説明

記録再生装置

【課題】ユーザからの指示を受けた装置が各種処理を完了するまでの時間において、ユーザが退屈することなく待ち時間を過ごすことができる記録再生装置を提供する。
【解決手段】記録再生装置があらかじめ定められた所定の指示、例えば記録開始指示を受け付けた場合には、指示を受け付けてから記録が完了するまでのライティング時間が発生する。この間、ユーザは記録再生装置に対して指示を送っても即座に応答を得ることができず、待ち時間が発生する。この待ち時間において、制御部が備える処理中再生部が、ハードディスク等の記憶媒体に記録されている動画、音声、或いは画像を外部のモニタ等に出力する。これにより、記録処理と再生処理とが並行して行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画或いは音声の記録および再生が可能な記録再生装置に関するものであり、特に各種処理の実行中に発生するユーザの待ち時間に関する機能を備えた記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等の画像装置において処理される動画或いは音声の記録および再生を行うための装置として、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダまたはHDD(Hard Disk Drive)レコーダ等のデジタル方式による記録再生装置が広く普及している。これらの記録再生装置は、ユーザから各種指示を受け付け、その指示に応じた処理(例えば録画処理等)を実行する。この際、指示を受け付けてから処理を完了するまでの間に、ハードウェアの性能限界等により数秒から数十秒の待ち時間が発生する場合がある。
【0003】
例えば、DVDメディア等の光ディスク或いはHDDから記録済みデータを読み出し、読み出したデータを映像データ或いは音声データに変換し、変換したデータをテレビモニター等の出力装置で出力するまでにかかる時間(=ローディング時間)がこれに相当する。このような待ち時間が発生した場合には、前記処理が完了するまで、ユーザは装置に対して指示を行っても即座に応答を得られない状態となる。
【0004】
上記の問題に関連して特許文献1では、データの再生要求から実際に再生が開始されるまでの待ち時間を、具体的に時間で示すことができる再生装置が開示されている。特許文献1の再生装置は、記録媒体から情報を再生する再生手段と、再生すべき記録媒体が指定されてから再生手段による再生が開始するまでの時間を算出する手段と、算出された時間を表示する表示手段とを備えている。
【0005】
特許文献1の再生装置によれば、データの再生要求から実際に再生されるまでの待ち時間を具体的に時間で示すことができる。このため、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0006】
また上記の問題に関連して特許文献2では、表示形態を工夫することにより、動作状況や記録媒体の状況の表示を、ユーザにとって理解しやすいようにすることを目的としたドライブ装置が開示されている。特許文献2のドライブ装置は、記録媒体からのデータ読出動作状況を分析して表示データ生成のための分析情報を生成する。そしてその分析情報に基づいて、データ読出動作状況を提示でき、かつ表示効果処理が行なわれた表示データを表示する。
【0007】
特許文献2のドライブ装置によれば、表示形態を工夫することにより、ユーザはその動作状況をわかりやすく理解できる。例えば、求める表示内容が表示されるまでの待ち時間でも、動作状況を誤解することは解消される。又、表示効果処理として、表示部で表示される画像の形態又は色彩又は表示状態(点滅/点灯等)を変化させることで、上記効果を促進し、ユーザにとってわかりやすい表示を実現することができる。
【特許文献1】特開平10−283718号公報
【特許文献2】特開2002−207811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示されている装置においては、所定の処理が完了するまでのユーザの待ち時間において、装置の動作状況及び処理完了までの待ち時間をユーザに通知することはできるが、動画或いは音声等の再生ができないため、結果としてユーザに退屈感を感じさせることとなっていた。
【0009】
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、ユーザからの指示を受けた装置が各種処理を完了するまでの時間において、ユーザが退屈することなく待ち時間を過ごすことができる記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明のハードディスク搭載DVDレコーダは、動画、音声、及び画像を記録するハードディスクと、前記ハードディスクに記録されている動画、音声、或いは画像を読み出して表示装置に出力する再生手段と、外部からの指示を受け付ける受付手段とを備えたハードディスク搭載DVDレコーダであって、前記受付手段があらかじめ定められた所定の指示を受け付けてから、前記指示に基づく処理が完了するまでの処理中時間において、前記再生手段による動画、音声、或いは画像の出力を行う処理中再生手段と、前記処理中再生手段により優先的に出力される動画、音声、或いは画像を記録する優先データ記録手段と、前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像を出力する順序を指定する順序指定手段と、前記順序指定手段に対して、出力順序に関わらず優先的に出力を行う動画、音声、或いは画像を指定する優先データ指定手段と、前記優先データ指定手段によりに指定された動画、音声、或いは画像を、前記優先データ記録手段に記録する複製手段と、前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像のいずれの種別のデータを出力するかを指定する種別指定手段とを備えており、前記処理中再生手段が、前記ハードディスク或いは前記優先データ記録手段に記録されている音声を出力する際に、あらかじめ前記音声に関連付けられた画像を併せて出力することと、前記処理中再生手段が、前記ハードディスク或いは前記優先データ記録手段に記録された動画を出力する際に、出力する動画として、前記ハードディスクに記録された動画の一部分を抽出することにより作成されたハイライト動画、或いはコマーシャルカット機能により抽出されたコマーシャル動画を用いることとを特徴としている。
【0011】
