説明

記録再生複合機

【課題】記録再生複合機におけるダビング操作を容易にする。
【解決手段】VTR記録再生部3と、DVD−R/RW記録再生部5と、VTR側表示パネル/LED11aと、DVD−R/RW側表示パネル/LED11bと、外部入力インターフェイス部31aと、チューナ部31と、内部入力スイッチ33と、外部出力スイッチ35と、出力端子37と、制御部41と、を含んで構成され、制御部41は、VTR→DVDダビング起動時に、記録側のDVD−R/RW記録再生部5に実際に入力され記録されている信号の内容をそのまま外部に出力するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号や音声信号などの各種情報を記録/再生することができる複数の機器を内蔵する記録再生複合機に関し、特に、情報のダビングの際の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録再生機は、例えばテレビジョン(以下、「テレビ」と称する。)放送をVTR(Video tape recorder)、VCR(Video cassette recorder)などに記録し、その後に記録されたテレビ放送の内容を再生する機能を有するものが多く開発されてきた。
【0003】
最近、テレビ画面の高画質化と、情報記録技術の多様化・高度化に伴って、VTR等以外に、CD(Compact disk)やDVD(Digital versatail disk)などのテープとは異なるディスク記憶媒体を用いた記録再生技術の開発も盛んになってきている。
【0004】
それに伴い、VTRとDVD−ROM、CVD−Video、DVD−R等との2種類の異なる媒体を1つの機器を用いて再生でき、かつ、上記DVD等の記録内容をVTRにダビングできる、いわゆる複合機も開発されている。
【0005】
例えば、同一装置内にディスク再生部と磁気記録再生部とを備え、1つのボタンを押すだけでディスク再生部による音声/映像の再生信号を磁気記録再生部で記録可能とするワンタッチダビング機能を備えた記録再生装置がある(例えば、特許文献1参照)。この装置では、ビデオCDを再生してその記録情報をビデオテープにダビングする場合に、キー操作部内に設けたダビング操作ボタンを押すことによって、内部制御部がビデオCD再生部を再生状態にし、VCR側を記録状態に自動的に切り替えてダビングを実行することができる。この際、実際に外部に出力される信号は、使用者が手動で選択する。また、ダビングを行う場合は、使用者が手動で位相合わせを行っていた。
【0006】
【特許文献1】特開平7−312020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の記録再生部を内蔵する複合機の場合、出力端子から出力される信号として再生側の記録再生部を手動で選択するため、例えば再生中の信号をそのまま出力する選択をした場合、ユーザが記録していると認識している内容と実際に記録している内容とが一致していないことに後から気が付く場合もある。例えば、DVD−R/DVD−RWのビデオ・フォーマット時には、ユーザが、メニュー表示画面などを見ながら録画状態を指定する必要がある。例えば、ビデオ・フォーマットでは、二カ国語の主音声、副音声を同時には記録できないため、予め、メニュー画面において設定した主音声又は副音声の何れかを記録する。従って、記録再生部の出力信号をそのまま出力し続けると、ユーザには主音声は聞こえてくるが実際の記録メディアには副音声が録画されている場合などもあり、ダビングが終了するまで設定の誤りに気が付かない可能性もある。特に、再生側よりも記録側のストリーム数が少ない場合に問題となる。
【0008】
また、異なる記録メディアを用いてダビングする場合には、録画準備に要する時間と再生準備に要する時間とが異なる場合も多くなる。この場合に、どのように位相合わせを行うかについての技術は提示されていなかった。
【0009】
本発明は、複数の記録再生部を内蔵する複合機におけるダビング技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部からの出力のいずれかを出力する共通出力端子と、複数の前記記録再生部からの出力のうちのいずれを前記共通出力端子から外部に出力するかを切り替える外部出力スイッチと、複数の前記記録再生部間における記録再生処理及び前記外部出力スイッチにおけるスイッチング処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング処理期間中に、前記第2の情報記録再生部に記録中の情報を前記共通出力端子から出力するように前記外部出力スイッチを制御する制御部とを有する記録再生複合機が提供される。
【0011】
上記記録再生複合機によれば、再生側から記録側へのダビング処理期間中に、実際に記録側に記録されている信号を外部に出力するように制御するため、ユーザは、記録される情報が意図した情報であるか否かを正確に知ることが出来る。特に、前記第2の情報記録再生部が記録の際に対応可能な第1の情報に関するストリーム数が、前記第1の情報記録再生部が再生の際に対応可能な前記第1の情報に関するストリーム数よりも少ない場合に効果的である。
