説明

記録再生装置及び表示制御方法

【課題】
縮小画像表示において、縮小画面などで該当の番組を再生することは、その番組が所望の番組であるかそうでないかを判別するために有効である。しかし、ユーザが視聴しようと思っている番組を、視聴前に、縮小画像表示画面において重要なシーンなどを先に視聴してしまい、意図しないタイミングで視聴する場合があった。
【解決手段】
ユーザが視聴する認識の高い番組かどうかにより、番組ごとに縮小画像表示方法を自動的に変更できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に情報を記録・再生する記録再生装置及びその表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、
「録画予約して記録した番組の検索を行うためのサムネイル画像を、番組の特徴的な代表画像により作成する」するという課題を、
「繰返し予約される録画予約によりハードディスク63に記録される番組の代表画像が、デフォルト値により設定される経過時間の時点と異なる新たな経過時間の画像が指定されて、取得された場合には、新たな経過時間により代表画像を取得するための更新番組録画テーブルをマイコン76により作成する。以降の繰返し予約録画における代表画像は更新番組録画テーブルを用いて録画番組検索用サムネイル画像を作成する」という解決手段を用いて解決すると記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005-151085((要約)参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、記録再生装置は記録容量が著しく大容量化している。例えばHDDレコーダやPC、ホームサーバ等の大容量記録再生装置において非常に多くの情報を記録・再生できるようになっている。
【0005】
これらの記録再生装置の記録機能としては、ユーザが視聴したい番組を予約録画することや、ユーザが指定したキーワードを基に関連する番組を自動録画する事も可能である。また、キーワード等を指定しなくても、過去の予約録画履歴を基にユーザの嗜好を解析し、ユーザが見たいであろう番組を自動録画する事も可能である。
【0006】
これにともない、今日では大容量の記録媒体に対してユーザが視聴したいと思って予約録画された番組や、ユーザの視聴可能性がある自動録画された番組が多く存在している。また、1つのHDDレコーダやホームサーバなどに対して、単一ユーザのみが使用する場合に加え、家族全員で共有する等多ユーザが使用する場合もある。
【0007】
このように、非常に多くの番組を記録した場合、どのような番組が記録されているかという管理が難しく、所望の番組を視聴する際、どのユーザがどの番組を視聴しようとしているかという判別が困難となる。
【0008】
そのため、容易に所望の番組を検索すべく、従来の記録再生装置では記録媒体に記録されている番組の縮小画像(サムネイル)を一覧表示するようにしている。また、キーワードなどによる自動録画や、ユーザの嗜好に合わせた自動録画等の場合、単に一覧表示しても録画された番組の内容が類推し難いため、番組の特徴的なシーンを抽出することも行なわれている。
【0009】
しかし、縮小画像表示の際、ユーザが特に観たいと思っていたシーンを本編再生よりも先に視聴し、ユーザが意図しないタイミングで番組の特徴的なシーンを視聴してしまう場合がある。特に、ユーザが視聴したいと思って記録した番組の場合、例えば、映画やドラマにおいてラストシーンを知ってしまった状態や、スポーツにおいて結果を知ってしまった状態で本編を視聴する事となり、面白みに欠ける場合がある。
【0010】
以上のように、縮小画像表示画面において、番組の1シーンを表示させることや、特徴的なシーンを抽出して表示することが必ずしもユーザにとって好適な方法であると限らない。特許文献1にもこのような課題に対する技術の開示はない。
【0011】
そこで本発明では上記課題を解決できる記録再生装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所望の番組を容易に検索できる記録再生装置及び表示制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
本実施例では、録画した番組の視聴状態に応じて縮小画像表示方法を変更する記録再生装置の例について述べる。
【0016】
まず、図1を用いて記録再生装置の構成を説明する。図1は記録再生装置の一例を示すブロック図であり、ディジタル放送を受信して記録媒体に記録し、また記録したデータを再生し、再生出力を得ることができるような記録再生装置を示している。
【0017】