これによると、ハードディスク搭載DVDレコーダがあらかじめ定められた所定の指示、例えば記録開始指示を受け付けた場合に、指示を受け付けてから記録が完了するまでのユーザの待ち時間において、制御部が備える処理中再生部が、ハードディスクに記録されている動画、音声、或いは画像を外部のモニタ等に出力する。これにより、記録処理と再生処理とが並行して行われる。またハードディスクは、ユーザが待ち時間の間に特に視聴したいと考えるデータを記録する待受再生データ記憶領域を備えている。待受再生データ記憶領域に格納されているデータは、処理中再生部が再生処理を行う際の再生データとして優先的に使用される。また制御部は、順序指定部を備えている。順序指定部とは、処理中再生部が再生処理を行う際に、何れのデータをいかなる順序で再生するかを処理中再生部に対して指定する機能部である。また制御部は、優先データ指定部と複製部とを備えている。優先データ指定部は、順序指定部に対して、処理中再生部が最優先で再生すべきデータである優先データの指定を行うための機能部である。優先データ指定部より優先データの指定を受けた順序指定部は、保持している再生順序の最上位に、指定された優先データを設定する。複製部は、優先データ指定部が順序指定部に対して指定した優先データを、ハードディスクから待受再生データ記憶領域に複製するための機能部である。また制御部は、種別指定部を備えている。種別指定部とは、処理中再生部が再生処理を行う際に、何れの種別のデータを優先的に再生するかを処理中再生部に対して指定する機能部である。種別指定部により音楽データの再生を指示された処理中再生部は、音楽データの再生を行う際に、あらかじめ音楽データに関連付けられた画像データの再生を併せて行う。また、動画の再生を指示された処理中再生部は、再生する動画データとして、ハイライトデータ或いはCMデータを用いた再生を行う。
【0012】
上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、動画、音声、及び画像を記録する記録手段と、前記記録手段から動画、音声、或いは画像を読み出して表示装置に出力する再生手段と、外部からの指示を受け付ける受付手段とを備えた記録再生装置であって、前記受付手段があらかじめ定められた所定の指示を受け付けてから、前記指示に基づく処理が完了するまでの処理中時間において、前記再生手段による動画、音声、或いは画像の出力を行う処理中再生手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
これによると、記録再生装置があらかじめ定められた所定の指示、例えば記録開始指示を受け付けた場合に、指示を受け付けてから記録が完了するまでのライティング時間(=処理中時間)が発生する。この間、ユーザは記録再生装置に対して指示を送っても即座に応答を得ることができず、待ち時間が発生する。この待ち時間において、制御部が備える処理中再生部(=処理中再生手段)が、ハードディスク等の記憶媒体(=記録手段)に記録されている動画、音声、或いは画像を外部のモニタ等(=表示装置)に出力する。これにより、記録処理と再生処理とが並行して行われる。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記処理中再生手段により優先的に出力される動画、音声、或いは画像を記録する優先データ記録手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
これによると、ユーザが待ち時間の間に特に視聴したいと考えるデータを記録する待受再生データ記憶領域(=優先データ記録手段)を備えている。待受再生データ記憶領域に格納されているデータは、処理中再生部が再生処理を行う際の再生データとして優先的に使用される。なお待受再生データ記憶領域は、記録再生装置が備えるハードディスク等の記憶媒体に備わっている構成でもよいし、或いはメモリ等の一時記憶媒体に備わっている構成でもよい。また或いは、ネットワークドライブ等の外部記録媒体に備わっている構成でもよい。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像を出力する順序を指定する順序指定手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
これによると、記録再生装置が備える制御部は、順序指定部(=順序指定手段)を備えている。順序指定部とは、処理中再生部が再生処理を行う際に、何れのデータをいかなる順序で再生するかを処理中再生部に対して指定する機能部である。なお、順序指定手段が行う指定は、本発明の処理中再生機能が備える設定画面においてユーザより受け付けた各種指示に基づいて行われる。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記順序指定手段に対して、出力順序に関わらず優先的に出力を行う動画、音声、或いは画像を指定する優先データ指定手段と、前記優先データ指定手段によりに指定された動画、音声、或いは画像を、前記優先データ記録手段に記録する複製手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】
これによると、記録再生装置が備える制御部は、優先データ指定部(=優先データ指定手段)と複製部(=複製手段)とを備えている。優先データ指定部は、順序指定部に対して、処理中再生部が最優先で再生すべきデータである優先データの指定を行うための機能部である。優先データ指定部より優先データの指定を受けた順序指定部は、保持している再生順序の最上位に、指定された優先データを設定する。複製部は、優先データ指定部が順序指定部に対して指定した優先データを、ハードディスクから待受再生データ記憶領域に複製するための機能部である。なお、待受再生データ記憶領域の残容量が少ない場合は、制御部が複製部の処理を禁止することも可能である。
【0020】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像のいずれの種別のデータを出力するかを指定する種別指定手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
これによると、記録再生装置が備える制御部は、種別指定部(=種別指定手段)を備えている。種別指定部とは、処理中再生部が再生処理を行う際に、何れの種別のデータを優先的に再生するかを処理中再生部に対して指定する機能部である。なお、種別指定手段が行う指定は、本発明の処理中再生機能が備える設定画面においてユーザより受け付けた各種指示に基づいて行われる。具体的には、動画データ、音楽データ等のデータ種別の中から一つが選ばれる。
