説明

記録ストリーム生成方法、その再生方法、記録装置、および、再生装置

【課題】
パケットの送信時刻に対し受信時刻がランダムに遅延する伝送路より受信したストリームと、遅延が発生しない伝送路より受信したストリームからディスク装置への同時記録に適し、再生時のジッタ抑制が可能な記録ストリームを生成する。
【解決手段】
上記課題を解決する記録ストリームの生成方法は、第1の伝送路に対する第1のストリームを受信し、その構成単位であるパケットの検出タイミングからから記録ストリームに対する基準時刻を生成し、第2の伝送路に対する第2のストリームを受信し、その構成単位であるパケットに含まれる送信時刻と、該基準時刻から、送信時の時系列となるようにパケット列の間隔を補正し、第1のストリーム、補正後の第2のストリームに対する各パケット列の検出時刻順に多重することで解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録ストリーム生成方法及びその再生方法、記録、再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG2-TS(Transport Stream)をビデオ、オーディオ伝送方式として採用するディジタル放送を受信し、ディスク記録媒体への記録を行い、元のビデオ、オーディオ情報として再生する、レコーダ装置が開発されている。一方、近年のレコーダ装置は様々な外部装置との接続インターフェイスを備える。例えば、レコーダ機器同士を1対1で接続するシリアルインターフェイスや、複数の機器が接続されるネットワーク網への接続を可能とするLAN(Local Area Network)インターフェイスである。ネットワーク網に接続された機器間でデータ伝送を行う際の通信プロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User data gram Protocol)が挙げられる。MPEG2-TS等、ビデオ、オーディオ情報の伝送は、データを途切れなく送受信することが重要で有るため、送受信時のオーバヘッドが少ないUDPが用いられる。MPEG2-TSのディスク記録媒体への記録方法については、例えば非特許文献1を参照、UDPについては例えば非特許文献2を参照。
【0003】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス 2003.7.21号, pp.127〜129
【非特許文献2】日経ネットワーク 2002.4号, pp.68〜69
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レコーダ機器において記録対象となるソースは、ディジタル放送や、機器と1対1で接続された外部機器からの受信ストリームに留まらず、ネットワーク接続機器からの伝送ストリームも挙げられ、マルチストリームに対する蓄積サーバーとして利用することが期待されている。
【0005】
ネットワーク経由で伝送されるストリームは、ネットワーク上のデータ送受信が混雑している場合や、伝送帯域の狭いネットワークを経由する場合、ストリームを構成するパケットの送信時刻に対し、受信時刻が時系列的にランダムに遅延し、受信ストリームの復号時にジッタ(復号時刻のズレから、不自然なビデオの再生や、ビデオとオーディオの同期が取れない等の問題)が発生する。
【0006】
一方でマルチストリーム記録を実現するための方法として、MPEG2-TS形式に従い、複数チャンネルに対するストリームを構成するパケット単位で時分割多重する方法が挙げられるが、前記受信時にランダムな遅延の生じるストリームと、ディジタル放送等で伝送され遅延の生じないストリーム同士を多重化する際に、そのままパケットの時分割多重を行い記録する場合は、再生時に再生ストリームの切り替え時にジッタが生じ、スムーズな切り替えができないという課題がある。
【0007】
従って本発明の目的は上記課題を解決する記録ストリーム生成方法及びその再生方法、記録、再生装置を提供するものである、
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する記録ストリームの生成方法は、第1の伝送路に対する第1のストリームを受信し、その構成単位であるパケットの検出タイミングからから記録ストリームに対する基準時刻を生成し、第2の伝送路に対する第2のストリームを受信し、その構成単位であるパケットに含まれる送信時刻と、該基準時刻から、送信時の時系列となるようにパケット列の間隔を補正し、第1のストリーム、補正後の第2のストリームに対する各パケット列の検出時刻順に多重することで解決される。
【0009】