100は記録再生装置、102はアンテナからの受信波を入力する入力端子、103は他の機器からの圧縮された映像音声データを入力するための入力端子、104はアナログ映像信号を入力するためのアナログ映像入力端子、105はアナログ音声信号を入力するためのアナログ音声入力端子、101はデータ信号を入力するためのネットワーク入力端子、121はLAN I/F、122及び123は、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換回路、131は復調回路、132は復調したディジタル信号を音声、映像、その他のデータに分離する分離回路、124はディジタル化された映像及び音声信号を圧縮する圧縮回路、141は記録系信号処理回路、142は記録するデータを暗号化するための暗号化回路、151は記録媒体のドライブ機能を含めた記録再生系、152は記録媒体、144は記録媒体上に暗号化され記録されたデータを非暗号化するための非暗号化回路、143は再生系信号処理回路、161は切替え回路、162は分離回路、163は映像復号回路、166はディジタル/アナログ(D/A)変換回路、111は映像出力端子、164は音声復号回路、167はD/A変換回路、112は音声出力端子、113はTVセット、106はユーザI/F、171は制御部、173はシステムバス、172はOSD生成部、165は加算回路である。
【0018】
記録時においては、ディジタル放送などにより送信され、受信された信号が、復調回路131において所定の方式により復調された後、記録系信号処理回路141においてタイミング調整用のデータ付加や変調などの必要な信号処理が施されて、暗号化回路142にて暗号化された後、記録再生系151により記録媒体152へ記録される。
【0019】
ディジタル入力端子103より入力されたディジタル信号は記録系信号処理回路141においてタイミング調整用のデータ付加や変調などの必要な信号処理が施されて、暗号化回路142にて暗号化された後、記録再生系151により記録媒体152へ記録される。
【0020】
アナログ映像入力端子104より入力されたアナログ映像信号と、アナログ音声入力端子105より入力されたアナログ音声信号は、圧縮回路124によって圧縮処理がなされ、記録系信号処理回路141を介し、暗号化回路142にて暗号化された後、記録再生系151により記録媒体152へ記録される。
【0021】
ネットワークを介してのデータ通信を行う場合は、ネットワーク入力端子101から入力された信号は、LAN I/F 121を介し記録系信号処理回路141に入力され、信号処理を行い、暗号化回路142にて暗号化された後、記録再生系151により記録媒体152へ記録される。
【0022】
再生時においては、ユーザの指示に応じて記録媒体152から記録再生系151を介して読み出された暗号化されたディジタルデータは、非暗号化回路144にて非暗号化され、再生系信号処理回路143において所定の変調方式に則った形式で復調等の再生に必要な信号処理が施され、切替え回路161を介して分離回路162に送られる。映像復号回路163では所定の映像復号処理が施されて、D/A変換回路166においてディジタルデータからアナログ信号への変換が成された後、映像出力端子111を介してTVセット113のモニタ出力へと表示される。また音声復号回路164では所定の音声復号処理が成され、D/A変換回路167においてディジタルデータからアナログ信号への変換が成された後、音声出力端子112を介してTVセット113の音声出力機構により出力される。
【0023】
制御部171は、システムバス173を介して記録再生装置100の各部を制御するものであり、またユーザI/F106を介して入力されたユーザの指示入力に基づいた動作を行うように、装置全体を制御する。なおユーザへの指示入力要求、あるいは必要なユーザへのOSD表示は、OSD生成部172で用意され、加算回路165において、映像復号回路163の出力と適当なレベルで加算されて、最終的にTVセット113のモニタ画面に出力されることにより実現される。
【0024】
記録再生装置へ記録されるデータ及び縮小画像表示用のデータは、制御部171により制御され記録再生系151を介して記録媒体152へ記録され、適宜縮小画像表示が行なわれる。
【0025】
次に、図2を用いて縮小画像表示用データの一例を説明する。縮小画像表示用データは、(A)記録日時、(B)経過時間、(C)視聴状態、(D)記録方法、(E)ユーザ設定、(F)縮小画像表示方法、(G)更新フラグ、(H)縮小画像用映像・音声データ、(I)ユーザ種類からなる。本データは、記録した1コンテンツに対して1つ以上作成される。以下、(A)〜(I)を順に説明する。
【0026】
