周りを各移動ステップで60°毎に回転させることにより、段階的な態様で移動され得る。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、ユーザ案内手段は、少なくとも1つのステップローラを含む。ステップローラは、ステップローラの各回転ステップが皮膚に沿っての処理窓の変位になり、これによりステップ幅を規定するような段階的な態様で患者の皮膚上で回転され得る回転要素を含むように理解される。ステップローラは、例えば、多角形の輪郭をもつホイールにより実現され、多角形の各辺がステップ幅と同じ長さをもつ。有利には、回転要素は、皮膚と平行であり、移動方向と垂直である回転軸の周りを回転可能である。処理窓の段階的な動作の間に皮膚と接触する回転部材の輪郭は、角が付けられる必要はない。これは、特に、例えば回転要素が内部ポテンシャルエネルギにおいて最小値であると仮定する多くのエネルギ的に好ましい角度を提供することにより、触覚シグナルが特定の回転角で生成される円形であってもよい。斯様なポテンシャルエネルギの最小値は、例えば、複数の切り込みをもつ回転要素の心棒を設けることにより実現され、各切り込みは、回転角が好ましい角度の1つと一致するときに切り込みのうち1つと係合し、回転要素が好ましい角度の範囲外で回転されるときに外れる板バネを一緒にもつ、特定の回転角に対応する。多角形の輪郭は、2つの連続する移動ステップの間に皮膚上に回転要素の安定した位置を供給しやすい一方で、円形の形状をもつ回転要素は、転がりやすい。
【0013】
本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも1つのステップローラは、異なるステップローラに置き換え可能である。これは、例えば処理窓が基本的に矩形であり、それ故に2つの好ましい移動方向(即ち、矩形の対称軸)を規定するときに非常に便利である。この場合において、2つの好ましい移動方向のための2つのステップローラを最適化することが有利である。より正確には、各ステップローラの回転軸は、それぞれの移動方向に垂直であるべきであり、そのステップ幅は、それぞれの移動方向の矩形の投射に適合されるべきである。少なくとも1つのステップローラ及び異なるステップローラは、双方が皮膚処理デバイスから取り外し可能であり、及び、皮膚処理デバイスに再取り付け可能であり、その結果、これらを交換することは、一方を除去して他方を取り付けることを含む。代わりに、双方のステップローラは、皮膚処理デバイスにおいて恒久的に統合されてもよい。本発明の特定の実施形態において、双方のステップローラは、基本的に立方形状をもつ回転要素に統合され、立方体は、3つの主軸のうち2つの主軸の周りを回転可能である。
【0014】
本発明の他の態様によれば、ユーザ案内手段は、好ましくはバネにより、皮膚に向かって弾性的に偏らされる。これにより、ユーザ案内手段は皮膚と機械的に強く接触し、ユーザが皮膚の近くで皮膚処理デバイスを十分に保持することを提供する。これは、触覚シグナルがユーザに正確に伝達されることを確実にする。ユーザ案内手段が患者の皮膚に接触する一方で残りの皮膚処理デバイスが皮膚に接触しない実施形態において、(彼又は彼女の手、及び、ユーザが患者でもある場合には彼又は彼女の皮膚のいずれかを介して)ユーザにより感じられた弾性力は、ユーザが処理窓と皮膚との間の距離を容易に評価するか又は"感じる"ように補助する。
【0015】
更に、ユーザ案内手段が皮膚処理デバイスから少なくとも部分的に取り外し可能であることが有利である。例えば、ユーザ案内手段は、ユーザ案内手段が患者の体の曲率に従うことを確実にするために、移動可能な棒体により皮膚処理デバイスに固定され得る。移動可能な棒体は、(例えば、脇の下のような体の限られたエリアに皮膚処理デバイスを適用するときに)ユーザ案内手段が必要とされないか又は不都合である状況の間、収納位置(stop-away position)にユーザ案内手段を入れることを可能にする。ユーザ案内手段は、例えば洗浄のために皮膚処理デバイスを完全に外して脇へ置くという意味において、完全に取り外し可能であるように設計されてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、ユーザ案内手段は、各移動ステップ後に処理窓を介して光の放射をトリガするように設けられる。斯様なメカニズムは、述べられた段階的な態様で皮膚処理デバイスを皮膚に沿ってずらすことにより、患者の皮膚の大きなエリアを処理する非常に便利な手法を可能する。触覚フィードバックシグナルを介してユーザにより感じられた各変位の後、皮膚処理デバイスは、好ましくは短いフラッシュの形式で処理窓を介して必要な量の光を自動的に放射する。それ故、ユーザは、放射をトリガするための如何なる他の手段も作動させる必要がないだろう。好ましくは皮膚と相俟ってユーザ案内手段により生成された数種類の機械的抵抗を克服することにより感じられた、デバイスを再配置することは、次の処理ステップを実行するのに十分である。