【0022】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記処理中再生手段が、前記記録手段或いは優先データ記録手段に記録されている音声を出力する際に、あらかじめ前記音声に関連付けられた画像を併せて出力することを特徴としている。
【0023】
これによると、種別指定部により音楽データの再生を指示された処理中再生部は、音楽データの再生を行う際に、あらかじめ音楽データに関連付けられた画像データの再生を併せて行う。なお、音楽データと画像データとの関連づけは、本発明の処理中再生機能が備える設定画面においてユーザより受け付けた各種指示に基づいて行われる。
【0024】
また、上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、前記処理中再生手段が、前記記録手段或いは優先データ記録手段に記録されている動画を出力する際に、出力する動画として、前記記録手段に記録されている動画の一部分を抽出することにより作成された部分動画、或いは前記記録手段に記録されている動画より抽出されたコマーシャル動画を用いることを特徴としている。
【0025】
これによると、種別指定部により動画の再生を指示された処理中再生部は、再生する動画データとして、ハイライトデータ(=部分動画)或いはCMデータ(=コマーシャル動画)を用いた再生を行う。ハイライトデータとは、ハードディスクに記録されている録画データから、ユーザが特に好んで視聴すると思われるシーンのみを抽出して結合した動画データである。CMデータとは、例えばCMカット機能等により録画データより分離されたCM部分の動画データである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、記録再生装置があらかじめ定められた所定の指示、例えば記録開始指示を受け付けた際に、指示を受け付けてから記録が完了するまでのユーザの待ち時間において、ハードディスクに記録されている動画、音声、或いは画像を再生する。このためユーザは、待ち時間においても動画等を視聴することができるため、ユーザが感じる退屈感を軽減することができる。
【0027】
また本発明によれば、待受再生データ記憶領域に格納されているデータが、処理中再生部により優先的に再生される。従ってユーザは、待ち時間の間に視聴したい動画、或いは音楽等をあらかじめ待受再生データ記憶領域に格納しておくことにより、優先的に再生されるデータを指定することができる。このため、ユーザの待ち時間における退屈感の緩和を図ることができる。
【0028】
また本発明によれば、処理中再生部が再生処理を行う際に、再生するデータの順序を順序指定部が指定する。順序指定部はあらかじめユーザから受け付けた指示等に基づいて再生順序を決定する。従ってユーザは、待ち時間において再生されるデータの再生順序を自由に変更することが可能である。
【0029】
また本発明によれば、優先データ指定部が順序指定部に対して、最優先で再生すべきデータである優先データの指定を行う。優先データ指定部はあらかじめユーザから受け付けた指示等に基づいて優先データを決定する。従ってユーザは、待ち時間において最優先で視聴したいデータを自由に変更することが可能である。また優先データは複製部により待受再生データ記憶領域に複製される。このためユーザは、待受再生データ記憶領域へ優先データをコピーする作業を行う必要がない。従ってユーザの作業負担を軽減することが可能である。
【0030】
また本発明によれば、処理中再生部が再生処理を行う際に、再生するデータの種別を種別指定部が指定する。種別指定部はあらかじめユーザから受け付けた指示等に基づいて再生種別を決定する。従ってユーザは、待ち時間において優先的に再生されるデータの種別を自由に変更することが可能である。
【0031】
また本発明によれば、処理中再生部が音楽データの再生処理を行う際に、あらかじめ音楽データに関連付けられた画像データの再生を併せて行う。このため、処理中時間において使用されていない表示装置を有効に活用して、よりユーザの退屈感の緩和を図ることができる。
【0032】
また本発明によれば、処理中再生部が動画データの再生処理を行う際に、ハイライトデータ或いはCMデータを用いた再生を行う。ハイライトデータを用いた場合は、ユーザがより好むと思われる動画のみを選択的に表示するため、よりユーザの退屈感の緩和を図ることができる。またCMデータを用いた場合は、自動消去機能により一定期間経過に消去されるCMデータを、より効率的に視聴することが可能である。また、CMデータは常に蓄積されているものであるため、処理中再生部が再生する動画が存在せず、結果として処理中再生機能が機能しないといった弊害を防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0034】
〈1.内部構成について〉
図2は、本発明の一実施形態に係るHDD搭載DVDレコーダ1(=記録再生装置)を示す構成図である。HDD搭載DVDレコーダ1は、少なくとも、制御部11、メモリ12、HDD13、データ入力部14、エンコーダ部15、再生信号制御部16、データ出力部17、光ディスクドライブ18、操作ボタン群19、およびフロントパネル20を備えている。
【0035】
制御部11は、HDD搭載DVDレコーダ1の各部材の駆動を制御することにより画像情報処理、例えばコンテンツの録画或いは再生等を統括制御するためのものであり、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、各装置(例えばHDD13等)の制御やデータの計算、加工処理等を行なう中枢部分となっている。制御部11は複数の機能部から構成されており、少なくとも処理中再生部11a(=処理中再生手段)、命令受付部11b(=受付手段)、順序指定部11c(=順序指定手段)、優先データ指定部11d(=優先データ指定手段)、複製部11e(=複製手段)、および種別指定部11f(=種別指定手段)を含むように構成されている。なお各機能部の詳細については後述する。
【0036】
メモリ12は、HDD搭載DVDレコーダ1が保持する各種データを一時的に記録する媒体であり、例えば書込可能なRAM(Random Access Memory)等により構成されている。メモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理データや、ユーザから受けた指示命令等を一時的に記録しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。