(A)記録日時とは、該当の番組を記録した日時である。カメラなどの外部機器により記録したコンテンツをダビングした場合は、カメラにより記録した日時がコピーされる。
【0027】
(B)経過時間とは、前記記録日時から現在までの経過時間である。
【0028】
(C)視聴状態とは、該当の番組を視聴済みか、未視聴状態かを示す。記録時は未視聴状態としておき、視聴した際に視聴済み状態に変更する。また、視聴の際はそのコンテンツ、またはそれぞれのジャンルのコンテンツを何度視聴したかという操作履歴を保持しておく。
【0029】
(D)記録方法とは、該当の番組をユーザが指定して記録したか、ユーザの嗜好に合わせて自動的に記録されたものかどうか、などを示す。
【0030】
(E)ユーザ設定とは、該当番組の縮小画像表示方法をユーザが指定しているかどうかを示す。
【0031】
(F)縮小画像表示方法とは、前記(A)〜(E)の条件を元に決定された縮小画像表示方法を示す。
【0032】
(G)更新フラグは、(H)縮小画像用映像・音声データを更新する必要があるかどうかを示す。(G)更新フラグを用いる例については実施例2で後述する。
【0033】
(H)縮小画像用映像・音声データは、前記縮小画像表示方法に基づき生成された縮小画像用の映像・音声データが入る。
【0034】
(I)ユーザ種類は、1つの記録再生装置を複数のユーザで共有する場合に、どのユーザであるかを示す。同一のコンテンツであっても、ユーザが異なれば視聴状態等も異なる場合がある。そのような場合に、(I)ユーザ種類によってユーザを識別できれば、ユーザに応じて縮小画像表示方法を変化させることができる。
【0035】
続いて、図3を用いてユーザが設定できる縮小画像表示方法について説明する。図3はユーザが設定できる縮小画像表示設定画面の例である。図3のように、本実施例では縮小画像表示方法の例として、「表示シーンを指定する」、「先頭のみ表示」、「ダイジェスト表示(1)」、「ダイジェスト表示(2)」、「自動設定」の5種類があるものとして説明する。以下、これら5種類を順に説明する。
(1)ユーザが「表示シーンを指定する」を選択すると、縮小画像表示方法=「表示シーン指定」が設定される。「表示シーン指定」の場合は、縮小画像表示をするコンテンツまたはチャプタのうち、ユーザが指定したシーンを表示するものであり、縮小画像用に表示する箇所を具体的に設定できる。なお、ユーザの意思や記録再生装置の設定に対応すべく、表示シーンは静止画であっても動画であってもよい。
【0036】
ユーザが指定した箇所の静止画や、ユーザが指定した範囲のデータを生成し、データ区間が複数あれば、データの管理情報・時間情報を整えて縮小画像用映像・音声データ領域へ保存する。
(2)ユーザが「先頭のみ表示」を選択すると、縮小画像表示方法=「先頭シーン表示」が設定される。「先頭シーン表示」の場合は、番組の重要シーンは再生しないが、番組が何であるかが分かるよう、番組のオープニングシーンや、ドラマであればタイトルが表示されているシーンなどを出画する。これも静止画であっても動画であってもよい。
(3)ユーザが「ダイジェスト再生(1)」を選択すると、縮小画像表示方法=「ダイジェスト再生(1)」が設定される。
(4)ユーザが「ダイジェスト再生(2)」を選択すると、縮小画像生成方法=「ダイジェスト再生(2)」が設定される。
【0037】
図7を例に、「ダイジェスト再生(1)」及び「ダイジェスト再生(2)」の場合について説明する。
【0038】
「ダイジェスト再生(1)」は、タイトルと記録日時、簡単な内容から番組内容を知りたいが、重要なシーンは縮小画像画面で見てしまいたくない場合である。この場合、番組のうちある程度特徴的な部分は縮小画像表示をさせるが、重要度の高いシーンは出画させない。
【0039】
図7(1)に、1つのコンテンツの中から重要度の高いシーンを網掛部で示した。図7(2)では、(1)より重要度の低いシーンを網掛部で示した。これらシーンの時間による差分をとったものが図7(3)の網掛部である。つまり、図7(3)では1つのコンテンツの中で重要なシーンのうち、最重要シーンを抜いている。
【0040】
「ダイジェスト再生(1)」では図7(3)の網掛け部を表示する。この場合、図7(2)網掛け部分から図7(1)網掛部分を削除したデータの管理情報・時間情報を整えて縮小画像用映像・音声データ領域へ保存する。
【0041】
「ダイジェスト再生(2)」では、タイトルと記録日時、簡単な内容だけでは番組内容を類推できず、重要度の高いシーンも含めて縮小画像表示する。例えば、番組を録画してから長時間が経過しており、番組の重要度の高いシーンを視聴することで番組の視聴・削除の判断ができる場合である。この場合は、図7(1)に示した重要度の高いシーンを縮小画像表示する。図7(1)網掛部分のデータの管理情報・時間情報を整えて縮小画像用映像・音声データ領域へ保存する。