また、上記課題を解決する記録装置の構成は、少なくとも、第1の伝送路に対する第1のストリーム受信手段と、その構成単位であるパケットの検出タイミングから記録ストリームに対する基準時刻を生成する時刻生成手段、第2の伝送路に対する第2のストリーム受信手段、その構成単位であるパケットを一時的に保持するバッファ手段、バッファ手段に保持したパケット列に対する出力タイミングを生成するタイミング生成手段、第1のストリーム、バッファ手段より出力される第2のストリームに対する各パケット列の多重手段を設けることを特徴とし、前記タイミング生成手段は、第2のストリームを構成するパケットに含まれる送信時刻と該基準時刻から、バッファ手段からのパケット列出力が列送信時の時系列間隔となるように出力タイミングを生成する記録装置を構成することで解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、同時記録に適した記録ストリームの生成が可能となり、更に再生時のストリーム切り替え時に発生するジッタが抑制可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の記録ストリーム生成方法及び再生方法、記録、再生装置についての第1の実施例を示すブロック図である。図において1はLAN等のネットワーク上に接続された複数の機器と、本装置の間で、TCP、UDP通信プロトコルに従いデータ送受信を制御する送受信部、2はネットワーク上の送受信単位であるTCP或いはUDPパケットを構成するヘッダ部に含まれる情報の解析を行うヘッダ解析部、3は受信したUDPパケットを構成するペイロードに含まれ伝送されるTS(Transport Stream)パケット列を格納するTSバッファ、4はヘッダ解析部2で検出した送信時刻と装置における基準時刻の差から、ネットワーク網を介した伝送の際に発生し、送信時のパケット列と受信時のパケット列の間に生じた遅延を検出し、それを基にTSバッファ3に対する出力タイミングを生成するタイミング生成部、5はディジタル放送を受信し、複数チャンネルに対するTSパケット列が多重されたフルTSを出力する放送受信部、6はフルTSに対し、TSパケットIDを指定、記録、再生目的のTSパケットのみを含むパケット列であるパーシャルTSを抽出するTS選択部、7はTSバッファ3より出力される受信パケット列と、パーシャルTSの時分割多重を制御し、更に多重する各パケット列に対するタイムスタンプを多重し、記録ストリームを生成するTS多重部、8は装置に於ける基準時刻の生成を、TS選択部6に於けるパーシャルTSの検出タイミングと、TSバッファ3に対する出力タイミングに従い、多重する各パケット列に対するタイムスタンプを生成する時刻生成部、9はデータ選択部、10は生成した記録ストリームを蓄積する書込みバッファ、11は磁気ディスク装置や光ディスク装置に相当するディスク装置である。
【0013】
図1の装置において行われる記録ストリームの生成方法について、図2、図3、図4を用いて説明する。まず、図2において、放送受信部5から出力されるフルTSと、TS選択部6で生成されるパーシャルTSについて説明する。図2(a)は映像、音声に対し圧縮符号化処理を施したビデオ、オーディオストリーム(V1 ES、A1 ES)に対するPESパケット化を示し、これらPESパケットを更に188バイト毎に区切りビデオ、オーディオのTSパケットを時分割多重してTSパケットを生成する。図2(b)はフルTSの一例を示し、複数のチャンネル(チャンネル1、2)に対するTSパケットを時分割多重したフルTSの生成を示す。フルTSには、更にチャンネル1,2に対するプログラム(番組)情報、PSIを含んだTSパケットも多重される。なお、多重チャンネル数は放送網で伝送可能な最大転送レートまで多重可能である。放送受信部5は放送網からの伝送信号に対し復号処理を行い、フルTSを出力する。図2(c)はTS選択部6から出力のパーシャルTSの説明図であり、一例としてチャンネル1に対するTSパケット(V1、A1)の抽出を示している。一方TS選択部6においてはプログラム情報についても、パーシャルTSに含まれ、選択したチャンネル1に対するプログラム情報のみに修正され(PSI1)パーシャルTSに多重される。
【0014】
