説明

記録再生システム及びその録画再生装置

【課題】聴衆の前でモニタやスクリーンにプレゼンテーション資料を表示して行うプレゼンテーションの録画再生を好適に行う。
【解決手段】表示装置30と講師用端末機31及び音声データと映像データ及び表示装置30の表示画面の座標を取得する関連装置を接続可能な録画再生装置20であって、各種のデータを格納する記憶装置23と、時間データを出力するカウンタ部26と、遠隔操作装置と、制御装置21とを含んで構成し、制御装置21は、表示装置30で表示されるソース映像データをカウンタ部26で出力される時間データとともに記憶装置23に格納するとともに、予め設定される関連装置の動作設定に基づいて、これら関連装置が取得するデータをカウンタ部26で出力される時間データとともに記憶装置23に格納し、遠隔操作装置の再生操作に基づいて、ソース映像データと前記データを時間データで同期させて再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校の講義や講演会などで映像コンテンツを主体としたコンテンツを録画・編集する記録再生システムまたはその記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを通じて複数の生徒用端末と講師用端末を接続して、遠隔地の複数の生徒に講義を行うシステムが複数提案されている。
【0003】
例えば、従来技術では、生徒用端末は同報送信された教材を同時に再生し、講師の指示等も中継サーバを介して生徒用端末に同報送信される。生徒端末から入力された質問も中継サーバを介して全ての生徒用端末で再生され、これに対する講師の指導も全ての生徒用端末で再生される。これにより、講師からの指示を再生し、各生徒の質問等を全生徒で共有化することができる遠隔講義システムを提供している。
【0004】
また、他の従来技術では、複数の生徒用端末と講師用端末とをオンラインを通じて同時に接続し、マルチメディア情報の実時間および両方向への交流が可能であり、実時間で進行する講義またはプレゼンテーションの内容を録画してファイルとして格納して編集、修正することができる機能を提供している。講義進行の間、質疑応答のための発言権の付与、音声およびテキストを用いたチャット、画面共有等の機能と、コンテンツに適用される全てのイベントの発生、終了時間、または維持時間を設定することにより、コンテンツの再生の際にイベントを適時に発生できるようにている。これにより、PCを用いてオンラインで講義ファイルをダウンロードしてまたは実時間で講義を受講することができ、オフライン上で講義案を作成し、再生することのできるマルチメディア電子学習システムおよび学習方法を提供することができる。
【0005】
一方、近年は、パーソナルコンピュータの普及により、誰でも簡単にプレゼンテーション資料が作れるようになっている。しかも、大型のモニタやプロジェクタなどが普及し、何処でも手軽にプレゼンテーション資料を表示しながら公演を行える環境ができている。これらの公演内容は、カメラで撮影されてネットワークで配信されたり、あるいは、録画されて記録されることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−222847号の公報
【特許文献2】特開2002−202941号の公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記ネットワークを利用した従来技術によれば、予め準備した内容を生徒用端末機でダウンロードし、その内容を基に、ネットワークを介して相互に送受信するデータにより編集、修正することができる。しかし、沢山の聴衆を前にプレゼンテーションを行う場合は、聴衆は、1つの画面を見ながら講義を受けることとなる。しかも、公演者は表示される画面をポインタや指し棒で指示したり、あるいは、聴衆の反応を見ながら公演することとなるので、ネットワークを利用したシステムをそのまま導入することができない。また、公演者が多数の場合は、公演者ごとに異なるプレゼンテーション資料を利用することとなる。
【0008】
しかも、従来技術では、これらの公演の記録をカメラで撮影しているので、プレゼンテーション資料もカメラで間接的に撮影した内容となるので、鮮明度の点でも難がある。
【0009】