【0012】
本発明の他の観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部からの出力のいずれかを出力する共通出力端子と、複数の前記記録再生部からの出力のうちのいずれを前記共通出力端子から外部に出力するかを切り替える外部出力スイッチと、複数の前記記録再生部間における記録再生処理及び前記外部出力スイッチにおけるスイッチング処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング処理期間中に、前記第1の情報記録再生部において再生されている記録メディアの属性に関する記録メディア属性情報を検知しこれを報知するための制御を行う制御部とを有する記録再生複合機が提供される。
【0013】
上記記録再生複合機によれば、再生側の記録メディアの属性を報知することができるため、記録メディアが意図したものであるか否かを確認することができる。尚、記録メディアの属性とは、例えば、記録メディアの種類又は該記録メディアに記録されている記録形態の種類に関する情報を含む。
【0014】
本発明のさらに他の観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング起動時に、前記第2の情報記録再生部が記録可能な状態になったか否かを検知し、記録可能な状態になった旨を検知した時点で前記第1の情報記録再生部に対して再生処理の開始を指示するとともに、前記第2の情報記録再生部に対して記録処理の開始を指示する制御を行う制御部を有する記録再生複合機が提供される。
【0015】
上記記録再生複合機によれば、ダビング起動時に、記録側が記録可能な状態になった旨を検知した時点で再生側に再生処理の開始を指示するとともに、記録側に対して記録処理の開始を指示するため、再生と記録との位相合わせを正確に行うことができる。
【0016】
本発明のさらに他の観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング起動時に、前記第2の情報記録再生部が記録可能な状態になったか否かを検知し、記録可能な状態になった旨を検知した時点で前記第1の情報記録再生部を再生処理可能状態にする制御を行う制御部を有する記録再生複合機が提供される。上記再生記録複合機によれば、記録側が記録可能な状態になった旨を検知した時点で再生側を再生処理可能状態にするため、記録可能状態でないにもかかわらず再生のみを開始してしまうのを防止することができる。
【0017】
さらに、前記制御部は、再生処理可能状態になった前記第1の情報記録再生部に対して再生処理の開始が指示された後に、前記第2の情報記録再生部に対する録画処理の開始が指示されるように制御を行うのが好ましい。このように制御することにより、再生と記録の位相合わせを自動的に行うことができる。
【0018】
さらに、本発明の別の観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング起動時に、前記第1の情報記録再生部が再生可能な状態になったか否かを検知し、再生可能な状態になった旨を検知した時点で、前記第2の情報記録再生部の記録処理を開始するとともに、前記第1の情報記録再生部に再生処理を開始する旨の指示を与える制御を行う制御部を有する記録再生複合機が提供される。
【0019】
上記記録再生複合機によれば、ダビング起動時に再生側が再生可能な状態になった旨を検知した時点で前記第2の情報記録再生部の記録処理を開始するため、まだ再生可能でないにもかかわらず記録を開始してしまうことがない。
【0020】
本発明のさらに別の観点によれば、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング起動時に、前記第1の情報記録再生部が再生可能な状態になったか否かを検知し、再生可能な状態になった旨を検知した時点で、前記第2の情報記録再生部を記録処理が可能な状態にする制御を行う制御部を有する記録再生複合機が提供される。
【0021】
上記記録再生複合機によれば、ダビング起動時に再生側が再生可能な状態になった旨を検知した時点で前記第2の情報記録再生部を記録処理が可能な状態にするため、正確な位相合わせが可能となる。
【0022】
また、情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング処理における少なくとも外部からのダビング開始指示を受け付けてから実際のダビング処理が実行されるまでの準備期間中、ダビング処理の準備中である旨を報知する出力を行うための制御を行う制御部を有する記録再生複合機が提供される。
【0023】