【0017】
本発明の更に他の実施形態によれば、ユーザ案内手段は、各移動ステップの間又は後に、光又は音響シグナルをトリガするように設けられる。本発明の精神において、光又は音響シグナルは、触覚フィードバックシグナルに補完され、移動ステップが完了されたこと、及び、皮膚処理デバイスが処理窓を介して光を再び放射できることをユーザに伝えるのに役立つ。処理窓を介しての放射が前述されたように各移動ステップ後に自動的にトリガされる場合において、光又は音響シグナルが放射の間に有利に与えられ、これにより、光が実際に放射されることをユーザに伝える。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、皮膚処理デバイスは、各移動ステップの間又は後に皮膚に光学マークを付与するための、ユーザ案内手段に結合されたマーキング手段を含む。実際には、多くの一般的な皮膚処理手順において、処理の効果は、多くの時間、場合によっては数週間の期間の後にのみ明らかになる。それ故、多くの移動ステップを必要とし、処理を中断することを生じさせ得る、皮膚のより大きな部分を処理するときには、処理された皮膚の部分を記憶することが重要である。これは、これらを光学的にマーキングすることにより、例えば、矩形の処理窓の場合においては、光にさらされた皮膚上の矩形エリアの四隅を表示することにより、最も容易に行われる。光学マークが皮膚の吸収特性を変更し得るので、マークは、好ましくは、皮膚のそれぞれのエリアが処理された後すぐに、即ち、処理窓を介しての光の放射の後であるが処理窓を再配置する前に、付与される。皮膚に対するローション、ペースト又はオイルの付与のような、皮膚処理の非光学的な形式に関して、例えば、皮膚に付与されたローションが可視マークを設定することを可能にしない場合には、可視マークが各処理ステップの前に付与されるようにマーキング手段を設計することが有利である。それ故、可視マークは、材料(例えばペースト)が皮膚上に付与されるとき、及び、材料が皮膚から除去/洗浄されるときに皮膚上に残るように、皮膚上に置かれ得る。この場合においては、マーキング手段は、光学マークを付与するための少なくとも1つの鉛筆(pencil)を含む。
【0019】
本発明によれば、皮膚処理デバイスは、各移動ステップの後に、少なくとも処理窓を通る処理が再開し得るまでユーザが新たな移動ステップを実行することを阻止するブロッキングメカニズムを含む。ブロッキングメカニズムは、特定の最小時間のギャップが処理窓を介しての2つの連続する処理ステップの間に必要であり得るという問題に対処する。特に、光脱毛に用いられた従来のパルス化されたレーザは、光フラッシュを放射した後で次のフラッシュを放射可能となる前の数秒の間"休憩"させることを必要とする。ブロッキングメカニズムは、例えば光源のトリガメカニズムに結合される電気的又は機械的なタイマにより技術的に実現され得る。タイマは、特定の時間の経過後にのみブロッキングメカニズムを解除するだろう。代わりに、ブロッキングメカニズムは、処理が再開するという検出に基づいて、例えば処理がパルス化レーザを用いて実行される場合においては、レーザが次のパルスを放射できることを検出することにより、解除されてもよい。そのとき、タイマは必要とされないだろう。ユーザ案内手段は、ステップローラを有し、ブロッキングメカニズムは、処理が再開され得るまでステップローラの回転を阻止又は困難な状態にするように設計され得る。
【0020】
本発明のこれら及び他の態様は、後述された実施形態を参照して更に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】別個のステップローラをもつ皮膚処理デバイスの概略的な側面図である。
【図2】鋭角をもつ4つの矩形ホイールを有するステップローラをもつ他の皮膚処理デバイスの概略的な側面図である。
【図3】図2に示されたデバイスの概略的な正面図である。
【図4】2つの異なるステップローラを取り込む皮膚処理デバイスの概略的な3次元図である。
【図5】マーカーをもつ皮膚処理デバイスの動作の概略的な3次元図である。
【図6】図5に示された皮膚処理デバイスの第1部分の概略的な断面図である。