そこで、この発明の目的とするところは、聴衆の前でモニタやスクリーンにプレゼンテーション資料を表示して行うプレゼンテーションの録画再生を好適に行うことが可能な記録再生システムまたは記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成する点に、本発明に係る記録再生システムまたはその記録再生装置では、表示装置と講師用端末機及び音声データと映像データ及び前記表示装置の表示画面の座標を取得する関連装置を接続可能な録画再生装置であって、この録画再生装置は、各種のデータを格納する記憶装置と、時間データを出力するカウンタ部と、この記録再生装置を遠隔操作するための遠隔操作装置と、この録画再生装置を統括的に制御する制御装置とを含んで構成し、前記制御装置は、前記表示装置で表示されるソース映像データを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納するとともに、予め設定される前記関連装置の動作設定に基づいて、これら関連装置が取得するデータを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納し、前記遠隔操作装置の再生操作に基づいて、前記ソース映像データと前記データを時間データで同期させて再生する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、映像コンテンツとこれに関連する関連データを時間で同期させて自在に記録・再生することができるので、後で講義や講演を見直したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係る録画再生装置の概略構成図である。
【図2】この発明に係る記録再生システムの装置構成図である。
【図3】この発明に係る記録再生システムの操作フロー図である。
【図4】この発明に係る記録再生システムの記憶装置に格納されるデータベースの構成図である。
【図5】この発明に係る記録再生システムの画面遷移図である。
【図6】この発明に係る記録再生システムの編集出力されるデータ構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る録画再生システムを図1から図6を参照して具体的に説明する。ここで、図1は、この実施例に係る録画再生システムの概略構成図である。図2は、この実施例に係る記録再生システムの装置構成図である。図3は、この実施例に係る記録再生システムの操作フロー図である。図4は、この実施例に係る記録再生システムの記憶装置に格納されるデータベースの構成図である。図5は、この実施例に係る記録再生システムの画面遷移図であり、(a)図が再生メニュー画面図であり、(b)図が編集画面図である。図6が、この実施例に係る記録再生システムの編集出力されるデータ構成図である。なお、同様な部位や矢印などは同一符号をもって示し、重複した説明は省略する。
【0014】
先ず、図1を参照して、この録画再生システムを具体的に説明する。図1において、符号1で総括的に示す録画再生システムは、学校の講義や講演会などのように、先生や講師2が多数の聴衆3を前に、大型モニタやスクリーンなどから構成される表示装置にプレゼンテーション資料を表示して行うプレゼンテーションに好適なシステムである。
【0015】
この録画再生システム1は、この録画再生システム1の主体となる録画再生装置20と、この録画再生装置20を遠隔操作できるリモコン50と、プレゼンテーション資料などのコンテンツを表示する大型のモニタ部30と、講師2が操作する講師用端末機(パーソナルコンピュータ)31と、講師2や聴衆3の音声を記録するマイク部32と、講師2が使用するポインタ33と、このポインタ33が指示する座標を検知する検知カメラ部41と、コンテンツや講師などの音声を発するスピーカ部34と、講師を撮影する撮影カメラ部35とを含んで構成される。
【0016】
録画再生装置20は、デジタル放送やBS放送などの図示しない放送チューナを備えて放送コンテンツを取得することができる。また、インターネット4を介して各種のサイトに接続して、これらのサイトが提供するコンテンツを取得することができる。この録画再生装置20は、図示しない大容量の内部記憶部や、DVD録画再生部などの外部記憶媒体部などを備えて、取得したコンテンツを格納するとともに、これらを編集して外部媒体に出力することができる。この録画再生装置の操作は、リモコン50や講師用端末機31を介して操作指示することができる。
【0017】
この実施例では、録画再生装置20に接続されるモニタ部30に各種のコンテンツを表示することができる。また、この実施例では、モニタ部30に代えて、検知カメラ部41と一体化されるプロジェクタ40を介してスクリーン5に各種のコンテンツを投影することができる。
【0018】
