説明

計測装置および計測方法

【課題】特定の時間で媒体が正確に放出されるべきことを可能にし、計測容器の複雑さ、および、その操作性および操作の安全性を最適にする計測装置を提供する。
【解決手段】加圧媒体容器200から媒体を除去する計測装置1は前記媒体の量を計測するように設計されている計測容器100を有しており、および、第1の領域V1および第2の領域V2有しており、前記第1の領域V1は移動可能な分離要素120によって前記第2の領域V2から分離されており、前記分離要素120は、前記第1の領域V1に向かって指向されており、前記第1の領域V1を制限しない、または、閉鎖する、第1の接触面、および、前記第2の領域V2に向かって指向されており、前記第2の領域V2を制限しない、または、閉鎖する、第2の接触面を有しており、前記第1の接触面と前記第2の接触面とは異なる表面寸法を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧された媒体容器から媒体を除去するための計測装置に関するものであり、当該媒体は、特に、医科器具(医療器具)の保守のために提供されている。
【背景技術】
【0002】
医科技術(医療技術)において、媒体の正確な計測は、処理または他の作業手続きを連続的に可能にするため、本質的である。このことはまた、取り分け、消毒のための媒体の計量、特に、医科器具(医療器具)が患者に直接接触するとき、それらの医科器具の清浄と保守に適用される。いくつかの状況において、処置しなければならない人間の生命に対する危険をもたらす各種の相互作用を考慮しなければならない。たとえば、医科器具の清浄および保守(メンテナンス) に使用する媒体の間違った計測は、不適切な消毒をもたらす可能性があり、または、処置薬の拡散または中和をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さらに、ケア・エージェント(care agent)が計測されるべきときに、提供する作業を最小にしながら、長期間にわたって、医療装置の信頼性のある機能を確実にしなければならないということを支えることも必要である。これらの皮相的な条件および要求は、少量の媒体のために正確を方法で計量されるべきこと、および、規定された時間内に正確に放出されなければならないという必要性をもたらす。
【0004】
このため、中空空間を有する計測容器が知られており、その容積は、計測されるべき少量の媒体を正確に処理可能な寸法となっている。しかしながら、ガスが充満しているとき、ガスの温度に加えて、この中空の空間の充満圧力を狭い許容範囲内に維持させなければならない。
【0005】
もし、計測容器に、閉じられており加圧された媒体容器を結合することが意図されている場合、媒体が計測容器に到達したときの圧力が、媒体容器から媒体か除去するサイクル数で低下するという、付加的な問題が起こる。特に、圧縮可能な媒体を用いると、媒体について計測した量は困難さをもってのみ、一定に維持し得る。
【0006】
本発明の目的は、それゆえ、特定の時間で、媒体が正確に放出されることを可能にし、計測容器の複雑さ、および、その操作性および操作の安全性が最適にされる、計測装置および方法を利用可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記目的は、請求項1、2および請求項5の1に基づく計測装置によって、および、請求項15に基づく計測方法によって達成される。
【0008】
本発明によれば、計測装置は、加圧媒体容器から媒体を除去するために提供され、当該計測装置は、前記媒体の量を計測するように設計されている計測容器を有しており、および、第1の領域および第2の領域有しており、前記第1の領域は移動可能な分離要素によって前記第2の領域から分離されている。さらに、前記分離要素は、前記第1の領域に向かって指向されており、前記第1の領域を制限しない、または、閉鎖する、第1の接触面、および、前記第2の領域に向かって指向されており、前記第2の領域を制限しない、または、閉鎖する、第2の接触面を有している。さらに、前記第1の接触面と前記第2の接触面とは異なる表面寸法を持つ。
【0009】
接触面が、特に、表面部分、または、そこを介して分離要素が第1または第2の領域に導入され得る媒体と接触可能な表面の意味として、理解されるべきである。
【0010】
第1および第2の接触面の表面寸法の違いにより、計測容器は、分離要素によって得ることができ、当該分離要素は、第1の領域および第2の領域において同じ圧力が起こる、すなわち、いわゆる、均等圧力状態が起こる異なる力を経験する。それゆえ、計測容器を制御する可能性のさらなる自由度が得られ、2つの媒体間の圧力差なしに、計測容器の制御状態を安全に調整することが可能となる。それゆえ、媒体が計測容器を操作するために必要とする、異なる圧力の数を減少させることが可能となる。このように、たとえば、測定れるべき媒体のための、付加的なポンプ、または、他の運搬手段、または、二次的な圧力発生器なしでも、行うことが可能となり、操作の信頼性が向上し、計測の精度が控除する。その理由は、特に、構成要素の相互作用の数、および、計測を導く処理ステップ(処理ステップの期待値の複雑さ、正規の分布範囲の減少)が減少するからである。
【0011】
本発明の他の観点によれば、加圧媒体容器から媒体を除去するため計測装置で提供され、当該計測装置は、前記媒体の量を計測するように設計されている計測容器を有しており、および、第1の領域および第2の領域有しており、前記第1の領域は移動可能な分離要素によって前記第2の領域から分離されている。さらに、当該計測装置は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界表面に同じく作用する均等圧力において、前記分離要素が前記均等圧力に比例する、または、逆に比例する力を経験するように設計されている。
【0012】
計測装置の品質に影響を及ぼす可能性のある因子の数の減少に加えて、圧力に比例するまたは逆比例する力の差が、また、計測装置の作業サイクルの測度を、容易に調整可能とし、計測装置の簡単な制御を結果としてもたらす。
【0013】
さらに、特に、圧縮可能な媒体の場合、圧力に比例する力または逆比例する力の差が、この力の差に対抗して作用する対抗力の助けにより、自己調整装置を確立することを可能としており、それにより、計測されるべき媒体の圧力の変化または低下が、計測されるべき容積を調整することにより、または、増加させることにより、補償され、計測された物質の量が一定に維持される。対抗力は、たとえば、制御領域内の媒体の圧縮力によって発生させられ、この制御領域は、好ましくは、分離要素によって決定され、その制御領域に分離要素が接続されている。特に、このことは、シーリング要素に適用され、後からが均等圧力に間接的に比例している。