(5)ユーザが「自動設定」を選択すると、縮小画像が自動で決定されるよう設定できる。また、本縮小画像表示設定画面により設定しない場合を想定し、番組記録時のデフォルト設定を「自動設定」とすることとする。これにより、ユーザ操作の負荷を軽減する。
【0042】
以上5種類の縮小画像表示方法のうち、「表示シーンを指定する」、「先頭シーン表示」、「ダイジェスト再生(1)」、「ダイジェスト再生(2)」のいずれかを選択した場合は、(E)ユーザ設定を「ON」とし、設定した方法を(F)縮小画像表示方法にセットすることとする。「自動設定」を選択した場合は、(E)ユーザ設定が「OFF」となる。
【0043】
以上の構成を用いて番組の縮小画像表示方法を決定する方法について、図4を用いて説明する。図4は、縮小画像表示方法決定フローである。
【0044】
縮小画像表示方法を決定するタイミング(ステップ401が開始されるタイミング)は、番組予約設定時、ユーザによる縮小画像設定操作時、未視聴状態から視聴済みへの変化時、などである。また、一定周期ごとにステップ401を自動的に開始してもよい。
【0045】
ステップ401において本フローが開始された後、まずステップ402において、縮小画像表示用データの(E)を参照され、該当の番組に対してユーザが縮小画像表示方法を設定しているかどうかが判断される。
【0046】
ここでユーザ設定が「ON」であればユーザによる設定があると判断する。この場合は、(F)縮小画像表示方法は設定されているため、(F)縮小画像表示方法を変更せず終了する。(H)縮小画像用映像・音声データは、(F)縮小画像表示方法に対応するよう設定する。
【0047】
一方、ユーザ設定が「OFF」であれば、(F)縮小画像表示方法はユーザによる設定がない、もしくはユーザにより自動設定を選択されていると判断される。この場合は、ステップ403へ進む。
【0048】
ステップ403では、(C)視聴状態を参照し、視聴状態を判別する。視聴済みであれば、縮小画像表示方法=ダイジェスト再生(1)を設定する。未視聴状態であれば、ステップ404へ進む。
【0049】
ステップ404では、(D)記録方法を参照し、記録方法を判別する。ここで、ユーザによる番組指定記録であれば、ステップ501(図5)へ、自動記録であれば、ステップ601(図6)へ進む。
【0050】
図5を用いてステップ501について説明する。図5はユーザによる番組指定記録時の縮小画像表示方法決定フローである。このフローに入る番組は、ユーザが視聴したいと思い記録した番組であり、より視聴度が高い番組となる。
【0051】
ここでは経過時間のしきい値として、2種類のしきい値A、しきい値Bを利用する。本実施例ではA<Bとする。
【0052】
しきい値Aは、番組の映像や音声を用いて確認しなくても、番組名や記録日時等の簡易な情報から、番組の視聴・削除の判断が可能な程度の経過時間としている。
【0053】
一方しきい値Bは、番組名や記録日時だけ番組の視聴・削除の判断をしにくく、多少の番組の映像や音声の手助けがある方が良い程度の経過時間としている。
【0054】
ステップ502では、(B)経過時間を参照し、複数のしきい値(経過時間)に応じて処理を行う。しきい値A未満であれば、番組名などから容易に番組内容を判別できるとし、縮小画像生成方法=「先頭シーン表示」を設定する。
【0055】
しきい値A以上、しきい値B未満であれば、番組内容を判別するために、番組の映像や音声による手助けが必要ではあるが、最も重要なシーンを先に見てしまいたくない場合とし、縮小画像生成方法=「ダイジェスト再生(1)」を設定する。
【0056】
しきい値B以上であれば、未視聴状態のまま、あまりにも時間が経過しているため、番組名や若干の映像や音声だけでは、番組内容を判別できず、重要なシーンを確認する必要がある場合とし、縮小画像生成方法=「ダイジェスト再生(2)」を設定する。
【0057】
図6を用いてステップ601について説明する。図6は、自動記録により記録された番組の縮小画像表示方法決定フローである。このフローに入る番組は、ユーザがジャンルやキーワード、またはユーザの記録履歴を元にユーザの嗜好に応じて自動的に記録した番組である。そのため、ユーザは番組内容を容易に類推できず、視聴したいかそうでないかを判別し難い。よって、縮小画像表示で番組の特徴的なシーンをダイジェスト再生することで、内容を判別する。
【0058】
しかし、自動予約した場合でも、重要なシーンを見て確認した方が良い場合と、ユーザが該当の番組を視聴する可能性が高く、重要なシーンを先に観てしまわない方が良い場合とに分けられる。
【0059】