講師用端末機31は、極一般的なパーソナルコンピュータで構成することができる。この講師用端末機31は、図示しないマウスなどの入力機を介して図示しない表示部にコンテンツをモニタしながらプレゼンテーションを進めることができる。更に、この実施例では、録画再生装置20が取得したコンテンツをモニタ部30に表示することができるが、講師用端末機31に設けられる図示しない外部記憶媒体からコンテンツを取得して、このコンテンツをモニタ部30に表示することができる。
【0019】
この実施例では、講師2の音声を取得する第1マイク部32aや、聴衆の反応あるいは質疑応答を受けるための第2マイク部32bなど、複数のマイク部32を接続することができる。これらのマイク部32で取得される音声は、スピーカ部34で拡声することができる。更に、撮影カメラ部35もまた、講師2を撮影するカメラや聴衆3を撮影するカメラなど、複数の撮影カメラ部35を接続することができる。
【0020】
この実施例では、赤外線レーザーを使用したポインタ33を採用することができる。このポインタ33で指示された座標は、赤外線フイルタを備えた検知カメラ部41で検知され、その位置座標を録画再生装置20に格納することができる。また、モニタ部30には、タッチパネル37を備えることができる。このタッチパネル37では、表示画面に埋め込まれた予め設定された指示操作を行うことができるとともに、タッチされた位置座標をポインタ33で指示された座標と同様に格納することができる。
【0021】
この実施例に係る録画再生システム1では、モニタ部30やスクリーン5を聴衆3の前に設置し、この聴衆3の後方にはプロジェクタ40を設置し、演壇に立つ講師2が講師用端末機31やポインタ33を操作しながら大型のモニタ部30やスクリーン5に表示されるコンテンツを参照しながらプレゼンテーションを行うことができる。
【0022】
そして、この実施例に係る録画再生システム1の大きな特徴の1つは、モニタ部30やスクリーン5に各種のコンテンツを表示し、このコンテンツと、このコンテンツに関連するデータを記録できる点にある。
【0023】
即ち、この録画再生システム1では、次のコンテンツと関連データを表示して記録を行うことができる。
(1)内蔵された放送チューナで受信した放送映像、番組情報(EPG情報)、データ放送情報など
(2)内蔵された外部記録媒体部の映像と、そのタイトルやチャプター名、分割点など
(3)外部入力端子から入力された映像。PC画面、ビデオ(デジタル、アナログ)、ゲームなど
(4)マイク分32で取得する講師の音声や周囲の音
(5)ポインタ33で指し示した座標とタイミング
この実施例では、前記(1)から(3)のコンテンツは、選択的に表示されたものを記録することができ、(4)と(5)は独立して記録しておき、再生の際にON/OFFして、前記コンテンツに合成することができる。これらの記録開始と終了などの操作はリモコン50を介して行うことができる。
【0024】
また、この実施例に係る録画再生システム1の大きな特徴の他の1つは、記録した映像コンテンツと関連データを時間で同期させて自在に再生される点にある。
【0025】
即ち、この実施例では、再生開始は、時間を指定してスタートさせることができ、通常は1倍速でシーケンシャルに再生することができる。また、再生ストップは任意の時点でストップ可能であり、早送り、巻き戻し、チャプタージャンプなどが可能である。そして、これらのトリックプレイの際、画面とマイク音声などが同期した状態で前後に巻き戻し早送りをして再生することができる。更に、音は、映像の音、マイク部32で録音した音のミキシングが可能であり、聞きたいバランスに音量調整して聞くことができる。
【0026】
また、タッチパネル37やポインタ33で指し示した座標にカーソルアイコンを表示したり、アニメーション表現などを加えることもできる。加えて、再生のとき、画面の任意の位置をポインティングすると拡大する機能も搭載することができる。
【0027】
また、この実施例に係る録画再生システム1の大きな特徴の他の1つは、記録した映像コンテンツと関連データを時間で同期させて編集記録して外部配信や外部記録媒体に格納できる点にある。
【0028】
即ち、この実施例では、記録された状態ではマイク部32の音、ポインタ33の指示座標が別々に格納されているが、外部へデータ出力するときにはそれらを合成して一つの動画ファイルとして出力することができる。この際、映像再生の設定として、映像の省きたい箇所をジャンプする指定をして、再生時に編集した映像を見ることができる。
【0029】
このように、この実施例に係る記録再生システム1では、映像コンテンツとこれに関連する関連データを時間で同期させて自在に記録・再生することができるので、後で講義や講演を見直したり、あるいは編集して他の機器(人)に配信したりすることができる。