【0037】
HDD13(=記録手段)は、HDD搭載DVDレコーダ1が保持する録画データ、或いはユーザのお気に入りデータ等を記録するための磁気記録媒体である。なお、HDD13は、複数の領域(=パーティション)に分割されており、記録するデータの種別に応じて領域別に記録することがより望ましい。HDD13は少なくとも、録画データ記録領域13a、ハイライトデータ(=部分動画)記録領域13b、CMデータ(=コマーシャル動画)記録領域13c、音声データ記録領域13d、画像データ記録領域13e、待受再生データ記録領域13f(=優先データ記録手段)を含むように構成されている。なお、各記録領域の詳細については後述する。
【0038】
データ入力部14は、例えばデジタルチューナーなどの外部装置からデジタルデータを入力するための入力インターフェースである。また、例えばアナログデータを入力する場合は、A/Dコンバータ(Analog Digital Converter)を用いてアナログの動画データおよび音声データをデジタルデータに変換して入力することが可能である。
【0039】
エンコーダ部15は、動画データをMPEG2等の動画圧縮方式により圧縮を行ったり、音声データをDolby AC−3やLPCM等の音声圧縮方式により圧縮を行ったりする。なお、圧縮を行うデータとしては、例えばデータ入力部14より入力された動画データおよび音声データ等が対象となる。なお、入力された動画データが既になんからの圧縮方式で圧縮されている場合は、エンコードを行わないようにすることも可能である。
【0040】
再生信号制御部16は、前記エンコーダ部15等により圧縮された動画データおよび音声データを伸長して画像信号或いは音声信号を生成する。生成された各種信号は、例えば後述するデータ出力部17等を用いて外部機器に対して出力される。
【0041】
データ出力部17は、例えばモニタなどの外部装置に対して動画データおよび音声データを出力するための出力インターフェースである。なお、例えば出力先の機器がアナログインタフェースしか備えていない場合は、D/Aコンバータ(Digital Analog Converter)を用いてデジタルの動画データおよび音声データをアナログデータに変換して出力することが可能である。
【0042】
光ディスクドライブ18は、CDメディア、或いはDVDメディア等の光ディスクを記録し、光ディスクに対して光学的に各種データの読み込み、または書き込みを行うための光学装置である。なお、光ディスクには複数の規格が存在するため、光ディスクドライブ18の規格に応じた光ディスクを使用しなければ、各種処理(録画、再生等)を行うことができない。
【0043】
操作ボタン群19は、ユーザが番組の録画および録画予約等の各種指示をHDD搭載DVDレコーダ1に対して行なうための入力インターフェースである。操作ボタン群19により出力された指示は、制御部11により受け付けられる。指示を受け付けた制御部11は、指示の内容に基づいて各種処理を行う。フロントパネル20は、HDD搭載DVDレコーダ1の各種情報をユーザに対して表示する。
【0044】
〈2.機能部の構成について〉
【0045】
ここで、本発明のHDD搭載DVDレコーダ1が備える処理中再生機能を構成する各機能部の関係を、図1の機能ブロック図を用いながら説明する。
【0046】
図1に示すように本発明の処理中再生機能は少なくとも、制御部11が備える処理中再生部11a、命令受付部11b、順序指定部11c、優先データ指定部11d、複製部11e、および種別指定部11fと、HDD13が備える録画データ記録領域13a、ハイライトデータ記録領域13b、CMデータ記録領域13c、音声データ記録領域13d、画像データ記録領域13e、および待受再生データ記録領域13fと、データ出力部17とにより構成される。
【0047】
処理中再生部11aは、制御部11があらかじめ定められた所定の処理(例えばダビング処理等)の開始命令を後述する命令受付部11bより受け付けてから、処理が完了するまでの時間(=処理中時間)において、HDD13に記録されている各種データ(例えばハイライトデータ、CMデータ等)を、データ出力部17を用いて出力する。
【0048】
命令受付部11bは、例えばユーザが操作ボタン群19を操作すること等により発生した各種命令(例えば録画開始命令、再生開始命令等)を受け付け、受け付けた命令の内容に基づいて各命令を各機能部に伝達する役割を持つ。
【0049】
順序指定部11cは、処理中再生部11aがデータ出力部17を用いたデータ出力処理(=再生処理)を行う際に、処理中再生部11aが再生するデータの再生順序(=出力順序)を指定する。なお再生順序の指定は、後述する各種設定メニュー画面においてユーザから受け付けた各種指示に基づいて行われる。
【0050】
優先データ指定部11dは、順序指定部11c及び複製部11eに対して、再生順序に関係なく優先的に再生すべきデータ(=優先データ)の指定を行う。指定を受けた順序指定部11cは、あらかじめ保持していた再生順序の最上位に、優先データを設定する。ただし、既に他の優先データが設定されている場合は、あらかじめ定められた規則(例えば設定日時順等)に則って、複数の優先データの再生順序を決定する。
【0051】
複製部11eは、優先データ指定部11dより優先データの指定を受け付け、指定された優先データを待受再生データ記録領域13fに複製する。なお、複製部11eの機能によりHDD13の使用可能領域が不足する恐れがある場合は、複製部11eの処理を禁止させることが望ましい。例えば、HDD13の使用可能領域があらかじめ定められた所定量を下回った場合に、制御部11が複製部11eの処理を禁止してもよい。
【0052】
種別指定部11fは、処理中再生部11aが再生処理を行う際に、どの種別のデータを優先的に再生するかを処理中再生部11aに対して指定する。なお、優先的に再生する種別の指定は、後述する優先順位設定画面においてユーザから受け付けた指示に基づいて行われる。具体的には、ハイライトデータ、CMデータ、或いは音楽データのいずれかの選択を受け付けることにより、種別が設定される。ただし指定された種別のデータがHDD13に記録されていない場合は、選択されていない種別のデータでも再生対象とすることが望ましい。
【0053】
録画データ記録領域13aは、データ入力部14より入力された、或いは光ディスクドライブ18により光ディスク(不図示)から読み出された、画像データ及び音声データを記録するため領域である。