【0014】
第1の領域または第2の領域は、好ましくは、計測装置において中空空間として設計されており、ここで、特に、分離要素が移動可能であり、その結果、この2つの領域または中空の空間の容積または拡張が、相互の関連において、分離要素の移動により変化させることができる。特に、好ましくは、分離要素の移動が、第2の領域の寸法が同時に減少する、第1の領域の拡大に対応しており、分離要素の戻り移動が第1および第2の領域の類似する復帰に対応している。
【0015】
特に好ましくは、第1および第2の領域の少なくとも1つが、分離要素の限界位置において、計測されるべき媒体の量に関連して、決定されるべき、そして、計測されるべき容積が、第1および第2の領域の少なくとも1つの容積に対応するように、設計されていることである。
【0016】
さらに、決定されるべき、そして、計測されるべき容積が、2つの限界位置の間の分離要素の移動範囲によってのみ確立されることを提供することである。ある展開において、2つの限界位置の少なくとも1つの位置が調整可能である。
【0017】
特に好ましくは、前記分離要素は、前記計測容器において実質的に自由に移動可能である。この場合、計測容器と分離要素との接触面が、分離要素の表面との関係において無視可能であり、換言すれば、たとえば、それらの接触面は、分離要素の表面の1/5未満を占めており、好ましくは、シーリング要素に制限されている、という意味として、実質的に理解されるべきであろう。ある展開において、2つの空間的に分離しているシーリング要素が提供されることができる。
【0018】
均等(等価)圧力における分離要素の位置は、計測されるべきまたは計測された容積が、計測容器に排出されるように、すなわち、分離要素が限界位置に到達して、その位置における媒体の計測オフまたは計測のための設計された領域が最小にされるように、確立されている。ここで、最小化とは、分離要素の移動範囲が、対応する領域の寸法を減少されることを許可することではないことと、解釈されるべきである。
【0019】
それゆえ、それによって、計測されるべき媒体が計測容器の外部に排出するために駆動され得ることを可能とする簡単な方法が、同じ圧力が第1および第2の領域に生成されるという事実によって、確立される。
【0020】
本発明の1つの展開において、前記分離要素が、前記計測容器のボアにおいて少なくとも部分的に自由に移動可能である。特に、好ましくは、丸、長円または多角形形状を有する、利益的な幾何形状の接触面により、異なる力を増大することを確立することを容易に可能にする。好ましくは、2つの接触面は、互いに異なる形状を有する。
【0021】
本発明の更なる観点は、加圧媒体容器から媒体を除去する計測装置に関しており、当該計測装置は、前記媒体の量を計測するように設計されている計測容器を有しており、および、第1の領域および第2の領域を有しており、前記加圧媒体容器は、相互に分離されている複数の媒体、すなわち、少なくとも第1の媒体および第2の媒体を含んでおり、前記第1の媒体は、当該第1の媒体が前記計測容器に入ることが可能なように、前記第1の領域と連通しており、前記第2の媒体は、前記第1の媒体が前記計測容器に入ることが可能なように、前記第1の媒体に作用する圧力を有しており、前記計測容器は前記圧力の助けにより、前記計測容器の前記第1の媒体の排出をドライブ(駆動)するように設計されている。
【0022】
それゆえ、特に、利益的なことは、ある媒体、この場合、第2の媒体が、圧力の基準を表しており、その圧力基準は、計測装置の多数の制御機能のために使用されうることである。さらに、すでに述べた利益的なことは、すなわち、異なる相互作用するステップおよびパラメータが、それゆえ、減少され、その結果、計測すべき第1の媒体の圧力が計測容器において殆ど一定に維持されことを可能としており、それにより、計測の精度もまた向上することである。
【0023】
ある展開において、たとえば、第1の領域と第2の領域との間における圧力の変化の可能性が提供され、その結果、第1の媒体との関係において第2の媒体の著しい圧力の低下という事象において、第1の媒体によって取り除かれた圧力Pにおいて、仮想的な変化が全く起きないことが知覚され得ることである。
【0024】
さらに、第1の媒体の圧力を維持するために、計測容器内の第1の媒体の量または容積が第2の媒体の量または容積より小さくなることが、提供され得る。媒体の量またはその容積は、好ましくは、互いに、2〜5の範囲でファクター(因子)が異なる。
【0025】
さらに、第1の媒体の圧力を一定に維持する他の可能性が、理解されよう。
【0026】
最後に、本発明の概念のある展開において、計測容器と加圧媒体容器の両者が、計測容器と加圧媒体容器との間の接続を形成するためのコネクタを有することに加えて、付加的な媒体コネクタを有する。後者の付加的な媒体コネクタは、加圧媒体容器の場合、たとえば、媒体を充満させるために使用され、その結果として、媒体コネクタの助けにより、媒体の圧力が、規定された裕度の限界内に維持可能となり、たとえば、圧力が閾値以下に低下したとき、媒体が再び容器内に導入されることが可能となる。この媒体は、特に、第2の媒体であり、それにより、第2の媒体の圧力によって表される基準圧力の変動の範囲が、それゆえ、減少され、計測精度が結果として決定的に向上する。
【0027】
特に利益的には、もし、第2の媒体の基準圧力が加圧媒体容器の付加的な媒体コネクタを経由して加圧媒体容器の第2の領域内に転送され得ることである。
【0028】
たとえば、付加的なコネクタはまた、共通の供給ラインに接続され得る。
【0029】
本発明の好適な実施の態様において、前記第1の領域および前記第2の領域の少なくとも1つが、好ましくは、内側開口を有しており、当該内側開口から空間的に分離されており、また、前記第1の領域および前記第2の領域の少なくとも1つが、外側開口を有している。特に利益的には、内側開口が第1の弁に接続されており、たとえば、前記外側開口が第2の弁に接続されていることが提供される。ある展開において、前記第1の弁および前記第2の弁の作動圧力が、好ましくは、互いに異なる。第1の弁は、好ましくは、ノンリターン弁として設計されている。
【0030】
本発明のさらなる観点は、医科器具の清浄および保守のための保守装置のための媒体容器に関しており、当該媒体容器は、医科器具の保守または清浄のための第1の媒体のための受容空間を有し、および、第2の媒体のための受容空間を有しており、前記第1の媒体のための前記受容空間が前記第2の媒体のための前記受容空間と圧力交換状態にあり、前記第1の媒体のための前記受容空間が、前記第2の媒体のための前記受容空間に作用する外部圧力の助けにより、空にされ得る。