【0030】
以下、図2から図6を参照して、この実施例に係る記録再生システムを更に説明する。
【0031】
先ず、図2において、この実施例に係る録画再生装置20は、この録画再生装置20及び録画再生システム1を統括的に制御する制御部21と、この録画再生装置20をインターネット4に接続するためのインターネット通信部25と、放送チューナ22、この録画再生装置20に入力されるデータや信号に統一した時刻を付すためのカウンタ部26と、DVDやCDなどの外部媒体の読み書きを行う外部記憶媒体部24と、大容量のハードデイスクを備えた内部記憶部23と、リモコン50からの赤外線信号を送受信する操作信号通信部27と、映像音声入力部28と、外部入力端子部29を含んで構成される。
【0032】
前記映像音声入力部28には、講師用端末機31となるパソコンと、ゲーム機45、ビデオ再生機46、ビデオカメラ47などを接続することができる。また、外部入力端子部29には、マイク部32や撮影カメラ部35やスピーカ部34及びタッチパネル37が接続される。
【0033】
更に、表示装置として、モニタ部30と検知カメラ部41を備えたプロジェクタ40が接続される。この実施例では、聴衆3の前に設置されるモニタ部30またはスクリーン5と対峙する位置に検知カメラ部41を備えたプロジェクタ40を設置する。これによりプロジェクタ40の光軸P1と、検知カメラ部41の光軸P2を、プロジェクタ40を設置するだけで簡単に位置決めすることができる。
【0034】
また、リモコン50は、操作信号通信部27と操作信号の送受信を行う図示しない赤外線通信部と、このリモコン50を統括的に制御する図示しない制御装置と、入力ボタン群51を備えている。この実施例では、この入力ボタン群51の各操作ボタンを操作することで録画再生装置20を操作することができる。
【0035】
入力ボタン群51は、録画再生装置20の電源のON、OFFを行う電源ボタン52と、映像音声入力部28に接続される機器を切り換える入力切替ボタン53と、録画開始ボタン54と、停止ボタン55と、再生ボタン56と、一対の早送りボタン57と、一時停止ボタン58と、編集時に使用するカット開始ボタン59と、カット終了ボタン60と、表示画面に表示されるカーソルを移動/決定するカーソルボタン群61と、メニュー画面を呼び出すメニューボタン62と、一つ前の操作に戻るための戻るボタン63と、音量のアップダウンのための音量ボタン64と、音消しボタン65と、チャンネルのアップダウンのためのチャンネルボタン66と、ダイレクトにチャンネルを選択するテンキー群67などを含んで構成する。
【0036】
次に、図3の操作フロー図に基に、図1及び図4から図6のデータ構成図や画面遷移図を参照しながら、この実施例に係る録画再生システム1の操作を説明する。
【0037】
図3において、先ず、この実施例に係る録画再生システム1では、録画再生装置20に各装置を図1で説明した位置に設置して配線することで準備完了となる。そして、リモコン50の電源ボタン52を操作することで録画再生装置20を動作状態とすることができる。録画再生装置20の制御部21は、動作状態になると、リモコン50の入力ボタン群51による操作を監視している。
【0038】
そして、録画開始ボタン54の操作信号を受け付けると、予め設定される機器の録画、録音を開始する(ステップ100)。これらの設定は、メニューボタン62の操作でモニタ部30に表示される図示しないメニュー画面から選択できる図示しない設定画面で動作設定を行うことができる。この実施例では、モニタ部30またはプロジェクタ40から出力されるソース映像データを基準に、撮影カメラ部35とマイク部32と検知カメラ部41を動作させて、これらの機器で取得するデータを前記ソース映像データと同期させて記録することができる。
【0039】
図4には、この録画再生システム1で記録する各種データのデータ構成図の一例を示したものである。(a)図は、映像データのデータ構成図を示し、(b)図は撮影カメラ部35とマイク部32で取得するデータ構成図を示し、(c)図には、検知カメラ部41またはタッチパネル37で取得する座標位置のデータ構成図を示している。この実施例においては、カウンタ部26で生成される時間が必ず各装置から取得したデータに格納され、この時間に対応して映像データに関連するデータの同期が図れる。
【0040】