【図7】図5に示された皮膚処理デバイスの第2の部分の概略的な断面図である。
【図8】マーカーがステップローラに機械的に結合された皮膚処理デバイスの第1の部分の概略的な側面図である。
【図9】図8に示された皮膚処理デバイスの概略的な上面図である。
【図10】マーキング流体を含む縁部をもつ八角形のホイールの3次元図である。
【図11】マーキング流体を含む縁部をもつ六角形のホイールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面において、異なる図面に現れる相似又は類似の特徴は、同一の参照数字を用いて指定され、必ずしも何度も説明されない。
【0023】
図1は、本発明の皮膚処理デバイスの第1の実施形態の側面図である。皮膚処理デバイス10は、ハンドピース30に取り付けられた中空光保護部36を介して皮膚16上に放射された光14のビームを生成するためのレーザ(図示省略)を含むハンドピース30を含む。光14は、保護部の先端部での中空光保護部36の内側輪郭により規定された処理窓12を介して中空光保護部を出る。ハンドピース30に取り付けられたものは、ホイール32を有するユーザ案内手段18、スプリング28、及び、ホイール32をハンドピース30に接合するレバー34である。レバー34の先端部分38は、ホイール32用の軸を形成し、その結果、ホイール32が軸38の周りを回転可能となる。レバー34の基部40は、ハンドピース30に接続されて軸を構成し、レバー34がハンドピース30に対して当該軸の周りを回転可能である。レバー34は、軸40の周りにレバー34を回転させることで、軸40の周りにトルクを生じさせるように、スプリング28の第1の端部でハンドピース30に、第2の端部でレバー34に取り付けられた当該スプリング28により、ハンドピース30に対してバネで留められる。これにより、ユーザ案内手段18のホイール32は、皮膚16に向かって弾性的に偏らされ、ホイール32と皮膚16との間の堅くて安定した接触を保証する。ホイール32は、角丸をもつ多角形の輪郭22をもち、これにより、ステップローラを提供する。輪郭22は、4つの等辺をもち、各辺は、約0.95cmの大きさであり、これに対し、移動方向の処理窓12の投射の大きさは、約1.00cmの大きさである。皮膚16が処理窓12を介してフラッシュにさらされた後、ユーザは、図1に示されたデバイスの安定位置から同様の新たな安定位置(図示省略)へ移動方向にハンドピース30を移動させ、これにより、皮膚16上のホイール32を、90°の角度で軸38の周りを回転させる。ホイール32の輪郭22が円形よりもむしろ多角形である場合には、デバイス10のユーザは、一の安定位置から次の安定位置へデバイス10を移動させるために触知可能な力を克服することを必要とする。デバイス10が新たな安定位置に達する場合には、触知可能な力は消える。この力の消滅は、皮膚の次のセクションを光14にさらすために必要とされるステップ幅で彼又は彼女がデバイスを移動させたことをユーザに伝える触覚シグナルを構成する。ユーザは、如何なる不安定な中間位置よりも新たな位置において保持するためのより安定したデバイス10を理解するので、彼又は彼女は、少しの間デバイス10を移動させるのを直感的に停止させ、これにより、皮膚16への光14のフラッシュの放射を可能にする。ホイール32は、好ましくは、皮膚に適合した材料から作られる。有利には、これは、成型プラスチックから作られる。レバー34は、例えば金属、例えばステンレス鋼から作られ得る。
【0024】
図2を参照すると、本発明の皮膚処理デバイスの他の実施形態の側面図が示されており、デバイスは、反対の移動方向の2つの同等物をもつ。皮膚処理デバイス10は、ハンドピース30と、図1を参照して述べられたデバイスと同様の、処理窓12を介して皮膚16上に光を当てるための中空光保護部とを含む。シャフト34を介してハンドピース30に取り付けられたものは、軸38の周りを回転可能なホイール32である。シャフト34は、ハンドピース30と軸38との間の小さな変位を可能にするための弾性体であるようにデザインされている。デバイス10の動作中において、ホイール32は、輪郭22に沿って皮膚と接触し、これにより、ステップローラを提供する。輪郭22は、基本的に、輪郭22の各角が丸くなく鋭いものであるスパイク状の外観を与える、凹形の辺をもつ矩形の輪郭である。輪郭22の4つのスパイク状の角は、デバイス10が2つの移動方向のうち一方に移動されるときに、皮膚処理デバイス10が皮膚16上を滑ることを阻止し、その結果、ホイール32は、デバイス10が皮膚16上の一の安定位置から次の安定位置に移動されるときに90°回転するだろう。ホイール32、シャフト34及び軸38は、第1の案内手段18を形成する。第2のホイール32´と、第2のシャフト34´と第2の軸38´とを有する第2の案内手段18´は、ハンドピース30の反対側に第1の案内手段18に対して対称的に設けられる。皮膚処理デバイス10は、それ故、2つの同等の両移動方向と直交する対称面をもつ。