次に、図3において、ネットワーク網で伝送され、送受信部1において受信される伝送パケットの構成と、TSバッファ3におけるパケット列の格納、タイミング生成部4からの出力タイミングに従ったパケット列の出力制御について説明する。図3(a)(b)はネットワーク上の通信単位であるTCPパケット、UDPパケットの構成例を示している。図3(a)(b)において、各パケットはネットワーク網に接続される機器毎に個別のアドレス情報として与えられるIPパケットヘッダ、TCP、UDPの各通信プロトコルに沿ったデータ伝送制御に用いる情報を格納したTCPパケットヘッダ、UDPパケットヘッダ、伝送データを格納するペイロードで構成される。ビデオ、オーディオストリームの伝送に適したUDPパケットのペイロードにはTSパケットが複数格納される。例えば図2(a)、(c)で説明の方法で生成したPSIを含むTSパケットが複数個格納される。またUDPパケットの伝送中の消失を確認する手段としてシーケンス番号が設けられ、ヘッダ解析部2はUDPパケットの受信ごとにシーケンス番号を確認し、その番号の欠落を検出することでパケットの消失を検出する。一方、TSパケットを含んで伝送するUDPパケットは、ネットワーク網の通信混雑状況や、帯域の狭いネットワーク網を経由することで、送信側機器のUDPパケット列に対し、装置側の受信UDPパケット列との間でランダムな遅延が生じることがある。この場合受信UDPパケットで伝送されたTSパケット列に対するビデオ、オーディオ情報の復号を行う場合、ジッタが発生する。この様なパケット列の送受信で発生する遅延を検出する目的で、UDFパケットのヘッダ部に送信時刻を付加する。
【0015】
図3(c)は、ネットワーク網を介してUDPパケットを伝送する際のランダムな遅延の発生を説明する一例であり、この受信UDPパケット列に対し、遅延を補正しながらTSバッファ3よりペイロード(複数のTSパケット列)を出力し、時系列的に送信時のパケット間隔となるようなタイミング制御の一例を示している。図において、便宜上十分な伝送帯域が確保されたネットワーク網での伝送遅延は0としている。
【0016】
この受信パケット列の遅延を補正するため、TSバッファ3から格納した受信パケット列の読み出しタイミングを制御し、時系列的に送信時のパケット列に対する間隔となるように出力する。出力を制御するタイミングは、タイミング生成部4において生成され、ヘッダ解析部2で検出される送信時刻と、時刻生成部8で生成され装置全体の基準時刻を比較することで生成される。図において、例えば送信時のUDPパケットU3とU4の送信時刻はそれぞれ、t5、t7であるが、受信時の時刻はt6、t10であり、時系列的に見てそれぞれ△t(△tは単位時間)、△t×2の遅延が発生している。タイミング生成部4は各パケットに対する遅延を補正する出力タイミングを生成する。
遅延の補正方法について具体的に説明する、図中例えば送受信の時刻差が0であるU1とU8の有限な範囲において、時刻差が最大(△t×2)のU4を基準とし、U4の受信時刻に対するTSバッファ3出力遅延△t×n(nは正の整数)に対し、時刻差0のU1、U8を△t×(n+2)分遅延させることで、補正する。U2、U3、U5、U6、U7についても同様、U4を基準に△t×(n+1)分遅延させる。また時刻差0のパケット受信が長時間行われない場合については、例えば時刻差1のパケット受信までの間や、TSバッファに格納可能なパケット列の範囲内で最大時刻差を検出し、出力タイミングを生成することも考えられる。
【0017】
一方、時刻生成部8で生成され、TSバッファ3の出力に対するタイムスタンプは、出力タイミングに対する時刻を採用するため、パケット送信時の時刻に対し、TSバッファによる遅延補正に要する時間分遅延する。図においては時刻t1に送受信されたパケットに対して△t×(n+2)遅延後のt1‘が相当する。しかしながら受信時のパケット列は送信時のパケット列と時系列的に同間隔となる。
【0018】
更に、図4において、TS多重部7で行われ、TSバッファ3出力のTSパケットと、パーシャルTSの多重、時刻生成部8より生成されるタイムスタンプの多重について説明する。時刻生成部8はTSバッファ3の出力タイミングと、パーシャルTSを構成するTSパケット検出タイミングに対応した時刻情報を多重する。図4の一例ではTSバッファ3の出力タイミングとパーシャルTSが図示する時系列で出力されるが、TS多重部7において多重される各TSパケットとタイムスタンプが対応するように多重され、ディスク装置11に対する記録ストリームが生成される。異なる伝送路より受信したパケット列に対し、共通の時系列に対するタイムスタンプを与えることになる。以上説明した方法で生成した記録ストリームの再生の際、途中で再生ストリームの切り替えに伴う基準時刻の同期化処理が容易に行われ、切り替え時のビデオ、オーディオの乱れを抑制される。生成した記録ストリームは、書込みバッファ10に転送され、書込み単位(セクタ)ごとにディスク装置11へ転送、記録を行う。
【0019】
なお図4においてTSバッファ3出力と、パーシャルTSに対するタイムスタンプが同時刻の場合、共通のタイムスタンプを1つ与えるが、同時刻であっても各伝送路からのTSパケットそれぞれにタイムスタンプを与えることも考えられる。