【0054】
ハイライトデータ記録領域13bは、録画データ記録領域13aに記録されている録画データの一部分を抽出し、抽出した部分データを結合することにより作成されたハイライトデータ(=部分動画)を記録するための領域である。なおハイライトデータは、例えばスポーツ番組において、音量があらかじめ定められた基準値を超えるシーンのみを抽出及び結合することにより作成される。ハイライトデータは、例えばサッカーの試合であれば、得点シーンのような比較的音量が大きいシーンのみを含むようになっている。このためユーザは、注目度の高いと想定されるシーンのみを効率的に視聴することが可能である。
【0055】
CMデータ記録領域13cは、CMカット機能、あるいは手動等で録画データより抽出されたCMデータを記録する領域である。CMデータは通常、作成されてから所定期間を経過後にデータ削除部(不図示)により削除される。このため、HDD13の使用可能領域を効率的に活用することができる。
【0056】
音声データ記録領域13dは、WAV形式やMP3形式等の音声データ、或いは音楽データを記録する領域である。この領域に記録されているデータは、処理中再生部11aによって読み出され、順序指定部11cにより指定された再生順序に従い、データ出力部17より出力される。
【0057】
画像データ記録領域13eは、BMP形式やJPG形式等の画像データを記録する領域である。この領域に記録されているデータは、関連付けられている音声データが処理中再生部11aによって再生される際に、併せて読み出されて再生される。
【0058】
待受再生データ記録領域13fは、処理中再生部11aに対して優先的に再生させたいデータ(=お気に入りデータ)を記録するための領域である。お気に入りデータは、動画データ、音声データ、或いは画像データのいかなる種別のデータであってもよい。また、複製部11eにより複製されたデータも、この待受再生データ記録領域13fに記録される。待受再生データ記録領域13fに記録されたデータは、処理中再生部11aが再生処理を行う際に最優先で再生される。
【0059】
〈3.設定画面について〉
ここで、本発明の処理中再生機能に関してOSD(on-screen display)生成部(不図示)が生成する各種設定画面について、図4〜図8の画面図を用いながら説明する。
【0060】
図4〜図8は、本発明のHDD搭載DVDレコーダ1が備えるOSD生成部により生成された、処理中再生機能に関する設定画面の一例である。図4は、設定画面のメイン画面である。この画面においては、優先順位設定、ハイライト再生設定、CM再生設定、及び音楽/画像再生設定の中からどの設定を行うかの選択指示を、ユーザから受け付ける。
【0061】
図5は、図4のメイン画面において優先順位設定が選択された場合に表示される優先順位設定画面である。優先順位設定画面においては、処理中再生部11aがハイライト再生、CM再生、及び音楽/画像再生のうち、どの再生処理を優先的に行うかの指示を受け付ける。受け付けられた指示は種別指定部11fに通知される。
【0062】
図6(a)は、図4のメイン画面において「ハイライト再生設定」が選択された場合に表示されるハイライト再生設定画面である。ハイライト再生とは、処理中再生部11aが、ハイライトデータ記録領域13bに記録されたハイライトデータを優先的に再生する再生方法である。ハイライト再生設定画面においては、処理中再生部11aがハイライト再生を行う際に、お気に入り再生と通常再生とのいずれの方法を行うかの選択指示を受け付ける。お気に入り再生とは、ユーザがあらかじめ指定したお気に入りのハイライトデータを優先して再生する再生方法である。通常再生とは、ユーザにより指定されたお気に入りのハイライトデータに関係なく、あらかじめ定められた所定の順序(例えば記録日時の順序等)により再生する再生方法である。
【0063】
図6(a)において「1.お気に入り再生」の選択指示を受け付けた場合には、図6(b)が表示される。図6(b)は、ハイライトデータ記録領域13bに記録されているハイライトデータの一覧を表示した画面である。この画面においてユーザは、処理中再生部11aが優先的に再生するハイライトデータ(=お気に入りデータ)を指定することができる。
【0064】
お気に入りデータに指定されたハイライトデータは、例えば図6(b)に示すように、★マークが付加され、他のハイライトデータと区別される。お気に入りデータのタイトルは、優先データ指定部11dに通知される。また、図6(a)および図6(b)において受け付けられた各種指示は、順序指定部11cに通知される。
【0065】
例えば図6(b)の例では、順序指定部11c及び優先データ指定部11dからの指示を受けた処理中再生部11aは、まずハイライトデータ2を再生し、次にハイライトデータ4を再生する。これによりお気に入りデータの再生は完了したため、次にハイライトデータ1、ハイライトデータ3、ハイライトデータ5の順に再生を行う。
【0066】
図7(a)は、図4のメイン画面において「CM再生設定」が選択された場合に表示されるCM再生設定画面である。CM再生とは、処理中再生部11aが、CMデータ記録領域13cに記録されたCMデータを優先的に再生する再生方法である。CM再生設定画面においては、処理中再生部11aがCM再生を行う際に、お気に入り再生と通常再生とのいずれの方法を用いて行うかの選択指示を受け付ける。なお、通常再生とお気に入り再生との内容については、ハイライト再生のものと同じであるためここでは説明を省略する。
【0067】
図7(a)において「1.お気に入り再生」の選択指示を受け付けた場合には、図7(b)が表示される。図7(b)は、CMデータ記録領域13cに記録されているCMデータの一覧を表示した画面である。この画面においてユーザは、処理中再生部11aが優先的に再生するCMデータ(=お気に入りデータ)を指定することができる。
【0068】
お気に入りデータに指定されたCMデータは、例えば図7(b)に示すように、★マークが付加され、他のCMデータと区別される。お気に入りデータのタイトルは、優先データ指定部11dに通知される。また、図7(a)および図7(b)において受け付けられた各種指示は、順序指定部11cに通知される。
【0069】
図8は、図4のメイン画面において「音楽/画像再生設定」が選択された場合に表示される音楽/画像再生設定画面である。音楽/画像再生設定画面においては、処理中再生部11aにより再生される音楽データの再生順序と、各音楽データに関連付けられている画像データが表示されている。関連付けられた画像データは、音楽データが再生される際に、併せて再生される。ただし、既に何らかの画像或いは動画が表示装置(不図示)において再生されている場合は、画像データの再生は行われない。