【0025】
図3は、図2を参照して述べられた皮膚処理デバイス10の正面図を提供する。デバイスは、(点線で示された)第2の対称面をもつ。従って、第3のホイール32´´がシャフト38に取り付けられる。第3のホイール32´´及びホイール32は、双方が同一の軸38の周りを回転可能である。
【0026】
図4は、本発明の他の実施形態による皮膚処理デバイス10の部分を示している。皮膚処理デバイス10は、中空光保護部36により囲まれた矩形の処理窓12をもつ。光保護部36の外側シェルに取り付けられるものは、軸38の周りを回転可能な回転立方体32を保持する第1の軸38である。軸38は、矩形の処理窓12の長辺と垂直であり、皮膚16と平行である。軸38の周りの回転に対する立方体32の輪郭は、処理窓12の長辺よりも僅かに短いステップ幅をもつ第1のステップローラ22を規定する。立方体32は、第1の軸と垂直な第2の軸(図示省略)の周りを更に回転可能である。第2の軸は、矩形の処理窓12の短辺と垂直であり、皮膚16と平行である。第2の軸の周りの回転に対する立方体32の輪郭は、それ故、処理窓12の短辺よりも僅かに短いステップ幅をもつ第2のステップローラ24を規定する。皮膚処理デバイス10が矩形の処理窓12の長辺と平行に動かされる場合には、第1のステップローラ22は、図1を参照して述べられた触覚フィードバックシグナルと原理上同様な、ユーザに触覚フィードバックシグナルを供給する。特に、ユーザは、デバイス10が皮膚16上の安定位置と見なしたときを感じる。類似して、皮膚処理デバイス10が矩形の処理窓12の短辺と平行に動かされた場合には、第2のステップローラ24がユーザに触覚フィードバックシグナルを供給する。
【0027】
図5を参照すると、人の足に対する、本発明による皮膚処理デバイス10の動作が概略的に示されており、デバイス10は、各移動ステップの間又は後に皮膚16に光学マークを付与するための、ユーザ案内手段18に結合されたマーキング手段20を含む。本デバイスは、人間工学的に形成されたハンドピース30と、2つの鉛筆26が取り付けられた案内手段18とを含み、2つ鉛筆26のそれぞれは、ユーザ案内手段18からの触覚シグナルにより示されたようにデバイスが一の好ましい位置から次の好ましい位置まで皮膚に渡ってずらされる度に、皮膚16上に可視点42を残す。それ故、皮膚16に渡ってデバイス10を移動させることで、皮膚16上に跡を残し、前記跡は、2つの鉛筆ラインからなり、各ラインは、等間隔の点42からなる。
【0028】
図6及び図7は、図5を参照して前述された案内手段18及び鉛筆26の概略的なクローズアップ断面図を提供する。案内手段18は、ハンドピース30の処理窓12の幅よりも僅かに短いステップ幅を規定する五角形の輪郭22をもつ。その上側部分に沿って、ホイール32は、フード44により部分的に囲まれる。図6は、2つの移動ステップ間の皮膚上の皮膚処理デバイスの中間位置を示している。中間の状況において、ホイール32は、五角形の輪郭22の1つの先端23だけにより皮膚16と接触する。この状況において、先端23は、皮膚に向かう方向において(ホイール32の背後に隠れている)鉛筆26の先端を越えて突出し、これにより、鉛筆26が皮膚と接触することを阻止する。図7は、皮膚処理デバイス10の安定位置を示しており、ホイール32の2つの先端23a及び23bが皮膚16に接触する。この状況において、ホイール32は、もはや鉛筆26を越えて突出せず、それ故、鉛筆の先端27は、光学マーク42が皮膚16上に残されるように、皮膚16に接触する。
【0029】