【0020】
またデータ選択部9は、送受信部1、ヘッダ解析部2において、TCPパケット検出の場合はペイロードに対するデータに対し、直接書込みバッファ10への転送を選択し、UDPパケット検出の際にはTS多重部7からの記録ストリーム選択を行う。TS多重部7についても、多重化するソースが選択可能である。多重化選択信号を制御することでTSバッファ3出力、或いはパーシャルTSのみの選択や、多重ストリームの生成を制御する。タイムスタンプについてもその選択状況に応じてTS多重部7の選択に応じて付加される。
【0021】
TS選択部6はフルTSから記録、再生目的のチャンネルに対するパーシャルTSへの変換が行われるが、選択可能なチャンネル数は複数或いは、フルTSのままTS多重部7へ出力されることも考えられる。この場合も選択したTSパケットの検出タイミングに従ったタイムスタンプの生成、多重が行われる。
【0022】
TS多重部7においては、ディスク装置11への転送レート以下となるように多重するストリームが制限される。例えば、フルTSの記録で転送レート上限付近まで占有する場合、送受信部1においてネットワーク網からの受信制限を行う場合や、TS多重部7における多重を行わないことが考えられる。
【実施例2】
【0023】
図1の装置はネットワーク網に接続された複数の機器それぞれからのストリームが時分割多重されて伝送される記録ストリームの記録にも対応可能である。図1のヘッダ解析部2は複数のストリームA、Bそれぞれに対する伝送パケットヘッダの解析から各ストリームに対するパケット送信時刻を検出し、TSバッファ3はストリームA、Bに対するパケットを蓄積する。タイミング生成部は各ストリームに対するバッファ出力タイミングを生成し、それにより各ストリーム受信時に発生したランダムな遅延を吸収し、元の時系列間隔に補正する。それ以降の処理は実施例1と同様であり説明を省略する。
【実施例3】
【0024】
図5は本発明の記録ストリーム生成方法及び再生方法、記録、再生装置についての実施例を示すブロック図である。図1と重複する参照番号に対する構成要素の説明は省略する。11はディスク記録装置であり、実施例1で説明した記録ストリーム生成方法に基づいたストリームが記録されており、例えば図4で説明した放送網、ネットワーク網を経由して伝送された複数チャンネルのTSパケットとタイムスタンプが記録されている。12は、ディスク装置11から再生された記録ストリームを一時的に蓄積するリードバッファ、13は記録ストリームに含まれる複数チャンネルのストリームの識別、分離と、多重されている各TSパケットに対するタイムスタンプの検出を行うストリーム識別部、14、15はストリーム識別部13で分離された各チャンネルに対するTSパケットを一時的に蓄積するストリームバッファA、Bで、ここでは一例として2チャンネル分を設けている。16は2チャンネルのストリームA、Bに対する出力先を選択する出力選択部、17は出力選択部16からの出力TSパケットに対し、ビデオ、オーディオの復号を行い、ディスプレイやスピーカー等に対し出力するストリーム復号部、18は出力選択部16からのTSパケットと、送信時刻等を付加することでUDPパケット化を行うパケット生成部である。UDPパケットについては図3(b)を参照。
【0025】
図5の装置において行われる再生方法について、図6を用いて説明する。図5、図6においてリードバッファ12には、ディスク装置11から図6(a)の形式で再生ストリームに対するデータが蓄積される。再生ストリームについては実施例1の図2から図4の記録ストリーム生成方法に基づいており説明を省略する。リードバッファ12からの再生ストリーム出力に対し、ストリーム識別部13において、再生ストリームに含まれるTSパケットを識別しながらストリームA、Bを分離し、それぞれストリームバッファA、Bに蓄積する。図6(b)はストリームバッファA、Bそれぞれに蓄積されたTSパケットを示しており、記録ストリーム生成時に多重した各ストリームU1〜U8、T1〜T9が分離される。一方で再生ストリームに多重され、各チャンネルのパケット再生時刻であるタイムスタンプ(t1'〜 t5'、 t7'、 t10'〜 t14'、 t17'〜 t18')も検出する。タイミング生成部4は検出したタイムスタンプに従い、図5の装置内の基準時刻を生成すると共に、ストリームバッファA、Bに対する出力タイミングA、Bを生成する。図6(c)は出力タイミングA、BによるストリームバッファA、Bの出力を時系列的に示したものであり、検出したタイムスタンプに対する時刻で分離したストリームA、Bに対するTSパケットが出力される。
【0026】