【0070】
図8の音楽/画像再生設定画面においては、音楽データの再生順序の指定、および音楽データに関連付ける画像データの選択を受け付ける。受け付けられた各種指示は、順序指定部11cに通知される。例えば図8の例では、音楽データ「MUSIC5」と画像データ「画像1」の再生が同時に行われた後、音楽データ「MUSIC3」と画像データ「画像2」の再生が同時に行われる。
【0071】
〈4.処理フローについて〉
ここで、本発明のHDD搭載DVDレコーダ1が備える処理中再生機能の処理フローを、図1及び図2のブロック図と、図3のフロー図とを用いながら説明する。
【0072】
図3は、本発明の処理中再生処理の処理フローを示したフロー図である。本処理は、制御部11があらかじめ定められた所定の処理(例えばダビング処理等)の実行開始命令を検知することにより開始される。なお、本実施形態においては、所定の処理としてダビング処理(HDDからDVDメディア等へのデータの複製処理)を例にとって説明を行っているが、これ以外の処理(例えば再生処理、データ記録処理等)の処理開始命令を受け付けた際に、本発明の処理中再生機能による処理を行ってもよい。
【0073】
ダビング処理の実行開始命令を検知した制御部11は、ステップS110において、あらかじめ処理中再生機能が有効に設定されているかどうかの確認を行う。なお、処理中再生機能の有効/無効設定は、HDD搭載DVDレコーダ1に対して設定する方式、つまり設定が有効になっていれば所定の処理全てに対して有効となる方式であってもよいし、あるいは処理毎に個別に設定する方式であってもよい。
【0074】
まず、ステップS110において、処理中再生機能が有効に設定されていないと判定された場合について説明する。この場合には、制御部11はダビング処理を行った後、ステップS190に移行してダビング処理完了の通知を行い、本処理を終了する。
【0075】
次に、ステップS110において、処理中再生機能が有効に設定されていると判定された場合について説明する。この場合には、制御部11はステップS120において、待受再生データ記録領域13fに動画データ、或いは音声データが存在するかの判定を行う。ここではまず、待受再生データ記録領域13fにデータが存在すると判定された場合の処理について説明する。
【0076】
ステップS120において、待受再生データ記録領域13fにデータが存在すると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS210において、待受再生データ記録領域13fに記録されている各種データの再生を開始する。なお、待受再生データ記録領域13fに複数の種類のデータが存在する場合には、例えばあらかじめ定められた優先度(例えばCMデータよりもハイライトデータを最優先する等)に従って再生を行う。また例えば、ランダムな順序で再生を行ってもよい。
【0077】
次に制御部11はステップS220において、実行中のダビング処理が完了したかどうかの判定を行う。ダビング処理が完了していないと判定された場合、ステップS210に再び移行し、処理中再生部11aによる再生処理を継続して行う。逆にダビング処理が完了していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップ230において、待受再生データ記録領域13fに記録されている各種データの再生を停止する。次に制御部11は、ステップS190に移行してダビング処理完了の通知を行い、本処理を終了する。
【0078】
ステップS120に戻り、待受再生データ記録領域13fにデータが存在しないと判定された場合の処理について説明する。この場合には、制御部11はステップS130において、種別指定部11bが処理中再生部11aに対して音楽データを優先的に再生するように指定しているかどうかの判定を行う。なお、種別指定部11bが指定する種別は、図5に示す優先順位設定画面において受け付けた命令に基づいて決定される。判定の結果、音楽データを優先的に再生するように指定している場合には、ステップS140に移行する。指定していない場合には、ステップS310に移行する。ここではまず、音楽データが優先的に再生するように指定されている場合の処理について説明する。
【0079】
ステップS130において、種別指定部11bが音楽データを優先的に再生するように指定していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS140において、音楽データ記録領域13dに記録されている音楽データの再生を開始する。この際、処理中再生部11aは、順序指定部11cにより指定された順序で音楽データの再生を行う。なお順序指定部11cが指定する順序は、図8に示す音楽/画像再生設定画面においてユーザから受け付けた命令に基づいて決定される。
【0080】
次に制御部11は、実行中の処理(本実施形態においてはダビング処理)が、データ出力部17を用いた動画或いは画像の再生処理を伴う処理であるかどうかの判定を行う。動画或いは画像の再生処理を伴わない処理であると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS160において、再生中の音楽データに関連図付けられた画像データの再生を行う。逆に再生処理を伴う処理であると判定された場合には、処理中再生部11aは画像データを再生することが不可能であるため、次のステップS170に移行する。
【0081】
なお、音楽データに関連付けられている画像データは、図8に示す音楽/画像再生設定画面においてユーザから受け付けた命令に基づいて決定される。例えば図8に示す例では、音楽データ「MUSIC5」が再生される際に、関連付けられている「画像1」が併せて再生される。
【0082】
次に制御部11はステップS170において、実行中のダビング処理が完了したかどうかの判定を行う。ダビング処理が完了していないと判定された場合は、ステップS140に再び移行し、処理中再生部11aによる再生処理を継続して行う。逆にダビング処理が完了していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS180において、再生中の音声データ及び画像データの再生を停止する。次に制御部11は、ステップS190に移行してダビング処理完了の通知を行い、本処理を終了する。