そこで、自動記録により記録された番組の場合は過去履歴からユーザの嗜好を分析し、ダイジェスト再生(1)と(2)を使い分けることとする。
【0060】
そのため、ステップ602では、自動録画した番組を視聴したかどうかという過去履歴を判別し、視聴回数が多い場合は縮小画像表示方法=ダイジェスト再生(1)を設定する。
【0061】
視聴回数が少ない場合は、縮小画像表示方法=ダイジェスト再生(2)を設定する。
【0062】
以上のように、(F)縮小画像表示方法を設定する。
【0063】
(F)縮小画像表示方法を設定した後、ユーザの操作によって(E)ユーザ設定が変化した場合や、ユーザが番組を視聴したことによって(C)視聴状態が変化した場合は、(F)縮小画像表示方法も変化する。これらの場合は、それぞれステップ405、ステップ406において、変化後の(F)縮小画像表示方法に対応した(G)更新フラグ、(H)縮小画像用映像・音声データに変更される。
【0064】
しかし、(B)経過時間の変化によって(F)縮小画像表示方法を変化する場合は、ユーザの操作やユーザの番組視聴行為によってはステップ401は開始されない。そのため、このような場合はステップ401を定期的に開始する必要がある。このように、定期的にステップ401を開始することにより、(B)経過時間の変化によって(F)縮小画像表示方法が変化した場合であっても、ユーザにより縮小画像表示要求される以前に、変化後の(F)縮小画像表示方法に対応するように縮小画像表示用データ(A)〜(H)を整えておくことが可能となる。
【0065】
以下、実施例2において(B)経過時間の変化によって(F)縮小画像表示方法が変化する際に、(G)更新フラグを用いて縮小画像表示用データ(A)〜(H)の更新フローを説明する。
【実施例2】
【0066】
本実施例では、記録日時からの経過時間によって(F)縮小画像表示方法が変化する際に、(G)更新フラグを用いて効率的に縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新するフローについて述べる。
【0067】
(G)更新フラグは、例えば本実施例では1〜3の3種類を用いることとする。
【0068】
更新フラグが「1(OFF)」の場合は、縮小画像表示用データを更新しないことを表す。
【0069】
更新フラグが「2」の場合は、縮小画像表示用データを直ちには更新しないが、一定時間経過後には更新する可能性があることを表す。
【0070】
更新フラグが「3(ON)」の場合は、縮小画像表示用データを直ちに更新することを表す。
【0071】
本実施例では、記録装置に記録されている各コンテンツ(番組)についてそれぞれ(G)更新フラグを設定しておき、定期的に(G)更新フラグを更新させる。その際、(G)更新フラグが「3(ON)」となった番組については(F)縮小画像表示方法に対応するように縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新する。各コンテンツに最初にどの(G)更新フラグを設定するかは次の通りである。
【0072】
(E)ユーザ設定がONの場合は、図4のステップ405で(G)更新フラグを「1(OFF)」とする。ユーザの意思で(F)縮小画像表示方法を決定しているため、(B)経過時間によって(F)縮小画像表示方法は変化せず、縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新する必要がないからである。
【0073】
(C)視聴状態が視聴済みの場合は、図4のステップ406で(G)更新フラグを「1(OFF)」とする。視聴済みであれば、コンテンツ内容の把握は容易であると考えられるため、(B)経過時間によって(F)縮小画像表示方法を変化させず、縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新する必要がないからである。
【0074】
(D)記録方法が番組指定記録の場合は、図4のステップ501で(G)更新フラグを「2」とする。ユーザが自ら番組を指定して記録しているため、番組記録時から経過時間が短い間はユーザは当該番組の内容を把握しやすく、経過時間が長くなるにつれ、ある程度のダイジェストがないと番組内容の把握が困難になると考えられる。そのため、この場合は(B)経過時間によって(F)縮小画像表示方法を変化させ、変化後の(F)縮小画像表示方法に対応すべく縮小画像表示用データ(A)〜(H)も更新することとする。なお、(B)経過時間に応じた(F)縮小画像表示方法の変化方法は実施例1で説明したものと同様とする。
【0075】