上記再生記録複合機では、ダビング準備期間中にその旨をユーザに報知することで、ユーザに現状を認識してもらうことができ、誤操作を防止できる。尚、前記制御部は、前記準備期間中、他の処理に関する指示の受付けを禁止する制御を行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の記録再生複合機によれば、記録されている情報を出力することにより、ダビング起動時にダビング処理における設定誤りに気が付くことができる。また、ダビング起動時に再生側のメディアの種類又はフォーマットの種類を表示させることにより、再生側のメディア又は機器の選択の間違いを未然に防止することができる。
【0025】
さらに、記録側又は再生側の少なくとも一方のスタンバイが終了した後にダビング処理を実際に開始することにより、記録と再生とのタイミングを合わせることができる。また、ダビング処理が受付けられた旨を表示することにより、ダビング処理が進められている旨をユーザが簡単に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態による記録再生複合機について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態による記録再生複合機の正面図である。図1に示すように、本実施の形態による記録再生複合機Aは、種々の機能を内蔵する箱体1と、VTR記録再生部3と、DVD−R/RW記録再生部5と、各種スイッチ部7と、VTR側表示パネル/LED11aと、DVD−R/RW側表示パネル/LED11bと、リモコン受光部12と、を有している。
【0027】
記録再生複合機Aとは別に、一般的に図2(A)、(B)に示すリモートコントロール装置15が別途備えられている。図2(A)、(B)に示すように、リモートコントロールスイッチ15は、ビデオ切替スイッチ15a−1とDVD切替スイッチ15a−2とを含むリモコン切替スイッチ15aと、TVチャネル選局スイッチ15bと、ダビング方向キー15cであって、ビデオ→DVD切り替えスイッチ15c−1、DVD→ビデオ切り替えスイッチ15c−2を有するダビング方向キーと、ダビング開始キー15dと、を有している。また、上述のように、リモートコントロール装置15のみでも、VTR記録再生部3と、DVD−R/RW記録再生部5との記録再生操作が可能である。
【0028】
尚、記録再生複合機としては、VTR部とDVD−RW部とを記録再生部として備えた機器を例として実施の形態において説明するが、複数の記録再生器を備えておりその他の組み合わせを有する機器も記録再生複合機に含まれる。もちろん、記録又は再生のみが可能な装置を含んでいても良い(例えば、一方が、CD−ROMやDVD−ROMなどの再生専用装置(部)である場合)。また、記録再生複合機は、一般的なディスプレイ(表示画面)、例えばCRTや液晶画面などによるディスプレイと一体化されていても良い。
【0029】
図3は、本実施の形態による記録再生複合機の主要構成例を示す機能ブロック図である。図1も参照して図3に示す構成を説明すると、図3に示すように、本実施の形態による記録再生複合機Aは、箱体1と、VTR記録再生部3と、DVD−R/RW記録再生部5と、主としてVTR側の動作を表示するVTR側表示パネル/LED11aと、主としてDVD側の動作を表示するDVD−R/RW側表示パネル/LED11bと、R/C(リモコン)受光部12と、外部入力インターフェイス部31aと、チューナ部31と、内部入力スイッチ33と、外部出力スイッチ35と、共通出力端子37と、制御部(マイコン)41と、を含んで構成されている。実際には、後述のように、各種構成要素間に信号配線が設けられている。記録再生複合機と別体又は一体に出力再生部45が設けられている。出力再生部45は、映像を表示する表示部45aと、音声を出力するスピーカ部45bとを含んで構成されるのが一般的である。
【0030】
ここで、例えばVTR記録再生部3を再生側とし、DVD−R/RW記録再生部5を記録側とすると、再生側のストリームは2種類の音声信号を記録再生可能であるのに対して、記録側のストリームは、DVD−Rでは1種類しか記録ストリームがないため、音声情報に関して1種類しか記録できない。このようなケース、すなわち、再生側と記録側とのストリームが異なる場合、特に記録側のストリームが再生側のストリームよりも少ない場合にユーザの意図と異なる情報が記録されてしまうとうような問題が生じやすい。
【0031】
上記記録再生複合機の動作について説明する。通常、外部のテレビジョン放送の内容を記録する場合には、ユーザは、まず使用する記録メディアを選択する。VTRテープに放送内容を記録する場合には、VTR記録再生部3を用いる。DVD−Rメディア又はDVD−RWメディアに放送内容を記録する場合には、DVD−R/RW記録再生部5を用いる。放送内容はチューナ31により選局され内部入力スイッチ33により切り替えられて、VTR記録再生部3又はDVD−R/RW記録再生部5に送られる。
【0032】
VTRテープに記録された情報内容を再生する場合には、VTR記録再生部3が再生側となり、DVD−Rメディア又はDVD−RWメディアに記憶された情報内容を再生する場合には、DVD−R/RW記録再生部5が再生側となる。再生された信号は、出力端子37を介して出力再生部45に対して出力される。再生信号のうち映像情報は表示部45aにおいて、音声情報はスピーカ部45bにおいて再生される。