(a)図の実施例では、モニタ部30に、最初に放送チューナ22から取得したコンテンツが表示され、次に講師用端末機31(PC出力)から取得したコンテンツが表示され、次にビデオ再生機46から取得したコンテンツが表示された状態における、内部記憶部23に格納されたソース映像データのデータ構成図を示している。このソース映像データは、前記カウンタ部26で取得される記録開始時間と記録終了時間からなる時間データと、ソース映像データとを含んで構成される。ソース映像データは、3CHデータやEPG情報などのメタデータと、動画フアイルや静止画フアイルからなる動画データと、音声フアイルからなる音声データとを含んでいる。また、動画データには、カウンタ部26で取得した時間データが付加されて格納される。
【0041】
一方、(b)図は、撮影カメラ部35とマイク部32で取得したデータ(映像データと音声データ)と、前記カウンタ部26で取得した時間データが格納される。(b)図からわかるように、制御部21はモニタ部30の記録を行うと、初期設定で設定される各機器、この事例では、撮影カメラ部35とマイク部32を動作させて録画と録音を開始する。この実施例では、映像データと音声データを1つのデータとして格納した事例で説明しているが、映像データと音声データとをそれぞれ独立して記録することができる。この場合は、各映像データと音声データは前記カウンタ部26で取得した時間データを付加して記録するようにする。
【0042】
また、(c)図は、検知カメラ部41で取得したポインタ33の指し示す位置の座標データの推移を時間データとともに格納したものである。この座標データもまた、(b)図に示すように、モニタ部30の記録に連動してデータを格納する。なお、タッチパネル37で取得した座標位置も、この検知カメラ部41で取得した座標データと同様に格納することができる。
【0043】
このように、この実施例では、リモコン50の録画開始ボタン54が操作されると、制御部21はモニタ部30またはプロジェクタ40で出力されるソース映像データの元データを内部記憶部23に図4に示すデータで格納する。したがって、従来例のように、モニタ部30またはプロジェクタ40で表示される内容をカメラで撮影する手法に比べて精度の良い画像を記録することができる。また、制御部21は、このソース映像データの記録に連動して、予め設定される機器を同時刻に動作させて内部記憶部23に格納させる。そして、これら映像データと関連するデータは、映像データと独立して記録されるので、編集作業での自由度が確保される。また、格納された各データはカウンタ部26で生成される時間データを備えているので、編集作業での同期を簡単に図ることができる。
【0044】
また、この実施例では、リモコン50の入力切替ボタン53の操作に基づいて、ソース映像データの発信元を自由に選択することができる、例えば、この実施例では、放送チューナ22で取得した放送データを表示し(ステップ110)、講師用端末機31に格納したコンテンツを表示し(ステップ111)、更にビデオ再生機46で再生されるコンテンツを表示(ステップ112)の事例を示している。制御部21は、これらの記録を停止ボタン55の操作信号を受け付けるまで記録する(ステップ119)。
【0045】
図3に戻り、この実施例では、リモコン50のメニューボタン62から図示しないメニュー画面を呼び出し、このメニュー画面からカーソルボタン群61で選択する図5(a)図の再生メニュー画面200から内部記憶部23に格納したソース映像データを再生することができる(ステップ120)。制御部21は、再生メニュー画面200の操作指示を受けると、例えば、モニタ部30に図5(a)図の再生メニュー画面200を表示する。この再生メニュー画面200では、内部記憶部23に格納したソース映像データがリスト形式で表示され、それぞれのソース映像データには再生ボタン201と、ダビングボタン202が設けられている。
【0046】
それぞれのソース映像データは、記録再生時間と終了時間及び正味の再生時間と編集されてカットされたかいなかのカット時間が表示されている。制御部21は、再生ボタン201が操作されると、その選択されたソース映像データをモニタ部30に再生表示し、また、ダビングボタン202が選択されるとモニタ部30に図示しないダビング設定画面を表示して、このダビング設定画面からダビングの設定条件を受け付けて実行する。一方、この再生メニュー画面200を終了して元のメニュー画面に戻る場合は戻るボタン63で受け付ける。
【0047】