(D)記録方法が自動記録の場合は、図4のステップ601で(G)更新フラグを「1(OFF)」とする。この場合は記録再生装置側が自動的に番組を選択して記録しているため、ユーザが番組内容を把握するためには、(B)経過時間によらずダイジェストを表示させておく方がよいと考えられる。そのため、この場合は(B)経過時間によって(F)縮小画像表示方法を変化させず、縮小画像表示用データ(A)〜(H)も更新させる必要はない。
【0076】
図8に(G)更新フラグの更新フローを示す。このフローが開始されるタイミングは、図4のフローの各ステップとは関係なく任意のタイミングで行なってよく、ユーザの指令により行なってもよい。本実施例では、定期的に自動的に行なわれるものとする。
【0077】
ステップ801において更新フローが開始されると、ステップ802において、番組に設定されている(G)更新フラグを参照し、更新フラグが「1(OFF)」であれば、ステップ809へ進む。
【0078】
(G)更新フラグが「2」または「3(ON)」となっている場合、ステップ803で(A)記録日時から最新の経過時間を算出し、(B)経過時間と、しきい値A及びしきい値Bとを比較する。ここで、(B)経過時間は、図3の縮小画像表示用データの一つである(B)経過時間が更新された時点における記録日時からの経過時間であるため、最新の経過時間とは必ずしも一致しない。
【0079】
ステップ804において、最新の経過時間、(B)経過時間が共にしきい値A未満であるかどうかを判断する。両方の経過時間がしきい値A未満であれば、(F)縮小画像表示方法を直ちに変更する必要がないため、ステップ813で更新フラグを「2」とし、ステップ809に進む。それ以外であればステップ805に進む。
【0080】
ステップ805では、最新の経過時間がしきい値B未満で、かつ、(B)経過時間がしきい値B未満であるかどうかを判断する。両方の経過時間がしきい値B未満、すなわち(B)経過時間、最新経過時間がしきい値A以上、B未満であれば、(F)縮小画像表示方法はダイジェスト再生(1)である必要がある。そのため、ステップ811で現在の(F)縮小画像表示方法を参照し、ダイジェスト再生(1)であれば変更なくステップ813に進み、(G)更新フラグを「2」に設定する。一方、ダイジェスト(1)でなければステップ812に進み、ダイジェスト(1)に変更しステップ808で(G)更新フラグを「3(ON)」に設定する。
【0081】
ステップ805の結果、(B)経過時間、最新経過時間がともにしきい値B以上であれば、(F)縮小画像表示方法はダイジェスト再生(2)である必要がある。そのため、ステップ806で現在の(F)縮小画像表示方法を参照し、ダイジェスト再生(2)であれば変更なくステップ809に進む。一方、ダイジェスト(2)でなければステップ807に進み、ダイジェスト(2)に変更しステップ808で(G)更新フラグを「3(ON)」に設定する。
【0082】
ステップ809では、(B)経過時間を最新の経過時間に更新する。ステップ808では、例えば記録再生装置に記録されている番組が最終かどうか等、データが最終データかどうかを判断し、最終データであれば終了する。次のデータがあれば、次のデータへ移動し、ステップ802へ進む。
【0083】
このようにして記録再生装置に記録されている各コンテンツの(G)更新フラグを定期的に更新し、(G)更新フラグが「3(ON)」になったものは(F)縮小画像表示方法に対応すべく縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新する。本実施例では、記録再生装置の中に複数のコンテンツが記録されている場合、全コンテンツの(G)更新フラグをまず更新し、(G)更新フラグが「3(ON)」となったものについて縮小画像表示用データ(A)〜(H)を一斉に更新していくことが可能となる。そのため、各コンテンツ一つ一つについて縮小画像表示用データ(A)〜(H)を更新していく場合と比べて高速な処理が可能となる。
【0084】
本実施例では、(B)経過時間と最新経過時間を別のものとしたが、制御等の簡便化のためにこれらを同一のものとしてもよい。その場合はステップ804、805では(B)経過時間をしきい値AまたはBと比較するのみでよい。また、ステップ803、809は不要となる。
【0085】
最後に、前記各実施例の変形例を以下述べる。
【0086】
(H)縮小画像用映像・音声データは、記録した番組データとは別に保持してもよい。または、縮小画像表示時において、縮小画像用映像・音声データを生成しながら再生する形でもよい。この縮小画像用映像・音声データを別に保持おく事で、例えば縮小画像表示におけるダイジェスト再生を行う場合、特徴部分の生成処理は終了しているので、表示における高速化を図ることができる。
【0087】