【0033】
VTRテープに記録された情報内容をDVD−Rメディア又はDVD−RWメディアにダビングする場合には、まず、DVD−Rメディア又はDVD−RWメディアの内容を確認し、ダビングしても良いメディアであるか否かを確認する。DVD−Rメディア又はDVD−RWメディアを確認した後に、ユーザは例えばリモコン装置に設けられたダビング方向キー15cをVTR→DVDの方向(15c−1)にして入力する。ダビング方向キー15cがVTR→DVDの方向で入力されダビング開始キー15dを押したことをR/C受光部12を介して制御部41が検出すると(信号線路L1)、制御部41は、VTR記録再生部3から信号線路L4−1とL4−2とを介して記録側のDVD−R/RW記録再生部5に入力させる方にスイッチングさせる指示を内部入力スイッチ33に対して行うとともに、記録側のDVD−R/RW記録再生部5が信号を外部に出力するように外部出力スイッチ35に対して指示を行う(L4−3→L4−4→L4−5)。
【0034】
本実施の形態による記録再生複合機では、VTR→DVDダビング起動時に、記録側のDVD−R/RW記録再生部5に実際に入力されている信号の内容をそのまま外部に出力する(L4−1〜L4−5)ように制御するため、ユーザは、実際に記録されている情報内容を表示部45aなどにより確認することができる。従って、ダビング起動時に、これから実際にダビング記録される予定の情報の実際の内容を画面表示又は音声などにより予め知ることも可能であり、ダビングにより誤って異なる内容を記録するのを防止できるという利点がある。
【0035】
尚、上記ダビング起動時の切替えは、ユーザのダビング処理開始イベントを行った際、例えば、リモコン15のダビング開始キー15dを押した際に自動的に行われるのが好ましい。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態による再生記録複合機について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態による再生記録複合機の基本的な構成は、第1の実施の形態による再生記録複合機と同様である。そこで、本実施の形態による再生記録複合機についても図1〜図2及び図4を参照して説明する。
【0037】
図4は図3に対応する図であり、図4に示すように、本実施の形態による再生記録複合機には、VTR側表示パネル/LED11aと、DVD−R/RW側表示パネル/LED11bと、が設けられている。図2に示すリモコン装置などを用いて、例えば、VTR→DVDダビング方向キー15c−1を入力し、ダビング開始キー15dを押すと、その旨を制御部41が検出する。制御部41は、VTR記録再生部3からの再生出力信号をDVD−R/RW記録再生部5に対して出力するように(L14−1→L14−2)内部入力スイッチ33に対して指示するとともに(L12)、記録側の再生出力信号をDVD−R/RW記録再生部5からの出力を外部に出力するように外部出力スイッチ35に対して指示する(L14−3〜L14−5)。さらに、制御部41は、DVD−R/RW側表示パネル/LED11b又は出力再生部45の少なくともいずれか一方に、入力信号がVTRからの信号である旨を表示するように制御する。DVD−R/RW側表示パネル/LED11b又は表示部45aには、例えば、“VTR”と表示される。これにより、ユーザは、DVD−R/RW記録再生部5に現在記録されている信号がVTR記録再生部3からの再生(出力)信号であることを認識することができる。
【0038】
一方、DVD−R/RW記録再生部5に挿入されたDVD−R/RWに記録されている情報をVTRにダビングする場合には、例えば、VTR側表示パネル/LED11aにおいて、“DVD”と表示される(L15)。DVD−R/RW記録再生部5に挿入された記憶媒体がビデオCDであれば、例えば“VCD”と、一般的なCDであれば“CD”と、表示される。表示の態様は、必ずしも文字のみでなくても良く、ユーザが認識可能であれば良い。尚、記録メディアの種類に代えて、或いは、記録メディアの種類とともに、記録メディアに記録されている記録形態(属性情報)を表示しても良い。例えば、VCDであれば、“AVI”、“MPEG1”、“DVDであれば、”MPEG2”、音楽CDであれば、“WAV”、“MP3”などと表示させても良い。
【0039】
本実施の形態による記録再生装置を用いると、ダビング起動時における再生機器側内において再生される記録メディアの種類などの属性情報をユーザが知ることができるため、ダビングの際のメディアの間違えを未然に防止することができ、特に種々の記録メディアの種類や記録形態に対応可能な記録再生複合機においては極めて有効な表示をさせることができる。
【0040】
尚、予めダビングが可能な記録形態をメモリに記憶させておき、記録側のメディアが表示されている再生側のメディアの記録形態(再生側の記録形態)に対応していない場合には、メモリの内容を参照した制御部の指示により、その旨の注意を喚起するような表示を行わせても良い。