【0031】
それゆえ、特に、媒体容器の輸送が簡単になり、媒体を有する保守装置の供給における経費が最適にされ得る。第2の媒体に対する外部圧力の印加(適用)は、媒体容器の圧力フリー生成、圧力フリー格納、圧力フリー輸送の可能性を、創成する。さらに、媒体容器は第1の媒体が再び充満することを容易にする。さらに、環境にフレンドリーな媒体、たとえば、圧縮空気が、外部圧力源として、または、第2の媒体として、選択され得る。
【0032】
本発明のある展開は、医科装置のための保守装置を有する本発明に基づく計測装置を組み合わせることを含む。終わりに、共通の収容体に計測装置と保守装置とを収容すること、または、この目的のために、共通のベースプレートを提供することが利益的である。
【0033】
さらに、上述した加圧媒体容器の組み合わせが、医科装置のための保守装置において提供され得る。この場合、保守装置におけるケア・エージェント容器のため、付加的な安全対策が必要とされない、その理由は、保守装置がスイッチオフになった後、媒体容器が圧力フリーに維持されるからである。したがって、保守装置がスイッチオフになった後、圧力フリーの媒体容器が得られ、特に、ケア・エージェントまたはスプレーが、第1の媒体のための第1の受容空間により、たとえば、ケア・エージェントまたはメンテナンスオイルを受け入れることが可能であり、その容器は、外部圧力の適用によってのみ、空にされる。
【0034】
計測装置は、特に、医科器具、特に、歯科器具のためのケア・エージェントを計測するために設計されている。
【0035】
本発明のある実施の形態において、計測装置は、計測すべき媒体のための霧化器に接続されており、その霧化器は、たとえば、ケア・エージェントを歯科器具、特に、歯科器具の内部に搬送する。
【0036】
本発明の概念の文脈において、付加的に、霧化器が圧縮空気コネクタに接続されており、ここで、計測装置は、好ましくは、圧縮空気コネクタに接続されている。たとえば、このことは、計測装置の第2の領域への接続であり得る。
【0037】
さらに、圧縮空気コネクタが、媒体容器の付加的な媒体コネクタに接続されており、それゆえ、基準圧力が、第2の媒体を介して、計測装置および媒体容器の両者に導入される。
【0038】
さらに、圧縮空気コネクタは、第2の弁に接続され得る。第2の弁は、計測装置の外部開口に接続されている。
【0039】
上述した圧縮空気に加えて、第2の媒体が、他の圧縮された媒体の形態で、たとえば、窒素または酸化炭素の形態で、容易に提供され、その結果、第2の媒体の圧力が、保守装置の多くの構成要素、たとえば、計測装置および霧化器を、制御するための基準変数または基準圧力を形成しており、その結果として、保守処理過程の変動の範囲が、相互作用するパラメータまたは構成要素の数が減少したことに伴い、減少し、保守の結果が最適になることを理解すべきである。
【0040】
この場合において、たとえば、力を発生させるため、常に、変換器が要求し、その効果が一般的に以上に低い、電気の使用を越えて、圧力または力が直接、媒体を介して利用可能となる。
【0041】
このことは、特に、本発明の更なる観点において明瞭である。このことは、本発明に基づく計測装置を用いた、圧縮媒体容器から媒体を除去する方法に関係している。この方法は、計測容器の第1の領域が完全に充満するまで、前記媒体を前記第1の領域に転送する段階、および、好ましくは、他の媒体を用いて第2の領域(を充満させることにより、前記計測容器から前記媒体の排出をドライブ(駆動)する段階と具備する。
【0042】
媒体容器から計測装置の第1の媒体、この場合、媒体容器に存在するメンテナンスオイル、の圧力の助けによって行われる。分離要素が、第1の領域の寸法の変化または拡張を経験するように移動され、その第1の領域の変化が計測されるべき媒体Mの量に対応している。さらに、この場合、第1の媒体の圧力が、媒体容器内の第2の媒体M、この場合、圧縮空気との相互作用によって、達成される。
【0043】
好ましくは、第2の異なる媒体、この場合、圧縮空気による媒体容器からの放出は、計測装置の第2の領域に同じ圧力を適用することによって遂行される。
【0044】
好適な展開において、特に、前記計測容器に導入される他の媒体における圧力が、前記計測容器に導入される前記媒体における圧力を越えない。
【0045】
第1の媒体が、計測され、計測装置から排出された後、第1の媒体は、たとえば、霧化器に搬送されて、第1の媒体に霧化される。霧化器の動作、特に、霧化処理は、第2の媒体の助けによって行われ、それにより、一方においては、計測が、実質的に液体媒体のために同様に行われ、液体媒体の容積は、圧力の変動が殆ど独立して維持される。他方において、第2の媒体が、ガス状に維持されており、同時に、霧化器内の第1の媒体の発泡または霧化に寄与しており、ここで、ガス状の第2の媒体は保守装置を動作させ、制御する、上記基準変数または基準圧力を提供する。
【0046】
本発明のさらなる観点は、歯科器具のための消毒および保守を行う装置を動作させる方法に関しており、ここで、共通に圧縮された第2の媒体が第1の媒体のための計測装置、および、第1の媒体を排出するための更なる装置を制御するため、使用される。
【0047】
上述した記述から、本発明の展開の組み合わせおよび本発明の種々の観点の組み合わせが排除されないことを、留意すべきである。
【0048】
本発明は、添付図面に関連づけた下記の詳細な記述において説明され、添付図面において、同じ参照符号は同じ要素を示している。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、特定の時間で、媒体が正確に放出されることを可能にし、計測容器の複雑さ、および、その操作性および操作の安全性が最適にされる、計測装置および方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は本発明基づく実施の形態の計測装置を図解した図である。
【図2】図2は計測容器の詳細を示す図である。
【図3】図3は他の計測容器の詳細を示す図である。
【図4】図4は媒体容器の詳細を示す図である。
【図5】図5は本発明に基づく計測装置と、歯科保守装置における霧化器とを組み合わせた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