縮小画像表示用データは、1コンテンツに対してユーザ別に複数保持してもよい。この場合、視聴するユーザに応じて該当する縮小画像表示用データを参照する。これにより、あるコンテンツを視聴済みであるユーザと、未視聴のユーザでは希望する縮小画像表示方法が異なる場合でもユーザの希望に応じた縮小画像表示を行う事が可能である。
【0088】
縮小画像表示用データは、1コンテンツに対して作成してもよく、1コンテンツが複数のチャプタから成る場合は、1チャプタごとに対して作成してもよい。これにより、チャプタの縮小画像表示画面においても、ユーザの希望に沿った縮小画像を表示できる。
【0089】
経過時間のしきい値A及びしきい値Bは、記録再生装置固定でもよく、ユーザが自由に設定できる値でもよい。記録後の経過時間を、どのような内容であったかを類推できるかどうかを判断する基準として利用しているが、この経過時間による基準は、ユーザによって大きく異なる。しきい値を自由に設定できる場合では、ユーザの判断基準に応じたしきい値により縮小画像表示方法を決定するため、ユーザによって異なる判断基準を吸収し、ユーザにとって最良のしきい値を利用することができる。
【0090】
しきい値A及びしきい値Bの2種類のしきい値を設けたが、これは2種類以上であってもよい。これに応じて、しきい値により設定される縮小画像表示方法もダイジェスト再生(1)、ダイジェスト再生(2)以外の方法であってもよい。ユーザは、あるしきい値で設定した経過時間を越えた途端にそのコンテンツの内容を忘れてしまうわけではなく、徐々に忘れてゆく場合が多い。そのため、2種類以上のしきい値を用い、コンテンツから生成するダイジェスト再生する区間を段階的に変化させる。これにより、コンテンツの重要シーンを徐々に出画してゆく事が可能となり、ユーザにとってより適切な縮小画像表示を行うことが可能となる。
【0091】
ダイジェスト再生(1)、ダイジェスト再生(2)で再生させる重要度は、記録再生装置固定でもよく、ユーザが自由に設定できる形式であってもよい。重要だと感じるシーンはユーザに応じて異なるため、ユーザが自由に設定できる形式であれば、よりユーザの嗜好に合うシーンを判別できることとなるからである。
【0092】
以上、本発明によれば記録媒体に記録されている番組の中から所望の番組を検索する際、ユーザが意図しないタイミングで番組を視聴してしまう事がなく、所望の番組を容易に検索できる縮小画像表示方法及び記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】記録再生装置のブロック図
【図2】縮小画像表示用データ
【図3】縮小画像表示設定画面
【図4】縮小画像表示方法決定フロー
【図5】番組指定記録時の縮小画像表示方法決定フロー
【図6】自動予約番組の縮小画像表示方法決定フロー
【図7】ダイジェスト再生箇所
【図8】更新フラグの更新フロー
【符号の説明】
【0094】
141 … 記録系信号処理
143 … 再生系信号処理
151 … 記録再生系
152 … 記録媒体
113 … TVセット
106 … ユーザI/F
171 … 制御部
173 … システムバス
172 … OSD生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記録媒体に記録または記録媒体から再生する記録再生装置であって、
前記コンテンツを前記記録媒体に記録する記録部と、
前記コンテンツを前記記録媒体から再生する再生部と、
前記記録部と前記再生部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記コンテンツの視聴状態に応じて、前記コンテンツの内容を示す縮小画像の表示方法を設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録再生装置であって、
前記制御部は、
前記コンテンツの視聴状態が視聴済みである場合は、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を除いた箇所を表示する第1の表示方法を設定し、
前記コンテンツの視聴状態が未視聴である場合は、前記コンテンツを記録した際の記録方法に応じて、前記縮小画像の表示方法を設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
請求項2記載の記録再生装置であって、
前記制御部は、
前記記録方法が記録再生装置により自動的に記録された自動記録である場合は、前記縮小画像の表示方法として、前記第1の表示方法または前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を表示する第2の表示方法を設定し、