【0041】
次に、本発明の第3の実施の形態による記録再生複合機について説明する。本実施の形態による記録再生複合機も、その基本構成は第1及び第2の実施の形態による記録再生複合機と同様であり、従って、図1及び図2と、図3又は図4に対応する図5と、を参照して説明を行う。一般的に、記録再生複合機においては、映像信号や音声信号が記録/再生される。ここで、記録メディアのフォーマットにより記録準備時間が規定されており、記録メディアにより記録準備時間が異なる場合が多い。例えば、DVD−Rフォーマットの場合、DVDの録画準備(例えば、録画に関する記録を行う)に最大10秒間のインターバル期間が必要なため、VTRからDVDへのダビング時に、VTRの再生が10秒間経過後にDVDの録画が開始され、ダビングしたい情報の頭の部分がDVDに録画されない場合がある。DVD−RWフォーマットの場合では、インターバル期間は最大1秒程度である。この点で、高速に立ち上がるハードディスクドライブとはかなり異なる。
【0042】
そこで、本実施の形態による記録再生複合機における制御部41は、記録側の機器、例えば、DVD−R/RW記録再生部5の記録準備が完了した旨を知らせる記録スタンバイOK信号(L21)を、DVD−R/RW記録再生部5が制御部41に出力し、制御部41は、記録スタンバイOK信号を受けた後にVTR記録再生部3に対して再生開始命令(L22)を出力するとともに、その後に、DVD−R/RW記録再生部5に対して録画開始命令(L23)を出力する。
【0043】
これにより、実際にDVD−R/RW記録再生部5が記録動作を行う準備が整った後に、VTR記録再生部3による再生処理とDVD−R/RW記録再生部5による記録処理とが開始され再生処理と記録処理との自動的な位相合わせにより再生/記録のタイミングを合わせることができる。従って、再生と記録の位相合わせが簡単にでき、例えば、再生情報の頭の部分が実際の記録メディアには記録されないというような問題が解消する。特に、上記の動作を自動的に行えば、ユーザには意識させずに処理を進めることができる。その後は、例えば第1の実施の形態と同様にダビング処理が行われるとともに、例えば、信号経路L24−1〜5までの経路を経て、記録されている側の信号を出力再生部45に出力すれば、ユーザは記録情報を確認することができる。
【0044】
尚、スタンバイOK信号は、DVD−R/RW記録再生部5の特性、記録メディアの特性などにより異なる場合があるため、それに合わせて信号を識別できるように構成するのが好ましい。
【0045】
次に、本発明の第4の実施の形態による記録再生複合機について説明する。本実施の形態による記録再生複合機も、その基本構成は第1及び第2の実施の形態による記録再生複合機と同様であり、従って、図1及び図2と、図3〜図5に対応する図6と、を参照して説明を行う。一般的に、記録再生複合機においては、映像信号や音声信号を記録/再生する。ここで、再生側の機器の仕様などにより、再生準備時間が異なる場合も多い。例えば、VTRの場合、サーボモータの安定化のために例えば最大で10秒程度の時間が必要になる。VTRによる再生準備が完了する前に記録側のDVD−Rによる記録処理が開始されてしまうと、VTRによる再生準備期間だけダビングしたい情報がDVD−R(W)に記録できないという問題が生じる。
【0046】
そこで、図6に示すように、本実施の形態による記録再生複合機における制御部41においては、再生側の機器、例えばVTR記録再生部3が、再生準備が完了した旨を知らせる再生スタンバイOK信号を制御部41に対して出力し(L31)、制御部41は、この再生スタンバイOK信号を受けた後に、VTR記録再生部3に対して再生開始命令(L32)を出力するとともに、DVD−R/RW記録再生部5に録画開始命令を出力する(L33)。
【0047】
これにより、実際にVTR記録再生部3が再生動作を行う準備が整った後に、VTR記録再生部3による再生処理と、DVD−R/RW記録再生部5による記録処理と、が開始されるため、再生処理と記録処理との自動的な位相合わせにより再生/記録のタイミングを合わせることができ、再生情報の頭の部分が実際の記録メディアには記録されないという問題を解決することができる。特に、上記の動作を自動的に行えば、ユーザには意識させずに処理を進めることができる。その後は、例えば第1の実施の形態と同様にダビング処理が行われるとともに、例えば、信号経路L34−1〜5までの経路を経て、記録されている側の信号を出力再生部45に出力させれば、ユーザは記録情報を確認することができる。
【0048】
次に、本発明の第5の実施の形態による記録再生複合機について説明する。本実施の形態による記録再生複合機も、その基本構成は第1から第4までの各実施の形態による記録再生複合機と同様であり、従って、図1から図2及び図3〜図6までに対応する図7と、を参照して説明を行う。第3の実施の形態と第4の実施の形態においても説明したように、記録側の記録準備時間と再生側の再生準備時間とが異なる場合も多い。例えば、DVD−RWでは記録準備までに要する時間は1秒程度であり、VTRの場合、例えばサーボモータの安定化のために最大で10秒程度の時間が必要になる。このように、記録側の記録準備時間と再生側の再生準備時間とが異なる場合に、例えば、VTRによる再生準備が完了する前に記録側のDVD−RWによる記録処理が開始されてしまうと、VTRによる再生準備期間だけダビングしたい情報がDVD−RWに記録できないという問題が生じる。