医科用(医療用)または歯科用のハンドピースは、処置の間、療養士または歯科医師が把持スリーブとして把持する、環状の部分である。歯科において通常使用されているハンドピースは、ドリルハンドピースとして知られており、その前面の端部において、処置ツール、特に、ドリルが保持されており、その後部の端部においてカップリングによって供給ホースに結合されている。処置器具を駆動する電力、および、処置媒体のための流体ライン、たとえば、空気および/または水は、ハンドピースを介して供給される。タービンハンドピースと呼ばれており、その内部の圧縮空気が前の端部領域に配設されているタービンに供給するため設けられている、タービンハンドピースと、ドライブユニットとして電動機を有するモータハンドピースと呼ばれているものとの間に、しばしば、区別がなされる。
【0052】
ハンドピースの働きを伸ばすため、特に、ドライブ要素に装着された回転可能体の保守(メンテナンス)を定期的に行うことが、必要である。さらに、歯科における常に増加する衛生に関する要求は、ハンドピースが規則的な間隔でサービスを受けなければならないことを意味している。当を得たサービスと適切な規則によるコンプライアンスは、個人的に、また、組織的に、相当な価格が課されている歯科医師によって、十分に文書化されなければならない。
【0053】
清浄・保守装置の助けによる機械による自動的なサービスは、ハンドピース、角度付けられたピース、タービン、コレット、または、特に、油を用いて内部的な清浄と保守が要求されている他の歯科器具の信頼性を高め、再生可能性な歯科の実務および診療所(hospitals)における、要求を満足する。
【0054】
適切な清浄および保守装置は、たとえば、特に、歯科器具について内部の清浄処理と保守を行う下記の清浄・保守シーケンスを遂行する。
【0055】
平行する(parallel) 保守シーケンス(連続した手順)において、各器具は、分離清浄(separate cleaning)に遭遇する、特に、特定の内部清浄を可能とするために分離清浄の問題に遭遇する。内部清浄のため、まず全て計測され、そして、ミストとして霧化された「クリーン・ソリューション(清浄な溶液)」と呼称されているものは、たとえば、ハンドピースの伝達チャンネルまたはスプレーチャンネルなどの器具の内部に導入される。歯科器具にミストを導入するための噴霧は、EN−1SO07494−2に基づいて準備された圧縮空気の助けによって遂行される。更に、圧縮空気は、「クリーン・ソリュション」の動作の間、歯科器具内に「クリーン・ソリュション」を移動させるために、用いることができる。その動作時間が終了すると、歯科器具は、たとえば、50μs未満の導電度(conductivity)を持つ、イオンを除去した水を用いて洗い流される。それから、イオンを除去した水は、上記圧縮空気によりブローさせられ、たとえば、時間的な見地から、反復回数、媒体の品質、または、特定の器具または清浄されるべき器具の組み合わせに対する、圧縮空気の管理に、適合すべき、かつ、最適化されるべき記述された段階(ステップ、または工程)を可能とする。
【0056】
清浄が終了すると、保守段階、特に、油(オイル)の潤滑が、各歯科器具のために別々に行われ、器具に対して、正確に計測された量のケア・エージェント(care agent) を供給することを可能とする。ミストのように霧化されたケア・エージェントは、歯科器具の内部、たとえば、伝達チャンネル内に導入される。所定の清浄と同様に、圧縮空気が霧化のために使用され、保守段階(ステップ)が終了した後、器具は圧縮空気を用いて簡単にブローされる) 。余剰の油の廃棄を向上させるため、このことは、パルス状に行うことができる。特に、ケア・エージェントの計測が、時間管理によって最適化されることが、提供され得る。
【0057】
清浄・保守装置が、同時に、複数の歯科器具に提供される可能性をもたらす。「ステート・マシン」と呼ばれているものが、時間の最適化を達成するように、各歯科器具のために個々に提供されている制御シーケンス(手順)を調和させることを可能にする。
【0058】
上述した清浄・保守装置の動作のために、特に、下記のものが提供される、すなわち、EN−ISO7494−2に基づいて提供される、4〜6バール(bar)で、50l/min(リットル/分)の容積流量の圧縮空気、メンテナンスオイル(保守オイル)、「クリーン・ソリュション」、交流100〜240V(50〜60Hz)の電源。
【0059】
特に、この実施の形態において、媒体「クリーン・ソリュション」およびメンテナンスオイルが計測されるべきこと、そして、媒体「圧縮空気」が保守装置の構成要素の共通の制御および動作に実質的に寄与することが、明瞭であろう。選択された実施の形態において、媒体「クリーン・ソリュション」および「メンテナンスオイル」は、それゆえ、この場合、液体である、第1の媒体M1として表され、「圧縮空気」が、この実施の形態においてガスである、第2の媒体M2として表される。
【0060】
それぞれの器具に供給すべき媒体の量の正確な計測は、清浄および保守の最適化に寄与しており、付加的に、たとえば、余剰オイルの品質が最適にされるので、メンテナンスオイルのブロー時間を短縮することによって、所望の段階(ステップ)の時間シーケンス(手順)を促進する。
【0061】
それゆえ、保守装置は、加圧媒体容器200から媒体M1を排出するための計測装置1を具備する。
【0062】
図1から明瞭なように、本発明に基づく計測装置1は、第1の領域V1および第2の領域V2を備えた計測容器100を有しており、ここで、第1の領域V1は、移動可能な要素120によって、第2の領域V2から分離されている。
【0063】
保守装置はまた、計測容器100と媒体との交換が行われる、加圧媒体容器200を具備している。加圧媒体容器200の使用は、付加的なポンプ、または、媒体を運搬し搬送するための多数の駆動手段の必要性を排除し、その結果として、構造および操作の観点において、保守装置の複雑さを低減させることができる。計測の向上についての上述したことに加えて、不適切な操作が、特に、このように、最小にされ得る。
【0064】
好ましくは、保守装置はまた、媒体容器200を有しており、この容器には、相互に分離された、少なくとも第1の媒体M1と第2の媒体M2の、複数の媒体M1、M2を収容しており、ここで、第1の媒体M1は、第1の媒体M1が計測容器100に挿入可能なように計測容器100の第1の領域V1と連通しており、第2の媒体M2は、第1の媒体M1が計測容器100に挿入するように第1の媒体M1に作用させる圧力P1を有する。それゆえ、第2の媒体M2の圧力P1は、圧力同期の基準点(reference point of the pressure synshronyzation)を確立するために提供されることができ、そして、既に示したように、保守装置の多くの他の構成要素を制御し、動作させることができる。特に、圧力P1はそれ自身、計測容器100の外部の第1の媒体M1を駆動するために十分である。