【0083】
ステップS130に戻り、種別指定部11bが処理中再生部11aに対して音楽データを優先的に再生するように指定していないと判定された場合の処理について説明する。この場合には、制御部11はステップS310において、種別指定部11bが処理中再生部11aに対してハイライトデータを優先的に再生するよう指定しているかどうかの判定を行う。ここではまず、ハイライトデータが優先的に再生されるように指定されている場合の処理について説明する。
【0084】
ステップS310において、種別指定部11bが処理中再生部11aに対してハイライトデータを優先的に再生するように指定していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS320において、ハイライトデータ記録領域13bに記録されているハイライトデータの再生を開始する。この際、処理中再生部11aは、順序指定部11cにより指定された順序でハイライトデータの再生を行う。なお順序指定部11cが指定する順序は、図6に示すハイライト再生設定画面においてユーザから受け付けた命令、および優先データ指定部11dからの指示に基づいて決定される。
【0085】
次に制御部11はステップS330において、実行中のダビング処理が完了したかどうかの判定を行う。ダビング処理が完了していないと判定された場合には、ステップS320に再び移行し、処理中再生部11aによる再生処理を継続して行う。逆にダビング処理が完了していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS340において、再生中のハイライトデータの再生を停止する。次に制御部11は、ステップS190に移行してダビング処理完了の通知を行い、本処理を終了する。
【0086】
ステップS310に戻り、種別指定部11bが処理中再生部11aに対してハイライトデータを優先的に再生するように指定していないと判定された場合の処理について説明する。この場合には、制御部11はステップS410において、CMデータ記録領域13cに記録されているCMデータの再生を開始する。この際、処理中再生部11aは、順序指定部11cにより指定された順序でCMデータの再生を行う。なお順序指定部11cが指定する順序は、図7に示すCM再生設定画面において受け付けた命令、および優先データ指定部11dからの指示に基づいて決定される。
【0087】
次に制御部11はステップS420において、実行中のダビング処理が完了したかどうかの判定を行う。ダビング処理が完了していないと判定された場合には、ステップS410に再び移行し、処理中再生部11aによる再生処理を継続して行う。ダビング処理が完了していると判定された場合には、処理中再生部11aはステップS430において、再生中のCMデータの再生を停止する。次に制御部11は、ステップS190に移行してダビング処理完了の通知を行い、本処理を終了する。
【0088】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0089】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、処理中再生部11aが出力する対象データとして動画および音楽(画像は音楽に関連付けられたもののみ)を例として説明した。しかしこれ以外のデータを出力対象としてもよい。例えば、画像を単体で出力対象とする形態でもよい。或いは、OSD生成部により作成された文字情報、例えばデータ通信により受信したニュース速報等を示す文字情報を、出力対象とする形態でもよい。
【0090】
(B)本実施形態では、処理中再生部11aが再生処理を行う所定の処理としてダビング処理を例として説明した。しかしこれ以外の処理において発生するユーザの待ち時間において、処理中再生部11aによる再生処理を行ってもよい。例えば、DVDメディアの再生開始指示を受け付けた場合のシーク時間、或いはDVDメディアへの記録指示を受け付けた際の記録時間等において、処理中再生部11aが再生処理を行う形態でもよい。
【0091】
(C)本実施形態では、待受再生データ記録領域13fをHDD13内部に設ける構成を例として説明したが、HDD13以外の記録媒体に待受再生データ記録領域13fを設ける構成でもよい。例えば、メモリ12内部に設ける形態、或いはHDD13とは異なる別のハードディスクに設ける形態でもよい。
【0092】
(D)本実施形態では、処理中再生機能に関わる各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0093】
(E)本実施形態では、記録再生装置の具体例としてHDD搭載DVDレコーダ1を例として説明したが、これ以外の記録再生装置において本発明の処理中再生機能が用いられたとしても、同様の効果が得ることができる。例えば、HDDレコーダ、DVDレコーダ、DVレコーダ、パソコン、デジタルビデオカメラ、或いは携帯電話などにおいて用いられる形態でもよい。
【0094】
(F)本実施形態では、処理中再生部11aが出力を行う動画としてハイライトデータ及びCMデータを例として説明したが、これら以外の動画を出力対象としてもよい。例えば、DVDメディアより抽出した映像(特典映像として含まれている映画の予告映像等)や、データ入力部14から入力されている放送(例えばニュース速報等)を、出力対象とする形態でもよい。
【0095】
(G)本実施形態では、制御部11及びHDD13がHDD搭載DVDレコーダ1の内部に備わっている構成を例として説明したが、制御部11及びHDD13に含まれる各機能部の一部或いは全部がネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、待受再生データ記録領域13fが、ネットワーク上に存在する共有記録媒体(ネットワークドライブ等)に設けられており、複数のHDD搭載DVDレコーダ1から待受再生データ記録領域13fに対する記録および読み出しができる形態であってもよい。
【0096】