一方ストリーム識別部は、多重ストリームから単独のストリームへの変換を行いキャッシュストリームとして書込みバッファ10に転送する。例えばストリームAに対するTSパケットとタイムスタンプをキャッシュストリームとして出力する。ディスク装置はリードバッファ12への記録ストリーム転送の合間に、書込みバッファ10に蓄積のキャッシュストリームに対する記録を行う。記録ストリームの再生を利用して、多重ストリームから単独のストリームへの変換を行うことになる。書込みバッファ10を複数設ける場合も考えられ、複数の単独ストリームへの変換、ディスク装置への記録を行うことも考えられる。キャッシュストリームの記録については、図5の装置構成に限定されず、別に設けたディスク装置、書込みバッファに供給することも考えられる。
【0027】
検出したタイムスタンプに従った時系列感覚で出力される各ストリームは出力選択部16を介して転送先へ出力される。例えばストリームBはストリーム復号部17へ出力され、そこにおいてTSパケットを構成するペイロードの検出、PESヘッダ解析、ビデオ、オーディオESへ復元、伸張処理が行われ、ディスプレイやスピーカーに出力される。一方でストリームAはパケット生成部18へ出力され、パケット生成部においてストリームAを構成するTSパケットを複数単位でまとめUDPパケットのペイロードとして構成すると共に、UDPパケットヘッダを生成する。UDPパケットヘッダに含まれる送信時刻は、出力タイミングAに対する時刻情報を基に生成される。最後に送受信部1においてネットワーク網を介し、受信先の機器にストリームAが伝送される。
【0028】
なお図5におけるリードバッファ12は図1の書込みバッファとの兼用化も考えられ、ストリームバッファについても一つのバッファとすることも考えられる。ストリームバッファに対し出力タイミングA、Bが同時発生する場合を考慮し、バッファアクセスを時分割して複数のチャンネルに割り当て、タイムスタンプの基本時間△t内に複数チャンネルのTSパケット出力が終了するアクセススピードのバッファを用いることも考えられる。
【0029】
また、再生ストリームをネットワーク網へ伝送する場合は、リードバッファ12から直接パケット生成部18に転送する場合や、ストリーム識別部により検出された単独ストリームとsれに対するタイムスタンプを転送する場合も考えられる。この場合タイムスタンプに応じた時系列間隔で伝送されるストリームではなくデータ扱いとなり、TCPパケットを生成、送信することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による記録装置の説明図。
【図2】放送網におけるフルTSと、パーシャルTS生成の説明図。
【図3】ネットワーク網の伝送単位の構成と、受信時の遅延についての説明図。
【図4】記録ストリーム生成の説明図。
【図5】生成した記録ストリームに対する再生装置の説明図。
【図6】ストリーム再生までに行われる処理の説明図。
【符号の説明】
【0031】
1 …送受信部、2 …ヘッダ解析部、3 …TSバッファ、4 …タイミング生成部、5 …放送受信部、6 …TS選択部、7 …TS多重部、8 …時刻生成部、9 …データ選択部、10 …書込みバッファ、11 …ディスク装置、12 …リードバッファ、13 …ストリーム識別部、14 …ストリームバッファA、15 …ストリームバッファB、16 …出力選択部、17 …ストリーム復号部、18 …パケット生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット伝送単位でランダムな時系列的遅延が生じない第1の伝送路と、遅延が生じる第2の伝送路を経由して受信されるストリームから記録媒体への記録に適した記録ストリームを生成する方法であって、
第1の伝送路に対する第1のストリームを受信し、その構成単位であるパケットの検出タイミングからから記録ストリームに対する基準時刻を生成し、
第2の伝送路に対する第2のストリームを受信し、その構成単位であるパケットに含まれる送信時刻と、該基準時刻から、送信時の時系列となるようにパケット列の間隔を補正し、
第1のストリーム、補正後の第2のストリームに対する各パケット列の検出時刻順に多重することを特徴とした記録ストリーム生成方法
【請求項2】
請求項1に記載の記録ストリーム生成方法において、
第1のストリームと補正後の第2のストリームを多重する際に、
第1のストリームに対しては、そのパケット検出に対する該基準時刻、
第2のストリームに対しては補正後のパケット列に対する該基準時刻を多重することを特徴とする記録ストリーム生成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の記録ストリーム生成方法において、