【0065】
特に、図4における例示から明らかなように、第2の媒体M2のための媒体容器200に設けられた受容空間220は、第1の媒体M1のための受容空間210と、圧力交換状態にあり、ここで、受容空間210、220は可撓性の材料によって相互に分離されていることが望ましい。図解した実施の形態において、受容空間210と220との間の圧力交換は、2つの受容空間210、220の間において、第1の媒体M1と第2の媒体M2との圧力に違いは全くないようになっている。特に、利益的には、第1の媒体M1のための受容空間210が可撓性のバッグを具備しており、そのバッグは、好ましくは、第2の媒体M2のための受容空間220によって完全に包囲されていることである。
【0066】
また、媒体容器が、バッグで包囲されている第2の媒体M2と圧力交換状態の多数のバッグを含むことも、考えることができるであろう。バッグ内の媒体は、また、好ましくは、異なって選択され得る。特に、利益的には、第1および第2の媒体M1、M2の量が異なる場合、たとえば、第2の媒体M2の量か第1の媒体M1の量を越えている場合、計測容器100から第1の媒体M1の量を除去すると、第2の媒体M2の圧力1がほとんど変化せず、そして、第1の媒体M1に伝達され得る。
【0067】
図4に図解した実施の形態において、媒体容器200はスプレー缶で形成されており、このスプレー缶は第1の媒体M1、この場合、歯科器具のためのメンテナンスオイルを受け入れている。スプレー缶は、媒体コネクタ211を有することができ、この媒体コネクタは計測容器100と第1の媒体M1との圧力交換を可能にしている。
【0068】
図1に図解した実施の形態において、計測容器100内の第1、第2の領域V1、V2は、中心体110における中空空間として設計されている。
【0069】
第1の領域V1は、弁VIN、好ましくは、ノンリターン弁によって、媒体容器200に接続されており、この媒体容器には加圧状態で第1の媒体M1、メンテナンスオイルが、格納されており、第1の領域V1は、計測されるべき媒体M1の容積を決定する。第2の領域V2は、他の媒体M2、この場合、圧縮空気、のための供給ラインを有する。供給ラインに接続された圧力空気の源は、要求に応じて、圧縮空気を提供するように設計されている。
【0070】
媒体容器200から第1の媒体M1を除去する第1の段階(ステップ)において、第2の領域V2は、大気圧のみによって支配されており、第2の領域V2の対応するコネクタ212は、この場合、外部環境または対応する同等の圧力に接続されている。第2の領域V2における圧力を越えている第1の媒体M1の圧力P1は、すなわち、この場合、空気圧は弁VIN、好ましくは、ノンリターン弁として設計された弁を介して、第1の領域V1に、媒体M1を駆動する。
【0071】
第1の領域V1の最大および最小膨張を決定する、分離要素120の移動範囲L(図3)が、この場合、第1の領域V1の最大膨張と最小膨張との間の差が、計測されるべき媒体M1の量に対応する、特に、計測されるべき媒体M1の容積に対応するような、寸法になっており、それにより、分離要素120の移動範囲Lが、特に、測定容積または計測容積を決定する。移動範囲Lの決定を最適にする可能な方法は、それゆえ、測定する容積の決定が下記に記述される。
【0072】
第1の段階において、分離要素120が、第1の領域V1が最大になるように、換言すれば、媒体M1が測定容積として設計された第1の領域V1に導入されるように、ずらされる(シフトされる)。最大にされるということは、特に、測定として、分離要素120の移動範囲Lが、第1の領域V1の膨張を許容することを許可しないことを理解されるであろう。
【0073】
本発明の1つの観点によれば、分離要素120は第1の接触面F1および第2の接触面F2を有しており、第1の接触面は第1の領域V1に向けて指向されており、第1の領域V1の範囲を定める、または、閉鎖しており、第2の接触面F2は第2の領域V2に向けて指向されており、第2の領域V2の範囲を定める、または、閉鎖している。第1の接触面F1と第2の接触面F2とは異なる表面寸法を有する。特に、分離要素120は、それぞれ、第1の接触面F1および第2の接触面F2を介してのみ、媒体M1、M2と接触する。第1の領域V1と第2の領域V2の境界面において同一に作用する圧力である均等(等価、equivalent) 圧力において、異なる力が接触面F1、F2の表面の寸法の差D2−D1に比例して確立される。協働する分離要素120と計測容器100との対応する詳細な図が、図2および図3に例示的に図示されている。
【0074】
実施の形態の図解から明らかなように、分離要素120は、計測容器100内において自由に移動可能であり、計測容器100に接触している、特に、好ましくは、シーリング(密閉、sealing)要素121、122を介してのみ、接触している。さらに、分離要素120がカウンタフォース・ジェネレータ(対抗力発生体、counterforce generator)に接続されているか、または、それ自身が適切な手段、たとえば、対抗力が生成されるような中心体110と相互作用する手段を有するように、提供されている。
【0075】
図解した実施の形態において、特に、直線的に動作可能な分離要素120である、分離要素120が、図2および図3の図解から理解されるように、ピストンの形態をしており、このピストンは、計測容器100の中心体110における、凹陥部、好ましくは、ボア(bore )内において移動可能である。
【0076】
凹陥部の形状が、ボア、たとえば、丸いボアホールに限定されないことに、特に、留意されたい。それに代えて、任意の所望の顔面の形状を有する凹陥部も提供でき、このことは、たとえば、多角形の断面、特に、矩形、四角形、三角形、または、長円系の断面ですら、凹陥部として、含みうる。好適な実施の形態において、第1および第2の領域V1、V2における断面形状は、相互に異なる。
【0077】
ピストンまたは分離要素120は、第1の端部片(end piece)126および第2の端部片127を具備しており、ここで、第1の端部片126は、第1の領域V1におけるボアまたは凹陥部の断面区分の形状および膨張を推測する領域を有しており、第2の端部片127は、第2の領域V2におけるボアまたは凹陥部の断面区分の形状および膨張を推測する領域を有している。第1の領域V1に向かって下方に指向されている第1の端部片126の表面は接触面F1を確立しており、第2の領域V2に向かって下方に指向されている第2の端部片127の表面は接触面F2を確立している。
【0078】
図2に図示のごとく、第1および第2の端部片126、127は各々、第1および第2の領域V1、V2の媒体気密シールを提供しており、特に、中心体110から分離要素120の媒体気密シールを提供している。