【0049】
そこで、本実施の形態による記録再生複合機における制御部41においては、再生側の機器、例えば、VTR記録再生部3が、VTR記録再生部3の再生準備が完了した旨を知らせる再生スタンバイOK信号を制御部41に出力し(L41)、DVD−R/RW記録再生部5の記録準備が完了した旨を知らせる記録スタンバイOK信号を、DVD−R/RW記録再生部5が制御部41に出力し(L42)、制御部41は、再生スタンバイOK信号と記録スタンバイ信号との両方を受けた後に、VTR記録再生部3に対して再生開始命令を出力するとともに(L43)、DVD−R/RW記録再生部5に対して録画開始命令を出力する(L44)。これらの一連の動作は自動的に行われるのが好ましい。
【0050】
これにより、実際にVTR記録再生部3が再生動作とDVD−R/RW記録再生部5の記録動作との両方の準備が整った後に、VTR記録再生部3による再生処理とDVD−R/RW記録再生部5による記録処理とが開始されるため、再生処理と記録処理との自動的な位相合わせができるため再生/記録のタイミングを合わせることができ、再生情報の頭の部分が実際の記録メディアには記録されないという問題を解決することができる。
【0051】
その後は、例えば第1の実施の形態と同様にダビング処理が行われるとともに、例えば、信号経路L40−1〜5までの経路を経て、記録されている側の信号を出力再生部45に出力すれば、ユーザは記録情報を確認することができる。
【0052】
次に、本発明の第6の実施の形態による記録再生複合機について、第5の実施の形態と同様に、図1、2と、図7と、を参照して説明する。本発明の第3〜5の実施の形態による記録再生複合機においては、VTR記録再生部3の再生準備完了又はDVD−R/RW記録再生部5の記録準備完了までダビングの実行を遅延させることになる。例えば、ユーザがリモコン装置15のダビング開始キー15dを押した後に、実際のダビング動作が開始するまでに、最大で10秒程度の時間が必要になる。この間、ダビング開始キー15d(図2)を押したが実際に機器がダビング開始動作状態に入っているか否かを、ユーザは知ることができないと、ユーザが再びダビング開始キー15dを押してしまう可能性もある。一般的には、このダビング開始キー15dは、ダビング処理の開始と終了とのボタンを兼ねているため、例えばダビング開始動作状態において再度ダビング開始キー15dが押されると、ダビング開始動作状態が解除される仕様の場合には、ダビング処理自体が終了してしまう場合が多い。
【0053】
そこで、本実施の形態による記録再生複合機においては、ユーザがダビング開始キー15dを押すことによりR/C受光部12を介して制御部41においてダビング処理命令が受け付けられ、実際にダビング開始状態に入っている場合には、VTR記録再生部3又はDVD−R/RW記録再生部5の少なくとも何れか一方が実際に動作していない場合であっても、機器がユーザのダビング開始指令を受け付けた旨をユーザに報知する。例えば、ダビング開始キー15dが押されたことを制御部41が検知すると、制御部41は、VTR記録再生部3とDVD−R/RW記録再生部5とに対して、再生準備又は録画準備を行うように命令を行うと共に(L41,L42)、VTR側表示パネル/LED11a又はDVD−R/RW側表示パネル/LED11bに対して、ダビング処理の準備を開始している状態である旨の表示を行うように指示する(L43、L44)。この指示に従い、表示部45aに表示する。尚、VTR側表示パネル/LED11a又はDVD−R/RW側表示パネル/LED11bの少なくともいずれか一方に上記の表示をしても良い。
【0054】
この表示を確認することにより、ユーザは、VTR記録再生部3とDVD−R/RW記録再生部5が動作を開始していなくても、現在、ダビング命令が正常に受け付けられ実行の準備がなされている状態であることを知ることができるため、ユーザは、自分が再びダビング開始キー15dを押す必要はないことを認識することができる。
【0055】
その後は、例えば第1の実施の形態と同様にダビング処理が行われるとともに、例えば、信号経路L40−1〜5までの経路を経て、記録されている側の信号を出力再生部45に出力すれば、ユーザは記録情報を確認することができる。
【0056】
尚、上記ダビング準備中である旨の表示に代えて又はこの表示とともに、ダビング準備中は、ユーザからのダビング開始キー15dによる指示を制御部41が受け付けないように設定しておいても良い。表示又は受付を禁止する期間としては、ダビング開始キー15dを押してから実際に再生処理が開始するまでの期間であれば良い。
【0057】