図8を見ると、触覚フィードバックシグナルを送るための案内手段をもつ皮膚処理デバイス10の概略的な側面図が示されており、案内手段は、皮膚16上に可視点42を付与するための鉛筆26に結合される。案内手段は、軸38によりハンドピース30に取り付けられた基本的に円形のホイール32を含む。基本的に円形のホイール32の輪郭22は、90°の角度間隔を空けて4つの切り込みをもつ。ホイールの全周は、移動方向の処理窓12(図9参照)の投射の大きさの4倍よりも僅かに短い。また、ハンドピース30に取り付けられるものは、先端27をもつ鉛筆26である。移動方向に対して、鉛筆26は、ホイール32の後部に位置している。ハンドピース30に対するホイール32の回転角度が、切り込みにより規定された4つの好ましい角度のうち1つの一致するときに、鉛筆26は、ホイール32の4つの切り込みのうちの1つの切り込み50に係合する先端部48をもつ板バネ46によりホイール32に結合される。板バネ46の先端部48がホイール32の切り込み50のうち1つに係合するときに、鉛筆の先端27が皮膚に接触し、これにより、皮膚16上に可視マークを付ける。皮膚処理デバイス10が移動方向に皮膚に渡って移動されるときには、板バネ46は、切り込み50から外れる。切り込みから外れた板バネ46は、鉛筆46を皮膚16から持ち上げ、その結果、皮膚処理デバイス10が皮膚に沿って移動される一方で、マークが皮膚16上に残らない。切り込み50と係合する板バネ46は、ユーザに対するデバイス10の抵抗の突然の増大としてデバイスのユーザにより感じられ、これにより、処理が継続され得る皮膚上の新たな位置にデバイス10が達したという触覚シグナルを彼又は彼女に供給する。
【0030】
図9は、図8に示された皮膚処理デバイス10の概略的な平面図を提供する。窓12はハンドピース30の下に隠されるが、明確さの目的のために、処理窓12が図中に示される。図8に示された側と反対の側では、デバイス10は、図8を参照して述べられた態様で、第2の板バネ46´を介して第2の鉛筆26´に結合された第2のホイール32´をもつ。デバイス10は、皮膚16上に予め付与されたマーク42に沿ってデバイスを再配置するルーラ52をオプション的に備える。処理窓12を通る光フラッシュは、皮膚16に向かってハンドピース30を押すことによりトリガされる(光フラッシュをトリガするための押下メカニズムは省略される)。
【0031】
図10を参照すると、マーキング流体を受けるようにデザインされたエッジ54をもつ八角形の輪郭22をもつホイール32が示される。本発明によれば、ホイール32は、処理窓(図示省略)をもつ皮膚処理デバイスのためのステップローラを備える。異なる実施形態の前の説明から、どのようにホイール32が皮膚処理デバイス上に設けられるかについては明らかである。好ましくは、ホイール32の各辺56は、移動方向の処理窓の投射の大きさよりも僅かに短い。ホイール32が、好ましくはハンドピース30(この図では示されない)と協働して、皮膚16に渡って転がるときには、処理された皮膚の部分を示す可視マーク42が皮膚上に残される。好ましくは、エッジ54は、マーキング流体を含めるための吸収剤を含む。マーキング流体でエッジ54を満たすための代替手段は、ホイール32に小型化された鉛筆を統合することである。
【0032】
図11は、六角形の輪郭22をもつ、図10に示されたホイールと同様のホイール32の概略的な側面図である。
【0033】
前記で述べられていない同等物、組み合わせ及び変更も、本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、
有限ステップ幅で前記処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で、皮膚に沿って前記処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とを有する皮膚処理デバイスであって、
前記ユーザ案内手段が、前記処理窓から分離して設けられ、各移動ステップでユーザに対して触覚フィードバックシグナルを送ることを特徴とする、皮膚処理デバイス。
【請求項2】
前記有限ステップ幅は、移動方向の前記処理窓の大きさの90%と100%との間、好ましくは約95%の大きさである、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項3】
前記ユーザ案内手段は、少なくとも1つのステップローラを含む、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのステップローラは、異なるステップローラに置き換え可能である、請求項3に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項5】
前記ユーザ案内手段は、好ましくはバネにより、皮膚に向かって弾性的に偏らされる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項6】
前記ユーザ案内手段は、当該皮膚処理デバイスから少なくとも部分的に取り外し可能である、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項7】