【0079】
分離要素120またはピストンは、計測容器100において実質的に自由に移動可能であり、好ましくは、シーリング要素121、122を介して、計測容器100と接触している。
【0080】
シーリング要素121、122は、好ましくは、相互に離間して配設されており、それゆえ、同時に、第1の端部片126と第2の端部片127との間に領域VCの媒体気密シールを提供している。
【0081】
分離要素120は、好ましくは、領域VCが取り除かれる(evacuated)ように、中心体110に導入される。このため、中心体110は、第1のシーリング要素121と第2のシーリング要素122との間の領域における分離要素120の周囲に嵌合した形態で係合するパーツ(部品)を有しており、嵌合したとき、分離要素が、領域VCが実質的に取り除かれる位置に引き込まれる。
【0082】
1つの展開において、中心体、好ましくは、第1の領域V1と第2の領域V2との間の遷移領域において、領域VCに接続されている、コネクタを備えている。それゆえ、たとえば、基準媒体が領域VCと接触状態となる。または、所定の時間で、領域VC内に導入され、その基準媒体は、均等な圧力に対する対抗力を発生する。たとえば、基準媒体が導入された後、領域VCは閉じられることができ、または、オープンとして残ることができ、それにより、異なる特性を備えた多くの異なる対抗力が達成され、そして、対抗力発生体が簡単な方法で得られる。
【0083】
図解した実施の形態は、相互に対向している、第1および第2の端部片126、127を有するピストンを示しており、本発明がこの実施の形態に限定されず、第1および第2の第1の端部片126、127の代替となる異なる配置構成のピストンが想定されることが、強調されることであろう。たとえば、第1または第2の端部片が多数の分離接触面F1またはF2を具備し得るが、その全体の広がりは依然として本発明に基づく。またこの実施の形態は複数の凹陥部に案内されている、複数のピストンまたは複数の分離要素120を具備している。
【0084】
さらなる段階において、媒体M2が、第1の領域V1における媒体M1の圧力P1に対して同じ圧力(P2=P1)における第2の領域V2に導入される場合、そのとき、この実施の形態において、分離要素120に作用する力は、分離要素120が限界位置に到達した状態にあり、その限界位置において、分離要素120は第1の領域V1を最小にする。分離要素120の移動により、特に分離要素120の変位(diaplacement)により、第1の媒体M1は第1の領域V1の外部に駆動される。他の実施の形態において、しかしながら、最小化がまた提供され得る。
【0085】
第1および第2の領域V1,V2における等しい圧力、すなわち、均等圧力Pにおいて異なる力が得られ、その力は、ピストンまたは分離要素120の第1および第2の接触面F1、F2の表面の差に比例する。図解の実施の形態において、第1の領域V1に向かって指向されている第1の接触面F1は、第2の領域に向かって指向されている第2の接触面F2より小さい。したがって、異なる力を考慮すると、ピストンまたは分離要素120は、分離要素120が、移動範囲Lにより、境界要素と接触するようになるまで、第1の領域V1の方向に変位され、この場合、中心体110は限界位置に位置している。凹陥部および分離要素120による限界(制限)のない、第1の領域V1は、分離要素120のこの位置において最小の寸法を有しており、第1の媒体M1はこの場合、計測されるべき第1の媒体M1の量によって、分離要素120の第2の限界位置に関連して、計測容器から実質的に除去される、または、減少させられる。容易に理解されるように、第1の領域V1の最大化は、第2の領域V2の接触面F2より大きな接触面F1によって達成され得る。
【0086】
分離要素120の移動範囲Lは、好ましくは、境界要素によって制限され、この場合、この境界領域は、凹陥部またはボアの異なる寸法によって、第1および第2の領域V1、V2の間の遷移領域において、得られる。しかしながら、既に示したように、遷移領域における断面のバリエーションもまた、境界要素を形成し得る。さらに、境界領域もまた、たとえば、ピストンまたは分離要素120と接触している、対応する突き当て部によって、第1および第2の領域V1、V2の遷移領域と独立して、そして、遷移領域から空間的に分離して、得ることができる。
【0087】
均等圧力(P1=P2)を通して、計測装置1の動作点が得られ、比較的容易に調整される。たとえば、媒体容器200内の第2の媒体M2は、この目的のために使用されうる。好ましくは、同一の圧力源が第1の媒体M1と第2の媒体M2のために提供される。
【0088】
1つの展開において、たとえば、計測容器100と媒体容器200との両者、さらには、媒体容器200と計測容器100との間に接続を形成しているコネクタ111、211を有するため、また、付加的な媒体コネクタ112、212を有するという事実によって、達成されている。図解の実施の形態において、計測容器100の付加的な媒体コネクタ112は、第2の媒体M2を供給するために、計測容器100の第2の領域V2に接続されており、また、媒体容器200の付加的な媒体コネクタ212は、媒体容器200の内部の第2の媒体M2のため、受容空間220に接続されている。
【0089】
それぞれの付加的な媒体コネクタ112、212は、第2の媒体M2、この場合、圧縮空気、の供給のため、提供する共通の供給ラインに接続されている。この供給ラインにより、圧力P2が、計測容器100の第2の領域V2、および、第2の媒体M2のためのそ220の両者に発生され得る。受容空間220における第2の媒体M2の圧力P2は、第1の媒体M1のための受容空間210に伝達され、それにより、第1の媒体M1の圧力P1が第2の媒体M2の圧力P2と同じであり、それゆえ、第1の媒体M1は媒体M2と圧力同期状態になり、均等圧力(P1=P2)状態が達成される。第2の媒体M2の変わらない圧力は、それゆえ、計測容器100に第1の媒体M1を導入する制御、および、計測容器100から計測された量の第1の媒体M1の放出の制御のために、使用される。計測装置1の相互作用するパラメータの減少化が、それゆえ、達成され、その結果、計測結果が向上する。
【0090】
本発明の他の観点は、第1および第2の領域V1、V2の境界領域に同一に作用する均等圧力状態において、分離要素120が等価圧力(P1=P2)に比例する、または,逆方向に比例する、力の効果を経験することを提案する。
【0091】