前記記録方法が前記記録再生装置の操作者の指定により記録された指定記録である場合は、前記コンテンツが記録された日時からの経過時間に応じて、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの先頭を表示する先頭シーン表示方法または前記第1の表示方法または前記第2の表示方法を設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
コンテンツを記録媒体に記録または記録媒体から再生する記録再生装置であって、
前記コンテンツを前記記録媒体に記録する記録部と、
前記コンテンツを前記記録媒体から再生する再生部と、
前記記録部と前記再生部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記コンテンツを記録した際の記録方法に応じて、前記コンテンツの内容を示す縮小表示画像の表示方法を設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項5】
請求項4記載の記録再生装置であって、
前記制御部は、
前記記録方法が記録再生装置により自動的に記録された自動記録である場合は、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を除いた箇所を表示する第1の表示方法または前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を表示する第2の表示方法を設定し、
前記記録方法が前記記録再生装置の操作者の指定により記録された指定記録である場合は、前記コンテンツが記録された日時からの経過時間に応じて、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの先頭を表示する先頭シーン表示方法または前記第1の表示方法または前記第2の表示方法を設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項6】
コンテンツを記録媒体に記録または記録媒体から再生する記録再生装置の表示制御方法であって、
前記コンテンツの視聴状態が視聴済みである場合は、前記コンテンツの内容を示す縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を除いた箇所を表示する第1の表示方法を設定し、
前記コンテンツの視聴状態が未視聴である場合は、前記コンテンツを記録した際の記録方法に応じて、前記縮小画像の表示方法を設定することを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
請求項6記載の表示制御方法であって、
前記記録方法が記録再生装置により自動的に記録された自動記録である場合は、前記縮小画像の表示方法として、前記第1の表示方法または前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を表示する第2の表示方法を設定し、
前記記録方法が前記記録再生装置の操作者の指定により記録された指定記録である場合は、前記コンテンツが記録された日時からの経過時間に応じて、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの先頭を表示する先頭シーン表示方法または前記第1の表示方法または前記第2の表示方法を設定することを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
コンテンツを記録媒体に記録または記録媒体から再生する記録再生装置の表示制御方法であって、
前記コンテンツを記録した際の記録方法が記録再生装置により自動的に記録された自動記録である場合は、前記コンテンツの内容を示す縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を除いた箇所を表示する第1の表示方法または前記コンテンツの特徴的な箇所のうち重要度の高い箇所を表示する第2の表示方法を設定し、
前記記録方法が前記記録再生装置の操作者の指定により記録された指定記録である場合は、前記コンテンツが記録された日時からの経過時間に応じて、前記縮小画像の表示方法として、前記コンテンツの先頭を表示する先頭シーン表示方法または前記第1の表示方法または前記第2の表示方法を設定することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−147802(P2008−147802A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330112(P2006−330112)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】