第1のストリームはMチャンネル(Mは正数)に対するパケットが時分割多重され、
第1のストリームに対し、記録目的のN(Nは正数でM≧N)チャンネルに対するパケット列を検出することを特徴とする記録ストリーム生成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の記録ストリーム生成方法において、
第2のストリームは、第2の伝送路に接続されたm個(mは正数でm≧1)の機器から伝送されたmチャンネルのパケット列が時分割多重され、
mチャンネルのパケット列に含まれる送信時刻と該基準時刻から、送信時の時系列となるようにmチャンネルの各パケット列に対し補正することを特徴とする記録ストリーム生成方法。
【請求項5】
パケット伝送単位でランダムな時系列的遅延が生じない第1の伝送路と、遅延が生じる第2の伝送路を経由して受信されるストリームから記録媒体への記録に適した記録ストリームを生成する記録装置であって、
少なくとも、
第1の伝送路に対する第1のストリーム受信手段と、
その構成単位であるパケットの検出タイミングから記録ストリームに対する基準時刻を生成する時刻生成手段、
第2の伝送路に対する第2のストリーム受信手段、
その構成単位であるパケットを一時的に保持するバッファ手段、
バッファ手段に保持したパケット列に対する出力タイミングを生成するタイミング生成手段、
第1のストリーム、バッファ手段より出力される第2のストリームに対する各パケット列の多重手段を設けることを特徴とし、
前記タイミング生成手段は、第2のストリームを構成するパケットに含まれる送信時刻と該基準時刻から、バッファ手段からのパケット列出力が列送信時の時系列間隔となるように出力タイミングを生成することを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、
該多重手段は、第1のストリームとバッファ手段より出力されるストリームを多重する際に、
第1のストリームに対しては、そのパケット検出に対する該基準時刻、
第2のストリームに対してはバッファ手段の出力タイミングに対する該基準時刻を多重することを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項5に記載の記録装置において、
第1のストリームはMチャンネル(Mは正数)に対するパケットが時分割多重され、
第1のストリームに対し、記録目的のN(Nは正数でM≧N)チャンネルに対するパケット列の検出を行う手段を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項5に記載の記録装置において、
第2のストリームは第2の伝送路に接続されたm個(mは正数でm≧1)の機器から伝送されたmチャンネルのパケット列が時分割多重され、
該タイミング生成手段はmチャンネルのパケット列に含まれる送信時刻と該基準時刻から、mチャンネルの各パケット列に対する出力タイミングを生成することを特徴とする記録装置。
【請求項9】
パケット単位で多重化され、記録媒体に記録された多重ストリームに対する再生方法であって、
再生した多重ストリームから各ストリームを分離すると同時に、
各ストリームを構成するパケット列の再生時刻情報を検出し、
目的のストリームに対するパケット列を、そのパケット列に対する再生時刻に同期させて伝送し、同時に再生時刻情報を含めて伝送することを特徴とするストリーム再生方法。
【請求項10】
パケット単位で多重化され、記録媒体に記録された多重ストリームの再生装置であって、
少なくとも、
記録媒体より多重ストリームの再生を行う再生手段と、
再生した多重ストリームから核ストリームを分離すると同時に、
各ストリームを構成するパケット列に対する再生時刻情報を検出する分離手段と、
分離した各パケット列を一時的に蓄積するバッファ手段と、
バッファ手段からの各パケット列の出力を制御し、検出した再生時刻に同期したタイミングを生成するタイミング生成手段と、
伝送路におけるパケット列の伝送単位を生成し、パケット列の送受信を制御する手段を備えることを特徴とし、
バッファ手段はタイミングに従いパケット列を出力し、
送受信手段は伝送路に対してパケット列を出力すると共に、再生時刻情報を伝送単位に含めることを特徴とする再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−92391(P2008−92391A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272409(P2006−272409)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】