このことは、計測すべき第1の媒体M1がガスであるとき、特に、利益的である。領域VCに導入された、たとえば、ガスによって形成される、対抗力発生体または対抗圧力発生体の助けにより、それゆえ、自己調整装置は達成され、それによって、力の均等が、均等圧力に比例するまたは逆比例する力と、対抗力との間に確立されるまで、媒体M1の圧力変動が分離要素120の変位によって補償される。このように、圧力変動に支配されるガスの量を一定に測定することが可能となる。
【0092】
特に、対抗力発生体によると、均等圧力に比例する力が逆方向の比例する力を発生することができる。以前述べた例示に加えて、対抗力発生体として、たとえば、バネ、粘性の高い媒体、または、たとえば、分離要素120と相互作用する誘導によって得られる電気的に調整可能な力すらも、他の手段として想定できる。
【0093】
計測容器100から第1の媒体M1を排除することまたは開放することを向上させるため、第1および第2の領域V1、V2の少なくとも1つが内部開口111を有すること、好ましくは、内部開口から空間的に分離していること、または、第1および第2の領域V1、V2の少なくとも1つが外部開口113を有すること、特に、内部開口111が第1の弁VINに接続され、外部開口113が、好ましくは、第2の弁VOUTに接続されていることが提供され得る。媒体の外側の自動制御のために、第1および第2の弁VIN、VOUTの作動圧力は異なり得る。
【0094】
しかしながら、第2の弁VOUTは、好ましくは、制御信号が存在するとき、弁の開放または閉鎖を可能にする、制御コネクタを有する。図解した実施の形態において、制御信号は、たとえば、図1および図5から理解されるように、第2の媒体M2の圧力P2を通して得ることができる。それゆえ、特に、制御の目的のために、第2の弁VOUTは第2の媒体M2接続されている。
【0095】
それゆえ、第2の弁VOUTの開放は、第2の媒体M2による計測容器100に対する均等圧力(P1=P2)状態の適用と時間的に同期して達成することができる。したがって、弁VOUTは、第1の媒体M1、たとえば、メンテナンスオイルの排除の開始と時間的に同期して制御される。
【0096】
計測容器100は、第2の弁VOUTによって、霧化器300に接続されており、その結果、メンテナンスオイル、すなわち、第1の媒体M1が、歯科器具、たとえば、歯科ハンドピースの内部に、霧化器300を介して、今や、スプレーされる。
【0097】
霧化器300は、焼結材料、特に、焼結フィルタを有しており、その材料は、メンテナンスオイル、すなわち、第1の媒体M1を用いて、初期に、浸漬される。計測装置1、特に、計測容器100によって計測されたメンテナンスオイル(第1の媒体M1)の量は、その量が、焼結フィルタによって完全に、そして、その全体が、吸収されるように選択される。
【0098】
さらに、霧化器300は、第2の媒体M2、特に、圧縮空気コネクタに接続される。圧縮空気(既に示したように、ここでは、他のガスも提供される)がメンテナンスオイルか焼結フィルタを駆動し、そして、ミストとして歯科器具にブローされるように、焼結フィルタを流れ、その結果、器具の意図した保守が確実になる。
【0099】
それゆえ、第2の媒体M2は、霧化器300の時間的に正確な制御を可能としており、さらに、第1の媒体M1、すなわち、メンテナンスオイルの圧力P1を決定しており、それゆえ、保守装置の相互に作用するパラメータの数を最小にしており、その結果、メンテナンスオイルの計測が向上する。
【0100】
第1の媒体M1の計測のさらなるサイクルの数および霧化が、圧縮空気がスイッチオフにされ、霧化器300の圧縮空気コネクタ、計測容器100、また、第2の弁VOUTが空にされる、または、大気圧のもとに晒されることによって、達成されるうることに留意することが残っている。
【0101】
本発明の1つの観点に基づく計測装置1を用いて、加圧媒体容器200から第1の媒体M1を除去するための本発明に基づく方法は、それゆえ、第1の領域V1が完全に充満されるまで、計測容器100の第1の領域V1に媒体容器200から第1の媒体M1を転送する段階(ステップ)と、第2の媒体M2を用いて第2の領域V2を充満させることにより計測容器100の外に媒体M1を駆動するさらなる段階(ステップ)を含む。
【0102】
記述した実施の形態から明瞭なように、第2の媒体M2が計測容器100に導入される圧力は、第1の媒体M1が計測容器100に導入される圧力を越えない。
【0103】
歯科器具のための消毒・保守装置を動作させるための方法が、第1の媒体M1のための計測装置1を制御すること、および、第1の媒体M1、特に、霧化器300が、共通の加圧媒体、特に、第2の媒体M2を用いて、第1の媒体M1を放出する少なくとも1つのさらなる装置が、特に、時間管理された調整または制御が行われることが、上述した記述から明瞭となるであろう。
【0104】
それゆえ、本発明は、歯科器具の消毒・保守装置に利用可能であり、その装置は、メンテナンスシーケンス(保守手順)の正確な時間管理、および、計測装置1の助けによる加圧媒体について向上した測定を可能としており、それゆえ、消毒および保守の結果が相当向上する。1つの共通の実施の形態における実施が、全ての観点を示しているから、本発明の展開は任意の所望の方法において相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1…計測装置、100…計測容器、110…中心体、111…内部開口、112、212…付加的な媒体コネクタ、113…外部開口、120…分離要素、121、122…シーリング要素、126、127…端部片、200…加圧媒体容器、210、220…受容空間、212…コネクタ、300…霧化器
M1…第1の媒体、M2…第2の媒体、
V1…第1の領域、V2…第2の領域、
VIN…第1の弁、VOUT…第2の弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧媒体容器(200)から媒体(M1)を除去する計測装置(1)であって、前記媒体(M1)の量を計測するように設計されている計測容器(100)を有しており、および、第1の領域(V1)および第2の領域(V2)有しており、前記第1の領域(V1)は移動可能な分離要素(120)によって前記第2の領域(V2)から分離されている、計測装置(1)において、
前記分離要素(120)は、
前記第1の領域(V1)に向かって指向されており、前記第1の領域(V1)を制限しない、または、閉鎖する、第1の接触面(F1)、および、
前記第2の領域(V2)に向かって指向されており、前記第2の領域(V2)を制限しない、または、閉鎖する、第2の接触面(F2)
を有しており、
前記第1の接触面(F1)と前記第2の接触面(F2)とは異なる表面寸法を持つ、
ことを特徴とする、計測装置。
【請求項2】