以上説明したように、本発明の各実施の形態による記録再生複合機によれば、一方の記録再生部から他方の記録再生部にダビングする場合における種々の問題点を解決することができる。
【0058】
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。媒体としては、CD−R(W)、DVD−R/RW、DVD−RAM、MD、不揮発性メモリカード、ハードディスクカードなどの種々の記録再生可能な情報記録媒体に適用可能である。媒体の種類などにより仕様が変更されたとしても、本発明の技術思想の範囲内において本発明の思想が適用可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、記録再生複合機に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態による記録再生複合機の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態による記録再生複合機に制御を行うリモートコントロール装置の概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による記録再生複合機の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による記録再生複合機の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による記録再生複合機の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による記録再生複合機の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の第5及び第6の実施の形態による記録再生複合機の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
A…記録再生複合機、1…箱体、3…VTR記録再生部、5…DVD−R/RW記録再生部、7…各種スイッチ部、11a…VTR側表示パネル/LED、11b…DVD−R/RW側表示パネル/LED、12…リモコン受光部、15…リモートコントロール装置、31a…外部入力インターフェイス部、31…チューナ部、33…内部入力スイッチ、35…外部出力スイッチ、37…出力端子、41…制御部、45…出力再生部、45a…表示部、45b…スピーカ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、
複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング起動時に、前記第2の情報記録再生部が記録可能な状態になったか否かを検知し、記録可能な状態になった旨を検知した時点で前記第1の情報記録再生部を再生処理可能状態にし、前記第1の情報記録再生部が再生可能な状態になったか否かを検知し、再生可能な状態になった旨を検知した時点で、前記第2の情報記録再生部を記録処理が可能な状態にする制御を行う制御部を有する記録再生複合機。
【請求項2】
さらに、前記制御部は、再生処理可能状態になった前記第1の情報記録再生部に対して再生処理の開始が指示された後に、前記第2の情報記録再生部に対する録画処理の開始も指示するように制御を行い、録画処理が可能な状態になった前記第2の情報記録再生部に対して録画処理の開始が指示された後に、前記第1の情報記録再生部の再生処理の開始も指示するように制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録再生複合機。
【請求項3】
情報の記録と再生とが可能な情報記録再生部を複数内蔵する記録再生複合機であって、
複数の前記記録再生部間における記録再生処理を制御する制御部であって、第1の情報記録再生部から該第1の情報記録再生部と異なる第2の情報記録再生部への情報のダビング処理における少なくとも外部からのダビング開始指示を受け付けてから実際のダビング処理が実行されるまでの準備期間中、ダビング処理の準備中である旨を報知する出力を行うための制御を行う制御部を有する記録再生複合機。
【請求項4】
前記制御部は、前記準備期間中、他の処理に関する指示の受付けを禁止する制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録再生複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−73181(P2007−73181A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300232(P2006−300232)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【分割の表示】特願2003−18436(P2003−18436)の分割
【原出願日】平成15年1月28日(2003.1.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】