前記ユーザ案内手段は、各移動ステップの後に前記処理窓を介して光の放射をトリガするように設けられる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項8】
前記ユーザ案内手段は、各移動ステップの間又は後に光又は音響シグナルをトリガするように設けられる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項9】
各移動ステップの間又は後に皮膚に対して光学マークを付与するための、前記ユーザ案内手段に結合されたマーキング手段を含む、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項10】
各移動ステップの後、少なくとも前記処理窓を介しての処理が再開し得るまで、ユーザが新たな移動ステップを実行するのを阻止するブロッキングメカニズムをもつ、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項1】
処理窓を介して皮膚を処理するための処理窓と、
有限ステップ幅で前記処理窓がずらされる前記有限ステップ幅を各移動ステップがもつ段階的な態様で、皮膚に沿って前記処理窓を移動させることについて皮膚処理デバイスのユーザを補助するユーザ案内手段とを有する皮膚処理デバイスであって、
前記ユーザ案内手段が、前記処理窓から分離して設けられ、各移動ステップでユーザに対して触覚フィードバックシグナルを送ることを特徴とする、皮膚処理デバイス。
【請求項2】
前記有限ステップ幅は、移動方向の前記処理窓の大きさの90%と100%との間、好ましくは約95%の大きさである、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項3】
前記ユーザ案内手段は、少なくとも1つのステップローラを含む、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのステップローラは、異なるステップローラに置き換え可能である、請求項3に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項5】
前記ユーザ案内手段は、好ましくはバネにより、皮膚に向かって弾性的に偏らされる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項6】
前記ユーザ案内手段は、当該皮膚処理デバイスから少なくとも部分的に取り外し可能である、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項7】
前記ユーザ案内手段は、各移動ステップの後に前記処理窓を介して光の放射をトリガするように設けられる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項8】
前記ユーザ案内手段は、各移動ステップの間又は後に光又は音響シグナルをトリガするように設けられる、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項9】
各移動ステップの間又は後に皮膚に対して光学マークを付与するための、前記ユーザ案内手段に結合されたマーキング手段を含む、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【請求項10】
各移動ステップの後、少なくとも前記処理窓を介しての処理が再開し得るまで、ユーザが新たな移動ステップを実行するのを阻止するブロッキングメカニズムをもつ、請求項1に記載の皮膚処理デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−540014(P2010−540014A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525474(P2010−525474)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/053756
【国際公開番号】WO2009/037641
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/053756
【国際公開番号】WO2009/037641
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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