加圧媒体容器(200)から媒体(M1)を除去する計測装置(1)であって、前記媒体(M1)の量を計測するように設計されている計測容器(100)を有しており、および、第1の領域(V1)および第2の領域(V2)有しており、前記第1の領域(V1)は移動可能な分離要素(120)によって前記第2の領域(V2)から分離されている、計測装置(1)において、
前記分離要素(120)は、前記第1の領域(V1)と前記第2の領域(V2)の境界表面に同じく作用する均等圧力において、前記分離要素(120)が前記均等圧力に比例する力、または、逆比例する力を経験するように設計されている、
ことを特徴とする、計測装置。
【請求項3】
前記分離要素(120)は、前記計測容器(100)において実質的に自由に移動可能であり、好ましくは、シーリング要素(121、122)を介してのみ、前記計測容器(100)と接触している、ことを特徴とする、先行する請求項の1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記分離要素(120)が、前記計測容器(100)のボアにおいて少なくとも部分的に自由に移動可能である、ピストンによって形成されている、ことを特徴とする、先行する請求項の1に記載の計測装置。
【請求項5】
加圧媒体容器(200)から媒体(M1)を除去する計測装置(1)であって、前記媒体(M1)の量を計測するように設計されている計測容器(100)を有しており、および、第1の領域(V1)および第2の領域(V2)有している、計測装置(1)において、
前記加圧媒体容器(200)は、相互に分離されている複数の媒体(M1、M2)、すなわち、少なくとも第1の媒体(M1)および第2の媒体(M2)を含んでおり、前記第1の媒体(M1)は、当該第1の媒体(M1)が前記計測容器に入ることが可能なように、前記第1の領域(V1)と連通しており、前記第2の媒体(M2)は、前記第1の媒体(M1)が前記計測容器(100)に入ることが可能なように、前記第1の媒体(M1)に作用する圧力(P2)を有しており、前記計測容器(100)は前記圧力(P2)の助けにより、前記計測容器(100)の前記第1の媒体(M1)の排出をドライブするように設計されている、ことを特徴とする、計測装置。
【請求項6】
前記第1の領域(V1)および前記第2の領域(V2)の少なくとも1つが、好ましくは、内側開口を有しており、当該内側開口から空間的に分離されており、前記第1の領域(V1)および前記第2の領域(V2)の少なくとも1つが、外側開口を有しており、特に、内側開口が第1の弁(VIN)に接続されており、前記外側開口が第2の弁(VOUT)に接続されており、前記第1の弁(VIN)および前記第2の弁(VOUT)の作動圧力が、好ましくは、互いに異なる、ことを特徴とする、先行する請求項の1に記載の計測装置。
【請求項7】
前記計測容器(100)および前記媒体容器(200)の両者が、前記媒体容器(200)と前記計測容器(100)との間の接続を形成するコネクタ(111、211)を有することに加えて、付加的な媒体コネクタ(112、212)を有することを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の計測装置。
【請求項8】
前記付加的なコネクタ(112、212)が共通の供給ラインに接続されている、ことを特徴とする、計測装置。
【請求項9】
医科器具の清浄および保守のための保守装置のための媒体容器(200)であって、前記医科器具の保守または清浄のための第1の媒体(M1)のための受容空間(210)を有し、および、第2の媒体(M2)のための受容空間(220)を有し、前記第1の媒体(M1)のための前記受容空間(210)が前記第2の媒体(M2)のための前記受容空間(220)と圧力交換状態にあり、前記第1の媒体(M1)のための前記受容空間(210)が、前記第2の媒体(M2)のための前記受容空間(220)に作用する外部圧力(P2)の助けにより空にされ得る、ことを特徴とする、媒体容器。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1に記載の計測装置を有する、医科器具のための保守装置。
【請求項11】
前記計測容器(100)が前記媒体(M1)のための霧化器(300)に接続されている、ことを特徴とする、請求項10に記載の保守装置。
【請求項12】
前記霧化器(300)が圧縮空気コネクタに接続されており、前記計測容器(100)が、好ましくは、前記圧縮空気コネクタに接続されている、ことを特徴とする、請求項11に記載の保守装置。
【請求項13】
前記計測容器(100)が、前記霧化器(300)内の焼結フィルタによって、その全体が除去され得る前記第1の媒体(M1)の量を測定するように設計されている、ことを特徴とする、請求項11および12のいずれか1に記載の保守装置。
【請求項14】
請求項1〜9の1に記載の計測装置(1)を用いて、加圧媒体容器(200)から媒体(M1)を除去する方法であって、下記の諸段階、すなわち、
計測容器(100)の第1の領域(V1)が完全に充満するまで、前記媒体(M1)を前記第1の領域(V1)に転送する段階、および、
他の媒体(M2)を用いて第2の領域(V2)を充満させることにより、前記計測容器(100)から前記媒体(M1)の排出をドライブする段階と
を有する、
方法。
【請求項15】
前記加圧媒体容器(200)から前記媒体(M1)を除去するための請求項14に記載の方法において、
前記計測容器に導入される前記第2の媒体(M2)における圧力が、前記計測容器(100)に導入される前記第1の媒体(M1)における圧力を越えない、ことを特徴とする、方法。
【請求項16】
歯科器具のための消毒および保守を行う装置を動作させる方法において、
加圧された第2の媒体(M2)が、第1の媒体(M1)のための計測装置(1)、および、第1の媒体(M1)を放出するための装置を制御し、好ましくは、時間が管理された制御が行われる、ことを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−200609(P2012−200609A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−67724(P2012−67724)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(305039194)カルテンバッハ ウント ホイクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (36)
【氏名又は名称原語表記】Kaltenbach & Voigt GmbH
【Fターム(参考)】