ここで、この実施例では、基礎となるソース映像データを選択して再生することにより、このソース映像データと同期して記録された撮影カメラ部35の撮影データやマイク部32で記録した音声データや検知カメラ部41で記録した座標データを同期して再生することができる。即ち、制御部21は、ソース映像データの再生が選択されると、これと同期して記録された他のデータを検索し、この検索されたデータをソース映像データの再生に合わせて再生する。これにより、記録した講演会や講義などの会場の状況をプレゼンテーションの状況に合わせて再現することができる。
【0048】
この実施例では、映像データを記録する際に記録動作させる各機器を図示しないメニュー画面から選択される図示しない初期設定画面で設定することができる。そして、編集は、図示しないメニュー画面から選択される図5(b)図に示す編集画面210で行うことができる(ステップ121)。
【0049】
(b)図において、この編集画面210は、時間軸Tに対応してカットの有無を選択する編集領域220と、編集内容をプレビューするプレビュー領域230と、操作領域240とを含んで構成される。操作領域240は、リモコン50に設けられる再生ボタン56と一時停止ボタン58と早送りボタン57と停止ボタン55とが設けられるとともに、ダビングを開始するダビングボタン241が設けられている。この実施例では、ダビングボタン241以外はリモコン50の対応ボタンで同じ操作を行うことができる。また、この操作領域240の各ボタンは、リモコン50のカーソルボタン群61でカーソルを移動させて、その決定操作で実行することができる。
【0050】
また、編集領域220は、映像関係領域221と音声関係領域222に編集可能なデータがリスト表示され、それぞれの編集設定領域223が時間軸Tに対応して設けられている。この(b)図の実施例では、音声関係のデータとして、基礎となるモニタ部30で表示されたソース映像データと、撮影カメラ部35で撮影されたカメラデータと、ポインタ33で記録されるポインタ座標データとが編集対象として抽出されている。一方、音声関係のデータとして、基礎となるモニタ部30で表示されたソース映像データと、マイク部32で録音した音声データとが抽出されている。
【0051】
時間軸Tは、モニタ部30に表示されるコンテンツに対応して分割されている。この実施例では、コンテンツ(ソース映像データ)の境に旗マークが表示されている。したがって、この実施例では2つのコンテンツ(ソース映像データ)を編集していることを示している。
【0052】
映像関係の編集設定領域223は、この各領域にカーソルを移動させてリモコン50のカット開始ボタン59とカット終了ボタン60の設定操作で、不要な部分を削除することができる。この(b)図では、2つのコンテンツ(ソース映像データ)の前半のコンテンツについて、ソース映像データとポインタ座標データの各データを残した状態を示している。
【0053】
一方、音声関係の編集設定領域223は、基礎となるソース映像データで選択された範囲の音声レベルを設定することができる。つまり、制御部21は、基礎となるソース映像データの選択された範囲の音声レベルを受け付け、他の削除された領域を入力不可とする。例えば、(b)図では、ソース映像データの後半のコンテンツとマイクデータの後半の音声は「×」が付され、この2つの前半の領域は100%と80%の音声レベルが設定されたことを示している。数値の入力は、該当する編集設定領域223にカーソルを移動してテンキー群67で入力することができる。
【0054】
編集データの確認は、カーソルを基礎となるソース映像データの開始位置に移動させて、リモコン50の再生ボタン56を操作することで、その内容をプレビュー領域230で確認することができる。この編集されたデータはダビングボタン241によって所定の格納領域に格納することができる(ステップ122)。制御部21は、ダビングボタン241の操作を受け付けると、格納領域を指定する図示しないウインドウを表示して、その指定操作によりダビングを開始する。
【0055】
図6には、編集された編集データを示している。この編集データもまた、時間データと映像データ及び音声データが編集されて1つの編集データとしてまとめられる。ここで、映像データは基礎となるソース映像データとカメラデータとポインタ座標データとから構成され、音声データはソース映像データとマイクデータとから構成される。図6から明らかなように、最初の編集データは、基礎となるソール映像データにポインタ座標データが合成され、音声データとしてソース映像とマイク映像が付加されたデータとなっている。更に、2番目のデータは全てが削除され、3番目のデータは、ソース映像データにマイクデータが付加された編集データとなっている。
【符号の説明】
【0056】