(H)本実施形態では、処理中再生部11aが再生処理を行うタイミングとして、所定の処理が開始されてから完了するまでの時間を例として説明した。しかしこれ以外のタイミング、例えばOSD生成部により生成された設定画面がモニタに表示されている場合等の、いわゆる無音状態において処理中再生部11aによる再生処理を行ってもよい。ただしこの場合、モニタにはOSD生成部により生成された情報が既に表示されているため、処理中再生部11aが再生するデータは音声データのみに限定されることが望ましい。ただし、OSD生成部がモニタ全てを使用して情報表示を行っておらず、表示可能領域がモニタ上の一部領域に存在している場合も考えられる。この場合は、処理中再生部11aが表示可能領域を用いて、動画の縮小再生を行う形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置が備える機能部の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置を示す構成図である。
【図3】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の処理フローを示したフロー図である。
【図4】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の設定画面を示す画面図である。
【図5】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の設定画面を示す画面図である。
【図6】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の設定画面を示す画面図である。
【図7】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の設定画面を示す画面図である。
【図8】は、本発明の一実施形態に係る処理中再生機能の設定画面を示す画面図である。
【符号の説明】
【0098】
1 HDD搭載DVDレコーダ(記録再生装置)
11 制御部
11a 処理中再生部(処理中再生手段)
11b 命令受付部(受付手段)
11c 順序指定部(順序指定手段)
11d 優先データ指定部(優先データ指定手段)
11e 複製部(複製手段)
11f 種別指定部(種別指定手段)
13 HDD(記録手段)
13f 待受再生データ記録領域(優先データ記録手段)
17 データ出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画、音声、及び画像を記録するハードディスクと、
前記ハードディスクに記録されている動画、音声、或いは画像を読み出して表示装置に出力する再生手段と、
外部からの指示を受け付ける受付手段と、
を備えたハードディスク搭載DVDレコーダであって、
前記受付手段があらかじめ定められた所定の指示を受け付けてから、前記指示に基づく処理が完了するまでの処理中時間において、前記再生手段による動画、音声、或いは画像の出力を行う処理中再生手段と、
前記処理中再生手段により優先的に出力される動画、音声、或いは画像を記録する優先データ記録手段と、
前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像を出力する順序を指定する順序指定手段と、
前記順序指定手段に対して、出力順序に関わらず優先的に出力を行う動画、音声、或いは画像を指定する優先データ指定手段と、
前記優先データ指定手段によりに指定された動画、音声、或いは画像を、前記優先データ記録手段に記録する複製手段と、
前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像のいずれの種別のデータを出力するかを指定する種別指定手段と、
を備えており、
前記処理中再生手段が、前記ハードディスク或いは前記優先データ記録手段に記録されている音声を出力する際に、あらかじめ前記音声に関連付けられた画像を併せて出力することと、
前記処理中再生手段が、前記ハードディスク或いは前記優先データ記録手段に記録された動画を出力する際に、出力する動画として、前記ハードディスクに記録された動画の一部分を抽出することにより作成されたハイライト動画、或いはコマーシャルカット機能により抽出されたコマーシャル動画を用いることと、
を特徴とするハードディスク搭載DVDレコーダ。
【請求項2】
動画、音声、及び画像を記録する記録手段と、
前記記録手段から動画、音声、或いは画像を読み出して表示装置に出力する再生手段と、
外部からの指示を受け付ける受付手段と、
を備えた記録再生装置であって、
前記受付手段があらかじめ定められた所定の指示を受け付けてから、前記指示に基づく処理が完了するまでの処理中時間において、前記再生手段による動画、音声、或いは画像の出力を行う処理中再生手段
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
前記処理中再生手段により優先的に出力される動画、音声、或いは画像を記録する優先データ記録手段
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像を出力する順序を指定する順序指定手段
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記順序指定手段に対して、出力順序に関わらず優先的に出力を行う動画、音声、或いは画像を指定する優先データ指定手段と、
前記優先データ指定手段によりに指定された動画、音声、或いは画像を、前記優先データ記録手段に記録する複製手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記処理中再生手段に対して、動画、音声、或いは画像のいずれの種別のデータを出力するかを指定する種別指定手段
を備えたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記処理中再生手段が、前記記録手段或いは優先データ記録手段に記録されている音声を出力する際に、あらかじめ前記音声に関連付けられた画像を併せて出力すること
を特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記処理中再生手段が、前記記録手段或いは優先データ記録手段に記録された動画を出力する際に、出力する動画として、前記記録手段に記録されている動画の一部分を抽出することにより作成された部分動画、或いは前記記録手段に記録されている動画より抽出されたコマーシャル動画を用いること
を特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−112495(P2008−112495A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294002(P2006−294002)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】