1…録画再生システム、2…講師、3…聴衆、4…インターネット、5…スクリーン、20…録画再生装置、21…制御部、22…放送チューナ、23…内部記憶部、24…外部記憶媒体部、25…インターネット通信部、26…カウンタ部、27…操作信号通信部、28…映像音声入力部、29…外部入力端子部、30…モニタ部、31…講師用端末機、32…マイク部、32a…第1マイク、32b…第2マイク、33…ポインタ、34…スピーカ部、35…撮影カメラ部、37…タッチパネル、40…プロジェクタ、41…検知カメラ部、45…ゲーム機、46…ビデオ再生機、47…ビデオカメラ、50…リモコン、51…入力ボタン群、52…電源ボタン、53…入力切替ボタン、54…録画開始ボタン、55…停止ボタン、56…再生ボタン、57…早送りボタン、58…一時停止ボタン、59…カット開始ボタン、60…カット終了ボタン、61…カーソルボタン群、62…メニューボタン、63…戻るボタン、64…音量ボタン、65…音消しボタン、66…チャンネルボタン、67…テンキー群、200…再生メニュー画面、201…再生ボタン、202…ダビングボタン、210…編集画面、220…編集領域、221…映像関係領域、222…音声関係領域、223…編集設定領域、230…プレビュー領域、240…操作領域、241…ダビングボタン、T…時間軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と講師用端末機及び音声データと映像データ及び前記表示装置の表示画面の座標を取得する関連装置を接続可能な録画再生システムの録画再生装置であって、
前記録画再生装置は、各種のデータを格納する記憶装置と、時間データを出力するカウンタ部と、この記録再生装置を遠隔操作するための遠隔操作装置と、この録画再生システムを統括的に制御する制御装置とを含んで構成し、
前記制御装置は、前記表示装置で表示されるソース映像データを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納するとともに、予め設定される前記関連装置の動作設定に基づいて、これら関連装置が取得するデータを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納し、
前記遠隔操作装置の再生操作に基づいて、前記記憶装置に格納された前記ソース映像データと、このソース映像データともに格納された前記データを時間データで同期させて再生する
ことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記請求項1記載の記録再生装置において、
前記制御装置は、前記記憶装置に格納した前記ソース映像データの一部または全部を削除することができ、前記関連装置が取得するデータは残される前記ソース映像データに前記時間データで同期する部分の編集のみを受け付ける
ことを特徴とする映像再生装置。
【請求項3】
録画再生装置に表示装置と講師用端末機とポインタ検知装置とカメラ部とマイク部とスピーカ部とを接続して構成される録画再生システムであって、
前記録画再生装置は、各種のデータを格納する記憶装置と、時間データを出力するカウンタ部と、この記録再生装置を遠隔操作するための遠隔操作装置と、この録画再生システムを統括的に制御する制御装置とを含んで構成し、
前記制御装置は、表示装置で表示されるソース映像データを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納するとともに、予め設定される前記ポインタ検知装置と前記カメラ部と前記マイク部と前記スピーカ部の動作設定に基づいて、これらが取得するデータを前記カウンタ部で出力される時間データとともに前記記憶装置に格納し、
前記遠隔操作装置の再生操作に基づいて、前記記憶装置に格納された前記ソース映像データと、このソース映像データともに格納された前記データを時間データで同期させて再生する
ことを特徴とする記録再生システム。
【請求項4】
前記請求項3記載の記録再生システムにおいて、
前記制御装置は、前記記憶装置に格納した前記ソース映像データの一部または全部を削除することができ、前記ソース映像データ以外のデータは残される前記ソース映像データに前記時間データで同期する部分の編集のみを受け付ける
ことを特徴とする映像再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−77748(P2011−77748A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225866(P2009−225866)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】